(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-02
(45)【発行日】2023-06-12
(54)【発明の名称】診断装置及び診断方法並びにプラズマ処理装置及び半導体装置製造システム
(51)【国際特許分類】
H01L 21/3065 20060101AFI20230605BHJP
H01L 21/205 20060101ALI20230605BHJP
H01L 21/31 20060101ALI20230605BHJP
G05B 23/02 20060101ALI20230605BHJP
G01M 99/00 20110101ALI20230605BHJP
H05H 1/46 20060101ALN20230605BHJP
【FI】
H01L21/302 101M
H01L21/205
H01L21/31 C
G05B23/02 T
G01M99/00 Z
H05H1/46 A
(21)【出願番号】P 2022539010
(86)(22)【出願日】2021-07-13
(86)【国際出願番号】 JP2021026208
【審査請求日】2022-06-23
(73)【特許権者】
【識別番号】501387839
【氏名又は名称】株式会社日立ハイテク
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】梅田 祥太
(72)【発明者】
【氏名】玉置 研二
(72)【発明者】
【氏名】角屋 誠浩
(72)【発明者】
【氏名】釜地 義人
【審査官】長谷川 直也
(56)【参考文献】
【文献】特表2012-532461(JP,A)
【文献】国際公開第2020/152889(WO,A1)
【文献】特開2018-026558(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3065
H01L 21/205
H01L 21/31
G05B 23/02
G01M 99/00
H05H 1/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマ処理装置の部品の劣化状態が診断される診断装置において、
前記部品の劣化度を演算する複数の演算条件における各々の前記部品に対する頑健度が求められ、前記求められた頑健度を基に各々の前記部品に対して前記複数の演算条件から一つの演算条件が選択され、前記選択された演算条件を用いて各々の前記部品の劣化状態が診断される分析部を備え、
前記頑健度は、前記プラズマ処理装置の複数の保守事例に対する前記劣化度の傾向の共通性を示す指標であることを特徴とする診断装置。
【請求項2】
請求項1に記載の診断装置において、
プラズマ処理された試料の枚数と前記劣化度との相関係数の平均値を前記頑健度として求めることを特徴とする診断装置。
【請求項3】
請求項1に記載の診断装置において、
前記部品の
前記劣化度に関する時系列データとともに前記プラズマ処理装置の保守時期に関するアラーム情報を表示する表示部を更に備えることを特徴とする診断装置。
【請求項4】
試料がプラズマ処理される処理室と、プラズマを生成するための高周波電力を供給する高周波電源と、前記試料が載置される試料台とを備えるプラズマ処理装置において、
部品の劣化度を演算する複数の演算条件における各々の前記部品に対する頑健度が求められ、前記求められた頑健度を基に各々の前記部品に対して前記複数の演算条件から一つの演算条件が選択され、前記選択された演算条件を用いて各々の前記部品の劣化状態が診断される診断装置をさらに備え
、
前記頑健度は、複数の保守事例に対する前記劣化度の傾向の共通性を示す指標であることを特徴とするプラズマ処理装置。
【請求項5】
請求項4に記載のプラズマ処理装置において、
プラズマ処理された前記試料の枚数と前記劣化度との相関係数の平均値を前記頑健度として求めることを特徴とするプラズマ処理装置。
【請求項6】
請求項4に記載のプラズマ処理装置において、
前記部品の
前記劣化度に関する時系列データとともに保守時期に関するアラーム情報を表示する表示部を更に備えることを特徴とするプラズマ処理装置。
【請求項7】
試料がプラズマ処理される処理室と、プラズマを生成するための高周波電力を供給する高周波電源と、前記試料が載置される試料台とを備えるプラズマ処理装置において、
部品の劣化度を演算する複数の演算条件における各々の前記部品に対する頑健度が求められ、前記求められた頑健度を基に各々の前記部品に対して前記複数の演算条件から一つの演算条件が選択され、前記選択された演算条件を用いて各々の前記部品の劣化状態が診断される診断装置に接続され
、
前記頑健度は、複数の保守事例に対する前記劣化度の傾向の共通性を示す指標であることを特徴とするプラズマ処理装置。
【請求項8】
プラズマ処理装置の部品の劣化状態を診断する診断方法において、
前記部品の劣化度を演算する複数の演算条件における各々の前記部品に対する頑健度を求める工程と、
前記求められた頑健度を基に各々の前記部品に対して前記複数の演算条件から一つの演算条件を選択する工程と、
前記選択された演算条件を用いて各々の前記部品の劣化状態を診断する工程と有
し、
前記頑健度は、前記プラズマ処理装置の複数の保守事例に対する前記劣化度の傾向の共通性を示す指標であることを特徴とする診断方法。
【請求項9】
請求項8に記載の診断方法において、
プラズマ処理された試料の枚数と前記劣化度との相関係数の平均値を前記頑健度として求めることを特徴とする診断方法。
【請求項10】
請求項8に記載の診断方法において、
前記部品の
前記劣化度に関する時系列データとともに保守時期に関するアラーム情報を表示する工程をさらに有することを特徴とする診断方法。
【請求項11】
ネットワークを介して半導体製造装置に接続され、前記半導体製造装置の部品の劣化状態を診断する診断処理が実行されるプラットフォームを備える半導体装置製造システムにおいて、
前記診断処理は、
前記部品の劣化度を演算する複数の演算条件における各々の前記部品に対する頑健度を求めるステップと、
前記求められた頑健度を基に各々の前記部品に対して前記複数の演算条件から一つの演算条件を選択するステップと、
前記選択された演算条件を用いて各々の前記部品の劣化状態を診断するステップとを有
し、
前記頑健度は、前記半導体製造装置の複数の保守事例に対する前記劣化度の傾向の共通性を示す指標であることを特徴とする半導体装置製造システム。
【請求項12】
請求項11に記載の半導体装置製造システムにおいて、
前記診断処理は、前記プラットフォームに備えられたアプリケーションとして実行されることを特徴とする半導体装置製造システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマにより半導体のウェハを加工するプラズマ処理装置の診断装置及び診断方法並びにプラズマ処理装置及び半導体装置製造システムに関する。
【背景技術】
【0002】
プラズマ処理装置は半導体のウェハ上に微細形状を形成するために、物質をプラズマ化し、その物質の作用によりウェハ上の物質を除去するプラズマ処理を行う装置である。プラズマ処理装置では、通常、ウェハの処理枚数等を目安にして定期的に装置内のクリーニングや部品の交換といった保守を行う。しかし、経年変化や使用方法に応じた反応副生成物の蓄積等に伴う部品の劣化により、計画外の保守作業が発生しうる。計画外保守による非稼働時間を削減するために、部品の劣化状態を逐次モニタリングして、その劣化状態に応じてクリーニングや交換等の早期対策することが求められる。
【0003】
このような早期対策を実現するために、プラズマ処理装置の診断装置では、プラズマ処理装置に付加した複数の状態センサから逐次取得した複数のセンサ項目から成る時系列信号であるセンサ値を用いて、正常状態からの乖離度合から劣化状態を診断し、予め設定した閾値と比較してアラームを発報することが一般的に行われる。例えば、国際公開WO2018/061842号明細書(特許文献1)には、「異常検知装置は、観測値をまとめた要約値に対して統計モデリングを適用することにより、要約値からノイズを除去した状態を推測し、当該推測に基づき一期先の要約値を予測した予測値を生成する。異常検知装置は、予測値に基づき、監視対象装置の異常有無を検知する。」という記載がある。
【0004】
また、複数のセンサ項目から成るセンサ値から劣化状態の推定に有効な特徴量(以下、劣化度)を演算する方法として、例えば特開2020-31096号公報(特許文献2)には「プラズマ処理装置の状態を予測する状態予測装置において、正常な状態の前記プラズマ処理装置のモニタされたデータから前記プラズマ処理装置の状態を示す第一の特徴量が求められ、前記プラズマ処理装置のモニタされたデータから前記プラズマ処理装置の状態を示す第二の特徴量が求められ、前記求められた第二の特徴量が前記第一の特徴量を用いて演算され、前記演算された第二の特徴量の大きいものから順番に選択された特徴量」という記載がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】国際公開WO2018/061842号明細書
【文献】特開2020-31096号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1にはセンサ値の要約値を用いて装置運用中の異常を検知する方法が記載されているが、部品毎に劣化状態を診断する方法が記載されていない。部品の劣化状態を診断して早期対策をとる目的の場合、部品毎に劣化の兆候、すなわちセンサ値の変化の仕方が異なるため、複数のセンサ項目のセンサ値から部品毎に劣化の兆候をより良く示す劣化度を演算する条件を規定する必要がある。
【0007】
また、特許文献2では、規定した劣化度演算条件を複数のプラズマ処理装置に適用することが想定されていない。前記目的の場合、部品毎に規定した劣化度演算条件を複数のプラズマ処理装置に適用可能であるという性質(以下、頑健性)を有する必要がある。
【0008】
そこで、本発明では、上記した従来技術の課題を解決して、部品毎に頑健性の高い劣化度演算条件を決定することを可能にする診断装置及び診断方法並びにプラズマ処理装置及び半導体装置製造システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明では、プラズマ処理装置の部品の劣化状態が診断される診断装置を、部品の劣化度を演算する複数の演算条件における各々の部品に対する頑健度が求められ、この求められた頑健度を基に各々の部品に対して複数の演算条件から一つの演算条件が選択され、この選択された演算条件を用いて各々の部品の劣化状態が診断される分析部を備えて構成し、頑健度は、プラズマ処理装置の複数の保守事例に対する劣化度の傾向の共通性を示す指標であることを特徴とする。
【0010】
また、上記課題を解決するため、本発明では、試料がプラズマ処理される処理室と、プラズマを生成するための高周波電力を供給する高周波電源と、試料が載置される試料台とを備えるプラズマ処理装置において、部品の劣化度を演算する複数の演算条件における各々の部品に対する頑健度が求められ、この求められた頑健度を基に各々の部品に対して複数の演算条件から一つの演算条件が選択され、この選択された演算条件を用いて各々の部品の劣化状態が診断される診断装置をさらに備え、頑健度は、複数の保守事例に対する劣化度の傾向の共通性を示す指標であることを特徴とする。
【0011】
さらに、上記課題を解決するために、本発明では、試料がプラズマ処理される処理室と、プラズマを生成するための高周波電力を供給する高周波電源と、試料が載置される試料台とを備えるプラズマ処理装置において、部品の劣化度を演算する複数の演算条件における各々の部品に対する頑健度が求められ、この求められた頑健度を基に各々の部品に対して前記複数の演算条件から一つの演算条件が選択され、前記選択された演算条件を用いて各々の部品の劣化状態が診断される診断装置に接続され、頑健度は、複数の保守事例に対する劣化度の傾向の共通性を示す指標であることを特徴とする。
【0012】
さらに、上記課題を解決するために、本発明では、プラズマ処理装置の部品の劣化状態を診断する診断方法において、部品の劣化度を演算する複数の演算条件における各々の部品に対する頑健度を求める工程と、求められた頑健度を基に各々の部品に対して複数の演算条件から一つの演算条件を選択する工程と、選択された演算条件を用いて各々の部品の劣化状態を診断する工程と有し、頑健度は、プラズマ処理装置の複数の保守事例に対する劣化度の傾向の共通性を示す指標であることを特徴とする。
【0013】
さらに、上記課題を解決するために、本発明では、ネットワークを介して半導体製造装置に接続され、半導体製造装置の部品の劣化状態を診断する診断処理が実行されるプラットフォームを備える半導体装置製造システムにおいて、診断処理は、部品の劣化度を演算する複数の演算条件における各々の部品に対する頑健度を求めるステップと、求められた頑健度を基に各々の部品に対して複数の演算条件から一つの演算条件を選択するステップと、選択された演算条件を用いて各々の部品の劣化状態を診断するステップとを有し、頑健度は、半導体製造装置の複数の保守事例に対する劣化度の傾向の共通性を示す指標であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、例えばプラズマ処理装置やその診断装置のユーザは部品毎に頑健性の高い劣化度演算条件を得ることができ、プラズマ処理装置群の部品劣化状態を診断することが可能となる。
【0015】
上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の実施例に係るプラズマ処理装置および診断装置の概略の構成を示すブロック図である。
【
図2】本発明の実施例に係る保守履歴記憶部に格納するデータの例を表形式に示した図である。
【
図3】本発明の実施例に係る診断装置のセンサ値記憶部に格納するデータの例を表形式に示した図である。
【
図4】本発明の実施例に係る劣化度演算部における診断対象部品の劣化度を求める処理の流れを示すフロー図である。
【
図5】本発明の実施例に係る分析部における処理の流れを示すフロー図である。
【
図6】本発明の実施例に係る診断装置の劣化度演算条件群の設定処理の流れを示すフロー図である。
【
図7】本発明の実施例に係る診断装置の区間抽出条件記憶部に格納するデータを表形式に示した図である。
【
図8】(a)は、センサごとのセンサ値と時間の関係を示すグラフにおいてトリガ設定によりセンサ値の時間区間を抽出する処理の例を示す図、(b)は、センサごとのセンサ値と時間の関係を示すグラフにおいて窓移動によりセンサ値の時間区間を抽出する処理の例を示す図である。
【
図9】(a)は、正常時におけるセンサごとのセンサ値と時間の関係を示すグラフ、(b)は、劣化時におけるセンサごとのセンサ値と時間の関係を示すグラフである。
【
図10】本発明の実施例に係る診断装置の劣化度演算条件決定処理の流れを示すフロー図である。
【
図11】本発明の実施例に係る診断装置における劣化度頑健度演算部の演算結果を出力する表示画面の正面図である。
【
図12】本発明の実施例に係る診断装置の保守時期演算処理の流れを示すフロー図である。
【
図13】本発明の実施例に係る診断装置の保守時期演算部の処理の結果を表示する表示画面の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明は、プラズマ処理装置の対象部品の時系列センサ値を取得し劣化状態を診断するプラズマ処理装置の診断装置及びその方法において、複数の時間区間と劣化度演算式の組合せから成る複数の劣化度演算条件の中から、前記劣化度の複数保守事例間の比較演算で算出した劣化度頑健度に基づき対象部品に適用する劣化度演算条件を決定し、プラズマ処理装置群において前記劣化度演算条件で逐次演算した対象部品の劣化度に基づき保守アラームを発報するようにしたものでる。
【0018】
また本発明は、複数の時間区間と劣化度演算式の組合せから成る複数の劣化度演算条件の中から、前記劣化度の複数保守事例間の比較演算で算出した劣化度頑健度に基づき対象部品に適用する劣化度演算条件を決定し、プラズマ処理装置群において前記劣化度演算条件で逐次演算した対象部品の劣化度に基づき保守アラームを発報する診断装置を備えたプラズマ処理装置である。
【0019】
本発明では、プラズマ処理装置の診断装置を、対象部品の複数劣化度演算条件で演算した劣化度を複数保守事例分取得し、演算条件毎に予め定義した劣化度頑健度を演算して劣化度頑健度に基づき順位付けした演算条件を出力する劣化度頑健度演算部と、部品毎区間抽出条件設定部にて、対象部品に対する複数の時間区間(ステップタイム区間) 抽出条件を設定する部品毎区間抽出条件設定部と、多様な劣化兆候を捉えるための劣化度演算式を複数登録する劣化度演算式登録部とを備えて構成した。
【0020】
更に本発明は、プラズマ処理装置の圧力や電流等の状態センサから複数項目のセンサ値を取得してプラズマ処理装置を構成する対象保守部品の劣化状態を診断する診断装置において、複数の時間区間と複数の劣化度演算式の組合せから成る劣化度演算条件群の中から、プラズマ処理装置において対象部品を保守した複数事例間の劣化度の比較演算を行って算出した劣化度頑健度に基づき対象部品に適用する劣化度演算条件を予め決定し、診断対象のプラズマ処理装置群にその劣化度演算条件を適用して逐次演算した対象部品の劣化度に基づき保守アラームを発報する、または保守推奨時期を提示するようにして、部品毎に複数のプラズマ処理装置に適用可能な頑健性の高い劣化度演算条件を決定できるようにしたものである。
【0021】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部には原則として同一符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【実施例】
【0022】
(1)プラズマ処理装置
図1の構成図に示すように、本実施例におけるプラズマ処理装置群1は、予め設定した処理条件に従い、プラズマ100を発生させてウェハ(試料101)を処理する。また、状態センサ群102を有し、ウェハ加工中あるいはアイドル中のセンサ値(例えば、温度や圧力)の測定値を時系列データとして取得することができる。
【0023】
(2)診断装置
図1の構成図に示すように、診断装置は、プラズマ処理装置群1の各プラズマ処理装置に対する処理を実行する実行部20を備えるプラズマ処理装置ユーザ側診断装置2(以下、単に診断装置2と記す)と、プラズマ処理装置群1に対する分析を行う分析部30を備えるプラズマ処理装置メーカ側診断装置3(以下、単に診断装置3と記す)で構成される。診断装置2は、プラズマ処理装置群1と直接あるいはネットワークを介して接続されており、診断装置3は診断装置2とネットワークを介して接続されている。
【0024】
また、診断装置2は、例えばプラズマ処理装置ユーザサーバ4と直接あるいはネットワークを介して接続し、出力結果を送信し表示部42にて表示したり、保守履歴記憶部41の情報を受信したりすることが可能である。
【0025】
図2は保守履歴記憶部41に格納されているデータ210の例である。例えば、保守対象の装置や部品、作業(交換、清掃など)をそれぞれ識別するTool ID211、部品ID212、作業ID213を格納する。また、保守作業を実施した日時214や作業時間215も併せて格納する。
【0026】
診断装置2は、例えばプラズマ処理装置群1のユーザが保持し、診断装置3は、例えばプラズマ処理装置メーカが保持する形態をとる。このような形態をとることで、診断装置2をプラズマ処理装置群1に隣接して設置することができ、状態センサ群102から得られるセンサ値の取得および劣化度の演算を低遅延で実行できる。また、装置メーカが劣化度演算条件を設定し、装置ユーザは劣化度演算条件の設定をせずに診断対象部品の劣化度診断結果を得ることができる。また、診断装置2から診断装置3にセンサ値を全て送信せずに劣化度演算結果を送信することによっても本実施例の実施は可能であり、装置ユーザはセンサ値の装置メーカ側への開示を抑えられる。
【0027】
診断装置2の実行部20は、センサ値記憶部203と劣化度記憶部204を備えた記憶部202を有し、さらに、区間抽出部200、劣化度演算部201を有する。
【0028】
診断装置3の分析部30は、区間抽出条件記憶部306、劣化度演算式記憶部307、劣化度演算条件記憶部308を備えた記憶部305を有し、さらに、区間抽出条件設定部301、劣化度演算式登録部302、劣化度頑健度演算部303、保守時期演算部304を有する。
【0029】
診断装置2の記憶部202におけるセンサ値記憶部203は、状態センサ群102から取得したセンサ値を記憶する。
図3は、センサ値記憶部203に格納する処理中データ310の例を示す図である。センサ項目314毎にセンサ値の測定値をその取得日時313と共に時系列データとして記憶する。また、センサ値と共に、例えば、ウェハID311、処理条件ID312等の処理や処理対象を特定する識別情報を記憶する。ウェハID311は、処理を行ったウェハ(試料101)を識別するための情報である。処理条件ID312は、処理を行う際のプラズマ処理装置の設定や工程ステップを識別するための情報である。
【0030】
劣化度演算部201において診断対象部品の劣化度を求める処理のフローを
図4に示す。劣化度演算部201は、まず、センサ値記憶部203から、診断対象部品が正常時(例えば保守直後から一定期間)にウェハ(試料101)群を処理した際の状態センサ群102のセンサ値を取得し(S401)、診断時のウェハ(試料101)を処理した際の状態センサ群102のセンサ値を取得する(S402)。また、劣化度演算部201は、劣化度演算条件記憶部308に格納された診断対象部品毎に設定した処理条件内のセンサ値から抽出する時間区間と劣化度演算式から成る劣化度演算条件を取得する(S403)。
【0031】
さらに、劣化度演算部201は、区間抽出部200が劣化度演算条件に従いセンサ値から設定した時間区間のデータを抽出し(S404)、S403で取得した劣化度演算条件の劣化度演算式を用いて診断対象部品の劣化度を演算し(S405)、劣化度記憶部204に演算結果を格納する(S406)。この際、使用した劣化度演算条件を識別する処理条件ID312および劣化度と一対一に対応する診断時のウェハID311も併せて劣化度記憶部204に格納する。
次に、分析部30の各部で行う処理の流れを、
図5のフロー図に示す。分析部30では、先ず劣化度演算条件群を設定し(S510)、この設定した劣化度演算条件群の中から劣化度演算条件を決定し(S520)、この決定した劣化度演算条件を用いて保守時の装置部品の劣化度を求める演算処理を行う(S530)。
【0032】
以下に、各ステップの詳細について説明する。の処理内容は以降で詳細に説明する。
【0033】
(3)劣化度演算条件群の設定処理:S510
図6を参照して、診断装置3の分析部30が行う劣化度演算条件群の設定処理の例について説明する。
【0034】
まず、区間抽出条件設定部301において、特定の処理条件における対象部品のセンサ値の複数の時間区間抽出条件を設定し、区間抽出条件記憶部306に記憶する(S511)。プラズマ処理装置群1同士で劣化度を比較できるように、処理条件は、例えばプラズマ処理装置のプラズマ状態を整えるエイジング処理や装置診断用の処理等のプラズマ処理装置群1で共通に行う処理条件を指定するのが望ましい。
【0035】
図7に、区間抽出条件記憶部306に記憶する部品ID510がC1の場合の時間区間抽出条件500の例を示す。区間ID501は、時間区間抽出条件を識別する情報である。処理条件ID502には、指定した処理条件IDを格納する。例えば、図中の区間ID501が1の場合の時間区間抽出条件500は、
図3に示した処理中データ310におけるセンサ項目314がx5のセンサ値が9.9を超えた場合をトリガ1(t1):505、センサ項目314がx0のセンサが0.0を超えた場合をトリガ2(t2):506として、抽出条件式503であるt1 and t2の条件をみたした時点を起点に0.0から5.0secの時間区間を抽出区間504するという時間区間抽出条件である。時間区間抽出条件500は、トリガ設定をトリガ1(t1):505、トリガ2(t2):506のように個別に設定してもよいし、指定の窓幅(例えば10sec)で時間区間0.0から10.0sec、1.0から11.0sec、・・・と少しずつ窓を移動させながら複数の時間区間抽出条件を自動設定してもよい。
【0036】
図8に区間抽出条件記憶部306の時間区間抽出条件にしたがって、区間抽出部200がセンサ値の時間区間を抽出する処理の例を示す。
【0037】
図8(a)は、
図7に示した時間区間抽出条件500の区間ID501が1の区間抽出条件でセンサ値の時間区間を抽出する例であり、グラフ610はセンサx5の出力611の時間変化を示すグラフ、グラフ620はセンサx0の出力621の時間変化を示すグラフ、グラフ630はセンサx1の出力631の時間変化を示すグラフである。トリガ1:505、トリガ2:506としてそれぞれ設定したセンサ値x5、センサx0の値に従って時間区間601を抽出している。
【0038】
図8(b)は、窓移動により自動設定された時間区間抽出条件でセンサ値の時間区間602を抽出する例で、グラフ650はグラフ610と同様にセンサx5の出力651の時間変化を示すグラフ、グラフ660はグラフ620と同様にセンサx0の出力661の時間変化を示すグラフ、グラフ670はグラフ630と同様にセンサx1の出力671の時間変化を示すグラフである。ある。
【0039】
次に、
図6のフロー図に戻って、劣化度演算式登録部302において、劣化兆候を捉える劣化度演算式を複数登録し、劣化度演算式記憶部307に記憶する(S512)。登録した劣化度演算式を識別する情報である式IDも併せて劣化度演算式記憶部307に記憶する。劣化度演算式は、正常時および診断時の時間区間抽出後のセンサ値を入力に、診断時のセンサ値の正常時のセンサ値からの乖離度合を劣化度として出力する演算式であり、演算プログラムである。劣化度演算式としては、例えば、機械学習手法であるk近傍法や特異スペクトル変換法、あるいは統計モデリング手法である状態空間モデルを活用した手法を用いることができる。
【0040】
最後に、S511において対象部品に対して設定した複数の時間区間抽出条件(区間ID501)と劣化度演算式記憶部307に記憶した複数の劣化度演算式(式ID)の組合せを劣化度演算条件群として劣化度演算条件記憶部308に記憶する。各劣化度演算条件には、それらを一意に識別する劣化度演算条件IDも併せて記憶する(S513)。
【0041】
図9は劣化兆候の例を示す図である。劣化兆候とはすなわち、
図9(a)に示す正常時と
図9(b)に示す劣化時におけるセンサ波形の変化である。グラフ710,730及び720,740は、それぞれ同一のセンサ項目の同一処理条件内におけるセンサ値の時系列波形の例であり、グラフ710の波形711、グラフ720の波形721は正常時の波形、グラフ730の波形731,グラフ740の波形741は劣化時の波形の例である。
【0042】
グラフ710の波形711、グラフ730の波形731のように、処理時間内の全時間区間にわたり劣化兆候を呈するセンサ項目もあれば、グラフ720の波形721におけるピーク波形722、グラフ740の波形741におけるピーク波形742のように、処理時間内のごく一部の時間区間で劣化兆候を呈するセンサ項目もある。したがって、適切に時間区間抽出を行わなければ劣化診断の感度が低下する可能性がある。
【0043】
図6のフロー図のS512において、例えば、プラズマ生成に使用する部品に対しては、プラズマが生成された時間を起点に数秒間の時間区間を抽出するといったように、部品毎に劣化兆候を捉えるのに適した時間区間を設定することができる。このように部品毎に劣化兆候を呈する可能性が高い時間区間抽出および窓移動による網羅的な時間区間抽出により複数の時間区間抽出条件を設定することで劣化診断の感度低下を防ぐことができる。
【0044】
また、
図9に示した例のように、劣化兆候すなわちセンサ波形変化の種類も複数存在しうる。劣化度演算手法により検知する波形変化の種類に得手不得手があるため、S513において複数の劣化度演算式を登録することで、多様な劣化兆候がある場合でも劣化診断が可能となる。
【0045】
(4)劣化度演算条件決定処理:S520
図10に示したフロー図を参照して、診断装置3の分析部30が行う劣化度演算条件決定処理の例について説明する。
【0046】
まず、センサ値記憶部203に記憶した対象部品の保守直後の正常状態から保守に至るまでのセンサ値(以下、保守事例)と、劣化度演算条件記憶部308に記憶した劣化度演算条件群を用いて、劣化度演算部201で劣化度を演算して劣化度記憶部204に記憶して、当該保守事例において各劣化度演算条件を適用した場合の劣化度の推移を得る(S521)。
【0047】
次に、S521を対象部品の複数の保守事例に対して行い、複数保守事例のセンサ値に対して演算して劣化度記憶部204に記憶した劣化度(の推移)を得る(S522)。複数保守事例のセンサ値については、複数のプラズマ処理装置10,11,・・・から複数の保守事例を収集してもよいし、単一のプラズマ処理装置10または11から複数の保守事例を収集してもよい。また、各保守事例に対してはそれを一意に識別可能な事例IDを付与しておく。
【0048】
次に、S522で得た複数保守事例の劣化度を用いて、劣化度頑健度演算部303で劣化度演算条件毎に劣化度頑健度を演算する(S523)。劣化度頑健度は、複数保守事例の同一の劣化度演算条件における劣化度を用いて演算され、当該劣化度演算条件で演算した劣化度の事例間にわたる傾向の共通性の高さを示す指標である。
【0049】
劣化度頑健度演算部303における劣化度頑健度の演算方法は一意に限定されるものではないが、例えば、劣化度はその性質上一つの保守事例間では単調増加することが望ましく、ウェハID(ウェハ処理枚数)と劣化度の相関係数が高いことが望ましいため、各保守事例に対して演算される相関係数の複数保守事例にわたる平均値を劣化度頑健度として演算する。
【0050】
また、例えば、保守時における劣化度の値の共通性の高さとして、保守時の劣化度の複数保守事例にわたる標準偏差の反数を劣化度頑健度として演算してもよいし、上記の劣化度頑健度の演算方法を組み合わせてもよい。
【0051】
演算した劣化度頑健度は、劣化度演算条件記憶部308に、劣化度演算条件IDおよび演算に用いたセンサ値の事例IDと対応させて記憶する。
【0052】
最後に、劣化度演算式登録部302において、劣化度演算条件毎に演算した劣化度頑健度の降順に劣化度演算条件を順位付けする(S524)。
【0053】
図11に劣化度頑健度演算部303の出力に対する表示画面900の例を示す。表示画面900には、各劣化度演算条件の劣化度比較領域910と、正常時/診断時のセンサ値比較領域920が表示される。
【0054】
各劣化度演算条件の劣化度比較領域910には、劣化度演算条件記憶部308と劣化度記憶部204に格納された部品ID:911に対応する情報を取得し、各劣化度演算条件(劣化度演算条件ID)を用いて、各保守事例のセンサ値(事例ID)914,917に対して演算した劣化度の推移をグラフ915,916,918,919に表示し、併せて劣化度頑健度の値912を表示している(D1)。右側の劣化度演算条件ID:2 3132よりも左側の劣化度演算条件ID:50 3131のほうが劣化度頑健度の高い劣化度演算条件となっており、頑健性の高い劣化度演算条件とその条件に対する劣化度の推移状況をグラフ915,916,918,919で確認でき、ユーザはこれを見て頑健度の高い劣化度演算条件を決定できる。
【0055】
また、ウェハID毎に演算された各劣化度を9181のように選択することで、正常時/診断時のセンサ値比較領域920に、選択した部品ID921と事例ID922に対応する抽出区間926における正常時923のセンサ値924と診断時927のセンサ値928を比較できる。ユーザはこれを見て、例えば、劣化度が高くなっている理由をセンサ値のピーク波形925と929の変化から判断することができる。
【0056】
以上の処理により、劣化度頑健度の高い劣化度演算条件を、対象部品の劣化診断において頑健性の高い劣化度演算条件として得ることができ、これを劣化度演算条件記憶部308に記憶する。
【0057】
(5)保守時期の演算処理:S530
図12のフロー図を参照して、診断装置3の保守時期の演算処理の例について説明する。
まず、各部品で劣化度頑健度に基づき診断に用いる劣化度演算条件を決定する(S531)。劣化度頑健度が最大の劣化度演算条件に決定してもよいし、
図11の表示画面900で診断時のセンサ値比較領域920に標示された正常時923のセンサ値924と診断時927のセンサ値928とを確認した結果、劣化度頑健度上位の劣化度演算条件の中から、部品知識と照らし合わせてより納得感の高い劣化度演算条件を決定してもよい。
【0058】
次に、部品毎にアラームを発報する劣化度の閾値を予め設定する(S532)。例えば、複数保守事例の保守時あるいは保守時より一定期間手前の時点における劣化度の値を収集し、その95パーセンタイル値を使用する。パーセンタイル値の使用や”95”という値は一例であってこれに限定するものではない。
【0059】
次に、プラズマ処理装置群1に対し劣化度演算条件記憶部308に記憶しておいた各部品の劣化度演算条件を適用し、逐次取得したセンサ値と劣化度演算条件を用いて、劣化度演算部201で部品毎の劣化度を逐次演算する(S533)。
【0060】
劣化度を演算した時点で、その値が設定した閾値を超えた場合に
図11に示した表示画面1100における領域1120のようにアラームを発報し、当該劣化度に対応する部品の保守を促す(S534)。
図13に保守時期の演算処理の出力に対する表示画面1100の例を示す。部品(部品ID1103,1108)毎に決定した劣化度演算条件1104,1109に従って演算した劣化度の逐次演算結果1105,1106,1110,1111を複数のプラズマ処理装置1101,1102にわたり一括表示している。また、部品ID1103,1108、劣化度演算条件ID1104,1109の組毎に、S31で設定した閾値1107を表示している。
【0061】
ユーザはこの表示画面1100を見て、プラズマ処理装置群1の各保守対象部品の劣化状態を一元管理することができ、発報されたアラームに基づき保守対象部品に対する早期保守を行うことで計画外保守によるプラズマ処理装置群1の非稼働時間削減に繋げることができる。
【0062】
また、閾値1107に基づき領域1120にアラームを発報する方法について説明したが、例えば診断時点までの劣化度の推移に基づき、診断時点以降の劣化度の推移を予測することで保守発生時期を予測することも可能であり、それを表示してもよい。ユーザはそれを見て、例えば、保守部品の事前準備を行うことができ、部品交換の際のリードタイム短縮に繋げることができる。
【0063】
以上に説明したように、本実施例で説明した試料の加工処理を行うプラズマ処理装置の対象部品の劣化状態を診断する診断装置は、プラズマ処理装置の対象部品の状態センサ群から時系列のセンサ値を取得し、正常時と診断時の前記センサ値を用いた劣化度演算式により劣化度を演算し、プラズマ処理装置から保守間のセンサ値を複数事例取得し、センサ値の複数の時間区間と複数の劣化度演算式の組合せから成る劣化度演算条件群の中から、劣化度の複数事例間の比較演算で算出した劣化度頑健度に基づき劣化度演算条件を決定し、プラズマ処理装置群において決定した劣化度演算条件を用いて逐次演算した対象部品の劣化度に基づき、保守アラームを発報する、または保守推奨時期を提示するように構成した。
【0064】
また、本実施例に係る診断装置は、プラズマ処理装置メーカ側診断装置と前記ユーザ側診断装置とで構成され、プラズマ処理装置メーカ側診断装置は、プラズマ処理装置群に付随するプラズマ処理装置ユーザ側診断装置で演算した劣化度を受信し、決定した劣化度演算条件をユーザ側診断装置に送信し、ユーザ側診断装置は、劣化度演算条件を用いて演算した劣化度をプラズマ処理装置ユーザのサーバに送信するように構成した。
【0065】
さらに、本実施例による診断装置において、時系列のセンサ値に設定する時間区間は、対象部品毎に設定するセンサ値の閾値判定を起点に任意の区間幅を自動取得する、または、全時間区間から予め設定した固定区間幅の窓移動によって自動取得するようにした。
【0066】
さらに、本実施例による診断装置において、劣化度頑健度は劣化度の複数保守事例間における傾向の共通性の高さを示す指標であり、プラズマ処理装置でウェハ処理枚数と劣化度の相関係数をとり、複数保守事例にわたる相関係数の平均値を劣化度頑健度として演算する、または、複数保守事例における保守時点での劣化度の統計量を劣化度頑健度として演算するようにした。
【0067】
さらに、本実施例による診断装置において、劣化度演算条件を用いて演算した劣化度を指定すると、正常時のセンサ値と診断時のセンサ値を、時系列のセンサ値に設定する時間区間と合わせて比較表示するようにした。
【0068】
本実施例によれば、プラズマ処理装置を構成する部品の劣化度を算出する劣化度演算条件を、劣化度頑健度演算部で求めた頑健度の情報に基づいて劣化度演算式記憶部に記憶した複数の演算式の中から選択できるようにしたので、保守の時期をより高い信頼度で求めることができるようになった。
【0069】
また、説明した実施例の実施態様として、半導体製造装置を含むラインを運用管理するアプリケーションをプラットフォーム上で実行する半導体装置製造システムが考えられる。この場合、少なくともプラズマ処理装置メーカ側診断装置3の機能をプラットフォーム上のアプリケーションとして処理を実行させることにより半導体装置製造システムにおいて、本実施例を実施することが可能になる。さらに当該アプリケーションは、プラズマ処理装置メーカ側診断装置3の機能以外にプラズマ処理装置ユーザ側診断装置2の機能及びプラズマ処理装置ユーザサーバ4の機能を有するアプリケーションとしても良い。
【0070】
以上、実施例について説明したが、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【符号の説明】
【0071】
1 プラズマ処理装置群
2 プラズマ処理装置ユーザ側診断装置
3 プラズマ処理装置メーカ側診断装置
4 プラズマ処理装置ユーザサーバ
20 実行部
30 分析部
200 区間抽出部
301 区間抽出条件設定部
302 劣化度演算式登録部
303 劣化度頑健度演算部
304 保守時期演算部
42 表示部
【要約】
試料をプラズマ処理するプラズマ処理装置に備えた状態センサからの情報を用いて前記プラズマ処理装置を構成する部品の劣化状態を診断する診断装置を、状態センサからの情報に基づいてプラズマ処理装置を構成する部品の劣化度を演算して求める実行部と、状態センサからの情報に基づいて実行部で劣化度を演算して求めるための演算の条件を設定するとともに実行部で演算して求めたプラズマ処理装置を構成する部品の劣化度の情報に基づいてプラズマ処理装置の保守時期を求める分析部とを備えて構成して、部品毎に頑健性の高い劣化度演算条件を決定することを可能にした。