(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-16
(45)【発行日】2023-06-26
(54)【発明の名称】テトラアザポルフィリン化合物
(51)【国際特許分類】
C09B 47/00 20060101AFI20230619BHJP
【FI】
C09B47/00 CSP
(21)【出願番号】P 2019561624
(86)(22)【出願日】2018-12-21
(86)【国際出願番号】 JP2018047141
(87)【国際公開番号】W WO2019131473
(87)【国際公開日】2019-07-04
【審査請求日】2021-11-10
(31)【優先権主張番号】P 2017251525
(32)【優先日】2017-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000179306
【氏名又は名称】山田化学工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000002093
【氏名又は名称】住友化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】弁理士法人WisePlus
(72)【発明者】
【氏名】真鍋 陽介
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼石 悠
(72)【発明者】
【氏名】大家 健一郎
(72)【発明者】
【氏名】中山 智博
【審査官】井上 明子
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-219644(JP,A)
【文献】特開平11-043619(JP,A)
【文献】特開2014-130249(JP,A)
【文献】特開平11-039707(JP,A)
【文献】特開平11-058966(JP,A)
【文献】特開2011-221456(JP,A)
【文献】特開2012-063629(JP,A)
【文献】特開平11-116574(JP,A)
【文献】特開平07-268227(JP,A)
【文献】特開2012-028607(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09B 1/00 - 69/10
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)で表される構造のテトラアザポルフィリン化合物。
【化1】
(一般式(1)中、R
101a~R
101d及びR
102a~R
102dは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表
し、
X及びYは、いずれも下記一般式(2)で表される基である。
【化2】
一般式(2)におけるR
701
は、CO
2
Hを表し、nは1であり、*は酸素原子との結合部位を表す。)
【請求項2】
一般式(1)において、R
101a~R
101dが、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい直鎖又は分岐のアルキル基である、請求項
1に記載の化合物。
【請求項3】
一般式(1)において、R
102a~R
102dが、それぞれ独立に、下記一般式(R1)で表される基である、請求項1
又は2に記載の化合物。
【化3】
(一般式(R1)中、R
601a~R
601eは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基を表し、*はテトラアザポルフィリン骨格との結合部位を表す。)
【請求項4】
一般式(R1)のR
601a~R
601eのうち少なくとも1つは、水素原子以外の基である、請求項
3に記載の化合物。
【請求項5】
吸収極大波長が570~620nmである請求項1~
4のいずれかに記載の化合物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テトラアザポルフィリン化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
照明装置、ディスプレイ装置等から発せられる光から特定の波長の光をカットするために光学フィルタが使用される。
【0003】
例えば、550~620nm付近の波長領域に吸収極大波長を有するテトラアザポルフィリン化合物を含有させた光学フィルタが開示されている(例えば、特許文献1、2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2011-221456号公報
【文献】特開2012-63629号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、光学フィルタとして、カットする光の波長が特に絞られている、シャープな吸収スペクトルを持つフィルタがとくに要望されている。シャープな吸収スペクトルを持つフィルタを使用することにより、色調がぼやける原因となる波長の光のみをカットして鮮やかな色調を表示することが可能となる。
【0006】
特許文献1及び2に開示されたテトラアザポルフィリン化合物は、光学フィルタ用途に使用することのできる化合物であるが、その吸収スペクトルは吸収極大波長の長波長側において吸収極大を示す山からベースラインまでになだらかに広がる部分(本明細書において、裾野部分という)を有していた。このような裾野部分を有すると、吸収極大波長を示す山の部分の形状(先端部分の形状)がシャープであったとしても、吸収極大波長の前後の波長領域も含んでシャープな吸収スペクトルを持つとは言い難かった。
【0007】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、シャープな吸収スペクトルを有するテトラアザポルフィリン化合物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記のような要請を満たすことのできる化合物の構造について検討したところ、Siを中心原子として有し、中心原子であるSiに特定の置換基が結合した構造のテトラアザポルフィリン化合物が、裾野部分も含めて特にシャープな吸収スペクトルを有することを見出し、本発明に想到した。
【0009】
すなわち、本発明のテトラアザポルフィリン化合物は、下記一般式(1)で示される構造のテトラアザポルフィリン化合物である。
【化1】
(一般式(1)中、R
101a~R
101d及びR
102a~R
102dは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表し、
Xは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基又は下記一般式(X1)~(X4)で表される基を表し、
【化2】
Yは、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基又は下記一般式(Y1)で表される基を表し、
【化3】
R
201、R
202は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいフェロセン又は置換基を有していてもよいアリールオキシ基を表し、
R
301、R
302は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表し、
R
401は、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルコキシ基又は置換基を有していてもよいアリールオキシ基を表し、
R
501~R
503は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表し、
一般式(X1)~(X4)及び一般式(Y1)における*は酸素原子との結合部位を表す。)
【0010】
上記構造のテトラアザポルフィリン化合物は、Siを中心原子として有し、中心原子であるSiに特定の置換基が結合した構造を有している。このような構造のテトラアザポルフィリン化合物は、裾野部分も含めて特にシャープな吸収スペクトルを有するため、光学フィルタ等に用いることに適している。
【0011】
本発明のテトラアザポルフィリン化合物では、Xは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基又は上記一般式(X1)~(X4)で表される基を表し、
Yは、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基又は上記一般式(Y1)で表される基を表し、
R201、R202は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルコキシ基又は置換基を有していてもよいアリールオキシ基を表すことが好ましい。
【0012】
本発明のテトラアザポルフィリン化合物では、一般式(1)において、X及びYの少なくとも一方が下記一般式(2)で表される基であることが好ましい。
【化4】
一般式(2)におけるR
701は、CO
2R
701a、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、含窒素ヘテロ環含有基又は置換基を有していてもよいアルキル基を表し、nは、0~5の整数を表し、R
701aは、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表し、*は酸素原子との結合部位を表す。)
【0013】
X及びYの少なくとも一方が上記一般式(2)で表される基であるとテトラアザポルフィリン化合物からの蛍光発光を抑制することができるため、色調に影響を与える余計な光が生じることが防止される。
【0014】
本発明のテトラアザポルフィリン化合物では、一般式(1)において、XとYがそれぞれ独立に、いずれも一般式(2)で表される基であることが好ましい。
【0015】
本発明のテトラアザポルフィリン化合物では、一般式(1)において、R101a~R101dが、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい直鎖又は分岐のアルキル基であることが好ましい。
【0016】
本発明のテトラアザポルフィリン化合物では、一般式(1)において、R
102a~R
102dが、それぞれ独立に、下記一般式(R1)で表される基であることが好ましい。
【化5】
(一般式(R1)中、R
601a~R
601eは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基を表し、*はテトラアザポルフィリン骨格との結合部位を表す。)
【0017】
また、本発明のテトラアザポルフィリン化合物では、一般式(R1)のR601a~R601eのうち少なくとも1つは、水素原子以外の基であることが好ましい。
【0018】
本発明のテトラアザポルフィリン化合物では、吸収極大波長が570~620nmであることが好ましい。
波長が上記範囲である光の色は黄色~橙色であり、このような色の光を吸収させることによりディスプレイ装置等から発せられる色の色調を鮮やかにすることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明のテトラアザポルフィリン化合物は、Siを中心原子として有し、中心原子であるSiに特定の置換基が結合した構造を有している。このような構造のテトラアザポルフィリン化合物は、裾野部分も含めて特にシャープな吸収スペクトルを有するため、光学フィルタとしての使用に特に適している。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は、化合物2、比較化合物P1及び比較化合物P2の吸収極大波長部分の立ち上がり波長部分を示すスペクトルである。
【
図2】
図2は、化合物3、比較化合物P1及び比較化合物P2の吸収極大波長部分の立ち上がり波長部分を示すスペクトルである。
【
図3】
図3は、化合物4、比較化合物P1及び比較化合物P2の吸収極大波長部分の立ち上がり波長部分を示すスペクトルである。
【
図4】
図4は、化合物5、比較化合物P1及び比較化合物P2の吸収極大波長部分の立ち上がり波長部分を示すスペクトルである。
【
図5】
図5は、化合物6、比較化合物P1及び比較化合物P2の吸収極大波長部分の立ち上がり波長部分を示すスペクトルである。
【
図6】
図6は、化合物9、比較化合物P1及び比較化合物P2の吸収極大波長部分の立ち上がり波長部分を示すスペクトルである。
【
図7】
図7は、化合物10、比較化合物P1及び比較化合物P2の吸収極大波長部分の立ち上がり波長部分を示すスペクトルである。
【
図8】
図8は、化合物11、比較化合物P1及び比較化合物P2の吸収極大波長部分の立ち上がり波長部分を示すスペクトルである。
【
図9】
図9は、化合物14、比較化合物P1及び比較化合物P2の吸収極大波長部分の立ち上がり波長部分を示すスペクトルである。
【
図10】
図10は、化合物17、比較化合物P1及び比較化合物P2の吸収極大波長部分の立ち上がり波長部分を示すスペクトルである。
【
図11】
図11は、化合物18、比較化合物P1及び比較化合物P2の吸収極大波長部分の立ち上がり波長部分を示すスペクトルである。
【
図12】
図12は、化合物19、比較化合物P1及び比較化合物P2の吸収極大波長部分の立ち上がり波長部分を示すスペクトルである。
【
図13】
図13は、化合物20、比較化合物P1及び比較化合物P2の吸収極大波長部分の立ち上がり波長部分を示すスペクトルである。
【
図14】
図14は、化合物21、比較化合物P1及び比較化合物P2の吸収極大波長部分の立ち上がり波長部分を示すスペクトルである。
【
図15】
図15は、化合物22、比較化合物P1及び比較化合物P2の吸収極大波長部分の立ち上がり波長部分を示すスペクトルである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明のテトラアザポルフィリン化合物の構造は、下記一般式(1)で示される構造である。
【化6】
(一般式(1)中、R
101a~R
101d及びR
102a~R
102dは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表し、
Xは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基又は下記一般式(X1)~(X4)で表される基を表し、
【化7】
Yは、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基又は下記一般式(Y1)で表される基を表し、
【化8】
R
201、R
202は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいフェロセン又は置換基を有していてもよいアリールオキシ基を表し、
R
301、R
302は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表し、
R
401は、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルコキシ基又は置換基を有していてもよいアリールオキシ基を表し、
R
501~R
503は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表し、
一般式(X1)~(X4)及び一般式(Y1)における*は酸素原子との結合部位を表す。)
本明細書において、「アルキル基」は、直鎖状、分岐状及び環状の基を包含する。「アルコキシ基」についても同様である。
また、本明細書において、「アリール基」は、非置換の芳香族炭化水素環のみからなる基を表す。
【0022】
上記一般式(1)において、R101a~R101d及びR102a~R102dはテトラアザポルフィリン骨格に結合する置換基である。
R101a~R101dの4つの置換基は同じであることが好ましく、また、R102a~R102dの4つの置換基は同じであることが好ましい。
すなわち、R101aとR102a、R101bとR102b、R101cとR102c、R101dとR102dの組合せは同じであることが好ましい。
そして、R101aとR102a、R101bとR102b、R101cとR102c、R101dとR102dの組合せが同じである場合、R101aとR102a、R101bとR102b、R101cとR102c、R101dとR102dの2つの置換基の位置関係が異なる4種類の異性体が存在する。
上記一般式(1)は、4種類の異性体を全て含むことを意味している。また、本発明のテトラアザポルフィリン化合物にはこれらの異性体のうち1つのみが含まれていてもよく、複数種類が混合物として含まれていてもよい。
【0023】
R101a~R101d及びR102a~R102dは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表す。
【0024】
一般式(1)のR101a~R101d及びR102a~R102dとしての置換基を有していてもよいアルキル基としては、直鎖、分岐又は環状のアルキル基が挙げられる。
直鎖、分岐又は環状のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-へプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル基、n-ウンデシル基、n-ドデシル基、n-トリデシル基、n-テトラデシル基、n-ペンタデシル基等の直鎖状アルキル基;
イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、2-メチルブチル基、1-メチルブチル基、ネオペンチル基、1,2-ジメチルプロピル基、1,1-ジメチルプロピル基、4-メチルペンチル基、3-メチルペンチル基、2-メチルペンチル基、1-メチルペンチル基、3,3-ジメチルブチル基、2,3-ジメチルブチル基、1,3-ジメチルブチル基、2,2-ジメチルブチル基、1,2-ジメチルブチル基、1,1-ジメチルブチル基、3-エチルブチル基、2-エチルブチル基、1-エチルブチル基、1,1,2-トリメチルプロピル基、1-エチル-2-メチルプロピル基、2-メチルヘキシル基、3-メチルヘキシル基、4-メチルヘキシル基、5-メチルヘキシル基、1-エチルペンチル基、2,4-ジメチルペンチル基、2-エチルヘキシル基、2,5-ジメチルヘキシル基、2,5,5-トリメチルペンチル基、2,4-ジメチルヘキシル基、2,2,4-トリメチルペンチル基、1,1-ジメチルヘキシル基、1,1,3,3-テトラメチルブチル基、3,5,5-トリメチルヘキシル基、4-エチルオクチル基、4-エチル-4,5-ジメチルヘキシル基、1,3,5,7-テトラメチルオクチル基、4-ブチルオクチル基、6,6-ジエチルオクチル基、6-メチル-4-ブチルオクチル基、3,5-ジメチルヘプタデシル基、2,6-ジメチルヘプタデシル基、2,4-ジメチルヘプタデシル基、2,2,5,5-テトラメチルヘキシル基等の分岐状アルキル基;
シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1-シクロペンチル-2,2-ジメチルプロピル基、1-シクロペンチル-2,2-ジメチルプロピル基、1-シクロヘキシル-2,2-ジメチルプロピル基等の環状のアルキル基(シクロアルキル基);が挙げられる。これらの中でも、炭素数1~10の直鎖又は分岐のアルキル基が好ましく、tert-ブチル基がより好ましい。
【0025】
また、置換基を有するアルキル基として、アルキル基の水素原子の一部又は全部がハロゲンで置換されているものが挙げられ、その例としては、クロロメチル基、ジクロロメチル基、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ノナフルオロブチル基等が挙げられる。
【0026】
一般式(1)のR101a~R101d及びR102a~R102dとしての置換基を有していてもよいアリール基としては、フェニル基、ニトロフェニル基、シアノフェニル基、ヒドロキシフェニル基、カルボキシフェニル基、メチルフェニル基、ジメチルフェニル基、トリメチルフェニル基、フルオロフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、N,N-ジメチルアミノフェニル基、ナフチル基、ニトロナフチル基、シアノナフチル基、ヒドロキシナフチル基、メチルナフチル基、フルオロナフチル基、クロロナフチル基、ブロモナフチル基、トリフルオロメチルナフチル基等のアリール基が挙げられる。
【0027】
また、一般式(1)において、R
102a~R
102dが、それぞれ独立に、下記一般式(R1)で表される基であることが好ましい。
なお、下記一般式(R1)には、上記した置換基を有していてもよいアリール基のうち、下記一般式(R1)に該当する基も含まれる。
【化9】
(一般式(R1)中、R
601a~R
601eは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基を表し、*はテトラアザポルフィリン骨格との結合部位を表す。)
【0028】
一般式(R1)のR601a~R601eとしての、置換基を有していてもよいアルキル基としては、R101a~R101d及びR102a~R102dの例として挙げた置換基を有していてもよいアルキル基が挙げられる。
一般式(R1)のR601a~R601eとしての置換基を有していてもよいアリール基としては、R101a~R101d及びR102a~R102dの例として挙げた置換基を有していてもよいアリール基が挙げられる。
具体的にはフェニル基、ニトロフェニル基、シアノフェニル基、ヒドロキシフェニル基、カルボキシフェニル基、メチルフェニル基、ジメチルフェニル基、トリメチルフェニル基、フルオロフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、N,N-ジメチルアミノフェニル基、ナフチル基、ニトロナフチル基、シアノナフチル基、ヒドロキシナフチル基、メチルナフチル基、フルオロナフチル基、クロロナフチル基、ブロモナフチル基、トリフルオロメチルナフチル基等のアリール基が挙げられる。
【0029】
一般式(R1)のR601a~R601eとしての、置換基を有していてもよいアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、n-ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、n-ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、n-ドデシルオキシ基が挙げられる。
アルコキシ基の水素原子の一部又は全部がハロゲンで置換されているものとして、フルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、1,1,2,2,2-ペンタフルオロエトキシ基、1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ基、1,1,2-トリフルオロエトキシ基、1,2,2-トリフルオロエトキシ基、2,2,2-トリフルオロエトキシ基、2,2-ジフルオロエトキシ基、1,2-ジフルオロエトキシ基、1,1-ジフルオロエトキシ基、2-フルオロエトキシ基、1-フルオロエトキシ基、2,2,3,3-テトラフルオロ-1-プロポキシ基、2,2,3,3,3-ペンタフルオロ-1-プロポキシ基、2,2,3,3,4,4,4-ヘプタフルオロ-1-ブトキシ基、2,2,3,4,4,4-ヘキサフルオロ-1-ブトキシ基、2,2,3,3,4,4,5,5-オクタフルオロ-1-ペンチルオキシ基、3,3,4,4,5,5,6,6,6-ノナフルオロ-1-ヘキシルオキシ基、4,4,5,5,6,6,7,7,7-ノナフルオロ-1-ヘプチルオキシ基、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7-ドデカフルオロ-1-ヘプチルオキシ基、7,7,8,8,8-ペンタフルオロ-1-オクチルオキシ基、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8-トリデカフルオロ-1-オクチルオキシ基、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9-ヘキサデカフルオロ-1-ノニルオキシ基、4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,9-トリデカフルオロ-1-ノニルオキシ基、7,7,8,8,9,9,10,10,10-ノナフルオロ-1-デシルオキシ基、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10-ヘプタデカフルオロ-1-デシルオキシ基、4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10-ペンタデカフルオロ-1-デシルオキシ基、7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,12-トリデカフルオロ-1-ドデシルオキシ基、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,12-ヘニコサフルオロ-1-ドデシルオキシ基、7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,13,13,14,14,14-ヘプタデカフルオロ-1-テトラデシルオキシ基、1H,1H,2,5-ビス(トリフルオロメチル)-3,6-ジオキサウンデカフルオロ-1-ノニルオキシ基、6-(ペルフルオロ-1-メチルエチル)-1-ヘキシルオキシ基、2-(ペルフルオロ-1-メチルブチル)-1-エトキシ基、2-(ペルフルオロ-3-メチルブチル)エトキシ基、2-(ペルフルオロ-7-メチルオクチル)エトキシ基、2H-ヘキサフルオロ-2-プロポキシ基、2,2-ビス(トリフルオロメチル)-1-プロポキシ基等が挙げられる。
【0030】
一般式(R1)のR601a~R601eとしての、置換基を有していてもよいアリールオキシ基としては、例えば、炭素数6~20のアリールオキシ基が挙げられる。
具体的には、フェノキシ基、1-ナフトキシ基、2-ナフトキシ基、2-メチルフェノキシ基、4-メチルフェノキシ基、4-tert-ブチルフェノキシ基、2-メトキシフェノキシ基、4-イソプロピルフェノキシ基等が挙げられる。
置換基を有していてもよいアリールオキシ基における置換基は特に限定されず、例えば、炭素数1~8の直鎖、分岐又は環状のアルキル基、炭素数1~8の直鎖、分岐又は環状のアルコキシ基、アミノ基、モノ-又はジ-アルキルアミノ基(アルキル基の炭素数は1~8)、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基等が挙げられる。
【0031】
上記を踏まえて、一般式(R1)で表される基の具体例としては、フェニル基、メチルフェニル基、ジメチルフェニル基、トリメチルフェニル基、フルオロフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基が挙げられる。
【0032】
また、一般式(R1)のR601a~R601eのうち少なくとも1つは、水素原子以外の基であることが好ましい。
【0033】
また、一般式(R1)で表される基としては、R601a、R601c及びR601eのうちの少なくとも1つが、それぞれ独立して、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基であるものが好ましい。
具体的な例としては、2-フルオロフェニル基、3-フルオロフェニル基、4-フルオロフェニル基、2,3-ジフルオロフェニル基、2,4-ジフルオロフェニル基、2,5-ジフルオロフェニル基、2,6-ジフルオロフェニル基、3,4-ジフルオロフェニル基、3,5-ジフルオロフェニル基、2,4,6-トリフルオロフェニル基、2,3,5,6-テトラフルオロフェニル基、2,3,4,5,6-ペンタフルオロフェニル基、2-クロロフェニル基、3-クロロフェニル基、4-クロロフェニル基、2,3-ジクロロフェニル基、2,4-ジクロロフェニル基、2,5-ジクロロフェニル基、2,6-ジクロロフェニル基、3,4-ジクロロフェニル基、3,5-ジクロロフェニル基、2,4,6-トリクロロフェニル基、2,3,5,6-テトラクロロフェニル基、2,3,4,5,6-ペンタクロロフェニル基、2-ブロモフェニル基、3-ブロモフェニル基、4-ブロモフェニル基、2,3-ジブロモフェニル基、2,4-ジブロモフェニル基、2,5-ジブロモフェニル基、2,6-ジブロモフェニル基、3,4-ジブロモフェニル基、3,5-ジブロモフェニル基、2,4,6-トリブロモフェニル基、2,3,5,6-テトラブロモフェニル基、2,3,4,5,6-ペンタブロモフェニル基、2-メチルフェニル基、3-メチルフェニル基、4-メチルフェニル基、2,3-ジメチルフェニル基、2,4-ジメチルフェニル基、2,5-ジメチルフェニル基、2,6-ジメチルフェニル基、3,4-ジメチルフェニル基、3,5-ジメチルフェニル基、2,4,6-トリメチルフェニル基、2,3,5,6-テトラメチルフェニル基、2,3,4,5,6-ペンタメチルフェニル基、2-トリフルオロメチルフェニル基、3-トリフルオロメチルフェニル基、4-トリフルオロメチルフェニル基、2,3-ジトリフルオロメチルフェニル基、2,4-ジトリフルオロメチルフェニル基、2,5-ジトリフルオロメチルフェニル基、2,6-ジトリフルオロメチルフェニル基、3,4-ジトリフルオロメチルフェニル基、3,5-ジトリフルオロメチルフェニル基、2,4,6-トリトリフルオロメチルフェニル基、2,3,5,6-テトラトリフルオロメチルフェニル基、2,3,4,5,6-ペンタフルオロメチルフェニル基等が挙げられる。
そして、これらの中でも、2-フルオロフェニル基、4-フルオロフェニル基、2,4-ジフルオロフェニル基、2,6-ジフルオロフェニル基、2-クロロフェニル基、4-クロロフェニル基、2,4-ジクロロフェニル基、2,6-ジクロロフェニル基、2-ブロモフェニル基、4-ブロモフェニル基、2,4-ジブロモフェニル基、2,6-ジブロモフェニル基、2-メチルフェニル基、4-メチルフェニル基、2,4-ジメチルフェニル基、2,6-ジメチルフェニル基、2-トリフルオロメチルフェニル基、4-トリフルオロメチルフェニル基、2,4-ジトリフルオロメチルフェニル基、2,6-ジトリフルオロメチルフェニル基が好ましい。
【0034】
テトラアザポルフィリン骨格に結合する置換基のうち、R101a~R101dが、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい直鎖又は分岐のアルキル基であることが好ましい。とくに、R101a~R101dがいずれもtert-ブチル基であることが好ましい。
【0035】
テトラアザポルフィリン骨格に結合する置換基のうち、R102a~R102dが、それぞれ独立に、上記一般式(R1)で表される基であることが好ましい。また、R102a~R102dが、上記一般式(R1)で表される基である場合に、一般式(R1)のR601a~R601eのうち少なくとも1つは、水素原子以外の置換基であることが好ましい。
とくに、R102a~R102dがいずれも2-フルオロフェニル基であることが好ましい。
【0036】
上記一般式(1)で表されるテトラアザポルフィリン化合物において、中心原子はSiであり、軸配位子としてSiにO(酸素原子)が2つ結合しており、それぞれのOにX又はYが結合した構造を備えている。
以下、軸配位子の構造の一部であるXとYの好ましい構造の例について説明する。
XとYは同じ基であってもよく、異なる基であってもよい。
【0037】
Xは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基又は下記一般式(X1)~(X4)で表される基を表す。
一般式(X1)~(X4)における*は酸素原子との結合部位である。
【化10】
R
201は、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいフェロセン又は置換基を有していてもよいアリールオキシ基を表し、
R
301及びR
302は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表し、
R
401は、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルコキシ基又は置換基を有していてもよいアリールオキシ基を表し、
R
501~R
503は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表す。
【0038】
Yは、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基又は下記一般式(Y1)で表される基を表す。
一般式(Y1)における*は酸素原子との結合部位である。
【化11】
R
202は、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいフェロセン又は置換基を有していてもよいアリールオキシ基を表す。
【0039】
X又はYとしての置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基としては、R101a~R101d及びR102a~R102dの例として挙げた置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基が挙げられる。
また、X又はYとしての置換基を有していてもよいアラルキル基としては、置換基を有していてもよいベンジル基、置換基を有していてもよいフェロセン等が挙げられる。例えば4-フルオロベンジル基、フェロセニルメチル基が挙げられる。
【0040】
一般式(X1)におけるR201、一般式(Y1)におけるR202は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいフェロセン又は置換基を有していてもよいアリールオキシ基を表す。
置換基を有していてもよいアルキル基及び置換基を有していてもよいアリール基としては、R101a~R101d及びR102a~R102dの例として挙げた置換基を有していてもよいアルキル基及び置換基を有していてもよいアリール基が挙げられる。置換基を有していてもよいアルコキシ基及び置換基を有していてもよいアリールオキシ基としては、一般式(R1)のR601a~R601eとして挙げた置換基を有していてもよいアルコキシ基及び置換基を有していてもよいアリールオキシ基が挙げられる。
一般式(X1)におけるR201及び一般式(Y1)におけるR202としては、フェニル基、1-エチルペンチル基、3-ニトロフェニル基、4-カルボキシフェニル基、3-カルボキシフェニル基、4-ヒドロキシフェニル基、フェロセン等が好ましい。
【0041】
一般式(X2)におけるR301及びR302は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表す。
置換基を有していてもよいアルキル基及び置換基を有していてもよいアリール基としては、R101a~R101d及びR102a~R102dの例として挙げた置換基を有していてもよいアルキル基及び置換基を有していてもよいアリール基が挙げられる。
【0042】
一般式(X3)におけるR401は、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルコキシ基又は置換基を有していてもよいアリールオキシ基を表す。
置換基を有していてもよいアルキル基及び置換基を有していてもよいアリール基としては、R101a~R101d及びR102a~R102dの例として挙げた置換基を有していてもよいアルキル基及び置換基を有していてもよいアリール基が挙げられる。
置換基を有していてもよいアルコキシ基及び置換基を有していてもよいアリールオキシ基としては、一般式(R1)のR601a~R601eとして挙げた置換基を有していてもよいアルコキシ基及び置換基を有していてもよいアリールオキシ基が挙げられる。
【0043】
一般式(X4)におけるR501~R503は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表す。
置換基を有していてもよいアルキル基及び置換基を有していてもよいアリール基としては、R101a~R101d及びR102a~R102dの例として挙げた置換基を有していてもよいアルキル基及び置換基を有していてもよいアリール基が挙げられる。
【0044】
X及びYにおける置換基を有していてもよいアリール基は、下記一般式(2)で表される基であることが好ましい。
【化12】
一般式(2)におけるR
701は、CO
2R
701a、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、含窒素ヘテロ環含有基又は置換基を有していてもよいアルキル基を表し、nは、0~5の整数を表し、R
701aは、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表し、*は酸素原子との結合部位を表す。nが2以上の整数である場合、複数のR
701はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
【0045】
また、本発明のテトラアザポルフィリン化合物では、一般式(1)において、XとYとのどちらか一方が一般式(2)で表される基であり、もう一方が他の基であってもよい。
【0046】
一般式(2)におけるnは0~5の整数である。nが0の場合は一般式(2)はフェニル基を表す。
nが2以上の整数の場合、複数のR701は同じであってもよく、異なっていてもよい。
nが1である場合、酸素原子との結合部位*に対するR701の位置はp-位であることが好ましい。
【0047】
R701が置換基を有していてもよいアルコキシ基又は置換基を有していてもよいアリールオキシ基である場合、置換基を有していてもよいアルコキシ基及び置換基を有していてもよいアリールオキシ基としては、一般式(R1)のR601a~R601eとして挙げた置換基を有していてもよいアルコキシ基及び置換基を有していてもよいアリールオキシ基が挙げられる。
【0048】
R701が置換基を有していてもよいアルキル基である場合、置換基を有していてもよいアルキル基としては、R101a~R101d及びR102a~R102dの例として挙げた置換基を有していてもよいアルキル基が挙げられる。
【0049】
R701がCO2R701aである場合、R701aが水素原子であるとCO2R701aはカルボキシ基を表し、R701aが置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基であるとCO2R701aはアルコキシカルボニル基又はアリールオキシカルボニル基を表す。
R701aが置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基である場合、置換基を有していてもよいアルキル基及び置換基を有していてもよいアリール基としては、R101a~R101d及びR102a~R102dの例として挙げた置換基を有していてもよいアルキル基及び置換基を有していてもよいアリール基が挙げられる。
R701が含窒素ヘテロ環含有基である場合、ピペラジル基、モルホリル基、ピロリジル基であることが好ましい。
【0050】
これらの基の中から、一般式(2)で表される基としては、4-カルボキシフェニル基又はフェニル基、3-ヒドロキシフェニル基、3,5-ジヒドロキシフェニル基、3,5-ジフルオロフェニル基、4-ピペラジルフェニル基、4-(3,5-ジメチル)ヒドロキシフェニル基、4-(2,3,5-トリメチル)ヒドロキシフェニル基、4-t-ブチルフェニル基、3-ニトロフェニル基、3-カルボキシフェニル基、4-シアノフェニル基、4-トリフルオロメチルフェニル基がより好ましく、3-ニトロフェニル基、4-カルボキシフェニル基、4-シアノフェニル基、4-トリフルオロメチルフェニル基がとくに好ましい。
【0051】
一般式(1)において、X及びYは、少なくともいずれか一方が置換基を有していてもよいアリール基又は式(X1)で表される基(好ましくはR201が置換基を有していてもよいアルキル基)であることが好ましく、両者ともがそれぞれ独立に、置換基を有していてもよいアリール基又は式(X1)で表される基(好ましくはR201が置換基を有していてもよいアルキル基)であることがより好ましい。
また、一般式(1)において、X及びYは、少なくともいずれか一方が一般式(2)で表される基であることが好ましく、両者ともそれぞれ独立に、一般式(2)で表される基であることがより好ましい。
一般式(1)において、X及びYは、両者とも3-ニトロフェニル基、4-カルボキシフェニル基、4-シアノフェニル基、4-トリフルオロメチルフェニル基又はフェニル基であることがとりわけ好ましく、両者とも4-カルボキシフェニル基であることが特に好ましい。
【0052】
本発明のテトラアザポルフィリン化合物は、590nm付近のオレンジ色を示す光を吸収する化合物であるが、その吸収極大波長(λmax)が570~620nmであることが好ましい。
テトラアザポルフィリン化合物の吸収極大波長は、テトラアザポルフィリン化合物のテトラアザポルフィリン骨格に結合する置換基を変更することによって変化させることができる。また、吸収極大波長の好ましい上限値は620nmであって、より好ましい上限値は615nmである。また、吸収極大波長の好ましい下限値は570nmであり、より好ましい下限値は575nmである。
吸収極大波長は分光光度計により測定することができる。
【0053】
本発明のテトラアザポルフィリン化合物は、裾野部分も含めて特にシャープな吸収スペクトルを有するものであるが、裾野部分も含めて特にシャープな吸収スペクトルを有するということの指標として、吸収スペクトルにおいて吸収極大波長の長波長側でのベースラインの立ち上がり波長から吸収極大波長までの波長幅が40nm以下であり、吸収極大波長における半値幅が20nm以下であることが好ましい。
ベースラインの立ち上がり波長は、吸収極大波長における吸光度を1としたときに、長波長側からみて吸光度が0.01以上となる波長として定める。
そして、立ち上がり波長から吸収極大波長までの距離(波長幅)を求める。
本明細書において、半値幅とは半値全幅のことであり、吸収スペクトルにおいて吸収極大波長における吸光係数値の1/2の値にて引いた横軸に平行な直線と当該ピークとにより形成される2つの交点の間の距離(nm)で表される。
【0054】
上記のような吸収スペクトルを有する化合物は、吸収極大波長を示す山の裾野部分が低い(ほとんど裾野部分が無い)化合物ともいえ、特にシャープな吸収スペクトルを有する化合物であるので、光学フィルタ等に用いることに特に適している。
【0055】
また、本発明のテトラアザポルフィリン化合物が、一般式(1)において、X及びYの少なくとも一方が一般式(2)で表される基であることが好ましい。
X及びYの少なくとも一方が一般式(2)で表される基であるとテトラアザポルフィリン化合物からの蛍光発光を抑制することができるため、色調に影響を与える余計な光が生じることが防止される。
蛍光強度は、蛍光分光光度計を用いて、吸収極大波長を励起波長として蛍光スペクトルを測定することにより評価することができ、蛍光強度が弱い方が好ましい。
【0056】
本発明のテトラアザポルフィリン化合物の用途は特に限定されるものではないが、例えば、樹脂フィルムに含有させる等の処理によって、ディスプレイ装置、照明装置などに適用され、演色性向上や色再現性向上の目的で使用される色補正フィルタとして使用することができる。
【0057】
一般式(1)で表される構造の、本発明のテトラアザポルフィリン化合物は以下の手順により得られる。
まず、下記一般式(4)で示される1,2-ジシアノエチレン化合物のシス体から、下記一般式(5)で示されるジイミノイソピロール誘導体を得る。
一般式(4)で示される1,2-ジシアノエチレン化合物のシス体を得る方法は特開平11-043619号公報に記載の方法を使用することができ、一般式(5)で示されるジイミノイソピロール誘導体を得る方法は特開平02-000665号公報に記載の方法を使用することができる。
【化13】
【化14】
(一般式(4)及び一般式(5)中、R
101及びR
102は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表す。具体的には、R
101a~R
101d及びR
102a~R
102dの例として挙げた置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基が挙げられる。)
【0058】
続いて、一般式(5)で示されるジイミノイソピロール誘導体をSi源(例えばSiCl4)と混合して加熱することにより環化反応させ、加水分解することにより、中心原子がSiであるテトラアザポルフィリン化合物を得る。
ここで得られるテトラアザポルフィリン化合物はSiの軸配位子がOH基である化合物(一般式(1)におけるXとYとがいずれもHである化合物)である。
【0059】
上記で得られた化合物に対して、軸配位子を置換したい構造を有する化合物を加えて還流する等の方法により、XとYとを水素原子から他の置換基に置換することができる。
例えば、カルボン酸やフェノール類を加えることによりカルボキシ基又はフェノール性ヒドロキシ基とSiの軸配位子のOH基との間で脱水縮合を生じさせて、XとYとを水素原子から他の置換基に置換することができる。
【0060】
上記置換に用いるカルボン酸、フェノール類としては、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸、フェノール類、ヒドロキシカルボン酸等が挙げられる。
具体的には、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、ニトロ安息香酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フェノール、エチルヘキサン酸、レゾルシノール、フロログルシノール、3,5-ジフルオロフェノール、1-(4-ヒドロキシフェニル)ピペラジン、2,6-ジメチルヒドロキノン、トリメチルヒドロキノン、4-フルオロベンジルアルコール、4-t-ブチルフェノール、3-ニトロフェノール、4-シアノフェノール、4-トリフルオロメチルフェノール等が挙げられる。
また、上記置換に用いる化合物としてヒドロキシ基やカルボキシ基を有するフェロセン類を使用してもよい。具体的にはヒドロキシメチルフェロセン、フェロセンカルボン酸等が挙げられる。
【実施例】
【0061】
以下に本発明をより具体的に説明する実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下で、得られた化合物の物性を測定する際に使用した機器及び測定条件は次の通りである。
<1H NMR>
日本電子(株)製 JNM-ECZ400S
<LC-TOF/MS>
ブルカー・ダルトニクス製 micrOTOF2-kp (ESI法)
【0062】
(ジイミノイソピロール誘導体の合成)
特開平11-043619号公報に記載の方法と同様にして得た2-tert-ブチル-3-(2-フルオロフェニル)マレオニトリル(11.4g)から、特開平02-000665号公報に記載の方法と同様にして、ジイミノイソピロール誘導体(8.2g)を得た。
【0063】
(化合物1の合成)
冷却管、温度計、攪拌機を取り付けた反応器に、キノリン(20ml)、SiCl4(2.38g)を仕込み、120℃でジイミノイソピロール誘導体2.45gを加え、150℃で3時間反応させた。反応液を80℃で希塩酸に投入して析出物を濾別し、メタノールで洗浄して、化合物1を0.8g得た。
【0064】
(化合物2の合成)
冷却管、温度計、攪拌機を取り付けた25ml反応器に、化合物1(2.0g)、メシチレン(10ml)、安息香酸(1.5g)を仕込み、2時間還流させた。放冷して反応液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物2を1.2g得た。
LC-TOF/MS:m/z=1205[M+Na]+
【0065】
(化合物3の合成)
化合物2の合成における安息香酸を、エチルヘキサン酸に変更した以外は同様にして、化合物3を1.6g得た。
LC-TOF/MS:m/z=1249[M+Na]+
【0066】
(化合物4の合成)
化合物2の合成における安息香酸を、3-ニトロ安息香酸に変更した以外は同様にして、化合物4を1.4g得た。
LC-TOF/MS:m/z=1295[M+Na]+
【0067】
(化合物5の合成)
化合物2の合成における安息香酸を、4-ヒドロキシ安息香酸に変更した以外は同様にして、化合物5を1.2g得た。
1H NMR(400MHz,THF-d8):δ(ppm)=1.74-2.24(m,40H),6.62-6.68(m,4H),7.22-7.90(m,17H),10.56(s,1H)
【0068】
(化合物6の合成)
化合物2の合成における安息香酸を、フェノールに変更した以外は同様にして、化合物6を1.0g得た。
LC-TOF/MS:m/z=1149[M+Na]+
【0069】
(化合物7の合成)
化合物2の合成における安息香酸を、テレフタル酸に変更し、メシチレンをジメチルアセトアミドに変更した以外は同様にして、化合物7を0.6g得た。
LC-TOF/MS:m/z=1293[M+Na]+
【0070】
(化合物8の合成)
化合物2の合成における安息香酸を、イソフタル酸に変更し、メシチレンをジメチルアセトアミドに変更した以外は同様にして、化合物8を0.5g得た。
LC-TOF/MS:m/z=1293[M+Na]+
【0071】
上記化合物1~8は、一般式(1)で表される構造のテトラアザポルフィリン化合物であり、R
101a~R
101dがいずれもtert-ブチル基、R
102a~R
102dがいずれも2-フルオロフェニル基である。
一般式(1)におけるX及びYは下記表1の通りである。
表1における*は酸素原子との結合部位を表す。
【表1】
【0072】
(比較化合物P1、P2の合成)
特開平11-116574号公報に記載の方法により、以下の比較化合物P1及びP2を得た。
【化15】
【化16】
【0073】
<吸収波長測定試験>
各化合物2~8及び比較化合物P1、P2のクロロホルム中での吸収スペクトルを測定し、得られたスペクトルから吸収極大波長(λmax)、立ち上がり波長、立ち上がり波長から吸収極大波長までの距離(波長幅)、吸収極大波長における半値幅を求めた。
立ち上がり波長は、570~620nmの範囲の吸収極大波長における吸光度を1としたときに、長波長側からみて吸光度が0.01以上となる波長とする。
立ち上がり波長から吸収極大波長までの距離(波長幅)は下記基準により評価した。
評価A:立ち上がり波長から吸収極大波長までの距離が40nm未満
評価B:立ち上がり波長から吸収極大波長までの距離が40nm以上
測定機器としては日本分光社製紫外可視分光光度計V-560を用いた。
測定結果を表2にまとめて示した。
【0074】
【0075】
また、
図1~5には、化合物2~6のそれぞれと、比較化合物P1、P2の吸収極大波長部分の立ち上がり波長部分を示すスペクトルを示す。
これらの図及び表から、各化合物2~6では、比較化合物P1、P2と比べて、裾野部分も含めて特にシャープな吸収スペクトルを有することが明らかである。
【0076】
<蛍光スペクトル測定>
化合物5、6及び1につき、吸収スペクトルを測定したときに吸収極大における吸光度が1となるように、該化合物のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を調製し、吸収極大波長を励起波長として蛍光スペクトルを測定して蛍光強度を求め、下記基準により評価した。結果を表3に示した。
評価A:化合物1の蛍光強度を1としたときの化合物の蛍光強度比が0.1未満
評価B:化合物1の蛍光強度を1としたときの化合物の蛍光強度比が0.1以上1未満
評価C:化合物1の蛍光強度を1としたときの化合物の蛍光強度比が1以上
測定機器:堀場製作所社製蛍光分光光度計FluoroMax-4
【0077】
【0078】
化合物5、6はいずれも一般式(1)におけるXとYとが一般式(2)で表される基である本発明のテトラアザポルフィリン化合物である。
化合物1は一般式(1)におけるXとYとのいずれもが水素原子である本発明以外のテトラアザポルフィリン化合物である。
この結果から、XとYが一般式(2)で表される基であるとテトラアザポルフィリン化合物からの蛍光発光を抑制することができることがわかる。
【0079】
また、下記の化合物についても合成と評価を行った。
(化合物9の合成)
冷却管、温度計、攪拌機を取り付けた25ml反応器に、化合物1(0.20g)、ジグリム(5.5g)、レゾルシノール(0.23g)を仕込み、150℃で2時間攪拌させた。放冷して反応液を20%食塩水30gに滴下し、析出した固体をろ取し、水でかけ洗いした。固体を水で分散洗浄したのち、40℃の減圧オーブンで乾燥させ、化合物9を0.23g得た。
LC/MS:m/z=1158[M-H]-
【0080】
(化合物10の合成)
化合物9の合成におけるレゾルシノールを、フロログルシノールに変更した以外は同様にして、化合物10を0.24g得た。
LC/MS:m/z=1189[M-H]-
【0081】
(化合物11の合成)
化合物9の合成におけるレゾルシノールを、3,5-ジフルオロフェノールに変更した以外は同様にして、化合物11を0.20g得た。
LC/MS:m/z=1198[M-H]-
【0082】
(化合物12の合成)
化合物9の合成におけるレゾルシノールを、1-(4-ヒドロキシフェニル)ピペラジンに変更した以外は同様にして、化合物12を0.23g得た。
LC/MS:m/z=1294[M-H]-
【0083】
(化合物13の合成)
化合物9の合成におけるレゾルシノールを、2,6-ジメチルヒドロキノンに変更した以外は同様にして、化合物13を0.20g得た。
LC/MS:m/z=1214[M-H]-
【0084】
(化合物14の合成)
化合物9の合成におけるレゾルシノールを、トリメチルヒドロキノンに変更した以外は同様にして、化合物14を0.21g得た。
LC/MS:m/z=1242[M-H]-
【0085】
(化合物15の合成)
化合物9の合成におけるレゾルシノールを、4-フルオロベンジルアルコールに変更した以外は同様にして、化合物15を0.13g得た。
LC/MS:m/z=1190[M-H]-
【0086】
(化合物16の合成)
化合物9の合成におけるレゾルシノールを、ヒドロキシメチルフェロセンに変更した以外は同様にして、化合物16を0.20g得た。
LC/MS:m/z=1370[M-H]-
【0087】
(化合物17の合成)
化合物9の合成におけるレゾルシノールを、フェロセンカルボン酸に変更した以外は同様にして、化合物17を0.29g得た。
LC/MS:m/z=1398[M-H]-
【0088】
(化合物18の合成)
冷却管、温度計、撹拌機を取り付けた反応器に、化合物1を9.0g、トルエン 20ml、4-t-ブチルフェノール 8.1gを仕込み100℃で3時間反応させた。シリカゲルカラムで精製して、化合物18(6.3g)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3):δ(ppm)=0.77-1.31(m,18H),1.63-2.28(m,40H),5.85-6.38(m,4H),7.10-7.94(m,16H)
【0089】
(化合物19の合成)
冷却管、温度計、撹拌機を取り付けた反応器に、化合物1を1.5g、トルエン 20ml、3-ニトロフェノール 2.8gを仕込み100℃で0.5時間反応させた。シリカゲルカラムで精製して、化合物19(1.0g)を得た。
LC-TOF/MS:m/z=1239.4263[M+Na]+(計算値1239.4295)
【0090】
(化合物20の合成)
冷却管、温度計、撹拌機を取り付けた反応器に、化合物1を1.9g、トルエン 10ml、3-ヒドロキシ安息香酸 3.3gを仕込み還流下0.5時間反応させた。水/酢酸エチルに放出し析出物をろ過して取りだし後、DMFに溶解して白土、シリカゲルを加え処理して化合物20(1.5g)を得た。
LC-TOF/MS:m/z=1237.4340[M+Na]+(計算値1237.4390)
【0091】
(化合物21の合成)
冷却管、温度計、撹拌機を取り付けた反応器に、化合物1を1.5g、トルエン 15ml、4-シアノフェノール 3.0gを仕込み、100℃で20分反応させ、室温に冷ました。不溶物をろ過して取り除き、シリカゲルカラムで精製して、化合物21(0.7g)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3):δ(ppm)=1.61-2.20(m,40H),6.20-6.26(m,4H),7.13-7.89(m,16H)
【0092】
(化合物22の合成)
冷却管、温度計、撹拌機を取り付けた反応器に、化合物1を1.5g、トルエン 15ml、4-トリフルオロメチルフェノール 3.0gを仕込み、100℃で20分反応させた。不溶物をろ過して取り除き、シリカゲルカラムで精製して、化合物22(1.6g)を得た。
LC-TOF/MS:m/z=1285.4321[M+Na]+(計算値1285.4341)
【0093】
上記化合物9~22は、一般式(1)で表される構造のテトラアザポルフィリン化合物であり、R
101a~R
101dがいずれもtert-ブチル基、R
102a~R
102dがいずれも2-フルオロフェニル基である。
一般式(1)におけるX及びYは下記表4及び表5の通りである。
表4及び表5における*は酸素原子との結合部位を表す。
【表4】
【表5】
【0094】
<吸収波長測定試験>
各化合物9、10、11、14、17~22及び比較化合物P1、P2のクロロホルム中での吸収スペクトルを測定し、得られたスペクトルから吸収極大波長(λmax)、立ち上がり波長、立ち上がり波長から吸収極大波長までの距離(波長幅)、吸収極大波長における半値幅を求めた。
立ち上がり波長は、570~620nmの範囲の吸収極大波長における吸光度を1としたときに、長波長側からみて吸光度が0.01以上となる波長とする。
立ち上がり波長から吸収極大波長までの距離(波長幅)は下記基準により評価した。
評価A:立ち上がり波長から吸収極大波長までの距離が40nm未満
評価B:立ち上がり波長から吸収極大波長までの距離が40nm以上
測定機器としては日本分光社製紫外可視分光光度計V-560を用いた。
測定結果を表6にまとめて示した。
【0095】
【0096】
また、
図6~15には、化合物9、10、11、14、17~22のそれぞれと、比較化合物P1、P2の吸収極大波長部分の立ち上がり波長部分を示すスペクトルを示す。
これらの図及び表から、各化合物では、比較化合物P1、P2と比べて、裾野部分も含めて特にシャープな吸収スペクトルを有することが明らかである。