(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-22
(45)【発行日】2023-05-30
(54)【発明の名称】画像撮影装置
(51)【国際特許分類】
G02B 23/24 20060101AFI20230523BHJP
G03B 15/00 20210101ALI20230523BHJP
G03B 17/02 20210101ALI20230523BHJP
G03B 15/03 20210101ALI20230523BHJP
G01N 21/954 20060101ALI20230523BHJP
G01N 33/38 20060101ALI20230523BHJP
【FI】
G02B23/24 B
G03B15/00 L
G03B17/02
G03B15/03 U
G01N21/954 A
G01N33/38
(21)【出願番号】P 2019152645
(22)【出願日】2019-08-23
【審査請求日】2022-08-01
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)展示会名、開催場所 ハイウェイテクノフェア2018 東京ビッグサイト 展示日:平成30年11月28日~11月29日 (2)展示会名、開催場所 JCIコンクリート工学年次大会2019(札幌) 札幌コンベンションセンター 展示日:令和元年7月10日~7月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】594018267
【氏名又は名称】株式会社中研コンサルタント
(73)【特許権者】
【識別番号】000183266
【氏名又は名称】住友大阪セメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116687
【氏名又は名称】田村 爾
(74)【代理人】
【識別番号】100098383
【氏名又は名称】杉村 純子
(74)【代理人】
【識別番号】100155860
【氏名又は名称】藤松 正雄
(72)【発明者】
【氏名】抜木 幸次
(72)【発明者】
【氏名】池富 修
(72)【発明者】
【氏名】竹井 義晴
(72)【発明者】
【氏名】小谷 正人
【審査官】岡田 弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-276545(JP,A)
【文献】特開平11-291901(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 23/24-23/26
G01N 21/84-21/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
円柱状の穿孔部の内壁の画像データを取得するための画像撮影装置であり、
該内壁を照明する
と共に該穿孔部の深さ方向に沿って延びるライン状の照明手段と
、
該照明手段による照明光の該内壁からの反射光又は該照明光に対する反応光を受光する
と共に該穿孔部の深さ方向に沿って延びるライン状の受光手段と、
該照明手段と該受光手段とを保持するフレーム本体と、
該フレーム本体には、該内壁に接触するローラーであり、該フレーム本体と該内壁とを所定距離に保つと共に、該穿孔部の中心軸の周りで該フレーム本体を該内壁に沿って移動させるため、該中心軸と同じ方向の回転軸を有するローラーが取り付けられ、
該中心軸と同じ方向の回転軸を有する受動ローラーを保持する受動ローラー保持部であり、該受動ローラー保持部では、該穿孔部の深さ方向に見た際に、該受動ローラーは2つあり、該受動ローラーの一部が互いに重なって配置されており、
該フレーム本体と
該受動ローラー保持部との距離を可変するローラー位置調整手段を有することを特徴とする画像撮影装置。
【請求項2】
請求項
1に記載の画像撮影装置において、
該フレーム本体は、該穿孔部の内側に位置する内側フレーム本体と該穿孔部の外側に位置する外側フレーム本体とを備え、
該外側フレーム本体を該穿孔部の中心軸の周りで回転させた際に、該内側フレーム本体が該穿孔部の内壁に沿って回転するように、該外側フレーム本体と該内側フレーム本体とは一体化されており、
該外側フレーム本体には、該照明手段又は該受光手段を駆動するスイッチ手段が配置されていることを特徴とする画像撮影装置。
【請求項3】
請求項
2に記載の画像撮影装置において、該外側フレーム本体の近傍には、該ローラー位置調整手段を操作するローラー操作手段が配置されていることを特徴とする画像撮影装置。
【請求項4】
請求項1乃至
3のいずれかに記載の画像撮影装置において、該画像データを該画像撮影装置の外部に出力するための出力手段を有することを特徴とする画像撮影装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像撮影装置に関し、特に、コンクリート構造物等に穿孔して形成した円柱状の内壁の画像データを取得するための画像撮影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
道路、橋梁、床版、建築物など各種のコンクリート構造物などは、当該構造物の疲労劣化の確認や、改修個所の特定など種々の目的のため、構造物の内部の状況を確認することが不可欠である。
【0003】
特許文献1及び2では、コンクリート構造物に穴径25mm程度の深穴(穴径の10倍以上)を形成し、長尺コードの先端に撮影カメラを取り付けた内視鏡を当該深穴内に挿入し、内部を観察することが開示されている。このような小さな穴を開けて検査する方法は微破壊検査とも呼ばれている。
【0004】
他方、構造物でも、道路や床版など、構造物の一部を破壊しても全体に影響が少ない構造物では、穴径50mm程度の円形状の穴を開け、穴の内側に位置する円柱状のコアを取り出してコア自体を観察する場合や、コアを取り出した後の穴の内壁を観察する方法もある。
【0005】
特に、穴径が大きくなるに従い、特許文献1又は2で使用される内視鏡では、穴の内壁を精確に撮影するには、内視鏡を内壁に近づけ、内壁の内周に沿って移動する走査と、穴の深さ方向に移動する走査を組み合わせて行う必要があり、画像撮影装置自体が複雑化、大型化するという不具合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特許第6348980号公報
【文献】特許第4922150号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、上述したような問題を解決し、コンクリート構造物等の構造物に穴を開け、穴の内壁を検査する画像撮影装置において、構造物に形成される穴径が変化した場合でも、画像撮影装置を複雑化又は大型化することなく、精確かつ効率よく穴の内壁の画像を撮影することが可能な画像撮影装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明の画像撮影装置は、以下の技術的特徴を有する。
(1) 円柱状の穿孔部の内壁の画像データを取得するための画像撮影装置であり、該内壁を照明すると共に該穿孔部の深さ方向に沿って延びるライン状の照明手段と、該照明手段による照明光の該内壁からの反射光又は該照明光に対する反応光を受光すると共に該穿孔部の深さ方向に沿って延びるライン状の受光手段と、該照明手段と該受光手段とを保持するフレーム本体と、該フレーム本体には、該内壁に接触するローラーであり、該フレーム本体と該内壁とを所定距離に保つと共に、該穿孔部の中心軸の周りで該フレーム本体を該内壁に沿って移動させるため、該中心軸と同じ方向の回転軸を有するローラーが取り付けられ、該中心軸と同じ方向の回転軸を有する受動ローラーを保持する受動ローラー保持部であり、該受動ローラー保持部では、該穿孔部の深さ方向に見た際に、該受動ローラーは2つあり、該受動ローラーの一部が互いに重なって配置されており、該フレーム本体と該受動ローラー保持部との距離を可変するローラー位置調整手段を有することを特徴とする。
【0010】
(2) 上記(1)に記載の画像撮影装置において、該フレーム本体は、該穿孔部の内側に位置する内側フレーム本体と該穿孔部の外側に位置する外側フレーム本体とを備え、該外側フレーム本体を該穿孔部の中心軸の周りで回転させた際に、該内側フレーム本体が該穿孔部の内壁に沿って回転するように、該外側フレーム本体と該内側フレーム本体とは一体化されており、該外側フレーム本体には、該照明手段又は該受光手段を駆動するスイッチ手段が配置されていることを特徴とする。
【0011】
(3) 上記(2)に記載の画像撮影装置において、該外側フレーム本体の近傍には、該ローラー位置調整手段を操作するローラー操作手段が配置されていることを特徴とする。
【0012】
(4) 上記(1)乃至(3)のいずれかに記載の画像撮影装置において、該画像データを該画像撮影装置の外部に出力するための出力手段を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、円柱状の穿孔部の内壁の画像データを取得するための画像撮影装置であり、該内壁を照明すると共に該穿孔部の深さ方向に沿って延びるライン状の照明手段と、該照明手段による照明光の該内壁からの反射光又は該照明光に対する反応光を受光すると共に該穿孔部の深さ方向に沿って延びるライン状の受光手段と、該照明手段と該受光手段とを保持するフレーム本体と、該フレーム本体には、該内壁に接触するローラーであり、該フレーム本体と該内壁とを所定距離に保つと共に、該穿孔部の中心軸の周りで該フレーム本体を該内壁に沿って移動させるため、該中心軸と同じ方向の回転軸を有するローラーが取り付けられ、該中心軸と同じ方向の回転軸を有する受動ローラーを保持する受動ローラー保持部であり、該受動ローラー保持部では、該穿孔部の深さ方向に見た際に、該受動ローラーは2つあり、該受動ローラーの一部が互いに重なって配置されており、該フレーム本体と該受動ローラー保持部との距離を可変するローラー位置調整手段を有するため、内壁の内径が変化しても、内壁に対して受光手段を所定距離に配置しながら、内壁に沿って受光手段を移動させることができるため、画像撮影装置を複雑化又は大型化させず、精確かつ効率よく穴の内壁の画像を撮影することが可能な画像撮影装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の画像撮影装置の一部の構成を説明する概略図である。
【
図2】本発明の画像撮影装置の一部を穴の内部に挿入した様子を説明する図である。
【
図3】本発明の画像撮影装置に使用される照明手段と受光手段を配置したフレーム本体の平面図である。
【
図4】
図3の矢印B-B’におけるフレーム本体の断面を示す図である。また、その応用例を説明する図である。
【
図5】本発明の画像撮影装置に係る電気部品の概略を示すブロック図である。
【
図6】本発明の画像撮影装置に係るフレーム本体とローラーとの配置関係を説明する図である。
【
図7】
図6(c)の配置関係を実現するローラー部分の一実施例である。
【
図8】本発明の画像撮影装置に用いるローラー位置調整手段の一実施例である。
【
図9】本発明の画像撮影装置に用いるローラー位置調整手段の他の実施例である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の画像撮影装置について、好適例を用いて詳細に説明する。
図1に示すように、本発明の画像撮影装置は、円柱状の穿孔部の内壁の画像データを取得するための画像撮影装置であり、該内壁を照明する照明手段と、該照明手段による照明光の該内壁からの反射光又は該照明光に対する反応光を受光する受光手段と、該照明手段と該受光手段とを保持するフレーム本体1と、該内壁に接触する複数のローラー(R1,R1’,R2,R2’)とを備え、該フレーム本体1と前記複数のローラーの一部(R2,R2’)との距離を可変するローラー位置調整手段3を有することを特徴とする。
【0016】
図2は、
図1の画像撮影装置を円柱状の穿孔部の内部に配置した様子を示す。穿孔部の内壁Wに接するように、画像撮影装置の複数のローラー(R1,R1,R2,R2’)が配置されている。穿孔部の内径φは、数十mm~数百mmの範囲で多種多様である上、穿孔部の内部に画像撮影装置の一部を挿入する時は、
図2の複数のローラー(R1,R1,R2,R2’)は内壁Wから離間している方が、画像撮影装置の挿入を円滑に実施することができる。また、穿孔部の中に画像撮影装置を配置した際には、撮影のために、複数のローラー(R1,R1,R2,R2’)の位置を変えて、全てのローラーが内壁Wに接触するようにすることが必要であり、これを可能にするのがローラー位置調整手段3である。
【0017】
図2に示すように、フレーム本体は、穿孔部の内側に位置する内側フレーム本体1と該穿孔部の外側に位置する外側フレーム本体5とを備え、該外側フレーム本体5には、該照明手段又は該受光手段を駆動するスイッチ手段等の電気部品6が配置されている。
【0018】
外側フレーム本体5は、さらに、把持部4等を備え、把持部4や外側フレーム本体5を矢印Aのように、穿孔部の中心軸(図面中央の一点鎖線)の周りで回転させることにより、画像撮影装置、特に、内側フレーム本体1を穿孔部の内部で内壁に沿って1周させることが可能となる。
【0019】
図3は、内側フレーム本体1を穿孔部の内壁方向から見た平面図である。内側フレーム本体1には、照明手段Lと受光手段Pとがライン状に配置されている。照明手段Lとしては発光ダイオードなどが、また、受光手段PとしてはCCD(電荷結合素子)などの受光ダイオードが好適に利用可能である。
【0020】
図4は、
図3の内側フレーム本体1を矢印B-B’で切断した際の断面図の一例を示したものである。
図4(a)では、照明手段Lと受光手段Pが筐体10の内部で並べて配置されている。図面中の点線矢印は、照明光(反射光又は反応光)を示している。筐体10は照明手段Lや受光手段Pよりも内壁側に突出した側面を備えている。これは、内壁に照明手段や受光手段が接触するのを防止するだけでなく、照明手段の照明光が必要以上に広がらないように、また、広範囲からの反射光(反応光)が受光手段に入射しないように設定するためでもある。
【0021】
図4(b)では、照明手段から出射する照明光の方向と、受光手段に入射する反射光(反応光)の方向が互いに内側を向き、照明光による反射光(反応光)の多くを効率的に受光できるように設定されている。
【0022】
図4(c)は、照明手段や受光手段の応用例であり、2つの照明手段(L1,L2)を配置し、両者の中央に受光手段の受光ダイオード(PD)を配置している。受光ダイオード(PD)の前面に配置されている部材SFは、セルフォック(登録商標)などのライン型結像レンズである。また、照明手段Lや受光手段Pには、発光ダイオードや受光ダイオードの前面にレンズ機能を有する光学部品を適宜配置できることは言うまでもない。
【0023】
本発明では、
図3に示すようなライン状の照明手段Lやライン状の受光手段Pを用いることで、穿孔部の中心軸周りに、内壁に沿って照明手段Lと受光手段Pを移動させるだけで、広い範囲の画像(二次元画像)を撮影することが可能となる。
【0024】
図4は、画像撮影装置を構成する主な電気部品のブロック図である。照明手段や受光手段は上述したとおりである。画像データを形成するには、別途、内側フレーム本体が内壁に沿って移動していること検知することが必要であり、その役割を担うのがエンコーダーである。エンコーダーは
図1又は2の複数のローラー(R1,R1’,R2,R2’)の内、少なくとも一つのローラーの回転角を検知し、受光手段が、今どの場所の壁面の画像を検出しているのかを判定する。そして、記憶手段に記憶されたライン状の画像データをエンコーダーの位置情報に基づき繋ぎ合わせることで、二次元画像として、内壁面の画像データを生成することが可能となる。例えば、エンコーダーは、複数のローラー(R1,R1’,R2,R2’)のいずれか1つのローラーの回転軸に設置される。
【0025】
画像撮影装置を駆動する際や動作終了させる際には、スイッチ手段を操作する。スイッチ手段は、操作し易いように、
図2の外側フレーム本体5の電気部品6に配置することが好ましい。必要に応じて、把持部4の一部に設けても良い。
【0026】
図5の制御手段を組み込んだ集積回路や、照明手段等の電気部品に電気を供給するための電源等は、可能な限り、
図2の外側フレーム本体5側に配置することが好ましい。その結果、内側フレーム本体1側に配置する電気部品を最小限に設定でき、内側フレーム本体等の穿孔部の内部に挿入する部分の重量を軽減し、穿孔部内での操作を容易にすることが可能となる。また、穿孔部内部に挿入する電気部品を少なくすることで、挿入作業中の電気部品の損傷を防止することも可能となる。
【0027】
記憶手段に一時的に記憶した画像データは、USB端子や無線回線などのインターフェース(I/O)を用いて、画像撮影装置の外部に設置された別の記憶手段に格納することも可能である。I/Oは、画像データを画像撮影装置の外部に出力するための出力手段として利用できるだけでなく、制御手段のプログラムを書き換えるなどの入力手段として利用することも可能である。
【0028】
図6は、穿孔部の深さ方向に見た際に、穿孔部の内壁Wである円周に接するローラーの配置を示したものである。内壁Wに接するローラは、少なくとも2つ以上あり、その内の少なくとも1つは内側フレーム本体1に固定配置されている。
【0029】
照明手段や受光手段を備えた内側フレーム本体1に設けるローラーは、照明手段や受光手段のライン状の配置の両端に最低2個(R1,R1’)を設置することが好ましい。また、
図6(a)に示すように、穿孔部の深さ方向に見た際には、内側フレーム本体1には、1つのローラー(R1とR1’とが重なって見える)のみを配置する方が好ましい。これにより、穿孔部の内径が変化した場合でも、内壁Wと内側フレーム本体1との距離を常に一定に保持することが可能となる。
【0030】
図6(a)のローラー(R2)については、
図1又は
図2のように、2つのローラー(R2,R2’)で構成することも可能であるが、1個のローラーを受動ローラー保持部2のほぼ中央(ローラーR1とR1’との間の位置)に配置することも可能である。エンコーダーはローラーR1又はR2の何れに配置することも可能であるが、直径が大きいローラーの回転軸に配置する方がより正確な回転角を検知することが可能であるため、例えば、ローラーR2の方がエンコーダー配置により好ましい。また、受光手段を備えた内側フレーム本体1の移動を計測するため、内側フレーム本体1を設けたローラーR1に、エンコーダーを取付けることも可能である。
【0031】
図6(b)は、壁面に沿って配置されるローラーを3個にした例を示す。
図6(a)の場合より、壁面に接触するローラーの数が多いため、内壁に対して内側フレーム本体1をより安定に保持することが可能となる。
【0032】
図6(c)は、穿孔部の深さ方向に見た際に、
図6(b)の3つのローラーの一部を、重なるように配置したものである。これにより、
図6(b)よりも直径がより大きいローラーを採用することが可能となる。
図6(c)のようなローラーの配置を可能にする構成としては、
図7に示すように、受動ローラー保持部2にローラー(R2,R3等)を一点鎖線の軸方向にずれて配置することで、容易に実現できる。
図7以外に、2つのローラー(R2,R2’)の間に2つのローラー(R3、R3’)又は1つのローラー(R3)のみを配置する構成も可能であることは言うまでもない。
【0033】
図8及び
図9は、内側フレーム本体1と受動ローラー保持部2との距離を可変するローラー位置調整手段3の具体例を示す図である。
図8では、内側フレーム本体1と受動ローラー保持部2とを少なくとも2つの連結手段(30,31)で平行に接続し、連結手段31に棒状体のローラー操作手段OP1を接続している。勿論、同じ構成を、図面の奥側にも配置し、連結手段を合計4個で構成することも可能である。ローラー操作手段OP1を図の左右に動かすことで、連結手段(30,31)を矢印C方向に回転させ、結果として、受動ローラー保持部2を内側フレーム本体1に対して近接又は離間させることが可能となる。また、2つの連結手段(30,31)の連動性を高めるため、連結手段間を接続する補助操作手段OP2を設けることも可能である。また、符号F1~F4は、連結手段を内側フレーム本体等に回転自在に固定するための接続手段である。
【0034】
図9では、受動ローラー保持部2を内側フレーム本体1に対し、矢印D方向に近接又は離間させるための機構を示したものである。連結手段(32~35,36~39)をひし形で構成し、連結手段の中央部分(例えば、32と33との連結部、36と37との連結部)をローラー操作手段OP3及びOP4で、図の左右方向に移動させることで、連結手段のひし形を変形させ、矢印D方向の動きを実現している。
【0035】
ローラー位置調整手段を操作するローラー操作手段(OP1,OP3)の先端は、外側フレーム本体の近傍、例えば
図2の把持部4の近傍に配置することが好ましい。また、
図8又は9では、連結手段を動かす手段として、画像撮影装置の操作者の人力を利用したが、電動モータ、カム機構やスクリュー機構などを利用して、動作させるよう構成することも可能である。また、ローラー操作手段を操作しない時は、受動ローラー保持部2と内側フレーム本体1とが最も近接するように、又は最も離れるように、弾性部材で一方向に付勢することも可能である。
【0036】
本発明に使用する受光手段は、照明光の反射光を検出するだけでなく、特許文献1にも示されているように、穿孔部の内壁の亀裂等に含浸させた蛍光材料等からの反応光(照明光により励起される蛍光・燐光)を検出することも可能であることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0037】
以上説明したように、本発明によれば、コンクリート構造物等の構造物に穴を開け、穴の内壁を検査する画像撮影装置において、構造物に形成される穴径が変化した場合でも、画像撮影装置を複雑化又は大型化することなく、精確かつ効率よく穴の内壁の画像を撮影することが可能な画像撮影装置を提供することが可能となる。
【符号の説明】
【0038】
1 (内側)フレーム本体
2 受動ローラー保持部
3 ローラー位置調整手段
L 照明手段
P 受光手段