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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-19
(45)【発行日】2023-05-29
(54)【発明の名称】粒子定量装置
(51)【国際特許分類】
   C12M 1/34 20060101AFI20230522BHJP
   G01N 15/02 20060101ALI20230522BHJP
   G01N 21/17 20060101ALI20230522BHJP
【FI】
C12M1/34 D
G01N15/02 C
G01N21/17 A
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021536609
(86)(22)【出願日】2020-03-17
(86)【国際出願番号】 JP2020011638
(87)【国際公開番号】W WO2021019830
(87)【国際公開日】2021-02-04
【審査請求日】2021-12-23
(31)【優先権主張番号】P 2019138526
(32)【優先日】2019-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】501387839
【氏名又は名称】株式会社日立ハイテク
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 智
【審査官】小倉 梢
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-307066(JP,A)
【文献】特開2005-218379(JP,A)
【文献】特開2012-150140(JP,A)
【文献】国際公開第2018/128080(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12M 1/00 - 1/42
G01N 15/00 - 15/14
G01N 21/00 - 21/958
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒子状試料を表す試料画像を取得する画像取得手段と、
前記試料画像に関する演算処理を行うデータ処理手段と、
を備える、粒子定量装置であって、
前記データ処理手段は、
単一の前記試料画像の周波数領域表現を取得し、
前記周波数領域表現を、高周波数成分および低周波数成分に分離し、
前記高周波数成分の空間領域表現として高周波数画像を取得し、
前記低周波数成分の空間領域表現として低周波数画像を取得し、
同一の前記試料画像から取得される前記高周波数画像および前記低周波数画像に基づいて
前記高周波数画像において粒子が存在する第1領域を抽出し、
前記低周波数画像において粒子が存在する第2領域を抽出し、
前記第1領域と前記第2領域との論理和を取ることによって論理和領域を取得し、
前記論理和領域の面積に基づいて前記粒子状試料を定量する、
ことを特徴とする、粒子定量装置。
【請求項2】
前記高周波数成分の分離は、前記周波数領域表現から0次回折成分を除去することであることを特徴とする、請求項に記載の粒子定量装置。
【請求項3】
粒子状試料を表す試料画像を取得する画像取得手段と、
前記試料画像に関する演算処理を行うデータ処理手段と、
を備える、粒子定量装置であって、
前記データ処理手段は、
単一の前記試料画像に基づいて、光学的に高開口数の光路を通過する成分の光による高開口数画像と、光学的に低開口数の光路を通過する成分の光による低開口数画像とを取得し、
同一の前記試料画像から取得される前記高開口数画像および前記低開口数画像に基づいて
前記高開口数画像において粒子が存在する第1領域を抽出し、
前記低開口数画像において粒子が存在する第2領域を抽出し、
前記第1領域と前記第2領域との論理和を取ることによって論理和領域を取得し、
前記論理和領域の面積に基づいて前記粒子状試料を定量する、
ことを特徴とする、粒子定量装置。
【請求項4】
前記画像取得手段は、所定時間ごとに前記試料画像を取得し、
前記データ処理手段は、各前記試料画像について前記粒子状試料を定量する、
ことを特徴とする、請求項に記載の粒子定量装置。
【請求項5】
前記データ処理手段は、
前記高周波数画像の各画素の輝度に基づいて前記第1領域を抽出し、
前記低周波数画像の各画素の輝度に基づいて前記第2領域を抽出する、
ことを特徴とする、請求項に記載の粒子定量装置。
【請求項6】
前記データ処理手段は、
前記第1領域の画素数と、前記第2領域の画素数とに基づいて前記粒子状試料を定量する、
ことを特徴とする、請求項に記載の粒子定量装置。
【請求項7】
前記データ処理手段は、
前記第1領域の各画素の輝度の経時変化を表す情報と、前記第2領域の各画素の輝度の経時変化を表す情報とを出力するか、または、
前記第1領域の画素数の経時変化を表す情報と、前記第2領域の画素数の経時変化を表す情報とを出力する、
ことを特徴とする、請求項に記載の粒子定量装置。
【請求項8】
前記粒子状試料は透光性を有し、
前記粒子状試料は、粒子、細胞、または細菌である、
ことを特徴とする、請求項に記載の粒子定量装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、粒子定量装置に関する。
【背景技術】
【0002】
細胞の培養や、薬剤感受性検査などでの細菌の培養などにおいて、細胞、細菌などの状態を計測する技術が必要である。一例として、培養容器下方向から培養状態をカメラなどで検出し、その特徴量を基に細胞数、細菌数を算定する技術が知られている。
【0003】
細胞量・細胞数などを計測する方法として、透過画像の全体的な強度変化から粒子状物体の濃度を算定する方式がある。いわゆる濁度計測で利用される方法である。図11のように、粒子濃度が多くなると、粒子による光散乱または/および回折または/および光吸収により、カメラなどで検出される透過光が減少するので、その透過光強度変化から、粒子数を算定するという方法である。このような方法の例は、特許文献1に記載される。
【0004】
このような方法では、粒子が高濃度に存在する場合に、粒子による光散乱・吸収による強度減少箇所が多くなり、全体として十分な強度変化が生じ、粒子数・濃度の算定が容易になるという利点がある。
【0005】
また別の方法として、粒子状物体の特徴量から粒子を識別し、粒子を個々にカウントするという方式がある。たとえば、粒子の大きさに対して十分に細かく測定できるようなカメラなどで検出し、透過画像のコントラストから、粒子を識別し、粒子を個々に計数する粒子カウント方式がある。このような方法の例は、特許文献2に記載される。
【0006】
粒子カウント方式では、粒子を1個単位で識別し、計数するため、低濃度または粒子数が少ないときでも、粒子数の変化を感度よく検出でき、高感度、高精度の検出が可能となるという利点がある。これにより、例えば、粒子数のわずかな変化を高精度に検出することができるようになり、また、培養時の細胞の増殖の兆しをより早期に検知することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2007-306889号公報
【文献】特開2002-214228号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来の技術では、粒子を正確に認識できる粒子数の範囲が狭いという課題があった。
【0009】
たとえば特許文献1のように透過光強度変化を使う方法では、粒子数が少ないときは粒子による光散乱・吸収量が全体に対して僅かであり、透過光強度変化が小さい。そのため、粒子数・濃度を正確に算定することが困難になる。
【0010】
一方、たとえば特許文献2のような粒子カウント方式では、粒子数が多くなると、粒子同士の接触、粒子同士の重なりが確率的に多くなり、粒子の個別識別が困難になる。通常その分布はポアソン分布であらわされ、簡便的な数え落としモデルが知られている(図12)。つまり、一定面積内に存在する粒子数が多くなると、粒子を個々に計数する効率が低下することになる。粒子数がさらに多い領域では、粒子同士の光透過方向への重なりが多くなる。その結果、多重散乱等により透過光強度が全体に低下するため、取得画像が不鮮明になり、画像処理での粒子識別能が悪くなり、数え落としが発生することになる(図13)。このような理由等により、粒子カウントを行う場合、一定面積内に存在する粒子数が多くなると、図12図13に示す影響が重なり、見かけ上の粒子計数値が逆に少なくなってしまい(例えば、図14)、正確な粒子数、粒子濃度の算定が困難になる。とくに、粒子数が増えているにも関わらず、粒子数が少なくなってしまうという誤認識を引き起こしやすくなっている。個々の粒子を識別し、計数する場合には、このような原理的に避けられない課題がある。
【0011】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、粒子状試料における粒子を正確に認識できる粒子数の範囲をより広くする粒子定量装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この発明に係る粒子定量装置の一例は、
粒子状試料を表す試料画像を取得する画像取得手段と、
前記試料画像に関する演算処理を行うデータ処理手段と、
を備える、粒子定量装置であって、
前記データ処理手段は、
前記試料画像の周波数領域表現を取得し、
前記周波数領域表現を、高周波数成分および低周波数成分に分離し、
前記高周波数成分の空間領域表現として高周波数画像を取得し、
前記低周波数成分の空間領域表現として低周波数画像を取得し、
前記高周波数画像および前記低周波数画像に基づいて前記粒子状試料を認識する、
ことを特徴とする。
【0013】
また、この発明に係る粒子定量装置の一例は、
粒子状試料を表す試料画像を取得する画像取得手段と、
前記試料画像に関する演算処理を行うデータ処理手段と、
を備える、粒子定量装置であって、
前記データ処理手段は、
前記試料画像に基づいて、光学的に高開口数の光路を通過する成分の光による高開口数画像と、光学的に低開口数の光路を通過する成分の光による低開口数画像とを取得し、
前記高開口数画像および前記低開口数画像に基づいて前記粒子状試料を定量する、
ことを特徴とする。
【0014】
また、この発明に係る粒子定量装置の一例は、
粒子状試料を表す試料画像を取得する画像取得手段と、
前記試料画像に関する演算処理を行うデータ処理手段と、
を備える、粒子定量装置であって、
前記データ処理手段は、
前記試料画像において粒子が存在する粒子領域を抽出し、
前記粒子領域の画素数を算定し、
前記試料画像の画素数に対する、前記粒子領域の画素数の割合に基づいて、前記粒子状試料を定量する、
ことを特徴とする。
【0015】
本明細書は本願の優先権の基礎となる日本国特許出願番号2019-138526号の開示内容を包含する。
【発明の効果】
【0016】
この発明に係る粒子定量装置によれば、粒子状試料における粒子を正確に認識できる粒子数の範囲がより広くなる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】第1の実施形態に係る観察装置の概略構成図。
図2】粒子状試料を恒温状態で培養したときの画像の経時変化の一例。
図3】撮像光学系における高NA成分および低NA成分の説明図。
図4図1の観察装置の動作の一例を示すフローチャート。
図5図1の観察装置の動作に係る画像の例。
図6】高周波数画像の全画素に対する輝度のヒストグラム。
図7】高周波数画像における高輝度画素の総数の、培養経過時間に応じた変化を表す図。
図8】低周波数画像の全画素に対する輝度のヒストグラム。
図9】低周波数画像における低輝度画素の総数の、培養経過時間に応じた変化を表す図。
図10】粒子存在領域の画素の総数の、培養経過時間に応じた変化を示す図。
図11】従来技術による、透過光強度から粒子状試料を検出する方式の説明図。
図12】従来技術によって画像から粒子識別して粒子数をカウントする際の、数え落としモデルによる粒子量に対する計数効率変化を説明するシミュレーション図。
図13】従来技術による、粒子同士の重なりによる散乱・回折などによる光透過強度減少による、数え落としの影響を説明するシミュレーション図。
図14】従来技術による、数え落としが発生する場合の、実粒子数と、識別計数粒子数の関係を説明するシミュレーション図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、図面は本発明の原理に則った具体的な実施形態を示しているが、これらは本発明の理解のためのものであり、決して本発明を限定的に解釈するために用いられるものではない。
【0019】
[第1の実施形態]
【0020】
(1)装置の構成の概要
【0021】
第1の実施形態に係る装置を図1に沿って説明する。図1は、第1の実施形態に係る観察装置1の構成を示す概略構成図である。観察装置1は、粒子状試料を観察するための装置である。粒子状試料とは、たとえば粒子、細胞、または細菌を含む試料を意味する。「粒子」の意味はとくに限定しないが、たとえば細胞または細菌等の生物を含むものとして定義されてもよく、ラテックス粒子やポリスチレンビーズ等の無生物であってもよい。
【0022】
図1に示すように、観察装置1は、主要な構成要素として、照明用光学系101と、サンプル容器102と、台座103と、XYステージ104と、対物レンズ105と、対物レンズアクチュエータ106と、撮像カメラ107と、コンピュータ108とを備える。
【0023】
照明用光学系101は、粒子状試料を均一に照明する。たとえば粒子状試料がサンプル容器102の底面に配置されている場合には、サンプル容器102の底面を均一に照明する。照明用光学系101は、光源およびケーラー照明光学系などから構築される。
【0024】
サンプル容器102は、粒子状試料を保持できる格納部を有するものとする。粒子状試料は、たとえば1つ以上のサンプル液として提供可能である。サンプル容器102としては、たとえば、シャーレ、ディッシュ、マイクロタイタープレート様のものが使われる。サンプル容器102は、その窪み内部またはウェル内に、細胞、細菌などの生体関連の粒子状試料を保持する。サンプル容器102は、細胞培養または細菌培養等の作業に用いることができ、とくに、同定培養や薬剤感受性検査のための培養などに用いることができる。
【0025】
台座103は、サンプル容器102を保持することができる。台座103としては、サンプル容器102内の測定試料面の上面及び下面(すなわち光路における上流または下流)が光を透過する構造であると好適である。光を透過する構造としては、透明な部材を用いてもよいし、遮蔽構造体等のない空隙としてもよい。
【0026】
XYステージ104は、サンプル容器102を載せた台座103をX方向及びY方向に移動させることができる。XYステージ104は、サンプル容器102を温度調節するヒーター等を備えてもよい(不図示)。ヒーターとしては、例えば、透明ガラスヒータをその底面または周囲に配置することができる。または、光学系全体を断熱材で囲い、内部をヒーターで温度調節しても良い。
【0027】
対物レンズ105は対物レンズアクチュエータ106に保持される。対物レンズアクチュエータ106は、対物レンズ105をZ方向(照明光軸方向)に移動させるアクチュエータであり、対物レンズ105の焦点位置をサンプル容器102の深さ方向に走査することができる。対物レンズ105の動作により、サンプル容器102の測定試料面に撮像カメラ107の焦点を合わせることができる。
【0028】
撮像カメラ107は、粒子状試料を表す画像(試料画像)を取得する画像取得手段として機能する。このような構成は、粒子が透光性を有する場合に好適である。本実施形態では、試料画像は透過画像すなわち粒子状試料を透過した光によって構成される画像となる。撮像カメラ107は、対物レンズ105の焦点位置、すなわち粒子状試料の像が結像される位置に設置される。対物レンズ105が無限遠補正光学系対応のものであれば、撮像カメラ107と対物レンズ105の間に結像レンズを設置する。撮像カメラ107は、たとえば試料画像を顕微鏡画像として撮像する。撮像カメラ107は、撮像した試料画像を電気信号に変換し、出力または送信する機能を備える。本実施形態では、撮像された試料画像はコンピュータ108に転送される。
【0029】
撮像カメラ107と対物レンズ105との間には、必要に応じて、色ガラスフィルタ、干渉フィルタなどの光学フィルタ(不図示)を適宜挿入してもよい。
【0030】
コンピュータ108は、公知のコンピュータを用いて構成することができ、各種演算処理および制御を行なう演算部と、情報を記憶する記憶部とを備える。記憶部は、半導体メモリ装置などの一時的、揮発性または過渡的記憶媒体を含んでもよいし、ハードディスクなどの非一時的、不揮発性または非過渡的記憶媒体を含んでもよく、これらの両方を含んでもよい。また、コンピュータ108は、ユーザからの入力を受け付ける入力装置(マウス、キーボードなど)と、測定結果を表示する表示装置(ディスプレイなど)を備えてもよい。コンピュータ108は、本実施形態において、試料画像に関する演算処理を行うデータ処理手段として機能し、試料画像に関する演算処理を行うデータ処理工程を実行する。
【0031】
本実施形態では、観察装置1の観察対象として、生体関連の粒子状試料である細胞または細菌を用いる。細胞または細菌は、96穴マイクロタイタープレート内で培養され、経時変化が計測される。
【0032】
(2)試料画像の特徴
【0033】
図2は、粒子状試料を恒温状態で培養したときの画像(透過光像)の経時変化の一例である。図2(a)は観察開始直後の画像であり、図2(b)は観察開始から約2時間後の画像であり、図2(c)は観察開始から6時間後における画像である。この図は、粒子状試料が培養時間に伴って増殖している様子を示している。約2時間後(図2(b))では、粒子状試料を個別に識別することが可能であるが、6時間後(図2(c))では、粒子同士が近接し、または重なってしまい、各粒子の輪郭が不鮮明となる。また、全体的に輝度が小さくなり、各粒子の識別は困難になる。この結果、特許文献2のような粒子カウント方式では、粒子の識別が困難になり、正確な計数が困難になってしまう。
【0034】
試料の撮像位置の像を取得するには、たとえば対物レンズ及び結像レンズを使い、撮像カメラにその像を結像させて検出すればよい。透過光像には、各レンズによって集められた種々の情報が含まれる。粒子等の細かな構造は、直進成分ではなく、主に散乱・回折などで生じる高周波数成分が大きく寄与する。一方、直進成分は、画像の強度の大きさに寄与する。
【0035】
(3)試料画像の成分
【0036】
図3は、撮像光学系の概要と、高開口数成分と低開口数成分の切り分けとを説明する図である。なお、本明細書および図面において、「開口数」(Numerical Aperture)を単に「NA」と略記する場合がある。
【0037】
レンズ中央付近の光路L1は、低NA成分の光に対応する。低NA成分を使えば、直進光成分を主に含む画像を取得することができるので、透過光強度の変化を取得することができ、いわゆる濁度法で計測される強度情報と同等の情報が得られる。また、レンズ周縁部の光路L2は、高NA成分の光に対応する。高NA成分を使えば、散乱または回折された成分を結像させることになるので、背景光強度が除かれた粒子像を抽出することができる。
【0038】
本実施形態に係る観察装置1は、近似的に、低NA成分による画像(低NA画像)の強度情報を解析する。すなわち、粒子が存在する場合に生じる輝度低下に基づいて粒子を識別し、その存在領域(またはその領域を構成する画素)を抽出する。一方で、高NA成分による画像(高NA画像)から、細かな構造に依存する強度情報を取得し、これに基づいて粒子の存在領域(またはその領域を構成する画素)を抽出する。そして、両画像の領域を合わせて、粒子の領域とする。これにより、より広い範囲の粒子数(または粒子濃度)に対して、粒子を正確に認識または定量することができる。
【0039】
これら各成分に係る画像を検出するために、従来の技術では、低NA用および高NA用の2種類の光学検出系を設け、それぞれについて画像を取得する必要がある。これに対し、本発明者は、実際に2種類の光学検出系を準備しなくとも、画像の周波数領域表現を用いれば、高NA成分および低NA成分を実質的に分離することができるという点に着目した。たとえば、透過光像の周波数領域表現(たとえばフーリエ変換)を取得し、この周波数領域表現を高周波数成分および低周波数成分に分離すれば、実質的に高NA成分および低NA成分に相当する成分(または近似的にこれらに相当する成分)を取得することができる。
【0040】
この原理に基づいて、本実施形態に係る観察装置1は、ひとつの試料画像から2種類の画像を構築し、これによって、測定時間を短縮するとともに、装置コストも低減することができる。周波数領域表現の取得は、たとえば2次元FFT(高速フーリエ変換)処理によって行うことができる。また、得られた周波数領域表現を、高周波数成分と低周波数成分とに分離し、各成分に対してIFFT(逆高速フーリエ変換)処理を行うことにより、高周波数成分による高周波数画像と、低周波数成分による低周波数画像とを取得することができる。これら2種類の画像を用いることにより、より広い範囲の粒子数(または粒子濃度)に対して、粒子を正確に認識または定量することができる。
【0041】
(4)装置の作用の概要
【0042】
図4は、観察装置1の動作の一例を示すフローチャートであり、すなわち、観察装置1によって実行される粒子認識方法および粒子定量方法の例を表す。また、図5に、観察装置1の動作に係る画像の例を示す。この例では、粒子状試料として培養される細菌を用いている。図4に示す処理は、観察装置1が試料画像を取得することによって開始される(ステップS1)。ステップS1は画像取得工程である。この処理は、たとえば撮像カメラ107が粒子状試料を撮像することによって実行される。撮像カメラ107は、撮像された試料画像をコンピュータ108に送信してもよく、コンピュータ108は試料画像を受信してもよい。
【0043】
図5の例では、粒子状試料として、培養される細菌を用いている。図5(a)はステップS1において取得される試料画像の例である。この例は、培養時間約150分次の培養細菌の透過画像である。コンピュータ108は、試料画像の画素の輝度値について、空間領域表現を取得する。たとえば、2次元に配列された各位置の画素の輝度値を取得する。
【0044】
次に、コンピュータ108は、後続のステップS2~S5を含んで構成されるデータ処理工程を実行する。まずコンピュータ108は、試料画像の周波数領域表現を取得する(ステップS2)。この処理は、たとえば空間領域表現に対して、フーリエ変換その他の周波数領域変換を実行することにより行われる。本実施形態では、フーリエ変換の例として2次元FFTを用いる。
【0045】
図5(b)は、図5(a)を2次元FFT処理して得られる周波数領域表現の画像である。図5(b)の画像において、中心は周波数(空間周波数)0の成分を表し、周縁に近づくほど周波数が高い成分を表す。画像中の各画素の輝度は、その位置に対応する周波数成分の大きさを表す。本明細書および図面では、説明のために周波数領域表現を画像とした場合を例とするが、周波数領域表現は画像に限らず任意の形式で処理することができる。
【0046】
次に、コンピュータ108は、取得した周波数領域表現を、高周波数成分および低周波数成分に分離する(ステップS3)。分離はたとえば図5(c)および図5(d)に示すように行うことができる。図5(b)の画像において、周波数0の点を含む低周波数領域と、周波数0の点を含まない高周波数領域とを分離する境界線を定義する。境界線は、たとえば周波数0の点を中心とした所定半径(たとえば半径6画素)の円とすることができる。この円の内側が低周波数領域、円の外側が高周波数領域となる。低周波数領域は関心領域(ROI)と呼ばれる場合がある。なお円周上の点の所属は任意に決定可能であり、低周波数領域に含めてもよいし、高周波数領域に含めてもよい。
【0047】
次に、図5(c)のように、円の内側すなわち低周波数領域をマスクして高周波数成分を取得する。マスク処理は、たとえば当該領域の成分の大きさ(画像では輝度)を0とすることによって実行される。同様に、図5(d)のように、円の外側すなわち高周波数領域をマスクした低周波数成分を取得する。
【0048】
ステップS3の後、コンピュータ108は、各成分の空間領域表現を取得する(ステップS4)。すなわち、低周波数成分の空間領域表現として低周波数画像を取得し、高周波数成分の空間領域表現として高周波数画像を取得する。この処理は、たとえば周波数領域表現に対して、ステップS2の変換の逆変換を実行することにより行われる。本実施形態では、ステップS2で2次元FFTが用いられているので、ステップS4では2次元IFFTを用いる。
【0049】
空間領域表現は、FFT変換前の空間領域表現(すなわち画像)と同形式で表現することができる。図5(e)は、図5(c)に示す高周波数成分からなる高周波数画像であり、図5(f)は、図5(d)に示す低周波数成分からなる低周波数画像である。このようにして、互いに異なる特性を有する2種類の画像が取得される。
【0050】
次に、コンピュータ108は、得られた高周波数画像および低周波数画像に基づき、粒子状試料を認識または定量する(ステップS5)。たとえば、コンピュータ108は、試料画像において粒子が存在する領域を認識する。この場合には、観察装置1は、粒子状試料を認識する粒子認識装置として機能する。または、たとえば、コンピュータ108は、試料画像に含まれる粒子の量を定量する。この場合には、観察装置1は、粒子状試料を定量する粒子定量装置として機能する。ここで、「定量」とは、粒子の数を正確に計測することの他に、粒子の概数を算出すること、粒子の濃度を算出すること、等を含む。
【0051】
コンピュータ108は、1つの試料画像に対する認識または定量が終了すると、別の試料画像に対する認識または定量を開始してもよい。とくに、図4に示すループを所定時間ごとに実行してもよい。すなわち、撮像カメラ107は、所定時間ごとに試料画像を取得してもよく、コンピュータ108は、各試料画像について粒子状試料を認識または定量してもよい。このようにすると、粒子の増加の様子を表す経時変化に係る情報を得ることができる。
【0052】
(5)定量の具体的手法
【0053】
粒子状試料を定量する具体的手法の例を以下に説明する。
図6は、高周波数画像の全画素に対する輝度のヒストグラムの例である。このヒストグラムは図5(e)の高周波数画像のものである。図中の「m」は時間単位を表し、この例では「分」を表す。たとえば、「0m」は培養開始時点すなわち培養経過時間が0分である状態の画像の輝度分布を表し、「34m」は培養経過時間が34分である状態の画像の輝度分布を表す。
【0054】
図6の例では、培養時間が大きくなるにつれて輝度の高い画素が増えることが測定されている。つまり、試料画像において粒子が存在する領域が増えていることを検出しているということができ、したがって、高周波数画像において輝度の高い画素は、粒子が存在する領域に対応すると言うことができる。特に、培養経過時間が小さい場合でも、粒子の存在領域の変化を有意に識別することができる。
【0055】
図7は、高周波数画像における高輝度画素の総数の、培養経過時間に応じた変化を表す図である。ここで、「高輝度画素」とは、輝度が所定の閾値輝度を超える画素を意味する。図7は、閾値輝度を6程度とした場合の例である。この閾値を図6に破線で示す。なお、本実施形態では、各画素の輝度を0~255の256段階で表し、0が最も輝度が低く(暗く)、255が最も輝度が高い(明るい)ものとする。
【0056】
約400分未満の時間帯で、高輝度画素の数が時間とともに増加している。ここで、粒子の量が増加するにつれ高輝度画素の数も増加すると考えられるので、高周波数画像を用いれば、この時間帯において粒子の量の変化を感度良く検出できると言える。
【0057】
図8は、低周波数画像の全画素に対する輝度のヒストグラムの例である。このヒストグラムは図5(f)の低周波数画像のものである。培養経過時間ごとのデータを個別には特定しないが、図8(a)は培養経過時間が0分~184分のものを示し、図8(b)は培養経過時間が214~304分のものを示し、図8(c)は培養経過時間が334~424分のものを示す。
【0058】
図8(a)からわかるように、約200分より短い時間帯の画像では、時間が経過してもヒストグラムに大きな変化は無い。しかしながら、図8(c)に示すように、330分程度を超えると、輝度分布が低輝度側にシフトする様子が検出される。したがって、低周波数画像において輝度の低い画素は、粒子が存在する領域に対応すると言うことができる。
【0059】
図9は、低周波数画像における低輝度画素の総数の、培養経過時間に応じた変化を表す図である。ここで、「低輝度画素」とは、輝度が所定の閾値輝度より小さい画素を意味する。図9は、閾値輝度を96程度とした場合の例である。この閾値を図8に破線で示す。
【0060】
約300分を超えると、低輝度画素の数が時間とともに増加するようになる。ここで、粒子の量が増加するにつれ低輝度画素の数も増加すると考えられるので、低周波数画像を用いれば、この時間帯において粒子の量の変化を感度良く検出できると言える。
【0061】
また、500分以降では低輝度画素の数がほぼ一定となっている。これは、粒子が試料画像全体に存在し、飽和しているためと考えられる。この時間帯でも、時間が経過しても低輝度画素数が減少するようなことはないので、低周波数画像を用いて粒子の量を誤って認識する可能性は低いと言える。
【0062】
このように、コンピュータ108は、高周波数画像において粒子が存在する領域(第1領域)を抽出し、低周波数画像において粒子が存在する領域(第2領域)を抽出し、これら2つの領域に基づいて粒子状試料を定量する。とくに、高周波数画像の各画素の輝度に基づいて第1領域を抽出し、低周波数画像の各画素の輝度に基づいて第2領域を抽出する。
【0063】
そして、これら2つの領域を合わせて考慮することにより、粒子の定量が可能となる。より具体的には、高周波数画像における第1領域と、低周波数画像における第2領域との論理和を取得してもよい。第1領域および第2領域は、各画像における粒子の存在領域を表すので、これらを合わせる(たとえば論理和を取得する)ことにより、粒子の定量を効率よく行なうことができる。すなわち、コンピュータ108は、第1領域と第2領域との論理和を取ることによって、粒子存在領域の論理和(論理和領域)を取得し、この論理和領域に基づいて粒子状試料を定量してもよい。とくに、論理和領域の面積に基づいて粒子状試料を定量してもよい。面積はたとえば画素の数によって表される。
【0064】
図10は、論理和領域の画素の総数の、培養経過時間に応じた変化を示す。培養経過時間が0分から1000分以上まで経過するにつれて、粒子が少ない状態から、粒子が密集し粒子同士が重なってしまう状態まで変化する。
【0065】
ここで、図7(高周波数画像の例)では400分程度までしか粒子の増加を反映していないし、それ以降は粒子の増加につれて画素数が減少するため粒子の量の誤検出につながる可能性があるが、図10の例では400分を超えてからもしばらく粒子の増加を正確に反映しており、かつ、飽和して以降も画素数は減少せず、粒子の量の誤検出は抑制される。
【0066】
また、図9(低周波数画像の例)では、200分程度までは粒子の増加を反映していないし、それまでは粒子の増加につれて画素数が減少しているため粒子の量の誤検出につながる可能性があるが、図10の例では100分程度から粒子の増加を正確に反映しており、かつ、それまでも画素数は減少せず、粒子の量の誤検出は抑制される。
【0067】
粒子の量の具体的な値の決定には、あらかじめ求めた検量線を用いることができる。たとえば、コンピュータ108は、論理和領域の画素数を表す値と、粒子状試料の量とを関連付ける検量線を取得してもよい。このような検量線は、コンピュータ108があらかじめ記憶していてもよい。
【0068】
また、たとえば、コンピュータ108は、このような検量線と、論理和領域の画素数とに基づいて、粒子状試料を定量してもよい。より具体的な例としては、論理和領域の画素数に応じて粒子状試料の量を与える関数や、論理和領域の画素数の割合に応じて粒子状試料の量を与える関数を用いることができる。
【0069】
より具体的な例として、培養時間と、粒子状試料の量(たとえば細胞の数)との関係を別途の実験等で求めておき、図6および図8に示す情報から、培養時間と論理和領域の画素数の数との関係を求める。これら2種類の関係に基づいて、論理和領域の画素数と、粒子状試料の量とを関連付ける検量線を作成することができる。そして、上述のように、この検量線と、所望の試料画像に対する論理和領域の画素数とに基づき、その試料画像における粒子状試料の量を決定することができる。
【0070】
このように、図10のように論理和領域の画素数に基づいて粒子状試料の定量を行うと、粒子を正確に認識できる粒子数の範囲がより広くなる。
【0071】
また、閾値を設定するだけで、各領域の抽出処理は簡単に行なうことができ、低コスト化が可能になる。また処理速度も高速にできる。また、2種の異なる画像を1つの試料画像から作成するので、各画像を異なる光学的条件でそれぞれ撮像するような構成と比較すると、撮像のための露光時間などの時間が短縮し、また装置サイズの小型化ができ、処理速度向上、低コスト化が実現できる。
【0072】
なお、図4に示すようなループを(たとえば所定時間間隔で)実行する場合には、コンピュータ108は、各ループについて、経時変化を表す情報を出力してもよい。たとえば、高周波数画像における第1領域の各画素の輝度の経時変化を表す情報と、低周波数画像における第2領域の各画素の輝度の経時変化を表す情報とを出力してもよい。あるいは、コンピュータ108は、高周波数画像における第1領域の画素数の経時変化を表す情報と、低周波数画像における第2領域の画素数の経時変化を表す情報とを出力してもよい。
【0073】
[その他の実施形態]
第1の実施形態において、以下のような変形を施すことができる。
各閾値は任意に設計することができる。たとえば、周波数領域表現(図5(b)~(d))において低周波数領域と高周波数領域とを分離する円の半径を6とする必要はなく、高周波数画像において高輝度画素を抽出する際の閾値輝度(図6)を6とする必要はなく、低周波数画像において低輝度画素を抽出する際の閾値輝度(図8)を96とする必要はない。
【0074】
第1の実施形態では、論理和領域に基づいて粒子状試料の定量を行ったが、論理和領域を用いる必要はない。たとえば、コンピュータ108は、試料画像の周波数領域表現から0次回折成分を除去することにより非0次周波数領域表現を取得し、非0次周波数領域表現の空間領域表現として非0次画像を取得し、非0次画像に基づいて粒子状試料を認識または定量してもよい。
【0075】
または、コンピュータ108は、試料画像に基づいて、光学的に高開口数の光路を通過する成分の光による高NA(開口数)画像と、光学的に低開口数の光路を通過する成分の光による低NA画像とを取得し、高NA画像および低NA画像に基づいて粒子状試料を認識または定量してもよい。
【0076】
または、コンピュータ108は、試料画像において粒子が存在する粒子領域を抽出し、粒子領域の画素数を算定し、試料画像の画素数に対する、粒子領域の画素数の割合に基づいて、粒子状試料を認識または定量してもよい。
【0077】
または、コンピュータ108は、論理和領域の画素数の、試料画像の画素の総数に対する割合を算定し、この割合に基づいて、粒子状試料を認識または定量してもよい。
【0078】
または、コンピュータ108は、第1領域の画素数と、第2領域の画素数とに基づいて粒子状試料を認識または定量してもよい。
【0079】
試料画像の各画素に対してその画素の輝度に基づく補正値をあらかじめ決定しておき、この補正値を各画素に乗算し、その結果に基づいて各成分の分離を行ってもよい。また、あらかじめ1粒子あたり平均画素数を取得しておき、論理和領域の画素数をこの平均で除算して、粒子数を算定する方式も適用可能である。これらの方式でも、第1の実施形態と同様の効果を有する。
【0080】
論理和領域の画素数が飽和している状態では、全体的な輝度(たとえば各画素の輝度の平均値)の減少量に基づいて、粒子状試料の量を補正してもよい。論理和領域の画素数が飽和している画像または部分画像(すなわち、粒子状試料が増加してももはや低輝度画素が増加しない状態になっている画像または部分画像)であっても、粒子状試料が増加すれば全体的な輝度の減少が生じる場合がある。
【0081】
たとえば、ある試料画像またはその特定部分の、画素の輝度の統計的量に応じ、粒子状試料の量を補正するような関数を用いてもよい。画素の輝度の統計的量とは、たとえば、図8のような輝度ヒストグラムにおけるピーク輝度の値であってもよいし、画素の輝度の平均値であってもよい。たとえば、ピーク輝度が減少するにつれ粒子状試料の量を増加させるように補正する関数を用いることができる。輝度の減少は、粒子の重なりが増えている情報であるので、輝度の減少量に基づく補正を行なうことにより、粒子状試料の量の測定範囲をさらに広げることができ、より広いダイナミックレンジを得ることができる。
【0082】
試料画像の形式は当業者が任意に設計可能である。たとえば、8bitのグレースケール画像を用いてもよいし、16bitのグレースケール画像を用いてもよい。また、カラー画像をグレースケール画像へ変換してから用いてもよい。
【0083】
第1の実施形態では、試料画像として透過光像を使用したが、試料画像は透過画像に限らず、周波数領域表現に変換できる画像であれば任意の形式のものを用いることができる。たとえば、公知の手段で取得できる相差像、微分干渉像などを試料画像とすることもできる。この場合でも処理は同様である。
【0084】
第1の実施形態または第2の実施形態では、粒子状試料は透光性を有するが、透光性を有しないものを用いてもよい。また、粒子状試料としてはたとえば粒子、細胞または細菌が用いられるが、これら以外の試料を用いてもよい。
【0085】
試料画像に対して画像補正を行ってもよい。たとえば、シェーディング補正、感度ムラ補正、ノイズ除去、スムージング、等などの画像処理を行なってもよい。また、光源ムラ、検出器感度ムラなどの補正を行なってもよい。これらの補正を行うと、より正確な定量が可能になる。
【0086】
観察装置の光学系は図1のような構成とする必要はなく、試料画像を取得する画像取得手段を設けることができる構成であればどのようなものであってもよい。また、光学系を含まず、通信ネットワークまたは可搬型記憶媒体等を介して試料画像を取得するものであってもよい。
【0087】
観察装置は、粒子状試料の定量を行わないものであってもよい。たとえば、粒子の存在領域を識別し、その位置または形状等を出力する装置であってもよい。
【0088】
本開示は、上述した実施形態および変形例に限定されるものではなく、様々な他の変形例をも包含する。各実施形態は、本開示を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成の一部に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成の一部を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の実施形態の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【符号の説明】
【0089】
1…観察装置(粒子定量装置)
101…照明用光学系
102…サンプル容器
103…台座
104…XYステージ
105…対物レンズ
106…対物レンズアクチュエータ
107…撮像カメラ(画像取得手段)
108…コンピュータ(データ処理手段)
S1…ステップ(画像取得工程)
S2,S3,S4,S5…ステップ(データ処理工程)
本明細書で引用した全ての刊行物、特許及び特許出願はそのまま引用により本明細書に組み入れられるものとする。
図1
図2
図3
図4
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図6
図7
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図9
図10
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