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特許7297822グリーンシートセラミック上へのメタライゼーション材料の、サブミクロン均一性を有する高精度スクリーン印刷
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-16
(45)【発行日】2023-06-26
(54)【発明の名称】グリーンシートセラミック上へのメタライゼーション材料の、サブミクロン均一性を有する高精度スクリーン印刷
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20230619BHJP
   B41M 1/12 20060101ALI20230619BHJP
   B41M 3/06 20060101ALI20230619BHJP
【FI】
H01L21/68 R
B41M1/12
B41M3/06 Z
【請求項の数】 19
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021123963
(22)【出願日】2021-07-29
(62)【分割の表示】P 2019506172の分割
【原出願日】2017-08-04
(65)【公開番号】P2021185600
(43)【公開日】2021-12-09
【審査請求日】2021-08-06
(31)【優先権主張番号】62/371,636
(32)【優先日】2016-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/667,281
(32)【優先日】2017-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ホアン, シー-イン
(72)【発明者】
【氏名】ババヤン, スティーヴン
(72)【発明者】
【氏名】クリミナーレ, フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】プラウティ, スティーヴン
(72)【発明者】
【氏名】ホアン, アンソニー
【審査官】渡井 高広
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-072478(JP,A)
【文献】特開平02-308597(JP,A)
【文献】特開2000-286331(JP,A)
【文献】特開平11-162620(JP,A)
【文献】特開2011-252194(JP,A)
【文献】特開2013-247342(JP,A)
【文献】国際公開第2016/060960(WO,A1)
【文献】米国特許第06219219(US,B1)
【文献】特表2002-510879(JP,A)
【文献】特開平02-178991(JP,A)
【文献】特表2002-514010(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/683
B41M 1/12
B41M 3/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークピースキャリアの上部プレートであって、
複数のセラミックグリーンシートと、
導電性パターンが印刷されている、印刷されたセラミックグリーンシートであって、前記複数のセラミックグリーンシート内に埋め込まれており、前記複数のセラミックグリーンシートが焼結され硬化されている、印刷されたセラミックグリーンシートと
を備え、
前記導電性パターンは、第1の導電性材料から形成された第1のパターンと、前記第1の導電性材料とは異なる第2の導電性材料から形成された第2のパターンとを含み、
前記第1の導電性材料および前記第2の導電性材料は、それぞれ個別に、タングステン、モリブデン、亜鉛、銀、および金から構成されるグループから選択される、上部プレート。
【請求項2】
前記第1の導電性材料および前記第2の導電性材料の少なくとも一方が、亜鉛、銀、および金から構成されるグループから選択される、請求項1に記載の上部プレート。
【請求項3】
前記セラミックグリーンシートが、結合材とともに圧縮されたセラミック粉末およびガラスから形成されている、請求項1または2に記載の上部プレート。
【請求項4】
前記導電性パターンが、抵抗ヒータを形成する、請求項1から3のいずれか一項に記載の上部プレート。
【請求項5】
前記印刷されたセラミックグリーンシートが、前記印刷されたセラミックグリーンシートに取り付けられて前記導電性パターンに結合された電気的構成要素をさらに備える、請求項1から4のいずれか一項に記載の上部プレート。
【請求項6】
前記導電性パターンが、コイルを形成する、請求項に記載の上部プレート。
【請求項7】
印刷された前記導電性パターンが、パターンになるように分配された、懸濁液および分散剤を含むペースト形態の導電性金属を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の上部プレート。
【請求項8】
前記導電性パターンが、少なくとも50Ωの抵抗を有するヒータトレースを複数備える、請求項1から7のいずれか一項に記載の上部プレート。
【請求項9】
前記印刷されたセラミックグリーンシートが、Alを含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の上部プレート。
【請求項10】
前記印刷されたセラミックグリーンシートが、AlNを含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の上部プレート。
【請求項11】
下部同心円形ベースの上の上部円形プラットフォームをさらに備え、前記下部同心円形ベースの直径が前記上部円形プラットフォームの直径よりも大きい、請求項1から10のいずれか一項に記載の上部プレート。
【請求項12】
前記上部円形プラットフォームが、ワークピースを静電的に前記上部プレートに取り付けるための内部電極を有する、請求項11に記載の上部プレート。
【請求項13】
ワークピースを静電的に前記上部プレートに取り付けるための内部電極をさらに備える、請求項1から10のいずれか一項に記載の上部プレート。
【請求項14】
上部プレートであって、
複数のセラミックグリーンシートと、
導電性パターンが印刷されている、印刷されたセラミックグリーンシートであって、前記複数のセラミックグリーンシート内に埋め込まれており、前記複数のセラミックグリーンシートが焼結され硬化されている、印刷されたセラミックグリーンシートと
を備え、前記導電性パターンは、第1の導電性材料から形成された第1のパターンと、前記第1の導電性材料とは異なる第2の導電性材料から形成された第2のパターンとを含み、前記第1の導電性材料および前記第2の導電性材料は、それぞれ個別に、タングステン、モリブデン、亜鉛、銀、および金から構成されるグループから選択される、上部プレートと、
前記上部プレートの下の冷却プレートと、
前記上部プレートを前記冷却プレートに結合する接着剤と、
を備える、静電チャック。
【請求項15】
前記第1の導電性材料および前記第2の導電性材料の少なくとも一方が、亜鉛、銀、および金から構成されるグループから選択される、請求項14に記載の静電チャック。
【請求項16】
前記上部プレートが、下部同心円形ベースの上の上部円形プラットフォームをさらに備え、前記下部同心円形ベースの直径が前記上部円形プラットフォームの直径よりも大きい、請求項14または15に記載の静電チャック。
【請求項17】
ワークピースを静電的に前記上部プレートに取り付けるための内部電極をさらに備える、請求項14または15に記載の静電チャック。
【請求項18】
処理領域を画定する側壁および底壁を有する処理チャンバ本体と、
前記処理領域内の静電チャックであって、
上部プレートであって、
複数のセラミックグリーンシートと、
導電性パターンが印刷されている、印刷されたセラミックグリーンシートであって、前記複数のセラミックグリーンシート内に埋め込まれており、前記複数のセラミックグリーンシートが焼結され硬化されている、印刷されたセラミックグリーンシートと
を備え、前記導電性パターンは、第1の導電性材料から形成された第1のパターンと、前記第1の導電性材料とは異なる第2の導電性材料から形成された第2のパターンとを含み、前記第1の導電性材料および前記第2の導電性材料は、それぞれ個別に、タングステン、モリブデン、亜鉛、銀、および金から構成されるグループから選択される、上部プレートと、
前記上部プレートの下の冷却プレートと、
前記上部プレートを前記冷却プレートに結合する接着剤とを備える、静電チャックと、
前記処理チャンバ本体の頂部に結合されたリッドと、
前記リッドと前記処理領域の間のシャワーヘッドと
を備える、プラズマシステム。
【請求項19】
前記第1の導電性材料および前記第2の導電性材料の少なくとも一方が、亜鉛、銀、および金から構成されるグループから選択される、請求項18に記載のプラズマシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本出願は、2016年8月5日に出願された「PRECISION SCREEN PRINTING WITH SUB-MICRON UNIFORMITY OF METALLIZATION MATERIALS ON GREEN SHEET CERAMIC」という名称の先の米国仮出願第62/371,636号、および2017年8月2日に出願された「PRECISION SCREEN PRINTING WITH SUB-MICRON UNIFORMITY OF METALLIZATION MATERIALS ON GREEN SHEET CERAMIC」という名称の先の米国特許出願第15/667,281号の優先権を主張する。
【0002】
[0002]本明細書は、マイクロ電子デバイスおよびマイクロメカニカルデバイスに作製されるワークピース用のキャリアの分野に関し、特に、グリーンシートセラミック上のスクリーン印刷を用いてそのようなキャリアを形成することに関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]半導体チップの製造では、シリコンウエハまたは他の基板などのワークピースは、異なる処理チャンバ内でさまざまな異なるプロセスに曝される。チャンバは、ウエハをいくつかの異なる化学的および物理的プロセスに曝し、それによって微細な集積回路およびマイクロメカニカル構造が、基板上に形成され得る。集積回路を構成する材料の層は、化学気相堆積、物理気相堆積、エピタキシャル成長などを含むプロセスによって形成される。材料層のいくつかは、フォトレジストマスクおよび湿式または乾式エッチング技術を使用してパターニングされる。基板は、シリコン、ヒ化ガリウム、リン化インジウム、ガラス、または他の適切な材料であり得る。
【0004】
[0004]これらのプロセスで使用される処理チャンバは、通常、処理中に基板を支持するための基板支持体、ペデスタル、またはチャックを含む。いくつかのプロセスでは、ペデスタルは、基板の温度を制御するために、場合によっては、プロセスで使用され得る高い温度を提供するために、埋め込まれたヒータを含み得る。静電チャック(ESC)は、静電気を使用してチャック上にウエハを保持する電界を生成するための1つ以上の埋め込まれた導電性電極を有する。
【0005】
[0005]ESCは、パックと呼ばれる上部プレート、ペデスタルと呼ばれる底部プレートまたはベース、および2つを一緒に保持するためのインターフェースまたは接着部を有する。パックの上面は、ワークピースを保持する接触面を有しており、この接触面は、様々な材料、例えば、ポリマー、セラミック、またはそれらの組み合わせで作ることができ、全体にわたってまたは選択的な場所の上などにコーティングを有してもよい。ウエハを保持またはチャッキングするための電気的構成要素、およびウエハを加熱するための熱的構成要素を含む様々な構成要素が、パック内に埋め込まれている。
【0006】
[0006]ワークピース上に形成された回路および構造は非常に小さいので、ワークピース支持体によって提供される熱的および電気的環境は、非常に精密でなければならない。温度がワークピース全体にわたって均一でない、または一貫していない場合、回路および構造は、ばらつきを有するであろう。ある支持体が他の支持体と異なる場合、回路および構造は、支持体が異なると変わるであろう。極端な場合には、プロセスは、異なる支持体とともに使用するための調整を必要とするかもしれない。これは、ワークピース上に製造される回路および構造の品質および歩留まりに直接影響を及ぼす。その結果、熱的および電気的構成要素が埋め込まれたパックは、特定のESCの表面全体にわたってだけでなく、ESCとESCの間でも一貫した性能を保証するために、面内および垂直の両方で厳しい寸法要件を有する。
【発明の概要】
【0007】
[0007]グリーンシートセラミック上に印刷されるメタライゼーション材料のサブミクロン均一性が可能である高精度スクリーン印刷が、記載されている。いくつかの例では、金属を含有するペーストを、電気トレースのパターンでセラミックグリーンシート上にスクリーン印刷することと、印刷されたグリーンシートを処理してワークピースキャリアのパックを形成することとによって、電気トレースを有するパックが、形成される。いくつかの例では、印刷することは、グリーンシートがスクリーンプリンタのプリンタ台上にある間に、スクリーンプリンタのスキージを、印刷されているグリーンシートにスキージ方向に当てることを、含む。この方法はさらに、スキージ方向に沿った複数の位置でプリンタ台をマッピングすること、プリンタ台マッピングにおける不均一性を識別すること、およびスクリーンプリンタのプリンタコントローラを修正して、プリンタ台におけるマッピングされた不均一性を補償することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
[0008]本発明の実施形態が、添付の図面の図において、限定ではなく例として示される。
【0009】
図1】一実施形態による静電チャック(ESC)装置構造の側面断面図である。
図2】一実施形態による、対称インク印刷(SIP)のためのプリンタ設定の上面図である。
図3】SIPのための従来のスキージ設定の側面断面図である。
図4】一実施形態による調整可能プリンタの側面断面図である。
図5】一実施形態による、曝露シーケンスに対するモータエンコーダトランスデューサのフィードバックのグラフである。
図6】一実施形態による、モータエンコーダに対する印刷されたインクの厚さのグラフである。
図7】一実施形態による、設計ごとの目標ヒータトレース抵抗に対する印刷されたインクの厚さのグラフである。
図8】一実施形態による、調整点を示すプリンタおよびスキージレールの等角図である。
図9】一実施形態による、複数のスキージ位置を有する対称インク印刷(SIP)のためのプリンタ設定の上面図である。
図10】一実施形態による、スキージの経路に沿った8つの異なる位置のそれぞれに対するモータエンコーダ値のグラフである。
図11】一実施形態による、ロット番号に対する印刷されたインクの厚さのグラフである。
図12】一実施形態による、スキージ間隙に対するインクの厚さのグラフである。
図13】一実施形態による、印刷されたグリーンシートのバッチサイズに対する印刷されたインクの厚さのグラフである。
図14】一実施形態による、Xとして識別されるマスク厚さ設計パラメータに対する印刷されたインクの厚さまたは印刷されたインクの抵抗のグラフである。
図15】一実施形態による、印刷スクリーンおよびスキージ間隙の構成を設計するときに収集されるデータの表である。
図16】一実施形態による、繰り返し精度の高いスキージ設定の方法のプロセスフロー図である。
図17】一実施形態による、共形の高精度スクリーン印刷の方法のプロセスフロー図である。
図18】一実施形態による、インクの厚さのトレンドを補償する方法のプロセスフロー図である。
図19】一実施形態による、スクリーンマスク設計の方法のプロセスフロー図である。
図20】一実施形態による、使用に適した組み立てられた静電チャックの等角図である。
図21】一実施形態による、使用に適したペデスタルアセンブリを含むプラズマエッチングシステムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0021]以下の説明では、多数の詳細が述べられているが、本発明がこれらの特定の詳細なしに実施され得ることは、当業者には明らかであろう。いくつかの例では、本発明を不明瞭にすることを避けるために、周知の方法および装置は、詳細にではなくブロック図の形で示されている。本明細書を通して「実施形態」または「一実施形態」に言及することは、その実施形態に関連して説明された特定の特徴、構造、機能、または特性が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを、意味する。したがって、本明細書を通して様々な箇所に「実施形態では」または「一実施形態では」という句が出現しても、必ずしも本発明の同じ実施形態を指すとは限らない。さらに、特定の特徴、構造、機能、または特性は、1つ以上の実施形態において任意の適切な方法で組み合わせることができる。例えば、2つの実施形態に関連する特定の特徴、構造、機能、または特性が相互に排他的ではない場合はいつでも、第1の実施形態を第2の実施形態と組み合わせることができる。
【0011】
[0022]本明細書に記載されるように、キャリア内でワークピース、例えばシリコンまたは他のウエハを支持する上部プレートを、チャック、ペデスタル、またはキャリア用に作製することができる。上部プレートは、電気的構成要素が埋め込まれたセラミックで形成され、埋め込まれた構成要素の形状およびサイズにおいて非常に高い精度を提供し得る。これにより、ワークピースのプロセスパラメータをより良く制御することができる。構成要素はまた、上部プレートと上部プレートの間でも、より一貫している。これにより、上部プレートが磨耗して交換されたときに、より一貫した生産結果が得られる。その結果、より小さくより正確なフィーチャを、より高い品質および均一性でワークピース上に形成することができ、コストを削減し、生産量を増加し、生産パラメータを調整するための休止時間を短縮することができる。
【0012】
[0023]サブミクロン均一性を有するスクリーン印刷のための方法が、本明細書に開示される。この方法は、高精度の印刷厚さおよびスクリーンマスクパターンにわたる均一性を必要とするいくつかの材料のスクリーン印刷に適している。例示されている用途は、グリーンシートセラミック上へのメタライゼーション材料の印刷であり、これは、静電チャック(ESC)装置において使用される均一なヒータトレースパターンを作るための中核プロセスである。ESCは、チップのデバイス性能およびウエハ歩留まりのために半導体処理にとって特に重要である。
【0013】
[0024]非常に高い温度均一性を有するESCは、グリーンシートセラミック上にメタライゼーション材料を高度に均一に印刷することから利益を得る。メタライゼーション材料を有する任意の材料を含む、表面上に印刷される材料は、以下では単にインクと呼ばれる。本明細書の実施例では、ESCパックは、複数のグリーンシートでできており、それらのうちのいくつかは、ヒータトレースおよび静電電極のパターンでインク印刷されている。印刷均一性は、サブミクロンレベルであり得る。
【0014】
[0025]図1は、静電チャック(ESC)装置構造の側面断面図である。ESC2は、アルミニウムまたは合金などの熱伝導性材料で作られた冷却ベース4を有する。外部の熱流体ポンプおよび熱交換器に結合された入力ポート6および出力ポート8がある。冷却ベース内で、ポートは、熱流体をベースじゅうに循環させて、ESCの温度を制御するのを助ける内部冷却チャネル20に結合されている。セラミックパック12が、熱伝導性接着層10を用いて冷却ベース4に取り付けられている。接着層は、典型的には接着剤の一種であるが、代わりに他の材料を使用してもよい。シリコンウエハ、ガラスシート、ヒ化ガリウムウエハまたは他のワークピースなどのワークピース14が、静電気によってパック12上の適所に保持される。
【0015】
[0026]静電気は、パック内のチャッキング電極16によって生成され保持される。電極は、パックの側部または底部の接点(図示せず)を使用して、充電または放電することができる。例えば、導電性トレースからの抵抗加熱を使用してワークピースを加熱するために、パック内にヒータトレース18を形成することもできる。異なるトレースによって異なる量の熱を加えるために複数のトレースを使用して、パックの温度、したがってウエハの温度をより精密に制御することができる。
【0016】
[0027]セラミックパックは、インク印刷され、積層され、機械加工され、焼結され、研磨された複数のグリーンシートで形成され、一連の複雑なプロセスで生成される表面フィーチャを有し得る。パック内のヒータトレースと電極に対するインターコネクトは、示されていない。ヒータトレース18パターンの品質が、ESCの温度均一性性能に影響を与える。
【0017】
[0028]セラミックグリーンシートは、任意の様々な異なる方法で形成することができる。いくつかの実施形態において、例えばAlまたはAlNおよびガラスの、90~96%セラミック粉末が、高圧で結合剤、例えば可塑剤とともに圧縮され、次いで短時間焼結されて、室温でハンドリングされ得る柔軟な材料を形成し、その後、焼結によって硬化され得る。グリーンシートは、様々な異なる厚さのうちの任意の厚さであってよい。例として、グリーンシートは、0.05mmから0.5mmの厚さであってもよく、ハンドリング目的のためにステンレス鋼フレーム内で支持されてもよい。
【0018】
[0029]あるいは、未焼結体または任意の他の柔軟なセラミック材料が、使用されてもよい。いくつかの例における未焼結体は、他の充填剤をともなった、セラミック粉末と結合剤のモノリシック圧縮ブロックである。下記のようにして成形した後、それを加熱加圧下で炉内で焼結することができる。このようなプロセスは、後述するように、グリーンシートにも適用することができる。
【0019】
[0030]本明細書に記載されるように、ヒータトレースパターンおよび他の構造が、グリーンシート上にペーストを印刷することによって形成され得る。グリーンシートは、ペーストがグリーンシートとグリーンシートの間に埋め込まれるように、他のグリーンシートと積み重ねられてもよい。異なるペーストが、異なるパターンになるように分配されて、異なる種類の電気的構成要素を形成することができる。ペーストは、埋め込まれた、または表面の導電性構成要素を形成するために使用される。ペーストは、例えば、粉末中に、タングステン、モリブデン、亜鉛、銀、金のような金属、または適切な耐熱材料などの適切な導電性材料を含有し、適切な懸濁液および分散剤で運ばれる。積み重ねられたグリーンシートとともにペーストを乾燥、焼結、または硬化させて、完成したパックを形成する。
【0020】
[0031]積み重ねられたグリーンシートは、十分な圧力で一緒にプレスされて、単一の安定した構造を形成する。ペーストは、あまり変形せずに積み重ねおよび圧縮を受けることができるほどに十分に硬くなるように、乾燥される。次に、所望の熱的および電気的構成要素を有する個々のセラミックグリーンシートの積層体を焼結して、別々のシートを単一の固形体になるように固める。これは後で、機械加工、研削、研磨、グリットブラスト、洗浄などの追加の仕上げプロセスを使用して、最終的な上部プレートまたはパックに変えられる。金属または耐熱材料が中間シート上に分配されるので、これらのフィーチャは、シートが一緒にプレスされた後に得られる構造内に埋め込まれることができる。
【0021】
[0032]1つの製造ロット内またはさまざまなロットからのESCの繰り返し精度の高い一貫した品質のために、記載された方法は、後で識別するのが難しい体系的な印刷スキューの根本原因を排除または最小化するために、いくつかの隠れたプリンタハードウェアのスキューを最初に識別する。
【0022】
[0033]図2は、異なる可能なスキューの方向を示す、対称インク印刷(SIP)のためのプリンタ設定の図である。プリンタ22は、印刷されるべきグリーンシート26を支持する印刷テーブル24を含む。プリンタは、ワークピースを横切って動くスキージ28でワークピースをスワイプする。
【0023】
[0034]大きな設定スキューが、最初に認識され最小化される。スクリーンマスクとスキージの両方の中心が、ヒータトレースパターンの中心と位置合わせされ得る。詳細には、ヒータトレースパターンの中心、スクリーンマスクの中心およびスキージの中心の間の対称的な位置合わせが、厳しい公差で要求される。ヒータトレースパターンの中心は、通常、スクリーンマスクの中心30に配置されている。プリンタ上で、スクリーンマスクは、ワークピース26の上に配置されている。スキージがスクリーンを横切って引かれると、インクが、スキージによってスクリーンを通って押されて、ワークピース上にインクパターンを形成する。図中において、これは、開始位置で始まり、終了位置で終わるとして示されており、スキージは、終了位置で静止しているとして示されている。スクリーンマスクを通って押し出された印刷パターンは、ワークピース上のヒータトレースと他の電気トレースのパターンである。
【0024】
[0035]取り付けられたスキージの中心32もまた、スクリーンのヒータトレースパターンの中心30と位置合わせされ得る。隠れた、または無視されたハードウェアのスキューが、印刷スキューを引き起こす可能性がある。このようなスキューは、ヒータトレース設計を無効にする可能性がある。そのとき、このプリンタハードウェア位置合わせの原則が、メタライゼーション材料の対称インク印刷(SIP)と本明細書で呼ばれる方法のために使用される。
【0025】
[0036]従来の印刷方法は、製造指図ごとにスキージを設定するためにいくつかのシム装置を使用する。図3は、従来のスキージ設定の図である。様々なタイプのシム装置を追加する設定方法が、使用されてきた。プリンタ302は、印刷台304を有し、サンプル、試験、または試行ワークピース306が、その台の上に配置される。マスク308が、ワークピースの上方に配置される。スキージ310が、ブラケットまたはレール312に取り付けられ、次に試行が行われる。平行性の欠如を補償するために、シム装置314が、レールに追加される。このプロセスの後、スキージは、新しいより正確な位置316にある。
【0026】
[0037]残念ながら、実際の印刷されたインクの厚さとその均一性は、設定時に知ることができない。試行印刷の結果が満足のいくものではない場合、オペレータは、全設定プロセスを繰り返す。所望のスキージ間隙が、全てのヒータトレースパターンにわたって均一性の高いインク厚をもたらす共形印刷を可能にするはずである。
【0027】
[0038]シム装置の使用によって、プリンタ台とのスキージ間隙および平行に近づくだけであって、印刷されたインクの厚さとその均一性は、その時点で実際にはわからない。プリンタ設定条件が、試行のために印刷されたインクを測定するための待ち時間の後に、ずれている可能性もある。したがって、従来の印刷方法は、サブミクロンレベルで印刷の均一性を生み出すことができない。
【0028】
[0039]そのため、ホルダにスキージを取り付ける際の繰り返し精度が、重要になる。図4に示されているように、製造ロット間での高い取り付け繰り返し精度を確保するために、スキージ取り付け用の専用ブラケットまたは位置合わせ治具を使用することができる。
【0029】
[0040]図4は、調整可能プリンタの側面断面図である。プリンタ402は、ワークピース406を支持するプリンタ台404を有する。印刷スクリーン408が、ワークピース406の上方でプリンタ台に固定されている。実施態様に応じて、印刷スクリーンは、図3のように片側または両側にシム414を備えていてもいなくてもよい。スキージブラケット422、424が、スキージ410の両側に1つずつ取り付けられて、スキージが印刷スクリーン408上をその初期開始位置410からその終了位置416までスワイプするときに、スキージを所定位置に保持する。
【0030】
[0041]右側ブラケット422は、図3と同じであるが、左側ブラケット424は、スキージ台のシム426で調整されている。このシムにより、システムは2つのブラケット間の位置ずれを補償できる。図示のように、右側よりも大きい間隙430が、左側にある。ブラケットシムが、これを補償することができる一方で、スクリーンシム414は、スクリーンとワークピースとのあらゆる位置ずれを補償することができる。任意選択で、必要に応じて、どちらかまたは両方のタイプのシムを取り除くことができる。
【0031】
[0042]電動アクチュエータからのエンコーダを用いて、エンコーダの分解能でスキージ間隙を精密に制御することができる。スキージ取り付けブラケットは、このアプローチでは非常に有用である。スキージの傾きは、プリンタの「オートゼロ」機能または別の方法で補償できる。
【0032】
電動アクチュエータを用いた高精度スクリーン印刷
[0043]いくつかの実施形態は、スキージ台の各端に1つずつあって、一般的にはプリンタシステムと一体であり、またはプリンタシステムに追加することができる、エンコーダ付きの電動アクチュエータ(リニアまたはロータリ)を用いる方法を使用する。モータエンコーダは、プリンタコントローラから入手可能であってもよい。電動アクチュエータは、スキージ間隙を精密に制御し、単一のモータエンコーダの分解能(例えばステップ数)で、その非平行性を補償する。さらに、一部のプリンタには、図5に示すような、ある種のトランスデューサフィードバックを備えたオートゼロ機能が内蔵されているため、必要なエンコーダ補償を簡単に得ることができる。専用のスキージ取り付けブラケットを使用することで、プリンタスキージ設定は、ロット間での高い繰り返し精度を実現できる。
【0033】
[0044]図5は、横軸の曝露シーケンスに対する縦軸のモータエンコーダトランスデューサのフィードバックの図である。この例において、データは、2から10までの番号が付けられた各曝露についてのみ点を有し、これが全体的な増加トレンドであるか、または減少トレンドであるかを示すために、データ点を通る直線が描かれている。このデータ例では、曝露のシーケンスを通して有意なトレンドはない。
【0034】
[0045]スキージ設定は、ブラケットの使用で非常に繰り返し精度が高い。この例において、スキージ設定は、従来のシム法よりもはるかに繰り返し精度が高い。さまざまな異なる理由のいずれかによる非平行性は、プリンタのオートゼロ機能によって補償でき、この例では、1mmに近いと推定される。
【0035】
[0046]モータエンコーダを制御装置として使用する上述のSIPプリンタ設定方法では、印刷されたヒータトレースは、グリーンシートセラミック上の印刷されたインクの高い繰り返し精度を有する。印刷されたインクの焼結、メタライゼーションプロセスの後、得られたヒータトレースパターンは、ロット間の高い繰り返し精度で、高い温度均一性のESCパックを製造することができる。
【0036】
[0047]他方、所望のインク厚の高精度印刷は、関心領域をカバーするためのリーンDOE(実験計画法)計画を用いて確立された知識ベースモデルを用いて、達成され得る。したがって、所与のスクリーンマスク設計に対して、ヒータトレース抵抗と印刷されたインクの厚さとの間の高分解能の一対一の関係を、DOE計画で導き出すことができる。
【0037】
[0048]図6は、横軸上のステップにおけるモータエンコーダに対する縦軸上の印刷されたインクの厚さのグラフの図である。インク厚520の量とモータエンコーダ値またはステップ値522が、グラフ上の点524で交わる。次いで、相関曲線526が、点を通って描かれ、DOEに基づいて相関関係を決定することができる。印刷されたインクの厚さとスキージモータエンコーダのステップとの間の高分解能の一対一の関係を、それによって同じDOE実験において導き出すことができる。知識ベースモデルが開発されると、オペレータは、そのモデルを参照することによって、プリンタスキージを設定し、印刷することができる。
【0038】
[0049]同様に、DOE計画は、ヒータトレース抵抗の設計仕様ウィンドウをカバーする非常に繰り返し精度の高い相関を得るために、実行されてもよい。目標とするヒータトレース抵抗に対して、オペレータは、対応するモータエンコーダのDOEモデルを調べてから、グリーンシートを印刷する。
【0039】
[0050]図7は、設計ごとの目標ヒータトレース抵抗に対する縦軸上の印刷されたインクの厚さのグラフの図である。ある特定のインク厚530が、経験値に基づいて、グラフ上の交点534において、ある特定のヒータトレース抵抗532と交わる。次いで、複数の実験データ点を使用して、相関曲線536を構築することができる。厚さ/エンコーダ相関曲線に似たこの曲線を使用して、特定のトレース印刷タスクのためのパラメータを設定することができる。
【0040】
[0051]記載された方法は、ESCセラミックパック製造において多くの異なるやり方で実施することができる。この方法で言及されるメタライゼーション材料は、液体形態またはインクの状態で配合されている任意の耐熱系金属であり得る。この方法で言及されるグリーンシートセラミックは、それらの純度レベルまたは添加配合材料にかかわらず、アルミナ系または窒化アルミニウム系セラミックであり得る。この方法は、高精度で均一性の高い厚さの材料が望まれる非メタライゼーション材料の印刷に使用することができる。電動アクチュエータは、リニアでもロータリでもよい。電動アクチュエータからの任意のエンコーダ情報を使用して、スキージ設定の制御限界を表すことができる。
【0041】
[0052]グリーンシートセラミック上の従来のメタライゼーション材料印刷は、以下の欠点を有し得る。
1)不正確で繰り返し精度の低い印刷厚さ:現行の従来のプリンタスキージ設定方法は、いくつかのタイプのシム装置を使用する。このタイプの設定プロセスは、オペレータの経験に依存しており、結果は、ESC用途にとって繰り返し精度が低い。印刷されたメタライゼーション材料の厚さは、試行印刷時に推測することによってのみ知られる。ロット間の設定は、繰り返し精度が低くなる。
2)時間がかかる:メタライゼーション材料の試行印刷が、シム法には必要である。印刷されたインクは、厚さ測定を行うことができる前のインク安定化まで、長い待ち時間を要する。
3)試行印刷後のスキージ設定のずれ:スクリーンマスク上に残ったインク材料が、測定待ち時間中に乾く。スクリーンマスクの洗浄が、その後の印刷に影響を与える。生産が始まると、印刷結果がずれることがよくある。
4)面倒な生産スケジューリング:試行の結果が製造仕様から大きく外れている場合、オペレータは、スキージ設定をやり直す必要がある。このようなやり直しの不確実性は、複雑な製造環境における製造スケジューリングに影響を与える。
5)品質の低下:製造エンジニアリングは、面倒なスキージ設定プロセスのために、標準以下の品質を許容する傾向がある。
【0042】
SIP印刷法の実施態様
[0053]グリーンシートセラミック上のメタライゼーション材料を用いたSIP印刷法は、静電チャック(ESC)装置に直接適用されてもよい。この印刷方法は、半導体ウエハ処理用途のためにESCパック内に単一または複数の主ヒータを有するESCに適用されてもよい。この印刷方法は、ESCパック内に対称または非対称レイアウトのミニヒータを有するESCに適用されてもよい。これらのミニヒータは、多方面の熱制御に使用される。この印刷方法は、グリーンシートセラミック上での高い印刷均一性が望まれる、非ESC用途のためのグリーンシートセラミック上のメタライゼーション材料に、適用されてもよい。
【0043】
[0054]図8は、調整点を示すプリンタおよびスキージレールの等角図である。プリンタ台404は、それに取り付けられた右422および左424のスキージレールを有する。スキージは、印刷スクリーンを横切って開始位置410から終了位置416まで動く。プリンタ台の平坦性と、スキージレールの正確な平行性の欠如との両方が、インク印刷の一貫性に影響を与える。スキージ間隙(h1,h2,h3,h4)が、各レールでのスキージの右側および左側ならびに2つの位置410、416で示されている。プリンタ台が完全に平坦ではない場合、間隙は、同じでない。さらに、スキージの取り付けが一定していない場合、間隙は、各測定で同じにならない。
【0044】
[0055]グリーンシートセラミック上のメタライゼーション材料のサブミクロン均一性を可能にする高精度スクリーン印刷を支援する方法が、適用され得る。まず、スクリーンマスクとスキージが、ヒータトレースの中心と位置合わせされるように設定される。次に、プリンタ台とのスキージ間隙およびスキージ平行度が、プリンタのオートゼロ機能を使用して最適化される。オートゼロ機能の結果は、モータエンコーダで記録される。中心位置における例として、モータエンコーダは、左=25000、右=25850に設定されてもよい。
【0045】
[0056]図9は、同じプリンタ台404およびスキージ416の上面図である。この例では、ヒータトレースの中心430が、印刷スクリーンの中心線432と、および一点のみだがスキージの中心4345と、位置合わせされ得る。位置ずれがあると、位置合わせされた中心から線がそれる。図9は、始点から終点までのスキージの経路に沿った7つの異なる位置(L1,…L7)の例も示している。
【0046】
[0057]プリンタスキージのオートゼロ機能を、スキージ方向に沿ったこれらの複数の位置のそれぞれで使用して、共形の平行性をマッピングすることができる。次に、マッピングされたデータが、共形印刷のためのスキージ制御ソフトウェアパラメータセットにプログラムされ得る。複数の位置(L1,…L7)でのオートゼロが、プリンタ台の非平坦性にマッピングされてもよい。
【0047】
[0058]図10は、モータエンコーダとともに使用され得る測定値を示すグラフである。図10は、スキージの経路に沿った8つの異なる位置のそれぞれに対する縦軸上のモータエンコーダの値またはステップのグラフである。プリンタスキージのオートゼロ機能が、スキージ方向に沿った8つの複数の位置のそれぞれで使用され、ヒータトレースパターン全体にわたって共形の平行性が得られる。右のレールには左のレールとは異なる値があるため、各スキージ位置(L1…L8)に対してデータ点の2つの組がある。
【0048】
SIP印刷法に基づく印刷厚さのトレンドの補償方法
[0059]本明細書で説明した原理を使用して、SIP印刷における印刷厚さを補償する方法が、説明され得る。そのような方法は、以下を使用する。
1)後で識別するのが難しい体系的な印刷スキューの根本原因を排除または最小化するために、隠れたプリンタハードウェアのスキューを最初に識別する対称インク印刷法。
2)スキージ設定、すなわちプリンタ台との間隙と平行度を精密に制御するための電動アクチュエータエンコーダ。
3)このSIP印刷法を用いて、次に、知識ベースモデルが、リーンDOE計画を用いて確立される。オペレータは、この簡単で繰り返し精度の高い方法を使用して、試行印刷をしなくても容易にスキージを設定することができる。
【0049】
[0060]プリンタ台の非平坦性およびスキージ方向に沿ったスキージレールの非平行性は、印刷されたグリーンシートまたは未焼結体を使用して形成されるESCにおける不均一な温度コンターの別の主要な根本原因である。図9に示すように、不均一な温度コンターは、チャンバのマッチングとCD(クリティカルディメンション)のチューニングに影響を与える可能性がある。この図において、スキージ方向に沿った7つの位置が、プリンタ台上にマッピングされ、そのうち5つの位置が、スクリーンマスクパターンのヒータトレースをカバーしている。得られた1組のモータエンコーダ値は、スキージ工程中の共形の平面関係の指紋と同等であり、その関係は、共形印刷のためのプリンタ制御システムにプログラムすることができる。
【0050】
[0061]特定のプリンタ台、スクリーン、およびインクについてパラメータまたはモータエンコーダのステップが決定された後も、インクの厚さは、時間とともに、また使用とともに変化する可能性がある。印刷されたインクの厚さは、印刷スクリーン全体にわたって均一になり得るが、大きな製造ロットでは、上向きまたは下向きのトレンドになる可能性がある。
【0051】
[0062]図11は、横軸のロット番号に対する縦軸の印刷されたインクの厚さのグラフである。ロットごとに平均のインク厚の値があり、増加するトレンドを示すために、値を通る線が引かれている。この例では、最初のシートから最後のシートまで60枚のセラミックグリーンシートの印刷を通して、インクの厚さが1.5μm増加する。この大きな変化は、用途によっては重要になる可能性があり、したがって、ロットサイズが制限される。トレンドの根本原因は、複雑で混乱を招く可能性がある。それらは、印刷中のインク粘度の変化、スクリーン張力の変化、スクリーンマスクの洗浄、スクリーンマスクの持ち上げなどを含み得る。これらの複雑なトレンドのメカニズムにもかかわらず、トレンドは、平坦化されるように補償され得る。
【0052】
[0063]スキージ間隙またはモータエンコーダの位置とインク厚との間に線形の関係があることが、多くのシステムで観察され得る。図12は、横軸のスキージ間隙に対する縦軸のインク厚のグラフである。2つの異なる間隙に2つのデータ点があり、2つの異なる厚さを生成する。追加の点があれば、それら全てを通る同じ直線を引くことができるであろう。
【0053】
[0064]任意の所与のスクリーンマスク設計について、スキージ間隙/エンコーダとインク厚との間の線形関係に依存する平坦化方法を使用することができる。図11に示すデータ例では、トレンドは、60枚のグリーンシートの印刷で1.5μmの厚さの変化があると推定される。印刷精度を向上させるために、この線形関係は、簡単なDOE計画で測定されてもよい。図12に示すようなDOEは、スキージを2つの間隙(x1,x2)μmまたは同等のモータエンコーダステップに設定し、次に、対応する対のインク厚(y1,y2)μmを生成する。トレンド感度を、スキージ間隙変化(x2-x1)=28μmに対するインク厚変化(y2-y1)=4μmの比として、計算することができる。
【0054】
[0065]プリンタスキージ間隙の設定は、(x1,x2)μmの範囲内にあり、対応する印刷されたインクの厚さは、(y1,y2)μmの範囲内にある。この関係は、印刷されたインクの厚さのトレンドの補償を計算するために重要である。DOE計画でx1とx2の間の間隔が大きいほど、モデルの精度とロバスト性は高くなるが、間隔は、線形領域にあり続けるように十分に狭くする必要がある。
【0055】
[0066]モータエンコーダの設定は、上記の2つの情報を組み合わせることで補償することができる。補償は、(28/4)×(1.5/60)=0.175μm/シートとして導出することができる。エンコーダにおける同等の表現は、簡単である。例えば、エンコーダの単位量が1μmと同等である場合、補償スキームは、印刷される6枚(すなわち1/0.175)のグリーンシートごとに、その1つのエンコーダに対してエンコーダの単位量を変更することであろう。補償が適用された後の印刷された厚さの変動は、0.15μm、つまり元のトレンド範囲の1/10にまで減少する。
【0056】
[0067]エンコーダ補償は、(プリンタのオートゼロ機能からの)共形マップと統合されてもよい。図13は、モータエンコーダ補償の場合の計算結果を示している。図13は、横軸の印刷されたグリーンシートのバッチサイズに対する縦軸の印刷されたインクの厚さのグラフである。上側の線形増加線450は、インクの厚さが補償されていない場合のインクの厚さの増加を示す。下側の線452は、モータエンコーディングを調整することによってトレンドが補償されたときの、インクの厚さおよびその変動454を示す。
【0057】
[0068]この例では、スキージの設定は、(x1,x2)μmの範囲内にあり、対応するインク厚の範囲は、(y1,y2)μmである。この増加トレンドを平坦化するアプローチは、上述のように、インクの厚さとスキージ間隙との間の関係に基づいている。結果として、スクリーン印刷性能の低下は、スキージ間隙を減少させることによって補償される。
【0058】
[0069]ESC製造が、繰り返し精度の高い温度コンターパターンを有すると、ウエハ温度マップの比較は、ヒータトレース設計または冷却ベース設計またはその両方を改善するための情報を可能にする。繰り返し精度の非常に高い均一なメタライゼーション材料の印刷は、高度な静電チャック装置のためのESC設計の有効性および効率性を可能にする。
【0059】
SIP印刷法の実施態様
[0070]スキージとプリンタ台との間の共形関係のデータは、スキージ工程中に各スキージ端部のモータエンコーダによる補償を調整するプリンタ制御ソフトウェアにプログラムされてもよい。温度スキューが、ESCとESCとの間で一貫かつ持続している場合、モータエンコーダステップによる最適化を、さらに試みることができる。DOEが、補償パラメータを決定するためのコアデータを取得するように計画されてもよい。図11および図12は、図13のような結果を得るために使用され得るデータのいくつかを示す。
【0060】
[0071]スクリーンマスクとスキージの両方の設定が、ヒータトレースの中心と位置合わせされる。プリンタ台とのスキージ間隙とスキージ平行度が、プリンタのオートゼロ機能によって最適化され、モータエンコーダによって記録される。
【0061】
[0072]プリンタ台の平坦性とスキージレールの非平行性の両方が、インク印刷の一貫性に影響を与える。プリンタ台が完全に平坦ではないので、図8のスキージ間隙(h1,h2,h3,h4)は、同じではない。スキージの取り付けが一定していない場合、それらの測定の繰り返し精度は高くない。
【0062】
[0073]プリンタスキージのオートゼロ機能を、スキージ方向に沿った複数の場所で使用して、共形の平行性をマッピングする。マッピングされたデータは、共形印刷のスキージ制御ソフトウェアにプログラムすることができる。
【0063】
対称インク印刷法に基づく高精度用途のためのスクリーンマスク設計方法
[0074]グリーンシートセラミック上のメタライゼーション材料がサブミクロン均一性を有する対称インク印刷(SIP)法のための繰り返し精度の非常に高いスキージ設定手順を説明する。リニアまたはロータリのスキージ電動アクチュエータのモータエンコーダを使用して、モータエンコーダの精度で共形平行性のために非平坦なプリンタ台をマッピングする方法についても、説明する。均一であるが、印刷厚さの線形トレンドを有するインク印刷を平坦化する方法についても、記載される。プリンタ制御ソフトウェアを用いたこれら全ての方法の実施態様もまた、論じられている。
【0064】
[0075]高精度インク印刷のための最適なスクリーンマスク設計のためのSIP印刷法の適用について、ここで説明する。高精度の厚さで印刷するには、設計の反復が必要である。印刷スキューがSIP印刷法で最小限に抑えられる場合、反復は効果的であり得る。一連の長く複雑なセラミック焼結プロセスおよび焼結後プロセスを含む製品開発サイクルを短縮することが、有用である。
【0065】
[0076]スクリーンマスクの設計は、スクリーンワイヤの選択とスクリーンの「高さ」パラメータXを含む。Xの値は、実現されるインクの厚さに相関する。ワイヤの選択は、経験的に簡単であるが、設計パラメータXは、重要な用途に対して多数の反復を必要とする。所与のワイヤ直径に対して設計パラメータXを最適化するためのリーンプロセスが、説明される。
【0066】
[0077]新しいスクリーンマスク設計は、マスク設計者によって開発された経験式から始まる。経験的モデルは、1次精度のみを有する。スクリーンマスクの設計作業は、2つのプロセスに分けられる。最初のプロセスは、スキージ間隙と印刷されたインクの厚さとの間のロバストモデルを確立することに焦点を合わせ、第二のプロセスは、印刷されたインクの厚さとヒータ抵抗との間の相関関係を確立することに焦点を合わせる。このアプローチは、頻繁な焼結の必要性を最小限に抑えることを目的としている。全ての試行印刷グリーンシートセラミックが、同じロットで焼結している。
【0067】
プロセス1:
[0078]このプロセスの目的は、SIP印刷法を用いて、スキージ間隙と印刷されたインクの厚さとの間の最小誤差の品質相関を確立することである。これは、x-、x0、およびx+の間の広い間隔によって実現される。間隔は、可能な限り広くなるが、線形領域にあり続ける。
【0068】
[0079]図14は、横軸における、Xとして識別されるマスク厚さ設計パラメータに対する、縦軸における、印刷されたインクの厚さまたは印刷されたインクの抵抗のグラフである。インクの厚さおよび抵抗は、いずれのインクの種類および処理方法に対しても線形関係を有するので、これらは、同じ縦軸上にプロットされてもよい。
【0069】
[0080]図14のグラフを使用するために、設計者は、横軸に示すようにX=x0を設定し、それを1次精度のみの設計式に入力する。t0は、設計式を用いて出力されたインク厚である。焼結プロセスの完了後に、設計を検証することができる。
【0070】
[0081]マスク設計をスピードアップするために、そしてまた品質モデルを得るために、横軸上にも示されている、それぞれ入力設計パラメータx-およびx+を有する2つの追加のスクリーンマスクが、予測されるt-およびt+が、それぞれ、t0より約20%~25%小さく、t0より約20%~25%高くなるように、作られる。それは、単に、より良い信号対雑音比を有する相関のためのDOE計画である。
【0071】
[0082]グリーンシートセラミック上に非常に均一で繰り返し精度の高いインク厚を印刷することを意図したSIP印刷法に従って、いくつかの試行グリーンシートセラミックが、マスクA、BおよびCを用いて印刷される。3つのマスクの製造リードタイムは、焼結や他のプロセスのリードタイムよりもはるかに短いことに、注意されたい。これらの出力データを用いて、マスク設計パラメータXと印刷されたインクTまたは抵抗との間に品質相関モデルを確立することができ、その結果が、図14にプロットされている。
【0072】
[0083]図14において、XΩ=50が、スクリーンマスク設計パラメータXに対する所望の値であり、それが、プリンタがTΩ=50を印刷することを可能にするであろうし、ESC設計ごとの目標ヒータトレース抵抗Ω=50をもたらすと、仮定されている。この例では、横軸のXΩ=50とX0との間にギャップがある。スキージ間隙の調整または他のパラメータを使用して、このギャップを詰めるために、エンコーダDOEを実施することができる。
【0073】
[0084]図15においてA、B、Cとして参照される3つのマスク設計は、それぞれ、X+、X0、およびX-のレベルにおけるパラメータXの3つのレベルを表す。対応する印刷されたインクの厚さは、それぞれt+、t0、t-として示され、焼結後の抵抗は、それぞれΩ+、Ω0、Ω-として示される。この例では、マスクBは、意図された設計を表し、マスクAとマスクCの両方は、マスク設計パラメータと、印刷されたインクの厚さおよびヒータトレース抵抗との間のロバストな相関関係を構築するために使用される。
【0074】
[0085]図15は、ある特定のプリンタ構成用のスクリーンを設計するときに収集され得るデータの種類の一例を示す表である。スキージ間隙の欄によって示されるように、スキージ間隙g0に基づくマルチレベルエンコーダDOEが、計画される。この例では、マスク設計B用のエンコーダDOEを使用して、マスク設計B用の補償方法を開発する。
【0075】
[0086]スキージエンコーダと印刷されたインクの厚さとの間の相関関係を決定するために、5つのレベルのスキージ間隙(g0…g4)が、設定される。各エンコーダ設定での試行印刷は、誤差項を推定するために、最少が2であり得る。マスクA、B、Cを使用した試行印刷は、最少が3であり得る。
【0076】
[0087]スキージ設定g0は、マスクエンジニアが使用する事前の設定であるか、またはそれを決定するためにDOEが必要となる。スキージ間隙g0は、マスク設計エンジニアの以前の経験に基づいていてもよいし、またはプリンタ製造業者が、経験による値として推奨することができる。この例では、焼結バッチが、同じ焼結プロセスにおいて全ての試行グリーンシートを収容するのに十分大きい場合に、エンコーダDOEの欄に示されるような、5レベルのエンコーダDOEが、使用され得る。そうでない場合、いくつかのレベル、例えば、レベルg1とレベルg3が、とばされ得る。g2とg4の情報が、構成を設定するのに十分であり得る。この例では、エンコーダのレベルまたは値は、次のように設定されている(ただし、他のレベルも使用できる)。
【0077】
[0088]g1エンコーダは、g0より10%大きく設定されている。
【0078】
[0089]g2エンコーダは、g0より20%大きく設定されている。
【0079】
[0090]g3エンコーダは、g0より10%小さく設定されている。
【0080】
[0091]g4エンコーダは、g0より20%小さく設定されている。
【0081】
[0100]この例では、最少試行印刷の欄に示されているように、各マスク設計を用いた3回の試行印刷と、各エンコードレベルでマスクBを用いた2回の試行印刷とがある。したがって、5レベルのエンコーダDOEについて、合計17枚のグリーンシートが、プロセスAで印刷され、または、限られた焼結容量の場合、3レベルのエンコーダDOEについて、13枚のグリーンシートが印刷される。マスクAおよびマスクBについて、同じことが繰り返され得る。
【0082】
プロセス2:
[0101]印刷と焼結の結果を確認する。
【0083】
[0102]エンコーダDOEにおいてマスク設計Bを用いて生成された結果が、ESC設計仕様を満たすことができる場合、スクリーンマスク設計は、1回の焼結プロセスで完了する。
【0084】
[0103]プロセスAにおいてマスク設計Bを用いて生成された結果が、設計要件を満たさない場合、またはマスク設計をさらに最適化することが望まれる場合、3つのマスク設計からの品質相関を使用して、例えばXΩ=50を提供する所望のマスク設計パラメータの抵抗が、妥当な誤差でΩ=50となるように出力される抵抗であると、指摘し得る。第2の設計反復において、エンコーダDOEを、計画することができ、または、エンコーダステップ補償電力がプロセスAで既に推定されているので、無視することができる。
【0085】
[0104]重要な用途のためのスクリーンマスク設計の従来のアプローチの課題の中には、設計目標を達成するために使用される多数の設計反復がある。印刷技術の最適化が欠如しているため、インクの印刷品質および一貫性が不十分である。SIPの精密で均一な印刷能力は、テールチェイスパターンを終わらせて、十分な情報を有する効率的な設計プロセスを費用対効果の高い方法で開発することを可能にする。
【0086】
[0105]上述の技法は、ひと続きの工程として表すことができる。4つの異なる関連するプロセスが、方法A、B、C、およびDとして、以下に記載され、示されている。
【0087】
[0106]方法A:図16は、モータエンコーダの精密さを使用する、繰り返し精度の非常に高いスキージ設定のための方法のプロセスフロー図である。
1)502において、ESC用途のための目標印刷インク厚のためのスクリーンマスク設計に基づいて製造されたスクリーンマスクによって開始する。ヒータトレースパターンの中心とスクリーンマスクの中心との間の位置合わせのずれを測定する。ずれを公差と比較する。スクリーンマスクのずれが、公差を満たしている場合、次の工程に進む。
2)504において、スキージをプリンタスキージホルダにしっかりと取り付けるための2つのスキージ取り付けブラケットのセットを設計する。スキージ取り付けブラケットは、取り付けられたスキージの中心が、ある公差でスクリーンマスクの中心と位置合わせされるように、設計される。ハードウェアの変更が必要な場合、スキージブラケットを使用するためにスキージホルダを改造する。
3)プリンタ制御システムのオートゼロ機能を確認する。オートゼロは、両方のスキージ端部(左右)がプリンタ台に共形接触するときに、プリンタ制御システムが圧力または他の信号などのいくつかのトランスデューサ信号を等化するために使用する機能である。506において、スキージでスクリーン上にペーストを塗る間、508において、オートゼロ機能が実行されたときに、プリンタ制御システムは、モータエンコーダ値をメモリに記録し、制御インターフェース上にエンコーダステップを表示することができる。オートゼロ機能が利用できない場合は、この機能をプリンタに装備する。
4)510において、プリンタのオートゼロ機能を用いてヒータトレースパターンの中心の位置にスキージを取り付けることの繰り返し精度を検証する。制御インターフェースからのエンコーダ読み取り値が、繰り返し精度について分析される。平均と分散を含むエンコーダデータの統計分析を実行する。エンコーダに関するこれらの統計属性は、トランスデューサの分解能または感度に依存する。用途に応じて適切なトランスデューサを選択する。エンコーダ値が、結果として得られるパックと比較され得る。512において、繰り返し印刷されたグリーンシートが、キャリアパックに形成されて、514において、印刷された電気トレースを、抵抗について試験することができる。
5)スキージの左端と右端との間で平均されたエンコーダ値間の差は、スキージのプリンタ台に対する非平行性、すなわち傾斜スキューを表す。この差は、使用されているスキージとそれに関連する取り付けブラケットに特有である。516において、エンコーダ情報およびシムを使用して、次のバッチ用にスクリーンプリンタを構成することができる。オートゼロ機能を使用したエンコーダ情報は、繰り返し精度が可能な限り最も高いスキージ設定に対するプリンタハードウェアの能力限界を表す。
【0088】
[0107]従来のスキージ設定方法は、シム装置を使用して、時間がかかる方法でスキージ間隙を設定する。この方法は、スキージ間隙、平行度などを知らずに、主観的な判断で行われる。繰り返し精度が悪く、サブミクロン均一性の用途のための調整に適用するのは困難である。繰り返し精度が悪いことに加えて、グリーンシートセラミックによる試行印刷が、全ての製造ロットに対して行われる。この従来の方法は、根本的に非効率的で、効果的でない。
【0089】
[0108]SIP印刷法は、繰り返し精度の高いスキージ設定およびプリンタ制御システムのエンコーダ情報を使用して、重要な用途のためのサブミクロン均一性を有する共形かつ精密な印刷のためのアーキテクチャを構築する。印刷レシピが確立されると、訓練を受けたオペレータは、新しい生産ジョブに対して同じエンコーダ設定を繰り返すことができる。シム法も試行印刷も、必要でない。
【0090】
[0109]方法B:図17は、対称インク印刷(SIP)を用いたスクリーンマスク全体にわたるサブミクロン均一性を有する共形の高精度スクリーン印刷の方法のプロセスフロー図である。
【0091】
[0110]スクリーン印刷用のプリンタ台は、完璧には作られていない。どのプリンタ台でも、Raで測定される独自の平坦度のばらつきがあり、どのプリンタ台も、他のプリンタ台とは異なる。同様に、どのような電動スキージ運動も、独自のものであり、プリンタごとに異なる。これらのばらつきが組み合わさると、スクリーン印刷では認識しにくい印刷スキューが発生する可能性がある。これらのばらつきに対処するためにスクリーン印刷産業で現在利用可能な既知の方法または技術はない。
【0092】
[0111]共形スクリーン印刷技術は、印刷中にプリンタ台のスキージ全長に沿って均一なスキージ圧力をかける印刷方法として定義される。大型グリーンシートセラミック用の共形スクリーン印刷技術の1つのタイプを、以下に説明する。この共形印刷は、上記の方法Aで説明したSIP法に基づいて、さらに開発される。
6)520において、スキージ方向に沿った複数の位置でプリンタ台をマッピングする。等間隔が使用される。得られたエンコーダデータは、所与のプリンタシステム、およびスキージ取り付けブラケットを含み、使用されているスキージに特有である。マッピング位置の数は、適切なスプライン曲線の当てはめを可能にするように選択される。
7)522において、上記のマッピングされたデータに統計的スプライン曲線当てはめを実行し、各スキージ端部に対して1つのスプライン曲線が得られるので、2つのスプラインが得られる。これらのスプライン曲線は、エンコーダの観点で表現され、スキージ間隙を制御する電動アクチュエータによる平滑化されたスキージ間隙補償を表す。
8)スプラインデータを制御システムメモリに保存する。プリンタ制御システムは、これらのプロファイルをそのアルゴリズムの中で使用して、524において、平滑化された共形のスキージ圧力で印刷方向にスキージ間隙を能動的に駆動する。
9)526において、ESC温度性能を検討し、ヒータトレースパターンのためのさらなる設計反復が必要かどうかを決定する。プロセスのこの段階で、結果として得られるESCは、製造上のばらつきがほとんどない、繰り返し精度の高い温度マップを提示する。温度の不均一性が存在する可能性があるが、この段階において、さらなる改善は、設計サイクルの効率のため、設計補償によって得られる。516において、その設定を使用して、次の組のグリーンシート用にプリンタを構成することができる。
【0093】
[0112]方法C:図18は、対称インク印刷(SIP)での使用に適した大きな印刷バッチにわたるインク厚トレンドの補償方法のプロセスフロー図である。
【0094】
[0113]サブミクロン均一性を有する印刷は、系統的な手法でSIP法を用いて達成することができる。しかしながら、大ロットの印刷時には、印刷トレンドが、よく発生する。印刷トレンドは、インクの粘度、スクリーンワイヤの張力、スクリーンメッシュの清浄度などの間の、複雑で相互に作用する複数のメカニズムの複合効果である。これは、以下で説明するように対処することができる。
10)530において、大ロット、例えば60枚のグリーンシートを、上記のSIP法でスクリーン印刷する。
11)532において、印刷インク厚のトレンド割合を測定する。この割合は、グリーンシートの総数に対する厚さの変化の比として測定することができる。例えば、60枚のセラミックグリーンシートの印刷ロットに関連して、1.5μmの印刷厚さの変化が見い出される。
12)534において、エンコーダの観点でのスキージ間隙の広い間隔を有する2レベルのDOEを計画する。この間隔は、印刷厚さのトレンド割合を、2つのレベルでロバストに決定するのに十分な広さである。ガイドラインとして、このDOEにおける厚さの差は、目標厚さの約±20%~30%である。このDOEは、2つ以上の追加のスキージ間隙でグリーンシートを複数回印刷することで、トレンドの補償に役立つ変換を確立する。
13)536において、11と12の両方からの結果を組み合わせて、シート印刷当たりのトレンド割合を決定する。インク厚のトレンド割合は、異なるスキージ間隙におけるインク厚の指標である。この関係は、μm/シートから同等のエンコーダカウントまたは値/シートに変換され得る。
14)トレンド平坦化の方法は、連続するシート1枚あたりの同等のエンコーダトレンド割合に基づく。後続のシートが印刷されているときのインクの厚さの増加を補償するために、シートが印刷されているときに、538において、エンコーダ値が調整される。この割合が、1.0エンコーダステップよりも大きい場合、補償のためのエンコード調整は、単一のエンコーダステップの分解能で行われる。例えば、この割合が、シート当たり2.5エンコーダステップである場合、1枚のシートに対する2エンコーダステップの最初の調整と、次のシート印刷に対する3エンコーダステップの次の調整とを、行うことができる。割合が、エンコーダステップの分数である場合、その分数の逆数が、望ましい調整である。例えば、同等のトレンド割合が、0.25エンコーダステップ/シートであると決定された場合、4回(1/0.25)の連続する印刷ごとに1エンコーダステップの調整が行われてもよい。トレンド補償方法は、ソフトウェアで実施することができる。手動調整も可能である。本明細書の全ての機能を統合するソフトウェアアルゴリズムを、開発することができる。
【0095】
[0114]方法D:図19は、SIP印刷を用いた高精度用途に適したスクリーンマスク設計の方法のプロセスフロー図である。
【0096】
[0115]スクリーンマスク設計は、典型的には2つの設計パラメータを含み、一方のパラメータは、ワイヤ直径であり、他方のパラメータは、厚さに関連する設計パラメータであり、ここではXと呼ぶ。
1)540において、異なる印刷厚さパラメータで複数のスクリーン印刷マスクを生成する。次に、これらを使用して、X値とスキージ間隙を最適化するための試験を実行することができる。一例では、3つのスクリーンマスクが、3つの異なるX値で作られる。これらのマスクは、マスクA、マスクB、およびマスクCと呼ばれる。同じメッシュワイヤと、同じヒータトレースパターンが、これらのマスクで使用されており、Xパラメータだけが、異なる値を持つことに、注意されたい。これらの値は、理論的または経験的に導き出すことができる式を使用して、推定される。式は、1次精度を提供する。特定の例では、マスクBは、X0にXを有する、すなわち、X=X0である。マスクAは、X=X-であり、マスクCは、X=X+である。次のような比率を取る:X-/X0=~80%、X0/X=~80%。ステップ3で説明される同じ印刷ジョブで、全てのマスクを利用できるようにする。マスクBは、目標設計の候補マスクである。
2)542において、スキージ設定のためのDOEを計画する。スキージ設定は、開始推定値として経験的に決定されるかまたは使用されるパラメータg0に基づいてもよい。高精度スクリーン印刷の場合、典型的な範囲は、50μmから200μmまでであり得る。エンコーダ補償を決定するための5レベルのDOEが、作成される。このDOEは、エンコードDOEと呼ばれる。例を図15に示す。
3)544において、例えば合計17枚のグリーンシートが、上述のSIP法で印刷される。記載された例では、マスクAを使用する3回の試行印刷、マスクCを使用する3回の試行印刷、およびBを使用する3回の試行印刷があり、これらすべての試行印刷が、同じスキージ設定g0を有する。エンコーダDOEは、マスクBのみを使用し、このDOEでは、図15に示すように、他の間隙レベルにおけるスキージレベルで2回の試行印刷を印刷する。8回の試行印刷が、同じ印刷ジョブで印刷される。プリンタおよびそのパラメータに応じて、他の任意の数のレベルまたは他の任意の数の複製の印刷であってもよい。
4)546において、接触方式または非接触方式のいずれかの信頼性のある方法で、印刷されたインクの厚さを測定する。
5)548において、17枚のグリーンシートを17個のグリーンESCパックに変える。印刷されたシート各々につき1つのパックである。
6)17個のパック全てが、同じ焼結ジョブで焼結される。焼結炉の容量が、17個のグリーンパックより少ない場合、エンコードDOEのg1とg3は、とばすことができる。測定に影響を与える可能性がある焼結におけるばらつきを排除するために、同じ炉と同じジョブが使用される。
7)550において、焼結、および各パックを完成させるために必要とされる、ろう付けなどの任意の他の製造プロセスの後に、各パックの個々の抵抗を測定する。
8)552において、図14に示すようなプロットを作成する。設計パラメータX、インク厚T、および抵抗Ωの間の全ての相関関係が、全てプロットされる。これらのプロットは、SIP法を用いたスクリーンマスク設計のための知識ベースと呼ばれている。554において、これらの結果を使用して、生産用の印刷スクリーンのためのパラメータを決定し、次に、516において、適切な生産用スクリーンが、決定されたプリンタパラメータおよび構成とともに使用される。
9)設計誤差が大きすぎる場合、設計反復が、使用されてもよい。次の反復に対するX値の選択は、モデルを用いて、または他の方法で選択され、決定されてもよい。設計誤差が小さい場合、内蔵エンコーダDOEが、設計誤差をエンコーダ補償と結び付けることができる。このアプローチでは、スクリーンマスク設計は、1回の焼結ジョブで、または多くても2回の焼結ジョブで完了させることができる。高精度用途のスクリーンマスクの開発時間とコストが、大幅に削減される。
【0097】
[0116]図20は、組み立てられた静電チャックの等角図である。支持シャフト212が、アイソレータ216を通ってベースプレート210を支持している。中間アイソレータプレート208および上部冷却プレート206が、ベースプレートによって支持されている。上部冷却プレート206は、上部冷却プレートの上面で誘電体パック205を支持する。パックは、ワークピース204を支持するための上部円形プラットフォーム205と、冷却プレート206に取り付けるための下部同心円形ベース207とを有する。上部プラットフォームは、ワークピースを静電的に取り付けるための内部電極を有する。ワークピースは、代替的に、クランプされ、真空吸着され、または他の方法で取り付けられてもよい。上部プレートのセラミックを冷却プレートの金属に保持するために、パック215と上部冷却プレート206との間に接着部218がある。本明細書に記載されているように、グリーンシート上への印刷プロセスを使用して、ヒータ、電極、またはその両方をパック内に形成することができる。中間プレートは、特定の実施態様に応じて、冷却、ガス流、および他の機能を果たすことができる。
【0098】
[0117]ESCは、パック内の抵抗ヒータ、冷却プレート内の冷却流体、またはその両方を使用して、ワークピースの温度を制御することができる。電力、冷却剤、ガスなどが、支持シャフトを通って冷却プレート206およびパック205に供給される。支持シャフトを用いて、ESCが操作されて、定位置に保持されてもよい。
【0099】
[0118]図21は、本明細書に記載の実施形態による、ペデスタル128を有するプラズマシステム100の部分断面図である。ここではペデスタルが示されているが、本明細書で説明されている原理は、様々な種類のチャック、キャリア、およびペデスタルを含む、様々な異なるワークピースキャリアのうちのいずれにも、使用することができる。チャンバのペデスタルが示されているが、記載された原理は、処理チャンバの外側で使用されるワークピースキャリアにも適用され得る。ペデスタル128は、基板が多数のプロセスおよびチャンバ条件に曝されている間に、ペデスタル上に配置された基板の温度を、広い温度範囲にわたって能動的に制御することを可能にする能動的冷却システムを有する。プラズマシステム100は、処理領域120を画定する側壁112および底壁116を有する処理チャンバ本体102を含む。
【0100】
[0119]ペデスタル、キャリア、チャックまたはESC128は、システム100の底壁116に形成された通路122を通って処理領域120に配置されている。ペデスタル128は、その上面で基板(図示せず)を支持するように適合されている。基板は、チャンバ100によって適用される処理のための様々な異なるワークピースのうちのいずれかであり得、様々な異なる材料のうちのいずれかで作製され得る。ペデスタル128は、基板温度を所望のプロセス温度に加熱および制御するために、加熱エレメント(図示せず)、例えば抵抗エレメントを、任意選択で含み得る。あるいは、ペデスタル128は、ランプアセンブリなどの遠隔加熱エレメントによって加熱されてもよい。
【0101】
[0120]ペデスタル128は、処理領域120内でのペデスタル128の上昇および移動を制御する駆動システムを含むことができる電力出力装置または電力ボックス103にシャフト126によって結合されている。シャフト126は、ペデスタル128に電力を供給するための電力インターフェースを、さらに含む。電力ボックス103は、熱電対インターフェースなどの電力および温度インジケータ用のインターフェースを、さらに含む。シャフト126は、電力ボックス103に取り外し可能に結合するように適合されているベースアセンブリ129を、さらに含む。周囲リング135が、電力ボックス103の上方に示されている。一実施形態では、周囲リング135は、ベースアセンブリ129と電力ボックス103の上面との間に機械的インターフェースを提供するように構成された機械的停止部またはランドとして適合された肩部である。
【0102】
[0121]ロッド130が、底壁116に形成された通路124を通って配置され、ペデスタル128を通って配置された基板リフトピン161を作動させるのに使用される。基板リフトピン161は、ワークピースをペデスタル上面から持ち上げて、典型的には基板移送ポート160を通るロボット(図示せず)を使用して、ワークピースを取り除き、チャンバから出し入れできるようにする。
【0103】
[0122]チャンバリッド104が、チャンバ本体102の頂部に結合されている。リッド104は、それに結合された1つ以上のガス分配システム108を収容する。ガス分配システム108は、シャワーヘッドアセンブリ142を通って反応ガスおよび洗浄ガスを処理領域120内に供給するガス入口通路140を含む。シャワーヘッドアセンブリ142は、フェースプレート146との間に配置されたブロッカプレート144を有する環状ベースプレート148を含む。
【0104】
[0123]無線周波数(RF)源165が、シャワーヘッドアセンブリ142に結合されている。RF源165は、シャワーヘッドアセンブリ142に電力を供給して、シャワーヘッドアセンブリ142のフェースプレート146と加熱されたペデスタル128との間のプラズマの発生を容易にする。一実施形態では、RF源165は、13.56MHzのRF発生器などの高周波無線周波数(HFRF)電源であってもよい。別の実施形態では、RF源165は、HFRF電源および300kHzのRF発生器などの低周波無線周波数(LFRF)電源を含んでもよい。あるいは、RF源は、プラズマ発生を容易にするために、ペデスタル128などの処理チャンバ本体102の他の部分に結合されてもよい。誘電体アイソレータ158が、リッド104とシャワーヘッドアセンブリ142との間に配置されて、RF電力がリッド104に伝導されるのを防ぐ。ペデスタル128の所望の高さで基板を係合するシャドーリング106を、ペデスタル128の周囲に配置することができる。
【0105】
[0124]任意選択で、動作中に環状ベースプレート148を冷却するために、冷却チャネル147が、ガス分配システム108の環状ベースプレート148に形成される。ベースプレート148が所定の温度に維持されるように、水、エチレングリコール、ガスなどの熱伝達流体を、冷却チャネル147を通って循環させることができる。
【0106】
[0125]処理領域120内の処理環境への側壁112の露出を防ぐために、チャンバライナアセンブリ127が、チャンバ本体102の側壁112に非常に近接して処理領域120内に配置される。ライナアセンブリ127は、処理領域120からガスおよび副生成物を排出し、処理領域120内の圧力を制御するように構成されたポンピングシステム164に結合された周囲ポンピングキャビティ125を含む。複数の排気口131が、チャンバライナアセンブリ127に形成されていてもよい。排気口131は、システム100内の処理を促進するように、処理領域120から周囲ポンピングキャビティ125へのガスの流れを可能にするように構成される。
【0107】
[0126]システムコントローラ170が、チャンバ内の製造プロセスを制御するために、様々な異なるシステムに結合されている。コントローラ170は、温度制御アルゴリズム(例えば、温度フィードバック制御)を実行するための温度コントローラ175を含むことができ、ソフトウェアまたはハードウェア、あるいはソフトウェアとハードウェアの両方の組み合わせのいずれでもよい。システムコントローラ170は、中央処理装置172、メモリ173、および入出力インターフェース174をさらに含む。温度コントローラは、ペデスタル上のセンサ(図示せず)から温度読み取り値143を受け取る。温度センサは、冷却チャネルに近接していても、ウエハに近接していても、またはペデスタルの誘電体材料内に配置されてもよい。温度コントローラ175は、感知された1つ以上の温度を使用して、ペデスタルアセンブリ142と、プラズマチャンバ105の外部の熱源および/またはヒートシンク、例えば熱交換器177、との間の熱伝達率に影響を及ぼす制御信号を出力する。
【0108】
[0127]システムは、温度フィードバックループに基づいて流れが制御されている、制御された熱伝達流体ループ141を、さらに含み得る。この例示的実施形態では、温度コントローラ175は、熱交換器(HTX)/冷却器177に結合されている。熱伝達流体は、バルブ(図示せず)を通って、バルブによって制御される流量で、熱伝達流体ループ141を通って流れる。バルブは、熱流体の流量を制御するために、熱交換器内に、または熱交換器の内側もしくは外側のポンプ内に組み込まれてもよい。熱伝達流体は、ペデスタルアセンブリ142内の導管を通って流れ、その後HTX177に戻る。熱伝達流体の温度は、HTXによって上昇または低下させられ、その後、流体は、ループを通ってペデスタルアセンブリに戻される。
【0109】
[0128]HTXは、熱伝達流体を加熱し、それによって基板を加熱するためのヒータ186を含む。ヒータは、熱交換器内のパイプの周りの抵抗コイルを使用して、または加熱された流体が熱交換器を通って熱流体を含む導管に熱を伝導する熱交換器を用いて、形成することができる。HTXは、熱流体から熱を奪うクーラ188を、さらに含む。これは、放熱器を使用して熱を周囲空気もしくは冷却流体に放出するか、または他の様々な方法で行うことができる。ヒータおよびクーラは、温度制御された流体が、最初に加熱または冷却され、次いで、この制御流体の熱が、熱伝達流体ループ内の熱流体の熱と交換されるように、組み合わせることができる。
【0110】
[0129]HTX177とペデスタルアセンブリ142内の流体導管との間のバルブ(または他の流量制御装置)は、流体ループへの熱伝達流体の流量を制御するために、温度コントローラ175によって制御されてもよい。構成および動作を簡単にするように、温度コントローラ175、温度センサ、およびバルブを組み合わせることができる。実施形態において、熱交換器は、熱伝達流体が流体導管から戻った後に熱伝達流体の温度を感知し、流体の温度と、チャンバ102の動作状態に対する所望の温度とに基づいて熱伝達流体を加熱または冷却する。
【0111】
[0130]ワークピースアセンブリに熱を加えるために、電気ヒータ(図示せず)が、ESC内で使用されてもよい。典型的には抵抗エレメントの形態の電気ヒータが、所望の温度を得るためにヒータエレメントにエネルギーを与えるように温度制御システム175によって制御される電源179に結合されている。
【0112】
[0131]熱伝達流体は、限定されないが脱イオン水/エチレングリコールなどの液体、3MからのFluorinert(登録商標)もしくはSolvay Solexis,Inc.からのGalden(登録商標)などのフッ素化冷却剤、または過フッ素化不活性ポリエーテルを含むものなどの任意の他の適切な誘電流体であり得る。本明細書は、PECVD処理チャンバの文脈でペデスタルを説明しているが、本明細書に記載のペデスタルは、様々な異なるチャンバ内で様々な異なるプロセスのために使用することができる。
【0113】
[0132]加圧ガス供給源またはポンプおよびガス貯蔵器などの裏面ガス源178が、質量流量計185または他の種類のバルブを介してペデスタルアセンブリ142に結合されている。裏面ガスは、ヘリウム、アルゴン、またはチャンバのプロセスに影響を与えることなくウエハとパックとの間に熱対流をもたらす任意のガスであってよい。ガス源は、システムが接続されているシステムコントローラ170の制御下で、以下でより詳細に説明されるペデスタルアセンブリのガス出口を通ってウエハの裏面にガスをポンプ輸送する。
【0114】
[0133]処理システム100は、とりわけ、プラズマ源、真空ポンプシステム、アクセスドア、マイクロマシニング、レーザシステム、および自動ハンドリングシステムなどの、図21に具体的に示されていない他のシステムを、さらに含むことができる。図示のチャンバは、一例として提供されており、ワークピースの性質および所望のプロセスに応じて、本発明とともに任意の様々な他のチャンバを使用することができる。記載されたペデスタルおよび熱流体制御システムは、様々な物理的チャンバおよびプロセスとともに使用されるように適合され得る。
【0115】
[0134]本発明の明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、文脈が明らかにそうでないことを示さない限り、複数形も含むことを意図する。本明細書で使用される「および/または」という用語は、関連する列挙された項目のうちの1つ以上の項目のあらゆる全ての可能な組合せを指し、それらを包含することもまた理解されよう。
【0116】
[0135]用語「結合された」および「接続された」は、それらの派生語とともに、構成要素間の機能的または構造的関係を説明するために、本明細書で使用され得る。これらの用語は互いに同義語として意図されていないことを、理解されたい。むしろ、特定の実施形態において、「接続された」は、2つ以上の要素が互いと直接に物理的、光学的、または電気的な接触をしていることを示すために、使用され得る。「結合された」は、2つ以上の要素が互いと直接または間接(それらの間に介在する他の要素がある)に物理的、光学的、または電気的な接触をしていること、および/または2つ以上の要素が互いと協働する、もしくは相互作用する(例えば、因果関係におけるように)ことを示すために、使用され得る。
【0117】
[0136]本明細書で使用される「上(over)」、「下」、「間」、および「上(on)」という用語は、そのような物理的関係が注目に値する場合に、ある構成要素または材料層の、他の構成要素または層に対する相対位置を指す。例えば、材料層に関しては、他の層の上(over)または下に配置されたある層は、当該他の層と直接接触していてもよく、または1つ以上の介在層を有していてもよい。さらに、2つの層の間に配置された1つの層は、2つの層と直接接触していてもよく、または1つ以上の介在層を有していてもよい。対照的に、第2の層の「上(on)」にある第1の層は、その第2の層と直接接触している。構成要素アセンブリに関して、同様の区別がなされるべきである。
【0118】
[0137]上記の説明は例示的であり、限定的ではないことを意図していることを、理解されたい。例えば、図中のフロー図は、本発明の特定の実施形態によって実行される特定の動作順序を示しているが、そのような順序は必須ではない(たとえば代替実施形態は、異なる順序で動作を実行し、特定の動作を組み合わせ、特定の動作を重ねることなどができる)ことが理解されるべきである。さらに、上記の説明を読んで理解すれば、他の多くの実施形態が、当業者には明らかとなろう。特定の例示的実施形態を参照して、本発明を説明したが、本発明は、説明した実施形態に限定されず、添付の特許請求の範囲の精神と範囲内で修正および変更を加えて実施できることが、理解されよう。したがって、本発明の範囲は、特許請求の範囲が権利を有する等価物の全範囲とともに、添付の特許請求の範囲を参照して、決定されるべきである。
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