IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ.の特許一覧

特許7279197サンプリングスキームを決定する方法、半導体基板測定装置、リソグラフィ装置
<>
  • 特許-サンプリングスキームを決定する方法、半導体基板測定装置、リソグラフィ装置 図1
  • 特許-サンプリングスキームを決定する方法、半導体基板測定装置、リソグラフィ装置 図2
  • 特許-サンプリングスキームを決定する方法、半導体基板測定装置、リソグラフィ装置 図3
  • 特許-サンプリングスキームを決定する方法、半導体基板測定装置、リソグラフィ装置 図4
  • 特許-サンプリングスキームを決定する方法、半導体基板測定装置、リソグラフィ装置 図5
  • 特許-サンプリングスキームを決定する方法、半導体基板測定装置、リソグラフィ装置 図6A
  • 特許-サンプリングスキームを決定する方法、半導体基板測定装置、リソグラフィ装置 図6B
  • 特許-サンプリングスキームを決定する方法、半導体基板測定装置、リソグラフィ装置 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-12
(45)【発行日】2023-05-22
(54)【発明の名称】サンプリングスキームを決定する方法、半導体基板測定装置、リソグラフィ装置
(51)【国際特許分類】
   G03F 9/00 20060101AFI20230515BHJP
   G01B 11/00 20060101ALI20230515BHJP
【FI】
G03F9/00 H
G01B11/00 C
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021564432
(86)(22)【出願日】2020-05-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-03
(86)【国際出願番号】 EP2020063077
(87)【国際公開番号】W WO2020234028
(87)【国際公開日】2020-11-26
【審査請求日】2021-12-20
(31)【優先権主張番号】19176024.8
(32)【優先日】2019-05-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】20173733.5
(32)【優先日】2020-05-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】504151804
【氏名又は名称】エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】スモレンバーグ,ピーター,ゲラルドゥス,ヤコブス
(72)【発明者】
【氏名】サプトラ,プトラ
(72)【発明者】
【氏名】エルバッテイ,カリード
(72)【発明者】
【氏名】ダーウィン,ポール
(72)【発明者】
【氏名】ワークマン,ロイ
(72)【発明者】
【氏名】ジェンセン,エリック
(72)【発明者】
【氏名】ユ,ヒョヌ
(72)【発明者】
【氏名】サルマ,ガウタム
【審査官】田中 秀直
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/162231(WO,A1)
【文献】特表2018-508049(JP,A)
【文献】特開2013-247258(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 9/00
G01B 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプリングスキームを決定する方法であって、
半導体基板の第1の部分にわたる性能パラメータの第1の空間分布に関する第1のフィンガープリントモデルと、前記半導体基板の第2の部分にわたる前記性能パラメータの第2の空間分布に関する第2のフィンガープリントモデルとを取得することと、
前記第1の部分にわたる前記第1のフィンガープリントモデルの評価に関連する第1のモデル不確実性、及び前記第2の部分にわたる前記第2のフィンガープリントモデルの評価に関連する第2のモデル不確実性に基づいて、測定データを生成するための前記半導体基板上の測定場所に対応するサンプリング点を決定することと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記第1のモデル不確実性及び/又は前記第2のモデル不確実性が、正規化モデル不確実性、G最適性基準、最小二乗誤差、及び/又は移動標準偏差である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のフィンガープリントモデルが、グローバルフィンガープリントモデルであり、及び前記第2のフィンガープリントモデルが、ローカルフィンガープリントモデルであるか、又は
前記第1の部分及び/又は前記第2の部分が、前記半導体基板内にあるか、若しくは前記半導体基板の上面にある照射層の少なくとも一部である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のフィンガープリントモデル又は前記第2のフィンガープリントモデルが、物理モデルを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記物理モデルが、応力プロファイルモデル又はプロセスモデルを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第2のフィンガープリントモデルが、プロセスフィンガープリントと関連し、前記プロセスフィンガープリントが、非ゼロオフセットを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第2の部分が、1つのフィールド、複数のフィールド、1つのサブフィールド、複数のサブフィールド、1つのダイ、複数のダイ、1つのダイの一部、複数のダイの複数の部分、1つのセル、複数のセル、1つのセルの一部、又は複数のセルの複数の部分の1つである、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の部分がフィールドであり、及び前記第2の部分がサブフィールドである、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第1のフィンガープリントモデルが、基板内側モデルであり、及び
前記第2のフィンガープリントモデルが、基板エッジモデルである、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記半導体基板の第3の部分にわたる前記性能パラメータの第3の空間分布に関する第3のフィンガープリントモデルを取得することをさらに含み、
測定データを生成するための前記半導体基板上の前記測定場所に対応する前記サンプリング点を決定することが、前記第3の部分にわたる前記第3のフィンガープリントモデルの評価に関連する第3のモデル不確実性にさらに基づき、及び
前記第3のフィンガープリントモデルが、リソグラフィ装置補正能力モデルを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記半導体基板の第3の部分にわたる前記性能パラメータの第3の空間分布に関する第3のフィンガープリントモデルを取得することと、
前記半導体基板の第4の部分にわたる前記性能パラメータの第4の空間分布に関する第4のフィンガープリントモデルを取得することと、
をさらに含み、
測定データを生成するための前記半導体基板上の前記測定場所に対応する前記サンプリング点を決定することが、前記第3の部分にわたる前記第3のフィンガープリントモデルの評価に関連する第3のモデル不確実性、及び前記第4の部分にわたる前記第4のフィンガープリントモデルの評価に関連する第4のモデル不確実性にさらに基づき、並びに、
前記第1のフィンガープリントモデルが、グローバルモデルであり、
前記第2のフィンガープリントモデルが、基板エッジモデルであり、
前記第3の部分が、フィールドであり、及び
前記第4の部分が、サブフィールドである、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記第1のフィンガープリントモデル又は前記第2のフィンガープリントモデルが、基板の一部分にわたる性能パラメータの空間分布をモデル化するためのフィンガープリントモデルを取得する方法を使用して取得され、
前記部分にわたる前記性能パラメータの前記空間分布に関する初期フィンガープリントモデルを基底関数のパラメータ化結合として定義することと、
予備知識に基づいて、前記基底関数のパラメータ化結合に関するパラメータ値を決定することと、
1つ又は複数の半導体基板の1セットの前記部分にわたる前記性能パラメータを表す測定セット、及び前記初期フィンガープリントモデルに基づいて、前記基板の前記部分にわたる前記性能パラメータの前記空間分布をモデル化するための前記フィンガープリントモデルを決定することであって、それによって、前記初期フィンガープリントモデルで決定された前記基底関数の少なくとも2つのパラメータ値の比率が一定に保たれるか、又は前記初期フィンガープリントモデルの形状の少なくとも一部が前記フィンガープリントモデルにおいて維持される、決定することと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記第1のフィンガープリントモデルが、基底関数の第1のセットのパラメータ化結合として、前記基板の前記第1の部分にわたる前記性能パラメータの前記第1の空間分布に関し、
前記第2のフィンガープリントモデルが、基底関数の第2のセットのパラメータ化結合として、前記基板の前記第2の部分にわたる前記性能パラメータの前記第2の空間分布に関し、及び
前記基底関数の第1のセットの内の1つ又は複数が、前記基底関数の第2のセットの内の1つ又は複数と実質的に直交する、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
半導体基板測定装置であって、
請求項1に記載の方法に従って決定されたサンプリング点を受信するように構成された入力端子と、
前記サンプリング点に対応する測定場所で半導体基板から測定データを生成するように前記測定装置を制御するように構成されたコントローラと、
前記生成された測定データの少なくとも一部に基づいて、前記第1のフィンガープリントモデルのモデルパラメータ、及び前記第2のフィンガープリントモデルのモデルパラメータを決定するように構成されたプロセッサと、
を含む装置。
【請求項15】
リソグラフィ装置であって、
請求項1に記載の方法によって決定された前記サンプリング点に対応する測定場所における半導体基板からの測定データを受信するように構成された入力端子と、
前記受信された測定データの少なくとも一部に基づいて、前記第1のフィンガープリントモデルのモデルパラメータ、及び前記第2のフィンガープリントモデルのモデルパラメータを決定するように構成されたプロセッサと、
制御入力データの基礎に基づいて、半導体基板上にパターンを施すことを制御するように構成されたコントローラであって、前記制御入力データが、少なくとも部分的に、前記第1のフィンガープリントモデルの前記モデルパラメータ、及び/又は前記第2のフィンガープリントモデルの前記モデルパラメータに基づく、コントローラと、
を含むリソグラフィ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、全体として参照により本明細書に援用される、2019年5月22日に出願された欧州特許出願公開第19176024.8号、及び2020年5月8日に出願された欧州特許出願公開第20173733.5号の優先権を主張するものである。
【0002】
[0002] 本明細書は、半導体デバイスなどの試料又は基板を測定及び/又は検査するために使用することができる効率的なサンプリングスキームの生成方法に関する。この測定及び/又は検査の結果を使用して、リソグラフィ装置を制御することができる。
【背景技術】
【0003】
[0003] リソグラフィプロセスは、所望のパターンを基板上、通常は、基板のターゲット部分上に施すプロセスである。リソグラフィ装置(スキャナ)は、例えば、集積回路(IC)の製造において使用され得る。この場合、パターニングデバイス(これは、代替的に、マスク又はレチクルと呼ばれる)を使用して、ICの個々の層上に形成されるプロダクトパターンを生成することができる。このパターンは、基板(例えば、シリコンウェーハ)上の(例えば、1つ又は幾つかのダイの一部を含む)ターゲット部分上に転写することができる。パターンの転写は、一般的に、基板上に設けられた放射感応性材料(レジスト)の層上に結像することによる。基板全体にわたって、逐次ターゲット部分においてパターンを反復するために、ステッピング及び/又はスキャン動作が伴われ得る。パターンを基板上にインプリントすることによって、パターニングデバイスから基板へとパターンを転写することも可能である。このパターンは、さらなる処理ステップによって、機能プロダクトフィーチャに変換することができる。
【0004】
[0004] リソグラフィプロセスの主要な性能パラメータは、オーバーレイエラーである。単に「オーバーレイ」と呼ばれることが多いこのエラーは、前の層に形成されたフィーチャに対して、プロダクトフィーチャを正しい位置に配置させることに関するエラーである。プロダクトフィーチャが非常に小さくなるにつれて、オーバーレイの仕様はますます厳しくなる。
【0005】
[0005] 現在、オーバーレイエラーは、例えば、米国特許出願公開第2013230797A1号に記載される補正モデルを用いて、制御及び補正が行われる。高度なプロセス制御技術が近年導入され、施されたデバイスパターンと共に基板に付与されたメトロロジターゲットの測定を用いる。これらのターゲットは、スキャトロメータなどの高スループット検査装置を使用してオーバーレイが測定されることを可能にし、これらの測定を用いて、オーバーレイフィンガープリントを決定し、その後、後続の基板のパターニングを行う際に、リソグラフィ装置にフィードバックされる補正を生成することができる。高度プロセス制御(APC)の例は、例えば、米国特許出願公開第2012008127A1号に記載されている。検査装置は、リソグラフィ装置とは分離していてもよい。制御動作を定義するために測定を直接的に使用する代わりに、まず、基板上に設けられたオーバーレイターゲットに対応する測定値に補正モデルを適用することが望ましいことが多い。モデル化された測定データは、一般的にノイズが少なく、ウェーハ全体にわたり、小さな空間スケールでも、制御動作の定義を可能にする。最近の補正モデルは一般的に、ウェーハの非線形ディストーションを補正するために、より高い次数項を含む。非線形ディストーションは、多くの影響と関連し得る。これらの影響は、例えば、パターニングプロセスのアニーリング、エッチング、又は層堆積ステップ中に導入される応力成分による、基板の処理誘起変形であり得る。また、補正モデルは、他の測定、及び/又はパターニング動作中の熱変形などの計算された影響を考慮するために拡張されてもよい。
【0006】
[0006] より高次のモデルの使用により、より多くの影響を考慮することができ得るが、このようなモデルは、より多くの位置測定が行われることを必要とする。さらに、より高次の補正モデルは、より多くの計算能力及び/又はより多くの計算時間を必要とする。したがって、より高次の補正モデルの使用は、特定の状況下では理論上実現可能かもしれないが、実際には、リソグラフィプロセスのスループット(すなわち、1時間あたりのウェーハ数)に悪影響を及ぼすため、経済的に実行可能ではない場合がある。加えて、より高次の補正モデルは、パターニング装置自体が、補正モデルのより高い次数項の空間スケールに対応する空間解像度で制御を提供しない場合には、使用が限られ得る。
【0007】
[0007] 国際公開第2016/146217号に記載されるように、オーバーレイフィンガープリントの特定の成分は、基板ごとにランダムに異なる。しかしながら、他の成分は、それらの原因が分かっていようとなかろうと、本質的に系統立っている。類似の基板が、性能パラメータ(例えば、オーバーレイエラー)の類似のパターンを有する場合、この性能パラメータのパターンは、リソグラフィプロセスの「フィンガープリント」と呼ばれることがある。オーバーレイエラーなどの性能パラメータは、大まかに、2つの異なるグループに分類され得る:
1)基板(ウェーハ)全体にわたり変化する寄与は、当該技術分野では、フィールド間フィンガープリントとして知られており、
2)基板又はウェーハの各ターゲット部分(フィールド)又はサブフィールドにわたり同様に変化する寄与は、当該技術分野では、フィールド内フィンガープリントとして知られている。
【0008】
[0008] 最先端のノードでは、又は半導体ウェーハの3D-NANDでは、エッチングなどのウェーハ処理ステップによって誘起されたオーバーレイエラーフィンガープリントの反復パターンが観察される。これらのフィンガープリントは、高空間周波数でスキャナ補正を可能にし、及び/又は必要とするサブフィールドオーバーレイ補正の観点から補償され得る。
【0009】
[0009] 本明細書に参照により援用される国際公開第2016/146217号は、フィールドの1つ又は複数のサブフィールドが、利用可能なデータに基づいて定義される方法を開示する。各サブフィールドに関係する性能パラメータデータは、サブフィールド補正情報を生成するために処理される。サブフィールドの露光は、サブフィールド補正情報を用いて補正される。フィールド内のある特定のサブフィールドの性能データを参照することにより、リソグラフィ装置を制御することによって、オーバーレイエラーが、フィールド全体にわたり平均化されるのではなく、その特定のサブフィールドに対応するクリティカルフィーチャに関して最小化され得る。フィールド全体のみではなく、サブフィールドを参照してリソグラフィ装置を制御することによって、1つ又は複数のサブフィールドにおいて、残差を減少させることができる。1つ又は複数のサブフィールドに関連する性能パラメータデータは、サブフィールドレベルの性能パラメータ挙動の空間スケールにまで特別に設計された補正モデルを使用してモデル化され得る。
【0010】
[00010] 国際公開第2016/146217号に記載されるような方法は、サブフィールドに固有の補正モデルの十分に正確な決定を可能にするために、具体的には、1つ又は複数のサブフィールドにわたり十分に高密度に分布した、基板上の多数の場所で、(オーバーレイエラーなどの)リソグラフィプロセスの性能パラメータを測定することを必要とする。しかしながら、基板全体、又は少なくともサブフィールドよりも大きい部分にわたり性能パラメータ挙動を表すことを目的とした補正モデルを正確に決定するために、基板全体をサンプリングすることも必要とされることが多い。本発明の目的は、上述のような要件を満たす性能パラメータを測定するための適切な場所を決定することである。
【発明の概要】
【0011】
[00011] 本明細書は、例えば、半導体基板の測定及び/又は検査に使用することができるサンプリングスキームを決定し、及び/又は半導体基板に対して行われるリソグラフィプロセスを制御する方法を提供することを目的とする。
【0012】
[00012] 本発明の一実施形態によれば、サンプリングスキームを決定する方法が提供され、この方法は、
- 半導体基板の第1の部分にわたる性能パラメータの第1の空間分布に関する第1のフィンガープリントモデルと、半導体基板の第2の部分にわたる上記性能パラメータの第2の空間分布に関する第2のフィンガープリントモデルとを取得することと、
- 第1の部分にわたる第1のフィンガープリントモデルの評価に関連する第1の不確実性メトリックの予期される減少、及び第2の部分にわたる第2のフィンガープリントモデルの評価に関連する第2の不確実性メトリックの予期される減少に基づいて、測定データを生成するための半導体基板上の測定場所に対応するサンプリング点を決定することと、を含む。
【0013】
[00013] この実施形態に従って決定された単一のサンプリング点を使用して、第1のフィンガープリントモデル及び第2のフィンガープリントモデルの両方のモデルパラメータを導出することができる。それと共に、モデルパラメータを取得するために行われる必要がある測定数を減少させることができる。
【0014】
[00014] サンプリングスキームを決定する上記方法の一実施形態では、第1の部分及び第2の部分が、少なくとも部分的に互いに重なる。
【0015】
[00015] これは、上記実施形態の実用的な実装であり、これによって、リソグラフィ装置の効果的な制御が可能となる。
【0016】
[00016] サンプリングスキームを決定する上記方法の一実施形態では、第1のフィンガープリントモデルが、グローバルフィンガープリントモデルであり、及び第2のフィンガープリントモデルが、ローカルフィンガープリントモデルである。
【0017】
[00017] 例えば、第1のフィンガープリントモデルは、例えば、値が半導体基板面全体内の位置、例えば、基板の中心からの半径方向距離に依存する性能パラメータに関する半導体基板の上面全体(フィールド間)のフィンガープリントモデルである。例えば、第2のフィンガープリントモデルは、例えば、値が半導体基板の一部内の位置、例えば、フィールドの中心からx方向又はy方向の距離に依存する性能パラメータに関する半導体基板面の一部、例えば、フィールド、ダイ、又はセル(フィールド内)のフィンガープリントモデルである。
【0018】
[00018] これは、上記実施形態の実用的な実装であり、これによって、リソグラフィ装置の効果的な制御が可能となる。
【0019】
[00019] サンプリングスキームを決定する上記方法の一実施形態では、第1の部分及び/又は第2の部分は、半導体基板内にあるか、又は半導体基板の上面にある照射層の少なくとも一部である。
【0020】
[00020] これは、上記実施形態の実用的な実装であり、これによって、リソグラフィ装置の効果的な制御が可能となる。
【0021】
[00021] サンプリングスキームを決定する上記方法の一実施形態では、第2の部分は、1つのフィールド、複数のフィールド、1つのサブフィールド、複数のサブフィールド、1つのダイ、複数のダイ、1つのダイの一部、複数のダイの複数の部分、1つのセル、複数のセル、1つのセルの一部、又は複数のセルの複数の部分の1つである。
【0022】
[00022] これは、上記実施形態の実用的な実装であり、これによって、リソグラフィ装置の効果的な制御が可能となる。
【0023】
[00023] サンプリングスキームを決定する上記方法の一実施形態では、性能パラメータは、オーバーレイエラー、クリティカルディメンジョン(例えば、ライン幅)、アライメントマーク位置、側壁角、エッジラフネス、エッジ配置誤差、及び/又はフォーカスエラーである。
【0024】
[00024] これは、上記実施形態の実用的な実装であり、これによって、リソグラフィ装置の効果的な制御が可能となる。
【0025】
[00025] サンプリングスキームを決定する上記方法の一実施形態では、第1のフィンガープリントモデル及び/又は第2のフィンガープリントモデルは、少なくとも1つのさらなるパラメータの空間分布にさらに関係する。
【0026】
[00026] 例えば、少なくとも1つのさらなるパラメータは、第1及び/第2のフィンガープリントモデルの予測不確実性、例えば、正規化モデル不確実性、G最適性、最小二乗誤差、及び/又は移動標準偏差である。
【0027】
[00027] これは、上記実施形態の実用的な実装であり、これによって、リソグラフィ装置の効果的な制御が可能となる。
【0028】
[00028] サンプリングスキームを決定する上記方法の一実施形態では、サンプリング点の位置を決定することが、経時的な性能パラメータの第1及び/又は第2の空間分布のドリフトを考慮することを含む。
【0029】
[00029] これにより、リソグラフィ装置の正確な制御が可能となる。
【0030】
[00030] サンプリングスキームを確立する方法の一実施形態では、方法は、追加のサンプリング点を決定するステップをさらに含む。
【0031】
[00031] 追加のサンプリング点の数が、好ましくは、上記の方法の実施形態の何れか1つによって決定されるサンプリング点の数よりも少ない。
【0032】
[00032] したがって、サンプリングスキームは、上記の方法の実施形態の何れか1つによって決定されたサンプリング点のみを含み得る。代替的に、サンプリングスキームは、上記の方法の実施形態の何れか1つによって決定されたサンプリング点、及び別のやり方で決定されたさらなるサンプリング点を含み得る。
【0033】
[00033] サンプリングスキームを確立する上記方法の一実施形態では、方法は、
- 半導体基板上の1つ又は複数のクリティカルエリアの識別と、
- 半導体基板の他のエリアの場合と比べて、半導体基板の1つ又は複数のクリティカルエリアに関して、表面エリアあたり、より多い数のサンプリング点を決定することと、
をさらに含む。
【0034】
[00034] これにより、基板のより多くのクリティカルエリアにパターンを付与する際に、リソグラフィ装置の正確な制御を得ることが可能となる。
【0035】
[00035] 本発明の一実施形態によれば、半導体基板から測定データを生成する方法が提供され、この方法は、
- 上記に記載したサンプリングスキームを決定する方法の実施形態の何れか1つに従って、サンプリング点の位置を決定することと、
- 半導体基板上のサンプリング点の場所において、性能パラメータを測定することによって、測定データを生成することと、
を含む。
【0036】
[00036] この実施形態では、上記に記載したサンプリングスキームを決定する方法の実施形態の何れか1つに従って決定されたサンプリング点は、測定データを生成するために使用される。
【0037】
[00037] 本発明の一実施形態によれば、半導体基板から測定データを生成する方法が提供され、この方法は、
- サンプリング点の位置に関する情報を受信することであって、この位置が、上記に記載したサンプリングスキームを決定する方法の実施形態の何れか1つに従って決定されたものである、受信することと、
- 半導体基板上のサンプリング点の場所において、性能パラメータを測定することによって、測定データを生成することと、
を含む。
【0038】
[00038] 任意選択的に、この方法は、生成された測定データに基づいて、第1のフィンガープリントモデルのモデルパラメータ、及び第2のフィンガープリントモデルのモデルパラメータを決定するステップをさらに含む。
【0039】
[00039] この実施形態では、上記に記載したサンプリングスキームを決定する方法の実施形態の何れか1つに従って決定されたサンプリング点は、測定データを生成するため、及び任意選択的にさらに、生成された測定データに基づいて、第1のフィンガープリントモデルのモデルパラメータ、及び第2のフィンガープリントモデルのモデルパラメータを決定するために使用される。
【0040】
[00040] 本発明の一実施形態によれば、モデルパラメータを決定する方法が提供され、この方法は、
- 上記に記載した半導体基板から測定データを生成する方法の一実施形態に従って、半導体基板から測定データを生成することと、
- 生成された測定データに基づいて、第1のフィンガープリントモデルのモデルパラメータ、及び第2のフィンガープリントモデルのモデルパラメータを決定することと、
を含む。
任意選択的に、この方法は、リソグラフィ装置を制御する方法において使用され、この方法は、以下のステップ:
- リソグラフィ装置に半導体基板を配置することと、
- リソグラフィ装置内の上記半導体基板上にパターンを施すことと、
- 制御入力データの基礎に基づいて、パターンを施すことを制御することであって、制御入力データが、少なくとも部分的に、第1のフィンガープリントモデルの上記モデルパラメータ、及び/又は第2のフィンガープリントモデルのモデルパラメータに基づく、制御することと、
をさらに含む。
【0041】
[00041] 例えば、半導体基板上にパターンを施すことを制御することは、リソグラフィ装置のパターン付与システムからの露光光に対する半導体基板の移動を制御すること、及び/又は照明システムの照明光に対するパターニングデバイス、すなわちレチクルの移動を制御することを含む。半導体基板上にパターンを施すことを制御することの別の例は、パターン付与システムにおけるレンズの位置及び/又は配向を制御すること、照明システムの照明設定の制御、露光光のフォーカスの制御、及び/又は露光光のドーズの制御を含む。
【0042】
[00042] この実施形態では、測定データが生成される半導体基板は、リソグラフィ装置に配置される半導体基板と同じでもよく、又は別のものでもよい。
【0043】
[00043] この実施形態では、サンプリング点で実施される測定を使用することによって、リソグラフィ装置が効率的に制御される。
【0044】
[00044] 本発明の一実施形態によれば、上記で記載した方法の何れかの一実施形態を実行するように構成された機械可読命令の1つ又は複数のシーケンスを含む、コンピュータプログラムが提供される。
【0045】
[00045] 本発明の一実施形態によれば、
- 上記で記載したサンプリングスキームを決定する方法の実施形態の何れか1つに従って生成されたサンプリング点を受信することと、
- サンプリング点に対応する測定場所で半導体基板から測定データを生成するように測定装置を制御することと、
- 生成された測定データの少なくとも一部に基づいて、第1のフィンガープリントモデルのモデルパラメータ、及び第2のフィンガープリントモデルのモデルパラメータを決定することと、
を行うように構成された機械可読命令の1つ又は複数のシーケンスを含む、コンピュータプログラムが提供される。
【0046】
[00046] 本発明の一実施形態によれば、
- 上記で記載したサンプリングスキームを決定する方法の実施形態の何れか1つに従って決定されたサンプリング点に対応する測定場所における半導体基板からの測定データを受信することと、
- 受信された測定データの少なくとも一部に基づいて、第1のフィンガープリントモデルのモデルパラメータ、及び第2のフィンガープリントモデルのモデルパラメータを決定することと、
- 制御入力データの基礎に基づいて、半導体基板上にパターンを施すことを制御することであって、制御入力データが、少なくとも部分的に、第1のフィンガープリントモデルの上記モデルパラメータ、及び/又は第2のフィンガープリントモデルのモデルパラメータに基づく、制御することと、
を行うように構成された機械可読命令の1つ又は複数のシーケンスを含む、コンピュータプログラム製品が提供される。
【0047】
[00047] 本発明の一実施形態によれば、半導体基板測定装置が提供され、この装置は、
- 上記で記載したサンプリングスキームを決定する方法の実施形態の何れか1つに従って決定されたサンプリング点を受信するように構成された入力端子と、
- サンプリング点に対応する測定場所で半導体基板から測定データを生成するように測定装置を制御するように構成されたコントローラと、
- 生成された測定データの少なくとも一部に基づいて、第1のフィンガープリントモデルのモデルパラメータ、及び第2のフィンガープリントモデルのモデルパラメータを決定するように構成されたプロセッサと、
を含む。
【0048】
[00048] 本発明の一実施形態によれば、リソグラフィ装置が提供され、この装置は、
- 上記で記載したサンプリングスキームを決定する方法の実施形態の何れか1つに従って決定されたサンプリング点に対応する測定場所における半導体基板からの測定データを受信するように構成された入力端子と、
- 受信された測定データの少なくとも一部に基づいて、第1のフィンガープリントモデルのモデルパラメータ、及び第2のフィンガープリントモデルのモデルパラメータを決定するように構成されたプロセッサと、
- 制御入力データの基礎に基づいて、半導体基板上にパターンを施すことを制御するように構成されたコントローラであって、制御入力データが、少なくとも部分的に、第1のフィンガープリントモデルの上記モデルパラメータ、及び/又は第2のフィンガープリントモデルのモデルパラメータに基づく、コントローラと、
を含む。
【0049】
[00049] 本発明の一実施形態によれば、リソグラフィシステムが提供され、このシステムは、上記で記載した実施形態による半導体基板測定装置、及び上記で記載した実施形態によるリソグラフィ装置を含む。
【0050】
[00050] 本発明の一実施形態によれば、上記で記載した実施形態によるリソグラフィ装置を使用するステップを含む、パターニングデバイスから基板上にパターンを転写することを含む、デバイス製造方法が提供される。
【0051】
[00051] 本発明のさらなる実施形態によれば、半導体基板に関するサンプリングスキームを生成する方法であって、
基板の少なくとも2つのフィンガープリントを識別するステップであって、各フィンガープリントが、異なる空間スケールに関連する、ステップと、
少なくとも2つの異なるフィンガープリントを決定するために必要とされる精度に基づいて、サンプリングスキームを生成するステップと、
を含む方法が提供される。
【0052】
[00052] 本発明による上記方法の一実施形態では、サンプリングスキームを生成するステップは、少なくとも2つの異なるパラメータに基づく。
【0053】
[00053] 例えば、少なくとも2つの異なるパラメータの1つは、モデルの予測不確実性である。任意選択的に、モデルの予測不確実性は、正規化モデル不確実性、G最適性、最小二乗誤差、及び/又は移動標準偏差である。
【0054】
[00054] 本発明による上記方法の一実施形態では、サンプリングスキームを生成するステップは、少なくとも2つの異なるパラメータに基づき、少なくとも2つの異なるパラメータは、正規化モデル不確実性、G最適性、最小二乗誤差、及び/又は移動標準偏差ではない。
【0055】
[00055] 本発明による上記方法の一実施形態では、少なくとも2つの異なるフィンガープリントの少なくとも1つは、基板にわたるフィンガープリント、フィールドにわたるフィンガープリント、サブフィールドにわたるフィンガープリント、ダイにわたるフィンガープリント、ダイの1セットにわたるフィンガープリント、セルにわたるフィンガープリント、セルの1セット又はセルのサブフィールドにわたるフィンガープリントである。
【0056】
[00056] 本発明による上記方法の一実施形態では、サンプリングスキームを生成するステップは、少なくとも2つの異なるフィンガープリントの少なくとも1つのモデルを使用することである。任意選択的に、このモデルは、リソグラフィ装置を使用して補正可能なプロファイルに関連する。
【0057】
[00057] 本発明による上記方法の一実施形態では、サンプリングスキームを生成するステップは、少なくとも2つの異なるフィンガープリントの少なくとも1つのドリフトにさらに基づく。
【0058】
[00058] 本発明による上記方法の一実施形態では、少なくとも2つの異なるフィンガープリントの1つは、少なくとも部分的に、基板コンテキストデータに関連する。
【0059】
[00059] 本発明による上記方法の一実施形態では、サンプリングスキームを生成するステップは、少なくとも2つの異なるフィンガープリントに関する少なくとも2つのサブサンプリングスキームを生成するステップと、サンプリングスキームを生成するために、少なくとも2つのサブサンプリングスキームを組み合わせるステップとを含む。
【0060】
[00060] 本発明による上記方法の一実施形態では、少なくとも2つの異なるフィンガープリントの1つは、リソグラフィ装置の補正潜在能力に関連する最小寸法よりも小さい基板のエリアにわたるフィンガープリントである。
【0061】
[00061] 本発明のさらなる実施形態によれば、上記で記載したサンプリングスキームを決定する方法の実施形態の何れか1つによる、サンプリングスキームを決定する方法が提供され、この方法では、第1のフィンガープリントモデル又は第2のフィンガープリントモデルが、基板の一部分にわたる性能パラメータの空間分布をモデル化するためのフィンガープリントモデルを取得する方法であって、上記部分にわたる性能パラメータの空間分布に関する初期フィンガープリントモデルを基底関数のパラメータ化結合として定義することと、予備知識に基づいて、基底関数のパラメータ化結合に関するパラメータ値を決定することと、1つ又は複数の半導体基板の1セットの上記部分にわたる性能パラメータを表す測定セット、及び初期フィンガープリントモデルに基づいて、基板の上記部分にわたる性能パラメータの空間分布をモデル化するためのフィンガープリントモデルを決定することであって、それによって、初期フィンガープリントモデルで決定された基底関数の少なくとも2つのパラメータ値の比率が一定に保たれるか、又は初期フィンガープリントモデルの形状の少なくとも一部がフィンガープリントモデルにおいて維持される、決定することと、を含む方法を用いて取得される。
【0062】
[00062] 本発明のさらなる実施形態によれば、上記で記載したサンプリングスキームを決定する方法の実施形態の何れか1つによる、サンプリングスキームを決定する方法が提供され、この方法では、第1のフィンガープリントモデルが、基底関数の第1のセットのパラメータ化結合として、基板の第1の部分にわたる性能パラメータの第1の空間分布に関し、第2のフィンガープリントモデルが、基底関数の第2のセットのパラメータ化結合として、基板の第2の部分にわたる性能パラメータの第2の空間分布に関し、及び基底関数の第1のセットの内の1つ又は複数が、基底関数の第2のセットの内の1つ又は複数と実質的に直交する。
【0063】
[00063] ここで、添付の概略図を参照しながら、本発明の実施形態を、単に例示として、説明する。
【図面の簡単な説明】
【0064】
図1】[00063]本発明の一実施形態によるリソグラフィ装置を描く。
図2】[00063]既知の慣例による、図1の装置の測定及び露光プロセスにおけるステージを概略的に示す。
図3】[00063]本明細書に開示されるプロセスを実装する際に有用なコンピュータシステムハードウェアを示す。
図4】[00063]サブフィールドの最小サイズに対する、関心のあるエリアの概略図を示す。
図5】[00063]半導体基板を概略的に示す。
図6A】[00063]性能パラメータPの第1のフィンガープリントモデルを概略的に示す。
図6B】[00063]性能パラメータPの第2のフィンガープリントモデルを概略的に示す。
図7】[00063]サブフィールドにわたる性能パラメータPのフィンガープリントモデルを概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0065】
[00064] 図1は、本発明の一実施形態によるリソグラフィ装置LAを概略的に描いている。装置は以下を含む。
- 放射ビームB(例えば、UV放射又はEUV放射)を調節するように構成された照明システム(イルミネータ)IL、
- パターニングデバイス(例えばマスク)MAを支持するように構築され、且つ特定のパラメータに従ってパターニングデバイスを正確に位置決めするように構成された第一ポジショナPMに接続された支持構造(例えばマスクテーブル)MT、
- 基板(例えば、レジストコートウェーハ)Wを保持するように構築され、且つ特定のパラメータに従って基板を正確に位置決めするように構成された第二ポジショナPWに接続された基板テーブル(例えば、ウェーハテーブル)WTa又はWTb、及び
- 放射ビームBに付与されるパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば、1つ又は複数のダイを含む)にパターニングデバイスMAにより投影するように構成された投影システム(例えば、屈折投影レンズシステム)PS。
【0066】
[00065] 照明システムは、放射の誘導、整形、又は制御のための、屈折型、反射型、磁気型、電磁型、静電型又は他のタイプの光学コンポーネント、又はこれらの任意の組み合わせなどの、種々のタイプの光学コンポーネントを含み得る。
【0067】
[00066] マスク支持構造は、パターニングデバイスを支持する、すなわちパターニングデバイスの重量を支える。支持構造は、パターニングデバイスの向き、リソグラフィ装置の設計、及び例えばパターニングデバイスが真空環境内に保持されるかどうかなどの他の条件に応じた様式でパターニングデバイスを保持する。支持構造は、パターニングデバイスを保持するために、機械式、真空式、静電式又は他のクランプ技術を使用することができる。支持構造は、例えば、必要に応じて固定され得る又は移動可能であり得る、フレーム又はテーブルであってもよい。支持構造は、パターニングデバイスが、例えば投影システムに対して、所望の位置にあることを確実にし得る。本明細書での「レチクル」又は「マスク」という用語のいかなる使用も、より一般的な用語である「パターニングデバイス」と同義であると見なしてよい。
【0068】
[00067] 本明細書で使用される「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲット部分にパターンを生成するように放射ビームの断面にパターンを付与するために使用できる、任意のデバイスを指すものとして広く解釈されるべきである。例えばパターンが位相シフトフィーチャ又はいわゆるアシストフィーチャを含む場合に、放射ビームに付与されるパターンが基板のターゲット部分における所望のパターンに厳密には対応しない場合があることを留意すべきである。通例、放射ビームに付与されるパターンは、ターゲット部分に生成される集積回路のなどのデバイス内の特定の機能層に対応することになる。
【0069】
[00068] パターニングデバイスは、透過型又は反射型であってもよい。パターニングデバイスの例としては、マスク、プログラマブルミラーアレイ、及びプログラマブルLCDパネルが挙げられる。マスクは、リソグラフィにおいて周知であるとともに、バイナリ、レベルソン型位相シフト、及び減衰型位相シフトなどのマスクタイプ、並びに種々のハイブリッドマスクタイプを含む。プログラマブルミラーアレイの一例では、小型ミラーのマトリクス配列が用いられ、小型ミラーの各々は、入射する放射ビームを異なる方向に反射するように個々に傾斜させることができる。傾斜したミラーは、ミラーマトリックスにより反射される放射ビームにパターンを付与する。
【0070】
[00069] 本明細書で使用される「投影システム」という用語は、使用される露光放射に適したもの、又は液浸液の使用若しくは真空の使用などのその他の要因に適したものとして、屈折型、反射型、反射屈折型、磁気型、電磁型及び静電型光学システム、又はこれらの任意の組み合わせを含む、任意のタイプの投影システムを包含するものとして広く解釈されるべきである。本明細書での「投影レンズ」という用語のいかなる使用も、より一般的な用語である「投影システム」と同義であると見なしてよい。
【0071】
[00070] ここで描かれているように、装置は、透過型(例えば、透過型マスクを用いる)である。代替的に、装置は、反射型(例えば、上で言及したタイプのプログラマブルミラーアレイを用いるか、又は反射マスクを用いる)であってもよい。
【0072】
[00071] リソグラフィ装置は、2つ(デュアルステージ)以上の基板テーブル(及び/又は2つ以上のマスクテーブル)を有するタイプであってもよい。そのような「マルチステージ」機械では、追加のテーブルを並行して使用してもよく、或いは、1つ若しくは複数の他のテーブルを露光のために使用している間に、1つ若しくは複数のテーブルに対して予備ステップを実行してもよい。本明細書に開示される本発明は、スタンドアロン形態で使用することができるが、具体的には、単一ステージ又はマルチステージ装置の前露光測定ステージにおいて、追加の機能を提供することができる。
【0073】
[00072] リソグラフィ装置は、投影システムと基板との間の空間を埋めるために、基板の少なくとも一部が、比較的高い屈折率を有する液体(例えば、水)によって覆われ得るタイプのものであってもよい。また、液浸液は、リソグラフィ装置内の他の空間、例えば、マスクと投影システムとの間に付与されてもよい。液浸技術は、投影システムの開口数を増加させるために当該技術分野において周知である。本明細書で使用される「液浸」という用語は、基板などの構造が液体に浸されなければならないことを意味するのではなく、露光中に投影システムと基板との間に液体が位置することを意味するに過ぎない。
【0074】
[00073] 図1を参照すると、イルミネータILは、放射源SOから放射ビームを受け取る。例えば、放射源がエキシマレーザである場合には、放射源とリソグラフィ装置とが別体であってもよい。そのような場合に、放射源はリソグラフィ装置の一部を形成するとは見なされず、放射ビームは、例えば好適な誘導ミラー及び/又はビームエキスパンダを含むビームデリバリシステムBDの助けにより、放射源SOからイルミネータILに渡される。他の場合では、放射源は、例えば放射源が水銀ランプである場合、リソグラフィ装置の一体部であってもよい。必要であればビームデリバリシステムBDと共に、放射源SO及びイルミネータILは、放射システムと呼ばれることがある。
【0075】
[00074] イルミネータILは、放射ビームの角度強度分布を調節するためのアジャスタADを含み得る。通例では、イルミネータの瞳面内の強度分布の少なくとも外側及び/又は内側半径範囲(一般にそれぞれσ外側及びσ内側と呼ばれる)を調節することができる。加えて、イルミネータILは、インテグレータIN及びコンデンサCOなどの、他の種々のコンポーネントを含み得る。イルミネータは、ビーム断面における所望の均一性及び強度分布を有するように放射ビームを調節するために使用されてもよい。
【0076】
[00075] 放射ビームBは、支持構造(例えば、マスクテーブルMT)上に保持される、パターニングデバイス(例えば、マスクMA)に入射して、パターニングデバイスによりパターンが付与される。マスクMAを通り抜けた後に、放射ビームBは投影システムPSを通過し、投影システムPSは基板Wのターゲット部分Cにビームの焦点を合わせる。第二ポジショナPW及び位置センサIF(例えば、干渉デバイス、リニアエンコーダ又は静電容量センサ)の助けにより、基板テーブルWTa/WTbは、例えば、異なるターゲット部分Cを放射ビームBの経路に位置決めするように正確に移動させることができる。同様に、第一ポジショナPM及び別の位置センサ(図1には明示的に描かれていない)は、例えば、マスクライブラリの機械検索後に、又はスキャン中に、放射ビームBの経路に対してマスクMAを正確に位置決めするために使用することができる。概して、マスクテーブルMTの移動は、第一ポジショナPMの一部を形成する、ロングストロークモジュール(粗動位置決め)及びショートストロークモジュール(微動位置決め)の助けにより実現されてもよい。同様に、基板テーブルWTa/WTbの移動は、第二ポジショナPWの一部を形成する、ロングストロークモジュール及びショートストロークモジュールを使用して実現されてもよい。ステッパの場合(スキャナとは対照的に)、マスクテーブルMTは、ショートストロークアクチュエータのみに接続されてもよく、又は固定されてもよい。マスクMA及び基板Wは、マスクアライメントマークM1、M2及び基板アライメントマークP1、P2を使用して位置合わせされてもよい。図示の基板アライメントマークは専用のターゲット部分を占めるが、基板アライメントマークはターゲット部分間の空間に位置してもよい(これらはスクライブラインアライメントマークとして知られている)。同様に、2つ以上のダイがマスクMA上に設けられる状況では、マスクアライメントマークがダイの間に位置してもよい。
【0077】
[00076] 描かれている装置は、以下のモードのうちの少なくとも1つのモードで使用することができる。
1.ステップモードでは、マスクテーブルMT及び基板テーブルWTa/WTbは基本的に静止状態に維持され、その一方で、放射ビームに付与されたパターン全体が1回でターゲット部分Cに投影される(すなわち、単一静的露光)。次いで、基板テーブルWTa/WTbは、異なるターゲット部分Cを露光させることができるようにX方向及び/又はY方向にずらされる。ステップモードでは、露光フィールドの最大サイズにより、単一静的露光で結像されるターゲット部分Cのサイズが制限される。
2.スキャンモードでは、マスクテーブルMT及び基板テーブルWTa/WTbは同期してスキャンされ、その一方で、放射ビームに付与されたパターンがターゲット部分Cに投影される(すなわち、単一動的露光)。マスクテーブルMTに対する基板テーブルWTa/WTbの速度及び方向は、投影システムPSの拡大(縮小)特性及び像反転特性により決定されてもよい。スキャンモードでは、露光フィールドの最大サイズにより単一動的露光でのターゲット部分の(非スキャン方向における)幅が制限され、それに対して、スキャン動作の長さによりターゲット部分の(スキャン方向における)高さが決定される。
3.別のモードでは、マスクテーブルMTは、プログラマブルパターニングデバイスを保持して基本的に静止状態に維持され、且つ放射ビームに付与されたパターンがターゲット部分Cに投影される間に基板テーブルWTa/WTbが移動又はスキャンされる。このモードでは、通例はパルス放射源が用いられ、且つプログラマブルパターニングデバイスが基板テーブルWTa/WTbの毎回の移動後に又はスキャン中の連続する放射パルス間に必要に応じて更新される。この動作モードは、上で言及したタイプのプログラマブルミラーアレイなどの、プログラマブルパターニングデバイスを利用するマスクレスリソグラフィに容易に適用することができる。
【0078】
[00077] 上で説明した使用モードの組み合わせ及び/若しくは変形、又は全く異なる使用モードも用いることができる。
【0079】
[00078] この例のリソグラフィ装置LAは、2つの基板テーブルWTa及びWTb、並びにステーション間で基板テーブルを交換することができる2つのステーション(露光ステーション及び測定ステーション)を有する、いわゆるデュアルステージタイプのものである。一方の基板テーブル上の一方の基板が、露光ステーションEXPで露光されている間に、様々な準備ステップが実施され得るように、別の基板が、測定ステーションMEAにおいて、他方の基板テーブル上にロードされ得る。準備ステップは、レベルセンサLSを使用して基板の表面をマッピングすること、及びアライメントセンサASを使用して基板上のアライメントマークの位置を測定することを含んでもよい。これは、装置のスループットの大幅な増加を可能にする。位置センサIFが、測定ステーション及び露光ステーションにあるときの基板テーブルの位置を測定することができない場合、基板テーブルの位置が両ステーションでトラッキングされることを可能にするために、第2の位置センサが設けられてもよい。本発明は、基板テーブルを1つのみ備えた、又は3つ以上の基板テーブルを備えた装置に適用することができる。
【0080】
[00079] 本装置は、記載される様々なアクチュエータ及びセンサの動作及び測定の全てを制御するリソグラフィ装置制御ユニットLACUをさらに含む。LACUは、装置の動作に関係する所望の計算を実装するための信号処理及びデータ処理能力も含む。実際には、制御ユニットLACUは、それぞれが、装置内のサブシステム又はコンポーネントのリアルタイムデータ取得、処理、及び制御を取り扱う多数のサブユニットのシステムとして実現される。例えば、ある処理サブシステムは、基板ポジショナPWのサーボ制御に特化してもよい。別個のユニットが、粗動アクチュエータ及び微動アクチュエータ、又は異なる軸を取り扱うことさえできる。別のユニットが、位置センサIFの読み出しに特化してもよい。装置の全体的な制御は、これらのサブシステム処理ユニット、オペレータ、及びリソグラフィ製造プロセスに関与する他の装置と通信する、中央処理装置によって制御され得る。
【0081】
[00080] 図2は、図1のデュアルステージ装置の基板W上のターゲット部分(例えば、ダイ)を露光させるための既知のステップを示す。点線ボックス内の左側では、測定ステーションMEAにおいてステップが行われ、右側は、露光ステーションEXPで行われるステップを示す。その時々で、上述した通り、基板テーブルWTa、WTbの一方が露光ステーションにあり、他方が測定ステーションにある。説明目的で、基板Wは、既に露光ステーションにロードされていると仮定する。ステップ200では、図示されない機構によって新しい基板W’が装置にロードされる。これら2つの基板は、リソグラフィ装置のスループットを増加させるために並行して処理される。最初に新しくロードされた基板W’に言及すると、これは、装置における初めての露光用の新しいフォトレジストを準備した、以前に未処理の基板であり得る。しかしながら、一般に、説明されるこのリソグラフィプロセスは、一連の露光及び処理ステップ中の1つのステップに過ぎないため、基板W’は、この装置及び/又は他のリソグラフィ装置を既に数回経ており、受ける予定の後続のプロセスも有し得る。
【0082】
[00081] 前のプロセス及び/又は後続のプロセスは、上述のように他のリソグラフィ装置で行われてもよく、異なる複数のタイプのリソグラフィ装置で行うことさえ可能である。例えば、解像度及びオーバーレイなどのパラメータにおいて非常に要求の厳しいデバイス製造プロセスにおける幾つかの層は、要求のあまり厳しくない他の層に比べて、より高度なリソグラフィツールで行われてもよい。したがって、幾つかの層は、液浸型リソグラフィツールで露光され得るが、他の層は、「ドライ」ツールで露光される。幾つかの層は、DUV波長で稼働するツールで露光され得るが、他の層は、EUV波長放射を用いて露光される。
【0083】
[00082] 202では、基板マークP1など、及びイメージセンサ(図示されない)を使用したアライメント測定を用いて、基板テーブルWTa/WTbに対する基板のアライメントの測定及び記録を行う。加えて、公称長方形グリッドに対するディストーションを含む、基板全体にわたってマークの分布を非常に正確にマッピングする「ウェーハグリッド」を確立するために、基板W’全体にわたって幾つかのアライメントマークが測定される。ステップ204では、X-Y位置に対する基板高さのマップも、露光パターンの正確なフォーカスで用いるために測定される。
【0084】
[00083] 基板W’がロードされたとき、行われるべき露光、並びに基板、以前に作成されたパターン、及びその上に作成されるべきパターンの特徴も定義する、レシピデータ206が受信されている。レシピ及び測定データの完全なセット208を露光ステージに渡すことができるように、202、204で生成された、基板位置の測定、基板グリッド、及び高さマップが、これらのレシピデータに追加される。アライメントデータの測定は、例えば、リソグラフィプロセスの生成物であるプロダクトパターンに対して固定又は公称的に固定された関係で形成されたアライメントターゲットのX及びY位置を含む。露光の直前に取得された、これらのアライメントデータは、アライメントモデルのパラメータを提供するために、組み合わせられ、及び補間される。これらのパラメータ及びアライメントモデルは、現在のリソグラフィステップにおいて施されるパターンの位置を補正するために、露光動作中に使用される。従来のアライメントモデルは、異なる寸法で「理想」グリッドの並進、回転、及びスケーリングを共に定義する、4つ、5つ、又は6つのパラメータを含み得る。以下にさらに説明するように、より多くのパラメータを使用する高度なモデルが知られている。210では、測定された基板W’が、露光ステーションEXPに入る基板Wとなるように、基板W’及び基板Wが交換される。この交換は、基板テーブル及び基板自体間の相対アライメントを維持するために、基板W、W’が、サポートWTa及びWTb上で正確にクランプされ、及び位置決めされたままであるように、装置内でこれらのサポートを交換することによって行われる。したがって、一旦これらのテーブルが交換されると、露光ステップの制御において、基板W(以前はW’)に関する測定情報202、204を利用するために必要なのは、投影システムPS及び基板テーブルWTb(以前はWTa)間の相対位置を決定することのみである。ステップ212では、マスクアライメントマークM1、M2を使用して、レチクルアライメントが行われる。ステップ214、216、218では、幾つかのパターンの露光を完了するために、基板W全体にわたって複数の逐次ターゲット場所でスキャン動作及び放射パルスが付与される。露光ステップの実行時に測定ステーションで取得されたアライメントデータ及び高さマップを使用することによって、これらのパターンは、所望の場所に対して、及び特に、同じ基板上に以前に設けられたフィーチャに対して正確にアライメントされる。今度はW’’とラベル付けされる、露光された基板は、ステップ220において、露光パターンに応じて、エッチング又は他のプロセスを受けるために、装置から取り外される。
【0085】
[00084] 図5は、半導体基板Wを概略的に示す。半導体基板Wは、中心10を有する略円形状を有する。
【0086】
[00085] 半導体基板W(又は略して「基板W」)は、複数のフィールド11.1、11.2を含み、それらの内の2つが、図5に概略的に示されている。フィールドは、例えば、投影システムに対するステージの後続の移動間に照射される基板Wのエリアである。この例では、各フィールド11.1、11.2は、同様に図5に概略的に示される複数のダイ12.1、12.2によって形成される。したがって、この例では、ダイは、フィールドよりも小さい。基板の処理後に、ダイは、個々のマイクロチップを形成する。別の例では、ダイは、複数のフィールドを含んでもよい。したがって、その例では、ダイは、フィールドよりも大きい。各ダイは、任意選択的に、同様に図5に概略的に示される複数のセル13.1、13.2を含む。したがって、セルは、ダイ内のエリアである。セルは、ダイよりも小さい。図5は、2つのフィールド11.1、11.2を示している。図5では、各フィールドは、4つのダイ、例えば、12.1、12.2を含む。図5では、各ダイは、2つのセル、例えば13.1、13.2を含む。フィールド、ダイ、及びセルの数は、異なってもよい。
【0087】
[00086] 性能パラメータの値は、基板W上の点14.1、14.2の位置(例えば、上記点から基板Wの中心10への半径方向距離)と共に変化し得る。場合によっては、この変動は、数学モデル(例えば、多項式)を用いて表すことができることが知られているが、モデルパラメータは、個々の基板W間で異なり得る。
【0088】
[00087] 例えば、点14.1、14.2における性能パラメータの値が基板の中心10への半径方向距離から依存すること、及びその値が放物曲線をたどることが分かる。この場合、パラメータ値を表すための数学モデルは二次多項式であり、これは、p1=aR+bR+cと表すことができ、式中、p1は、基板Wに対する性能パラメータPの値を表し、Rは、基板Wの中心10までの点の半径方向距離であり、a、b、及びcは、モデルパラメータである。数学モデルは周期性を含んでもよいし、含んでいなくてもよい。周期性を含む数学モデルの一例は、正弦波である。
【0089】
[00088] 個々の基板それぞれに関するモデルパラメータは、標本点で測定を実施することによって決定され得る。標本点は、それからモデルパラメータa、b、及びcを決定することができる測定データを提供することを目的として測定が行われる、基板W上の場所である。複数のサンプリング点は、共にサンプリングスキームを形成する。一旦モデルパラメータa、b、及びcが決定されると、測定が行われなかった場所に関して、性能パラメータの分布を予測することができ、したがって、性能パラメータ測定データを高密度にすることができる。高密度性能パラメータ測定データを使用することにより、高密度性能パラメータ測定データの値及び/又は性能パラメータに関するモデルのモデルパラメータの知識が、エラー又は他のずれを補償することを可能にするため、向上した精度でリソグラフィ装置を制御することができる。
【0090】
[00089] サンプリングスキームが多数のサンプリング点を含む場合、性能パラメータ分布を正確に決定することができる。しかしながら、モデルパラメータを決定するために必要な測定を行うために長い時間がかかり、これは、リソグラフィプロセスのスループットを低下させる。したがって、サンプリングスキームのサンプリング点の数を減少させることができれば有利である。
【0091】
[00090] 性能パラメータの値は、基板W上の点14.1、14.2の位置と共に変化し得るだけでなく、フィールド11.1、11.2、ダイ12.1、12.2、又はセル13.1、13.2内の上記点14.1、14.2の位置と共にも、例えば、点14.1、14.2が位置するフィールド11.1、11.2の角15.1、15.1からx方向又はy方向の距離と共にも変化し得る。性能パラメータの値の変動を表す数学モデルは、基板面の表面全体にわたる、その性能パラメータの変動を全体として表す数学モデルと同じでもよいし、又は異なってもよい。例えば、フィールド11.1、11.2の角の点15.1、15.2からx方向の距離に依存した、フィールド11.1、11.2内の性能パラメータの変動は、p2=fY+gと表すことができ、式中、p2は、フィールド11.1、11.2に対する性能パラメータPの値を表し、Yは、点14.1、14.2からそれぞれのフィールド11.1、11.2の角の点15.1、15.2へのy方向の距離であり、f及びgは、モデルパラメータである。
【0092】
[00091] 図5に描かれたような点14.1及び14.2を考えると、性能パラメータPの値(これは、基板W上の点14.1、14.2の位置から依存する)は、一般に、これらの点が基板Wの中心10から異なる半径方向距離に位置するため、点14.1及び点14.2間で異なる。しかしながら、性能パラメータPの値は、点14.1及び14.2が、それぞれのフィールド11.1、11.2の角の点15.1、15.2からy方向に同じ距離に位置するため、点14.1及び14.2に関して同じ又は少なくとも類似する。リソグラフィ装置のプロセスの制御において(例えば、リソグラフィ装置の投影システムに対する基板の移動の制御において)これらの考察を考慮することは、リソグラフィ装置の精度の向上に役立ち得る。
【0093】
[00092] 半導体基板全体にわたる、又はその一部にわたる性能パラメータの空間分布(すなわち、半導体基板全体にわたる、又はその一部にわたる性能パラメータの値の変動)は、「フィンガープリント」と呼ばれる。フィンガープリントは、例えば、経時的なプロセス変更により、経時的にも変化し得る。フィンガープリントモデルは、基板W全体にわたって、又は基板Wの一部にわたって、フィンガープリントをモデル化する数学モデルである。フィンガープリントモデルは、幾つかのモデルパラメータ(例えば、上記の例におけるパラメータa、b、c、f、及びg)を含む。同じフィンガープリントモデルが、基板Wのグループ(例えば、1つ又は複数のロットの基板W、或いは同じリソグラフィ装置で処理された全ての基板W)に対して使用されてもよい。しかしながら、モデルパラメータは、個々の基板Wごとに異なり得る。
【0094】
[00093] 図6A及び6Bは、これを図示する。図6Aは、基板の中心10からの半径方向距離Rに依存する、性能パラメータPの値p1を表すグラフを示す。線p1-1は、第1の基板におけるPの値の変動を表し、線p1-2は、第2の基板におけるPの値の変動を表す。線p1-1、p1-2の形状は、同じ種類の多項式(「フィンガープリントモデル」)によって表すことができ、この多項式のパラメータは、線p1-1及び線p1-2間で異なる。例えば、両方の線p1-1及びp1-2を表す多項式をaR+bR+cと表すことができる場合、モデルパラメータa、b、及びcの値は、線p1-1と線p1-2で異なる。
【0095】
[00094] 図6Bは、フィールド11.1、11.2の角15.1、15.2からy方向の距離Yに依存する、性能パラメータPの値p2を表すグラフを示す。線p2-1は、第1の基板におけるPの値の変動を表し、線p2-2は、第2の基板におけるPの値の変動を表す。線p2-1、p2-2の形状は、同じ種類の多項式(「フィンガープリントモデル」)によって表すことができるが、この多項式のパラメータは、線p2-1及び線p2-2間で異なる。例えば、両方の線p1-1及びp1-2を表す多項式をfY+gと表すことができる場合、モデルパラメータf及びgの値は、線p2-1と線p2-2で異なる。
【0096】
[00095] フィンガープリントモデルは、例えば、まずフィンガープリントを取得し、次に、取得したフィンガープリントを表す数学モデルへと取得したフィンガープリントを変換することによって取得される。フィンガープリントは、例えば、半導体基板、又は複数の測定場所にある半導体基板のグループにおいて、性能パラメータを測定することによって取得することができる。一般に、フィンガープリントを取得するために、多数の測定場所で測定が行われなければならない。代替的又は追加的に、フィンガープリントは、コンピュータモデルで性能パラメータをシミュレーションすること、及び半導体基板全体にわたって、又はその一部にわたって、その性能パラメータの値の空間分布を取得することによって取得され得る。
【0097】
[00096] 取得されたフィンガープリントから、フィンガープリントモデルは、例えば、測定された性能パラメータの空間分布におけるパターンの決定によって、例えば、曲線フィッティングによって取得することができる。例えば、国際公開第2013/092106号は、モデルパラメータを計算するために、どのように補正モデルを測定されたデータに適用することができるかを段落[0108]~[0109]に記載する。したがって、フィンガープリントモデルは、ドメイン知識に基づいて決定される数学モデルである。次いで、サンプリング場所において、測定が行われる。モデルパラメータを含むフィンガープリントモデルが、それらの測定にフィッティングされる。次いで、モデルパラメータが、フィッティングによって決定される。フィッティングされたフィンガープリントモデル(すなわち、モデルパラメータが測定データにフィッティングされたフィンガープリントモデル)は、基板W上のあらゆる場所において、一般的に、測定が行われていない場所において、性能パラメータ値を予測することができる。このようにして、フィッティングされたフィンガープリントモデルは、測定数をかなり低く維持しながら、基板W全体にわたって測定を「モデル化する」又は「高密度にする」ことを可能にする。これは、スループットと精度の良好なバランスを得ることを可能にする。
【0098】
[00097] リソグラフィ装置の制御アーキテクチャは、フィールド内レベル及びフィールド間レベルの両方で、性能(例えば、オーバーレイ、CD、フォーカス)を制御するように構成される。最近の開発(国際公開第2016146217A1号、国際公開第2018121921A1号)により、フィールドよりも小さな空間スケールでの制御も可能となった。最新式のスキャナの制御アーキテクチャも、サブフィールドレベルでの制御を可能にする。サイズ及び/又は形状に関するサブフィールドの定義は、一般的に、基板全体にわたるフィールド、ダイ、及びセルのレイアウトに応じて、1つ又は複数の性能パラメータの空間変動と一致して選択され得る。サブフィールドに基づく制御アーキテクチャは、制御の柔軟性の向上をリソグラフィ装置に提供する。例えば、フィールド全体にわたるダイ/セルの特定のレイアウト(分布)は、性能パラメータ(エラー)フィンガープリントの対応するフィンガープリントを誘起する、フィールドの面内ウェーハ変形を生じさせる、フィールド内の対応する応力分布を生じさせ得る。応力分布が周期的である場合、フィンガープリントは、フィールド全体にわたって、反復(周期的)パターンを示し得る。この種のフィンガープリントは、サブフィールドに基づく制御インターフェースが利用可能である場合は、リソグラフィ装置によって効率的に補正することができ、この場合、サブフィールドは、サブフィールドごとのフィンガープリント補正が、一般的に実質的に同一であるように(例えば、各補正が、同じ周期的性能パラメータフィンガープリントを補正することを目的とする)、反復パターン内に含まれる単数の又は離散数の周期をカバーすると定義される。
【0099】
[00098] 異なる空間スケール(例えば、基板全体及びフィールド、フィールド及びサブフィールドなど)のフィンガープリントが識別される場合、識別されたフィンガープリントに基づいてリソグラフィ装置を制御することによって、これらのフィンガープリントを補正することが有益である。
【0100】
[00099] 本発明の目的は、モデルパラメータを識別するために必要とされる測定数が大きくなり過ぎることを防止しながら、異なる空間スケールの2つ以上のフィンガープリントを正確にモデル化することを可能にするサンプリングスキームを得ることである。
【0101】
[000100] フィンガープリントモデルのモデルパラメータは、(正規化)モデル不確実性に基づいて決定され得る。例えば、国際公開第2015110191A1号及び国際公開第2016162231A1号が、この方法を記載している。ノイズがデータ中に存在する場合、このデータは、ノイズの性質、使用される測定(例えば、サンプリング)スキームなどに応じて、異なるやり方でモデル化され得る。したがって、モデル不確実性は、数学モデルのパラメータが、ノイズのある測定を用いて所与のメトロロジスキームに関して推定される場合、その数学モデルに関するノイズ感度の測度を提供する。したがって、モデル不確実性は、測定に存在するノイズからモデル予測値の変動へのノイズ増幅/抑制係数と解釈することができる。モデル不確実性は、使用される数学モデル、測定点の場所、モデルが評価される場所(補間外挿)、及び測定される基板の数の関数である。正規化モデル不確実性(NMU(normalized model uncertainty))は、モデル不確実性の単位なしバージョンであり、ノイズレベルの関数として変化しない。NMU<1は、ノイズ抑制を暗示し、NMU>1は、ノイズ増幅を暗示する。したがって、正規化モデル不確実性は、測定のノイズ量を用いてスケーリングされたモデル化値の変化量を示す。低NMU(<1)は、サンプリングスキーム及び数学モデルの組み合わせが、一貫したフィット、すなわち、ノイズに対してロバストなフィットをもたらすことを確実にするのに役立つ(ただし、それは、モデルが実際の測定を正確に表すことの保証ではない場合がある)。ある実施形態では、良好なノイズ抑制のためには、最大NMUは、0.6未満、0.5未満、0.4未満、又は0.3未満であるべきである。基板内ノイズ(例えば、3シグマ値)及びNMUの積は、基板内ノイズに基づく出力ノイズ(例えば、残りのノイズ)である。それは、理論上の出力ノイズであり、選択されたモデル及び使用されたサンプルスキームの影響を示す指標である。したがって、ある実施形態では、サンプリングスキームオプティマイザが、NMUを減少させる、又は最小化するように最適化してもよく、その後、測定データを考慮して、1つ又は複数の数学モデル及びサンプリングスキームの評価においてさらに使用するための残りの不確実性が、適用できるNMU値に測定データの基板内ノイズ(例えば、3シグマ値)を掛けることによって決定されてもよい。
【0102】
[000101] 2つ以上のフィンガープリントモデルのモデルパラメータを決定するために性能パラメータの測定を得るためのサンプリング点の場所を決定するサンプリングスキームは、フィンガープリントモデルの(正規化)モデル不確実性に基づいて決定され得る。サンプリングスキームは、2つ以上のフィンガープリントモデルのNMUを同時に減少させる、又は最小化するように共最適化を行うために決定されてもよい。このように決定されたサンプリングスキームは、最小化した、又は減少したモデル不確実性を有する2つ以上のフィンガープリントのモデルパラメータを決定するのに役立つサンプリング点の場所を提供する。
【0103】
[000102] 本発明のある実施形態では、サンプリングスキームは、半導体基板の第1の部分にわたる性能パラメータの第1の空間分布に関する第1のフィンガープリントモデルと、半導体基板の第2の部分にわたる上記性能パラメータの第2の空間分布に関する第2のフィンガープリントモデルとを取得すること、並びに第1の部分にわたる第1のフィンガープリントモデルの評価に関連する第1の不確実性メトリックの予期される減少、及び第2の部分にわたる第2のフィンガープリントモデルの評価に関連する第2の不確実性メトリックの予期される減少に基づいて、測定データを生成するための半導体基板上の測定場所に対応するサンプリング点を決定することによって、決定される。フィンガープリントモデルの数は、3つ以上、例えば、3つ、4つ、又はそれよりも大きくてもよい。
【0104】
[000103] 本発明のある実施形態では、サンプリングスキームが、半導体基板の第3の部分にわたる上記性能パラメータの第3の空間分布に関する第3のフィンガープリントモデルを取得することによってさらに決定され、
測定データを生成するための半導体基板上の測定場所に対応するサンプリング点を決定することが、第3の部分にわたる第3のフィンガープリントモデルの評価に関連する第3の不確実性メトリックの予期される減少にさらに基づく。
【0105】
[000104] 本発明のある実施形態では、サンプリングスキームが、半導体基板の第4の部分にわたる上記性能パラメータの第4の空間分布に関する第4のフィンガープリントモデルを取得することによってさらに決定され、
測定データを生成するための半導体基板上の測定場所に対応するサンプリング点を決定することが、第3の部分にわたる第4のフィンガープリントモデルの評価に関連する第4の不確実性メトリックの予期される減少にさらに基づく。
【0106】
[000105] 本実施形態に従って決定された単一のサンプリング点を使用して、第1のフィンガープリントモデル及び第2のフィンガープリントモデルの両方のモデルパラメータを導出することができる。それと共に、モデルパラメータを取得するために行われる必要がある測定数を減少させることができる。
【0107】
[000106] 基板W上の全ての可能な測定場所が、両フィンガープリントモデルに関する有用な情報を提供するわけではない。例えば、フィンガープリントモデルが周期関数である場合、性能パラメータがゼロである場所は、周期関数のピーク高さに関する情報を提供しない。この情報を取得するためには、別の場所におけるさらなる測定が必要である。ある実施形態によれば、第1のフィンガープリントモデル及び第2のフィンガープリントモデルの両方に関する有用な情報を提供する場所のみが、サンプリング点としての資格がある。
【0108】
[000107] サンプリング点としての資格がある、これらの測定場所は、様々なやり方で決定することができる。
【0109】
[000108] 例えば、最初に、サンプル基板W上の多数の場所で実施される測定に基づいて、第1のフィンガープリントモデル及び第2のフィンガープリントモデルが決定される。したがって、多数のサンプリング点が、この測定に含まれる。サンプル基板の第1及び第2のフィンガープリントのモデルパラメータは、この多数の測定に基づいて決定される。次いで、例えば、数値的アプローチ、又は他のコンピュータ実装アプローチによって、第1及び第2のフィンガープリントモデルのモデルパラメータが再び決定されるが、今度は、より少ない数のサンプリング点において実施される測定に基づいて決定される。次いで、(全てのサンプリング点を用いた)最初のラン、及び(より少ない数のサンプリング点を用いた)第2のラン間のずれが、許容可能であるか否かがチェックされる。許容可能でなければ、第2のランで、多すぎるサンプリング点、又は多すぎる重要なサンプリング点が省かれている。ずれが許容可能であれば、おそらく、さらに多くのサンプリング点を省くことができる。このように、サンプリング点の全て、又は少なくとも大部分が、第1のフィンガープリントモデルのモデルパラメータ、及び第2のフィンガープリントモデルのモデルパラメータを決定することを可能にするように、サンプリングスキームが最適化され得る。
【0110】
[000109] 前の段落に記載したような方法に加えて、又は上記方法の代替として使用することができる、別の最適化方法は、ある点の測定値を省く、又は変更する影響をチェックし、及び第1のランに基づいて(したがって、多数のサンプリング点を使用して)最初に決定されたモデルパラメータに対して、それがどのような影響を与えるかを決定することである。第1のフィンガープリントモデルのモデルパラメータ及び第2のフィンガープリントモデルのモデルパラメータの両方に大きな影響がある場合、これは、本発明の一実施形態を実施するためのサンプリング点としての資格があるサンプリング点である。
【0111】
[000110] 他の追加の方法、又は代替の方法も可能である。
【0112】
[000111] 任意選択的に、第1のフィンガープリントモデルは、グローバルフィンガープリントモデルであり、及び第2のフィンガープリントモデルは、ローカルフィンガープリントモデルである。
【0113】
[000112] 例えば、第1のフィンガープリントモデルが関連する基板の第1の部分は、基板Wの上面(すなわち、フォーカス除外エリアが存在する場合に、フォーカス除外エリアを全く含まない、照射される予定の、又は照射された基板Wに対する上面の部分)であり、第2のフィンガープリントモデルが関連する基板Wの第2の部分は、例えば、フィールドである。
【0114】
[000113] 代替的に、例えば、第1のフィンガープリントモデルが関連する基板の第1の部分は、基板Wの上面(すなわち、フォーカス除外エリアが存在する場合に、フォーカス除外エリアを全く含まない、照射される予定の、又は照射された基板Wに対する上面の部分)であり、第2のフィンガープリントモデルが関連する基板Wの第2の部分は、例えば、ダイである。
【0115】
[000114] 代替的に、例えば、第1のフィンガープリントモデルが関連する基板の第1の部分は、基板Wの上面(すなわち、フォーカス除外エリアが存在する場合に、フォーカス除外エリアを全く含まない、照射される予定の、又は照射された基板Wに対する上面の部分)であり、第2のフィンガープリントモデルが関連する基板Wの第2の部分は、例えば、セルである。
【0116】
[000115] 代替的に、例えば、第1のフィンガープリントモデル、又は第2のフィンガープリントモデルは、リソグラフィ装置補正能力モデルである。
【0117】
[000116] リソグラフィ装置補正能力モデルは、リソグラフィ装置が基板に対して適用することができる補正能力を表すモデルでもよい。例えば、ダイ内フィンガープリントは、全ウェーハフィンガープリントをゆっくりと変化させることと比べて、補正がより難しい場合がある。第1又は第2のフィンガープリントモデルとして、このようなリソグラフィ装置補正能力モデルを使用することによって、本発明に従って決定されるサンプリング点は、リソグラフィ装置によって補正することができるフィンガープリント成分のみを識別することができる。これは、このように選ばれたサンプリング場所が、リソグラフィ装置によって補正可能なフィンガープリント成分のみを識別し、リソグラフィ装置によって補正することができない他のフィンガープリント成分は識別しないため、サンプリング場所の選択がより効果的となることを可能にする。
【0118】
[000117] 代替的に、例えば、第1のフィンガープリントモデル及び/又は第2のフィンガープリントモデルは、物理モデルでもよい。物理モデルは、例えば、応力プロファイルモデル、又はその他のプロセスモデルでもよい。
【0119】
[000118] 例えば、応力プロファイルモデルは、基板全体にわたる、又は基板の一部(例えば、1つのフィールド、1つのサブフィールド、1つのダイ、1つのセル、又は複数のフィールド、複数のサブフィールド、複数のダイ、複数のセル)にわたる応力分布を表すモデルでもよい。ある特定の半導体製造プロセス(例えば、コーティング、ベーキング、CMP、現像、又はエッチング)が、基板の一部又は全体に関する応力分布を導入すると、応力によって生じた、対応するフィンガープリントが、第1のフィンガープリントモデル及び/又は第2のフィンガープリントモデルの少なくとも一方が応力プロファイルモデルである本発明によって決定されたサンプリング場所で行われる測定によって効果的に識別される。同様に、半導体製造プロセスによって誘起される、その他のタイプのフィンガープリント成分は、第1のフィンガープリントモデル及び/又は第2のフィンガープリントモデルが半導体製造プロセスモデルに対応するプロセスモデルである本発明によって識別され得る。
【0120】
[000119] 代替的に、例えば、第1のフィンガープリントモデル及び/又は第2のフィンガープリントモデルは、プロセスフィンガープリントに関連する。
【0121】
[000120] 例えば、第1のフィンガープリントモデル及び/又は第2のフィンガープリントモデルは、半導体製造プロセスによって誘起される、基板の一部又は全体に関するプロセスフィンガープリントに関連してもよい。プロセスフィンガープリントは、第1のフィンガープリントモデル及び/又は第2のフィンガープリントモデルがプロセスフィンガープリントに関連する本発明によって決定されたサンプリング場所で行われる測定によって効果的に識別される。プロセスフィンガープリントは、例えば、1つ又は複数の同じ/異なるウェーハ又はロットの1つ又は複数の基板上で測定された、オーバーレイエラーの現像後検査(ADI(After Development Inspection))、及びエッチング後検査(AEI(After Etch Inspection))オーバーレイエラー間の非ゼロオフセットによって表され得る。
【0122】
[000121] 代替的に、例えば、第1のフィンガープリントモデルが関連する基板の第1の部分は、基板Wのフィールドであり、及び第2のフィンガープリントモデルが関連する基板Wの第2の部分は、例えば、ダイである。
【0123】
[000122] 代替的に、例えば、第1のフィンガープリントモデルが関連する基板の第1の部分は、基板Wのフィールドであり、及び第2のフィンガープリントモデルが関連する基板Wの第2の部分は、例えば、セルである。
【0124】
[000123] 代替的に、例えば、第1のフィンガープリントモデルが関連する基板の第1の部分は、基板Wのダイであり、及び第2のフィンガープリントモデルが関連する基板Wの第2の部分は、例えば、セルである。
【0125】
[000124] 代替的に、例えば、第1のフィンガープリントモデルが関連する基板の第1の部分は、基板Wのフィールドであり、及び第2のフィンガープリントモデルが関連する基板Wの第2の部分は、例えば、サブフィールドである。
【0126】
[000125] 代替的に、例えば、第1のフィンガープリントモデルは、基板の内側部分にわたって性能パラメータの挙動を表すように構成され、及び第2のフィンガープリントモデルは、基板のエッジにおける性能パラメータの挙動を表すように構成される。
【0127】
[000126] 任意選択的に、第1の部分及び第2の部分は、少なくとも部分的に互いに重なる。
【0128】
[000127] 任意選択的に、第1の部分及び/又は第2の部分は、半導体基板内にある、又は半導体基板の上面にある照射層の少なくとも一部である。
【0129】
[000128] 任意選択的に、第2の部分は、1つのフィールド、複数のフィールド、1つのサブフィールド、複数のサブフィールド、1つのダイ、複数のダイ、1つのダイの一部、複数のダイの複数の部分、1つのセル、複数のセル、1つのセルの一部、又は複数のセルの複数の部分の1つである。
【0130】
[000129] 任意選択的に、第1のフィンガープリントモデルは、グローバルモデルであり、及び第2の部分は、1つのフィールド、複数のフィールド、1つのサブフィールド、複数のサブフィールド、1つのダイ、複数のダイ、1つのダイの一部、複数のダイの複数の部分、1つのセル、複数のセル、1つのセルの一部、又は複数のセルの複数の部分の1つである。さらにもっと任意選択的に。
【0131】
[000130] 任意選択的に、第1の部分は、基板Wの上面(すなわち、フォーカス除外エリアが存在する場合に、フォーカス除外エリアを全く含まない、照射される予定の、又は照射された基板Wに対する上面の部分)であり、及び第2の部分は、1つのフィールド、複数のフィールド、1つのサブフィールド、複数のサブフィールド、1つのダイ、複数のダイ、1つのダイの一部、複数のダイの複数の部分、1つのセル、複数のセル、1つのセルの一部、又は複数のセルの複数の部分の1つである。
【0132】
[000131] 任意選択的に、第1の部分は、複数のフィールドであり、及び第2の部分は、1つのフィールド、1つのサブフィールド、複数のサブフィールド、1つのダイ、複数のダイ、1つのダイの一部、複数のダイの複数の部分、1つのセル、複数のセル、1つのセルの一部、又は複数のセルの複数の部分の1つである。
【0133】
[000132] 任意選択的に、第1の部分は、1つのフィールドであり、及び第2の部分は、1つのサブフィールド、複数のサブフィールド、1つのダイ、複数のダイ、1つのダイの一部、複数のダイの複数の部分、1つのセル、複数のセル、1つのセルの一部、又は複数のセルの複数の部分の1つである。
【0134】
[000133] 任意選択的に、第1の部分は、複数のサブフィールドであり、及び第2の部分は、1つのサブフィールド、1つのダイ、複数のダイ、1つのダイの一部、複数のダイの複数の部分、1つのセル、複数のセル、1つのセルの一部、又は複数のセルの複数の部分の1つである。
【0135】
[000134] 任意選択的に、第1の部分は、1つのサブフィールドであり、及び第2の部分は、1つのダイ、複数のダイ、1つのダイの一部、複数のダイの複数の部分、1つのセル、複数のセル、1つのセルの一部、又は複数のセルの複数の部分の1つである。
【0136】
[000135] 任意選択的に、第1の部分は、複数のダイであり、及び第2の部分は、1つのダイ、1つのダイの一部、複数のダイの複数の部分、1つのセル、複数のセル、1つのセルの一部、又は複数のセルの複数の部分の1つである。
【0137】
[000136] 任意選択的に、第1の部分は、1つのダイであり、及び第2の部分は、1つのダイの一部、複数のダイの複数の部分、1つのセル、複数のセル、1つのセルの一部、又は複数のセルの複数の部分の1つである。
【0138】
[000137] 任意選択的に、第1の部分は、複数のダイの複数の部分であり、及び第2の部分は、1つのセル、複数のセル、1つのセルの一部、又は複数のセルの複数の部分の1つである。
【0139】
[000138] 任意選択的に、第1の部分は、複数のセルであり、及び第2の部分は、1つのセル、1つのセルの一部、又は複数のセルの複数の部分の1つである。
【0140】
[000139] 任意選択的に、第1の部分は、1つのセルであり、及び第2の部分は、1つのセルの一部、又は複数のセルの複数の部分の1つである。
【0141】
[000140] 任意選択的に、第1の部分は、複数のセルの複数の部分であり、及び第2の部分は、1つのセルの一部である。
【0142】
[000141] 第1の部分及び第2の部分は、サンプリング点が有するよりも大きな面積を有する。
【0143】
[000142] 任意選択的に、第1のフィンガープリントモデルは、グローバルモデルであり、第2のフィンガープリントモデルは、基板エッジモデルであり、第3の部分は、フィールドであり、及び第4の部分は、サブフィールドである。
【0144】
[000143] 性能パラメータは、例えば、オーバーレイエラー、クリティカルディメンジョン(例えば、ライン幅)、アライメントパラメータ(アライメントマーク位置)、側壁角、エッジラフネス、エッジ配置誤差、及び/又はフォーカス(エラー)である。
【0145】
[000144] 任意選択的に、第1のフィンガープリントモデル及び/又は第2のフィンガープリントモデルは、少なくとも1つのさらなるパラメータの空間分布にさらに関係する。
【0146】
[000145] 例えば、少なくとも1つのさらなるパラメータは、モデルの予測不確実性、例えば、正規化モデル不確実性、G最適性、最小二乗誤差、及び/又は移動標準偏差である。
【0147】
[000146] サンプリングスキームを確立する方法を提供することに加えて、本発明の一態様は、性能パラメータをモデル化するために適切なモデルを確立又は決定することに関する。一般に、性能パラメータのフィンガープリント、又はより具体的には、性能パラメータのフィンガープリントモデルは、基底形状又は関数の結合によって定義することができる。このような基底形状又は関数は、例えば、多項式、又はスプライン若しくは他の数学関数を含み得る。一般に、軌道に沿って、又はあるエリアにわたって測定された現象をモデル化することは、その軌道に沿った、又はそのエリアにわたる関数の基底形状の線形又は非線形結合(例えば、重み付け結合)の最良フィットを決定することを伴い得る。理解されるように、フィッティングに関与すると考えられる基底形状が多いほど、より多くの測定データが利用可能である必要がある。例えば、X方向に沿って測定された性能パラメータPを表す測定の1セットを用いて、5次多項式をフィットさせたい場合、決定される必要がある6つの変数、すなわち、p0~p5が存在する。
P=p0+p1.x+p2.x+p3.x+p4.x+p5.x (1)
【0148】
同様のやり方で、性能パラメータは、スプライン関数Ciの1セットを用いてモデル化され得る。
P=p1.C+p2.C+p2.C (2)
【0149】
したがって、多数の基底形状又は関数がフィッティングプロセスに関与する場合には、それは、適用モデルの変数又はパラメータを決定するために、少なくとも等しい数の多数の測定を必要とし得る。測定データに対するフィンガープリントモデルのフィッティングを達成するために適用される変数又はパラメータは、重み係数とも呼ばれることがあることに留意されたい。したがって、基底形状又は関数の結合を含むモデル又はフィンガープリントモデルのフィッティングは、測定されたデータセットに可能な限り良好に対応する、基底形状又は関数の重み付け結合を決定することに対応する。
【0150】
この場合、基底形状の重み付け結合は、測定データのフィンガープリントモデル、例えば、オーバーレイエラー、クリティカルディメンジョン、側壁角などの、ある特定の性能パラメータのフィンガープリントモデル又はフィンガープリントと呼ばれ得る。
【0151】
モデルをモデル化すること、又は構築することに関して、多数の基底関数を使用することは、大きなフィッティングの自由をもたらすこと、すなわち、それによって、多種多様な形状にモデルが調整されることが可能となるが、それが、多数の変数、パラメータ、又は重み係数の決定を必要とするため、モデルの構築において、多少の複雑さを生じさせるという欠点を有することが指摘され得る。
【0152】
フィンガープリントモデルが、基板のサブフィールドの性能パラメータを表す場合には、それは、基板の各サブフィールドのフィンガープリントモデルを決定するために、多数の測定を必要とし得ることが理解されるだろう。モデルを決定するために多数の測定を必要とすることは、ノイズ感度も増加させ得る。
【0153】
本発明のある実施形態では、基板の幾つかのフィールド又はサブフィールドのフィンガープリントモデルを取得するために必要とされる測定数を減少させるための手法が提案される。提案された手法は、基板のサブフィールドにわたる性能パラメータPは、サブフィールドごとに異なり得るが、異なる複数のサブフィールドにおける性能パラメータの全体形状は、強い類似性を示し得るという洞察に基づく。これにより、別のサブフィールドに関するフィンガープリントモデルを導出するために、以前に決定されたフィンガープリントモデル、例えば、ある特定のサブフィールドのフィンガープリントモデルを少なくとも部分的に維持することで十分であり得ることが本発明者らによって考案された。
【0154】
したがって、そのような実施形態では、新しいモデル全体、すなわち、全ての変数又は重み係数がまだ決定されていないモデルをフィッティングするのではなく、初期フィンガープリントモデルと呼ばれる、以前に決定されたモデルの特定の態様を維持又は保持し、それによって、新しいモデルに関して決定される必要がある変数の数を減少させることができる。
【0155】
これは、以下のように示すことができる。
【0156】
上述の5次多項式フィッティングに言及して、基板の特定のサブフィールドS0に関して、フィッティングが既に行われており、以下のように表すことができる上記サブフィールドに関するモデル又はフィンガープリントが得られると仮定する。
P(S0)=a0+a1.x+a2.x+a3.x+a4.x+a5.x (3)
【0157】
a0、a1、a2、a3、a4、及びa5は、サブフィールドS0にわたって測定された性能パラメータPの最適フィッティングをもたらす固定パラメータである。サブフィールドS0は、例えば、基板のサブフィールドにわたって性能パラメータPをモデル化するための初期フィンガープリントモデル又は基準フィンガープリントモデルと呼ばれることがある、フィンガープリントモデルP(S0)をもたらす、式(1)のモデルのフィッティングパラメータを決定するために使用される基準サブフィールドと呼ばれることがある。
【0158】
本発明のある実施形態によれば、別のサブフィールド、例えばサブフィールドS1に関する性能パラメータPのフィンガープリントモデルは、ここでは以下のように決定され得る。
P(S1)=p.(a0+a1.x+a2.x+a3.x+a4.x+a5.x) (4)
【0159】
は、サブフィールドS1の性能パラメータPの測定に対するモデル(a0+a1.x+a2.x+a3.x+a4.x+a5.x)の最適フィットを取得するために決定される変数又はパラメータである。pは、本明細書では形状パラメータとも呼ばれる。
【0160】
提示した例では、サブフィールドS1の性能パラメータPをモデル化するために使用されるモデルの形状は固定され、モデルの振幅のみが、式(4)のモデルをサブフィールドS1の性能パラメータPの測定データにフィッティングすることによって決定することができる変数pによって変化し得る。より数学的に表現すると、初期フィンガープリントモデルのパラメータa0~a5を固定することによって、モデルの異なる基底関数間の比率が固定され、又は使用される異なる基底関数の相対的重みが固定されるか、若しくは一定に保たれることを観察することができる。これにより、フィンガープリントモデルの形状は固定され、又は維持される。
【0161】
当業者によって理解されるように、サブフィールドS1に関するフィンガープリントモデルP(S1)、具体的にはモデルの形状は、振幅は別として、実質的に固定されるため、モデルのフィッティングのために、大きな測定データセットを有する必要がない。提示した例から分かるように、サブフィールドS1に関するフィンガープリントモデルを完全に決定するために、たった1つの変数pが決定される必要がある。原理上は、形状パラメータ又は変数pを決定するために、サブフィールドS1に対して行われる性能パラメータの1つの測定を行うことで十分である。
【0162】
したがって、提示した例では、適用されるモデルの形状は、性能パラメータPを表すフィンガープリントモデルの振幅のみが変化し、又はある特定のサブフィールドに関してモデル化され得るように、実質的に固定される。
【0163】
上記のプロセスによって開発された、そのようなフィンガープリントモデルは、測定された性能パラメータ、例えば、測定されたオーバーレイエラーが、異なる複数のサブフィールドにわたって実質的に同じ形状を有することが観察される場合に、有利に適用され得る。
【0164】
サブフィールドにわたる性能パラメータを表すフィンガープリント又はモデルの実際の形状が、基板にわたって実質的に一定に保たれないことが観察される場合には、適用されるフィンガープリントモデルに追加の柔軟性又は可変性を導入することが必要となり得る。そのような場合、適用されるモデルの形状を完全に固定又は凍結するのではなく、式(1)に従った一般モデルを使用することに比べて、より制限されはするが、形状も変化することを可能にすることができる。
【0165】
モデルの形状が完全に固定されるのではなく、ある程度変化し得る、このようなモデルの例は、以下の通りである。
P(S1)=pS1.(a0+a1.x+a2.x)+pS2.(a3.x+a4.x+a5.x
P(S1)=pS1.(a0+a1.x+pS2.a2.x+a3.x+a4.x+a5.x
P(S1)=pS1.(a0+a1.x+a2.x+a3.x+a4.x)+pS2.x (5)
【0166】
式(5)の一番上の式では、3次、4次、及び5次基底関数の相対的重みだけでなく、0次、1次、及び2次基底関数の相対的重みも、固定され、又は一定に保たれることが観察され得る。それにより、決定される形状パラメータ又は変数pSiの数が、6から2に減少する。一般に、適用される基底関数の内の2つの相対的重みを固定すること、又はそれらの2つの基底関数の比率を一定に保つことによって、決定される必要がある1つの変数又はパラメータを除外することができると言うことができる。
【0167】
同様のやり方で、スプライン関数に基づくモデル又はフィンガープリントを、ある特定のサブフィールドに関して決定することができ、このモデルを他のサブフィールドをモデル化するために使用することができ、そこでモデルの形状をある程度維持するか又は固定する。
【0168】
そのような実施形態では、基板の特定のサブフィールドS0に関するフィンガープリント又はモデルは、そのサブフィールドにわたって複数の測定を行うことによって決定することができ、以下のように表すことができる上記サブフィールドS0に関するモデル又はフィンガープリントが得られる。
P(S0)=a1.C+a2.C+a2.C (6)
【0169】
これにより、a1、a2、及びa3は、ここでは、サブフィールドS0にわたって測定された性能パラメータPの最適フィッティングをもたらす固定パラメータである。
【0170】
本発明のある実施形態によれば、サブフィールドS1に関する性能パラメータPのモデルは、ここでは、以下のように決定され得る。
P(S1)=p.(a1.C+a2.C+a2.C) (7)
【0171】
は、サブフィールドS1の性能パラメータPの測定に対するモデル(a1.C+a2.C+a2.C)の最適フィットを取得するために決定される変数である。
【0172】
式7によって提示した例では、モデルの形状は、実質的に固定され、そのため、別のサブフィールド、例えばサブフィールドS1をモデル化する際に、適用モデルの振幅のみが、変数と見なされる。
【0173】
多項式モデルに関して述べたやり方と類似して、スプライン関数に基づくモデルも、基板にわたるモデルの特定の変動を考慮するように適応し得る。したがって、サブフィールドにわたる性能パラメータを表すフィンガープリント又はモデルの実際の形状が、基板にわたって実質的に一定に保たれないことが観察される場合には、適用されるモデルに追加の柔軟性又は可変性を導入し得る。そのような場合、適用されるモデルの形状を完全に固定又は凍結するのではなく、式(1)に従った一般モデルを使用することに比べて、より制限されはするが、形状も変化することを可能にすることができる。
【0174】
モデルの形状が完全に固定されるのではなく、ある程度変化し得る、このようなスプライン関数に基づいたモデルの例は、以下の通りである。
P(S1)=pS1.(a1.C+pS2.a2.C+a2.C
P(S1)=pS1.(a1.C+a2.C)+pS2.C) (8)
【0175】
したがって、多項式モデル及びスプライン関数に基づくモデルの両方、又は基底関数の線形又は非線形結合として定義される他のモデルに関して、基板上の複数のサブフィールドに関して性能パラメータをモデル化するプロセスは、ある特定のサブフィールド、又は特定のサブフィールドの1セットに関してモデル又はフィンガープリントを決定することから始まり得る。本発明のある実施形態では、基板上の複数の場所にわたり測定され得る、及び/又は複数の基板にわたり測定され得る、基準サブフィールドの一群が使用される。複数のサブフィールドにわたる測定は、平均値が求められ得る。ある実施形態では、これらの基準サブフィールドは、期待される形状の良好な表現を提供するように選択される。この初期フィンガープリントは、一度決定されるだけでよく、及び他のサブフィールドのモデル化に大いに使用されるため、サブフィールドにわたって、フィンガープリント又は性能パラメータの詳細な測定を行う価値があり得る。この初期フィンガープリント又は基準フィンガープリントは、例えば、訓練データ及び検証データなどの利用可能な測定データを使用して、初期セットアップ段階中に決定され得る。
【0176】
一旦初期又は基準フィンガープリント又はフィンガープリントモデルが決定されると、それを使用して、別のサブフィールドのフィンガープリントモデルを決定することができ、その場合、それは、他のサブフィールドに関するフィンガープリントモデルにおいて、初期フィンガープリントモデルの形状の少なくとも一部を維持又は固定するという制約を考慮して、限られた測定のセットのみを必要とする。
【0177】
このプロセスは、図7に示される。図7は、サブフィールドに対して行われた測定に基づいて決定された、例えばX方向に沿った、サブフィールドにわたる性能パラメータPを表すフィンガープリント500を概略的に示す。
【0178】
したがって、フィンガープリント500は、基準フィンガープリントと見なすことができ、その形状は、他のサブフィールドのフィンガープリントの形状にも対応すると見なされる。そのため、基板の別のサブフィールドのフィンガープリントが実質的に同じ形状を有すると仮定すると、別のサブフィールドのフィンガープリントは、例えば、グラフ510又はグラフ520に対応し得る(グラフ510及び520は、基準フィンガープリントとは振幅のみが異なる)。当業者には理解されるように、サブフィールドに関する実際のフィンガープリントを決定するために(これによって、フィンガープリントの形状が予め決定される)、1つの測定を行うだけでよい。図7を参照して、ある特定の場所におけるフィンガープリントモデルの実際の振幅、例えば、x=x1における振幅P1を知り、及びフィンガープリント500がx=x1で測定値P1を含むようにフィンガープリント500をスケーリングすることで十分である。
【0179】
サブフィールドの実際のフィンガープリントを決定するために、限られた測定のセットのみが必要とされるため、サブフィールドの実際のフィンガープリントを決定するために、選択された測定が十分な情報を提供すること、又は好ましくは最も関連性のある情報を提供することを確実にすることが重要である。一例として、性能パラメータの比較的高い振幅が予期される場所で、サブフィールド性能パラメータのサンプリング又は測定を行うことが好ましい場合がある。そのような場所で測定を行うことは、例えば、信号対雑音比が低い場所に対応し得る。対照的に、性能パラメータの低振幅が予期される場所で測定が行われる場合、フィンガープリントが決定され得る精度は、低い場合がある。図7に提示した例に関して、x=x2又はx=x3付近で測定を行うことは、探し求められるフィンガープリントの振幅に関する情報を与えてくれる測定を提供しないことが明らかである。
【0180】
ノイズの影響を軽減するため、又は測定に何らかの形態の冗長性を含めるために、正確に必要とされるよりも多くの測定を行うことが望ましい場合がある。追加の測定を行うことは、フィンガープリント500の予め決定された形状が有効又はまだ有効であるか否かをチェックする可能性も提供する。したがって、冗長な測定は、フィンガープリントの予め決定された形状がまだ有効であるか、或いは調節されるべきかを検出する可能性を提供する。図7を参照して、フィンガープリントモデル500に関して、x=x4及びx=x5で行われた測定は、同じ性能パラメータP2を提供することを観察することができる。そのため、測定が、場所x=x4及びx=x5において、別のサブフィールドに対して行われる場合、同じ性能パラメータ測定を取得することが予期される。このような測定が異なる値をもたらす場合には、これは、上記他のサブフィールドの形状が、基準として使用されるフィンガープリントモデルの形状に対応していないしるしと見なされ得る。したがって、これは、形状が再構成又は調節される必要があり得るしるしの場合がある。
【0181】
上記で提示した例は、どのようにフィンガープリントモデルが、ある特定のサブフィールドに関して予め決定され、及び他のサブフィールドに関するフィンガープリントモデルの決定のためにさらに使用され得、それによって、初期フィンガープリントモデルの形状の少なくとも一部が維持されるかを説明している。
【0182】
[000147] 同じ手法が、よりグローバルな現象、すなわち、基板の表面全体にわたり広がる現象のモデル化にも適用され得ることが当業者には理解されるだろう。このような実施形態では、例えば、広範囲に及ぶ測定データのセットに基づいて、ある特定の性能パラメータを特徴付けるグローバルフィンガープリントモデルを決定することができる。このようなグローバルフィンガープリントモデルは、後に、さらなる基板の性能パラメータのモデル化に使用することができ、それによって、初期グローバルフィンガープリントモデルの形状の少なくとも一部が、上述のやり方に類似して、維持又は固定される。
【0183】
[000148] 上述のやり方に類似して、グローバルフィンガープリントモデルは、多項式又はスプライン関数などの基底形状又は関数の1セットを利用することができる。スプライン関数の使用に関して、スプライン関数に基づいたモデルが、大きなフィッティングの自由を提供すると言うことができる。それにより、特定の分析形状が未知である場合に、特定の形状を表す柔軟なやり方が可能となる。
【0184】
[000149] 上記では、ある特定のフィンガープリントモデルが、ある特定のサブフィールドに関して開発又は決定され、及び他のサブフィールドのモデル化のためにさらに使用され得、それによって、上記特定のフィンガープリントモデルのモデルの形状をある程度維持することに言及した。例えば、性能パラメータP(S1)に関するフィンガープリントモデル使用の形状が固定されると仮定される、すなわち、a0、a1、a2、a3、a4、及びa5が、サブフィールドS0にわたって測定された性能パラメータPの最適フィッティングによって得られた固定パラメータである、式(4)に言及することができる。
【0185】
[000150] 上述の通り、このような固定モデルの使用は、サブフィールド性能パラメータのモデル化のために使用されるローカルフィンガープリントモデルの形状が実質的に一定のままであると仮定する。
【0186】
[000151] しかしながら、本発明のある実施形態では、基板全体にわたって使用されるフィンガープリントモデルの変動を考慮することが可能である。このような実施形態では、フィンガープリントモデルを構成する変数又は形状パラメータPSiは、一定ではなく、むしろ、基板全体にわたり変化し得る関数である。これらのパラメータを一定に保つのではなく、それらが基板全体にわたり変化し得ると考えることができ、広範囲に及ぶ測定データのセットを使用して、これらのパラメータに関して観察される変動に対してグローバルモデルをフィットさせることができる。言い換えれば、サブフィールドのフィンガープリントモデルを表すために使用されるパラメータのそれぞれが、基板全体にわたり変化し得る関数、例えば2次元関数と見なされ得る。このような変動は、サブフィールドモデルに関して説明したやり方と実質的に類似して、すなわち、多項式関数又はスプライン関数などの複数の基底関数を使用して、モデル化され得る。
【0187】
[000152] ローカル又はグローバルフィンガープリントモデルを決定するための上記で提示した例では、以下のステップが認識され得る。
【0188】
[000153] 第1のステップでは、半導体基板の一部分にわたる性能パラメータの空間分布に関する初期フィンガープリントモデルが、複数の基底関数のパラメータ化結合として定義される。このようなモデルの例は、例えば、式(1)及び(2)に見られる。
【0189】
[000154] 第2のステップでは、初期フィンガープリントモデルのパラメータは、半導体基板の上記部分の例にわたって性能パラメータを表す測定セットを使用して決定される。
【0190】
[000155] 第3のステップでは、上記部分にわたって性能パラメータをモデル化するためのフィンガープリントモデルが、初期フィンガープリントモデルに基づいて決定され、それによって、初期フィンガープリントモデルで使用される少なくとも2つの基底関数の比率が一定に保たれる。
【0191】
[000156] この第3のステップは、上記部分にわたって性能パラメータをモデル化するためのフィンガープリントモデルが、初期フィンガープリントモデルに基づいて決定され、それによって、初期フィンガープリントモデルの形状の少なくとも一部がフィンガープリントモデルにおいて維持される、ステップとも言われ得る。
【0192】
[000157] 本発明のある実施形態では、ローカルフィンガープリントモデル、グローバルフィンガープリントモデル、又はその両方のモデル化のために、性能パラメータのフィンガープリントをモデル化するためのルジャンドル多項式が使用される。
【0193】
[000158] 上記で既に述べたように、現在では、オーバーレイなどの性能パラメータは、基板全体に関して決定され、及びモデル化され、その結果、グローバルフィンガープリントモデルと呼ばれるものが得られ、後に、いわゆる高度プロセス制御(APC)で使用される。基板全体にわたる性能パラメータのモデル化のために使用されるようなモデルは、例えば、多項式モデル、すなわち、使用される基底関数が多項式(例えば、低次多項式)であるモデルでもよい。高度プロセス制御(APC)の例は、例えば、米国特許出願公開第2012008127A1号に記載されている。
【0194】
[000159] サブフィールドレベルで補正又は制御を適用するために、上述のようなローカルフィンガープリントモデルを開発することができる。本発明のある態様によれば、高密度測定又はサンプリングスキームを有する必要なしに、例えばAPCに使用されるグローバルフィンガープリントモデル、及びローカルフィンガープリントモデル(すなわち、ダイ又はサブフィールドレベルで)の両方を決定することが可能な最適サンプリングスキームを決定することができる。上述の通り、性能パラメータPのローカル変動をモデル化するために使用されるフィンガープリントモデル、例えばサブフィールドフィンガープリントモデルは、多項式基底関数を使用して決定することもできる。グローバルフィンガープリントモデル及びローカルフィンガープリントモデルの両方が多項式関数又は基底関数を利用する場合には、クロストークが生じ得ることが本発明者らによって観察された。両モデルがデカルト多項式又は基底関数を使用して決定される場合は、ローカルフィンガープリントモデルが、例えばAPCに使用されるグローバルフィンガープリントモデルと区別できない場合がある。その結果、グローバルフィンガープリントモデルに行われた変更は、ローカルフィンガープリントモデルに影響を与える場合があり、その逆も同様であり、ローカルフィンガープリントモデルパラメータの見直し又は再測定を必要とし得る。
【0195】
[000160] このようなクロストークを回避するため、又は少なくとも軽減するために、本発明のある実施形態では、グローバルフィンガープリントモデルとは異なる基底関数を使用して、ローカルフィンガープリントモデルをモデル化することが提案される。
【0196】
[000161] 本発明のこのような実施形態は、例えば、
基底関数の第1のセットのパラメータ化結合として、基板の第1の部分にわたる性能パラメータの第1の空間分布に関する第1のフィンガープリントモデルを定義することと、
基底関数の第2のセットのパラメータ化結合として、基板の第2の部分にわたる性能パラメータの第2の空間分布に関する第2のフィンガープリントモデルを定義することと、
を含み、
基底関数の第1のセットの内の1つ又は複数が、基底関数の第2のセットの内の1つ又は複数と実質的に直交する、フィンガープリントモデルを取得する方法として記載され得る。
【0197】
[000162] 具体的には、ローカルフィンガープリントのモデル化のためのルジャンドル多項式の使用により、グローバルフィンガープリントと、ローカルフィンガープリントとの間に生じるクロストークの減少を可能にすることができることが導出された。具体的には、均一に分布した無数の測定の場合には、クロストークがゼロにまで減少することが示され得る。有限数、例えば、比較的少数の測定の適用は、それでも、クロストークの重要な減少をもたらし得る。ルジャンドル多項式の適用は、位置境界条件を定義することを必要とする。ある実施形態では、適用されるルジャンドル多項式の位置境界条件は、-1~1に設定される。それにより、0次多項式及び1次多項式が、下の表に示されるように、デカルト多項式の場合と同じである、ルジャンドル多項式の1セットを定義することが可能である。
【0198】
【表1】
【0199】
それにより、APC、及びルジャンドル多項式によって定義される、より高次のパラメータに使用される、グローバルフィンガープリントモデルの0次多項式と1次多項式との間のクロストークを減少させることが可能である。それにより、グローバルフィンガープリントモデルの成分と、ローカルフィンガープリントモデルの成分の分離が確立され得る。デカルト多項式が同じ位置境界条件[-1,1]と共に使用される場合も、ルジャンドル多項式は、デカルト多項式に簡単に変換することができ、その逆も同様である。使用されたフィンガープリントモデルの成分の分離の結果、一方のモデルのパラメータの修正又は補正が、他方のモデルに実質的に影響を与えることなく行われ得る。具体的には、使用されるフィンガープリントモデルは、より低次のパラメータを有するモデル、及びより高次のパラメータを有するモデルに分解することができる。一例として、APC制御に使用されるフィンガープリントモデルは、例えば、0次パラメータ及び1次パラメータを含んでもよく、サブフィールドに関するフィンガープリントモデルは、より高次(>1)のパラメータを含んでもよい。このような分解は、適用モデルの決定、修正、又は補正を行うためのサンプリング戦略を決定するために有利に適用され得る。高度プロセス制御が、低次パラメータのみを有するフィンガープリントモデルに基づく場合、これらの低次パラメータは、より少ない測定を用いて更新することができ、より高次のパラメータを有するモデルの使用は、更新のために、より多くの測定を必要とし得る。分解は、安定性などのモデルの特定の特徴を考慮するためにも使用され得る。モデルパラメータ間のクロストークが少なければ、パラメータを個別にモニタリングすることがより簡単であることが分かっている。そのため、サブフィールドフィンガープリントモデル、具体的には、それらのより高次の成分が、経時的に比較的安定していることが観察されている。例えば、これに基づいて、例えばより高次のルジャンドル多項式に関連する、より高次のパラメータが、高密度な測定であるがより低い周波数でのモデル化を必要とし、その結果測定コストを減少させることができる、サンプリング及び測定戦略を開発することができる。より低次のフィンガープリントモデルは、例えば、より少ない測定であるが、より高い周波数で更新され得る。
【0200】
[000163] 任意選択的に、サンプリング点の位置を決定することは、経時的な性能パラメータの第1及び/又は第2の空間分布のドリフトを考慮することを含む。このようなドリフトは、例えば、起動後に、幾つかの基板Wの露光中に、リソグラフィ装置の暖機により生じ得る。
【0201】
[000164] 上記に記載した実施形態の何れか1つによる方法は、もちろん、複数のサンプリング点を決定するために使用することができる。
【0202】
[000165] さらなる実施形態によれば、上記の実施形態は、サンプリングスキームを確立する方法であって、
- 上記に記載したサンプリングスキームを決定する方法の実施形態の何れか1つに従って、複数のサンプリング点を決定することと、
- 上記決定されたサンプリング点を含むサンプリングスキームを確立することと、
を含む、方法において使用され得る。
【0203】
[000166] この実施形態に従って確立されたサンプリングスキームにおいて、サンプリング点が効果的に使用される。第1のフィンガープリントモデル及び第2のフィンガープリントモデルの両方のモデルパラメータを依然として取得することができるが、サンプリング点の数は、減少する。
【0204】
[000167] 例えば、上記に記載した実施形態によって確立されたサンプリングスキームにおけるサンプリング点の数は、第1のフィンガープリントモデル及び/又は第2のフィンガープリントモデルを確立するために必要であった、又は使用されたサンプリング点の数よりも少なくとも50%少ない。
【0205】
[000168] 任意選択的に、上記に記載した実施形態によって確立されたサンプリングスキームにおけるサンプリング点の数は、第1のフィンガープリントモデル及び/又は第2のフィンガープリントモデルを確立するために必要であった、又は使用されたサンプリング点の数よりも少なくとも75%少ない。
【0206】
[000169] 確立されたサンプリングスキームは、異なるやり方で決定される、追加のサンプリング点も含み得る。
【0207】
[000170] 任意選択的に、サンプリングスキームの確立の際に、基板W上のクリティカルエリアの位置が考慮される。クリティカルエリアでは、例えば、必要とされる精度が、基板W上の他の場所よりも高く、又は許容可能なずれが、基板W上の他の場所よりも小さい。
【0208】
[000171] これは、サンプリングスキームを確立するための上記方法の一実施形態によって達成することができ、この実施形態では、上記方法は、
- 半導体基板W上の1つ又は複数のクリティカルエリアの識別と、
- 半導体基板Wの他のエリアの場合と比べて、半導体基板Wの1つ又は複数のクリティカルエリアに関して、表面エリアあたり、より多い数のサンプリング点を決定することと、
をさらに含む。
【0209】
[000172] サンプリングスキームを決定し、複数のサンプリング点を決定し、及び/又はサンプリングスキームを確立する方法の実施形態は、半導体基板から測定データを生成する方法、リソグラフィ装置を制御する方法、コンピュータプログラム、半導体基板測定装置、リソグラフィ装置、リソグラフィシステム、及びデバイス製造方法において実装され得る。
【0210】
[000173] 半導体基板から測定データを生成する方法の一実施形態では、上記に記載した方法の実施形態の1つによって決定された、1つのサンプリング点、複数のサンプリング点、及び/又はサンプリングスキームが使用される。
【0211】
[000174] 例えば、半導体基板Wから測定データを生成する方法の一実施形態は、以下のステップ:
- 上記に記載したサンプリングスキームを決定する方法の実施形態の何れか1つに従って、サンプリング点の位置を決定することと、
- 半導体基板W上のサンプリング点の場所において、性能パラメータを測定することによって、測定データを生成することと、
を含む。
【0212】
[000175] さらなる例として、半導体基板Wから測定データを生成する方法の一実施形態は、以下のステップ:
- サンプリング点の位置に関する情報を受信することであって、この位置が、上記に記載したサンプリングスキームを決定する方法の実施形態の何れか1つに従って決定されたものである、受信することと、
- 半導体基板W上のサンプリング点の場所において、性能パラメータを測定することによって、測定データを生成することと、
を含む。
【0213】
[000176] 任意選択的に、この実施形態は、生成された測定データに基づいて、第1のフィンガープリントモデルのモデルパラメータ、及び第2のフィンガープリントモデルのモデルパラメータを決定するステップをさらに含む。
【0214】
[000177] リソグラフィ装置を制御する方法の一実施形態では、上記に記載した方法の実施形態の1つによって決定された、1つのサンプリング点、複数のサンプリング点、及び/又はサンプリングスキームが使用される。
【0215】
[000178] 例えば、このような実施形態は、以下のステップ:
- 上記に記載した、半導体基板から測定データを生成する方法の一実施形態に従って、半導体基板から測定データの生成及び/又は受信を行うことと、
- 生成された測定データに基づいて、第1のフィンガープリントモデルのモデルパラメータ、及び第2のフィンガープリントモデルのモデルパラメータを決定することと、
- リソグラフィ装置に半導体基板を配置することと、
- リソグラフィ装置内の上記半導体基板上にパターンを施すことと、
- 制御入力データの基礎に基づいて、パターンを施すことを制御することであって、制御入力データが、少なくとも部分的に、第1のフィンガープリントモデルの上記モデルパラメータ、及び/又は第2のフィンガープリントモデルのモデルパラメータに基づく、制御することと、
を含む。
【0216】
[000179] リソグラフィ装置は、例えば、図1によるリソグラフィ装置である。
【0217】
[000180] 例えば、半導体基板上にパターンを施すことを制御することは、リソグラフィ装置のパターン付与システムからの露光光に対する半導体基板の移動を制御すること、及び/又は照明システムの照明光に対するパターニングデバイス、すなわちレチクルの移動を制御することを含む。半導体基板上にパターンを施すことを制御することの別の例は、パターン付与システムにおけるレンズの位置及び/又は配向を制御すること、照明システムの照明設定の制御、露光光のフォーカスの制御、及び/又は露光光のドーズの制御を含む。
【0218】
[000181] この実施形態では、測定データが生成される半導体基板は、リソグラフィ装置に配置される半導体基板と同じでもよく、又は別のものでもよい。
【0219】
[000182] 本発明の一実施形態によれば、上記で記載した方法の何れかの一実施形態を実行するように構成された機械可読命令の1つ又は複数のシーケンスを含む、コンピュータプログラムが提供される。
【0220】
[000183] 本発明の一実施形態によれば、
- 上記で記載したサンプリングスキームを決定する方法の実施形態の何れか1つに従って生成されたサンプリング点を受信することと、
- サンプリング点に対応する測定場所で半導体基板から測定データを生成するように測定装置を制御することと、
- 生成された測定データの少なくとも一部に基づいて、第1のフィンガープリントモデルのモデルパラメータ、及び第2のフィンガープリントモデルのモデルパラメータを決定することと、
を行うように構成された機械可読命令の1つ又は複数のシーケンスを含む、コンピュータプログラムが提供される。
【0221】
[000184] 本発明の一実施形態によれば、
- 上記で記載したサンプリングスキームを決定する方法の実施形態の何れか1つに従って決定されたサンプリング点に対応する測定場所における半導体基板からの測定データを受信することと、
- 受信された測定データの少なくとも一部に基づいて、第1のフィンガープリントモデルのモデルパラメータ、及び第2のフィンガープリントモデルのモデルパラメータを決定することと、
- 制御入力データの基礎に基づいて、半導体基板上にパターンを施すことを制御することであって、制御入力データが、少なくとも部分的に、第1のフィンガープリントモデルの上記モデルパラメータ、及び/又は第2のフィンガープリントモデルのモデルパラメータに基づく、制御することと、
を行うように構成された機械可読命令の1つ又は複数のシーケンスを含む、コンピュータプログラムが提供される。
【0222】
[000185] 本発明の一実施形態によれば、半導体基板測定装置が提供され、この装置は、
- 上記で記載したサンプリングスキームを決定する方法の実施形態の何れか1つに従って決定されたサンプリング点を受信するように構成された入力端子と、
- サンプリング点に対応する測定場所で半導体基板から測定データを生成するように測定装置を制御するように構成されたコントローラと、
- 生成された測定データの少なくとも一部に基づいて、第1のフィンガープリントモデルのモデルパラメータ、及び第2のフィンガープリントモデルのモデルパラメータを決定するように構成されたプロセッサと、
を含む。
【0223】
[000186] 本発明の一実施形態によれば、リソグラフィ装置が提供され、この装置は、
- 上記で記載したサンプリングスキームを決定する方法の実施形態の何れか1つに従って決定されたサンプリング点に対応する測定場所における半導体基板からの測定データを受信するように構成された入力端子と、
- 受信された測定データの少なくとも一部に基づいて、第1のフィンガープリントモデルのモデルパラメータ、及び第2のフィンガープリントモデルのモデルパラメータを決定するように構成されたプロセッサと、
- 制御入力データの基礎に基づいて、半導体基板上にパターンを施すことを制御するように構成されたコントローラであって、制御入力データが、少なくとも部分的に、第1のフィンガープリントモデルの上記モデルパラメータ、及び/又は第2のフィンガープリントモデルのモデルパラメータに基づく、コントローラと、
を含む。
【0224】
[000187] 本発明の一実施形態によれば、リソグラフィシステムが提供され、このシステムは、上記で記載した実施形態による半導体基板測定装置、及び上記で記載した実施形態によるリソグラフィ装置を含む。
【0225】
[000188] 本発明の一実施形態によれば、上記で記載した実施形態によるリソグラフィ装置を使用するステップを含む、パターニングデバイスから基板上にパターンを転写することを含む、デバイス製造方法が提供される。
【0226】
[000189] 本明細書では、ICの製造におけるリソグラフィ装置の使用が具体的に言及されることがあるが、本明細書に記載されるリソグラフィ装置は、他の適用例を有し得ることを理解されたい。可能な他の適用例には、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用のガイダンス及び検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどが含まれる。
【0227】
[000190] 本明細書では、リソグラフィ装置の状況で、本発明の実施形態が具体的に言及される場合があるが、本発明の実施形態は、他の装置で使用されてもよい。本発明の実施形態は、マスク検査装置、メトロロジ装置、又はウェーハ(若しくは他の基板)又はマスク(若しくは他のパターニングデバイス)などのオブジェクトの測定又は処理を行う装置の一部を形成し得る。これらの装置は、一般にリソグラフィツールと呼ばれ得る。このようなリソグラフィツールは、真空条件又は周囲(非真空)条件を用い得る。
【0228】
[000191] 上記では、光リソグラフィの状況における本発明の実施形態の使用が具体的に言及されたかもしれないが、本発明は、状況が許せば、光リソグラフィに限定されず、他の適用、例えばインプリントリソグラフィに使用され得ることが理解されるだろう。
【0229】
[000192] 状況が許せば、本発明の実施形態は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又はこれらの任意の組み合わせで実装されてもよい。本発明の実施形態は、1つ又は複数のプロセッサによって読み出し及び実行が行われ得る、機械可読媒体に保存された命令としても実装され得る。機械可読媒体は、機械(例えば、コンピューティングデバイス)による読み取りが可能な形式で情報の保存又は伝送を行うための任意の機構を含み得る。例えば、機械可読媒体には、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気記憶媒体、光記憶媒体、フラッシュメモリデバイス、電気、光学、音響、又は他の形式の伝搬信号(例えば、搬送波、赤外線信号、デジタル信号など)などが含まれ得る。さらに、本明細書では、ファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、命令が、特定の動作を行うと記載される場合がある。しかしながら、このような記載は、単に便宜のためであること、並びに、このような動作が、実際には、ファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、命令などを実行する、コンピューティングデバイス、プロセッサ、コントローラ、又は他のデバイスによって生じるものであり、及びそれを行う際に、アクチュエータ又は他のデバイスに物理世界と相互作用させ得ることを理解されたい。
【0230】
[000193] 本発明の具体的な実施形態を上記に記載したが、本発明は、記載された以外のやり方で実施され得ることが理解されるだろう。上記の記載は、限定ではなく、例示を意図したものである。したがって、以下に記載する請求項の範囲から逸脱することなく、記載された本発明に変更を行い得ることは、当業者には明らかとなるだろう。
【0231】
[000194] 上記の方法のステップは、図1に示されるリソグラフィ装置制御ユニットLACU内で自動化することができる。このユニットLACUは、図3に示されるようなコンピュータアセンブリを含み得る。コンピュータアセンブリは、本発明によるアセンブリの実施形態では、制御ユニットの形態の専用コンピュータでもよく、又は代替的に、リソグラフィ投影装置を制御する中央コンピュータでもよい。コンピュータアセンブリは、コンピュータ実行可能コードを含むコンピュータプログラムをロードするように配置され得る。これにより、コンピュータプログラムがダウンロードされたときに、コンピュータアセンブリが、レベルセンサ及びアライメントセンサAS、LSの実施形態を有するリソグラフィ装置の上述の使用を制御することが可能となり得る。
【0232】
[000195] プロセッサ1227に接続されたメモリ1229は、ハードディスク1261、読み出し専用メモリ(ROM)1262、電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)1263、及びランダムアクセスメモリ(RAM)1264のような幾つかのメモリコンポーネントを含み得る。上述の全てのメモリコンポーネントが存在する必要があるわけではない。さらに、上述のメモリコンポーネントが、プロセッサ1227に対して、又は互いに対して、物理的にごく近接していることが必須ではない。それらは、離れて位置してもよい。
【0233】
[000196] プロセッサ1227は、ある種のユーザインターフェース、例えば、キーボード1265、又はマウス1266にも接続され得る。タッチスクリーン、トラックボール、音声変換器、又は当業者には公知の他のインターフェースも使用され得る。
【0234】
[000197] プロセッサ1227は、フロッピーディスク1268、又はCDROM1269のようなデータキャリアから、例えば、コンピュータ実行可能コードの形式のデータを読み取り、及びある状況下では、データキャリアにデータを保存するように配置された読み取りユニット1267に接続されてもよい。DVD又は当業者には公知の他のデータキャリアが使用されてもよい。
【0235】
[000198] プロセッサ1227は、紙に出力データをプリントアウトするためのプリンタ1270、及びディスプレイ1271、例えば、当業者には公知の他のタイプのディスプレイのモニタ又はLCD(液晶ディスプレイ)にも接続され得る。
【0236】
[000199] プロセッサ1227は、入出力(I/O)を担当する送信器/受信器1273により、通信ネットワーク1272、例えば、公衆交換電話網(PSTN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、広域ネットワーク(WAN)などに接続されてもよい。プロセッサ1227は、通信ネットワーク1272を介して、他の通信システムと通信するように配置されてもよい。本発明のある実施形態では、外部コンピュータ(図示されない)、例えば、オペレータのパーソナルコンピュータは、通信ネットワーク1272を介してプロセッサ1227にログインすることができる。
【0237】
[000200] プロセッサ1227は、独立システムとして、又は並行して動作する幾つかの処理ユニットとして、実装されてもよく、各処理ユニットは、より大きなプログラムのサブタスクを実行するように配置される。また、処理ユニットは、幾つかのサブ処理ユニットを有する、1つ又は複数のメイン処理ユニットに分割されてもよい。プロセッサ1227の幾つかの処理ユニットは、他の処理ユニットから離れて位置し、通信ネットワーク1272を介して通信することさえできる。モジュール間の接続は、有線又は無線で行われ得る。
【0238】
[000201] コンピュータシステムは、本明細書で述べた機能を行うように配置された、アナログ及び/又はデジタル及び/又はソフトウェア技術を用いた任意の信号処理システムでもよい。
【0239】
[00202] 本文ではICの製造におけるリソグラフィ装置の使用についての具体的な言及がなされ得るが、本明細書で説明するリソグラフィ装置が、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用の誘導及び検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどの製造などの、他の用途を有し得ることを理解すべきである。当業者であれば、そのような代替的な用途の文脈では、本明細書での「ウェーハ」又は「フィールド」/「ダイ」という用語のいかなる使用も、より一般的な用語である「基板」又は「ターゲット部分」とそれぞれ同義であると見なされ得ることを認識するであろう。本明細書で言及される基板は、露光前又は露光後に、例えばトラック(典型的にはレジスト層を基板に塗布し、露光されたレジストを現像するツール)、メトロロジツール及び/又はインスペクションツールで処理されてもよい。適用可能であれば、本明細書における開示は、そのような基板プロセシングツール及び他の基板プロセシングツールに適用されてもよい。さらに、基板は、例えば、積層ICを生成するために、2回以上処理され得るので、本明細書で使用される基板という用語は、処理された複数の層を既に含む基板を指すこともある。
【0240】
[00203] 光リソグラフィの文脈での本発明の実施形態の使用についての具体的な言及が上記でなされたが、本発明が他の用途、例えばインプリントリソグラフィに使用され得ることと、文脈が許す限り、本発明が光リソグラフィに限定されないことが認識されるであろう。インプリントリソグラフィでは、パターニングデバイスにおけるトポグラフィが基板上に生成されるパターンを画定する。パターニングデバイスのトポグラフィは、基板に供給されたレジスト層に押し込まれてもよく、その後、電磁放射、熱、圧力又はこれらの組み合わせを加えることによりレジストを硬化させる。パターニングデバイスは、レジストが硬化された後に、レジストから外されて、レジストにパターンを残す。
【0241】
[00204] 本明細書で使用される「放射」及び「ビーム」という用語は、紫外線(UV)放射(例えば、365、248、193、157若しくは126nm又はそれらの近辺の波長を有する)及び極端紫外線(EUV)放射(例えば、5~20nmの範囲の波長を有する)、並びにイオンビーム又は電子ビームなどの、粒子ビームを含む、全てのタイプの電磁放射を包含する。
【0242】
[00205] 「レンズ」という用語は、文脈が許す限り、屈折型、反射型、磁気型、電磁型及び静電型光学コンポーネントを含む、種々のタイプの光学コンポーネントの任意の1つ又は組み合わせを指すことがある。
【0243】
[00206] 本発明の具体的な実施形態を上で説明してきたが、上で説明した以外の仕方で本発明が実施され得ることが認識されよう。例えば、本発明は、上で開示した方法を記述する機械可読命令の1つ若しくは複数のシーケンスを含むコンピュータプログラム、又はかかるコンピュータプログラムが記憶されたデータ記録媒体(例えば、半導体メモリ、磁気ディスク若しくは光ディスク)の形態をとってもよい。
【0244】
[00207] 上の説明は、限定的なものではなく例示的なものと意図されている。したがって、以下に記載する特許請求の範囲から逸脱することなく、説明した本発明に修正を加え得ることは、当業者には明らかであろう。加えて、本明細書の何れか1つの実施形態に示された、又は記載された構造フィーチャ又は方法ステップが、他の実施形態においても使用され得ることを理解されたい。
【0245】
[000208] 現在、サブフィールド補正を行うためには、サブフィールド(セル又はダイに基づく)補正のための入力として、高密度なサンプリングデータが必要とされる。さらに、エッチング後サンプリングレイアウトは、(全ウェーハフィンガープリント制御に基づく)APC制御、及び経時的な別個のダイ/平均ダイに基づく(サブフィールド)補正のために最適なサンプリングを有するように最適化されない。現在まで、両目標を達成することを目的としたサンプリングスキームは、集約的及び高価なものであった。
【0246】
[000209] 本発明の一実施形態によれば、APC制御を可能にするために、ウェーハ全体にわたり十分なカバレージを維持しながら、サンプリング点の数を減少させることを目的とした、サブフィールド補正のための最適サンプリングスキーム。
【0247】
[000210] ある実施形態によれば、基板、フィールド内、サブフィールド、ダイのグループ、1つのダイ、セルのグループ、1つのセル、及び/又はセルのサブセットにわたるフィンガープリントを使用して、サブフィールド補正のための最適サンプリングスキームを決定することができる。ある実施形態では、フィンガープリントは、基板上の複数の場所にわたり、オーバーレイエラーなどの性能パラメータの分布を表すフィンガープリントでもよい。
【0248】
[000211] 本発明のある実施形態によれば、基板、例えばウェーハのフィンガープリントは、異なる空間スケールを有する、複数(少なくとも2つ)の異なるフィンガープリントに分割されてもよい。例えば、これらのフィンガープリントは、1つの基板、基板のグループ、フィールド内フィンガープリント、サブフィールドフィンガープリント、ダイのグループ、1つのダイ、セルのグループ、1つのセル、及び/又は1つのセル内のフィーチャのサブセットにわたるフィンガープリントでもよい。最適サンプリングスキームは、少なくとも2つの異なるフィンガープリントを捕捉するように構成されたモデルの予測不確実性の測度を最小化することを目的とした、基板全体にわたるサンプル場所の選択によって決定され得る。予測不確実性の測度は、正規化モデル不確実性、G最適性、最小二乗誤差、移動標準偏差、又はその他の適切な測度でもよい。
【0249】
[000212] 最適サンプリングスキームは、代替的に、少なくとも2つのサブサンプリングスキームをそれぞれ上記のフィンガープリントの1つに対して取得すること、及びその後、サブサンプリングスキームを統合することによって決定され得る。サブサンプリングスキームを統合する際に、幾つかのサンプリング点が、最適サンプリングスキームから取り除かれてもよく、又は最適サンプリングスキームにおいて重み付けされてもよい。これは、例えば、フィンガープリントの時間的/分布/プロセス特徴を考慮することによって行われ得る。
【0250】
[000213] サブサンプリングスキームの生成は、関心のあるフィンガープリントを捕捉するように構成されたモデルの予測不確実性などの1つの、2つの、又はそれより多いパラメータを最適化することによって行うことができ、予測不確実性は、正規化モデル不確実性、G最適性、最小二乗誤差、移動標準偏差などの場合がある。
【0251】
[000214] 本発明の一実施形態では、基板に関する最適サンプリングスキームが、モデルを使用して生成され得る。モデルは、露光装置などのリソグラフィ装置を使用することによって補正できるプロファイルに関連し得る。モデルは、基板のフィンガープリントのドリフトなどの時間的影響、及び/又はプロセス履歴などのコンテキスト影響も考慮し得る。最適サンプリングスキームは、それぞれが、異なる空間スケールを有するフィンガープリントの少なくとも1つに関する、2つ以上のモデルを用いて決定され得る。
【0252】
[000215] 図4は、本発明のある実施形態を示す。最適サンプリングスキームは、サブフィールド(リソグラフィ装置の補正可能フィールド)2の最小サイズよりも小さい、関心のあるエリア1に関して生成され得る。例えば、エリア1は、セルの周りの配線などの非クリティカルフィーチャを除く、3D-NANDのクリティカルセルのみを含み得る。
【0253】
[000216] 本発明の一実施形態によれば、最適サンプリングスキームは、エッチング後サンプリングレイアウトなどの他のサンプリングレイアウトに適用され得る。本発明の一実施形態によれば、最適サンプリングスキームは、フォーカス測定などの他の測定データに適用され得る。
【0254】
[000217] 本発明は、以下の条項を使用して、さらに記述することができる。
1. サンプリングスキームを決定する方法であって、
- 半導体基板の第1の部分にわたる性能パラメータの第1の空間分布に関する第1のフィンガープリントモデルと、半導体基板の第2の部分にわたる上記性能パラメータの第2の空間分布に関する第2のフィンガープリントモデルとを取得することと、
- 第1の部分にわたる第1のフィンガープリントモデルの評価に関連する第1の不確実性メトリックの予期される減少、及び第2の部分にわたる第2のフィンガープリントモデルの評価に関連する第2の不確実性メトリックの予期される減少に基づいて、測定データを生成するための半導体基板上の測定場所に対応するサンプリング点を決定することと、
を含む、方法。
2. 第1の部分及び第2の部分が、少なくとも部分的に互いに重なる、条項1に記載の方法。
3. 第1のフィンガープリントモデルが、グローバルフィンガープリントモデルであり、及び第2のフィンガープリントモデルが、ローカルフィンガープリントモデルである、条項1又は2に記載の方法。
4. 第1の部分及び/又は第2の部分が、半導体基板内にある、又は半導体基板の上面にある照射層の少なくとも一部である、先行する条項の何れか一項に記載の方法。
5. 第2のフィンガープリントモデルが、リソグラフィ装置補正能力モデルを含む、先行する条項の何れか一項に記載の方法。
6. 第1のフィンガープリントモデル及び/又は第2のフィンガープリントモデルが、物理モデルを含む、先行する条項の何れか一項に記載の方法。
7. 物理モデルが、応力プロファイルモデルを含む、条項6に記載の方法。
8. 物理モデルが、プロセスモデルを含む、条項6又は7に記載の方法。
9. 第2のフィンガープリントモデルが、プロセスフィンガープリントと関連する、先行する条項の何れか一項に記載の方法。
10. プロセスフィンガープリントが、非ゼロオフセットを含む、条項9に記載の方法。
11. 第2の部分が、1つのフィールド、複数のフィールド、1つのサブフィールド、複数のサブフィールド、1つのダイ、複数のダイ、1つのダイの一部、複数のダイの複数の部分、1つのセル、複数のセル、1つのセルの一部、又は複数のセルの複数の部分の1つである、先行する条項の何れか一項に記載の方法。
12. 第1のフィンガープリントモデルが、グローバルモデルである、条項11に記載の方法。
13. 第1の部分がフィールドであり、及び
第2の部分がサブフィールドである、先行する条項の何れか一項に記載の方法。
14. 第1のフィンガープリントモデルが、基板内側モデルであり、及び
第2のフィンガープリントモデルが、基板エッジモデルである、先行する条項の何れか一項に記載の方法。
15. 半導体基板の第3の部分にわたる上記性能パラメータの第3の空間分布に関する第3のフィンガープリントモデルを取得することをさらに含み、
測定データを生成するための半導体基板上の測定場所に対応するサンプリング点を決定することが、第3の部分にわたる第3のフィンガープリントモデルの評価に関連する第3の不確実性メトリックの予期される減少にさらに基づく、先行する条項の何れか一項に記載の方法。
16. 第3のフィンガープリントモデルが、リソグラフィ装置補正能力モデルを含む、条項15に記載の方法。
17. 半導体基板の第4の部分にわたる上記性能パラメータの第4の空間分布に関する第4のフィンガープリントモデルを取得することをさらに含み、
測定データを生成するための半導体基板上の測定場所に対応するサンプリング点を決定することが、第4の部分にわたる第4のフィンガープリントモデルの評価に関連する第4の不確実性メトリックの予期される減少にさらに基づく、条項15に記載の方法。
18. 第1のフィンガープリントモデルが、グローバルモデルであり、
第2のフィンガープリントモデルが、基板エッジモデルであり、
第3の部分が、フィールドであり、及び
第4の部分が、サブフィールドである、条項17に記載の方法。
19. 性能パラメータが、オーバーレイエラー、クリティカルディメンジョン、アライメントパラメータ、側壁角、ラインエッジラフネス、エッジ配置誤差、及び/又はフォーカスエラーである、先行する条項の何れか一項に記載の方法。
20. 第1のフィンガープリントモデル及び/又は第2のフィンガープリントモデルが、少なくとも1つのさらなるパラメータの空間分布にさらに関係する、先行する条項の何れか一項に記載の方法。
21. 少なくとも1つのさらなるパラメータが、第1のフィンガープリントモデル及び/又は第2のフィンガープリントモデルの予測不確実性である、条項20に記載の方法。
22. 予測不確実性が、正規化モデル不確実性、G最適性基準、最小二乗誤差、及び/又は移動標準偏差であるか、又はそれらを含む、条項21に記載の方法。
23. サンプリング点の位置を決定することが、経時的な性能パラメータの第1及び/又は第2の空間分布のドリフトを考慮することを含む、先行する条項の何れか一項に記載の方法。
24. 追加のサンプリング点を決定するステップをさらに含み、
追加のサンプリング点の数が、好ましくは、先行する条項の何れか一項に記載の方法によって決定されるサンプリング点の数よりも少ない、先行する条項の何れか一項に記載の方法。
25. 半導体基板上の1つ又は複数のクリティカルエリアの識別をさらに含み、
サンプリング点を決定することが、1つ又は複数のクリティカルエリアにさらに基づく、先行する条項の何れか一項に記載の方法。
26. 以下のステップ:
先行する条項の何れか一項に記載の方法を用いて、サンプリング点の位置を決定することと、
決定された位置に基づいて、半導体基板上のサンプリング点の場所において、性能パラメータの測定データを生成するためにメトロロジ装置を構成することと、
を含む、メトロロジ装置を構成する方法。
27. 以下のステップ:
サンプリング点の位置に関する情報を受信することであって、この位置が、先行する条項1~25の何れか一項に記載の方法を用いて決定されたものである、受信することと、
受信された情報に基づいて、半導体基板上のサンプリング点の場所において、性能パラメータの測定データを生成するためのメトロロジ装置を構成することと、
を含む、メトロロジ装置を構成する方法。
28. 半導体基板から測定データを生成する方法であって、以下のステップ:
- 先行する条項の何れか一項に記載の方法を使用して、サンプリング点の位置を決定することと、
- 半導体基板上のサンプリング点の場所において、性能パラメータを測定することによって、測定データを生成することと、
を含む、方法。
29. 半導体基板から測定データを生成する方法であって、以下のステップ:
- サンプリング点の位置に関する情報を受信することであって、この位置が、先行する条項1~25の何れか一項に記載の方法を用いて決定されたものである、受信することと、
- 半導体基板上のサンプリング点の場所において、性能パラメータを測定することによって、測定データを生成することと、
を含む方法。
30. 以下のステップ:
- 条項28又は29の何れか一項に記載の方法を用いることによって、半導体基板から測定データを生成することと、
- 生成された測定データに基づいて、第1のフィンガープリントモデルのモデルパラメータ、及び第2のフィンガープリントモデルのモデルパラメータを決定することと、
を含む、モデルパラメータを決定する方法。
31. -条項30に記載の方法を用いることによって、第1のフィンガープリントモデルのモデルパラメータ、及び第2のフィンガープリントモデルのモデルパラメータを決定することと、
- 第1のフィンガープリントモデルの上記モデルパラメータ、及び/又は第2のフィンガープリントモデルのモデルパラメータに少なくとも部分的に基づいて、リソグラフィ装置を構成することと、
リソグラフィ装置を構成する方法。
32. 以下のステップ:
- 条項30に記載の方法を用いることによって、第1のフィンガープリントモデルのモデルパラメータ及び第2のフィンガープリントモデルのモデルパラメータを決定することと、
- 第1のフィンガープリントモデルの上記モデルパラメータ、及び/又は第2のフィンガープリントモデルのモデルパラメータに少なくとも部分的に基づいて、リソグラフィ装置を使用して、半導体基板上にパターンを施すことと、
を含む、リソグラフィ装置を使用して半導体基板上にパターンを施す方法。
33. 半導体基板上にパターンを施すことが、以下のステップ:リソグラフィ装置のパターン付与システムからの露光光に対する半導体基板の移動を制御すること、及び/又は照明システムの照明光に対するパターニングデバイス、すなわちレチクルの移動を制御すること、及び/又はパターン付与システムにおけるレンズの位置及び/又は配向を制御すること、及び/又は照明システムの照明設定の制御、及び/又は露光光のフォーカスの制御、及び/又は露光光のドーズの制御の1つ又は複数を含む、条項32に記載の方法。
34. 基板の一部分にわたる性能パラメータの空間分布をモデル化するためのフィンガープリントモデルを取得する方法であって、
- 上記部分にわたる性能パラメータの空間分布に関する初期フィンガープリントモデルを基底関数のパラメータ化結合として定義することと、
- 予備知識に基づいて、基底関数のパラメータ化結合に関するパラメータ値を決定することと、
- 1つ又は複数の半導体基板の1セットの上記部分にわたる性能パラメータを表す測定セット、及び初期フィンガープリントモデルに基づいて、基板の上記部分にわたる性能パラメータの空間分布をモデル化するためのフィンガープリントモデルを決定することであって、それによって、初期フィンガープリントモデルで決定された基底関数の少なくとも2つのパラメータ値の比率が一定に保たれ、又は初期フィンガープリントモデルの形状の少なくとも一部がフィンガープリントモデルにおいて維持される、決定することと、
を含む方法。
35. 予備知識が、
1つ又は複数の半導体基板のさらなる1セットの上記部分にわたる性能パラメータを表す、さらなる測定セット、
シミュレーションの結果、
プロセスコンテキスト情報、又は
物理的シミュレーションの結果、
を含む、条項34に記載の方法。
36. 物理的シミュレーションが、基板の上記部分にわたる応力分布に基づく、基板の上記部分にわたるエッチャー傾斜に基づく、性能パラメータのシミュレーションを含む、条項35に記載の方法。
37. 基底関数が、多項式関数又はスプライン関数である、条項34~36の何れか一項に記載の方法。
38. 初期フィンガープリントモデルの形状が、フィンガープリントモデルにおいて維持される、条項34~37の何れか一項に記載の方法。
39. フィンガープリントモデルが、ローカルフィンガープリントモデルである、条項34~38の何れか一項に記載の方法。
40. フィンガープリントモデルが、グローバルフィンガープリントモデルである、条項34~38の何れか一項に記載の方法。
41. 第1のフィンガープリントモデル又は第2のフィンガープリントモデルが、条項34~40の何れか一項に記載の方法を用いて取得される、条項1~29の何れか一項に記載の方法。
42. 第1のフィンガープリントモデル又は第2のフィンガープリントモデルが、ルジャンドル多項式に基づく、条項41に記載の方法。
43. 基底関数の第1のセットのパラメータ化結合として、基板の第1の部分にわたる性能パラメータの第1の空間分布に関する第1のフィンガープリントモデルを定義することと、
基底関数の第2のセットのパラメータ化結合として、基板の第2の部分にわたる性能パラメータの第2の空間分布に関する第2のフィンガープリントモデルを定義することと、
を含み、
基底関数の第1のセットの内の1つ又は複数が、基底関数の第2のセットの内の1つ又は複数と実質的に直交する、フィンガープリントモデルを取得する方法。
44. 第1の部分が、第2の部分を含む、条項43に記載の方法。
45. 第1のフィンガープリントモデルがグローバルフィンガープリントモデルであり、及び第2のフィンガープリントモデルがローカルフィンガープリントモデルである、条項43又は44に記載の方法。
46. 基底関数の第1のセットが、デカルト多項式関数であり、及び基底関数の第2のセットが、ルジャンドル多項式関数である、条項43~45の何れか一項に記載の方法。
47. 第1のフィンガープリントモデルが、基底関数の第1のセットのパラメータ化結合として、基板の第1の部分にわたる性能パラメータの第1の空間分布に関し、
第2のフィンガープリントモデルが、基底関数の第2のセットのパラメータ化結合として、基板の第2の部分にわたる性能パラメータの第2の空間分布に関し、及び
基底関数の第1のセットの内の1つ又は複数が、基底関数の第2のセットの内の1つ又は複数と実質的に直交する、条項1~29に記載の方法。
48. 第1の部分が、第2の部分を含む、条項47に記載の方法。
49. 第1のフィンガープリントモデルがグローバルフィンガープリントモデルであり、及び第2のフィンガープリントモデルがローカルフィンガープリントモデルである、条項47又は48に記載の方法。
50. 基底関数の第1のセットが、デカルト多項式関数であり、及び基底関数の第2のセットが、ルジャンドル多項式関数である、条項47~49の何れか一項に記載の方法。
51. 先行する条項の何れか一項に記載の方法を実施するように構成された機械可読命令の1つ又は複数のシーケンスを含む、コンピュータプログラム。
52. -条項1~25の何れか一項に記載の方法、条項1~25の何れか一項に従属する場合の条項41に記載の方法、又は条項47~50の何れか一項に記載の方法に従って生成されたサンプリング点を受信することと、
- サンプリング点に対応する測定場所で半導体基板から測定データを生成するように測定装置を制御することと、
- 生成された測定データの少なくとも一部に基づいて、第1のフィンガープリントモデルのモデルパラメータ、及び第2のフィンガープリントモデルのモデルパラメータを決定することと、
を行うように構成された機械可読命令の1つ又は複数のシーケンスを含む、コンピュータプログラム。
53. -条項1~25の何れか一項に記載の方法、条項1~25の何れか一項に従属する場合の条項41に記載の方法、又は条項47~50の何れか一項に記載の方法によって決定されたサンプリング点に対応する測定場所における半導体基板からの測定データを受信することと、
- 受信された測定データの少なくとも一部に基づいて、第1のフィンガープリントモデルのモデルパラメータ、及び第2のフィンガープリントモデルのモデルパラメータを決定することと、
- 半導体基板上にパターンを施すことを制御するための制御入力データを生成することであって、制御入力データが、少なくとも部分的に、第1のフィンガープリントモデルの上記モデルパラメータ、及び/又は第2のフィンガープリントモデルのモデルパラメータに基づく、生成することと、
を行うように構成された機械可読命令の1つ又は複数のシーケンスを含む、コンピュータプログラム。
54. 半導体基板測定装置であって、
- 条項1~25の何れか一項に記載の方法、条項1~25の何れか一項に従属する場合の条項41に記載の方法、又は条項47~50の何れか一項に記載の方法に従って決定されたサンプリング点を受信するように構成された入力端子と、
- サンプリング点に対応する測定場所で半導体基板から測定データを生成するように測定装置を制御するように構成されたコントローラと、
- 生成された測定データの少なくとも一部に基づいて、第1のフィンガープリントモデルのモデルパラメータ、及び第2のフィンガープリントモデルのモデルパラメータを決定するように構成されたプロセッサと、
を含む装置。
55. リソグラフィ装置であって、
- 条項1~25の何れか一項に記載の方法、条項1~25の何れか一項に従属する場合の条項41に記載の方法、又は条項47~50の何れか一項に記載の方法によって決定されたサンプリング点に対応する測定場所における半導体基板からの測定データを受信するように構成された入力端子と、
- 受信された測定データの少なくとも一部に基づいて、第1のフィンガープリントモデルのモデルパラメータ、及び第2のフィンガープリントモデルのモデルパラメータを決定するように構成されたプロセッサと、
- 制御入力データの基礎に基づいて、半導体基板上にパターンを施すことを制御するように構成されたコントローラであって、制御入力データが、少なくとも部分的に、第1のフィンガープリントモデルの上記モデルパラメータ、及び/又は第2のフィンガープリントモデルのモデルパラメータに基づく、コントローラと、
を含むリソグラフィ装置。
56. 条項54による半導体基板測定装置、及び条項55によるリソグラフィ装置を含む、リソグラフィシステム。
57. 条項55によるリソグラフィ装置を使用するステップを含む、パターニングデバイスから基板上にパターンを転写することを含む、デバイス製造方法。
【0255】
[000218] 具体的な実施形態の上記の説明は、本発明の一般的性質を十分に明らかにするため、他者が、当該技術分野の技術の範囲内の知識を適用することによって、本発明の一般的概念から逸脱することなく、過度の実験なしに、このような具体的な実施形態を容易に変更することができ、及び/又は様々な用途のために、このような具体的な実施形態を適応させることができる。したがって、このような適応及び変更は、本明細書に提示される教示及びガイダンスに基づいて、開示された実施形態の均等物の意味及び範囲内であることが意図される。本明細書の用語又は表現が、教示及びガイダンスに鑑みて、当業者によって解釈されるように、本明細書の表現又は用語は、限定ではなく、例による説明を目的としたものであることが理解されるものとする。
【0256】
[000219] 本発明の広がり及び範囲は、上記の例示的な実施形態の何れによっても限定されるものではなく、以下の請求項及びそれらの均等物によってのみ定義されるものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7