(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-10
(45)【発行日】2023-05-18
(54)【発明の名称】船舶向け飲用水供給システム
(51)【国際特許分類】
C02F 1/68 20230101AFI20230511BHJP
C02F 1/44 20230101ALI20230511BHJP
B01F 21/00 20220101ALI20230511BHJP
C02F 1/28 20230101ALI20230511BHJP
C02F 1/04 20230101ALI20230511BHJP
C02F 9/00 20230101ALI20230511BHJP
B63J 1/00 20060101ALI20230511BHJP
【FI】
C02F1/68 520C
C02F1/44 A
C02F1/44 G
C02F1/68 510B
C02F1/68 520M
C02F1/68 530A
C02F1/68 530K
C02F1/68 530L
C02F1/68 540A
C02F1/68 540D
C02F1/68 540Z
B01F21/00
C02F1/28 D
C02F1/04 A
C02F9/00
B63J1/00
(21)【出願番号】P 2018195391
(22)【出願日】2018-10-16
【審査請求日】2021-10-04
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001063
【氏名又は名称】栗田工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108833
【氏名又は名称】早川 裕司
(74)【代理人】
【識別番号】100162156
【氏名又は名称】村雨 圭介
(72)【発明者】
【氏名】野末 満
【審査官】▲高▼ 美葉子
(56)【参考文献】
【文献】特開昭61-114792(JP,A)
【文献】特開昭61-057293(JP,A)
【文献】特開2008-043868(JP,A)
【文献】特開2014-069181(JP,A)
【文献】特開2010-029817(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F1/66-1/68
B01D53/22,61/00-71/82
C02F1/44
C02F1/02-1/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
海水から脱塩水を製造する海水淡水化装置と、前記海水淡水化装置から供給された脱塩水から飲用水を製造する飲用水製造装置とを備える船舶向け飲用水供給システムであって、
前記飲用水製造装置が炭酸ガス溶解装置とミネラル溶解手段と活性炭カートリッジとをこの順に備え、
前記飲用水製造装置に供給された前記脱塩水の供給量を計測する流量計測手段と演算制御装置とをさらに備え、
前記流量計測手段が前記演算制御装置に接続されており、
前記演算制御装置は、前記脱塩水の積算流量を含む情報を表示可能な表示器に接続しており、
前記演算制御装置は、前記流量計測手段により計測された前記脱塩水の供給量に基づき前記炭酸ガス溶解装置及び前記ミネラル溶解手段を制御可能となっており、
前記演算制御装置は、前記ミネラル溶解手段に供給されるべき前記脱塩水に含まれる炭酸ガスの濃度が100~500ppmとなるように制御
し、
前記流量計測手段は、前記脱塩水の流量を一定時間ごとに積算し、時間当たりの流量を設定値として設定し、
前記演算制御装置は、前記脱塩水の時間当たりの流量が前記設定値を下回ったら、その情報を前記表示器にアラームとして表示させ、製造された前記飲用水を捨て水として処理するように注意を促す、船舶向け飲用水供給システム。
【請求項2】
前記流量計測手段は、前記脱塩水の一定流量ごとにパルス信号を前記演算制御装置に送信可能となっており、
前記演算制御装置は、前記流量計測手段から受信した前記パルス信号に基づき前記脱塩水の積算流量をカウントして、設定された積算流量に達したら、前記ミネラル溶解手段に供給されるべき前記脱塩水への炭酸ガスの注入を開始する、請求項1に記載の船舶向け飲用水供給システム。
【請求項3】
前記活性炭カートリッジはMF膜を備える、請求項1又は2に記載の船舶向け飲用水供給システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、船舶向け飲用水供給システムに関し、特にミネラル分を適度に含む美味な飲用水を製造することの可能な船舶向け飲用水供給システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、海水から真水を得る船舶の飲用水製造装置においては、蒸留方式又はRO膜脱塩方式により、塩化ナトリウムを除去することが行われているが、これらの脱塩水は、ミネラル分も除去してしまうので、人体への刺激が強く、飲用としては適しない。そこで、人為的にミネラル分を添加することが行われている。
【0003】
しかしながら、人為的にミネラル分を添加する場合には、主に水溶性の薬剤を添加するため、その多くはアニオンとして、塩化物イオンや硫酸イオンも含むことになる。塩化物イオンや硫酸イオンは、えぐ味等を感じる原因となり、水本来の味を再現できない、という問題点があった。
【0004】
そこで、船舶に大容量の飲用水の貯蔵タンクを設置して、ここに十分な量の飲用水を積み込んでおくことが考えられるが、長期間航行する大型船舶などでは膨大な量の水が必要であるだけでなく、貯蔵タンクからの溶出物や貯蔵タンクから飲用水を供給する配管内のたまり水の水質管理などが困難であるだけでなく、水質の経時劣化の問題もあり、飲用としての安全性において最適ではない、という問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、ミネラル分を適度に含む美味な飲用水を製造することの可能な船舶向け飲用水供給システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために本発明は、海水から脱塩水を製造する海水淡水化装置と、前記海水淡水化装置から供給された脱塩水から飲用水を製造する飲用水製造装置とを備える船舶向け飲用水供給システムであって、前記飲用水製造装置が炭酸ガス溶解装置とミネラル溶解手段とを備える、船舶向け飲用水供給システムを提供する(発明1)。
【0007】
かかる発明(発明1)によれば、適度にミネラル分を含む美味な飲用水を製造することができる。これは以下のような理由による。すなわち、人が水をおいしいと感じる要素について検討した結果、(1)異味異臭がしないこと、(2)適度なミネラル分(硬度成分)が溶解していること、および(3)ガス成分が溶解していること、の全てを充足する必要があることがわかった。そこで、海水淡水化装置から供給された異味異臭の少ない脱塩水に炭酸ガス溶解装置で炭酸ガスを溶解させるとともにミネラル溶解手段でカルシウムなどのミネラル成分を溶解することにより、ミネラル成分が重炭酸塩として溶解するので、美味な飲用水が得られるのである。
【0008】
上記発明(発明1)においては、前記脱塩水の供給量を計測する流量計測手段を備えることが好ましい(発明2)。また、前記流量計測手段が演算制御装置に接続されているとともに、前記炭酸ガス溶解装置及び前記ミネラル溶解手段が該演算制御装置により制御可能となっていることが好ましい(発明3)。
【0009】
かかる発明(発明2,3)によれば、脱塩水の供給量を計測して該脱塩水の給水量に応じて炭酸ガス溶解装置からのガス供給量を調節することにより、脱塩水中の炭酸濃度を所望の濃度に調整することができる。そして、このような炭酸成分含有水にミネラル溶解手段からミネラルを溶解すると重炭酸塩硬度成分が溶出してくるので、結果的に得られる飲用水中の重炭酸塩硬度成分を変化させることができる。これらにより、適度にミネラル分を含む美味な飲用水を製造することができる。
【0010】
上記発明(発明1~3)においては、前記炭酸ガス溶解装置と前記ミネラル溶解手段との後段に活性炭カートリッジを備えることが好ましい(発明4)。
【0011】
かかる発明(発明4)によれば、活性炭カートリッジにより有機物や雑味成分を除去することでクリアな味わいの飲用水を製造することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の船舶向け飲用水供給システムによれば、海水淡水化装置から供給された異味異臭の少ない脱塩水に炭酸ガス溶解装置で炭酸ガスを溶解させるとともにミネラル溶解手段でカルシウムなどのミネラル成分を溶解しているので、美味な飲用水を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の第一の実施形態による船舶向け飲用水供給システムを示す概略図である。
【
図2】本発明の第二の実施形態による船舶向け飲用水供給システムを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の船舶向け飲用水供給システムの第一の実施形態について、
図1を参照にして詳細に説明する。
【0015】
図1は本発明の第一の実施形態による船舶向け飲用水供給システムを示しており、
図1において、船舶向け飲用水供給システム1は、海水淡水化装置2と前記海水淡水化装置から供給された脱塩水Dから飲用水を製造する飲用水製造装置3とを備える。
【0016】
〔海水淡水化装置〕
本実施形態において、海水淡水化装置2は、RO脱塩装置であり、このRO脱塩装置は原水としての海水Sの供給ライン21と、この供給ライン21の末端に設けられた逆浸透(RO)膜脱塩装置22と、RO膜脱塩装置22の透過側に設けられた脱塩水供給ライン23とを有し、RO膜脱塩装置22の濃縮側には回収流路24と排出流路25とが設けられている。なお、符号26は海水Sの供給ポンプであり、符号27は回収流路24の開閉弁であり、符号28は排出流路25の開閉弁である。
【0017】
〔飲用水製造装置〕
飲用水製造装置3は、炭酸ガス溶解装置としてのレギュレータ32を備えた炭酸ガスボンベ31と、この炭酸ガスボンベ31に接続した炭酸ガス供給ライン33とを備える。この炭酸ガス供給ライン33の途中には炭酸ガス貯留部34が配置されていて、その前後には炭酸ガス補充弁35Aと、炭酸ガス注入弁35Bとが設けられている。そして、脱塩水供給ライン23の途中には、流量計測手段としての流量計23Aが設けられていて、この流量計23Aの後段で上述した炭酸ガス供給ライン33が合流している。
【0018】
また、脱塩水供給ライン23の末端には、ミネラル溶解手段としてのミネラルカートリッジ36が設けられている。ミネラルカートリッジ36には、固形粉末状のミネラル剤が充填されており、このミネラル剤は、岩石由来のものや自然由来のものを用いることができ、例えば貝殻未焼成カルシウムもしくはサンゴ未焼成カルシウム等が好適である。
【0019】
さらに、ミネラルカートリッジ36に接続されたミネラル水供給管37の末端にはMF膜を備えた活性炭カートリッジ38が設けられていて、その後段の飲用水供給管39が蛇口やウォータークーラーなどのユースポイントUPに連通している。なお、
図1中において、符号41は脱塩水供給ライン23の開閉弁であり、符号42は脱塩水Dの昇圧ポンプであり、符号43は飲用水供給管39に接続された排出管であり、符号44は飲用水Wの排出管43の開閉弁である。
【0020】
上述したような飲用水製造装置3において、流量計23Aは一定流量ごとにパルス信号をパーソナルコンピュータなどの演算装置45に送信可能となっており、演算装置45はこれに基づき脱塩水Dの積算流量をカウントして、炭酸ガス注入弁35Bなどの各種弁の開閉を制御可能となっている。そして、演算装置45はディスプレイなどの表示器46に接続していて、脱塩水Dの積算流量や飲用水製造装置3の運転状況、さらには炭酸ガスボンベ31、ミネラルカートリッジ36及び活性炭カートリッジ38の交換時期などが必要に応じ表示可能となっている。
【0021】
〔船舶向け飲用水の製造方法〕
次に上述したような構成を有する本実施形態の船舶向け飲用水供給システムを用いた飲用水の製造方法について以下説明する。
【0022】
まず、海水淡水化装置2の開閉弁27は開成し開閉弁28は閉鎖した状態で、供給ポンプ26を駆動して、海水Sを供給ライン21から逆浸透(RO)膜脱塩装置22に供給する。このRO膜脱塩装置22において、海水S中の塩化ナトリウムの他、カルシウムやマグネシウムなどの水の味を決めるミネラル分を除去した脱塩水Dを脱塩水供給ライン23に吐出する。
【0023】
次に、脱塩水供給ライン23の開閉弁41及び飲用水Wの排出管43の開閉弁44は閉鎖するとともに、炭酸ガス補充弁35Aを開成し、炭酸ガス注入弁35Bは閉鎖した状態で、脱塩水Dを脱塩水供給ライン23から送給する。そして、昇圧ポンプ42を駆動して脱塩水Dを昇圧した後、流量計23Aでその流量を計測し、設定された積算流量に達したら、炭酸ガス注入弁35Bを開成し、あらかじめ炭酸ガス貯留部34に貯留された炭酸ガスを脱塩水Dに混合して溶解する。これにより炭酸ガス濃度をコントロールした炭酸ガス溶解水が生成される。ここで、脱塩水Dに炭酸ガスが100~500ppm程度の濃度となるように演算装置45で制御することにより、後述するミネラルカートリッジ36において重炭酸塩硬度成分含有水の重炭酸塩硬度成分濃度を所望の濃度に調整することができる。なお、炭酸ガス貯留部34には、炭酸ガス補充弁35Aを開成し、炭酸ガス注入弁35Bは閉鎖した状態とすることで、レギュレータ32で設定された圧力まで炭酸ガスが供給され、炭酸ガスが設定された圧力となったら、炭酸ガス注入弁35Bを閉鎖する。
【0024】
続いて、この炭酸ガスを溶解した脱塩水Dはミネラルカートリッジ36に流入する。そして、ミネラルカートリッジ36を通過するときに炭酸濃度に比例して、ミネラルカートリッジ36のミネラル剤中のカルシウムが重炭酸カルシウムとして溶出する。その他のミネラル成分も同様に重炭酸塩として溶解する。特に固形粉末状のミネラル剤として、貝殻未焼成カルシウムもしくはサンゴ未焼成カルシウム等を用いることにより、炭酸カルシウムのみならず炭酸マグネシウム成分が溶出して、これらの成分が含まれたミネラル水を得ることができる。ここで、本実施形態においては、炭酸ガスを溶解した脱塩水Dを流通しているので、カルシウムやマグネシウムの対イオンとして重炭酸イオンが存在する結果、硫酸イオンや塩素イオンが少なくなるので、マイルドで美味な飲用水Wを得ることができる。このミネラルカートリッジ36の通過により、ミネラル水が所望の全硬度となるように炭酸ガスを溶解した脱塩水Dの流量を設定すればよい。ただし、ミネラル水の全硬度が100を超えると、ミネラル成分が析出しやすくなるため、全硬度が100程度、高くても200以下となるようにミネラルカートリッジ36に充填する。
【0025】
最後に、得られたミネラル水をミネラル水供給管37からMF膜を備えた活性炭カートリッジ38に通水して、ミネラル水に含まれる有機物、雑味成分さらには濁質成分を除去することにより、美味でクリアな飲用水Wを製造することができる。
【0026】
上述したような飲用水Wの製造工程において、流量計23Aにより脱塩水Dの流量を一定時間ごとに積算し、時間当たりの流量を設定しておく。そして、時間当たりの流量が設定値を下回ったら、装置の配管内に飲用水Wなどが長時間滞留することにより配管に起因する溶出物などより、味質が低下している可能性があるので、これを表示器46にアラームとして表示させ、排出管43の開閉弁44を開成して捨て水を行うように注意を促す。捨て水を実施したら表示器46のアラームを消去し、排出管43の開閉弁44を閉鎖することで飲用水Wを使用可能とすることにより、常に美味な飲用水Wを供給することができる。さらに流量計23Aの積算流量を演算装置45で管理することにより、炭酸ガスボンベ31、ミネラルカートリッジ36及び活性炭カートリッジ38などの消耗品の交換時期を管理することもできる。
【0027】
次に本発明の第二の実施形態による船舶向け飲用水供給システムについて説明する。本実施形態による船舶向け飲用水供給システムは、基本的には上述した第一の実施形態と同じ構成を有するので同一の構成には同一の符号を付しその詳細な説明を省略する。
【0028】
図2において、第二実施形態の船舶向け飲用水供給システムは、海水淡水化装置2を減圧蒸留装置としたものである。本実施形態において、減圧蒸留装置51は、減圧蒸留塔52と、この減圧蒸留塔52に接続された脱塩水供給ライン53と、脱塩水供給ライン53の途中に配置された調圧タンク54とを備える。この減圧蒸留装置51の減圧蒸留塔52に海水Sを供給し、大気圧より低い圧力で蒸留分離することにより、海水S中の塩化ナトリウムの他、カルシウムやマグネシウムなどの水の味を決めるミネラルを除去した脱塩水Dを脱塩水供給ライン53に吐出する。その後は上述した第一の実施形態と同様にして飲用水Wを製造することができる。
【0029】
上述したように海水淡水化装置2としては、逆浸透(RO)膜脱塩装置22に限らず、減圧蒸留装置51も同様に適用することができる。
【0030】
以上、本発明の船舶向け飲用水供給システムについて、前記各実施形態に基づいて説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されず種々の変形実施が可能である。例えば、アラームを告知する手段としては表示器46に限らず警報音としてもよいし、両者を併用してもよい。また、活性炭カートリッジ38とMF膜とは別々に設けても良い。さらには、炭酸ガス溶解装置では炭酸ガスだけでなく、他のガス成分を混合しても供給してもよい。
【実施例】
【0031】
以下の具体的実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
【0032】
(ミネラル剤)
ミネラル剤として貝殻未焼成カルシウムを用意した。
【0033】
(船舶向け飲用水の官能試験)
[実施例1、参考例1~5]
図2に示す装置を用い、海水Sを脱塩した脱塩水Dに対し、炭酸ガス溶解装置により炭酸ガスを100ppm溶解して、炭酸ガスを溶解した脱塩水Dを調整した。この炭酸ガスを溶解した脱塩水Dをミネラル剤を充填したミネラルカートリッジ36にミネラル剤が約100ppm溶解する条件で通水し、続いて活性炭カートリッジ38に通水して、それぞれ実施例1の飲用水Wを製造した。
【0034】
また、参考例として超純水(参考例1)、市販のミネラルウォータ(参考例2~5)を用意した。なお、参考例2は「南アルプスの天然水」(商品名、サントリー社)、参考例3は「いろはす天然水」(商品名、日本コカ・コーラ社)、参考例4は「ボルヴィック」(商品名、販売元キリンビバレッジ(株))、及び参考例5は「エビアン」(商品名、ダノン社)である。
【0035】
これら実施例1及び参考例1~5の飲用水を、該飲用水が何であるかわからない条件下で試飲し、その味覚による官能試験を実施した。結果を各飲用水の含有成分とともに表1に示す。
【0036】
【0037】
表1から明らかなとおり、炭酸ガスを溶解した後、ミネラル成分を溶解させた実施例1の飲用水Wは、雑味成分やミネラル分をほとんど含まない超純水である参考例1よりも「とてもおいしい」と感じ、市販の代表的なミネラルウォータである参考例2~5と遜色ない味覚であった。
【符号の説明】
【0038】
1 船舶向け飲用水供給システム
2 海水淡水化装置
21 供給ライン
22 逆浸透(RO)膜脱塩装置
23 脱塩水供給ライン
23A 流量計
24 回収流路
25 排出流路
26 供給ポンプ
27 開閉弁
28 開閉弁
3 飲用水製造装置
31 炭酸ガスボンベ(炭酸ガス溶解装置)
32 レギュレータ
33 炭酸ガス供給ライン(炭酸ガス溶解装置)
34 炭酸ガス貯留部
35A 炭酸ガス補充弁
35B 炭酸ガス注入弁
36 ミネラルカートリッジ(ミネラル溶解手段)
37 ミネラル水供給管
38 活性炭カートリッジ
39 飲用水供給管
41 開閉弁
42 昇圧ポンプ
43 排出管
44 開閉弁
45 演算装置
46 表示器
51 減圧蒸留装置
52 減圧蒸留塔
53 脱塩水供給ライン
54 調圧タンク
S 海水
D 脱塩水
W 飲用水
UP ユースポイント