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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-29
(45)【発行日】2023-06-06
(54)【発明の名称】ハンディ型ガス検知器
(51)【国際特許分類】
   G01M 3/04 20060101AFI20230530BHJP
   G01M 3/22 20060101ALI20230530BHJP
   G01N 1/00 20060101ALI20230530BHJP
【FI】
G01M3/04 M
G01M3/22
G01N1/00 101R
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018194148
(22)【出願日】2018-10-15
(65)【公開番号】P2020063917
(43)【公開日】2020-04-23
【審査請求日】2021-07-05
(73)【特許権者】
【識別番号】320011650
【氏名又は名称】大陽日酸株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100128358
【弁理士】
【氏名又は名称】木戸 良彦
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 勇斗
【審査官】奥野 尭也
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-276069(JP,A)
【文献】特開平08-313412(JP,A)
【文献】実開昭56-061439(JP,U)
【文献】実開平05-086086(JP,U)
【文献】実開平07-018235(JP,U)
【文献】国際公開第2017/140624(WO,A1)
【文献】特開2006-126022(JP,A)
【文献】特開2002-131197(JP,A)
【文献】特開2006-162322(JP,A)
【文献】特開平05-196535(JP,A)
【文献】中国実用新案第206377468(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01M 3/00- 3/40
G01N 27/00-27/10
G01N 27/14-27/24
G01N 1/00- 1/44
F16L 17/00-19/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス吸引部からハンディ型ガス検知器本体に吸引した検査対象ガスの中の特定成分の検知を行うハンディ型ガス検知器において、前記検査対象ガスの漏洩を検知するガス漏洩検知箇所に対してガス吸引口をあらかじめ設定された位置に保持するガス吸引口保持部材を備えるとともに、前記ガス吸引口と前記ハンディ型ガス検知器本体のガス吸引部とを接続するホースを備え
前記ガス漏洩検知箇所は、配管継手部に設けられたリークポートであり、前記ガス吸引口保持部材は、前記配管継手部を構成するボルト部材又はナット部材の外面に形成された六角部の対向する平行な二面を挟み込む係合部と、該係合部の内側に開口した前記ガス吸引口と、該ガス吸引口と前記リークポートとの間の距離を設定する位置出し部材とを備えていることを特徴とするハンディ型ガス検知器。
【請求項2】
前記係合部は、前記六角部の配管軸線方向の外面に当接する位置決め部材を備えていることを特徴とする請求項記載のハンディ型ガス検知器。
【請求項3】
ガス吸引部からハンディ型ガス検知器本体に吸引した検査対象ガスの中の特定成分の検知を行うハンディ型ガス検知器において、前記検査対象ガスの漏洩を検知するガス漏洩検知箇所に対してガス吸引口をあらかじめ設定された位置に保持するガス吸引口保持部材を備えるとともに、前記ガス吸引口と前記ハンディ型ガス検知器本体のガス吸引部とを接続するホースを備え、
前記ガス吸引口保持部材は、先端に前記ガス吸引口が開口した管状部材であり、該管状部材の基部から前記ガス漏洩検知箇所の方向に向かって3本以上の棒状部材を突出させ、各棒状部材の先端が前記ガス漏洩検知箇所の周辺にそれぞれ当接したときに、前記ガス吸引口が前記ガス漏洩検知箇所に対してあらかじめ設定された距離に配置されることを特徴とするハンディ型ガス検知器。
【請求項4】
ガス吸引部からハンディ型ガス検知器本体に吸引した検査対象ガスの中の特定成分の検知を行うハンディ型ガス検知器において、前記検査対象ガスの漏洩を検知するガス漏洩検知箇所に対してガス吸引口をあらかじめ設定された位置に保持するガス吸引口保持部材を備えるとともに、前記ガス吸引口と前記ハンディ型ガス検知器本体のガス吸引部とを接続するホースを備え、
前記ガス吸引口保持部材は、先端に前記ガス吸引口が開口した管状部材であり、該管状部材の基部周壁に前記ガス吸引口の内径より小さな内径を有する補助吸引口を少なくとも1箇所に設け、
前記管状部材は、先端が拡開したカップ状に形成され、
前記カップ状に形成された管状部材は、先端のガス吸引口の開口が、前記ガス漏洩検知箇所に設けられたリークポートの周囲に設けられている平面部の大きさより小さく形成されていることを特徴とするハンディ型ガス検知器。
【請求項5】
前記補助吸引口に、前記検査対象ガスに影響を与えない外気を吸引する延長ホースを接続したことを特徴とする請求項記載のハンディ型ガス検知器。
【請求項6】
ガス吸引部からハンディ型ガス検知器本体に吸引した検査対象ガスの中の特定成分の検知を行うハンディ型ガス検知器において、前記検査対象ガスの漏洩を検知するガス漏洩検知箇所に対してガス吸引口をあらかじめ設定された位置に保持するガス吸引口保持部材を備えるとともに、前記ガス吸引口と前記ハンディ型ガス検知器本体のガス吸引部とを接続するホースを備え、
前記ガス吸引口保持部材は、先端に前記ガス吸引口が開口した管状部材であり、該管状部材の基部周壁に前記ガス吸引口の内径より小さな内径を有する補助吸引口を少なくとも1箇所に設け、
前記管状部材は、先端が拡開したカップ状に形成され、
前記補助吸引口に、前記検査対象ガスに影響を与えない外気を吸引する延長ホースを接続したことを特徴とするハンディ型ガス検知器。
【請求項7】
ガス吸引部からハンディ型ガス検知器本体に吸引した検査対象ガスの中の特定成分の検知を行うハンディ型ガス検知器において、前記検査対象ガスの漏洩を検知するガス漏洩検知箇所に対してガス吸引口をあらかじめ設定された位置に保持するガス吸引口保持部材を備えるとともに、前記ガス吸引口と前記ハンディ型ガス検知器本体のガス吸引部とを接続するホースを備え、
前記ガス吸引口保持部材は、先端に前記ガス吸引口が開口した管状部材であり、該管状部材の基部周壁に前記ガス吸引口の内径より小さな内径を有する補助吸引口を少なくとも1箇所に設け、
前記補助吸引口に、前記検査対象ガスに影響を与えない外気を吸引する延長ホースを接続したことを特徴とするハンディ型ガス検知器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハンディ型ガス検知器に関し、詳しくは、各種配管系統に設けられているリークポートからのガスの漏洩を検知するためのハンディ型ガス検知器に関する。
【背景技術】
【0002】
各種配管系統からの都市ガス、液化天然ガス、水素などの一般的な可燃性ガスの漏洩の有無を検知するため、ハンディ型ガス検知器が広く用いられている。このハンディ型ガス検知器は、小型軽量で手持ちでの操作が可能で、内部に吸引ポンプを内蔵した検知器本体と、該検知器本体に検査対象ガスを導入するための吸引部とを備えており、吸引部には、通常、ノズルが着脱可能に設けられている(例えば、特許文献1参照。)。一方、各種配管系統において、シール材の劣化や振動などが原因でガスの漏洩が発生するおそれがある部分には、例えば配管継手部分には、ガスの漏洩を容易に検知できるように、リークポートを設けることが行われている(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2003-185609号公報
【文献】特開2007-71351号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記リークポートを利用して前記ハンディ型ガス検知器を用いることにより、リークポートからのガスの漏洩を容易に検知することができる。しかし、ハンディ型ガス検知器では、手で持った状態で作業を行うため、作業者によってリークポートとノズル先端との位置関係が異なってしまうことがある。このため、作業者によって漏洩ガスの吸引量や測定量が異なることがあり、漏洩場所の特定が困難なことがあった、例えば、近年の水素自動車の水素充填用に用いられている移動式水素ステーションでは、トレーラなどの荷台に積載可能なコンテナ内に、水素ボンベをはじめとして充填用の各種機器を収納しているため、ガス経路として構成される配管が狭い空間に多数配置されており、配管継手が狭いところに密集していることから、頻繁に行われる日常点検などの際に正確な漏洩位置の特定や、漏洩量の正確な検知が困難になっていた。
【0005】
そこで本発明は、リークポートなどのガス漏洩検知箇所からのガスの漏洩状態の検出を容易かつ確実に行うことができるハンディ型ガス検知器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明のハンディ型ガス検知器は、ガス吸引部からハンディ型ガス検知器本体に吸引した検査対象ガス中の特定成分の検知を行うハンディ型ガス検知器において、前記検査対象ガスの漏洩を検知するガス漏洩検知箇所に対してガス吸引口をあらかじめ設定された位置に保持するガス吸引口保持部材を備えるとともに、前記ガス吸引口と前記ハンディ型ガス検知器本体のガス吸引部とを接続するホースを備えていることを特徴とし、さらに、前記ガス吸引口保持部材は、前記ガス吸引口を前記ガス漏洩検知箇所に対してあらかじめ設定された距離及び角度で保持することを特徴としている。
【0007】
また、本発明のハンディ型ガス検知器は、前記ガス漏洩検知箇所が、配管継手部に設けられたリークポートであり、前記ガス吸引口保持部材は、前記配管継手部を構成するボルト部材又はナット部材の外面に形成された六角部の対向する平行な二面を挟み込む係合部と、該係合部の内側に開口した前記ガス吸引口と、該ガス吸引口と前記リークポートとの間の距離を設定する位置出し部材とを備えていることを特徴とし、さらに、前記係合部は、前記六角部の配管軸線方向の外面に当接する位置決め部材を備えていることを特徴としている。
【0008】
また、前記ガス吸引口保持部材は、先端に前記ガス吸引口が開口した管状部材であり、該管状部材の基部から前記ガス漏洩検知箇所の方向に向かって3本以上の棒状部材を突出させ、各棒状部材の先端が前記ガス漏洩検知箇所の周辺にそれぞれ当接したときに、前記ガス吸引口が前記ガス漏洩検知箇所に対してあらかじめ設定された距離に配置されることを特徴としている。さらに、前記ガス吸引口保持部材は、先端に前記ガス吸引口が開口した管状部材であり、該管状部材の基部周壁に前記ガス吸引口の内径より小さな内径を有する補助吸引口を少なくとも1箇所に設けたこと、前記管状部材が、先端が拡開したカップ状に形成されていること、前記カップ状に形成された管状部材は、先端のガス吸引口の開口が、前記ガス漏洩検知箇所に設けられたリークポートの周囲に設けられている平面部の大きさより小さく形成されていることを特徴とし、さらに、前記補助吸引口に、前記検査対象ガスに影響を与えない外気を吸引する延長ホースを接続したことを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明のハンディ型ガス検知器によれば、ガス吸引口保持部材によってガス漏洩検知箇所に対するガス吸引口の距離を一定にできるので、正確な測定を行うことができ、ガスの漏洩があったときの漏洩位置の特定を確実に行うことができる。また、ガス吸引口が塞がれることがないので安定した状態で作業を行うことができる。一方、ガス吸引口とは別に補助吸引口を設けたものでは、ガス吸引口が塞がれてもハンディ型ガス検知器本体のガス吸引は継続されるので、ハンディ型ガス検知器本体がガス吸引口の閉塞を検知して異常停止することを回避できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明のハンディ型ガス検知器の第1形態例を示す正面図である。
図2】本発明のハンディ型ガス検知器の第2形態例を示す要部の断面側面図である。
図3】同じく要部の断面正面図である。
図4】本発明のハンディ型ガス検知器の第3形態例を示す要部の正面図である。
図5】本発明のハンディ型ガス検知器の第4形態例を示す要部の正面図である。
図6】本発明のハンディ型ガス検知器の第5形態例を示す要部の正面図である。
図7】本発明のハンディ型ガス検知器の第6形態例を示す要部の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、本発明のハンディ型ガス検知器の第1形態例を示す正面図である。本形態例に示すハンディ型ガス検知器11は、ガス吸引部12からハンディ型ガス検知器本体13に吸引した検査対象ガス中の特定成分の検知を行うもので、前記検査対象ガスの漏洩状態の有無を測定、検知するガス漏洩検知箇所14に対してガス吸引口15をあらかじめ設定された距離に保持するガス吸引口保持部材16を備えるとともに、前記ガス吸引口15と前記ハンディ型ガス検知器本体13のガス吸引部12とを接続するホース17を備えている。
【0012】
ハンディ型ガス検知器11は、漏洩を検知する特定成分の種類に応じて選択することができ、市販されている各種ハンディ型ガス検知器を適宜選択して使用可能である。ハンディ型ガス検知器本体13の内部には、吸引ポンプやガスセンサーなどが収納されており、吸引ポンプによってガス吸引部12から吸引した検査対象ガス、通常は大気の中に含まれる前記特定成分を前記ガスセンサーで検知するようにしている。さらに、吸引した検査対象ガス中の特定成分の濃度を指示するハンディ型ガス検知器も知られている。また、ガス吸引部12には、通常は、ノズルを装着して使用している(特許文献1参照)。
【0013】
前記ガス吸引口保持部材16は、適当な長さ及び口径の管状部材で形成されており、先端中央には前記ガス吸引口15が開口するとともに、ガス漏洩検知箇所14に向かって突出した位置出し部材18が設けられている。位置出し部材18は、測定時におけるガス漏洩検知箇所14とガス吸引口15との距離を規定するもので、ガス漏洩検知箇所14とガス吸引口15との距離の相違によって測定結果が異なることを防止するとともに、ガス吸引口15がガス漏洩検知箇所14に当接してガス吸引口15が塞がれることがない範囲で、できるだけガス漏洩検知箇所14とガス吸引口15とを近接させてガス漏洩検知箇所14の周囲のガス(大気)のみを吸引できるようにしている。
【0014】
したがって、頻繁に行われる日常点検などの際に作業者が異なっても安定した測定結果を確実に得ることができ、漏洩位置の特定も容易に行うことができる。また、ガス吸引口15が塞がれると、ガス吸引不能と判定して自動停止するハンディ型ガス検知器の場合でも、ガス漏洩検知箇所14とガス吸引口15との間から周囲のガスを吸引できるので、測定作業が突然中断してしまうことがなくなり、安定した状態で測定作業を継続できる。
【0015】
前記ホース17は、ガスが流通可能で柔軟性を有するホースならば各種素材のものを使用することができ、長さや太さも任意に選択することができる。ホース17の両端のガス吸引部12やガス吸引口保持部材16との接続は、所定の密封状態を保持できれば、適宜な接続方法を選択することができる。また、前記特定成分が水素の場合は、一般的なガスに比べて通常のホース材料に対する透過率が高いため、水素の透過率がより小さな材料、例えばフッ素樹脂製のホースを用いることが好ましい。
【0016】
図2及び図3は、本発明のハンディ型ガス検知器の第2形態例を示している。なお、以下の説明では、前記第1形態例で示したホース17から先のガス吸引口保持部材のみを図示している。
【0017】
本形態例に示すハンディ型ガス検知器21は、配管継手部22に設けられたリークポート23からのガスの漏洩を検出するための構造を有している。リークポート23は、配管継手部22におけるナット部材24を貫通した状態で設けられており、ガス吸引口保持部材25は、ナット部材24の外面に形成された六角部26に係合する形状を有するとともに、把手部25aを有している。
【0018】
ガス吸引口保持部材25は、スパナの係合部形状と同じような形状を有するものであって、前記六角部26の対向する平行な二面を挟み込む一対の係合爪27a,27aを有する六角形状の係合部27と、該係合部27の内部をガス通路部28aが貫通し、先端がリークポート23に向かって開口したガス吸引口28と、該ガス吸引口28と前記リークポート23の外端との間の距離を設定する位置出し部材29とを備えており、前記ガス通路部28aの基端部が前記第1形態例と同様に、ホース17によってハンディ型ガス検知器本体のガス吸引部に接続されている。また、係合部27の一端側には、前記六角部26の配管軸線方向の一方の外面26aに当接する位置決め部材30が設けられている。
【0019】
このように形成したガス吸引口保持部材25は、ガス漏洩の有無の測定時に、リークポート23を形成したナット部材24の二面に係合爪27a,27aを係合させるとともに、位置決め部材30を六角部26の一方の外面26aに当接させ、前記位置出し部材29を六角部26の周面に当接させることにより、前記ガス吸引口28と前記リークポート23とを所定の距離で、かつ、所定の角度で対向させることができる。これにより、リークポート23から漏洩したガスをガス吸引口28で確実に吸引することができ、測定時のバラツキを回避して正確な測定を行うことができる。また、位置決め部材30を設けることによってより確実な位置決めを行うことができるが、位置決め部材30を省略することもできる。さらに、係合爪27a,27aの間隔を調整可能に係止することも可能である。
【0020】
図4は、本発明のハンディ型ガス検知器の第3形態例を示している。本形態例に示すハンディ型ガス検知器31は、ガス吸引口保持部材32を、先端にガス吸引口33が開口した管状部材34で形成するとともに、該管状部材34の基部からガス漏洩検知箇所35の方向に向かって3本以上の棒状部材36を突出させている。
【0021】
前記棒状部材36の先端は、配管継手部37に設けられたリークポート38の周囲の平面部38aに当接可能な間隔に配置されており、測定時に、各棒状部材36の先端を平面部38aに同時に当接した状態にすることにより、前記ガス吸引口33と前記リークポート38とを所定の距離で、かつ、所定の角度で対向させることができる。これにより、リークポート38から漏洩したガスをガス吸引口33で確実に吸引することができ、測定時のバラツキを回避して正確な測定を行うことができる。
【0022】
なお、棒状部材36は、該棒状部材36の先端を平面部38aに当接させたときに、屈曲しない程度の強度を有する材料で形成すればよく、棒状部材36の本数は、ガス吸引口33を安定して保持できれば、3本以上の任意の本数を選択できる。
【0023】
図5は、本発明のハンディ型ガス検知器の第4形態例を示している。本形態例に示すハンディ型ガス検知器41は、ガス吸引口保持部材42を、先端にガス吸引口43が開口した管状部材44で形成するとともに、該管状部材44の基部周壁に、ガス吸引口43の内径より小さな内径を有する補助吸引口45を設けている。ガス吸引口43の内径は、配管継手部46に設けられたリークポート47の内径と同等以上の内径を有するとともに、ガス吸引口43の周囲の管状部材先端面がリークポート47の周囲の平面部47aと同等以下の大きさに形成されている。
【0024】
このハンディ型ガス検知器41でのガス漏洩の測定は、管状部材44の先端面を平面部47aに当接させた状態で行う。これにより、リークポート47から漏洩したガスをガス吸引口43によって確実に吸引することができる。一方、リークポート47からガス吸引口43へのガスの流入がない場合でも、補助吸引口45から大気を吸引するので、ハンディ型ガス検知器本体が自動停止することがなく、安定した状態で測定作業を継続できる。なお、補助吸引口45は、適当な内径及び形状、構造のものを複数箇所に設けることができる。
【0025】
図6は、本発明のハンディ型ガス検知器の第5形態例を示している。本形態例に示すハンディ型ガス検知器51は、ガス吸引口保持部材52における先端部を、先端52aが拡開したカップ状に形成したものであって、基部周壁には、前記第4形態例と同様の補助吸引口53が設けられている。このハンディ型ガス検知器51においても、測定時には、リークポート54の周囲の平面部54aの大きさに比べて小さく形成したガス吸引口保持部材52のカップ先端縁を、平面部54aに当接させることによってリークポート54の周囲を覆うことができ、リークポート54から漏洩したガスをガス吸引口53で確実に吸引することができる。
【0026】
図7は、本発明のハンディ型ガス検知器の第6形態例を示している。本形態例に示すハンディ型ガス検知器61は、前記第4形態例で示した管状部材44の補助吸引口45に、前記検査対象ガスに影響を与えない外気を吸引する延長ホース62を接続したものである。このように、延長ホース62を設けることにより、ガス漏洩検知箇所であるリークポート63の近傍に配置されている他のリークポートから漏洩したガスを補助吸引口45から吸引することがなくなり、ガス吸引口保持部材64のガス吸引口65で、ガス漏洩検知箇所であるリークポート63から漏洩したガスのみを確実に吸引することができ、近傍のガス漏洩に影響されることがなくなり、ガス漏洩箇所をより確実に特定することができる。
【符号の説明】
【0027】
11…ハンディ型ガス検知器、12…ガス吸引部、13…ハンディ型ガス検知器本体、14…ガス漏洩検知箇所、15…ガス吸引口、16…ガス吸引口保持部材、17…ホース、18…位置出し部材、21…ハンディ型ガス検知器、22…配管継手部、23…リークポート、24…ナット部材、25…ガス吸引口保持部材、25a…把手部、26…六角部、26a…外面、27…係合部、27a…係合爪、28…ガス吸引口、28a…ガス通路部、29…位置出し部材、30…位置決め部材、31…ハンディ型ガス検知器、32…ガス吸引口保持部材、33…ガス吸引口、34…管状部材、35…ガス漏洩検知箇所、36…棒状部材、37…配管継手部、38…リークポート、38a…平面部、41…ハンディ型ガス検知器、42…ガス吸引口保持部材、43…ガス吸引口、44…管状部材、45…補助吸引口、46…配管継手部、47…リークポート、47a…平面部、51…ハンディ型ガス検知器、52…ガス吸引口保持部材、52a…先端、53…補助吸引口、54…リークポート、54a…平面部、61…ハンディ型ガス検知器、62…延長ホース、63…リークポート、64…ガス吸引口保持部材、65…ガス吸引口
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7