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特許7274587高移動度チャネルを備えた3次元DRAM構造
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-08
(45)【発行日】2023-05-16
(54)【発明の名称】高移動度チャネルを備えた3次元DRAM構造
(51)【国際特許分類】
   H10B 12/00 20230101AFI20230509BHJP
【FI】
H10B12/00 611
H10B12/00 621C
H10B12/00 681A
H10B12/00 681B
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021544491
(86)(22)【出願日】2020-02-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-24
(86)【国際出願番号】 US2020016467
(87)【国際公開番号】W WO2020163249
(87)【国際公開日】2020-08-13
【審査請求日】2021-09-27
(31)【優先権主張番号】62/801,908
(32)【優先日】2019-02-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/779,830
(32)【優先日】2020-02-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】カン, チャンソク
(72)【発明者】
【氏名】北島 知彦
(72)【発明者】
【氏名】リー, キルヨン
(72)【発明者】
【氏名】ナタラジャン, サンジェイ
(72)【発明者】
【氏名】カン, スンクォン
(72)【発明者】
【氏名】リウ, レクン
【審査官】小山 満
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0323199(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0330752(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0323200(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0049406(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0013107(US,A1)
【文献】国際公開第2019/008483(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10B 12/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリデバイスであって、
交互のメモリ層及び誘電体層のスタックを通って延在する複数のビット線を有し、前記メモリ層はそれぞれ、
単結晶様シリコン層を含む第1のワード線であって、前記第1のワード線は、前記複数のビット線の第1の側面に隣接する第1の側面と、前記第1のワード線の前記第1の側面の反対側の第2の側面とを有する第1のワード線と、
単結晶様シリコン層を含む第2のワード線であって、前記第2のワード線は、前記複数のビット線の第2の側面に隣接する第1の側面と、前記第2のワード線の前記第1の側面の反対側の第2の側面とを有する第2のワード線と、
単結晶様シリコン層を含み、前記第1のワード線の前記第2の側面に隣接する少なくとも1つの第1のキャパシタと、
単結晶様シリコン層を含み、前記第2のワード線の前記第2の側面に隣接する少なくとも1つの第2のキャパシタと
を含む、メモリデバイス。
【請求項2】
前記第1のワード線と電気通信する少なくとも1つの第1のワード線接点と、前記第2のワード線と電気通信する少なくとも1つの第2のワード線接点とを更に備え、前記少なくとも1つの第1のワード線接点、及び前記少なくとも1つの第2のワード線接点は、前記交互のメモリ層及び誘電体層を通って、それぞれ前記第1のワード線又は前記第2のワード線のうちの1つで終端するのに十分な距離だけ延在する、請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項3】
前記複数のビット線が、WSi、WN、又はWのうちの1又は複数を含み、前記少なくとも1つの第1のキャパシタ及び前記少なくとも1つの第2のキャパシタが独立して、高誘電率誘電体材料、又は銅(Cu)、コバルト(Co)、タングステン(W)、アルミニウム(Al)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、モリブデン(Mo)、プラチナ(Pt)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、又はロジウム(Rh)のうちの1又は複数を含む金属層のうちの1又は複数を更に含み、前記第1のワード線及び前記第2のワード線は独立して、ゲート酸化物層又はワード線金属のうちの1又は複数を更に含み、前記ゲート酸化物層は、酸窒化ケイ素(SiON)、酸化ケイ素(SiO)、又は高誘電率誘電体材料のうちの1又は複数を含み、前記ワード線金属は、銅(Cu)、コバルト(Co)、タングステン(W)、アルミニウム(Al)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、モリブデン(Mo)、プラチナ(Pt)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、又はロジウム(Rh)のうちの1又は複数を含む、請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項4】
メモリデバイスであって、
交互のメモリ層及び誘電体層のスタックを通って延在する複数のビット線を有し、前記メモリ層はそれぞれ、
単結晶様シリコン層を含む第1のワード線であって、前記第1のワード線は、前記複数のビット線の第1の側面に隣接する第1の側面と、前記第1のワード線の前記第1の側面の反対側の第2の側面とを有する第1のワード線と、
単結晶様シリコン層を含む第2のワード線であって、前記第2のワード線は、前記複数のビット線の第2の側面に隣接する第1の側面と、前記第2のワード線の前記第1の側面の反対側の第2の側面とを有する第2のワード線と、
金属材料及び高濃度にドープされたシリコン層を含み、前記第1のワード線の前記第2の側面に隣接する少なくとも1つの第1のキャパシタと、
金属材料及び高濃度にドープされたシリコン層を含み、前記第2のワード線の前記第2の側面に隣接する少なくとも1つの第2のキャパシタと
を含む、メモリデバイス。
【請求項5】
前記第1のワード線と電気通信する少なくとも1つの第1のワード線接点と、前記第2のワード線と電気通信する少なくとも1つの第2のワード線接点とを更に備え、前記少なくとも1つの第1のワード線接点、及び前記少なくとも1つの第2のワード線接点は、前記交互のメモリ層及び誘電体層を通って、それぞれ前記第1のワード線又は前記第2のワード線のうちの1つで終端するのに十分な距離だけ延在する、請求項4に記載のメモリデバイス。
【請求項6】
前記複数のビット線が、WSi、WN、又はWのうちの1又は複数を含み、前記少なくとも1つの第1のキャパシタ及び前記少なくとも1つの第2のキャパシタが独立して、高誘電率誘電体材料、又は銅(Cu)、コバルト(Co)、タングステン(W)、アルミニウム(Al)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、モリブデン(Mo)、プラチナ(Pt)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、又はロジウム(Rh)のうちの1又は複数を含む金属層のうちの1又は複数を更に含み、前記第1のワード線及び前記第2のワード線は独立して、ゲート酸化物層又はワード線金属のうちの1又は複数を更に含む、請求項4に記載のメモリデバイス。
【請求項7】
前記ゲート酸化物層が、酸窒化ケイ素(SiON)、酸化ケイ素(SiO)、又は高誘電率誘電体材料のうちの1又は複数を含む、請求項6に記載のメモリデバイス。
【請求項8】
前記ワード線金属が、銅(Cu)、コバルト(Co)、タングステン(W)、アルミニウム(Al)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、モリブデン(Mo)、プラチナ(Pt)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、又はロジウム(Rh)のうちの1又は複数を含む、請求項6に記載のメモリデバイス。
【請求項9】
メモリデバイスを形成する方法であって、
交互の誘電体層及びメモリ層のスタックを通って延在する開口部を形成することと、
前記開口部に結晶化剤を堆積させることと、
単結晶様シリコン層を形成するために、前記メモリ層を結晶化させることと、
前記交互の誘電体層及び単結晶様シリコン層のスタックを通して少なくとも1つのチャネルをエッチングし、前記誘電体層を選択的に除去することによって、複数のプレワード線延長部を形成することと、
前記複数のプレワード線延長部に第1のワード線金属を堆積させて、前記複数のプレワード線延長部を電気的に接続することにより、第1の側面と、前記第1の側面の反対側の第2の側面とを有する第1のワード線を形成することと、
複数のビット線開口部を形成するために、前記交互の誘電体層及び単結晶様シリコン層をパターニングすることであって、各ビット線開口部は、前記交互の誘電体層及び単結晶様シリコン層を通って延在する、前記交互の誘電体層及び単結晶様シリコン層をパターニングすることと、
複数のビット線を形成するために、前記複数のビット線開口部にビット線金属を堆積させることであって、各ビット線は、前記第1のワード線の前記第1の側面に隣接する第1の側面と、前記第1の側面の反対側の第2の側面とを有する、前記複数のビット線開口部にビット線金属を堆積させることと、
前記複数のビット線の前記第2の側面上の前記複数のプレワード線延長部に第2のワード線金属を堆積させて、第1の側面と、前記第1の側面の反対側の第2の側面とを有する第2のワード線を形成することと
を含む方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つのチャネルが、前記スタックに形成されたマスクの開口部を通してエッチングされる、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第1のワード線と電気通信する少なくとも1つの第1のワード線接点と、前記第2のワード線と電気通信する少なくとも1つの第2のワード線接点とを形成することを更に含み、前記少なくとも1つの第1のワード線接点及び前記少なくとも1つの第2のワード線接点は、前記交互のメモリ層及び誘電体層を通って、それぞれ前記第1のワード線又は前記第2のワード線のうちの1つで終端するのに十分な距離だけ延在する、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記第1のワード線を形成することは、前記第1のワード線金属を堆積させる前に、前記プレワード線延長部に酸化物層を形成することを更に含む、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記第1のワード線を形成することは、前記ビット線金属を堆積させる前に、酸化物層にビット線金属シード層を形成することを更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記メモリ層に少なくとも1つのプレキャパシタ延長部を形成することであって、前記少なくとも1つのプレキャパシタ延長部は、前記第1のワード線の前記第2の側面と接触する、前記メモリ層に少なくとも1つのプレキャパシタ延長部を形成することと、前記少なくとも1つのプレキャパシタ延長部にキャパシタを形成することとを更に含み、前記少なくとも1つのプレキャパシタ延長部を形成することは、前記複数のビット線の前記第1の側面に隣接する前記第1のワード線の前記第2の側面上の前記単結晶様シリコン層の一部を選択的に除去することを含み、前記キャパシタを形成することは、前記少なくとも1つのプレキャパシタ延長部に高誘電率誘電体材料又はワード線金属のうちの1又は複数を堆積させることを含み、又は前記少なくとも1つのプレキャパシタ延長部を形成することは、前記複数のビット線の前記第1の側面に隣接する前記第1のワード線の前記第2の側面に高濃度にドープされたシリコン層を形成するために、前記単結晶様シリコン層を共形ドーピングすることと、引っ込み部を形成するために、前記高濃度にドープされたシリコン層を引っ込ませることと、前記引っ込み部に金属材料を堆積させることとを含み、前記キャパシタを形成することは、前記少なくとも1つのプレキャパシタ延長部に高誘電率誘電体材料又はワード線金属のうちの1又は複数を堆積させることを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
少なくとも1つの第2のプレキャパシタ延長部を形成するために、前記第2のワード線の前記第2の側面上の前記メモリ層の一部を選択的に除去することと、前記第2のプレキャパシタ延長部に第2のキャパシタを形成することとを更に含み、前記少なくとも1つの第2のプレキャパシタ延長部を形成することは、前記複数のビット線の前記第1の側面に隣接する前記第2のワード線の前記第2の側面上の前記単結晶様シリコン層の一部を選択的に除去することを含み、前記第2のキャパシタを形成することは、前記第2のプレキャパシタ延長部に高誘電率誘電体材料又はワード線金属のうちの1又は複数を堆積させることを含み、又は前記少なくとも1つの第2のプレキャパシタ延長部を形成することは、前記複数のビット線の前記第1の側面に隣接する前記第2のワード線の前記第2の側面に高濃度にドープされたシリコン層を形成するために、前記単結晶様シリコン層を共形ドーピングすることと、引っ込み部を形成するために、前記高濃度にドープされたシリコン層を引っ込ませることと、前記引っ込み部に金属窒化物材料を堆積させることとを含み、前記第2のキャパシタを形成することは、前記第2のプレキャパシタ延長部に高誘電率誘電体材料又はワード線金属のうちの1又は複数を堆積させることを含む、請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示の実施形態は、電子デバイス及び電子デバイス製造の分野に関する。より具体的には、本開示の実施形態は、高移動度チャネルを備えたダイナミックランダムアクセスメモリを提供するものである。
【背景技術】
【0002】
[0002]パーソナルコンピュータ、ワークステーション、コンピュータサーバ、メインフレーム、及びプリンタ、スキャナ、及びハードディスクドライブ等の他のコンピュータ関連機器等の電子デバイスは、低消費電力でありながら、実質的なデータストレージ機能を提供するメモリデバイスを使用する。ランダムアクセスメモリセルには、電子デバイスでの使用に適した動的と静的の2つの主要なタイプがある。ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)は、2つのバイナリ値のいずれかを表す電圧を保存するようにプログラムできるが、この電圧を非常に短い時間を超えて維持するには、定期的な再プログラミング又は「リフレッシュ」が必要である。スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)は、定期的な更新を必要としないため、このように名付けられている。
【0003】
[0003]DRAMメモリ回路は、DRAMセルとして知られる何百万もの同一の回路素子を単一の半導体ウエハ上に複製することによって製造される。各DRAMセルは、1ビット(バイナリデジット)のデータを格納できるアドレス指定可能な場所である。最も一般的な形式では、DRAMセルは2つの回路部品:電界効果トランジスタ(FET)及びキャパシタで構成される。
【0004】
[0004]DRAMセルの製造は、トランジスタ、キャパシタ、及び3つの接点(ビット線、ワード線、及び基準電圧にそれぞれ1つ)の製造を含む。DRAM製造は非常に競争の激しいビジネスである。特に256メガビットを超える密度の場合、個々のセルのサイズを縮小し、メモリセルの密度を上げて、より多くのメモリを単一のメモリチップ上に圧縮できるようにするという継続的なプレッシャーがある。セルサイズの縮小に関する制限には、アクティブワード線とパッシブワード線の両方がセルを通過すること、セルキャパシタのサイズ、及びアレイデバイスと非アレイデバイスの互換性が含まれる。
【0005】
[0005]DRAMセル用のトランジスタを製造するために、アクティブ半導体、又はメモリ層が必要である。堆積によって形成される半導体又はメモリ層は、通常、多結晶又はアモルファス状態である。アモルファス又は多結晶シリコンには、電荷の経路を妨げる粒界があり、トランジスタの性能が低下する。したがって、粒径の大きい単結晶半導体又はメモリ層を使用する3次元DRAMセルが必要である。更に、3次元DRAMデバイスを形成するための方法及び装置が必要である。
【発明の概要】
【0006】
[0006]本開示の実施形態は、メモリデバイス、メモリデバイスを形成する方法、及び本方法を実行するための処理ツールを対象とする。1又は複数の実施形態では、メモリデバイスは、交互のメモリ層及び誘電体層のスタックを通って延在する複数のビット線を備え、メモリ層はそれぞれ、単結晶様シリコン層を含み、複数のビット線の第1の側面に隣接する第1の側面と、第1の側面の反対側の第2の側面とを有する第1のワード線と、単結晶様シリコン層を含み、複数のビット線の第2の側面に隣接する第1の側面と、第1の側面の反対側の第2の側面とを有する第2のワード線と、単結晶様シリコン層を含み、第1のワード線の第2の側面に隣接する少なくとも1つの第1のキャパシタと、単結晶様シリコン層を含み、第2のワード線の第2の側面に隣接する少なくとも1つの第2のキャパシタとを含む。
【0007】
[0007]1又は複数の実施形態では、メモリデバイスは、交互のメモリ層及び誘電体層のスタックを通って延在する複数のビット線を備え、メモリ層はそれぞれ、単結晶様シリコン層を含み、複数のビット線の第1の側面に隣接する第1の側面と、第1の側面の反対側の第2の側面とを有する第1のワード線と、単結晶様シリコン層を含み、複数のビット線の第2の側面に隣接する第1の側面と、第1の側面の反対側の第2の側面とを有する第2のワード線と、金属材料及び高濃度にドープされたシリコン層を含み、第1のワード線の第2の側面に隣接する少なくとも1つの第1のキャパシタと、金属材料及び高濃度にドープされたシリコン層を含み、第2のワード線の第2の側面に隣接する少なくとも1つの第2のキャパシタとを含む。
【0008】
[0008]1又は複数の実施形態では、メモリデバイスを形成する方法は、交互の誘電体層及びメモリ層のスタックを通って延在する開口部を形成することと、開口部に結晶化剤を堆積させることと、単結晶様シリコン層を形成するために、メモリ層を結晶化させることと、交互の誘電体層及び単結晶様シリコン層のスタックを通して少なくとも1つのチャネルをエッチングし、誘電体層を選択的に除去することによって、複数のプレワード線延長部を形成することと、複数のプレワード線延長部に第1のワード線金属を堆積させて、複数のプレワード線延長部を電気的に接続することにより、第1の側面と、第1の側面の反対側の第2の側面とを有する第1のワード線を形成することと、複数のビット線開口部を形成するために、交互の誘電体層及び単結晶様シリコン層をパターニングすることであって、各ビット線開口部は、交互の誘電体層及び単結晶様シリコン層を通って延在する、交互の誘電体層及び単結晶様シリコン層をパターニングすることと、複数のビット線を形成するために、複数のビット線開口部にビット線金属を堆積させることであって、各ビット線は、第1のワード線の第1の側面に隣接する第1の側面と、第1の側面の反対側の第2の側面とを有する、複数のビット線開口部にビット線金属を堆積させることと、複数のビット線の第2の側面上の複数のプレワード線延長部に第2のワード線金属を堆積させることによって、第1の側面と、第1の側面の反対側の第2の側面とを有する第2のワード線を形成することとを含む。
【0009】
[0009]1又は複数の実施形態では、処理ツールは、ウエハを移動させるように構成されたロボットを含む中央移送ステーションと、複数のプロセスステーションであって、各々が中央移送ステーションに接続され、隣接するプロセスステーションの処理領域から分離された処理領域を提供し、結晶化剤堆積チャンバ、アニーリングチャンバ、及び結晶化剤除去チャンバを含む複数のプロセスステーションと、中央移送ステーション及び複数のプロセスステーションに接続されたコントローラであって、ロボットを起動してプロセスステーション間でウエハを移動させ、各プロセスステーションで行われるプロセスを制御するように構成されたコントローラとを備える。
【0010】
[0010]上述した本開示の特徴を詳細に理解できるように、一部が添付の図面に例示されている実施形態を参照しながら、上記に要約した本開示をより具体的に説明する。しかし、添付の図面は本開示の典型的な実施形態を単に示すものであり、したがって、実施形態の範囲を限定するものと見なすべきではなく、本開示は他の等しく有効な実施形態も許容しうることに留意されたい。本明細書に記載の実施形態は、例として示すものであり、同様の参照が類似の要素を示す添付の図面の図に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】従来技術に係るDRAMセルブロックの回路図である。
図2A】1又は複数の実施形態に係る、階段を形成した後のメモリデバイススタックを示す等角図である。
図2B】1又は複数の実施形態に係る図2Aのメモリデバイススタックを示す断面図である。
図3】1又は複数の実施形態に係るメモリデバイスを示す断面図である。
図4】1又は複数の実施形態に係るメモリデバイスを示す断面図である。
図5A】1又は複数の実施形態に係る、メモリ層を結晶化させるためのアニーリングプロセス中の断面図である。
図5B】1又は複数の実施形態に係る、メモリ層を結晶化させるためのアニーリングプロセス中の断面図である。
図5C】1又は複数の実施形態に係る、メモリ層を結晶化させるためのアニーリングプロセス中の断面図である。
図6】1又は複数の実施形態に係るメモリデバイスを示す断面図である。
図7A】1又は複数の実施形態に係るメモリデバイスを示す断面図である。
図7B】1又は複数の実施形態に係るメモリデバイスを示す断面図である。
図8A】1又は複数の実施形態に係るメモリデバイスを示す断面図である。
図8B】1又は複数の実施形態に係る図8Aのメモリデバイスを示す断面図である。
図9A】1又は複数の実施形態に係るメモリデバイスを示す断面図である。
図9B】1又は複数の実施形態に係る図9Aのメモリデバイスを示す断面図である。
図10A】1又は複数の実施形態に係るメモリデバイスを示す断面図である。
図10B】1又は複数の実施形態に係る図10Aのメモリデバイスを示す断面図である。
図11A】1又は複数の実施形態に係るメモリデバイスを示す断面図である。
図11B】1又は複数の実施形態に係る図11Aのメモリデバイスを示す断面図である。
図12A】1又は複数の実施形態に係るメモリデバイスを示す断面図である。
図12B】1又は複数の実施形態に係る図12Aのメモリデバイスを示す断面図である。
図12C】1又は複数の実施形態に係る図12Bのメモリデバイスを示す拡大断面図である。
図13】1又は複数の実施形態に係るメモリデバイスを示す拡大断面図である。
図14】1又は複数の実施形態に係るメモリデバイスを示す拡大断面図である。
図15】1又は複数の実施形態に係るメモリデバイスを示す拡大断面図である。
図16】1又は複数の実施形態に係るメモリデバイスを示す拡大断面図である。
図17】1又は複数の実施形態に係るメモリデバイスを示す拡大断面図である。
図18A】1又は複数の実施形態に係るメモリデバイスを示す断面図である。
図18B】1又は複数の実施形態に係る図18Aのメモリデバイスを示す断面図である。
図19A】1又は複数の実施形態に係るメモリデバイスを示す断面図である。
図19B】1又は複数の実施形態に係る図19Aのメモリデバイスを示す断面図である。
図20】1又は複数の実施形態に係るメモリデバイスを示す断面図である。
図21】1又は複数の実施形態に係るメモリデバイスを示す断面図である。
図22】1又は複数の実施形態に係るメモリデバイスを示す断面図である。
図23A】1又は複数の実施形態に係るメモリデバイスを示す断面図である。
図23B】1又は複数の代替実施形態に係る図23Aのメモリデバイスを示す断面図である。
図24A】1又は複数の代替実施形態に係るメモリデバイスを示す断面図である。
図24B】1又は複数の代替実施形態に係る図24Aのメモリデバイスを示す断面図である。
図25A】1又は複数の代替実施形態に係るメモリデバイスを示す断面図である。
図25B】1又は複数の代替実施形態に係る図25Aのメモリデバイスを示す断面図である。
図26A】1又は複数の代替実施形態に係るメモリデバイスを示す断面図である。
図26B】1又は複数の代替実施形態に係る図26Aのメモリデバイスを示す断面図である。
図27】1又は複数の代替実施形態に係るメモリデバイスを示す断面図である。
図28】1又は複数の代替実施形態に係るメモリデバイスを示す断面図である。
図29】1又は複数の代替実施形態に係るメモリデバイスを示す断面図である。
図30】1又は複数の実施形態に係るクラスタツールを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[0056]本開示の幾つかの例示的な実施形態を説明する前に、本開示は、以下の説明に記載される構築又はプロセスステップの詳細に限定されないことを理解されたい。本開示は、他の実施形態が可能であり、様々な方法で実行又は実施することができる。
【0013】
[0057]本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用する場合、「前駆体」、「反応物」、「反応性ガス」等の用語は、基板表面と反応し得る任意のガス種を指すために交換可能に使用される。
【0014】
[0058]本明細書で使用する場合、「ダイナミックランダムアクセスメモリ」又は「DRAM」という用語は、キャパシタに電荷のパケット(つまり、バイナリ1)または電荷なし(つまり、バイナリ0)を格納することによってデータビットを格納するメモリセルを指している。電荷は、アクセストランジスタを介してキャパシタにゲートされ、同じトランジスタをオンにして、トランジスタ出力の相互接続線に電荷パケットをダンプすることによって生じる電圧摂動を調べることによって検出される。したがって、単一のDRAMセルは1つのトランジスタと1つのキャパシタで構成される。図1に示すように、DRAMデバイスは、DRAMセルのアレイで形成される。アクセストランジスタの行はワード線52a、52bによってリンクされており、トランジスタの入力/出力はビット線54a、54b、54cによってリンクされている。歴史的に、DRAMキャパシタは、平面ポリシリコン酸化物基板プレートキャパシタから、両方のプレートが基板の上にある「スタック」キャパシタと、基板のエッチングされた空洞を共通プレートとして使用する「トレンチ」キャパシタに分岐した三次元構造に進化してきた。
【0015】
[0059]従来、DRAMセルは、埋め込みワード線構造に凹んだ高仕事関数の金属構造を有していた。DRAMデバイスでは、ビット線は基板の上に位置する金属レベルに形成され、ワード線は基板の表面のポリシリコンゲートレベルに形成される。埋め込みワード線(bWL)では、ゲート電極として金属を使用して、半導体基板の表面の下にワード線が埋め込まれる。
【0016】
[0060]1又は複数の実施形態では、スタックされたDRAMセルを有するメモリデバイスが提供され、その結果、多対膜の数に比例するDRAMセルのビット密度が増加する。1又は複数の実施形態のDRAMデバイスは、垂直ビット線を有し、ビット線容量を最小化し、キャパシタ容量の負担を軽減する。1又は複数の実施形態のDRAMデバイスは、高度にスタックされた3次元メモリデバイスの移動度が有利に増加する。幾つかの実施形態は、金属誘起横方向結晶化(MILC)処理を組み込んだDRAMデバイスを有利に提供する。
【0017】
[0061]例示的な実施形態を、例示的な実施形態(及び中間構造)の概略図である断面図を参照しながら本明細書で説明する。このため、例えば、製造技法及び/又は公差の結果としての図の形状からの変動が予想されるべきである。したがって、例示的な実施形態は、本明細書に示す領域の特定の形状に限定されると解釈されるべきではなく、例えば、製造から生じる形状の逸脱を含み得る。
【0018】
[0062]本明細書で使用する「基板」は、製造プロセス中に膜処理が実行される基板に形成された任意の基板又は材料表面を指している。例えば、処理が行われ得る基板表面には、用途に応じて、シリコン、酸化ケイ素、ストレインドシリコン、シリコンオンインシュレータ(SOI)、炭素がドープされた酸化ケイ素、アモルファスシリコン、ドープされたシリコン、ゲルマニウム、ガリウムヒ素、ガラス、サファイア等の材料、及び金属、金属窒化物、金属合金、及びその他の導電性材料等の他のいずれかの材料が含まれる。基板は、半導体ウエハを含むが、これに限定されない。基板は、基板表面を研磨、エッチング、還元、酸化、ヒドロキシル化、アニール、及び/又はベークするために、前処理プロセスに暴露され得る。基板自体の表面上で直接膜処理することに加えて、本開示では、開示される膜処理ステップのいずれも、以下により詳細に開示するように、基板に形成された下層上で実行され得、「基板表面」という用語は、文脈が示すような下層を含むことを意図している。したがって、例えば、膜/層又は部分的な膜/層が基板表面上に堆積された場合、新たに堆積された膜/層の露出面が基板表面になる。
【0019】
[0063]図2Aは、1又は複数の実施形態に係るメモリデバイスを示す等角図である。図2B図22は、1又は複数の実施形態に係るメモリデバイス100を示す断面図である。図2Aを参照すると、メモリデバイス100が、交互の誘電体層104及びメモリ層106のスタック102の階段形成から形成されている。図2Bは、図2Aのメモリデバイススタックの断面図である。1又は複数の実施形態では、少なくとも2つの誘電体層104が存在する。1又は複数の実施形態では、少なくとも2つのメモリ層106が存在する。他の実施形態では、2から100の誘電体層104及び2から100のメモリ層106が存在する。典型的には、スタック102が上下で誘電体層104によって境界付けられるように、メモリ層106よりも1つ多い誘電体層104が存在する。当業者によって認識されるように、2つの誘電体層104及び1つのメモリ層106のみを示したが、スタック102は、任意の数の交互の誘電体層104及びメモリ層106を含み得る。
【0020】
[0064]本明細書で使用する場合、「誘電体層」という用語は、電界中で分極化され得る電気絶縁体である材料の層を指している。1又は複数の実施形態では、誘電体層は、酸化物、炭素がドープされた酸化物、酸化ケイ素(SiO)、多孔性二酸化ケイ素(SiO)、酸化ケイ素(SiO)、窒化ケイ素(SiN)、酸化ケイ素/窒化ケイ素、炭化物、酸炭化物、窒化物、酸窒化物、酸炭窒化物、ポリマー、ホスホシリケートガラス、フルオロシリケート(SiOF)ガラス、又はオルガノシリケートガラス(SiOCH)のうちの1又は複数を含む。
【0021】
[0065]本明細書で使用する場合、「メモリ層」という用語は、ワード線が作製され得る材料の層を指している。1又は複数の実施形態では、メモリ層は、シリコン、ドープされたシリコン、アモルファスシリコン、又はポリシリコンのうちの1又は複数を含む。例えば、1又は複数の実施形態では、メモリ層は、アモルファスシリコン、ポリシリコン、又はIGZO(In-Ga-Zn酸化物)のうちの1又は複数から選択される。幾つかの実施形態では、誘電体層は、メモリ層に対してエッチング選択的である材料を含む。
【0022】
[0066]図3を参照すると、開口部200が、スタック102を通して開かれている。幾つかの実施形態では、開口部200を開くことは、誘電体層104及びメモリ層106を介したエッチングを含む。開口部200は、誘電体層106の露出面202及びメモリ層104の露出面204をスタック102を通って延在する側壁を有する。
【0023】
[0067]図4を参照すると、結晶化剤206が、開口部200の誘電体層104の露出面202及びメモリ層106の露出面204に堆積されている。結晶化剤206は、当業者に周知の任意の適切な技法によって堆積させることができる。結晶化剤206は、メモリ層106を単結晶様シリコン層に結晶化させることができる材料を含む。これに使用する場合、「単結晶様シリコン」という用語は、互いに同じ方向に配向した結晶の約50%、60%、70%、80%、90%、95%、又は98%以上を有する材料を指している。
【0024】
[0068]幾つかの実施形態の結晶化剤206は、ポリシリコンの±50%以内の格子定数を有する材料を含む。幾つかの実施形態では、結晶化剤206は、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、パラジウム(Pd)、ゲルマニウム(Ge)、アルミニウム(Al)又はタングステン(W)のうちの1又は複数を含む。幾つかの実施形態では、結晶化剤206は、ニッケル(Ni)を含む、又は本質的にそれから構成される。これに使用する場合、「本質的に構成される」という用語は、結晶化剤の活性成分が、記載された材料の約95%、98%、99%、又は99.5%以上であることを意味する。
【0025】
[0069]誘電体層104の露出面202及びメモリ層106の露出面204の開口部200に結晶化剤206を形成した後、図5A図5Cに示すように、メモリデバイスがアニールされる。メモリデバイスがアニールされると、結晶化剤206がメモリ層106を通って押し流され、メモリ層106が結晶化されて、単結晶様シリコン層208が形成される。アニーリング時間の経過とともに、結晶化剤/Si界面(例えば、ニッケル/Si界面;結晶化剤206のゾーン207とも呼ばれる)が下に移動し、それが通過した領域は、単結晶様シリコン層208となる。アニールの最終段階で、界面はメモリ層106の終わりに到達する。単結晶様シリコン層208に残っている結晶化剤の量はごくわずかである。
【0026】
[0070]メモリデバイスのアニーリングは、当業者に周知の任意の適切な技法によって達成され得る。例えば、アニーリングは、不活性雰囲気中で、約300℃から約700℃の温度範囲で行われ得る。1又は複数の実施形態では、アニーリングは、約500℃の温度で行われ得る。
【0027】
[0071]図5Aに、メモリ層106の長さの約10分の1の長さの結晶化剤206のゾーン207を示す。結晶化剤206のゾーン207が通過したメモリ層106の部分は、単結晶様シリコン層208に変換されている。
【0028】
[0072]図5Bに、結晶化剤206のゾーン207がメモリ層106の長さの約3分の2の距離まで押し流された後のメモリデバイスを示す。
【0029】
[0073]図5Cに、結晶化剤206のゾーン207がメモリ層106の長さの90パーセントを超えて押し流された後のメモリデバイスを示す。
【0030】
[0074]幾つかの実施形態では、メモリデバイスがアニールされると、結晶化剤206が、約0.5μm/時から約2.5μm/時の範囲の速度でメモリ層106を通って移動する。1又は複数の実施形態では、アニーリングは完了するのに約0.1時間から約10時間かかる。メモリ層のアモルファスシリコン又はポリシリコンには、電荷の経路を妨げる粒界があり、トランジスタの性能が低下する。幾つかの実施形態では、メモリデバイスがアニールされると、メモリ層106のアモルファスシリコン又はポリシリコンの粒径が有利に増加し、単結晶様シリコン層208が形成される。
【0031】
[0075]図6を参照すると、開口部200の結晶化剤206が除去されている。結晶化剤206は、当業者に周知の任意の適切な技法によって除去され得る。適切な技法には、エッチング及び化学機械平坦化が含まれるが、これらに限定されない。
【0032】
[0076]図7A及び図7Bを参照すると、酸化物充填材210が開口部200に堆積され、酸化物充填材210が誘電体層104の上面211と実質的に同一平面上になるように酸化物充填材210が平坦化されている。1又は複数の実施形態では、酸化物充填材210は、酸化物、炭素がドープされた酸化物、酸化ケイ素(SiO)、多孔性二酸化ケイ素(SiO)、酸化ケイ素(SiO)、窒化ケイ素(SiN)、酸化ケイ素/窒化ケイ素、炭化物、酸炭化物、窒化物、酸窒化物、酸炭窒化物、ポリマー、ホスホシリケートガラス、フルオロシリケート(SiOF)ガラス、又はオルガノシリケートガラス(SiOCH)のうちの1又は複数を含む。酸化物充填材210は、原子層堆積又は化学気相堆積を含むがこれらに限定されない、当業者に周知の任意の技法によって堆積され得る。
【0033】
[0077]図8A及び図8Bを参照すると、結晶化剤206はエッチングによって除去され、メモリデバイス100は、スタック102を通してエッチングされて、単結晶様シリコン層208の少なくとも幾つか、又はそれぞれにプレワード線延長部108が形成されている。当業者によって認識されるように、プレワード線延長部108の形成により、メモリデバイスに2つの部分、部分300a及び部分300bができる。幾つかの実施形態では、単結晶様シリコン層208の少なくとも幾つか、又はそれぞれは、複数のプレワード線延長108を有する。当業者によって認識されるように、各単結晶様シリコン層208には多数のプレワード線延長部108が存在し得るが、描画を容易にするために、単一のプレワード線延長部108のみが示されている。図8Bは、図8Aの軸A-A´に沿って取られた断面図100bである。1又は複数の実施形態では、複数のプレワード線延長部108は、交互の誘電体層104及び単結晶様シリコン層208のスタック102を通して少なくとも1つのチャネルをエッチングし、誘電体層104を選択的に除去することによって形成される。
【0034】
[0078]幾つかの実施形態では、少なくとも1つのチャネルは、スタック102に形成されたマスク(図示せず)の開口部を通してエッチングされ、続いて異方性エッチングプロセスが行われる。
【0035】
[0079]メモリデバイス100内に含まれる構造を見やすくするために、図9A図21では、部分300bは示されていない。図9A及び図9Bを参照すると、ゲート酸化物層110が、プレワード線延長部108に形成されている。図9Bは、図9Aの軸A-A´に沿って取られた断面図100bである。図示した実施形態は、ゲート酸化物層110を均一な形状の共形層として示している。しかしながら、当業者は、これが単に例示の目的であり、ゲート酸化物層110が等方的に形成され得、その結果、ゲート酸化物層110が丸みを帯びた外観を有することを認識するであろう。
【0036】
[0080]1又は複数の実施形態では、ゲート酸化物層110は、ゲート酸化物材料を含む。1又は複数の実施形態では、ゲート酸化物層110は、酸窒化ケイ素(SiON)、酸化ケイ素、又は高誘電率誘電体材料のうちの1又は複数を含む。「酸化ケイ素」という用語は、ゲート酸化物層110を説明するために使用され得るが、当業者には、本開示が特定の化学量論に限定されないことが認識されるであろう。例えば、「酸化ケイ素」及び「二酸化ケイ素」という用語は両方とも、任意の適切な化学量論比でケイ素及び酸素原子を有する材料を説明するために使用され得る。同じことが、本開示に記載されている、例えば窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、酸化タングステン、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム等の他の材料にも当てはまる。
【0037】
[0081]図10A及び図10Bを参照すると、ワード線114が、複数のプレワード線延長部108及びゲート酸化物層110にワード線金属112を堆積させることによって形成されている。図10Bは、図10Aの軸A-A´に沿って取られた断面図100bである。図示した実施形態は、均一な形状の共形層としてのワード線金属112を示している。しかしながら、当業者には、これが単に例示の目的であり、ゲート酸化物層110が等方的に形成され得、その結果、ゲート酸化物層110が丸みを帯びた外観を有することが認識されるであろう。ワード線金属112が複数のプレワード線延長部108に堆積されると、プレワード線延長部108は電気的に接続される。1又は複数の実施形態では、ワード線金属112は、ゲート酸化物層110に堆積される。1又は複数の実施形態では、ワード線金属112は、銅(Cu)、コバルト(Co)、タングステン(W)、アルミニウム(Al)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、モリブデン(Mo)、プラチナ(Pt)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、又はロジウム(Rh)のうちの1又は複数を含む。ワード線金属112は、化学気相堆積、物理的気相堆積、又は原子層堆積を含むがこれらに限定されない、当業者に周知の幾つかの方法のいずれか1つを使用して堆積される。
【0038】
[0082]本明細書で使用する「原子層堆積」又は「周期的堆積」は、基板表面に材料の層を堆積させるための2つ以上の反応性化合物の連続暴露を指すものである。基板、又は基板の一部は、処理チャンバの反応ゾーンに導入される2つ以上の反応性化合物に別々に曝露される。時間領域ALDプロセスでは、各反応性化合物への曝露は時間遅延によって分離され、各化合物が基板表面に付着及び/又は反応し、処理チャンバからパージされる。これらの反応性化合物は、基板に順次曝露されると言われている。空間ALDプロセスでは、基板上の任意の所与の点が実質的に同時に2つ以上の反応性化合物に曝露されないように、基板表面、又は基板表面上の材料の異なる部分が2つ以上の反応性化合物に同時に曝露される。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用する場合、この点における「実質的に」という用語は、当業者によって理解されるように、基板のごく一部が拡散により複数の反応性ガスに同時に曝露される可能性があり、また同時暴露が意図されていないことを意味する。
【0039】
[0083]時間領域ALDプロセスの一態様では、第1の反応性ガス(すなわち、第1の前駆体又は化合物A、例えば、アルミニウム前駆体)が反応ゾーンにパルスされ、その後、第1の時間遅延が続く。次に、第2の前駆体又は化合物B(例えば、酸化体)が反応ゾーンにパルスされ、続いて第2の遅延が行われる。各時間遅延の間に、アルゴン等のパージガスが処理チャンバに導入されて、反応ゾーンがパージされる、さもなければ、反応ゾーンからすべての残留反応性化合物又は反応副生成物が除去される。あるいは、パージガスは、反応性化合物のパルス間の時間遅延中にパージガスのみが流れるように、堆積プロセス全体にわたって連続的に流れていてよい。基板表面に所望の膜又は膜厚が形成されるまで、反応性化合物が交互にパルスされる。どちらのシナリオでも、化合物A、パージガス、化合物B、及びパージガスをパルス化するALDプロセスはサイクルである。サイクルは、化合物A又は化合物Bのいずれかで開始し、所定の厚さの膜が得られるまで、サイクルのそれぞれの順序を継続し得る。
【0040】
[0084]空間ALDプロセスの一実施形態では、第1の反応性ガス及び第2の反応性ガス(例えば、窒素ガス)は、反応ゾーンに同時に送達されるが、不活性ガスカーテン及び/又は真空カーテンによって分離される。基板は、ガス供給装置に対して移動され、その結果、基板上の任意の所与の点が、第1の反応性ガス及び第2の反応性ガスに暴露される。
【0041】
[0085]本明細書で使用する「化学気相堆積」は、基板表面が、前駆体及び/又は共試薬に同時に又は実質的に同時に曝露されるプロセスを指している。本明細書で使用する「実質的に同時に」は、並行流、又は前駆体の大部分の曝露について重複がある場合のいずれかを指している。
【0042】
[0086]プラズマ化学気相堆積(PECVD)は、費用効率及び膜特性の多様性のため、薄膜を堆積させるのに広く使用されている。PECVDプロセスでは、例えば、気相炭化水素又はキャリアガスに混入された液相炭化水素の蒸気等の炭化水素源がPECVDチャンバに導入される。プラズマ開始ガス、通常はヘリウムもチャンバに導入される。次に、プラズマがチャンバで開始され、励起されたCHラジカルが生じる。励起されたCHラジカルは、チャンバに位置づけされた基板の表面に化学的に結合し、その上に所望の膜が形成される。PECVDプロセスに関して本明細書に記載されている実施形態は、任意の適切な薄膜堆積システムを使用して実行され得る。本明細書に記載のすべての装置の説明は例示的なものであり、本明細書に記載の実施形態の範囲を限定するものとして解釈又は判断されるべきではない。
【0043】
[0087]次に、図11A及び図11Bを参照すると、誘電体材料116が、ワード線114に(周囲に)堆積されている。図11Bは、図11Aの軸A-A´に沿って取られた断面図100bである。誘電体材料116は、化学気相堆積、物理的気相堆積、又は原子層堆積を含むがこれらに限定されない、当業者に周知の幾つかの方法のいずれか1つを使用して堆積される。誘電体材料116は、誘電体層104と同じ組成又は異なる組成であり得る。
【0044】
[0088]次に、図12A図12Cを参照すると、複数のワード線114を有する交互誘電体層104及び単結晶様シリコン層208がパターニングされて、複数のビット線開口部118が形成されている。1又は複数の実施形態では、各ビット線開口部118は、交互の誘電体層104及び単結晶様シリコン層208を通って延在する。図12Bは、図12Aの軸A-A´に沿って取られた断面図100bである。図12Cは、図7Bのエリア/正方形120の拡大図100cである。
【0045】
[0089]図12Bのエリア/正方形120の拡大図100cである図13を参照すると、ワード線金属112が引っ込んでいる。ワード線金属112を引っ込ませることは、当業者に周知の任意の適切な技法によって行われ得る。ワード線金属112を引っ込ませると、ワード線金属112の上面113が、ゲート酸化物層110の上面111よりも低くなる。ワード線金属112を引っ込ませると、ゲート酸化物層110の上面111がビット線開口部118に露出する。
【0046】
[0090]図12Bのエリア/正方形120の拡大図100cである図14を参照すると、酸化物122が、複数のビット線開口部118に共形的に堆積され、誘電体材料116の露出面及びゲート酸化物層110に堆積されている。1又は複数の実施形態では、酸化物122は、当業者に周知の任意の適切な酸化物材料を含み得る。図示した実施形態では、酸化物122は、ゲート酸化物層110に対して誘電体材料に選択的に堆積される。幾つかの実施形態では、酸化物122は、ゲート酸化物層110及び誘電体材料に堆積される。
【0047】
[0091]図12Bのエリア/正方形120の拡大図100cである図15を参照すると、酸化物122が、酸化物の一部のみがワード線金属112及びゲート酸化物層110に隣接したままになるように、選択的に除去されている。酸化物122が選択的に除去されると、プレワード線延長部108上のゲート酸化物層110の一部も除去され、プレワード線延長部108の一部がビット線開口部118に露出したままになる。酸化物122は、化学機械研磨(CMP)、エッチング等を含むがこれらに限定されない、当業者に周知の幾つかの方法のいずれか1つを使用して選択的に除去される。図示した実施形態では、酸化物122及びゲート酸化物層110は、酸化物122の上面123及びゲート酸化物層110の上面111が、プレワード線延長部108の上面109の下にほぼ同じ量だけ引っ込むように除去される。
【0048】
[0092]図12Bのエリア/正方形120の拡大図100cである図16を参照すると、ライナ124は、複数のビット線開口部118に共形的に堆積され、誘電体材料116、ゲート酸化物層110、プレワード線延長部108、及び酸化物122の露出面に堆積されている。ライナ124は、当業者に周知の任意の適切な技法によって堆積され得る。ライナ124は、窒化チタン(TiN)又は窒化タンタル(TaN)を含むがこれらに限定されない任意の適切な材料であり得る。
【0049】
[0093]図12Bのエリア/正方形120の拡大図100cである図17を参照すると、ビット線金属126が複数のビット線開口部118に堆積されて、ビット線128が形成されている。1又は複数の実施形態では、ビット線金属126は、WSi、WN、又はWのうちの1又は複数を含む。ビット線金属126は、当業者に周知の任意の適切な技法によって堆積させることができ、任意の適切な材料であり得る。1又は複数の実施形態では、ワード線114を形成することは、ビット線金属128を堆積させる前に、酸化物層122にビット線金属シード層を形成することを更に含む。
【0050】
[0094]図18A及び図18Bを参照すると、メモリデバイス100は、見やすくするために誘電体層104が除去された状態で示されている。図18Bは、図18Aの軸B-B´に沿って取られた断面図100dである。スタック102は、交互の誘電体層(見やすくするために除去されている)及び単結晶様シリコン層208を通って延在する少なくとも1つのビット線128を有する。各単結晶様シリコン層208は、プレワード線延長部108、ゲート酸化物層110、及び第1の金属層112を含む少なくとも1つのワード線114を有する。少なくとも1つのワード線114は、ビット線128に隣接する第1の側面130と、第1の側面130の反対側の第2の側面132とを有する。
【0051】
[0095]図19A及び図19Bを参照すると、少なくとも1つのプレキャパシタ延長部134が、単結晶様シリコン層208に形成されている。図19Bは、図19Aの軸B-B´に沿って取られた断面図100dである。プレキャパシタ延長部134は、ワード線114の第2の側面132と接触している。1又は複数の実施形態では、単結晶様シリコン層208に少なくとも1つのプレキャパシタ延長部134を形成することは、単結晶様シリコン層208にマスク層(図示せず)を形成し、マスク層を通して単結晶様シリコン層208をエッチングして、プレキャパシタ延長部134を形成することを含む。1又は複数の実施形態では、この方法は、誘電体層104の一部(見やすくするために図示せず)を選択的に除去し、プレキャパシタ延長部134をドープして下部電極を形成することを更に含む。
【0052】
[0096]図19Aの軸B-B’に沿って取られた断面図である図20では、少なくとも1つのプレキャパシタ延長部134は、最初にプレキャパシタ延長部134の高誘電率誘電体136を堆積させることによってキャパシタ140に形成される。1又は複数の実施形態では、「高誘電率誘電体」という用語は、(例えば、二酸化ケイ素と比較して)高い誘電率を有する材料を指している。1又は複数の実施形態では、高誘電率誘電体材料は、酸化ハフニウム(HfO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化バナジウム(VO)、酸化チタン(TiO)、酸化スズ(SnO)、酸化アルミニウム(Al)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ハフニウムシリコン(HfSiO)、酸化ジルコニウムシリコン(ZrSiO)、又は酸化ニオビウム(Nb)のうちの1又は複数から選択される。
【0053】
[0097]図19Aの軸B-B’に沿って取られた断面図である図21では、キャパシタ140は、最初に、プレキャパシタ延長部134上の高誘電率誘電体136に上部接点138を堆積させることによって形成される。1又は複数の実施形態では、上部接点138は、当業者に周知の任意の適切な材料であり得る。1又は複数の実施形態では、上部接点138は、窒素(N)、銅(Cu)、コバルト(Co)、タングステン(W)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、ルテニウム(Ru)、銀(Ag)、金(Au)、イリジウム(Ir)、タンタル(Ta)、又はプラチナ(Pt)のうちの1又は複数から選択される。
【0054】
[0098]図22を参照すると、1又は複数の実施形態は、交互のメモリ層106及び誘電体層104のスタック102を通って延在する複数のビット線128を備えるメモリデバイス100を提供している。1又は複数の実施形態では、メモリ層106のそれぞれは、単結晶様シリコン層208と、複数のビット線128の第1の側面に隣接する第1の側面130、及び第1の側面130の反対側の第2の側面132を有する第1のワード線114aと、複数のビット線128の第2の側面に隣接する第1の側面130b、及び第1の側面130bの反対側の第2の側面132bを有する第2のワード線114bと、第1のワード線114aの第2の側面132aに隣接する少なくとも1つの第1のキャパシタ140と、第2のワード線114bの第2の側面132bに隣接する少なくとも1つの第2のキャパシタ140bとを含む。1又は複数の実施形態では、第1のワード線114a及び第2のワード線114bは、独立して、単結晶様シリコン層208、ゲート酸化物層110、及び第1の金属層112を含むプレワード線延長部108を含む。1又は複数の実施形態では、ゲート酸化物層110は、ゲート酸化物材料を含む。1又は複数の実施形態では、ゲート酸化物層110は、酸窒化ケイ素(SiON)、酸化ケイ素、又は高誘電率誘電体材料のうちの1又は複数を含む。1又は複数の実施形態では、ワード線第1の金属層112は、銅(Cu)、コバルト(Co)、タングステン(W)、アルミニウム(Al)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、モリブデン(Mo)、プラチナ(Pt)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、又はロジウム(Rh)のうちの1又は複数を含む。ワード線金属112は、化学気相堆積、物理的気相堆積、又は原子層堆積を含むがこれらに限定されない、当業者に周知の幾つかの方法のいずれか1つを使用して堆積される。
【0055】
[0099]1又は複数の実施形態では、複数のビット線128は、WSi、WN、又はWのうちの1又は複数を含む。1又は複数の実施形態では、少なくとも1つの第1のキャパシタ140a及び少なくとも1つの第2のキャパシタ140bは、独立して、高誘電率誘電体、又は銅(Cu)、コバルト(Co)、タングステン(W)、アルミニウム(Al)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、モリブデン(Mo)、プラチナ(Pt)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、又はロジウム(Rh)のうちの1又は複数を含む金属層のうちの1又は複数を含む。
【0056】
[00100]1又は複数の実施形態では、第1のワード線114a及び第2のワード線114bは、独立して、ゲート酸化物層136又は上部接点138のうちの1又は複数を含む。1又は複数の実施形態では、ゲート酸化物層136は、酸窒化ケイ素(SiON)、酸化ケイ素(SiO)、又は高誘電率誘電体材料のうちの1又は複数を含む。1又は複数の実施形態では、上部接点138は、窒素(N)、銅(Cu)、コバルト(Co)、タングステン(W)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、ルテニウム(Ru)、銀(Ag)、金(Au)、イリジウム(Ir)、タンタル(Ta)、又はプラチナ(Pt)のうちの1又は複数を含む。
【0057】
[00101]1又は複数の実施形態では、メモリデバイス100は、第1のワード線114aと電気通信する少なくとも1つの第1のワード線接点150と、第2のワード線114bと電気通信する少なくとも1つの第2のワード線接点とを備える。1又は複数の実施形態では、少なくとも1つの第1のワード線接点及び少なくとも1つの第2のワード線接点は、単結晶様シリコン層208及び誘電体層104を含む交互のメモリ層106を通って、それぞれ、第1のワード線114a又は第2のワード線114bのうちの1つで終端するのに十分な距離だけ延在する。
【0058】
[00102]図23A図28は、1又は複数の代替実施形態を提供するものである。誘電体層104を示すために点線が引かれていることを除いて図19A及び図19Bと同じである図23A及び図23Bを参照すると、少なくとも1つのプレキャパシタ延長部134が単結晶様シリコン層208に形成されている。図23Bは、図23Aの軸B-B´に沿って取られた断面図100dである。プレキャパシタ延長部134は、ワード線114の第2の側面132と接触している。1又は複数の実施形態では、単結晶様シリコン層208に少なくとも1つのプレキャパシタ延長部134を形成することは、単結晶様シリコン層208にマスク層(図示せず)を形成し、マスク層を通して単結晶様シリコン層208をエッチングして、プレキャパシタ延長部134を形成することを含む。1又は複数の実施形態では、本方法は、誘電体層104の一部を選択的に除去し、プレキャパシタ延長部134をドープして下部電極を形成することを更に含む。
【0059】
[00103]図24A及び図24Bでは、単結晶様シリコン層208が共形的にドープされて、高濃度にドープされたシリコン層212が形成される。例えば、1又は複数の実施形態では、単結晶様シリコン層208の一部を除去してプレキャパシタ延長部132を形成した後、残りの単結晶様シリコン層208は、PLAD(PLAsmaドーピング)又はリン(P)又はヒ素(As)を用いたガス環境でのガス相ドーピングによってドープされ得る。図24Bは、図24Aの軸B-B´に沿って取られた断面図100dである。単結晶様シリコン層208が、ワード線114に残っている。
【0060】
[00104]図25A及び図25Bを参照すると、高濃度にドープされたシリコン層212が引っ込んでおり、引っ込み部213を形成している。図25Bは、図25Aの軸B-B´に沿って取られた断面図100dである。1又は複数の実施形態では、高濃度にドープされたシリコン層212が引っ込むようにエッチングされる。引っ込み部の深さは、ワード線114のエッチングを防ぐように制御され、したがって、高濃度にドープされたシリコン層212のごく一部が、ワード線114の第2の側面132に隣接したままになる。
【0061】
[00105]図26A及び図26Bを参照すると、金属が、開口部213を通して堆積されて、第2の金属材料214が形成されている。1又は複数の実施形態では、金属材料214は、物理的気相堆積、原子層堆積、又は化学気相堆積を含むがこれらに限定されない、当業者に周知の任意の技法によって堆積され得る。1又は複数の実施形態では、金属材料214は、銅(Cu)、コバルト(Co)、タングステン(W)、アルミニウム(Al)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、モリブデン(Mo)、プラチナ(Pt)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、又はロジウム(Rh)等から選択される1又は複数の金属を含む。
【0062】
[00106]他の実施形態では、金属が、開口部213を通して堆積されて、金属窒化物材料214が形成されている。1又は複数の実施形態では、金属窒化物材料214は、物理的気相堆積、原子層堆積、又は化学気相堆積を含むがこれらに限定されない、当業者に周知の任意の技法によって堆積され得る。1又は複数の実施形態では、窒化金属窒化物材料214は、窒化チタン(TiN)、窒化チタンシリコン(TiSiN)、窒化タンタル(TaN)、窒化タンタルシリコン(TaSiN)、窒化タングステン(WN)、窒化タングステンシリコン(WSiN)等から選択される1又は複数の金属窒化物を含む。
【0063】
[00107]図26Aの軸B-B’に沿って取られた断面図である図27を参照すると、少なくとも1つのプレキャパシタ延長部134が、最初に第2の金属材料214及び高濃度にドープされたシリコン212を含むプレキャパシタ延長部134に高誘電率誘電体136を堆積させることによってキャパシタ140に形成されている。1又は複数の実施形態では、「高誘電率誘電体」という用語は、(例えば、二酸化ケイ素と比較して)高い誘電率を有する材料を指している。1又は複数の実施形態では、高誘電率誘電体材料は、酸化ハフニウム(HfO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化バナジウム(VO)、酸化チタン(TiO)、酸化スズ(SnO)、酸化アルミニウム(Al)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ハフニウムシリコン(HfSiO)、酸化ジルコニウムシリコン(ZrSiO)、又は酸化ニオビウム(Nb)のうちの1又は複数から選択される。
【0064】
[00108]図26Aの軸B-B’に沿って取られた断面図である図28において、キャパシタ140が、最初に、第2の金属材料214及び高濃度にドープされたシリコン212を含むプレキャパシタ延長部134上の高誘電率誘電体136に上部接点138を堆積させることによって形成されている。1又は複数の実施形態では、上部接点138は、当業者に周知の任意の適切な材料であり得る。1又は複数の実施形態では、上部接点138は、窒素(N)、銅(Cu)、コバルト(Co)、タングステン(W)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、ルテニウム(Ru)、銀(Ag)、金(Au)、イリジウム(Ir)、タンタル(Ta)、又はプラチナ(Pt)のうちの1又は複数から選択される。
【0065】
[00109]図29を参照すると、1又は複数の実施形態は、交互のメモリ層106及び誘電体層104のスタック102を通って延在する複数のビット線128を備えるメモリデバイス100を提供している。1又は複数の実施形態では、メモリ層106のそれぞれは、単結晶様シリコン層208、金属窒化物材料214、及び高濃度にドープされたシリコン212を含む。メモリ層106のそれぞれは、単結晶様シリコン層208を含み、複数のビット線128の第1の側面に隣接する第1の側面130と、第1の側面130の反対側の第2の側面132とを有する第1のワード線114aと、単結晶様シリコン層208を含み、複数のビット線128の第2の側面に隣接する第1の側面130bと、第1の側面130bの反対側の第2の側面132bとを有する第2のワード線114bと、金属窒化物材料214及び高濃度にドープされたシリコン212を含み、第1のワード線114aの第2の側面132aに隣接する少なくとも1つの第1のキャパシタ140と、金属窒化物材料214及び高濃度にドープされたシリコン212を含み、第2のワード線114bの第2の側面132bに隣接する少なくとも1つの第2のキャパシタ140bとを含む。1又は複数の実施形態では、第2の金属窒化物材料214は、窒化チタン(TiN)、窒化チタンシリコン(TiSiN)、窒化タンタル(TaN)、窒化タンタルシリコン(TaSiN)、窒化タングステン(WN)、窒化タングステンシリコン(WSiN)等から選択される1又は複数の金属を含む。
【0066】
[00110]1又は複数の実施形態では、第1のワード線114a及び第2のワード線114bは、独立して、単結晶様シリコン層208、ゲート酸化物層110、及び第1の金属層112を含むプレワード線延長部108を含む。1又は複数の実施形態では、ゲート酸化物層110は、ゲート酸化物材料を含む。1又は複数の実施形態では、ゲート酸化物層110は、酸窒化ケイ素(SiON)、酸化ケイ素、又は高誘電率誘電体材料のうちの1又は複数を含む。1又は複数の実施形態では、ワード線第1の金属層112は、銅(Cu)、コバルト(Co)、タングステン(W)、アルミニウム(Al)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、モリブデン(Mo)、プラチナ(Pt)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、又はロジウム(Rh)のうちの1又は複数を含む。ワード線金属層112は、化学気相堆積、物理的気相堆積、又は原子層堆積を含むがこれらに限定されない、当業者に周知の幾つかの方法のいずれか1つを使用して堆積される。
【0067】
[00111]1又は複数の実施形態では、複数のビット線128は、WSi、WN、又はWのうちの1又は複数を含む。1又は複数の実施形態では、少なくとも1つの第1のキャパシタ140a及び少なくとも1つの第2のキャパシタ140bは、独立して、銅(Cu)、コバルト(Co)、タングステン(W)、アルミニウム(Al)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、モリブデン(Mo)、プラチナ(Pt)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、又はロジウム(Rh)のうちの1又は複数を含む高誘電率誘電体又は金属層のうちの1又は複数を含む。
【0068】
[00112]1又は複数の実施形態では、第1のワード線114a及び第2のワード線114bは、独立して、ゲート酸化物層136又は上部接点138のうちの1又は複数を含む。1又は複数の実施形態では、ゲート酸化物層136は、酸窒化ケイ素(SiON)、酸化ケイ素(SiO)、又は高誘電率誘電体材料のうちの1又は複数を含む。1又は複数の実施形態では、上部接点138は、窒素(N)、銅(Cu)、コバルト(Co)、タングステン(W)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、ルテニウム(Ru)、銀(Ag)、金(Au)、イリジウム(Ir)、タンタル(Ta)、又はプラチナ(Pt)のうちの1又は複数を含む。
【0069】
[00113]1又は複数の実施形態では、メモリデバイス100は、第1のワード線114aと電気通信する少なくとも1つの第1のワード線接点150と、第2のワード線114bと電気通信する少なくとも1つの第2のワード線接点とを備える。1又は複数の実施形態では、少なくとも1つの第1のワード線接点及び少なくとも1つの第2のワード線接点は、単結晶様シリコン層208及び誘電体層104を含む交互のメモリ層106を通って、それぞれ、第1のワード線114a又は第2のワード線114bのうちの1つで終端するのに十分な距離だけ延在する。
【0070】
[00114]本開示の追加の実施形態は、図30に示すように、記載のメモリデバイスの形成及び方法のための処理ツール900を対象としたものである。
【0071】
[00115]クラスタツール900は、複数の側面を備えた少なくとも1つの中央移送ステーション921、931を備える。ロボット925、935は、中央移送ステーション921、931内に位置づけされ、ロボットブレード及びウエハを複数の側面のそれぞれに移動させるように構成される。
【0072】
[00116]クラスタツール900は、中央移送ステーションに接続されたプロセスステーションとも呼ばれる複数の処理チャンバ902、904、906、908、910、912、914、916、及び918を備える。様々な処理チャンバは、隣接するプロセスステーションから分離された個別の処理領域を提供する。処理チャンバは、前洗浄チャンバ、バッファチャンバ、移送スペース、ウエハオリエンタ/ガス抜きチャンバ、低温冷却チャンバ、堆積チャンバ、アニーリングチャンバ、エッチングチャンバ及び結晶化剤除去チャンバを含むがこれらに限定されない任意の適切なチャンバであり得る。プロセスチャンバ及び構成要素の特定の配置は、クラスタツールに応じて変えることができ、本開示の範囲を限定するものと見なすべきではない。
【0073】
[00117]幾つかの実施形態では、クラスタツール900は、結晶化剤堆積チャンバを含む。幾つかの実施形態の結晶化剤堆積チャンバは、原子層堆積チャンバ、プラズマ原子層堆積チャンバ、化学気相堆積チャンバ、プラズマ化学気相堆積チャンバ、又は物理的堆積チャンバのうちの1又は複数を含む。幾つかの実施形態では、クラスタツール900は、中央移送ステーションに接続された前洗浄チャンバを含む。
【0074】
[00118]図30に示す実施形態では、ファクトリインターフェース950がクラスタツール900の前面に接続されている。ファクトリインターフェース950は、ファクトリインターフェース950の前面951上にローディングチャンバ954及びアンローディングチャンバ956を含む。ローディングチャンバ954を左側に示し、アンローディングチャンバ956を右側に示したが、当業者は、これが1つの可能な構成の単なる表現であると理解するであろう。
【0075】
[00119]ローディングチャンバ954及びアンローディングチャンバ956のサイズ及び形状は、例えば、クラスタツール900で処理されている基板に応じて変わり得る。図示した実施形態では、ローディングチャンバ954及びアンローディングチャンバ956は、カセット内に位置づけされた複数のウエハを備えたウエハカセットを保持するようにサイズ設定される。
【0076】
[00120]ロボット952は、ファクトリインターフェース950内にあり、ローディングチャンバ954とアンローディングチャンバ956との間を移動し得る。ロボット952は、ローディングチャンバ954内のカセットからファクトリインターフェース950を介してロードロックチャンバ960にウエハを移送し得る。ロボット952はまた、ウエハをロードロックチャンバ962からファクトリインターフェース950を介してアンローディングチャンバ956のカセットに移送し得る。当業者によって理解されるように、ファクトリインターフェース950は、複数のロボット952を有し得る。例えば、ファクトリインターフェース950は、ローディングチャンバ954とロードロックチャンバ960との間でウエハを移送する第1のロボットと、ロードロック962とアンローディングチャンバ956との間でウエハを移送する第2のロボットとを有し得る。
【0077】
[00121]図示したクラスタツール900は、第1のセクション920及び第2のセクション930を有する。第1のセクション920は、ロードロックチャンバ960、962を介してファクトリインターフェース950に接続されている。第1のセクション920は、その中に位置づけされた少なくとも1つのロボット925を備えた第1の移送チャンバ921を含む。ロボット925は、ロボットウエハ輸送機構とも呼ばれる。第1の移送チャンバ921は、ロードロックチャンバ960、962、プロセスチャンバ902、904、916、918、及びバッファチャンバ922、924に対して中央に位置している。幾つかの実施形態のロボット925は、一度に複数のウエハを独立して移動させることができるマルチアームロボットである。幾つかの実施形態では、第1の移送チャンバ921は、複数のロボットウエハ移送機構を含む。第1の移送チャンバ921内のロボット925は、第1の移送チャンバ921の周りのチャンバ間でウエハを移動させるように構成される。個々のウエハは、第1のロボット機構の遠位端に位置するウエハ輸送ブレード上で運ばれる。
【0078】
[00122]第1のセクション920でウエハを処理した後、ウエハは、パススルーチャンバを通して第2のセクション930に送られ得る。例えば、チャンバ922、924は、一方向又は双方向のパススルーチャンバであり得る。パススルーチャンバ922、924は、例えば、第2のセクション930で処理する前にウエハを低温冷却するために、又は第1のセクション920に戻る前にウエハ冷却又は後処理を可能にするために使用され得る。
【0079】
[00123]システムコントローラ990は、第1のロボット925、第2のロボット935、第1の複数の処理チャンバ902、904、916、918、及び第2の複数の処理チャンバ906、908、910、912、914と通信している。システムコントローラ990は、処理チャンバ及びロボットを制御することができる任意の適切な構成要素であり得る。例えば、システムコントローラ990は、中央処理装置、メモリ、適切な回路及びストレージを含むコンピュータであり得る。
【0080】
[00124]プロセスは、一般に、プロセッサによって実行されると、プロセスチャンバに本開示のプロセスを実行させるソフトウェアルーチンとして、システムコントローラ990のメモリに格納され得る。ソフトウェアルーチンはまた、プロセッサによって制御されているハードウェアから離れて位置する第2のプロセッサ(図示せず)によって格納及び/又は実行され得る。本開示の方法の幾つか又はすべてはまた、ハードウェアで実行され得る。したがって、プロセスは、ソフトウェアで実装され、コンピュータシステムを使用して、例えば、特定用途向け集積回路又は他のタイプのハードウェア実装としてのハードウェアで、又はソフトウェアとハードウェアの組み合わせとして実行され得る。ソフトウェアルーチンは、プロセッサによって実行されると、汎用コンピュータを、プロセスが実行されるようにチャンバの工程を制御する特定の目的のコンピュータ(コントローラ)に変換する。
【0081】
[00125]幾つかの実施形態では、システムコントローラ990は、アニーリングチャンバを制御して、約300℃から約700℃の範囲の温度で、約0.1時間から約12時間の範囲の時間でウエハをアニール処理する構成を有する。幾つかの実施形態では、コントローラ990は、前洗浄チャンバを作動させてウエハから酸化物層を除去する構成を有する。
【0082】
[00126]「下(beneath)、(below)」、「下方(lower)」、「上(above)」、「上方(upper)」等のような空間的に相対的な用語は、図に示すある要素又は特徴の別の要素又は特徴との関係を示す説明を容易にするために本明細書で使用され得る。空間的に相対的な用語は、図に示す配向に加えて、使用中又は動作中のデバイスの異なる配向を包含するものであることが理解されよう。例えば、図のデバイスがひっくり返された場合、他の要素又は特徴の「下(below又はbeneath)」として記載される要素は、他の要素又は特徴の「上」に配向される。したがって、「下(below)」という例示的な用語は、上と下の両方の配向を包含し得る。デバイスは、他の方法で配向され(90度回転され又は他の配向にあり)得、本明細書で使用する空間的に相対的な記述子はそれに応じて解釈され得る。
【0083】
[00127]本明細書に記載の材料及び方法を説明する文脈での(特に以下の請求項の文脈で)「a」及び「an」及び「the」という用語及び同様の指示対象の使用は、本書に別段の記載がない限り、又は文脈によって明確に矛盾しない限り、単数形及び複数形の両方を網羅すると解釈されるべきである。本明細書の値の範囲の列挙は、本明細書に別段の記載がない限り、範囲内にある各個別の値を個別に参照する簡略化された方法として役立つことを単に意図し、各個別の値は、本明細書に個別に記載されているかのように本明細書に組み込まれる。本明細書に記載のすべての方法は、本明細書に別段の記載がない限り、又は文脈によって明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で実行され得る。本明細書で提供する任意の及び全ての例、又は例示的な文言(例えば、「等」)の使用は、単に材料及び方法をよりよく明らかにすることを意図しており、別段の請求がない限り、範囲に制限を課すものではない。本明細書のいかなる文言も、開示された材料及び方法の実施に不可欠であるとして、特許請求の範囲にない要素を示すと解釈されるべきではない。
【0084】
[00128]本明細書全体における「一実施形態」、「特定の実施形態」、「1又は複数の実施形態」又は「実施形態」への言及は、その実施形態に関連して説明した特定の特徴、構造、材料、又は特性が本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体の様々な場所での「1又は複数の実施形態では」、「特定の実施形態では」、「一実施形態では」又は「実施形態では」等の句の出現は、必ずしも本開示の同じ実施形態を指すとは限らない。1又は複数の実施形態において特定の特徴、構造、材料、又は特性を任意の適切な方法で組み合わせることができる。本明細書の開示を、特定の実施形態を参照しながら説明してきたが、これらの実施形態は、本開示の原理及び適用の単なる例示であることを理解されたい。当業者には、本開示の主旨及び範囲から逸脱することなく、本開示の方法及び装置に様々な修正及び変更を加えることができることが明らかであろう。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲及びそれらの同等物の範囲内である修正及び変更を含むことが意図される。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B
図11A
図11B
図12A
図12B
図12C
図13
図14
図15
図16
図17
図18A
図18B
図19A
図19B
図20
図21
図22
図23A
図23B
図24A
図24B
図25A
図25B
図26A
図26B
図27
図28
図29
図30