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▶ ブルックス オートメーション ユーエス、エルエルシーの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-12
(45)【発行日】2023-06-20
(54)【発明の名称】基板処理ツール
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/677 20060101AFI20230613BHJP
   B25J 9/06 20060101ALI20230613BHJP
【FI】
H01L21/68 A
B25J9/06 D
【請求項の数】 16
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019146549
(22)【出願日】2019-08-08
(62)【分割の表示】P 2016238593の分割
【原出願日】2012-03-12
(65)【公開番号】P2019208073
(43)【公開日】2019-12-05
【審査請求日】2019-08-08
【審判番号】
【審判請求日】2021-09-22
(31)【優先権主張番号】61/451,912
(32)【優先日】2011-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】13/417,837
(32)【優先日】2012-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】522041444
【氏名又は名称】ブルックス オートメーション ユーエス、エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ギルクリスト、ユリシーズ
(72)【発明者】
【氏名】キャベニー、ロバート ティー
(72)【発明者】
【氏名】クリシュナサミー、ジャヤラマン
(72)【発明者】
【氏名】ドリュー、ミッチェル
(72)【発明者】
【氏名】モウラ、ジャイロ ティー
【合議体】
【審判長】瀧内 健夫
【審判官】松永 稔
【審判官】小田 浩
(56)【参考文献】
【文献】特開平2-83182(JP,A)
【文献】国際公開第2005/22627(WO,A1)
【文献】特開昭63-236342(JP,A)
【文献】特開2004-288720(JP,A)
【文献】特開2007-27378(JP,A)
【文献】特開2005-229087(JP,A)
【文献】特開2005-019960(JP,A)
【文献】特開2007-42799(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L21/677, B25J9/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレームと、
前記フレームに接続される第1のアームであって、前記第1のアームが、上側アーム、前アームおよびエンドエフェクタを有し、第1の径方向の軸に沿って延伸および後退するように構成される3リンクアームであり、前記エンドエフェクタが、前記前アームにリスト軸で結合される、第1のアームと、
前記フレームに接続される第2のアームであって、前記第2のアームが、上側アーム、前アームおよびエンドエフェクタを有し、第2の径方向の軸に沿って延伸および後退するように構成される3リンクアームであり、前記エンドエフェクタが、前記前アームにリスト軸で結合される、第2のアームと、
前記第1および第2のアームに結合される駆動セクションと
を備え、
前記第1および第2のアームは、前記第1および第2のアームが従属する共通のベース上で共通の回転軸を有し、
前記駆動セクションは、同軸駆動スピンドルを形成する、同軸に配置された2自由度を有し、前記駆動セクションは、前記第1のアームおよび前記第2のアームのそれぞれの延伸が、それぞれの前記第1のアームおよび前記第2のアームの対応する3つのアームリンクのみによる伝達を介して、前記同軸駆動スピンドルによって完全に行われるように、前記同軸駆動スピンドルにより、それぞれの径方向の軸に沿って前記第1および第2のアームの両方を延伸させ、それぞれの径方向の軸に沿った前記第1および第2のアームの延伸および後退が結合され、前記第1および第2のアームのそれぞれのエンドエフェクタが、共通の移送面に沿って実質的に一致して移動するように、前記同軸駆動スピンドルにより、それぞれの径方向の軸に沿って前記第1および第2のアームの両方を延伸させ、前記同軸駆動スピンドルにより、前記共通の回転軸を中心に前記第1および第2のアームの両方を回転させるように構成される、
基板処理装置。
【請求項2】
前記同軸駆動スピンドルが、前記共通の回転軸と実質的に一致して位置付けられる、請求項1記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記第1および第2のアームの延伸および後退は、前記第1および第2のアームの一方が延伸すると、前記第1および第2のアームの他方が後退するように、相互の延伸および後退である、請求項1記載の基板処理装置。
【請求項4】
それぞれのエンドエフェクタが、少なくとも1つの基板を保持するように構成され、前記第1および第2のアームのエンドエフェクタが、前記共通の移送面に一致して位置付けられる、請求項1記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記エンドエフェクタのそれぞれは、前記エンドエフェクタの間の角度が、各アームによりアクセス可能な、放射状に隣接する基板保持ステーションの間の角度と実質的に一致するように、それぞれのアームに取り付けられる、請求項1記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記エンドエフェクタの間の角度が、調節可能な角度である、請求項5記載の基板処理装置。
【請求項7】
少なくとも前記駆動セクションに接続される制御装置と、
前記制御装置に接続される少なくとも1つのセンサと
をさらに備え、
前記制御装置は、前記少なくとも1つのセンサから基板検知信号を得て、前記第1および第2のアームのうちの少なくとも1つのエンドエフェクタの位置にオフセットを適用するように構成され、前記オフセットが、少なくとも基板搬送装置の熱膨張に応じて計算される、
請求項1記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記第1および第2のアームのそれぞれの上側アームが、前記駆動セクションに前記共通の回転軸で接続され、前記第1および第2のアームのそれぞれの前アームが、それぞれの上側アームにエルボ軸で接続され、前記第1および第2のアームのそれぞれのエンドエフェクタが、それぞれの前アームにリスト軸で接続される、請求項1記載の基板処理装置。
【請求項9】
基板を処理する方法であって、前記方法が、
基板処理装置のフレームを設けることと、
前記フレームに接続される第1のアームを設けることであって、前記第1のアームが、上側アーム、前アームおよびエンドエフェクタを有し、第1の径方向の軸に沿って延伸および後退するように構成される3リンクアームであり、前記エンドエフェクタが、前記前アームにリスト軸で結合される、第1のアームを設けることと、
前記フレームに接続される第2のアームを設けることであって、前記第2のアームが、上側アーム、前アームおよびエンドエフェクタを有し、第2の径方向の軸に沿って延伸および後退するように構成される3リンクアームであり、前記エンドエフェクタが、前記前アームにリスト軸で結合され、前記第1および第2のアームは、前記第1および第2のアームが従属する共通のベース上で共通の回転軸を有する、第2のアームを設けることと、
前記第1のアームおよび前記第2のアームのそれぞれの延伸が、それぞれの前記第1のアームおよび前記第2のアームの対応する3つのアームリンクのみによる伝達を介して、前記第1および第2のアームに結合される駆動セクションの同軸駆動スピンドルによって完全に行われるように、前記同軸駆動スピンドルにより、それぞれの径方向の軸に沿って前記第1および第2のアームの両方を延伸させ、それぞれの径方向の軸に沿った前記第1および第2のアームの延伸および後退が結合され、前記第1および第2のアームのそれぞれのエンドエフェクタが、共通の移送面に沿って実質的に一致して移動するように、前記第1および第2のアームに結合される駆動セクションの同軸駆動スピンドルにより、それぞれの径方向の軸に沿って前記第1および第2のアームの両方を延伸させ、前記同軸駆動スピンドルにより、前記共通の回転軸を中心に前記第1および第2のアームの両方を回転させることと
を含み、
前記駆動セクションが、前記同軸駆動スピンドルを形成する、同軸に配置された2自由度を有する、
方法。
【請求項10】
前記同軸駆動スピンドルが、前記共通の回転軸と実質的に一致して位置付けられる、請求項9記載の方法。
【請求項11】
前記第1および第2のアームの延伸および後退は、前記第1および第2のアームの一方が延伸すると、前記第1および第2のアームの他方が後退するように、相互の延伸および後退である、請求項9記載の方法。
【請求項12】
それぞれのエンドエフェクタにより、少なくとも1つの基板を保持すること
をさらに含み、
前記第1および第2のアームのエンドエフェクタが、前記共通の移送面に一致して位置付けられる、
請求項9記載の方法。
【請求項13】
前記エンドエフェクタのそれぞれは、前記エンドエフェクタの間の角度が、各アームによりアクセス可能な、放射状に隣接する基板保持ステーションの間の調節可能な角度と実質的に一致するように、それぞれのアームに取り付けられる、請求項9記載の方法。
【請求項14】
前記エンドエフェクタの間の角度が、調節可能な角度である、請求項13記載の方法。
【請求項15】
少なくとも前記駆動セクションに接続される制御装置により、前記制御装置に接続される少なくとも1つのセンサから、基板検知信号を取得することと、
前記第1および第2のアームのうちの少なくとも1つのエンドエフェクタの位置にオフセットを適用することであって、前記オフセットが、少なくとも基板搬送装置の熱膨張に応じて計算される、オフセットを適用することと
をさらに含む請求項9記載の方法。
【請求項16】
前記第1および第2のアームのそれぞれの上側アームが、前記駆動セクションに前記共通の回転軸で接続され、前記第1および第2のアームのそれぞれの前アームが、それぞれの上側アームにエルボ軸で接続され、前記第1および第2のアームのそれぞれのエンドエフェクタが、それぞれの前アームにリスト軸で接続される、請求項9記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2011年3月11日に出願された米国仮特許出願第61/451,912号の非仮特許出願であって、「DUAL ARM ROBOT」と題され2011年11月10日に出願された米国特許出願第13/293,717号に関連し、この出願の開示内容は、その全体を参照することによって本明細書に含まれている。
【0002】
開示される実施形態の態様は、基板処理ツールに関し、より詳細には、基板搬送装置に関する。
【背景技術】
【0003】
一般に、基板処理システムでは、複数のアームを備える移送ロボットのアームの回転は、1つのアームが回転すると別の1つまたは複数のアームも回転するように、互いに対して関連付けられる。移送ロボットのエンドエフェクタは、一般に異なる面に位置しているので、保持位置への、および保持位置からの基板の迅速な交換(例えば、1つの基板が保持ステーションから取り除かれると、別の基板が実質的に同時にその保持ステーションに配置されるように、一方のエンドエフェクタが他方のエンドエフェクタの上/下を迅速に通る)は、一般に、移送ロボットのZ軸機能または保持ステーションのいずれかを用いて起こる。
【発明の概要】
【0004】
各アームが独立した動作を行えるように、基板移送ロボットのアームの回転を切り離すことが有利であるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0005】
開示される実施形態の上記の態様および他の特徴は、添付の図面と関連して以下の記載で説明される。
【0006】
図1】開示される実施形態の一態様による、基板処理装置の透視図である。
図2】開示される実施形態の一態様による基板搬送装置を示す図である。
図2A】開示される実施形態の一態様による基板搬送装置を示す図である。
図2B】開示される実施形態の一態様による基板搬送装置を示す図である。
図2C】開示される実施形態の一態様による基板搬送装置を示す図である。
図2D】開示される実施形態の一態様による基板搬送装置を示す図である。
図2E】開示される実施形態の一態様による基板搬送装置を示す図である。
図2F】開示される実施形態の一態様による基板搬送装置を示す図である。
図2G】開示される実施形態の一態様による基板搬送装置を示す図である。
図2H】開示される実施形態の一態様による基板搬送装置を示す図である。
図2I】開示される実施形態の一態様による基板搬送装置を示す図である。
図2J】開示される実施形態の一態様による基板搬送装置を示す図である。
図2K】開示される実施形態の態様による、エンドエフェクタの回転を示すグラフである。
図2L】開示される実施形態の態様による、エンドエフェクタの回転を示すグラフである。
図2M】開示される実施形態の一態様による、エンドエフェクタの回転を示す図である。
図2N】開示される実施形態の一態様による、エンドエフェクタの回転を示す図である。
図2O】開示される実施形態の一態様による、エンドエフェクタの回転を示す図である。
図2P】開示される実施形態の態様によるエンドエフェクタを示す図である。
図2Q】開示される実施形態の態様によるエンドエフェクタを示す図である。
図3】開示される実施形態の態様による基板搬送装置の、駆動セクションおよびアームの概略図である。
図3A】開示される実施形態の態様による基板搬送装置の、駆動セクションおよびアームの概略図である。
図3B】開示される実施形態の態様による基板搬送装置の、駆動セクションおよびアームの概略図である。
図3C】開示される実施形態の一態様による、基板搬送装置の駆動セクションを示す図である。
図3D】開示される実施形態の一態様による、基板搬送装置の駆動セクションを示す図である。
図3E】開示される実施形態の一態様による、基板搬送装置の駆動セクションを示す図である。
図3F】開示される実施形態の一態様による、基板搬送装置の駆動セクションを示す図である。
図3G】開示される実施形態の一態様による、基板搬送装置の駆動セクションを示す図である。
図3H】開示される実施形態の一態様による、基板搬送装置の駆動セクションを示す図である。
図4】開示される実施形態の一態様による、基板搬送装置の例示的な動作を示す図である。
図4A】開示される実施形態の一態様による、基板搬送装置の例示的な動作を示す図である。
図4B】開示される実施形態の一態様による、基板搬送装置の例示的な動作を示す図である。
図4C】開示される実施形態の一態様による、基板搬送装置の例示的な動作を示す図である。
図4D】開示される実施形態の一態様による、基板搬送装置の例示的な動作を示す図である。
図4E】開示される実施形態の一態様による、基板搬送装置の例示的な動作を示す図である。
図4F】開示される実施形態の一態様による、基板搬送装置の例示的な動作を示す図である。
図4G】開示される実施形態の一態様による、基板搬送装置の例示的な動作を示す図である。
図4H】開示される実施形態の一態様による、搬送チャンバの側面図である。
図4I】開示される実施形態の態様による、搬送装置の例示的な動作を示す図である。
図4J】開示される実施形態の態様による、搬送装置の例示的な動作を示す図である。
図4K】開示される実施形態の態様による、搬送装置の例示的な動作を示す図である。
図4L】開示される実施形態の態様による、搬送装置の例示的な動作を示す図である。
図4M】開示される実施形態の態様による、搬送装置の例示的な動作を示す図である。
図4N】開示される実施形態の態様による、搬送装置の例示的な動作を示す図である。
図4O】開示される実施形態の態様による、搬送装置の例示的な動作を示す図である。
図5A】開示される実施形態の一態様による基板搬送装置を示す図である。
図5B】開示される実施形態の一態様による基板搬送装置を示す図である。
図5C】開示される実施形態の一態様による基板搬送装置を示す図である。
図5D】開示される実施形態の一態様による基板搬送装置を示す図である。
図5E】開示される実施形態の一態様による基板搬送装置を示す図である。
図5F図5C~5Eの搬送装置の、例示的な動作を示す図である。
図5G図5C~5Eの搬送装置の、例示的な動作を示す図である。
図6】開示される実施形態の一態様による、基板搬送装置の駆動セクションを示す図である。
図7】開示される実施形態の一態様による、例示的な搬送アームの処理モジュール内への延伸を概略的に示す図である。
図8】開示される実施形態の一態様による、搬送チャンバの概略図である。
図9A】開示される実施形態の一態様による、搬送チャンバの概略図である。
図9B】開示される実施形態の一態様による、搬送チャンバの概略図である。
図10】開示される実施形態の一態様による、搬送チャンバの概略図である。
図11】開示される実施形態の一態様によるセンサシステムを示す図である。
図12】開示される実施形態の一態様による基板搬送装置を示す図である。
図13】開示される実施形態の一態様による基板処理システムの概略図である。
図14】開示される実施形態の一態様による、図13の基板搬送装置の概略図である。
図14A】開示される実施形態の一態様による、図13の基板搬送装置の概略図である。
図14B】開示される実施形態の一態様による、図13の基板搬送装置の概略図である。
図14C】開示される実施形態の態様による、基板搬送装置の駆動システムの概略図である。
図14D】開示される実施形態の態様による、基板搬送装置の駆動システムの概略図である。
図15A】開示される実施形態の一態様による図13の基板搬送装置の、アームの延伸および後退の経路を示す図である。
図15B】開示される実施形態の一態様による図13の基板搬送装置の、アームの延伸および後退の経路を示す図である。
図16A】開示される実施形態の一態様による、基板搬送装置の一部を概略的に示す図である。
図16B】開示される実施形態の一態様による、基板搬送装置の一部を概略的に示す図である。
図16C】開示される実施形態の一態様による、基板搬送装置の一部を概略的に示す図である。
図16D】開示される実施形態の一態様による、基板搬送装置の一部を概略的に示す図である。
図16E】開示される実施形態の一態様による、基板搬送装置の一部を概略的に示す図である。
図16F】開示される実施形態の一態様による、基板搬送装置の一部を概略的に示す図である。
図16G】開示される実施形態の一態様による、基板搬送装置の一部を概略的に示す図である。
図17A】開示される実施形態の一態様による、基板搬送装置の一部を概略的に示す図である。
図17B】開示される実施形態の一態様による、基板搬送装置の一部を概略的に示す図である。
図17C】開示される実施形態の一態様による、基板搬送装置の一部を概略的に示す図である。
図18】開示される実施形態の一態様による、基板処理システムの概略図である。
図19A】開示される実施形態の一態様による基板搬送装置の概略図である。
図19B】開示される実施形態の一態様による基板搬送装置の概略図である。
図19C】開示される実施形態の一態様による基板搬送装置の概略図である。
図19D】開示される実施形態の一態様による基板搬送装置の概略図である。
図19E】開示される実施形態の一態様による基板搬送装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1は、開示される実施形態の特徴を含む、基板処理装置100の透視図を示し、基板215が図示されている。開示される実施形態は図面を参照して説明されるが、開示される実施形態は、多くの代替的な形態を有し得るということを理解されたい。さらに、あらゆる適切な大きさ、種類のエレメントまたは材料を用いることができる。
【0008】
本明細書に記載される、開示される実施形態の態様のために、基板215は、例えば、200mm、300mm、450mmまたは任意の他の所望の直径の基板などの半導体ウェハ、基板処理装置100による処理に適した任意の他の種類の基板、ブランク基板、または、一定の寸法や特定の質量など基板と同様の性質を有する物であってもよい。基板処理装置100は、代表的な基板処理ツールであり、一般的なバッチ処理ツールの構成を有するものとして示されている。代替的な実施形態において、基板装置は、分類装置、保管装置、計量ツールなどの、任意の所望の種類のものであってもよい。この実施形態において、装置100は一般に、例えば小環境(mini-environment)を形成する大気中のセクション105と、隣接する、例えば真空チャンバとして機能することができる大気と隔離されまたはシールされた(例えば、外部の大気からシールされた)セクション(例えば、大気からシールされたセクション)110とを有する。代替的な実施形態において、大気からシールされたセクション110は、不活性ガス(例えば、N2)または他の任意の隔離された雰囲気を保持してもよい。
【0009】
開示される実施形態の一態様において、大気中のセクション105は、典型的には、1つまたは2つ以上の基板保持カセット115と、大気中のロボット120とを有する。大気中のロボット120は、任意の適切なロボットであり得る。例示のみを目的とするが、大気中のロボットは、以下に記載する移送ロボット130、530と実質的に同じであってもよい。大気中のロボット120は、大気中のセクション105内の任意の場所に基板を搬送するように適合されてもよい。例えば、大気中のロボット120は、基板保持カセット115、ロードロック135、およびロードロック140の間で、基板を搬送できる。また、大気中のロボット120は、大気中のセクション105内に位置付けられた、アライナ(aligner)162へ、およびアライナ162から、基板215を搬送し得る。
【0010】
大気中からシールされたセクション110は、1つまたは2つ以上の処理モジュールPM1~PM6(本明細書においては、一般に、処理モジュール125という)と、真空中のロボット130とを有する。処理モジュール125は、材料の蒸着、エッチング、焼成、研磨、イオン注入洗浄などを行う種類のものであり得る。理解されるように、ロボットの基準系などの、所望の基準系に対する、各処理モジュール125の位置は、制御装置170により登録され得る。開示される実施形態の一態様において、処理モジュールの1つまたは2つ以上は、基板処理装置100内の基板に対して、他の処理モジュールにより行われる他の処理動作とは異なる処理動作を行ってもよい。処理モジュール125のそれぞれに関連付けられる動作も、制御装置170により登録され得る。代替的な実施形態において、処理モジュールは、同一の処理動作を行ってもよい。大気中からシールされたセクション110も、ロードロック135、140と称される1つまたは2つ以上の中間チャンバを有し得る。図1に示される実施形態は2つのロードロックを有しているが、別の態様において、大気中からシールされたセクション110は、任意の適切な数のロードロックを有し得る。ロードロック135および140は、インタフェースとして動作し、真空または大気中からシールされたセクション110内に真空または他のシールされた領域の完全性を破ることなく、大気中のセクション105と大気中からシールされたセクション110との間に、基板を通らせる。開示される実施形態の一態様によれば、処理モジュールおよび/またはロードロックは、共通の基板搬送面(例えば、モジュールへの、およびモジュールからの、基板の搬送路は、同一平面上にあってもよい)上に配置され得る。
【0011】
基板処理装置100は、一般に、基板処理装置100の動作を制御する制御装置170を含む。制御装置170は、プロセッサ173とメモリ178とを有する。メモリ178は、本明細書に記載される基板処理装置100およびその構成要素の動作をもたらすための、コンピュータが読み取り可能なコードを含んでいてもよい。例えば、メモリ178は、処理モジュール、および装置のセクション105、110の他の部分またはステーションの、温度および/または圧力、処理されている1つまたは2つ以上の基板215の一時的な情報、ならびに基板のための計量情報などの、処理パラメータをさらに含んでいてもよい。開示される実施形態の一態様において、制御装置170は、「SCALABLE MOTION CONTROL SYSTEM」と題され2005年7月11日に出願された米国特許出願第11/178,615号に記載されるような、クラスタ化アーキテクチャを有していてもよく、この出願の開示内容は、その全体を参照することによって本明細書に含まれている。別の態様において、制御装置は任意の適切な制御アーキテクチャを有していてもよい。
【0012】
また図2を参照すると、開示される実施形態の一態様において、移送ロボット130(大気中のロボット120と実質的に同様のものであってもよい)は、駆動セクション150および1つまたは2つ以上のアーム155A、155Bを含み得る。このアーム155A、155Bは、例えば、以下に記載されるような3軸駆動または4軸駆動のシステムを有する、駆動セクション150に取り付けられ得る。例えば、図中、3リンクSCARAアームとして示されているアーム155A、155Bは、駆動セクション150に同軸に結合されてもよいし、独立したシータ運動(例えば、4軸駆動を用いる)、または実質的に延伸または後退を伴わない、ロボットアームのショルダ軸SXの周りでのユニットとしての回転である、結合したシータ運動(例えば、3軸駆動を用いる)を可能にするために、互いに対して上下に垂直に積み重ねられてもよい。各アームは、一組のモータによって駆動され、任意の適切な駆動プーリの配置を有し得る。一態様において、各アームのショルダプーリ、エルボプーリおよびリストプーリの直径の比率は、非限定的な例示を目的とすると、1:1:2の比率または2:1:2の比率であってもよい。例えば、1:1:2の比率を用いて各アームを延伸するためには、一組のモータの各モータが、反対方向に実質的に同等に回転する。例えば、2:1:2の比率を用いて各アームを延伸するためには、ショルダプーリが実質的に固定されて保持され(例えば、実質的に回転しない)、上側アームに結合されるモータが、アームを回転するために回転する。シータ運動は、モータを、実質的に同一速度で同一方向に回転することによって制御される。エンドエフェクタが同一面にある場合には、本明細書に記載されるように、互いに対する各アームのシータ運動は制限されるが、アームが一緒に動かされる場合、アームがシータにおいて無限に動くことができる。理解されるように、エンドエフェクタが同一平面上にない場合には、以下に記載されるように、各アームは、4軸駆動を用いるときなど、各アームが別のアームから独立して駆動されるときにシータにおいて無限に動くことができる。
【0013】
それぞれのアーム155A、155Bの、上側アーム155UA、155UBおよび前アーム155FA、155FBは、実質的に同じ長さであってもよいし、同じ長さでなくてもよい。例えば、上側アーム155UA、155UBが前アーム155FA、155FBより長くてもよく、逆の場合も同様である。アームの長さが異なる場合の一例は、「UNEQUAL LINK SCARA ARM」と題され2005年7月11日に出願された米国特許出願第11/179,762号に記載されており、この出願の開示内容はその全体を参照することによって本明細書に含まれている。
【0014】
非限定的な一例として、図2を参照すると(図4も参照のこと)、実質的に同じ長さのアームセクションに関して、ショルダ軸SXと、エルボ軸EXA、EXBのそれぞれとの間の距離L1は、エルボ軸EXA、EXBのそれぞれと、リスト軸WXA、WXBのそれぞれとの間の距離L2と実質的に同じである。一例として、長さが異なるアームセクションに関して(図2A参照)、ショルダ軸SXと、エルボ軸EXA、EXBのそれぞれとの間の距離L1は、エルボ軸EXA、EXBのそれぞれと、リスト軸WXA、WXBのそれぞれとの間の距離L2’よりも大きくてもよいし、小さくてもよい(図2Aにおいては、距離L2’の方が長い)。理解されるように、前アームセクションの長さがそれぞれの上側アームセクションの長さよりも大きい場合、リスト軸WXA、WXBは、前アームと上側アームが実質的に同じ長さである場合よりも非常に多く後退できる。例えば、エンドエフェクタ155EA、155EBがここに記載されるように実質的に同一面上にある場合、旋回半径の直径は、基板の直径、および、例えばアームのエルボの代わりに、リストによって制限されるおそれがある。旋回半径を最小にするために、アームの後退位置が最小限にされるので、ウェハの中心は、ロボットの後退位置での回転SXのロボットの中心に可能な限り近づく。例えば、前アームの長さL2、L2’を、上側アームL1の長さよりも大きくすることにより、実質的に同一平面にある各リストを、前アームと上側アームの長さが実質的に等しいアームと比べて、より一層後退できる。
【0015】
開示される実施形態の一態様(実質的に等しい長さまたは異なる長さのアームリンクを伴う)では、基板の中心が、後退位置から放射状に配置されるステーション(例えば、ロボットのショルダ軸SXに対して放射状に配置される)への放射状経路として機能できる。放射状経路に沿った基板の回転量は、例えば、エルボプーリ383、389(図3A)とそれぞれのリストプーリ384、399(図3A)との間の適切な「ギヤ」比を通して、経路に沿って最小限にされ得ることに留意する。適切なプーリ比を用いることにより、基板の回転は、エンドエフェクタの経路が終了するステーションでは実質的になくされ得る。一例として長さの異なる上側アームおよび前アームを用い、図2Kを参照すると、基板の中心の周りでのエンドエフェクタの回転量(例えば、ウェハ回転)は、例えば、2:1のエルボ/リストプーリ比で示されている。また図2Lを参照すると、基板の中心の周りでのエンドエフェクタの回転量は、例えば、1.7:1のエルボ/リストプーリ比で示されている。図2M~2Oは、ウェハが例えば、最大値である2.5度回転するように、例えば1.7:1のエルボ/リスト比を用いる、完全に後退した位置と完全に延伸した位置との間のアーム155Aの延伸を示す。上記のプーリの直径比は単に例示的なものであることに留意し、プーリは任意の適切な直径比を有し得ることを理解されたい。また、延伸中の基板の回転は、上記の方法と実質的に同じ方法で、実質的に同じ長さを有する上側アームおよび前アームについて最小限にされ得ることにも留意する。
【0016】
エンドエフェクタは、1つまたは2つ以上の基板215を保持するために、任意の適切な方法で構成され得る。例えば、エンドエフェクタ155EA、155EBは、単一の基板を保持するために単一のブレードを有するものとして示されているが、エンドエフェクタは、複数の基板を保持するために複数のブレードを有し得るということを理解されたい。一例として、エンドエフェクタ155EH(図2P)は、隣り合う複数の基板を保持するために水平に並置された任意の適切な数の基板保持ブレードBH1、BH2を有してもよく、エンドエフェクタ155EV(図2Q)は、上下になった複数の基板を保持するために垂直に重ねられて配置された任意の適切な数の基板保持ブレードBV1、BV2を有してもよい。一態様において、エンドエフェクタ155EA、155EBは、エッジを把持するエンドエフェクタ、真空把持するエンドエフェクタ、能動把持するエンドエフェクタまたは受動把持するエンドエフェクタであってもよい。開示される実施形態の一態様において、エンドエフェクタは上側アーム155UA、155UBおよび前アーム155FA、155FBのそれぞれに結合され得るので、エンドエフェクタは所定の角度関係を有する。例えば、図2B~2Fを参照して、エンドエフェクタ間の角度θは、任意の適切な角度でよい。一態様においてこのエンドエフェクタ155EA、155EB間の角度θは、例えばクラスターツール100’の処理モジュールPM25、PM26などの、放射状に配置された処理モジュール間の角度θ’と実質的に同じであってもよい。例示のみを目的として、角度θおよび/または角度θ’は、約60度であってもよいが、他の態様において、角度は60度を超えてもよいし60度未満でもよい。理解されるように、アーム155A、155Bは、少なくともアームが隣接する処理モジュールにアクセスするように配置される場合には、両方のアーム155A、155Bが後退するとき(図2Cおよび図2E)、両方のアーム155A、155Bが延伸するとき(図2D)、および一方のアーム155Bが後退し他方のアーム155Aが延伸するとき(図2B)に、エンドエフェクタ155EA、155EB間の角度θが維持されるように構成され得る。理解されるように、各アームがショルダ軸SXの周りを独立して回転できる場合、エンドエフェクタの角度は、隣接していない処理モジュール(例えば、隣接していない処理モジュールは他の処理モジュールによって分離される)それぞれの対応する角度と一致していてもよく、エンドエフェクタはその中に延伸する。図2G~2Jは、処理ツール100’の処理モジュールPM21~PM26間の角度θ’と実質的に同じである所定角度θを有するエンドエフェクタ155EA、155EBを有するアーム155A、155Bの延伸を示す。図2Gは、両方のアーム155A、155Bが後退した状態を示す。図2Hは、両方のアーム155A、155Bが処理モジュールPM26、PM25内にそれぞれ延伸した状態を示す。図2Iは、アーム155Bが処理モジュールPM25内に延伸し、アーム155Aが後退した状態を示す。図2Jは、アーム155Aが処理モジュールPM26内に延伸し、アーム155Bが後退した状態を示す。
【0017】
駆動セクション150は、例えば、制御装置170から命令を受け取り、それに応じて、アーム155A、155Bの径方向動作、円周方向動作、複合動作および他の動作を導く。アーム155A、155Bは、任意の適切な方法で駆動セクション150上に取り付けられ得る。アーム155A、155Bのそれぞれは、ショルダジョイント軸SXで駆動セクションに回転可能に取り付けられる上側アームセクション155UA、155UBと、エルボ軸EXA、EXBで上側アームセクション155UA、155UBに回転可能に取り付けられる前アームセクション155FA、155FBと、リスト軸WXA、WXBで前アームセクション155FA、155FBに回転可能に取り付けられるエンドエフェクタ155EA、155EBとを含み得る。
【0018】
開示される実施形態の一態様において、移送ロボット130は、大気中からシールされたセクション110の中央チャンバ175内に取り付けられ得る(図1参照)。制御装置170は、処理モジュール125、ロードロック135およびロードロック140の間で基板を搬送するために、開口部180、185を循環させ、移送ロボットの動作を調整するために動作し得る。移送ロボット120、130はSCARAタイプのロボットアームを有するものとして図示および説明されているが、移送ロボットは、連設型のアームロボット、フロッグレッグ型の装置、または左右対称の搬送装置などの、任意の適切なアーム構成を含んでいてもよいことを理解されたい。
【0019】
次に図3を参照すると、開示される実施形態の一態様にしたがって、例示的な駆動セクション150が示される。一態様において駆動部は同軸駆動配置を有し得るが、他の態様において、駆動セクションは任意の適切な駆動配置を有し得る。駆動セクションの配置の適切な例は、米国特許第6485250号、米国特許第5720590号、米国特許第5899658号、米国特許第5813823号に記載され、これら出願の開示内容はその全体を参照することにより本明細書に含まれている。駆動システムの配置の他の適切な例には、「ROBOT DRIVE WITH MAGNETIC SPINDLE BEARINGS」と題され、2008年6月27日に出願された米国特許出願第12/163,996号に記載されるものも含まれ、この出願の開示内容はその全体を参照することによって本明細書に含まれる。この態様において、駆動セクション150は、4つの駆動シャフト301~304および4つのモータ342、344、346、348(例えば、4自由度のモータ)を有する4つの同軸駆動シャフトのアセンブリ300を、少なくとも部分的に収容するハウジング310を含む。実施形態の別の態様において、駆動セクション150は、例えば、2つもしくは3つの同軸モータ、または5つ以上の同軸モータ、および関連する駆動シャフトなど、任意の適切な数の駆動シャフトおよびモータを有していてもよい。第1モータ342は、固定子342Sと、外側シャフト304に接続されるロータ342Rとを含む。第2モータ344は、固定子344Sと、シャフト303に接続されるロータ344Rとを含む。第3モータ346は、固定子346Sと、シャフト302に接続されるロータ346Rとを含む。第4モータ348は、固定子348Sと、第4または内側シャフト301に接続されるロータ348Rとを含む。4つの固定子342S、344S、346S、348Sは、ハウジング内の異なる垂直高さまたは位置でハウジング310に固定されて取り付けられる。各固定子342S、344S、346S、348Sは、一般に、電磁石コイルを備える。ロータ342R、344R、346R、348Rのそれぞれは、一般に永久磁石を備えるが、代替的には、永久磁石を有さない磁気誘導ロータを備えていてもよい。移送ロボット130が、非限定的な例示のみを目的として、真空環境などのシールされた環境で用いられる場合、スリーブ362は、ロータ342R、344R、346R、348Rと、固定子342S、344S、346S、348Sとの間に置かれ得るので、同軸駆動シャフトアセンブリ300はシールされた環境に置かれ、固定子はシールされた環境の外部に置かれる。移送ロボット130が、基板処理装置100の大気中セクション105(図1)内など、大気中環境での使用のみを意図されている場合には、スリーブ362を設ける必要がないことを理解されたい。
【0020】
第4または内側シャフト301は、底部または第4の固定子348Sから延伸し、固定子348Sと実質的に位置揃えされるロータ348Rを含む。シャフト302は、第3の固定子346Sから延伸し、固定子346Sと実質的に位置揃えされるロータ346Rを含む。シャフト303は、第2の固定子344Sから延伸し、固定子344Sと実質的に位置揃えされるロータ344Rを含む。シャフト304は、上部または第1の固定子342Sから延伸し、固定子342Sと実質的に位置揃えされるロータ342Rを含む。各シャフト301~304がそれぞれに対して、およびハウジング310に対して独立して回転できるように、シャフト301~304およびハウジング310の周りには、様々な軸受350~353が設けられる。各シャフトには位置センサ371~374が設けられてもよいことに留意する。位置センサ371~374は、各シャフト301~304の、それぞれに対する、および/またはハウジング310に対する回転位置に関して、制御装置170などの任意の適切な制御装置に信号を与えるために用いられてもよい。センサ371~374は、任意の適切なセンサでよく、非制限的な例示目的で、光学センサまたは誘導センサを挙げる。
【0021】
また、図2、3Aおよび3Bを参照すると、上述のように、移送ロボット130は2つのアーム155A、155Bを含む。開示される実施形態の一態様に関して、本明細書に記載される移送ロボットの2つ(または3つ以上)のアームは、基板の実質的に同時の取り出しおよび配置(例えば、基板の取り出しおよび配置のために、両方のアームが実質的に同時に延伸および後退する)、または基板のほぼ同時の取り出しおよび配置(例えば、第1アームが基板を取り出しまたは配置を行い、第1アームによる取り出しまたは配置のすぐ後に、第2アームが取り出しまたは配置を行う)を可能にし得る。開示される実施形態の一態様において、アーム155Aの上側アーム155UAが中心の回転軸(例えば、ショルダ軸SX)上でシャフト304に固定して取り付けられ、上側アーム155UAは、外側のシャフト304と共に回転する。プーリ380は、シャフト303に固定して取り付けられる。上側アーム155UAは、ポスト381と、ポスト381に回転可能に取り付けられるプーリ382とを含む。ポスト381は上側アーム155UAの内面に固定して取り付けられる。第1の伝送部材のセット390は、プーリ380とプーリ382との間に延伸する。プーリ380、382を結合するために、例えば、ベルト、バンドまたはチェーンなどの、任意の適切な伝送部材が用いられ得ることが理解されるべきである。また、プーリ380、382を結合する2つの伝送部材が図示されているが、プーリ380、382を結合するために任意の適切な数の伝送部材(例えば、3つ以上または2つ未満)が用いられ得ることも理解されるべきである。シャフト382Sはプーリ382に固定して結合されるので、シャフト382Sは、エルボ軸EXAの周りをプーリと共に回転する。シャフト382Sは、任意の適切な方法で、ポスト381上で回転可能に支持され得る。前アーム155FAはシャフト382Sに固定して取り付けられるので、前アーム155FAは、エルボ軸EXAの周りをシャフト382Sと共に回転する。前アーム155FAは、ポスト381の上端で回転可能に支持されるプーリ383を含む。また前アーム155FAは、ポスト385と、ポスト385に回転可能に取り付けられるプーリ384とを含む。第2の伝送部材のセット391(伝送部材390と実質的に同じ)は、プーリ383とプーリ384との間に延伸し、それらを結合する。エンドエフェクタ155EAはプーリ384に固定して取り付けられるので、プーリ384およびエンドエフェクタ155EAは、リスト軸WXAの周りで回転する。理解されるように、上側アーム155UAおよび前アーム155FAは、シャフト304、303のそれぞれによって独立して駆動(例えば、回転)され、エンドエフェクタ155EAの回転が従動した状態で、アーム155Aの独立した回転T1および延伸R1を可能にするので、アームがR1に沿って延伸および後退する間、エンドエフェクタの縦方向の軸は、延伸および後退R1の軸と実質的に位置合わせされたままである。実施形態の別の態様において、駆動セクション150は、エンドエフェクタ155EAもリスト軸WXAの周りで独立して回転できるように、付加的なモータおよび駆動シャフトを含んでいてもよい。
【0022】
アーム155Bの上側アーム155UBは、上側アーム155UBが中心の回転軸(例えば、ショルダ軸SX)上でシャフト301と共に回転するように、内側シャフト301に固定して取り付けられる。プーリ386は、シャフト302に固定して取り付けられる。上側アーム155UBは、ポスト388と、ポスト388に回転可能に取り付けられるプーリ387とを含む。ポスト388は上側アーム155UBの内面に固定して取り付けられる。第1の伝送部材のセット392(伝送部材390と実質的に同じ)は、プーリ386とプーリ387との間に延伸する。シャフト387Sはプーリ387に固定して結合されるので、シャフト387Sは、エルボ軸EXBの周りをプーリと共に回転する。シャフト387Sは、任意の適切な方法で、ポスト388上で回転可能に支持され得る。前アーム155FBはシャフト387Sに固定して取り付けられるので、前アーム155FBは、エルボ軸EXAの周りをシャフト387Sと共に回転する。前アーム155FBは、ポスト388の上端で回転可能に支持されるプーリ389を含む。また前アーム155FBは、ポスト398と、ポスト398に回転可能に取り付けられるプーリ399とを含む。第2の伝送部材のセット393(伝送部材390と実質的に同じ)は、プーリ389とプーリ399との間に延伸し、それらを結合する。エンドエフェクタ155EBはプーリ399に固定して取り付けられるので、プーリ399およびエンドエフェクタ155EBは、リスト軸WXBの周りで回転する。理解されるように、上側アーム155UBおよび前アーム155FBは、シャフト302、301のそれぞれによって独立して駆動(例えば、回転)され、エンドエフェクタ155EBの回転が従動した状態で、アーム155Bの独立した回転T2および延伸R2を可能にするので、アームがR2に沿って延伸および後退する間、エンドエフェクタの縦方向の軸は、延伸および後退R2の軸と実質的に位置合わせされたままである。代替的な実施形態において、駆動セクション150は、エンドエフェクタ155EBもリスト軸WXBの周りで独立して回転できるように、付加的なモータおよび駆動シャフトを含んでいてもよい。
【0023】
別の態様において、図12を参照すると、各リスト軸WXA、WXBの周りでのエンドエフェクタの回転は、リンク155LFA、155LUA、155LFB、155LUBなどを通して、任意の適切な方法で、延伸および後退中の各上側アームおよび前アームの1つまたは2つ以上に従動し得る(例えば、独立して駆動されていない)。例えば、アーム155Aを参照すると、エンドエフェクタ155EA、前アーム155FAおよび上側アーム155UAのそれぞれは、延伸部または結合部EEXT、FEXT、UEXTをそれぞれ有する。延伸部EEXT、FEXT、UEXTは、リンク155LFA、155LUA、155LFB、155LUBのそれぞれを、エンドエフェクタ155EA、前アーム155FAおよび上側アーム155UAのそれぞれに結合するように構成されている。この態様において、リンク155LUAの第1の端部は上側アーム155UAの延伸部UEXTに結合され、リンク155LUAの第2の端部は前アーム155FAの延伸部FEXTに結合されるので、リンクLUAは、アーム155Aの延伸および後退中は上側アーム155UAと略平行である。また、リンク155LFAの第1の端部は前アーム155FAの延伸部FEXTに結合され、リンク155LFAの第2の端部はエンドエフェクタ155EAの延伸部EEXTに結合されるので、リンク155LFAは、アーム155Aの延伸および後退中は前アーム155FAと略平行である。理解されるように、上側アーム155UAおよび前アーム155FAが延伸および後退のために回転すると、リンク155LUA、155LFAは、エンドエフェクタを所定の向きに(この態様においては、ライン1200に沿って)維持する。アーム155B’は、エンドエフェクタ155EBが延伸および後退の間、ライン1201に沿って維持されるように、アーム155A’のための延伸部およびリンクと同様の、延伸部または結合部EEXT、FEXT、UEXTおよびリンク155LFB、155LUBを含むことに留意する。さらに、リンク155LFA、155LUA、155LFB、155LUBは、開示される実施形態の態様にしたがって本明細書に記載されるどのロボットアーム構成にも適用され得ることにも留意する。
【0024】
再び図1、2、3Aおよび3Bを参照すると、この態様においてシャフト382S、387Sは、エンドエフェクタ155EA、155EBの搬送面TPが同一平面上にあるように、適切な大きさにされる。同一平面上のエンドエフェクタ155EA、155EBの搬送面により、実質的にアーム155A、155BのZ方向または垂直方向の移動なしに、処理モジュール125、ロードロック135、140およびカセット115などの基板保持ステーションへ、および基板保持ステーションからの、基板の搬送が可能となる。ゆえに、アームによる、搬送チャンバの周囲の異なる位置および向きにある2つ以上のモジュールまたはロードロックへの、実質的に同時の移送がもたらされ得る。代替的な実施形態において、駆動セクション150は、アームのZ方向の移動を可能にするために、Z方向の移動モータを含んでいてもよい。理解されるように、Z方向の動作は、ロボットが扱う処理モジュールおよび/またはロードロックに組み込まれ得るので、基板は、エンドエフェクタから持ち上げられ、またはエンドエフェクタ上に配置され得る(例えば、エンドエフェクタへ、およびエンドエフェクタから移送される)。
【0025】
また図3C~3Hを参照すると、開示される実施形態の一態様による、別の駆動システム1300が示される。ここで駆動システム1300は、オフセットのモータ配置1301により駆動される同軸のスピンドル配置1310を含む。理解されるように、モータ配置1301は、各駆動軸に対して物理的に分離したモータを含む任意の適切なモータでもよいし(例えば、モータは互いに対して垂直に、および/または水平に離間されている)、モータは、図3に関して上述したモータ配置と実質的に同様のものでもよい。この態様において、モータ配置1301は、処理装置100の大気領域またはモータハウジング1300H内に設けられ得る一方で、駆動シャフト1311~1314の、ロボットアームセクションを駆動する部分は、処理装置100の、シールされたおよび/またはコントロールされた環境に設けられる。モータ配置中の各モータは、ベルト、ケーブル、ギヤまたは任意の他の適切な伝送部材などを通して、任意の適切な方法で、それぞれの駆動プーリDP1、DP2、DP3、DP4に結合され得る。理解されるように、駆動システム1300は、図3に関して上述したZ軸モータ312と実質的に同じZ軸モータを含んでいてもよい。
【0026】
図3E~3Hから一番よくわかるように、同軸のスピンドル配置1310は、4つの駆動シャフト1311~1314を含む。理解されるように、駆動システム1300は、4つの駆動シャフト(例えば、4軸駆動)に限定されず、5つ以上または4つ未満の駆動シャフト(対応する駆動モータを伴う)を有していてもよい。最も外側の駆動シャフト1311は、駆動プーリDP1に結合される。駆動シャフト1312は、駆動プーリDP2に結合される。駆動シャフト1313は、駆動プーリDP3に結合される。最も内側の駆動シャフト1314は、駆動プーリDP4に結合される。理解されるように、駆動シャフトとそのそれぞれの駆動プーリとの間の結合は、プーリが駆動されるとそれぞれの駆動シャフトがプーリと共に駆動されるようにする。ここで駆動シャフト1311~1314は、軸受1320~1323を含む入れ子状の軸受配置によって、径方向および軸方向に支持されているが、任意の他の適切な方法で支持されてもよい。軸受1320の外側レース1320Aは、ボルトやねじなどの任意の適切な固定具を用いて、例えば、ハウジング1300Hの取り付けフランジ1300Xに固定して取り付けられる。軸受1320の内側レース1320Bは、ボルトやねじを用いるなど、任意の適切な方法でプーリDP1および駆動シャフト1311に固定され得る。また、軸受1321が軸受1320の内側レース1320Bに従属するように、軸受1321の外側レース1321Aも、軸受1320の内側レース1320Bに固定される。軸受1321の内側レース1321Bは、プーリDP2および駆動シャフト1312に固定され得る。軸受1322が軸受1321の内側レース1321Bに従属するように、軸受1322の外側レース1322Aも、軸受1321の内側レース1321Bに固定される。軸受1322の内側レース1322Bは、プーリDP3および駆動シャフト1313に固定され得る。軸受1323の外側レース1323Aは、圧入/摩擦嵌合、および/または駆動シャフト1313の底部に配置されるキャップなどを通して、任意の適切な方法で駆動シャフト1313の内部に固定され得る。軸受1323の内側レース1323Bは、任意の適切な方法で駆動シャフト1314を支持し、そこに固定して取り付けられる。プーリも軸受1323の内側レース1323Bによって支持されるように、軸受1323の内側レース1323Bも、駆動プーリDP4に固定される(直接またはシャフト1314を通して)。
【0027】
上述のように、駆動システム1300のモータハウジング1300Hは処理ツール100の大気中セクションに位置付けられてもよく、駆動シャフト1311~1314のアームセクションを駆動する部分は、処理ツール100のシールされたおよび/またはコントロールされた雰囲気部分に位置付けられてもよい。シールFS1~FS8などの適切なシールは、駆動シャフト1311~1314の間、および駆動シャフト1311とフランジ1300Xとの間に配置され得る。駆動シャフト1311~1314のそれぞれの間、およびフランジ1300Xと駆動シャフト1311との間に、2つのシールが示されているが、これらの領域には3つ以上または1つのシールが配置されていてもよいということが理解されるべきである。シールFS1~FS8は、例えば、磁性流体シール、または、ハウジング1300Hの雰囲気を処理ツール100の雰囲気からシールできる、任意の他の適切なシールであってもよい。これらシールFS1~FS8は、スナップリング、クリップまたは圧入/締まりばめなどを通して、任意の適切な方法で所定の位置に保持され得る。
【0028】
駆動システム1300の駆動シャフト1311~1314は、図3および3Aに関して上述した方法と実質的に同様の方法で、それぞれのアームセクションに結合されてもよい。例えば、図3Aも参照すると、アーム155Aの上側アーム155UAは、上側アーム155UAが中心の回転軸(例えば、ショルダ軸SX)でシャフト1311と共に回転するように、外側シャフト1311に固定して取り付けられる。プーリ380はシャフト1312に固定して取り付けられる。上側アーム155UAは、ポスト381と、ポスト381に回転可能に取り付けられるプーリ382とを含む。ポスト381は上側アーム155UAの内面に固定して取り付けられる。第1の伝送部材のセット390は、プーリ380とプーリ382との間に延伸する。プーリ380、382を結合するために、例えば、ベルト、バンドまたはチェーンなどの、任意の適切な種類の伝送部材が用いられ得ることが理解されるべきである。また、プーリ380、382を結合する2つの伝送部材が図示されているが、任意の適切な数の伝送部材(例えば、3つ以上または2つ未満)が、プーリ380、382を結合するために用いられ得ることも理解されるべきである。シャフト382Sはプーリ382に固定して結合されるので、シャフト382Sは、エルボ軸EXAの周りをプーリと共に回転する。シャフト382Sは、任意の適切な方法で、ポスト381上で回転可能に支持され得る。前アーム155FAはシャフト382Sに固定して取り付けられるので、前アーム155FAは、エルボ軸EXAの周りをシャフト382Sと共に回転する。前アーム155FAは、ポスト381の上端で回転可能に支持されるプーリ383を含む。また前アーム155FAは、ポスト385と、ポスト385に回転可能に取り付けられるプーリ384とを含む。第2の伝送部材のセット391(伝送部材390と実質的に同じ)は、プーリ383とプーリ384との間に延伸し、それらを結合する。エンドエフェクタ155EAはプーリ384に固定して取り付けられるので、プーリ384およびエンドエフェクタ155EAは、リスト軸WXAの周りで回転する。理解されるように、上側アーム155UAおよび前アーム155FAは、シャフト1311、1312のそれぞれによって独立して駆動(例えば、回転)され、エンドエフェクタ155EAの回転が従動した状態で、アーム155Aの独立した回転T1および延伸R1を可能にするので、アームがR1に沿って延伸および後退する間、エンドエフェクタの縦軸は、延伸および後退R1の軸と実質的に位置合わせされたままである。代替的な実施形態において、駆動セクション150は、エンドエフェクタ155EAもリスト軸WXAの周りで独立して回転できるように、付加的なモータおよび駆動シャフトを含んでいてもよい。
【0029】
アーム155Bの上側アーム155UBは、上側アーム155UBが中心の回転軸(例えば、ショルダ軸SX)でシャフト1314と共に回転するように、内側シャフト1314に固定して取り付けられる。プーリ386は、シャフト1313に固定して取り付けられる。上側アーム155UBは、ポスト388と、ポスト388に回転可能に取り付けられるプーリ387とを含む。ポスト388は上側アーム155UBの内面に固定して取り付けられる。第1の伝送部材のセット392(伝送部材390と実質的に同じ)は、プーリ386とプーリ387との間に延伸する。シャフト387Sはプーリ387に固定して結合されるので、シャフト387Sは、エルボ軸EXBの周りをプーリと共に回転する。シャフト387Sは、任意の適切な方法で、ポスト388上で回転可能に支持され得る。前アーム155FBはシャフト387Sに固定して取り付けられるので、前アーム155FBは、エルボ軸EXBの周りをシャフト387Sと共に回転する。前アーム155FBは、ポスト388の上端で回転可能に支持されるプーリ389を含む。また前アーム155FBは、ポスト398と、ポスト398に回転可能に取り付けられるプーリ399とを含む。第2の伝送部材のセット393(伝送部材390と実質的に同じ)は、プーリ389とプーリ399との間に延伸し、それらを結合する。エンドエフェクタ155EBはプーリ399に固定して取り付けられるので、プーリ399およびエンドエフェクタ155EBは、リスト軸WXBの周りで回転する。理解されるように、上側アーム155UBおよび前アーム155FBは、シャフト1313、1314のそれぞれによって独立して駆動(例えば、回転)され、エンドエフェクタ155EBの回転が従動した状態で、アーム155Bの独立した回転T2および延伸R2を可能にするので、アームがR2に沿って延伸および後退する間、エンドエフェクタの縦方向の軸は、延伸および後退R2の軸と実質的に位置合わせされたままである。理解されるように、駆動セクション150は、エンドエフェクタ155EBもリスト軸WXBの周りで独立して回転できるように、付加的なモータおよび駆動シャフトを含んでいてもよい。
【0030】
図4A~4Hを参照して、例えば、4軸駆動を用いる、移送ロボット130の動作アーム155Aを説明する。アーム155Bの動作は、アーム155Aについて後述する動作と実質的に同じであることが理解されるべきである。この態様において、移送ロボット130は、移送チャンバ400内に位置付けられて示されている。図4Hは、移送チャンバ400の側面図である。移送チャンバは、仕切り弁(図示せず)を用いるなど、任意の適切な方法でシールされ得る、シール可能な開口部またはポート400Pを含んでいることに留意する。ポート400Pの高さHおよび幅Wは、基板が上に載るエンドエフェクタ155EA、155EBが最小限の隙間でポートを通ることができるように、最小限にされ得る。移送チャンバ400は、上述の中央チャンバ175と実質的に同じであってもよい。移送チャンバは、処理モジュール125(PM1~PM4)が取り付けられる開口部または仕切り弁180を含む。上述のように、アーム155A、155Bの移送面TP(例えば、エンドエフェクタだけでなく前アームおよびリストも)(図3)は、同一平面上であるので、アーム155A、155Bのエンドエフェクタ155EA、155EBは、移送ロボットの両方のアーム155A、155Bのショルダ軸SXの周りでの回転なしには、同一の処理モジュールにアクセスできない。理解されるように、アーム155A、155Bのそれぞれは、移送チャンバ400に取り付けられる全ての処理モジュール(およびロードロック、図示せず)にアクセスすることができる。例えば、1つまたは2つ以上のアームの適切な回転により、各アームは、隣接する処理モジュールにアクセスでき、代替的には、離間された処理モジュールおよび約180度離れて位置付けられる処理モジュールにアクセスできる。
【0031】
図4Aに見られるように、アーム155A、155Bは、エンドエフェクタ155EA、155EBが隣接する処理モジュールPM1、PM2と位置合わせされるように配置される。アーム155Aを延伸してエンドエフェクタ155EAが処理モジュールPM2に入るように、モータ342は、シャフト303を実質的に静止させた状態で、シャフト303に対してシャフト304を回転させる。しかしながら、シャフト303は、可動なアームアセンブリ155A全体の回転の開始または終了を伴う移送処理を加速させるために、延伸および後退中にわずかに回転してもよい。シャフト303(およびプーリ380)が静止したまま、上側アーム155UAが移動した状態で、プーリ382は伝送部材390によって回転する。これにより、前アーム155FAが軸EXAの周りを回転する。プーリ383はポスト381に固定して取り付けられ、ポスト381は前アーム155FAに固定して取り付けられているので、プーリ384は、伝送部材391によって前アーム155FAに対して回転する。エンドエフェクタ155EAが、図4Aに示されるように延伸/後退の軸R1に沿って内または外にまっすぐ放射状に移動できるように、プーリ380、382、384は互いに対して大きさが調整され得る。理解されるように、アーム155Bの延伸および後退は、モータ348がシャフト302に対してシャフト301を回転させる場合と実質的に同様の方法で生じてもよい。
【0032】
アームが処理モジュールPM2から処理モジュールPM3へ動かされるようなアーム155Aの回転(T1回転)は、シャフト304、303が図4Bに示すように、実質的に同じ速度で同じ方向に、実質的に同時に回転するような、モータ342および344両方の動作を通して生じる。アーム155Aが、エンドエフェクタ155EAが処理モジュールPM3と位置合わせされるように配置されると、アームは、図4Dに示されるように、上述の方法と実質的に同様の方法で延伸および後退し得る。同様に、アームが処理モジュールPM3から処理モジュールPM4へ動かされるようにアーム155Aを回転(T1回転)させるためには、図4Eに示すように、シャフト304、303が実質的に同じ速度で同じ方向に、実質的に同時に回転するようにモータ342および344の両方を動作させる。アーム155Aが、エンドエフェクタ155EAが処理モジュールPM4と位置合わせされるように配置されると、アームは、図4Gに示されるように、上述の方法と実質的に同様の方法で延伸および後退し得る。理解されるように、例えば、図4A~4Gに示すような時計周りの方向へのアーム155Aの回転は、例えば、同一平面に位置付けられている移送面TP、前アーム155FA、155FBおよびリスト(例えば、前アームは共通の平面に位置付けられ、リストも共通の平面に位置付けられ、エンドエフェクタ/基板が共通の移送面TPに沿って位置付けられる。例えば、図3A参照)により、実質的に、エンドエフェクタがほぼ180度離されている回転点までに制限される。それゆえ、搬送アームの搬送経路R1、R2は、互いに対して曲げられ、その角度は、隣接する基板保持位置から、約180度離れた基板保持位置まで及ぶ。
【0033】
理解されるように、エンドエフェクタ155EA、155EBが実質的に同一の移送面TP(図3A)に配置される場合、状況によっては、エンドエフェクタ155EA、155EBは互いを通過することができないおそれがある(すなわち、一方のアームが他方のアームの回転を阻止する)。それゆえ、個別のアーム155A、155Bのシータ運動は、制限されるか部分的に独立し、この場合、アクセスされるべきステーションへの「障害物を取り除く」ために、アーム155A、155Bは、ユニットとしてショルダ軸SXの周りで回転しなければならない(例えば、長い処理動作)。別の態様において、アーム155A、155Bは、一方のアームが他方のアームのステーション(例えば、ロードロック、処理モジュールなど)へのアクセスを阻止することなく、180度未満の範囲で離れたステーションにアクセスするために、互いから独立して移動し得る。例えば、図4I~4Kを参照すると、処理モジュールPMおよびロードロックモジュールLLMを有する例示的な移送チャンバTCが示されている。移送チャンバは、任意の適切な数の処理モジュールおよびロードロックモジュールを伴う構成を有し得るということが理解されるべきである。図4J~4Lに見られるように、各アーム155A、155Bは、約180度未満の範囲で離れたステーションにアクセスするために、他方のアーム155A、155Bからの干渉を受けることなく、そのそれぞれのエンドエフェクタ155EA、155EBを移動することができる(例えば、短い処理動作)。約180度を超える、あらゆるアーム155A、155Bの個別の回転では、図4L~4Nに示すように一方のアーム155A、155Bが他方のアーム155A、155Bを通過しようとするが、これは、エンドエフェクタが同一平面TPに配置されている場合には不可能である。180度を超えるステーションにアクセスするためには、アーム155A、155Bの両方が、ショルダ軸SXの周りでユニットとして同時に同じ方向へ回転しなければならない。制御装置170(図1)などの制御装置は、どのステーションが短い処理動作を用いてアクセスでき、どのステーションが長い処理動作を用いてアクセスできるかを認識するように構成され得る。ロボットの動作中、制御装置170は、アクセスされるべきだが短い処理動作ではアクセスすることができないステーションへの「障害物を取り除く」(例えば、アームを回転させるモータ駆動部に適切な命令を発することによって)ように構成される。例えば、図4Iおよび4Lを参照すると、エンドエフェクタ155EAが処理モジュールPM1から処理モジュールPM4に動かされようとする場合、制御装置170は、エンドエフェクタ155EAを処理モジュールPM4に配置するためにアーム155Aをアーム155Bから独立して動かすことは、アーム155A、155B間での干渉をもたらすおそれがあるということを認識するように構成される。それゆえ、アームが互いに干渉するであろう場合には、制御装置は、アーム155Aを独立して動かす替わりに、処理モジュールPM4へのアクセスへの障害物を取り除き、エンドエフェクタ155EAの処理モジュールPM4へのアクセスを可能にするために、例えば、図4Oに示されるような方向450へ、アーム155A、155Bをユニットとして(例えば、同じかまたは異なる速度で、アームを同じ方向へ同時に移動させる)、動かし得る。
【0034】
次に図5Aおよび図5Bを参照すると、別の移送ロボット530が、開示される実施形態の一態様にしたがって示されている。移送ロボット530は、注記される箇所以外は、上述の移送ロボット130と実質的に同じであってもよい。この態様において、移送ロボット530は、図3および図3C~3Hに関して上述した駆動セクションまたは他の任意の適切な駆動システムと、実質的に同じであってもよい駆動セクション150を含む。理解されるように、駆動セクション150は、Z軸駆動部312(図3)を含み得る。Z軸駆動部312は、例えば、任意の適切な方法で駆動部150のハウジング310に接続され得る。Z軸駆動部312は、ハウジング310に接続されるあらゆるアーム555A、555Bを含むハウジング310を、Z方向に駆動するように構成されてもよいので、アーム555A、555Bのそれぞれのエンドエフェクタ555EA、555EBは、異なる移送面に動かされ得る。
【0035】
この態様において、移送ロボット530は、2つの移送アーム555A、555Bを含む。移送アーム555Aは上述の移送アーム155Aと実質的に同じであってもよく、同様の機構は同様の参照符号を有する(例えば、上側アーム555UA、前アーム555FAおよびエンドエフェクタ555EA)。移送アーム555Aは、上述の方法と実質的に同じ方法で、駆動セクションのシャフト304、303(図3)に接続され得る。移送アーム555Bも上述の移送アーム155Bと実質的に同じであってもよく、同様の機構は同様の参照符号を有する(例えば、上側アーム555UB、前アーム555FBおよびエンドエフェクタ555EB)。移送アーム555Bは、上述の方法と実質的に同じ方法で、駆動セクションのシャフト302、301(図3)に接続され得る。この態様において、しかしながら、シャフト582S、587S(図3のシャフト382S、387Sに対応)は、アーム555Bがアーム555Aの回転から独立して、無限に途切れることなくほぼ360度回転できるように(逆の場合も同様)、大きさを調整されている。さらに、アーム555Bの前アーム555FBは、上側アーム555UBの下側に取り付けられ得る(一方、前アーム155FBは、図2において上側アーム155UBの上側に取り付けられており、例えば、垂直に対向する前アームである)ので、異なるアーム555A、555Bを用いて基板を移送するために必要なZ動作量を、実質的に最小限にするために、エンドエフェクタ555EBの移送面TP2は、エンドエフェクタ555EAの移送面TP1と近接しているが、同一平面上にはない。この同一平面上でない配置により、アームの延伸および後退R1、R2が互いに対して角度を有し得る、各アームの独立した動作が可能となり、単独の基板保持位置での基板の迅速な交換も可能となる。移送面TP1、TP2間の離間は、エンドエフェクタ555EA、555EBの両方が、エンドエフェクタの実質的なZ動作なしに、または最小限のZ動作を伴って、ポート400P(図4H)などの移送ポートを通り抜けるようにされることに留意する。理解されるように、ロボット530がZ軸に沿ってアーム555A、555Bを動かすことができない場合、ポートは、ポート400Pの高さHよりもわずかに高くてもよく、および/または、Z動作が、ロボット530が扱う処理モジュールおよび/またはロードロックに組み込まれてもよい。
【0036】
次に図5C~5Eを参照すると、開示される実施形態の一態様にしたがって、別の移送ロボット6000が示される。移送ロボット6000は、注記される箇所以外は、上述の移送ロボット130と実質的に同じであってもよい。この態様において、移送ロボット6000は、例えば、図3および3C~3Hに関して上述した駆動セクションまたは他の任意の適切な駆動システムと実質的に同じであってもよい、駆動セクション150を含む。理解されるように、一態様において駆動セクション150は、Z軸駆動部312(図3)を含み得る。Z軸駆動部312は、例えば、任意の適切な方法で駆動部150のハウジング310に接続され得る。Z軸駆動部312は、ハウジング310に接続されるあらゆるアーム6055A、6055Bを含むハウジング310を、Z方向に駆動するように構成されてもよいので、アーム6055A、6055Bのそれぞれのエンドエフェクタ6055EA、6055EBは、異なる移送面に動かされ得る。別の態様において駆動部は、Z軸駆動部を含んでいなくてもよい。
【0037】
この態様において、移送ロボット6000は、2つの、独立して動作可能な移送アーム6055A、6055Bを含む。移送アーム6055Aは、上述の方法と実質的に同じ方法で、駆動セクションのシャフト304、303(図3)に接続され得る。移送アーム6055Bは、上述の方法と実質的に同じ方法で、駆動セクションのシャフト302、301(図3)に接続され得る。この態様において、各アーム6055A、6055Bはそれぞれ、上側アーム6055UA、6055UB、前アーム6055FA、6055FB、および少なくとも1つのエンドエフェクタ6055EA、6055EBを含む。しかしながら、この態様において、アーム6055A、6055Bは、アームの延伸を実質的に制限することなく、アームの回転を拡大できるように(例えば、前アームおよびエンドエフェクタが、それぞれ共通の平面上に位置付けられる場合と比較して)、エンドエフェクタ6055EA、6055EBが、移送面TPなどの共通の平面上に配置される一方で、前アーム6055FA、6055FBが、異なる平面上に配置されるように構成され得る。例示のみを目的として、例えば上に図4A~4Oに関して記載したように、前アームが共通の平面上に配置され、エンドエフェクタが共通の平面上に配置される場合、一方のアームが約120度回転し得る一方で、他方のアームは実質的に静止したままである(あるいは基板を取り出しおよび配置するために、基板保持ステーションと位置合わせされる)。この態様において、これも例示のみを目的とするが、前アームが異なる平面に配置され、エンドエフェクタが共通の平面に配置される場合、一方のアームが約180度回転し得る一方で、他方のアームは実質的に静止したままである(あるいは基板を取り出しおよび配置するために、基板保持ステーションと位置合わせされる)。
【0038】
図5Aおよび図5Bに記載した方法と実質的に同じ方法で、シャフト6082、6087(例えば、各アームのエルボに配置される)は、アーム6055Aの前アーム6055FAが、アーム6055Bの前アーム6055FBとは異なる平面に配置されるように大きさを調整される。理解されるように、アーム6055Aのエンドエフェクタ6055EAは前アーム6055FAの下側に取り付けられ得るので、ロボットアームのZ動作を実質的に最小にするため、および/または、異なるアーム6055A、6055Bを用いて基板を移送する必要のあるロボットアームのZ動作を取り除く(基板保持ステーションがZ動作能を有する場合)ために、エンドエフェクタ6055EA、6055EBの両方は、共通の移送面TP上に配置される(例えば、エンドエフェクタは同一平面上にある)。図5Eから一番よくわかるように、アーム6055Aの上側アームおよび前アーム6055UA、6055FAの長さは、アーム6055Bの上側アームおよび前アームの長さと異なっていてもよい。例えば、上側アームおよび前アーム6055UA、6055FAの長さは、上側アームおよび前アーム6055UB、6055FBの長さよりも長くてもよく、その結果アーム6055Bは、以下により詳細に記載するように、アーム6055Aを「通り抜けて」回転し得る。理解されるように、シャフト6087、6082も、アーム6055Bがアーム6055Aを通り抜けて回転できるように、大きさを調整され得る(例えば、アーム6055Bの上側アームおよび前アーム6055UB、6055FBを重ねた高さSHは、アーム6055Aの上側アーム6055UAとエンドエフェクタ6055EAとの間の距離DHよりも小さい)。
【0039】
また図5Gおよび図5Fを参照して、移送ロボット6000の動作を説明する。上述の例と同様の方法において、エンドエフェクタ6055EA、6055EB間の最小角度αは、例えば図4Aの処理モジュールPM4、PM3などの、放射状に配置された処理モジュール間の角度θ’と実質的に同じであってもよい。例示目的で、角度αは約60度であってもよいが、別の態様においてこの角度は、より大きい基板やより小さい基板が処理される場合などに、60度未満または60度より大きくてもよい。この態様において、図5Fを参照すると、エンドエフェクタ6055EAは、処理モジュールPM1から/処理モジュールPM1へ基板WAを移送するために、処理モジュールPM1と位置合わせされ得る。エンドエフェクタ6055EBは、ロードロック140へ/ロードロック140から基板WBを移送するために、ロードロック140と位置合わせされ得る。ここでロードロック140および処理モジュールPM1は、互いからβ度離れて放射状に配置される。角度βは任意の適切な角度でよく、例示のみを目的とするが、約120度であってもよい。他の態様においてこの角度βは、120度未満または120度より大きくてもよい。この例において、基板WBはロードロック140へ移送されている一方で、基板WAは処理モジュールPM1へ移送されている。エンドエフェクタ6055EA、6055EBが同一平面に配置され、互いを通り過ぎることができないということに留意して、移送を行うためには、両方のアーム6055A、6055Bが矢印6099の方向に回転する。アーム6055Bは、エンドエフェクタ6055EBおよび基板WBを、処理モジュールPM1と位置合わせするために、角度βを通って移動し得る。アーム6055Aは角度β’(この例においては、例示のみを目的とするが、約240度)を通って移動するので、エンドエフェクタ6055EAおよび基板WAは、ロードロック140と位置合わせされる。アーム6055Aは矢印6099の方向に回転するので、アーム6055Bの上側アーム6055UBおよび前アーム6055FBが、アーム6055Aの上側アーム6055UAおよび前アーム6055FA(およびエンドエフェクタ6055EA)の間を通過する(通り抜ける)ように、アーム6055Aはアーム6055Bを通過することに留意する。
【0040】
理解されるように、個別のアーム6055A、6055Bのシータ運動は、制限されるか部分的に独立し(例えば、エンドエフェクタ6055EA、6055EBが同一平面上にあるので)、この場合、アーム6055A、6055Bは、例えば制御装置170の制御のもとで、上述の方法と実質的に同じ方法で、アクセスされるべきステーションへの「障害物を取り除く」ために、ユニットとしてショルダ軸SXの周りで回転しなければならない(例えば、長い処理動作)。
【0041】
上述のように、アーム155A、155B(およびアーム6055A、6055B)などのアーム(実質的に同一平面上のエンドエフェクタを有する)は、各アームの上側アーム155UA、155UBのシータ運動が関連付けられる(例えば、上側アームは、上側アーム間の所定の角度が維持されるように回転する)ように、3軸駆動システムによって駆動されてもよい。図6を参照すると、3軸駆動システム634は、一般に、駆動シャフトアセンブリ641と3つのモータ642、644、646とを備える。駆動シャフトアセンブリ641は、3つの駆動シャフト650A、650B、650Cを有する。理解されるように、駆動システムは、3つのモータおよび3つの駆動シャフトに限定されない。第1モータ642は、固定子648Aと、中間シャフト650Aに接続されるロータ660Aとを備える。第2モータ644は、固定子648Bと、外側シャフト650Bに接続されるロータ660Bとを備える。第3モータ646は、固定子648Cと、内側シャフト650Cに接続されるロータ660Cとを備える。3つの固定子648A、648B、648Cは、チューブに沿う異なる垂直高さまたは位置で、チューブまたはハウジング652に固定されて取り付けられる。例示のみを目的とするが、第1固定子648Aは中間固定子、第2固定子648Bは上部固定子、第3固定子648Cは底部固定子である。各固定子は、一般に、電磁石コイルを備える。3つのシャフト650A、650B、および650Cは、同軸シャフトとして配置される。3つのロータ660A、660B、660Cは、好ましくは永久磁石からなるが、代替的には、永久磁石を有さない磁気誘導ロータを備えていてもよい。スリーブ662は、駆動シャフトアセンブリ641が真空環境に置かれ、固定子648が真空環境の外部に置かれた状態で、ロボットが真空環境において使用可能となるように、好ましくは、ロータ660と固定子648との間に置かれる。しかしながら、ロボットが大気中の環境での使用のみが意図されている場合には、スリーブ662を設ける必要はない。
【0042】
内側シャフトである第3のシャフト650Cは、底部固定子648Cから延伸する。内側シャフトは、底部固定子648Cと位置合わせされる第3のロータ660Cを有する。中間シャフト650Aは、中間固定子648Aから上へ延伸する。中間シャフトは、第1固定子648Aと位置合わせされる第1のロータ660Aを有する。外側シャフト650Bは、上部固定子648Aから上へ延伸する。外側シャフトは、上部固定子648Aと位置合わせされる第2のロータ660Bを有する。各シャフトがそれぞれに対して、およびチューブ652に対して独立して回転できるように、シャフト650A~650Cおよびチューブ652の周りには様々な軸受けが設けられる。各シャフト650A~650Cは、位置センサ664を設けてもよい。位置センサ664は、シャフト650A~650Cの、互いに対する回転位置、および/またはチューブ652に対する回転位置を、制御装置170(図1)に信号で知らせるために用いられる。光学センサや誘導センサなど、任意の適切なセンサが用いられ得る。
【0043】
ここで上側アーム155UAは外側シャフト650Bに結合されているので、外側シャフトが回転すると、上側アーム155UAも一緒に回転する。上側アーム155UBは内側シャフト650Cに結合されているので、内側シャフトが回転すると、上側アーム155UBも一緒に回転する。第1または上側のプーリセクション670Aと、第2または下側のプーリセクション670Bとを有するプーリ670は、中間シャフト650Aに結合されているので、中間シャフトが回転すると、プーリ670(およびプーリセクション670A、670B)も一緒に回転する。理解されるように、プーリ670は単一のものであってもよいし、互いに、およびシャフト650Aに任意の適切な方法で固定される2つのプーリセクション670A、670Bであってもよい。プーリセクション670Aは、伝送部392を通してアーム155Bのプーリ387に結合され、プーリセクション670Bは、伝送部390を通してアーム155Aのプーリ382に結合される。
【0044】
3つのモータ642、644、646は、2つのアーム155A、155Bを、独立して動かして延伸および後退させるために、独立して動くことができる。2つのアーム155A、155Bは、一緒に同時に延伸することもできるが、独立して一度に1つずつ延伸することもでき、あるいは一方のアームが、他方のアームが後退する間に延伸することもできることに留意する。アーム155A、155Bは、基板を取り出し、配置するために、2つのエンドエフェクタ155EA、155EBを延伸および後退するように動かされ得る。また駆動部634は、処理モジュール、ロードロック、および/または、アームが位置付けられる処理ツールの任意の別の機構に対して、アーム155A、155Bを再配向するために、可動なアームアセンブリ全体(すなわち、アーム155A、155Bの両方)をユニットとして、ショルダ軸SXの周りで回転させ得る。
【0045】
アーム155Aを延伸および後退するために、モータ644は、中間シャフト650Aに対して外側シャフト650Bを回転するように作動される。好ましくは、中間シャフト650Aは、アーム155Aが延伸および後退している間は、静止したまま維持される。しかしながら、プーリ670は、可動なアームアセンブリ全体の回転の開始または終了を伴う移送処理を加速させるために、延伸および後退中にわずかに動かされてもよい。プーリ670が実質的に静止したまま維持され、上側アーム155UAが移動した状態で、プーリ382は伝送部材390によって回転する。これにより、前アーム155FAが軸EXAの周りを回転する。プーリ383はポスト381に固定して取り付けられ、ポストは上側アーム155UAに固定して取り付けられているので、プーリ384は、伝送部材391によって前アーム155FAに対して回転する。エンドエフェクタ(およびその上の基板)が、内または外にまっすぐ放射状に移動するように、プーリの直径比は、上述のものなど、任意の適切な比であり得ることに留意する。
【0046】
アーム155Bを延伸および後退するために、モータ646は、中間シャフト650Aに対して内側シャフト650Cを回転するように作動される。好ましくは、中間シャフト650Aは、アーム155Bが延伸および後退している間は、静止したまま維持される。しかしながら、プーリ670は、可動なアームアセンブリ全体の回転の開始または終了を伴う移送処理を加速させるために、延伸または後退中にわずかに動かされてもよい。プーリ670が実質的に静止したまま維持され、上側アーム155UBが移動した状態で、プーリ387は伝送部材392によって回転する。これにより、前アーム155FBが軸EXBの周りを回転する。プーリ389はポスト388に固定して取り付けられ、ポスト388は上側アーム155UBに固定して取り付けられているので、プーリ399は、伝送部材393によって前アーム155FBに対して回転する。エンドエフェクタ(およびその上の基板)が、内または外にまっすぐ放射状に移動するように、プーリの直径比は、上述のものなど、任意の適切な比であり得ることに留意する。
【0047】
アームアセンブリ全体をショルダ軸SXの周りで回転させるために、モータ642は他の2つのモータ644、646と連動して用いられる。モータ642は中間シャフト650Aを回転するために回転し、ゆえに主プーリ670を回転させる。上側アーム155UA、155UBをプーリ670と共に回転させるために、モータ644、646は、モータ642と同じ方向に同じ速度で動かされる。ゆえに、伝送部材390、392は、そのそれぞれのプーリ382、387を回転させない。それゆえ、前アーム155FA、155FBはそのそれぞれの上側アーム155UA、155UBに対して回転せず、プーリ384、399は回転せずに、エンドエフェクタ155EA、155EBを回転させる。理解されるように、ショルダ軸SXの周りでのアーム155A、155Bの回転は、結合回転(例えば、上側アーム155UAと155UBとの間の角度が維持されたまま、両方のアームがユニットとして一緒に回転する)であって、アームの延伸および後退は、個別または同時に行われ得る。また理解されるように、Z軸駆動部312(上述のものと実質的に同じ)は、アーム155A、155BをZ軸に沿って上昇および下降させるために、駆動システム634に接続され得る。
【0048】
理解されるように、本明細書に記載される例示的な移送ロボット130、530は、処理モジュール125の1つまたは2つ以上が基板に対して分離した処理操作を行う、連続的な基板処理を可能にする。例えば、図4Aを参照すると、基板は、アーム155A、155Bの一方を用いて処理モジュールPM1に配置され得る。処理モジュールPM1での処理が終了すると、アーム155Aは処理モジュールPM1から基板を取り出し、基板を処理モジュールPM2に配置し得る。処理モジュールPM1から処理モジュールPM2への基板の移送と実質的に同時に、アーム155Bはロードロック135からの別の基板を、処理モジュールPM1へ移送し得る。このような配置は、例えば、処理モジュールPM1~PM4を通り、ロードロック135からロードロック140への基板の実質的に連続的な流れを提供する。
【0049】
図7は、移送ロボット130、530のアームの、処理モジュール内への例示的な延伸を概略的に示す。図7に示される寸法は単なる例示的な近似であって、寸法は図示されるものより大きくても小さくてもよいことが理解されるべきである。代替的な実施形態においてアームは、任意の適切な垂直位置で、任意の適切な水平距離だけ処理モジュール内に延伸してもよい。
【0050】
図8および10は、移送チャンバ400などの移送チャンバの、例示的な概略上面図である。図9Aおよび9Bは、移送チャンバの内部の高さが、移送ロボットがZ駆動部を含んでいる場合に上昇する、移送チャンバ400の概略側面図である。図8~10に示される寸法は単なる例示的な近似であって、寸法は図示されるものより大きくても小さくてもよいことが理解されるべきである。また、移送チャンバは任意の適切な構成を有していてもよいことが理解されるべきである。
【0051】
図11を参照すると、本明細書に記載されるロボットは、基板が処理モジュールまたはステーションに配置されると、その基板を自動的に中心に置くために、制御装置と共に構成され得る。例えば、1つまたは2つ以上のセンサ1002、1003は、例えば、移送チャンバと処理ステーション1001との間にアクセスを提供するポートに隣接して配置され得る。ロボット1030が、ポートを通して基板を把持するエンドエフェクタ1030Eを延伸すると、センサ1002、1003は、基板の前縁および後縁の1つまたは2つ以上を検知し、その基板の前縁および後縁の1つまたは2つ以上の検知に対応する検知信号を、制御装置に送信してもよい。制御装置170は、例えば、エンドエフェクタ1030Eの位置に対する基板の位置を決定するために、任意の適切な方法で検知信号を用いてもよい。制御装置170は、所定の位置で基板を処理ステーション1001に配置するために、X方向およびY方向の1つまたは2つ以上に、オフセットXO、YOを加えるように構成され得る。オフセットXO、YOは、オフセットが部品の熱成長を相殺する定常オフセットとなるように、処理部品(例えば、基板と直接または間接的に相互作用する部品)の熱膨張に応じて、制御装置によって計算され得る。開示される実施形態の一態様において、2つ以上の処理モジュールおよび/またはロードロック(例えば、図1参照)のアクセスポートは、同様のセンサ配置を有していてもよい。ロボット1030は上述のロボットと同様のものであってもよい。理解されるように、ロボットは、基板の、実質的に同時の複数基板の自動的なセンタリングを、両方のロボットエンドエフェクタ上でもたらしてもよい。
【0052】
次に図13を参照すると、基板処理装置2000が示されている。基板処理装置2000は、図1の基板処理装置100と実質的に同じであってもよい。例えば、基板処理装置2000は一般に、例えば小環境(mini-environment)を形成する大気セクション2005と、隣接する、例えば真空チャンバとして機能することができる大気から隔離されまたはシールされた(例えば、外部の空気からシールされた)セクション(例えば、大気からシールされたセクション)2010とを有する。代替的な実施形態において、大気からシールされたセクション2010は、不活性ガス(例えば、N2)または他の任意の隔離された雰囲気を保持してもよい。大気セクションは、ロードポート2015およびロボット2020を含み、ロードロック2035、2040を通して大気からシールされたセクション2010に結合されてもよい。大気からシールされたセクション2010は、中央チャンバ2075の周りに放射状に配置された処理モジュール2025を有するクラスタ型のツールの形状であってもよく、ここで各処理モジュールは、互いに対して角度θだけ角度をつけられている。中央チャンバ2075は、ロードロック2035、2040と処理モジュール2025との間で基板を移送するために、移送装置2030を含んでいてもよい。一態様において移送装置は、2002年9月17日に発行された米国特許第6,450,755号に記載されるものと実質的に同じであってもよく、この特許の開示内容は、その全体を参照することにより本明細書に含まれている。
【0053】
また図14を参照すると、移送装置2030は、上述のアーム155A、155Bと実質的に同様な2つのSCARAアーム2055A、2055Bと、駆動セクションとを含み得る。移送装置2030のための駆動セクションは、図6に関して上述した3軸駆動システム634と実質的に同様な、3軸の同軸駆動システムであってもよい。別の態様において移送装置2030の駆動システムは、図3C~3Hに関して上述した駆動システム(例えば、駆動シャフト1314、またはシャフト1311~1314のいずれか1つを備え、それぞれのプーリ/モータ部品が駆動部から取り除かれる)と実質的に同様な、3軸の同軸駆動システムであってもよい。Z軸駆動部は、Z方向に沿った移動をもたらし、上述の方法と実質的に同様の方法で、アームアセンブリを上昇および/または下降させるために、同軸駆動シャフト配置に結合され得る。
【0054】
各アームは、上側アーム2055UA、2055UBと、エルボ軸EXA、EXBの周りで上側アームに取り付けられる前アーム2055FA、2055FBと、リスト軸WXA、WXBの周りで前アーム2055FA、2055FBに取り付けられる少なくとも1つのエンドエフェクタ2055EA、2055EBとを含んでいる。一態様においてエンドエフェクタ2055EA、2055EBは、アームアセンブリのZ動作の量を減少させるために、同一の移送面TP上に配置されてもよいことに留意する。別の態様においてエンドエフェクタは、異なる移送面上に配置されてもよい。この態様において、アーム2055A、2055Bは、それぞれのショルダ軸SX1、SX2の周りで、ベース部材2050に取り付けられ、それにより支持される。例えば、アーム2055Aは、ショルダ軸SX1の周りでベース部材2050に取り付けられ、アーム2055Bは、ショルダ軸SX2の周りでベース部材に取り付けられる。ベース部材2050は任意の適切な形状および/または構成を有していてもよく、図面に示されている三角形の形状は、単に例示的な性質のものであることに留意する。アーム2055A、2055Bのエンドエフェクタ2055EA、2055EBは、エンドエフェクタ2055EA、2055EBが互いに対して角度θだけ角度をつけられるように配置され得るので、エンドエフェクタ2055EA、2055EBは、アーム155A、155Bに関して上述した方法と実質的に同様の方法で、角度を有する処理モジュール2025の隣接するものと位置合わせされる。
【0055】
ベース部材2050は、駆動軸TX(例えば、同軸駆動シャフトアセンブリの回転軸)の周りで駆動セクションの第1の駆動シャフトD1(例えば、外側の駆動シャフト)に結合され得るので、駆動シャフトD1が回転するとベース部材2050も一緒に回転する。図13からわかるように、ショルダ軸SX1、SX2のそれぞれは駆動軸TXに対して位置付けられ得るので、ショルダ軸は、各エンドエフェクタ2055EA、2055EBの延伸および後退の線1501、1502に沿って配置される。第1駆動プーリDP1’は、駆動セクションの第3の駆動シャフトD3(例えば、内側の駆動シャフト)に結合され得るので、駆動シャフトD3が回転するとプーリDP1’も一緒に回転する。第1のショルダプーリSP1は、軸SX1の周りでシャフト上に取り付けられてもよく、第1のショルダプーリSP1は、例えば、ベルト、バンド、ギヤ、または他の任意の適切な伝送部などを通して、任意の適切な方法で第1の駆動プーリDP1に結合されている。ショルダプーリSP1は、経路1501に沿ってアームを延伸および後退させるために、任意の適切な方法でアーム2055Aに結合されてもよい。この態様において、前アーム2055FAおよびエンドエフェクタ2055EAの回転は、公知の方法(例えば、2:1:1:2のショルダ/エルボ/エンドエフェクタのプーリ比、または他の任意の適切なプーリ比を用いて)で任意の適切な伝送システム2070Aを介して、上側アーム2055UAの回転に従動し得るので、アーム2055Aは、1つの駆動軸のみを用いて延伸および後退でき、リスト軸WXAおよびエンドエフェクタ2055EAは、延伸および後退の間(以下にアーム2055Bに関して記載する、図15Aおよび15Bに示される方法と実質的に同じ方法で)、経路1501と位置合わせされたままである。別の態様において、アーム2055Aの上側アーム、前アームおよびエンドエフェクタの2つ以上が個別に駆動され得るように、付加的な駆動シャフト/モータが設けられてもよいことが理解されるべきである。
【0056】
第2駆動プーリDP2’は、駆動セクションの第2の駆動シャフトD2(例えば、中間の駆動シャフト)に結合され得るので、駆動シャフトD2が回転するとプーリDP2’も一緒に回転する。第2のショルダプーリSP2は、軸SX2の周りでシャフト上に取り付けられてもよく、第2のショルダプーリSP2は、ベルト、バンド、ギヤ、または他の任意の適切な伝送部などを通して、任意の適切な方法で第2の駆動プーリDP2に結合されている。ショルダプーリSP2は、経路1502に沿ってアームを延伸および後退させるために、任意の適切な方法でアーム2055Bに結合されてもよい。この態様において、前アーム2055FBおよびエンドエフェクタ2055EBの回転は、公知の方法(例えば、2:1:1:2のショルダ/エルボ/エンドエフェクタのプーリ比、または他の任意の適切なプーリ比を用いて)で任意の適切な伝送システム2070Bを介して、上側アーム2055UBの回転に従動し得るので、アーム2055Bは、1つの駆動軸のみを用いて延伸および後退でき、リスト軸WXBおよびエンドエフェクタ2055EBは、図15Aおよび15Bに示されるように、延伸および後退の間、経路1502と長手方向に位置合わせされたままである。別の態様において、アーム2055Bの上側アーム、前アームおよびエンドエフェクタの2つ以上が個別に駆動され得るように、付加的な駆動シャフト/モータが設けられてもよいことが理解されるべきである。
【0057】
第1および第2の駆動プーリDP1’、DP2’と各ショルダプーリSP1、SP2との間の比は、1:1の比であってもよいことに留意する。しかしながら、代替的な実施形態においては、駆動プーリとそれぞれのショルダプーリとの間には、任意の適切な比が用いられ得ることに留意する。
【0058】
図14A~14Dを参照すると、開示される実施形態の別の態様において、移送装置2030は、アーム2055A、2055Bの延伸および後退が結合されるように、2軸の同軸駆動システム2099によって駆動され得る。2軸駆動システムは、図3、3C~3Hおよび図6に関して記載された方法と実質的に同様であるが、2つの駆動シャフトD1、D2および対応するモータのみを有することに留意する。例えば、例示的な2軸駆動システム(図3および図6に示される駆動システムと実質的に同じ)は図14Cに示され、これは、モータ1403、1404によってそれぞれ駆動される第1および第2の駆動シャフトD1、D2を有し、これらモータのそれぞれは、固定子1403S、1404Sおよびロータ1403R、1404Rを含んでいる。別の例として、別の例示的な2軸駆動システム(図3C~3Hに示される駆動システムと実質的に同じ)が図14Dに示され、これは、それぞれのモータ(図示せず)によってプーリDP1、DP2を通して駆動される第1および第2の駆動シャフト1311(D1)、1312(D2)を有する。駆動シャフトの1つ目D1は、上述の方法と実質的に同じ方法で、ベース部材2050に結合され得る。駆動シャフトの2つ目D2は、第2駆動シャフトD2が回転すると駆動プーリDP1、DP2が駆動シャフトD2と回転するように、駆動プーリDP1、DP2に結合され得る。この態様において、駆動プーリDP1、DP2の一方は任意の適切な方法でそれぞれのショルダプーリSP1、SP2に結合され得るので、駆動プーリおよびショルダプーリは同じ方向(例えば、両方が時計方向に、または両方が反時計方向に)に回転する。駆動プーリDP1、DP2のもう一方はそれぞれのショルダプーリSP1、SP2に結合され得るので、駆動プーリおよびショルダプーリは反対方向(例えば、1つのプーリが時計方向に回転し、他方のプーリが反時計方向に回転する)に回転する。この態様において、駆動プーリDP2およびショルダプーリSP2は、ベルト、バンド、ギヤまたは他の任意の適切な伝送部2060などを通して、互いに対して任意の適切な方法で結合されるので、プーリDP2、SP2は同じ方向に回転する。駆動プーリDP1は、ベルト、バンド、ギヤまたは他の任意の適切な伝送部2062などを通して、任意の適切な方法でショルダプーリSP1に結合されるので、プーリDP1、SP1は反対方向に回転する。例示的な目的で、図14BにおいてプーリDP1、SP1は、「図8の」ベルト/バンド配置に結合されているものとして示されているので、シャフトD2が回転すると、プーリSP1、SP2は反対方向に回転する。理解されるように、この2軸駆動配置、および対応する従動プーリDP1、DP2とそれぞれのショルダプーリSP1、SP2との間の伝送を用いることにより、アーム2055A、2055Bは実質的に同時に延伸してもよい(例えば、両方のアームが、「図8の」ベルト/バンド配置や、他の任意の適切な逆回転駆動構成などを用いて、実質的に同時に、基板保持位置内へ延伸し、また基板保持位置から後退する)し、一方のアーム2055A、2055Bは、他方のアーム2055A、2055Bが後退するときに延伸してもよい。別の態様において、駆動シャフトD2とショルダプーリSP1、SP2との間の結合は、「SUBSTRATE TRANSPORT APPARATUS WITH MULTIPLE MOVABLE ARMS UTILIZING A MECHANICAL SWITCH MECHANISM」と題され2008年5月8日に出願された米国特許出願第12/117,415号、および「SUBSTRATE TRANSPORT APPARATUS WITH MULTIPLE INDEPENDENTLY MOVABLE ARTICULATED ARMS」と題され2007年4月6日に出願された米国特許出願第11/697,390号に記載のものと実質的に同様の、空動きの結合であってもよく、これら出願の開示内容は、参照によりその全体が本明細書に含まれている。
【0059】
開示される実施形態の別の態様において、図13~14Aに関して上述したベース部材2050と実質的に同様の、ベース部材2050’は、調節可能であってもよいので、エンドエフェクタ2055EA、2055EBおよびそれぞれのアーム2055A、2055Bは、エンドエフェクタ2055EA、2055EBを基板把持位置(例えば、処理モジュール2025およびロードロック2035、2040)の角度θと位置合わせするために、駆動軸TXに対して調節可能に回転可能である。例えば、図16Aを参照すると、ベース部材2050’は、アーム2055A、2055Bのそれぞれを支持するように構成される2つの、一般に対向するベースセクション1672、1678を有する。セクション1672、1678は、この実施形態においては、ベース部材2050’の駆動軸接続部1635で互いに対して接続される。セクション1672、1678は互いに対してロックされることが可能であって、これによりベース部材2050’は、ユニットとして駆動軸TXの周りで回転可能である。一方で、一般に対向しているベースセクション1672、1678は、ベースセクション1672、1678の間の角度αを調整するために、一般に対向するベースセクション1672、1678を互いに対して再配置する目的で、ロックを解除されてもよい。各アームの延伸および後退の角度を、隣接する処理モジュール内への搬送経路と位置合わせするために、角度αの調整は、アーム間の延伸/後退の角度を調整してもよい。別の態様において各アームは、それぞれのショルダ軸の周りを個別に回転可能であってもよく、その場合角度αの変化は、アーム間の距離を大きくする。開示される実施形態のさらに別の態様において、ベース部材2050’は所望の数のセクションを備えていてもよいし、セクションの異なる部品を互いに対して調節可能に配置できるように、ロック可能な可撓性の接続部と一体となっていてもよい。ベースセクション1672、1678は、実質的に剛性のリンクを形成するために、駆動軸TXで互いに対して解放可能に結合されてもよく、ここで第1および第2のアームセクションは、基板の搬送中は互いに対して動くことができないということに留意する。ベース部材セクション1672は、一般に、アーム2055Aを駆動セクションの対応する駆動シャフトに接続する任意の適切な伝送部を収容することができる、中空フレームまたはケーシングを有する(例えば、上述の図14および図14Aを参照)。別の態様においてベース部材セクション1672は、アーム2055Aを駆動するモータを収容するように構成されてもよい。ベース部材セクション1678も、一般に、アーム2055Bを駆動セクションの対応する駆動シャフトに接続する任意の適切な伝送部を収容することができる、中空フレームまたはケーシングを有する(例えば、上述の図14および図14Aを参照)。別の態様においてベース部材セクション1678は、アーム2055Bを駆動するモータを収容するように構成されてもよい。
【0060】
図16Aおよび図16Bにみられるように、この実施形態において、対向するセクション1672、1678は、アーム取り付け面MS1、MS2が共通の平面上に配置されるように構成され、それによりアーム2055A、2055Bが実質的に同じ(互いに左右対称ではあるが)になることができ、エンドエフェクタが実質的に同一の移送面TPを有することができる(図14および図14A参照)。別の態様において、アーム取り付け面MS1、MS2は、互いに対してあらゆる所望の構成を有することができ、エンドエフェクタは異なる移送面を有していてもよい。ベース部材2050’の取り付けセクションまたは結合セクション1672Sは、ベース部材セクション1672のフレーム1673によって形成され得る。一態様においてフレーム1673は、駆動セクション1699の同軸シャフトアセンブリ(図14~14Dに関して上述したものと実質的に同様のものであってもよい)の周りを延伸して、対向するアームセクション1678のための取り付け面1673Sを形成する。この態様においてベース部材セクション1672の上面と同一の平面にある表面1673Sは、ベース部材セクション1672上への、ベース部材セクション1678の垂直配置および水平配置の両方のための位置決め機構を有する。対向するベース部材セクション1678は、取り付けセクション1672Sに対して、一般に、適合するように構成される嵌合セクション1610Sを有するフレーム1610を有するので、嵌合セクション1610Sは取り付けセクション1672S上に取り付けられ得る。位置決め機構は、取り付け面1673Sに形成される固定孔1681Aである。同様に、対向するベース部材セクション1678の嵌合セクション1610Sの取り付け面も、固定孔1681Bを有する。後述のように、それぞれの取り付け面に形成される固定孔1681A、1681Bは、アームセクション1672、1678に、互いに対してインデックスを付ける所望のインデックス位置を提供するために、分配および離間される。丸頭ねじ、ボルト、位置決めピン、またはそれらのあらゆる組み合わせなどの、固定具1681Fは、ベース部材セクション1678の孔1681Bを通して、他方のベース部材セクション1672の整合孔1681A内に挿入され得るので、ベース部材2050’の2つのベース部材セクション1672、1678を互いに対してロックする。固定具は、動作中のトルク伝達には十分であるので、ベース部セクション1678(これは前述のように、図14~14Dに関して記載したものなどの回転駆動部(または本明細書に記載される他の駆動部のいずれか)の外側シャフト(例えば、D1、1311)に、直接には取り付けられていない)は、ベース部材2050’の駆動軸接続部1635で、ベース部材セクション1672が外側シャフトD1により共通の回転軸TXの周りを回転すると、対向するベース部材セクション1672と一体となって回転する。開示される実施形態の別の態様において、対向するベース部材セクションの位置決めおよびそれらの間のトルク伝達のために、スプライン、キー/キー溝などの、他の任意の適切な使用可能な機構が用いられ得る。
【0061】
位置決め孔1681A、1681Bは、ベース部材セクション1672、1678のそれぞれのフレーム1673、1610上で、円周方向に等しく分配される。後述する、ベース部材セクション1672、1678間の所望の増分調整による離間を提供するために、任意の所望の数の孔が用いられ得る。ベース部材セクションの取り付けセクション1673S、1610Sにある位置決め孔の数は、異なっていてもよく、例えば1つのセクション1673S、1610Sが機械的な負荷のために最小限の数の孔のみを含み得る一方で、取り付けセクションは、所望の位置調整またはインデックスのために付加的な孔を有する。例えば、機械的な取り付けのために4つの固定具1681Fが用いられる場合、一方の取り付けセクション1673S、1610Sが4つの取り付け孔1681A、1681Bを有し、他方の取り付けセクションが、ベース部材セクション間の調整をもたらすために、8もしくは10またはあらゆる所望の数の孔を有していてもよい。嵌合面1673S、1610Sは、ロック固定具1681Fが取り除かれたときにベース部材セクションを一緒に安定して保持する、連結または嵌合するへりまたは縁部(図示せず)などの付加的な係合機構を含んでいてもよい。したがって、ベース部材セクション1672、1678は、以下に記載するような位置調整のために固定具1681Fが取り除かれても、自立したままであり得る。係合機構は、位置調整されているときに、スライド面に粒子状物質を生じることなくベース部材セクション間のスライド動作を可能にするために、適切なスライド面(図示せず)を備えていてもよい。一態様において、ベース部材セクションの取り付けセクション1673S、1610Sは、ベース部材2050’の駆動軸接続部1635に配置されているものとして示される。開示される実施形態の別の態様において、ベースセクション間の調節可能な接続部は、ベース部材2050’に沿った任意の別の場所に位置付けられてもよい。
【0062】
開示される実施形態の別の態様において、ベース部材セクション1672、1678間の角度αは、動的に調整され得る。例えば、図16Cを参照すると、駆動部1699’は3つの駆動シャフトD1~D3を有していてもよく、ここで外側の駆動シャフトはベース部材セクション1672に結合されるので、外側の駆動シャフトが回転するとベース部材セクション1672も一緒に回転する。内側の駆動シャフトD3はベース部材セクション1678に結合されるので、内側の駆動シャフトD3が回転するとベース部材セクション1678も一緒に回転する。中間の駆動シャフトD2は、上述の方法でアーム2055A、2055Bを延伸および後退するために、プーリSP1、SP2に結合され得る。制御装置(図示せず)は、ベース部材セクション1672、1678間の角度αを動的に調整するために、駆動部1699’に接続され得る。例えば、ベース部材セクション1672、1678間の角度αを調整するために、駆動シャフトD1およびD3は、任意の所望の量だけ互いに対して回転可能であるので、角度αはあらゆる所望の角度に動的に調整される。駆動シャフトD1およびD3は、ベース部材2050’がベース部材セクション1672、1678間の角度αを変えることなくユニットとして回転できるように、一体となって回転してもよい(例えば、同じ回転速度で同じ方向へ)ことに留意する。
【0063】
ベース部材2050、2050’も、アーム2055A、2055Bの一方のみの、独立したZ動作を可能にし得る。次に図16Dを参照すると、ベース部材2050”は、ベース部材セクション1672、1678’を有するものとして示されている。ベース部材セクション1678’は、上述のベース部材セクション1678と実質的に同じであるが、開示される実施形態のこの態様において、ベース部材セクション1678’は、第1の部分1678Aと、第2の部分1678Bとを含んでいる。ベース部材セクションの、互いに対するインデックス付けを可能にするために、第1の部分1678Aは、ベース部材セクションに、互いに対してインデックスをつけるために、上述の方法と実質的に同様の方法で、ベース部材セクション1672に調整可能に接続されてもよい。第2の部分1678Bが、後述するように、矢印1666の方向でZ軸に沿って第1の部分1678Aに対して移動できるように、第2の部分1678Bは、任意の適切な方法で第1の部分1678Aに可動に結合されてもよい。開示される実施形態のこの態様において、駆動セクション1699は、矢印1666の方向に、ベース部材2050”(およびアーム2055A、2055B)をユニットとして上昇させるように構成される、任意の適切な主リフトまたはZ軸駆動部1687を含み得る。しかしながら、いくつかの例において、例えば、基板を移送するために両方のアームが延伸する場合に、一方のアームをZに静止させたまま、もう一方のアームがZ軸に沿って動かされるように、基板の1つの最終的な降下位置を調整することが望ましい場合がある。この例においてベース部材セクション1672およびアーム2055Aは、第1のZ駆動部を用いて、Z軸に沿って配置されることができ、ベース部材セクション1678およびアーム2055Bも、駆動セクション1699の任意の適切な第2のZ駆動部1686を用いて、Z軸に沿って配置されることができる。ベース部材セクション1678’は、第2のZ駆動部1686によりZ軸に沿って調整可能なものとして示されているが、開示される実施形態の他の態様においては、別のベース部材セクション1672または両方のベース部材セクション1672、1678’が、ベース部材セクション1678’に関して本明細書に記載される方法で、Z軸に沿って独立して動かされるように構成されてもよいことが理解されるべきである。
【0064】
図16Eを参照すると、開示される実施形態の別の態様において、ベース部材セクションは、ベース部材セクションの一方1672’が駆動セクションによって直接支持され、ベース部材セクションの他方1678”が、ベース部材セクション1672’に調節可能に支持され、ベース部材セクション1672’から延伸するのに適している、上昇リンク1615によって支持されるように構成されてもよい。理解されるように、ベース部材セクション1672’は、上昇リンクが通って延伸する開口部1615Aを有していてもよく、この開口部1615Aは、ベース部材リンク1672’、1678”の互いに対するインデックス付け、およびベース部材リンク1678”の独立したZ動作を可能にするために、適切に成形される。一態様において上昇リンク1615は、支持部を提供し、ベース部材リンク1678”の動作を案内するように構成され得る。別の態様においては、ベース部材セクション1678”の動作を案内し、基板を移送するそれぞれのアームのエンドエフェクタの姿勢を維持するために、任意の適切な案内軸受(後述する)が提供されてもよい。
【0065】
次に図16Fを参照して、ベース部材セクション(およびそれぞれのアーム)の1つの独立した垂直動作を可能にする、上昇リンクを説明する。リンクの動作および構成は、図16Dに関して記載されるが、リンクの動作および構成は、図16Eに示される構成と実質的に同じであってもよいことに留意する。一態様において第2のZ駆動部1686は、任意の適切な方法で、駆動セクション1699内またはベース部材セクション1672内に枢動可能(pivotally)に取り付けられ得る。枢動リンク(pivot link)1669は、枢動点1669P1の周りでベース部材部分1678A内に枢動可能に取り付けられ得る。枢動リンク1669の第1の端部1669E1は、第2のZ駆動部1686が作動すると枢動リンクが点1669P1の周りで枢動するように、例えば接続部材1686Mなどを通して、任意の適切な方法で第2のZ駆動部1686に接続される。枢動リンク1669の第2の端部1669E2は、枢動点1669P1の周りでの第2の端部1669E2の回転運動が、Z軸に沿ったベース部材部分1678Bの直線運動に変換されるように、任意の適切な方法でベース部材部分1678Bに動作可能に結合されてもよい。第2のベース部材部分1678Bは、例えば、第2のベース部材部分1678BのZ軸に沿う動作を案内するように構成されるリニア軸受配置LBによって、少なくとも部分的に、第1のベース部材部分1678Aに動作可能に結合され、また第1のベース部材部分1678Aに支持され得る。アーム2055Bのための回転駆動が駆動部1699に位置付けられる場合には、第2のベース部材部分1678BがZ軸に沿って動くと、プーリSP2がシャフトSDに回転結合された状態でシャフトSDに沿って長手方向にスライドできるように、アーム2055Bを駆動するプーリSP2はアーム駆動シャフトSDに動作可能に結合されてもよいことに留意する。アーム2055Bを駆動するためのプーリ配置は、第2のベース部材部分1678BのZ軸に沿う動作を可能にする、任意の適切な構成を有し得ることが理解されるべきである。ベース部材部分1678A、1678B間にベローズBLが設けられてもよく、これは枢動リンク1669およびリニア軸受LBの1つまたは2つ以上を囲うように構成されてもよい。
【0066】
図16Gを参照すると、開示される実施形態の別の態様において、ベース部材の各結合部に、単軸駆動のモータが配置されてもよい。例えば、単軸駆動のモータDM1は、ベース部材を軸TXの周りでユニットとして回転させるために、駆動接続部1635に位置付けられ得る。理解されるように、ベース部材部分が互いに対して動的に調節可能である場合には、上述の方法と実質的に同様の方法で、ベース部材セクション1672、1678”を互いに対して個別に回転させるために、結合部1635にデュアル軸駆動部が位置付けられてもよい。別の単軸駆動のモータDM2は、シャフトSDを駆動してアーム2055Bを延伸および後退させるために、軸SX2の周りでベース部材セクション1678”内に位置付けられ得る。アーム2055Aの延伸および後退をもたらすために、さらに別の単軸駆動のモータ(図示せず)が軸SX1の周りでベース部材セクション1672内に位置付けられてもよい。単軸駆動部DM1、DM2は、単一の駆動モータのみを含んでいること以外は、図3、3E~3H、6、14Cおよび14Dに関して上述した駆動部と実質的に同じであってもよいということが理解されるべきである。また、アームおよびベース部材の様々な部分の位置を決定するために、任意の適切なエンコーダENCが用いられ得るということも理解されるべきである。さらに、ベースセクションの結合部のそれぞれに位置付けられる単軸駆動部は図16Gに関して記載されているが、単軸駆動の構成は、開示される実施形態のどの態様にも用いられ得るということが理解されるべきである。
【0067】
図17A~17Cは、アーム1750、1751のそれぞれが、遠隔配置されるモータ、またはアームのショルダに位置付けられる単軸モータによって駆動される、ロボットの部分を示す。遠隔配置されるモータおよびロボットの結合部に位置付けられるモータの例として、上述のものが挙げられる。開示される実施形態のこの態様において、各アームは、上側アームUAと、それぞれの上側アームUAに接続される前アームFAと、それぞれの前アームFAに接続されるエンドエフェクタ(図示せず)とを含んでいる。上側アームUAは、それぞれのショルダ回転軸SX1、SX2の周りで上側アームUAを回転させるために、ショルダ駆動シャフトSDに結合される。開示される実施形態のこの態様において、アーム1750、1751は、単軸駆動部1760によって、上述の方法と実質的に同じ方法で延伸および後退へ駆動される。アーム1750、1751のショルダプーリ1770は、例えば、ベース部材2050に接地されるので、プーリはショルダ結合部の中心を通らない。各上側アームUAがそれぞれの軸SX1、SX2の周りで回転するとき、ショルダプーリ1770は回転せず、上側アームの回転と連動させて従動した方法で、アームを延伸および後退させる。ここでショルダプーリ1770は、それぞれの上側アームUAのハウジング/フレームUAFから開口部1775を通して外へ延伸する、延伸部1770Eを含んでいる。延伸部1770Eは、任意の適切な固定具、クリップなどを通して、任意の適切な方法でベース部材2050に固定され得る。上側アームUAのハウジング/フレームUAFの開口部1775は、延伸部1770Eがベース部材2050に固定され、ベース部材2050に対して静止した状態で、アームを延伸および後退させる上側アームUAの回転を可能にするために、適切な大きさおよび形状にされることに留意する。固定されたショルダプーリ1770はベース部材2050に関して記載されているが、図17A~17Cの固定されたショルダプーリ配置は、図16A~16Gの調節可能なアームセクション、または開示される実施形態の任意の他の適切な態様に適用され得るということを理解されたい。
【0068】
図18を参照すると、図13~17Cのベース部材/ロボットアームの構成は、連結アーム1810に取り付けられ得る。例えば、図18に示される処理ツール1800(上述のツール100、2000と実質的に同様のものでもよい)は、大気からシールされたセクション2010と、大気中のセクション2005とを含み得る。大気中セクションは、ロードポート2015およびロボット2020を含み、ロードロック2035、2040を通して大気からシールされたセクション2010に結合され得る。大気からシールされたセクション2010は、中央チャンバ2075の周りに配置された処理モジュール2025を有するクラスタ型ツールの形状であってもよい。中央チャンバ2075は、ロードロック2035、2040と処理モジュール2025との間で基板を移送するために、移送装置1801を含んでいてもよい。移送装置1801は、連結回転軸LXで駆動セクション1801Dに取り付けられる連結アーム1810と、ベース部材の回転軸TXの周りで連結アーム1810に取り付けられるベース部材1850と、各ショルダ軸SX1、SX2の周りでベース部材1850に取り付けられるアーム1860、1861とを含む。ベース部材1850は、上述のベース部材2050または2050’と実質的に同様であってもよいことに留意する。移送装置1801は、少なくとも連結アーム1810を回転駆動するために連結回転軸LXに配置される、上述のものと実質的に同様の駆動モジュール1801Dを含み得る。一態様において駆動モジュール1801Dは、1つのシャフトが連結アーム1810の回転を駆動し、1つのシャフトがベース部材1850の回転を駆動し、1つまたは2つ以上のシャフトがアーム1860、1861の上側アームUAの回転を駆動する、同軸シャフト配置を含んでいてもよい。同軸シャフト配置内の各駆動シャフトは、任意の適切な方法で、連結アーム1810、ベース部材1850および上側アームUAのいずれかに結合され得る。例えば、連結アーム1810は、ベース部材1850および上側アームUAが、上述のものと実質的に同様の方法で、適切な伝送部を通してそのそれぞれの駆動シャフトに結合されている状態で、そのそれぞれの駆動シャフトによって直接駆動されてもよい。別の態様においては、上述のものと実質的に同様の方法で、移送装置1801のそれぞれの部分を回転駆動するために、回転軸LX、TX、SX1、SX2のそれぞれに、単軸駆動モータが配置されてもよい。ここで連結アーム1810の軸LXの周りでの回転により、ベース部材1850は、必要に応じて中央チャンバ2075のファセット角と位置合わせするように配置され得る。理解されるように、ショルダ軸SX1、SX2間の角度αは、上述のように動的に調整可能であるので、アーム1860、1861のエンドエフェクタは、エンドエフェクタが中に延伸するロードロック2035、2040の、処理モジュール2025と位置合わせされ得る。別の態様において、処理モジュール2025およびロードロック2035、2040にアクセスする目的で、各アームリンクを個別に駆動する(例えば、上側アーム、前アームおよびエンドエフェクタが個別に回転可能である)ための付加的なモータが設けられてもよい。
【0069】
図19A~19Cを参照すると、開示される実施形態の別の態様において、デュアルアーム搬送装置1900は、2本のSCARAアーム1901、1902と、駆動システム1900とを用いて構成される。駆動システム1910は、2つの隣り合うモータ1920、1930を含む、直列のモータ配置を含んでいる。モータ1920、1930は、共通の上昇フレーム1940に取り付けられる同軸シャフトモータ(例えば、駆動シャフトが同軸である)である。一態様においてモータ1920、1930は、上述の駆動システムと実質的に同様のものであってもよい。別の態様においてモータ1920、1930は、ハーモニック駆動モータであってもよい。モータ1920、1930およびロボットアーム1901、1902を、Z軸に沿って矢印1999の方向に動かすために、上昇フレーム1940にはZ駆動部1940Dが接続される。同軸シャフト/プーリ配置は、図3C~3Hに関して上述した方法と実質的に同様の方法で、アームアセンブリを支持するように構成されてもよい。例えば、モータ1920の中空の外側シャフト1920D1は、アーム1902の上側アーム1902UAに直接接続され、これを支持し得る。内側シャフト1920D2は、アーム1902のプーリ1902P1に結合するために、中空の外側シャフト1920D1を通過する。適切な軸受を外側シャフト1920D1に取り付けることができ、これは内側シャフト1920D2およびプーリ1901P2を支持するように構成される。プーリ1901P2はアーム1901のプーリ1901P3に結合され、外側シャフト1920D1が通る中空の中心部または開口部を有していてもよい。適切な軸受がプーリ1901P2に取り付けられてもよく、これはアーム1901の上側アーム1901UAに直接結合されるプーリ1901P1を支持するように構成され得る。プーリ1901P1も、プーリ1901P2がプーリ1901P3との接続のために通る、中空の中心部または開口部を有していてもよい。プーリ1901P2は、ベルト、バンド、ギヤなどの、任意の適切な伝送部1960を通して、モータ1930の外側シャフト1930D1に結合され得る。プーリ1901P1は、ベルト、バンド、ギヤなどの、任意の適切な伝送部1961を通して、モータ1930の内側シャフト1930D2に結合され得る。モータ1930の内側シャフト1930D1および外側シャフト1930D2は、それぞれの伝送部1960、1961と連動し、駆動シャフト1930D1、1930D2の回転とプーリ1901P1、1902P2の回転との間に任意の適切な駆動比を与えるために、そこに取り付けられる適切なプーリを有していてもよい。
【0070】
図19Aに見られるように、アーム1901、1902の両方が共通軸RXの周りで回転する。アーム1901、1902は、一方のアーム1902が他方のアーム1901のアームリンク1901UA、1901FAよりも短いアームリンク1902UA、1902FAを有するように構成されてもよいので、アーム1902は、アーム1901のエルボ旋回半径内で回転できる。これによりアーム1902は、アーム1901の位置に関係なく、後退構成においても、軸RXの周りを無制限に回転できる。
【0071】
アーム1901は、上側アーム1901UAと、オフセット結合部1901Jによって上側アーム1901UAに回転可能に結合される前アーム1901FAと、少なくとも1つのエンドエフェクタ1901EE1、1901EE2とを含んでいる。上述のように、上側アームはプーリ1901Pによって直接駆動される。前アーム1901FAは、プーリ1901P3によって駆動される。プーリ1901P3は、任意の適切な伝送部1963を通してプーリ1901P4に結合され、このプーリ1901P4は前アーム1901FAに回転可能に結合されている。少なくとも1つのエンドエフェクタ1901EE1、1901EE2は、アーム1901が延伸および後退するときに、少なくとも1つのエンドエフェクタ1901EE1、1901EE2が延伸/後退軸1998と位置合わせされたままであるように従動してもよい。この態様においてアーム1901は、それぞれが基板Sを保持するように構成されている、対向する2つのエンドエフェクタ1901EE1、1901EE2を含む。一態様において、エンドエフェクタが従動する場合、アーム1901は、ショルダ結合部1901SJの両側で延伸し、各エンドエフェクタ1901EE1、1901EE2に、基板保持位置へ/基板保持位置から、基板を移送させるように構成されてもよい。別の態様において、1つまたは2つ以上の付加的な駆動軸が、駆動軸をエンドエフェクタに接続する適切な1つまたは複数の伝送部を伴ってモータ1930に追加されてもよいので、エンドエフェクタの1つまたは2つ以上は、上側アーム1901UAおよび前アーム1901FAの回転から独立して回転可能である。別の態様においてアーム1901は、任意の適切な数のエンドエフェクタを有し得る。
【0072】
アーム1902は、上側アーム1902UAと、上側アーム1902UAに回転可能に結合される前アーム1902FAと、エンドエフェクタ1902EEとを含んでいる。上述のように、上側アームは、駆動シャフト1920D1によって直接駆動される。前アーム1902FAは、プーリ1902P1に結合される駆動シャフト1920D2によって駆動される。プーリ1902P1はプーリ1902P2に接続されてもよく、これは任意の適切な伝送部1962を通して前アーム1902FAに回転可能に結合される。一態様においてエンドエフェクタ1902EEは、アーム1902が延伸および後退するときに、エンドエフェクタ1902EEが延伸/後退軸1998と位置合わせしたままであるように従動してもよい。図面では1つのみの延伸および後退軸1988が示されているが、独立して回転可能なアーム1901、1902のそれぞれは、その自身の延伸および後退軸を有し得ることが理解されるべきであることに留意する。別の態様において、アーム1902は2つ以上のエンドエフェクタを有していてもよく、その場合複数のエンドエフェクタは従動するか、独立して駆動され得る。複数のエンドエフェクタが独立して駆動される場合、1つまたは2つ以上の付加的な駆動軸が、駆動軸をアーム1902の複数のエンドエフェクタに接続する適切な1つまたは複数の伝送部を伴ってモータ1930に追加されてもよいことに留意し、その結果、エンドエフェクタの1つまたは2つ以上は、上側アーム1902UAおよび前アーム1902FAの回転から独立して回転可能である。エンドエフェクタ1901EE1、1901EE2、1902EEは、単一の基板のためのエンドエフェクタとして示されているが、別の態様においてエンドエフェクタは、左右または上下の2つ以上の基板を保持するように構成されてもよいことに留意する(図2P、2Q参照)。
【0073】
アーム1901のオフセット結合部1901J、上側アーム1901UAおよび前アーム1901FAは、アーム1902のための収容域1990を形成し得る。例えば、オフセット結合部1901Jは、アーム1902の上側アーム1902UA、前アーム1902FAおよびエンドエフェクタ1902EEが、アーム1901の上側アーム1901UAと前アーム1901FAとの間に適合するのに十分な長さまたは高さであり得る。アーム1901の、結合部の中心から結合部の中心までのアーム長さまたは共通の回転軸RXとショルダ軸SAX1との間の距離L1も、アーム1902の、結合部の中心から結合部の中心までのアーム長さまたは共通の回転軸RXとショルダ軸SAX2との間の距離L2よりも大きくてもよいので、アーム1902は、アーム1901の干渉なしに、収容域1999内で独立して自由に回転する(少なくともアーム1902が後退した構成で)。
【0074】
エンドエフェクタ1901EE1、1901EE2、1902EEの長さは、両方のアーム1901、1902が、ロボット1900が扱う処理モジュール、ロードロックまたは他の基板保持ステーションのそれぞれに到達できるように、任意の適切な長さであってよいことに留意する。例えば、エフェクタ1902EEの長さL3は、アーム1901のエンドエフェクタ1901EE1、1901EE2の長さL4より長くてもよく、これは長さの短い上側アーム1902UAおよび前アーム1902FAを補うためである。別の態様においてエンドエフェクタの長さL3、L4は、実質的に同じであってもよく、その場合、保持ステーションへ/保持ステーションから基板を移送するために長い方のアーム1901が部分的にのみ延伸するように、アーム1901、1902の回転の中心RXが基板保持ステーションに十分に近く位置付けられる。基板保持ステーション内に延伸するとき、例えば、リンクの長さまたはエンドエフェクタの長さの違いにより、アーム1901のアームリンク1901FA、1901UA間の角度βが、アーム1902のアームリンク1902FA、1902UA間の角度μよりも小さい(図19B参照)場合があることに留意する。
【0075】
制御装置1911は、搬送装置1900に接続されてもよい。制御装置は、上述の制御装置170と実質的に同様のものでもよい。制御装置1911は、一方のアーム1901、1902が基板保持ステーションに基板を移送しているときに、他方のアームが独立して回転して、(アームを延伸することなく)同一または異なる基板保持ステーションと位置合わせされ、次の基板移送を予測または次の基板移送のために準備するように、搬送装置を動作させるように構成され得る。例えば、図1を参照すると、移送装置1900(図1の移送ロボット130)が処理モジュールPM6へ基板を移送し、その後ロードロック140から基板を取り出す場合、アーム1901、1902の1つ目は基板を移送するために処理モジュールPM6内に延伸する一方で、アーム1901、1902の2つ目は独立して回転する。その結果、エンドエフェクタはロードロックモジュール140と位置合わせされ、第1アームが処理モジュールPM6から後退すると、第2アーム1901、1902のロードロック140内への延伸を実質的に即時に行うことができる。
【0076】
一態様において、基板処理装置は、フレームと、フレームに接続される第1のSCARAアームであって、エンドエフェクタを含み、第1の径方向の軸に沿って延伸および後退するように構成される第1のSCARAアームと、フレームに接続される第2のSCARAアームであって、エンドエフェクタを含み、第2の径方向の軸に沿って延伸および後退するように構成される第2のSCARAアームと、第1および第2のアームに結合される駆動セクションとを含んでおり、第1および第2のSCARAアームは共通のショルダ回転軸を有し、駆動セクションは、それぞれの径方向の軸に沿って第1および第2のSCARAアームのそれぞれを延伸し、共通のショルダ回転軸の周りで第1および第2のSCARAアームのそれぞれを回転するように構成されている。第1の径方向の軸は第2の径方向の軸に対して角度をつけられ、それぞれのアームのエンドエフェクタはそれぞれの径方向の軸と位置合わせされ、各エンドエフェクタは少なくとも1つの基板を保持するように構成され、共通の移送面上に位置付けられている。
【0077】
一態様において、請求の範囲に記載の基板処理装置は、駆動セクションに接続され、それぞれの少なくとも1つの基板の搬送中の、第1および第2のSCARAアーム間の干渉を実質的に防ぐために、駆動セクションの動作をもたらすように構成される制御装置をさらに含んでいる。
【0078】
一態様において、駆動セクションは、4自由度の駆動システムを備えている。
【0079】
一態様において、駆動セクションは、同軸駆動シャフト配置を含んでいる。
【0080】
一態様において、第1のSCARAアームは、共通のショルダ軸で駆動セクションに接続される上側アームと、エルボ軸で上側アームに接続される前アームとを含み、エンドエフェクタはリスト軸で前アームに結合され、また第2のSCARAアームは、共通のショルダ軸で駆動セクションに接続される上側アームと、エルボ軸で上側アームに接続される前アームとを含み、エンドエフェクタはリスト軸で前アームに接続されている。
【0081】
一態様において前アームは、第1のSCARAアームの前アームがそれぞれの上側アームの上面に位置付けられ、第2のSCARAアームの前アームがそれぞれの上側アームの下面に位置付けられるように、互いに対して対向した構成で配置されている。
【0082】
一態様において駆動セクションは、第1のSCARAアームの上側アームと、第2のSCARAアームの上側アームとの間の角度が、アームが共通のショルダ軸の周りで回転するときに実質的に固定されるように、第1および第2のSCARAアームに接続される3自由度の駆動システムを備えている。
【0083】
一態様においてエンドエフェクタのそれぞれは、エンドエフェクタ間の角度が、各アームによりアクセス可能な、放射状に隣接する基板保持ステーション間の角度と実質的に一致するように、それぞれのアームに取り付けられている。
【0084】
一態様において、基板処理装置は、少なくとも駆動セクションに接続される制御装置と、制御装置に接続される少なくとも1つのセンサとをさらに含み、この制御装置は、少なくとも1つのセンサから基板検知信号を得て、第1および第2のアームの1つのエンドエフェクタの位置をオフセットさせるように構成されている。このオフセットは、少なくとも1つの基板搬送装置の熱膨張に基づいて計算される。
【0085】
一態様において第1アームは、第1アームの上側アームと前アームとの間を第2アームが通ることができるように構成されている。
【0086】
別の態様において、基板処理装置は、フレームと、フレームに接続される第1のSCARAアームであって、上側アーム、上側アームに回転可能に結合される前アームおよび前アームに回転可能に結合されるエンドエフェクタを含み、上側アームおよび前アームの長さは異なっており、第1の径方向の軸に沿って延伸および後退するように構成されている第1のSCARAアームと、フレームに接続される第2のSCARAアームであって、上側アーム、上側アームに回転可能に結合される前アームおよび前アームに回転可能に結合されるエンドエフェクタを含み、上側アームおよび前アームの長さは異なっており、第2の径方向の軸に沿って延伸および後退するように構成されている第2のSCARAアームと、第1および第2のアームに結合される駆動セクションとを含み、第1および第2のSCARAアームの上側アームは共通のショルダ回転軸を有し、駆動セクションは、それぞれの放射軸に沿って第1および第2のSCARAアームのそれぞれを独立して延伸し、共通のショルダ回転軸の周りで第1および第2のSCARAアームのそれぞれを回転するように構成されている。第1の径方向の軸は第2の径方向の軸に対して角度をつけられ、それぞれのアームのエンドエフェクタはそれぞれの径方向の軸と位置合わせされ、各エンドエフェクタは少なくとも1つの基板を保持するように構成され、エンドエフェクタは共通の移送面上に位置付けられている。
【0087】
一態様において駆動セクションは、第1のSCARAアームの上側アームと、第2のSCARAアームの上側アームとの間の角度が、アームが共通のショルダ軸の周りで回転するときに実質的に固定されるように、第1および第2のSCARAアームに接続される3自由度の駆動システムを備えている。
【0088】
一態様においてエンドエフェクタのそれぞれは、エンドエフェクタ間の角度が、各アームによりアクセス可能な、放射状に隣接する基板保持ステーション間の角度と実質的に一致するように、それぞれのアームに取り付けられている。
【0089】
一態様において、基板処理装置は、駆動セクションに接続され、それぞれの少なくとも1つの基板の搬送中の、第1および第2のSCARAアーム間の干渉を実質的に防ぐために、駆動セクションの動作をもたらすように構成される制御装置をさらに含んでいる。
【0090】
一態様において駆動セクションは、4自由度の駆動システムを備えている。
【0091】
開示される実施形態の別の態様によれば、基板処理装置が提供される。基板処理装置は、共通の駆動ケーシングに配置される共通の駆動セクションと、共通の駆動セクションに結合される第1アームと、共通の駆動セクションに結合される第2アームとを含み、第1および第2アームのそれぞれは、実質的に同一平面に配置されるエンドエフェクタを含み、独立した延伸、後退および回転のために構成されており、第1および第2アームのそれぞれは、共通の駆動セクションが、360度を超える回転を通して、それぞれのショルダ軸の周りで第1および第2アームを駆動することができるように構成されている。基板処理装置は、駆動セクションに接続され、360度を超える回転を通して、それぞれのショルダ軸の周りでアームを駆動し、アームを延伸および後退するために駆動セクションを制御するように構成される制御装置も含み、この制御装置は、アームの回転がアーム間の干渉を生じる場合を認識し、第1および第2のアームの少なくとも1つの延伸および後退の軸が、実質的に別の第1および第2のアームとの干渉のない領域内にあるように、第1および第2のアームの少なくとも1つを配置し、第1および第2のアームを用いた、ほぼ同時の基板の取り出しおよび配置をもたらすように構成されている。
【0092】
開示される実施形態の一態様によれば、駆動セクションは、4つの同心駆動シャフトを有する4自由度の駆動部である。
【0093】
開示される実施形態の一態様によれば、4つの同心駆動シャフトは、入れ子状の軸受配置によって放射状および軸方向に支持され、1つの軸受の少なくとも一部は、別の軸受の一部に取り付けられている。
【0094】
開示される実施形態の一態様によれば、各アームは、上側アームリンクおよび前アームリンクを含み、上側アームリンクの長さは前アームリンクの長さとは異なっている。
【0095】
開示される実施形態の一態様によれば、第1アームは、第1アームの上側アームと前アームとの間を第2アームが通ることができるように構成されている。
【0096】
開示される実施形態の一態様によれば、各アームは、少なくとも1つの基板を支持するように構成されるエンドエフェクタを含んでいる。
【0097】
開示される実施形態の別の態様によれば、基板処理装置は、少なくとも1つの搬送アームと、入れ子状の軸受配置および同軸駆動シャフトアセンブリを含む駆動セクションとを含み、入れ子状の軸受配置は、駆動シャフトアセンブリを放射状および軸方向に支持するように構成される同心円状の積層軸受である。
【0098】
一態様において軸受は、1つの軸受の少なくとも1つの内輪が、別の軸受の外輪に結合されるように構成されている。
【0099】
一態様において駆動セクションは、3自由度の駆動システムである。
【0100】
一態様において駆動セクションは、4自由度の駆動セクションである。
【0101】
一態様において、同心円状の積層軸受の、最も外側の軸受の外輪は、駆動システムのハウジングに結合され、駆動シャフトアセンブリおよび同心円状の積層軸受の他の軸受を支持するように構成されている。
【0102】
一態様において基板処理装置は、駆動システムのハウジング内の雰囲気を、第1および第2アームが配置されている雰囲気からシールするために、駆動シャフトアセンブリの駆動シャフト間に配置される磁性流体シールをさらに含んでいる。
【0103】
一態様において少なくとも1つの搬送アームは、それぞれがエンドエフェクタを有する2つの搬送アームを含んでおり、エンドエフェクタは同一平面に配置されている。
【0104】
一態様において少なくとも1つの搬送アームは、それぞれがエンドエフェクタを有する2つの搬送アームを含んでおり、エンドエフェクタは異なる平面に配置されている。
【0105】
開示される実施形態の別の態様において、基板処理装置は、駆動セクションと、第1の回転軸の周りで駆動セクションに結合され、駆動セクションにより支持される実質的に剛性なベース部材とを含み、実質的に剛性なベース部材は、第1の回転軸で互いに解放可能に結合され、第1および第2のアームセクションが、基板の搬送中は互いに対して動くことができない、実質的に堅固なリンクを形成する、第1アームセクションおよび第2アームセクションを含んでいる。また基板処理装置は、第1の回転軸とは異なる第2の回転軸の周りで、ベース部材の第1および第2のアームセクションの一方に回転可能に取り付けられ、それにより支持される第1の搬送アームであって、少なくとも1つのエンドエフェクタを含む第1の搬送アームと、第1および第2の回転軸とは異なる第3の回転軸の周りで、ベース部材の第1および第2のアームセクションの他方に回転可能に取り付けられ、それにより支持される第2の搬送アームであって、少なくとも1つのエンドエフェクタを含む第2の搬送アームとを含んでいる。第1アームの少なくとも1つのエンドエフェクタおよび第2アームの少なくとも1つのエンドエフェクタは、共通の基板搬送面を有し、第1の搬送アームと第2の搬送アームとの間の、所定の延伸および後退の角度を変更するために、解放可能な結合部が、共通の回転軸で第1および第2のアームセクションを調節可能に結合している。
【0106】
一態様において駆動セクションは、ベース部材ならびに第1および第2搬送アームを、第1の軸の周りでユニットとして回転させ、第1および第2の搬送アームのそれぞれを独立して延伸および後退するように構成されている。
【0107】
一態様において駆動セクションは、ベース部材ならびに第1および第2の搬送アームを、第1の軸の周りでユニットとして回転させ、第1搬送アームの延伸および後退が第2搬送アームの延伸および後退に結合されるように、第1および第2の搬送アームを同時に延伸および後退するように構成されている。
【0108】
一態様において駆動セクションは、ベース部材ならびに第1および第2の搬送アームを、少なくとも第1の回転軸と略平行な方向に動かすように構成されている。
【0109】
一態様において基板処理装置は、基板保持ステーションをさらに含み、ここで第1搬送アームの延伸軸と第2搬送アームの延伸軸との間の角度が、隣接する基板保持ステーション間の角度と実質的に同じになっている。
【0110】
一態様において駆動セクションは、解放可能なリンクを備える、少なくとも第1および第2の駆動軸を含んでおり、この場合、結合されるときには、第1および第2の駆動軸は実質的に同じ速度で同じ方向に駆動され、解放されるときには、第1および第2の駆動軸の少なくとも1つが、第1および第2の駆動軸の他方から独立して駆動される。
【0111】
一態様において、解放可能な結合部は機械的な固定具を備えている。
【0112】
一態様において基板処理装置は、延伸アームをさらに含み、この延伸アームの第1の端部は、駆動セクションに回転可能に結合され、ベース部材は、延伸アームの第2の端部に回転可能に結合され、第2の端部によって支持されている。
【0113】
一態様において、駆動セクションは、第1および第2の搬送アームの一方を、第2および第3の軸のそれぞれと略平行な方向への第1および第2の搬送アームの他方の動作から独立して、第2および第3の軸のそれぞれと略平行な方向へ動かすように構成されるモータを含んでいる。
【0114】
一態様において駆動セクションは、ベース部材ならびに第1および第2の搬送アームの両方を、ユニットとして、第2および第3の軸のそれぞれと略平行な方向に動かすように構成されるリフトモータをさらに備えている。
【0115】
一態様において駆動セクションは、第1、第2および第3の軸のそれぞれに配置される単軸モータを含んでいる。
【0116】
一態様において、第1および第2の搬送アームのそれぞれは、ベース部材に回転可能に取り付けられ、上側アームを回転させるために駆動システムに接続される上側アームリンクと、上側アームリンクに回転可能に取り付けられる前アームリンクとを含み、少なくとも1つのエンドエフェクタが前アームリンクに回転可能に取り付けられ、この少なくとも1つのエンドエフェクタは、伝送システムを介した上側アームリンクの回転に従動し、伝送システムは、第2および第3の軸のそれぞれに配置されるプーリを含み、このプーリはベース部材に固定して結合されている。
【0117】
開示される実施形態の別の態様において、基板処理装置は、駆動セクションと、第1の回転軸の周りで駆動セクションに結合され、駆動セクションにより支持される実質的に剛性のベース部材と、ベース部材に回転可能に取り付けられる第1搬送アームと、ベース部材に回転可能に取り付けられる第2搬送アームとを含み、ベース部材は、それぞれの延伸および後退の軸に略直交する方向への、第1および第2搬送アームの一方の動きを、それぞれの延伸および後退の軸に略平行な方向への、第1および第2の搬送アームの他方の動きから独立してもたらすように構成されている。
【0118】
一態様において、実質的に剛性なベース部材は、第1および第2のアームセクションが、基板の搬送中は互いに対して動くことができないような、実質的に堅固なリンクを形成するために、第1の回転軸で互いに解放可能に結合される第1アームセクションおよび第2アームセクションを含んでいる。
【0119】
一態様において、第1アームの少なくとも1つのエンドエフェクタおよび第2アームの少なくとも1つのエンドエフェクタは、共通の基板搬送面を有し、解放可能なリンクは、第1搬送アームと第2搬送アームとの間の、所定の延伸および後退の角度を変更するために、第1の回転軸で第1および第2のアームセクションを互いに対して結合している。
【0120】
一態様において、第1搬送アームは、第1の回転軸とは異なる第2の回転軸の周りで、ベース部材の第1および第2のアームセクションの一方に回転可能に取り付けられ、それにより支持され、第2搬送アームは、第1および第2の回転軸とは異なる第3の回転軸の周りで、ベース部材の第1および第2のアームセクションの他方に回転可能に取り付けられ、それにより支持されている。
【0121】
開示される実施形態の別の態様において、基板処理装置は、フレームと、フレームに接続され、回転駆動軸を有する駆動セクションと、回転駆動軸の周りでの回転のために駆動セクションに接続される上側アームリンク、エルボ軸の周りで上側アームリンクに回転可能に結合される前アームリンク、およびリスト軸の周りで前アームリンクに回転可能に結合されるエンドエフェクタを含む第1アームと、回転駆動軸の周りでの回転のために駆動セクションに接続される上側アームリンク、エルボ軸の周りで上側アームリンクに回転可能に結合される前アームリンク、およびリスト軸の周りで前アームリンクに回転可能に結合されるエンドエフェクタを含む第2アームとを含み、第1アームは、第1アームの上側アームおよび前アームが後退した構成において、第1アームの位置から独立して、第2アームが回転駆動軸の周りで回転可能であるように構成されている。
【0122】
一態様において、駆動セクションは、第1および第2のアームを駆動セクションに接続するように構成される同軸シャフト配置を含んでいる。
【0123】
一態様において、同軸シャフト配置は、内側シャフト、外側シャフト、第1の中間シャフト、および第2の中間シャフトを含み、内側シャフトおよび第1の中間シャフトは第2アームを駆動し、第2の中間シャフトおよび外側シャフトは第1アームを駆動する。第1の中間シャフトは、第2の中間シャフトを軸方向に支持するように構成され、第2の中間シャフトは、外側シャフトを軸方向に支持するように構成されている。
【0124】
一態様において駆動セクションは、同軸シャフト配置に結合される、少なくとも2つの隣り合うモータをさらに備えている。
【0125】
一態様において、少なくとも2つの隣り合うモータのそれぞれは、複数自由度のモータを備えている。
【0126】
一態様において、少なくとも2つの隣り合うモータのそれぞれは、ハーモニックドライブ(登録商標)である。
【0127】
一態様において、基板処理装置は、フレームに接続される基板保持位置と制御装置とをさらに含み、制御装置は、第1および第2のアームの一方を独立して回転させ、第1および第2アームの一方のエンドエフェクタを基板保持ステーションと位置合わせする一方で、第1および第2のアームの他方は、次の基板移送を予測するために、同一または異なる基板保持ステーションに基板を移送しているように構成されている。
【0128】
上述の記載は、開示される実施形態の態様の例示にすぎないことが理解されるべきである。様々な変更および修正が、開示される実施形態の態様を逸脱しない範囲で、当業者により行われ得る。したがって、開示される実施形態の態様は、添付の請求項の範囲内にある、上記のような全ての変更、修正および変異を含むことを意図するものである。また、異なる特徴が、互いに異なる従属請求項または独立請求項に示されているが、これは、これらの特徴の組み合わせが有利に用いることができないということを示すものではなく、このような組み合わせも、本発明の態様の範囲内にある。
図1
図2
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図2G
図2H
図2I
図2J
図2K
図2L
図2M
図2N
図2O
図2P
図2Q
図3
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図3G
図3H
図4
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図4G
図4H
図4I
図4J
図4K
図4L
図4M
図4N
図4O
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図5G
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11
図12
図13
図14
図14A
図14B
図14C
図14D
図15A
図15B
図16A
図16B
図16C
図16D
図16E
図16F
図16G
図17A
図17B
図17C
図18
図19A
図19B
図19C
図19D
図19E