(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-11
(45)【発行日】2023-05-19
(54)【発明の名称】自動分析装置
(51)【国際特許分類】
G01N 35/00 20060101AFI20230512BHJP
【FI】
G01N35/00 A
(21)【出願番号】P 2021539810
(86)(22)【出願日】2020-02-21
(86)【国際出願番号】 JP2020007029
(87)【国際公開番号】W WO2021029093
(87)【国際公開日】2021-02-18
【審査請求日】2021-12-22
(31)【優先権主張番号】P 2019147021
(32)【優先日】2019-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】501387839
【氏名又は名称】株式会社日立ハイテク
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 俊輔
(72)【発明者】
【氏名】坂詰 卓
【審査官】岡村 典子
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-099160(JP,A)
【文献】特表2004-502179(JP,A)
【文献】特表2011-508881(JP,A)
【文献】特開2008-051723(JP,A)
【文献】特開2010-156649(JP,A)
【文献】特開2012-021815(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0100791(US,A1)
【文献】特開2018-163157(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/00-35/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
試薬と検体を反応容器に分注して得られる反応液を分析する分析動作部と、
前記分析動作部の動作を制御する制御部と、
前記分析動作部による分析結果および前記分析動作部で用いる消耗品の情報を記憶する記憶部と、
前記分析結果および検査情報を表示する表示部と、を備え、
前記検査情報は、第1の検査情報と、当該第1の検査情報とは情報内容が異なる第2の検査情報とによって構成され、前記検査情報のうち、
ユーザ対応が不要な情報を前記第1の検査情報とし、当該第1の
検査情報以外の
情報であって、ユーザ対応が必要とされる重要事項の情報を前記第2の検査情報とする
ようにユーザ設定可能であり、
前記制御部は、
前記検査情報のうち前記第1の検査情報を表示する第1の検査情報表示領域と、前記検査情報のうち前記第2の検査情報を表示する第2の検査情報表示領域と、を含む検査情報表示用GUIを生成する処理と、
前記表示部の画面上に前記検査情報表示用GUIを表示する際に、前記第1の検査情報を
通常表示かつ第1速度でスクロール表示し、前記第2の検査情報
を強調表示かつ前記第1速度よりも低速の第2速度でスクロール表示するように、前記表示部を制御する処理と、
を実行する、自動分析装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記検査情報表示用GUIは、前記第1および第2の検査情報表示領域とは異なる詳細領域であって、前記第1の検査情報、及び/又は、前記第2の検査情報の詳細内容を表示する詳細表示領域を含む、自動分析装置。
【請求項3】
請求項
2において、
前記制御部は、前記第1の検査情報、及び/又は、前記第2の検査情報から選択された検査情報の詳細を前記詳細表示領域に表示するように前記検査情報表示用GUIを生成する、自動分析装置。
【請求項4】
請求項1において、
前記制御部は、入力された削除命令に応答して、対応する検査情報を前記第1、及び/又は、第2の検査情報表示領域から削除する、自動分析装置。
【請求項5】
請求項
1において、
前記制御部は、前記第1および第2の検査情報表示領域
のスクロール表示を個別に停止、再生、巻き戻しする操作部を前記検査情報表示用GUIに設け、当該操作部に対する操作を検知して、前記第1および第2の検査情報表示領域の前記スクロール表示を制御する、自動分析装置。
【請求項6】
請求項
5において、
前記操作部は、操作ボタン、又は、タッチパネルである、自動分析装置。
【請求項7】
請求項1において、
前記制御部は、前記検査情報表示用GUIに表示する検査情報を追加、削除、あるいは変更するための検査情報設定用GUIを生成して前記表示部に表示し、前記検査情報設定用GUIに対するユーザの入力に応答して、前記検査情報表示用GUIに表示する検査情報を追加、削除、あるいは変更する、自動分析装置。
【請求項8】
請求項
7において、
前記制御部は、前記検査情報設定用GUIとして、装置の動作状態を前記検査情報として表示するか否かを設定する第1設定用GUI、消耗品情報を前記検査情報として表示するか否かを設定する第2設定用GUI、各種測定結果を前記検査情報として表示するか否かを設定する第3設定用GUI、および各種装置エラーの警告を前記検査情報として表示するか否かを設定する第4設定用GUIの何れかを生成する、自動分析装置。
【請求項9】
請求項1において、
前記検査情報は、装置状態の情報、消耗品の情報、測定情報、およびアラーム情報を含み、
前記制御部は、前記検査情報の何れかあるいは組み合わせを前記第1の検査情報表示領域に表示し、前記第1の検査情報表示領域に表示する検査情報以外の検査情報の何れかあるいは組み合わせを前記第2の検査情報表示領域に表示するように、前記検査情報表示用GUIを生成する、自動分析装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、自動分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動分析装置は、表示部のGUI画面上に、分析結果を表示するだけでなく、分析に使用する消耗品やアラーム情報等のあらゆる情報を表示する。ユーザ(オペレータ)は、当該GUI画面に表示された複数のボタンを操作して画面を遷移させることにより知りたい情報にアクセスしている。
【0003】
例えば、特許文献1は、一般機能ボタン、特定機能ボタン、および情報メッセージを表示するスクロール可能なテキスト領域を有するGUIを画面上に表示する自動分析装置について開示する。このように、特許文献1によれば、自動分析装置の機能に関する情報を表示する機能ボタンを常に画面上に表示することで、ユーザの最小限の操作によって情報を表示する画面にアクセスできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の技術を用いた場合、ユーザが即座に対応する必要がある事象が発生しているか否かについて通常表示されている画面からは即座に判断できず、装置停止や結果報告遅延につながる可能性がある。また、近年の自動分析装置の多機能化に伴い、多量な情報を表示できるようになったことで、ユーザが知りたい情報にアクセスするまでに複雑な画面操作を必要とし、時間を要するという課題がある。
本開示は、このような状況に鑑みて、装置停止や結果報告遅延のリスクを低減する自動分析装置を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示は、試薬と検体を反応容器に分注して得られる反応液を分析する分析動作部と、分析動作部の動作を制御する制御部と、分析動作部による分析結果および分析動作部で用いる消耗品の情報を記憶する記憶部と、分析結果および検査情報を表示する表示部と、を備え、制御部は、検査情報のうち第1の検査情報を表示する第1の検査情報表示領域と、検査情報のうち第1の検査情報とは異なる第2の検査情報を表示する第2の検査情報表示領域と、を含む検査情報表示用GUIを生成する処理と、表示部の画面上に検査情報表示用GUIを表示する際に、第1の検査情報と第2の検査情報とを、異なる表示形態で表示するように、表示部を制御する処理と、を実行する、自動分析装置を提案する。
【発明の効果】
【0007】
本開示の技術によれば、自動分析装置において、装置停止や結果報告遅延のリスクを低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】本実施形態による検査情報表示方式を適用した自動分析装置1の表示部217の表示画面上に表示される検査情報表示用GUI100の構成例を示す図。
【
図3】消耗品113のキャリブレーション情報を設定するためのキャリブレーション情報設定画面120の構成例を示す図。
【
図4】消耗品113のアッセイ試薬の情報を設定するためのアッセイ試薬情報設定画面130の構成例を示す図。
【
図5】消耗品情報における固形消耗品情報127を設定するための消耗品情報設定画面140の構成例を示す図。
【
図6】測定情報114を設定するための測定情報設定画面150の構成例を示す図。
【
図7】アラーム情報115を設定するためのアラーム情報設定画面160の構成例を示す図。
【
図8】第1検査情報表示部101もしくは第2検査情報表示部102における表示速度を設定するための表示速度設定画面170の構成例を示す図。
【
図9】検査情報表示用GUI100における検査情報の表示処理例を説明するためのフローチャート。
【
図10】各種設定画面120から170を用いて行われる、表示すべき検査情報の編集処理例を説明するためのフローチャート。
【
図11】表示設定をデータベースに反映する処理を説明するためのフローチャート。
【
図12】検査情報表示条件判定処理を説明するためのフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照して説明する。以下、免疫自動分析装置を例に説明するが、これに限定されるものではなく、検体と試薬を反応させて当該反応の結果に基づいて検体の分析を行う装置を広く含む。例えば、生化学自動分析装置、臨床検査に用いる質量分析装置や血液の凝固時間を測定する凝固分析装置等も含まれる。また、これらと生化学自動分析装置、免疫自動分析装置との複合システム、更に、これらを応用した自動分析システムにも適用可能である。
【0010】
(1)第1の実施形態
<自動分析装置の構成例>
図1は、自動分析装置1の概略構成例を示す図である。
図1に示されるように、自動分析装置1は、ラック201を搬送するラック搬送ライン202、試薬保持部(試薬保冷ユニット)204、インキュベータ(反応ディスク)205、検体分注部(試料分注部)206、試薬分注部207、消耗品を搬送する搬送部208、及び、分析部209と、を備え、これらのユニットを分析動作部と称する。
【0011】
ラック201は、血液や尿などの生体サンプル(検体)を収容する複数の検体容器(試料容器)210を収納するものであり、検体容器210が収納された状態でラック搬送ライン202上を搬送される。
【0012】
試薬保持部204は、試薬容器保管部であって検体の分析に用いる種々の試薬が収容された複数の試薬容器211を収納・保冷する。試薬保持部204の上面の少なくとも一部は、試薬ディスクカバー212によって覆われている。
【0013】
インキュベータ205は、検体と試薬を反応するための複数の反応容器213が配置される反応容器配置部(図示せず:反応容器を設置するためにディスク上に設けられた複数の孔)と、反応容器213の温度を所望の温度に調整する温度調整機構と、を有している。
【0014】
検体分注部206は、回転駆動機構や上下駆動機構により、検体容器210からインキュベータ205に収容された反応容器213に検体を分注可能である。また、試薬分注部207も同じく、回転駆動機構や上下駆動機構により、試薬容器211からインキュベータ205に収容された反応容器213に試薬を分注可能である。分析部209は、光電子増倍管や光源ランプ、分光器、フォトダイオードを備え、それらの温度を調整する機能を持ち、反応液の分析を行う。
【0015】
自動分析装置1は、以上で説明した分析動作部に加えて、自動分析装置1全体の動作を制御するコンピュータ(以下、PC)20を備えている。当該PC20は、制御部214、操作部215、記憶装置216、及び、表示部(表示装置)217と、を備えている。
【0016】
記憶装置216は、ハードディスクやメモリなどによって構成される。また、記憶装置216には、例えば各ユニットに対応した温度範囲が記憶されるようにしてもよい。
【0017】
操作部215は、マウス、キーボードなどの入力装置から構成され、ユーザ(オペレータ)が所望のデータ、情報、および指示を入力することができるように構成されている。例えば、表示部217を液晶ディスプレイなどで構成する場合には、タッチパネルとすることができ、この場合、表示部217が操作部215の一部を構成することになる。
【0018】
制御部214は、専用の回路基板によってハードウェアとして構成されていてもよいし、自動分析装置1に接続されたPCで実行されるソフトウェアによって構成してもよい。ハードウェアにより構成する場合には、処理を実行する複数の演算器を配線基板上、または半導体チップまたはパッケージ内に集積することにより実現できる。ソフトウェアにより構成する場合には、PCに高速な汎用CPUなどのプロセッサを搭載して、所望の演算処理を実行するプログラムを実行することで実現できる。このプログラムが記録された記録媒体により、既存の装置をアップグレードすることも可能である。また、これらの装置や回路、PC間は有線又は無線のネットワークで接続され、適宜データが送受信される。また、PC20は、臨床検査情報システム等の上位システムと接続でき、装置状態や消耗品情報、測定情報を含む検査情報を送受信することができる。
【0019】
<GUIの構成例>
図2は、本実施形態による検査情報表示方式を適用した自動分析装置1の表示部217の表示画面上に表示される検査情報表示用GUI(Graphical User Interface)100の構成例を示す図である。検査情報表示用GUI100は、(i)第1検査情報表示部101および第2検査情報表示部102を含む検査情報表示エリア103と、(ii)表示部右側に測定結果104、消耗品情報105、キャリブレーション情報106、精度管理情報107、アラーム情報108の各種詳細情報画面へ遷移するためのアイコン、設定ボタン109、および測定開始/停止110を含み、各種装置設定を行うアイコンを表示するグローバルアイコン表示エリア1001と、(iii)検査情報表示用GUI画面中央の詳細情報表示エリア111と、を構成項目として含んでいる。
【0020】
グローバルアイコン表示エリア1001に表示されたアイコンがユーザによって選択されると、表示部217は、詳細情報表示エリア111に選択されたアイコンに応じた詳細情報を表示する。
図2は、測定結果104が選択され、詳細情報表示エリア111に測定結果を表示する例を示している。グローバルアイコン表示エリア1001は、検査情報表示エリア103および詳細情報表示エリア111の表示内容によらず、固定項目を表示する領域である。
【0021】
検査情報表示エリア103は、詳細情報表示エリア111の表示内容によらず、以下に説明する内容を表示する領域である。検査情報表示エリア103は、第1検査情報表示部101および第2検査情報表示部102を含み、それぞれ異なる内容の検査情報を、異なる表示形態で、表示することができるように構成されている。
【0022】
詳細情報の画面への遷移は、ユーザが第1検査情報表示部101および第2検査情報表示部102に表示される何れかの表示内容を選択することで実現する。例えば、アラーム情報の表示が選択されると、アラームの詳細内容とその対処法の詳細表示画面に遷移し、測定情報の表示が選択されると測定結果の詳細表示画面に遷移する。また、ユーザが詳細情報を確認する必要がないと判断した表示に関しては、第1検査情報表示部101および第2検査情報表示部102に表示された該当の表示内容をユーザが選択することで削除することができる。その際、詳細情報画面の遷移と削除の選択方法を分けることにより区別することができる。例えば、ユーザがワンクリックした場合には詳細情報画面へ遷移し、ダブルクリックした場合には該当する詳細情報表示が削除されるようにすることができる。
【0023】
さらに、検査情報表示用GUI100は、停止/再生ボタン128-1および128-2を含む。ユーザが停止/再生ボタン128-1および128-2を操作することにより、第1検査情報表示部101および第2検査情報表示部102に表示される表示を停止、再生、および巻き戻しすることができる。例えば、停止/再生ボタン128-1は第1検査情報表示部101に対して設けられ、停止/再生ボタン128-2は第2検査情報表示部102に対して設けられており、それぞれ個別に表示の停止および再生の動作を行うことができる。なお、表示部217がタッチパネル機能を有する場合(表示部217が操作部215の一部を構成する場合)は、表示部217の画面をスワイプすることにより、停止/再生ボタン218-1および218-2と同様の機能を有するよう構成させてもよい。ユーザが表示された情報を見逃した場合や停止させて確認したい場合に停止/再生ボタン128があることにより、確実に情報を確認することができる。
【0024】
また、ユーザは、表示する検査情報を設定することができる。知りたい情報(頻繁にチェックする情報や重要であると考える情報の種類)は、自動分析装置1を使用するユーザによって異なる。従って、画一的な情報(固定的な情報)を表示すること(一律に表示すること)はユーザによっては不要な情報を表示させることにつながり、重要な情報を見逃す可能性がある。つまり、表示する検査情報をユーザが設定できるため、表示された情報に対応する優先順位をより効率良く付けやすくなる。
【0025】
<設定画面例>
図3から
図8は、表示対象とする検査情報を設定するための表示検査情報設定画面120から170の構成例を示す図である。表示検査情報設定画面120から170は、グローバルアイコン表示エリア1001に表示された設定ボタン109を選択し、各種設定画面(図示せず)を経て、表示することができる。
【0026】
検査情報は、例えば、装置状態、消耗品情報、測定情報、およびアラーム情報などに分類することができる。そこで、設定画面上部の検査情報表示領域1002に各種検査情報の分類(カテゴリー)を表示し、それぞれの分類を選択すると、さらに詳細な表示情報を選択できるように構成する。例えば、検査情報表示領域1002は、それぞれの分類に関する設定画面120から170へ遷移できる分類設定ボタン(例えば、装置状態112、消耗品情報113、測定情報114、アラーム情報115)を備える。ユーザが装置状態112、消耗品情報113、測定情報114、あるいはアラーム情報115の何れかを選択すると、制御部214は分類設定ボタンに対応した設定画面を表示する。例えば、装置状態(Instrument Status)112の分類では、装置に関する状態、例えば測定中、スタンバイ、測定待ち状態などの装置状態の表示要否を設定できる。また、消耗品情報(Inventory)113の分類では、キャリブレーション、アッセイ試薬、固形消耗品、廃棄物に関する情報の表示設定ができる。なお、測定情報(Test Info)114およびアラーム情報(Alarm)115については後述する。
【0027】
(i)消耗品情報(Inventory)113のキャリブレーション設定
図3は、消耗品(アッセイ試薬を一例とする)113のキャリブレーション情報を設定するためのキャリブレーション情報設定画面120の構成例を示す図である。
【0028】
キャリブレーション情報の設定121では、例えば、キャリブレーションの状態(Status)122、有効期限(Expiration)123の表示設定ができる。キャリブレーションの状態(Status)122では、対応するアッセイ毎にキャリブレーションの有効/無効が表示される。また、有効期限(Expiration)123では、有効期限日もしくは期限までの日数が表示される。
【0029】
(ii)消耗品情報(Inventory)113のアッセイ試薬設定
図4は、消耗品113のアッセイ試薬の情報を設定するためのアッセイ試薬情報設定画面130の構成例を示す図である。
【0030】
アッセイ試薬(Reagent)123の分類では、例えば、アッセイ試薬の残量(Test Count)124、有効期限(Expiration)125、およびオンボード有効期限(OBS;試薬開封日からの使用期限)126に関する情報の表示要否を設定できる。
【0031】
アッセイ試薬の残量(Test Count)124では、第1検査情報表示部101もしくは第2検査情報表示部102に残量を表示させる閾値についても設定できる。当該アッセイ試薬の残量がその閾値を下回ると、第1検査情報表示部101もしくは第2検査情報表示部102に残量が少ないことを示す表示、例えばLevel Lowや具体的な残量などが表示される。
【0032】
有効期限(Expiration)125では、第1検査情報表示部101もしくは第2検査情報表示部102に有効期限までの日数を表示させる閾値についても設定できる。当該アッセイ試薬の有効期限がその閾値を下回ると、第1検査情報表示部101もしくは第2検査情報表示部102に有効期限が近いことを示す表示、例えばExpireや具体的な日数などが表示される。
【0033】
オンボード有効期限126では、第1検査情報表示部101もしくは第2検査情報表示部102にオンボード有効期限までの日数を表示させる閾値についても設定できる。当該アッセイ試薬のオンボード有効期限がその閾値を下回ると、第1検査情報表示部101もしくは第2検査情報表示部102に有効期限が近いことを示す表示、例えばOBSや具体的な日数などが表示される。
【0034】
(iii)消耗品情報(Inventory)113の消耗品情報設定
図5は、消耗品情報(Inventory)における固形消耗品情報(Consumable)127を設定するための消耗品情報設定画面140の構成例を示す図である。
【0035】
固形消耗品情報(Consumable)127の分類では、測定に使用する反応容器(Vessel)の残量、サンプル分注用の分注チップ(Sample Tip)の残量、反応容器や分注チップを廃棄する廃棄容器の廃棄可能残数(Solid Waste)、および測定で生じる廃液を回収する廃液タンクの廃棄可能容量(Liquid waste)などの消耗品に関する情報の表示要否を設定できる。
【0036】
それぞれの項目について、第1検査情報表示部101もしくは第2検査情報表示部102に残量を表示させる閾値についても設定できる。各消耗品の残量がその閾値を下回ると、第1検査情報表示部101もしくは第2検査情報表示部102に残量が少ないことを示す表示、例えばVessel Short、Tip Short等の略称や具体的な残量などが表示される。
【0037】
(iv)測定情報(Test Info)114の設定画面
図6は、測定情報(Test Info)114を設定するための測定情報設定画面150の構成例を示す図である。
【0038】
測定情報(Test Info)114の分類では、自動分析装置1に登録された測定項目すべてに対して、測定結果(Result)116、再検(Repeat:測定結果が思わしくないと考えられるときに再検査するか否かに関連する表示)117、結果出力時間(Time to Result:試薬毎に結果が出るまでの時間が異なること、および装置に別のテストの実施に基づく所要時間が累積することに鑑みてなされる表示)118、およびサンプルエラー(Abnormal:どの検体とどの試薬との組み合わせでエラーが起こったかを認識するための表示)119の表示要否を選択することができる。
【0039】
測定結果116では、定性判定結果(陽性/陰性/グレーゾーン)および定量結果(濃度)が表示される。再検117では、再検の発生および再検条件(希釈率等)が表示される。結果出力時間118では、結果出力までの時間が表示される。サンプルエラー119では、サンプル量不足やサンプルの異常吸引等のサンプル由来のエラーの発生が表示される。
【0040】
(v)アラーム情報(Alarm)の設定画面
図7は、アラーム情報(Alarm)115を設定するためのアラーム情報設定画面160の構成例を示す図である。
【0041】
アラーム(Alarm)115の分類では、自動分析装置1で定義されたアラームすべてについて表示要否を選択することができる。設定は各アラーム個別に設定してもよく、アラームのカテゴリー別に表示設定してもよい。なお、カテゴリー「装置(System)」のエラーは、機械エラーやソフトウェアエラーなどに分類できない、予期せぬエラーに相当するものである。また、どのようなエラーか分からないような装置エラーについても「装置(System)」に分類することができる。
【0042】
(vi)表示速度設定画面
図8は、第1検査情報表示部101もしくは第2検査情報表示部102における表示速度を設定するための表示速度設定画面170の構成例を示す図である。
【0043】
多量の検査情報を限られた表示エリアに表示させるため、第1検査情報表示部101および第2検査情報表示部102においては、各種検査情報を各検査情報表示部の右から左へ移動させながら表示することができる。尚、左から右へ移動させてもよい。
【0044】
また、ユーザの視認性を向上させるために、表示速度設定画面170を用いて、第1検査情報表示部101および第2検査情報表示部102のそれぞれの表示移動速度を異なる速度に、かつ任意の速度に設定することができる。例えば、第1検査情報表示部101に表示される情報を第1速度(高速)で移動表示をさせ、第2検査情報表示部102に表示される情報を第2速度(通常速度)で移動表示させるように設定することもできる。また、表示速度設定画面170を用いて表示速度の設定をする際、第1検査情報表示部101および第2検査情報表示部102(
図8)に設定された速度で予め決められた例文を表示することで、ユーザが自分の好みに応じた速度での表示が行われる設定か否かを確認することができる。
【0045】
さらに、ユーザは、第1検査情報表示部101および第2検査情報表示部102に表示される情報のうち、ユーザ対応が必要とされる事項や項目、例えば消耗品不足やサンプルエラーについての情報、それらの情報を強調表示(例えば、他の検査情報とは別の色で表示、点滅表示、回転表示(動きのある表示)など)できるように構成してもよい。これにより、ユーザに即座の対応を促すことができる。
【0046】
また、ユーザは、表示速度設定画面170を用いて設定した表示内容について、第1検査情報表示部101もしくは第2検査情報表示部102のどちらに表示するかを設定することができる。例えば、ユーザ対応が必要とされる重要事項の情報については第2検査情報表示部102に表示させるよう設定することにより、より表示される情報の優先度を認識しやすくなる。このとき、第2検査情報表示部102における表示速度を第1検査情報表示部101における表示速度よりも速く設定することができる。
【0047】
<表示処理の詳細>
図9は、検査情報表示用GUI100における検査情報の表示処理例を説明するためのフローチャートである。なお、以降のフローチャートでは、各ステップの動作主体が制御部214であるとして説明する。
【0048】
(i)ステップ901
制御部214は、表示対象となる検査情報のうち閾値を下回る項目があるか否か判定する。この判定処理は、例えば、定期的に行うように設定しておくことができる。閾値を下回る表示項目がある場合(ステップ901でYESの場合)、処理はステップ902に移行する。閾値を下回る表示項目がない場合(ステップ901でNOの場合)、制御部214は定期的に当該判定処理を実行する。
【0049】
(ii)ステップ902
制御部214は、表示速度設定画面170に従ってユーザが設定した内容を確認し、対象の表示項目に対して強調表示設定がされているか否か判断する。強調表示設定がされている場合(ステップ902でYESの場合)、処理はステップ903に移行する。強調表示設定がされていない場合(ステップ902でNOの場合)、処理はステップ906に移行する。
【0050】
(iii)ステップ903
制御部214は、表示速度設定画面170に従ってユーザが設定した内容を確認し、強調表示の対象となっている表示項目が第1検査情報表示部101に表示されるべき項目か、あるいは第2検査情報表示部102に表示されるべき項目か判断する。当該表示項目が第1検査情報表示部101に表示されるべき項目である場合(ステップ903でYESの場合)、処理はステップ904に移行する。当該表示項目が第2検査情報表示部102に表示されるべき項目である場合(ステップ903でNOの場合)、処理はステップ905に移行する。
【0051】
(iv)ステップ904
制御部214は、表示対象の検査情報を、検査情報表示用GUI100の第1検査情報表示部101に強調表示する。
【0052】
(v)ステップ905
制御部214は、表示対象の検査情報を、検査情報表示用GUI100の第2検査情報表示部102に強調表示する。
【0053】
(vi)ステップ906
制御部214は、表示速度設定画面170に従ってユーザが設定した内容を確認し、表示の対象となっている表示項目が第1検査情報表示部101に表示されるべき項目か、あるいは第2検査情報表示部102に表示されるべき項目か判断する。当該表示項目が第1検査情報表示部101に表示されるべき項目である場合(ステップ906でYESの場合)、処理はステップ907に移行する。当該表示項目が第2検査情報表示部102に表示されるべき項目である場合(ステップ906でNOの場合)、処理はステップ908に移行する。
【0054】
(vii)ステップ907
制御部214は、表示対象の検査情報を、検査情報表示用GUI100の第1検査情報表示部101に通常表示する。
【0055】
(viii)ステップ908
制御部214は、表示対象の検査情報を、検査情報表示用GUI100の第2検査情報表示部102に通常表示する。
【0056】
<表示検査情報の編集処理>
図10は、各種設定画面120から170を用いて行われる、表示すべき検査情報の編集処理例(追加・削除など)を説明するためのフローチャートである。
【0057】
(i)ステップ1001
制御部214は、第1検査情報表示部101あるいは第2検査情報表示部102に表示された何れかの検査情報がユーザによって選択されたか判定する。検査情報が選択されたと判定した場合(ステップ1001でYESの場合)、処理はステップ1003に移行する。検査情報が選択されていないと判定した場合(ステップ1001でNOの場合)、処理はステップ1002に移行する。
【0058】
(ii)ステップ1002
制御部214は、第1検査情報表示部101あるいは第2検査情報表示部102における現在の表示形態および表示内容を維持する。
【0059】
(iii)ステップ1003
制御部214は、ユーザによってなされた操作が選択された検査情報の削除を指示するもの(直接削除指示)か、あるいは詳細画面(図示せず:検査情報の詳細を示すための画面)へ遷移してから削除することを指示するもの(確認後削除指示)か、を判定する。例えば、前者はユーザが対象の検査情報をダブルクリックすることにより指示することができ、後者はユーザが対象の検査情報を1クリックすることにより指示することができる。選択された検査情報の削除(直接削除)が指示された場合(ステップ1003でYESの場合)、処理はステップ1004に移行する。一方、選択された検査情報に関連する詳細画面への遷移が指示された場合(ステップ1003でNOの場合)、処理はステップ1005に移行する。
【0060】
(iv)ステップ1004
制御部214は、選択された検査情報の表示を第1検査情報表示部101あるいは第2検査情報表示部102から削除する。
【0061】
(v)ステップ1005
制御部214は、検査情報表示用GUI100から、選択された検査情報に関連する詳細画面に画面を遷移させる。
【0062】
(vi)ステップ1006
制御部214は、例えば、ユーザによる削除承認指示に応答して、選択された検査情報の表示を第1検査情報表示部101あるいは第2検査情報表示部102から削除する。
【0063】
<表示設定の反映処理>
PC20は、例えば、内部(例えば、記憶装置216)に検査情報表示設定に関するデータベース(以下、DB)を保持する。そして、ユーザによって表示設定が変更された場合、制御部214は、当該DBで管理されている設定情報を更新する。
図11は、表示設定をDBに反映する処理を説明するためのフローチャートである。
【0064】
(i)ステップ1101
制御部214は、ユーザによって
図3から
図8に示す設定画面120から170のうち何れかの表示が指示されたか判断する。何れかの設定画面の表示が指示されると(ステップ1101でYESの場合)、処理はステップ1102に移行する。何れの設定画面の表示も指示されない場合(ステップ1101でNOの場合)、制御部214は、何れかの設定画面の表示が指示されるまで待機する。
【0065】
(ii)ステップ1102
制御部214は、ユーザによって呼び出された(指定された)設定画面に関連する設定を、DBに保存された検査情報表示設定の中から読み出す。
【0066】
(iii)ステップ1103
制御部214は、指定された設定画面およびそれに関連する設定を表示部217の表示画面上に表示する。
【0067】
(iv)ステップ1104
制御部214は、表示された設定画面に対してユーザが入力した設定変更を受け付け、各検査情報の設定を変更する。
【0068】
(v)ステップ1105およびステップ1106
制御部214は、ユーザによってボタンが押下されるまで待機し、ボタンが押下された場合、対象の設定画面上に表示されたSave(保存)ボタン129-1が押されたか判断する。Save(保存)ボタン129-1が押されたと判断した場合(ステップ1106でYESの場合)、処理はステップ1107に移行する。Save(保存)ボタン129-1ではなく別のボタンが押されたと判断した場合(ステップ1106でNOの場合)、処理はステップ1108に移行する。
【0069】
(vi)ステップ1107
制御部214は、設定画面に表示された設定を読み出し、変更された箇所を含むすべての設定内容をDBに再反映する。
【0070】
(vii)ステップ1108
制御部214は、押下されたボタンがCancel(取消)ボタン129-2か否か判断する。Cancel(取消)ボタン129-2が押下されたと判断した場合(ステップ1108でYESの場合)、処理はステップ1109に移行する。Saveボタン129-1またはCancel(取消)ボタン129-2の何れも押下されていない場合、あるいはそれら以外のボタンが押下されたと判断した場合(ステップ1108でNOの場合)、処理はステップ1111に移行する。
【0071】
(viii)ステップ1109およびステップ1110
制御部214は、設定画面上の設定をDBへは反映させず、呼び出された設定画面に関係する設定を再度DBから読み出し(S1109)、画面上の設定を呼び出された当時の状態(設定)に戻す(S1110)。
【0072】
(ix)ステップ1111
制御部214は、設定画面に対する変更の有無に関わらず、ユーザによって入力された設定をDBへは反映せず、呼び出された設定画面を表示する。
【0073】
(2)第2の実施形態
第2の実施形態に係る自動分析装置は、第1検査情報表示部101もしくは第2検査情報表示部102へ表示する検査情報の表示速度、強調表示の設定を自動で行うことができる。第1の実施形態では、ユーザは、
図8の表示速度設定画面170を用いて、第1検査情報表示部101および第2検査情報表示部102に対する表示箇所を指定し、表示速度、あるいは/および強調表示の設定をすることができる。
【0074】
しかし、設定内容が多岐にわたり、煩雑となる可能性がある。そこで、第2の実施形態では、制御部214が装置の運転状況や測定依頼状況、ユーザにより設定された検査情報の表示要否設定を考慮し、第1検査情報表示部101もしくは第2検査情報表示部102へ表示する検査情報の表示速度、強調表示の設定を自動で行うように構成される。検査情報の表示速度、強調表示以外の設定方法、手段については上述の通りである。なお、検体情報の設定方法や装置構成については第1の実施形態と同様なので、説明は省略する。
【0075】
<表示速度の自動設定処理、および強調表示の自動設定処理>
図12は、検査情報表示条件判定処理(表示速度の自動設定処理、および強調表示の自動設定処理)を説明するためのフローチャートである。第2の実施形態による検査情報表示条件判定処理を実行することにより、検査情報表示設定の煩雑な設定をすることなく、第1の実施形態で説明した技術的効果を期待することができる。
【0076】
(i)ステップ1201
制御部214は、検査情報表示設定に関するDBに保存された検査情報表示設定に従い、ユーザによって表示設定された検査情報に関するイベント(例えば、消耗品の残量が閾値を下回ったなど)が発生したか否かを監視する(対象となるイベントが発生するまで待機する)。ユーザによって表示設定された検査情報に関するイベントが発生した場合(ステップ1201でYESの場合)、処理はステップ1202に移行する。
【0077】
なお、ユーザにより表示する検査情報が設定されていない場合、制御部214は、予めDBに保存された初期設定内容に基づき、検査情報に関するイベントが発生したか否かを監視する。
【0078】
(ii)ステップ1202
制御部214は、ステップ1201で検知した発生イベントがユーザの即時対応が必要となるイベントであるか否か判断する。即時対応の要否の判断は、例えば、ユーザの対応がなければ結果の出力が遅れるか否かを基準に行われる。例えば、消耗品である反応容器の残量が閾値を下回った場合はユーザによる対応が必要である。ユーザにより消耗品が補充されなければ、現在の残量以上の測定は継続できず、一度装置が停止し、すでに測定が依頼されていたサンプルの結果の出力が遅れてしまう。さらに、特定のサンプルにて異常吸引が発生した場合もユーザの対応が必要である。異常吸引がフィブリンにより発生した場合は、ユーザがサンプルからフィブリンを除去した上で、再度測定を依頼しなければならず、ユーザの対応によってはさらなる結果報告の遅延が生じる。結果報告の遅延を防ぐためにも、そのような操作はイベントが発生した直後にユーザに対応してもらわなければならない。一方、ユーザの即時対応が必ずしも必要ではない例として、指定測定項目の結果出力や再検の発生、結果出力時間の報告があげられる。
【0079】
発生したイベントがユーザ対応要のイベントであると判断された場合(ステップ1202でYESの場合)、処理はステップ1203に移行する。発生したイベントがユーザ対応不要のイベントであると判断された場合(ステップ1202でNOの場合)、処理はステップ1206に移行する。
【0080】
(iii)ステップ1203およびステップ1204
制御部214は、当該イベントに関する検査情報表示を強調表示および低速表示する設定に変更する。
【0081】
(iv)ステップ1205
制御部214は、当該イベントに関する検査情報表示(検査情報項目)を、第1検査情報表示部101に低速で強調表示する。即時対応が不要と判断した表示よりも低速で当該項目を表示するのは、ユーザの視認性を上げるためである。
【0082】
(v)ステップ1206およびステップ1207
制御部214は、当該イベントに関する検査情報表示を通常表示(強調しては表示しない)および高速表示に設定する。
【0083】
(vi)ステップ1208
制御部214は、当該イベントに関する検査情報表示(検査情報項目)を、第2検査情報表示部102に高速で通常表示する。即時対応が不要であるため、必要な場合よりも視認性を上げる必要がないからである。
【0084】
(3)変形例
(i)検体検査においてはTAT(Turn Around Time:サンプル投入から結果報告までに要する時間)の短縮が求められている。TAT遅延につながるイベントが発生した際に、ユーザが認識しやすい形態で即座にイベントへの対応を通知させることにより、TATの遅延を防ぐことができる。
【0085】
(ii)本実施形態では、自動分析装置1の表示部217の表示画面上部に第1検査情報表示部101および第2検査情報表示部102を表示する構成について説明した。しかし、この形態に限らず、第1検査情報表示部101および第2検査情報表示部102を自動分析装置1に接続する別の外部PC(図示せず)の表示部上、例えばユーザが使用するPCやミドルウエアやLIS(Laboratory Information System)と呼ばれる臨床検査情報管理装置など、に表示してもよい。こうすることにより、ユーザが自動分析装置1のそばに待機することなく、自動分析装置1の状態や結果についての情報を入手することができ、ユーザの操作が必要な場面で迅速に対応することができる。
【0086】
(4)まとめ
本実施形態による自動分析装置1において、制御部214は、複数の検査情報を表示する第1の検査情報表示領域(例えば、第1検査情報表示部101)と、第1の検査情報表示領域に表示される検査情報とは異なる複数の検査情報を表示する第2の検査情報表示領域(例えば、第2検査情報表示部102)と、検査情報の詳細内容を表示する詳細表示領域(例えば、詳細情報表示エリア111)と、を含む検査情報表示用GUI(検査情報表示用GUI100)を生成する処理と、表示部217の画面上に検査情報表示用GUIを表示する際に、第1の検査情報表示領域に表示される検査情報と、第2の表示領域に表示される検査情報とを、異なる速度でスクロール表示するように表示部217を制御する処理と、を実行するように構成される。こうすることにより、オペレータ(ユーザ)が知りたい情報をタイムリーかつ簡潔に表示(報知)し、装置停止や結果報告遅延のリスクを低減することができる。
【0087】
また、例えば、記憶部(記憶装置216)は、検査情報についてユーザの対応が必要となる所定の条件に関する情報を保持する。そして、制御部は、第1および第2検査情報表示部101および102に表示される複数の検査情報のうち、ユーザの対応が必要であると判断するときの所定の条件に該当する検査情報を強調表示する処理を実行する。具体的には、強調表示をする場合、制御部は、所定の条件に該当する検査情報のスクロール表示の速度を、強調表示ではない通常表示のときよりも低速にする。こうすることにより、自動的にユーザ対応の必要性を適切に(オペレータが気付きやすいように)通知することができ、オペレータは迅速に対応することができるようになる。
【0088】
制御部214は、第1および第2検査情報表示部101および102から選択された検査情報の詳細を詳細表示領域に表示するように検査情報表示用GUIを生成するように構成される。また、制御部214は、入力された削除命令に応答して、対応する検査情報を第1あるいは第2の検査情報表示部101あるいは102から削除するように構成される。このように、第1および第2の検査情報表示部101および102にリストアップされた検査情報(オペレータがどのような検査情報を各領域に表示するか決定できる)を中心にGUIの内容が決まるので、当該オペレータが重要だと考えている検査情報に対する事象発生を通知することができる。
【0089】
制御部214は、第1および第2検査情報表示部101および102のスクロール表示を個別に停止、再生、巻き戻しする操作ボタンを検査情報表示用GUIに設け、当該操作ボタンに対する操作を検知して、第1および第2検査情報表示部101および102のスクロール表示を制御するように構成される。こうすることにより、ある検査情報に関して事象の発生の報知を見逃した場合でも直ぐに確認することができるようになる。
【0090】
制御部214は、検査情報表示用GUI100に表示する検査情報を追加、削除、あるいは変更するための検査情報設定用GUIを生成して前記表示部に表示し、検査情報設定GUI100に対するユーザの入力に応答して、検査情報表示用GUI100に表示する検査情報を追加、削除、あるいは変更する。こうすることにより、簡単に検査情報表示用GUI100に表示する検査情報を変更することができるようになる。
【0091】
制御部214は、検査情報設定用GUI100として、装置の動作状態を検査情報として表示するか否かを設定する第1設定用GUI(例えば、キャリブレーション情報設定画面120)、消耗品情報を検査情報として表示するか否かを設定する第2設定用GUI(例えば、消耗品情報設定画面140)、各種測定結果を検査情報として表示するか否かを設定する第3設定用GUI(例えば、測定情報設定画面150)、および各種装置エラーの警告を検査情報として表示するか否かを設定する第4設定用GUI(例えば、アラーム情報設定画面160)の何れかを生成する。こうすることにより、当該オペレータにとっての検査情報表示用GUI100の最適化を図ることができる。
【0092】
上記実施例では、第1検査情報表示部101と第2検査情報表示部102とを異なる表示形態で表示するよう制御する例、即ち、表示速度を異ならせる例、及び、強調表示か通常表示かを異ならせる例を説明した。しかし、例えば、フォントを異ならせる、色を異ならせる等、様々な形態が考えられる。
【符号の説明】
【0093】
1 自動分析装置
100 検査情報表示用GUI
101 第1検査情報表示部
102 第2検査情報表示部
120 キャリブレーション情報設定画面
130 アッセイ試薬情報設定画面
140 消耗品情報設定画面
150 測定情報設定画面
160 アラーム情報設定画面
170 表示速度設定画面
201 ラック
202 ラック搬送ライン
204 試薬保冷ユニット
205 インキュベータ(反応ディスク)
206 サンプル分注機構(試料分注機構)
207 試薬分注機構
210 サンプル容器(試料容器)
211 試薬容器
212 試薬ディスクカバー
213 反応容器
214 制御部
215 操作部
216 記憶装置
217 表示部(表示装置)