IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ボンドテック株式会社の特許一覧

特許7289579チップ接合システムおよびチップ接合方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-02
(45)【発行日】2023-06-12
(54)【発明の名称】チップ接合システムおよびチップ接合方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/60 20060101AFI20230605BHJP
   H01L 21/301 20060101ALI20230605BHJP
   B23K 26/53 20140101ALI20230605BHJP
【FI】
H01L21/60 311T
H01L21/78 Q
B23K26/53
【請求項の数】 32
(21)【出願番号】P 2022539548
(86)(22)【出願日】2021-07-29
(86)【国際出願番号】 JP2021028027
(87)【国際公開番号】W WO2022025160
(87)【国際公開日】2022-02-03
【審査請求日】2022-10-04
(31)【優先権主張番号】P 2020129988
(32)【優先日】2020-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】304019355
【氏名又は名称】ボンドテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100174388
【弁理士】
【氏名又は名称】龍竹 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100165489
【弁理士】
【氏名又は名称】榊原 靖
(72)【発明者】
【氏名】山内 朗
【審査官】今井 聖和
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/008809(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/044579(WO,A1)
【文献】特開2013-251404(JP,A)
【文献】特開2018-056502(JP,A)
【文献】特開2009-054803(JP,A)
【文献】特表2020-518133(JP,A)
【文献】特開2020-068322(JP,A)
【文献】特開2007-005530(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/60
H01L 21/301
B23K 26/53
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板にチップを接合するチップ接合システムであって、
シートに貼着されたダイシング基板をダイシングすることにより前記ダイシング基板の厚さ方向に直交する方向において互いに隣接するチップ同士が当接または一部で結合した状態で前記シートに貼着された複数のチップを生成するダイシング装置と、
前記シートに互いに隣接するチップ同士が当接または一部で結合した状態で貼着された前記複数のチップそれぞれの接合面を活性化させる活性化処理装置と、
前記活性化処理装置により前記接合面が活性化された後、互いに隣接するチップ同士が当接または一部で結合した状態の前記複数のチップが貼着された前記シートを伸張させることにより前記複数のチップを互いに離間した状態にするシート伸張装置と、
互いに離間した状態で前記シートに貼着された前記複数のチップの中から抜き取られた1つのチップを前記基板に接触させることにより前記1つのチップを前記基板に接合するチップ接合装置と、を備え、
前記活性化処理装置により前記接合面を活性化させる際と、少なくとも前記複数のチップを互いに離間させる際と、の少なくとも一方において発生し前記複数のチップのうちの少なくとも1つに付着したパーティクルを除去してから前記1つのチップを前記基板に接合する、
チップ接合システム。
【請求項2】
前記チップ接合装置により前記チップが前記基板に接合される前に、前記シートに互いに離間した状態で貼着された前記複数のチップの接合面に付着した、前記複数のチップを互いに離間させる際に発生したパーティクルを洗浄する洗浄装置を更に備える、
請求項に記載のチップ接合システム。
【請求項3】
前記ダイシング装置は、
前記ダイシング基板を切削する切削ブレードと、
前記切削ブレードを前記複数のチップに対応する部分の周囲の分割予定ラインに沿って移動させて切削溝を形成することにより、前記ダイシング基板の厚さ方向に直交する方向において互いに隣接するチップ同士が切り残し部を介して結合した状態で前記シートに貼着された複数のチップを生成するブレード駆動部と、を有する、
請求項に記載のチップ接合システム。
【請求項4】
前記ダイシング装置は、
前記ダイシング基板を透過する波長のレーザ光を放射するレーザ加工ヘッドと、
前記レーザ加工ヘッドと前記ダイシング基板との間の距離を前記レーザ光の集光点が前記ダイシング基板の内部となるように維持しながら前記レーザ加工ヘッドを前記複数のチップに対応する部分の周囲の分割予定ラインに沿って移動させることにより、前記ダイシング基板の厚さ方向に直交する方向において互いに隣接するチップ同士が前記ダイシング基板の内部に形成された改質部を介して結合した状態で前記シートに貼着された複数のチップを生成するレーザ加工ヘッド駆動部と、を有する、
請求項に記載のチップ接合システム。
【請求項5】
前記活性化処理装置は、
前記複数のチップが互いに当接または一部で結合した状態で貼着された前記シートを支持するシート支持部と、
前記シートが前記シート支持部に支持された状態において、前記シートの前記複数のチップが貼着された側から前記シートにおける前記複数のチップが貼着された部分を除く部分を覆うカバーと、を有する、
請求項に記載のチップ接合システム。
【請求項6】
前記活性化処理装置は、
前記複数のチップが互いに当接または一部で結合した状態で貼着された前記シートを支持するシート支持部と、
前記シート支持部に支持された前記シートの前記複数のチップが貼着された側にプラズマを発生させることにより前記複数のチップそれぞれの接合面を活性化させるプラズマ発生部と、を有する、
請求項またはに記載のチップ接合システム。
【請求項7】
前記活性化処理装置は、
前記複数のチップが互いに当接または一部で結合した状態で貼着された前記シートを支持するシート支持部と、
前記シート支持部に支持された前記シートの前記複数のチップが貼着された側に対して粒子ビームを照射することにより前記複数のチップそれぞれの接合面を活性化させる粒子ビーム源と、を有する、
請求項またはに記載のチップ接合システム。
【請求項8】
前記シート伸張装置は、
前記シートを保持する第1環状フレームを保持するフレーム保持部と、
外側寸法が前記第1環状フレームの内側寸法よりも小さい第2環状フレームを支持する第1フレーム支持部と、
前記第2環状フレームを前記シートにおける前記複数のチップが貼着された側とは反対側に当接させた状態で前記第1環状フレームと前記第2環状フレームとの少なくとも一方を他方に対して相対的に移動させることにより前記シートを前記第1環状フレームの中央部から放射状に伸張させ、前記複数のチップが互いに離間した状態にした後、前記第2環状フレームの外側に前記シートを挟み込むように第3環状フレームが嵌め込まれることにより、前記第2環状フレームおよび前記第3環状フレームに前記シートを保持された状態で維持するフレーム位置変更部と、を有する、
請求項に記載のチップ接合システム。
【請求項9】
前記複数のチップが互いに離間した状態で貼着され前記第2環状フレームおよび前記第3環状フレームに保持された前記シートを吸着保持するシート保持部と、
前記シートが前記シート保持部に吸着保持された状態で前記シートにおける前記複数のチップが貼着された側に水を吹き付けることにより前記複数のチップの接合面を洗浄する洗浄ヘッドと、を有する洗浄装置を更に備える、
請求項8に記載のチップ接合システム。
【請求項10】
前記複数のチップが互いに離間した状態で貼着された前記シートを保持する前記第2環状フレームと前記第3環状フレームとの少なくとも一方を支持する第2フレーム支持部と、
前記シートに貼着された前記複数のチップの中から1つのチップを抜き取るピックアップ機構と、を有するチップ供給装置を更に備える、
請求項に記載のチップ接合システム。
【請求項11】
記ダイシング装置および前記活性化処理装置は、前記シートが前記第1環状フレームに保持された状態で処理を実行し、
前記洗浄装置および前記チップ供給装置は、前記シートが前記第2環状フレームおよび前記第3環状フレームに保持された状態で処理を実行する、
請求項10に記載のチップ接合システム。
【請求項12】
前記チップ接合装置は、
前記基板の実装面が鉛直下方を向く姿勢で保持する基板保持部と、
前記複数のチップのうちの1つのチップを、前記1つのチップの接合面が鉛直上方を向く姿勢で支持するヘッドと、
前記ヘッドを前記基板保持部に相対的に近づけることにより前記1つのチップを前記基板に接合する相対位置変更部と、を有する、
請求項1から11のいずれか1項に記載のチップ接合システム。
【請求項13】
前記相対位置変更部は、前記ヘッドを前記基板保持部に相対的に近づけることにより前記1つのチップを前記基板に親水化接合する、
請求項12に記載のチップ接合システム。
【請求項14】
前記相対位置変更部は、前記ヘッドを前記基板保持部に相対的に近づけることにより前記1つのチップの平坦な前記接合面を前記基板の平坦な前記実装面に面接触させる、
請求項12または13に記載のチップ接合システム。
【請求項15】
前記1つのチップにおける前記基板に接合される接合面側とは反対側を保持して前記1つのチップを前記チップ接合装置に受け渡す受け渡し位置まで搬送するチップ搬送装置を更に備える、
請求項1から14のいずれか1項に記載のチップ接合システム。
【請求項16】
基板にチップを接合するチップ接合方法であって、
シートに貼着されたダイシング基板をダイシングすることにより前記ダイシング基板の厚さ方向に直交する方向において互いに隣接するチップ同士が当接または一部で結合した状態で配置された複数のチップを生成するダイシング工程と、
前記シートに互いに当接または一部で結合した状態で貼着された前記複数のチップそれぞれの接合面を活性化させる活性化工程と、を含み、
前記活性化工程の後に、前記複数のチップが貼着された前記シートを伸張させることにより前記複数のチップが互いに離間した状態にする伸張工程と、
前記複数のチップの中から抜き取られた1つのチップを前記基板に接触させることにより前記1つのチップを前記基板に接合する接合工程と、を含み、
前記活性化工程において前記接合面を活性化させる際と、少なくとも前記複数のチップを互いに離間させる際と、の少なくとも一方において発生し前記複数のチップのうちの少なくとも1つに付着したパーティクルを除去してから前記1つのチップを前記基板に接合する、
チップ接合方法。
【請求項17】
前記シートに互いに離間した状態で貼着された前記複数のチップの接合面に付着した、前記複数のチップを互いに離間させる際に発生したパーティクルを洗浄する洗浄工程を更に含む、
請求項16に記載のチップ接合方法。
【請求項18】
前記ダイシング工程において、前記ダイシング基板を切削する切削ブレードを、前記複数のチップに対応する部分の周囲の分割予定ラインに沿って移動させて切削溝を形成することにより、前記ダイシング基板の厚さ方向に直交する方向において互いに隣接するチップ同士が切り残し部で結合した状態で前記シートに貼着された複数のチップを生成する、
請求項16に記載のチップ接合方法。
【請求項19】
前記ダイシング工程において、前記ダイシング基板を透過する波長のレーザ光を放射するレーザ加工ヘッドを、前記レーザ加工ヘッドと前記ダイシング基板との間の距離を前記レーザ光の集光点が前記ダイシング基板の内部となるように維持しながら、前記複数のチップに対応する部分の周囲の分割予定ラインに沿って移動させることにより、前記ダイシング基板の厚さ方向に直交する方向において互いに隣接するチップ同士が前記ダイシング基板の内部に形成された改質部を介して結合した状態で前記シートに貼着された複数のチップを生成する、
請求項16に記載のチップ接合方法。
【請求項20】
前記活性化工程において、前記複数のチップが互いに当接または一部で結合した状態で貼着された前記シートにおける前記複数のチップが貼着された部分を除く部分をカバーで覆った状態で、前記シートに貼着された前記複数のチップそれぞれの接合面を活性化させる、
請求項16に記載のチップ接合方法。
【請求項21】
前記活性化工程において、前記複数のチップが互いに当接または一部で結合した状態で貼着された前記シートの前記複数のチップが貼着された側にプラズマを発生させることにより前記複数のチップそれぞれの接合面を活性化させる、
請求項16に記載のチップ接合方法。
【請求項22】
前記活性化工程において、前記複数のチップが互いに当接または一部で結合した状態で貼着された前記シートの前記複数のチップが貼着された側に対して粒子ビームを照射することにより前記複数のチップそれぞれの接合面を活性化させる、
請求項16に記載のチップ接合方法。
【請求項23】
前記伸張工程において、前記シートを保持する第1環状フレームを保持した状態で、外側寸法が前記第1環状フレームの内側寸法よりも小さい第2環状フレームを前記シートにおける前記複数のチップが貼着された側とは反対側に当接させた状態で前記第2環状フレームを前記第1環状フレームよりも前記シートにおける前記複数のチップが貼着された側へ移動させることにより前記シートを前記第1環状フレームの中央部から放射状に伸張させ、前記複数のチップが互いに離間した状態で、前記第2環状フレームの外側に前記シートを挟み込むように第3環状フレームを嵌め込む、
請求項16から22のいずれか1項に記載のチップ接合方法。
【請求項24】
前記複数のチップが互いに離間した状態で貼着された前記シートが前記第2環状フレームおよび前記第3環状フレームに保持された状態で、前記シートにおける前記複数のチップが貼着された側に水を吹き付けることにより前記複数のチップの接合面を洗浄する洗浄工程を更に含む、
請求項23に記載のチップ接合方法。
【請求項25】
前記接合工程において、前記複数のチップが互いに離間した状態で貼着された前記シートが前記第2環状フレームおよび前記第3環状フレームに保持された状態で、前記シートに貼着された前記複数のチップの中から1つのチップを抜き取る、
請求項23または24に記載のチップ接合方法。
【請求項26】
前記ダイシング工程および前記シートに互いに当接または一部で結合した状態で貼着された前記複数のチップそれぞれの接合面を活性化させる活性化工程は、前記シートが前記第1環状フレームに保持された状態で行われ、
前記接合工程は、前記シートが前記第2環状フレームおよび前記第3環状フレームに保持された状態で行われる、
請求項25に記載のチップ接合方法。
【請求項27】
前記接合工程において、前記基板の実装面が鉛直下方を向く姿勢で保持し、前記複数のチップのうちの1つのチップを、前記1つのチップの接合面が鉛直上方を向く姿勢で前記基板に相対的に近づけることにより前記1つのチップを前記基板に接合する、
請求項16から26のいずれか1項に記載のチップ接合方法。
【請求項28】
前記接合工程において、前記1つのチップを前記基板に親水化接合する、
請求項27に記載のチップ接合方法。
【請求項29】
前記接合工程において、前記1つのチップの平坦な前記接合面を前記基板の平坦な前記実装面に面接触させる、
請求項27または28に記載のチップ接合方法。
【請求項30】
前記基板の前記実装面には、金属から形成された第1導電部と絶縁体から形成された第1絶縁体部とが互いに面一となる状態で露出し、
前記1つのチップの前記接合面には、金属から形成された第2導電部と絶縁体から形成された第2絶縁体部とが互いに面一となる状態で露出し、
前記接合工程において、前記第1導電部と前記第2導電部とが接触し且つ前記第1絶縁体部と前記第2絶縁体部とが接触するように、前記1つのチップの前記接合面を前記基板の前記実装面に面接触させる、
請求項29に記載のチップ接合方法。
【請求項31】
前記接合工程において、前記1つのチップにおける前記基板に接合される接合面側とは反対側を保持して前記1つのチップを支持するヘッドへの受け渡し位置まで搬送する、
請求項16から30のいずれか1項に記載のチップ接合方法。
【請求項32】
前記基板の実装面を活性化させる基板実装面活性化工程と、
前記基板実装面活性化工程の後、前記実装面を洗浄する基板実装面洗浄工程と、を更に含み、
前記接合工程において、前記1つのチップを前記基板実装面洗浄工程において洗浄された後の前記実装面に接触させることにより前記1つのチップを前記基板に接合する、
請求項16から31のいずれか1項に記載のチップ接合方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チップ接合システムおよびチップ接合方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体チップの裏面がシートに貼り付けられた状態で半導体チップの活性化された表面と基板の活性化された表面とを対向させて配置し、シートを介して半導体チップの裏面を押圧して半導体チップの活性化された表面を基板の活性化された表面に密着させることにより半導体チップを基板に接合する半導体チップの接合方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-160687号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されているように、半導体チップの裏面がシートに貼り付けられた状態で半導体チップの表面を活性化する場合、シートをエッチングすることにより発生した不純物が半導体チップの表面に付着してしまう場合がある。この場合、半導体チップと基板との間での接合強度が低下し、チップと基板との接合不良が発生してしまう虞がある。
【0005】
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、チップと基板との接合不良の発生が抑制されるチップ接合システムおよびチップ接合方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係るチップ接合システムは、
基板にチップを接合するチップ接合システムであって、
シートに貼着されたダイシング基板をダイシングすることにより前記ダイシング基板の厚さ方向に直交する方向において互いに隣接するチップ同士が当接または一部で結合した状態で前記シートに貼着された複数のチップを生成するダイシング装置と、
前記シートに互いに隣接するチップ同士が当接または一部で結合した状態で貼着された前記複数のチップそれぞれの接合面を活性化させる活性化処理装置と、
前記活性化処理装置により前記接合面が活性化された後、互いに隣接するチップ同士が当接または一部で結合した状態の前記複数のチップが貼着された前記シートを伸張させることにより前記複数のチップを互いに離間した状態にするシート伸張装置と、
互いに離間した状態で前記シートに貼着された前記複数のチップの中から抜き取られた1つのチップを前記基板に接触させることにより前記1つのチップを前記基板に接合するチップ接合装置と、を備え、
前記活性化処理装置により前記接合面を活性化させる際と、少なくとも前記複数のチップを互いに離間させる際と、の少なくとも一方において発生し前記複数のチップのうちの少なくとも1つに付着したパーティクルを除去してから前記1つのチップを前記基板に接合する。
【0007】
他の観点から見た本発明に係るチップ接合方法は、
基板にチップを接合するチップ接合方法であって、
シートに貼着されたダイシング基板をダイシングすることにより前記ダイシング基板の厚さ方向に直交する方向において互いに隣接するチップ同士が当接または一部で結合した状態で配置された複数のチップを生成するダイシング工程と、
前記シートに互いに当接または一部で結合した状態で貼着された前記複数のチップそれぞれの接合面を活性化させる活性化工程を更に含み、
前記活性化工程の後に、前記複数のチップが貼着された前記シートを伸張させることにより前記複数のチップが互いに離間した状態にする伸張工程と、
前記複数のチップの中から抜き取られた1つのチップを前記基板に接触させることにより前記1つのチップを前記基板に接合する接合工程と、を含み、
前記活性化工程において前記接合面を活性化させる際と、少なくとも前記複数のチップを互いに離間させる際と、の少なくとも一方において発生し前記複数のチップのうちの少なくとも1つに付着したパーティクルを除去してから前記1つのチップを前記基板に接合する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ダイシング装置が、シートに貼着されたダイシング基板をダイシングすることによりダイシング基板の厚さ方向に直交する方向において互いに隣接するチップ同士が当接または一部で結合した状態でシートに貼着された複数のチップを生成する。そして、互いに隣接するチップ同士が当接または一部で結合した状態の複数のチップが貼着されたシートを伸張させることにより複数のチップを互いに離間した状態にし、少なくとも複数のチップを互いに離間させる際に発生し複数のチップのうちの少なくとも1つに付着したパーティクルを除去してからチップを基板に接合する。これにより、チップの接合面に付着したパーティクルに起因したチップと基板との接合不良の発生が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施の形態に係るチップ接合システムの概略構成図である。
図2A】実施の形態に係るダイシング装置の動作説明図である。
図2B】実施の形態に係るダイシング工程後のダイシング基板の断面図である。
図3】実施の形態に係る活性化処理装置の概略構成図である。
図4A】実施の形態に係る活性化処理装置の活性化処理前の状態を示す図である。
図4B】実施の形態に係る活性化処理装置の活性化処理時の状態を示す図である。
図5】実施の形態に係るシート伸張装置の概略構成図である。
図6A】実施の形態に係るシート伸張装置のシートを伸張する前の状態を示す図である。
図6B】実施の形態に係るシート伸張装置のシートを伸張した状態を示す図である。
図6C】実施の形態に係るシート伸張装置の第3環状フレームが嵌め込まれた状態を示す図である。
図6D】実施の形態に係るシート伸張装置のシートを環状フレームから切断する様子を示す図である。
図7】実施の形態に係る洗浄装置の動作説明図である。
図8】実施の形態に係るチップ供給装置、チップ搬送装置およびボンディング装置を側方から見た概略構成図である。
図9A】実施の形態に係るチップ保持部の平面図である。
図9B】実施の形態に係るチップ搬送装置の一部を示す断面図である。
図10A】実施の形態に係るボンディング装置のヘッドを示す断面図である。
図10B】実施の形態に係るボンディング装置のヘッドを示す平面図である。
図11】実施の形態に係るチップ接合方法の流れの一例を示すフローチャートである。
図12A】実施の形態に係るチップ接合システムにおいてチップ供給部からチップが供給される様子を示す概略平面図である。
図12B】実施の形態に係るチップ接合システムにおいてチップ供給部からチップが供給される様子を示す概略側面図である。
図13A】実施の形態に係るチップ接合システムにおいてチップ搬送部からヘッドへチップが受け渡される様子を示す概略平面図である。
図13B】実施の形態に係るチップ接合システムにおいてチップ搬送部からヘッドへチップが受け渡される様子を示す概略側面図である。
図14A】変形例に係るダイシング装置の動作説明図である。
図14B】変形例に係るダイシング工程後のダイシング基板の断面図である。
図15】変形例に係る活性化処理装置の概略構成図である。
図16A】変形例に係る活性化処理装置において、粒子ビームを照射する様子を示す概略側面図である。
図16B】変形例に係る活性化処理装置において、粒子ビームを照射する様子を示す概略平面図である。
図17A】変形例に係る活性化処理装置がシートを反転させる様子を示す概略側面図である。
図17B】変形例に係る活性化処理装置が窒素ラジカルを照射する様子を示す概略側面図である。
図18A】変形例に係るチップおよび基板を示し、チップを基板に接合する前の状態の断面図である。
図18B】変形例に係るチップおよび基板を示し、チップを基板に接合した状態の断面図である。
図19】変形例に係るチップ供給装置、チップ搬送装置およびボンディング装置を側方から見た概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態に係るチップ接合システムについて、図面を参照しながら説明する。本実施の形態に係るチップ接合システムは、基板上にチップを実装するシステムである。チップとしては、例えばダイシングされた基板から供給される半導体チップである。このチップ接合システムは、基板におけるチップが実装される実装面とチップの接合面とについて活性化処理を行った後、チップを基板に接触、または加圧して接合する。その後、または同時に加熱することにより、チップを基板に強固に接合する。
【0011】
図1に示すように、本実施の形態に係るチップ接合システム1は、チップ供給装置10と、チップ搬送装置39と、ボンディング装置30と、活性化処理装置60と、搬送装置70と、搬出入ユニット80と、洗浄装置85と、制御部90と、を備える。また、チップ接合システム1は、ダイシング装置20と、シート伸張装置40と、を備える。搬送装置70は、基板WTまたはチップCPが貼着されたシートTEを保持する環状フレームRI1、RI2、RI3を掴むアームを有する搬送ロボット71を有する。ここで、シートTEは、例えば樹脂から形成されている。搬送ロボット71は、図1の矢印AR11に示すように、搬出入ユニット80から受け取った基板WTまたはチップCPが貼着されたシートTEを保持する環状フレームRI1、RI2、RI3を、活性化処理装置60、洗浄装置85、ボンディング装置30、チップ供給装置10それぞれへ移載する位置へ移動可能となっている。
【0012】
搬送ロボット71は、搬出入ユニット80から基板WTを受け取ると、受け取った基板WTを掴んだ状態で活性化処理装置60へ移載する位置へ移動し、基板WTを活性化処理装置60へ移載する。また、搬送ロボット71は、活性化処理装置60において基板WTの実装面WTfの活性化処理が完了した後、活性化処理装置60から基板WTを受け取り、受け取った基板WTを洗浄装置85へ移載する。更に、搬送ロボット71は、洗浄装置85において基板WTの水洗浄が完了した後、洗浄装置85から基板WTを受け取り、受け取った基板WTを掴んだ状態で基板WTを反転させた後、ボンディング装置30へ移載する位置へ移動する。そして、搬送ロボット71は、基板WTをボンディング装置30へ移載する。
【0013】
また、搬送ロボット71は、搬出入ユニット80からダイシング後のダイシング基板WDが貼着されたシートTEを保持する環状フレーム112を受け取ると、受け取った環状フレームRI1を掴んだ状態で環状フレームRI1を活性化処理装置60へ移載する位置へ移動し、環状フレームRI1を活性化処理装置60へ移載する。更に、搬送ロボット71は、活性化処理装置60においてシートTEに貼着されたチップCPの接合面の活性化処理が完了した後、活性化処理装置60から環状フレームRI1を受け取り、受け取った環状フレームRI1を搬出入ユニット80へ移載する。その後、搬送ロボット71は、搬出入ユニット80から互いに離間した状態の複数のチップCPが貼着されたシートTEを保持する環状フレームRI2、RI3を受け取ると、受け取った環状フレームRI2、RI3を掴んだ状態で環状フレームRI2をチップ供給装置10へ移載する位置へ移動し、環状フレームRI2をチップ供給装置10へ移載する。また、搬送装置70内には、例えばHEPA(High Efficiency Particulate Air)フィルタ(図示せず)が設置されている。これにより、搬送装置70内は、パーティクルが極めて少ない大気圧環境になっている。
【0014】
ダイシング装置20は、シートTEに貼着されたダイシング基板WDをダイシングすることにより、ダイシング基板WDの厚さ方向に直交する方向において互いに隣接するチップ同士が一部で結合した状態でシートTEに貼着された複数のチップCPを生成する。ダイシング装置20は、図2Aに示すように、吸着部(図示せず)を有しシートTEを吸引保持する保持テーブル215と、保持テーブル215の側方でシートTEを保持する環状フレームRI1を挟持するチャック216と、を有する。ここで、環状フレームRI1は、ダイシング基板WDが貼着されたシートTEの周部を保持する第1環状フレームである。また、ダイシング装置20は、回転軸211と、回転軸211に固定されダイシング基板WDを切削する円環状の切削ブレード213と、切削ブレード213を回転駆動するとともにダイシング基板WDの厚さ方向に対して水平な方向へ移動させるブレード駆動部212と、を有する。ここで、ブレード駆動部212は、回転軸211を回転可能に支持する支持部2121と、支持部2121に装着され回転軸211を回転させるモータ2122と、支持部2121をダイシング基板WDの厚さ方向に対して水平な方向へ移動させる支持部移動機構2123と、を有する。支持部移動機構2123は、例えば支持部2121が懸架されたレール(図示せず)と、支持部2121の一部に設けられたナット(図示せず)と、レールに沿って配置され前述のナットに螺合するボール螺子(図示せず)と、ボール螺子を回転駆動するモータ(図示せず)と、を有する。更に、ダイシング装置20は、切削ブレード213と保持テーブル215に保持されたダイシング基板WDとの接触部位およびその周囲に対して洗浄液を吐出することにより接触部位を冷却・洗浄する洗浄液吐出部(図示せず)を有する。そして、ダイシング装置20は、モータが回転軸211を回転駆動することにより矢印AR11に示すように切削ブレード213を回転させる。また、保持テーブル215は、ダイシング基板WDの厚さ方向に沿った軸心周りに回転可能となっている。更に、保持テーブル215は、送り機構(図示せず)により、ダイシング基板WDの厚さ方向に直交する方向へ移動可能となっている。送り機構は、例えばモータによりボールネジを回動させることで保持テーブル215を移動させるボールネジ機構である。ダイシング装置20は、回転軸211を矢印AR11に示す方向に高速回転させ、回転軸211に固定された切削ブレード213がこれに伴って高速回転をしながらダイシング基板WDを切込み、ダイシング基板WDにおけるチップCPに対応する部分の周囲を切削していく。ここで、ダイシング装置20は、高速回転する切削ブレード213をダイシング基板WDにおける複数のチップCPに対応する部分の周囲に位置する分割予定ラインに沿って移動させて切削溝を形成する。ここで、ダイシング装置20は、ダイシング基板WDの厚さ方向に直交する一方向に複数本配置された分割予定ラインに沿って切削ブレード213を移動させることにより、切削溝を形成する。その後、ダイシング装置20は、ダイシング基板WDをその厚さ方向に沿った中心軸周りに90度回転させた後、前述の一方向に直交する方向に複数本配置された分割予定ラインに沿って切削ブレード213を移動させることにより複数本の切削溝を形成する。このとき、ダイシング装置20は、図2Bに示すように、切り込み深さDe1をダイシング基板WDの厚さThWDよりも短く設定することにより、ダイシング基板WDに切削溝Tr1および切り残し部WDrを形成していく。これにより、ダイシング基板WDの厚さ方向に直交する方向において互いに隣接するチップ同士が切り残し部WDrを介して結合した状態でシートTEに貼着された複数のチップCPが生成される。
【0015】
活性化処理装置60は、シートTEに互いに隣接するチップCP同士が切り残し部WDrで結合した状態で貼着された複数のチップCPそれぞれの接合面を活性化させる。活性化処理装置60は、図3に示すように、チャンバ64と、シートTEを保持する環状フレームRI1を支持するフレーム保持部621と、導電性材料から形成されたシート支持部612と、シート支持部612に対向配置された電極613と、を有する。また、活性化処理装置60は、シート支持部612を矢印AR20に示す方向へ駆動するシート支持部駆動部6121と、カバー622と、高周波電源611と、マッチングユニット614と、チャンバ64内へ供給管676を介して窒素ガスを供給するガス供給部677と、を有する。チャンバ64は、排気管651を介して真空ポンプ652に接続されている。そして、真空ポンプ652が作動すると、チャンバ64内の気体が、排気管651を通してチャンバ64外へ排出され、チャンバ64内の気圧が低減(減圧)される。高周波電源611とマッチングユニット614は、シート支持部612と電極613との間に高周波バイアスを印加することによりシート支持部612と電極613との間にプラズマPLMを発生させるプラズマ発生部615を構成している。高周波電源611としては、例えば13.56MHzの高周波を発生させる電源を採用することができる。プラズマ発生部615が、シートTEに貼着された互いに切り残し部を介して結合された複数のチップCPの近傍にプラズマPLMを発生させることにより、運動エネルギを有するイオンが繰り返しチップCPの接合面CPfに衝突し接合面CPfが活性化される。
【0016】
カバー622は、例えばガラスから形成され、シートTEがシート支持部612に支持された状態において、シートTEの複数のチップCPが貼着された側からシートTEにおける複数のチップCPが貼着された部分を除く部分を覆っている。ここで、複数のチップCPが、平面視円形のダイシング基板WDをダイシングしたものである場合、シートTEにおける平面視円形の領域に貼着された状態となっている。この場合、カバー622としては、シートTEにおける複数のチップCPが貼着された平面視円形の領域の外側の領域を覆う形状のものが採用される。ここで、環状フレームRI1は、まず、図4Aに示すように、シートTEにおける複数のチップCPが貼着された部分がカバー622から下方へ離間した状態で配置される。その後、図4Aの矢印AR21に示すように、シート支持部駆動部6121が、シート支持部612をカバー622に近づける方向へ押し上げることにより、図4Bに示すように複数のチップCPがカバー622の内側に配置される。これにより、シートTEにおける複数のチップCPが貼着された部分を除く部分がプラズマPLMに曝されることを抑制できる。
【0017】
図1に戻って、シート伸張装置40は、シートTEを伸張させるときの力を利用して、互いに切り残し部を介して結合した複数のチップCPの切り残し部を破断して複数のチップCPが互いに離間した状態にする。シート伸張装置40は、図5に示すように、シートTEを保持する環状フレームRI1を保持するフレーム保持部4191、4192と、フレーム支持部411と、を有する。ここで、フレーム支持部411は、環状フレームRI2を支持する第1フレーム支持部である。また、環状フレームRI2は、その外側寸法が環状フレームRI1の内側寸法よりも小さい第2環状フレームである。また、シート伸張装置40は、フレーム支持部411を矢印AR30で示す方向へ移動させるフレーム支持部駆動部414と、シートTEを環状フレームRI1から切断するための切断機構413と、を有する。フレーム支持部駆動部414は、環状フレームRI2をシートTEにおける複数のチップCPが貼着された側とは反対側に当接させた状態で環状フレームRI2を環状フレームRI1よりもフレーム支持部411側とは反対側へ移動させることにより、シートTEを環状フレームRI1の中央部から放射状に伸張させ、複数のチップCPが互いに離間した状態にするフレーム位置変更部である。
【0018】
シート伸張装置40では、まず、図6Aに示すように、フレーム保持部4191、4192により環状フレームRI1を保持する。このとき、環状フレームRI2がシートTEにおける複数のチップCPが貼着された側とは反対側に当接している。次に、フレーム支持部駆動部414が、図6Aの矢印AR31に示すように、環状フレームRI2を支持するフレーム支持部411を鉛直上方へ移動させて、環状フレームRI2を、環状フレームRI1よりも予め設定された高さだけ高い位置に配置する。このとき、シートTEが放射状に伸張され、シートTEに貼着されている複数のチップCPを結合する切り残し部に外力が付与されて切り残し部が切断され、図6Bに示すように、複数のチップCPが互いに離間した状態となる。続いて、シートTEが伸張された状態で、図6Bの矢印AR32に示すように、環状フレームRI2の上方からシートTEを環状フレームRI2に固定するための環状フレームRI3を環状フレームRI2の外側に嵌め込み図6Cに示す状態となる。ここで、環状フレームRI3は、その内側寸法が環状フレームRI2の外側寸法と同じである第3環状フレームである。その後、図6Dの矢印AR33に示すように、切断機構413が、シートTEを環状フレームRI1から切断する。なお、シート伸張装置40は、切断機構413を有していないものであってもよい。この場合、例えば作業者が、カッタを用いてシートTEを環状フレームRI1から切断すればよい。また、シート伸張装置40は、環状フレームRI2を環状フレームRI1よりも相対的に高い位置に移動させる構成であればよく、例えばフレーム保持部4191、4192をフレーム支持部411よりも-Z方向側へ移動させるものであってもよい。
【0019】
図1に戻って、洗浄装置85は、ステージ852と、ステージ852を回転駆動するステージ駆動部853と、ステージ852の鉛直上方に配置され鉛直下方に向かって水を吐出する洗浄ヘッド851と、を有する。ここで、ステージ852は、シートTEを吸着する吸着部を有し、複数のチップCPが貼着され環状フレームRI2、RI3に保持されたシートTEを吸着保持するシート保持部である。なお、ステージ852は、シートTEとともに環状フレームRI2、RI3を保持するものであってもよい。洗浄装置85は、例えば図7に示すように、ステージ852に複数のチップCPが貼着されたシートTEを保持する環状フレームRI2、RI3が支持された状態で、ステージ駆動部853によりステージ852を矢印AR81で示す方向へ回転させるとともに、洗浄ヘッド851から水を破線矢印で示すように基板WTに向けて吐出しながら洗浄ヘッド851を矢印AR82に示すように基板WTの径方向に沿って往復移動させることにより複数のチップCPを水洗浄する。
【0020】
図1に戻って、チップ供給装置10は、環状フレームRI2、RI3により保持されるシートTEに貼着された複数のチップCPの中から1つのチップCPを抜き取り、ボンディング装置30へチップCPを供給する。チップ供給装置10は、図8に示すように、チップ供給部11を有する。チップ供給部11は、フレーム支持部119と、複数のチップCPの中から1つのチップCPをピックアップするピックアップ機構111と、カバー114と、を有する。ここで、フレーム支持部119は、複数のチップCPが貼着されたシートTEを保持する環状フレームRI2、RI3を支持する第2フレーム支持部である。なお、フレーム支持部119は、環状フレームRI2のみを支持してもよいし、環状フレームRI3のみを支持するものであってもよい。また、チップ供給部11は、環状フレームRI2、RI3をXY方向またはZ軸周りに回転する方向へ駆動するフレーム駆動部113を有する。フレーム支持部119は、シートTEにおける複数のチップCPが貼着された面が鉛直上方(+Z方向)側となる姿勢で環状フレームRI2、RI3を保持する。
【0021】
ピックアップ機構111は、複数のチップCPのうちの1つのチップCPを、シートTEにおける複数のチップCP側とは反対側から突き出すことにより1つのチップCPをシートTEから離脱した状態にする。ここで、ピックアップ機構111は、チップCPの接合面CPf側とは反対側における後述のヘッド33Hにより保持される第1部位である中央部とは異なる第3部位である周部を保持して、チップCPを切り出す。ピックアップ機構111は、ニードル111aを有し、図8の矢印AR44に示すように鉛直方向へ移動可能となっている。カバー114は、複数のチップCPの鉛直上方を覆うように配置され、ピックアップ機構111に対向する部分に孔114aが設けられている。ニードル111aは、例えば4つ存在する。但し、ニードル111aの数は、3つであってもよいし、5つ以上であってもよい。ピックアップ機構111は、シートTEにおける鉛直下方(-Z方向)からニードル111aをシートTEに突き刺してチップCPを鉛直上方(+Z方向)へ持ち上げることによりチップCPを供給する。そして、シートTEに貼着された各チップCPは、ニードル111aによりカバー114の孔114aを通じて1個ずつカバー114の上方へ突き出され、チップ搬送装置39に受け渡される。フレーム駆動部113は、環状フレームRI2、RI3をXY方向またはZ軸周りに回転する方向へ駆動することにより、ニードル111aの鉛直下方に位置するチップCPの位置を変化させる。
【0022】
チップ搬送装置(ターレットとも称する)39は、チップ供給部11から供給されるチップCPを、ボンディング装置30のボンディング部33のヘッド33HにチップCPを受け渡す受け渡し位置Pos1まで搬送する。チップ搬送装置39は、図1に示すように、2つの長尺のプレート391と、アーム394と、アーム394の先端部に設けられたチップ保持部393と、2つのプレート391を一斉に回転駆動するプレート駆動部392と、を有する。2つのプレート391は、長尺の矩形箱状であり、チップ供給部11とヘッド33Hとの間に位置する他端部を基点として一端部が旋回する。2つのプレート391は、例えばそれらの長手方向が互いに90度の角度をなすように配置されている。なお、プレート391の数は、2枚に限定されるものではなく、3枚以上であってもよい。
【0023】
チップ保持部393は、図9Aに示すように、アーム394の先端部に設けられ、チップCPを保持する2つの脚片393aを有する第2被接合物保持部である。プレート391は、図9Bに示すように、内側に長尺のアーム394を収容することが可能となっている。そして、プレート391の内側には、アーム394をプレート391の長手方向に沿って駆動するアーム駆動部395が設けられている。これにより、チップ搬送装置39は、アーム駆動部395により、アーム394の先端部をプレート391の外側に突出させた状態にしたり、アーム394の先端部をプレート391の内側に没入させた状態にしたりすることができる。そして、チップ搬送装置39は、プレート391を旋回させる際、図9Bの矢印AR55に示すように、アーム394をプレート391内へ没入させてチップ保持部393をプレート391の内側に収納する。これにより、搬送時におけるチップCPへのパーティクルの付着が抑制される。なお、2つの脚片393aには、吸着溝(図示せず)が設けられていてもよい。この場合、チップCPが脚片392aに吸着保持されるので、チップCPを位置ずれなく搬送することができる。また、プレート391が旋回する際に生じる遠心力によるチップCPの飛び出しを防止するために、脚片393aの先端部に突起(図示せず)を設けてもよい。
【0024】
ここで、図1に示すように、ピックアップ機構111とヘッド33Hとは、Z軸方向において、プレート391が回転したときにアーム394の先端部が描く軌跡OB1と重なる位置に配置されている。チップ搬送装置39は、ピックアップ機構111からチップCPを受け取ると、図1の矢印AR12に示すように、プレート391を軸AX周りに旋回させることによりチップCPをヘッド33Hと重なる受け渡し位置Pos1まで搬送する。
【0025】
ボンディング装置30は、ステージユニット31と、ヘッド33Hを有するボンディング部33と、ヘッド33Hを駆動するヘッド駆動部36と、を有するチップ接合装置である。ヘッド33Hは、例えば図10Aに示すようにチップツール33411と、ヘッド本体部33413と、チップ支持部432aと、支持部駆動部432bと、を有する。チップツール33411は、例えばシリコン(Si)から形成されている。ヘッド本体部33413は、チップCPをチップツール33411に吸着保持させるための吸着部を有する保持機構440と、チップツール33411を真空吸着によりヘッド本体部33413に固定するための吸着部(図示せず)と、を有する。また、ヘッド本体部33413には、セラミックヒータやコイルヒータ等が内蔵されている。チップツール33411は、ヘッド本体部33413の保持機構440に対応する位置に形成された貫通孔411aと、チップ支持部432aが内側に挿入される貫通孔411bと、を有する。
【0026】
チップ支持部432aは、例えば筒状の吸着ポストであり、ヘッド33Hの先端部に設けられ鉛直方向へ移動自在の部品支持部である。チップ支持部432aは、チップCPの接合面CPf側とは反対側における第1部位である中央部を支持する。チップ支持部432aは、例えば図10Bに示すように、中央部に1つ設けられている。
【0027】
支持部駆動部432bは、チップ支持部432aを鉛直方向へ駆動するとともに、チップ支持部432aの先端部にチップCPが載置された状態でチップ支持部432aの内側をシ減圧することによりチップCPをチップ支持部432aの先端部に吸着させる。支持部駆動部432bは、チップ搬送装置39のチップ保持部393がチップCPを保持した状態でヘッド33Hへの受け渡し位置(図1のPos1参照)に位置し、チップ支持部432aの先端部でチップCPの中央部を支持した状態で、チップ支持部432aをチップ保持部393よりも鉛直上方側へ移動させる。これにより、チップCPが、チップ搬送装置39のチップ保持部393からヘッド33Hへ移載される。
【0028】
ヘッド駆動部36は、受け渡し位置Pos1(図8参照)において移載されたチップCPを保持するヘッド33Hを鉛直上方(+Z方向)へ移動させることによりヘッド33Hをステージ315に近づけて基板WTの実装面WTfにチップCPを実装する相対位置変更部である。より詳細には、ヘッド駆動部36は、チップCPを保持するヘッド33Hを鉛直上方(+Z方向)へ移動させることによりヘッド33Hをステージ315に近づけて基板WTの平坦な実装面WTfにチップCPの平坦な接合面CPfを面接触させることによりチップCPを基板WTに接合する。ここで、「平坦な実装面WTf」および「平坦な接合面CPf」とは、略凹凸が無い面でありRAが1μm以下の面であることを意味する。例えば、チップCPの接合面CPfまたは基板WTの実装面WTfに1μm程度の凹凸が存在するとその周囲にボイドが生じてしまう虞がある。このため、チップCPの接合面CPfまたは基板WTの実装面WTfのRAは1μm以下であることが好ましい。ここにおいて、基板WTの実装面WTfとチップCPにおける基板WTに接合される接合面CPfとは、活性化処理装置60により活性化処理が施されている。また、基板WTの実装面WTfは、活性化処理が施された後、洗浄装置85により水洗浄がなされている。従って、基板WTの実装面WTfにチップCPの接合面CPfを接触させることにより、チップCPが基板WTに水酸基(OH基)を介していわゆる親水化接合される。
【0029】
ステージユニット31は、基板WTにおけるチップCPが実装される実装面WTfが鉛直下方(-Z方向)を向く姿勢で基板WTを保持するステージ315と、ステージ315を駆動するステージ駆動部320と、を有する。ステージ315は、X方向、Y方向および回転方向に移動できる基板保持部である。これにより、ボンディング部33とステージ315との相対位置関係を変更することができ、基板WT上における各チップCPの実装位置を調整することができる。
【0030】
図1に戻って、制御部90は、例えばプログラマブルロジックコントローラであり、CPU(Cenral Processing Unit)ユニットと入出力制御ユニットとを有する。制御部90は、チップ供給装置10と、チップ搬送装置39と、ボンディング装置30と、洗浄装置85と、活性化処理装置60と、搬送ロボット71と、に接続されている。そして、制御部90は、チップ供給装置10、チップ搬送装置39、ボンディング装置30、洗浄装置85、活性化処理装置60および搬送ロボット71それぞれへ制御信号を出力することにより、これらの動作を制御する。
【0031】
次に、本実施の形態に係るチップ接合システム1の動作について図11乃至図13を参照しながら説明する。まず、チップ接合システム1は、図11に示すように、搬出入ユニット80から投入された基板WTを活性化処理装置60へ投入することにより基板WTの実装面WTfに対して活性化処理を施す基板実装面活性化工程を実行する(ステップS11)。ここで、活性化処理装置60は、例えば、シート支持部612に基板WTの実装面WTfが鉛直上方を向く姿勢で支持させた状態で、活性化処理を実行する。
【0032】
次に、チップ接合システム1は、活性化処理装置60から活性化処理が施された基板WTを、洗浄装置85へ投入して、基板WTの実装面WTfを水洗浄する水洗浄工程を実行する(ステップS12)。この水洗浄工程は、基板」WTの実装面WTfを洗浄する基板実装面洗浄工程に相当する。ここで、洗浄装置85は、ステージ852に基板WTが支持された状態でステージ駆動部853によりステージ852を回転させつつ、洗浄ヘッド851から水を基板WTに向けて吐出することにより基板WTを水洗浄する。これにより、基板WTの実装面WTfに水酸基(OH基)または水分子が比較的多く付着した状態となる。続いて、チップ接合システム1は、洗浄後の基板WTをボンディング装置30へ搬送する(ステップS13)。このとき、ボンディング装置30では、ステージ315に受け取った基板WTを保持させる。具体的には、搬送ロボット71が、洗浄装置85から基板WTをその実装面WTfが鉛直上方を向く姿勢で受け取る。その後、搬送ロボット71は、受け取った基板WTを反転させて、基板WTをその実装面WTfが鉛直下方を向く姿勢で保持する。そして、搬送ロボット71は、基板WTをその実装面WTfが鉛直下方を向く姿勢のままボンディング装置30のステージ315へ移載する。
【0033】
また、前述の処理と並行して、ダイシング装置20が、シートTEに貼着されたダイシング基板WDをダイシングすることにより互いに隣接するチップ同士が切り残し部で結合した状態でシートTEに貼着された複数のチップCPを生成するダイシング工程を実行する(ステップS21)。ダイシング工程の後、互いに切り残し部で結合した複数のチップCPが貼着されたシートTEを保持する環状フレームRI1が、搬出入ユニット80へ投入される。そして、チップ接合システム1は、搬出入ユニット80から投入された環状フレームRI1を活性化処理装置60へ投入する。その後、活性化処理装置60は、シートTEに互いに切り残し部で結合した状態で貼着された複数のチップCPそれぞれの接合面CPfを活性化させるチップ接合面活性化工程を実行する(ステップS22)。このチップ接合面活性化処理工程の後、搬送ロボット71が、活性化処理装置60から、複数のチップCPが互いに切り残し部で結合した状態で貼着されたシートTEを保持する環状フレームRI1を取り出して、再び搬出入ユニット80へ戻す。
【0034】
次に、シート伸張装置40において、搬出入ユニット80から取り出された、チップ接合面活性化工程後の複数のチップCPが貼着されたシートTEを保持する環状フレームRI1が投入されると、シートTEを伸張させることにより複数のチップCPが互いに離間した状態にする伸張工程が実行される(ステップS23)。また、この伸張工程では、シートTEを環状フレームRIの中央部から放射状に伸張させて複数のチップCPが互いに離間した状態で、環状フレームRI2の外側に環状フレームRI3を嵌め込む。これにより、複数のチップCPが互いに離間した状態で貼着されたシートTEが、環状フレームRI2、RI3で保持された状態となる。また、伸張工程を行った後、シートTEが環状フレームRI1から切断される。そして、シートTEを保持した環状フレームRI2,RI3が再び搬出入ユニット80へ投入される。
【0035】
続いて、チップ接合システム1は、搬出入ユニット80に投入されたシートTEを保持した環状フレームRI2,RI3を、洗浄装置85へ投入して、複数のチップCPそれぞれの接合面CPfを水洗浄する水洗浄工程を実行する(ステップS24)。
【0036】
その後、チップ接合システム1は、洗浄装置85から、水洗浄工程後のシートTEを保持した環状フレームRI2,RI3をチップ供給装置10へ搬送する(ステップS25)。このとき、搬送ロボット71が、洗浄装置85からシートTEを保持する環状フレームRI2、RI3をチップCPの接合面CPfが鉛直上方を向く姿勢で受け取る。その後、搬送ロボット71は、受け取った環状フレームRI2、RI3をそのままチップ供給装置10のチップ供給部11へ移載する。そして、チップ供給部11では、移載された環状フレームRI2、RI3をフレーム支持部119に支持させる。
【0037】
次に、チップ接合システム1は、チップCPを基板WTの実装面WTfに接触させることにより基板WTに接合するチップ接合工程を実行する(ステップS31)。ここでは、チップ接合システム1が、まず、チップ搬送装置39の1つのプレート391をチップ供給部11の方向へ向けた状態にする。次に、ピックアップ機構111が鉛直上方へ移動することにより、1つのチップCPをシートTEにおける複数のチップCP側とは反対側から突き出し、1つのチップCPをシートTEから離脱した状態にするチップ供給工程を実行する。この状態で、チップ搬送装置39は、プレート391からアーム394を突出させる。このとき、チップ保持部393の2つの脚片393aの間にピックアップ機構111のニードル111aが配置された状態となる。このようにして、図12Aおよび図12Bに示すように、チップ保持部393にチップCPが移載できる状態となる。この状態からピックアップ機構111を鉛直下方へ移動させると、チップCPがチップ保持部393へ移載される。
【0038】
続いて、チップ接合システム1が、プレート391を図12Aの矢印AR1の方向へ旋回させる。このとき、図13Aに示すように、チップ搬送装置39のアーム394の先端部のチップ保持部393がボンディング部33のヘッド33Hの鉛直上方の移載位置Pos1に配置される。即ち、チップ搬送装置39は、チップ供給部11から受け取ったチップCPをヘッド33HにチップCPを移載する移載位置Pos1まで搬送する。そして、ヘッド駆動部36は、ボンディング部33を鉛直上方へ移動させてヘッド33Hをチップ搬送装置39のチップ保持部393へ近づける。次に、支持部駆動部432bは、チップ支持部432aを鉛直上方へ移動させる。これにより、チップ保持部393に保持されたチップCPは、図13Bに示すように、チップ支持部432aの上端部で支持された状態で、チップ保持部393よりも鉛直上方側に配置される。続いて、チップ搬送装置39は、アーム394をプレート391内へ没入させる。その後、支持部駆動部432bは、チップ支持部432aを鉛直下方へ移動させる。これにより、ヘッド33Hの先端部にチップCPが保持された状態となる。
【0039】
その後、チップ接合システム1は、ステージ315を駆動するとともにボンディング部33を回転させることにより、チップCPと基板WTとの相対的な位置ずれを補正するアライメントを実行する。そして、チップ接合システム1は、ヘッド33Hを上昇させることにより、チップCPを基板WTに接合する。ここにおいて、基板WTの実装面WTfとチップCPの接合面CPfとは、水酸基(OH基)を介して親水化接合した状態となる。
【0040】
そして、前述の一連の工程が完了した後、チップCPが実装された状態の基板WTは、チップ接合システム1から取り出され、その後、熱処理装置(図示せず)に投入され熱処理が行われる。熱処理装置は、例えば温度350℃、1時間の条件で基板WTの熱処理を実行する。
【0041】
以上説明したように、本実施の形態に係るチップ接合システム1によれば、ダイシング装置20が、シートTEに貼着されたダイシング基板WDをダイシングすることにより互いに隣接するチップCP同士が切り残し部で結合した状態でシートTEに貼着された複数のチップCPを生成する。そして、活性化処理装置60が、シートTEに互いに切り残し部で結合した状態で貼着された複数のチップCPそれぞれの接合面CPfを活性化させる。これにより、複数のチップCPそれぞれの間からシートTEが露出していない状態で複数のチップCPそれぞれの接合面CPfを活性化する活性化処理を行うことができるので、シートTEから発生する不純物の複数のチップCPそれぞれの接合面CPfへの付着を抑制することができる。従って、チップCPの接合面CPfに付着した不純物に起因したチップCPと基板WTとの接合不良の発生が抑制される。
【0042】
ところで、活性化処理装置60によりダイシング基板WDを活性化した後、ダイシング装置20でダイシングを行った場合、ダイシング中において切削ブレード213と保持テーブル215に保持されたダイシング基板WDとの接触部位およびその周囲に対して吐出される洗浄液と一緒に切削粉が、チップCPの接合面CPf上を流れる。このとき、切削粉と洗浄液とがチップCPの接合面CPfと擦れることにより、接合面CPfにおける活性化処理装置60による活性化の効果が無くなってしまう虞がある。そのため、活性化処理装置60による活性化工程は、ダイシング工程の後に行う必要がある。また、活性化処理装置60により活性化工程を行った場合、活性化工程においてパーティクルが発生するため、パーティクルを除去するために活性化工程の後、洗浄装置85によりチップCPに接合面CPfを洗浄する必要がある。また、チップCPを基板WTに親水化接合させるためには、チップCPの接合面CPfに水を供給する必要がある。このため、活性化工程の後、洗浄工程を行うことが必須となる。これらの理由により、ダイシング工程、活性化工程、洗浄工程、接合工程の順番に処理を行うことが必要となる。
【0043】
また、ダイシング工程および活性化工程は、前述のように、隣り合うチップCP同士が互いに当接または結合した状態で行う必要があるため、洗浄工程および接合工程は、隣り合うチップCP同士が離間した状態で行う必要がある。このため、ダイシング工程および活性化工程は、シートTEが環状フレームRI1に保持された状態で行い、洗浄工程および接合工程は、シートTEが環状フレームRI2、RI3に保持された状態で行われる。また、伸張工程において、互いに切り残し部で結合したチップCP同士を分割する際、チップCPの切り残し部からパーティクルが発生する。このため、伸張工程は、洗浄工程よりも前に行う必要がある。
【0044】
また、本実施の形態に係るダイシング装置20は、切削ブレード213をダイシング基板WDにおける複数のチップCPに対応する部分の周囲の分割予定ラインに沿って移動させて切削溝を形成することにより、互いに隣接するチップCP同士が切り残し部を介して結合した状態でシートTEに貼着された複数のチップCPを生成する。これにより、精度良く分割予定ラインに沿って切削溝を形成することができるので、生成される複数のチップCPそれぞれの寸法精度を高めることができる。また、切削ブレード213の種類を適宜変更することにより、比較的多くの種類の材料から形成されたダイシング基板WDそれぞれに適用できるという利点もある。
【0045】
更に、本実施の形態に係る活性化処理装置60は、シートTEがシート支持部612に支持された状態において、シートTEの複数のチップCPが貼着された側からシートTEにおける複数のチップCPが貼着された部分を除く部分を覆うカバー622を有する。これにより、シートTEが直接プラズマPSMに曝されることが抑制されるので、シートTEから生じる不純物を低減することができる。
【0046】
また、本実施の形態に係る活性化処理装置60は、シート支持部612に支持されたシートTEの複数のチップCPが貼着された側にプラズマPSMを発生させることにより複数のチップCPそれぞれの接合面CPfを活性化させる。これにより、ラジカルを多く発生させることができるので、その分、チップCPの接合面CPfに親水化接合に寄与するOH基を多く生成することができる。
【0047】
ところで、洗浄工程および接合工程が、シートTEが環状フレームRI1に保持された状態で行われる場合、活性化工程後、シート伸張装置40においてシートTEを伸張した後、洗浄装置85へ搬送する際、伸張したシートTEを再度収縮させることになる。この場合、互いに離間した状態の複数のチップCPがシートTEの収縮に伴い衝突してしまい、チップCPからパーティクルが発生する虞がある。これに対して、本実施の形態では、ダイシング装置20および活性化処理装置60が、シートTEが環状フレームRI1に保持された状態で処理を実行し、洗浄装置85およびチップ供給装置10が、シートTEが環状フレームRI2、RI3に保持された状態で処理を実行する。これにより、活性化工程後、シート伸張装置40においてシートTEが伸張された後において、シートTEが環状フレームRI2、RI3により伸張された状態で保持される。従って、洗浄工程および接合工程が、シートTEが伸張された状態を維持しながら行われるので、シートTEの収縮に伴うチップCPからのパーティクルの発生が抑制される。
【0048】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は前述の実施の形態に限定されるものではない。例えば、ダイシング装置20が、いわゆるステルスダイシンングを実行するものであってもよい。この場合、ダイシング装置は、例えば図14Aに示すように、レーザ加工ヘッド2213と、レーザ加工ヘッド駆動部2214と、保持テーブル215と、チャック216と、を有するものであってもよい。なお、図14Aにおいて、実施の形態と同様の構成については図2Aと同一の符号を付している。レーザ加工ヘッド2213は、ダイシング基板WDを透過する波長のレーザ光を放射する。レーザ加工ヘッド駆動部2214は、レーザ加工ヘッド2213とダイシング基板WDとの間の距離をレーザ光の集光点がダイシング基板WDの内部となるように維持しながらレーザ加工ヘッド2213を複数のチップCPに対応する部分の周囲の分割予定ラインに沿って移動させる。これにより、図14Bに示すように、互いに隣接するチップCP同士が、ダイシング基板WDの内部に形成された改質部PASを介して結合した状態で前記シートに貼着された複数のチップCPが生成される。
【0049】
ところで、実施の形態に係るダイシング装置20では、切削時にダイシング基板WDにマイクロクラックが発生したり、切削時にダイシング基板WDから発生する切粉がチップCPの接合面に付着したりする虞がある。これに対して、本構成によれば、ダイシング基板WDにおけるマイクロクラックの発生が抑制される。また、切粉が発生しない為、チップCPの接合面に付着するパーティクルを低減できる。ところで、実施の形態のように、切削ブレード213を有するダイシング装置20を用いて、ダイシング基板WDをダイシングした場合、チップCPにおける切削溝の内側面が比較的粗くマイクロクラックが発生し易い。この場合、シートTEを伸張して複数のチップCPを互いに離間した状態にする際、ダイシング時に生じたマイクロクラックに起因してパーティクルが発生してしまう虞がある。これに対して、本構成によれば、ダイシング時にダイシング基板WDの内部に改質部PASを形成してから、シートTEを伸張することにより複数のチップCPが隣り合うチップCPとの間で改質部PASを起点として劈開されることにより分割される。このため、切削ブレード213を有するダイシング装置20を用いてダイシングする場合に比べて、チップCPの接合面CPf側の切断面の平坦性が高く且つチップCPの端縁部分がシャープであるという利点もある。また、チップCPを基板WTに対して鉛直下方から接合する場合、チップCPにおける接合面CPfよりも鉛直下側の部分から発生するパーティクルは鉛直下方へ落下するため、チップCPの基板WTへの接合には影響しない。従って、本構成とチップCPを基板WTの鉛直下方から基板WTに近づけて接合する方法との組み合わせは、ダイシング基板WDをダイシングすることによりチップCPを生成し、生成したチップCPを基板WTに接合する方法として有効である。
【0050】
実施の形態では、活性化処理装置60が、シート支持部612に支持されたシートTEの複数のチップCPが貼着された側にプラズマPLMを発生させることにより複数のチップCPそれぞれの接合面CPfを活性化させるプラズマ発生部615を有する例について説明した。但し、これに限らず、活性化処理装置が、シート支持部に支持されたシートの複数のチップCPが貼着された側に対して粒子ビームを照射することにより複数のチップCPそれぞれの接合面CPfを活性化させる粒子ビーム源を有するものであってもよい。
【0051】
本変形例に係る活性化処理装置3060は、図15に示すように、チャンバ64と、環状フレームRI1を支持するフレーム保持部621と、カバー622と、粒子ビーム源3061と、ビーム源搬送部3063と、ラジカル源3067と、を有する。なお、図15において、実施の形態と同様の構成については図3と同一の符号を付している。また、活性化処理装置3060は、フレーム保持部621を支持し図15の矢印AR33に示すようにフレーム保持部621をその厚さ方向に直交する1つの軸周りに回転駆動するフレーム保持部駆動部3623を有する。また、フレーム保持部621は、基板WTが投入された場合、フレーム保持部621により基板WTの周部を保持した状態で基板WTを保持する。
【0052】
粒子ビーム源3061は、例えば高速原子ビーム(FAB、Fast Atom Beam)源であり、放電室3612と、放電室3612内に配置される電極3611と、ビーム源駆動部3613と、窒素ガスを放電室3612内へ供給するガス供給部3614と、を有する。放電室3612の周壁には、中性原子を放出するFAB放射口3612aが設けられている。放電室3612は、炭素材料から形成されている。ここで、放電室3612は長尺箱状であり、その長手方向に沿って複数のFAB放射口3612aが一直線上に並設されている。ビーム源駆動部3613は、放電室3612内に窒素ガスのプラズマを発生させるプラズマ発生部(図示せず)と、電極3611と放電室3612の周壁との間に直流電圧を印加する直流電源(図示せず)と、を有する。ビーム源駆動部3613は、放電室3612内に窒素ガスのプラズマを発生させた状態で、放電室3612の周壁と電極3611との間に直流電圧を印加する。このとき、プラズマ中の窒素イオンが、放電室3612の周壁に引き寄せられる。このとき、FAB放射口3612aへ向かう窒素イオンは、FAB放射口3612aを通り抜ける際、FAB放射口3612aの外周部の、炭素材料から形成された放電室3612の周壁から電子を受け取る。そして、この窒素イオンは、電気的に中性化された窒素原子となって放電室3612外へ放出される。
【0053】
ビーム源搬送部3063は、長尺でありチャンバ64に設けられた孔3064aに挿通され一端部で粒子ビーム源3061を支持する支持棒3631と、支持棒3631の他端部で支持棒3631を支持する支持体3632と、支持体3632を駆動する支持体駆動部3633と、を有する。また、ビーム源搬送部3063は、チャンバ64内の真空度を維持するためにチャンバ64の孔3064aの外周部と支持体3632との間に介在するベローズ3634を有する。支持体駆動部3633は、図15の矢印AR31に示すように、支持体3632を支持棒3631がチャンバ64内へ挿脱される方向へ駆動することにより、図15の矢印AR32に示すようにチャンバ64内において粒子ビーム源3061の位置を変化させる。ここで、ビーム源搬送部3063は、粒子ビーム源3061を、その複数のFAB放射口3612aの並び方向に直交する方向へ移動させる。
【0054】
ラジカル源3067は、プラズマ室3671と、ガラス窓3674と、トラップ板3675と、導波管3673と、マグネトロン3672と、を有するICP(Inductively Coupled Plasma)プラズマ源を採用してもよい。プラズマ室3671は、ガラス窓3674を介して導波管3673に接続されている。また、ラジカル源3067は、プラズマ室3671内へ供給管3676を介して窒素ガスを供給するガス供給部3677を有する。マグネトロン3672で生成されるマイクロ波は、導波管3673を通じてプラズマ室3671内へ導入される。マグネトロン3672としては、例えば周波数2.45GHzのマイクロ波を生成するものを採用することができる。この場合、マグネトロン3672からプラズマ室3671へ供給される電力は、例えば2.5kWに設定される。そして、プラズマ室3671内に窒素ガスが導入された状態で、導波管3673からマイクロ波が導入されると、マイクロ波によりプラズマ室3671内にプラズマPLM2を形成する。トラップ板3675は、プラズマPLM2中に含まれるイオンをトラップし、ラジカルのみをチャンバ64内へダウンフローさせる。また、即ち、プラズマ室3671でプラズマが発生し、プラズマに含まれるラジカルのみがプラズマ室3671の下方へダウンフローする。
【0055】
なお、ラジカル源3067としては、マグネトロン3672と導波管3673とを備える構成に限定されるものではなく、例えばガラス窓3674上に設けられた平板電極と平板電極に電気的に接続された高周波電源と、を備える構成であってもよい。この場合、高周波電源としては、例えば27MHzの高周波バイアスを印加するものを採用することができる。そして、高周波電源からプラズマ室3671へ供給される電力は、例えば250Wに設定される。また、粒子ビームを照射する際、チャンバ64内の圧力は、例えばターボ分子ポンプを使用して10-3Pa台まで真空引きされるが、ラジカル処理時においては、チャンバ64内の圧力を数10Pa程度まで上昇させて行う。
【0056】
本変形例に係る活性化処理装置3060は、例えば図16Aおよび図16Bの矢印AR34に示すように、粒子ビーム源3061を、チップCPの接合面CPfへ粒子ビームを照射させながらX軸方向へ移動させていく。ここで、活性化処理装置3060は、例えば粒子ビーム源3061を+X方向へ移動させながら粒子ビームをシートTEに貼着された全てのチップCPの接合面CPfに照射した後、粒子ビーム源61を-X方向へ移動させながらチップCPの接合面CPfに粒子ビームを照射する。また、粒子ビーム源3061の移動速度は、例えば1.2乃至14.0mm/secに設定される。また、粒子ビーム源3061への供給電力は、例えば1kV、100mAに設定されている。そして、粒子ビーム源3061の放電室3612内へ導入される窒素ガスの流量は、例えば100sccmに設定される。
【0057】
次に、活性化処理装置3060は、図17Aの矢印AR36に示すように、フレーム保持部621に保持された環状フレームRI1を反転させることにより、シートTEに貼着されたチップCPの接合面CPfが鉛直上方を向く姿勢にする。そして、活性化処理装置60は、図17Bの矢印AR37に示すように、ラジカル源67により、チップCPの接合面CPfに窒素ラジカルを照射する第2活性化工程を実行する。ここで、ラジカル源67におけるプラズマ室671へ供給する電力、プラズマ室671内へ導入される窒素ガスの流量および窒素ラジカルの照射時間は、例えば前述の基板実装面活性化工程と同様の条件に設定される。
【0058】
本構成によれば、基板WTの実装面WTfおよびチップCPの接合面CPfに対して、粒子ビーム照射による活性化処理とラジカル照射による活性化処理を連続して行うことができる。また、実施の形態では、プラズマPLMがシートTEで生じた不純物イオンを引き込んでしまいチップCPの接合面CPfに不純物が付着してしまう虞がある。これに対して、本構成は、粒子ビームをチップCPの接合面CPfに照射する構成であるため、チップCPまたはシートTEから発生した不純物が、チップCPから離れる方向へ飛ばされ、チップCPの接合面CPf側へ戻ってこない。このため、不純物がチップCPの接合面CPfに付着することを抑制できる。
【0059】
実施の形態において、活性化処理装置60が、窒素のイオンを加速して放出するイオンビーム源を有するものであってもよい。
【0060】
実施の形態において、基板WTが、例えば図18Aに示すように、その実装面WTfに導電性材料から形成された第1導電部M2と絶縁体から形成された第1絶縁体部I2とが互いに略面一となる状態で露出していてもよい。なお、第1導電部M2は、第1絶縁体部I2よりも突出していてもよい。また、チップCPが、その接合面CPfに導電性材料から形成された第2導電部M1と絶縁体から形成された第2絶縁体部I1とが互いに略面一となる状態で露出していてもよい。なお、第2導電部M1は、第2絶縁体部I1よりも突出していてもよい。ここで、絶縁体としては、例えばSiO、Al等の酸化物、SiN、AlN等の窒化物、SiONのような酸窒化物、或いは樹脂が挙げられる。また、導電性材料としては、Si、Ge等の半導体材料、Cu、Al、はんだ等の金属が挙げられる。つまり、チップは、その接合面に互いに材料が異なる複数種類の領域が形成されたものであってもよい。具体的には、チップが、その接合面に電極と絶縁膜とが設けられたものであり、絶縁膜が、SiO、Al等の酸化物またはSiN、AlN等の窒化物から形成されているものであってもよい。
【0061】
そして、第1導電部M2と第2導電部M1とが接触し、第1絶縁体部I2と第2絶縁体部I1とが接触するように、チップCPの接合面CPfを基板WTの実装面WTfに面接触させると、図18Bに示すようにチップCPが基板WTに接合される。
【0062】
実施の形態において、洗浄装置85が、例えば、ステージ852に支持された環状フレームRI2、RI3に保持されたシートTEに貼着された複数のチップCPに対して超音波またはメガソニック振動を与えた液体を吐出する洗浄ヘッドを有するものであってもよい。また、洗浄ヘッドから吐出される液体としては、水に限定されるものではなく、電極表面を還元する洗浄液、有機溶剤等の他の種類の液体であってもよい。更に、洗浄装置は、例えばチップCPの接合面に付着したパーティクルを擦り取るブラシ(図示せず)を有するものであってもよい。なお、洗浄装置が、ブラシを有するものである場合、ブラシの硬さは、チップCPの接合面CPfの活性化状態に影響を与えない程度の柔らかさに設定されていることが好ましい。また、洗浄装置は、液体の代わりに例えばN2のような不活性ガスをチップCPに吹き付けることにより、チップCPに付着したパーティクルを除去するものであってもよい。
【0063】
実施の形態に係るチップ供給装置10は、シートTEを伸張することなく保持する環状フレームRI2、RI3を支持するフレーム支持部119を有するチップ供給部11を有する例について説明した。但し、チップ供給装置の構成は、シートTEを伸張することなく環状フレームRI2、RI3に保持された状態でチップCPを供給する構成に限定されるものではない。例えば、図19に示すように、シートTEが環状フレームRI1に保持された状態でチップCPを供給するチップ供給部4011を有するチップ供給装置4010を備えるものであってもよい。ここで、チップ供給部4011は、シートTEを伸張するための筒状のドラム4118と、環状フレームRI1を保持するフレーム保持部4119と、を有する。チップ供給部4011は、環状フレームRI1がフレーム保持部4119に保持された状態で、ドラム4118の+Z方向側の端部を環状フレームRI1の内側においてシートTEの-Z方向側に当接させる。そして、チップ供給部4011は、ドラム4118の+Z方向側の端部をフレーム保持部4119よりも+Z方向側へ突き出すことによりシートTEを伸張させる。なお、チップ供給部4011は、ドラム4118をフレーム保持部4119よりも相対的に+Z方向側へ移動させる構成であればよく、例えばフレーム保持部4119をドラム4118に対して-Z方向側へ移動させるものであってもよい。
【0064】
また、チップ供給部4011は、シートTEが環状フレームRI2、RI3に保持された状態でチップCPを供給するものであってもよい。シートTEが環状フレームRI2、RI3に保持された状態であっても、チップCPがシートTEから切り出されるにつれて、シートTEに緩みが生じてしまうことがある。これに対して、本構成によれば、チップCPが環状フレームRI2、RI3に保持されたシートTEからある程度の数だけ切り出された時点でドラム4118を+Z方向側へ突き出すことによりシートの緩みをとることができる。
【0065】
本構成によれば、活性化処理装置60による活性化処理の後、洗浄工程を行わない場合において、シート伸張装置40が不要となるので、その分、接合システム4の簡素化を図ることができる。
【0066】
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。すなわち、本発明の範囲は、実施の形態ではなく、請求の範囲によって示される。そして、請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、この発明の範囲内とみなされる。
【0067】
本出願は、2020年7月31日に出願された日本国特許出願特願2020-129988号に基づく。本明細書中に日本国特許出願特願2020-129988の明細書、特許請求の範囲および図面全体を参照として取り込むものとする。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明は、例えばCMOSイメージセンサやメモリ、演算素子、MEMSの製造に好適である。
【符号の説明】
【0069】
1:チップ接合システム、10,4010:チップ供給装置、11,4011:チップ供給部、20:ダイシング装置、30:ボンディング装置、31:ステージユニット、33:ボンディング部、33H,3033H:ヘッド、36,3036:ヘッド駆動部、39:チップ搬送装置、40:シート伸張装置、60:活性化処理装置、61:粒子ビーム源、62:支持部、63:ビーム源搬送部、64:チャンバ、3064a:孔、70:搬送装置、71:搬送ロボット、80:搬出入ユニット、85:洗浄装置、90:制御部、100:接合装置、111:ピックアップ機構、111a:ニードル、113:フレーム駆動部、114,622:カバー、114a:孔、119,411:フレーム支持部、211:回転軸、212:ブレード駆動部、213:切削ブレード、215:保持テーブル、216:チャック、315:ステージ、320,853:ステージ駆動部、391:プレート、392:プレート駆動部、393:チップ保持部、394:アーム、395:アーム駆動部、411a,411b:貫通孔、413:切断機構、432a:チップ支持部、432b:支持部駆動部、621,4119:フレーム保持部、2121:支持部、2122:モータ、2123支持部移動機構、3611:電極、3612:放電室、3612a:FAB放射口、3613:ビーム源駆動部、3614,3677:ガス供給部、3623:フレーム保持部駆動部、3631:支持棒、3632:支持体、3633:支持体駆動部、3634:ベローズ、3672:マグネトロン、3673:導波管、3674:ガラス窓、3675:プラズマ室、3676:供給管、851:洗浄ヘッド、852:ステージ、33411:チップツール、33413:ヘッド本体部、CP:チップ、CPf:接合面、TE:シート、OB1:軌跡、PLM,PLM2:プラズマ、WD:ダイシング基板、WT:基板、WTf:実装面
図1
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図7
図8
図9A
図9B
図10A
図10B
図11
図12A
図12B
図13A
図13B
図14A
図14B
図15
図16A
図16B
図17A
図17B
図18A
図18B
図19