(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-08
(45)【発行日】2023-06-16
(54)【発明の名称】密封スイッチトリラクタンスモータ
(51)【国際特許分類】
H02K 19/10 20060101AFI20230609BHJP
H02K 1/14 20060101ALI20230609BHJP
H02K 1/24 20060101ALI20230609BHJP
【FI】
H02K19/10 A
H02K1/14 Z
H02K1/24 Z
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019215538
(22)【出願日】2019-11-28
(62)【分割の表示】P 2016530909の分割
【原出願日】2014-11-13
【審査請求日】2019-11-28
【審判番号】
【審判請求日】2021-09-15
(32)【優先日】2014-11-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2013-11-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】522041444
【氏名又は名称】ブルックス オートメーション ユーエス、エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】モウラ、ジャイロ ティー
(72)【発明者】
【氏名】クリシュナサミー、ジャヤラマン
【合議体】
【審判長】小川 恭司
【審判官】柿崎 拓
【審判官】五十嵐 康弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-100502(JP,A)
【文献】特開2001-112223(JP,A)
【文献】特表2008-537472(JP,A)
【文献】特表2006-529081(JP,A)
【文献】特開2003-339128(JP,A)
【文献】特開平3-277148(JP,A)
【文献】特開平10-52002(JP,A)
【文献】米国特許第5652493(US,A)
【文献】米国特許第5828153(US,A)
【文献】特開2004-23890(JP,A)
【文献】特開2001-50161(JP,A)
【文献】特開平8-256455(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K19/10
H02K1/14
H02K1/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の
ロータ突極を備えるスイッチトリラクタンスロータと、
前記スイッチトリラクタンスロータから密封され、複数の選択可能で交換可能なステータモジュールを備える、構成可能なステータであって、各ステータモジュールが、一体として共に設置されるステータ極および励磁コイルを備える、構成可能なステータと
を備えるモータであって、
前記スイッチトリラクタンスロータから密封される前記ステータのステータ極構成が、
前記構成可能なステータに設置可能な、選択可能で交換可能なステータモジュールの異なる数から、前記ステータに設置され
、前記モータを形成するステータモジュール
の数を選択
することによってもたらされる、モータ。
【請求項2】
前記
スイッチトリラクタンスロータが、非磁性コアおよび強磁性のロータ極を備える、請求項
1記載のモータ。
【請求項3】
前記ロータ
突極およびステータ極が、前記ロータに対して軸方向の磁束流を生じさせるように配置される、請求項
1記載のモータ。
【請求項4】
前記
スイッチトリラクタンスロータが、軸方向磁束流を生じさせるために、前記ステータに向かって径方向に延在する部材を備える、請求項
3記載のモータ。
【請求項5】
前記ステータモジュールが、前記ロータに対して軸方向の磁束流を生じさせるために、前記ロータ
突極が通過するスロットとして構成される、請求項
3記載のモータ。
【請求項6】
前記ロータ
突極およびステータモジュールが、対面する端部材を有し、前記ロータに対して軸方向の磁束流を生じさせるように構成される、請求項
3記載のモータ。
【請求項7】
前記ステータモジュールの少なくとも1つ
の前記ステータ極が、前記複数の
ロータ突極の
少なくとも1つのロータ突極の
副次極と相互作用するように配置され
たステータ突極を備える、請求項
1記載のモータ。
【請求項8】
複数の
ロータ突極を備えるスイッチトリラクタンスロータと、
前記スイッチトリラクタンスロータから密封され、選択可能な
数の交換可能なステータモジュールを備えるステータであって、
前記ステータに設置された前記選択可能な数の交換可能なステータモジュールの選択された数が、前記ステータに設置可能な、選択可能で交換可能なステータモジュールの異なる数から選択されて、ステータ構成をもたらし、前記スイッチトリラクタンスロータから密封される、前記選択可能な
数の交換可能なステータモジュールの各ステータモジュールが、前記ステータの個々のステータ極を画定する、ステータと
を備えるモータ。
【請求項9】
前記
スイッチトリラクタンスロータが、非磁性コアおよび強磁性のロータ極を備える、請求項
8記載のモータ。
【請求項10】
前記ロータ
突極およびステータ極が、前記ロータに対して軸方向の磁束流を生じさせるように配置される、請求項
8記載のモータ。
【請求項11】
前記
スイッチトリラクタンスロータが、軸方向磁束流を生じさせるために、前記ステータに向かって径方向に延在する部材を備える、請求項
10記載のモータ。
【請求項12】
前記ステータモジュールが、前記ロータに対して軸方向の磁束流を生じさせるために、前記ロータ
突極が通過するスロットとして構成される、請求項
10記載のモータ。
【請求項13】
前記ロータ
突極およびステータモジュールが、対面する端部材を有し、前記ロータに対して軸方向の磁束流を生じさせるように構成される、請求項
10記載のモータ。
【請求項14】
前記ステータモジュールの少なくとも1つ
の前記ステータ極が、前記複数の
ロータ突極の
少なくとも1つのロータ突極の
副次極と相互作用するように配置され
たステータ突極を備える、請求項
8記載のモータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2013年11月13日に出願された米国仮特許出願第61/903,792号の利益を主張する通常出願であって、その開示内容の全ては、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[技術分野]
例示的な実施形態は、概して、真空または腐食性環境、たとえば、基板処理装置内において使用されるモータに関する。
【背景技術】
【0003】
一般的に、半導体製造などの適用において使用されるモータは、典型的には、ブラシレス直流モータとして構成される。これらの適用のためのロータは、一般的に、希土類の材料を組み込む複数の永久磁石を含んでもよい。永久磁石をロータに接着するために、特別な取り付け具が必要となり得る。たとえば、作動のための永久磁石モータおよび位置計測のための光学エンコーダを使用する既存の直結駆動技術は、たとえば、直結駆動装置の磁石、接着された構成部分、密封部、腐食性材料が、超高真空ならびに/または攻撃性および腐食性環境に露出されるとき、著しい制限を示す。腐食性または高真空環境中で作動し続けるために、永久磁石は、一般的に、磁石の劣化を避けるために封入または密封される必要がある。
【0004】
これらの適用のためのステータは、通常、複雑なスロット形状、複数の相、および重なったコイルを有し、積層された強磁性材料で構築される。従来の積層ステータの構築は、適切な組立て、積層の接着、コイルの巻き付けおよび設置、ならびに、厳格な公差を満たすための適切な機械加工を確実にするために、複数の複雑な製造工程を必要とする。
【発明の概要】
【0005】
真空に適応可能であり、耐腐食性を有し、非積層型であり、希土類の材料を利用しないロータを提供することは有利となり得る。単純化された構築による非積層型のステータを使用することもまた、有利となり得る。結果として渦電流および鉄損の低下につながり、より高いトルク容量を提供する、より短い磁束通路を有するモータを提供することはさらに有利となる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
開示される実施形態の前述の態様および他の特徴が、添付の図面と関連して、以下の記載において説明される。
【0007】
【
図1A】開示される実施形態の態様による基板処理装置またはツールの概略図を示す。
【
図1B】開示される実施形態の態様による基板処理装置またはツールの概略図を示す。
【
図1C】開示される実施形態の態様による基板処理装置またはツールの概略図を示す。
【
図1D】開示される実施形態の態様による基板処理装置またはツールの概略図を示す。
【
図2】開示される実施形態の態様による例示的なモータを図示する。
【
図3A】開示される実施形態の態様による例示的なロータを図示する。
【
図3B】開示される実施形態の態様による例示的なステータを図示する。
【
図4】開示される実施形態の態様によるコイル要素を示す。
【
図5】開示される実施形態の態様によるコイル要素および関連するステータ極を示す。
【
図6】開示される実施形態の態様によるロータ、ステータ、およびコイル要素の例示的なアセンブリを示す。
【
図7A】開示される実施形態の態様による例示的なロータを示す。
【
図7B】開示される実施形態の態様による例示的なロータを示す。
【
図7C】開示される実施形態の態様による例示的なロータを示す。
【
図8】開示される実施形態の態様による、ロボット駆動装置に一体化されたロータ、ステータおよびコイル要素を示す。
【
図9】開示される実施形態の態様によるコイル要素の例示的な接続を示す。
【
図10】開示される実施形態の態様による例示的な軸方向磁束モータを示す。
【
図11】開示される実施形態の態様による軸方向磁束モータの部分断面図を示す。
【
図12A】従来の径方向磁束機における磁束流を示す。
【
図12B】開示される実施形態の態様による軸方向磁束機における磁束流を示す。
【
図13】開示される実施形態の態様による例示的な軸方向磁束モータを図示する。
【
図14】開示される実施形態の態様によるステータ極を示す。
【
図15】開示される実施形態の態様によるステータモジュール、ロータおよび隔離壁を示す。
【
図16】開示される実施形態の態様による例示的な軸方向磁束機の別の態様を示す。
【
図17A】開示される実施形態の態様による例示的なロータを示す。
【
図17B】開示される実施形態の態様による例示的なロータを示す。
【
図18】
図18Aは、開示される実施形態の態様による、例示的な転換シーケンスの一段階における、ステータの巻線およびロータの例示的なセットの上面図を示す。
図18B~Hは、開示される実施形態の態様による例示的な転換シーケンスを示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1A~1Dを参照すると、本明細書においてさらに開示されるような、開示される実施形態の態様を組み込んだ基板処理装置またはツールの概略図が示される。
【0009】
図1Aおよび1Bを参照すると、たとえば、半導体ツールステーション1090などの処理装置が、開示される実施形態の態様に応じて示される。図中に半導体ツールが示されるが、本明細書で説明される、開示される実施形態の態様は、ロボットマニピュレータを使用する、いずれのツールステーションまたは応用例にも適用可能である。この例において、ツール1090はクラスターツールとして示されるが、開示される実施形態の態様は、たとえば、その開示内容の全てが、参照により本明細書に組み込まれる、2006年3月26日に出願された、「Linearly Distributed Semiconductor Workpiece Processing Tool」と題された、米国特許出願第11/442,511号明細書に記載されたような、
図1Cおよび1Dに示されるもののような線形ツールステーションなどの、任意のツールステーションに適用されてもよい。ツールステーション1090は、一般的に、大気フロントエンド1000、真空ロードロック1010、および真空バックエンド1020を含む。他の態様では、ツールステーションは、任意の適切な構成を有してもよい。フロントエンド1000、ロードロック1010、バックエンド1020のそれぞれの構成要素は、たとえば、クラスタ化されたアーキテクチャ制御などの、任意の適切な制御アーキテクチャの一部であってもよい制御装置1091に接続されてもよい。制御システムは、その開示内容の全てが、参照により本明細書に組み込まれる、2011年3月8日に発行された、「Scalable Motion Control System」と題された、米国特許第7,904,182号明細書に記載されたもののような、主制御装置、クラスタ制御装置および自律型遠隔制御装置を有する閉ループ制御装置であってもよい。他の態様では、任意の適切な制御装置および/または制御システムが利用されてもよい。
【0010】
ある態様では、フロントエンド1000は、一般的に、ロードポートモジュール1005、および、たとえばイクイップメントフロントエンドモジュール(equipment front end module)(EFEM)などのミニエンバイロメント1060を含む。ロードポートモジュール1005は、300mmロードポート、前開き型または底開き型ボックス/ポッドおよびカセットのためのSEMI規格E15.1、E47.1、E62、E19.5またはE1.9に適合したボックスオープナー/ローダーツール標準(BOLTS)インターフェースであってもよい。他の態様では、ロードポートモジュールは、200mmウェハインターフェースとして、または、たとえば、大型もしくは小型のウェハもしくは平面パネルディスプレイ用の平面パネルなどの、他の任意の適切な基板インターフェースとして構成されてもよい。
図1Aに2つのロードポートモジュールが示されるが、他の態様では、任意の適切な数のロードポートモジュールがフロントエンド1000に組み込まれてもよい。ロードポートモジュール1005は、オーバーヘッド型搬送システム、無人搬送車、有人搬送車、レール型搬送車、または他の任意の適切な搬送手段から、基板キャリアまたはカセット1050を受容するように構成されていてもよい。ロードポートモジュール1005は、ロードポート1040を通じて、ミニエンバイロメント1060と接続してもよい。ロードポート1040は、基板カセット1050とミニエンバイロメント1060との間で、基板の通過を可能にしてもよい。ミニエンバイロメント1060は、一般的に、本明細書で説明される、開示される実施形態の1つまたは複数の態様を組み込んでもよい、任意の適切な移送ロボット1013を含む。ある態様では、ロボット1013は、たとえば、その開示内容の全てが、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第6,002,840号明細書に記載されたもののような、走路搭載型ロボットであってもよい。ミニエンバイロメント1060は、複数のロードポートモジュール間での基板移送のための、制御されたクリーンゾーンを提供してもよい。
【0011】
真空ロードロック1010は、ミニエンバイロメント1060とバックエンド1020との間に位置して、ミニエンバイロメント1060とバックエンド1020とに接続されてもよい。本明細書において使用される真空という用語は、基板が処理される、10-5Torr以下のような高真空を意味してもよい。ロードロック1010は、一般的に、大気および真空スロットバルブを含む。スロットバルブは、大気フロントエンドから基板を搭載した後に、ロードロック内を排気するために使用され、および、窒素などの不活性ガスを用いてロック内に通気するときに、搬送チャンバ内の真空を維持するために使用される環境隔離を提供する。ロードロック1010は、基板の基準を、処理に望ましい位置に揃えるためのアライナ1011を含んでいてもよい。他の態様では、真空ロードロックは、処理装置の任意の適切な場所に設置されていてもよく、任意の適切な構成を有していてもよい。
【0012】
真空バックエンド1020は、一般的に、搬送チャンバ1025、1つまたは複数の処理ステーション1030、および、本明細書で説明される、開示される実施形態の1つまたは複数の態様を含んでいてもよい任意の適切な移送ロボット1014を含む。移送ロボット1014は、以下において説明されるが、ロードロック1010と様々な処理ステーション1030との間で基板を搬送するために、搬送チャンバ1025内に位置していてもよい。処理ステーション1030は、様々な、成膜、エッチング、または他の種類の処理を通じて、基板上に電気回路または他の望ましい構造体を形成するために、基板に対して動作してもよい。典型的な処理は、限定されないが、プラズマエッチングまたは他のエッチング処理、化学蒸着(CVD)、プラズマ蒸着(PVD)、イオン注入などの注入、測定、急速熱処理(RTP)、乾燥細片原子層成膜(ALD)、酸化/拡散、窒化物の形成、真空リソグラフィ、エピタキシ(EPI)、ワイヤボンダ、および蒸発などの、真空を使用する薄膜処理、または他の真空圧を使用する薄膜処理を含む。搬送チャンバ1025から処理ステーション1030に、またはその逆に、基板を通過させることを可能にするように、処理ステーション1030は、搬送チャンバ1025に接続される。
【0013】
次に
図1Cを参照すると、ツールインターフェースセクション2012が、概して搬送チャンバ3018の長手方向軸Xに(例えば内向きに)向くが、搬送チャンバ3018の長手方向軸Xからずれるように、ツールインターフェースセクション2012が、搬送チャンバモジュール3018に取り付けられている線形基板処理システム2010の概略平面図が示される。搬送チャンバモジュール3018は、すでに参照により本明細書に組み込まれた、米国特許出願第11/442,511号明細書に記載されたように、他の搬送チャンバモジュール3018A、3018I、3018Jを、インターフェースセクション2050、2060、2070に取り付けることによって、任意の適切な方向に延長されてもよい。各搬送チャンバモジュール3018、3019A、3018I、3018Jは、基板を、処理システム2010の全体に亘って、および、たとえば処理モジュールPMの内外へ搬送するために、本明細書で説明される、開示される実施形態の1つまたは複数の態様を含んでもよい任意の適切な基板搬送部2080を含んでいる。理解できるように、各チャンバモジュールは、隔離された、または制御された雰囲気(たとえば、N2、清浄空気、真空)を維持することが可能であってもよい。
【0014】
図1Dを参照すると、線形搬送チャンバ416の長手方向軸Xに沿った、例示的な処理ツール410の概略的な立面図が示される。
図1Dに示される、開示される実施形態の態様では、ツールインターフェースセクション12は、典型的に、搬送チャンバ416に接続されてもよい。この態様では、インターフェースセクション12は、ツール搬送チャンバ416の一方の端部を画定してもよい。
図1Dに見られるように、搬送チャンバ416は、たとえば、接続ステーション12から反対の端部に、別のワークピース進入/退出ステーション412を有していてもよい。他の態様では、搬送チャンバからワークピースを挿入/除去するための他の進入/退出ステーションが設けられてもよい。ある態様では、インターフェースセクション12および進入/退出ステーション412は、ツールからのワークピースの搭載および取出しを可能にしてもよい。他の態様では、ワークピースは、一方の端部からツールに搭載され、他方の端部から取り除かれてもよい。ある態様では、搬送チャンバ416は、1つまたは複数の搬送チャンバモジュール18B、18iを有していてもよい。各チャンバモジュールは、隔離された、または制御された雰囲気(たとえば、N2、清浄空気、真空)を維持することが可能であってもよい。既に述べられたように、
図1Dに示される、搬送チャンバ416を形成する、搬送チャンバモジュール18B、18i、ロードロックモジュール56A、56B、およびワークピースステーションの構成/配置は例示的なものに過ぎず、他の態様では、搬送チャンバは、任意の望ましいモジュール配置で配置される、より多くのまたはより少ないモジュールを有してもよい。示された態様では、ステーション412はロードロックであってもよい。他の態様では、ロードロックモジュールは、(ステーション412に類似の)端部進入/退出ステーションの間に位置してもよく、または隣の(モジュール18iに類似の)搬送チャンバモジュールは、ロードロックとして動作するように構成されてもよい。既に述べられたように、搬送チャンバモジュール18B、18iは、搬送チャンバモジュール18B、18iに位置し、本明細書で説明される、開示される実施形態の1つまたは複数の態様を含んでもよい、1つまたは複数の、対応する搬送装置26B、26iを有してもよい。それぞれの搬送チャンバモジュール18B、18iの搬送装置26B、26iは、搬送チャンバ内に線形に分散されたワークピース搬送システム420を提供するために連携してもよい。この態様では、搬送装置26Bは、一般的なスカラ(SCARA)アーム(水平多関節ロボットアーム)構成を有してもよい(しかし他の態様では、搬送アームは、フロッグレッグ型の構成、伸縮型の構成、左右対称型の構成などの他の任意の望ましい配置を有してもよい)。
図1Dに示される、開示される実施形態の態様では、以下においてより詳細に説明されるように、搬送装置26Bのアームは、ピック/プレース場所から素早くウェハを交換する搬送を可能にする、いわゆる迅速交換配置(fast swap arrangement)を提供するように配置されてもよい。搬送アーム26Bは、各アームに任意の適切な自由度(たとえば、Z軸運動で、肩および肘関節部の周りの独立した回転)を提供するために、以下に説明されるような、適切な駆動部を有していてもよい。
図1Dに見られるように、この態様では、モジュール56A、56、30iは、搬送チャンバモジュール18Bと18iとの間に介在して位置してもよく、適切な処理モジュール、1つまたは複数のロードロック、1つまたは複数のバッファステーション、1つまたは複数の測定ステーション、または他の任意の望ましい1つまたは複数のステーションを画定してもよい。たとえば、ロードロック56A、56、およびワークピースステーション30iなどの中間モジュールはそれぞれ、搬送チャンバの線形軸Xに沿った搬送チャンバの全長に亘って、ワークピースの搬送を可能にするために搬送アームと連携する静止型ワークピース支持部/棚56S、56S1、56S2、30S1、30S2を有してもよい。例として、1つまたは複数のワークピースが、インターフェースセクション12によって、搬送チャンバ416に搭載されてもよい。1つまたは複数のワークピースは、インターフェースセクションの搬送アーム15を用いて、ロードロックモジュール56Aの1つまたは複数の支持部上に位置付けられてもよい。ロードロックモジュール56A内で、1つまたは複数のワークピースは、モジュール18B内の搬送アーム26Bによって、ロードロックモジュール56Aとロードロックモジュール56との間で移動させられてもよく、同様の連続的な方法で、(モジュール18i内の)アーム26iを用いて、ロードロック56とワークピースステーション30iとの間で、モジュール18i内のアーム26iを用いて、ステーション30iとステーション412との間で移動させられてもよい。1つまたは複数のワークピースを反対の方向に移動させるために、この処理は全体的に、または部分的に逆行されてもよい。したがって、ある態様では、ワークピースは、軸Xに沿って任意の方向に、および搬送チャンバに沿って任意の位置に移動させられてもよく、搬送チャンバと連通している、望ましいモジュール(処理モジュール、あるいは別のモジュール)に、または望ましいモジュールから、搭載または取り出されてもよい。他の態様では、静止型ワークピース支持部または棚を有する中間搬送チャンバモジュールは、搬送チャンバモジュール18Bと18iの間には設けられない。そのような態様では、隣接する搬送チャンバモジュールの搬送アームは、搬送チャンバを通してワークピースを移動させるために、ワークピースを、1つの搬送アームのエンドエフェクタから直接、別の搬送アームのエンドエフェクタへ受け渡してもよい。処理ステーションモジュールは、様々な、成膜、エッチング、または他の種類の処理を通じて、基板上に電気回路または他の望ましい構造体を形成するために、基板に対し動作してもよい。基板が、搬送チャンバから処理ステーションに、またはその逆に、通過することを可能にするように、処理ステーションモジュールは、搬送チャンバモジュールに接続される。
図1Dに示された処理装置と類似の一般的特徴を有する処理ツールの適切な例は、既に参照により本明細書に組み込まれた、米国特許出願第11/442,511号明細書に記載されている。
【0015】
図2は、ロボット駆動装置2005に一体化された例示的なモータ2000を示す。ロボット駆動装置2005は、任意の直結駆動またはロボット駆動の適用、たとえば、移送ロボット1013、移送ロボット1014、基板搬送部2080、または搬送アーム26Bなどとの使用に適してもよい。モータ2000は、少なくとも1つのステータ極2010、コイル要素2015、およびロータ2020を含んでもよい。
図2に示される態様において、ステータ極2010および関連するコイル要素2015は、分離環境2025に位置し、ロータ2020から密封される。ロータ2020は、高真空(たとえば、およそ10
-5Torr以下)または腐食性環境内に位置してもよく、非磁性の隔離壁2030によって、ステータ極2010およびコイル要素2015から分離されてもよい。ステータ極2010およびコイル要素2015は、大気圧環境内に位置してもよい。図面中に表示される例示的な実施形態は、本明細書において示され、説明されるように、様々な態様の特徴の説明を容易にする目的で図示される、いわゆる回転駆動構成を有している。理解できるように、回転駆動構成に関連して図示される、様々な態様の特徴は、線形駆動構成に、同様に適用可能である。
【0016】
本明細書において説明される、開示される実施形態の態様は、ロータおよび他の可動部材が、固定のモータ構成要素、たとえばステータ極および関連するコイル要素から隔離される、真空または大気ロボットに適用するために使用されてもよい。開示される実施形態の態様は、任意の適切な直結駆動装置またはロボット駆動装置を動作させるための、1つまたは複数のスイッチトリラクタンスロータを含む。直結またはロボット駆動装置の可動部材は、本明細書においてさらに説明されるような、半導体処理ツールの移送チャンバ内において期待されるような、半導体処理に適した真空環境などの、制御された環境を含み得る、密封、もしくは隔離環境内部に位置してもよい。直結またはロボット駆動装置の可動部材は、大気圧環境内に位置してもよい。任意の適切な材料で作製された、非磁性の分離または隔離壁が、駆動装置の可動部材、たとえばロータと、駆動装置の固定部材、たとえばステータ極およびコイル要素との間に配置されてもよい。
【0017】
図3は、開示される実施形態の態様によるロータ100を図示する。開示される実施形態の態様は、図面を参照して説明されるが、開示される実施形態の態様は、多くの形態で具体化され得ることが理解されるべきである。加えて、任意の適切なサイズ、形状、または種類の要素または材料が使用され得る。
【0018】
本明細書において説明される、開示される実施形態の態様は、隔離壁によってステータから分離される密封、隔離環境内にロータが位置してもよい、真空または大気モータの適用のために使用されてもよい。密閉環境は、真空または大気環境であってもよく、隔離壁は、非磁性材料製であってもよい。
【0019】
図3Aは、ロータの周囲に配置される、少なくとも1つのロータ突極105を有する例示的なロータ100を示す。
図3Bは、少なくとも1つのステータ突極205を有する例示的なステータ200を図示する。ロータ100が6つの突極を有して示され、ステータ200が8つの突極を有して示されるが、ロータ100およびステータ200は、任意の適切な数の突極を含んでもよいことが理解されるべきである。
【0020】
ロータ100は、機械加工、押出し加工、焼結、鋳造、または任意の適切な工程によって作製され、提供される適切な処理は、高真空環境に曝露されるときなどの、ガス抜けを避けるために使用される。必要であれば、ロータ100は、ロータを高真空中で使用可能にするために適した材料で被覆するなどによって、表面処理されてもよい。ロータ100は、一般的に、非積層の構築を有してもよく、強磁性材料の固体片、たとえば、400シリーズのステンレス鋼などの、軟磁性の鉄または鋼で構築されてもよい。少なくとも1つの例示的な態様では、ロータは、複合材料、たとえば高透磁性および高磁束密度と低電気伝導性とを組み合わせた材料で作製されてもよい。そのような材料は、ロータ極とステータ極との間の磁束の変化の速度から生じる渦電流による磁損の効果を低減するのに効果的であり得る。ロータによる、特に高真空環境において使用されるときの、ガス抜けを防止するために適切な処理が必要となり得る。
【0021】
以下の表1は、例示的な複合材料およびそれらの、非複合材料、たとえば炭素およびステンレス鋼と比較した、相対透磁率および飽和磁束密度の表を示す。
【0022】
【0023】
少なくとも別の例示的な態様では、ロータ100は、強磁性材料で構築された少なくとも1つのロータ突極とともに、非強磁性コアで構築されてもよい。
【0024】
ステータ200は、また、非積層の構築を有してもよく、機械加工、押出し加工、焼結、鋳造、または任意の適切な工程によって作製されてもよい。少なくとも1つの例示的な態様では、ステータ200は、また、複合材料、たとえば、上述のような、高透磁性および高磁束密度と低電気伝導性とを組み合わせた材料で作製されてもよく、それらの例が表3に示される。
【0025】
図4は、ステータ200との使用に適したコイル要素400を示す。コイル要素400は、他の相巻線から独立した相巻線を提供する、個々に巻き付けられた要素として構築される。コイル要素400には、コイル要素400が個々のステータ極205と一体化されることを可能にする形成要素が設けられてもよい。
【0026】
図5に示される態様では、コイル要素400は、関連するステータ極205上に取り付けられるように、またはステータ極205を囲繞するように、および関連するステータ極205のための励起場を提供するように構成されている。
【0027】
図6は、ロータ100、ステータ200、およびコイル要素400の例示的なアセンブリ600を示す。例示的なアセンブリ600では、ロータ100は、ロータ極105がステータ極205に面した状態で、ステータ200内に位置決めされている。
【0028】
図7A~7Cは、開示される実施形態との使用に適した、種々の例示的なロータを示す。
図7Aは、ロータ本体710よりも大きい軸方向の寸法を有する極705を備えるソリッドロータ700を示す。理解できるように、
図7A~7Cに図示される構成は例示的であり、開示される実施形態の代替の態様において、
図7Bは、類似の構成を有するが、非強磁性コア720、および強磁性材料で構築されたロータ極725を有するロータ715を示す。別の態様において、
図7Cは、相互に作用するステータ極の変化する磁界に曝露されるときに渦電流を最小化するために、積層され、またはいわゆる略櫛状に形成された極735を有するロータ730を示す。溝740または積層物は、渦電流を最小化するための、任意の適切な方向付けを有してもよい。ある態様では、ステータ極205もまた、櫛状に形成されていてもよい。
【0029】
図8は、ロボット駆動装置に一体化された、ロータ100、ステータ200、およびコイル要素400を示す。
図8に示される態様では、ステータ200、および各ステータ極205に関連するコイル要素400は、ロータ100から分離した環境810に位置する。ロータ100は、非磁性の隔離壁820によって、ステータ200およびコイル要素400から分離される超高真空または腐食性環境内に位置してもよい。ステータ200およびコイル要素400は、大気圧環境内に位置してもよい。
【0030】
図9は、ロータ100を駆動するための磁束界を生じさせるために、コイル要素400がどのように接続され得るかの例を示す。
図9に示される態様では、コイル要素は、独立した4組のコイルとして構成されており、各組の部材は、互いに直径方向に対向している。各組は、モータの相として画定され、したがって、
図5、6、および8に示される態様は、4相機として構成されている。ロータ100およびステータ200は、任意の数の極を有して構成されてもよく、任意の適切な数の相を実施するために、任意の適切な数のコイル要素400が使用されてもよいことが理解されるべきである。
【0031】
図10は、ロータ100を利用する例示的な軸方向磁束モータ1000を示す。軸方向磁束モータ1000のステータ1005は、ロータ100の周りに配置され、それぞれがステータ極1015および独立した相巻線1020を含む独立モジュール1010のアセンブリである。
【0032】
例示目的のみのため、
図10の軸方向磁束モータは、6極のロータおよび8極のステータを有して構成されているが、他の態様では、任意の適切な数のロータ極およびステータ極が使用されてもよい。少なくとも1つの態様では、直径方向に対向するステータモジュールは、同相に配線される。相を構成するモジュールの相巻線は、直列に、または並列に巻き付けられる。
【0033】
図11に、軸方向磁束モータの部分断面図が示される。ステータモジュール1010は、接続部材1035から径方向にロータに向かって延在する端部材1025、1030を含んでもよく、ロータ極105の少なくとも一部と重なり合ってもよいステータ極1015を有してもよい。ステータ極1015は、上述のような、軟磁性鋼または他の任意の適切な材料で構築されてもよい。矢印1100によって示されるように、磁束通路は、ステータ極915からロータ極105を通過する軸方向である。
【0034】
図12Aおよび12Bは、従来型径方向磁束機および軸方向磁束機それぞれにおける、磁束線の流れの違いを示す。径方向磁束機の場合、磁束は、ロータの直径方向に対向する極1201、1202を径方向に横切って流れ、ステータを通過して円周を流れるが、一方で、軸方向磁束機の場合、磁束は、軸方向に流れ、磁束線は、ステータモジュール1010および相互作用するロータ極に限定される。
【0035】
少なくとも1つの態様によれば、巻線を通した磁束流が直列である径方向磁束機と対照的に、軸方向磁束モータの各相における全磁束流は、2つの並列通路を通って流れるように分割され得る。並列の磁束流は、低磁束密度レベルを提供し、磁束密度飽和レベル未満での動作を可能にし得る。不飽和の磁束密度レベルで動作するとき、トルク容量は概して電流の2次関数で増加するが、一方で、飽和レベルにおいては、トルク容量は概して電流の1次関数で増加する。したがって、同じ電流レベルにおいて、軸方向機における低磁束レベルは、結果として高トルク容量につながる。さらに、軸方向磁束モータ中の有効エアギャップが、軸方向に延在するため、ロータのウォブルは、エアギャップ中に最終的な変化を引き起こさず、トルクリップルにつながらない。
【0036】
図13に、3極のロータ1305および4極のステータ1310を有する例示的な軸方向磁束モータが示される。この態様では、各ステータの相は、製造および組立てコストの低下および配線構成の単純化を提供する、単一のステータモジュール1315に制限される。
【0037】
図14は、開示される実施形態によるステータ極1405の別の態様を示す。
図10において、ステータ極1015は、矩形の断面として示されるが、ステータ極1405は、ステータ極の周りにおける相コイルの巻き付けの容易さを可能にするために、円形の断面を備えた部分を有してもよい。矩形の断面を有するステータ極は、およそ0.6のフィルファクタを有する巻線を有してもよく、一方では、円形の断面を有するステータ極は、およそ0.8のフィルファクタを超えてもよい巻線を有してもよい。フィルファクタがより高くなると、結果としてモータトルク容量がより高くなり得る。
図15は、上記の態様に類似の、隔離壁1520と組み合わせた、少なくとも1つのステータモジュール1510、およびロータ1515の使用を図示する。ある態様では、隔離壁1520は、ステータモジュール1510およびロータ1515の環境を分離するための密封を提供する。たとえば、ロータ1515は、超高真空または腐食性環境内に位置してもよく、一方では、ステータモジュールは、大気環境内に位置してもよい。ある態様では、隔離壁は、ステータ極1525の延在部材1530、1535と、ロータ1515との間の外形に適合する密封を提供する。別の態様では、隔離壁は、ステータ極1525の延在部材1530、1535のうちの1つまたは複数を囲繞する分離環境の間に、またはステータ極自体を囲繞する分離環境の間に、密閉部1520’を提供する。他の態様では、隔離壁は、ステータ極と一体化されてもよい。適切な密閉は、超高真空の使用に適した、密閉ガスケットまたはリングなどの固定シールを含んでもよい。適切な密閉のさらなる態様は、同時に出願され、その開示内容の全てが、参照により本明細書に組み込まれる、2013年11月13日に出願された、「Sealed Robot Drive」と題された、代理人整理番号390P014939-US(-#1)に示され、説明されている。
【0038】
図16は、例示的な軸方向磁束機1600の別の態様を示す。軸方向磁束機1600は、ロータ1615の周りに配置される、複数の独立ステータモジュール1610のアセンブリで構築されるステータ1605を含む。各ステータモジュール1610は、ステータ極1620および独立した相巻線1625を含んでもよい。ロータ1615は、少なくとも1つのロータ突極1630を含む。ある態様では、ロータ突極1630は、ステータアセンブリ1605に向かって延在する端部材1635、1640を含む。少なくとも1つの態様では、ステータ極およびロータ極の配置が、ステータアセンブリ1605に干渉することなく、ロータの設置および除去を容易にする。1つまたは複数の態様によれば、ステータモジュール1610は独立しており、たとえば、個々に、ステータ上の任意の適切な場所に追加され、またはステータ上の任意の適切な場所から除去されてもよい。各ステータモジュール1610は、一体として共に設置されるステータ極および励磁コイルを含んでもよい。ステータ1605は、互いの間で交換可能であり、ステータの周りに配置される、選択可能な数のステータモジュール1610を含んでもよい。少なくとも1つの態様では、ステータ1605は、ステータに設置されるステータモジュール1610の数を選択することによって構成可能である。
【0039】
図17Aは、開示される実施形態の別の態様による例示的なロータ1700を示す。ロータ1700は、スイッチトリラクタンスモータとして構成されてもよく、一般的に、非積層の一体型構築を有してもよく、強磁性材料、たとえば軟磁性の鉄または鋼で構築されてもよい。ある態様では、ロータは、複合材料、たとえば、高透磁性および高磁束密度と低電気伝導性とを組み合わせた材料で作製されてもよい。ある態様では、ロータ1700は、強磁性材料で構築された少なくとも1つのロータ突極を有する、非強磁性コアで構築されてもよい。
【0040】
少なくとも1つのロータ突極1710は、軸方向で変位した副極X、Yのセットを含んでもよい。副極X、Yは、電気角分ずれてもよい。副極X、Yの配置は、直流ブラシレスステータとして構成されるステータを用いた、スイッチトリラクタンスロータ1700の使用を可能にする。
【0041】
図17Bは、副極X、Yが裏当て1720に取り付けられる別の例示的なロータ1715を示す。裏当て1720は、また、上記の軸方向磁束機1610のために説明されたように、軸方向磁束流をもたらすために、径方向に延在する端部材を含んでもよい。
【0042】
精密な位置制御が、ロータに二方向の力を提供することによって達成されてもよく、たとえば、少なくとも2セットの、それぞれが反対方向に引力を発生させる、独立して励磁された巻線を使用することによって達成されてもよい。
図18Aは、反対方向の引力を提供する、例示的な転換シーケンスの第1段階にある、ステータの巻線1805およびロータ1700の例示的なセットの上面図を示す。
図18B~18Hは、例示的シーケンスの残りの第2~8段階を図示する。
【0043】
以下の表2は、例示的シーケンスの各段階における、例示的な転換シーケンス、おおよその作動力、および力を受ける副極を示す。
【0044】
【0045】
ステータは、3つの相巻線ABCおよびDEFから成る、独立した2つのセットを含んでもよい。各3つの相巻線のセットABC、DEFは、従来の3相ブラシレスモータのものと同様に巻き付けられてもよい。
図18Aでは、2つの3相の巻線のセットABC、DEFが、ステータの周りで互い違いになる。ロータの副極は、いずれのロータ位置においても、ロータ上の、結果として生じる電磁推進力が二方向であるような構成である。二方向の力は、上述のような位置制御を提供する。位置制御は、いずれのロータ位置においても、6つの巻線相のうちの2つが、一方の方向でロータに力を及ぼし、他の2つの巻線相が、反対の方向でロータに力を及ぼすように、ステータの電流を転換することによって実施されてもよい。上記の軸方向磁束流は、巻線を通して流動する磁界強度を最大化するために、磁束回路内の磁気抵抗の最小化を提供する。
【0046】
ステータの巻線AおよびDが直列接続され、BおよびEが直列接続され、CおよびFが直列接続されるとき、6相可変リラクタンスモータのステータは、3相直流ブラシレスモータのステータと同様に挙動する。したがって、同一のステータが、2つの異なる型式のモータ、スイッチトリラクタンスモータ、および直流ブラシレスモータに使用することが可能である。
【0047】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、モータが、少なくとも1つのロータ突極を有する密封ロータと、少なくとも1つのステータ突極を備えるステータであって、少なくとも1つのステータ突極が、ステータ突極と関連する励磁巻線を有し、少なくとも1つのステータ突極と少なくとも1つのロータ突極との間に軸方向磁束回路を生じさせるために、少なくとも1つのロータ突極と相互作用する、ステータと、を備える。
【0048】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、各ロータ突極が、軸方向で変位した副極のセットを備える。
【0049】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つのロータ突極が、少なくとも1つのステータ突極から密封される。
【0050】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つのステータ突極が、副極を有する。
【0051】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、各ロータ突極が、電気角分ずれた副極のセットを備える。
【0052】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、密封ロータが、非磁性コアを備え、少なくとも1つのロータ突極が、強磁性である。
【0053】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つのロータ突極が、強磁性裏当てに取り付けられる。
【0054】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、強磁性裏当てが、軸方向磁束流回路を生じさせるために、少なくとも1つのステータ突極に向かって径方向に延在する部材を備える。
【0055】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つのステータ突極が、軸方向磁束流回路を生じさせるために、少なくとも1つのロータ突極が通過するスロットとして構成される。
【0056】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つのロータ突極および少なくとも1つのステータ突極が、対面する端部材を有し、軸方向磁束流回路を生じさせるように構成される。
【0057】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、モータが、電気角分ずれたロータ極のセットを2つ有し、少なくとも3相の励磁のために構成されるロータを備える。
【0058】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、モータが、スイッチトリラクタンスモータとして構成されるロータと、密封区画によってロータから分離される、ブラシレスステータとして構成されるステータとを備える。
【0059】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、ロータおよびステータが、モータ内に軸方向磁束流を発生させるように構成される。
【0060】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、ロータが、少なくとも1つのロータ突極を備える。
【0061】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、少なくとも1つのロータ突極が、軸方向磁束流を生じさせるために、ステータに向かって延在する部材を備える強磁性裏当てに取り付けられる。
【0062】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、ロータが、軸方向で変位した副極のセットを備える少なくとも1つのロータ突極を備える。
【0063】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、ステータが、少なくとも3つの相巻線の独立したセットを備える。
【0064】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、ステータは、それぞれがステータ極および励磁コイルを備える独立ステータモジュールのセットを備える。
【0065】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、モータが、引力をロータに印加するように構成される、ロータ極およびステータ極の配置を備える。
【0066】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、モータが、複数の極を備えるロータと、ロータの周りに配置された複数の独立ステータモジュールを備えるステータであって、ステータモジュールが、分離セグメントとして構築されるステータ突極を備える、ステータとを備える。
【0067】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、ロータ極およびステータ極が、ロータに対して軸方向の磁束流を生じさせるように配置される。
【0068】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、ロータが、非磁性コアおよび強磁性のロータ極を備える。
【0069】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、ロータが、軸方向磁束流を生じさせるために、ステータに向かって径方向に延在する部材を備える。
【0070】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、ステータのセグメントが、ロータに対して軸方向の磁束流を生じさせるために、ロータ極が通過するスロットとして構成される。
【0071】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、ロータ極およびステータのセグメントが、対面する端部材を有し、ロータに対して軸方向の磁束流を生じさせるように構成される。
【0072】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、モータが、複数の突極を備えるロータと、一体として共に設置されるステータ極および励磁コイルを備える少なくとも1つの交換可能なステータモジュールを備えるステータとを備える。
【0073】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、モータが、複数の突極を備えるロータと、選択可能な数の交換可能なステータモジュールを備えるステータであって、ステータモジュールのそれぞれが、個々のステータ極を画定する、ステータとを備える。
【0074】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様によれば、モータが、複数の突極を備えるロータと、一体として共に設置されるステータ極および励磁コイルを備える少なくとも1つの交換可能なステータモジュールを備える、構成可能なステータとを備え、ステータの構成が、ステータに設置されるステータモジュールの数の選択によってもたらされる。
【0075】
上記記載は、開示される実施形態の態様の例示にすぎないことが理解されるべきである。当業者によって、様々な代替例および修正例が、開示される実施形態の態様から逸脱することなく案出され得る。従って、開示される実施形態の態様は、添付の請求の範囲に該当する、そのような代替例、修正例、および変形例のすべてを含むことを意図している。さらに、異なる特徴が、それぞれ異なる従属または独立請求項に詳述されるという一事実は、これらの特徴の組み合わせを有利に使用することができないということを意味せず、そのような組み合わせは、本発明の態様の範囲内に留まる。