(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-12
(45)【発行日】2023-05-22
(54)【発明の名称】側部収納ポッド、電子デバイス処理システムおよびその操作方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/673 20060101AFI20230515BHJP
H01L 21/677 20060101ALI20230515BHJP
H01L 21/02 20060101ALI20230515BHJP
【FI】
H01L21/68 T
H01L21/68 A
H01L21/02 D
(21)【出願番号】P 2021521401
(86)(22)【出願日】2019-10-23
(86)【国際出願番号】 US2019057651
(87)【国際公開番号】W WO2020086710
(87)【国際公開日】2020-04-30
【審査請求日】2022-10-24
(32)【優先日】2018-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-10-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ロイター, ポール ビー.
(72)【発明者】
【氏名】フルゼク, ディーン シー.
【審査官】内田 正和
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-504218(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第3291289(EP,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2018-74276(KR,A)
【文献】特表2015-531546(JP,A)
【文献】特開2017-11150(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/673
H01L 21/677
H01L 21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器フロントエンドモジュールの本体の壁に隣接して配置されるように構成された第1のチャンバ開口部を有する第1のチャンバ、および、
前記第1のチャンバ内に受け入れられる第1の収納容器、
を備える側部収納ポッドであって、
前記第1の収納容器は、
前記第1のチャンバ開口部に隣接して配置される第1の収納容器開口部と、
前記第1の収納容器開口部と流体連結された第1の収納容器チャンバと、
前記第1の収納容器チャンバ内に配置される複数の基板ホルダであって、最上部基板ホルダと底部基板ホルダとの間に延在する、複数の基板ホルダと、
前記第1の収納容器開口部に対向して前記第1の収納容器チャンバに連結された第1の排気プレナムであって、前記複数の基板ホルダが前記第1の収納容器開口部と前記第1の排気プレナムとの間に配置される、第1の排気プレナムと、
前記最上部基板ホルダと前記底部基板ホルダとの間の中間点の25%以内において、前記第1の排気プレナム上に配置される中心を有する第1の排気ポートと、
前記複数の基板ホルダと前記第1の排気プレナムとの間に配置された第1の排気バッフルと
を備え
、前記第1の排気バッフルは、第1の直径をそれぞれ有する第1の複数の孔と、前記第1の直径より小さい第2の直径をそれぞれ有する第2の複数の孔とを備え、前記複数の基板ホルダによって支持される基板を横切るガス流の平衡を保つために前記第1の排気バッフルの前記第2の複数の孔は前記第1の排気ポートと整列される、側部収納ポッド。
【請求項2】
前記第1の排気ポートの前記中心は、前記最上部基板ホルダと前記底部基板ホルダとの間の中間点の15%以内において、前記第1の排気プレナム上に配置される、請求項1に記載の側部収納ポッド。
【請求項3】
前記第1の排気ポートの前記中心は、前記最上部基板ホルダと前記底部基板ホルダとの間の中間点の5%以内において、前記第1の排気プレナム上に配置される、請求項1に記載の側部収納ポッド。
【請求項4】
前記第1の収納容器チャンバは、前記第1のチャンバから密封される、請求項1に記載の側部収納ポッド。
【請求項5】
前記第1の排気ポートと前記第1のチャンバの外部の位置との間に連結された第1の排気導管をさらに備える、請求項1に記載の側部収納ポッド。
【請求項6】
ドア開口部と、開放状態と閉鎖状態を有するドアとをさらに備え、前記第1の収納容器は、前記ドアが前記開放状態にあるときに、前記ドア開口部を通過するように構成される、請求項1に記載の側部収納ポッド。
【請求項7】
前記機器フロントエンドモジュールの前記本体の前記壁に隣接して配置されるように構成された第2のチャンバ開口部を有する第2のチャンバと、
前記第2のチャンバ内に受け入れられる第2の
収納容器と、
をさらに備える、請求項1に記載の側部収納ポッド。
【請求項8】
前記第2の収納容器は、
前記第2のチャンバ開口部に隣接して配置される第2の収納容器開口部と、
前記第2の収納容器開口部と流体連結された第2の収納容器チャンバと、
前記第2の収納容器チャンバ内に配置される複数の垂直に離間された基板ホルダであって、最上部基板ホルダと底部基板ホルダとの間に延在する複数の基板ホルダと、
前記第2の収納容器開口部に対向して前記第2の収納容器チャンバに連結された第2の排気プレナムであって、前記複数の基板ホルダが前記第2の収納容器開口部と前記第2の排気プレナムとの間に配置される、第2の排気プレナムと、
前記最上部基板ホルダと前記底部基板ホルダとの間の中間点の25%以内において、前記第2の排気プレナム上に配置される中心を有する第2の排気ポートと、
を備える、請求項7に記載の側部収納ポッド。
【請求項9】
前記第1のチャンバと前記第2のチャンバは垂直に整列されている、請求項7に記載の側部収納ポッド。
【請求項10】
機器フロントエンドモジュール(EFEM)開口部を含む壁を有するEFEM本体、および、
前記EFEM開口部に隣接して配置されるように構成される第1のチャンバ開口部を有する第1のチャンバを含む側部収納ポッド、
を備える電子デバイス処理システムであって、
前記第1のチャンバ内に受け入れられる第1の収納容器は、
前記第1のチャンバ開口部に隣接して配置される第1の収納容器開口部と、
前記第1の収納容器開口部に流体連結される第1の収納容器チャンバと、
前記第1の収納容器チャンバ内に配置される複数の基板ホルダであって、最上部基板ホルダと底部基板ホルダとの間に延在する、複数の基板ホルダと、
前記第1の収納容器開口部に対向して前記第1の収納容器チャンバに連結された排気プレナムであって、前記複数の基板ホルダが前記第1の収納容器開口部と第1の排気プレナムとの間に配置される、排気プレナムと、
前記最上部基板ホルダと前記底部基板ホルダとの間の中間点の25%以内において、前記排気プレナム上に配置される中心を有する排気ポートと、
前記複数の基板ホルダと前記第1の排気プレナムとの間に配置された排気バッフルと
を備え
、前記排気バッフルは、第1の直径をそれぞれ有する第1の複数の孔と、前記第1の直径より小さい第2の直径をそれぞれ有する第2の複数の孔とを備え、前記複数の基板ホルダのそれぞれによって支持される基板を横切るガス流の平衡を保つために前記排気バッフルの前記第2の複数の孔は前記排気ポートと整列される、電子デバイス処理システム。
【請求項11】
前記EFEMは、前記壁によって少なくとも部分的に画定されるEFEMチャンバを備える、請求項10に記載の電子デバイス処理システム。
【請求項12】
前記EFEMチャンバは、不活性ガスで満たされるように構成される、請求項11に記載の電子デバイス処理システム。
【請求項13】
前記第1の収納容器チャンバと前記EFEMチャンバは流体連結される、請求項11に記載の電子デバイス処理システム。
【請求項14】
前記排気ポートの前記中心は、前記最上部基板ホルダと前記底部基板ホルダとの間の中間点の15%以内において、前記排気プレナム上に配置される、請求項10に記載の電子デバイス処理システム。
【請求項15】
前記排気ポートの前記中心は、前記最上部基板ホルダと前記底部基板ホルダとの間の中間点の5%以内において、前記排気プレナム上に配置される、請求項10に記載の電子デバイス処理システム。
【請求項16】
前記第1の収納容器チャンバは、前記第1のチャンバから密封される、請求項10に記載の電子デバイス処理システム。
【請求項17】
前記排気ポートと前記第1のチャンバの外部の位置との間に連結された排気導管をさらに備える、請求項10に記載の電子デバイス処理システム。
【請求項18】
ドア開口部と、開放状態と閉鎖状態を有するドアとをさらに備え、前記第1の収納容器は、前記ドアが前記開放状態にあるときに、前記ドア開口部を通過するように構成される、請求項10に記載の電子デバイス処理システム。
【請求項19】
前記EFEMの前記壁に隣接して配置されるように構成された第2のチャンバ開口部を有する第2のチャンバと、
前記第2のチャンバ内に受け入れられる第2の収納容器と、
をさらに備える、請求項10に記載の電子デバイス処理システム。
【請求項20】
機器フロントエンドモジュール(EFEM)開口部を含む壁を有するEFEMを提供することと、
ポッドチャンバおよびチャンバ開口部を含む側部収納ポッドを提供することと、
前記EFEM開口部に隣接して前記チャンバ開口部を配置することと、
収納容器開口部および収納容器チャンバを有する収納容器を、前記ポッドチャンバ内に配置することと、
前記収納容器開口部を前記EFEM開口部に隣接して配置することと、
前記収納容器チャンバ内において、1つまたは複数の基板を、最上部基板ホルダおよび底部基板ホルダを有する1つまたは複数の基板ホルダ上に配置することと、
ガスを前記EFEM開口部から、前記収納容器開口部を通って、前記収納容器チャンバ内に流し、前記1つまたは複数の基板を通過させ、
排気バッフルを通って、前記最上部基板ホルダと前記底部基板ホルダとの間の中間点の25%以内に配置される中心を有する排気ポートから排出することと、
を含
み、前記排気バッフルは、第1の直径をそれぞれ有する第1の複数の孔と、前記第1の直径より小さい第2の直径をそれぞれ有する第2の複数の孔とを備え、前記1つまたは複数の基板ホルダ上に置かれた前記1つまたは複数の基板を通過するガス流の平衡を保つために前記排気バッフルの前記第2の複数の孔は前記排気ポートと整列される、電子デバイス処理システムの操作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本開示は、電子デバイス製造に関し、より具体的には、電子デバイス処理システム、側部収納ポッド、およびそれらの操作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] 電子デバイス製造システムは、基板上で様々な処理を実行するように構成された複数の処理チャンバを含みうる。処理中に基板がある環境条件に曝されると、基板は劣化することがある。例えば、基板の処理中に湿気に曝されると、基板上に作製された部品が劣化すること、あるいは破壊されることがある。
【0003】
[0003] したがって、処理中に基板の環境条件を制御するためのシステム、装置、および方法の改良が望まれている。
【発明の概要】
【0004】
[0004] 一態様では、側部収納ポッドが提供される。側部収納ポッドは、機器フロントエンドモジュール(EFEM)の壁に隣接して配置されるように構成された第1のチャンバ開口部を有する第1のチャンバと、第1のチャンバ内に受け入れられた第1の収納容器とを含む。第1の収納容器は、第1のチャンバ開口部に隣接して配置される第1の収納容器開口部と、第1の収納容器開口部と流体連結された第1の収納容器チャンバと、第1の収納容器チャンバ内に配置される複数の基板ホルダであって、最上部基板ホルダと底部基板ホルダとの間に延在する複数の基板ホルダと、第1の収納容器開口部に対向して第1の収納容器チャンバに連結された第1の排気プレナムであって、複数の基板ホルダが第1の収納容器開口部と第1の排気プレナムとの間に配置される第1の排気プレナムと、最上部基板ホルダと底部基板ホルダとの間の中間点の25%以内において第1の排気プレナム上に配置される中心を有する第1の排気ポートとを備える。
【0005】
[0005] 別の態様では、電子デバイス処理システムが提供される。電子デバイス処理システムは、機器フロントエンドモジュール(EFEM)開口部を含む壁を有するEFEMと、EFEM開口部に隣接して配置されるように構成された第1のチャンバ開口部を有する第1チャンバを含む側部収納ポッドと、第1のチャンバ内に受け入れられた第1の収納容器とを含む。第1の収納容器は、第1のチャンバ開口部に隣接して配置される第1の収納容器開口部と、第1の収納容器開口部と流体連結された第1の収納容器チャンバと、第1の収納容器チャンバ内に配置される複数の基板ホルダであって、最上部基板ホルダと底部基板ホルダとの間に延在する複数の基板ホルダと、第1の収納容器開口部に対向して第1の収納容器チャンバに連結された排気プレナムであって、複数の基板ホルダが第1の収納容器開口部と排気プレナムとの間に配置される排気プレナムと、最上部基板ホルダと底部基板ホルダとの間の中間点の25%以内において第1の排気プレナム上に配置される中心を有する排気ポートとを備える。
【0006】
[0006] 別の態様では、電子デバイス処理システムの操作方法が提供される。本方法は、機器フロントエンドモジュール(EFEM)開口部を含む壁を有するEFEMを提供することと、ポッドチャンバおよびチャンバ開口部を含む側部収納ポッドを提供することと、EFEM開口部に隣接してチャンバ開口部を配置することと、収納容器開口部および収納容器チャンバを有する収納容器をポッドチャンバ内に配置することと、収納容器開口部をEFEM開口部に隣接して配置することと、収納容器チャンバ内において、1つまたは複数の基板を、最上部基板ホルダおよび底部基板ホルダを有する1つまたは複数の基板ホルダ上に配置することと、ガスをEFEM開口部から収納容器開口部を通って収納容器チャンバ内に流し、1つまたは複数の基板を通過させ、最上部基板ホルダと底部基板ホルダとの間の中間点の25%以内に配置される中心を有する排気プレナムから排出することとを含む。
【0007】
[0007] 本開示の他の特徴および態様は、以下の詳細説明、付随する特許請求の範囲、および添付の図面から、より網羅的に明らかになろう。
【0008】
[0008] 後述する図面は、例示を目的としており、必ずしも縮尺通りではない。これらの図面は、いかなる形においても、本開示の範囲を限定することは意図されていない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の1つまたは複数の実施形態による、側部収納ポッドを含む電子デバイス処理システムの概略的な上面図である。
【
図2】本開示の1つまたは複数の実施形態による、機器フロントエンドモジュール(以下、「EFEM」)本体の壁に連結された側部収納ポッドを含むEFEMの断面側面図を示す。
【
図3】本開示の1つまたは複数の実施形態による、EFEM本体の壁に連結された側部収納ポッドの側面図を示す。
【
図4A】本開示の1つまたは複数の実施形態による、側部収納ポッドの側壁、上壁、およびドアが取り外された状態で、EFEMに連結された側部収納ポッドの部分的な等角図を示す。
【
図4B】本開示の1つまたは複数の実施形態による、側部収納容器の排気プレナムの等角図を示す。
【
図4C】本開示の1つまたは複数の実施形態による、側部収納容器の排気プレナムの側面図を示す。
【
図5】本開示の1つまたは複数の実施形態による、EFEM本体と、内部に配置された側部収納容器を有する側部収納ポッドとの間の界面の断面側面図を示す。
【
図6】本開示の1つまたは複数の実施形態による排気バッフルの概略図を示す。
【
図7】本開示の1つまたは複数の実施形態による、電子デバイス製造システムの操作方法を示すフロー図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0018] 添付の図面に示されている本開示の例示的な実施形態を、以下で詳細に参照する。複数の図を通して同じまたは類似した部分を参照するため、可能な限り、図面全体を通して同じ参照番号が使用される。別途特段に明記されない限り、本明細書に記載の様々な実施形態の特徴は互いに組み合わされうる。
【0011】
[0019] 電子デバイスの製造は、複数の処理中に基板を異なる化学薬品に曝露することを含みうる。基板に処理が適用された後、基板はガス放出を経験することがある。基板に適用されるいくつかの処理によって、基板は、フッ素、臭素、および塩素などの腐食性化学物質をガス放出することがある。これらのガスが基板から除去されない場合には、ガスは基板に欠陥を引き起こす可能性がある。さらに、基板が、水蒸気または酸素などの特定のガスに曝露される場合、基板は損傷を受けることがある。
【0012】
[0020] 本開示の1つまたは複数の実施形態によれば、基板処理を改良するよう適合された電子デバイス処理システムおよび方法が提供される。本明細書に記載のシステムおよび方法は、機器フロントエンドモジュール(以下、「EFEM」)に連結された1つまたは複数の側部収納ポッドの内部の条件など、環境への基板の曝露を制御することによって、基板処理における効率および/または処理の改善を提供しうる。1つまたは複数の側部収納容器(ときには、「収納容器」とも称される)は、側部収納ポッド内に受け入れ可能であるよう構成されていてもよく、基板に処理が適用される前および/または後のアイドル期間中に基板を受け入れる基板ホルダ(例えば、棚部)を含んでもよい。基板と反応しないガスなどの不活性ガスは、基板ホルダ上に受け入れられた複数の基板上を通過することがある。基板を通過する不活性ガスの流れは、すべての基板が不活性ガスに曝露されるように均一であってもよい。
【0013】
[0021] ガスは、EFEMから側部収納容器の中へと流れてよく、そこでガスは基板ホルダ上に配置された基板を通過する。いくつかの実施形態では、ガスは、最上部基板ホルダと底部基板ホルダとの間のほぼ中間に配置される排気ポートで、側部収納容器の後部から排気されてもよい。このような排気構成は、基板ホルダ上に格納されたすべての基板を通過するガス流さえも改善する。
【0014】
[0022] 側部収納ポッド、側部収納ポッドを含む電子デバイス処理システム、および、これらの操作方法の例示的な実施形態のさらなる詳細が、本明細書の
図1~
図7を参照して説明される。
【0015】
[0023]
図1は、本開示の1つまたは複数の実施形態による、電子デバイス処理システム100の例示的な実施形態の概略図を示している。電子デバイス処理システム100は、移送チャンバ104を画定するハウジング壁を有するメインフレームハウジング102を含みうる。移送ロボット106(点線の円で示す)が、少なくとも部分的に、移送チャンバ104の中に収納されうる。移送ロボット106は、移送ロボット106のアーム(図示せず)の操作を介して、基板を目標位置に載置し、または目標位置から取り出すよう構成されうる。本明細書で使用される基板は、半導体ウエハ、シリコン含有ウエハ、パターニングされたウエハ、ガラスプレート等の、電子デバイスまたは回路部品を作るために使用される物品を意味しうる。
【0016】
[0024] 移送ロボット106の様々なアーム構成要素の動きは、コントローラ110から命令される通りに、移送ロボット106の複数の駆動モータを含む駆動アセンブリ(図示せず)への適切なコマンドによって制御されうる。コントローラ110からの信号によって、移送ロボット106の様々な構成要素の動きが引き起こされうる。
【0017】
[0025]
図1に示した実施形態では、図示されている実施形態における移送チャンバ104は、形状が正方形または若干矩形であってよく、第1のファセット104A、第1のファセット104Aに対向する第2のファセット104B、第3のファセット104C、および、第3のファセット104Cに対向する第4のファセット104Dを含みうる。第1のファセット104A、第2のファセット104B、第3のファセット104C、および第4ファセット104Dは平面的であってよく、例えば、各ファセットに沿って存在しうるチャンバの組への出入口であってよい。しかしながら、他の適切な形状のメインフレームハウジング102、移送チャンバ104、および/またはファセット104A~104D、および/またはファセットの他の部材、および/または処理チャンバが可能である。
【0018】
[0026] 移送ロボット106の目標位置は、ファセット104A~104Cに連結された処理チャンバ108A~108Fであってよく、これらのファセットは、そこに供給される基板に処理を実施するよう構成され、かつ処理を実施するよう操作可能である。処理は、プラズマ気相堆積(PVD)または化学気相堆積(CVD)、エッチング、アニール処理、予洗浄、金属または金属酸化物の除去等といった、任意の適切な処理であってよい。他の処理も内部の基板上で実施されうる。
【0019】
[0027] 基板は、機器フロントエンドモジュール(以下、「EFEM」)114から移送チャンバ104の中に受け入れられてよく、移送チャンバ104を出て、EFEM114の表面(後方壁など)に連結されたロードロック装置116を通ってEFEM114に達することも可能である。ロードロック装置116は、1つまたは複数のロードロックチャンバ(例えば、ロードロックチャンバ116A、116B)を含みうる。
【0020】
[0028] いくつかの実施形態では、EFEM114は、EFEMチャンバ114Cを形成する(例えば、前壁、後壁、側壁、上部および底部といった)側壁表面を有する任意のエンクロージャ(enclosure)であってよい。1つまたは複数のロードポートが、EFEM114の表面(例えば、前面)に提供され、1つまたは複数の基板キャリア118(例えば、FOUP)をそこで受け入れるよう構成されうる。3つの基板キャリア118が示されているが、より多くまたはより少ない数の基板キャリア118がEFEM114とドッキングされうる。
【0021】
[0029] EFEM114は、そのEFEMチャンバ114Cの中に、従来の構造の適切なロード/アンロードロボット120(点線で示す)を含みうる。ロード/アンロードロボット120は、基板キャリア118のドアが一旦開くと、基板キャリア118から基板を取り出し、EFEMチャンバ114Cを通じて、ロードロック装置116の1つまたは複数のロードロックチャンバ116A、116Bの中に基板を供給するよう構成され、かつ操作可能でありうる。
【0022】
[0030] ロード/アンロードロボット120は、基板キャリア118のドアが一旦開くと、基板が処理を待ってアイドル状態にある間に、基板キャリア118から基板を取り出し、その基板を側部収納ポッド122に供給するよう構成され、かつ動作可能でありうる。ロード/アンロードロボット120は、1つまたは複数の処理チャンバ108A~108Fでの処理の前および/または後に、側部収納ポッド122から基板を取り出し、また、側部収納ポッド120の中へ基板を搬入するよう構成されうる。いくつかの実施形態では、側部収納ポッド122は、EFEM114の側壁に連結されてもよい。いくつかの実施形態では、ロード/アンロードロボット120は、側部収納ポッド122内の、26個より多くの、あるいは、52個以上もの高さに積み重ねられた基板にアクセスするよう構成されたハイZ型(high-Z)ロボットであってもよい。
【0023】
[0031] 図示されている実施形態では、EFEMチャンバ114Cは、内部に環境的に制御された雰囲気を提供する環境制御が備わっていてもよい。具体的には、環境制御システム123はEFEM114に連結されており、EFEMチャンバ114C内の環境条件を監視および/または制御するように操作可能である。いくつかの実施形態では、ある時間に、EFEMチャンバ114Cはその内部に、不活性ガス供給123Aから、アルゴン(Ar)、窒素(N
2)、またはヘリウム(He)といった不活性ガスおよび/または非反応性ガスを受け入れることができる。他の実施形態では、または他の時間に、空気供給123Bから空気(例えば、フィルタ処理された乾燥空気)が提供されうる。いくつかの実施形態では、EFEMチャンバ114C内の環境条件は、側部収納ポッド122内に配置される側部収納容器124および224(
図2)などの収納容器の内部に存在しうる。
【0024】
[0032] より詳細には、環境制御システム123は、EFEMチャンバ114C内の、1)相対湿度(RH)、2)気温(T)、3)O2の量、および/または、4)不活性ガスの量のうちの少なくとも1つを制御しうる。EFEM114へのガス流量、またはEFEM114内の圧力、あるいはその両方など、EFEM114の他の環境条件は監視および/または制御されうる。本明細書に記載するように、不活性ガス供給123Aからの不活性ガスおよび/または非反応性ガスは、アルゴン、N2、ヘリウム、他の非反応性ガス、またはこれらの混合物であってよい。いくつかの実施形態では、H2Oレベルが低い(例えば、純度≧99.9995%、H2O≦5ppm)圧縮されたバルク不活性ガスが、例えば、環境制御システム123の不活性ガス供給123Aとして使用されうる。他のH2Oレベルも使用されうる。
【0025】
[0033] いくつかの実施形態では、1つまたは複数の環境モニタ130は、複数の環境条件を測定しうる。例えば、いくつかの実施形態では、環境モニタ130は、上述のように相対湿度値を測定しうる。環境モニタはまた、EFEM114内の酸素(O2)のレベルも測定しうる。いくつかの実施形態では、酸素(O2)のレベルを制御してO2の閾値を下げるため、不活性ガス供給123AからEFEMチャンバ114Cの内部への、適切な量の不活性ガスの流れを引き起こす環境制御システム123への、コントローラ110からの制御信号が発生しうる。環境モニタ130は、EFEM114内の絶対圧力または相対圧力を測定することもできる。いくつかの実施形態では、コントローラ110は、不活性ガス供給123AからEFEMチャンバ114Cへの不活性ガスの流量を制御して、EFEMチャンバ114C内の圧力を制御しうる。
【0026】
[0034] EFEM114に取り付けられた側部収納ポッド122は、特定の環境条件下で基板を収納しうる。例えば、側部収納ポッド122は、EFEMチャンバ114C内に存在する同じ環境条件で基板を収納しうる。側部収納ポッド122は、EFEMチャンバ114Cと流体連結可能であり、EFEM114から不活性ガスを受け取りうる。したがって、側部収納ポッド122内に収納された基板は、EFEM114と同じ環境条件に曝露される。側部収納ポッド122は、側部収納ポッド122からガスを排出する排気導管を含むことが可能であり、これによりさらに、側部収納ポッド122内に収納された基板を、EFEM114の同じ環境条件に絶えず曝露することが可能となる。
【0027】
[0035] 第1の側部収納容器124(本明細書では「第1の収納容器」と呼ばれることがある)は、側部収納ポッド122内に受け入れられる。いくつかの実施形態では、側部保管ポッド122は、1つまたは複数の垂直に整列されたおよび/または積み重ねられた側部保管容器を受け入れてもよい。第1の側部収納容器124は、EFEM114に面する開口部126を含んでもよい。開口部126は、第1の側部収納容器124のチャンバ(例えば、内部)に流体連結されてもよい。いくつかの実施形態では、開口部126は、EFEM114を密封することができ、EFEM114からのガスを、第1の側部収納容器124内のみに保持することができる。第1の側部収納容器124は、開口部126に対向して配置される排気プレナム128またはプレナムを含んでもよい。排気プレナム128は、排気プレナム128と側部収納ポッド122の外部との間に連結されうる第1の排気導管132に連結されてもよい。これにより、第1の側部収納容器124の内部の排気ガスが側部収納ポッド122の内部に進入することを防止しうる。
【0028】
[0036] いくつかの実施形態では、第1の排気導管132は、第1の外部排気導管134Aに連結されてもよい。第2の排気導管(
図4Aの432)は、第2の側部収納容器(
図2の224)と第2の外部排気導管134Bとの間に連結されてもよい。第1の外部排気導管134Aおよび第2の外部排気導管134Bは両方とも、カバー136内に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、カバー136は、第1の外部排気導管134Aおよび第2の外部排気導管134Bではなく、側部収納容器124、224から排気ガスを排出してもよい。他の実施形態では、第1の外部排気導管134Aおよび第2の外部排気導管134Bは、側部収納ポッド122の内部を通過してもよい。
【0029】
[0037] EFEM114に連結された側部収納ポッド122を含むEFEM114の側面断面立面図を示す
図2をさらに参照する。側部収納ポッド122は、第1の側部収納容器124を受け入れる第1のチャンバ230と、第2の側部収納容器224(本明細書では「第2の収納容器」と呼ばれることがある)を受け入れる第2のチャンバ232とを含むことができる。いくつかの実施形態では、第1の側部収納容器124および第2の側部収納容器224は、EFEM114の外側を密封することができ、EFEM114内のガスを第1のチャンバ230および第2のチャンバ232内のガスから分離することができる。
【0030】
[0038] 第1の外部排気導管134Aおよび第2の外部排気導管134Bは両方とも、第1の側部収納容器124および第2の側部収納容器224から排気ガスを受け取るプレナム240に連結されてもよい。プレナム240は、例えば、側部収納ポッド122に取り付けられてもよく、またはその一部であってもよい。いくつかの実施形態では、側部収納ポッド122は、EFEM114に着脱可能に取り付けることができる。1つまたは複数の実施形態では、ガスは、プレナム排気ポート内に配置されたファン140によってプレナム240から引き出されてもよい。ファン140とプレナム240との間に配置されるプレナム142は、例えば、ガスをファン140に導くことができる。いくつかの実施形態では、第1の側部収納容器124および第2の側部収納容器224を通る組み合わされたガス流は、約150~175cfm(4.25~5.0cmm)であるが、他のガス流を使用してもよい。
【0031】
[0039] フィルタ248は、ファン140によって生成されるガス流路内にあってもよい。例えば、フィルタ248は、ファン140によって引き出されたすべてのガスがフィルタ248を通過するように、プレナム142内に配置されてもよい。他のフィルタ配置が用いられてもよい。いくつかの実施形態では、フィルタ248は、製造プロセスの適用後に側部収納ポッド122内の基板によってガス放出される1つまたは複数のガスを濾過する化学フィルタであってもよい。いくつかの実施形態では、フィルタ248は、塩素、臭素、および/またはフッ素を濾過する。いくつかの実施形態では、フィルタ248は、アンモニア(NH3)などの塩基性ガスを(例えば、約5.0ppb以下または別の目標濾過レベルまで)濾過することができる。いくつかの実施形態では、フィルタ248は、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)、酢酸塩(OAc)、二酸化窒素(NO2)、硝酸塩(NO3)、リン酸塩(PO4)、フッ化水素(HF)、および塩酸(HCl)などの酸性ガスを(例えば、約1.0ppb以下または別の目標濾過レベルまで)濾過することができる。いくつかの実施形態では、フィルタ248は、活性炭フィルタであってもよい。他の実施形態では、フィルタ248は、微粒子フィルタであってもよく、または微粒子フィルタを含んでもよい。いくつかの実施形態では、第1の側部収納容器124および第2の側部収納容器224からの排気ガスは、濾過されないか、またはEFEM114内で再循環されない。
【0032】
[0040] いくつかの実施形態では、ヒータ250は、ファン140によって生成されるガス流の中に配置されてもよい。ヒータ250は、排気ガスがEFEM114に再循環される前に、排気ガスを所定の温度まで加熱することができる。いくつかの実施形態では、ヒータ250によって生成された熱は、反応物として、および/またはEFEM114および/または側部収納ポッド122内の相対湿度を変化させるために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、ヒータ250は、EFEM114内のガスを加熱して、側部収納ポッド122内に配置された基板からのガス放出を増加させることができる。
【0033】
[0041] ファン140は、ガス(例えば、濾過されたガス)をダクトを通してEFEM114の上部に強制的に送り、EFEM114内に再循環させることができる。例えば、ダクト154は、プレナム142とEFEM114上のアクセスドア156との間に延在してもよい。いくつかの実施形態では、ダクト154は、EFEM114内の狭い領域に適合するように屈曲してもよい。ダクト260は、ダクト154と連結し、アクセスドア156を通って延在しうる。アクセスドア156を通ってダクト260を延在させることで、ダクト260によって占有される空間が低減され、かつ/または最小限に保たれる。ファン264は、ダクト260からのガスをプレナム262へ強制的に送るのを支援することができる。いくつかの実施形態では、プレナム262は、EFEM114を通って側部収納ポッド122に戻るガス層流を引き起こす出口を含むか、または出口に連結されてもよい。プレナム262内には、追加のケミカルフィルタおよび/または微粒子フィルタを配置することができる。
【0034】
[0042] いくつかの実施形態では、ダクト154および/またはプレナム240内のガスの一部は、EFEM114から排出されてもよい。例えば、ガスがフィルタ248によって濾過された後などに、EFEM114からガスの一部を排出するために、排気弁266が適切な位置に設けられてもよい。いくつかの実施形態では、ダクト154内に存在するガスの約5~20%がEFEM114から排出されてもよい。他の量のガスが排出されてもよい。これらまたは他の実施形態では、追加のガスをEFEM114に供給するために、パージガス源268などの補充ガス源が採用されてもよい。例えば、排気弁266によって排気される同じ量のガスが、ガス流弁270を用いて、プレナム262および/または側部収納ポッド122の側面に導入されてもよい。他の量のガスが導入されてもよい。いくつかの実施形態では、排気弁266および/またはガス流量弁270は、コントローラ110または別のコントローラによって制御されてもよい。パージガス源268は、例えば、Ar、N2、Heなどの不活性ガスおよび/または非反応性ガス、乾燥濾過空気などを含んでもよい。
【0035】
[0043]
図3は、EFEM114の正面図と、一実施形態の側部収納ポッド122の正面立面図と、を示している。
図3に示された側部収納ポッド122は、第1のドア350および第2のドア352を含みうる。第1のドア350および第2のドア352は、側部収納ポッド122の端部に配置されるそれぞれのドア開口部の上にシール部を形成してもよい。第1のドア350および第2のドア352は、閉状態および開状態を有してもよく、側部収納容器124、224(
図2)は、ドア開口部を通過してもよい。第1のドア350および第2のドア352は、ヒンジ(図示せず)を含むヒンジ取付型のドアまたは取り外し可能なパネルドア(例えば、ネジ留めで密封されるパネルドア)であってもよく、上記ドアによって、側部収納ポッド122の第1のチャンバ230(
図2)および第2のチャンバ232(
図2)にアクセスすることができるが、閉じられると密封することが可能となる。いくつかの実施形態では、第1のドア350および第2のドア352の代わりに、単一のドアが使用されてもよい。適切なOリング、ガスケット、あるいは第1のドア350および第2のドア352の上、または端部の上の他のシール部は、側部収納ポッド122の気密シール部を形成しうる。いくつかの実施形態では、第1のドア350は、第2のドア352によって密封される第2のチャンバ232から分離され、独立に密封可能である第1のチャンバ230を密封しうる。側部収納ポッド122の内部にアクセスするために、他の種類のドアが使用されてもよい。
【0036】
[0044] ここで、
図4Aをさらに参照すると、
図4Aは、側部収納ポッド122の部分断面図を示している。側部収納ポッド122は、第1の側面417および第2の側面418を有するパネル416を含みうる。特に、パネル416の第1の側面417は、側部収納ポッド122の第1のチャンバ230および第2のチャンバ232を少なくとも部分的に画定しうる。パネル416の第2の側面418は、EFEM114の外側を少なくとも部分的に形成する壁420に取り付けられてもよい。パネル416は、本明細書に記載のように、EFEM114の内部と、側部収納ポッド122の第1のチャンバ230および第2のチャンバ232との間に密閉された境界部を形成しうる。いくつかの実施形態では、パネル416は、側部収納ポッド122またはEFEM114と一体に形成されうる。
【0037】
[0045] 第1のチャンバ230は、第1の側部収納容器124に連結された第1の排気導管132を含んでよく、第2のチャンバ232は、第2の側部収納容器224上の第2のプレナム228に連結された第2の排気導管432を含んでよい。第1の排気導管132は、第1の外部排気導管134A(
図3)に連結されてもよい。第2の排気導管432は、第2の外部排気導管134B(
図3)に連結されてもよい。いくつかの実施形態では、第1の排気導管132および第2の排気導管432の両方とも、第1の側部収納容器124および第2の側部収納容器224の交換を可能にするように可撓性であってもよい。
【0038】
[0046] 排気プレナム128の等角図を示す
図4B、および排気プレナム128の側面図を示す
図4Cをさらに参照する。排気プレナム128は、上面440Aと底面440Bとの間に延びる高さH41を有してもよい。いくつかの実施形態では、高さH41は25.0cm~30cmであってよく、他の実施形態では、高さH41は26.0cm~29.0cmであってもよい。排気プレナム128は、前面442Aと背面442Bとの間に延びる奥行きD41を有してもよい。いくつかの実施形態では、奥行きD41は7.0cm~10.0cmであってもよい。他の実施形態では、奥行きD41は8.0cm~9.0cmであってもよい。排気プレナム128は、第1の垂直面444Aと第2の垂直面444Bとの間に延びる幅W41を有してもよい。いくつかの実施形態では、幅W41は12.0cm~17.0cmであってもよい。他の実施形態では、幅W41は13.0cm~16.0cmであってもよい。他の寸法が使用されてもよい。
【0039】
[0047] 排気ポート448は、第1の垂直面444Aから距離D42まで延在してもよい。いくつかの実施形態では、距離D42は3.0cm~5.0cmであってもよい。排気ポート448は、第1の排気導管132に連結するように構成されてもよい。排気ポート448は円形であってもよく、中心C41および内径D43を有してもよい。いくつかの実施形態では、直径D43は5.0cm~9.0cmであってもよい。他の実施形態では、直径D43は6.0cm~8.0cmであってもよい。排気ポート448は、円形以外の形状を有してもよいが、上面440Aおよび底面440Bに対して中心位置を有しうる。距離D44Aは上面440Aと中心C41との間に延びてよく、距離D44Bは中心C41と底面440Bとの間に延びてもよい。いくつかの実施形態では、距離D44AおよびD44Bは120cm~145cmであってもよい。他の実施形態では、距離D44AおよびD44Bは、130cm~136cmであってもよい。いくつかの実施形態では、距離D44AおよびD44Bは、互いの25%以内であってもよい。他の実施形態では、距離D44AおよびD44Bは、互いの15%以内であってもよく、または5%以内であってさえもよい。排気ポート448の中心位置は、第1の側部収納容器124および/または第2の側部収納容器224内に配置される基板を横切る均一なガス流を可能にする。したがって、中心C41は、上面440Aと底面440Bとの間の中間点の25%以内にあってもよい。他の実施形態では、中心C41は、上面440Aと底面440Bとの間の中間点の15%以内にあってもよく、または5%以内にあってさえもよい。
【0040】
[0048] 前面442Aは、第1の側部収納容器124の内部から排気ガスを受け取る開口部450を含みうる。開口部は、高さH42および幅W42を有しうる。高さH42および/または幅W42は、第1の側部収納容器124に収納されたすべての基板上を流れる排気ガスを受け入れるように構成することができる。いくつかの実施形態では、中心C41は、高さH41に対して中間に、または中心点に配置される。
【0041】
[0049] 再び
図4Aを参照すると、複数の基板435が、第1の側部収納容器124とEFEM114との間、および第2の側部収納容器224とEFEM114との間で移送可能である。例えば、ロード/アンロードロボット120は、1つまたは複数の処理チャンバ108A~108F(
図1)での処理の前およびび/または後に、EFEM114と第1の側部収納容器124および/または第2の側部収納容器224との間で、基板435を移送しうる。第1の側部収納容器124および第2の側部収納容器224は、収納時には、特定の(例えば、制御された)環境条件下で基板を維持しうる。例えば、基板435は、上述のようにEFEM114の内部に存在する不活性ガスまたは他のガスに曝露されうる。環境条件は、上述のように、水分および/またはO
2の事前に設定された閾値未満の条件、あるいは他の条件への曝露が行われるよう制御されうる。
【0042】
[0050] ここで、第1の側部収納容器124の側面断面図を示す
図5をさらに参照する。第2の側部収納容器224(
図2)は、第1の側部収納容器124と実質的に同様であってよく、あるいは同一であってもよい。第1の側部収納容器124および第2の側部収納容器224は両方とも、パネル416のインターフェース部分558に対して密封するように構成されうる。第1の側部収納容器124は、第1の側部収納容器チャンバ562(例えば、内部)に流体連結される側部収納容器開口部560を有してもよい。側部収納容器開口560は、パネル416のチャンバ開口部564に隣接して配置されてもよく、EFEM114のEFEM開口部566に隣接して配置されて、第1の側部収納容器チャンバ562への単一の流体連結開口部を形成してもよい。したがって、EFEMチャンバ114Cは、第1の側部収納容器チャンバ562に流体連結されてもよい。チャンバ開口部564は、例えば、側部収納容器開口部560とほぼ同じ大きさであってもよい。
【0043】
[0051] ポッド凹部570は、第1の側部収納容器124の上方フランジ572に形成されてよく、側部収納容器開口部560の外縁の周辺に延在しうる。ポッドシール部574は、ポッド凹部570の内部に受け入れられてもよい。ポッドシール部574は、ガスが第1の側部収納容器124の前部576の境界およびパネル416の境界部558を通って漏れることを防止する。ポッドシール部574は、ポッド凹部570と境界部558とを接触させる、エラストマ系材料などの柔軟な材料であってよい。
【0044】
[0052] パネル416の第2の側面418は、当該第2の側面218に形成され、チャンバ開口部564の外縁の周辺に延在するパネル凹部578を有しうる。パネルシール部580は、パネル416とEFEM114の壁420との間のガスの交換を防止するために、パネル凹部578の中に受け入れられうる。いくつかの実施形態では、パネルシール部580は、平坦なシール部であってよく、エチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)ゴムで作られうる。
【0045】
[0053] 第1の側部収納容器562は、その上に基板435(
図4A)を支持するよう構成された複数の基板ホルダ582を含みうる。基板ホルダ582は、第1の側部収納容器124の、横方向の側面上に形成され、垂直方向に積重ねられた棚部であってよく、最上部基板ホルダ582Aと底部基板ホルダ582Bを含みうる。基板ホルダ582は、基板ホルダ582により受け入れられ、その上に支持される基板435(
図4)の周り(例えば、基板の上下)でのガス流を可能にするように、互いに一定の間隔で離間されうる。例えば、最上部基板ホルダ582Aと底部基板ホルダ582Bとの間の距離は、高さH42(
図4B)よりもわずかに小さくてもよく、これにより、基板ホルダ582上に支持され、排気プレナム128に入るすべての基板上をガスが流れることが可能になる。
【0046】
[0054] 第1の側部収納容器124の後方部分584は、第1の側部収納容器チャンバ562を排気プレナム128の開口450に流体連結する開口部586を含んでもよい。排気プレナム128は、基板ホルダ582上に受け入れられた基板435(
図4A)の周りに、上述したガス流を提供するよう構成されてもよい。いくつかの実施形態では、排気プレナム128は、少なくとも最上部基板ホルダ582Aと底部基板ホルダ582Bとの間に垂直方向に延びる高さを有しうる。
【0047】
[0055] 排気ポート448の中心C41は、例えば、最上部基板ホルダ582Aと底部基板ホルダ582Bとの間の中間点の25%以内に配置されてもよい。他の実施形態では、中心C41は、最上部基板ホルダ582Aと底部基板ホルダ582Bとの間の中間点の15%以内に配置されてもよい。他の実施形態では、中心C41は、最上部基板ホルダ582Aと底部基板ホルダ582Bとの間の中間点の5%以内に配置されてもよい。
【0048】
[0056] いくつかの実施態様では、排気バッフル588は、基板435と排気プレナム128との間のガス経路内に存在してもよい。いくつかの実施形態では、排気バッフル588は、排気プレナム128内に配置されてもよい。
図6を参照すると、排気バッフル588の例示的な実施形態の正面立面図が示されている。他の排気バッフル構成が使用されてもよい。排気バッフル588は、基板ホルダ582(
図5)上のすべての基板が同じまたはほぼ同じガス流に曝露されるように、第1の側部収納容器124を通るガス流の平衡を保つ複数の孔690(一部に符号を付した)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、孔690は、排気バッフル588の中心に小さな直径D61と、排気バッフル588の上部および下部に向かって大きな直径D62とを有してもよい。より小さい直径の孔690を排気ポート448(
図5)と整列させて、ガス流の平衡を保つことができる。いくつかの実施形態では、より大きな直径D62は、約15mm~17mmであってもよく、排気バッフル588の上端および下端に向かって配置されてもよい。より小さい直径の孔は、いくつかの実施形態では、約7mm~約9mmのサイズの範囲であってよく、排気ポート448と整列されてもよい。他の直径および/またはピッチが使用されてもよい。
【0049】
[0057]
図6の実施形態では、孔690は、孔690の直径が排気バッフル588の上部および下部から排気バッフル588の中央に向かって次第に減少する、2次元配列として配置されてもよい。いくつかの実施形態では、孔690の隣接する列ペアは同じ直径を有する。例えば、第1の列ペア692は、第1の直径を有する孔690を有してもよく、第2の列ペア694は、第2のより大きい直径を有する孔690を有してもよい。
【0050】
[0058] 第1の側部収納容器チャンバ562を通るガス流は、側部収納容器開口部560に入り、基板ホルダ582上に支持される基板435(
図4A)の上および/または周囲を通過し、排気バッフル588を通って流れ、排気プレナム128に入り、排気ポート448を介して排出される。排気ポート448が、最上部基板ホルダ582Aと底部基板ホルダ582Bとの間の中間点に配置されることを含む、空気流構成は、基板435上の均一なガス流を可能にする。
【0051】
[0059]
図7は、電子デバイス処理システム(例えば、電子デバイス処理システム100)を動作させる方法を説明するフロー
図700を示す。本方法は、702において、機器フロントエンドモジュール(EFEM)開口部(例えば、EFEM開口部566)を含む壁(例えば、壁420)を有するEFEM(例えば、EFEM114)を提供することを含む。本方法は、704において、ポッドチャンバ(例えば、第1のチャンバ230)およびチャンバ開口部(例えば、チャンバ開口部564)を含む側部収納ポッド(例えば、側部収納ポッド122)を提供することを含む。本方法は、706において、チャンバ開口部をEFEM開口部に隣接して配置することを含みうる。本方法は、708において、収納容器開口部(例えば、側部収納容器開口部560)および収納容器チャンバ(例えば、第1の側部収納容器チャンバ562)を有する収納容器(例えば、第1の側部収納容器124)をポッドチャンバ内に配置することを含みうる。本方法は、710において、収納容器開口部をEFEM開口部に隣接して配置することを含みうる。本方法は、712において、最上部基板ホルダ(例えば、最上部基板ホルダ582A)および底部基板ホルダ(例えば、底部基板ホルダ582B)を有する1つまたは複数の基板ホルダ(例えば、基板ホルダ582)上に、収納容器チャンバ内の1つまたは複数の基板(例えば、基板435)を配置することを含みうる。本方法は、714において、EFEM開口部から、収納容器開口部を通って、収納容器チャンバにガスを流入させ、1つまたは複数の基板を通過させ、最上部基板ホルダと底部基板ホルダとの間の中間点の25%以内に配置される中心(例えば、中心C41)を有する排気ポート(例えば、排気ポート448)から排出することを含みうる。
【0052】
[0060] 上述の説明は、本開示の例示的な実施形態を開示している。本開示の範囲に含まれる先に開示された装置、システム、及び方法の変形例が、当業者には容易に自明であろう。したがって、本開示は例示的な実施形態に関連して開示されているが、他の実施形態も、以下の特許請求の範囲によって規定される本開示の範囲に含まれうると理解されたい。