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特許7284766EUVマイクロリソグラフィ用の結像光学ユニット
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  • 特許-EUVマイクロリソグラフィ用の結像光学ユニット 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-23
(45)【発行日】2023-05-31
(54)【発明の名称】EUVマイクロリソグラフィ用の結像光学ユニット
(51)【国際特許分類】
   G02B 17/06 20060101AFI20230524BHJP
   G03F 7/20 20060101ALI20230524BHJP
【FI】
G02B17/06
G03F7/20 503
G03F7/20 521
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020560546
(86)(22)【出願日】2019-01-03
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-05-06
(86)【国際出願番号】 EP2019050056
(87)【国際公開番号】W WO2019145125
(87)【国際公開日】2019-08-01
【審査請求日】2021-12-28
(31)【優先権主張番号】102018201170.2
(32)【優先日】2018-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】503263355
【氏名又は名称】カール・ツァイス・エスエムティー・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100158469
【弁理士】
【氏名又は名称】大浦 博司
(72)【発明者】
【氏名】ルオフ ヨハネス
(72)【発明者】
【氏名】ホルデラー フーベルト
【審査官】森内 正明
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/080937(WO,A1)
【文献】特表2016-525720(JP,A)
【文献】特表2015-534110(JP,A)
【文献】特開2003-142363(JP,A)
【文献】特開2002-329655(JP,A)
【文献】米国特許第6081578(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 9/00 - 17/08
G02B 21/02 - 21/04
G02B 25/00 - 25/04
G03F 7/20 - 7/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体平面(6)内の物体視野(5)を像平面(11)内の像視野(10)内に結像させ、その際に、結像光(14)を結像光ビーム経路に沿って案内する、複数のミラー(M1~M7;M1~M10;M1~M11)を備える、
EUVマイクロリソグラフィ用の結像光学ユニット(9;27;30;31)であって、
前記ミラー(M1~M7;M1~M10;M1~M11)のうちの少なくとも1つが、かすめ入射用のミラー(M2、M3、M5;M3~M8、M3~M9)として具現化され、
前記結像光ビーム経路の最初のミラー(M1)が、前記物体平面(6)に対して物体平面ミラー半空間(20)に配置され、
前記結像光ビーム経路の最後のミラー(M7;M10;M11)が、前記像平面(11)に対して像平面ミラー半空間(21)に配置され、
前記物体平面ミラー半空間(20)が、前記物体平面(6)から発する前記物体平面(6)の法線の方向によって指定された物体平面ミラー半空間方向(z)に開き、前記物体平面の法線が前記物体平面ミラー半空間(20)内に延在し、
前記像平面ミラー半空間(21)が、前記像平面(11)から発する前記像平面(11)の法線の方向によって指定された像平面ミラー半空間方向(z;NBE)に開き、前記像平面の法線が前記像平面ミラー半空間(21)内に延在し、
前記物体平面ミラー半空間方向(z)と前記像平面ミラー半空間方向(z;NBE)との間に30°未満の半空間方向角度(H)が存在する、
結像光学ユニット(9;27;30;31)。
【請求項2】
前記物体平面(6)が前記像平面(11)に対して平行に延在することを特徴とする、請求項1に記載の結像光学ユニット。
【請求項3】
前記物体視野(5)と前記像視野(10)との間の空間距離(A)が400mmよりも大きいことを特徴とする、請求項1または2に記載の結像光学ユニット。
【請求項4】
前記複数のミラーの数は少なくとも5つであり、
前記結像光ビーム経路の前記最後のミラー(M7)と前記像視野(10)との間で、結像光ビーム部分(22)が、前記結像光ビーム経路の前記最初のミラー(M1)と前記結像光ビーム経路の最後から2番目のミラー(M6)との間の少なくとも2つのさらなる交差する結像光ビーム部分(24、23)と交差することを特徴とする、請求項1~のいずれか1項に記載の結像光学ユニット。
【請求項5】
前記交差する結像光ビーム部分のうちの1つ(24)が、前記結像光ビーム経路の最後から3番目(M5)と最後から2番目(M6)のミラーとの間に延在することを特徴とする、請求項に記載の結像光学ユニット。
【請求項6】
前記交差する結像光ビーム部分のうちの1つ(23)が、前記結像光ビーム経路の最後から6番目(M2)と最後から5番目(M3)のミラーとの間に延在することを特徴とする、請求項またはに記載の結像光学ユニット。
【請求項7】
前記交差する結像光ビーム部分のうちの1つ(24a)が、前記結像光ビーム経路の最後から4番目(M4)と最後から3番目(M5)のミラーとの間に延在することを特徴とする、請求項に記載の結像光学ユニット。
【請求項8】
前記交差する結像光ビーム部分のうちの1つ(23a)が、前記結像光ビーム経路の最後から5番目(M3)と最後から4番目(M4)のミラーとの間に延在することを特徴とする、請求項またはに記載の結像光学ユニット。
【請求項9】
0.7よりも大きい像側開口数を特徴とする、請求項1~のいずれか1項に記載の結像光学ユニット。
【請求項10】
前記物体視野(5)を照明/結像光(14)を用いて照明するための照明光学ユニット(4)を有し、請求項1~のいずれか1項に記載の結像光学ユニット(9;27;30;31)を有する光学系。
【請求項11】
前記照明光学ユニット(4)が、光源(3)の後に、または前記光源の下流の中間焦点(26)の後に、前記照明/結像光(14)を次々に反射する3つ以下のミラー(16、18、19;16、18、M1)を有することを特徴とする、請求項10に記載の光学系。
【請求項12】
請求項10または11に記載の光学系を有し、EUV光源(3)を有する投影露光装置(1)。
【請求項13】
マイクロ構造またはナノ構造部品を製造するための方法であって、
レチクル(7)を用意するステップと、
感光性コーティングを有するウェーハ(12)を用意するステップと、
請求項12に記載の投影露光装置(1)を用いて、前記レチクル(7)の少なくとも1つの部分を前記ウェーハ(12)上に投影するステップと、
前記ウェーハ(12)上の露光された前記感光性コーティングを現像するステップと、
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許出願は、独国特許出願102018201170.2号の優先権を主張するものであり、その内容が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、EUVマイクロリソグラフィ用の結像光学ユニットに関する。さらに、本発明は、そのような結像光学ユニットを備える光学系、そのような光学系を備える投影露光装置、そのような投影露光装置を用いてマイクロ構造またはナノ構造部品を製造するための方法、および前記方法によって製造されたマイクロ構造またはナノ構造部品に関する。
【背景技術】
【0003】
例として、EUVマイクロリソグラフィ用の結像光学ユニットは、国際公開第2016/166080号、独国特許出願公開第102011076752号、米国特許第6,081,578号、米国特許第5,353,322号、および米国特許第9,678,439号から知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、EUVマイクロリソグラフィ用の光学系に、可能な限り高いEUVスループットと、同時に、高い結像品質を備えることができる結像光学ユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によると、本目的は、第1に、請求項1に記載の特徴を有する結像光学ユニットによって、第2に、請求項2に記載の特徴を有する結像光学ユニットによって達成される。
【0006】
本発明によると、EUV照明および結像光の案内を高いスループットで得ることができ、同時に結像光学ユニットの良好な結像品質を有するように、物体平面ミラー半空間が像平面ミラー半空間と実質的に同じ方向に開く結像光学ユニットを、設計し、物体視野を照明する照明光学ユニットと組み合わせることができることが認識された。組み立てられた結像光学ユニットの場合、半空間は、上に向かって、あるいは下に向かって開くことができる。結像光学ユニットは、反射物体を結像させるように具現化することができる。
【0007】
第1に、物体平面のミラー半空間方向と、第2に、像平面のミラー半空間方向との間の半空間方向角度が30°未満であるという指定された条件は、第1に物体視野と、第2に像視野との相対位置につながり、結像光は、物体視野から最初のミラーに一方向に放射され、最後のミラーによって実質的に反対方向に像視野へ反射される。したがって、第1に、物体視野、および第2に、像視野は、結像光学ユニットのミラーの配置に関して互いに対向するのではなく、結像光学ユニットのミラーに関して実質的に同じ方向に位置するように配置されている。
【0008】
従来技術の結像光学ユニットでは、例えば、国際公開公報第2016/166080号の図2による結像光学ユニットでは、物体平面ミラー半空間は、この図2の負のz方向に開き、像平面ミラー半空間は、この図2の正のz方向に開き、そのため、2つの半空間方向の間には正確に180°の半空間方向角度が存在する。
【0009】
請求項1に記載の結像光学ユニットでは、かすめ入射用のミラーとしての少なくとも1つのミラーの実施形態により、少なくとも1つのGIミラーのより高い反射率のために、低光損失を有する結像光学ユニットを提供することが可能になる。
【0010】
さらに、GIミラーにより、結像光学ユニットの物体視野と像視野とが互いに十分に空間的に離れて存在するように結像光ビーム経路を設計することが可能になる。結像光学ユニットは、2つ以上のGIミラーを有することができ、例えば、2つのGIミラー、3つのGIミラー、4つのGIミラー、5つのGIミラー、6つのGIミラー、またはさらに多くのGIミラーを有することができる。
【0011】
物体平面ミラー半空間方向と像平面ミラー半空間方向との間の半空間方向角度は、20°以下であってもよく、10°以下であってもよく、5°以下であってもよく、特に、正確に0に等しくてもよい。
【0012】
このような結像光学ユニット用の照明光学ユニットは、対応する光源の構造の結果として、照明光学ユニットの奇数のミラー、特に正確に3つのミラーが好ましいため、少数のミラーで済ませることができる。
【0013】
請求項2に記載の結像光学ユニットは、特に、物体視野に対して実質的に垂直な、物体視野から発する結像光ビーム経路を用いて、すなわち、物体視野の垂直照明を用いて実現することができ、そのため、物体平面の法線に対する角度は、正確に0°である。それに応じた3°未満の小さい入射角での物体視野の照明は、例えば、反射物体の場合であっても、8x以下の絶対的な結像/縮小スケールで、高い像側開口数を容易にする。
【0014】
請求項3に記載の結像光学ユニットの一実施形態では、半空間方向角度は、正確に0である。物体平面は、像平面と一致することができる。
【0015】
請求項4に記載の物体視野と像視野との間の空間距離により、物体視野に配置される物体、例えばレチクルと、像視野に配置される物体、例えば基板、特にウェーハとを調整するための、厳しい要求さえ満たす構成要素の収容が可能になる。このような調整構成要素は、保持および/または変位および/または順応および/または真空構成要素を含むことができる。物体視野と像視野との間の距離は、450mmよりも大きくすることができ、500mmよりも大きくすることができ、さらに大きくすることができる。
【0016】
請求項5~9のいずれか1項に記載の結像光ビーム経路の交差プロファイルは、結像光学ユニットのコンパクトなミラー配置を容易にする。
【0017】
請求項10に記載の像側開口数は、結像光学ユニットの高分解能を容易にする。像側開口数は、0.75よりも大きくすることができる。
【0018】
請求項11に記載の光学系は、結像光学ユニットを参照して上で既に説明されたものに対応する利点を有する。最初のミラーから発する結像ビーム部分の角度が物体平面の法線に対して小さい、すなわち物体視野からの結像光の反射角度が小さい、または垂直でさえある結像光学ユニットを用いる限り、照明または結像光を、基本的な構造が米国特許第9,678,439号から知られている光学構成要素を使用して物体視野の領域に案内することができる。
【0019】
請求項12に記載の光学系は、EUV照明または結像光の高いスループットを容易にする。
【0020】
請求項13に記載の投影露光装置、請求項14に記載の製造方法、および請求項15に記載のマイクロ構造またはナノ構造部品の利点は、結像光学ユニットおよび光学系を参照して既に上で説明したものに対応する。特に、半導体チップ、例えばメモリチップを製造することができる。
【0021】
本発明の例示的な実施形態は、図面を参照して以下でより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】投影露光装置における照明および結像光のビーム経路を非常に概略的に示す図であり、EUV光源とパターニングされる基板としてのウェーハとの間のこのビーム経路における本装置の構成要素がそれぞれの場合で示されている。
図2】EUV光源から発する照明光用のコレクタから開始した後、再度ウェーハに至るまでの、投影露光装置のさらなる実施形態内の結像および照明光のビーム経路を子午断面で示す図である。
図3図2と同様の説明図において、投影露光装置のさらなる実施形態を示す図であり、本実施形態は、図2による実施形態とは対照的に、結像されるマスクを垂直ではなく斜めに、すなわち、0度とは異なる入射角で照明している。
図4図1図3による投影露光装置で示した結像光学ユニットの代わりに使用することができる結像光学ユニットのさらなる実施形態内の結像光のビーム経路を子午断面で概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、マイクロリソグラフィ用の投影露光装置1の構成要素を子午断面で概略的に示す。この点に関しては、独国特許出願公開第102010041623号および同102011086345.1号が参照され、これらは、本明細書においてその全体が本出願の一部をなす。投影露光装置1の照明システム2は、EUV光源すなわち放射線源3の他に、物体平面6内の物体視野5を露光するための照明光学ユニット4を備える。ここでは、物体視野5に配置されたレチクル7が露光され、前記レチクルは、マスクとも呼ばれ、断面のみが示されているレチクルホルダ8によって保持され、このレチクルホルダが、レチクル変位駆動装置8aを介して、特に物体平面6に対して平行に駆動されるように変位可能である。レチクル7は、反射レチクルとして具現化されている。
【0024】
投影光学ユニット9は、物体視野5を像平面11内の像視野10内に結像させる働きをする。像平面11は、物体平面6と一致する。物体視野5と像視野10との間の空間距離Aは、400mmよりも大きい。
【0025】
レチクル7上の構造は、ここでも同様に概略的に描かれているウェーハホルダ13によって保持されたウェーハ12の感光層上に結像され、前記ウェーハが像平面11内の像視野10の領域に配置されている。ウェーハは、この場合、ウェーハ変位駆動装置13aによって、像平面11に対して平行に駆動されるように変位可能である。
【0026】
放射線源3は、EUV放射線14を放射するEUV放射線源である。EUV放射線源3の放射される使用放射線の波長は、5nm~30nmの範囲にある。リソグラフィで用いられ、適切な光源が利用可能な他の波長も可能であり、放射線源3は、プラズマ源、例えば、DPP源またはLPP源とすることができる。シンクロトロンに基づく放射線源も放射線源3として使用することができる。当業者は、例えば、米国特許第6,859,515号に、このような放射線源に関する情報を見出すことができる。図1には示されていないコレクタが、EUV放射線源3からのEUV放射線14を集束させるために設けられている。
【0027】
EUV放射線14は、照明光または照明放射線、および結像光とも呼ばれる。
【0028】
照明光学ユニット4は、ここには図示されていない多数の視野ファセットを有する視野ファセットミラー16を備える。視野ファセットミラー16は、物体平面6に対して光学的に共役な照明光学ユニット4の平面内に配置されている。EUV放射線14は、視野ファセットミラー16から照明光学ユニット4の瞳ファセットミラー18に反射される。瞳ファセットミラー18は、ここでも同様に図示されていない多数の瞳ファセットを有する。瞳ファセットミラー18の助けを借りて、視野ファセットミラー16の視野ファセットは、互いに重ね合わされて物体視野5に結像される。
【0029】
視野ファセットミラー16上の各視野ファセットに対して、瞳ファセットミラー18上に少なくとも1つの関連付けられた瞳ファセットが存在する。光チャネルまたは放射線チャネルがそれぞれの1つの視野ファセットとそれぞれの1つの瞳ファセットとの間に形成される。ファセットミラー16、18の少なくとも1つのファセットは、切り替え可能な実施形態を有することができる。特に、これらは、ファセットミラー16、18上に傾斜可能に配置することができる。ここで、ファセットのすべてではなく、ファセットの一部のみを、例えば、30%以下、50%以下、または70%以下を傾斜可能に具現化することが可能である。すべてのファセットが傾斜可能な実施形態を有するようにすることも可能である。切り替え可能なファセットは、特に、視野ファセットである。視野ファセットを傾斜させることによって、それぞれの瞳ファセットへの視野ファセットの割り当て、したがって光チャネルの形成を変えることが可能である。それぞれの瞳ファセットへの視野ファセットの特定の割り当ては、照明設定とも呼ばれる。傾斜可能なファセットを有するファセットミラー16、18のさらなる詳細に関しては、独国特許出願公開第102008009600号を参照されたい。
【0030】
照明光学ユニット4のさらなる詳細に関しては、そのような照明光学ユニットの様々な実施形態を記載した独国特許出願公開第102008009600号を同様に参照されたい。
【0031】
照明光学ユニット4は、EUV光源3の後に、またはその下流に配置された中間焦点の後に、結像光14を次々に反射する3つ以下のミラーを有するように具現化することができる。図1による例示的な実施形態では、これらは、ミラー16、18、および瞳ファセットミラー18と物体視野5との間の照明ビーム経路に配置された集光器(コンデンサ)19である。
【0032】
位置関係の説明を容易にするために、以下ではデカルトxyz座標系が使用される。図1では、x方向は、図面の平面に垂直であり、そこから外に、すなわち観察者に向かって延在する。y方向は、図1の右に向かって延在する。z方向は、図1の上に向かって延在する。物体平面6および像平面11は、xy平面に対して平行に位置する。照明光学ユニット4および投影光学ユニット9のすべての光学構成要素の反射構成要素またはビーム案内構成要素は、物体平面6および像平面11の上方に、すなわち、正のz座標の方向に位置する。
【0033】
物体-像オフセットdoisは、物体視野5と像視野10との間の距離Aの尺度としても使用することができ、前記物体-像オフセットは、中心物体視野点と中心像視野点の投影間の距離をxy平面上に再現する。例として、この物体-像オフセットdois図2にプロットされている。
【0034】
レチクルホルダ8は、投影露光中に、レチクル7を物体平面6内でy方向に対して平行な変位方向に変位させることができるように、レチクル変位駆動装置8aを介して制御されたやり方で変位可能である。それに応じて、ウェーハホルダ13は、ウェーハ12が像平面11内で変位方向に変位可能となるように、ウェーハ変位駆動装置13aを介して制御されたやり方で変位可能である。この結果、レチクル7およびウェーハ12は、物体視野5および像視野10を通してそれぞれ走査することができる。変位方向yは、走査方向とも呼ばれる。レチクル7およびウェーハ12の走査方向の変位は、好ましくは、互いに同期したやり方で行うことができる。
【0035】
投影光学ユニット9は、複数の投影ミラーM1~M7を備える。投影光学ユニット9は、異なる数の投影ミラーMiを有することもでき、特に、少なくとも3つ、より具体的には少なくとも5つの投影ミラーM1~M5を備えることができる。特に、投影光学ユニット9は、少なくとも6、7、または8つの投影ミラーM1~M8を有することができる。
【0036】
投影光学ユニット9のミラーM1~M7は、物体視野5を像視野10に結像させ、結像光14を図1の番号順に結像ビーム経路に沿って案内する。
【0037】
ミラーM1、M4、M6、およびM7は、急峻な入射角を有するミラー(垂直入射ミラー;NIミラー)として具現化されており、結像ビーム経路における中心視野点の主光線のこれらのNIミラー上の入射角は、45°未満である。したがって、全体として、投影光学ユニット9は、4つのそのようなNIミラーを有する。異なる数のNIミラー、例えば、2つのNIミラー、3つのNIミラー、5つのNIミラー、またはさらに多数のNIミラーも可能である。入射角は、特に、30°未満であってもよい。
【0038】
投影光学ユニット9のビーム経路の最後のミラーM7によって指定される像側開口数は、図1では縮尺どおりに再現されておらず、図1に示されているものよりも大幅に大きい。この像側開口数は、少なくとも0.4とすることができ、さらに大きくすることができ、例えば、少なくとも0.5、少なくとも0.55、または少なくとも0.6とすることができる。
【0039】
投影光学ユニット9のミラーM2、M3、M5は、かすめ入射用のミラー(かすめ入射ミラー;GIミラー)として具現化されている。結像ビーム経路における中心視野点の主光線の入射角は、これらのGIミラーの場合、45°よりも大きく、特に、60°よりも大きくすることができる。したがって、投影光学ユニット9は、合計3つのGIミラーを有する。投影光学ユニット9は、異なる数のGIミラー、例えば、1つのGIミラー、2つのGIミラー、4つのGIミラー、5つのGIミラー、6つのGIミラー、またはさらに多数のGIミラーを有することもできる。
【0040】
ミラーM5の代わりに、2つのGIミラーM5a、M5bを有するミラー対を使用することもできる(図2および図3以降の説明も参照)。
【0041】
投影光学ユニット9の結像光ビーム経路における最初のミラーM1は、物体平面6に対して物体平面ミラー半空間20に配置されている。したがって、物体平面ミラー半空間20は、図1のxyz座標系の正のz座標の空間を占有する。
【0042】
投影光学ユニット9の最後のミラーM7は、像平面11に対して像平面ミラー半空間21の結像光ビーム経路に配置され、前記像平面ミラー半空間は、物体平面6が像平面11と一致し、ミラーM7がミラーM1と物体平面6および像平面11の同じ側に配置されているため、図1による投影露光装置1の実施形態における物体平面半空間20と同一である。
【0043】
物体平面ミラー半空間20が開く物体平面ミラー半空間方向は、物体平面6から発する物体平面の法線の方向によって指定され、物体平面の法線が物体平面ミラー半空間20内に延在する。図1による例示的な実施形態では、この法線は、z方向に延在し、その結果として、物体平面ミラー半空間方向が指定される。それに応じて、像平面ミラー半空間21は、像平面11から発する像平面の法線の方向によって指定される照明平面ミラー半空間方向に開き、像平面の法線が像平面ミラー半空間21内に延在する。図1による実施形態では、物体平面6と像平面11が一致しているという事実のために、像平面ミラー半空間方向は、再びz軸の方向によって指定される。
【0044】
物体平面ミラー半空間方向および像平面ミラー半空間方向は、それらの間に30°未満の半空間方向角度を含む。図1による例示的な実施形態では、物体平面ミラー半空間方向および像平面ミラー半空間方向は、両方とも正確にz方向に延在しているため、この半空間方向角度は正確に0である。
【0045】
2つのミラー半空間20、21が全く同じ方向に開いているか、または互いに対して30°未満の角度を有する方向に開いているという事実のために明らかになることは、マスク7から見ておよび/またはウェーハ12から見て、照明光学ユニット4および投影光学ユニット9のすべての光学構成要素、またはそれらの大部分は、物体平面6および像平面11の同じ側に配置されているということである。従来技術の投影光学ユニットの多くの構成とは異なり、投影光学ユニット9の構成要素、すなわちミラーMiは、物体平面6と像平面11との間に位置していない。
【0046】
両方の半空間20、21は、投影光学ユニット9が組み立てられると、上に向かって開く。あるいは半空間20、21の両方が下に向かって開くように、照明光学ユニット4および投影光学ユニット9を有する光学系を組み立てることが可能であり、そのため、この光学系は、図1による構成と比較して上下逆さまに組み立てられる。
【0047】
図1による投影光学ユニット9では、実線の結像光ビーム経路は、結像光ビーム経路の最後のミラーM7と像視野10との間で、結像光ビーム部分22が、結像光ビーム経路の最初のミラーM1と結像光ビーム経路の最後から2番目のミラーM6との間の少なくとも2つのさらなる交差する結像光ビーム部分と交差するように延在する。
【0048】
図1に実線を用いて示す投影光学ユニット9の結像光ビーム経路において、結像光ビーム部分22は、第1に、結像光ビーム経路の2番目のミラーM2と3番目のミラーM3との間、すなわち、結像光ビーム経路の最後から6番目と最後から5番目のミラーとの間の交差する結像光ビーム部分23と交差し、第2に、ミラーM5とミラーM6との間、すなわち、結像光ビーム経路の最後から3番目と最後から2番目のミラーとの間の交差する結像光ビーム部分24と交差する。結像光ビーム部分22と23との間の交点K1は、結像光ビーム部分22と24との間の交点K2よりも像平面11に近い位置にある。したがって、ミラーM7での結像光14の反射の後に、結像光14が物体視野10内のウェーハ12に当たる前に、結像光ビーム経路において交点K1の前に交点K2を通過する。
【0049】
破線を用いて、図1は、正のy方向に変位させた最後のミラーM7を有する投影光学ユニット9の変形形態を示す。これにより、それに応じて変位した結像光ビーム経路が生じ、結像光ビーム部分22は、交点K1aおよびK2aにおいて、結像ビーム経路の最後から5番目のミラーM3と最後から4番目のミラーM4との間の交差する結像光ビーム部分23aと交差し、結像光ビーム経路の最後から4番目のミラーM4と最後から3番目のミラーM5との間のさらなる交差する結像光ビーム部分24aと交差する。
【0050】
図2に基づいて、光学系を有する投影露光装置のさらなる実施形態を以下に説明し、前記光学系は、図1による光学系の代わりに使用することができる。図1を参照して既に上で説明したものに対応する構成要素および機能は、特に、同じ参照符号によって表され、再度論じられない。
【0051】
図2による光学系を有する投影露光装置では、照明光学ユニット4は、最初に、図2に示されていない光源3から発する照明または結像光14を集めるコレクタ25を有する。コレクタ25での反射の後に、結像光14は、最初に中間焦点26を通過し、続いて、視野ファセットミラー16に当たる。
【0052】
図2による光学系では、照明光学ユニット4の瞳ファセットミラー18は、投影光学ユニット9の代わりに使用される投影光学ユニット27のミラーM2を同時に表している。瞳ファセットミラーが投影光学ユニットの2番目のミラーを同時に表す光学系のこのような概念は、米国特許第9,678,439号から知られている。
【0053】
これにより、米国特許第9,678,439号に記載されているように、0°のEUV放射線14の中心視野点の主光線の入射角CRA(主光線角度)、すなわち物体視野5の、したがってレチクル7の垂直照明を保証することが可能になる。
【0054】
瞳ファセットミラー18での反射の後に、照明および結像光14は、投影光学ユニット27のミラーM1を介して物体視野5に案内され、上述したように、CRA=0°で物体視野5に衝突する。続いて、結像光14は、投影光学ユニット27のミラーMiを介してその番号順に像視野10まで案内される。投射光学ユニット27は、合計11個のミラーM1~M4、M5a、M5b、M6~M10を有する。ミラーM1、M2、M9、およびM10は、NIミラーとして具現化されている。ミラーM3、M4、M5a、M5b、M6、M7、およびM8は、GIミラーとして具現化されている。結像開口数を指定する最後のミラーM10は、掩蔽ミラー(obscured mirror)として具現化され、ミラーM8とM9との間の結像光ビーム部分に結像光14用の通過開口部28を有する。投影光学ユニット27の最後から2番目のミラーM9は、結像光14用の通過開口部なしで具現化されている。
【0055】
中心物体視野点を通って延在するxz平面との関係で、ミラーM2は、このxz平面によって画定される半空間の一方に位置し、ミラーM3~M10は、中心物体視野点を通って延在するこのxz平面によって指定されるもう一方の半空間に位置する。したがって、図2による構成では、ミラーM2のみが物体視野5の左側に位置し、ミラーM3~M10は、物体視野5の右側に位置する。
【0056】
ミラーM1は、物体平面ミラー半空間20に配置されている。ミラーM10、すなわち投影光学ユニット27の結像光ビーム経路の最後のミラーは、像平面ミラー半空間21に配置されている。2つのミラー半空間20、21は、再び同じ方向、具体的にはxz方向に開いている。
【0057】
物体平面6は、像平面11に対して平行に位置し、そこから正のz方向に間隔を置いて配置されている。したがって、投影光学ユニット27では、物体平面ミラー半空間方向と像平面ミラー半空間方向とが同じ方向に延在している。それに応じて、半空間方向角度は、再び0°である。
【0058】
物体平面6と像平面11との間の間隔のために、ミラーM9およびM10は、物体平面ミラー半空間20に位置しない。
【0059】
投影光学ユニット27の結像光ビーム経路における物体視野5と最初のミラーM1との間の結像光ビーム部分29は、物体平面6の法線に対してCRA=0°の角度で延在する。3°未満の他の角度CRAも、図2による光学系の配置で可能である。したがって、物体視野5での反射の範囲内で、照明および結像光14は、反射されてそれ自体に戻る必要はない。
【0060】
物体平面6と像平面11との間の距離ZEは、図2による投影露光装置の光学系の反射面間の最大z距離ZMの10%を上回ることができる。図2による実施形態では、距離ZMは、第1に、視野ファセットミラー16の反射面と、第2に、投影光学ユニット27の最後から2番目のミラーM9との間の最大距離によって指定される。図2による実施形態では、比ZEは、約50%である。10%~50%の範囲の他の距離比ZE/ZM、例えば、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、またはそれ以外の50%よりも大きい距離比ZE/ZMも可能である。
【0061】
図3に基づいて、図1による投影露光装置1の代わりに使用することができる投影露光装置用の光学系のさらなる実施形態を以下に説明する。図1および図2を参照して既に上で説明したものに対応する構成要素および機能は、同じ参照符号を有し、再度詳細には論じられない。
【0062】
図2による光学系とは対照的に、図3による光学系では、3°よりも大きく、例えば6°程度であってもよい、物体平面6上の中心物体視野点の主光線の入射角CRAが存在する。
【0063】
図3による光学系では、瞳ファセットミラー18とミラーM2は、一致していないが、図1による実施形態に関連して上で説明したものに匹敵する2つの別個の構成要素である。瞳ファセットミラー18の後、図3による光学系の照明光学ユニット4は、図1による実施形態に従って、照明光ビーム経路に集光器19を依然として有する。
【0064】
物体平面上の異なる主光線角度CRAは別として、図3による光学系の投影光学ユニット30は、図2による投影光学ユニット27に対応する。これにより、像平面11が、この入射角CRAの差によって、物体平面6に対して傾けられることになる。したがって、図3による光学系では、像平面11は、もはや物体平面6に対して平行ではなく、それに応じて、物体平面6が平行であるxy平面に対して平行ではない。物体平面6に対する像平面11のこの傾きにもかかわらず、最初のミラーM1は、物体平面半空間20に位置し、投影光学ユニット30の最後のミラーM10は、像平面ミラー半空間21に位置する。
【0065】
物体平面ミラー半空間20が開く物体平面ミラー半空間方向は、再びz方向によって指定される。像平面ミラー半空間21が開く像平面ミラー半空間方向は、図3による光学系の場合、像平面11から発する法線NBEの方向によって指定され、像平面の法線が像平面ミラー半空間21内に延在する。物体平面ミラー半空間方向、すなわちz方向と、像平面ミラー半空間方向、すなわち法線NBEの方向との間に半空間方向角度Hが存在し、前記半空間方向角度は、図3による光学系では8°である。0°~30°の範囲にある他のそのような半空間方向角度も可能である。
【0066】
最後のミラーM10によってそれぞれ指定された投影光学ユニット27および30の像側開口数は、0.6よりも大きくすることができ、特に、少なくとも0.7、少なくとも0.75とすることができ、またはさらに大きくすることができる。
【0067】
ミラーM1~M10はそれぞれ、反射率最適化コーティングを有することができ、これは、単層または多層のコーティングとして具現化することができる。対応する多層コーティングは、2つの異なるコーティング材料、例えばモリブデンおよびシリコンからなる複数の交互二重層を有することができる。単層コーティングは、例えば、ルテニウムコーティングとして具現化することができる。
【0068】
図4に基づいて、図1図3による投影露光装置の投影光学ユニット9、27、および30の代わりに使用することができる結像光学ユニットすなわち投影光学ユニット31のさらなる実施形態を以下に説明する。図1図3を参照して既に上で説明したものに対応する構成要素および機能は、同じ参照符号を有し、再度詳細には論じられない。
【0069】
図4によるこの説明図は、y方向に間隔を置いて配置された3つの視野点から発する個々のビームの進路を示し、投影光学ユニット31の瞳の中心を通って延在する主光線の進路と、2つの周辺光線の進路とがそれぞれの場合で示されている。
【0070】
投影光学ユニット31は、物体視野5を像視野10に結像させるためのM1~M11によって番号付けされた11個のミラーも有する。
【0071】
図2による実施形態と同様に、投影光学ユニット31においても、結像光14の中心視野点の主光線の入射角CRAは、0°であり、すなわち、物体視野5の、したがってレチクル7の垂直照明が存在する。
【0072】
投影光学ユニット31は、結像ビーム経路の最後のミラーM11によって提供される0.55の像側開口数を有する。投影光学ユニット31は、13.5nmの結像光14の設計波長用に設計されている。像視野は、x方向に26mm、y方向に1.2mmの範囲を有する。像視野10は、平坦であり、すなわち、像面湾曲がない。
【0073】
結像光学ユニット31は、4xの縮小係数を有する。
【0074】
波面誤差(rms)は、15mλである。結像光学ユニット31は、物体側および像側の両方でテレセントリックである。
【0075】
瞳面の通過開口部28によるエッジ部の開孔境界および掩蔽(obscuration)の両方を画定する絞り、したがって、開孔絞りおよび掩蔽絞りとして同時に役割を果たす絞りは、結像光14の結像ビーム経路の2番目のミラーM2上に直接位置する。
【0076】
ミラーM1~M11は、回転対称関数によって記述することができない自由曲面として具現化されている。ミラーM1~M11のうちの少なくとも1つが回転対称非球面として具現化されている投影光学ユニット7の他の実施形態も可能である。そのような回転対称非球面のための非球面方程式は、独国特許出願公開第102010029050号から知られている。ミラーM1~M11のすべてのミラーをそのような非球面として具現化することも可能である。
【0077】
自由曲面は、以下の自由曲面方程式(式1)によって記述することができる。
【数1】
(1)
【0078】
以下は、この式(1)のパラメータに適用される。
【0079】
Zは、点x、yにおける自由曲面の矢状方向(サジタル)高さであり、ここで、x2+y2=r2である。ここで、rは、自由曲面方程式の基準軸(x=0;y=0)からの距離である。
【0080】
自由曲面方程式(1)において、C1,C2,C3・・・は、自由曲面をxおよびyのべき乗で級数展開した係数を表す。
【0081】
円錐形底面積の場合、cx,cyは、対応する非球面の頂点曲率に対応する定数である。したがって、cx=1/Rxおよびcy=1/Ryが適用される。kxおよびkyはそれぞれ、対応する非球面の円錐定数に対応する。したがって、式(1)は、双円錐形(biconical)自由曲面を記述する。
【0082】
代替の可能な自由曲面は、回転対称の基準面から生成することができる。マイクロリソグラフィ投影露光装置の投影光学ユニットのミラーの反射面用のそのような自由曲面は、米国特許出願公開第2007-0058269号から知られている。
【0083】
あるいは、自由曲面は、2次元のスプライン曲面を用いて記述することもできる。これに対する例は、ベジェ曲線または非一様有理ベーススプライン(NURBS:non-uniform rational basis spline)である。例として、2次元スプライン曲面は、xy平面内の点のグリッドと関連付けられたz値によって、またはこれらの点とそれに関連付けられた勾配によって記述することができる。スプライン曲面のそれぞれのタイプに応じて、完全な表面は、例えば、連続性および微分可能性に関して特定の特性を有する多項式または関数を使用して、グリッド点間の補間によって得られる。これに対する例は、分析関数である。
【0084】
投影光学ユニット31のミラーM1~M11の反射面の光学設計データは、以下の表から収集することができる。これらの光学設計データは、いずれの場合も像平面11から始まっており、すなわち、像平面11と物体平面6との間の結像光14の逆伝播方向のそれぞれの投影光学ユニットを記述している。
【0085】
これらの表のうちの最初の表は、投影光学ユニット31の設計データの概要を提供し、開口数NA、結像光14に対する計算された設計波長、x方向およびy方向の像視野10の寸法、ならびに像視野曲率を要約している。この曲率は、視野の曲率半径の逆数として定義されている。
【0086】
これらの表のうちの2番目の表は、光学構成要素の光学面の頂点半径(Radius_x=Rx、Radius_y=Ry)および屈折力値(Power_x、Power_y)を示す。負の半径値は、それぞれの曲率の方向(x、y)を有する頂点の表面法線によって張られた(spanned)、考慮された平面(xz、yz)とそれぞれの表面との交差部分において、入射照明光14に向かって凹状の曲線を表す。2つの半径Radius_x、Radius_yは、明示的に異なる符号を有することができる。
【0087】
各光学面の頂点は、対称面x=0、すなわち図4の図面の平面(子午面)に沿って物体視野中心から像視野11に進む案内光線の入射点として定義される。
【0088】
頂点での屈折力Power_x(Px)、Power_y(Py)は、以下のように定義される。
【数2】
【数3】
【0089】
ここで、AOIは、表面法線に対する案内光線の入射角を表す。
【0090】
3番目の表は、ミラーM1~M11に対して、円錐定数kxおよびky、頂点半径Rx(=Radius_x)、ならびに自由曲面係数Cnをmm単位で示す。表に示されていない係数Cnは、いずれの場合も値0を有する。
【0091】
4番目の表はまた、それぞれのミラーを、基準面から始まって、y方向に偏心(DCY)させ、z方向に変位(DCZ)させ、傾斜(TLA、TLB、TLC)させた大きさを示す。これは、自由曲面設計方法の場合の平行移動および傾斜に相当する。ここで、変位は、y方向およびz方向にmm単位で行われ、傾斜は、x軸、y軸、およびz軸を中心に行われる。この場合、回転角度は、度で指定されている。偏心が最初に行われ、続いて傾斜が行われる。偏心中の基準面は、いずれの場合も指定された光学設計データの最初の面である。y方向およびz方向の偏心は、物体視野5に対しても指定されている。
【0092】
【表1】
図4に対する表1
【0093】
【表2】
図4に対する表2
【0094】
【表3】


図4に対する表3a
【0095】
【表4】

図4に対する表3b
【0096】
【表5】

図4に対する表3c
【0097】
【表6】


図4に対する表3d
【0098】
【表7】
図4に対する表4a
【0099】
【表8】
図4に対する表4b
【0100】
結像光学ユニット9、27、30、31は、4x、6x、または8xの縮小係数を有することができる。xz次元の縮小係数がyz次元のものとは異なる、結像光学ユニットのアナモルフィック設計も可能である。
【0101】
投影露光装置1の使用中に、レチクル7と、照明光14に対して感光性のあるコーティングを担持するウェーハ12と、が用意される。続いて、レチクル7の少なくとも一部が、投影露光装置1を用いてウェーハ12上に投影される。ここで、レチクル7は、EUV放射線14の主光線が最大で6°、特に最大で3°、特に最大で1°、特に0°の入射角CRAでレチクル7に入射するように、EUV放射線14によって照明される。特に、主光線の入射角CRAは、物体側開口数(NAO)よりも小さく、CRA<arcsin(NAO)である。
【0102】
最後に、照明光で露光されたウェーハ12上の感光層が現像される。このようにして、マイクロ構造またはナノ構造部品、特に半導体チップが製造される。
図1
図2
図3
図4