(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-09
(45)【発行日】2023-05-17
(54)【発明の名称】接触角特定方法、接触角特定システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
G01N 13/00 20060101AFI20230510BHJP
【FI】
G01N13/00
(21)【出願番号】P 2023507394
(86)(22)【出願日】2023-01-31
(86)【国際出願番号】 JP2023003015
【審査請求日】2023-02-02
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】304021277
【氏名又は名称】国立大学法人 名古屋工業大学
(74)【代理人】
【識別番号】110002424
【氏名又は名称】ケー・ティー・アンド・エス弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】糸魚川 文広
(72)【発明者】
【氏名】樋口 和夫
【審査官】福田 裕司
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-232009(JP,A)
【文献】特開2012-208075(JP,A)
【文献】特開平05-126716(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105675452(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第110579428(CN,A)
【文献】Guilherme Dutra et al.,Large area optical mapping of surface contact angle,Optics Express,2017年09月04日,Vol.25, No.18,pp.21127-21144,https://doi.org/10.1364/OE.25.021127
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 13/00~13/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の溶液を複数種類の液滴量V1~Vnで平面上に滴下してそれぞれ球欠状の滴下溶液を形成し、該滴下溶液を平面視で撮影した画像それぞれを取得する取得手順と、
前記取得手順にて取得した画像それぞれに対し、円形に拡がる滴下溶液の面積Aを算出する第1算出手順と、
前記取得手順にて取得した画像のうち、前記第1算出手順にて算出した面積Aが、その画像に対応する液滴量Viの滴下溶液について定められる適正面積A0の範囲に収まる画像を、適正画像として抽出する抽出手順と、
前記抽出手順にて抽出したいずれかの適正画像に対して前記第1算出手順で算出した面積A、および、前記適正画像に対応する液滴量Viに基づいて、前記適正画像における滴下溶液の接触角θを特定する特定手順と、を備える、
接触角特定方法。
【請求項2】
前記抽出手順にて抽出したいすれかの適正画像に対して前記第1算出手順で算出した面積A、および、前記適正画像に対応する液滴量Viで規定される下記数式(1)に基づいて、前記適正画像の滴下溶液が形成する球欠の高さhを算出する第2算出手順と、
前記第2算出手順にて算出した球欠の高さh、および、前記適正画像に対応する液滴量Viで規定される下記数式(2)に基づいて、前記適正画像の滴下溶液が形成する球欠のもととなる球の半径rを算出する第3算出手順と、を備え、
前記特定手順では、前記適正画像に対して前記第1
算出手順で算出した面積A(=π・a^2)となる円の半径a、および、前記第3算出手順で算出した球の半径rで規定される下記数式(3)に基づいて、前記適正画像における滴下溶液の接触角θを特定する、
請求項1に記載の接触角特定方法。
Vi=(π・h/6)・(3・(a^2)+h^2) … 数式(1)
Vi=((π・h^2)/3)・(3・r-h) … 数式(2)
θ=arcsin(a/r) … 数式(3)
【請求項3】
前記抽出手順では、液滴量Vi、比例定数k、および、所定の許容誤差率Δkで規定される下記数式(4)にて算出される値を前記適正面積A0として、該適正面積A0の範囲に収まっている画像を抽出する、
請求項1または請求項2に記載の接触角特定方法。
A0=k・(1±Δk)・Vi^(2/3) … 数式(4)
【請求項5】
コンピュータを請求項4に記載の各手段として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平面上に滴下した溶液の接触角を特定する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、平面上に滴下した溶液の接触角は、滴下後の滴下溶液を側方から撮影した画像を取得してその解析により特定することが一般的である。具体的には、溶液を適切な液滴量で平面上に滴下させ、その滴下液体を側方からカメラにより撮影して高精細な画像を取得した後に、この画像を解析して接触角を特定する、といったことが行われている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ただ、上述した従来の方法では、解析に耐えうる高精細な画像を撮影するための作業負荷が大きく、それに応じて装置構成も複雑になっているという課題があり、より簡便に接触角を特定できるようにすることが要望されていた。
【0005】
本開示はこのような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、従来よりも簡便に接触角を特定できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため第1局面は、所定の溶液を複数種類の液滴量V1~Vnで平面上に滴下してそれぞれ球欠状の滴下溶液を形成し、該滴下溶液を平面視で撮影した画像それぞれを取得する取得手順と、前記取得手順にて取得した画像それぞれに対し、円形に拡がる滴下溶液の面積Aを算出する第1算出手順と、前記取得手順にて取得した画像のうち、前記第1算出手順にて算出した面積Aが、その画像に対応する液滴量Viの滴下溶液について定められる適正面積A0の範囲に収まる画像を、適正画像として抽出する抽出手順と、前記抽出手順にて抽出したいずれかの適正画像に対して前記第1算出手順で算出した面積A、および、前記適正画像に対応する液滴量Viに基づいて、前記適正画像における滴下溶液の接触角θを特定する特定手順と、を備える、接触角特定方法である。
【0007】
また、この局面は以下に示す第2局面のようにしてもよい。
第2局面は、前記抽出手順にて抽出したいすれかの適正画像に対して前記第1算出手順で算出した面積A、および、前記適正画像に対応する液滴量Viで規定される下記数式(1)に基づいて、前記適正画像の滴下溶液が形成する球欠の高さhを算出する第2算出手順と、前記第2算出手順にて算出した球欠の高さh、および、前記適正画像に対応する液滴量Viで規定される下記数式(2)に基づいて、前記適正画像の滴下溶液が形成する球欠のもととなる球の半径rを算出する第3算出手順と、を備え、前記特定手順では、前記適正画像に対して前記第1手順で算出した面積A(=π・a^2)となる円の半径a、および、前記第3算出手順で算出した球の半径rで規定される下記数式(3)に基づいて、前記適正画像における滴下溶液の接触角θを特定する。
Vi=(π・h/6)・(3・(a^2)+h^2) … 数式(1)
Vi=((π・h^2)/3)・(3・r-h) … 数式(2)
θ=arcsin(a/r) … 数式(3)
【発明の効果】
【0008】
これらの局面では、液滴量の異なる滴下溶液それぞれについて平面視で撮影した画像群を取得し、そこから滴下溶液の面積Aが適正面積A0の範囲に収まる適正画像を抽出したうえで、いずれかの適正画像における滴下溶液の面積Aおよび液滴量Viに基づいて接触角θを特定する。
【0009】
このように、上記局面では、液滴量の異なる滴下溶液それぞれについて平面視で撮影した画像群から滴下溶液の接触角θを特定できる。ここで、滴下溶液の画像それぞれは、平面視での面積Aが算出できるものであれば、解析に耐えうるような高精細な画像でなくてもよく、その撮影に複雑かつ作業負荷の大きな装置構成は必要ない。そのため、上記局面であれば、従来よりも簡便に滴下溶液の接触角を特定することができる。
【0010】
ところで、滴下溶液は、平面上に滴下した溶液により球欠状に形成されるが、その液滴量が多くなるほど重力の影響を受けやすくなり、球欠の形状が平面に沿って拡がるため、これに伴って接触角θや平面視での面積Aも変化する。上記局面では、面積Aが適正面積A0の範囲に収まっている画像を適正画像として抽出することによって、重力の影響で面積Aが必要以上に変化している滴下溶液の画像を、その後の手順から排除することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本開示の一実施形態における接触角特定システムの装置構成を示すブロック図
【
図2】本開示の一実施形態における接触角特定方法の手順を示すフローチャート
【
図3】本開示の一実施形態において取得手順の様子を示す図
【
図4】本開示の一実施形態における滴下溶液を示す斜視図
【
図5】本開示の一実施形態における滴下溶液の液滴量と面積との関係を示すグラフ
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に本開示の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。
(1)装置構成
【0013】
接触角特定システム1は、本開示の接触角特定方法を実施するために使用される装置であり、
図1に示すように、画像撮影用のカメラ10、外部との通信を制御する通信ユニット20、ユーザとの情報のやりとりを行うユーザインタフェース30、情報を記憶するためのメモリ40、接触角特定システム1全体の動作を制御する制御部50を備える携帯情報端末である。
【0014】
ユーザインタフェース30は、ディスプレイ31やディスプレイ31の表示面に沿って設置されたタッチパネル33を備える。
【0015】
(2)接触角特定方法の手順;
図2
本接触角特定方法では、まず、滴下溶液の画像群を取得する取得手順が実施される(s110)。ここでは、所定の溶液を複数種類の液滴量V1~Vnで平面上に滴下してそれぞれ球欠状の滴下溶液X1~Xnを形成し(
図3参照)、各滴下溶液を平面視で撮影した画像それぞれを取得する。このとき、画像それぞれは、滴下溶液X1~Xnを全て形成した後で取得することとしてもよいし、滴下溶液Xiをひとつ形成するごとにこれに対応するものを撮影して取得することとしてもよい。
【0016】
滴下溶液を形成する溶液は、特に限定されないが、例えば、水、Diiodomethane、n-Hexadecane、Formamideなどから選択されたものを用いることが考えられる。
【0017】
本実施形態において、取得手順での画像の取得は、制御部50が内蔵メモリ51に格納されたプログラムに従って実行する接触角特定処理の一ステップ(取得処理)として実施される。具体的には、ディスプレイ31を介して滴下溶液の画像がユーザに要求された後、この要求を受けたユーザに指定された画像が取得される。ユーザは、タッチパネル33への操作によって、事前に用意した滴下溶液の画像群が格納された場所や、カメラ10を起動して撮影した画像群を指定することによって、画像群を制御部50に取得させる。
【0018】
次に、取得手順にて取得した画像それぞれに対し、円形に拡がる滴下溶液の面積Aを算出する第1算出手順が実施される(s120)。本実施形態において、第1算出手順は、接触角特定処理の一ステップ(第1算出処理)として実施される。具体的には、取得処理で取得された画像それぞれについて、滴下溶液が円形に拡がっている領域が特定された後、この領域の面積Aが算出される。
【0019】
次に、取得手順にて取得した画像群から適正画像を抽出する抽出手順が実施される(s130)。ここでは、取得手順にて取得した画像のうち、第1算出手順にて算出した面積Aが適正面積A0の範囲に収まる画像を、適正画像として抽出する。適正面積A0は、液滴量V1~Vnの滴下溶液それぞれについて定められたものであり、液滴量Vi、比例定数k、および、所定の許容誤差率Δk(例えば0.05)で規定される数式(A0=k・(1±Δk)・Vi^(2/3))に基づいて算出される。そして、ここでは、面積Aが「k・(1-Δk)・Vi^(2/3)」~「k・(1+Δk)・Vi^(2/3)」の範囲に収まっている画像が適正画像として抽出される。
【0020】
本実施形態において、抽出手順は、接触角特定処理の一ステップ(抽出処理)として実施される。具体的には、取得処理により取得された画像ごとに、適正面積A0の範囲の算出、この適正面積A0の範囲と滴下溶液の面積Aとの比較、が行われ、適正範囲A0の範囲に収まる面積Aとなっている画像が適正画像として抽出される。
【0021】
次に、適正画像の滴下溶液が形成する球欠の高さh(
図4参照)を算出する第2算出手順が実施される(s140)。ここでは、抽出手順にて抽出したいずれかの適正画像に対して第1算出手順で算出した面積A(=π・a^2)となる円の半径a、および、適正画像に対応する液滴量Viで規定される下記数式(1)に基づいて、適正画像の滴下溶液が形成する球欠の高さhを算出する。
【0022】
Vi=(π・h/6)・(3・(a^2)+h^2) … 数式(1)
【0023】
本実施形態において、第2算出手順は、接触角特定処理の一ステップ(第2算出処理)として実施される。具体的には、抽出処理で抽出されたいずれかの適正画像に対し、面積Aおよび液滴量Viに基づいて球欠の高さhが算出される。
【0024】
次に、適正画像の滴下溶液が形成する球欠のもととなる球の半径r(
図4参照)を算出する第3算出手順が実施される(s150)。ここでは、第2算出手順にて算出した球欠の高さh、および、適正画像に対応する液滴量Viで規定される下記数式(2)に基づいて、適正画像の滴下溶液が形成する球欠のもととなる球(つまり、球欠を含む球全体)の半径rを算出する。
【0025】
Vi=((π・h^2)/3)・(3・r-h) … 数式(2)
【0026】
本実施形態において、第3算出手順は、接触角特定処理の一ステップ(第3算出処理)として実施される。具体的には、第2算出処理により算出された球欠の高さh、および、適正画像に対応する液滴量Viに基づいて、球欠のもととなる球の半径rが算出される。
【0027】
そして、適正画像における滴下溶液の接触角θを特定する特定手順が実施される(s160)。ここでは、適正画像に対して第1算出手順で算出した面積Aとなる円(つまり球欠の底面)の半径a、および、第3算出手順で算出した球の半径rで規定される下記数式(3)に基づいて、適正画像における滴下溶液の接触角θを特定する。
【0028】
θ=arcsin(a/r) … 数式(3)
【0029】
ここで、下記数式(3)で算出される実際の角度θ’は、
図4に示すように、球欠のもととなる球の中心Oから球欠における底面外周上の点Pに至る線分と、球の中心Oから球欠における底面の中心Qを通って球欠の頂点Sに至る線分と、のなす角度である。そして、この角度θ’は、球欠における底面の中心Qから底面外周上の点Pに至る線分と、この点Pの接線方向に延びる線分と、のなす角度であり、この角度は、滴下液滴の接触角θと同一となる。上記数式(3)は、このような関係に基づいて設定されたものである。
【0030】
本実施形態において、特定手順は、接触角特定処理の一ステップ(特定処理)として実施される。具体的には、適正画像に対して第1算出処理で算出された面積Aとなる円の半径a、および、第3算出処理にて算出された球の半径rに基づいて接触角θが特定される。こうして特定された接触角θは、ここまでに算出された各パラメータとともにディスプレイ31に表示される。
【0031】
(3)変形例
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態をとり得ることはいうまでもない。
【0032】
例えば、上記実施形態では、特定手順が、第2算出手順および第3算出手順を経て算出された球欠の半径aおよび球の半径rに基づいて接触角θを特定するように構成されたものを例示した。
【0033】
しかし、特定手順では、抽出手順の後、第2算出手順および第3算出手順を経ることなく、抽出手順までに特定されたパラメータに基づいて接触角θを特定するようにしてもよい。具体的には、面積Aおよび液滴量Viの組合せに応じた接触角θそれぞれが登録されたデータベースを用意しておき、このデータベースから、適正画像に対して第1算出手順で算出した面積A、および、適正画像に対応する液滴量Vi、の組合せに応じた接触角θを特定するようにすることが考えられる。
【0034】
また、上記実施形態では、抽出手順で複数の適正画像が抽出されている場合、第2算出手順以降の手順が、いずれかの適正画像に基づいて実施されるように構成されたものを例示した。しかし、第2算出手順以降の手順は、複数の適正画像それぞれにおける面積Aの平均値、および、複数の適正画像それぞれに対応する液滴量Viの平均値に基づいて実施されるように構成してもよい。
【0035】
(4)作用効果
上記実施形態の接触角特定方法では、液滴量の異なる滴下溶液X1~Xnそれぞれについて平面視で撮影した画像群を取得し、そこから滴下溶液の面積Aが適正面積A0の範囲に収まる適正画像を抽出したうえで、いずれかの適正画像における滴下溶液の面積Aおよび液滴量Viに基づいて接触角θを特定する。
【0036】
このように、上記実施形態では、液滴量の異なる滴下溶液それぞれについて平面視で撮影した画像群から滴下溶液の接触角θを特定できる。ここで、滴下溶液の画像それぞれは、平面視での面積Aが算出できるものであれば、解析に耐えうるような高精細な画像でなくてもよく、その撮影に複雑かつ作業負荷の大きな装置構成は必要ない。そのため、上記実施形態であれば、従来よりも簡便に滴下溶液の接触角を特定することができる。特に、上記実施形態であれば、携帯情報端末に搭載されたカメラ10で撮影した画像群から簡便に滴下溶液の接触角θを特定することができる。
【0037】
ところで、滴下溶液は、平面上に滴下した溶液により球欠状に形成されるが、その液滴量が多くなるほど重力の影響を受けやすくなり、球欠の形状が平面に沿って拡がるため、これに伴って接触角θや平面視での面積Aも変化する。本願出願人は、滴下溶液(具体的には水(H2O)およびジョードメタン(CH2I2))の液滴量Vに応じた面積Aを測定したところ、ある液滴量Vi(μl)までは面積A(mm^2)が数式「A=k・Vi^(2/3)」に従って増加するものの(
図5の実線参照)、それ以上大きくなるにつれて上記数式から外れており(
図5の破線参照)、重力の影響を受けて滴下溶液が平面に沿って拡がっていることを確認している。
【0038】
上記実施形態では、面積Aが適正面積A0の範囲に収まっている画像を適正画像として抽出することによって、重力の影響で面積Aが必要以上に変化している滴下溶液の画像を、その後の手順から排除することができる。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本開示の接触角特定方法では、液滴量の異なる滴下溶液それぞれについて平面視で撮影した画像群から適正画像を抽出したうえで、この適正画像から滴下溶液の接触角θを特定することができる。
【符号の説明】
【0040】
1…接触角特定システム、10…カメラ、20…通信ユニット、30…ユーザインタフェース、31…ディスプレイ、33…タッチパネル、40…メモリ、50…制御部、51…内蔵メモリ。
【要約】
所定の溶液を複数種類の液滴量V1~Vnで平面上に滴下してそれぞれ球欠状の滴下溶液を形成し、該滴下溶液を平面視で撮影した画像それぞれを取得する取得手順と、前記取得手順にて取得した画像それぞれに対し、円形に拡がる滴下溶液の面積Aを算出する第1算出手順と、前記取得手順にて取得した画像のうち、前記第1算出手順にて算出した面積Aが、その画像に対応する液滴量Viの滴下溶液について定められる適正面積A0の範囲に収まる画像を、適正画像として抽出する抽出手順と、前記抽出手順にて抽出したいずれかの適正画像に対して前記第1算出手順で算出した面積A、および、前記適正画像に対応する液滴量Viに基づいて、前記適正画像における滴下溶液の接触角θを特定する特定手順と、を備える、接触角特定方法。