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特許7295871修飾された脂質化リラキシンB鎖ペプチドおよびその治療的使用
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  • 特許-修飾された脂質化リラキシンB鎖ペプチドおよびその治療的使用 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-13
(45)【発行日】2023-06-21
(54)【発明の名称】修飾された脂質化リラキシンB鎖ペプチドおよびその治療的使用
(51)【国際特許分類】
   C07K 14/575 20060101AFI20230614BHJP
   C07K 19/00 20060101ALI20230614BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20230614BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20230614BHJP
   A61P 21/00 20060101ALI20230614BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20230614BHJP
   A61P 9/04 20060101ALI20230614BHJP
   A61P 9/10 20060101ALI20230614BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230614BHJP
   A61K 38/22 20060101ALI20230614BHJP
【FI】
C07K14/575 ZNA
C07K19/00
A61P13/12
A61P11/00
A61P21/00
A61P17/00
A61P9/04
A61P9/10
A61P9/10 101
A61P43/00 111
A61K38/22
【請求項の数】 28
(21)【出願番号】P 2020541689
(86)(22)【出願日】2019-01-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-05-13
(86)【国際出願番号】 EP2019052298
(87)【国際公開番号】W WO2019149782
(87)【国際公開日】2019-08-08
【審査請求日】2022-01-25
(31)【優先権主張番号】18305094.7
(32)【優先日】2018-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】504456798
【氏名又は名称】サノフイ
【氏名又は名称原語表記】SANOFI
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【弁理士】
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【弁理士】
【氏名又は名称】竹林 則幸
(72)【発明者】
【氏名】オリヴィエ・デュクロ
(72)【発明者】
【氏名】ステファンヌ・イリアーノ
(72)【発明者】
【氏名】セルジオ・マラルト
(72)【発明者】
【氏名】クレール・ミノレッティ-オーシェピエ
(72)【発明者】
【氏名】エリザベッタ・ビアンキ
(72)【発明者】
【氏名】ラファイーレ・インジェニート
(72)【発明者】
【氏名】パオラ・マゴッティ
(72)【発明者】
【氏名】アレッシア・サントプレテ
【審査官】斉藤 貴子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/157829(WO,A1)
【文献】特表2016-531156(JP,A)
【文献】MOHAMMED AKHTER HOSSAIN; ET AL,A SINGLE-CHAIN DERIVATIVE OF THE RELAXIN HORMONE IS A FUNCTIONALLY SELECTIVE AGONIST OF THE G PROTEIN-COUPLED RECEPTOR, RXFP1,CHEMICAL SCIENCE,2016年,VOL:7, NR:6,,PAGE(S):3805 - 3819,http://dx.doi.org/10.1039/C5SC04754D
【文献】HOSSAIN M A; ET AL,THE MINIMAL ACTIVE STRUCTURE OF HUMAN RELAXIN-2,JOURNAL OF BIOLOGICAL CHEMISTRY,2011年10月28日,VOL:286, NR:43,,PAGE(S):37555 - 37565,https://doi.org/10.1074/jbc.M111.282194
【文献】MOHAMMED AKHTER HOSSAIN; ET AL,SYNTHETIC RELAXINS,CURRENT OPINION IN CHEMICAL BIOLOGY,2014年10月,PAGE(S):47-55,http://dx.doi.org/10.1016/j.cbpa.2014.09.014
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07K
A61P
A61K
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の式(I):
ter-Ac-X10-E-G-R-E-X15-V-R-X18-X19-I-X21-X22-E-G-X25-S-X27-X28-X29-X30-X31-X32-X33-NH2-Cter
(式中:
terは、ペプチドのN末端を表し;
terは、ペプチドのC末端を表し;
Acは、アセチル基を表し;
10は、ロイシン、2-アミノイソ酪酸、Nε-アセチル-リジンおよびα-メチル-ロイシンからなる群から選択されるアミノ酸を表し;
Eは、グルタミン酸を表し;
Gは、グリシンを表し;
Rは、アルギニンを表し;
15は、リジン、アルギニン、ホモリジン、ホモアルギニン、オルニチン、グルタミン、フェニルアラニンおよびロイシンからなる群から選択されるアミノ酸を表し;
Vは、バリンを表し;
18は、アラニン、2-アミノイソ酪酸、ロイシン、Nε-アセチル-リジンおよびグルタミンからなる群から選択されるアミノ酸を表し;
19は、リジン、Nε-アセチル-リジン、シトルリン、グルタミン、アラニンおよび2-アミノイソ酪酸からなる群から選択されるアミノ酸を表し;
Iは、イソロイシンを表し;
21は、2-アミノイソ酪酸およびアラニンからなる群から選択されるアミノ酸を表し;X22は、2-アミノイソ酪酸およびイソロイシンからなる群から選択されるアミノ酸を表し;
25は、以下の構造を表し:
【化1】
(ここで:
*は、式(I)のX25の前のグリシンとの共有結合を表し;
は、式(I)のX25の後のセリンとの共有結合を表し;および
Zは、式(II):
-[(PEGxx)b(gE)cd
(bおよびcは、1、2、3、4または5を独立して表し;
PEGxxは、PEG2、PEG2DGA、およびTTDSからなる群から選択されるポリエチレングリコール誘導体を独立して表し;
gEは、ガンマ-グルタミン酸を表し;ならびに
dは、直鎖飽和C12~C22アシル基を表す)の基を表す);
Sは、セリンを表し;
27は、スレオニン、リジン、アルギニンおよびグルタミンからなる群から選択されるアミノ酸を表し;
28は、トリプトファン、フェニルアラニン、5-フルオロ-トリプトファン、5-クロロ-トリプトファン、5-メトキシ-トリプトファン、チロシン、4-フルオロ-フェニルアラニン、1-ナフチルアラニン、2-ナフチルアラニン、α-メチル-トリプトファン、α-メチル-フェニルアラニンおよび5-ヒドロキシ-トリプトファンからなる群から選択されるアミノ酸を表し;
29は、セリン、D-セリン、2-アミノイソ酪酸、スレオニン、α-メチル-セリン、Nε-アセチル-リジンおよびバリンからなる群から選択されるアミノ酸を表し;
30は、2-アミノイソ酪酸、α-メチル-リジン、D-リジン、リジン、ホモリジン、オルニチン、アルギニンおよびα-メチル-アルギニンからなる群から選択されるアミノ酸を表し;
31は、アルギニン、Nω-メチル-アルギニン、アラニン、Nω,Nω’-ジメチル-アルギニンおよびシトルリンからなる群から選択されるアミノ酸を表し;
32は、リジン、アラニン、アルギニン、Nε-アセチル-リジンおよびNε,Nε,Nε-トリ-メチル-リジンからなる群から選択されるアミノ酸を表し;ならびに
33は、リジン、Nε-アセチル-リジン、ロイシン、アルギニンおよびアラニンから選択されるアミノ酸を表す)を有するペプチド;
またはその塩もしくは溶媒和物。
【請求項2】
bは2、3、4または5を表し、およびcは2、3または4を表す、請求項1に記載のペプチドまたはその塩もしくは溶媒和物。
【請求項3】
dは、C12(Lau)、C14(Myr)、C15(Penta)、C16(Palm)、C17(Hepta)、C18(Stea)、C20(Eico)およびC22(Doco)アシル基からなる群から選択される直鎖飽和アシル基、特にC12(Lau)、C14(Myr)、C15(Penta)、C16(Palm)、C17(Hepta)またはC18(Stea)アシル基からなる群から選択される直鎖飽和アシル基、ならびに特に直鎖C16またはC18
アシル基を表す、請求項1または2に記載のペプチドまたはその塩もしくは溶媒和物。
【請求項4】
以下の式(Ib):
ter-Ac-X10-E-G-R-E-X15-V-R-X18-X19-I-X21-X22-E-G-X25-S-X27-X28-X29-X30-R-X32-X33-NH2-Cter
(式中:
terは、ペプチドのN末端を表し;
terは、ペプチドのC末端を表し;
Acは、アセチル基を表し;
10は、ロイシン、Nε-アセチル-リジンおよび2-アミノイソ酪酸からなる群から選択されるアミノ酸を表し;
Eは、グルタミン酸を表し;
Gは、グリシンを表し;
Rは、アルギニンを表し;
15は、リジン、アルギニン、ホモリジン、グルタミン、フェニルアラニンおよびロイシンからなる群から選択されるアミノ酸を表し;
Vは、バリンを表し;
18は、アラニン、2-アミノイソ酪酸およびNε-アセチル-リジンからなる群から選択されるアミノ酸を表し;
19は、リジン、Nε-アセチル-リジン、グルタミンおよびシトルリンからなる群から選択されるアミノ酸を表し;
Iは、イソロイシンを表し;
21は、2-アミノイソ酪酸およびアラニンからなる群から選択されるアミノ酸を表し;X22は、2-アミノイソ酪酸およびイソロイシンからなる群から選択されるアミノ酸を表し;
25は、以下の構造を表し:
【化2】
(ここで:
*は、式(Ia)のX25の前のグリシンとの共有結合を表し;
は、式(Ia)のX25の後のセリンとの共有結合を表し;および
Zは、-(TTDS)2-(gE)3-Palm、-(TTDS)3-(gE)3-Palm、-(PEG2DGA)3-(gE)3-Palm、-(PEG24-(gE)3-Palm、-(TTDS)2-(gE)2-Palm、-(TTDS)2-(gE)3-Stea、-(TTDS)3-(gE)3-Stea、-(PEG2DGA)3-(gE)3-Stea、-(PEG2DGA)3-(gE) 4 -Stea、-(PEG23-(gE)3-Palm、-(PEG24-(gE)3-Stea、-(PEG25-(gE)3-Palm、-(PEG25-(gE)4-Palm、-(TTDS)3-(gE)4-Stea、-(TTDS)2-(gE)4-Palm、-(TTDS)3-(gE)2-Stea、-(TTDS)2-(gE)4-Stea、-(TTDS)4-(gE)3-Stea、-(TTDS)3-(gE)4-Palm、-(TTDS)4-(gE)3-Palm、-(TTDS)3-(g
E)3-Myrおよび-(TTDS)3-(gE)4-Myr(ここで、gEは、ガンマ-グルタミン酸を表し
Myrは、ミリストイルを表し、Palmは、パルミトイルを表し、およびSteaは、ステアロイルを表す)からなる群から選択される);
Sは、セリンを表し;
27は、スレオニン、グルタミン、アルギニンおよびリジンからなる群から選択されるアミノ酸を表し;
28は、トリプトファン、フェニルアラニン、5-クロロトリプトファン、α-メチル-フェニルアラニン、4-フルオロ-フェニルアラニンおよび5-フルオロトリプトファンからなる群から選択されるアミノ酸を表し;
29は、セリン、D-セリン、2-アミノイソ酪酸、Nε-アセチル-リジン、スレオニンおよびバリンからなる群から選択されるアミノ酸を表し;
30は、2-アミノイソ酪酸、α-メチル-リジン、D-リジン、リジン、ホモリジンおよびアルギニンからなる群から選択されるアミノ酸を表し;
32は、リジン、アラニン、アルギニンおよびNε-アセチル-リジンからなる群から選択されるアミノ酸を表し;ならびに
33は、リジン、Nε-アセチル-リジンおよびアルギニンから選択されるアミノ酸を表す)を有する、請求項1~3のいずれか1項に記載のペプチド;
またはその塩もしくは溶媒和物。
【請求項5】
列番号1~97のアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する、請求項1~4のいずれか1項に記載のペプチド。
【請求項6】
Zは、-(TTDS)2-(gE)3-Palm、-(TTDS)3-(gE)3-Palm、-(PEG2DGA)3-(gE)3-Palm、-(PEG24-(gE)3-Palm、-(TTDS)2-(gE)2-Palm、-(TTDS)2-(gE)3-Stea、-(TTDS)3-(gE)3-Stea、-(PEG2DGA)3-(gE)3-Stea、-(PEG23-(gE)3-Palm、-(PEG24-(gE)3-Stea、-(PEG25-(gE)3-Palm、-(TTDS)3-(gE)4-Stea、-(TTDS)2-(gE)4-Palm、-(TTDS)2-(gE)4-Stea、-(TTDS)4-(gE)3-Stea、-(TTDS)3-(gE)4-Palm、-(TTDS)4-(gE)3-Palm、-(TTDS)3-(gE)3-Myrおよび-(TTDS)3-(gE)4-Myrからなる群から選択される、請求項1~5のいずれか1項に記載のペプチドまたはその塩もしくは溶媒和物。
【請求項7】
配列番号3、6、7、9~12、20~22、26、28、30~34、45、47~49、51、54~62、64、67~69、71~86、91、93、96および97からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する、請求項1~6のいずれか1項に記載のペプチド。
【請求項8】
配列番号3、6、7、20、26、30~34、45、48、49、51、54~61、67、71、73、75~79、81、83~92および97からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する、請求項1~7のいずれか1項に記載のペプチド。
【請求項9】
列番号3、配列番号6、配列番号7および配列番号20のアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する、請求項1~8のいずれか1項に記載のペプチド。
【請求項10】
列番号3のアミノ酸配列を有する、請求項1~9のいずれか1項に記載のペプチド。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1項に記載の少なくとも1つのペプチド、または薬学的に許
容されるその塩もしくは溶媒和物を、少なくとも1つの薬学的に許容される担体と一緒に含む医薬組成物。
【請求項12】
医薬品として使用するための、請求項1~10のいずれか1項に記載のペプチド、薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物、または請求項11に記載の医薬組成物。
【請求項13】
RXFP1受容体が関与する様々な疾患または状態の処置および/または予防において使用するための、請求項1~10のいずれか1項に記載のペプチド、薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物、または請求項11に記載の医薬組成物。
【請求項14】
疾患または状態は、線維症;線維性疾患、特に全身性硬化症、強皮症および線維筋痛症;特発性肺線維症;線維症を伴う腎臓病;肺高血圧および妊娠高血圧腎症からなる群から選択される、請求項13に記載のペプチド、薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物、または医薬組成物。
【請求項15】
疾患または状態は、急性または慢性心不全、収縮期または拡張期心不全、冠動脈疾患、アテローム性動脈硬化、微小血管狭心症および糖尿病の心血管合併症からなる群から選択される、心臓または血管疾患である、請求項13に記載のペプチド、薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物、または医薬組成物。
【請求項16】
疾患または状態は、腎不全、特に肝硬変における腎機能障害;慢性腎臓病および急性腎傷害からなる群から選択される、請求項13に記載のペプチド、薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物、または医薬組成物。
【請求項17】
dは、C12(Lau)、C14(Myr)、C15(Penta)、C16(Palm)、
17(Hepta)、C18(Stea)アシル基からなる群から選択される直鎖飽和アシル基を表す、請求項3に記載のペプチド、またはその塩もしくは溶媒和物。
【請求項18】
dは、直鎖C16またはC18アシル基を表す、請求項17に記載のペプチド、またはそ
の塩もしくは溶媒和物。
【請求項19】
列番号1~97のアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項4に記載のペプチド。
【請求項20】
Zは、-(TTDS)2-(gE)3-Palm、-(TTDS)3-(gE)3-Palm、-(PEG2DGA)3-(gE)3-Palm、-(PEG24-(gE)3-Palm、-(TTDS)2-(gE)2-Palm、-(TTDS)2-(gE)3-Stea、-(TTDS)3-(gE)3-Stea、-(PEG2DGA)3-(gE)3-Stea
、-(PEG23-(gE)3-Palm、-(PEG24-(gE)3-Stea、-(PEG25-(gE)3-Palm、-(TTDS)3-(gE)4-Stea、-(TT
DS)2-(gE)4-Palm、-(TTDS)2-(gE)4-Stea、-(TTDS)4-(gE)3-Stea、-(TTDS)3-(gE)4-Palm、-(TTDS)4
-(gE)3-Palm、-(TTDS)3-(gE)3-Myrおよび-(TTDS)3-(gE)4-Myrからなる群から選択される、請求項1にペプチド、またはその塩もしくは溶媒和物。
【請求項21】
請求項5に記載の少なくとも1つのペプチド、または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物を、少なくとも1つの薬学的に許容される担体と一緒に含む医薬組成物。
【請求項22】
RXFP1受容体が関与する疾患または状態を予防または処置するための、請求項1に
記載のペプチド、またはその塩もしくは溶媒和物を含む医薬組成物。
【請求項23】
疾患または状態は、線維症、線維性疾患、特発性肺線維症、線維症を伴う腎臓病、肺高血圧および妊娠高血圧腎症からなる群から選択される、請求項22に記載の医薬組成物。
【請求項24】
疾患または状態は、全身性硬化症、強皮症および線維筋痛症からなる群から選択される線維症である、請求項23に記載の医薬組成物。
【請求項25】
疾患または状態は、心臓疾患および血管疾患からなる群から選択される、請求項22に記載の医薬組成物。
【請求項26】
疾患または状態は、急性もしくは慢性心不全、収縮期もしくは拡張期心不全、冠動脈疾患、アテローム性動脈硬化、微小血管狭心症および糖尿病の心血管合併症からなる群から選択される、請求項25に記載の医薬組成物。
【請求項27】
疾患または状態は、腎不全である、請求項22に記載の医薬組成物。
【請求項28】
腎不全は、肝硬変における腎機能障害、慢性腎臓病および急性腎傷害からなる群から選択される、請求項27に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RXFP1受容体を活性化することができるリラキシン-2のB鎖のペプチド類似体に関する。
【0002】
特に、本発明は、RXFP1受容体を活性化することができるリラキシン-2のB鎖の脂質化ペプチド類似体に関する。
【0003】
さらに、本発明は、少なくとも前記ペプチドを含む医薬組成物、ならびに医薬品として使用するための、ならびに特に、RXFP1受容体が関与する様々な疾患または状態、より詳細には:
-線維症;線維性疾患、特に全身性硬化症、強皮症および線維筋痛症;特発性肺線維症;線維症を伴う腎臓病;肺高血圧および妊娠高血圧腎症からなる群;
-特に、急性もしくは慢性心不全、収縮期もしくは拡張期心不全、冠動脈疾患、アテローム性動脈硬化、微小血管狭心症および糖尿病の心血管合併症からなる群からの心臓および血管疾患からなる群;ならびに/または
-腎不全、特に肝硬変における腎機能障害;慢性腎臓病および急性腎傷害からなる群
から選択される疾患または状態の処置および/または予防において使用するための、本発明によるペプチドまたはその医薬組成物を提供する。
【背景技術】
【0004】
ヒトリラキシン-2(H2リラキシン)は、53個のアミノ酸の6kDaペプチド性ホルモンである。その構造は、2つの別々のポリペプチド鎖、すなわち、次のような:
H2リラキシンA鎖:H-Gln-Leu-Tyr-Ser-Ala-Leu-Ala-Asn-Lys-Cys-Cys**-His-Val-Gly-Cys-Thr-Lys-Arg-Ser-Leu-Ala-Arg-Phe-Cys***-OH(配列番号100)
H2リラキシンB鎖:H-Asp-Ser-Trp-Met-Glu-Glu-Val-Ile-Lys-Leu-Cys**-Gly-Arg-Glu-Leu-Val-Arg-Ala-Gln-Ile-Ala-Ile-Cys***-Gly-Met-Ser-Thr-Trp-Ser-OH(配列番号101)
(Cys、Cys**およびCys***は、同じ標識を有するシステイン間のジスルフィド結合を示す)
2つのジスルフィド(S-S)結合によって架橋され、第3のS-S鎖内結合がA鎖中に位置する、H2リラキシン鎖A(配列番号100)およびH2リラキシン鎖B(配列番号101)からなる。
【0005】
リラキシン-2は、黄体によって産生される天然に存在するペプチドホルモンであり、女性の妊娠第一期中に循環中のピークに達する。リラキシン-2は、インスリン様ペプチドファミリーに属し、該ファミリーのメンバーは、リラキシンファミリーペプチド(RXFP)受容体(RXFP1、RXFP2、RXFP3、およびRXFP4)として分類される異なる種類の受容体に結合後、非常に多くの作用を発揮する。
【0006】
RXFP1は、リラキシンの主要な受容体である。RXFP1は、アミノ末端の単一の低密度リポタンパク質クラスA(LDLa)モジュールおよび10個の細胞外ロイシンリッチリピートドメイン(LRR)と、これに続く7回膜貫通(7TM)らせんドメインを含む、大きな細胞外ドメインを含有する。RXFP1のLDLaモジュールは、32残基リンカーを介してLRRドメインに連結されている。
【0007】
RXFP1の活性化は、複雑な多段階のプロセスである。以前の研究により、H2リラキシンB鎖のアルギニンカセット(RxxxRxxI/V、式中、xは任意の残基である)のArg13、Arg17およびIle20が、RXFP1のLRRドメインのLRR4~8に位置するAsp231、Asp279、Glu233およびGlu277に結合することが示された。リガンド結合だけでは受容体を活性化するのに十分でない。LDLaモジュールのトランケーションまたは置換は、細胞外ドメインへの結合にもかかわらず不活性な受容体をもたらす。RXFP1およびRXFP2のLDLaモジュールを交換する研究(非特許文献1)は、受容体活性化におけるリンカーの役割に光を当てた。膜貫通ドメインのLRR(高親和性部位)および第1のエキソループ(exoloop)(低親和性部位)がリラキシン結合に関与しているのに対し、LDLaモジュールはエキソループ2が関与する受容体活性化に必要とされる(非特許文献2)。
【0008】
いくつかの種では、リラキシンは、インスリン様ペプチド3(INSL3)に対するGPCRを含有する天然のロイシンリッチリピート、RXFP2も活性化することができる。RXFP2によってのみ作用するリラキシンの生理学的役割の証拠は現在のところないにもかかわらず、これは、潜在的な交差反応性がリラキシンの様々な生物学的活性と関連している可能性があることを示唆するものである。
【0009】
最近の発表データは、ヒトとげっ歯類の間のECL3ドメインの種差により、RXFP1を活性化するアゴニストの能力に種間差があることを示した(非特許文献3)。並行して、偏ったアゴニスト活性がいくつかのリラキシン由来一本鎖模倣物について記載された(非特許文献4)。しかし、IUPHAR命名法に基づくと、RXFP1はGs共役受容体であり、RXFP1の主要なシグナル伝達経路はcAMP(環状アデノシン一リン酸)蓄積をもたらす。
【0010】
リラキシンは、子宮リモデリングおよび胚着床だけでなく、妊婦の血行力学的適応にも関与する妊娠ホルモンとして最初に同定された。これには、心後負荷の改善を目標とした効果の組み合わせである、血管抵抗の減少、心拍出量の増加およびGFRの上昇が含まれる。これらの特性は、急性心不全の状況でのいくつかの臨床試験における組換えヒトリラキシン2の使用に至った。
【0011】
腎臓血管系および全身血管系の変化に起因するリラキシンの有益な心血管効果も、前臨床試験および第II相臨床試験における鬱血性および急性心不全患者で示されている。意識下の正常血圧および高血圧オスおよびメスラットでは、リラキシンの急性静脈内投与および長期皮下投与は、平均動脈圧に影響を与えることなく心拍出量および全動脈コンプライアンスを増加させ、全身の血管抵抗を低下させる。
【0012】
リラキシンはまた、高血圧のラットモデルにおいて平均動脈圧を低下させることも示されている。リラキシンの血管作用は、受動的壁コンプライアンスの変更にまで及ぶ。ラットおよびマウスにおける長期皮下リラキシン輸注は、腎小動脈、腸間膜動脈、子宮動脈および頸動脈の動脈コンプライアンスを増加させる。さらにリラキシンは、心臓線維症および腎線維症の動物モデルにおいて抗線維化特性を有する。
【0013】
故に、リラキシンは、後負荷を減少させ、心臓活性を救済することによって慢性心不全患者に恩恵をもたらし得る他、肺高血圧患者、駆出率が低下したまたは保たれた心不全患者、ならびに全身性硬化症、特発性肺線維症、および線維症を伴う任意の腎臓病を含む線維性疾患患者にも恩恵をもたらし得る。
【0014】
リラキシン-2は故に、明らかに高い治療的利益がある。
【0015】
それにもかかわらず、H2リラキシン複合体ヘテロ二量体構造はその化学合成および精製を難しくし、最終産物の低収量につながっている(非特許文献5)。
【0016】
したがって、RXFP1受容体を活性化するリラキシンの能力を有する安定なリラキシンペプチド、より具体的には、天然のリラキシンより構造的に単純でありながらリラキシン生物活性を保持するペプチドを得ることへの関心がある。
【0017】
より単純な構造を有するペプチドは、H2リラキシンより複雑でない効率的な合成を必要とし得る。それによって、H2リラキシン合成に関連する処理費用が低減される。
【0018】
さらに、そのより単純で小さな構造ゆえに、そのようなペプチドは、天然のリラキシンと比べて改善された取り込みを示し、インビボでの治療活性の改善につながり得る。
【0019】
いくつかの単純化されたH2リラキシン類似体が文献に記載されている。非特許文献6は、H2リラキシンの最小構造を同定し、そのB鎖が、効力の喪失を最小限にしながらN末端で最大6または7アミノ酸までトランケートされ得ることを示した。この刊行物に記載された構造は、合成するのが依然として難しく、天然のH2リラキシンと比べて利点がない二本鎖リラキシン類似体である。
【0020】
リラキシンファミリーペプチドを単純化するさらなる試みが行われた。近年、非特許文献7および特許文献1は、H2リラキシンB鎖のみを含むRXFP1アゴニストペプチドを提案した。しかし、本明細書に例示されるように、特許文献1のペプチドは、RXFP1受容体を活性化するのに不十分な能力を呈する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0021】
【文献】WO2015/157829
【非特許文献】
【0022】
【文献】Bruell、S.ら、Front. Endocrinol.(Lausanne)4、171(2013)
【文献】Sethi A.ら Nature Communications(2016)
【文献】Huangら Frontiers in Endocrinology 2015年8月17日;6:128頁
【文献】Hossainら Chem. Sci.、2016、7、3805頁
【文献】Curr. Opin. Chem. Biol. 2014、22、47~55頁
【文献】M.A. Hossainら(J. Biol. Chem.(2011)、43、3755頁)
【文献】M.A. Hossainら in Chem. Sci.(2016)、7、3805~3819頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
故に、RXFP1受容体を活性化することができる、特にRXFP1受容体を活性化する能力が改善されたリラキシン-2のB鎖の新たなペプチド類似体が必要である。
【0024】
また、単純な構造、特に、既に公知のリラキシンペプチドより単純な構造を有し、およびRXFP1受容体を活性化する改善された能力を有する新たな修飾リラキシンペプチドも必要である。
【0025】
本発明は、上記に示されたニーズを満たすことを目指す。
【課題を解決するための手段】
【0026】
本発明者らは、以下の例に示されるように、従来技術で提案された最初の単純化されたリラキシンファミリーペプチドと比べて、RXFP1受容体を活性化する能力の有意な改善を示す新たな修飾リラキシンペプチド、および特に脂質化ペプチドを実際に提供する。
【0027】
以下に記載されるように、本発明者らによっていくつかの欠失および修飾が天然のリラキシンB鎖アミノ酸配列に引き起こされ、天然のリラキシンおよび従来技術で既に提案されたリラキシンペプチドと比べて改善された特性を有するより短いペプチドをもたらした。特に、添付の実験は、ペプチドB7-33 C11.23S(配列番号102)およびWO2015/157829からの類似ペプチド、AcB7-33 C11.23S(配列番号103)およびKKKK(AcB7-29 C11.23S)(配列番号104)が、本発明のペプチドを選択するのに使用された細胞アッセイにおいて、それぞれ1641nM、929nMおよび206nMのRXFP1の50%活性化濃度(EC50)を有する一方で、本発明による脂質化ペプチドで得られたEC50値は、36.4nMから0.07nMに下がることを示している。さらに、本発明のテストされたペプチドの大多数は、5nM以下のEC50値を有する。
【0028】
さらに、以下の従来技術は、リラキシンのB鎖が、効力の有意な低下なく7個を超えるアミノ酸をトランケートし得ないことを示唆したが(J. Biol. Chem.(2011)、43、3755頁;WO2015/157829)、本発明のペプチドは、N末端(Nter)で9個のアミノ酸がトランケートされ、RXFP1受容体で依然として高い活性を示す。
【0029】
WO2015/157829のRXFP1アゴニストペプチドと比べて、本発明のペプチドは、pH4.5またはpH7.5での可溶性の改善、ラットおよびヒト血漿または血中安定性およびインビボ半減期の改善を示す。
【0030】
これらの特性は、より長時間そのインビボ効能を保持する医薬品として使用するために、本発明のペプチドを幅広い濃度範囲で製剤化できるようにし、静脈内または皮下経路による、例えば1日1回投与を可能にするであろう。
【0031】
したがって、本発明の目的の1つは、以下の式(I):
ter-Ac-X10-E-G-R-E-X15-V-R-X18-X19-I-X21-X22-E-G-X25-S-X27-X28-X29-X30-X31-X32-X33-NH-Cter
(式中:
terは、ペプチドのN末端を表し;
terは、ペプチドのC末端を表し;
Acは、アセチル基を表し;
10は、ロイシン、2-アミノイソ酪酸(Aib)、Nε-アセチル-リジン(K(Ac))およびα-メチル-ロイシン(Mel)からなる群から選択されるアミノ酸を表し;
Eは、グルタミン酸(Glu)を表し;
Gは、グリシン(Gly)を表し;
Rは、アルギニン(Arg)を表し;
15は、リジン(Lys)、アルギニン(Arg)、ホモリジン(Hly)、ホモアルギニン(Har)、オルニチン(Orn)、グルタミン(Gln)、フェニルアラニン(Phe)およびロイシン(Leu)からなる群から選択されるアミノ酸を表し;
Vは、バリン(Val)を表し;
18は、アラニン(Ala)、2-アミノイソ酪酸(Aib)、ロイシン(Leu)、Nε-アセチル-リジン(K(Ac))およびグルタミン(Gln)からなる群から選択されるアミノ酸を表し;
19は、リジン(Lys)、Nε-アセチル-リジン(K(Ac))、シトルリン(Cit)、グルタミン(Gln)、アラニン(Ala)および2-アミノイソ酪酸(Aib)からなる群から選択されるアミノ酸を表し;
Iは、イソロイシン(Ile)を表し;
21は、2-アミノイソ酪酸(Aib)およびアラニン(Ala)からなる群から選択されるアミノ酸を表し;
22は、2-アミノイソ酪酸(Aib)およびイソロイシン(Ile)からなる群から選択されるアミノ酸を表し;
25は、以下の構造を表し:
【化1】
(ここで:
は、式(I)のX25の前のグリシンとの共有結合を表し;
は、式(I)のX25の後のセリンとの共有結合を表し;および
Zは、式(II):
-[(PEGxx)(gE)
(bおよびcは、1、2、3、4または5を独立して表し;
PEGxxは、PEG、PEGDGA、およびTTDSからなる群から選択されるポリエチレングリコール誘導体を独立して表し;
gEは、ガンマ-グルタミン酸を表し;ならびに
は、直鎖飽和C12~C22アシル基を表す)の基を表す);
Sは、セリン(Ser)を表し;
27は、スレオニン(Thr)、リジン(Lys)、アルギニン(Arg)およびグルタミン(Gln)からなる群から選択されるアミノ酸を表し;
28は、トリプトファン(Trp)、フェニルアラニン(Phe)、5-フルオロ-トリプトファン(Trp(5F))、5-クロロ-トリプトファン(Trp(5Cl))、5-メトキシ-トリプトファン(Trp(5OMe))、チロシン(Tyr)、4-フルオロ-フェニルアラニン(Pfp)、1-ナフチルアラニン(1-Nal)、2-ナフチルアラニン(2-Nal)、α-メチル-トリプトファン(Mtr)、α-メチル-フェニルアラニン(Mph)および5-ヒドロキシ-トリプトファン(Wox)からなる群から選択されるアミノ酸を表し;
29は、セリン(Ser)、D-セリン(Dser)、2-アミノイソ酪酸(Aib)、スレオニン(Thr)、α-メチル-セリン(Mse)、Nε-アセチル-リジン(K(Ac))およびバリン(Val)からなる群から選択されるアミノ酸を表し;
30は、2-アミノイソ酪酸(Aib)、α-メチル-リジン(Mly)、D-リジン(Dlys)、リジン、ホモリジン(Hly)、オルニチン(Orn)、アルギニン(Arg)およびα-メチル-アルギニン(Mar)からなる群から選択されるアミノ酸を表し;
31は、アルギニン(Arg)、Nω-メチル-アルギニン(Rme)、アラニン(Ala)、Nω,Nω’-ジメチル-アルギニン(Rds、対称性ジメチルアルギニン)およびシトルリン(Cit)からなる群から選択されるアミノ酸を表し;
32は、リジン(Lys)、アラニン(Ala)、アルギニン(Arg)、Nε-アセチル-リジン(K(Ac))およびNε,Nε,Nε-トリ-メチル-リジン(Tml)からなる群から選択されるアミノ酸を表し;ならびに
33は、リジン(Lys)、Nε-アセチル-リジン(K(Ac))、ロイシン(Leu)、アルギニン(Arg)およびアラニン(Ala)から選択されるアミノ酸を表す)を有するペプチド;
またはその塩もしくは溶媒和物に関する。
【0032】
特定の実施形態において本発明は、RXFP1受容体を活性化することができる式(I)を有するペプチド、または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物を提供する。
【0033】
本発明の別の目的は、本発明による少なくとも1つのペプチド、または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物を、少なくとも1つの薬学的に許容される担体と一緒に含む医薬組成物である。
【0034】
本発明のさらなる目的は、医薬品として使用するための、本発明のペプチド、薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物、または本発明によるその医薬組成物に関する。
【0035】
したがって、本発明は、さらに、RXFP1受容体が関与する様々な疾患または状態の処置および/または予防、より具体的には:
-線維症;線維性疾患、特に全身性硬化症、強皮症および線維筋痛症;特発性肺線維症;線維症を伴う腎臓病;肺高血圧および妊娠高血圧腎症からなる群;
-特に、急性もしくは慢性心不全、収縮期もしくは拡張期心不全、冠動脈疾患、アテローム性動脈硬化、微小血管狭心症および糖尿病の心血管合併症からなる群からの心臓および血管疾患からなる群;ならびに/または
-腎不全、特に肝硬変における腎機能障害、慢性腎臓病および急性腎傷害からなる群
から選択される疾患または状態の処置および/または予防において使用するための、本発明のペプチド、薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物、または本発明によるその医薬組成物に関する。
【0036】
1つの実施形態において、前記疾患または状態は、特に、急性または慢性心不全、収縮期または拡張期心不全、冠動脈疾患、アテローム性動脈硬化、微小血管狭心症および糖尿病の心血管合併症からなる群からの、心臓および血管疾患からなる群から選択することができる。
【発明を実施するための形態】
【0037】
定義
本明細書で使用される場合:
-yが異なる値を有する、本発明の式に使用される「X」は、前記式の定義に規定されるアミノ酸を表す。yは、リラキシン-2の天然のB鎖における前記アミノ酸の位置を示す。例えば、X10は、リラキシン-2の天然のB鎖のアミノ酸配列の10位のアミノ酸を表す。
-「薬学的に許容される担体」は、医薬組成物が生理的に認容される、すなわち毒性または過度の不快感なく個体に投与されるように、流体、特に本発明のペプチドを含む液体が意図される。
-本発明による「生物学的に活性な」ペプチドは、RXFP1受容体を活性化することができるペプチドである。
-該当する場合、本発明のペプチド中のアミノ酸は、それぞれ独立してL-アミノ酸またはD-アミノ酸であってもよい。特定の実施形態において、本発明によるアミノ酸はL-アミノ酸である。本明細書では、任意のアミノ酸のL型またはD型に関する情報が示されないならば、このアミノ酸はL-アミノ酸である。
-NterおよびCterは、それぞれ、本発明のペプチドのN末端およびペプチドのC末端を示すのに使用される従来の表示である。
-本発明による「ペプチド」または「リラキシンペプチド」は、本発明による修飾された脂質化リラキシンB鎖ペプチドである。特に、そのような「ペプチド」または「リラキシンペプチド」は、生物学的に活性な、すなわち典型的にはリラキシンと関連した生物活性を示す、特に、RXFP1受容体を活性化することができる上記に示されたようなペプチドを意味する。本発明による修飾ペプチドによって示されるそのようなリラキシン生物活性のレベルは、天然に存在するもしくは天然のリラキシンの活性と比べた場合、または本発明のものとは異なる既に開示されたリラキシンペプチドと比べた場合でさえ同等であり得、または有利には増強される。
-用語「天然の(native)」は、リラキシンに関連して本明細書で使用される場合、天然に存在する分子または野生型分子を指す。
-「予防(妨げるing)」は、検討中の現象の出現リスクを低下させることを意味することが意図される。この低下は完全または部分的であってもよく、すなわち、本発明による使用において既存のものより低いリスクの程度をもたらす。
-「処置(Treating)」は、検討中の望ましくない状態または疾患を低減またはさらには排除することを意味することが意図される。
-「個体」または「患者」は、本発明により検討される状態に罹患した、または罹患する可能性があるヒトまたはヒト以外の哺乳動物が意図される。前記個体は、特にヒトである。
【0038】
本発明者らは、新たな修飾ペプチド、特に脂質化ペプチドを設計した。
【0039】
本発明者らは、より短いおよび強く修正された本発明によるペプチド、すなわち本発明によるアミノ酸配列が、当技術分野で公知の単一のB鎖リラキシンと比較して、優れた生物活性、特にRXFP1受容体を活性化する優れた能力を有することを本明細書において思いがけず見出した。
【0040】
本発明のペプチド
本発明によるペプチドは、該ペプチドが、式(I):
ter-Ac-X10-E-G-R-E-X15-V-R-X18-X19-I-X21-X22-E-G-X25-S-X27-X28-X29-X30-X31-X32-X33-NH-Cter
(式中:
terは、ペプチドのN末端を表し;
terは、ペプチドのC末端を表し;
Acは、アセチル基を表し;
10は、ロイシン、2-アミノイソ酪酸、Nε-アセチル-リジンおよびα-メチル-ロイシンからなる群から選択されるアミノ酸を表し;
Eは、グルタミン酸を表し;
Gは、グリシンを表し;
Rは、アルギニンを表し;
15は、リジン、アルギニン、ホモリジン、ホモアルギニン、オルニチン、グルタミン、フェニルアラニンおよびロイシンからなる群から選択されるアミノ酸を表し;
Vは、バリンを表し;
18は、アラニン、2-アミノイソ酪酸、ロイシン、Nε-アセチル-リジンおよびグルタミンからなる群から選択されるアミノ酸を表し;
19は、リジン、Nε-アセチル-リジン、シトルリン、グルタミン、アラニンおよび2-アミノイソ酪酸からなる群から選択されるアミノ酸を表し;
Iは、イソロイシンを表し;
21は、2-アミノイソ酪酸およびアラニンからなる群から選択されるアミノ酸を表し;
22は、2-アミノイソ酪酸およびイソロイシンからなる群から選択されるアミノ酸を表し;
25は、以下の構造を表し:
【化3】
(ここで:
は、式(I)のX25の前のグリシンとの共有結合を表し;
は、式(I)のX25の後のセリンとの共有結合を表し;および
Zは、式(II):
-[(PEGxx)(gE)
(bおよびcは、1、2、3、4または5を独立して表し;
PEGxxは、PEG、PEGDGA、およびTTDSからなる群から選択されるポリエチレングリコール誘導体を独立して表し;
gEは、ガンマ-グルタミン酸を表し;ならびに
は、直鎖飽和C12~C22アシル基を表す)の基を表す);
Sは、セリンを表し;
27は、スレオニン、リジン、アルギニンおよびグルタミンからなる群から選択されるアミノ酸を表し;
28は、トリプトファン、フェニルアラニン、5-フルオロ-トリプトファン、5-クロロ-トリプトファン、5-メトキシ-トリプトファン、チロシン、4-フルオロ-フェニルアラニン、1-ナフチルアラニン、2-ナフチルアラニン、α-メチル-トリプトファン、α-メチル-フェニルアラニンおよび5-ヒドロキシ-トリプトファンからなる群から選択されるアミノ酸を表し;
29は、セリン、D-セリン、2-アミノイソ酪酸、スレオニン、α-メチル-セリン、Nε-アセチル-リジンおよびバリンからなる群から選択されるアミノ酸を表し;
30は、2-アミノイソ酪酸、α-メチル-リジン、D-リジン、リジン、ホモリジン、オルニチン、アルギニンおよびα-メチル-アルギニンからなる群から選択されるアミノ酸を表し;
31は、アルギニン、Nω-メチル-アルギニン、アラニン、Nω,Nω’-ジメチル-アルギニンおよびシトルリンからなる群から選択されるアミノ酸を表し;
32は、リジン、アラニン、アルギニン、Nε-アセチル-リジンおよびNε,Nε,Nε-トリ-メチル-リジンからなる群から選択されるアミノ酸を表し;
33は、リジン、Nε-アセチル-リジン、ロイシン、アルギニンおよびアラニンから選択されるアミノ酸を表す)のもの;
またはその塩もしくは溶媒和物であることを特徴とする。
【0041】
本発明はまた、本明細書に定義された式(I)または(Ia)のペプチドの塩、1つの実施形態では薬学的に許容される塩、例えば、酸付加物としての塩(塩酸、硫酸、硝酸、臭化水素酸、リン酸、過塩素酸、チオシアン酸およびホウ酸などの無機酸との;またはギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、クエン酸、酒石酸、コハク酸、グルコン酸、乳酸、マロン酸、フマル酸、アントラニル酸、安息香酸、ケイ皮酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸およびスルファニル酸などの有機酸との);ならびにアルカリ金属(例えばナトリウム、カリウム、リチウム、亜鉛、およびアルミニウム)などの金属との塩も含む。
【0042】
1つの実施形態においてペプチドの塩は、薬学的に許容される塩、例えば、塩酸、硫酸、リン酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、クエン酸、酒石酸、コハク酸、グルコン酸、乳酸、マロン酸、フマル酸、アントラニル酸、安息香酸、ケイ皮酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸およびスルファニル酸との酸付加物;ならびにアルカリ金属、例えばナトリウム、カリウム、リチウムおよび亜鉛などの金属との塩である。
【0043】
本発明はまた、上記の式(I)または(Ia)のペプチドの溶媒和物、1つの実施形態では薬学的に許容される溶媒和物も含む。
【0044】
溶媒和物は、本発明の化合物またはその塩と溶媒分子、例えば有機溶媒分子および/または水との複合体を意味する。
【0045】
本発明の実施形態によれば、本発明はまた、本発明のペプチドの薬学的に許容される塩または溶媒和も含む。
【0046】
例示されているように、本発明によるペプチドはアミノ酸配列である。
【0047】
標準的なポリペプチド命名法(J. Biol. Chem.、243:3552~59頁(1969))に従って、本発明で使用されるα-アミノ酸残基の略号は次の通りである:
【0048】
【表1】
【0049】
非天然または修飾アミノ酸には、以下の略号が使用される:
【0050】
【表2】
【0051】
アミノ酸配列が、上述の略号および例えばX18などのX表記を使用して表される本発明による式全てにおいて、左から右方向がアミノ末端からカルボキシ末端の従来の方向である。
【0052】
したがって、例えば、トリプトファン、5-フルオロ-トリプトファン、5-クロロ-トリプトファン、5-メトキシ-トリプトファン、チロシン、フェニルアラニン、4-フルオロ-フェニルアラニン、1-ナフチルアラニン、2-ナフチルアラニン、α-メチル-トリプトファン、α-メチル-フェニルアラニンおよび5-ヒドロキシ-トリプトファンの群から選択されるアミノ酸を表すX28では、前記アミノ酸のN末端またはアミノ基がX27によって表されるアミノ酸に連結され、前記アミノ酸のC末端またはカルボキシル基がX29によって表されるアミノ酸に連結される。
【0053】
そのN末端(Nter)端において、本発明のペプチドはアセチル基(Ac):CHC(O)-と置換される。
【0054】
そのC末端(Cter)端において、本発明のペプチドは-NH基と置換される。
【0055】
そのX25位において、本発明のペプチドは、以下の構造:
【化5】
を含む。
【0056】
この構造は、リジンアミノ酸に対応する(式中:
-アルファ(α)窒素原子()は、ペプチドの前の部分に結合され(すなわち、共有結合、特にペプチド結合を通じて、本発明による式に表されたNter-Cter方向に基づくX25のNterの基が、すなわち24位(X24)のグリシンと);
-カルボキシル基の炭素原子()は、X25位の後のペプチドの部分に結合され(すなわち、共有結合、特にペプチド結合を通じて、本発明による式に表されたNter-Cter方向に基づくX25のCterの基が、すなわち26位(X26)のセリンと);および
-その側鎖の窒素原子はZ基に結合される)。
【0057】
このZ基は、式(II):
-[(PEGxx)(gE)]として定義される。
【0058】
式(II)中、-は、X25のリジン構造の側鎖の窒素原子との共有結合を表す。
【0059】
bおよびcは、1、2、3、4または5、特に2、3、4または5を独立して表す。
【0060】
特定の実施形態において、bは2、3、4または5を表す。
【0061】
特定の実施形態において、cは2、3または4を表す。
【0062】
好ましい実施形態において、bは2、3、4または5を表し、およびcは2、3または4を独立して表す。
【0063】
本発明の式中のPEGxxは、PEG、PEGDGAおよびTTDSからなる群から選択されるポリエチレングリコール誘導体を独立して表す。
【0064】
前記群は、次のように定義される:
【0065】
【表3】
式中、式(II)の(PEGxx)において、
△は、(gE)基との共有結合を表し、および
□は、式(II)の基とX25のリジン構造の側鎖の窒素原子とを連結する共有結合を表す。
【0066】
特定の実施形態において、(PEGxx)は、(TTDS)、(TTDS)、(PEGDGA)、(PEG、(PEGおよび(PEGからなる群から選択されるポリエチレングリコール誘導体を表す。
【0067】
以前に示されているように、γE、gGluまたはγGluとしても表されるgEは、ガンマ-グルタミン酸を表す。このアミノ酸は、以下の構造を有する:
【化4】
(式中、式(II)において(gE)として表されるとき、
△は、Cとの共有結合を表し、および
□は、(PEGxx)b基との共有結合を表す)。
【0068】
は、直鎖飽和C12~C22アシル基、特に、C12(Lau)、C14(Myr)、C15(Penta)、C16(Palm)、C17(Hepta)、C18(Stea)、C20(Eico)およびC22(Doco)アシル基からなる群から選択される直鎖飽和アシル基を表す。1つの実施形態においてCは、C12(Lau)、C14(Myr)、C15(Penta)、C16(Palm)、C17(Hepta)またはC18(Stea)アシル基からなる群から選択される直鎖飽和アシル基、特に直鎖飽和C14、C16またはC18アシル基、さらにより具体的には直鎖C16またはC18アシル基を表す。
【0069】
特定の実施形態において、Cは、直鎖飽和C12アシル基を表す。本発明の直鎖飽和C12アシル基は、ラウロイル基(本明細書では「Lau」としても表される)である。
【0070】
特定の実施形態において、Cは、直鎖飽和C14アシル基を表す。本発明の直鎖飽和C14アシル基は、ミリストイル基(本明細書では「Myr」としても表される)である。
【0071】
特定の実施形態において、Cは、直鎖飽和C15アシル基を表す。本発明の直鎖飽和C15アシル基は、ペンタデカノイル基(本明細書では「Penta」としても表される)である。
【0072】
特定の実施形態において、Cは、直鎖飽和C16アシル基を表す。本発明の直鎖飽和C16アシル基は、パルミトイル基(本明細書では「Palm」としても表される)である。
【0073】
特定の実施形態において、Cは、直鎖飽和C17アシル基を表す。本発明の直鎖飽和C17アシル基は、ヘプタデカノイル基(本明細書では「Hepta」としても表される)である。
【0074】
別の特定の実施形態において、Cは、直鎖飽和C18アシル基を表す。本発明の直鎖飽和C18アシル基は、ステアロイル基(本明細書では「Stea」としても表される)である。
【0075】
別の特定の実施形態において、Cは、直鎖飽和C20アシル基を表す。本発明の直鎖飽和C20アシル基は、エイコサノイル基(本明細書では「Eico」としても表される)である。
【0076】
別の特定の実施形態において、Cは、直鎖飽和C22アシル基を表す。本発明の直鎖飽和C22アシル基は、ドコサノイル基(本明細書では「Doco」としても表される)である。
【0077】
特定の実施形態において、Zは、-(TTDS)-(ガンマ-グルタミン酸)-パルミトイル(-(TTDS)-(gE)-Palm)、-(TTDS)-(ガンマ-グルタミン酸)-パルミトイル(-(TTDS)-(gE)-Palm)、-(PEGDGA)-(ガンマ-グルタミン酸)-パルミトイル(-(PEGDGA)-(gE)-Palm)、-(PEG-(ガンマ-グルタミン酸)-パルミトイル(-(PEG-(gE)-Palm)、-(TTDS)-(ガンマ-グルタミン酸)-パルミトイル(-(TTDS)-(gE)-Palm)、-(TTDS)-(ガンマ-グルタミン酸)-ステアロイル(-(TTDS)-(gE)-Stea)、-(TTDS)-(ガンマ-グルタミン酸)-ステアロイル(-(TTDS)-(gE)-Stea)、-(PEGDGA)-(ガンマ-グルタミン酸)-ステアロイル(-(PEGDGA)-(gE)-Stea)、-(PEGDGA)-(ガンマ-グルタミン酸)-ステアロイル(-(PEGDGA)-(gE)-Stea)、-(PEG-(ガンマ-グルタミン酸)-パルミトイル(-(PEG2)-(gE)-Palm)、-(PEG-(ガンマ-グルタミン酸)-ステアロイル(-(PEG-(gE)-Stea)、-(PEG-(ガンマ-グルタミン酸)-パルミトイル(-(PEG-(gE)-Palm)、-(PEG-(ガンマ-グルタミン酸)-パルミトイル(-(PEG-(gE)-Palm)、-(TTDS)-(ガンマ-グルタミン酸)-ステアロイル(-(TTDS)-(gE)-Stea)、-(TTDS)-(ガンマ-グルタミン酸)-パルミトイル(-(TTDS)-(gE)-Palm)、-(TTDS)-(ガンマ-グルタミン酸)-ステアロイル(-(TTDS)-(gE)-Stea)および-(TTDS)-(ガンマ-グルタミン酸)-ステアロイル(-(TTDS)-(gE)-Stea)からなる群から選択され、より特定の実施形態においてZは、-(TTDS)-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Palm、-(PEGDGA)-(gE)-Palm、-(PEG-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Stea、-(TTDS)-(gE)-Stea、-(PEG-(gE)-Palm、-(PEG-(gE)-Steaおよび-(TTDS)-(gE)-Palmからなる群から選択され、特別な実施形態においてZは、-(TTDS)-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Steaおよび-(TTDS)-(gE)-Stea、例えば-(TTDS)-(gE)-Palmおよび-(TTDS)-(gE)-Steaからなる群から選択される。
【0078】
全てのこれらのZ基では、最初の-記号は、Z基とリジンX25構造の側鎖の窒素原子の間の共有結合を表す。
【0079】
したがって、Z基が、例えば-(TTDS)-(ガンマ-グルタミン酸)-パルミトイル(-(TTDS)-(gE)-Palmとしても表される)として表される場合、第1のTTDS基は、X25構造の側鎖の窒素原子に結合される。共有結合はまた、第2のTTDS基も結合するが、別の共有結合がこの第2のTTDS基を第1のガンマ-グルタミン酸(gE)に結合させる。この第1のガンマ-グルタミン酸(gE)は、それ自体が共有結合により第2のガンマ-グルタミン酸(gE)に結合され、この第2のガンマ-グルタミン酸(gE)は、別の共有結合により第3のガンマ-グルタミン酸(gE)に結合され、この第3のガンマ-グルタミン酸(gE)基は、共有結合によってパルミトイル(Palm)基にさらに連結される。
【0080】
さらに、例えば-(TTDS)-(ガンマ-グルタミン酸)-パルミトイル(-(TTDS)-(gE)-Palmとしても表される)として表される本発明によるZ基は、-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palmともなり得ることが本出願から理解されなければならない。
【0081】
同じことが、本発明による他の表されたZ基に準用される。
【0082】
特定の実施形態によれば、本発明によるペプチドは、式(Ia):
ter-Ac-L-E-G-R-E-X15-V-R-X18-X19-I-Aib-Aib-E-G-X25-S-T-X28-X29-X30-R-X32-X33-NH-Cter
(式中:
terは、ペプチドのN末端を表し;
terは、ペプチドのC末端を表し;
Acは、アセチル基を表し;
Lは、ロイシンを表し;
Eは、グルタミン酸を表し;
Gは、グリシンを表し;
Rは、アルギニンを表し;
15は、リジン、アルギニン、ホモリジン、グルタミン、フェニルアラニンおよびロイシンからなる群から選択されるアミノ酸を表し;
Vは、バリンを表し;
18は、アラニンおよび2-アミノイソ酪酸からなる群から選択されるアミノ酸を表し;
19は、リジン、Nε-アセチル-リジン、グルタミンおよびシトルリンからなる群から選択されるアミノ酸を表し;
Iは、イソロイシンを表し;
Aibは、2-アミノイソ酪酸を表し;
25は、以下の構造を表し:
【化5】
(ここで:
は、式(Ia)のX25の前のグリシンとの共有結合を表し;
は、式(Ia)のX25の後のセリンとの共有結合を表し;ならびに
Zは、
-(TTDS)-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Palm、-(PEGDGA)-(gE)-Palm、-(PEG-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Stea、-(TTDS)-(gE)-Stea、-(PEGDGA)-(gE)-Stea、-(PEGDGA)-(gE)-Stea、-(PEG-(gE)-Palm、-(PEG-(gE)-Stea、-(PEG-(gE)-Palm、-(PEG-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Stea、-(TTDS)-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Steaおよび-(TTDS)-(gE)-Stea(ここで、
gEは、ガンマ-グルタミン酸を表し
Palmは、パルミトイルを表し、および
Steaは、ステアロイルを表す)からなる群から選択される);
Sは、セリンを表し;
Tは、スレオニンを表し;
28は、トリプトファンおよびフェニルアラニンからなる群から選択されるアミノ酸を表し;
29は、セリン、D-セリンおよび2-アミノイソ酪酸からなる群から選択されるアミノ酸を表し;
30は、2-アミノイソ酪酸、α-メチル-リジン、D-リジンおよびリジンからなる群から選択されるアミノ酸を表し;
32は、リジン、アラニンおよびアルギニンからなる群から選択されるアミノ酸を表し;ならびに
33は、リジンおよびNε-アセチル-リジンから選択されるアミノ酸を表す)のもの;
またはその塩もしくは溶媒和物である。
【0083】
特定の実施形態によれば、本発明によるペプチドは、参照配列番号1~97のアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する。特に、本発明によるペプチドは、参照配列番号1~32、34~37、39、42、44、45、47~49、51および54~97のアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する。
【0084】
特定の実施形態において、上記に記載される式(Ia)を有するペプチドに関して:
19は、Nε-アセチル-リジンおよびシトルリンからなる群から選択されるアミノ酸を表し;
25は、以下の構造を表し:
【化6】
(ここで:
は、式(Ia)のX25の前のグリシンとの共有結合を表し;
は、式(Ia)のX25の後のセリンとの共有結合を表し;ならびに
Zは、
-(TTDS)-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Palm、-(PEGDGA)-(gE)-Palm、-(PEG-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Stea、-(TTDS)-(gE)-Stea、-(PEG-(gE)-Palm、-(PEG-(gE)-Steaおよび-(TTDS)-(gE)-Palm(ここで、
gEは、ガンマ-グルタミン酸を表し
Palmは、パルミトイルを表し、および
Steaは、ステアロイルを表す)からなる群から選択される);
32は、リジンおよびアラニンからなる群から選択されるアミノ酸を表し;ならびに
33は、Nε-アセチル-リジンを表す
またはその塩もしくは溶媒和物。
【0085】
別の実施形態によれば、本発明によるペプチドは、参照配列番号1~30のアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する。
【0086】
特定の実施形態において、式(Ia)の本発明によるペプチドは:
terが、ペプチドのN末端を表し;
terが、ペプチドのC末端を表し;
Acが、アセチル基を表し;
Lが、ロイシンを表し;
Eが、グルタミン酸を表し;
Gが、グリシンを表し;
Rが、アルギニンを表し;
15が、リジンおよびホモリジンからなる群から選択されるアミノ酸を表し;
Vが、バリンを表し;
18が、アラニンを表し;
19が、Nε-アセチル-リジンおよびシトルリンからなる群から選択されるアミノ酸を表し;
Iが、イソロイシンを表し;
Aibが、2-アミノイソ酪酸を表し;
25が、以下の構造を表し:
【化7】
(ここで:
は、式(Ia)のX25の前のグリシンとの共有結合を表し;
は、式(Ia)のX25の後のセリンとの共有結合を表し;ならびに
Zは、-(TTDS)-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Palm、-(PEGDGA)-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Stea、-(TTDS)3-(gE)-Steaおよび-(PEG-(gE)-Stea(ここで、
gEは、ガンマ-グルタミン酸を表し
Palmは、パルミトイルを表し、および
Steaは、ステアロイルを表す)からなる群から選択される);
Sが、セリンを表し;
Tが、スレオニンを表し;
28が、トリプトファンおよびフェニルアラニンからなる群から選択されるアミノ酸を表し;
29が、セリンを表し;
30が、2-アミノイソ酪酸およびα-メチル-リジンからなる群から選択されるアミノ酸を表し;
32が、リジン、アラニンおよびアルギニンからなる群から選択されるアミノ酸を表し;ならびに
33が、リジンおよびNε-アセチル-リジンから選択されるアミノ酸を表す;ことを満たし
またはその塩もしくは溶媒和物である。
【0087】
特別な実施形態において、式(Ia)の本発明によるペプチドは:
terが、ペプチドのN末端を表し;
terが、ペプチドのC末端を表し;
Acが、アセチル基を表し;
Lが、ロイシンを表し;
Eが、グルタミン酸を表し;
Gが、グリシンを表し;
Rが、アルギニンを表し;
15が、リジンを表し;
Vが、バリンを表し;
18が、アラニンを表し;
19が、Nε-アセチル-リジンを表し;
Iが、イソロイシンを表し;
Aibが、2-アミノイソ酪酸を表し;
25が、以下の構造を表し:
【化8】
(ここで:
は、式(Ia)のX25の前のグリシンとの共有結合を表し;
は、式(Ia)のX25の後のセリンとの共有結合を表し;ならびに
Zは、-(TTDS)-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Stea、-(TTDS)-(gE)-Steaおよび-(PEG-(gE)-Stea(ここで、
gEは、ガンマ-グルタミン酸を表し
Palmは、パルミトイルを表し、および
Steaは、ステアロイルを表す)からなる群から選択される);
Sが、セリンを表し;
Tが、スレオニンを表し;
28が、トリプトファンおよびフェニルアラニンからなる群から選択されるアミノ酸を表し;
29が、セリンを表し;
30が、2-アミノイソ酪酸およびα-メチル-リジンからなる群から選択されるアミノ酸を表し;
32が、リジン、アラニンおよびアルギニンからなる群から選択されるアミノ酸を表し;ならびに
33が、リジンおよびNε-アセチル-リジンから選択されるアミノ酸を表す;ことを満たし
またはその塩もしくは溶媒和物である。
【0088】
特定の実施形態によれば、本発明によるペプチドは、式(Ib):
ter-Ac-X10-E-G-R-E-X15-V-R-X18-X19-I-X21-X22-E-G-X25-S-X27-X28-X29-X30-R-X32-X33-NH-Cter
(式中:
terは、ペプチドのN末端を表し;
terは、ペプチドのC末端を表し;
Acは、アセチル基を表し;
10は、ロイシン、Nε-アセチル-リジンおよび2-アミノイソ酪酸からなる群から選択されるアミノ酸を表し;
Eは、グルタミン酸を表し;
Gは、グリシンを表し;
Rは、アルギニンを表し;
15は、リジン、アルギニン、ホモリジン、グルタミン、フェニルアラニンおよびロイシンからなる群から選択されるアミノ酸を表し;
Vは、バリンを表し;
18は、アラニン、2-アミノイソ酪酸およびNε-アセチル-リジンからなる群から選択されるアミノ酸を表し;
19は、リジン、Nε-アセチル-リジン、グルタミンおよびシトルリンからなる群から選択されるアミノ酸を表し;
Iは、イソロイシンを表し;
21は、2-アミノイソ酪酸およびアラニンからなる群から選択されるアミノ酸を表し;
22は、2-アミノイソ酪酸およびイソロイシンからなる群から選択されるアミノ酸を表し;
25は、以下の構造を表し:
【化9】
(ここで:
は、式(Ia)のX25の前のグリシンとの共有結合を表し;
は、式(Ia)のX25の後のセリンとの共有結合を表し;および
Zは、-(TTDS)-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Palm、-(PEGDGA)-(gE)-Palm、-(PEG-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Stea、-(TTDS)-(gE)-Stea、-(PEGDGA)-(gE)-Stea、-(PEGDGA)-(gE)-Stea、-(PEG-(gE)-Palm、-(PEG-(gE)-Stea、-(PEG-(gE)-Palm、-(PEG-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Stea、-(TTDS)-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Stea、-(TTDS)-(gE)-Stea、-(TTDS)-(gE)-Stea、-(TTDS)-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Myrおよび-(TTDS)-(gE)-Myr(ここで、
gEは、ガンマ-グルタミン酸を表し
Palmは、パルミトイルを表し、および
Steaは、ステアロイルを表す)からなる群から選択される);
Sは、セリンを表し;
27は、スレオニン、グルタミン、アルギニンおよびリジンからなる群から選択されるアミノ酸を表し;
28は、トリプトファン、フェニルアラニン、5-クロロトリプトファン、α-メチル-フェニルアラニン、4-フルオロ-フェニルアラニンおよび5-フルオロトリプトファンからなる群から選択されるアミノ酸を表し;
29は、セリン、D-セリン、2-アミノイソ酪酸、Nε-アセチル-リジン、スレオニンおよびバリンからなる群から選択されるアミノ酸を表し;
30は、2-アミノイソ酪酸、α-メチル-リジン、D-リジン、リジン、ホモリジンおよびアルギニンからなる群から選択されるアミノ酸を表し;
32は、リジン、アラニン、アルギニンおよびNε-アセチル-リジンからなる群から選択されるアミノ酸を表し;ならびに
33は、リジン、Nε-アセチル-リジンおよびアルギニンから選択されるアミノ酸を表す)のもの;
またはその塩もしくは溶媒和物である。
【0089】
特に、Zは、-(TTDS)-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Palm、-(PEGDGA)-(gE)-Palm、-(PEG-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Stea、-(TTDS)-(gE)-Stea、-(PEGDGA)-(gE)-Stea、-(PEG-(gE)-Palm、-(PEG-(gE)-Stea、-(PEG-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Stea、-(TTDS)-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Stea、-(TTDS)-(gE)-Stea、-(TTDS)-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Palm、-(TTDS)-(gE)-Myrおよび-(TTDS)-(gE)-Myrからなる群から選択される。
【0090】
本発明の特定の実施形態において、本発明のペプチドは、配列番号3、6、7、9、10、11、12、13、20、21、22、26、28および30からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する。
【0091】
本発明の特定の実施形態において、本発明のペプチドは、配列番号3、6、7、9~12、20~22、26、28、30~34、45、47~49、51、54~62、64、67~69、71~93、96および97からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する。上記に示されおよび添付の例に例示されるように、これらのペプチドは全て、1nM以下のEC50を有するという点で特に有利である。
【0092】
特に、本発明のペプチドは、配列番号3、6、7、13、20、26および30からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する。
【0093】
特に、本発明のペプチドは、配列番号3、6、7、20、26、30~34、45、48、49、51、54~61、67、71、73、75~79、81、83~92および97からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する。添付の例に例示されているように、この実施形態によるペプチドは全て、0.5nM以下のEC50を有するという点で特に有利である。
【0094】
特定の実施形態において、本発明のペプチドは、参照配列番号3、配列番号6、配列番号7および配列番号20のアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を有し、特に参照配列番号3のアミノ酸配列を有する。
【0095】
本発明のペプチドは、限定するものではないが、任意の化学的、生物学的、遺伝学的または酵素的手法(単独でまたは組み合わせのいずれかで)などの、当技術分野でそれ自体が公知の任意の手法によって作製することができる。所望の配列のアミノ酸配列が分かれば、当業者は、非天然アミノ酸が使用されるとしても、ポリペプチドの作製のための標準的な手法によって、または本明細書に記載された方法に従って前記ポリペプチドを容易に作製することができる。
【0096】
例えば、本発明のペプチドは、周知の固相法を使用して、特に市販のペプチド合成装置(Applied Biosystems、Foster City、California、Gyros Protein technologies、Tucson、ArizonaまたはCEM corporation、Matthews、North Carolinaによって製造されたものなど)を使用して、および製造者の説明書に従って合成することができる。
【0097】
適当な方法の例は、添付の例に例示されている。
【0098】
本発明のペプチドは、特に酵素、補欠分子族、蛍光物質、発光物質、生物発光物質および放射性物質からなる群から選択される、少なくとも1つの検出可能な分子または物質を用いて標識することができる。
【0099】
しかし、前記標識は、前記ペプチドが、以前に定義された目的とするその生物活性を有するのを変えないまたは妨げない、すなわち、RXFP1受容体を結合および活性化するペプチド能力を妨げないまたは変えないことが重要である。
【0100】
ナノ材料支持体に対する好ましい検出可能な分子または物質は、インビボ投与後に非侵襲的に外部で検出することができるものである。
【0101】
検出可能な分子または物質は、当業者に周知である。
【0102】
そのような標識された本発明のペプチドは、診断および/または撮像法において使用することができる。
【0103】
本発明者らは、さらに、本発明のペプチドの半減期、特にインビボ半減期が、リラキシンより有意に優れていることを観察した。
【0104】
実際に、リラキシンは腎臓によって迅速に除去され、慢性状況においては使用することができない。組換えホルモンは、インビボでの半減期が極めて短く(B.L. Ferraioloら Pharm.Res.(1991)、8、1032頁およびS.A. Chenら Pharm. Res.(1993)、10、834頁にサルおよびヒトで例示されているように)、静脈内送達を必要とする。リラキシンの半減期は実際非常に短いため、それを必要とする個体、特に、例えば急性心不全などの急性疾患または障害に罹患している個体に投与するために、病院において連続輸注が数時間にわたって必要とされ得る。この処置において、改善されたインビボ半減期を有するリラキシンペプチドによってリラキシンを置換することにより、例えば静脈内または皮下経路による、1日1回投与などのより単純なものによってこの制約する処置の置換が有利には可能になる。
【0105】
したがって、RXFP1を活性化するリラキシンの能力を有する本発明のリラキシンペプチド、より具体的にはRXFP1の持続性アゴニストであるペプチドは、急性または慢性心不全を含むより幅広い治療的適用の可能性を有する。
【0106】
組成物および医薬品
本出願はまた、上記に記載される本発明の少なくとも1つのペプチドを含む医薬品もしくは医薬組成物、またはその薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物の1つ、および少なくとも1つの薬学的に許容される担体にも関する。
【0107】
本発明の少なくとも1つのペプチドは、有効成分として本発明の医薬品または医薬組成物中に存在する。
【0108】
本発明の組成物または医薬品は、哺乳動物投与に適した形態にある。
【0109】
本発明の組成物または医薬品は、例えば、経口、非経口、静脈内、直腸、経皮、局所的にまたは吸入によって投与することができる。特に、本発明による組成物は、静脈内または皮下経路によって投与される。
【0110】
特定の実施形態によれば、本発明の組成物の薬学的に許容される担体は、注射用滅菌水などの注射可能な担体液体;および食塩水などの水溶液からなる群から適切に選択される。
【0111】
本発明の組成物または医薬品は、0.01mg/mLから30mg/mLの間、特に0.3mg/mLから3mg/mLの間に含まれる本発明のペプチドの含量を含み得る。
【0112】
本発明の医薬品または医薬組成物は、本発明の少なくとも1つのペプチドを唯一の有効成分として含んでもよく、または前記他の有効成分が本発明によるペプチドの生物活性を妨げない限り、少なくとも1つの他の有効成分も含んでもよい。
【0113】
本発明による医薬組成物または医薬品は、少なくとも1つの抗酸化剤、分散剤、乳化剤、消泡剤、香料、保存料、可溶化剤および/または着色料を、この/これらの追加の物質が本発明によるペプチドの生物学的特性を妨げない限りさらに含んでもよい。
【0114】
非経口投与用の本発明の滅菌組成物は、特に水性または非水性の溶液、懸濁液またはエマルジョンであってもよい。使用される溶媒またはビヒクルには、水、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物油、特にオリーブ油、注射可能な有機エステル、例えばオレイン酸エチル、または他の適切な有機溶媒が含まれる。これらの組成物は、補助剤、特に湿潤剤、等張化剤、乳化剤、分散剤および安定剤も含むことができる。滅菌は、いくつかの方法で、例えば無菌濾過、組成物への滅菌剤の組み込み、照射または加熱によって行われる。それらは、使用時に滅菌水または任意の他の注射可能な滅菌媒体に溶解される滅菌固体組成物の形態で製造することもできる。
【0115】
局所投与用組成物は、例えば、点鼻薬またはエアロゾルであってもよい。
【0116】
皮下、筋肉内または静脈内投与に関して、使用される本発明のペプチドは、所望であればこの目的のために通例の、可溶化剤、乳化剤または他の賦形剤などの物質を用いて、溶液、懸濁液またはエマルジョンに変換される。適切な溶媒の例は:水、生理食塩水またはアルコール、例えばエタノール、プロパノール、グリセリン、およびグルコースもしくはマンニトール溶液などの糖液、あるいは言及された様々な溶媒の混合物である。
【0117】
特定の実施形態において、本発明の組成物、本発明の医薬品、または本発明のペプチドは、またはその薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物の1つは、非経口経路によって個体に投与され、特に経皮、静脈内、皮下または筋肉内、特に静脈内または皮下投与される。
【0118】
非経口的に投与可能な組成物を製造する方法は当業者には明らかであり、例えば、Remington’s Pharmaceutical Science、第15版、Mack Publishing Company、Easton、Pa.により詳細に記載されている。
【0119】
本発明の組成物または本発明のペプチドの個体への投与は、全身投与であってもよく、または例えば線維症の存在が分かっている、予想される、もしくは確定される必要がある個体の組織、器官および/もしくは部位に局在化された投与であってもよい。
【0120】
ペプチドおよび組成物の使用
本発明は、医薬品として使用するための、本発明によるペプチド、本発明によるその薬学的に許容されるその塩または溶媒和物に関する。
【0121】
さらに、本発明はまた、医薬品として使用するための本発明による医薬組成物にも関する。
【0122】
さらに、本発明は、RXFP1受容体が関与する様々な疾患または状態の処置および/または予防、より具体的には:
-線維症;線維性疾患、特に全身性硬化症、強皮症および線維筋痛症;特発性肺線維症;線維症を伴う腎臓病;肺高血圧および妊娠高血圧腎症からなる群;
-特に、急性もしくは慢性心不全、収縮期もしくは拡張期心不全、冠動脈疾患、アテローム性動脈硬化、微小血管狭心症および糖尿病の心血管合併症からなる群からの心臓および血管疾患からなる群;ならびに/または
-腎不全、特に肝硬変における腎機能障害;慢性腎臓病および急性腎傷害からなる群
から選択される疾患または状態の処置および/または予防において使用するための、本発明のペプチド、その薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物、または本発明の医薬組成物に関する。
【0123】
1つの態様において、そのようなペプチド、薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物、または本発明による医薬組成物は、特に静脈内または皮下経路によって、1日1回投与される。
【0124】
ペプチド、またはその薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物の投与されるべき投与量、および投与の頻度は、使用される化合物の所望の効果、効力および作用の持続期間;さらにまた、処置されるべき疾患または状態の性質および重症度、ならびに処置されるべき哺乳動物の性別、年齢、体重および個体の応答性に依存する。一般に、医師は、年齢および体重および処置されるべき個体に特異的な全ての他の要因の関数として、適当な投与量を決定することになる。
【0125】
リラキシン受容体RXFP1が関与する疾患または状態の個体に、本発明の少なくとも1つのペプチド、薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物、もしくは本発明による少なくとも1つのペプチドを含む本発明の医薬組成物、または治療的に有効な量の本発明の少なくとも1つのペプチド、薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物、もしくは本発明による少なくとも1つのペプチドを含む本発明の医薬組成物を投与することを含む、前記個体における予防および/または処置のための方法も記載される。
【0126】
以前に示されているように、前記疾患または状態は:
-線維症;線維性疾患、特に全身性硬化症、強皮症および線維筋痛症;特発性肺線維症;線維症を伴う腎臓病;肺高血圧および妊娠高血圧腎症からなる群;
-特に、急性もしくは慢性心不全、収縮期もしくは拡張期心不全、冠動脈疾患、アテローム性動脈硬化、微小血管狭心症および糖尿病の心血管合併症からなる群からの心臓および血管疾患からなる群;ならびに/または
-腎不全、特に肝硬変における腎機能障害;慢性腎臓病および急性腎傷害からなる群
から特に選択される。
【0127】
リラキシン受容体RXFP1が関与する疾患または状態の個体における予防および/または処置のための医薬品を製造するための、本発明の少なくとも1つのペプチド、薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物、もしくは本発明による少なくとも1つのペプチドを含む本発明の医薬組成物、または治療的に有効な量の本発明の少なくとも1つのペプチド、薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物、もしくは本発明による少なくとも1つのペプチドを含む本発明の医薬組成物の使用がさらに記載される。
【0128】
-線維症;線維性疾患、特に全身性硬化症、強皮症および線維筋痛症;特発性肺線維症;線維症を伴う腎臓病;肺高血圧および妊娠高血圧腎症からなる群;
-特に、急性もしくは慢性心不全、収縮期もしくは拡張期心不全、冠動脈疾患、アテローム性動脈硬化、微小血管狭心症および糖尿病の心血管合併症からなる群からの心臓および血管疾患からなる群;ならびに/または
-腎不全、特に肝硬変における腎機能障害;慢性腎臓病および急性腎傷害からなる群
から選択される疾患または状態を処置および/または予防するための、本発明による少なくとも1つのペプチド、その薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物、または本発明による医薬組成物の使用がさらに記載される。
【実施例
【0129】
本発明は、純粋に例示目的で与えられる以下の例によって例示される。
【実施例1】
【0130】
本発明のペプチドの合成
使用材料
様々なリンクアミド樹脂を、本発明のC末端アミドペプチドの合成に使用した:
- Chem-Impexによって販売される4-(2’,4’-ジメトキシフェニル-Fmoc-アミノメチル)フェノキシ樹脂;または
- Millipore Merckによって販売される4-(2’,4’-ジメトキシフェニル-Fmoc-アミノメチル)フェノキシアセトアミドメチル樹脂。
【0131】
それらを0.2~0.4mmol.gの範囲で充填した。
【0132】
Fmoc(フルオレニルメチルオキシカルボニル)保護天然アミノ酸は、種々の供給元、すなわち、Protein Technologies Inc.、Merck Biosciences、Novabiochem、Iris Biotech、Bachem、Chem-Impex InternationalまたはMATRIX Innovationから購入した。
【0133】
以下の標準的なアミノ酸を合成を通して使用した:Fmoc-L-Ala-OH、Fmoc-L-Arg(Pbf)-OH、Fmoc-L-Gln(Trt)-OH、Fmoc-L-Glu(OtBu)-OH、Fmoc-L-Glu-OtBu、Fmoc-Gly-OH、Fmoc-L-Ile-OH、Fmoc-L-Leu-OH、Fmoc-L-Lys(Boc)-OH、Fmoc-L-Met-OH、Fmoc-L-Phe-OH、Fmoc-L-Ser(tBu)-OH、Fmoc-L-Thr(tBu)-OH、Fmoc-L-Trp(Boc)-OH、Fmoc-L-Tyr(tBu)-OHおよびFmoc-L-Val-OH。
【0134】
さらに、以下の特別なアミノ酸を上記と同じ供給業者から購入した:Fmoc-L-hArg(Pbf)-OH、Fmoc-L-Cit-OH、Fmoc-L-Arg(Me,Pbf)-OH、Fmoc-L-hLys(Boc)-OH、Fmoc-L-Orn(Boc)-OH、Fmoc-L-Lys(Dde)-OH、Fmoc-L-Lys(ivDde)-OH、Fmoc-L-Lys(Mtt)-OH、Fmoc-L-Lys(aloc)-OH、Fmoc-L-Lys(Ac)-OH、Fmoc-Aib-OH、Fmoc-L-α-Me-Ser(tBu)-OH、Fmoc-L-α-Me-Lys(Boc)-OH、Fmoc-L-α-Me-Arg(Pbf)-OH、Fmoc-L-α-Me-Leu-OH、Fmoc-L-Nle-OHおよびFmoc-L-1-Nal-OH、Fmoc-L-2-Nal-OH、Fmoc-5-Wox-OH、Fmoc-Pfp-OH、Fmoc-L-α-Me-Trp-OH、Fmoc-L-α-Me-Phe-OH。
【0135】
【表4】
【0136】
本発明のC末端脂質化ペプチドを合成するために、直交的に保護されたリジンを以下に示すように使用した。
【0137】
1.A.本発明のペプチドの合成に使用した一般的方法
配列番号1~97の本発明によるペプチドは、図1および2に表される方法に基づき合成した。
【0138】
RinkアミドAM樹脂0.2mmolを、CEM Libertyブルーマイクロ波ペプチドシンセサイザーに入れて完全ペプチド配列を構築した(図1参照)。
【0139】
全合成を、溶媒としてのDMF中で行った。標準的な加熱プロトコルを使用して、0.1~0.2mmolスケールでペプチドを合成した:
標準的な加熱プロトコル:170ワット、75℃、15秒で照射、次いで30ワット、90℃、120秒で照射。
【0140】
DMF中20%v/vピペリジンを用いて脱保護を行い、その後3回のDMF洗浄工程を行なった。
脱保護のための加熱プロトコル:170ワット、75℃、15秒で照射、次いで30ワット、90℃、50秒で照射。
【0141】
アミノ酸カップリングは、カップリング試薬として5当量N,N’-ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)0.5Mおよび5当量Oxyma(2-シアノ-2-(ヒドロキシイミノ)酢酸エチル(oxyma pure(商標)))1Mを使用し、0.2M DMF溶液としてのFmoc-AA 5当量を使用して行なった。
【0142】
より良好な最終収量のために、各アミノ酸は、90℃、120秒間の二重カップリングを必要とした。本発明による式(I)のX21位およびX22位の2-アミノイソ酪酸ならびにX29位のセリンについては、90℃、2分間の三重カップリングを使用した。
【0143】
高価なアミノ酸誘導体、例えばFmoc-α-メチルリジン(Boc)-OHの場合は、アミノ酸3当量およびHATUもしくはHCTUなどのカップリング剤3当量を使用して室温で1~18時間、またはDICおよびOxyma Pure(商標)を使用してマイクロ波加熱により120秒間、手動カップリングを行うことが有利であり得た。
【0144】
25位において、側鎖窒素に直交保護基を担持するFmoc-リジン-OHの誘導体を使用した。選択的脱保護は、このアミノ酸側鎖の修飾を可能にした。
【0145】
合成の最後に、Fmoc脱保護を、DMF中20%v/vピペリジンを用いて室温で30分、2回手動で行なった。
【0146】
アセチル化を、DMF中無水酢酸5~10当量およびDIEA 5~10当量で15分間処理して、N末端で行った。次いで、完全に保護されたペプチドを含有する樹脂を、DCM/DMF/DCMを用いて各3回洗浄し、真空下で乾燥した。
【0147】
次いで、X25位のリジンのNε保護基(Dde、ivDde、Aloc、またはMtt)を、DMF中希釈ヒドラジン(Dde、ivDde)、DCM中パラジウム(0)触媒の存在下でフェニルシランもしくはジメチルアミノボラン(aloc)、またはDCM中1%TFA(Mtt)を使用して除去した。
【0148】
次いで、Z基を、以下の工程に従って固体支持体上でX25リジンの側鎖窒素に付加した:
25位のリジンが、その側鎖上でDdeまたはiv-Ddeによって保護された場合、樹脂-ペプチドを50mlポリプロピレンシリンジに移した。ヒドラジン5%のDMF溶液80mlを樹脂を通して濾過し、その後DMF洗浄を行った(3回)。反応をKaiser Testによってモニターした。
25位のリジンが、その側鎖上でアリルオキシカルボニル基(aloc)によって保護された場合、樹脂-ペプチドを50mlポリプロピレンシリンジに移し、ジクロロメタン中で膨潤させ、アルゴン下、20当量フェニルシラン(PhSiH3)(またはボランジメチルアミン錯体((CHNH.BH)およびピペリジン)および10%(mol/mol)テトラキス-(トリフェニルホスフィン)パラジウム(Pd(PPh)で2時間処理した。この処理を、樹脂のアリコート部分の切断後、開始aloc保護ペプチドがUPLC/MS分析によって検出できなくなるまで繰り返した。
反応が完了したら、ジクロロメタン、DMF中1%DIEA、DMF中5%ジエチルジチオカルバメート、DMF、DMF中10%DIEA、DMFおよびジクロロメタンで樹脂を洗浄した(各3回)。
25位のリジンが、その側鎖上でメチルトリチル基(Mtt)によって保護された場合、樹脂-ペプチドを50mlポリプロピレンシリンジに移し、ジクロロメタン中で膨潤させ、10mL DCM/TIS/TFA(88/5/2)混合物で処理した。1時間振とう後、溶媒を排出し、樹脂をDCMで洗浄し、10ml DCM/DIEA(90/10)混合物で振とうし、DCMで数回洗浄した。
【0149】
本発明の任意のペプチドに関して該当する場合、Z基のPEGxx基を、Fmoc-PEGxx-OH 3当量、18時間と、DIC 3当量およびHOAt 3当量を用いて単一アシル化によって導入し、ニンヒドリン(Kaiser)Testにより反応をモニターした。次いで、樹脂をDMF中20%v/vピペリジンで処理してFmoc保護基を除去し(2×30分)、DMFで3回洗浄した。Fmoc-PEGxx-OHカップリング、Fmoc除去および洗浄工程をx回繰り返した(x=0~5)。
【0150】
次いで、gEが本発明のペプチドのZ基に存在しているならば、アミノ酸3当量、18時間と、DIC 3当量およびHOAt 3当量を用いて単一カップリングを行なって、Fmoc-Glu-OtBu((4S)-5-tert-ブトキシ-4-(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニルアミノ)-5-オキソ-ペンタン酸)を導入し、Kaiser Testにより反応をモニターした。
【0151】
次いで、Fmoc保護基を除去するために樹脂をDMF中20%v/vピペリジンで処理し(2×30分)、DMFで3回洗浄した。Fmoc除去およびFmoc-Glu-OtBuカップリング工程をy回繰り返した(y=1~5)。
【0152】
次いで、3当量のCkラウリン酸(C12)、ミリスチン酸(C14)、ペンタデカン酸(C15)、パルミチン酸(C16)、ヘプタデカン酸(C17)、ステアリン酸(C18)、エイコサン酸(C20)もしくはドコサン酸(C22)を使用して、NMP中3当量DICおよび3当量HOAtを使用して、ジクロロメタン中の塩基として対応する塩化アシルおよびDIEAを使用して、またはDMF中の塩基として対応するN-スクシンイミジルエステルおよびDIEAを使用して、側鎖を脂質化した。
【0153】
反応をKaiser Testによってモニターし、一晩放置した。
【0154】
次いで、完全に保護されたペプチドを含有する樹脂をDCM/DMF/DCMで各3回洗浄し、真空下で乾燥した。
【0155】
1.B.ペプチド-樹脂切断
固相合成が完了したら、ペプチドを切断試薬B:TFA/フェノール/H2O/TIPS(87.5%/5%/5%/2.5%/25ml)で3時間処理して、固体支持体から切断した。(TIPSはトリイソプロピルシランを表す)
【0156】
特定の例では、1,2-エタンジチオールまたはDODT(2,2’-(エチレンジオキシ)ジエタンチオール)などのジチオールの付加が有利であり得た(例えば切断試薬K)。ペプチドを含有するTFA溶液を濾過し、減圧下、T<30℃で濃縮した。
【0157】
所望の産物を氷冷MTBE(メチルtert-ブチルエーテル)またはジエチルエーテルで沈殿させ、3000rpmで30分間遠心分離した。遠心分離ペレットを次いで氷冷ジエチルエーテルで洗浄し、遠心分離した。このプロセスを3回繰り返した。
【0158】
いくつかの例では、粗ペプチドを処理して、TFAエステル、トリプトファンのインドール窒素上のCO付加体(カルバミン酸)およびメチオニン残基上の2-t-ブチル-スルファニルエチル付加体などの望ましくない副産物を除去する必要があり得た。
【0159】
トリプトファンのインドール窒素上のCO付加体を除去するために、粗ペプチドを10~20%CHCNを含有する水に溶解し、5mg/ml、凍結乾燥した。
【0160】
Met上の2-t-ブチル-スルファニルエチル付加体を除去するために、粗ペプチドを0.1%ギ酸を含有するHO/CHCN(50:50v/v)溶液に溶解した(2mg/ml)。
【0161】
混合物を、37℃で一晩穏やかに振とうした。
【0162】
TFAエステルを除去するために、粗ペプチドを0.1%ギ酸を含有するHO/CHCN(50:50v/v)溶液に溶解した(2mg/ml)。混合物を37℃で1~4時間穏やかに振とうした。
【0163】
どちらの場合でも、故に得られた粗ペプチド溶液を減圧下およびT<30℃で部分的に濃縮し、凍結乾燥した。
【0164】
1.C.精製工程
本発明のペプチドを合成するために示された上記の方法にいずれかの後、前記ペプチドを使用する前に精製した。
【0165】
ペプチド80mgを1.5mL DMSOに溶解し、逆相高圧液体クロマトグラフィー(RP-HPLC)によって精製した。RP-HPLCは以下に記載した。
【0166】
GX271 Liquid Handler、333/334ポンプ、およびUV/VIS 151 Gilsonシステムを使用した。
【0167】
前記ペプチドを精製するのに2つの異なるシステムを使用した:
システムA
-カラム Waters Delta-Pack C4 15μm 300Å. 250×20mm;
-溶液A:0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)水溶液;
-溶液B:0.1%TFAアセトニトリル溶液;
-勾配:15%B、5分間;15%Bから50%B、20分;
-流速:80ml/分
システムB
-カラムWaters CSH C18 5μm 250×50mm、またはWaters Sunfire C18 10μM 250×50mm;
-溶液A=0.1%TFA水溶液;
-溶液B=0.1%TFAアセトニトリル溶液;
-勾配:1%Bから18%B、5分;18%Bから28%B、10分;28%B、15分間;28%Bから48%B、10分;次いでカラム洗浄48%Bから90%B、10分;
-流速:150ml/分
【0168】
目的とするペプチドを、35~40分の時間枠で溶出した。
【0169】
分析的UHPLCシステムでのその保持時間によって特徴付けられた各ペプチドの極性に従って、勾配をわずかに調整した。
【0170】
純粋なペプチドを含有する画分を、次いで減圧下、T<35℃で部分的に濃縮し、恒量になるまで凍結乾燥した。
【0171】
特定の使用(例えば、インビボテスト)に関して、TFA塩を酢酸塩に交換することが有利であった。3つの対応する方法を使用した。以下のパート1.D.に記載する。
【0172】
1.D.酢酸塩交換
(i)TOYOPEARL(登録商標)DEAE 650 C(Tosoh Corporation)による酢酸塩交換
イオン交換は、TOYOPEARL(登録商標) DEAE 650 Cグレード樹脂(弱陰イオン交換樹脂)を使用して行った。
樹脂120mlを、15容量のNaOH 1M、5容量のHO、5容量の酢酸1.6M、5容量の酢酸 0.16M、および最後に5容量のHOで連続洗浄した。
ペプチド41.8mgを次いで蒸留水4mlに溶解し、樹脂に充填(download)し、穏やかに2時間混合した。
最後に、ペプチドを溶出によって回収し、水で洗浄し、凍結乾燥した。
ペプチド回収:35mg(F19 NMR(400 MHz)ns 1028により酢酸塩として)
【0173】
(ii)Sepharose HiTrap Q HPカラム(強陰イオン交換カラム)による酢酸塩交換
この第2の方法では、イオン交換はHiTrap Q HPを使用して行なった。
カラム(5mlベッドボリューム)を48(4.5ml/分)にセットした蠕動ポンプに接続し、ペプチドを充填する前にHO 50ml(10カラム容量)、酢酸ナトリウムの1M溶液100ml(20カラム容量)、HO 150ml(30カラム容量)および酢酸の0.16M溶液50ml(10カラム容量)でカラムを洗浄した。
純粋なペプチドを0.16M酢酸溶液に2mg/mlで溶解し、カラムにゆっくり充填し、4.5ml/分で溶出した。
回収した溶液を凍結乾燥した。
イオン交換の有効性を、F19 NMR(400MHz)ns 1028によって証明した。
【0174】
(iii)BIO RAD AG1X4(登録商標)陰イオン交換樹脂による酢酸塩交換
底に焼結ガラスを備えた125mlリアクターに、6.2g BIO RAD AG1X4(登録商標)陰イオン交換樹脂、100-200ドライメッシュサイズ(OH-型)を詰めた。
3×100ml 1.6M水性酢酸(10%v/v)および3×50ml 0.16M水性酢酸(1%v/v)を用いて、樹脂を攪拌プレート上で各20分間振とうした。
【0175】
TFA塩としての精製ペプチド(100mg)を50ml蒸留水に溶解し、交換樹脂に流し、攪拌プレート上で120分間振とうした。
水溶液を100ml丸底フラスコに排出し、樹脂を2×15ml 0.16M水性酢酸(1%v/v)で洗浄した。
ペプチドを酢酸塩として含有する合わせた溶液を、恒量になるまで凍結乾燥した。収量=酢酸塩としてのペプチド80mg。
イオン交換の有効性を、F19 NMR(400MHz、ns 1028)および/またはイオン性クロマトグラフィーによって証明した。
【実施例2】
【0176】
本発明の特定のペプチドの例示的合成
2.A Rinkアミド樹脂へのFmoc-Lys(Ac)-OHの充填
底に焼結ガラスを備えた100mlリアクターで、NovabiochemまたはChemImpex RinkアミドAM樹脂(低充填0.47mmol/g)6gをDMF 40ml中で膨潤させた。溶媒を排出し、20%ピペリジンDMF溶液30mlを添加した。15分振とう後、溶媒を排出した。これを2回繰り返して、完全なFmoc保護基除去を確保した。樹脂を5×30ml DMFで洗浄した。
【0177】
別のフラスコで、30ml DMF中Fmoc-Lys(Ac)-OH(3.5g、8mmol、3当量)、HOBT.H0(1.3g 8.5mmol)を含有する溶液を製造した。ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)(1g、8.5mmol)をこの溶液に添加し、5分後、得られた混合物を樹脂に添加した。懸濁液を攪拌プレート上で4時間、または樹脂のアリコート部分でKaiser Test(ニンヒドリンテスト)によって判定した反応の完了まで振とうした。
【0178】
溶媒を次いで排出し、樹脂を30ml DMFで3回洗浄した。Fmoc-Lys(Ac)-NH充填樹脂を、その後の工程のためにすぐに使用するか、または必要になるまで4℃で湿った状態で保管した。
【0179】
2.B.配列番号3を有するペプチドの合成
それぞれFmoc-Lys(Ac)-NH 0.2mmolに相当する、工程2.A.で得られた樹脂の5倍の量を使用して、以下の合成を行った。CEM Liberty Blueマイクロ波ペプチドシンセサイザーを使用して、合成を個々のバッチで別々に行って、ペプチド配列の第2および第3の残基を構築した(C末端から開始)。
DMF中DIC 0.5M/Oxyma 1Mを使用してペプチド合成を行った。
全てのアミノ酸を、標準的な加熱プロトコルを使用して二重カップリングにより導入した。
樹脂を合成器から除去し、Fmoc-α-メチル-リジン(Boc)-OH(3当量)を、マイクロ波加熱しながら(75℃、15秒および90℃、110秒)3当量Oxyma(商標)および3当量DICを使用して手動でカップリングした。反応の完了はKaiserテストによって制御した。陽性ならば、DIC 3当量を添加し、その後上記のようにマイクロ波加熱した。
Fmoc-α-メチル-リジン(Boc)-OHのカップリングが完了したら、CEM Liberty Blueマイクロ波ペプチドシンセサイザーを使用してペプチド配列の残りを構築する。
90°で2分間、三重カップリングを行った21位のアミノイソ酪酸および29位のセリンを除いて、全てのアミノ酸を上記のように90℃で二重カップリングにより導入した。Fmoc-Lys(Dde)-OHを25位で使用した。
5つの合成の最後に、樹脂の5つのバッチを合わせ、50mLポリプロピレンシリンジに移し、ペプチドをDMF(30mL)中、無水酢酸(944μL、10mmol)により20分間N末端でアセチル化し、該サイクルを2回繰り返した。
次いで、ヒドラジン5%w/vのDMF溶液50mLを濾過してリジン25側鎖のDde 保護基を除去し、その後DMF洗浄を行った(5×20ml)。反応をKaiser Testによってモニターし、樹脂のアリコート部分を切断し、UPLC/MS分析を行った。
【0180】
3つのTTDSスペーサー単位を、以下の手順を3回行って単一カップリングによって導入した:樹脂に、Fmoc-TTDS-OH(1.62g、3mmol)の30mL DMF溶液を添加し、その後HOAt(0.6ml DMF溶液5ml、3mmol)およびDIC(1ml、6mmol)を添加した。シリンジをオービタルテーブルで18時間攪拌した。反応をKaiser Testによってモニターした。樹脂をDMFで洗浄した(2×30mL)。次いで樹脂に、DMF中20%v/vのピペリジン30mLを添加した。シリンジをオービタルテーブル(orbital table)上で20分間攪拌した。この脱保護手順をもう一度繰り返し、樹脂をDMF(2×30mL)およびジクロロメタン(3×30mL)で洗浄した。
【0181】
3つのガンマ-グルタミン酸スペーサーを、それぞれFmoc-Glu-OtBuの二重カップリングを行なって導入した。故に、以下の手順を3回適用した:
樹脂に、(4S)-5-tert-ブトキシ-4-(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニルアミノ)-5-オキソ-ペンタン酸(Fmoc-Glu-OtBu)(1.275g、3mmol)の30mL DMF溶液を添加し、その後HOAt(0.6ml DMF溶液5ml、3mmol)およびDIC(1ml、6mmol)を添加した。シリンジをオービタルテーブルで4時間攪拌した。樹脂をDMFで洗浄し(2×20mL)、カップリングをもう一度繰り返した。反応をKaiser Testによってモニターした。樹脂をDMFで洗浄した(2×30mL)。次いで樹脂に、DMF中20%v/vのピペリジン30mLを添加した。シリンジをオービタルテーブルで20分間攪拌した。この脱保護手順をもう一度繰り返し、樹脂をDMF(3×30mL)およびジクロロメタン(3×30mL)で洗浄した。
最後に、DMF(30mL)中2.5時間のパルミチン酸(768mg、3mmol)、HOAt(0.6M DMF溶液5ml、3mmol)およびDIC(1ml、6mmol)活性化によりペプチドをアセチル化した。樹脂をDMF(2×30mL)およびジクロロメタン(3×30mL)で洗浄し、真空下で乾燥した。
【0182】
樹脂からのペプチドの切断は、フェノール(6.25g)、水(6.25mL)およびTIPS(3mL)のTFA溶液(QSP 125mL)を使用して室温で2.5時間行った。樹脂を濾過し、2×30mL TFAで洗浄した。合わせた濾液を250mL丸底フラスコに移し、真空下、T<30℃で部分的に濃縮し、100mL氷冷MTBEを添加してペプチドを沈殿させ、3600rpmで30分間遠心分離した。
【0183】
遠心分離ペレットを次いで氷冷ジエチルエーテルで洗浄し、遠心分離した。このプロセスを3回繰り返した。粗ペプチド4.3gを得た。0.1%ギ酸を含有するHO/CHCN(50:50v/v)の溶液に粗ペプチドを溶解し(10mg/mL)、混合物を37℃で1時間穏やかに振とうし、部分的に濃縮し、凍結乾燥した。
【0184】
精製システムAを各々350mgの10回注入で使用して精製を行い、純粋な所望のペプチドを含有する画分を凍結乾燥した。トリフルオロ酢酸塩としてのペプチドを白色固体として得た。
m=428mg(17.5%)
UPLC/MS:
RT:4.98分(分析条件A)、純度99%(UV)
観察された質量m/z(イオン型):1454.5(M+3H);1091.1(M+4H);873.1(M+5H)
【0185】
2.C.配列番号7を有するペプチドの合成
それぞれFmoc-Lys(Ac)-NH 0.2mmol(合計0.4mmol)に相当する、工程2.A.で得られた樹脂の2バッチを、例2.B.と同じ手順後に並行して処理した。第3の(4S)-5-tert-ブトキシ-4-(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニルアミノ)-5-オキソ-ペンタン酸(Fmoc-Glu-OtBu)をカップリングした後、重さ2.6gの合わせた樹脂バッチを50mLポリプロピレンシリンジに移した。
【0186】
次いで、DMF中20%v/vのピペリジン30mLを樹脂に添加した。シリンジをオービタルテーブルで20分間攪拌した。この脱保護手順をもう一度繰り返し、樹脂をDMF(3×30mL)およびジクロロメタン(3×30mL)で洗浄した。
【0187】
ステアロイルクロリド(362mg、1.2mmol)およびDIPEA(0.255ml、1.5mmol)の20ml DCM溶液を2.5時間添加してペプチドをアセチル化した。樹脂をDMF(2×30mL)およびジクロロメタン(3×30mL)で洗浄し、真空下で乾燥した。
【0188】
樹脂からのペプチドの切断は、フェノール(1.5g)、水(1.5mL)およびTIPS(0.6mL)のTFA溶液(QSP 30mL)を使用して 室温で2.5時間行った。樹脂を濾過し、2×10mL TFAで洗浄した。合わせた濾液を250mL丸底フラスコに移し、真空下、T<30℃で部分的に濃縮し、100mL氷冷MTBEを添加してペプチドを沈殿させ、3600rpmで30分間遠心分離した。
【0189】
遠心分離ペレットを次いで氷冷ジエチルエーテルで洗浄し、遠心分離した。このプロセスを3回繰り返した。粗ペプチド720mgを得た。精製システムBを各々240mgの3回注入で使用して精製を行った。純粋な所望のペプチドを含有する画分を凍結乾燥した。トリフルオロ酢酸塩としてのペプチドを白色固体として得た。
m=72mg(3.6%)
UPLC/MS:
RT:5.86 分(分析条件A)、純度98%(UV)
観察された質量m/z(イオン型):1463.9(M+3H);1098.2(M+4H);878.7(M+5H)
【0190】
2.D.配列番号6を有するペプチドの合成
Fmoc-Lys(Ac)-NH 0.1mmolに相当する、工程2.A.で得られた樹脂のバッチをCEM Liberty Blueマイクロ波ペプチドシンセサイザーのリアクターに入れた。DMF中DIC 0.5M/Oxyma 1Mを使用してペプチド合成を行った。
【0191】
90°で2分間、三重カップリングを行った21位のアミノイソ酪酸および29位のセリンを除いて、全てのアミノ酸を上記のように90℃で二重カップリングにより導入した。Fmoc-Lys(ivDde)-OHを25位で使用した。
【0192】
ペプチド構築の最後に、樹脂を20mlポリプロピレンシリンジに移し、ペプチドをDMF(10mL)中、無水酢酸(95μL、1mmol)およびDIPEA(174μL、1mmol)により20分間N末端でアセチル化し、該サイクルを2回繰り返した。
【0193】
次いで、樹脂のアリコート部分の切断およびUPLC/MS分析後に出発材料が検出できなくなるまで、必要な回数だけヒドラジン5%w/vのDMF溶液10mLを用いて20分間攪拌して、リジン25側鎖のivDde保護基を除去した。脱保護が完了したと判定されたら、樹脂をDMFで洗浄した(5×10ml)。
【0194】
2つのTTDSスペーサー単位を、以下の手順を2回行って単一カップリングによって導入した:樹脂に、Fmoc-TTDS-OH(163mg、0.3mmol)、HOAt(42mg、0.3mmol)およびDIC(77μL、0.5mmol)の7mL DMF溶液を添加した。シリンジをオービタルテーブルで18時間攪拌した。反応をKaiser Testによってモニターした。必要に応じて、二重カップリングを行った。樹脂をDMFで洗浄した(2×10mL)。次いで樹脂に、DMF中20%v/vのピペリジン10mLを添加した。シリンジをオービタルテーブルで20分間攪拌した。この脱保護手順をもう一度繰り返し、樹脂をDMF(2×10mL)およびジクロロメタン(3×10mL)で洗浄した。
【0195】
3つのガンマ-グルタミン酸スペーサーを、それぞれFmoc-Glu-OtBuの二重カップリングを行なって導入した。故に、以下の手順を3回適用した:
樹脂に、(4S)-5-tert-ブトキシ-4-(9H-フルオレン-9-イル メトキシカルボニルアミノ)-5-オキソ-ペンタン酸(Fmoc-Glu-OtBu)(127mg、0.3mmol)、HOAt(42mg、0.3mmol)およびDIC(77μL、0.5mmol)の7mL DMF溶液。シリンジをオービタルテーブルで18時間攪拌した。反応をKaiser Testによってモニターした。樹脂をDMFで洗浄した(2×10mL)。次いで樹脂に、DMF中20%v/vのピペリジン10mLを添加した。シリンジをオービタルテーブルで20分間攪拌した。この脱保護手順をもう一度繰り返し、樹脂をDMF(3×10mL)およびジクロロメタン(3×30mL)で洗浄した。
最後に、ペプチドを、5ml DCM中ステアロイルクロリド(62mg、0.2mmol)およびDIPEA(54μL、0.3mmol)で2.5時間アセチル化した。樹脂をDMF(2×30mL)およびジクロロメタン(3×30mL)で洗浄し、真空下で乾燥した。
【0196】
樹脂からのペプチドの切断は、フェノール(0.5g)、水(0.5mL)およびTIPS(0.2mL)のTFA溶液(QSP 10mL)を使用して室温で2.5時間行った。樹脂を濾過し、2×4mL TFAで洗浄した。合わせた濾液を100mL丸底フラスコに移し、真空下、T<30℃で部分的に濃縮し、50mL氷冷MTBEを添加してペプチドを沈殿させ、3600rpmで30分間遠心分離した。
【0197】
遠心分離ペレットを次いで氷冷ジエチルエーテルで洗浄し、遠心分離した。このプロセスを3回繰り返した。粗ペプチド240gを得た。精製システムBを使用して精製行い、純粋な所望のペプチドを含有する画分を凍結乾燥した。トリフルオロ酢酸塩としてのペプチドを白色固体として得た。
m=38mg(8%)
UPLC/MS:
RT:5.40分(分析条件A)、純度97%(UV)
観察された質量m/z(イオン型):1376.1(M+3H);1032.0(M+4H);826.0(M+5H)
【0198】
2.E.配列番号20を有するペプチドの合成
この化合物は、3つのTTDSをリジン25側鎖に導入したこと以外は、例2.Dで使用したものと同じ手順後に得られた。
故に、Fmoc-Lys(Ac)-NH 0.1mmolに相当する、工程2.A.で得られた樹脂250mgから白色固体を得た。
m=20mg(4.5%)
UPLC/MS:
RT:5.44分(分析条件A)、純度99%(UV)
観察された質量m/z(イオン型):2215.0(M+2H);1476.8(M+3H);1107.9(M+4H);886.7(M+5H)
【0199】
2.F.配列番号22を有するペプチドの合成
この化合物は、Fmoc-Lys(Dde)-OHの代わりにFmoc-Lys(Aloc)-OHを25位(X25)に使用したこと以外は、例2.B.で使用したものと同じ手順後に得られた。
故に、Fmoc-Lys(Ac)-NH 0.1mmolに相当する、工程2.A.で得られた樹脂250mgを、N末端アセチル化工程まで2.B.のように処理した。
【0200】
フェニルシラン1ml(8.33mmol)の2ml脱気DCM溶液およびテトラキス-(トリフェニルホスフィン)パラジウム10mg(25.96μモル)の4ml DCM溶液をアルゴン雰囲気下で樹脂に添加して、Lys25側鎖のAloc基を除去した。樹脂をオービタルテーブルで60分間振とうし、反応媒体を新鮮な試薬と2回取り替え、毎回60分振とうした。
【0201】
反応が完了したら、ジクロロメタン、DMF中1%DIEA、DMF中5%ジエチルジチオカルバメート、DMF、DMF中10% DIEA、DMFおよびジクロロメタンで樹脂を洗浄した(各3回)。
【0202】
3つのPEGDGAスペーサー単位を、以下の手順を3回行って単一カップリングによって導入した:樹脂に、Fmoc-PEGDGA-OH(170mg、0.3mmol)の8mL DCM溶液を添加し、その後HOAt(0.6ml DMF溶液0.5ml、0.3mmol)およびDIC(100μl、0.642mmol)を添加した。シリンジをオービタルテーブルで18時間攪拌した。反応をKaiser Testによってモニターした。樹脂をDMFで洗浄した(2×10mL)。次いで樹脂に、DMF中20%v/vのピペリジン10mLを添加した。シリンジをオービタルテーブルで20分間攪拌した。この脱保護手順をもう一度繰り返し、樹脂をDMF(2×30mL)およびジクロロメタン(3×30mL)で洗浄した。
【0203】
3つのガンマ-グルタミン酸スペーサーを、それぞれFmoc-Glu-OtBuの二重カップリングを行なって導入した。故に、以下の手順を3回適用した:
樹脂に、(4S)-5-tert-ブトキシ-4-(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニルアミノ)-5-オキソ-ペンタン酸(Fmoc-Glu-OtBu)(0.13g、0.3mmol)の8mL DMF溶液を添加し、その後HOAt(0.6ml溶液DMF 0.5ml、0.3mmol)およびDIC(0.1ml、0.6mmol)を添加した。シリンジをオービタルテーブルで4時間攪拌した。樹脂をDMFで洗浄し(2×20mL)、カップリングをもう一度繰り返した。反応をKaiser Testによってモニターした。樹脂をDMFで洗浄した(2×10mL)。次いで樹脂に、DMF中20%v/vのピペリジン10mLを添加した。シリンジをオービタルテーブルで20分間攪拌した。この脱保護手順をもう一度繰り返し、樹脂をDMF(3×30mL)およびジクロロメタン(3×30mL)で洗浄した。
最後に、DMF中(10mL)2.5時間のパルミチン酸(80mg、0.3mmol)、HOAt(0.6M DMF溶液0.5ml、3mmol)およびDIC(0.1ml、6mmol)活性化によりペプチドをアセチル化した。樹脂をDMF(2×30mL)およびジクロロメタン(3×30mL)で洗浄し、真空下で乾燥した。
【0204】
樹脂からのペプチドの切断は、フェノール(0.5g)、水(0.5mL)およびTIPS(0.25mL)のTFA溶液(QSP 10mL)を使用して室温で2.5時間行った。樹脂を濾過し、2×5mL TFAで洗浄した。合わせた濾液を250mL丸底フラスコに移し、真空下、T<30℃で部分的に濃縮し、100mL氷冷MTBEを添加してペプチドを沈殿させ、3600rpmで30分間遠心分離した。
【0205】
遠心分離ペレットを次いで氷冷ジエチルエーテルで洗浄し、遠心分離した。このプロセスを3回繰り返した。粗ペプチド220mgを得た。
【0206】
精製システムBを使用して精製を行った。純粋な所望のペプチドを含有する画分を凍結乾燥した。トリフルオロ酢酸塩としてのペプチドを白色固体として得た。
m=37mg(8%)
UPLC/MS:
RT:4.99分(分析条件A)、純度99%(UV)
観察された質量m/z(イオン型):2205.2(M+2H);1470.5(M+3H);1103.1(M+4H);882.7(M+5H)
【0207】
2.G.結果
配列番号1~32、34~37、39、44、45、47~49、51および54~97の本発明のペプチドで得られた結果を、以下の表1に示した。
【0208】
【表5】
【表6】
【表7】
【0209】
条件Aは、以下であった:
-カラム:Acquity Peptide CSH、C18、130Å、2.1×100mm、1.7um;
-カラム温度:50℃;流速=0.6ml/分;
-溶媒A:HO中0.1%TFA;
-溶媒B:CHCN中0.1%TFA;
-勾配:0~1分 B=2%、1~7分 B=2%から70%、7~8分 B=70%から100%;
-UV検出器:波長:220nm;MS取得:ESI+200~3000uma
【0210】
条件Bは、以下であった:
-カラム:Acquity BEH C18、130Å、 2.1×50mm、1.7μm
-カラム温度 60℃;流速0.6ml/mn
-溶媒A:HO中0.05%TFA
-溶媒B:CHCN中0.05%TFA
勾配:0~1分 B=2%、1~16分 B=2%から100%、16~17分 B=100%
UV検出器:波長:220nm;MS取得:ESI+200~3000uma
【0211】
条件Cは、以下であった:
-カラム:ACQUITY BEH C4、130Å、2.1×50mm、1.7μm;
-カラム温度 45℃;流速:0.4ml/分;
-溶媒A:HO中0.1%TFA;
-溶媒B:CHCN中0.05%TFA
勾配:0~1分 B=30%、1~5分 B=30%から50%、5~6min B=80%
UV検出器:波長:220nm;MS取得:ESI+200~3000uma
【0212】
条件Dは、以下であった:
-カラム:Acquity Peptide CSH、C18、130Å、2.1×150mm、1.7um;
-カラム温度:60℃;流速=0.4ml/分;
-溶媒A:HO中0.1%TFA;
-溶媒B:CHCN中0.1%TFA;
-勾配:0~1分 B=2%、1~14分 B=2%から70%、14~16分 B=70%から100%;
-UV検出器:波長:220nm;MS取得:ESI+200~3000uma
【0213】
本発明による以下のペプチドは、上記に記載したようにそれぞれ製造することができる:配列番号33、38、40、41、43、46、50、52および53。
【実施例3】
【0214】
RXFP1受容体における本発明のペプチドのインビトロ分析(OVCAR5 cAMPアッセイ)
A.方法
内因性RXFP1を発現するOVCAR5細胞を使用して、本発明のペプチド、特に配列番号1~97のペプチドのRXP1アゴニスト特性をテストした。
【0215】
RXFP1はGs結合GPCRであるため、cAMPをRXFP1活性化の読み出しとして使用した。
【0216】
イソブチルメチルキサンチン(IBMX)を使用してホスホジエステラーゼ活性を阻害し、cAMP 測定を容易にした。その高度な感度のため、HTRF(ホモジニアス時間分解蛍光)技術を使用してcAMPを検出した。
【0217】
要約すると、OVCAR5を、10%ウシ胎仔血清(FCS)および1%抗生物質(ペニシリン/ストレプトマイシン)を含有する通常の培地(RPMI)で増殖させた。
実験前に、細胞をアキュターゼで剥離し、1mM(3-イソブチル-1-メチルキサンチン)IBMXと37℃で40分間インキュベートした。
細胞を次いで、一定容量の培地(FCSなし)に漸増濃度の種々のペプチドを含有する384ブラックウェルプレートに分配した。
5%COの湿潤インキュベーターで37度、30分のインキュベーション後、溶解緩衝液およびcAMP-D2(色素d2で標識したcAMP)、ならびにユーロピウムに連結し、cAMP検出に使用した抗cAMP抗体を含有する一定容量の溶液を添加して、反応を止めた。
実験の読み出しは、HTRF測定を可能にする蛍光光度計で行った。化合物濃度のlog10に対してcAMPの細胞内値をプロットして、活性化曲線を生成した。
50%活性化濃度(EC50)を、Prism 5ソフトウェアを用いたシグモイド用量反応(可変勾配)式を使用して非線形回帰によって計算した。
Emax%は、テスト化合物のcAMPの最大細胞内値(cAMPの上限vs濃度曲線)を、同じテスト時に決定したH2リラキシンのcAMPの最大細胞内値で割り、100を掛けた値として決定した。
Emax%=100×[cAMPtest cpd]/[cAMPH2-Rlx
【0218】
B.結果
本発明のペプチドを用いて得られた結果を、以下の表2に表す。
【0219】
【表8】
【表9】
【表10】
【0220】
本発明によるペプチドは、極めて興味深いRXP1アゴニスト特性を有し、RXFP1を結合および活性化するのに極めて有効であるようだ。
【0221】
さらに、本発明によるペプチドは全て、RXFP1受容体を活性化することに関して従来技術からのペプチドより有意におよび予想外に優れている。
【0222】
B7-33 C11.23S、AcB7-33 C11.23SおよびKKKK(AcB7-29 C11.23S)の名称で知られる従来技術(WO2015/157829)からのペプチドを用いて、同じ実験を行った。
【0223】
以下のEC50結果は、これらの3つのペプチドについて得られた。
【0224】
【表11】
【0225】
上記で示したように、本発明によるペプチドは、極めて興味深いRXFP1アゴニスト特性を有し、RXFP1を活性化するのに極めて有効である。さらに、本発明によるペプチドは全て、従来技術からのペプチドより有意におよび思いがけなく優れている。
【実施例4】
【0226】
緩衝液中での本発明のペプチドの可溶性テスト
A.方法
ペプチドバッチの可溶性のテストの前に、その純度(HPLC-UV)を決定した。
試験培地:
リン酸緩衝液50mM pH6.5:15.9ml NaHPO 0.1M(Carlo Erba 480087)+34.1ml NaHPO 0.1M(Carlo Erba 480141)+HO MilliQ QSP 100ml
リン酸緩衝液50mM pH7.4:40.5ml NaHPO 0.1M(Carlo Erba 480087)+9.5ml NaHPO 0.1M(Carlo Erba 480141)+HO MilliQ QSP 100ml
酢酸緩衝液50mM pH4.5:0.75g CCONa,3HO(Sigma S7545)+Millipore水に溶解した0.35ml CHCOH 100%溶液(希釈(1:1)CHCOHでのpHに調整、およびMillipore水で250mlに希釈)
【0227】
4mlエッペンドルフバイアル中で、正確に秤量した化合物試料を試験培地に希釈して純粋な化合物2、6または10mg/mlの目標濃度を得た。試料バイアルを約19時間振とうした(ロックンロールシェーカー)。Millipore「Solvinert」プレート(0.45μm-PTFE親水性)を通じて、300μLアリコートを濾過した。次いで、濾液の0.2pL注入と、0.2~2pLにわたる様々な容量を注入して、DMSO中1.2mg/mlの濃度のペプチドストック溶液(%純度に基づく)で得られたUVピーク面積との比較によって可溶性を決定した。
【0228】
分析:
pHを微小電極で測定した。
HPLC条件:
DAD検出器を備えたWaters Acquity UPLC System
カラム:Waters Peptide Column CSH C18(130Å;1.7μm;50×2.1mm)
カラム温度:60℃
流速:0.3ml/分
フルループ(約5μL)-オーバーフィルファクタ5
弱洗浄および強洗浄:H2O/ACN(75/25;V/V);シール洗浄:H2O/IsOH(95/5;V/V)
移動相:
溶媒A:0.05%TFA水;溶媒B:CH3CN中0.035%TFA
勾配:0~12分 B=2%から60%、12~14分 B=60%から100%。カラム洗浄 100%B 1分、カラム平衡 2%B 2.5分
UV検出器:波長:220nm
【0229】
B.結果
得られた可溶性結果を、以下の表4に表す。
【0230】
【表12】
【0231】
B7-33 C11.23S、AcB7-33 C11.23SおよびKKK(AcB7-29 C11.23S)の名称で知られる従来技術(WO2015/157829)からのペプチドを用いて、同じ実験を行った。
【0232】
以下の可溶性結果は、これらの3つのペプチドについて得られた。
【0233】
【表13】
【0234】
本発明のペプチドは、従来技術の化合物と比べて可溶性の改善を示す。この特性は、注射可能な溶液を製造するときにより広範囲の濃度を可能にし、故にインビボ投与量範囲を拡大するであろう。
【実施例5】
【0235】
ラットまたはヒト血漿または血液中でのペプチドの安定性テスト
A.方法
ペプチドバッチの血漿(または血液)中での安定性テストの前に、その純度(HPLC-UV)を決定した。
試験培地:
ラットおよびヒト血漿:抗凝固ナトリウムまたはリチウムヘパリン
ラットおよびヒト血液:抗凝固ナトリウムまたはリチウムヘパリン
ストック溶液:
50mMリン酸緩衝液pH7.4中、試験化合物の100μM溶液
【0236】
950μL血漿(または血液)を37℃で5分間プレインキュベートした。化合物ストック溶液50μLを添加した。最終化合物濃度=5μM。各時点で150μL血漿(または血液)をボルテックスし、エッペンドルフに移した。時点0、1および4時間を種ごとに2通り実行した。
【0237】
インキュベーション後、150μL血漿(または血液)を、1%TFAを含有する600μLアセトニトリルで抽出した。前記混合物を次いでボルテックスし、14600rpmで10分遠心分離した。200μL上清をN下で乾燥した。試料を次いで、HO/CHCN 98/2+0.1% FA+50ng/mlラベタロール200μLで再構成し、可溶性および安定性試験で使用した分析システムを使用して分析した。
【0238】
残留ペプチド量の決定に関して、t0および各時点(日)の標的化合物のピーク面積を比較し、等式に従って「残留ペプチド%」を得た:
残留ペプチド%=[(ピーク面積ペプチド時間)×100]/ピーク面積ペプチドt0。安定性を「残留ペプチド%」として表した。
判定基準:精度が約15%であり、回収率が85~115%範囲内であるならば、テスト化合物は安定とみなした。
【0239】
B.結果
得られた血漿および血中安定性結果を、以下の表6に表す。
【0240】
【表14】
【0241】
B7-33 C11.23S、AcB7-33、およびKKKK(AcB7-29 C11.23S)の名称で知られる従来技術(WO2015/157829)からのペプチドを用いて、同じ実験を行った。
【0242】
以下の血漿安定性結果は、これらの3つのペプチドについて得られた。
【0243】
【表15】
【0244】
本発明のペプチドは、血漿および/または血液中で従来技術の化合物より安定であるようだ。
【実施例6】
【0245】
ラットへのインビボ投与後のペプチドの薬物動態(PK)決定
A.方法:
ペプチドバッチのテストの前に、その純度(HPLC-UV)を決定した。塩の存在、溶媒および純度について用量を補正した。
ラットにおけるペプチドの定量化のための生物学的分析スクリーニング法:
Sprague Dawleyラットに、1mg/kg静脈内(i.v.)または3mg/kg皮下(s.c.)の用量でPBS溶液として(それぞれ0.2mg/mlおよび0.6mg/ml)試験ペプチドを投与した。
血液試料を回収した:適用後0.083、0.25、0.5、1、2、4、8、24、48および72時間(i.v.経路)および0.25、0.5、1、2、4、6、8、10、24、48および72時間(s.c経路)。
血漿試料を、液体クロマトグラフィー質量分析(LC/MS)によりタンパク質沈殿後に分析した。
PKパラメータおよび半減期を、Phoenix 64(WinNonlin 6.4)-Pharsight(Certara(商標))(非コンパートメントモデル)を使用して計算した。その後の計算およびPK分析のために、定量下限未満(BLQ)値をゼロに置き換えた。
【0246】
B.結果:
得られたPKパラメータを、以下の表8に表す。
以下の略号を使用した:
T1/2:インビボ半減期、PK実験中、テスト化合物血漿濃度が2で割られるのに要する時間
C0:t=0時点の外挿テスト化合物血漿濃度(i.v.経路)
Cmax:示された時点の最大テスト化合物血漿濃度(s.c.経路)
Tmax:Cmaxが達成された時点
F%:s.c. vs i.v.生物学的利用率、用量補正曲線下面積(AUC)AUCi.v.で割ったs.c.経路
【0247】
【表16】
【0248】
同じ実験をH2リラキシンで行った。
【0249】
【表17】
【0250】
H2リラキシンと比べて、本発明の選択されたペプチドは、改善された薬物動態パラメータを示す。特にラットにおけるそのインビボ半減期は、4時間~9時間にわたる。そのようなペプチドは、次いでその効能をより長時間保持し、静脈内または皮下経路による1日1回投与を可能にし得る。
【0251】
配列表
配列番号1
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S-T-W-S-Aib-R-K-K(Ac)-NH2
配列番号2
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S-T-F-S-Aib-R-A-K(Ac)-NH2
配列番号3
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S-T-F-S-Mly-R-A-K(Ac)-NH2
配列番号4
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S-T-W-S-Aib-R-K-K(Ac)-NH2
配列番号5
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(PEG2-PEG2-PEG2-PEG2-gE-gE-gE-Palm)-S-T-W-S-Aib-R-K-K(Ac)-NH2
配列番号6
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Stea)-S-T-W-S-Aib-R-K-K(Ac)-NH2
配列番号7
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Stea)-S-T-F-S-Mly-R-A-K(Ac)-NH2
配列番号8
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(PEG2-PEG2-PEG2-PEG2-gE-gE-gE-Palm)-S-T-F-S-Mly-R-A-K(Ac)-NH2
配列番号9
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-gE-gE-Palm)-S-T-F-S-Mly-R-A-K(Ac)-NH2
配列番号10
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-gE-gE-gE-gE-Palm)-S-T-F-S-Mly-R-A-K(Ac)-NH2
配列番号11
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S-T-W-S-Mly-R-A-K(Ac)-NH2
配列番号12
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-Cit-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S-T-F-S-Mly-R-A-K(Ac)-NH2
配列番号13
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S-T-F-S-K-R-A-K(Ac)-NH2
配列番号14
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S-T-F-Dser-K-R-A-K(Ac)-NH2
配列番号15
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S-T-F-Aib-K-R-A-K(Ac)-NH2
配列番号16
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S-T-F-S-Dlys-R-A-K(Ac)-NH2
配列番号17
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S-T-W-S-Dlys-R-A-K(Ac)-NH2
配列番号18
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S-T-W-S-Dlys-R-K-K(Ac)-NH2
配列番号19
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(PEG2-PEG2-PEG2-gE-gE-gE-Palm)-S-T-W-S-Aib-R-K-K(Ac)-NH2
配列番号20
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Stea)-S-T-W-S-Aib-R-K-K(Ac)-NH2
配列番号21
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(PEG2-PEG2-PEG2-PEG2-gE-gE-gE-Stea)-S-T-W-S-Aib-R-K-K(Ac)-NH2
配列番号22
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(PEG2DGA-PEG2DGA-PEG2DGA-gE-gE-gE-Palm)-S-T-F-S-Mly-R-A-K(Ac)-NH2
配列番号23
Ac-L-E-G-R-E-L-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S-T-F-S-Mly-R-A-K(Ac)-NH2
配列番号24
Ac-L-E-G-R-E-F-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S-T-F-S-Mly-R-A-K(Ac)-NH2
配列番号25
Ac-L-E-G-R-E-Q-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S-T-F-S-Mly-R-A-K(Ac)-NH2
配列番号26
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(PEG2-PEG2-PEG2-PEG2-gE-gE-gE-Stea)-S-T-F-S-Mly-R-A-K(Ac)-NH2
配列番号27
Ac-L-E-G-R-E-R-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S-T-F-S-Mly-R-A-K(Ac)-NH2
配列番号28
Ac-L-E-G-R-E-Hly-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S-T-F-S-Mly-R-A-K(Ac)-NH2
配列番号29
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-Aib-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S-T-F-S-Mly-R-A-K(Ac)-NH2
配列番号30
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Stea)-S-T-W-S-Mly-R-A-K(Ac)-NH2
配列番号31
Ac-L-E-G-R-E-R-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S-T-W-S-Aib-R-R-K(Ac)-NH2
配列番号32
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(PEG2DGA-PEG2DGA-PEG2DGA-gE-gE-gE-Stea)-S-T-F-S-Mly-R-A-K(Ac)-NH2
配列番号33
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S-T-F-S-Mly-R-A-K(Ac)-NH2
配列番号34
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Stea)-S-T-F-S-Mly-R-A-K(Ac)-NH2
配列番号35
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S-T-W-Aib-K-R-A-K(Ac)-NH2
配列番号36
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S-T-F-S-Dlys-R-A-K(Ac)-NH2
配列番号37
Ac-L-E-G-R-E-L-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S-T-W-S-Aib-R-R-K(Ac)-NH2
配列番号38
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(PEG2-PEG2-PEG2-gE-gE-gE-Palm)-S-T-F-S-Mly-R-A-K(Ac)-NH2
配列番号39
Ac-L-E-G-R-E-F-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S-T-W-S-Aib-R-R-K(Ac)-NH2
配列番号40
Ac-L-E-G-R-E-Q-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S-T-W-S-Aib-R-R-K(Ac)-NH2
配列番号41
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(PEG2DGA-PEG2DGA-PEG2DGA-gE-gE-gE-Palm)-S-T-W-S-Mly-R-A-K(Ac)-NH2
配列番号42
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(PEG2-PEG2-PEG2-PEG2-gE-gE-gE-Palm)-S-T-W-S-Mly-R-A-K(Ac)-NH2
配列番号43
Ac-L-E-G-R-E-Hly-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Stea)-S-T-W-S-Mly-R-A-K(Ac)-NH2
配列番号44
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S-T-W-Dser-K-R-A-K(Ac)-NH2
配列番号45
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(PEG2-PEG2-PEG2-PEG2-PEG2-gE-gE-gE-Palm)-S-T-F-S-Mly-R-A-K(Ac)-NH2
配列番号46
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(PEG2-PEG2-PEG2-PEG2-PEG2-gE-gE-gE-gE-Palm)-S-T-F-S-Mly-R-A-K(Ac)-NH2
配列番号47
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S-T-F-S-Mly-R-A-K(Ac)-NH2
配列番号48
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-Q-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S-T-F-S-Mly-R-A-K(Ac)-NH2
配列番号49
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S-T-F-S-Mly-R-A-K-NH2
配列番号50
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(PEG2DGA-PEG2DGA-PEG2DGA-gE-gE-gE-Stea)-S-T-W-S-Aib-R-K-K(Ac)-NH2
配列番号51
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-gE-Stea)-S-T-W-S-Aib-R-K-K(Ac)-NH2
配列番号52
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-Stea)-S-T-W-S-Aib-R-K-K(Ac)-NH2
配列番号53
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(PEG2DGA-PEG2DGA-PEG2DGA-gE-gE-gE-gE-Stea)-S-T-W-S-Aib-R-K-K(Ac)-NH2
配列番号54
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-gE-gE-gE-gE-Stea)-S-T-W-S-Aib-R-K-K(Ac)-NH2
配列番号55
Ac-L-E-G-R-E-R-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S-T-W-S-Aib-R-R-K(Ac)-NH2
配列番号56
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-Cit-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Stea)-S-T-F-S-Mly-R-A-K(Ac)-NH2
配列番号57
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S-T-W-S-Hly-R-A-K(Ac)-NH2
配列番号58
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Stea)-S-T-W-S-Aib-R-K-K(Ac)-NH2
配列番号59
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Stea)-S-T-F-S-Aib-R-K-K(Ac)-NH2
配列番号60
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Stea)-S-T-F-S-Aib-R-K-K(Ac)-NH2
配列番号61
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Stea)-S-T-F-S-Aib-R-K-K(Ac)-NH2
配列番号62
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-gE-Palm)-S-T-W-S-Aib-R-K-K(Ac)-NH2
配列番号63
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S-Q-W-S-Aib-R-K-K(Ac)-NH2
配列番号64
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S-R-W-S-Aib-R-K-K(Ac)-NH2
配列番号65
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-K(Ac)-Q-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S-T-W-S-Aib-R-K-K(Ac)-NH2
配列番号66
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S-T-W-K(Ac)-Aib-R-A-K(Ac)-NH2
配列番号67
Ac-L-E-G-R-E-R-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S-T-W-S-Aib-R-K-K(Ac)-NH2
配列番号68
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S-T-W-S-Aib-R-K(Ac)-K-NH2
配列番号69
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S-T-W-S-Aib-R-K(Ac)-R-NH2
配列番号70
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-I-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S-T-W-S-Aib-R-K-K(Ac)-NH2
配列番号71
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S-T-W-S-Aib-R-A-K-NH2
配列番号72
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S-T-F-Aib-R-R-A-K(Ac)-NH2
配列番号73
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S-K-W-S-Aib-R-A-K-NH2
配列番号74
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-I-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S-T-W-S-Aib-R-K-K(Ac)-NH2
配列番号75
Ac-L-E-G-R-E-R-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S-T-W-S-Aib-R-R-K(Ac)-NH2
配列番号76
Ac-L-E-G-R-E-R-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S-T-F-S-Aib-R-R-K(Ac)-NH2
配列番号77
Ac-L-E-G-R-E-R-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S-T-F-S-Aib-R-R-K(Ac)-NH2
配列番号78
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S-T-F-S-Mly-R-A-K(Ac)-NH2
配列番号79
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S-K-F-S-Aib-R-K-K(Ac)-NH2
配列番号80
Ac-L-E-G-R-E-R-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S-T-Trp(5-Cl)-S-Aib-R-R-K(Ac)-NH2
配列番号81
Ac-K(Ac)-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S-T-F-S-Mly-R-A-K(Ac)-NH2
配列番号82
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-Aib-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S-T-W-S-Aib-R-A-K(Ac)-NH2
配列番号83
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S-K-W-S-Aib-R-K-K(Ac)-NH2
配列番号84
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-I-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S-T-F-S-Mly-R-A-K(Ac)-NH2
配列番号85
Ac-L-E-G-R-E-R-V-R-Aib-K(Ac) I Aib Aib E G K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm) S T W S Aib R R K(Ac)-NH2
配列番号86
Ac-Aib-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-I-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S-T-F-S-Mly-R-A-K(Ac)-NH2
配列番号87
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S-T-F-S-R-R-A-K(Ac)-NH2
配列番号88
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S-T-F-S-Hly-R-A-K(Ac)-NH2
配列番号89
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S-T-Mph-S-R-R-A-K(Ac)-NH2
配列番号90
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-A-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S-T-F-S-Mly-R-A-K(Ac)-NH2
配列番号91
Ac-L-E-G-R-E-R-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S-T-Pfp-S-Aib-R-R-K(Ac)-NH2
配列番号92
Ac-L-E-G-R-E-R-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S-T-Trp(5-F)-S-Aib-R-R-K(Ac)-NH2
配列番号93
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S-T-F-T-R-R-A-K(Ac)-NH2
配列番号94
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Palm)-S-T-F-V-R-R-A-K(Ac)-NH2
配列番号95
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Myr)-S-T-F-S-Mly-R-A-K(Ac)-NH2
配列番号96
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-Myr)-S-T-F-S-Mly-R-A-K-NH2
配列番号97
Ac-L-E-G-R-E-K-V-R-A-K(Ac)-I-Aib-Aib-E-G-K(TTDS-TTDS-TTDS-gE-gE-gE-gE-Myr)-S-T-F-S-Mly-R-A-K-NH2
配列番号100 = H2リラキシンA鎖
H-Gln-Leu-Tyr-Ser-Ala-Leu-Ala-Asn-Lys-Cys-Cys-His-Val-Gly-Cys-Thr-Lys-Arg-Ser-Leu-Ala-Arg-Phe-Cys-OH
配列番号101 = H2リラキシンB鎖
H-Asp-Ser-Trp-Met-Glu-Glu-Val-Ile-Lys-Leu-Cys-Gly-Arg-Glu-Leu-Val-Arg-Ala-Gln-Ile-Ala-Ile-Cys-Gly-Met-Ser-Thr-Trp-Ser-OH
配列番号102 = SEQ ID B7-33 C11.23S*
H-Val-Ile-Lys-Leu-Ser-Gly-Arg-Glu-Leu-Val-Arg-Ala-Gln-Ile-Ala-Ile-Ser-Gly-Met-Ser-Thr-Trp-Ser-Lys-Arg-Ser-Leu-NH2
配列番号103 = SEQ ID AcB7-33 C11.23S*
Ac-Val-Ile-Lys-Leu-Ser-Gly-Arg-Glu-Leu-Val-Arg-Ala-Gln-Ile-Ala-Ile-Ser-Gly-Met-Ser-Thr-Trp-Ser-Lys-Arg-Ser-Leu-NH2
配列番号104 = SEQ ID KKKK(AcB7-29 C11.23S)*
Ac-Val-Ile-Lys-Leu-Ser-Gly-Arg-Glu-Leu-Val-Arg-Ala-Gln-Ile-Ala-Ile-Ser-Gly-Met-Ser-Thr-Trp-Ser-Lys-Lys-Lys-Lys-NH2
比較例
【図面の簡単な説明】
【0252】
図1】本発明のペプチドを合成する方法を示した図である。
図2】本発明のペプチドを合成する方法を示した図である。
図1
図2
【配列表】
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