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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-22
(45)【発行日】2023-05-30
(54)【発明の名称】半導体ウェーハの評価方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/956 20060101AFI20230523BHJP
   H01L 21/66 20060101ALI20230523BHJP
【FI】
G01N21/956 A
H01L21/66 J
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020099230
(22)【出願日】2020-06-08
(65)【公開番号】P2021193339
(43)【公開日】2021-12-23
【審査請求日】2022-06-17
(73)【特許権者】
【識別番号】302006854
【氏名又は名称】株式会社SUMCO
(74)【代理人】
【識別番号】110000109
【氏名又は名称】弁理士法人特許事務所サイクス
(72)【発明者】
【氏名】黒紙 基
(72)【発明者】
【氏名】森 敬一朗
【審査官】嶋田 行志
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-162141(JP,A)
【文献】特開2017-142209(JP,A)
【文献】特開2017-072461(JP,A)
【文献】特開2016-200554(JP,A)
【文献】特開2017-062157(JP,A)
【文献】特開2012-068103(JP,A)
【文献】特開2010-129748(JP,A)
【文献】特開2001-255278(JP,A)
【文献】特開2002-116155(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/84-G01N 21/958
H01L 21/00-H01L 21/98
G01B 11/00-G01B 11/30
JSTPlus/JST7580/JSTChina(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザー表面検査装置によって半導体ウェーハを評価する半導体ウェーハの評価方法であって、
前記半導体ウェーハは、半導体基板上に被覆層を有し、
前記レーザー表面検査装置は、
第1の入射系と、
第1の入射系が被照射面へ入射させる光の入射角より高角度の入射角で被照射面へ光を入射させる第2の入射系と、
第1の受光系と、
第2の受光系と、
第3の受光系と、
を有し、
前記3種の受光系は、被照射面から放射された光を受光する受光角および偏光選択性からなる群から選ばれる1つ以上がそれぞれ異なり、
前記3種の受光系のうち、1種の受光系は全方位光を受光し、他の2種の受光系は方位角が異なる偏光をそれぞれ選択受光し、
前記全方位光を受光する受光系の受光角は、前記他の2種の受光系の受光角より高角度であり、
前記被覆層の表面において、第1の入射系から入射した光が前記表面で反射または散乱することによって放射された放射光を前記3種の受光系でそれぞれ受光することによって得られた3種の低入射角測定結果と、第2の入射系から入射した光が前記表面で反射または散乱することによって放射された放射光を前記3種の受光系の少なくとも1種で受光することによって得られた少なくとも1種の高入射角測定結果と、を含む複数の測定結果に基づき、前記被覆層の表面に存在する付着物および非付着凸状欠陥からなる群から選択される欠陥種を輝点として検出することによって、前記半導体ウェーハの評価を行うことを含む、半導体ウェーハの評価方法。
【請求項2】
前記他の2種の受光系のうちの一方に選択受光される偏光の方位角をθ°とし、他方に選択受光される偏光の方位角をθ°として、0°≦θ°≦90°であり、90°≦θ°≦180°である、請求項に記載の半導体ウェーハの評価方法。
【請求項3】
前記少なくとも1種の高入射角測定結果は、第2の入射系から入射した光が前記表面で反射または散乱することによって放射された放射光を前記他の2種の受光系の少なくとも一方によって受光することによって得られた測定結果を含む、請求項1または2に記載の半導体ウェーハの評価方法。
【請求項4】
第1の受光系は、全方位光を受光し、
第2の受光系は、方位角θ°の偏光を選択受光し、
第3の受光系は、方位角θ°とは異なる方位角θ°の偏光を選択受光し、
0°≦θ°≦90°かつ90°≦θ°≦180°であり、
第1の受光系の受光角は、第2の受光系の受光角および第3の受光系の受光角より高角度であり、
第1の入射系と第1の受光系との組み合わせによって得られた測定結果1における検出の有無および検出サイズ、
第1の入射系と第2の受光系との組み合わせによって得られた測定結果2における検出の有無および検出サイズ、
第1の入射系と第3の受光系との組み合わせによって得られた測定結果3における検出の有無および検出サイズ、
第2の入射系と第2の受光系または第3の受光系との組み合わせによって得られた測定結果4における検出の有無および検出サイズ、
からなる群から選ばれる判別基準に基づき、前記輝点として検出された欠陥種が付着物であるか非付着凸状欠陥であるか判別することを含む、請求項1~のいずれか1項に記載の半導体ウェーハの評価方法。
【請求項5】
前記判別を、下記表1に示す基準:
【表1】
にしたがい行い、X、YおよびZは、それぞれ独立に、0超である、請求項に記載の半導体ウェーハの評価方法。
【請求項6】
Xは1.30~1.50の範囲であり、Yは0.60~0.80の範囲であり、かつZは0.80~0.85の範囲である、請求項に記載の半導体ウェーハの評価方法。
【請求項7】
前記被覆層は、成膜材料が堆積した堆積層である、請求項1~のいずれか1項に記載の半導体ウェーハの評価方法。
【請求項8】
前記半導体基板は、単結晶シリコン基板である、請求項1~のいずれか1項に記載の半導体ウェーハの評価方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウェーハの評価方法に関し、詳しくは、半導体基板上に被覆層を有する半導体ウェーハの評価方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体ウェーハの欠陥や表面に付着した異物の評価方法として、レーザー表面検査装置によって検出される輝点(LPD;Light Point Defect)に基づく方法が広く用いられている(例えば特許文献1参照)。この方法では、評価対象の半導体ウェーハ表面に光を入射させ、この表面からの放射光(散乱光または反射光)を検出することによって、半導体ウェーハの欠陥・異物の有無やサイズが評価される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-43277号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1(特開2005-43277号公報)には、1つの入射系と2つの受光系とを備えたレーザー表面検査装置を使用して、凸状欠陥と凹状欠陥とを分類して、膜が堆積した状態の半導体ウェーハを評価する方法(特許文献1の段落0024~0026に記載の第2の実施形態)が開示されている。
【0005】
被覆層が成膜された後の半導体ウェーハ上には、表面欠陥として、被覆層の表面の付着物と非付着凸状欠陥とが存在し得る。付着物は、成膜プロセス中および/または成膜プロセス後に外部環境から被覆層上に付着した異物である。これに対し、非付着凸状欠陥は、被覆層表面の局所的な盛り上がりであって、通常、成膜前のウェーハ表面に存在した欠陥が核となって成膜により肥大化した欠陥である。付着物は洗浄によって除去可能であるため、後のプロセスに影響を与えることは少ない。これに対し、非付着凸状欠陥は、例えば、後の配線プロセスで動作異常を引き起こして歩留まりの低下を引き起し得るが、洗浄では除去することができない。上記の通り、付着物と非付着凸状欠陥とは、低減するための対策が異なるため、両者をそれぞれ検出できることが望まれる。
【0006】
本発明の一態様は、被覆層の表面において付着物および/または非付着凸状欠陥を検出することにより、被覆層を有する半導体ウェーハを評価する新たな評価方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、
レーザー表面検査装置によって半導体ウェーハ(以下、単に「ウェーハ」とも記載する。)を評価する半導体ウェーハの評価方法であって、
上記半導体ウェーハは、半導体基板上に被覆層を有し、
上記レーザー表面検査装置は、
第1の入射系と、
第1の入射系が被照射面へ入射させる光の入射角より高角度の入射角で被照射面へ光を入射させる第2の入射系と、
第1の受光系と、
第2の受光系と、
第3の受光系と、
を有し、
上記3種の受光系は、被照射面から放射された光を受光する受光角および偏光選択性からなる群から選ばれる1つ以上がそれぞれ異なり、
上記被覆層の表面において、第1の入射系から入射した光が上記表面で反射または散乱することによって放射された放射光を上記3種の受光系でそれぞれ受光することによって得られた3種の低入射角測定結果と、第2の入射系から入射した光が上記表面で反射または散乱することによって放射された放射光を上記3種の受光系の少なくとも1種で受光することによって得られた少なくとも1種の高入射角測定結果と、を含む複数の測定結果に基づき、上記被覆層の表面に存在する付着物および非付着凸状欠陥からなる群から選択される欠陥種を輝点として検出することによって、上記半導体ウェーハの評価を行うことを含む、半導体ウェーハの評価方法(以下、単に「評価方法」とも記載する。)、
に関する。
【0008】
一形態では、上記3種の受光系のうち、1種の受光系は全方位光を受光することができ、他の2種の受光系は方位角が異なる偏光をそれぞれ選択受光することができる。
【0009】
一形態では、上記全方位光を受光する受光系の受光角は、上記他の2種の受光系の受光角より高角度であることができる。
【0010】
一形態では、上記他の2種の受光系のうちの一方に選択受光される偏光の方位角をθ°とし、他方に選択受光される偏光の方位角をθ°として、0°≦θ°≦90°であり、90°≦θ°≦180°であることができる。
【0011】
一形態では、上記少なくとも1種の高入射角測定結果は、第2の入射系から入射した光が上記表面で反射または散乱することによって放射された放射光を上記他の2種の受光系の少なくとも一方によって受光することによって得られた測定結果を含むことができる。
【0012】
一形態では、上記評価方法は、
第1の受光系は、全方位光を受光し、
第2の受光系は、方位角θ°の偏光を選択受光し、
第3の受光系は、方位角θ°とは異なる方位角θ°の偏光を選択受光し、
0°≦θ°≦90°かつ90°≦θ°≦180°であり、
第1の受光系の受光角は、第2の受光系の受光角および第3の受光系の受光角より高角度であり、
第1の入射系と第1の受光系との組み合わせによって得られた測定結果1における検出の有無および検出サイズ、
第1の入射系と第2の受光系との組み合わせによって得られた測定結果2における検出の有無および検出サイズ、
第1の入射系と第3の受光系との組み合わせによって得られた測定結果3における検出の有無および検出サイズ、
第2の入射系と第2の受光系または第3の受光系との組み合わせによって得られた測定結果4における検出の有無および検出サイズ、
からなる群から選ばれる判別基準に基づき、上記輝点として検出された欠陥種が付着物であるか非付着凸状欠陥であるか判別することを含むことができる。
【0013】
一形態では、上記判別を、後述する表1に示された判別基準にしたがい行うことができる。
【0014】
一形態では、表1中、Xは、1.30~1.50の範囲であることができる。
【0015】
一形態では、表1中、Yは、0.60~0.80の範囲であることができる。
【0016】
一形態では、表1中、Zは、0.80~0.85の範囲であることができる。
【0017】
一形態では、上記被覆層は、成膜材料が堆積した堆積層であることができる。
【0018】
一形態では、上記半導体基板は、単結晶シリコン基板であることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の一態様によれば、被覆層表面の付着物および/または非付着凸状欠陥を検出することにより、半導体基板上に被覆層を有する半導体ウェーハを評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】レーザー表面検査装置の一例(概略構成図)を示す。
図2】実施例において半導体ウェーハの被覆層の表面においてSEMで観察された非付着凸状欠陥および付着物の一例(SEM像)を示す。
図3】実施例において表2に示す(2)および(3)の判別に用いた、DW1OチャンネルとDW2Oチャンネルの検出サイズ分布を示すグラフである。
図4】実施例において表2に示す(4)の判別に用いた、DW1OチャンネルとDNOチャンネルの検出サイズ分布を示すグラフである。
図5】実施例において表2に示す判別(5)および(6)に用いた、DW1OチャンネルとDWNチャンネルの検出サイズ分布を示すグラフである。
図6】実施例において表2に示す判別(7)に用いた、DW1OチャンネルとDW2Oチャンネルの検出サイズ分布を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、上記評価方法について、更に詳細に説明する。
【0022】
[評価対象の半導体ウェーハ]
上記評価方法における評価対象の半導体ウェーハは、半導体基板上に被覆層を有する半導体ウェーハである。上記半導体基板は、単結晶シリコン基板等の各種半導体基板であることができる。
【0023】
上記半導体基板上に存在する被覆層としては、公知の成膜方法によって形成される各種被覆層であることができる。上記被覆層の具体例としては、酸化物層、窒化物層、ポリシリコン層、アモルファスシリコン層、金属層等を挙げることができる。
【0024】
一形態では、上記被覆層は、半導体基板上に成膜材料が堆積した堆積層であることができる。堆積層を形成するための成膜方法としては、成膜材料を気相成長法によって半導体基板上に堆積させることができる各種成膜方法、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、ALD(Atomic Layer Deposition)法等を挙げることができる。上記被覆層の厚さは、例えば5~500nmの範囲であることができるが、この範囲に限定されるものではない。
【0025】
上記のような半導体基板上の被覆層の表面には、付着物と非付着凸状欠陥とが存在し得る。以下に詳述する評価方法によれば、これら欠陥種を検出することができる。また、付着物および非付着凸状欠陥は、いずれも凸状の形状で被覆層表面に存在し、かつ通常どちらも幅広いサイズ分布をもって被覆層表面に存在しているため、単純にレーザー表面検査装置によって検出される輝点のサイズに基づく評価では、両者を判別することは困難である。これに対し、以下に詳述する評価方法によれば、付着物と非付着凸状欠陥とを判別することが可能となる。
【0026】
[レーザー表面検査装置]
上記評価方法において用いられるレーザー表面検査装置(以下、単に「表面検査装置」とも記載する。)は、
被照射面へ入射させる光の入射角が異なる2種の入射系と、
受光角および偏光選択性からなる群から選ばれる少なくとも1つがそれぞれ異なる3種の受光系(第1の受光系、第2の受光系および第3の受光系)と、
を備えている。かかる表面検査装置では、異なる入射系から評価対象の半導体ウェーハの被覆層の表面(即ち被照射面)に入射した光が被照射面上の各箇所で反射または散乱することにより放射された放射光が、異なる受光系によって受光される。放射光が放射する方向(詳しくは、反射光の反射角度または散乱光の散乱角度)および偏光特性は、半導体基板上に形成された被覆層における付着物や非付着凸状欠陥の存在により様々に変わり得る。それらが異なる様々な放射光を、受光角および偏光選択性からなる群から選ばれる少なくとも1つがそれぞれ異なる上記3種の受光系で受光することにより、上記の付着物や非付着凸状欠陥を輝点として検出することが可能になると、本発明者は推察している。そのような入射系および受光系を備える表面検査装置の一例(概略構成図)を、図1に示す。図1中、入射光を実線矢印、放射光を点線矢印で模式的に示している。但し、図中に示す入射方向および放射方向は例示であって、本発明を何ら限定するものではない。また、各受光系が受光する放射光には、反射光および散乱光の一方または両方が含まれ得る。
【0027】
図1に示す表面検査装置10は、第1の入射系として低角度側レーザー光源100を備えている。第1の入射系が被照射面へ入射される光の入射角より高角度の入射角で被照射面へ光を入射させる第2の入射系は、高角度側レーザー光源101aとミラー101bとによって構成されている。高角度側レーザー光源101aから出射された光は、ミラー101bで反射することにより、その出射方向が変更されてウェーハ1の被覆層(不図示)の表面に入射する。
【0028】
図1に示す表面検査装置10は、3種の受光系として、高角度側受光器201、低角度側受光器202および低角度側受光器203を備えている。図1に示す表面検査装置10は、高角度側受光器が1つであり低角度側受光器が2つの構成を有する。ただし、上記評価方法において用いられる表面検査装置は、かかる構成に限定されるものではなく、高角度側受光器が2つであり低角度側受光器が1つの構成であってもよい。また、2つの低角度側受光器の受光角は、同じであっても異なっていてもよい。この点は、高角度側受光器が2つの場合でも同様である。それら3つの受光器は、受光角および偏光選択性からなる群から選ばれる少なくとも1つがそれぞれ異なる。この点については、更に後述する。尚、図1に示す表面検査装置10では、低角度側受光器202および203は、ステージ11上方全周において放射光を受光する構成を有する。ただし、表面検査装置が有する受光系は、放射光を受光できる構成を有するものであればよく、図1に示す構成のものに限定されるものではない。
【0029】
更に、表面検査装置10は、ウェーハ1を載せるステージ11を回転可能とする回転モータ12および水平方向に移動可能とする可動手段(不図示)を備えることにより、上記の各レーザー光源から入射する光の照射位置を変えることができる。これにより、ウェーハ1の被覆層の表面の評価すべき領域または表面全域に光を順次照射し(即ち走査し)、評価すべき領域または表面全域において欠陥種の検出を行うことが可能となる。
【0030】
更に、表面検査装置10は、ステージ11の回転および水平方向の移動を制御する制御部13と、上記の各受光器が受光した放射光の情報に基づき、検出された欠陥種の検出サイズを算出する演算部14と、を備えている。また、PC(Personal Computer)15は、制御部13から光を照射した位置の位置情報を受信し、未照射位置へ光を照射するためにステージ11を移動させる信号を送信する。更に、PC15は、演算部14から、検出された欠陥種の検出サイズに関する情報を受信し、詳細を後述する各種測定結果を生成することができる。
【0031】
但し、図1に概略を示す表面検査装置の構成は例示である。上記評価方法では、被照射面へ入射される光の入射角が異なる2種の入射系と、受光角および偏光選択性からなる群から選ばれる少なくとも1つがそれぞれ異なる3種の受光系(第1の受光系、第2の受光系および第3の受光系)と、を有する表面検査装置であれば、図1に示す構成の表面欠陥装置に限定されず、各種表面検査装置を用いることができる。具体的な装置名としては、例えば、KLA社製SurfscanシリーズSP5および同シリーズSP7を挙げることができる。
【0032】
[検出対象の欠陥種]
上記評価方法における表面検査装置による検出対象は、半導体ウェーハにおいて半導体基板上に形成された被覆層の表面に存在する付着物および非付着凸状欠陥からなる群から選択される欠陥種である。これら欠陥種は、評価対象のウェーハの被覆層の表面に上記2種の入射系からそれぞれ光を入射させ上記被覆層の表面から光が放射(散乱または反射)されることにより、受光系において輝点として検出される。輝点を検出することにより、表面検査装置の演算部において、検出された輝点のサイズから、標準粒子のサイズに基づき、輝点をもたらした欠陥種のサイズ(検出サイズ)を算出することができる。標準粒子のサイズに基づく検出サイズの算出は、市販の表面検査装置に備えられている演算手段により、または公知の演算方法により、行うことができる。
【0033】
付着物は、半導体基板上に被覆層を形成するための成膜プロセス中および/または成膜プロセス後に外部環境から被覆層の表面に付着した異物である。
これに対し、非付着凸状欠陥は、上記のような付着によって生じる欠陥とは異なり、被覆層表面の局所的な盛り上がりである。かかる非付着凸状欠陥は、通常、成膜前のウェーハ表面に存在した欠陥が核となって成膜により肥大化した欠陥である。
【0034】
上記評価方法では、ウェーハの被覆層の表面において、第1の入射系(即ち低角度側入射系)から入射した光が上記表面で反射または散乱することによって放射された放射光を上記3種の受光系でそれぞれ受光することによって得られた3種の低入射角測定結果と、第2の入射系(即ち高角度側入射系)から入射した光が上記表面で反射または散乱することによって放射された放射光を上記3種の受光系の少なくとも1種で受光することによって得られた少なくとも1種の高入射角測定結果と、を含む複数の測定結果に基づき、ウェーハの被覆層の表面に存在する付着物および非付着凸状欠陥からなる群から選択される欠陥種を輝点として検出する。付着物と非付着凸状欠陥とでは、上記2つの入射系からの入射光を反射または散乱させて放射する性質が異なるため、上記のように複数の測定結果を用いることによって、付着物と非付着凸状欠陥とを判別して輝点として検出することが可能になると本発明者は考えている。
【0035】
[評価方法の具体的実施形態]
次に、上記評価方法の具体的態様について、説明する。
【0036】
<入射系>
【0037】
第1の入射系および第2の入射系からそれぞれウェーハの被覆層表面に入射する入射光の波長は、特に限定されるものではない。入射光は、一形態では紫外光であることができるが、可視光またはその他の光であってもよい。ここで本発明および本明細書における紫外光とは、400nm未満の波長域の光をいい、可視光とは、400~600nmの波長域の光をいうものとする。
【0038】
上記の2種の入射系について、入射角に関して高角度(側)・低角度(側)とは、一方と他方との関係で相対的に定まるものであり、具体的な角度は限定されるものではない。一形態では、 第1の入射系(即ち低角度側入射系)から評価対象のウェーハの被覆層表面に入射する入射光の入射角は、上記被覆層表面と水平な全方向を0°、この被覆層表面と垂直な方向を90°として、入射角を最小0°から最大90°で規定すると、0°以上60°以下であることができ、0°超30°以下の範囲であることが好ましい。一方、第2の入射系(即ち高角度側入射系)から評価対象のウェーハの被覆層表面に入射する入射光の入射角は、上記と同様に規定される入射角として、60°超90°以下であることができ、80°超90°以下であることが好ましい。
【0039】
<受光系>
上記評価方法において用いられる表面検査装置は、3種の受光系を有し、これら3種の受光系は、受光角および偏光選択性からなる群から選ばれる少なくとも1つがそれぞれ異なる。一形態では、1種の受光系が評価対象のウェーハの被覆層の表面からの放射光を高角度側で受光する高角度側受光系であり、他の2種の受光系が上記放射光を低角度側で受光する低角度側受光系であることができる。2種の低角度側受光系の受光角は、同じであっても異なっていてもよい。ここで受光角に関して高角度(側)・低角度(側)とは、一方と他方との関係で相対的に定まるものであり、具体的な角度は限定されるものではない。一形態では、先に記載した入射角と同様に評価対象のウェーハの被覆層の表面を基準に角度を規定する場合、高角度側での受光とは、80°超90°以下の受光角で受光することをいうことができ、低角度側での受光とは、0°以上80°以下の受光角で受光することをいうことができる。また、他の一形態では、2種の受光系が高角度側受光系であり、1種の受光系が低角度側受光系であってもよい。この場合、2種の高角度側受光系の受光角は、同じであっても異なっていてもよい。
【0040】
上記3種の受光系は、受光角および偏光選択性からなる群から選ばれる少なくとも1つがそれぞれ異なる。受光角については、上記の通りである。一方、「偏光選択性が異なる」とは、受光系が、偏光を選択して受光する性質(即ち、偏光選択性があること)、全方位光を受光する性質(即ち、偏光選択性がないこと)、および偏光の中でも特定の(または特定の範囲の)方位角を有する偏光を選択受光する性質の少なくとも1つが異なることをいう。受光系に偏光選択性を付与する手段は公知であり、例えば偏光フィルタを受光系に備えることにより偏光選択性を有する受光系を構成することができ、偏光フィルタの種類によって特定の(または特定の範囲の)方位角を有する偏光を選択受光する性質を受光系に付与することができる。
【0041】
上記表面検査装置は、一形態では、1種の受光系が全方位光を受光し、他の2種の受光系が偏光を選択受光することができる。また、具体的な一形態では、1種の受光系が全方位光を受光し、他の2種の受光系が、方位角が異なる偏光をそれぞれ選択受光することができる。偏光を選択受光する2種の受光系について、一方の受光系に受光される偏光の方位角をθ°とし、他方の受光系に受光される偏光の方位角をθ°として、0°≦θ°≦90°かつ90°≦θ°≦180°であることができる。更に、好ましい具体的な一形態では、全方位角を受光する受光系の受光角は、偏光を選択受光する受光系より高角度であることができる。尚、全方位光とは、非偏光とも呼ばれ、偏光ではない光である。これに対し偏光とは、特定の方向性(方位角)を持つ光である。
【0042】
受光系に関して、より好ましい具体的な一形態は、以下の通りである。
第1の受光系は、全方位光を受光し、
第2の受光系は、方位角θ°の偏光を受光し、
第3の受光系は、方位角θ°の偏光を受光し、
第1の受光系の受光角は、第2の受光系および第3の受光系の受光角より高角度である。即ち、全方位角を受光する第1の受光系は、高角度側受光系であり、偏光を受光する第2の受光系および第3の受光系は、低角度側受光系である。更に、偏光を受光する2つの受光系(第2の受光系および第3の受光系)が受光する偏光の方位角は、θ°<θ°である。
【0043】
上記のより好ましい具体的な一形態にかかる受光系を有する表面検査装置では、より方位角が小さい偏光を受光する第2の受光系は、ウェーハの被覆層の表面からの反射光成分の抑制が可能であり、等方的な散乱をする欠陥種からの散乱光を検出しやすいと考えている。これに対し、より方位角が大きい偏光を受光する第3の受光系は、上記第2の受光系と比べて、ウェーハの被覆層の表面からの反射光成分の抑制効果は低いものの、異方的な散乱をする欠陥種からの散乱光を高感度に検出することができると、本発明者は考えている。更に、上記の第2の受光系および第3の受光系とともに、これら2種の受光系よりも高角度側で全方位光を受光する第1の受光系を組み合わせることにより、各種欠陥種の検出感度をより高めることができると、本発明者は推察している。こうして、付着物および非付着凸状欠陥をともに高感度に検出することが可能になると、本発明者は考えている。ただし以上は本発明者による推察を含むものであり、本発明を何ら限定するものではない。
【0044】
上記評価方法では、評価対象のウェーハの被覆層の表面において第1の入射系(即ち、低角度側入射系)から入射した光が反射または散乱することによって放射された放射光を上記3種の受光系でそれぞれ受光することによって得られた3種の低入射角測定結果と、第2の入射系(即ち、高角度側入射系)から入射した光が被覆層の表面で反射または散乱することによって放射された放射光を上記3種の受光系の少なくとも1種で受光することによって得られた少なくとも1種の高入射角測定結果と、を含む複数の測定結果に基づき、ウェーハの被覆層の表面に存在する付着物および非付着凸状欠陥からなる群から選択される欠陥種を輝点として検出する。付着物および/または非付着凸状欠陥の検出感度を更に高める観点からは、上記の高入射角測定結果は、第2の入射系から入射した光が評価対象のウェーハの被覆層の表面で反射または散乱することによって放射された放射光を、偏光を選択受光することができる上記の2種の受光系の少なくとも一方によって受光することによって得られた測定結果を含むことが好ましい。一形態では、高入射角測定結果は、第2の入射系から入射した光が評価対象のウェーハの被覆層の表面で反射または散乱することによって放射された放射光を、偏光を選択受光することができる上記の2種の受光系のいずれか一方によって受光することによって得られた測定結果であることができる。
【0045】
ところで、先に記載したように、付着物と非付着凸状欠陥とは、発生原因がそれぞれ異なるため、それらを低減するための手段も異なる。例えば、付着物は、一般的な洗浄によって容易に除去可能である。したがって、付着物を低減するためには、例えば、洗浄条件を強化すればよい。具体的には、付着物を低減するための手段としては、洗浄回数を増やすこと、洗浄時間を長くすること、より洗浄力の高い洗浄剤を使用すること等を挙げることができる。または、成膜プロセスの見直しによって、成膜プロセス中および/または成膜プロセス後に被覆層の表面に異物が付着することを抑制することを、付着物の低減のための手段の一例として挙げることができる。一方、非付着凸状欠陥は、被覆層形成後の洗浄では除去することができない。そのため、非付着凸状欠陥の低減のための手段としては、半導体ウェーハの製造プロセスを見直し、例えば、被覆層の成膜プロセス前に行われる半導体基板の洗浄条件を強化し、非付着凸状欠陥形成の核となり得る半導体基板表面の異物を洗浄によって除去することが挙げられる。したがって、被覆層を有するウェーハの評価においては、付着物と非付着凸状欠陥とを、判別して検出できることが望ましい。判別して検出することにより、付着物と非付着凸状欠陥のそれぞれの発生数や存在状態(分布)の把握が可能になり、発生数や分布に応じて適切な低減手段を選択することが可能になるからである。
【0046】
上記の点に関して、入射角が異なる2種の入射系と上記のより好ましい具体的な一形態にかかる受光系とを備える表面検査装置によれば、
第1の入射系と第1の受光系との組み合わせによって得られた測定結果1における検出の有無および検出サイズ、
第1の入射系と第2の受光系との組み合わせによって得られた測定結果2における検出の有無および検出サイズ、
第1の入射系と第3の受光系との組み合わせによって得られた測定結果3における検出の有無および検出サイズ、
第2の入射系と第2の受光系または第3の受光系との組み合わせによって得られた測定結果4における検出の有無および検出サイズ、
からなる群から選ばれる少なくとも1種の判別基準に基づき、表面検査装置において輝点として検出された欠陥種が付着物であるか非付着凸状欠陥であるか判別することができる。このような判別が可能となる理由は、ウェーハの被覆層の表面に存在する付着物と非付着凸状欠陥とは、発生原因の違いに起因し形状等が異なることにより光を散乱・反射する挙動が異なるため、ウェーハの被覆層の表面に入射する光の入射角の違い、受光系の受光角や偏光選択性の違いによって、受光系における検出の有無や検出サイズが異なるものになることにあると、本発明者は考えている。
【0047】
入射角が異なる2種の入射系と上記のより好ましい具体的な一形態にかかる受光系とを備える表面検査装置によれば、更に好ましくは、下記表1に示す基準にしたがい、検出された欠陥種が付着物であるか非付着凸状欠陥であるかをより精度よく判別することができる。
【0048】
【表1】
【0049】
表1中、X、YおよびZは、それぞれ独立に0超である。一形態では、Xは1.30~1.50の範囲であることができ、Yは0.60~0.80の範囲であることができ、Zは0.80~0.85の範囲であることができる。
【0050】
上記(1)における検出上限サイズは、評価のために使用される表面検査装置に応じて定まるものであり、例えば、表面検査装置における検出サイズに関して、測定結果1の検出上限サイズは300nm以上であることができ、測定結果2の検出上限サイズは100nm以上であることができ、測定結果3の検出上限サイズは200nm以上であることができる。
【0051】
上記評価方法の更に具体的な一形態は、実施例に基づき後述する。上記評価方法による評価によって、半導体ウェーハの半導体基板上に形成された被覆層の表面の欠陥種(付着物および/または非付着凸状欠陥)の有無、欠陥種の存在数や存在位置(分布)等の欠陥種に関する各種評価を行うことができる。
【0052】
以上説明した評価方法によって評価を行い得られた評価結果に基づき、半導体ウェーハの製造工程に、被覆層の表面における欠陥種(付着物および/または非付着凸状欠陥)の発生を抑制するための工程変更や保守(例えば製造条件の変更、製造装置の交換、洗浄、薬液の高品質化等)を行うことによって、その後、上記欠陥種の少ない高品質な半導体ウェーハを製品ウェーハとして提供することが可能となる。
また、製品として出荷する前の半導体ウェーハを上記評価方法によって評価し、被覆層の表面の欠陥種の存在数が予め定めていた許容範囲内(閾値以下)であることが確認された半導体ウェーハを製品ウェーハとして出荷することにより、高品質な半導体ウェーハを安定供給することが可能となる。尚、閾値は、特に限定されるものではなく、製品ウェーハの用途等に応じて適宜設定することができる。
即ち、上記評価方法は、半導体基板上に被覆層を有する半導体ウェーハの工程管理や品質管理のために用いることができる。
【実施例
【0053】
以下に、実施例に基づき本発明を更に説明する。但し、本発明は、実施例に示す実施形態に限定されるものではない。
【0054】
1.輝点(LPD)の検出および欠陥種のサイズ算出
評価対象の半導体ウェーハとして、単結晶シリコン基板上にCVD法によって形成された窒化物層(窒化珪素層)を有する半導体ウェーハを3枚準備した。3枚の半導体ウェーハの窒化物層の厚さは、それぞれ、10nm、50nm、100nmであった。
3枚の半導体ウェーハの窒化物層の表面において、表面検査装置として、KLA社製SurfscanシリーズSP7を用いて輝点の検出を行った。
KLA社製SurfscanシリーズSP7は、
入射系として、
評価対象ウェーハの被覆層の表面に入射光を斜め入射させる斜方レーザー光源(紫外光源)と、
ミラーを介して評価対象ウェーハの被覆層の表面に入射光を垂直入射させる垂直レーザー光源(紫外光源)と、
を有する。
上記表面検査装置は、入射系と受光系の組み合わせとして、
DW1O(Dark-Field Wide1 Oblique)チャンネル、
DW2O(Dark-Field Wide2 Oblique)チャンネル、
DNO(Dark-Field Narrow Oblique)チャンネル、
DWN(Dark-Field Wide Normal)チャンネル、
DNN(Dark-Field Narrow Normal)チャンネル、
を有する。尚、本評価では、DNNチャンネルは使用しなかった。
DW1OチャンネルおよびDW2Oチャンネルの受光器は、DNOチャンネルの受光器に対して低角度側の受光器であり、偏光選択性を有する。DW1Oチャンネルが受光する偏光の方位角は、DW2Oチャンネルが受光する偏光の方位角より小さい。DW1Oチャンネルが受光する偏光の方位角は、0°以上90°以下の範囲にあり、DW2Oチャンネルが受光する偏光の方位角は、90°以上180°以下の範囲にある。DW1Oチャンネルの検出結果は、表1における「測定結果2」に相当する。DW2Oチャンネルの検出結果は、表1における「測定結果3」に相当する。
DWNチャンネルの受光器は、DW1Oチャンネルの受光器と共通である。DWNチャンネルの検出結果は、表1における「測定結果4」に相当する。
DNOチャンネルの受光器は、全方位光を受光する(即ち偏光選択性を有さない)受光器であり、DW1OチャンネルおよびDW2Oチャンネルの受光器に対して高角度側の受光器である。DNOチャンネルの検出結果は、表1における「測定結果1」に相当する。
上記表面検査装置を用いて、上記3枚の半導体ウェーハについて、それぞれ窒化物層の表面の全域に入射光を走査して輝点(LPD)として欠陥種を検出し、かつ輝点のサイズに基づき、上記表面検査装置に備えられた演算部において、検出された欠陥種サイズ(検出サイズ)を算出した。尚、上記表面検査装置の各受光系において検出される輝点のサイズの下限(検出下限サイズ)は、DNOチャンネルは40nm、DW1Oチャンネルは20nm、DW2Oチャンネルは30nm、DWNチャンネルは50nmである。
また、上記表面検査装置では、DCO(Dark-Field Composite Oblique)チャンネルの検出結果として、DW1Oチャンネル、DW2OチャンネルおよびDNOチャンネルの検出結果を合算した結果が得られる。DCOチャンネルでは、同じ位置でDW1Oチャンネル、DW2OチャンネルおよびDNOチャンネルの2つ以上のチャンネルで輝点が検出された場合には、輝点のサイズとしては、より大きなサイズが採用される。また、DCOチャンネルでは、サイズが「200000μm」と表示される場合、「200000μm」は便宜上表示される値に過ぎず、DW1Oチャンネル、DW2OチャンネルおよびDNOチャンネルの少なくとも1つにおいて、検出サイズが検出上限サイズを超えていることを意味する。DW1Oチャンネルの検出上限サイズは100nmであり、DW2Oチャンネルの検出上限サイズは200nmであり、DNOチャンネルの検出上限サイズは300nmである。
【0055】
2.走査型電子顕微鏡による欠陥種の観察
上記1.で評価を行った半導体ウェーハの窒化物層の表演を走査型電子顕微鏡(SEM;Scanning Electron Microscope)により観察し、上記表面検査装置により検出された輝点位置に存在する欠陥種を、観察結果に基づき、付着物と非付着凸状欠陥とに分類した。SEMで観察された各欠陥種の一例(SEM像)を、図2に示す。図2(a)は非付着凸状欠陥、図2(b)は付着物に分類された欠陥種のSEM像である。
【0056】
3.欠陥種の判別
上記1.の検出結果に基づき、先に示した表1にしたがう下記表Bのアルゴリズムにしたがって、検出された輝点を付着物または非付着凸状欠陥に分類した。
図3は、上記(2)および(3)の判別に用いた、DW1OチャンネルとDW2Oチャンネルの検出サイズ分布を示すグラフである。
図4は、上記(4)の判別に用いた、DW1OチャンネルとDNOチャンネルの検出サイズ分布を示すグラフである。
図5は、上記判別(5)および(6)に用いた、DW1OチャンネルとDWNチャンネルの検出サイズ分布を示すグラフである。
図6は、上記判別(7)に用いた、DW1OチャンネルとDW2Oチャンネルの検出サイズ分布を示すグラフである。
上記の各グラフには、上記2.のSEM観察による欠陥種の分類結果も示す。
こうして得られた欠陥種の分類結果を、上記2.のSEM観察結果と対比し、判別基準に適応した欠陥種の数を求めたところ、表2に示す値であった。これらの結果から、表2に示す判別基準による判別結果がSEM観察結果による分類結果と一致していた確率、即ち適応率を算出したところ、表2に示す値であり、欠陥種を精度よく、被覆層の厚さに依存することなく、判別評価できたことが確認された。
【0057】
【表2】
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明の一態様は、半導体ウェーハの製造分野において有用である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6