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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-19
(45)【発行日】2023-05-29
(54)【発明の名称】表示ドライバ及び表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/36 20060101AFI20230522BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20230522BHJP
   G02F 1/133 20060101ALI20230522BHJP
【FI】
G09G3/36
G09G3/20 641C
G09G3/20 623G
G09G3/20 623F
G09G3/20 623R
G09G3/20 612J
G09G3/20 650C
G02F1/133 505
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019185146
(22)【出願日】2019-10-08
(65)【公開番号】P2021060520
(43)【公開日】2021-04-15
【審査請求日】2022-06-15
(73)【特許権者】
【識別番号】308033711
【氏名又は名称】ラピスセミコンダクタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079119
【弁理士】
【氏名又は名称】藤村 元彦
(72)【発明者】
【氏名】政井 英樹
【審査官】橋本 直明
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-005838(JP,A)
【文献】特開2008-197520(JP,A)
【文献】特開2006-293056(JP,A)
【文献】特開2018-189993(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第1433632(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/36
G09G 3/20
G02F 1/133
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
m本のデータ線及びn本のゲート線(mは2以上の整数、nは2以上の偶数)と、前記m本のデータ線と前記n本のゲート線との交差部の各々にマトリクス状に設けられたm×n個の画素部と、を有する表示パネルに接続され、各々がm個の画素データ片からなるn/2個の画素データ片群が連続してなる1フレーム分の映像データ信号を受け、前記映像データ信号に基づいて前記m×n個の画素部の各々を供給対象とする階調電圧信号を生成する表示ドライバであって、
前記m本のデータ線に対応して設けられ、前記m本のデータ線の各々に前記階調電圧信号を出力するm個の出力回路を有し、
前記m個の出力回路の各々は、
前記画素データ片群から前記画素データ片を前記映像データ信号の1水平走査期間毎に順次取り込み、第1の画素データ片として保持する第1ラッチと、
前記第1ラッチによる前記画素データ片の取り込みが完了したタイミングで前記第1ラッチから前記第1の画素データ片を取り込み、第2の画素データ片として保持する第2ラッチと、
前記第1ラッチから前記第1の画素データ片を取得するとともに前記第2ラッチから前記第2の画素データ片を取得し、前記第1の画素データ片と前記第2の画素データ片との間を補間することにより補間データ片を生成する補間データ生成部と、
前記第2ラッチからの前記第2の画素データ片の取り込みと、前記補間データ生成部からの前記補間データ片の取り込みと、を交互に行い、第3の画素データ片として順次出力する第3ラッチと、
前記第3ラッチから出力された前記第3の画素データ片に基づいて、当該第3の画素データ片に対応する階調電圧信号を出力する階調電圧出力部と、
を有することを特徴とする表示ドライバ。
【請求項2】
前記第3ラッチは、前記映像データ信号の1水平走査期間の1/2の周期で前記第2の画素データ片及び前記補間データ片の取り込みを行うことを特徴とする請求項1に記載の表示ドライバ。
【請求項3】
前記補間データ生成部は、前記表示パネルの前記n本のゲート線のうちの第kのゲート線(kはn以下の自然数)上の画素部に対応する画素データ片を前記第2の画素データ片として取得するとともに、第(k+2)のゲート線上の画素部に対応する画素データ片を前記第1の画素データ片として取得し、前記補間データ片を第(k+1)のゲート線上の画素部に対応する画素データとして生成することを特徴とする請求項1又は2に記載の表示ドライバ。
【請求項4】
前記補間データ生成部は、前記第1の画素データ片及び前記第2の画素データ片に対して線形補間の演算を行うことにより前記補間データ片を生成することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1に記載の表示ドライバ。
【請求項5】
m本のデータ線及びn本のゲート線(mは2以上の整数、nは2以上の偶数)と、前記m本のデータ線と前記n本のゲート線との交差部の各々にマトリクス状に設けられたm×n個の画素スイッチ及び画素部と、を有する表示パネルと、
パルス幅に応じた選択期間において前記画素スイッチをオンに制御する走査信号を前記n本のゲート線に供給するゲートドライバと、
各々がm個の画素データ片からなるn/2個の画素データ片群が連続してなる1フレーム分の映像データ信号を受け、前記映像データ信号に基づいて前記m×n個の画素部の各々を供給対象とする階調電圧信号を生成するデータドライバと、
前記映像データ信号を前記データドライバに供給する表示コントローラと、
を有し、
前記データドライバは、前記m本のデータ線に対応して設けられ、前記m本のデータ線の各々に前記階調電圧信号を出力するm個の出力回路を有し、
前記m個の出力回路の各々は、
前記画素データ片群から前記画素データ片を前記映像データ信号の1水平走査期間毎に順次取り込み、第1の画素データ片として保持する第1ラッチと、
前記第1ラッチによる前記画素データ片の取り込みが完了したタイミングで前記第1ラッチから前記第1の画素データ片を取り込み、第2の画素データ片として保持する第2ラッチと、
前記第1ラッチから前記第1の画素データ片を取得するとともに前記第2ラッチから前記第2の画素データ片を取得し、前記第1の画素データ片と前記第2の画素データ片との間を補間することにより補間データ片を生成する補間データ生成部と、
前記第2ラッチからの前記第2の画素データ片の取り込みと、前記補間データ生成部からの前記補間データ片の取り込みと、を交互に行い、第3の画素データ片として順次出力する第3ラッチと、
前記第3ラッチから出力された前記第3の画素データ片に基づいて、当該第3の画素データ片に対応する階調電圧信号を出力する階調電圧出力部と、
を有することを特徴とする表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示ドライバ及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、所謂4K(例えば、3840×2160画素)の解像度に対応した表示装置が普及し始めている一方、4Kに対応した映像コンテンツは充実していない。このため、4Kに対応した表示装置で従来のハイビジョン放送を視聴する際には、例えばアップスキャンコンバータ等の変換装置を表示装置に外部接続し、映像信号の周波数を変換して視聴することが行われている。
【0003】
また、通常のデジタル放送で送出される映像信号にはインターレース方式が採用されているため、プログレッシブ方式に対応した表示装置でこれを視聴するためには映像信号の変換処理を行う必要がある。そこで、ゲートクロック信号のタイミングを変化させることにより、1水平走査ライン分の映像信号で2ライン分の水平走査ラインの表示を行うように映像信号を変換する処理を行う映像信号処理装置が提案されている(例えば、特許文献1)。
【0004】
今後、ハイビジョンや4Kを超える高画質である8K(例えば、7680×4320画素)に対応した映像コンテンツが充実しないまま、8Kに対応した表示装置が普及した場合には、同様に変換装置等を表示装置の外部に接続して映像信号の変換を行うことが予想される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2006-295588号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のように、例えば8Kに対応した表示装置で4Kのテレビ放送を視聴する場合、ユーザが変換装置等を購入して表示装置に接続しないと、8Kに対応した表示装置の能力を十分に活用することができない。このため、装置規模やコストが増大するという問題があった。
【0007】
また、8Kの映像信号は符号化方式が10bit、フレーム周波数が120Hzであるため、ハイビジョン放送や4K放送と比べて情報量が極めて大きい。上記のような変換装置等を用いて映像信号の変換を行うと、情報量の増大に伴って通信速度が高速化するため、通信波形が劣化し、T-CONから大型パネルのPCB基板へのデータ伝送に不具合が発生するという問題があった。
【0008】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、外部装置の付加による装置規模の増大や通信波形の劣化を抑えつつ、画素を補間した映像を表示させることが可能なソースドライバを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る表示ドライバは、m本のデータ線及びn本のゲート線(mは2以上の整数、nは2以上の偶数)と、前記m本のデータ線と前記n本のゲート線との交差部の各々にマトリクス状に設けられたm×n個の画素部と、を有する表示パネルに接続され、各々がm個の画素データ片からなるn/2個の画素データ片群が連続してなる1フレーム分の映像データ信号を受け、前記映像データ信号に基づいて前記m×n個の画素部の各々を供給対象とする階調電圧信号を生成する表示ドライバであって、前記m本のデータ線に対応して設けられ、前記m本のデータ線の各々に前記階調電圧信号を出力するm個の出力回路を有し、前記m個の出力回路の各々は、前記画素データ片群から前記画素データ片を前記映像データ信号の1水平走査期間毎に順次取り込み、第1の画素データ片として保持する第1ラッチと、前記第1ラッチによる前記画素データ片の取り込みが完了したタイミングで前記第1ラッチから前記第1の画素データ片を取り込み、第2の画素データ片として保持する第2ラッチと、前記第1ラッチから前記第1の画素データ片を取得するとともに前記第2ラッチから前記第2の画素データ片を取得し、前記第1の画素データ片と前記第2の画素データ片との間を補間することにより補間データ片を生成する補間データ生成部と、前記第2ラッチからの前記第2の画素データ片の取り込みと、前記補間データ生成部からの前記補間データ片の取り込みと、を交互に行い、第3の画素データ片として順次出力する第3ラッチと、前記第3ラッチから出力された前記第3の画素データ片に基づいて、当該第3の画素データ片に対応する階調電圧信号を出力する階調電圧出力部と、を有することを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る表示装置は、m本のデータ線及びn本のゲート線(mは2以上の整数、nは2以上の偶数)と、前記m本のデータ線と前記n本のゲート線との交差部の各々にマトリクス状に設けられたm×n個の画素スイッチ及び画素部と、を有する表示パネルと、パルス幅に応じた選択期間において前記画素スイッチをオンに制御する走査信号を前記n本のゲート線に供給するゲートドライバと、各々がm個の画素データ片からなるn/2個の画素データ片群が連続してなる1フレーム分の映像データ信号を受け、前記映像データ信号に基づいて前記m×n個の画素部の各々を供給対象とする階調電圧信号を生成するデータドライバと、前記映像データ信号を前記データドライバに供給する表示コントローラと、を有し、前記データドライバは、前記m本のデータ線に対応して設けられ、前記m本のデータ線の各々に前記階調電圧信号を出力するm個の出力回路を有し、前記m個の出力回路の各々は、前記画素データ片群から前記画素データ片を前記映像データ信号の1水平走査期間毎に順次取り込み、第1の画素データ片として保持する第1ラッチと、前記第1ラッチによる前記画素データ片の取り込みが完了したタイミングで前記第1ラッチから前記第1の画素データ片を取り込み、第2の画素データ片として保持する第2ラッチと、前記第1ラッチから前記第1の画素データ片を取得するとともに前記第2ラッチから前記第2の画素データ片を取得し、前記第1の画素データ片と前記第2の画素データ片との間を補間することにより補間データ片を生成する補間データ生成部と、前記第2ラッチからの前記第2の画素データ片の取り込みと、前記補間データ生成部からの前記補間データ片の取り込みと、を交互に行い、第3の画素データ片として順次出力する第3ラッチと、前記第3ラッチから出力された前記第3の画素データ片に基づいて、当該第3の画素データ片に対応する階調電圧信号を出力する階調電圧出力部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る表示ドライバによれば、外部装置の付加による装置規模の増大や通信波形の劣化を抑えつつ、画素を補間した映像を表示させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に係る表示装置の構成を示すブロック図である。
図2】実施例1のデータドライバの構成を示すブロック図である。
図3】書込クロック信号を示すタイムチャートである。
図4】データドライバの各部の動作を示すタイムチャートである。
図5】データドライバの各部の動作を示すタイムチャートである。
図6】実施例2のデータドライバの構成を示すブロック図である。
図7】変形例のデータドライバの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に本発明の好適な実施例を詳細に説明する。なお、以下の各実施例における説明及び添付図面においては、実質的に同一または等価な部分には同一の参照符号を付している。
【実施例1】
【0014】
図1は、本発明に係る表示装置100の構成を示すブロック図である。表示装置100は、アクティブマトリクス駆動方式の液晶表示装置である。表示装置100は、表示パネル11、表示コントローラ12、ゲートドライバ13A及び13B、及びデータドライバ14-1~14-pを含む。
【0015】
表示パネル11は、複数の画素部P11~Pnm及び画素スイッチM11~Mnm(n,m:2以上の自然数)がn行×m列のマトリクス状に配置された半導体基板から構成されている。表示パネル11は、水平走査ラインであるn本のゲート線GL1~GLnと、これに交差して直交するように配されたm本のデータ線DL1~DLmと、を有する。画素部P11~Pnm及び画素スイッチM11~Mnmは、ゲート線GL1~GLn及びデータ線DL1~DLmの交差部に設けられている。
【0016】
表示パネル11は、例えば7680×4320の画素数で規格された所謂8Kの解像度を有する表示パネルである。8Kの表示パネルでは、n=4320,m=7680であり、ゲート線の本数は4320本、データ線の本数は7680本となる。
【0017】
画素スイッチM11~Mnmは、ゲートドライバ13A及び13Bから供給されるゲート信号Vg1~Vgnに応じてオン又はオフに制御される。画素部P11~Pnmは、データドライバ14-1~14-pから映像データに対応した階調電圧信号Vd1~Vdmの供給を受ける。画素スイッチM11~Mnmがそれぞれオンのときに、階調電圧信号Vd1~Vdmが画素部P11~Pnmの各画素電極に供給され、各画素電極が充電される。画素部P11~Pnmの各画素電極における階調電圧信号Vd1~Vdmに応じて画素部P11~Pnmの輝度が制御され、表示が行われる。
【0018】
表示装置100が液晶表示装置である場合、画素部P11~Pnmの各々は、画素スイッチを介してデータ線と接続される透明電極と、半導体基板と対向して設けられ且つ面全体に1つの透明な電極が形成された対向基板との間に封入された液晶と、を含む。表示装置内部のバックライトに対して、画素部P11~Pnmに供給された階調電圧信号Vd1~Vdmと対向基板電圧との電圧差に応じて液晶の透過率が変化することにより、表示が行われる。
【0019】
表示コントローラ12は、映像データVDに基づき各画素の輝度レベルを例えば8ビットの256段階の輝度階調で表す画素データ片PDの系列を含む映像データ信号VDSを生成する。映像データ信号VDSは、所定数のデータ線毎に伝送路の数に応じてシリアル化された映像データ信号として構成されている。
【0020】
本実施例では、各々がm個の画素データ片PDからなるn/2個の画素データ片群がシリアルに連続することにより、1フレーム分の映像データ信号VDSが構成されている。そして、後述するデータドライバ14-1~14-pの動作により、m×(n/2)個の画素データ片PDに基づいて、n×m個の画素部(すなわち、画素部P11~Pnm)を供給対象とする階調電圧信号Vd1~Vdmが生成される。
【0021】
また、表示コントローラ12は、映像データVDから水平同期信号を検出し、これに基づいてクロックパルスの周期(以下、クロック周期と称する)が一定のクロック信号CLKを生成する。クロック信号CLKは、例えば埋め込みクロック方式で形成されている。また、表示コントローラ12は、各種の設定を含む制御信号CSを生成する。表示コントローラ12は、映像データ信号VDS、制御信号CS、クロック信号CLKを一体化したシリアル信号として各データドライバ14-1~14-pに供給する。
【0022】
また、表示コントローラ12は、表示パネル11の両端に設けられたゲートドライバ13A及び13Bに対し、ゲートクロック信号GCLKを供給する。
【0023】
ゲートドライバ13A及び13Bは、表示コントローラ12から供給されたゲートクロック信号GCLKに基づいて、ゲート信号Vg1~Vgnをゲート線GL1~GLnに供給する。
【0024】
データドライバ14-1~14-pは、半導体IC(Integrated Circuit)チップに形成されている。データドライバ14-1~14-pは、映像データ信号VDS中の画素データ片PDを1水平走査ライン分ずつ取込み、取り込んだ画素データ片に示される輝度階調に対応した階調電圧信号Vd1~Vdmを生成し、表示パネル11のデータ線DL1~DLmに印加する。
【0025】
データドライバ14-1~14-pは、データ線DL1~DLmを表示パネル11の解像度に応じて分割した本数のデータ線毎に設けられている。例えば、表示パネル11が8Kのパネルである場合、データドライバは、各々が966本のデータ線を駆動する24個のデータドライバIC(すなわち、p=24)から構成される。
【0026】
データドライバ14-1~14-pは、各々が駆動するデータ線の本数に対応するチャネル(以下、chと称する)の出力を有する。本実施例では、データドライバ14-1~14-pの各々が、966chの出力を有する場合を例として説明する。966chの出力は、3ch毎にR,G.Bの3つの画素に対応している。例えば、1ch、4ch、7ch等の(3j+1)ch(jは、0≦j≦321の整数)が画素R、2ch、5ch、8ch等の(3j+2)chが画素G、3ch、6ch、9ch等の(3j+3)chが画素Bに対応している。
【0027】
本実施例のデータドライバ14-1~14-pの各々は、(1/2)n行の水平走査ライン分の画素データ片PDに基づいて、n行の水平走査ライン分の画素データ片に対応する階調電圧信号Vd1~Vdmを生成する機能を有する。なお、以下の説明では、データドライバ14-1~14-pに共通の構成及び動作を説明する際、データドライバ14-1~14-pのうちの1つを単に「データドライバ14」と称して説明を行う。
【0028】
図2は、データドライバ14の内部構成を示すブロック図である。データドライバ14は、ラッチクロック生成部20と、1ch~966chの出力を行う966個の出力回路21と、から構成されている。ここでは、1chの出力を行う出力回路21-1と、966chの出力を行う出力回路21-966とを抽出して示している。
【0029】
ラッチクロック生成部20は、表示コントローラ12から供給されたクロック信号CLK及び映像データ信号VDSに基づいて、ラッチクロック信号LCLKを生成する。ラッチクロック生成部20は、生成したラッチクロック信号LCLKを出力回路21-1~21-966の各々に供給する。
【0030】
図3は、ラッチクロック信号LCLKの信号レベルの変化を模式的に示すタイムチャートである。ここでは、説明の簡略化のため、映像データ信号VDSの1水平走査期間の長さを短縮して示している。
【0031】
ゲートクロック信号CLKは映像データ信号VDSの水平同期信号HBKに応じたタイミングで立ち上がる信号である。ラッチクロック信号LCLKは、ゲートクロック信号GCLKの2倍の周波数を有し、且つ映像データ信号VDS中の480ch分の映像データに相当する期間だけゲートクロック信号GCLKの立ち上がりよりも遅延して立ち上がる信号である。
【0032】
再び図2を参照すると、出力回路21-1は、第1ラッチ22、第2ラッチ23、演算部24、補間ラッチ25、第3ラッチ26、レベルシフタ27、D/A変換部28及び出力アンプ29を有する。
【0033】
第1ラッチ22は、表示コントローラ12から供給された映像データ信号VDSから画素データ片PDを取り込む。上記の通り、映像データ信号VDSは、1ライン966ch分毎の画素データ片PDからなる画素データ片群の系列として表示コントローラ12からデータドライバ14に伝送される。このため、各chの出力回路における第1ラッチ22は、1ラインの1ch分ずつ画素データ片PDの取り込みを行う。第1ラッチ22は、取り込んだ画素データ片PDを第1の画素データ片PD1として保持する。
【0034】
第2ラッチ23は、第1の画素データ片PD1を第1ラッチ22から取り込む。その際、第2ラッチ23は、出力回路21-1から21-966までの全ての第1ラッチ22によって画素データ片PDの取り込みが行われたタイミングで、第1ラッチ22からの第1の画素データ片PD1の取り込みを行う。これにより、1水平走査ライン分の画素データ片が出力回路21-1~21-966の各々の第2ラッチ23に一斉に取り込まれる。第2ラッチ23は、取り込んだ画素データ片を第2の画素データ片PD2として保持する。
【0035】
演算部24は、第1の画素データ片PD1を第1ラッチ22から取得するとともに、第2の画素データ片PD2を第2ラッチ23から取得する。
【0036】
なお、上記の通り各chの第1ラッチ22が映像データ信号VDSから画素データ片PDを順次取り込むのに対し、各chの第2ラッチ23は共通のタイミングで第1の画素データ片PD1の取り込みを行う。このため、映像データ信号VDSの1水平走査期間分異なる画素データ片PDが、第1の画素データ片PD1及び第2の画素データ片PD2として演算部24に供給される。
【0037】
本実施例の映像データ信号VDSはn/2ライン分の画素データ片群の系列から構成されており、これらは表示パネル11の1水平走査ラインおきの映像データ(すなわち、ゲート線1本おきの映像データ)に対応している。従って、第2ラッチ23から演算部24に供給される第2の画素データ片PD2は第kのゲート線GLk(kは自然数)上の画素部に対応する画素データ片であり、第1ラッチ22から演算部24に供給される第1の画素データ片PD1は第(k+2)のゲート線GL(k+2)上の画素部に対応する画素データ片である。
【0038】
演算部24は、第1ラッチ22から取得した第1の画素データ片PD1と第2ラッチ23から取得した第2の画素データ片PD2とに対して線形補間の演算を行い、補間データPDMを生成する。具体的には、補間データPDMは、PDM=(PD1+PD2)/2となる。上記の通り、第1ラッチ22から取得した第1の画素データ片PD1は第(k+2)のゲート線GL(k+2)上の画素部に対応する画素データ片であり、第2ラッチ23から取得した第2の画素データ片PD2は第kのゲート線GLk上の画素部に対応する画素データ片であるため、補間データ片PDMは、これらの中間に位置する第(k+1)のゲート線GL(k+1)上の画素部に対応する画素データ片となる。
【0039】
補間ラッチ25は、演算部24から出力された補間データ片PDMを取り込む。出力回路21-1~21-966の各々の補間ラッチ25は、映像データ信号VDSの水平同期信号HBKに同期した共通のタイミングで補間データ片PDMの取り込みを行う。これにより、1水平走査ライン分の補間データ片PDMが出力回路21-1~21-966の補間ラッチ25に取り込まれる。
【0040】
なお、演算部24及び補間ラッチ25は、それぞれ補間データPDMの生成、取り込み及び保持を行う機能ブロックであり、一体として補間データ生成部を構成している。
【0041】
第3ラッチ26は、ラッチクロック信号LCLKのクロックタイミングに基づいて、第2ラッチ23からの第2の画素データ片PD2の取り込みと、補間ラッチ23からの補間データ片PDMの取り込みと、を交互に行う。第3ラッチ26は、取り込んだ第2の画素データ片PD2及び補間データ片PDMを、第3の画素データ片PD3として順次出力する。
【0042】
上記の通り、補間データ片PDMは第(k+1)のゲート線GL(k+1)上の画素部に対応する画素データ片であるため、第3ラッチ26からは、第k、第(k+1)、第(k+2)の順で各ゲート線上の画素部に対応する画素データ片が出力される。
【0043】
レベルシフタ27は、第3ラッチ26から出力された第3の画素データ片PD3に対して信号振幅を増加させるレベルシフト処理を行い、D/A変換部28に供給する。
【0044】
D/A変換部28は、レベルシフタ27から出力された画素データ片に対応する階調電圧を選択(デジタルアナログ変換)し、アナログの階調電圧信号として出力アンプ29に供給する。
【0045】
出力アンプ29は、D/A変換部28により選択された階調電圧信号を増幅し、データ線に出力する。
【0046】
次に、本実施例のデータドライバ14の動作について説明する。図4及び図5は、データドライバ内の第1ラッチ22、第2ラッチ23、演算部24、補間ラッチ25、第3ラッチ26による画素データ片PD及び補間データ片PDMの取り込みタイミングを示すタイムチャートである。なお、図5は、図4のタイムチャートの続きを示すタイムチャートである。
【0047】
出力回路21-1の第1ラッチ22は、表示コントローラ12から伝送された映像データ信号VDSの1水平走査ライン毎の画素データ片群の系列から、1番目の画素データ片群(図4において、「1line 1-966」として示す)の中の1chに対応する画素データ片PDを抽出して取り込む。同様に、隣接する出力回路21-2及び21-3の第1ラッチ22も、同様に1番目の画素データ片群の中の2chに対応する画素データ片PD、1番目の画素データ片群の3chに対応する画素データ片PDをそれぞれ取り込む。なお、1chの画素データ片PDは画素R、2chの画素データ片PDは画素G、3chの画素データ片PDは画素Bを夫々担う画素データ片である。
【0048】
以下同様に、出力回路21-4~21-966の各々の第1ラッチ22は、対応するchの画素データ片PDを順次取り込む。これにより、1ライン966ch分の画素データ片PDが出力回路21-1~21-966の第1ラッチ22に取り込まれる。第1ラッチ22は、取り込んだ画素データ片PDを第1の画素データ片PD1として保持する。
【0049】
第1ラッチ22は、1番目の画素データ片群の対応するchの画素データ片PDの取り込み及び出力が完了すると、2番目の画素データ片群(図4において、「2line 1-966」として示す)の対応するchの画素データ片PDの取り込みを行う。第1ラッチ22は、2番目の画素データ片群以降も順次画素データ片PDの取り込みを行う。
【0050】
なお、1番目の画素データ片群は第1のゲート線GL1上の画素部を供給対象とする画素データ片群であり、2番目の画素データ片群は第3のゲート線GL3、3番目の画素データ片群(図5において、「3line 1-966」として示す)は第5のゲート線GL5、4番目の画素データ片群(図5において、「4line 1-966」として示す)は第7のゲート線GL7に夫々対応する画素データ片群である。
【0051】
第2ラッチ23は、第1ラッチ22から第1の画素データ片PD1の取り込みを行う。出力回路21-1~21-966の第2ラッチ23による第1の画素データ片PD1の取り込みは、出力回路21-1から出力回路21-966までの全ての第1ラッチ22において画素データ片PDの取り込みが行われたタイミングに基づいて行われる。第2ラッチ23は、取り込んだ第1の画素データ片PD1を第2の画素データ片PD2として保持する。出力された第2の画素データ片PD2は、第3ラッチ26及び演算部24に供給される。
【0052】
演算部24は、第1ラッチ22から第1の画素データ片PD1、第2ラッチ23から第2の画素データ片PD2をそれぞれ取得する。第1の画素データ片PD1及び第2の画素データ片PD2は、同じ画素部を供給対象とし且つ1水平走査ライン分異なる画素データ片である。例えば、演算部24には、第2ラッチ23から出力された1番目の画素データ片群(すなわち、「1line 1-966」)の画素データ片PDと、第1ラッチ22から出力された2番目の画素データ片群(すなわち、「2line 1-966」)の画素データ片PDとが供給される。
【0053】
演算部24は、1番目の画素データ片群の画素データ片PD及び2番目の画素データ片群の画素データ片PDに対して補間演算を行い、1.5番目の画素データ片群(図4及び図5において、「1.5line 1-966」として示す)の画素データ片PDに相当する補間データPDMを生成する。1.5番目の画素データ片群は、第2のゲート線GL2上の画素部を供給対象とする画素データ片群である。演算部24は生成した補間データPDMを出力する。
【0054】
以下同様に、演算部24は、第2ラッチ23から出力された2番目の画素データ片群の画素データ片PDと第1ラッチ22から出力された3番目の画素データ片群の画素データ片PDとに対して演算を行い、2.5番目の画素データ片群(図5において、「2.5line 1-966」として示す)の画素データ片に相当する補間データPDMを生成する。2.5番目の画素データ片群は、第4のゲート線GL4上の画素部を供給対象とする画素データ片群である。
【0055】
補間ラッチ25は、演算部24から出力された補間データPDMを取り込み、映像データ信号VDSの1水平期間に同期したタイミングで出力する。
【0056】
出力回路21-1~21-966の各々の第3ラッチ26は、第2ラッチ23から出力された画素データ片PD(すなわち、第2の画素データ片PD2)と補間ラッチ25から出力された補間データPDMとを、書込クロック信号LCLKにクロックタイミングに基づいて交互に取り込む。例えば、出力回路21-1の第3ラッチ26は、第2ラッチ22から出力された1番目の画素データ片群の1chに対応する画素データ片PDと、補間ラッチ25から出力された補間データPDMとを交互に取り込む。補間ラッチ25から出力された補間データPDMは1.5番目の画素データ片群の1chに相当する画素データ片であるため、第3ラッチ26には、1番目の画素データ片群の画素データ片PDに続いて1.5番目の画素データ片群の同じchの画素データ片が取り込まれる。
【0057】
以下同様に、2番目の画素データ片群、2.5番目の画素データ片群、3番目の画素データ片群・・・の順にch毎の画素データ片PDが第3ラッチ26に取り込まれる。第3ラッチ26は、取り込んだ画素データ片PDを第3の画素データ片PD3として順次出力する。出力された第3の画素データ片PD3はレベルシフタ27によるレベルシフト処理、D/A変換部28によるデジタルアナログ変換処理、及び出力アンプ29による増幅処理を経て階調電圧信号として出力される。これにより、第1のゲート線GL1、第2のゲート線GL2、第3のゲート線GL3・・・の各々に対応する階調電圧信号が出力される。
【0058】
以上のように、本実施例のデータドライバ14-1~14-pは、各chに対応する出力回路21-1~21-966において、第2ラッチ23から出力された第kのゲート線GLk上の画素部に対応する画素データ片と第1ラッチ22から出力された第(k+2)のゲート線GL(k+2)上の画素部に対応する画素データ片とに基づいて、第(k+1)のゲート線GL(k+1)上の画素部に対応する画素データ片を補間データとして生成する演算部24を有する。第3ラッチ26は、映像データ信号VDSの1水平期間の1/2の長さに相当するクロック周期を有する書込クロック信号LCLKに基づくタイミングで、第2ラッチ23から出力された画素データ片PDと演算部24によって生成された補間データPDMとを交互に取り込み、順次出力する。
【0059】
かかる構成によれば、n/2ライン分の画素データ片PDに基づいて、nライン分の画像表示を行うことが可能となる。従って、例えば4Kの映像規格のコンテンツを8Kに対応した表示パネルに表示させる場合等に、水平走査ライン方向(すなわち、ゲート線方向)の画素データを補間して表示することが可能となる。
【0060】
本実施例のデータドライバによれば、外部装置等を付加することなく、映像信号の画素を補間して表示を行うことができる。従って、装置規模の増大を抑えつつ、画素を補間しての映像表示を行うことが可能となる。
【0061】
また、データドライバに供給する映像データ信号に対して周波数変換等を行う必要がなく、周波数変換等に伴う情報量の増大が生じないため、通信波形の劣化を抑えつつ画素を補間しての映像表示を行うことが可能となる。
【実施例2】
【0062】
次に、本発明の実施例2について説明する。本実施例のデータドライバは、走査線方向(すなわち、ライン方向)の画素データの補間に加えて、データ線方向(すなわち、ch方向)の画素データの補間を行う点で、実施例1のデータドライバと異なる。
【0063】
図6は、本実施例のデータドライバ14の内部構成の一部を示すブロック図である。ここでは、データドライバ14が有する出力回路21-1~21-966のうち、1chに対応する出力回路21-1、4chに対応する出力回路21-4、及び7chに対応する出力回路21-7を抽出して示している。これらは、いずれも実施例1で説明した(3j+1)ch(jは、0≦j≦321の整数)のchであり、画素Rに対応する階調電圧信号を出力する出力回路である。
【0064】
出力回路21-1及び21-7は、実施例1の出力回路21-1と同様の構成を有し、映像データ信号VDSから画素データ片PDを取り込み、これに対応する階調電圧信号を出力する。
【0065】
一方、出力回路21-4は、映像データ信号VDSから画素データ片PDを取り込むのではなく、出力回路21-1及び21-7から出力されたデータに基づいて階調電圧信号を生成する。出力回路21-4は、演算部31及び演算部32を有する。
【0066】
演算部31は、出力回路21-1の第1ラッチ22から出力された第1の画素データ1と、出力回路21-7の第1ラッチ22から出力された第1の画素データ片PD1とに対して線形補間の演算を行い、補間データPDM1を生成する。例えば、出力回路21-1の第1ラッチ22から出力された第1の画素データをPD1(1)、出力回路21-7の第1ラッチ22から出力された画素データをPD1(7)とすると、補間データPDM1は、PDM1=(PD1(1)+PD1(7))/2となる。
【0067】
演算部32は、出力回路21-1の演算部24から出力された補間データPDMと、出力回路21-7の演算部24から出力された補間データPDMとに対して線形補間の演算を行い、補間データPDM2を生成する。例えば、出力回路21-1の演算部24から出力された補間データをPDM(1)、出力回路21-7の演算部24から出力された画素データをPDM(7)とすると、補間データPDM2=(PDM(1)+PDM(7))/2となる。
【0068】
出力回路21-4の第2ラッチ23は、演算部31から出力された補間データPDM1の取り込みを行う。第2ラッチ23は、取り込んだ補間データPDM1を出力する。
【0069】
出力回路21-4の補間ラッチ25は、演算部32から出力された補間データPDM2を取り込み、映像データ信号VDSの1水平期間に同期したタイミングで出力する。
【0070】
出力回路21-4の第3ラッチ26は、ラッチクロック信号LCLKのクロックタイミングに基づいて、第2ラッチ23から出力された補間データPDM1と補間ラッチ25から出力された補間データPDM2とを1ライン分ずつ交互に取り込む。第3ラッチ26は、取り込んだ補間データPDM1及び補間データPDM2を、第3の画素データ片PD3として順次出力する。
【0071】
補間データPDM1は、出力回路21-1及び21-7の各々の第1ラッチ22から出力された画素データ片PD1に対して線形補間の演算を行った補間データである。一方、補間データPDM2は、出力回路21-1及び21-7の各々の演算部24から出力された補間データPDMに対して線形補間の演算を行った補間データである。従って、第3ラッチ26からは、第kのゲート線GLk、第(k+1)のゲート線GL(k+1)、第(k+2)のゲート線GL(k+2)の順で、各ゲート線上の画素部に対応する第3の画素データ片PD3が出力される。
【0072】
レベルシフタ27、D/A変換部28及び出力アンプ29の構成及び動作については、実施例1と同様である。すなわち、出力された第3の画素データ片PD3はレベルシフタ27によるレベルシフト処理、D/A変換部28によるデジタルアナログ変換処理、及び出力アンプ29による増幅処理を経て階調電圧信号として出力される。
【0073】
以上のように、本実施例のデータドライバ14では、出力回路21-4は、出力回路21-1が取りこんだ画素データ片PDと出力回路21-7が取り込んだ画素データ片PDとに基づいて補間演算を行い、補間データPDM1を生成する。また、出力回路21-4は、出力回路21-1によって生成された補間データPDMと出力回路21-7によって生成された補間データPDMとに基づいて補間演算を行い、補間データPDM2を生成する。従って、出力回路21-4は、映像データ信号VDSから画素データ片PDの取り込みを行うことなく、階調電圧信号を生成することができる。
【0074】
そして、本実施例のデータドライバ14では、同じ色の画素に対応する階調電圧信号を出力する出力回路群において、出力回路21-4と同様の構成を有する出力回路が1つおきに設けられている。例えば、画素Rに対応する階調電圧信号を出力する(3j+1)chに対応する出力回路群のうち、6t-2(tは自然数)のchに対応する出力回路が、出力回路21-4と同様の構成を有する。同様に、画素Gに対応する階調電圧信号を出力する(3j+2)chに対応する出力回路群のうち、6t-1(tは自然数)のchに対応する出力回路が、出力回路21-4と同様の構成を有する。また、画素Bに対応する階調電圧信号を出力する(3j+3)chに対応する出力回路群のうち、6t(tは自然数)のchに対応する出力回路が、出力回路21-4と同様の構成を有する。
【0075】
かかる構成によれば、実施例1と同様のライン毎の画素データの補間に加えて、ch毎の画素データの補間を行うことができる。すなわち、本実施例のデータドライバ14によれば、Q/2ch分の画素データ片PDに基づいて、Qch分の画像表示を行うことが可能となる。従って、例えば4Kの映像規格のコンテンツを8Kに対応した表示パネルに表示させる場合等に、ライン方向及びチャネル方向の双方の画素データを補間して表示することが可能となる。
【0076】
なお、上記のような画素データの補間を行う出力モードと画素データの補間を行わない出力モードと切り替え可能にする構成を本実施例のデータドライバ14に付加してもよい。
【0077】
図7は、かかる変形例のデータドライバ14の内部構成の一部を示すブロック図である。出力回路21-1、21-4及び21-7の各々は、第2ラッチ23及び補間ラッチ25と第3ラッチ26との間に設けられたセレクタ41を有する。また、出力回路21-4は、第1ラッチ22及び演算部31と第2ラッチ23との間に設けられたセレクタ42を有する。
【0078】
セレクタ41は、補間ラッチ25から出力された補間データPDMを第3ラッチ26に供給するか否かを選択的に切り替えるセレクタである。セレクタ41の切り替えは、例えば表示コントローラ12からの制御信号CSの供給に基づいて行われる。
【0079】
例えば、水平走査ライン毎の画素データの補間に基づく階調電圧信号を出力する第1の出力モードに設定されると、セレクタ41は、補間ラッチ25から出力された補間データPDMを第3ラッチ26に供給する。これにより、上記実施例1で示したようなライン毎の画素データの補間に基づく階調電圧信号が出力される。
【0080】
一方、水平走査ライン毎の画素データの補間に基づく階調電圧信号の出力を行わない第2の出力モードに設定されると、セレクタ41は、補間ラッチ25から出力された補間データPDMの第3ラッチへの供給を停止するように出力を切り替える。これにより、第3ラッチ26には、第2ラッチ23から出力された画素データ片PD2のみが供給される。
【0081】
セレクタ42は、第1ラッチ22から出力された第1の画素データ片PD1と、演算部31から出力された補間データPDM1とのいずれを第2ラッチ23に供給するかを選択的に切り替えるセレクタである。セレクタ42の切り替えは、例えば表示コントローラ12からの制御信号CSの供給に基づいて行われる。
【0082】
例えば、ch毎の画素データの補間に基づく階調電圧信号を出力する第3の出力モードに設定されると、セレクタ42は、演算部31から出力された補間データPDM1を第2ラッチ23に供給するように出力を切り替える。これにより、本実施例で示したようなch毎の画素データの補間に基づく階調電圧信号が出力される。
【0083】
一方、ch毎の画素データの補間に基づく階調電圧信号の出力を行わない第4の出力モードに設定されると、セレクタ42は、第1ラッチ22から出力された第1の画素データ片PD1を第2ラッチ23に供給するように出力を切り替える。これにより、演算部31を有しない出力回路21-1や21-7と同様に、第1ラッチ22が映像データ信号VDSから取り込んだ画素データ片PDに基づく第1の画素データ片PD1が、第2ラッチ23に供給され、これに基づいて階調電圧信号が出力される。
【0084】
なお、第1の出力モード及び第2の出力モードの一方と、第3の出力モード及び第4の出力モードの一方とは、適宜組み合わせることが可能である。例えば、第1の出力モードと第3の出力モードとを組み合わせることにより、ライン方向及びch方向の双方について画素データの補間を行うことが可能である。また、第1の出力モードと第4の出力モードを組み合わせることによりライン方向のみ画素データの補間を行ったり、第2の出力モードと第3の出力モードを組み合わせることによりch方向のみ画素データの補間を行ったりすることが可能である。第2の出力モードと第4の出力モードとを組み合わせることにより、画素データの補間に基づく階調電圧信号の出力を行わないようにすることも可能である。
【0085】
かかる構成によれば、画素データの補間を行う出力モードと画素データの補間を行わない出力モードとを切り替えることが可能であるため、例えば8Kに対応した表示パネルを用いて表示を行う際、供給される映像データ信号が8Kの映像規格に基づくものなのか4Kの映像規格に基づくものなのかによって、表示態様を切り替えることが可能である。
【0086】
なお、本発明は上記実施形態に限定されない。例えば、上記実施例では、4Kの映像規格のコンテンツを8Kの表示パネルに表示させる場合を例として、画素データの補間を行う構成について説明した。しかし、本発明は、これに限られず画素データの補間を必要とする様々な場面に適用することが可能である。例えば、通常のハイビジョン放送のコンテンツを4Kの表示パネルに表示させるための表示ドライバとして、本発明の表示ドライバを用いてもよい。
【0087】
また、上記実施例では、表示装置100が液晶表示装置である場合について説明したが、これとは異なり、有機EL(Electro Luminescence)表示装置であっても良い。
【符号の説明】
【0088】
100 表示装置
11 表示パネル
12 表示コントローラ
13A,13B ゲートドライバ
14-1~14-p データドライバ
20 ラッチクロック生成部
21、21-1~21-966 出力回路
22 第1ラッチ
23 第2ラッチ
24 演算部
25 補間ラッチ
26 第3ラッチ
27 レベルシフタ
28 D/A変換部
29 出力アンプ
31,32 演算部
41,42 セレクタ

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7