(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-02
(45)【発行日】2023-05-15
(54)【発明の名称】三次元メモリデバイス及び三次元メモリシステム
(51)【国際特許分類】
H10B 43/27 20230101AFI20230508BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20230508BHJP
H01L 29/788 20060101ALI20230508BHJP
H01L 29/792 20060101ALI20230508BHJP
H10B 43/50 20230101ALI20230508BHJP
【FI】
H10B43/27
H01L29/78 371
H10B43/50
(21)【出願番号】P 2021545724
(86)(22)【出願日】2019-03-01
(86)【国際出願番号】 CN2019076717
(87)【国際公開番号】W WO2020177023
(87)【国際公開日】2020-09-10
【審査請求日】2021-09-13
(73)【特許権者】
【識別番号】519237948
【氏名又は名称】長江存儲科技有限責任公司
【氏名又は名称原語表記】Yangtze Memory Technologies Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.88 Weilai 3rd Road,East Lake High-tech Development Zone,Wuhan,Hubei,China
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【氏名又は名称】新居 広守
(72)【発明者】
【氏名】リウ・ジュン
(72)【発明者】
【氏名】シュエ・レイ
【審査官】脇水 佳弘
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0206896(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0179660(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0077108(US,A1)
【文献】特開2018-152419(JP,A)
【文献】特開2015-097245(JP,A)
【文献】特開2014-183084(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0206898(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10B 43/27
H01L 21/336
H10B 43/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
それぞれが前記基板の上側でメモリ領域内に垂直方向に延在する複数のメモリストリングと、
前記複数のメモリストリングの上方の複数のビット線であって、前記複数のビット線のうちの少なくとも1本が、前記複数のメモリストリングのうちの1つに電気的に接続されている、複数のビット線と、
を備え
、
前記複数のメモリストリングが、前記メモリ領域の第1の横方向及び第2の横方向に沿って延在するアレイに配置され、前記第1の横方向は前記第2の横方向に対して垂直であり、また、
前記複数のビット線は、前記第1の横方向に沿って配置され、かつ前記第2の横方向に沿って互いに平行となるように延在し、
平面視で、チャネルピッチ内の前記ビット線が等間隔に配置され、前記第1の横方向に沿ったビット線ピッチが名目上、前記チャネルピッチのN分の1に等しく、Nは前記チャネルピッチ内の前記ビット線の本数に等しく、Nが6以上であり、
前記第1の横方向における前記複数のビット線のそれぞれの長さは、前記第1の横方向における隣り合う前記ビット線の間の距離よりも短い、
三次元(3D)メモリデバイス。
【請求項2】
前記複数のメモリストリングの1つ1つが、前記複数のビット線のうちの異なる1本に電気的に接続されている、請求項1に記載の3Dメモリデバイス。
【請求項3】
前記メモリ領域の境界に沿って横方向に延在する少なくとも1つのスリット構造をさらに備える、請求項2に記載の3Dメモリデバイス。
【請求項4】
前記平面視で、前記第1の横方向に沿って
前記チャネルピッチに配置されるビット線の本数が、前記第2の横方向に沿って前記ビット線に電気的に接続されるメモリストリングの個数に等しい、
請求項3に記載の3Dメモリデバイス。
【請求項5】
前記アレイが、それぞれが前記第1の
横方向に沿って横方向に延在する2つのスリット構造の間に配置され、また、
前記平面視で、前記チャネルピッチに配置される前記ビット線の本数が、前記チャネルピッチ内に、かつ前記2つのスリット構造の間に配置される前記メモリストリングの個数に等しい、
請求項4に記載の3Dメモリデバイス。
【請求項6】
前記アレイが、前記第2の横方向に沿って少なくとも6つのストリング行を含む、請求項
5に記載の3Dメモリデバイス。
【請求項7】
Nが正の偶数である、請求項
6に記載の3Dメモリデバイス。
【請求項8】
前記複数のメモリストリングがそれぞれ、チャネル構造と、前記チャネル構造の上方にあるドレインと、を含み、前記ドレインがそれぞれのビット線に電気的に接続されている、請求項1
から7のいずれか一項に記載の3Dメモリデバイス。
【請求項9】
横方向に延在し、前記複数のメモリストリングと交差している、交互に配置された複数の導電体層及び絶縁層をさらに備え、
前記メモリ領域にカット構造
が形成されておらず、
前記メモリ領域がフィンガであり、また、
第1の導電体層が、前記メモリ領域で自身が延在する方向に沿って連続的に延在している、請求項1
から8のいずれか一項に記載の3Dメモリデバイス。
【請求項10】
基板と、
平面視で第1の横方向及び第2の横方向に沿って延在する
アレイに配置される複数のメモリストリングであって、前記複数のメモリストリングのそれぞれが、前記基板の上側でメモリ領域内に垂直方向に延在している、複数のメモリストリングと、
前記複数のメモリストリングの上方で前記第2の横方向に沿って延在する複数のビット線であって、前記複数のビット線が名目上、互いに平行である、複数のビット線と、
前記平面視で前記複数のメモリストリングの少なくとも1つと重なり、かつ前記第2の横方向に沿って、前記複数のメモリストリングを第1の部分と第2の部分とに分割しているカット構造と、を備え、前記複数のメモリストリングの少なくとも1つの上側にあるビット線の本数が少なくとも3本であ
り、
前記複数のメモリストリングの前記第1の部分と前記第2の部分とが、前記第2の横方向に沿って同数のストリング行を含み、前記第1の横方向に沿って同数のストリング列を含み、また、
前記複数のビット線の1本1本が、前記第1の部分の1つのメモリストリングと、前記第2の部分の別の1つのメモリストリングとに電気的に接続され、
前記複数のメモリストリングが、前記第1の横方向及び前記第2の横方向に沿って延在するアレイに配置され、前記第1の横方向は前記第2の横方向に対して垂直であり、
前記第1の部分及び前記第2の部分のそれぞれが、前記第2の横方向に沿ってN本のストリング行を含み、
チャネルピッチが、前記第1の横方向に沿って配置されたN本のビット線を含み、また、
前記平面視で、前記チャネルピッチ内の前記ビット線が等間隔に配置され、前記第1の横方向に沿ったビット線ピッチが名目上、前記第1の横方向に沿った前記チャネルピッチのN分の1であり、Nが少なくとも6に等しく、
前記第1の横方向における前記複数のビット線のそれぞれの長さは、前記第1の横方向における隣り合う前記ビット線の間の距離よりも短い、
三次元(3D)メモリデバイス。
【請求項11】
前記複数のメモリストリングの前記第1の部分及び前記第2の部分のそれぞれが、前記第2の横方向に沿って偶数のストリング行を含む、
請求項
10に記載の3Dメモリデバイス。
【請求項12】
Nが正の偶数である、請求項
11に記載の3Dメモリデバイス。
【請求項13】
前記複数のメモリストリングがそれぞれ、チャネル構造と、前記チャネル構造の上方にあるドレインと、を含み、前記ドレインがそれぞれのビット線に電気的に接続されている、請求項
10から12のいずれか一項に記載の3Dメモリデバイス。
【請求項14】
基板の上方の絶縁構造内に交互に配置された複数の導電体層及び絶縁層を含むメモリスタックと、
平面視でメモリ領域の第1の横方向及び第2の横方向に沿って
延在するアレイに配置され、前記メモリスタック内に延在する複数のメモリストリングであって、前記複数のメモリストリングのそれぞれが、前記基板内に垂直方向に延在している、複数のメモリストリングと、
前記複数のメモリストリングの上方にあり、前記複数のメモリストリングに電気的に接続されている複数のビット線であって、前記複数のビット線のうちの少なくとも1本が、前記複数のメモリストリングのうちの1つに電気的に接続されている、複数のビット線と、
前記メモリ領域の境界に沿って横方向に延在する少なくとも1つのスリット構造と、
前記複数のメモリストリングに電気的に接続されている複数の周辺デバイスと、を備え、
前記複数のメモリストリングの1つ1つが、前記複数のビット線のうちの異なる1本に電気的に接続され、
前記第1の横方向は前記第2の横方向に対して垂直であり、また、
前記複数のビット線は、前記第1の横方向に沿って配置され、かつ前記第2の横方向に沿って互いに平行となるように延在し、
平面視で、前記第1の横方向に沿ってチャネルピッチに配置されるビット線の本数が、前記第2の横方向に沿って前記ビット線に電気的に接続されるメモリストリングの個数に等しく、
前記アレイが、それぞれが前記第1の横方向に沿って横方向に延在する2つのスリット構造の間に配置され、また、
平面視で、前記チャネルピッチに配置される前記ビット線の本数が、前記チャネルピッチ内に、かつ前記2つのスリット構造の間に配置される前記メモリストリングの個数に等しく、
前記平面視で、前記チャネルピッチ内の前記ビット線が等間隔に配置され、前記第1の横方向に沿ったビット線ピッチが名目上、前記チャネルピッチのN分の1に等しく、Nは前記チャネルピッチ内の前記ビット線の本数に等しく、Nが6以上であり、
前記第1の横方向における前記複数のビット線のそれぞれの長さは、前記第1の横方向における隣り合う前記ビット線の間の距離よりも短い、
三次元(3D)メモリシステム。
【請求項15】
前記メモリ領域にカット構造
が形成されておらず、
前記メモリ領域がフィンガであり、また、
第1の導電体層が、前記メモリ領域で自身が延在する方向に沿って連続的に延在している、請求項
14に記載の3Dメモリシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、メモリデバイス及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
メモリセルなどのプレーナ型半導体デバイスは、プロセス技術、回路設計、プログラミングアルゴリズム、及び製造プロセスを改良することにより、小型化されている。しかしながら、こうした半導体デバイスのフィーチャサイズが下限に近づくにつれ、プレーナ処理及び製造技術の難易度が高くなり、またコストがかかるようになる。三次元(3D)デバイスアーキテクチャにより、一部のプレーナ型半導体デバイス、例えばフラッシュメモリデバイスの密度制限に対処することができる。
【発明の概要】
【0003】
本明細書では、3Dメモリデバイス及びその製造方法の実施形態を開示している。
【0004】
一例では、本3Dメモリデバイスは、基板と、それぞれがこの基板の上側でメモリ領域内に垂直方向に延在する複数のメモリストリングと、これら複数のメモリストリングの上方の複数のビット線と、を備える。これら複数のビット線のうちの少なくとも1本は、複数のメモリストリングのうちの1つに電気的に結合されている。
【0005】
別の例では、本3Dメモリデバイスは、基板と、平面視で第1の横方向及び第2の横方向に沿って延在する複数のメモリストリングと、を備える。これら複数のメモリストリングのそれぞれは、この基板の上側でメモリ領域内に垂直方向に延在している。本3Dメモリデバイスは、複数のメモリストリングの上方で第2の横方向に沿って延在する複数のビット線をさらに備える。これら複数のビット線は名目上、互いに平行である。本3Dメモリデバイスは、平面視で複数のメモリストリングの少なくとも1つと重なり、かつ第2の横方向に沿って、これら複数のメモリストリングを第1の部分と第2の部分とに分割しているカット構造をさらに備える。これら複数のメモリストリングの少なくとも1つの上側にあるビット線の本数は、少なくとも3本である。
【0006】
さらに別の例では、本3Dメモリシステムは、メモリスタックと、複数のメモリストリングと、複数のビット線と、複数の周辺デバイスと、を備える。メモリスタックは、基板の上方の絶縁構造内に交互に配置された複数の導電体層及び絶縁層を含む。複数のメモリストリングは、平面視でメモリ領域の第1の横方向及び第2の横方向に沿ってメモリスタック内に延在し、これら複数のメモリストリングのそれぞれは、基板内に垂直方向に延在している。複数のビット線は、これら複数のメモリストリングの上方にあり、これら複数のメモリストリングに電気的に結合されている。いくつかの実施形態では、これら複数のビット線のうちの少なくとも1本は、複数のメモリストリングのうちの1つに電気的に結合されている。複数の周辺デバイスは、これら複数のメモリストリングに電気的に結合されている。
【0007】
さらに別の例では、本3Dメモリシステムは、メモリスタックと、複数のメモリストリングと、カット構造と、複数のビット線と、複数の周辺デバイスと、を備える。メモリスタックは、基板の上方の絶縁構造内に交互に配置された複数の導電体層及び絶縁層を含む。複数のメモリストリングは、平面視で第1の横方向及び第2の横方向に沿ってメモリスタック内に延在し、これら複数のメモリストリングのそれぞれは、基板内に垂直方向に延在している。カット構造は複数のメモリストリングの少なくとも1つと平面視で重なり、かつ第2の横方向に沿って、これら複数のメモリストリングを第1の部分と第2の部分とに分割している。複数のビット線は、これら複数のメモリストリングの上方にあり、これら複数のメモリストリングに電気的に結合されている。これら複数のビット線はそれぞれ、互いに平行である。これら複数のメモリストリングの少なくとも1つの上側にあるビット線の本数は、少なくとも3本である。複数の周辺デバイスは、これら複数のメモリストリングに電気的に結合されている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本明細書に取り入れられて本明細書の一部を形成している添付の図面は本開示の実施形態を例示しており、本明細書と共に本開示の原理を説明し、当業者による本開示の製造及び使用を有効にする役割をさらに果たしている。
【
図2】本開示のいくつかの実施形態による、典型的な3Dメモリデバイスの平面図を示す。
【
図3】本開示のいくつかの実施形態による、典型的な3Dメモリデバイスの平面図を示す。
【
図4】本開示のいくつかの実施形態による、典型的な3Dメモリデバイスの平面図を示す。
【
図5A】本開示のいくつかの実施形態による、典型的な製造プロセスの一段階における3Dメモリデバイスの断面図を示す。
【
図5B】本開示のいくつかの実施形態による、典型的な製造プロセスの一段階における3Dメモリデバイスの断面図を示す。
【
図5C】本開示のいくつかの実施形態による、典型的な製造プロセスの一段階における3Dメモリデバイスの断面図を示す。
【
図6】本開示のいくつかの実施形態による、3Dメモリデバイスを形成するための典型的な方法のフローチャートである。
【
図7】本開示のいくつかの実施形態による、典型的な3Dメモリデバイスを有する典型的なメモリシステムの断面図を示す。
【0009】
本開示の実施形態を、添付の図面を参照しながら説明する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
特定の構成及び配置について述べているが、例示のみを目的としてこれを行っていることを理解すべきである。当業者であれば、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、他の構成及び配置が使用できることを認識するであろう。本開示を他の種々の用途にも使用できることは、当業者には明らかであろう。
【0011】
なお、本明細書において、「一(one)実施形態」、「一(an)実施形態」、「一例の(an example)実施形態」、「いくつかの(some)実施形態」などへ言及する場合、記載している実施形態が特定の特徴、構造、又は特性を含み得ることを示しているが、全ての実施形態がその特定の特徴、構造、又は特性を必ずしも含み得るとは限らない。また、そのような語句が必ずしも同じ実施形態を指しているとは限らない。さらに、特定の特徴、構造、又は特性を一実施形態に関連して記載している場合、これらを明示的に記載しているかどうかにかかわらず、そのような特徴、構造、又は特性が他の実施形態との関連においても有効であることは、当業者に知られていると考えられる。
【0012】
通常、用語法はその文脈での使用状況から少なくとも部分的に理解され得る。例えば、本明細書で「1つ又はそれ以上の(one or more)」という用語を使用する場合、文脈に少なくとも部分的に依存して、これを使用して任意の特徴、構造、又は特性を単数の意味で表してもよいし、これを使用してこうした特徴、構造又は特性の組み合わせを複数の意味で表してもよい。同様に「1つの(a)」、「1つの(an)」、又は「その(the)」などの用語を、ここでも文脈に少なくとも部分的に依存して、単数形の用法を表していると理解してもよいし、複数形の用法を表していると理解してもよい。また、「based on(に基づいて/を基に)」という用語は、排他的な一連の要因を表すことを必ずしも意図していないと理解され、その代わりに、ここでも文脈に少なくとも部分的に依存して、必ずしも明示的に記載されていない別の要因が存在できるようにしている可能性がある。
【0013】
本開示における「上(on)」、「上側(above)」、及び「上方(over)」の意味について、「上(on)」が何かの「上に直接ある」ことを意味するだけでなく、それらの間に中間の特徴部又は層を伴って何かの「上にある」という意味を含み、また「上側(above)」又は「上方(over)」が何かの「上側にある」若しくは「上方にある」ことを意味するだけでなく、それらの間に中間の特徴部又は層を何ら伴わずに何かの「上側にある」又は「上方にある」(すなわち、何かの上に直接ある)という意味をも含み得るように、最も広義の意味で解釈すべきであることは容易に理解されるべきである。本明細書で使用する場合、「上方(over)」及び「上側(above)」という用語は、ビット線とメモリストリングとの間の空間的関係を説明するために使用される。いくつかの実施形態では、「メモリストリングの上方のビット線」などの記載や類似の記載は、ビット線がメモリストリングの上方に緩やかに重なっているような空間的関係を指し、また、このビット線及びメモリストリングの直交投影は、側面上で重なっていても、重なっていなくてもよい。いくつかの実施形態では、「メモリストリングの上側のビット線」などの記載や類似の記載は、このビット線及びメモリストリングの直交投影が、側面上で少なくとも部分的に重なっているような空間的関係を指す。
【0014】
さらに、「下(beneath)」、「下側(below)」、「下部(lower)」、「上側(above)」、及び「上部(upper)」などの空間的な相対語を、図面に示しているある要素又は特徴と別の要素(複数可)又は特徴(複数可)との関係を表す際、説明を簡単にするために本明細書で用いてもよい。これらの空間的な相対語は、図面に示している向きに加えて、使用中又は動作中のデバイスの種々の向きをも包含することが意図されている。本装置を他の方向に向けてもよく(90度又は他の方位に回転させて)、また本明細書で使用している空間的な相対記述子を、それに応じて同様に解釈してもよい。
【0015】
本明細書で使用する場合、「基板」という用語は、後続の材料層がその上に付加される材料を指す。この基板自体をパターン化することができる。基板の上部に付加される材料をパターン化することも、パターン化しないままにすることもできる。さらに、基板は、シリコン、ゲルマニウム、ヒ化ガリウム、リン化インジウムなどの幅広い半導体材料を含み得る。あるいは、この基板を、ガラス、プラスチック、又はサファイアウェハなどの非導電性材料から作製することもできる。
【0016】
本明細書で使用する場合、「層」という用語はある厚さを有する領域を含む材料部分を指す。層は、下にあるか若しくは上にある構造の全体にわたって延在し得、又はその範囲が、下にあるか若しくは上にある構造の範囲よりも狭くなる可能性がある。また層を、その厚さが連続構造の厚さよりも薄い、均一又は不均一な連続構造の領域とすることができる。たとえば、この連続構造の上面と底面との間、又は上面及び底面にある任意の一対の水平面間に層を配置することができる。層は水平方向に、垂直方向に、かつ/又はテーパ面に沿って延在し得る。基板は層であり得、その中に1つ又はそれ以上の層を含み得、かつ/又はその上、その上側、及び/若しくはその下側に1つ又はそれ以上の層を有し得る。1つの層は複数の層を含み得る。たとえば、相互接続層は1つ又はそれ以上の導電体層及びコンタクト層(その中に相互接続線、及び/又はヴィアコンタクトが形成される)と、1つ又はそれ以上の誘電体層と、を含み得る。
【0017】
本明細書で使用する場合、「名目の/名目上」という用語は、製品又はプロセス設計段階で設定される構成要素若しくはプロセス工程の特性又はパラメータにおいて、希望値を上回り、かつ/又は下回る範囲の値も含めて希望値又は目標値を指すものである。値に幅があるのは、製造プロセス又は製造公差にわずかな変動が生じることに起因している可能性がある。本明細書で使用する場合、「約」という用語は、当該半導体デバイスと関連している特定のテクノロジーノードに基づいて変動する可能性のある、所与の量の値を示す。特定のテクノロジーノードに基づいて、「約」という用語は、たとえば値の10~30%以内で変動する所与の量の値を示し得る(たとえば、その値の±10%、±20%、又は±30%)。
【0018】
本明細書で使用する場合、「3Dメモリデバイス」という用語は、メモリストリングが基板に対して垂直方向に延在するように、メモリセルトランジスタのストリング(NANDメモリストリングなど、本明細書では「メモリストリング」と呼んでいる)が横向きの基板上に垂直方向に配置されている半導体デバイスを指す。本明細書で使用する場合、x方向(又はx軸)及びy方向(又はy軸)は、2つの直交する横方向を表す。本明細書で使用する場合、z方向(又はz軸)は、x方向及びy方向に垂直な方向/軸を表す。本明細書で使用する場合、「垂直方向の/垂直方向に」という用語は、基板の側面に対して名目上垂直であることを意味する。
【0019】
本開示では、構成要素(例えば、ビット線及びメモリストリング)間の電気的かつ空間的関係を図示するために、平面視を用いている。いくつかの実施形態では、
図2~
図4に示すように、ビット線とメモリストリングとの接続は、メモリストリングの上部(例えば、ドレイン)とビット線との平面視での接続として図示している。
【0020】
3Dメモリデバイスでは、データアクセスやデータ記憶を行うために、GLSがアレイ領域を複数のメモリ領域(例えば、フィンガ)へと分割している。アレイとして配置されることが多いメモリストリングは、メモリ領域に分散配置され、読出し、書込み、及び消去などの様々なデータ操作を行うためのメモリセルを形成している。メモリストリングは多くの場合、チャネル構造と、チャネル構造の上方のメモリストリングの上部にあるドレインと、チャネル構造下側のメモリストリングの下部にあるソースと、を含む。このソースは、メモリ領域におけるメモリストリングのアレイ共通ソース(array common source:ACS)の一部であるか、又はこれに電気的に接続されている。チャネル構造の上方及びGLSを横切って平行に、ビット線が配置されている。ドレインは、ビット線のうちの1本に電気的に接続されている。メモリ領域は多くの場合、メモリ領域を2つの均等なサブ領域(例えば、ページ)へと分割している上部選択ゲートカット(TSG カット、多くの場合、誘電体材料を含む)を含む。ビット線は、一度に1つのページのメモリセルでデータ操作を行うことができるように、1つのページで1つのメモリストリングと、他のページで別のメモリストリングとに電気的に接続されている。ビット線ピッチ(例えば、隣り合う2本のビット線間の横方向間隔)が名目上、チャネルピッチ(例えば、隣り合うチャネル構造間又は隣り合うメモリストリング間の横方向間隔)の4分の1に等しくなるように、各ページにおいて、平面視では、4本のビット線がチャネルピッチに配置されることが多い。
【0021】
図1は、3Dメモリデバイス100の平面図を示す。
図1に示すように、3Dメモリデバイス100では、複数のメモリストリング108(例えば、108-1、108-2、及び108-3)が、メモリ領域110(例えば、メモリフィンガ)の第1の横方向(例えば、x方向)及び第2の横方向(例えば、y方向)に沿って延在するアレイとして分散配置されている。メモリストリング108は、交互に配置された導電体層及び絶縁層で構成されるメモリスタック103内に、垂直方向及び横方向に延在している。GLS 102は第1の横方向に沿って延在し、メモリ領域110を他のデバイス/領域から分離している。TSGカット106は第1の横方向に沿って延在し、メモリ領域110をページ110-1と110-2とに分割している。各ページ110-1又は110-2は、第1の横方向に沿って延在する、4本のストリング行(例えば、メモリストリング108の行)を含む。TSGカット106は、ページ110-1とページ110-2との間のストリング行(例えば、メモリストリング108-3を含む)と平面視で重なっている。複数のビット線104は、メモリ領域110を横切って第2の横方向に沿って延在している。各ビット線104は、ページ110-1のメモリストリング108と、ページ110-2の別のメモリストリング108とに電気的に接続されている。例えば、ビット線104-1は、ページ110-1のメモリストリング108-1と、ページ110-2のメモリストリング108-2とに電気的に接続されている。
【0022】
図1に示すように、チャネルピッチCPは、横方向(例えば、第1の横方向)に沿って隣り合う、2つのメモリストリング108間の横方向間隔を指す。ビット線ピッチP0は、横方向(例えば、第1の横方向)に沿って隣り合う、2本のビット線104間の横方向間隔を指す。平面視では、
図1に示すように、4本のビット線104-1、104-2、104-3、及び104-4がチャネルピッチCPに配置され、各ページ110-1又は110-2の4個のメモリストリングに電気的に接続されている。ビット線ピッチP0は名目上、チャネルピッチCPの4分の1に等しい。
【0023】
3Dメモリデバイス100は、いくつかの欠点を有し得る。例えば、GLS 102間の機能メモリストリング108(又は機能メモリセル)の個数は、TSGカット106によって占有される面積と、各ページ110-1又は110-2内のストリング行の本数によって制限され得る。
図1に示すように、TSGカット106がページ110-1とページ110-2との間に位置していることで、ページ110-1とページ110-2との間に非機能ストリング行(例えば、メモリストリング108-3が位置するストリング行)をもたらしている。所与の時間で、1つのページ(例えば、110-1又は110-2)のチャネルピッチCP内の4個のメモリストリング108にアクセスすることができる。ページ110-1又は110-2のページサイズ(例えば、データ容量)は、名目上チャネルピッチCPの4分の1であるビット線ピッチP0によって制限されている。ページサイズを増大させる1つの方法は、第1の横方向に沿ったメモリストリング108の個数を増加させることである。しかしながら、この手法では、第1の横方向に沿った導電体層の寸法が拡大する可能性があるため、3Dメモリデバイスの読出し時間及び書込み時間の増大を引き起こす恐れがある。
【0024】
本開示による様々な実施形態は、ビット線ピッチを縮小しながら、ビット密度を増大させることにより、メモリ領域内のビット線の本数を増加させる3Dメモリデバイスのアーキテクチャを提供する。本明細書ではビット密度を、単位面積当たりのデータビット(又はデータ容量)の数として定義している。いくつかの実施形態では、チャネルピッチに配置されるビット線はそれぞれ、メモリ領域内の1つのメモリストリングに対して電気的に接続されるため、メモリ領域内にTSGカットを形成する必要はない。それぞれの3DメモリデバイスはTSGカットなしで機能し、メモリ領域のビット密度を増大させることができる。少なくとも6本のビット線が平面視でチャネルピッチに配置されることにより、少なくとも6個のメモリストリングがチャネルピッチに形成される。このアーキテクチャはまた、第1の横方向に沿った導電体層の寸法を望ましくは縮小することができるため、導電体層のRC時定数を低減し、結果として、読出し動作や書込み動作がより高速になる。所与の時間でより多くのメモリストリング(又はメモリセル)にアクセスすることができ、ページサイズが増大し、データスループットも向上する。
【0025】
いくつかの実施形態では、3Dメモリデバイスは、GLS間にある1つ又はそれ以上のTSGカットと、各チャネルピッチに配置され、本数が増加しているビット線と、を備える。このTSGカットは、メモリ領域を2つ又はそれ以上のページへと分割することができる。一実施例として、メモリ領域に2つのページを形成するように、GLS間に1つのTSGカットが形成され、また、6本又はそれ以上のビット線がチャネルピッチに配置され得る。各ビット線は、1つのページの1つのメモリストリングと、他のページの別のメモリストリングとに電気的に接続されてもよい。このアーキテクチャにより、それぞれのページで6本又はそれ以上のストリング行に所与の時間でアクセスすることができ、ビット密度及びページサイズも増大する。同様に、第1の横方向に沿った導電体層の寸法が縮小し得るため、読出し動作や書込み動作がより高速になる。
【0026】
図2は、本開示のいくつかの実施形態による、典型的な3Dメモリデバイス200の平面図を示す。3Dメモリデバイス200は、メモリ領域210(例えば、フィンガ)を有するメモリスタック203と、メモリ領域210の境界に沿った1つ又はそれ以上のスリット構造202(例えば、GLS)と、メモリ領域210内に分散配置された複数のメモリストリング208(NANDメモリストリングなど)と、第2の横方向に沿って、メモリストリング208上に並列配置された複数のビット線204と、を備えていてもよい。ビット線204の少なくとも1本は、1つのメモリストリング208に電気的に接続されている。いくつかの実施形態では、各ビット線204は、異なる1つのメモリストリング208に電気的に接続されている。いくつかの実施形態では、メモリ領域210にTSGカットが形成されていない(例えば、TSGカットがいずれかのメモリストリング208と平面視で重なることがない)。メモリストリング208は、チャネル構造と、メモリストリング208の上部及びこのチャネル構造の上方にあるドレインと、メモリストリング208の下部及びチャネル構造下側にあるソースと、を含む。このソースは、メモリ領域におけるメモリストリング208のACSの一部であるか、又はこれに電気的に接続されている。ドレインは、それぞれのビット線204に電気的に接続されている。さらに図示はしていないが、
図3及び
図4に示すメモリストリング308とメモリストリング408とは、類似又は同一の構造を有する。
【0027】
図2に示すように、メモリストリング208は、第1の横方向及び第2の横方向に沿って延在するアレイに配置されてもよい。メモリストリング208は、第2の横方向に沿った複数のストリング行と、第1の横方向に沿った複数のストリング列とに配置されてもよい。ビット線204は、メモリストリング208上で第2の横方向に沿って延在してもよい。いくつかの実施形態では、チャネルピッチCPは、第2の横方向に沿ってN本のストリング行に配置された、N個のメモリストリングを含む。隣り合うストリング行におけるメモリストリング208は、
図2に示すように、千鳥格子状に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、スリット構造202間にあるチャネルピッチCPに、平面視でN本のビット線が配置されている。N本のビット線のそれぞれは、異なる1つのメモリストリング208に電気的に接続されている。N本のビット線は、チャネルピッチCPに等間隔に配置されている。いくつかの実施形態では、ビット線ピッチP1は名目上、チャネルピッチCPのN分の1に等しい。3Dメモリデバイス200により、メモリ領域210内のメモリストリング208に、データ操作中同時にアクセスできるようになってもよい。3Dメモリデバイス100と比較すると、第1の横方向に沿ったビット線204の横方向寸法が縮小し、チャネルピッチ内のビット線の本数が倍増するため、データスループットが倍増し、ページサイズもそれぞれ2倍に増大する。メモリ領域210にTSGカットが形成されていないため、一実施例では、3Dメモリデバイス200のビット密度が約10%増大し得る。
【0028】
例えば、8本のビット線(例えば、204-1、204-2、204-3、204-4、204-5、204-6、204-7、及び204-8)が平面視でチャネルピッチCPに、8個のメモリストリング(例えば、208-1、208-2、208-3、208-4、208-5、208-6、208-7、及び208-8)の上方で配置され、かつこれらに接続されてもよい。いくつかの実施形態では、各ビット線204は、異なる1つのメモリストリング208に電気的に接続されている。
図2に示すように、ビット線204-1は、メモリストリング208-1に電気的に接続され、ビット線204-2は、メモリストリング208-2に電気的に接続され、...、ビット線204-8は、メモリストリング208-8に電気的に接続される。ビット線204-1、...、204-8は等間隔に配置されてもよく、ビット線ピッチP1は名目上、チャネルピッチCPの8分の1に等しくてもよい。
【0029】
いくつかの実施形態では、各メモリストリング208の上側に4本のビット線204が配置されている。本開示では、メモリストリングの上側にあるビット線は、メモリストリングが側面(例えば、x-y平面)において少なくとも部分的に互いに重なり合うビット線の直交投影を指している可能性がある。例えば、ビット線204-1、204-2、204-3、及び204-4は、メモリストリング208-1、208-2、208-3、及び208-4のそれぞれの上側にあってもよく、また、ビット線204-5、204-6、204-7、及び204-8は、メモリストリング208-5、208-6、208-7、及び208-8のそれぞれの上側にあってもよい。いくつかの実施形態では、ビット線204は、マルチパターニングプロセスによって形成されている。いくつかの実施形態では、チャネルピッチCPに配置されるビット線204の本数は、設計プロセスや製造プロセスに基づいて決定される。チャネルピッチCPに配置されるビット線204の本数は偶数であってもよいし、奇数であってもよい。いくつかの実施形態では、この本数は少なくとも6以上の偶数である。チャネルピッチCPにより多くのビット線204を形成することにより、所与の時間でより多くのメモリストリング208にアクセスすることができ、本3Dメモリデバイスのページサイズが増大する。
【0030】
本アーキテクチャでは、TSGカットの形成は任意である。TSGカットが形成されていない場合、フィンガ幅W1(例えば、第2の横方向に沿ったGLS間の横方向間隔)が縮小する。所与のページサイズでは、メモリストリング208を形成するのに使用するメモリ領域210内の面積を低減することができるため、結果として、フィンガ長さL1(例えば、第1の横方向に沿った1つのフィンガの横方向間隔)が短縮される。したがって、メモリスタック203の導電体層の第1の横方向寸法に沿った寸法が縮小し得、導電体層のRC時定数が低減することになる。デバイス応答時間(例えば、読出し動作や書込み動作などのデータ操作の応答時間)も短縮され得る。
【0031】
図3は、本開示のいくつかの実施形態による、別の3Dメモリデバイス300の平面図を示す。3Dメモリデバイス300は、メモリ領域310(例えば、フィンガ)を有するメモリスタック303と、メモリ領域310の境界に沿った1つ又はそれ以上のスリット構造302(例えば、GLS)302と、メモリ領域310内に分散配置された複数のメモリストリング308(又はメモリストリング308)と、第2の横方向に沿って、メモリストリング308上に並列配置された複数のビット線304と、を備えていてもよい。ビット線304の少なくとも1本は、1つのメモリストリング308に電気的に接続されている。いくつかの実施形態では、各ビット線304は、異なる1つのメモリストリング308に電気的に接続されている。いくつかの実施形態では、メモリ領域310にTSGカットが形成されていない(例えば、TSGカットがいずれかのメモリストリング308と平面視で重なることがない)。
【0032】
3Dメモリデバイス200とは異なり、6本のビット線304(例えば、304-1、304-2、304-3、304-4、304-5、及び304-6)が平面視でチャネルピッチCPに、6個のメモリストリング308(例えば、308-1、308-2、308-3、308-4、308-5、及び308-6)の上方で配置され、かつこれらに電気的に接続されてもよい。例えば、ビット線304-1は、メモリストリング308-1に電気的に接続され、ビット線304-2は、メモリストリング308-2に電気的に接続され、...、ビット線304-6は、メモリストリング308-6に電気的に接続される。ビット線304-1、...、304-6は等間隔に配置されてもよく、ビット線ピッチP2は名目上、チャネルピッチCPの6分の1に等しくてもよい。いくつかの実施形態では、各メモリストリング308の上側に3本のビット線304が配置されている。例えば、ビット線304-1、304-2、及び304-3は、メモリストリング308-1、308-2、及び308-3のそれぞれの上側にあってもよく、また、ビット線304-5、304-6、及び304-7は、メモリストリング308-4、308-5、及び308-6のそれぞれの上側にあってもよい。いくつかの実施形態では、ビット線304は、マルチパターニングプロセスによって形成されている。
【0033】
3Dメモリデバイス100と比較すると、ビット線ピッチP2がチャネルピッチCPの6分の1まで縮小され、またメモリ領域310にTSGカットが形成されていない。メモリ領域310のフィンガ長さL2及びフィンガ幅W2が、両方とも縮小してもよい。全体のページサイズ及びデータは、それぞれ約50%増大し得る。同じページサイズを所与とすれば、導電体層のRC時定数は少なくとも60%低減し得る。いくつかの実施形態では、3Dメモリデバイス300のビット密度は、3Dメモリデバイス100のビット密度と同様である。
【0034】
いくつかの実施形態では、メモリ領域(例えば、フィンガ)210及び310にTSGカットは形成されず、また、導電体層はx方向及び/又はy方向に沿って連続的に延在している。つまり、少なくとも第1の導電体層(例えば、導電体層の最上部の導電体)は、自身が延在する横方向に沿って連続的に延在してもよい。いくつかの実施形態では、第1の導電体層は、自身が延在する横方向に沿って連続的に延在している。いくつかの実施形態では、第1の導電体層の下の1つ又はそれ以上の導電体層は、それらが延在する横方向に沿って連続的に延在している。いくつかの実施形態では、すべての導電体層は、それらが延在する横方向に沿って連続的に延在している。
【0035】
図4は、本開示のいくつかの実施形態による、別の3Dメモリデバイス400の平面図を示す。3Dメモリデバイス400は、メモリ領域410を有するメモリスタック403と、メモリ領域410の境界に沿った1つ又はそれ以上のスリット構造(又はGLS)402と、メモリ領域410内に分散配置された複数のメモリストリング408(又はメモリストリング408)と、第1の横方向に沿って延在するTSGカット406(又はカット構造)と、第2の横方向に沿って、メモリストリング408上に並列配置された複数のビット線404と、を備えていてもよい。TSGカット406は、メモリ領域410を、それぞれがメモリストリング408のアレイの一部を含む、メモリサブ領域(410-1とサブ領域410-2(例えば、メモリページ)とに分割することができる。いくつかの実施形態では、TSGカット406が、第2の横方向に沿ったストリング行と平面視で重なり、かつメモリストリング408のアレイを2つの均等な部分(例えば、同数のメモリストリング408及び/又はメモリストリング408の同一/対称配置を有する2つの部分)へと分割している。
【0036】
いくつかの実施形態では、各ビット線404は、メモリサブ領域410-1の1つのメモリストリング408と、メモリサブ領域410-2の別のメモリストリング408とに電気的に接続されている。同じメモリサブ領域410-1又は410-2内の各メモリストリング408は、異なるビット線404に電気的に接続されてもよい。チャネルピッチCPに平面視でN本のビット線が配置されている。各メモリサブ領域410-1又は410-2(GLS402とTSGカット406との間)のチャネルピッチに配置されるメモリストリング408の個数は、Nに等しくてもよい。Nは少なくとも6であってもよい。いくつかの実施形態では、これらN本のビット線はチャネルピッチCPに等間隔に配置され、ビット線ピッチP3は名目上、チャネルピッチCPのN分の1に等しい。いくつかの実施形態では、メモリ領域410は13のストリング行を含み、メモリサブ領域410-1及び410-2のそれぞれは、第2の横方向に沿って延在する6つのストリング行を含む。いくつかの実施形態では、各メモリストリング408の上側に、平面視でビット線が3本ある。
【0037】
例えば、
図4に示すように、ビット線404-1、404-2、404-3、404-4、404-5、及び404-6はチャネルピッチCPに、かつメモリサブ領域410-1のメモリストリング408-1、408-2、...、及び408-6、並びにメモリサブ領域410-2のメモリストリング408-7、408-8、...、及び408-12の上方に配置されてもよい。ビット線404-1は、メモリストリング408-1及び408-12に電気的に接続されてもよく、ビット線404-2は、メモリストリング408-2及び408-11に電気的に接続されてもよく、ビット線404-3は、メモリストリング408-3及び408-10に電気的に接続されてもよく、ビット線404-4は、メモリストリング408-4及び408-9に電気的に接続されてもよく、ビット線404-5は、メモリストリング408-5及び408-8に電気的に接続されてもよく、ビット線404-6は、メモリストリング408-6及び408-7に電気的に接続されてもよい。いくつかの実施形態では、ビット線404-1、404-2、及び404-3は、メモリストリング408-1、408-2、408-3、408-10、408-11、及び408-12のそれぞれの上側にあってもよい。いくつかの実施形態では、ビット線404-4、404-8、及び404-6は、メモリストリング408-4、408-5、408-6、408-7、408-8、及び408-9のそれぞれの上側にあってもよい。
【0038】
3Dメモリデバイス100と比較すると、ビット線ピッチP3がチャネルピッチCPの6分の1まで縮小され、またメモリ領域410にTSGカットが形成されている。全体のページサイズ及びデータは、それぞれ約50%増大し得る。いくつかの実施形態では、3Dメモリデバイス400のビット密度は、3Dメモリデバイス100と比較して約10%増大する。
【0039】
図5A~
図5Cは、本開示のいくつかの実施形態による、典型的な製造プロセスの様々な段階における3Dメモリデバイスの断面図を示す。
図6は、3Dメモリデバイスを形成するための製造方法600を説明するフローチャートである。動作602~608の特定の順序及び製造方法は種々の設計や製造要件の影響下にあるため、本開示の実施形態によって限定されるべきではない。
図7は、本開示に記載の3Dメモリデバイスを備える、典型的なシステム700(例えば、接合半導体デバイス)である。
【0040】
なお、基板502を有する3Dメモリデバイス及び基板708を有するシステム700における構成要素の空間的関係をさらに示すために、x軸/方向及びy軸/方向が
図5A~
図5C及び
図7に含まれている。基板502及び基板708はそれぞれ、x方向(即ち、横方向)に側方に延在する2つの側面(例えば、上面及び底面)を含む。本明細書で使用する場合、1つの構成要素(例えば、層又はデバイス)が、半導体デバイス(例えば、3Dメモリデバイス又は接合半導体デバイス)の別の構成要素(たとえば、層又はデバイス)の「上」、「上側」、又は「下側」にあるかどうかは、基板がy方向に半導体デバイスの最下平面内に位置決めされたときに、半導体デバイスの基板(例えば、基板502又は基板708)に対してy方向(即ち、垂直方向)に判定される。空間的関係を説明するための同一の概念が、本開示全体にわたって適用されている。
【0041】
図6を参照すると、方法600は、基板上に誘電体スタックが形成される動作602を含む。シリコン(例えば、単結晶シリコン)、シリコンゲルマニウム(SiGe)、ガリウムヒ素(GaAs)、ゲルマニウム(Ge)、シリコン・オン・インシュレータ(SOI)、又は他の任意の適切な材料を含み得る基板。この誘電体スタックは、複数の誘電体層/犠牲層対を含み得る。
【0042】
図5Aに示すように、第1の誘電体層510及び第2の誘電体層(「犠牲層」として知られる)512の複数の対(本明細書では総称して「誘電体層対」と呼んでいる)が、基板502上に形成される。積層された誘電体層対は、誘電体スタック508を形成し得る。いくつかの実施形態では、シリコン酸化膜などの分離層504が、基板502と誘電体スタック508との間に形成される。誘電体スタック508は、犠牲層512と、犠牲層512とは異なる誘電体層510との交互スタックを含み得る。いくつかの実施形態では、各誘電体層対は、窒化シリコンの層と、酸化シリコンの層と、を含む。いくつかの実施形態では、犠牲層512のそれぞれの厚さを、同じとすることもできるし、異なるものとすることもできる。同様に、誘電体層510のそれぞれの厚さを、同じとすることもできるし、異なるものとすることもできる。分離層504及び誘電体スタック508は、化学蒸着(CVD)、物理蒸着(PVD)、原子層蒸着(ALD)、又はそれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない1つ又はそれ以上の薄膜堆積プロセスによって形成され得る。
【0043】
図6に示すように、方法600は動作604に進み、ここで、それぞれが誘電体スタックを貫通して垂直方向に延在する複数のメモリストリングが形成される。
図5Bに示すように、メモリストリング514が基板502上に形成され、これらのメモリストリング514のそれぞれは、誘電体スタック508を貫通して基板502の上側に垂直方向に延在している。いくつかの実施形態では、各メモリストリング514は、その下部及び上部にそれぞれ、下部半導体プラグ506と、上部半導体プラグ507と、を含み得る。下部半導体プラグ506を、メモリストリング514のソース(例えば、それぞれのメモリ領域におけるメモリストリングのACS)の少なくとも一部とすることができる。いくつかの実施形態では、メモリストリング514を形成する製造プロセスは、誘電体スタック508を貫通するチャネルホールをエッチングすることと、このチャネルホールの下部に下部半導体プラグ506を形成することと、を含む。このチャネルホールは、深掘り反応性イオンエッチング(deep reactive ion etching:RIE)などの乾式エッチング及び/又は湿式エッチングによって形成され得、また、基板502からチャネルホールの下部へと、半導体プラグ506をエピタキシャル成長させることができる。
【0044】
いくつかの実施形態では、メモリストリング514を形成する製造プロセスは、チャネルホールの側壁に沿ってメモリ膜516を形成することをさらに含む。メモリ膜516を、トンネル層、蓄積層、及びブロッキング層を含むが、これらに限定されない複数の誘電体層の組み合わせとすることができる。トンネル層は、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン、又はそれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない誘電体材料を含み得る。蓄積層は、メモリ動作を行うために電荷を蓄積する材料を含み得る。蓄積層材料は、窒化シリコン、酸窒化シリコン、酸化シリコンと窒化シリコンとの組み合わせ、又はそれらの任意の組み合わせを含み得るが、これらに限定されない。ブロッキング層は、酸化シリコン、又は酸化シリコン/酸窒化シリコン/酸化シリコン(ONO)の組み合わせを含むが、これらに限定されない誘電体材料を含み得る。ブロッキング層は、酸化アルミニウム層などのhigh-k誘電体層をさらに含み得る。
【0045】
いくつかの実施形態では、メモリストリング514を形成する製造プロセスは、メモリ膜516上に半導体チャネル518を形成することと、チャネルホールの残りの空間を部分的又は完全に充填するように、半導体チャネル518上に充填層520を形成することと、をさらに含む。半導体チャネル518は、ポリシリコンなどの半導体材料を含み得る。充填層520は、酸化シリコンなどの誘電体材料を含み得る。充填層520と、半導体チャネル518と、メモリ膜516とは、ALD、CVD、PVD、他の任意の適切なプロセス、又はそれらの任意の組み合わせなどのプロセスによって形成され得る。
【0046】
いくつかの実施形態では、上部半導体プラグ507は、メモリストリング514のドレインとして、メモリストリング514の上部に形成される。上部半導体プラグ507は、メモリストリング514の上部を乾式エッチング及び/又は湿式エッチングによってエッチバックし、次いでALD、CVD、PVD、他の任意の適切なプロセス、又はそれらの任意の組み合わせなどの1つ又はそれ以上の蒸着プロセスを行って、ポリシリコンなどの半導体材料を、エッチバックプロセスによって形成された凹部へと蒸着することによって形成され得る。
【0047】
図6に示すように、方法600は動作606に進み、ここで、誘電体スタックからメモリスタックが形成され、またメモリスタック内にスリット構造が形成される。
図5Cに示すように、スリット構造530が、誘電体スタック508から形成されたメモリスタック528内に、垂直方向に延在するように形成される。
図2~
図4に示すスリット構造202、302、及び402に相当するスリット構造530は、誘電体構造532と、誘電体構造532内のソースコンタクト534と、を含んでいてもよい。ソースコンタクト534は基板502まで延在して、メモリストリング514のACSに電気的に接続されてもよい。いくつかの実施形態では、誘電体スタック508は、誘電体層/犠牲層対の階段構造を形成するように、繰り返しエッチングされる。基板502を露出させるスリット開口部が、この階段構造内に形成されてもよい。このスリット開口部は、スリット構造530に相当していてもよい。次いで、複数の導電体層/誘電体層対(例えば、510-2/512-2)を形成するように、このスリット開口部を介して、エッチングされた犠牲層を誘電体層/犠牲層対において複数の導電体層に置き換えてもよい。導電体層512-2は、タングステン、銅、アルミニウム、及び/又はコバルトなどの任意の適切な導電性材料を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、スリット開口部は誘電体材料で充填され、また、誘電体材料内に導電性材料が形成され、これによって誘電体構造532及びソースコンタクト534を形成する。ソースコンタクトは、メモリストリング514のACSに電気的に接続されてもよい。誘電体構造は、酸化シリコン、窒化シリコン、及び/又は酸窒化シリコンなどの任意の適切な誘電体材料を含んでいてもよい。ソースコンタクトは、タングステン、銅、コバルト、アルミニウム、シリコン、及び/又はシリサイドなどの任意の適切な導電性材料で作製されていてもよい。いくつかの実施形態では、導電体層512-2に電気的に接続される、ワード線のヴィアコンタクト(又はヴィアコンタクト)が形成される。
【0048】
図6に示すように、方法600は動作608に進み、ここで、メモリストリングの上方に複数のビット線が形成される。いくつかの実施形態では、これら複数のビット線のうちの少なくとも1本は、複数のメモリストリングのうちの1つに電気的に接続されている。いくつかの実施形態では、少なくとも3本のビット線が1つのメモリストリングの上側にある。1つ又はそれ以上の層間誘電体(inter-layer dielectric:ILD)層内の複数の相互接続体を含む、アレイ相互接続層が形成されてもよい。
図5Cに示すように、誘電体スタック508及びメモリストリング514の上側に、アレイ相互接続層522が形成され得る。アレイ相互接続層522は、メモリストリング514との間で電気信号を転送し合うために、ビット線524などの相互接続体を1つ又はそれ以上のILD層内に含み得る。いくつかの実施形態では、アレイ相互接続層522を形成する前に、メモリスタック528の上側に形成されるILD層内に、ビット線コンタクト526が形成され得、その結果、各ビット線コンタクト526が対応するメモリストリング514の上部半導体プラグ507(ソース)の上側で、これと接触し、かつ対応するビット線524の下側で、これと接触するようにしている。いくつかの実施形態では、ビット線524の配置及びレイアウトについては、
図2~
図4のビット線204、304、及び404の説明を参照することができるため、ここでは繰り返さない。
【0049】
いくつかの実施形態では、アレイ相互接続層522は、複数のプロセスで形成されている複数のILD層と、その内部にある相互接続体と、を含む。例えば、ビット線524は、CVD、PVD、ALD、電解めっき、無電解めっき、又はそれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない、1つ又はそれ以上の薄膜堆積プロセスによって蒸着される導電性材料を含み得る。ビット線524を形成する製造プロセスは、フォトリソグラフィ、化学機械研磨(chemical mechanical polishing:CMP)、湿式/乾式エッチング、又は他の任意の適切なプロセスをさらに含み得る。これらのILD層は、CVD、PVD、ALD、又はそれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない1つ又はそれ以上の薄膜堆積プロセスによって蒸着されている誘電体材料を含み得る。
図5Cに示すILD層及び相互接続体は、総称して「相互接続層」(例えば、アレイ相互接続層522)と呼ばれ得る。
【0050】
ここで形成されるメモリスタックは、読出し、書込み、及び消去などの動作を行うために、メモリシステムの他の部分と結合されてもよい。
図7は、製造方法600によって形成される3Dメモリデバイスを備える、システム700の断面図を示す。システム700は、接合半導体デバイスを備えていてもよい。
【0051】
システム700は、本開示の実施形態による、3Dメモリデバイスを備えるメモリシステムの一例を表す。システム700は、シリコン(例えば、単結晶シリコン)、シリコンゲルマニウム(SiGe)、ガリウムヒ素(GaAs)、ゲルマニウム(Ge)、シリコン・オン・インシュレータ(SOI)、又は他の任意の適切な材料を含み得る基板708を備え得る。システム700は、2つの半導体構造、即ち、
図2~
図4のいずれかに記載の3Dメモリデバイスを含むメモリアレイデバイスチップ702と、ボンディング界面706でメモリアレイデバイスチップ702の上に対向接合された、周辺デバイスチップ704と、を備え得る。なお、本明細書では周辺デバイスチップ704を、本システムの構成要素の例示を目的として、単なる一例として使用している。いくつかの実施形態では、周辺デバイスは、本3Dメモリデバイスと同じ基板上に、本3Dメモリデバイスの上側若しくは下側に積層するか、又は本3Dメモリデバイスの側面に積層して形成されている。いくつかの実施形態では、ボンディング界面706は、ハイブリッド接合(「金属/誘電体ハイブリッド接合」としても知られる)として、メモリアレイデバイスチップ702と周辺デバイスチップ704との間に配置され、このハイブリッド接合は直接接合技術(例えば、はんだ又は接着剤などの中間層を使用せずに、表面間の接合を形成する)であり、金属-金属接合や誘電体-誘電体接合を同時に得ることができる。いくつかの実施形態では、ボンディング界面706は、メモリアレイデバイスチップ702と周辺デバイスチップ704とが接触し、かつ接合される場所である。実際には、ボンディング界面706を、メモリアレイデバイスチップ702の上面及び周辺デバイスチップ704の底面を含む、一定の厚さを有する層とすることができる。
【0052】
いくつかの実施形態では、メモリアレイデバイスチップ702は、メモリセルがメモリアレイデバイス層734内にメモリストリング710(例えば、NANDメモリストリング)のアレイの形式で設けられる、NANDフラッシュメモリデバイスである。メモリアレイデバイス層734は、基板708上に配置され得る。いくつかの実施形態では、各メモリストリング710は、それぞれが導電体層及び誘電体層を含む複数の対(本明細書では「導電体層/誘電体層対」と呼んでいる)を貫通して垂直方向に延在している。積層された導電体層/誘電体層対を、本明細書では総称して、メモリアレイデバイス層734内のメモリスタック712と呼んでいる。メモリスタック712内の導電体層及び誘電体層は、垂直方向に交互に積層し得る。各メモリストリング710は、半導体チャネルと、トンネル層、蓄積層(「電荷トラップ/蓄積層」としても知られる)、及びブロッキング層(図示せず)を含む複合誘電体層(「メモリ膜」としても知られる)と、を含み得る。メモリストリング710の構造は、
図514で説明したメモリストリング514と同一又は同様であってもよいため、メモリストリング710の横方向配置が、
図2~
図4で説明した半導体チャネル/メモリストリング(例えば、208、308、及び408)の横方向配置と見なされてもよい。いくつかの実施形態では、メモリアレイデバイス層734は、メモリスタック712を貫通して垂直方向に延在するゲート線スリット(gate line slit:「GLS」)又はスリット構造714をさらに含む。ゲート置換プロセスにより、GLS 714を使用してメモリスタック712内に導電体層/誘電体層対を形成することができ、また、メモリストリング710のACSを電気的に接続するために、導電性材料でこれを充填することができる。
【0053】
いくつかの実施形態では、メモリアレイデバイスチップ702は、メモリストリング710との間で電気信号を転送し合うために、メモリアレイデバイス層734の上側にアレイ相互接続層736をさらに含む。
図7に示すように、アレイ相互接続層736は、垂直相互接続アクセス(ヴィア)コンタクト716及び横方向相互接続線718を含む、複数の相互接続体(本明細書では「コンタクト」とも呼んでいる)を含み得る。本明細書で使用する場合、「相互接続体」という用語は、ミドル・エンド・オブ・ライン(middle-end-of-line:MEOL)相互接続体及びバック・エンド・オブ・ライン(back-end-of-line:BEOL)相互接続体などの任意の適切な種類の相互接続体を広く含み得る。アレイ相互接続層736は、その内部にビット線746と、ビット線コンタクト748と、相互接続線718と、ヴィアコンタクト716と、を形成することができる、1つ又はそれ以上の層間誘電体(ILD)層(「金属間誘電体(intermetal dielectric:IMD)層」としても知られる)をさらに含み得る。ビット線コンタクト748は、ビット線746とメモリストリング710との間に配置されてもよい。ビット線コンタクト748は、ビット線746とメモリストリング710との間で信号又はデータを送信するために、ビット線746と、メモリストリング710の上部(例えば、メモリストリング710のドレイン)とに電気的に接続されてもよい。ビット線746の詳細な説明については、
図2~
図4のビット線の説明を参照することができるため、ここでは繰り返さない。
【0054】
図7に示すように、メモリアレイデバイスチップ702は、ボンディング界面706において、かつアレイ相互接続層736及びメモリアレイデバイス層734の上側に、ボンディング層738をさらに含み得る。ボンディング層738は、複数のボンディングコンタクト730と、ボンディングコンタクト730を電気的に絶縁する誘電体と、を含み得る。ボンディングコンタクト730は、タングステン、コバルト、銅、アルミニウム、シリサイド、又はそれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない導電性材料を含み得る。ボンディング層738の残りの領域は、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン、low-k誘電体、又はそれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない誘電体で形成され得る。ボンディング層738のボンディングコンタクト730と、周囲の誘電体とを、ハイブリッド接合に使用することができる。
【0055】
周辺デバイスチップ704は、薄肉基板などの半導体層720の下側に配置された周辺デバイス層740内に、複数のトランジスタ722を含み得る。いくつかの実施形態では、周辺デバイス層740は、システム700の動作を円滑に行うために使用される、任意の適切なデジタル信号、アナログ信号、及び/又は混合信号周辺デバイスを含み得る。たとえば、これらの周辺デバイスは、ページバッファ、デコーダ(例えば、行デコーダ及び列デコーダ)、センスアンプ、ドライバ、チャージポンプ、電流リファレンス又は電圧リファレンス、あるいはこれらの回路の任意のアクティブ構成要素又はパッシブ構成要素(例えば、トランジスタ、ダイオード、抵抗器、又はコンデンサ)のうちの1つ又はそれ以上を含み得る。周辺デバイス層740の周辺デバイスは、相互接続体のうちの1つ又はそれ以上の層を介して、メモリストリング710に電気的に接続され得る。
【0056】
メモリアレイデバイスチップ702と同様に、周辺デバイスチップ704は、トランジスタ722との間で電気信号を転送し合うために、周辺デバイス層740の下側に配置された周辺相互接続層742をさらに含み得る。周辺相互接続層742は、1つ又はそれ以上のILD層内の相互接続線726及びヴィアコンタクト724を含む、複数の相互接続体を含み得る。いくつかの実施形態では、周辺デバイスチップ704は、半導体層720を貫通して垂直方向に延在するヴィアコンタクト728(例えば、半導体層720が薄肉化されたシリコン基板である場合、シリコン貫通ビア(through silicon vias:TSV))をさらに含む。いくつかの実施形態では、周辺デバイスチップ704は、トランジスタ722及び半導体層720の上側に、BEOL相互接続層(図示せず)をさらに含む。いくつかの実施形態では、BEOL相互接続層は、システム700と外部回路との間で電気信号を転送することができる、任意の適切なBEOL相互接続体と、コンタクトパッドと、を含む。
【0057】
図7に示すように、周辺デバイスチップ704は、ボンディング界面706において、かつ周辺相互接続層742及び周辺デバイス層740の下側に、ボンディング層744をさらに含み得る。ボンディング層744は、複数のボンディングコンタクト732と、ボンディングコンタクト732を電気的に絶縁する誘電体と、を含み得る。ボンディングコンタクト732は、タングステン、コバルト、銅、アルミニウム、シリサイド、又はそれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない導電性材料を含み得る。ボンディング層744の残りの領域は、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン、low-k誘電体、又はそれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない誘電体で形成され得る。ボンディング層744のボンディングコンタクト732と、周囲の誘電体とを、ハイブリッド接合に使用することができる。
【0058】
本開示の実施形態は、3Dメモリデバイスを提供する。いくつかの実施形態では、本3Dメモリデバイスは、基板と、それぞれがこの基板の上側でメモリ領域内に垂直方向に延在する複数のメモリストリングと、これら複数のメモリストリングの上方の複数のビット線と、を備える。これら複数のビット線のうちの少なくとも1本は、複数のメモリストリングのうちの1つに電気的に接続されている。
【0059】
いくつかの実施形態では、これら複数のメモリストリングの1つ1つは、複数のビット線のうちの異なる1本に電気的に接続されている。
【0060】
いくつかの実施形態では、本3Dメモリデバイスは、メモリ領域の境界に沿って横方向に延在する少なくとも1つのスリット構造をさらに備える。
【0061】
いくつかの実施形態では、これら複数のメモリストリングは、メモリ領域の第1の横方向及び第2の横方向に沿って延在するアレイに配置されている。第1の横方向は、第2の横方向に対して垂直であってもよい。複数のビット線は第1の方向に沿って配置されてもよく、また、第2の横方向に沿って互いに平行となるように延在している。第1の横方向に沿ってチャネルピッチに平面視で配置されるビット線の本数は、第2の横方向に沿ってこれらのビット線に電気的に接続されるメモリストリングの個数に等しくてもよい。
【0062】
いくつかの実施形態では、当該アレイは、それぞれが第1の方向に沿って横方向に延在する2つのスリット構造の間に配置されている。チャネルピッチに平面視で配置されるビット線の本数は、チャネルピッチ内に、かつこれら2つのスリット構造の間に配置されるメモリストリングの個数に等しくてもよい。
【0063】
いくつかの実施形態では、平面視で、チャネルピッチ内のこれらのビット線は等間隔に配置され、第1の横方向に沿ったビット線ピッチは名目上、チャネルピッチのN分の1に等しい。Nは、チャネルピッチ内のビット線の本数に等しくてもよい。
【0064】
いくつかの実施形態では、当該アレイは、第2の横方向に沿って少なくとも6つのストリング行を含む。
【0065】
いくつかの実施形態では、Nは正の偶数である。
【0066】
いくつかの実施形態では、複数のメモリストリングはそれぞれ、チャネル構造と、このチャネル構造の上方にあるドレインと、を含む。このドレインは、それぞれのビット線に電気的に接続されてもよい。
【0067】
いくつかの実施形態では、カット構造がメモリ領域内の複数のメモリストリングと平面視で重なることはなく、このメモリ領域はフィンガである。
【0068】
いくつかの実施形態では、本3Dメモリデバイスは、横方向に延在し、複数のメモリストリングと交差している、交互に配置された複数の導電体層及び絶縁層をさらに備える。第1の導電体層は、メモリ領域で自身が延在する方向に沿って連続的に延在していてもよい。
【0069】
本開示の実施形態は、別の3Dメモリデバイスをさらに提供する。本3Dメモリデバイスは、基板と、平面視で第1の横方向及び第2の横方向に沿って延在する複数のメモリストリングと、を備える。これら複数のメモリストリングのそれぞれは、この基板の上側でメモリ領域内に垂直方向に延在している。本3Dメモリデバイスは、複数のメモリストリングの上方で第2の横方向に沿って延在する複数のビット線をさらに備える。これら複数のビット線は名目上、互いに平行である。本3Dメモリデバイスは、平面視で複数のメモリストリングの少なくとも1つと重なり、かつ第2の横方向に沿って、これら複数のメモリストリングを第1の部分と第2の部分とに分割しているカット構造をさらに備える。これら複数のメモリストリングの少なくとも1つの上側にあるビット線の本数は、少なくとも3本である。
【0070】
いくつかの実施形態では、複数のメモリストリングの第1の部分及び第2の部分は、第2の横方向に沿って同数のストリング行を含み、第1の横方向に沿って同数のストリング列を含む。複数のビット線の1本1本は、第1の部分の1つのメモリストリングと、第2の部分の別のメモリストリングとに電気的に接続されてもよい。
【0071】
いくつかの実施形態では、複数のメモリストリングは、第1の横方向及び第2の横方向に沿って延在するアレイに配置され、これら複数のメモリストリングの第1の部分及び第2の部分のそれぞれは、第2の横方向に沿って偶数のストリング行を含む。
【0072】
いくつかの実施形態では、第1の部分及び第2の部分のそれぞれは、第2の横方向に沿ってN本のストリング行を含み、またチャネルピッチは、第1の横方向に沿って配置されたN本のビット線を含む。ビット線ピッチは名目上、第1の横方向に沿ったチャネルピッチのN分の1であってもよい。Nは、少なくとも6に等しくてもよい。
【0073】
いくつかの実施形態では、Nは正の偶数である。
【0074】
いくつかの実施形態では、複数のメモリストリングはそれぞれ、チャネル構造と、このチャネル構造の上方にあるドレインと、を含み、このドレインは、それぞれのビット線に電気的に接続されている。
【0075】
本開示の実施形態は、3Dメモリシステムを提供する。本3Dメモリシステムは、メモリスタックと、複数のメモリストリングと、複数のビット線と、複数の周辺デバイスと、を備える。メモリスタックは、基板の上方の絶縁構造内に交互に配置された複数の導電体層及び絶縁層を含んでいてもよい。複数のメモリストリングは、平面視で第1の横方向及び第2の横方向に沿ってメモリスタック内に延在してもよく、これら複数のメモリストリングのそれぞれは、基板内に垂直方向に延在してもよい。複数のビット線は、これら複数のメモリストリングの上方にあり、これら複数のメモリストリングに電気的に接続されてもよい。いくつかの実施形態では、これら複数のビット線のうちの少なくとも1本は、複数のメモリストリングのうちの1つに電気的に接続されている。複数の周辺デバイスは、複数のメモリストリングに電気的に接続されてもよい。
【0076】
いくつかの実施形態では、これら複数のメモリストリングの1つ1つは、複数のビット線のうちの異なる1本に電気的に接続されている。
【0077】
いくつかの実施形態では、本3Dメモリシステムは、メモリ領域の境界に沿って横方向に延在する少なくとも1つのスリット構造をさらに備える。
【0078】
いくつかの実施形態では、複数のメモリストリングは、メモリ領域の第1の横方向及び第2の横方向に沿って延在するアレイに配置されている。第1の横方向は、第2の横方向に対して垂直であってもよい。いくつかの実施形態では、複数のビット線は、第1の方向に沿って配置され、かつ第2の横方向に沿って互いに平行となるように延在している。第1の横方向に沿って、チャネルピッチに平面視で配置されるビット線の本数は、第2の横方向に沿って、これらのビット線に電気的に接続されるメモリストリングの個数に等しくてもよい。
【0079】
いくつかの実施形態では、当該アレイは、それぞれが第1の方向に沿って横方向に延在する2つのスリット構造の間に配置されている。いくつかの実施形態では、チャネルピッチに平面視で配置されるビット線の本数は、チャネルピッチ内に、かつこれら2つのスリット構造の間に配置されるメモリストリングの個数に等しくてもよい。
【0080】
いくつかの実施形態では、平面視で、チャネルピッチ内のこれらのビット線は等間隔に配置されている。第1の横方向に沿ったビット線ピッチは名目上、チャネルピッチのN分の1に等しくてもよく、Nは、チャネルピッチ内のビット線の本数に等しい。
【0081】
いくつかの実施形態では、当該アレイは、第2の横方向に沿って少なくとも6つのストリング行を含む。
【0082】
いくつかの実施形態では、Nは正の偶数である。
【0083】
いくつかの実施形態では、複数のメモリストリングはそれぞれ、チャネル構造と、このチャネル構造の上方にあるドレインと、を含む。このドレインは、それぞれのビット線に電気的に接続されてもよい。
【0084】
いくつかの実施形態では、カット構造がメモリ領域内の複数のメモリストリングと平面視で重なることはなく、このメモリ領域はフィンガである。
【0085】
いくつかの実施形態では、第1の導電体層は、メモリ領域で自身が延在する方向に沿って連続的に延在している。
【0086】
本開示の実施形態は、3Dメモリシステムを提供する。本3Dメモリシステムは、メモリスタックと、複数のメモリストリングと、カット構造と、複数のビット線と、複数の周辺デバイスと、を備える。メモリスタックは、基板の上方の絶縁構造内に交互に配置された複数の導電体層及び絶縁層を含んでいてもよい。複数のメモリストリングは、平面視で第1の横方向及び第2の横方向に沿ってメモリスタック内に延在してもよく、これら複数のメモリストリングのそれぞれは、基板内に垂直方向に延在してもよい。カット構造は、平面視で、複数のメモリストリングの少なくとも1つと重なっていてもよく、かつ第2の横方向に沿って、これら複数のメモリストリングを第1の部分と第2の部分とに分割している。複数のビット線は、これら複数のメモリストリングの上方にあり、これら複数のメモリストリングに電気的に接続されてもよい。これら複数のビット線はそれぞれ、互いに平行であってもよい。これら複数のメモリストリングの少なくとも1つの上側にあるビット線の本数は、少なくとも3本であってもよい。複数の周辺デバイスは、複数のメモリストリングに電気的に接続されてもよい。
【0087】
いくつかの実施形態では、複数のメモリストリングの第1の部分及び第2の部分は、第2の横方向に沿って同数のストリング行を含み、第1の横方向に沿って同数のストリング列を含む。複数のビット線の1本1本は、第1の部分の1つのメモリストリングと、第2の部分の別のメモリストリングとに電気的に接続されている。
【0088】
いくつかの実施形態では、複数のメモリストリングは、第1の横方向及び第2の横方向に沿って延在するアレイに配置されている。いくつかの実施形態では、これら複数のメモリストリングの第1の部分及び第2の部分のそれぞれは、第2の横方向に沿って偶数のストリング行を含む。
【0089】
いくつかの実施形態では、第1の部分及び第2の部分のそれぞれは、第2の横方向に沿ってN本のストリング行を含む。チャネルピッチは、第1の横方向に沿って配置されたN本のビット線を含んでいてもよい。ビット線ピッチは名目上、第1の横方向に沿ったチャネルピッチのN分の1であってもよく、Nは少なくとも6に等しい。
【0090】
いくつかの実施形態では、Nは正の偶数である。
【0091】
いくつかの実施形態では、複数のメモリストリングはそれぞれ、チャネル構造と、このチャネル構造の上方にあるドレインと、を含み、このドレインは、それぞれのビット線に電気的に接続されている。
【0092】
特定の実施形態に関する前述の説明により、本開示の一般的性質が完全に明らかになるので、当業者であれば、自身が有する範囲内の知識を適用することにより、過度の実験を実施することなく、また本開示の一般的な概念から逸脱することなく、そのような特定の実施形態を容易に修正し、かつ/又は種々の用途にこれらを適合させることができる。したがって、そのような適合及び修正は、本明細書に提示している教示及び指針に基づいて、開示している実施形態の等価物の意味するところ及び範囲内にあることが意図される。本明細書における表現法又は用語法は説明を目的とするものであって、限定するものではなく、そのため本明細書の用語法又は表現法が、その教示及び指針に照らして、当業者により解釈されるべきである、と理解すべきである。
【0093】
特定の諸機能及びそれらの関係の実装形態を示す機能的構成ブロックを用いて、本開示の実施形態を上記で説明してきた。これらの機能的構成ブロックの境界を、本明細書では説明の便宜を図って任意に定義している。特定の諸機能とそれらの関係とが適切に実行される限り、代替の境界を定義することができる。
【0094】
「発明の概要」及び「要約書」のセクションには、本発明者(複数可)によって企図される1つ又はそれ以上の典型的な実施形態を記載できるが、その全ては記載できないことから、本開示及び添付の特許請求の範囲を何ら限定することを意図したものではない。
【0095】
本開示の範囲及び領域を、上記の典型的な実施形態のいずれによっても限定すべきではなく、以下の特許請求の範囲及びそれらの等価物によってのみ定義すべきである。