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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-16
(45)【発行日】2023-06-26
(54)【発明の名称】方法及び三次元(3D)メモリデバイス
(51)【国際特許分類】
   G11C 16/34 20060101AFI20230619BHJP
   G11C 16/04 20060101ALI20230619BHJP
   G11C 16/08 20060101ALI20230619BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20230619BHJP
   H01L 29/788 20060101ALI20230619BHJP
   H01L 29/792 20060101ALI20230619BHJP
   H10B 41/27 20230101ALI20230619BHJP
   H10B 43/27 20230101ALI20230619BHJP
【FI】
G11C16/34 116
G11C16/04 170
G11C16/08 130
H01L29/78 371
H10B41/27
H10B43/27
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2021557434
(86)(22)【出願日】2019-05-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-15
(86)【国際出願番号】 CN2019088966
(87)【国際公開番号】W WO2020199335
(87)【国際公開日】2020-10-08
【審査請求日】2021-09-27
(31)【優先権主張番号】201910252053.5
(32)【優先日】2019-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519237948
【氏名又は名称】長江存儲科技有限責任公司
【氏名又は名称原語表記】Yangtze Memory Technologies Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.88 Weilai 3rd Road,East Lake High-tech Development Zone,Wuhan,Hubei,China
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(72)【発明者】
【氏名】ワン・ミン
(72)【発明者】
【氏名】リウ・ホンタオ
(72)【発明者】
【氏名】ソン・ヤリ
【審査官】坂東 博司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0307561(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0287566(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0033492(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第108028066(CN,A)
【文献】特表2018-523253(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第109493905(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11C 16/34
H10B 43/27
H10B 41/27
H01L 21/336
G11C 16/08
G11C 16/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
三次元(3D)メモリデバイスを動作させるための方法であって、前記3Dメモリデバイスは、各々が垂直方向に複数のメモリ層を備える複数のメモリデッキと周辺回路とを備え、前記周辺回路によって行われる前記方法は、
前記複数のメモリデッキのうちの第1のメモリデッキ内の各メモリ層に第1のプログラミングを行うステップであって、前記第1のプログラミングを行うステップは、前記メモリ層にプログラム電圧を印加し、前記第1のメモリデッキ内のうち前記プログラム電圧を印加された前記メモリ層を除く残りの前記メモリ層の各々に前記プログラム電圧よりも小さい第1のチャネルパス電圧を印加するステップを含む、第1のプログラミングを行うステップと、
前記第1のメモリデッキの上の前記複数のメモリデッキのうちの第2のメモリデッキ内の各メモリ層に第2のプログラミングを行うステップであって、前記第2のプログラミングを行うステップは、(i)前記メモリ層に前記プログラム電圧を印加し、前記第2のメモリデッキ内のうち前記プログラム電圧を印加された前記メモリ層を除く残りの前記メモリ層の各々に前記第1のチャネルパス電圧を印加するステップと、(ii)前記第1のメモリデッキ内の各メモリ層に前記第1のチャネルパス電圧よりも小さい第2のチャネルパス電圧を印加するステップと、を含む、第2のプログラミングを行うステップと、を含み、
前記3Dメモリデバイスは、前記垂直方向に前記第1のメモリデッキと前記第2のメモリデッキとの間の複数のダミーメモリ層を備え、前記第2のプログラミングを行うステップは、前記ダミーメモリ層に前記第2のチャネルパス電圧を印加するステップをさらに含み、
前記3Dメモリデバイスは、各々が前記複数のメモリデッキを垂直に貫通し、各々がドレイン選択トランジスタを備える複数のNANDメモリストリングを備え、
前記NANDメモリストリングのうちの第1のNANDメモリストリングの前記ドレイン選択トランジスタに選択電圧を印加して、前記第1のNANDメモリストリングを選択するステップと、
前記NANDメモリストリングのうちの第2のNANDメモリストリングの前記ドレイン選択トランジスタに選択解除電圧を印加して、前記第2のNANDメモリストリングを選択解除するステップと、をさらに含み、
前記第2のプログラミングを行うステップは、前記第2のメモリデッキ内の残りの前記メモリ層の各々に前記第1のチャネルパス電圧を印加し、前記第1のメモリデッキ内の各メモリ層に前記第2のチャネルパス電圧を印加するステップをさらに含み、その結果、前記選択解除された第2のNANDメモリストリング内の部分結合電位が前記第1のメモリデッキに延在せず、
前記複数のダミーメモリ層のそれぞれは、当該ダミーメモリ層によって結合されたメモリセルがデータストレージに使用されない、方法。
【請求項2】
前記3Dメモリデバイスは、前記垂直方向に、前記第1のメモリデッキと前記複数のダミーメモリ層との間の第3のメモリデッキを備え、前記第2のプログラミングを行うステップは、前記第3のメモリデッキ内の前記メモリ層の各々に前記第2のチャネルパス電圧を印加するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2のチャネルパス電圧は、約0Vである、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記3Dメモリデバイスは、前記垂直方向に、前記第1のメモリデッキと前記第2のメモリデッキとの間の複数のダミーメモリ層をさらに備え、前記第2のプログラミングするステップが、前記ダミーメモリ層のうちの少なくとも1つの制御ゲートに、前記制御ゲートの閾値電圧よりも小さいカットオフ電圧を印加して、前記制御ゲートをオフにするステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第2のプログラミングするステップは、前記少なくとも1つのダミーメモリ層の上の1組の前記ダミーメモリ層に1組の電圧を印加するステップをさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記1組の電圧は、前記第1のチャネルパス電圧から前記カットオフ電圧に徐々に減少する、請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記カットオフ電圧は、約0Vである、請求項4から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つのダミーメモリ層は、前記ダミーメモリ層の最下部を含む、請求項4から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
各々が垂直方向に複数のメモリ層を含む複数のメモリデッキと、
前記複数のメモリデッキのうちの第1のメモリデッキ内の各メモリ層をプログラムし、次に前記第1のメモリデッキの上の前記複数のメモリデッキのうちの第2のメモリデッキ内の各メモリ層をプログラムするように構成された周辺回路と、を備え、
前記第1のメモリデッキ内の各メモリ層をプログラムするために、前記周辺回路は、前記メモリ層にプログラム電圧を印加し、前記第1のメモリデッキ内のうち前記プログラム電圧を印加された前記メモリ層を除く残りの前記メモリ層の各々に前記プログラム電圧よりも小さい第1のチャネルパス電圧を印加するようにさらに構成され、
前記第2のメモリデッキ内の各メモリ層をプログラムするために、前記周辺回路は、
前記メモリ層に前記プログラム電圧を印加し、前記第2のメモリデッキ内のうち前記プログラム電圧を印加された前記メモリ層を除く残りの前記メモリ層の各々に前記第1のチャネルパス電圧を印加することと、
前記第1のメモリデッキの各メモリ層に、前記第1のチャネルパス電圧よりも小さい第2のチャネルパス電圧を印加することと、を行うようにさらに構成され、
Dメモリデバイスは、前記垂直方向に、前記第1のメモリデッキと前記第2のメモリデッキとの間の複数のダミーメモリ層を備え、第2のプログラミングを行うステップは、前記ダミーメモリ層に前記第2のチャネルパス電圧を印加するステップをさらに含み、
前記第2のメモリデッキ内の各メモリ層をプログラムするために、前記周辺回路は、前記ダミーメモリ層に前記第2のチャネルパス電圧を印加するようにさらに構成され、
前記3Dメモリデバイスは、各々が前記複数のメモリデッキを垂直に貫通し、ドレイン選択トランジスタを備える複数のNANDメモリストリングを備え、
前記周辺回路は、前記NANDメモリストリングのうちの第1のNANDメモリストリングの前記ドレイン選択トランジスタに選択電圧を印加して、前記第1のNANDメモリストリングを選択することと、
前記NANDメモリストリングのうちの第2のNANDメモリストリングの前記ドレイン選択トランジスタに選択解除電圧を印加して、前記第2のNANDメモリストリングを選択解除することと、を行うようにさらに構成され、
前記第2のメモリデッキ内の各メモリ層をプログラムするために、前記周辺回路は、前記第2のメモリデッキ内の残りの前記メモリ層の各々に前記第1のチャネルパス電圧を印加し、前記第1のメモリデッキ内の各メモリ層に前記第2のチャネルパス電圧を印加するようにさらに構成され、その結果、前記選択解除された第2のNANDメモリストリング内の部分結合電位が前記第1のメモリデッキに延在せず、
前記複数のダミーメモリ層のそれぞれは、当該ダミーメモリ層によって結合されたメモリセルがデータストレージに使用されない、三次元(3D)メモリデバイス。
【請求項10】
前記3Dメモリデバイスは、前記垂直方向に、前記第1のメモリデッキと前記複数のダミーメモリ層との間の第3のメモリデッキを備え、
前記第2のメモリデッキ内の各メモリ層をプログラムするために、前記周辺回路は、前記第3のメモリデッキ内の前記メモリ層の各々に前記第2のチャネルパス電圧を印加するようにさらに構成される、請求項に記載の3Dメモリデバイス。
【請求項11】
前記第2のチャネルパス電圧は、約0Vである、請求項9又は10に記載の3Dメモリデバイス。
【請求項12】
前記3Dメモリデバイスは、前記垂直方向に、前記第1のメモリデッキと前記第2のメモリデッキとの間の複数のダミーメモリ層をさらに備え、
前記周辺回路は、前記ダミーメモリ層のうちの少なくとも1つの制御ゲートに、前記制御ゲートの閾値電圧よりも小さいカットオフ電圧を印加して、前記制御ゲートをオフするようにさらに構成される、請求項に記載の3Dメモリデバイス。
【請求項13】
前記第2のメモリデッキ内の各メモリ層をプログラムするために、前記周辺回路は、前記少なくとも1つのダミーメモリ層の上の1組の前記ダミーメモリ層に1組の電圧を印加するようにさらに構成される、請求項12に記載の3Dメモリデバイス。
【請求項14】
前記1組の電圧は、前記第1のチャネルパス電圧から前記カットオフ電圧に徐々に減少する、請求項13に記載の3Dメモリデバイス。
【請求項15】
前記カットオフ電圧は、約0Vである、請求項12から14のいずれか一項に記載の3Dメモリデバイス。
【請求項16】
前記少なくとも1つのダミーメモリ層は、前記ダミーメモリ層の最下部を含む、請求項12から14のいずれか一項に記載の3Dメモリデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2019年3月29日に出願された中国特許出願第201910252053.5号の優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本開示の実施形態は、三次元(3D)メモリデバイス及びその動作方法に関する。
【0003】
平面メモリセルは、プロセス技術、回路設計、プログラミングアルゴリズム、及び製造プロセスを改善することによって、より小さいサイズに縮小される。しかしながら、メモリセルの特徴サイズが下限に近づくにつれて、平面プロセス及び製造技術は困難になり、費用がかかるようになる。その結果、平面メモリセルのメモリ密度は上限に近づく。
【0004】
3Dメモリアーキテクチャは、平面メモリセルにおける密度制限に対処することができる。3Dメモリアーキテクチャは、メモリアレイと、メモリアレイとの間の信号を制御するための周辺デバイスとを含む。
【発明の概要】
【0005】
3Dメモリデバイス及び3Dメモリデバイスを動作させるための方法の実施形態が本明細書に開示される。
【0006】
一例では、3Dメモリデバイスを動作させるための方法が開示される。3Dメモリデバイスは、各々が垂直方向に複数のメモリ層を含む複数のメモリデッキを含む。複数のメモリデッキのうちの第1のメモリデッキ内の各メモリ層には第1のプログラムが行われる。第1のプログラミングは、メモリ層にプログラム電圧を印加し、第1のメモリデッキ内の残りのメモリ層の各々にプログラム電圧よりも小さい第1のチャネルパス電圧を印加することを含む。第1のメモリデッキの上の複数のメモリデッキのうちの第2のメモリデッキ内の各メモリ層には、第2のプログラムが行われる。第2のプログラミングは、メモリ層にプログラム電圧を印加することと、第2のメモリデッキ内の残りのメモリ層の各々に第1のチャネルパス電圧を印加することとを含む。第2のプログラミングは、第1のメモリデッキ内の各メモリ層に第1のチャネルパス電圧よりも小さい第2のチャネルパス電圧を印加することをさらに含む。
【0007】
別の例では、3Dメモリデバイスを動作させるための方法が開示される。3Dメモリデバイスは、各々が垂直方向に複数のメモリ層を含む複数のメモリデッキと、垂直方向に第1のメモリデッキと第2のメモリデッキの間に複数の第1のダミーメモリ層とを含む。複数のメモリデッキのうちの第1のメモリデッキ内の各メモリ層には第1のプログラムが行われる。第1のプログラミングは、メモリ層にプログラム電圧を印加し、第1のメモリデッキ内の残りのメモリ層の各々にプログラム電圧よりも小さいチャネルパス電圧を印加することを含む。第1のメモリデッキの上の複数のメモリデッキのうちの第2のメモリデッキ内の各メモリ層には、第2のプログラムが行われる。第2のプログラミングは、メモリ層にプログラム電圧を印加することと、第2のメモリデッキ内の残りのメモリ層の各々にチャネルパス電圧を印加することとを含む。第2のプログラミングは、第1のダミーメモリ層の少なくとも1つに0V電圧を印加することも含む。第2のプログラミングは、第1のメモリデッキ内の各メモリ層に0V電圧を印加することをさらに含む。
【0008】
さらに別の例では、3Dメモリデバイスは、周辺回路と、各々が垂直方向に複数のメモリ層を含む複数のメモリデッキとを含む。周辺回路は、複数のメモリデッキのうちの第1のメモリデッキ内の各メモリ層をプログラムし、次いで、第1のメモリデッキの上の複数のメモリデッキのうちの第2のメモリデッキ内の各メモリ層をプログラムするように構成される。第1のメモリデッキ内の各メモリ層をプログラムするために、周辺回路は、メモリ層にプログラム電圧を印加し、第1のメモリデッキ内の残りのメモリ層の各々にプログラム電圧よりも小さい第1のチャネルパス電圧を印加するようにさらに構成される。第2のメモリデッキ内の各メモリ層をプログラムするために、周辺回路は、メモリ層にプログラム電圧を印加し、第2のメモリデッキ内の残りのメモリ層の各々に第1のチャネルパス電圧を印加し、第1のメモリデッキ内の各メモリ層に第1のチャネルパス電圧よりも小さい第2のチャネルパス電圧を印加するようにさらに構成される。
【0009】
さらに別の例では、3Dメモリデバイスは、周辺回路と、各々が垂直方向に複数のメモリ層を含む複数のメモリデッキと、垂直方向に第1のメモリデッキと第2のメモリデッキとの間に複数の第1のダミーメモリ層とを含む。周辺回路は、複数のメモリデッキのうちの第1のメモリデッキ内の各メモリ層をプログラムし、次いで、第1のメモリデッキの上の複数のメモリデッキのうちの第2のメモリデッキ内の各メモリ層をプログラムするように構成される。第1のメモリデッキ内の各メモリ層をプログラムするために、周辺回路は、メモリ層にプログラム電圧を印加し、第1のメモリデッキ内の残りのメモリ層の各々にプログラム電圧よりも小さいチャネルパス電圧を印加するようにさらに構成される。第2のメモリデッキ内の各メモリ層をプログラムするために、周辺回路は、メモリ層にプログラム電圧を印加し、第2のメモリデッキ内の残りのメモリ層の各々にチャネルパス電圧を印加するようにさらに構成される。第2のメモリデッキ内の各メモリ層をプログラムするために、周辺回路は、第1のダミーメモリ層のうちの少なくとも1つに0V電圧を印加し、第1のメモリデッキ内の各メモリ層に0V電圧を印加するようにさらに構成される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を形成する添付の図面は、本開示の実施形態を示し、説明と共に、本開示の原理を説明し、当業者が本開示を作成及び使用することを有効にするのにさらに役立つ。
図1】本開示のいくつかの実施形態による、例示的な3Dメモリデバイスの図を示す。
図2】本開示のいくつかの実施形態による、例示的なメモリアレイデバイスの断面図を示す。
図3A】シングルデッキ3D NANDメモリデバイスのプログラミング方式を示す。
図3B】マルチデッキ3D NANDメモリデバイスのプログラミング方式を示す。
図4】本開示のいくつかの実施形態による、マルチデッキ3D NANDメモリデバイスのための例示的なプログラミング方式を示す。
図5A】本開示のいくつかの実施形態による、マルチデッキ3D NANDメモリデバイスのための別の例示的なプログラミング方式を示す。
図5B】本開示のいくつかの実施形態による、マルチデッキ3D NANDメモリデバイスのための別の例示的なプログラミング方式を示す。
図6】本開示のいくつかの実施形態による、マルチデッキ3D NANDメモリデバイスのためのさらに別の例示的なプログラミング方式を示す。
図7】本開示のいくつかの実施形態による、3Dメモリデバイスを動作させるための例示的な方法のフローチャートである。
【0011】
本開示の実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
特定の構成及び配置について説明するが、これは例示的目的のみのために行われることを理解すべきである。当業者は、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、他の構成及び配置を使用できることを認識するであろう。本開示が様々な他の用途にも使用できることは、当業者には明らかであろう。
【0013】
本明細書における「一実施形態(one embodiment)」、「実施形態(an embodiment)」、「例示的な実施形態(an example embodiment)」、「いくつかの実施形態(some embodiments)」などへの言及は、記載された実施形態が特定の特徴、構造、又は特性を含み得ることを示すが、すべての実施形態が必ずしも特定の特徴、構造、又は特性を含むものではない可能性があることに留意されたい。さらに、そのような語句は、必ずしも同じ実施形態を指すとは限らない。さらに、特定の特徴、構造、又は特性が実施形態に関連して記載されている場合、明示的に記載されているか否かにかかわらず、他の実施形態に関連してそのような特徴、構造、又は特性を達成することは、当業者の知識の範囲内である。
【0014】
一般に、用語は、文脈における使用から少なくとも部分的に理解され得る。例えば、本明細書で使用される「1つ又は複数」という用語は、文脈に少なくとも部分的に依存して、任意の特徴、構造、又は特性を単数の意味で説明するために使用されてもよく、又は特徴、構造、又は特性の組み合わせを複数の意味で説明するために使用されてもよい。同様に、「1つの(a)」、「1つの(an)」、又は「その(the)」などの用語も、文脈に少なくとも部分的に依存して、単数形の用法を伝えるか、又は複数形の用法を伝えると理解されてもよい。さらに、「に基づく」という用語は、必ずしも排他的な要因のセットを伝達することを意図していないと理解されてもよく、代わりに、文脈に少なくとも部分的に依存して、必ずしも明示的に説明されていない追加の要因の存在を可能にしてもよい。
【0015】
本開示における「上に(on)」、「より上に(above)」、及び「の上をおおって(over)」の意味は、「上に(on)」が何かの「直接上に(directly on)」を意味するだけでなく、中間の機能又はそれらの間に層を有する何かの「上に(on)」の意味も含み、「より上に(above)」又は「の上をおおって(over)」は、何か「より上に(above)」又は何か「の上をおおって(over)」の意味を意味するだけでなく、中間の機能又はそれらの間に層を有さないで何か「より上に(above)」又は何か「の上をおおって(over)」(すなわち、何かの上に直接)という意味も含むことができるように、最も広く解釈されるべきであることは容易に理解されるべきである。
【0016】
さらに、「真下(beneath)」、「より下に(below)」、「下方(lower)」、「より上に(above)」、「上方(upper)」などの空間的に相対的な用語は、本明細書では、図に示すように、1つの要素又は特徴と別の要素又は特徴との関係を説明するための説明を容易にするために使用され得る。空間的に相対的な用語は、図に示す向きに加えて、使用中又は動作中のデバイスの異なる向きを包含することを意図している。装置は、他の方向に向けられてもよく(90度又は他の向きに回転されてもよく)、本明細書で使用される空間的に相対的な記述子は、それに応じて同様に解釈されてもよい。
【0017】
本明細書で使用される場合、「基板」という用語は、後続の材料層がその上に追加される材料を指す。基板自体をパターニングすることができる。基板の上に加えられる材料は、パターニングされてもよく、又はパターニングされないままであってもよい。さらに、基板は、シリコン、ゲルマニウム、ヒ化ガリウム、リン化インジウムなどの広範囲の半導体材料を含むことができる。あるいは、基板は、ガラス、プラスチック、又はサファイアウェハなどの非導電性材料から作製することができる。
【0018】
本明細書で使用される場合、「層」という用語は、厚さを有する領域を含む材料部分を指す。層は、下にある若しくは上にある構造体の全体にわたって延在することができ、又は下にある若しくは上にある構造体の範囲よりも小さい範囲を有することができる。さらに、層は、連続構造体の厚さよりも厚さが薄い均一又は不均一な連続構造体の領域であり得る。例えば、層は、連続構造体の上面と底面との間の任意の対の水平面の間、又は上面と底面とに位置することができる。層は、水平方向、垂直方向、及び/又はテーパ面に沿って延在することができる。基板は、層とすることができ、その中に1つ又は複数の層を含むことができ、並びに/あるいはその上、それより上、及び/又はその下に1つ又は複数の層を有することができる。層は複数の層を含むことができる。例えば、相互接続層は、1つ又は複数の導体及び接触層(その中に相互接続線及び/又はビアコンタクトが形成される)並びに1つ又は複数の誘電体層を含むことができる。
【0019】
本明細書で使用される場合、「名目/名目上」という用語は、製品又はプロセスの設計段階中に設定される、構成要素又はプロセス動作の特性又はパラメータの所望の又は目標の値を、所望の値より上及び/又は下の値の範囲と共に指す。値の範囲は、製造プロセスにおけるわずかな変動又は公差に起因し得る。本明細書で使用される場合、「約」という用語は、対象の半導体デバイスに関連する特定の技術ノードに基づいて変化し得る所与の量の値を示す。特定の技術ノードに基づいて、用語「約」は、例えば、値の10~30%(例えば、値の±10%、±20%、又は±30%)の範囲内で変化する所与の量の値を示すことができる。
【0020】
本明細書で使用される場合、「3Dメモリデバイス」という用語は、メモリストリングが基板に対して垂直方向に延在するように、メモリセルトランジスタの垂直に配向されたストリング(NANDメモリストリングなどの「メモリストリング」と本明細書では呼ばれる)を横方向に配向された基板上に有する半導体デバイスを指す。本明細書で使用される場合、「垂直/垂直に」という用語は、基板の側面に対して名目上垂直であることを意味する。
【0021】
本開示による様々な実施形態は、外乱が低減された3Dメモリデバイス、特にマルチデッキ3D NANDメモリデバイスのための新規なプログラミング方式を提供する。選択された3D NANDメモリストリングについて、本明細書で開示されるプログラミング方式は、チャネルパス電圧(別名「チャネルパス電圧外乱」)によって引き起こされるプログラムされたメモリ層への外乱を低減することができる。選択解除された3Dメモリストリングについて、本明細書で開示されるプログラミング方式はまた、プログラム電圧(別名「プログラム電圧外乱」)によって引き起こされるプログラミングメモリ層への外乱を低減することができる。任意の上部メモリデッキのプログラミング動作中、上部メモリデッキの下の各メモリ層又はダミーメモリ層に、チャネルパス電圧外乱を低減し、選択解除されたNANDメモリストリングの下部領域におけるチャネル結合効果の発生を回避するために、低減されたチャネルパス電圧(例えば、0V)を印加することができる。いくつかの実施形態では、上部メモリデッキと下部メモリデッキとの間のダミーメモリ層の少なくとも1つは、例えば、その制御ゲートに0V電圧を印加することによって遮断され、それによって、上部メモリデッキと下部メモリデッキとの間の漏れ電流が防止される。いくつかの実施形態では、チャネルパス電圧から0Vまでの電圧勾配を形成するために、上部メモリデッキと下部メモリデッキとの間のダミーメモリ層に徐々に減少する1組の電圧が印加され、これにより、選択解除されたNANDメモリストリングにおけるチャネルホットエレクトロン注入(CHE)効果を回避することができる。
【0022】
図1は、本開示のいくつかの実施形態による、例示的な3Dメモリデバイス100の図を示す。3Dメモリデバイス100は、メモリアレイデバイス102と、メモリアレイデバイス102に結合された周辺回路104とを含むことができる。メモリアレイデバイス102は、各々が基板(図示せず)の上に垂直に延在するNANDメモリストリング108のアレイの形態でメモリセル106が設けられる3D NANDフラッシュメモリデバイスとすることができる。いくつかの実施形態では、各NANDメモリストリング108は、直列に結合され、垂直方向に積層された複数のメモリセル106を含む。各メモリセル106は、メモリセル106の領域内に捕捉された電子の数に依存する電圧又は電荷などの連続的なアナログ値を保持することができる。各メモリセル106は、フローティングゲートトランジスタを含む「フローティングゲート」タイプのメモリセル、又は電荷トラップトランジスタを含む「電荷トラップ」タイプのメモリセルのいずれかとすることができる。
【0023】
いくつかの実施形態では、各メモリセル106は、2つの可能なメモリ状態を有し、したがって、1ビットのデータを格納することができるシングルレベルセル(SLC)である。例えば、第1のメモリ状態「0」は第1の電圧範囲に対応することができ、第2のメモリ状態「1」は第2の電圧範囲に対応することができる。いくつかの実施形態では、各メモリセル106は、4つを超えるメモリ状態において単一ビットを超えるデータを格納することができるマルチレベルセル(MLC)である。例えば、MLCは、セル当たり2ビット、セル当たり3ビット(トリプルレベルセル(TLC)としても知られる)、又はセル当たり4ビット(クァッドレベルセル(QLC)としても知られる)を格納することができる。各MLCは、可能な公称記憶値の範囲を想定するようにプログラムすることができる。一例では、各MCLが2ビットのデータを格納する場合、3つの可能な公称記憶値のうちの1つをセルに書き込むことによって、消去状態から3つの可能なプログラミングレベルのうちの1つを想定するようにMLCをプログラムすることができる。第4の公称記憶値を消去状態に使用することができる。
【0024】
図1に示すように、各NANDメモリストリング108は、そのソース端にソース選択トランジスタ110を含み、そのドレイン端にドレイン選択トランジスタ112を含むことができる。ソース選択トランジスタ110及びドレイン選択トランジスタ112は、読み出し及びプログラミング動作中に選択されたNANDメモリストリング108(アレイの列)を活性化するように構成することができる。いくつかの実施形態では、同じメモリブロック内のNANDメモリストリング108のソース選択トランジスタ110は、同じソース線114、例えば共通のソース線を介して、例えば接地に結合される。いくつかの実施形態によれば、各NANDメモリストリング108のドレイン選択トランジスタ112は、それぞれのビット線116に結合され、そこから出力バス(図示せず)を介してデータを読み出すことができる。いくつかの実施形態では、各NANDメモリストリング108は、ソース選択トランジスタ110が共通の接地(すなわち、0V)に接続されている間に、選択電圧(例えば、ドレイン選択トランジスタ112の閾値電圧を上回る)又は選択解除電圧(例えば、0V)をそれぞれのドレイン選択トランジスタ112に印加することによって選択又は選択解除されるように構成される。
【0025】
隣接するNANDメモリストリング108のメモリセル106は、メモリセルのどの行が読み出し及びプログラミング動作の影響を受けるかを選択するワード線118を介して結合することができる。いくつかの実施形態では、各ワード線118は、読み出し及びプログラミング動作のための最小の物理的にアドレス指定可能なデータユニットであるメモリセルのページ(メモリページ120)に結合される。ビット単位のメモリページ120のサイズは、ワード線118によって結合されたNANDメモリストリング108の数に対応することができる。各ワード線118は、それぞれのメモリページ120内の各メモリセル106の複数の制御ゲートと、制御ゲートを結合するゲート線とを含むことができる。
【0026】
図2は、本開示のいくつかの実施形態による、例示的なメモリアレイデバイス200の断面図を示す。メモリアレイデバイス200は、図1に示すメモリアレイデバイス102の一例である。図2に示すように、メモリアレイデバイス200は、基板202の上に垂直に延在する3D NANDメモリストリング210(例えば、図1のNANDメモリストリング108)を含む。基板202は、シリコン(例えば、単結晶シリコン)、シリコンゲルマニウム(SiGe)、ヒ化ガリウム(GaAs)、ゲルマニウム(Ge)、シリコンオンインシュレータ(SOI)、ゲルマニウムオンインシュレータ(GOI)、又は任意の他の適切な材料を含むことができる。図2では、メモリアレイデバイス200内の構成要素の空間的関係をさらに示すために、x軸及びy軸が含まれていることに留意されたい。基板202は、x方向(すなわち、横方向)に横方向に延在する2つの側面(例えば、上面及び底面)を有する。本明細書で使用する場合、ある構成要素が半導体構造(例えば、メモリアレイデバイス200)の別の構成要素の「上(on)」、「上方(above)」、又は「下方(below)」にあるかどうかは、基板が半導体構造のy方向の最下面に位置するときに、y方向(すなわち、垂直方向又は深さ方向)における半導体構造(例えば、基板202)の基板との相関で判定される。空間的関係を説明するための同じ概念が本開示全体にわたって適用される。
【0027】
図2に示すように、3D NANDメモリストリング210は、交互に配置されたゲート導電層206(本明細書では「メモリ層」とも呼ばれる)及び基板202の上のゲート間誘電体層208を有するメモリスタック204を垂直に貫通する。メモリスタック204内のゲート導電層206及びゲート間誘電体層208は、垂直方向に交互にすることができる。言い換えれば、メモリスタック204の上部又は底部のものを除いて、各ゲート導電層206は両側に2つのゲート間誘電体層208が隣接することができ、各ゲート間誘電体層208は両側に2つのゲート導電層206が隣接することができる。メモリスタック204内のゲート導電層206及びゲート間誘電体層208の対の数(例えば、32、64、96、又は128)は、メモリアレイデバイス200内のメモリセルの数を決定する。各ゲート導電層206は、タングステン(W)、コバルト(Co)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、ポリシリコン、ドープシリコン、ケイ化物、又はそれらの任意の組み合わせを含むがこれらに限定されない導電性材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、各ゲート導電層206は、タングステン層などの金属層を含む。いくつかの実施形態では、各ゲート導電層206は、ドープされたポリシリコン層を含む。各ゲート導電層/メモリ層206は、3D NANDメモリストリング210のメモリセル(例えば、図1のメモリセル106)を取り囲む制御ゲートを含むことができ、ワード線(例えば、図1のワード線118)として横方向に延在することができる。
【0028】
メモリスタック204は、図2に示すように、基板202の上の下部メモリデッキ204Aと、下部メモリデッキ204Aの上の上部メモリデッキ204Bとを含むデュアルデッキメモリスタックなどのマルチデッキアーキテクチャを有することができる。下部メモリデッキ204A及び上部メモリデッキ204Bの各々におけるゲート導電層206及びゲート間誘電体層208の対の数は、同じであっても異なっていてもよい。下部メモリデッキ204A及び上部メモリデッキ204Bの各々は、上述したように、交互に配置されたゲート導電層206及びゲート間誘電体層208を含むことができる。
【0029】
図2に示すように、3D NANDメモリストリング210は、下部メモリデッキ204A及び上部メモリデッキ204Bを垂直に貫通するチャネル構造212を含む。いくつかの実施形態では、チャネル構造212は、半導体材料(複数可)(例えば、半導体チャネル220として)及び誘電体材料(複数可)(例えば、メモリ膜218として)で充填されたチャネルホールを含む。いくつかの実施形態では、半導体チャネル220は、アモルファスシリコン、ポリシリコン、又は単結晶シリコンなどのシリコンを含む。いくつかの実施形態では、メモリ膜218は、トンネル層226、記憶層224(「電荷トラップ/記憶層」としても知られる)、及びブロッキング層222を含む複合誘電体層である。チャネル構造212は、円筒形状(例えば、ピラー形状)を有することができる。いくつかの実施形態によれば、半導体チャネル220、トンネル層226、記憶層224、ブロッキング層222は、この順序でピラーの中心から外面に向かって半径方向に配置される。トンネル層226は、酸化ケイ素、酸窒化ケイ素、又はそれらの任意の組み合わせを含むことができる。記憶層224は、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、ケイ素、又はそれらの任意の組み合わせを含むことができる。ブロッキング層222は、酸化ケイ素、酸窒化ケイ素、高誘電率(高k)誘電体、又はそれらの任意の組み合わせを含むことができる。一例では、メモリ膜218は、酸化ケイ素/酸窒化ケイ素/酸化ケイ素(ONO)の複合層を含むことができる。
【0030】
いくつかの実施形態では、3D NANDメモリストリング210は、3D NANDメモリストリング210の下部(例えば、下端)に半導体プラグ214をさらに含む。半導体プラグ214は、基板202から任意の適切な方向にエピタキシャル成長される単結晶シリコンなどの半導体材料を含むことができる。半導体プラグ214は、3D NANDメモリストリング210のソース選択トランジスタ(例えば、図1のソース選択トランジスタ110)のチャネルの一部として機能することができる。いくつかの実施形態では、3D NANDメモリストリング210は、3D NANDメモリストリング210の上部部分(例えば、上端において)にチャネルプラグ216をさらに含む。いくつかの実施形態では、チャネルプラグ216は、3D NANDメモリストリング210のドレイン選択トランジスタ(例えば、図1のドレイン選択トランジスタ112)のチャネルとして機能することができる。本明細書で使用される場合、構成要素(例えば、チャネル構造212)の「上端」は、基板202からy方向により遠い端部であり、構成要素(例えば、チャネル構造212)の「下端」は、基板202がメモリアレイデバイス200の最下面に位置するときに、y方向に基板202により近い端部である。
【0031】
いくつかの実施形態では、3D NANDメモリストリング210は、3D NANDメモリストリング210のメモリセル用の複数の制御ゲート(各々がゲート導電層/メモリ層206の一部である)を含む。ゲート導電層206は、複数の3D NANDメモリストリング210用の複数の制御ゲートを含むことができ、メモリスタック204の端部で終わるワード線として横方向に延在することができ、これは、例えば、読み出し、消去、及びプログラミング動作によって、メモリセルの動作を制御するためのワード線バイアス電圧VWL(例えば、図1に示すように)を受けることができる。図2には示されていないが、ゲート線スリット/ソース接点、ローカル接点、相互接続層などを含むがこれらに限定されないメモリアレイデバイス200の追加の構成要素が形成され得ることが理解される。
【0032】
図2では、3D NANDメモリストリング210は、単一セル形成(SCF)構造として知られている単一チャネル構造212を含む。いくつかの実施形態では、3D NANDメモリストリング210は、デュアルセル形成(DCF)構造としても知られるデッキ間プラグ(図示せず)によって電気的に接続された2つのチャネル構造を含むことができることが理解される。いくつかの実施形態では、メモリスタック204は、3つ以上のメモリデッキを含むことができ、3D NANDメモリストリング210は、メモリデッキを垂直に貫通する単一チャネル構造を含むか、又は3つ以上のチャネル構造を含むことができ、その各々は、メモリデッキのそれぞれを垂直に貫通することも理解されよう。マルチデッキメモリスタックを有する3Dメモリデバイスの場合、複数のメモリデッキの各々は、垂直方向に複数のメモリ層(例えば、ゲート導電層206)を含むことができる。いくつかの実施形態では、1組のダミーメモリ層が、図2に示すように下部メモリデッキ204Aと上部メモリデッキ204Bとの間に垂直にダミーメモリ層204C、又はDCF構造内のデッキ間プラグを取り囲むダミーメモリ層(図示せず)など、隣接するメモリデッキ間に垂直に形成される。ダミーメモリ層は、ダミーメモリ層によって結合されたメモリセルがデータストレージ(すなわち、ダミーメモリセルとして)に使用されないため、メモリ層と同じ物理構造を有するが、異なる電気的構成を有することができる。
【0033】
再び図1を参照すると、周辺回路104は、3Dメモリデバイス100の動作を容易にするために使用される任意の適切なデジタル、アナログ、及び/又は混合信号回路を含むことができる。例えば、周辺回路104は、データバッファ(例えば、ビット線ページバッファ)、デコーダ(例えば、行デコーダ及び列デコーダ)、センスアンプ、ドライバ(例えば、ワード線ドライバ)、チャージポンプ、電流若しくは電圧基準、又は回路の任意のアクティブ若しくはパッシブ構成要素(例えば、トランジスタ、ダイオード、レジスタ、又はコンデンサ)のうちの1つ又は複数を含むことができる。いくつかの実施形態では、周辺回路104は、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)技術を使用して形成される。
【0034】
いくつかの実施形態では、周辺回路104は、ワード線駆動回路122及びビット線駆動回路124を含む。ワード線駆動回路122は、メモリアレイデバイス102内のメモリセル106をプログラムするために、本明細書に開示されるプログラミング方式を実装することができる。プログラミング方式の波形は、周辺回路104によって、ワード線バイアス電圧VWLの形態のワード線118を介して各メモリページ120に提供することができる。以下で詳細に説明するように、ワード線118に印加することができるワード線バイアス電圧VWLは、プログラム電圧Vprogram、チャネルパス電圧Vpass、カットオフ電圧Vcutなどを含む。ビット線駆動回路124は、選択されたメモリセル106のプログラミングなどの様々なメモリ動作のために、それぞれのビット線116を介してそれぞれのドレイン選択トランジスタ112に選択電圧又は選択解除電圧を印加することによって、NANDメモリストリング108(及びそのメモリセル106)を選択又は選択解除することができる。
【0035】
図3Aは、シングルデッキ3D NANDメモリデバイス300のプログラミング方式を示す。3D NANDメモリデバイス300は、3D NANDメモリデバイス300のワード線として機能する垂直方向の複数のメモリ層(例えば、ゲート導電層)を有するメモリスタック302を含む。3D NANDメモリデバイス300は、メモリスタック302の下の1組の下部ダミーメモリ層304と、メモリスタック302の上の1組の上部ダミーメモリ層306とをさらに含む。図3Aに示すように、3D NANDメモリデバイス300はまた、各々がメモリスタック302を垂直に貫通する複数のNANDメモリストリング308及び310を含む。各NANDメモリストリング308又は310は、下部ダミーメモリ層304の下にそれぞれソース選択トランジスタ312又は314を含む。各NANDメモリストリング308又は310はまた、上部ダミーメモリ層306の上方にそれぞれドレイン選択トランジスタ316又は318を含む。
【0036】
3D NANDメモリデバイス300のプログラミング動作中、例えば、ソース選択トランジスタ312及び314を共通の接地に電気的に結合することによって、各NANDメモリストリング308又は310のソース選択トランジスタ312及び314の両方に0V電圧が印加される。3D NANDメモリデバイス300のプログラミング動作中、NANDメモリストリング308のドレイン選択トランジスタ316に選択電圧Vtopを印加してNANDメモリストリング308を選択し(すなわち、NANDメモリストリング308内のメモリセルを活性化する)、NANDメモリストリング310のドレイン選択トランジスタ318に選択解除電圧(例えば、0V)を印加してNANDメモリストリング310を選択解除する(すなわち、NANDメモリストリング308内のメモリセルを非活性化する)。
【0037】
3D NANDメモリデバイス300のプログラミング動作中、メモリスタック302内の各メモリ層は、各メモリ層にプログラム電圧Vprogramを順次印加することによって順次プログラムされる。例えば、メモリ層320をプログラムするとき、メモリ層320にプログラム電圧が印加されて、メモリ層320によって囲まれた選択されたNANDメモリストリング308のメモリセルをプログラムする。メモリ層320をプログラムするとき、メモリスタック302内の残りのメモリ層の各々にチャネルパス電圧Vpassを印加して、選択されたNANDメモリストリング308のチャネル(例えば、図2の半導体チャネル220)を開き、メモリ層320のプログラミングを有効にする。3D NANDメモリデバイス300のプログラミング動作中、1組の電圧が、下部ダミーメモリ層304又は上部ダミーメモリ層306の各組に印加される。図3Aに示すように、1組の電圧Vdmy_bottom_1~Vdmy_bottom_n1がそれぞれ下部ダミーメモリ層304に印加され、別の1組の電圧Vdmy_top_1~Vdmy_top_n1がそれぞれ上部ダミーメモリ層306に印加される。
【0038】
3D NANDメモリデバイス300のプログラミング動作中、選択解除されたNANDメモリストリング310については、その各端部のドレイン選択トランジスタ318及びソース選択トランジスタ314がオフにされるため、選択解除されたNANDメモリストリング310のチャネルはフローティング状態にある。メモリスタック302の各メモリ層が選択解除されたNANDメモリストリング310も取り囲むと、メモリスタック302内の残りのメモリ層の各々に印加されるチャネルパス電圧は、選択解除されたNANDメモリストリング310内に結合電位322を形成して、メモリ層320に印加されるプログラム電圧に起因する選択解除されたNANDメモリストリング310内のメモリ層320のプログラミングを抑制する。結合電位322は、チャネルパス電圧がメモリスタック302内の残りのメモリ層に印加されると、フローティング状態にある選択解除されたNANDメモリストリング310におけるチャネル結合効果によって形成される。メモリ層320に印加されるプログラム電圧に対する所望の抑制効果を達成するために、チャネルパス電圧は、プログラム電圧に匹敵する結合電位322を生成するのに十分な大きさである必要がある。しかしながら、選択されたNANDメモリストリング308について、すでにプログラムされているメモリ層(例えば、メモリ層320の下の各メモリ層)に印加されるチャネルパス電圧は、チャネルパス電圧が高すぎる場合、プログラムされたメモリセルに外乱を引き起こす可能性があり、これは、選択されたNANDメモリストリング308に対する「チャネルパス電圧外乱」として知られている。一方、選択解除されたNANDメモリストリング310について、プログラム電圧が高すぎる場合、結合電位322は、選択解除されたNANDメモリストリング310内のメモリセルへのプログラミングを効果的に抑制しない可能性があり、これは、選択解除されたNANDメモリストリング310に対する「プログラム電圧外乱」として知られている。
【0039】
3D NANDメモリデバイスにおいて積層メモリ層の数が増加し続けるにつれて、チャネルパス電圧がプログラムされたメモリ層に印加される持続時間も増加するので、チャネルパス電圧外乱がより顕著になる。同時に、(垂直方向の)チャネル深さが増大し、それによって結合電位が低下するため、プログラム電圧外乱もより顕著になる。例えば、図3Bは、マルチデッキ3D NANDメモリデバイス301のプログラミング方式を示す。図3Aの3D NANDメモリデバイス300とは異なり、3D NANDメモリデバイス301は、下部メモリデッキ303と、下部メモリデッキ303の上の上部メモリデッキ305と、下部メモリデッキ303と上部メモリデッキ305との間に垂直方向に1組の中間ダミーメモリ層307とをさらに含み、これにより、3D NANDメモリデバイス301内のメモリセルの数が増加する。
【0040】
下部メモリデッキ303内のメモリ層は、第1のプログラムが行われる。上部メモリデッキ305内のメモリ層320をプログラムするとき、プログラム電圧Vprogramがメモリ層320に印加され、これにより、選択解除されたNANDメモリストリング310にプログラム電圧外乱を引き起こす。マルチデッキ3D NANDメモリデバイス301におけるy方向のチャネル深さがシングルデッキ3D NANDメモリデバイス300におけるチャネル深さよりも大きいとき、選択解除されたNANDメモリストリング310内の下部メモリデッキ303及び上部メモリデッキ305の両方並びに中間ダミーメモリ層307に延在する結合電位322は、マルチデッキ3D NANDメモリデバイス301においてより小さくなる。このため、マルチデッキ3D NANDメモリデバイス301では、プログラム電圧外乱がより顕著になる。一方、上部メモリデッキ305内のメモリ層320をプログラムするとき、チャネルパス電圧Vpassが、上部メモリデッキ305内の残りのメモリ層の各々、中間ダミーメモリ層307の各々、及び下部メモリデッキ303内のメモリ層の各々に印加され、それによって、選択されたNANDメモリストリング308、特に、すでにプログラムされている下部メモリデッキ303内のメモリ層にチャネルパス電圧外乱を引き起こす。チャネルパス電圧が下部メモリデッキ303内の各プログラムされたメモリ層に印加される持続時間は、メモリ層の数の増加に起因して増加するので、チャネルパス電圧外乱は、マルチデッキ3D NANDメモリデバイス301においてもより顕著になる。
【0041】
図4図7に関して以下で詳細に説明するように、本開示は、3Dメモリデバイス、特に複数のメモリデッキを有する3D NANDメモリデバイスに対し外乱が低減された(例えば、プログラム電圧外乱及びチャネルパス電圧外乱)新規なプログラミング方式を提供する。図4は、本開示のいくつかの実施形態による、マルチデッキ3D NANDメモリデバイス400のための例示的なプログラミング方式を示す。3D NANDメモリデバイス400の物理的構造は、図3Bの3D NANDメモリデバイス301の物理的構造と同様であるため、ここでは詳細に繰り返さなくてもよい。
【0042】
図4に示すように、3D NANDメモリデバイス400は、選択されたNANDメモリストリング402及び選択解除されたNANDメモリストリング404を含む。NANDメモリストリング402を選択するために、NANDメモリストリング402のドレイン選択トランジスタ406に選択電圧Vtopを印加することができる。ドレイン選択トランジスタ406をオンにするために、選択電圧は、ドレイン選択トランジスタ406の閾値電圧よりも大きい任意の適切な電圧とすることができる。NANDメモリストリング404を選択解除するために、NANDメモリストリング404のドレイン選択トランジスタ408に選択解除電圧を印加することができる。ドレイン選択トランジスタ408をオフにするために、選択解除電圧は、0Vなど、ドレイン選択トランジスタ408の閾値電圧よりも小さい任意の適切な電圧とすることができる。
【0043】
図4に示すように、3D NANDメモリデバイス400はまた、下部メモリデッキ410と、下部メモリデッキ410の上の上部メモリデッキ412と、下部メモリデッキ410と上部メモリデッキ412との間に垂直方向に1組の中間ダミーメモリ層414とを含む。選択されたNANDメモリストリング402及び選択解除されたNANDメモリストリング404の各々は、下部メモリデッキ410及び上部メモリデッキ412を垂直に貫通し、それらの交差部にメモリセルを形成することができる。いくつかの実施形態では、3D NANDメモリデバイス400は、ソース選択トランジスタ420と下部メモリデッキ410との間に垂直方向に1組の下部ダミーメモリ層416と、ドレイン選択トランジスタ406及び408と上部メモリデッキ412との間に垂直方向に1組の上部ダミーメモリ層418とをさらに含む。
【0044】
3D NANDメモリデバイス400のプログラミング動作中、下部メモリデッキ410内の各メモリ層は、プログラミング順に第1に順次プログラムされる。いくつかの実施形態では、プログラミング順序はボトムアップ、すなわち、下部メモリデッキ410内の底部メモリ層から頂部メモリ層へである。他の実施形態では、任意の他の適切なプログラミング順序が適用されてもよいことが理解される。下部メモリデッキ410をプログラムするために、プログラム電圧Vprogramが続いてプログラミング順に各メモリ層に印加され、第1のチャネルパス電圧Vpass_1が下部メモリデッキ410内の残りのメモリ層の各々に印加され得る。プログラム電圧は、メモリセルの制御ゲートの閾値電圧よりも大きく、また、選択されたNANDメモリストリング402のメモリ膜(例えば、図2のメモリ膜218のONO構造)に電子を注入するのに十分な高い電圧とすることができる。例えば、プログラム電圧は、20Vなど、約20Vであってもよい。第1のチャネルパス電圧は、選択されたNANDメモリストリング402のチャネル(例えば、図2の半導体チャネル220)を開くためメモリセルの制御ゲートの閾値電圧よりも大きくすることができる。いくつかの実施形態では、第1のチャネルパス電圧はプログラム電圧よりも小さい。例えば、第1のチャネルパス電圧は、8V、9V、又は10Vなど、約8V、9V、又は10Vであってもよい。いくつかの実施形態では、下部メモリデッキ410のプログラミング方式は、図3Bの3D NANDメモリデバイス301の下部メモリデッキ303のプログラミング方式と実質的に同様であってもよいことが理解される。
【0045】
3D NANDメモリデバイス400のプログラミング動作中、メモリデッキ410及び412のプログラミング順序がボトムアップであると仮定すると、次に、上部メモリデッキ412内の各メモリ層がプログラミング順に順次プログラムされる。いくつかの実施形態では、プログラミング順序はボトムアップ、すなわち、上部メモリデッキ412内の底部メモリ層から頂部メモリ層へである。他の実施形態では、任意の他の適切なプログラミング順序が適用されてもよいことが理解される。上部メモリデッキ412をプログラムするために、プログラム電圧Vprogramが続いてプログラミング順に各メモリ層422に印加され、第1のチャネルパス電圧Vpass_1が上部メモリデッキ412内の残りのメモリ層の各々に印加され得る。上部メモリデッキ305をプログラムする間、同じチャネルパス電圧が下部メモリデッキ303内の各プログラムされたメモリ層に印加される、図3Bで上述した上部メモリデッキ305の従来のプログラム方式とは異なり、上部メモリデッキ412内のメモリ層422をプログラムするために、第1のチャネルパス電圧よりも小さい第2のチャネルパス電圧が下部メモリデッキ410内の各プログラムされたメモリ層に印加される。図4に示すように、第2のチャネルパス電圧は、0Vなど、約0Vとすることができる。上部メモリデッキ412をプログラムするときに、下部メモリデッキ410内のプログラムされたメモリ層に低減されたチャネルパス電圧(例えば、0V)を印加することによって、選択されたNANDメモリストリング402に対するチャネルパス電圧外乱を低減することができる。
【0046】
一方、チャネルパス電圧がメモリセルの制御ゲートの閾値電圧より下まで低下すると(例えば、0V)、選択解除されたNANDメモリストリング404内の部分結合電位424は、下部メモリデッキ410内に延在できない。いくつかの実施形態によれば、図3Bの選択解除されたNANDメモリストリング310内の下部メモリデッキ303及び上部メモリデッキ305の両方内に延在する結合電位322と比較して、垂直方向の部分結合電位424の寸法は減少する。これにより、部分結合電位424の強度を高めることができ、選択解除されたNANDメモリストリング404へのプログラム電圧外乱を抑制することができる。
【0047】
いくつかの実施形態では、上部メモリデッキ412をプログラムするときに下部メモリデッキ410と上部メモリデッキ412との間の漏れ電流を低減するために、メモリセルの制御ゲートの閾値電圧よりも小さいカットオフ電圧が中間ダミーメモリ層414のうちの少なくとも1つの制御ゲートに印加されて制御ゲートをオフにする。いくつかの実施形態によれば、カットオフ電圧は約0V、例えば0Vである。図4に示すように、最下部の中間ダミーメモリ層426にカットオフ電圧(例えば、0V)を印加することができる。いくつかの実施形態では、最下部の中間ダミーメモリ層426は、最初にプログラム電圧(閾値電圧より上)が印加され、次いでカットオフ電圧(閾値電圧より下)に切り替えられて制御ゲートをオフにする。いくつかの実施形態では、カットオフ電圧は、2つ以上の中間ダミーメモリ層414に印加される。
【0048】
いくつかの実施形態によれば、最下部の中間ダミーメモリ層426などの少なくとも1つのダミーメモリ層の上の1組の中間ダミーメモリ層414に1組の電圧が印加される。選択解除されたNANDメモリストリング404におけるCHE効果を回避するために、1組の電圧は、第1のチャネルパス電圧Vpass_1からカットオフ電圧(例えば、0V)に徐々に減少することができる。図4に示すように、中間ダミーメモリ層414のうちの最上部の中間ダミーメモリ層に印加される電圧Vdmy_middle_n3は、名目上、第1のチャネルパス電圧と同じか、又はそれよりわずかに小さくすることができ、最下部の中間ダミーメモリ層426に印加される電圧は、0Vなどの約0Vとすることができる。隣接する中間ダミーメモリ層414間の電圧オフセットは、同じであっても異なっていてもよい。いくつかの実施形態では、カットオフ電圧の上の電圧勾配を形成するために、カットオフ電圧が印加される層の上に少なくとも2つの中間ダミーメモリ層414がある。
【0049】
2つのメモリデッキを有する3D NANDメモリデバイス400に関して上述したプログラム方式は、3つ以上のメモリデッキを有する3D NANDメモリデバイスに拡張することができる。例えば、図5A及び図5Bは、本開示のいくつかの実施形態による、マルチデッキ3D NANDメモリデバイス500のための別の例示的なプログラミング方式を示す。図5A及び図5Bに示すように、3D NANDメモリデバイス500は、垂直方向に、下部メモリデッキ502と、下部メモリデッキ502の上の中間メモリデッキ504と、中間メモリデッキ504の上の上部メモリデッキ506とを含む。3D NANDメモリデバイス500は、下部メモリデッキ502と中間メモリデッキ504との間に垂直方向に1組の第1の中間ダミーメモリ層508の他、中間メモリデッキ504と上部メモリデッキ506との間に垂直方向に1組の第2の中間ダミーメモリ層510とをさらに含むことができる。3D NANDメモリデバイス500の残りの物理的構成要素は、図4の3D NANDメモリデバイス400の対応物と同様であり、したがって、ここでは詳細に繰り返さなくてもよい。
【0050】
3D NANDメモリデバイス500のプログラミング動作中、下部メモリデッキ502内の各メモリ層は、プログラミング順に第1に順次プログラムされる。下部メモリデッキ502のプログラミング方式は、図4の3D NANDメモリデバイス400の下部メモリデッキ410のプログラミング方式と実質的に同様であってもよく、したがって、ここでは詳細に繰り返さなくてもよいことが理解される。メモリデッキ502、504、及び506のプログラミング順序がボトムアップであると仮定すると、3D NANDメモリデバイス500のプログラミング動作中、中間メモリデッキ504内の各メモリ層は、その後、プログラミング順に、例えばボトムアップで順次プログラムされる。中間メモリデッキ504内のメモリ層512をプログラムするために、プログラム電圧Vprogramをメモリ層512に印加することができ、第1のチャネルパス電圧Vpass_1をメモリ層512の上にある中間メモリデッキ504内の残りのメモリ層の各々に印加することができ、第2のチャネルパス電圧Vpass_2をメモリ層512の下にある中間メモリデッキ504内の残りのメモリ層の各々に印加することができる。いくつかの実施形態では、中間メモリデッキ504をプログラムするとき、第1のチャネルパス電圧は、上部メモリデッキ506内の各メモリ層及び各第2の中間ダミーメモリ層510にも印加される。第1のチャネルパス電圧Vpass_1は、名目上、第2のチャネルパス電圧Vpass_2と同じであり得る。
【0051】
いくつかの実施形態によれば、中間メモリデッキ504内のメモリ層512をプログラムするために、第1及びチャネルパス電圧よりも小さい第3のチャネルパス電圧が、下部メモリデッキ502内の各プログラムされたメモリ層に印加される。第3のチャネルパス電圧は、0Vなど、約0Vとすることができる。中間メモリデッキ504をプログラムするときに、下部メモリデッキ502内のプログラムされたメモリ層に低減されたチャネルパス電圧(例えば、0V)を印加することによって、図4に関して詳細に上述したように、選択されたNANDメモリストリング402に対するチャネルパス電圧外乱及び選択解除されたNANDメモリストリング404に対するプログラム電圧外乱の両方を低減することができる。
【0052】
いくつかの実施形態では、中間メモリデッキ504をプログラムするときに下部メモリデッキ502と中間メモリデッキ504との間の漏れ電流を低減するために、メモリセルの制御ゲートの閾値電圧よりも小さいカットオフ電圧が、第1の中間ダミーメモリ層508(例えば、最下部の第1の中間ダミーメモリ層514)の少なくとも1つの制御ゲートに印加されて、制御ゲートをオフにする。カットオフ電圧は、0Vなど、約0Vとすることができる。選択解除されたNANDメモリストリング404におけるCHE効果を回避するために、第2のチャネルパス電圧Vpass_2からカットオフ電圧(例えば、0V)に徐々に減少する1組の電圧、少なくとも1つの第1の中間ダミーメモリ層(例えば、最下部の第1の中間ダミーメモリ層514)の上の1組の第1の中間ダミーメモリ層508に印加することができる。
【0053】
同様に、図5Bでは、3D NANDメモリデバイス500のプログラミング動作中に、上部メモリデッキ506内の各メモリ層は、その後、プログラミング順に、例えばボトムアップで順次プログラムされる。上部メモリデッキ506内のメモリ層516をプログラムするために、プログラム電圧Vprogramをメモリ層516に印加することができ、第1のチャネルパス電圧Vpass_1を上部メモリデッキ506内の残りのメモリ層の各々に印加することができ、第3のチャネルパス電圧(例えば、0V)を下部メモリデッキ502及び中間メモリデッキ504内の各プログラムされたメモリ層並びに各第1の中間ダミーメモリ層508に印加することができる。いくつかの実施形態では、メモリセルの制御ゲートの閾値電圧よりも小さい第3のチャネルパス電圧を下部メモリデッキ502及び中間メモリデッキ504内の各メモリ層に印加することによって、部分結合電位515は、選択解除されたNANDメモリストリング404内でさらに制限される可能性があり、中間メモリデッキ504及び下部メモリデッキ502内に延在できない。
【0054】
いくつかの実施形態では、上部メモリデッキ506をプログラムするときに中間メモリデッキ504と上部メモリデッキ506との間の漏れ電流を低減するために、第2の中間ダミーメモリ層510(例えば、最下部の第2の中間ダミーメモリ層518)の少なくとも1つの制御ゲートにカットオフ電圧を印加して制御ゲートをオフにする。選択解除されたNANDメモリストリング404におけるCHE効果を回避するために、第1のチャネルパス電圧Vpass_1からカットオフ電圧(例えば、0V)に徐々に減少する1組の電圧を、少なくとも1つの第2の中間ダミーメモリ層(例えば、最下部の第2の中間ダミーメモリ層518)の上の1組の第2の中間ダミーメモリ層510に印加することができる。
【0055】
図4図5A、及び図5Bの2つ又は3つのメモリデッキを有する3D NANDメモリデバイスに関して上述したプログラミング方式は、n個のメモリデッキを有する任意の3D NANDメモリデバイスに拡張することができ、nは1より大きい正の整数である。例えば、図6は、本開示のいくつかの実施形態による、マルチデッキ3D NANDメモリデバイス600のためのさらに別の例示的なプログラミング方式を示す。図6に示すように、3D NANDメモリデバイス600は、垂直方向にn個のメモリデッキ(例えば、MD1、、、、MDi-1、MDi、、、、MDn)を含む。3D NANDメモリデバイス600は、各々が2つの隣接するメモリデッキの間に垂直にある、k組の中間ダミーメモリ層(例えば、DM1、、、、DMi-1、DMi、、、、DMk)をさらに含むことができる。3D NANDメモリデバイス600の残りの物理的構成要素は、図4の3D NANDメモリデバイス400の対応物と同様であり、したがって、ここでは詳細に繰り返さなくてもよい。
【0056】
n個のメモリデッキのプログラミング順序がボトムアップであると仮定すると、3D NANDメモリデバイス600のプログラミング動作中、MD1(最下部のメモリデッキ)の各メモリ層は、第1にプログラミング順に順次プログラムされる。MD1のプログラミング方式は、図4の3D NANDメモリデバイス400の下部メモリデッキ410のプログラミング方式と実質的に同様であってもよく、したがって、ここでは詳細に繰り返さなくてもよいことが理解される。図6に示すように、MDi内のメモリ層602(すなわち、MD1の上の任意のメモリデッキ)をプログラムするとき、プログラム電圧Vprogramをメモリ層602に印加することができ、チャネルパス電圧VpassをMDi内の残りのメモリ層の各々並びにMDi+1~MDn内(すなわち、MDiの上の任意のメモリデッキ)の各メモリ層に印加することができる。いくつかの実施形態では、MDiをプログラムするとき、MD1~MDi-1内の各メモリ層(すなわち、MDiの下の任意のメモリデッキ)並びに各DM1~DMi-1(すなわち、MDi-1の下の任意の中間ダミーメモリ層)に0V電圧が印加される。その結果、部分結合電位604は、MD1~MDi-1(すなわち、MDiの下の任意のメモリデッキ)内に延在できない。MDiをプログラムするときにMD1~MDi-1内のプログラムされたメモリ層に0V電圧を印加することによって、図4に関して詳細に上述したように、選択されたNANDメモリストリング402に対するチャネルパス電圧外乱及び選択解除されたNANDメモリストリング404に対するプログラム電圧外乱の両方を低減することができる。
【0057】
いくつかの実施形態では、MDiをプログラムするときにMDiとMDi-1との間の漏れ電流を低減するために、0V電圧がDMi(例えば、最低部のDMi606)の少なくとも1つの制御ゲートに印加されて制御ゲートをオフにする。選択解除されたNANDメモリストリング404におけるCHE効果を回避するために、チャネルパス電圧Vpassから0Vに徐々に減少する1組の電圧を、少なくとも1つのDMi(例えば、最低部のDMi606)の上のDMiに印加することができる。いくつかの実施形態では、0Vカットオフ電圧は、DM1~DMi(すなわち、MDiの下の任意の中間ダミーメモリ層)のいずれか1つに印加されてもよいことが理解される。
【0058】
図7は、本開示のいくつかの実施形態による、3Dメモリデバイスを動作させるための例示的な方法700のフローチャートである。図7に示す3Dメモリデバイスの例は、それぞれ図4図5A図5B、及び図6に示す3D NANDメモリデバイス400、500、及び600を含む。方法700に示される動作は網羅的ではなく、図示された動作のいずれかの前、後、又は間に他の動作も実施できることが理解される。さらに、動作のいくつかは、同時に、又は図7に示す順序とは異なる順序で実施されてもよい。
【0059】
図7を参照すると、方法700は工程702で開始し、複数のメモリデッキのうちの第1のメモリデッキ内の各メモリ層がプログラムされる。第1のプログラミングは、メモリ層にプログラム電圧を印加し、第1のメモリデッキ内の残りのメモリ層の各々にプログラム電圧よりも小さい第1のチャネルパス電圧を印加することを含む。いくつかの実施形態では、第1のプログラミング動作は、ワード線118を介して周辺回路104(例えば、ワード線駆動回路122)によって実施される。
【0060】
方法700は、図7に示すように、工程704に進み、第1のメモリデッキの上の複数のメモリデッキのうちの第2のメモリデッキ内の各メモリ層がプログラムされる。第2のプログラミングは、メモリ層にプログラム電圧を印加することと、第2のメモリデッキ内の残りのメモリ層の各々に第1のチャネルパス電圧を印加することとを含む。第2のプログラミングはまた、第1のチャネルパス電圧よりも小さい第2のチャネルパス電圧を第1のメモリデッキ内の各メモリ層に印加することを含む。いくつかの実施形態では、第2のプログラミングは、制御ゲートの閾値電圧よりも小さいカットオフ電圧をダミーメモリ層のうちの少なくとも1つの制御ゲートに印加して、制御ゲートをオフにすることをさらに含む。いくつかの実施形態によれば、第2のチャネルパス電圧及びカットオフ電圧の各々は0Vである。いくつかの実施形態では、第2のプログラミング動作は、ワード線118を介して周辺回路104(例えば、ワード線駆動回路122)によって第1のプログラミング動作の後に実施される。
【0061】
方法700は、図7に示すように、工程706に進み、選択電圧が第1のNANDメモリストリングのドレイン選択トランジスタに印加されて、第1のNANDメモリストリングを選択する。方法700は、図7に示すように、工程708に進み、第2のNANDメモリストリングのドレイン選択トランジスタに選択解除電圧が印加されて、第2のNANDメモリストリングを選択解除する。いくつかの実施形態では、第1のチャネルパス電圧は、第2のメモリデッキ内の残りのメモリ層の各々に印加され、第2のチャネルパス電圧は、第1のメモリデッキ内の各メモリ層に印加され、その結果、選択解除された第2のNANDメモリストリング内の部分結合電位は、第1のメモリデッキに延在しない。いくつかの実施形態では、選択及び選択解除動作は、ビット線116を介して周辺回路104(例えば、ビット線駆動回路124)によって実施される。
【0062】
本開示の1つの態様によれば、3Dメモリデバイスを動作させるための方法が開示される。3Dメモリデバイスは、各々が垂直方向に複数のメモリ層を含む複数のメモリデッキを含む。複数のメモリデッキのうちの第1のメモリデッキ内の各メモリ層には第1のプログラムが行われる。第1のプログラミングは、メモリ層にプログラム電圧を印加し、第1のメモリデッキ内の残りのメモリ層の各々にプログラム電圧よりも小さい第1のチャネルパス電圧を印加することを含む。第1のメモリデッキの上の複数のメモリデッキのうちの第2のメモリデッキ内の各メモリ層には、第2のプログラムが行われる。第2のプログラミングは、メモリ層にプログラム電圧を印加することと、第2のメモリデッキ内の残りのメモリ層の各々に第1のチャネルパス電圧を印加することとを含む。第2のプログラミングは、第1のメモリデッキ内の各メモリ層に第1のチャネルパス電圧よりも小さい第2のチャネルパス電圧を印加することをさらに含む。
【0063】
いくつかの実施形態では、3Dメモリデバイスは、垂直方向に、第1のメモリデッキと第2のメモリデッキとの間の第3のメモリデッキと、第1のメモリデッキと第3のメモリデッキとの間の複数のダミーメモリ層とを含む。いくつかの実施形態によれば、第2のプログラミングは、第3のメモリデッキ内のメモリ層及びダミーメモリ層の各々に第2のチャネルパス電圧を印加することをさらに含む。
【0064】
いくつかの実施形態では、第2のチャネルパス電圧は約0Vである。
【0065】
いくつかの実施形態では、3Dメモリデバイスは、各々が複数のメモリデッキを垂直に貫通し、各々がドレイン選択トランジスタを含む複数のNANDメモリストリングを含む。NANDメモリストリングのうちの第1のNANDメモリストリングのドレイン選択トランジスタに選択電圧を印加して、第1のNANDメモリストリングを選択することができる。NANDメモリストリングのうちの第2のNANDメモリストリングのドレイン選択トランジスタに選択解除電圧を印加して、第2のNANDメモリストリングを選択解除することができる。いくつかの実施形態では、第1のチャネルパス電圧は、第2のメモリデッキ内の残りのメモリ層の各々に印加され、第2のチャネルパス電圧は、第1のメモリデッキ内の各メモリ層に印加され、その結果、選択解除された第2のNANDメモリストリング内の部分結合電位は、第1のメモリデッキに延在しない。
【0066】
いくつかの実施形態では、3Dメモリデバイスは、垂直方向に第1のメモリデッキと第2のメモリデッキとの間に複数のダミーメモリ層をさらに含む。ダミーメモリ層のうちの少なくとも1つの制御ゲートに、制御ゲートの閾値電圧よりも小さいカットオフ電圧を印加して、制御ゲートをオフにすることができる。1組の電圧は、少なくとも1つのダミーメモリ層の上の1組のダミーメモリ層に印加することができる。いくつかの実施形態では、1組の電圧は、第1のチャネルパス電圧からカットオフ電圧に徐々に減少する。いくつかの実施形態では、カットオフ電圧は約0Vである。いくつかの実施形態によれば、少なくとも1つのダミーメモリ層は、ダミーメモリ層のうちの最下部を含む。
【0067】
本開示の別の態様によれば、3Dメモリデバイスを動作させるための方法が開示される。3Dメモリデバイスは、各々が垂直方向に複数のメモリ層を含む複数のメモリデッキと、垂直方向に第1のメモリデッキと第2のメモリデッキの間に複数の第1のダミーメモリ層とを含む。複数のメモリデッキのうちの第1のメモリデッキ内の各メモリ層には第1のプログラムが行われる。第1のプログラミングは、メモリ層にプログラム電圧を印加し、第1のメモリデッキ内の残りのメモリ層の各々にプログラム電圧よりも小さいチャネルパス電圧を印加することを含む。第1のメモリデッキの上の複数のメモリデッキのうちの第2のメモリデッキ内の各メモリ層には、第2のプログラムが行われる。第2のプログラミングは、メモリ層にプログラム電圧を印加することと、第2のメモリデッキ内の残りのメモリ層の各々にチャネルパス電圧を印加することとを含む。第2のプログラミングは、第1のダミーメモリ層の少なくとも1つに0V電圧を印加することも含む。第2のプログラミングは、第1のメモリデッキ内の各メモリ層に0V電圧を印加することをさらに含む。
【0068】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの第1のダミーメモリ層の上の1組の第1のダミーメモリ層に1組の電圧が印加される。1組の電圧は、チャネルパス電圧から約0Vに徐々に減少することができる。
【0069】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの第1のダミーメモリ層は、第1のダミーメモリ層の最下部を含む。
【0070】
いくつかの実施形態では、3Dメモリデバイスは、垂直方向に、第1のメモリデッキと第2のメモリデッキとの間の第3のメモリデッキと、第1のメモリデッキと第3のメモリデッキとの間の複数の第2のダミーメモリ層とを含む。第3のメモリデッキ内のメモリ層及び第2のダミーメモリ層のそれぞれに0V電圧を印加することができる。
【0071】
本開示のさらに別の態様によれば、3Dメモリデバイスは、周辺回路と、各々が垂直方向に複数のメモリ層を含む複数のメモリデッキとを含む。周辺回路は、複数のメモリデッキのうちの第1のメモリデッキ内の各メモリ層をプログラムし、次いで、第1のメモリデッキの上の複数のメモリデッキのうちの第2のメモリデッキ内の各メモリ層をプログラムするように構成される。第1のメモリデッキ内の各メモリ層をプログラムするために、周辺回路は、メモリ層にプログラム電圧を印加し、第1のメモリデッキ内の残りのメモリ層の各々にプログラム電圧よりも小さい第1のチャネルパス電圧を印加するようにさらに構成される。第2のメモリデッキ内の各メモリ層をプログラムするために、周辺回路は、メモリ層にプログラム電圧を印加し、第2のメモリデッキ内の残りのメモリ層の各々に第1のチャネルパス電圧を印加し、第1のメモリデッキ内の各メモリ層に第1のチャネルパス電圧よりも小さい第2のチャネルパス電圧を印加するようにさらに構成される。
【0072】
いくつかの実施形態では、3Dメモリデバイスは、垂直方向に、第1のメモリデッキと第2のメモリデッキとの間の第3のメモリデッキと、第1のメモリデッキと第3のメモリデッキとの間の複数のダミーメモリ層とを含む。第2のメモリデッキ内の各メモリ層をプログラムするために、周辺回路は、第3のメモリデッキ内のメモリ層及びダミーメモリ層の各々に第2のチャネルパス電圧を印加するようにさらに構成することができる。いくつかの実施形態では、第2のチャネルパス電圧は約0Vである。
【0073】
いくつかの実施形態では、3Dのメモリデバイスは、各々が複数のメモリデッキを垂直方向に貫通し、ドレイン選択トランジスタを含む複数のNANDメモリストリングを含む。周辺回路は、NANDメモリストリングのうちの第1のNANDメモリストリングのドレイン選択トランジスタに選択電圧を印加して第1のNANDメモリストリングを選択し、NANDメモリストリングのうちの第2のNANDメモリストリングのドレイン選択トランジスタに選択解除電圧を印加して第2のNANDメモリストリングを選択解除するようにさらに構成することができる。
【0074】
いくつかの実施形態では、第2のメモリデッキ内の各メモリ層をプログラムするために、周辺回路は、第1のチャネルパス電圧を第2のメモリデッキ内の残りのメモリ層の各々に印加し、第2のチャネルパス電圧を第1のメモリデッキ内の各メモリ層に印加するようにさらに構成され、その結果、選択解除された第2のNANDメモリストリング内の部分結合電位が第1のメモリデッキに延在しない。
【0075】
いくつかの実施形態では、3Dメモリデバイスは、垂直方向に第1のメモリデッキと第2のメモリデッキとの間に複数のダミーメモリ層をさらに含む。周辺回路は、制御ゲートの閾値電圧よりも小さいカットオフ電圧をダミーメモリ層のうちの少なくとも1つのダミーメモリ層の制御ゲートに印加して、制御ゲートをオフにするようにさらに構成される。いくつかの実施形態では、第2のメモリデッキ内の各メモリ層をプログラムするために、周辺回路は、少なくとも1つのダミーメモリ層の上の1組のダミーメモリ層に1組の電圧を印加するようにさらに構成される。電圧の組は、第1のチャネルパス電圧からカットオフ電圧まで徐々に減少することができる。いくつかの実施形態によれば、カットオフ電圧は約0Vである。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのダミーメモリ層は、ダミーメモリ層の最下部を含む。
【0076】
本開示のさらに別の態様によれば、3Dメモリデバイスは、周辺回路と、各々が垂直方向に複数のメモリ層を含む複数のメモリデッキと、垂直方向において第1のメモリデッキと第2のメモリデッキとの間の複数の第1のダミーメモリ層とを含む。周辺回路は、複数のメモリデッキのうちの第1のメモリデッキ内の各メモリ層をプログラムし、次いで、第1のメモリデッキの上の複数のメモリデッキのうちの第2のメモリデッキ内の各メモリ層をプログラムするように構成される。第1のメモリデッキ内の各メモリ層をプログラムするために、周辺回路は、メモリ層にプログラム電圧を印加し、第1のメモリデッキ内の残りのメモリ層の各々にプログラム電圧よりも小さいチャネルパス電圧を印加するようにさらに構成される。第2のメモリデッキ内の各メモリ層をプログラムするために、周辺回路は、メモリ層にプログラム電圧を印加し、第2のメモリデッキ内の残りのメモリ層の各々にチャネルパス電圧を印加するようにさらに構成される。第2のメモリデッキ内の各メモリ層をプログラムするために、周辺回路は、第1のダミーメモリ層のうちの少なくとも1つに0V電圧を印加し、第1のメモリデッキ内の各メモリ層に0V電圧を印加するようにさらに構成される。
【0077】
いくつかの実施形態では、第2のメモリデッキ内の各メモリ層をプログラムするために、周辺回路は、少なくとも1つの第1のダミーメモリ層の上の1組の第1のダミーメモリ層に1組の電圧を印加するようにさらに構成される。いくつかの実施形態では、1組の電圧は、チャネルパス電圧から約0Vに徐々に減少する。
【0078】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの第1のダミーメモリ層は、第1のダミーメモリ層の最下部を含む。
【0079】
いくつかの実施形態では、3Dメモリデバイスは、垂直方向に、第1のメモリデッキと第2のメモリデッキとの間の第3のメモリデッキと、第1のメモリデッキと第3のメモリデッキとの間の複数の第2のダミーメモリ層とを含む。第2のメモリデッキ内の各メモリ層をプログラムするために、周辺回路は、第3のメモリデッキ内のメモリ層及び第2のダミーメモリ層の各々に0V電圧を印加するようにさらに構成することができる。
【0080】
特定の実施形態の前述の説明は、本開示の一般的な性質を明らかにするので、他者は、当業者の技能の範囲内で知識を適用することによって、本開示の一般的な概念から逸脱することなく、過度の実験を行うことなく、そのような特定の実施形態を様々な用途に容易に修正及び/又は適合させることができる。したがって、そのような適合及び修正は、本明細書に提示された教示及びガイダンスに基づいて、開示された実施形態の均等物の意味及び範囲内にあることが意図されている。本明細書の表現又は用語は、本明細書の用語又は表現が教示及びガイダンスに照らして当業者によって解釈されるように、限定ではなく説明を目的とするものであることを理解されたい。
【0081】
本開示の実施形態は、指定された機能及びその関係の実装を示す機能的構成要素を用いて上述されている。これらの機能的構成要素の境界は、説明の便宜上、本明細書では任意に定義されている。指定された機能及びそれらの関係が適切に実行される限り、代替の境界を定義することができる。
【0082】
発明の概要及び要約のセクションは、発明者によって企図される本開示のすべてではないが1つ又は複数の典型的な実施形態を記載することができ、したがって、本開示及び添付の特許請求の範囲を決して限定することを意図するものではない。
【0083】
本開示の幅及び範囲は、上述の典型的な実施形態のいずれによっても限定されるべきではなく、以下の特許請求の範囲及びそれらの均等物に従ってのみ定義されるべきである。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図6
図7