(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-09
(45)【発行日】2023-05-17
(54)【発明の名称】洗浄部材用洗浄装置及び基板処理装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/304 20060101AFI20230510BHJP
【FI】
H01L21/304 644Z
H01L21/304 644C
H01L21/304 643D
H01L21/304 648G
H01L21/304 622Q
(21)【出願番号】P 2019027722
(22)【出願日】2019-02-19
【審査請求日】2022-02-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000000239
【氏名又は名称】株式会社荏原製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100167553
【氏名又は名称】高橋 久典
(72)【発明者】
【氏名】▲濱▼田 聡美
(72)【発明者】
【氏名】半田 直廉
【審査官】河合 俊英
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-288490(JP,A)
【文献】特開平10-163143(JP,A)
【文献】特開平10-321572(JP,A)
【文献】特表2013-508969(JP,A)
【文献】特開平10-256206(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄液を供給しつつ基板をスクラブ洗浄している状態で、軸心を中心に回転している円柱状の洗浄部材に付着している汚染物を除去する除去ユニットを備えた洗浄部材用洗浄装置であって、
前記除去ユニットは、
前記洗浄部材に圧を加えて前記汚染物を搾り出す圧搾手段と、
前記圧搾手段により搾り出された汚染物を含む洗浄液を吸引排出する吸引排出手段と、を有
し、
前記圧搾手段は、前記洗浄部材に当接される面が凹凸状に形成され、前記洗浄部材の基板に当接していない部分に対向して設けられたカバーを有する、ことを特徴とする洗浄部材用洗浄装置。
【請求項2】
洗浄液を供給しつつ基板をスクラブ洗浄している状態で、軸心を中心に回転している円柱状の洗浄部材に付着している汚染物を除去する除去ユニットを備えた洗浄部材用洗浄装置であって、
前記除去ユニットは、
前記洗浄部材に圧を加えて前記汚染物を搾り出す圧搾手段と、
前記圧搾手段により搾り出された汚染物を含む洗浄液を吸引排出する吸引排出手段と、を有し、
前記圧搾手段は、
前記洗浄部材の基板に当接していない部分に対向して設けられたカバーと、
前記カバーを前記洗浄部材に対して近接離間するように移動させる駆動手段と、を有する、ことを特徴とする洗浄部材用洗浄装置。
【請求項3】
洗浄液を供給しつつ基板をスクラブ洗浄している状態で、軸心を中心に回転している円柱状の洗浄部材に付着している汚染物を除去する除去ユニットを備えた洗浄部材用洗浄装置であって、
前記除去ユニットは、
前記洗浄部材に圧を加えて前記汚染物を搾り出す圧搾手段と、
前記圧搾手段により搾り出された汚染物を含む洗浄液を吸引排出する吸引排出手段と、を有し、
前記圧搾手段は、前記洗浄部材の材質のゼータ電位よりもプラスとなる材質からなり、該洗浄部材の基板に当接していない部分に対向して設けられたカバーを有する、ことを特徴とする洗浄部材用洗浄装置。
【請求項4】
前記圧搾手段は、前記洗浄部材に超音波を付加する超音波付加手段を有する、ことを特徴とする
請求項1~3のいずれか一項に記載の洗浄部材用洗浄装置。
【請求項5】
前記圧搾手段は
、前記カバーと前記洗浄部材の隙間に液体を供給する液体供給手段
を有する、ことを特徴とする
請求項1~4のいずれか一項に記載の洗浄部材用洗浄装置。
【請求項6】
前記吸引排出手段で吸引された汚染物を分析する分析器を有する、ことを特徴とする
請求項1~5のいずれか一項に記載の洗浄部材用洗浄装置。
【請求項7】
前記分析器の分析結果に基づいて、前記除去ユニットをフィードバック制御する制御手段を有する、
請求項6に記載の洗浄部材用洗浄装置。
【請求項8】
基板を研磨する研磨部と、
前記研磨部で研磨した前記基板を洗浄する洗浄部と、を有する基板処理装置であって、
前記洗浄部は、
請求項1~7のいずれか一項に記載の洗浄部材用洗浄装置を備える、ことを特徴とする基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリコンウエハー等の基板を洗浄処理するための洗浄部材の洗浄部材用洗浄装置及び基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シリコンウエハー等の基板の製造工程中には、基板面の洗浄を行う洗浄工程が存在している。この洗浄工程における基板洗浄に当たっては、基板面に超純水等の洗浄液を供給しながら「ブラシ」と称される洗浄部材を基板面に擦りつけて洗浄する、スクラブ洗浄が行われる。このスクラブ洗浄においては、例えば特許文献1及び特許文献2にそれぞれ示されるように、洗浄面が発泡ポリウレタンやポリビニルアルコール(PVA)等の弾性体で形成さるとともに、外形形状が円筒形状に形成された洗浄部材が用いられている。
【0003】
上記構成の洗浄部材を用いた基板洗浄は、洗浄部材と基板との相対運動により行われる。すなわち、平面形状が円板状を呈する基板の円周の複数個所が支持機構で回転自在に支持されるとともに、基板はその支持機構を介して回転される。また円筒形状の洗浄部材は、その円筒形の軸心を中心にして駆動装置で回転される。そして、回転している基板の上面及び下面に回転している洗浄部材がそれぞれ当接される。この際、基板の上面及び下面には超純水等の洗浄液がそれぞれ散布される。これにより、基板の上面及び下面は、洗浄液の存在の下にスクラブ洗浄が行われる。
【0004】
上記構成の洗浄部材は、洗浄を継続していると洗浄部材が汚染されて洗浄効果が低下してくるので洗浄部材の洗浄が行われる。特許文献1に示される洗浄部材の洗浄は、洗浄部材の洗浄時期が到来したときに、洗浄部材を基板の洗浄位置から退避移動させ、その移動した位置しに設けられている洗浄液の収容されている洗浄槽内に浸漬させて汚染物を洗い出すようにしている。また、特許文献2に示される洗浄部材の洗浄は、基板に当接されている側と反対側の洗浄部材側に吸引ダクトを対向するように設け、その吸引ダクトを介して洗浄部材からパーティクル等の汚染物を含む洗浄液を吸引するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2010-74191号公報
【文献】特開2000-150441号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の洗浄部材を洗浄する洗浄部材用洗浄装置において、洗浄部材を基板位置から退避移動させた位置に設けられている洗浄槽内に浸漬させて洗浄する場合は、先に洗浄処理した汚染物は次に洗浄処理する基板に持ち込まれないという利点がある。しかし、洗浄部材は、軸心を中心にして回転してスクラブ洗浄するので、洗浄中の洗浄部材に付着した汚染物が再び基板に付着する逆汚染が生じやすく、基板を洗浄しきるには、洗浄部材も基板と接触させて汚染物を洗い出して除去する必要があり、洗浄完了までの時間が長くなるという課題を有していた。さらに、洗浄部材の洗浄のために、洗浄液の収容されている洗浄槽を用意する必要があるので、基板洗浄装置の全体構成が複雑化するという課題があった。
また、基板に当接されている側と反対側の洗浄部材側に吸引ダクトを対向させて洗浄部材を洗浄する場合は、基板への逆汚染を低減することができる利点はあるが、より逆汚染を低減できる洗浄部材用洗浄装置の出現が待たれていた。さらに、必要に応じて洗浄部材全体を高度に洗浄できるようにすることが望まれていた。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するとともに、上記要望に応えるためになされたものであって、その目的は、洗浄部材から基板への逆汚染を簡単な構成により低減できるようにするとともに、洗浄部材全体を高度に洗浄して洗浄部材を再生できるようにした、洗浄部材用洗浄装置及び基板処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本発明の一態様に係る洗浄部材用洗浄装置は、洗浄液を供給しつつ基板をスクラブ洗浄している状態で、軸心を中心に回転している円柱状の洗浄部材に付着している汚染物を除去する除去ユニットを備えた洗浄部材用洗浄装置であって、前記除去ユニットは、
前記洗浄部材に圧を加えて前記汚染物を搾り出す圧搾手段と、前記圧搾手段により搾り出された汚染物を含む洗浄液を吸引排出する吸引排出手段と、を有する。
(2)また、本発明の一態様に係る洗浄部材用洗浄装置では、前記圧搾手段は、前記洗浄部材に超音波を付加する超音波付加手段を有してもよい。
(3)また、本発明の一態様に係る洗浄部材用洗浄装置では、前記圧搾手段は、前記洗浄部材に当接される面が凹凸状に形成され、前記洗浄部材の基板に当接していない部分に対向して設けられたカバーを有してもよい。
(4)また、本発明の一態様に係る洗浄部材用洗浄装置では、前記圧搾手段は、前記洗浄部材の基板に当接していない部分に対向して設けられたカバーと、前記カバーと前記洗浄部材の隙間に液体を供給する液体供給手段と、を有してもよい。
(5)また、本発明の一態様に係る洗浄部材用洗浄装置では、前記圧搾手段は、前記洗浄部材の基板に当接していない部分に対向して設けられたカバーと、前記カバーを前記洗浄部材に対して近接離間するように移動させる駆動手段と、を有してもよい。
(6)また、本発明の一態様に係る洗浄部材用洗浄装置では、前記圧搾手段は、前記洗浄部材の材質のゼータ電位よりもプラスとなる材質からなり、該洗浄部材の基板に当接していない部分に対向して設けられたカバーを有してもよい。
(7)また、本発明の一態様に係る洗浄部材用洗浄装置では、前記吸引排出手段で吸引された汚染物を分析する分析器を有してもよい。
(8)また、本発明の一態様に係る洗浄部材用洗浄装置では、前記分析器の分析結果に基づいて、前記除去ユニットをフィードバック制御する制御手段を有してもよい。
【0009】
(9)本発明の一態様に係る基板処理装置は、基板を研磨する研磨部と、前記研磨部で研磨した前記基板を洗浄する洗浄部と、を有する基板処理装置であって、前記洗浄部は、上記洗浄部材用洗浄装置を備える。
【発明の効果】
【0010】
上記本発明の態様によれば、洗浄部材から基板への逆汚染を簡単な構成により低減でき、また、洗浄部材全体を高度に洗浄して洗浄部材を再生できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】一実施形態に係る洗浄部材用洗浄装置を備えた基板洗浄装置の概略構成を示す斜視図である。
【
図2】一実施形態に係る洗浄部材用洗浄装置の断面図ある。
【
図3】他の実施形態に係る洗浄部材用洗浄装置の断面図ある。
【
図4】さらに他の実施形態に係る洗浄部材用洗浄装置の断面図ある。
【
図5】さらに他の実施形態に係る洗浄部材用洗浄装置の断面図ある。
【
図6】さらに他の実施形態に係る洗浄部材用洗浄装置の断面図ある。
【
図7】さらに他の実施形態に係る洗浄部材用洗浄装置の断面図ある。
【
図8】さらに他の実施形態に係る洗浄部材用洗浄装置の断面図ある。
【
図9】さらに他の実施形態に係る洗浄部材用洗浄装置の断面図ある。
【
図10】一実施形態に係る基板処理装置の全体構成を示す平面図ある。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態に係る洗浄部材用洗浄装置について図面を参照しながら説明する。
【0013】
図1には、一実施形態に係る洗浄部材用洗浄装置1aを備えた基板洗浄装置Aの概略構成を示す斜視図である。
この基板洗浄装置Aは、ロールブラシ型洗浄装置とも称される基板洗浄装置であって、回転駆動される軸心(シャフト)Baの周囲全周に、発泡ポリウレタンやポリビニルアルコール(PVA)、あるいは研磨布等の弾性体からなる洗浄材Bbの設けられた円柱状の洗浄部材Bを有している。洗浄材Bbの材質は、基板Wの種類等によって様々である。また、この洗浄部材Bの長さは、基板Wの直径より少し長くなっている。
【0014】
なお、図示の例では、洗浄部材Bが基板Wの上面(表面)及び下面(裏面)を同時にスクラブ洗浄できるように、その上面側の洗浄部材Bの軸心Baの位置と下面側の洗浄部材Bの軸心Baの位置とが重なるようにして基板Wを挟んで一対設けられているが、基板Wの一方の面のみを洗浄する場合は、他方の面側の洗浄部材Bは無くても構わない。
【0015】
各洗浄部材B、Bは、駆動装置M、Mにより軸心Ba、Baの回転方向が互いに反対向きになるようにそれぞれ回転駆動されるように構成されている。図示の例では、紙面側から見たときに、基板Wの上面側の洗浄部材Bは時計方向に回転し、下面側の洗浄部材Bは反時計方向に回転する。
【0016】
基板Wの上面側の駆動装置Mは、その上面側の洗浄部材Bを下降動させて基板Wの上面に当接できるようにするとともに、その上面から離れるように上昇動できるように構成されている。また、基板Wの下面側の駆動装置Mは、その下面側の洗浄部材Bを上昇動させて基板Wの下面に当接できるようにするとともに、その下面から離れるように下降動できるように構成されている。
【0017】
基板洗浄装置Aには、円板状のシリコンウエハー等の基板Wを水平状態に把持するとともに、その把持した基板Wを回転させるための複数個(図示の例では6個)のスピンドルSが設けられている。すなわち、これら複数個のスピンドルS、S…は、基板Wの外周に沿って互いに所定の間隔を保って設けられている。そして、これら複数個のスピンドルS、S…のうちの一個又は複数個(図示の例では1個)のスピンドルSには、駆動装置M´が接続されている。したがって、駆動装置M´により基板Wは所定方向に回転することができる。
【0018】
基板洗浄装置Aには、基板Wの面上に洗浄液を供給するノズルNが設けられている。供給される洗浄液は、超純水、イオン水、稀フッ酸、過酸化水素水等、またはそれらにガス溶存、マイクロ/ナノバブルを混入した液からなり、基板Wの面上に存在するパーティクル等の汚染物の種類によって決められる。なお、
図1では、基板Wの下面側のノズルは省略されている。
【0019】
上記構成からなる基板洗浄装置Aは、ノズルNから基板Wの上面及び下面に洗浄液がそれぞれ供給されながら洗浄部材B、Bが回転している基板Wに当接して回転すると、基板Wの上下面が洗浄部材B、Bにより擦られてスクラブ洗浄が行われる。このスクラブ洗浄により、基板Wの上下面に存在しているパーティクル等の汚染物は洗い流される。
【0020】
次に、
図2を用いて一実施形態に係る洗浄部材用洗浄装置(以下、「洗浄装置」という。)1aについて説明する。この洗浄装置1aは、基板Wの上面側及び下面側にそれぞれ設けられるが、両者の構成は同一であり、両者の基板Wに対する配地は天地を逆にした関係であるので、ここでは、基板Wの上面側に設けられている洗浄装置1aを例にして説明する。
【0021】
図2に示される洗浄装置1aは、
図1の一部を断面で示したもので、この断面図は洗浄部材Bの軸方向と直交する方向に切断した断面図に相当している。ここでは、図面を簡略化するために洗浄部材Bの軸心Baが省略されている。また、洗浄部材Bは、スクラブ洗浄における汚染物の挙動を理解しやすいように、洗浄部材Bの表面の凹凸形状及び汚染物を誇張して表現している。また、図中、円形及び四角形はパーティクル等の汚染物を示している。以下の
図3~
図9においても同様である。
【0022】
この洗浄装置1aには、本発明の「圧搾手段」を担っている超音波振動子2(超音波付加手段)、及び本発明の「吸引排出手段」を担っている吸引排出管3からなる除去ユニット4が含まれている。
【0023】
超音波振動子2は、基板Wと反対側に位置する部分の洗浄部材Bを覆うカバー状を呈している。この超音波振動子2には図示しない発振器が備えられていて、20kHz~3MHzの超音波を伝搬できるように構成されている。この超音波振動子2は、洗浄部材Bにほとんど当接するくらいに接近して設けられていてもよく、また、超音波振動子2と洗浄部材Bとの間の隙間に、回転する洗浄部材Bによって同伴されてくる洗浄液が満たされ、当該洗浄液を媒体として超音波を伝搬する構成であってもよい。
【0024】
吸引排出管3は、一端側が、洗浄部材Bの回転方向下流側(図示の例では右側)の超音波振動子2とその洗浄部材Bとの間に開口し、他端側は図示しない吸引装置に接続されている。この吸引排出管3から排出された液体の一部は、図示しない分析器に導かれてその液体に含まれるパーティクル等の不純物の量や性状が分析できるように構成されている。
【0025】
上記構成からなる除去ユニット4を備えた洗浄装置1aにおいては、ノズルNから洗浄液が供給されながら洗浄部材Bが回転するとともに基板Wが回転すると、スクラブ洗浄が行われる。このスクラブ洗浄が行われているとき、洗浄液によって基板Wの外側に排出されずに洗浄部材Bに付着した汚染物は、超音波振動子2の箇所に来ると超音波振動により洗浄部材Bから剥離される。つまり、超音波によって洗浄部材Bに圧を与えることにより、洗浄部材Bに付着及び内部に取り込まれた汚染物を、洗浄部材Bから搾り出すことができる。
【0026】
そしてその剥離された汚染物は、吸引排出管3を介して基板Wの外側に排出される。したがって、洗浄部材Bからの基板Wへの汚染物の持ち込み、すなわち逆汚染が効果的に防止される。また、吸引排出管3で排出された液体に含まれる不純物の量や性状が分析器で分析されるので、その分析結果により超音波振動子2の振動数が最適になるようにフィードバック制御するとよい。
【0027】
図3に示される洗浄装置1bには、本発明の「圧搾手段」を担っている洗浄部材Bに当接される面が凹凸状に形成されたカバー5及び本発明の「液体供給手段」を担っている洗浄液供給管6、そして、本発明の「吸引排出手段」を担っている吸引排出管7からなる除去ユニット8が含まれている。
【0028】
カバー5は、基板Wと反対側に位置する部分の洗浄部材Bを覆うように構成されている。カバー5の洗浄部材Bに当接される面に設けられている凹凸状は、洗浄部材Bの周面に食い込まれるように配置するとよい。洗浄液供給管6は、カバー5に接続されていて、その洗浄液供給管6を介してカバー5及び洗浄部材B間内に洗浄液を供給できるように構成されている。また、吸引排出管7は、上述した
図2に示される洗浄装置1aの吸引排出管3と同様に構成されている。
【0029】
上記構成の洗浄装置1bでスクラブ洗浄が行われているとき、洗浄部材Bに付着した汚染物は、カバー5の箇所に来ると洗浄液供給管6から供給された洗浄液の存在の下、カバー5に設けられている凹凸形状により圧搾され、洗浄部材Bから剥離される。そしてその剥離された汚染物は、吸引排出管7を介して基板Wの外側に排出される。したがって、洗浄部材Bからの基板Wへの逆汚染が効果的に防止される。また、吸引排出管7で排出された液体に含まれる不純物の量や性状が分析器で分析されるので、その分析結果により洗浄液供給管6から供給される洗浄液の量や圧力等が最適になるようにフィードバック制御してもよい。
【0030】
図4に示される洗浄装置1cには、本発明の「圧搾手段」を担っているカバー9及び本発明の「液体供給手段」を担っている洗浄液供給管10、そして、本発明の「吸引排出手段」を担っている吸引排出管11からなる除去ユニット12が含まれている。
【0031】
カバー9は、上述した
図3のカバー5と同様に、基板Wと反対側に位置する洗浄部材Bの周面を所定の間隔を保って覆うように構成されている。そして、洗浄液供給管10はカバー9に接続されていて、その洗浄液供給管10を介してカバー9及び洗浄部材B間内に洗浄液を供給できるように構成されている。また、吸引排出管11は、カバー9に設けられている洗浄液供給管10の位置よりも洗浄部材Bの回転方向の下流側に設けられている。この吸引排出管11は、上述した洗浄装置1a、1bの吸引排出管3、7と同様に、図示しない分析器に導いて、その液体に含まれる不純物の量や性状を分析できるように構成されている。
【0032】
上記構成の洗浄装置1cでスクラブ洗浄が行われているとき、洗浄液によって基板Wの外側に排出されずに洗浄部材Bに付着した汚染物は、カバー10の箇所に来ると洗浄液供給管11から供給された洗浄液の存在の下、カバー10内に供給された洗浄液により圧を受け、洗浄部材Bから圧搾され剥離される。そしてその剥離された汚染物は、吸引排出管11を介して基板Wの外側に排出される。したがって、洗浄部材Bからの基板Wへの逆汚染が効果的に防止される。また、吸引排出管11で排出された液体に含まれる不純物の量や性状が分析器で分析されるので、その分析結果により洗浄液供給管11から供給される洗浄液の量や圧力等が最適になるようにフィードバック制御してもよい。
【0033】
図5に示される洗浄装置1dには、本発明の「圧搾手段」を担っているカバー13及び図示しない駆動装置と、本発明の「吸引排出手段」を担っている吸引排出管14とからなる除去ユニット15が含まれている。
【0034】
カバー13は、上述した
図3のカバー5と同様に基板Wと反対側に位置する部分の洗浄部材Bを覆うように構成されている。そしてこのカバー13は、図示しない駆動装置(駆動手段)により上下動(近接離間)できるように構成されている(鎖線で示されるカバー13参照)。そしてカバー13が下動したときは、洗浄部材Bを押圧し、洗浄部材Bを圧搾できるように構成されている。また、吸引排出管14は、上述した
図2に示される洗浄装置1aの吸引排出管3と同様に構成されている。
【0035】
上記構成の洗浄装置1dでスクラブ洗浄が行われているとき、洗浄液によって基板Wの外側に排出されずに洗浄部材Bに付着した汚染物は、カバー13の箇所に来ると、上下動を繰り返すカバー13に押圧されて洗浄部材Bから圧搾され剥離される。そしてその剥離された汚染物は、吸引排出管14を介して基板Wの外側に排出される。したがって、洗浄部材Bからの基板Wへの逆汚染が効果的に防止される。また、吸引排出管14で排出された液体に含まれる不純物の量や性状が分析器で分析されるので、その分析結果によりカバー13の押圧力、押圧時間等が最適になるようにフィードバック制御される。
【0036】
図6に示される洗浄装置1eには、カバー16からなる除去ユニット17が含まれている。このカバー16は、上述した
図3のカバー5と同様に、基板Wと反対側に位置する洗浄部材Bの周面を覆うように構成されている。このカバー16と洗浄部材B間は、洗浄部材Bで同伴される洗浄液で満たされる間隔に保たれている。そして、カバー16の材質は、洗浄部材Bの材質のゼータ電位よりもプラスとなるように決められている。洗浄部材Bの洗浄材BbがPVAの場合、カバー16の材質はアルミナやシリコン等で構成される。
【0037】
上記構成の洗浄装置1eでスクラブ洗浄が行われているとき、洗浄液によって基板Wの外側に排出されずに洗浄部材Bに付着した汚染物は、カバー16の箇所に来るとゼータ電位差によりカバー16に吸引され、洗浄部材Bから剥離される。したがって、洗浄部材Bからの基板Wへの逆汚染が効果的に防止される。なお、カバー16に吸引された汚染物は、基板洗浄装置Aの定期保守時等の時期に拭き取るとよい。
【0038】
図7に示される洗浄装置1fには、本発明の「圧搾手段」を担っているカバー18及び本発明の「液体供給手段」を担っているリンス液供給管19とからなる除去ユニット20が含まれている。
【0039】
カバー18は、上述した
図3のカバー5と同様に基板Wと反対側に位置する部分の洗浄部材Bを覆い、かつ洗浄部材Bと所定の間隔を保って設けられている。そしてリンス液供給管19はカバー18の直上に接続されている。リンス液供給管19からは、洗浄部材Bをすすぐ大量のリンス液(水)を供給可能とされている。また、供給するリンス液に超音波を付加し、超音波ジェットとしてリンス液を供給する構成であってもよい。この場合、供給されるリンス液の振動は、例えば0.02~3MHzにするとよい。
【0040】
上記構成の洗浄装置1fでスクラブ洗浄が行われているとき、洗浄液によって基板Wの外側に排出されずに洗浄部材Bに付着した汚染物は、カバー18の箇所に来るとリンス液供給管19を介してカバー18内に供給されてきた大量のリンス液(及び/または超音波の付加された超音波ジェット)によって洗浄部材Bから圧搾され剥離されるとともに、基板Wの外側に排出される。
【0041】
次に、本発明に係る洗浄装置1gについて、
図8(a),(b)を用いて説明する。
【0042】
この洗浄装置1gは、ノズルNから洗浄部材Bに洗浄液又は水(リンス液)を散布できるように構成されている。以下、この洗浄ユニット31を用いた洗浄部材Bの洗浄工程を
図8(a),(b)を用いて説明する。
【0043】
図8(a)は、ノズルNから洗浄液(薬剤)が散布され、洗浄部材Bが基板Wをスクラブ洗浄する様子を示している。
図8(b)は、ノズルNから水(リンス液)が散布され、洗浄部材Bが水洗浄される様子を示している。
この工程においては、
図8(a)に示す洗浄液で基板Wを洗浄しているスクラブ洗浄中に、
図8(b)に示すに洗浄部材Bを水洗浄するステップが定期的に挿入されている。これにより汚染物を含む洗浄液を定期的に洗浄部材Bから洗い流すことができる。なお、上記リンス液に超音波を重畳したり、脈動を与えることも可能である。
【0044】
上記構成の洗浄装置1gのように、上述した洗浄装置1a~1fのいずれかで基板Wを洗浄しているとき、その洗浄を一時中断し、上述した洗浄部材Bを水洗浄するステップを挿入するとよい。これにより、洗浄部材Bの全体を洗浄して洗浄部材Bを再生することができる。この洗浄部材Bの清掃は、基板W上で洗浄部材Bを洗浄することができるので、従来のように、基板Wの洗浄位置から退避した位置に設けられている洗浄槽に洗浄部材を移動して洗浄するのに比べて簡単に実施することができるとともに、洗浄部材を移動する必要がないので、基板Wの洗浄時間を短縮することができる。
【0045】
図9(a),(b)に示される洗浄装置1hには、本発明の「圧搾手段」を担っているカバー32及び本発明の「液体供給手段」を担っている管路33と、回転制御手段とからなる洗浄ユニット34が含まれている。回転制御手段は、
図1に示される洗浄部材Bの駆動装置Mを制御するための制御装置Cが担っている。
【0046】
カバー32は、基板Wと反対側に位置する洗浄部材Bの周面を所定の間隔を保って覆うように構成されている。このカバー32の一部には、カバー32内の液体を排出するための管路35が設けられている。
【0047】
管路33は、上述した洗浄装置1gに設けられているノズルNと同様に、洗浄部材Bに洗浄液(薬液)と水(リンス液)を散布できるように構成されている。以下、この洗浄ユニット34を用いた洗浄部材Bの清掃工程を
図9(a),(b)を用いて説明する。
【0048】
洗浄液供給工程(
図9(a)参照)
この工程においては、管路33から洗浄液(薬剤)が洗浄部材Bに散布され、洗浄部材Bは洗浄液に浸漬された状態に保たれる。なお、洗浄液が洗浄部材B全体に浸漬されるように、洗浄部材Bが、例えば50~200rpmの範囲で回転される。洗浄部材Bの回転数は、洗浄部材Bから洗浄液が飛散しない範囲に決められる。
【0049】
水供給工程(
図9(b)参照)
この工程においては、洗浄液供給工程で散布された洗浄液が洗浄部材Bに付着している汚染物を除去できる状態になったときに、管路33から洗浄水が洗浄部材Bに散布されるとともに、洗浄部材Bの回転数が洗浄部材Bから液体が遠心力で排出できるまでに高められる。例えば350~800rpmとされる。これにより汚染物を含む洗浄液が洗浄部材Bから洗い流されるとともに、洗浄部材B自体が水で洗浄される。
【0050】
上述した洗浄装置1hの清掃工程は、洗浄装置1a~1fのいずれかで基板Wを洗浄しているときにも適用することができる。つまり、現在の洗浄を一時中断し、
図9(b)に示す洗浄部材Bの回転数を上げるステップを定期的に挿入することで、洗浄部材Bの遠心力で汚染物の排出を促すことができ、洗浄部材Bの全体を洗浄して洗浄部材Bを再生し易くすることができる。なお、遠心力によって飛散する汚染物は、カバー32によって捕集され、管路35から吸引排出される。
【0051】
(基板処理装置)
続いて、上記構成の洗浄部材用洗浄装置を備える基板処理装置100について説明する。
【0052】
図10は、一実施形態に係る基板処理装置100の全体構成を示す平面図である。
図10に示す基板処理装置100は、シリコンウエハー等の基板Wの表面を平坦に研磨する化学機械研磨(CMP)装置である。この基板処理装置100は、矩形箱状のハウジング102を備える。ハウジング102は、平面視で略長方形に形成されている。
【0053】
ハウジング102は、その中央に長手方向に延在する基板搬送路103を備える。基板搬送路103の長手方向の一端部には、ロード/アンロード部110が配設されている。基板搬送路103の幅方向(平面視で長手方向と直交する方向)の一方側には、研磨部120が配設され、他方側には、洗浄部130が配設されている。基板搬送路103には、基板Wを搬送する基板搬送部140が設けられている。また、基板処理装置100は、ロード/アンロード部110、研磨部120、洗浄部130、及び基板搬送部140の動作を制御する制御部150(制御盤)を備える。
【0054】
ロード/アンロード部110は、基板Wを収容するフロントロード部111を備える。フロントロード部111は、ハウジング102の長手方向の一方側の側面に複数設けられている。複数のフロントロード部111は、ハウジング102の幅方向に配列されている。フロントロード部111は、例えば、オープンカセット、SMIF(Standard Manufacturing Interface)ポッド、またはFOUP(Front Opening Unified Pod)を搭載する。SMIF、FOUPは、内部に基板Wのカセットを収納し、隔壁で覆った密閉容器であり、外部空間とは独立した環境を保つことができる。
【0055】
また、ロード/アンロード部110は、フロントロード部111から基板Wを出し入れする2台の搬送ロボット112と、各搬送ロボット112をフロントロード部111の並びに沿って走行させる走行機構113と、を備える。各搬送ロボット112は、上下に2つのハンドを備えており、基板Wの処理前、処理後で使い分けている。例えば、フロントロード部111に基板Wを戻すときは上側のハンドを使用し、フロントロード部111から処理前の基板Wを取り出すときは下側のハンドを使用する。
【0056】
研磨部120は、基板Wの研磨(平坦化)を行う複数の研磨ユニット121(121A,121B,121C,121D)を備える。複数の研磨ユニット121は、基板搬送路103の長手方向に配列されている。研磨ユニット121は、研磨面を有する研磨パッド122を回転させる研磨テーブル123と、基板Wを保持しかつ基板Wを研磨テーブル123上の研磨パッド122に押圧しながら研磨するためのトップリング124と、研磨パッド122に研磨液やドレッシング液(例えば、純水)を供給するための研磨液供給ノズル125と、研磨パッド122の研磨面のドレッシングを行うためのドレッサ126と、液体(例えば純水)と気体(例えば窒素ガス)の混合流体または液体(例えば純水)を霧状にして研磨面に噴射するアトマイザ127と、を備える。
【0057】
研磨ユニット121は、研磨液供給ノズル125から研磨液を研磨パッド122上に供給しながら、トップリング124により基板Wを研磨パッド122に押し付け、さらにトップリング124と研磨テーブル123とを相対移動させることにより、基板Wを研磨してその表面を平坦にする。ドレッサ126は、研磨パッド122に接触する先端の回転部にダイヤモンド粒子やセラミック粒子などの硬質な粒子が固定され、当該回転部を回転しつつ揺動することにより、研磨パッド122の研磨面全体を均一にドレッシングし、平坦な研磨面を形成する。アトマイザ127は、研磨パッド122の研磨面に残留する研磨屑や砥粒などを高圧の流体により洗い流すことで、研磨面の浄化と、機械的接触であるドレッサ126による研磨面の目立て作業、すなわち研磨面の再生を達成する。
【0058】
洗浄部130は、基板Wの洗浄を行う複数の洗浄ユニット131(131A,131B)と、洗浄した基板Wを乾燥させる乾燥ユニット132と、を備える。複数の洗浄ユニット131及び乾燥ユニット132(複数の処理ユニット)は、基板搬送路103の長手方向に配列されている。洗浄ユニット131Aと洗浄ユニット131Bとの間には、第1搬送室133が設けられている。第1搬送室133には、基板搬送部140、洗浄ユニット131A、及び洗浄ユニット131Bの間で基板Wを搬送する搬送ロボット135が設けられている。また、洗浄ユニット131Bと乾燥ユニット132との間には、第2搬送室134が設けられている。第2搬送室134には、洗浄ユニット131Bと乾燥ユニット132との間で基板Wを搬送する搬送ロボット136が設けられている。
【0059】
洗浄ユニット131Aは、例えば、ロールスポンジ型の洗浄モジュールを備え、基板Wを一次洗浄する。また、洗浄ユニット131Bも、ロールスポンジ型の洗浄モジュールを備え、基板Wを二次洗浄する。なお、洗浄ユニット131A及び洗浄ユニット131Bは、同一のタイプであっても、異なるタイプの洗浄モジュールであってもよく、例えば、ペンシルスポンジ型の洗浄モジュールや2流体ジェット型の洗浄モジュールであってもよい。乾燥ユニット132は、例えば、ロタゴニ乾燥(IPA(Iso-Propyl Alcohol)乾燥)を行う乾燥モジュールを備える。乾燥後は、乾燥ユニット132とロード/アンロード部110との間の隔壁に設けられたシャッタ101aが開かれ、搬送ロボット112によって乾燥ユニット132から基板Wが取り出される。
【0060】
基板搬送部140は、リフター141と、第1リニアトランスポータ142と、第2リニアトランスポータ143と、スイングトランスポータ144と、を備える。基板搬送路103には、ロード/アンロード部110側から順番に第1搬送位置TP1、第2搬送位置TP2、第3搬送位置TP3、第4搬送位置TP4、第5搬送位置TP5、第6搬送位置TP6、第7搬送位置TP7が設定されている。
【0061】
リフター141は、第1搬送位置TP1で基板Wを上下に搬送する機構である。リフター141は、第1搬送位置TP1において、ロード/アンロード部110の搬送ロボット112から基板Wを受け取る。また、リフター141は、搬送ロボット112から受け取った基板Wを第1リニアトランスポータ142に受け渡す。第1搬送位置TP1とロード/アンロード部110との間の隔壁には、シャッタ101bが設けられており、基板Wの搬送時にはシャッタ101bが開かれて搬送ロボット112からリフター141に基板Wが受け渡される。
【0062】
第1リニアトランスポータ142は、第1搬送位置TP1、第2搬送位置TP2、第3搬送位置TP3、第4搬送位置TP4の間で基板Wを搬送する機構である。第1リニアトランスポータ142は、複数の搬送ハンド145(145A,145B,145C,145D)と、各搬送ハンド145を複数の高さで水平方向に移動させるリニアガイド機構146と、を備える。搬送ハンド145Aは、リニアガイド機構146によって、第1搬送位置TP1から第4搬送位置TP4の間を移動する。この搬送ハンド145Aは、リフター141から基板Wを受け取り、それを第2リニアトランスポータ143に受け渡すためのパスハンドである。この搬送ハンド145Aには、昇降駆動部が設けられていない。
【0063】
搬送ハンド145Bは、リニアガイド機構146によって、第1搬送位置TP1と第2搬送位置TP2との間を移動する。この搬送ハンド145Bは、第1搬送位置TP1でリフター141から基板Wを受け取り、第2搬送位置TP2で研磨ユニット121Aに基板Wを受け渡す。搬送ハンド145Bには、昇降駆動部が設けられており、基板Wを研磨ユニット121Aのトップリング124に受け渡すときは上昇し、トップリング124に基板Wを受け渡した後は下降する。なお、搬送ハンド145C及び搬送ハンド145Dにも、同様の昇降駆動部が設けられている。
【0064】
搬送ハンド145Cは、リニアガイド機構146によって、第1搬送位置TP1と第3搬送位置TP3との間を移動する。この搬送ハンド145Cは、第1搬送位置TP1でリフター141から基板Wを受け取り、第3搬送位置TP3で研磨ユニット121Bに基板Wを受け渡す。また、搬送ハンド145Cは、第2搬送位置TP2で研磨ユニット121Aのトップリング124から基板Wを受け取り、第3搬送位置TP3で研磨ユニット121Bに基板Wを受け渡すアクセスハンドとしても機能する。
【0065】
搬送ハンド145Dは、リニアガイド機構146によって、第2搬送位置TP2と第4搬送位置TP4との間を移動する。搬送ハンド145Dは、第2搬送位置TP2または第3搬送位置TP3で、研磨ユニット121Aまたは研磨ユニット121Bのトップリング124から基板Wを受け取り、第4搬送位置TP4でスイングトランスポータ144に基板Wを受け渡すためのアクセスハンドとして機能する。
【0066】
スイングトランスポータ144は、第4搬送位置TP4と第5搬送位置TP5との間を移動可能なハンドを有しており、第1リニアトランスポータ142から第2リニアトランスポータ143へ基板Wを受け渡す。また、スイングトランスポータ144は、研磨部120で研磨された基板Wを、洗浄部130に受け渡す。スイングトランスポータ144の側方には、基板Wの仮置き台147が設けられている。スイングトランスポータ144は、第4搬送位置TP4または第5搬送位置TP5で受け取った基板Wを上下反転して仮置き台147に載置する。仮置き台147に載置された基板Wは、洗浄部130の搬送ロボット135によって第1搬送室133に搬送される。
【0067】
第2リニアトランスポータ143は、第5搬送位置TP5、第6搬送位置TP6、第7搬送位置TP7の間で基板Wを搬送する機構である。第2リニアトランスポータ143は、複数の搬送ハンド148(148A,148B,148C)と、各搬送ハンド145を複数の高さで水平方向に移動させるリニアガイド機構149と、を備える。搬送ハンド148Aは、リニアガイド機構149によって、第5搬送位置TP5から第6搬送位置TP6の間を移動する。搬送ハンド145Aは、スイングトランスポータ144から基板Wを受け取り、それを研磨ユニット121Cに受け渡すアクセスハンドとして機能する。
【0068】
搬送ハンド148Bは、第6搬送位置TP6と第7搬送位置TP7との間を移動する。搬送ハンド148Bは、研磨ユニット121Cから基板Wを受け取り、それを研磨ユニット121Dに受け渡すためのアクセスハンドとして機能する。搬送ハンド148Cは、第7搬送位置TP7と第5搬送位置TP5との間を移動する。搬送ハンド148Cは、第6搬送位置TP6または第7搬送位置TP7で、研磨ユニット121Cまたは研磨ユニット121Dのトップリング124から基板Wを受け取り、第5搬送位置TP5でスイングトランスポータ144に基板Wを受け渡すためのアクセスハンドとして機能する。なお、説明は省略するが、搬送ハンド148の基板Wの受け渡し時の動作は、上述した第1リニアトランスポータ142の動作と同様である。
【0069】
上記構成の基板処理装置100においても、洗浄部130の洗浄ユニット131に、上述した本発明の洗浄部材用洗浄装置を適用することにより、洗浄部材から基板への逆汚染を簡単な構成により低減でき、また、洗浄部材全体を高度に洗浄して洗浄部材を再生できる。
【0070】
以上、本発明に係る排水排気構造の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。また、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
【符号の説明】
【0071】
A…基板洗浄装置
B…洗浄部材、Ba…軸心、Bb…洗浄材
C…制御装置(回転制御手段)
M、 M´…駆動装置
S…スピンドル
N…ノズル
1a、1b、1c、1d、1e、1f…洗浄部材用洗浄装置(洗浄装置)
2…超音波振動子(超音波付加手段、圧搾手段)
3…吸引排出管(吸引排出手段)
4…除去ユニット
5…カバー(圧搾手段)
6…洗浄液供給管(液体供給手段、圧搾手段)
7…吸引排出管(吸引排出手段)
8…除去ユニット
9…カバー(圧搾手段)
10…洗浄液供給管(液体供給手段、圧搾手段)
11…吸引排出管(吸引排出手段)
12…除去ユニット
13…カバー(圧搾手段)
14…吸引排出管(吸引排出手段)
15…除去ユニット
16…カバー(圧搾手段)
17…除去ユニット
18…カバー(圧搾手段)
19…リンス液供給管(液体供給手段、圧搾手段)
20…除去ユニット
32…カバー(圧搾手段)
33…管路(液体供給手段、圧搾手段)
34…洗浄ユニット
35…管路
100…基板処理装置
110…研磨部
120…洗浄部