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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-20
(45)【発行日】2023-06-28
(54)【発明の名称】色変換層のインシトゥ硬化
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20230621BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20230621BHJP
   G09F 9/33 20060101ALI20230621BHJP
   H01L 33/50 20100101ALI20230621BHJP
   H01L 33/52 20100101ALI20230621BHJP
【FI】
G09F9/00 338
G09F9/30 349Z
G09F9/33
H01L33/50
H01L33/52
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021566955
(86)(22)【出願日】2020-05-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-21
(86)【国際出願番号】 US2020032850
(87)【国際公開番号】W WO2020232229
(87)【国際公開日】2020-11-19
【審査請求日】2022-01-11
(31)【優先権主張番号】16/412,222
(32)【優先日】2019-05-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】チャン, ダイファ
(72)【発明者】
【氏名】ルオ, インドン
(72)【発明者】
【氏名】チュー, ミンウェイ
(72)【発明者】
【氏名】ウン, ホウ ティ-.
(72)【発明者】
【氏名】ガナパティアッパン, シヴァパキア
(72)【発明者】
【氏名】パティバンドラ, ナグ ビー.
【審査官】新井 重雄
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0255505(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0278068(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0308420(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0107755(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00
G09F 9/30
G09F 9/33
H01L 33/50
H01L 33/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多色ディスプレイを製造する方法であって、
バックプレーンと、当該バックプレーンのバックプレーン回路と電気的に一体化された発光ダイオードのアレイと、前記バックプレーン上において前記発光ダイオードのアレイの隣り合う発光ダイオードの間に形成され、前記発光ダイオードから離れており、前記発光ダイオードの上方に延びる複数の分離壁と、を有するディスプレイ上に、第1の色変換剤を含む第1の光硬化性流体を分配することと、
前記発光ダイオードのアレイ内の第1の複数の発光ダイオードを作動させて、前記分離壁の頂部より下方の前記第1の光硬化性流体を照射して硬化させ、前記第1の複数の発光ダイオードのそれぞれの上に、前記第1の複数の発光ダイオードからの光を第1の色の光に変換する第1の色変換層を形成することと、
前記ディスプレイ上に残る前記第1の色変換層の上面が前記分離壁の頂部より下方となるように、前記第1の光硬化性流体の未硬化残留物を除去することと、
その後、前記ディスプレイ上に、第2の色変換剤を含む第2の光硬化性流体を分配することと、
前記発光ダイオードのアレイ内の第2の複数の発光ダイオードを作動させて、前記分離壁の頂部より下方の前記第2の光硬化性流体を照射して硬化させ、前記第2の複数の発光ダイオードのそれぞれの上に、前記第2の複数の発光ダイオードからの光を第2の異なる色の光に変換する第2の色変換層を形成することと、
前記ディスプレイ上に残る前記第2の色変換層の上面が前記分離壁の前記頂部より下方となるように、前記第2の光硬化性流体の未硬化残留物を除去することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記ディスプレイ上に、第3の色変換剤を含む第3の光硬化性流体を分配することと、
前記発光ダイオードのアレイ内の第3の複数の発光ダイオードを作動させて、前記第3の光硬化性流体を照射して硬化させ、前記第3の複数の発光ダイオードのそれぞれの上に、前記第3の複数の発光ダイオードからの光を第3の異なる色の光に変換する第3の色変換層を形成することと、
前記第3の光硬化性流体の未硬化残留物を除去することと
をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記第1の色、前記第2の色、及び前記第3の色が、青色、緑色及び赤色から選択される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記発光ダイオードのアレイの発光ダイオードが、紫外光を生成するよう構成される、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記発光ダイオードのアレイが、第3の複数の発光ダイオードを含み、前記発光ダイオードのアレイの発光ダイオードが、第3の異なる色の光を生成するよう構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
色変換層が、前記第3の複数の発光ダイオードの上に形成されない、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記発光ダイオードのアレイの前記発光ダイオードが、青色又は紫色の光を生成するよう構成される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の色、及び前記第2の色が、緑色、及び赤色から選択される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
複数の分離壁が、前記発光ダイオードのアレイの隣り合う発光ダイオード間の前記バックプレーン上に形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の複数の発光ダイオードの作動中に、前記分離壁は、前記第1の複数の発光ダイオードからの照射が前記第2の複数の発光ダイオードに到達するのを阻止する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記分離壁がフォトレジストを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の光硬化性流体及び前記第2の光硬化性流体の少なくとも一方が溶媒を含み、前記方法が、前記溶媒を蒸発させることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記発光ダイオードのアレイの上に紫外線遮断層を形成することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
多色ディスプレイを製造する方法であって、
バックプレーンと、当該バックプレーンのバックプレーン回路と電気的に一体化された発光ダイオードのアレイと、前記バックプレーン上において前記発光ダイオードのアレイの隣り合う発光ダイオードの間に形成され、前記発光ダイオードから離れており、前記発光ダイオードの上方に延びる複数の分離壁と、を有するディスプレイ上に、第1の色変換剤を含む第1の光硬化性流体を分配することと、
前記発光ダイオードのアレイ内の第1の複数の発光ダイオードを作動させて、前記分離壁の頂部より下方の前記第1の光硬化性流体を照射して硬化させ、前記第1の複数の発光ダイオードのそれぞれの上に、前記第1の複数の発光ダイオードからの光を第1の色の光に変換する第1の色変換層を形成することと、
前記ディスプレイ上に残る前記第1の色変換層の上面が前記分離壁の前記頂部より下方となるように、前記第1の光硬化性流体の未硬化残留物を除去することと、
その後、前記ディスプレイ上に、第2の色変換剤を含む第2の光硬化性流体を分配することと、
前記発光ダイオードのアレイ内の第2の複数の発光ダイオードを作動させて、前記分離壁の頂部より下方の前記第2の光硬化性流体を照射して硬化させ、前記第2の複数の発光ダイオードのそれぞれの上に、前記第2の複数の発光ダイオードからの光を第2の異なる色の光に変換する第2の色変換層を形成することと、
前記ディスプレイ上に残る前記第2の色変換層の上面が前記分離壁の前記頂部より下方となるように、前記第2の光硬化性流体の未硬化残留物を除去することと、
その後、前記ディスプレイ上に、第3の色変換剤を含む第3の光硬化性流体を分配することと、
前記発光ダイオードのアレイ内の第3の複数の発光ダイオードを作動させて、前記分離壁の頂部より下方の前記第3の光硬化性流体を照射して硬化させ、前記第3の複数の発光ダイオードのそれぞれの上に、前記第3の複数の発光ダイオードからの光を第3の異なる色の光に変換する第3の色変換層を形成することと、
前記ディスプレイ上に残る前記第3の色変換層の上面が前記分離壁の前記頂部より下方となるように、前記第3の光硬化性流体の未硬化残留物を除去することと、
を含み、
前記第1の色、前記第2の色、及び前記第3の色が、青色、緑色及び赤色から選択される、
方法。
【請求項15】
多色ディスプレイであって、
バックプレーン回路を有するバックプレーンと、
前記バックプレーンのバックプレーン回路と電気的に一体化されたマイクロLEDのアレイであって、前記アレイの前記マイクロLEDが、同じ波長範囲の照射を生成するよう構成される、マイクロLEDのアレイと、
第1の複数の発光ダイオードのそれぞれの上の第1の色変換層であって、前記第1の複数の発光ダイオードからの前記照射を第1の色の光に変換する第1の色変換層と、
の複数の発光ダイオードのそれぞれの上の第2の色変換層であって、前記第の複数の発光ダイオードからの前記照射を第2の異なる色の光に変換する第2の色変換層と、
前記バックプレーン上において前記アレイの隣り合うマイクロLEDの間に形成され、前記アレイの隣り合うマイクロLEDを隔てる複数の分離壁であって、前記マイクロLEDから離れており、前記マイクロLEDの上方に延びる複数の分離壁と、
を含み、
前記第1の色変換層の上面及び前記第2の色変換層の上面が、前記分離壁の頂部より下方にある、
多色ディスプレイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、マイクロLEDディスプレイの製造に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(LED:light emitting diode)パネルはLEDのアレイを使用し、ここでは、個々のLEDが、個々に制御可能なピクセル要素を提供する。このようなLEDパネルは、コンピュータ、タッチパネルデバイス、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯電話、テレビモニタ等に使用されうる。
【0003】
III-V族半導体技術に基づくミクロンスケールのLED(マイクロLEDとも称される)を使用するLEDパネルは、OLEDと比較して、例えば、より高いエネルギー効率、輝度、及び寿命、並びに、製造を簡素化しうるディスプレイ積層体中のより少ない材料層など、様々な利点を有するであろう。しかしながら、マイクロLEDパネルの製造には課題がある。様々な色の発光(例えば、赤色、緑色及び青色のピクセル)を有するマイクロLEDは、別々のプロセスを介して、異なる基板上に作製する必要がある。複数色のマイクロLEDデバイスを単一パネル上に統合するには、マイクロLEDデバイスをその元のドナー基板から指定の基板へと移送するためのピックアンドプレース(pick-and-place)ステップが必要である。このことには、LED構造又は加工プロセスの修正が含まれることが多く、例えば、ダイの解放を容易にするために犠牲層を導入することなどが含まれる。さらに、配置精度に対する厳しい要件(例えば、1um未満)によって、スループット、最終歩留まり、又はその双方が制限される。
【0004】
ピックアンドプレースステップなしで行う代替的なアプローチは、モノクロLEDを用いて作製された基板上の特定のピクセル位置に、色変換剤(例えば、量子ドット、ナノ構造、蛍光材料又は有機物)を選択的に堆積させることである。モノクロLEDは、比較的短い波長の光、例えば紫色又は青色の光を生成することができ、色変換剤が、この短い波長の光をより長い波長の光へと変換することが可能であり、例えば、赤色のピクセルについての赤色光、又は緑色のピクセルについての緑色光へと変換することが可能である。色変換剤の選択的堆積が、高解像度シャドウマスク、又は制御可能なインクジェット若しくはエアロゾルジェット印刷を用いて行われうる。
【発明の概要】
【0005】
多色ディスプレイを製造する方法は、
バックプレーンと、当該バックプレーンのバックプレーン回路と電気的に一体化された発光ダイオードのアレイと、を有するディスプレイ上に、第1の色変換剤を含む第1の光硬化性流体を分配することと、
発光ダイオードのアレイ内の第1の複数の発光ダイオードを作動させて、第1の光硬化性流体を照射して硬化させ、第1の複数の発光ダイオードのそれぞれの上に、第1の複数の発光ダイオードからの光を第1の色の光に変換する第1の色変換層を形成することと、
第1の光硬化性流体の未硬化残留物を除去することと、
その後、ディスプレイ上に、第2の色変換剤を含む第2の光硬化性流体を分配することと、
発光ダイオードのアレイ内の第2の複数の発光ダイオードを作動させて、第2の光硬化性流体を照射して硬化させ、第2の複数の発光ダイオードのそれぞれの上に、第2の複数の発光ダイオードからの光を第2の異なる色の光に変換する第2の色変換層を形成することと、
第2の光硬化性流体の未硬化残留物を除去することと、を含む。
【0006】
実施形態が、以下の特徴のうちの1つ以上を含みうる。
【0007】
第3の光効果性流体が、ディスプレイ上に分配されうる。第3の光硬化性流体が、第3の色変換剤を含みうる。発光ダイオードのアレイ内の第3の複数の発光ダイオードを作動させて、第3の光硬化性流体を照射して硬化させ、第3の複数の発光ダイオードのそれぞれの上に、第3の複数の発光ダイオードからの光を第3の異なる色の光に変換する第3の色変換層を形成しうる。第3の光硬化性流体の未硬化残留物が除去されうる。
【0008】
発光ダイオードのアレイの発光ダイオードが、紫外光を生成するよう構成されうる。第1の色、第2の色、及び第3の色が、青色、緑色及び赤色から選択されうる。第1の色が青色であってよく、第2の色が緑色であってよく、第3の色が赤色であってよい。
【0009】
発光ダイオードのアレイは、第3の複数の発光ダイオードを含むことができ、発光ダイオードのアレイの発光ダイオードが、第3の異なる色の光を生成するよう構成されうる。色変換層が、第3の複数の発光ダイオードの上に形成される必要がない。発光ダイオードのアレイの発光ダイオードが、青光又は紫色の光を生成するよう構成されうる。第1の色、及び第2の色が、緑色及び赤色から選択されうる。第1の色が緑色であってよく、第2の色が赤色であってよい。
【0010】
第1の光硬化性流体を分配すること、及び第2の光硬化性流体を分配することが、スピンオン(spin-on)、浸漬(dipping)、スプレーオン(spray-on)、又はインクジェットプロセスを含みうる。第1の光硬化性流体の未硬化残留物を除去すること、及び第2の光硬化性流体の未硬化残留物を除去することが、リンス又は溶解の1つ以上を含みうる。
【0011】
複数の分離壁が、発光ダイオードのアレイの隣り合う発光ダイオード間のバックプレーン上に形成されうる。第1の複数の発光ダイオードの作動中に、分離壁は、第1の複数の発光ダイオードからの照射が第2の複数の発光ダイオードに到達するのを阻止しうる。分離壁が、フォトレジストで形成されうる。
【0012】
第1の光硬化性流体及び第2の光硬化性流体の少なくとも一方が溶媒を含みうる。溶媒が蒸発させられうる。紫外線遮断層が、発光ダイオードのアレイの上に形成されうる。
【0013】
発光ダイオードのアレイの発光ダイオードはマイクロLEDでありうる。
【0014】
他の態様において、多色ディスプレイが、
バックプレーン回路を有するバックプレーンと、
バックプレーンのバックプレーン回路と電気的に一体化されたマイクロLEDのアレイと、
第1の複数の発光ダイオードのそれぞれの上の第1の色変換層と、
第2の複数の発光ダイオードのそれぞれの上の第2の色変換層と、
アレイの隣り合うマイクロLEDを隔てる複数の分離壁と、を含む。
アレイのマイクロLEDが、同じ波長範囲の照射を生成するよう構成され、第1の色変換層が上記照射を第1の色の光に変換し、第2の色変換層が上記照射を第2の異なる色の光に変換する。
【0015】
実施形態は、任意選択的に、以下の利点のうちの1つ以上を提供することが可能である(以下の利点のうちの1つ以上には限定されない)。
【0016】
処理ステップ(コーティング、インシトゥ(in-situ)硬化、及びリンス)が、大規模なフォーマット及び高スループット動作を支援する。したがって、色変換剤が、より高い歩留まり及びスループットで、マイクロLEDのアレイの上に選択的に形成されうる。このことにより、多色マイクロLEDディスプレイを商業的に実行可能なやり方で製造することが可能となる。可撓性の及び/又は伸縮自在なディスプレイが、より容易に製造されうる。インシトゥ硬化により、アライメント精度が自動的に保証されうる。
【0017】
ホストポリマーが、ダイの保護のためのパッシベーション層として機能しうる。ホストポリマーは、機能性成分と適切に混合された場合には、他の機能、例えば、光学的能性を提供することも可能である。
【0018】
他の態様、特徴、及び利点が、明細書の記載及び図面、並びに特許請求の範囲から明らかとなろう。
【0019】
以下では、様々な実施形態について説明する。1つの実行形態の要素及び特徴は、更なる記載がなくとも他の実施形態に有益に組み込まれうると想定される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】すでにバックプレーンと一体化されているマイクロLEDアレイの概略的な上面図である。
図2A】マイクロLEDアレイの一部分の概略的な上面図である。
図2B図2AからのマイクロLEDアレイの一部分の概略的な断面図である。
図3A-D】マイクロLEDアレイの上に選択的に色変換剤(CCA)層を形成する方法を示す。
図3E-H】マイクロLEDアレイの上に選択的に色変換剤(CCA)層を形成する方法を示す。
図4A-C】光硬化性流体の配合を示す。
図5A-C】バックプレーン上にマイクロLEDアレイ及び分離壁を作製する方法を示す。
図5D-E】バックプレーン上にマイクロLEDアレイ及び分離壁を作製する方法を示す。
図6A】バックプレーン上にマイクロLEDアレイ及び分離壁を作製するための他の方法を示す。
図6B】バックプレーン上にマイクロLEDアレイ及び分離壁を作製するための他の方法を示す。
図6C】バックプレーン上にマイクロLEDアレイ及び分離壁を作製するための他の方法を示す。
図6D】バックプレーン上にマイクロLEDアレイ及び分離壁を作製するための他の方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
様々な図面における同じ参照記号は、同じ要素を示す。
【0022】
上述のように、色変換剤の選択的堆積は、高解像度シャドウマスク、又は制御可能なインクジェット若しくはエアロゾルジェット印刷を使用して行われうる。残念ながら、シャドウマスクは、位置合わせ精度及びスケーラビリティに関する問題を生じやすく、インクジェット及びエアロゾルジェット技術は、解像度(インクジェット)、精度(インクジェット)及びスループット(エアロゾルジェット)の問題を被る。マイクロLEDディスプレイを製造するために、新しい技術が、様々な色のための色変換剤を、大面積基板又はフレキシブル基板といった基板上の様々なピクセル上に、正確かつコスト効率良く供給するために必要とされている。
【0023】
これらの問題に対処しうる技術は、第1の色のための色変換剤(CCA:color conversion agent)を含有する光硬化性流体の層を、モノクロマイクロLEDのアレイを有する基板上にコーティングし、次いで、選択されたLEDをオンにして、インシトゥ重合を誘発し、選択されたピクセルの近傍でCCAを固定することである。選択されていないサブピクセル上の未硬化流体を除去することができ、次いで、ウエハ上のすべてのサブピクセルが所望の色のCCAで覆われるまで、異なる色のCCAを用いて同じプロセスを繰り返すことができる。この技術は、アライメント精度、スループット、及びスケーラビリティにおける課題を克服することができる。
【0024】
図1は、バックプレーン16上に配置された個々のマイクロLED14(図2A及び図2B参照)のアレイ12を含むマイクロLEDディスプレイ10を示す。マイクロLED14は、各マイクロLED14を個別にアドレス指定できるように、バックプレーン回路18と既に一体化されている。例えば、バックプレーン回路18はTFTアクティブマトリクスアレイを含むことができ、TFTアクティブマトリクスアレイには、各マイクロLEDのための薄膜トランジスタ及び蓄積キャパシタ(図示せず)、列アドレス及び行アドレス線18a、マイクロLED14を駆動するための列及び行ドライバ18bなどが含まれる。代替的に、マイクロLED14は、バックプレーン回路18内のパッシブな(passive)マトリクスによって駆動されうる。バックプレーン16は、従来のCMOSプロセスを用いて作製されうる。
【0025】
図2A及び図2Bは、個別のマイクロLED14を含むマイクロLEDアレイ12の一部分12aを示す。全てのマイクロLED14が、同じ波長範囲を生成するように、同じ構造で作製されている(これは、「モノクロ」マイクロLEDと呼ぶことができる)。例えば、マイクロLED14は、紫外線(UV)、例えば近紫外線の範囲の光を生成することが可能である。例えば、マイクロLED14は、365~405nmの範囲内の光を生成することが可能である。他の例として、マイクロLED14は、紫色又は青色範囲の光を生成することが可能である。マイクロLEDは、20~60nmのスペクトル帯域幅を有する光を生成することが可能である。
【0026】
図2Bは、1ピクセルを提供することが可能なマイクロLEDアレイの一部分を示す図である。マイクロLEDディスプレイが3色ディスプレイであると仮定すると、各ピクセルが3つのサブピクセルを含み、即ち、各ピクセルが各色について1つのサブピクセルを含み、例えば、青色、緑色、及び赤色のチャネルのためにそれぞれ1つのサブピクセルを含む。このように、ピクセルは、3つのマイクロLED14a、14b、14cを含むことができる。例えば、第1のマイクロLED14aが、青色のサブピクセルに対応することができ、第2のマイクロLED14bが、緑色のサブピクセルに対応することができ、第3のマイクロLED14cが、赤色のサブピクセルに対応することができる。しかしながら、後述する技術は、より多数の色、例えば4色以上の色を使用するマイクロLEDディスプレイに適用可能である。この場合、各ピクセルは、4つ以上のマイクロLEDを含むことができ、各マイクロLEDが、それぞれの色に対応している。さらに、後述する技術は、たった2色を使用するマイクロLEDディスプレイに適用可能である。
【0027】
一般に、モノクロマイクロLED14は、ピークを有する或る波長範囲内の光であって、その波長が、ディスプレイのために意図された最高周波数の色の波長以下である光、例えば、紫色光又は青色光を生成することが可能である。色変換剤は、この短い波長の光をより長い波長光へと、例えば、赤色のサブピクセルについての赤色光、又は緑色のサブピクセルについての緑色光へと変換することが可能である。マイクロLEDがUV光を生成する場合には、色変換剤が、UV光を青色サブピクセルに対する青色光に変換するために使用されうる。
【0028】
垂直方向の分離壁20が、隣り合うマイクロLEDの間に形成されている。分離壁は光学的隔離をもたらして、以下で論じるインシトゥ重合の間に、重合を局所化し光学的クロストークを低減することを助ける。分離壁20は、フォトレジスト又は金属であってよく、従来のリソグラフィプロセスによって堆積することができる。図2Aに示すように、壁20は矩形のアレイを形成することができ、各マイクロLED14が、壁20により画定された個々の凹部22内に存在する。他のアレイ形状、例えば、六角形又はオフセット矩形の(offset rectangular)アレイも可能である。バックプレーン集積化及び分離壁形成のための可能なプロセスは、以下でより詳細に検討する。
【0029】
壁の高さHは、約3~20mmでありうる。壁の幅Wは、約2~10μmでありうる。高さHは、幅Wより大きいとすることができ、例えば、壁は、1.5:1~5:1のアスペクト比を有しうる。壁の高さHは、1のマイクロLEDからの光が、隣のマイクロLEDに到達することを阻止するのに十分である。
【0030】
図3A図3Hは、マイクロLEDアレイの上に色変換剤(CCA)層を選択的に形成する方法を示している。最初に、図3Aに示されるように、第1の光硬化性流体30aが、バックプレーン回路と既に一体化されているマイクロLED14のアレイの上に堆積される。第1の光硬化性流体30aは、分離壁20の高さHよりも大きな深さDを有しうる。
【0031】
図4Aを参照すると、第1の光硬化性流体30aは少なくとも、架橋性基32と、マイクロLED14の発光に対応する波長の照射下で重合を誘発する光開始剤34と、色変換剤36aと、を含む。
【0032】
架橋性基32は、重合に供された場合には流体30aの粘度を上げ、例えば、流体30aは凝固しうるか又はゲル状ネットワーク構造を形成しうる。架橋性基32は、硬化時にポリマーを形成するモノマー、例えばアクリレート、メタクリレート及びアクリルアミドによって提供されうる。架橋性基32は、ネガ型フォトレジスト、例えばSU-8フォトレジストによって提供されうる。
【0033】
光開始剤34の例としては、インガキュア(Irgacure)184、インガキュア819、ダロキュア(Darocur)1173、ダロキュア4265、ダロキュアTPO、オムニキャット(Omnicat)250及びオムニキャット550が挙げられる。
【0034】
色変換剤36aは、マイクロLED14からのより短い波長の光を、3色のいずれかに対応するより長い波長の光に変換することが可能な材料である。図3A図3Hに示す例では、色変換剤36は、マイクロLED14からのUV光を青色光に変換する。色変換剤36は、量子ドット、ナノ構造、有機又は無機蛍光分子、又は他の適切な材料を含みうる。
【0035】
任意選択的に、第1の光硬化性流体30aは、溶媒37、例えば、水、エタノール、トルエン、又はメチルエチルケトン、又はこれらの組合せを含むことができる。溶媒は、有機又は無機でありうる。溶媒は、第1の光硬化性流体30aに所望の表面張力及び/又は粘度を与えるように選択することができる。溶媒はまた、他の成分の化学的安定性を改善することができる。
【0036】
任意選択的に、第1の光硬化性流体30aは、1つ以上の他の機能性成分38を含むことができる。一例として、機能性成分は、色変換層の光学特性に影響を与えることが可能である。例えば、機能性成分は、ナノ粒子であって、色変換層が出力光の光路を調節する光学層として機能し例えばマイクロレンズを提供するのに十分に高い屈折率を有するナノ粒子を含みうる。代替的に又は付加的に、ナノ粒子は、全反射損失を低減しこれにより光抽出を改善する光学層として色変換層が機能するように選択された屈折率を有しうる。他の例として、機能性成分は、流体30aの表面張力を調節するための界面活性剤でありうる。
【0037】
図3Aに戻ると、第1の光硬化性流体30aが、スピンオン(spin-on)、浸漬(dipping)、スプレーオン(spray-on)、又はインクジェットプロセスによって、マイクロLEDアレイの上のディスプレイ上に堆積されうる。インクジェットプロセスが、第1の光硬化性流体30aの消費においては、より効率的でありうる。
【0038】
次に、図3Bに示すように、バックプレーン16の回路が、第1の複数のマイクロLED14aを選択的に作動させるために使用される。この第1の複数のマイクロLED14aは、第1の色のサブピクセルに対応している。特に、第1の複数のマイクロLED14aは、光硬化性流体30a中の色変換成分によって生成される色の光のためのサブピクセルに対応している。例えば、流体30a中の色変換成分がマイクロLED14からの光を青色光に変換すると仮定すると、青色サブピクセルに対応するマイクロLED14aのみがオンになる。マイクロLEDアレイは、バックプレーン回路18と既に一体化されているため、電力をマイクロLEDディスプレイ10に供給することが可能であり、マイクロLED14aを選択的にオンにするために、制御信号がマイクロプロセッサによって印加されうる。
【0039】
図3B及び図3Cを参照すると、第1の複数のマイクロLED14aの作動によって照射A(図3B参照)が生じ、これにより、第1の光硬化性流体30aのインシトゥ硬化が引き起こされ、各作動されたマイクロLED14aの上に第1の凝固色変換層40a(図3C参照)が形成される。要するに、流体30aが硬化して色変換層40aを形成するが、色変換層40aは、選択されたマイクロLED14aの上にのみ形成される。例えば、青色光に変換するための色変換層40aが、各マイクロLED14aの上に形成されうる。
【0040】
幾つかの実施形態において、硬化は自己制限プロセスである。例えば、マイクロLED14aからの照射、例えばUV照射は、光硬化性流体30aへの制限された浸透深さを有しうる。したがって、図3Bは、照射Aが光硬化性流体30aの表面に達しているのを示しているが、このことは必須ではない。幾つかの実施形態において、選択されたマイクロLED14aからの照射が、他のマイクロLED14b、14cには到達しない。この状況では、分離壁20は必ずしも必要ではないかもしれない。
【0041】
しかしながら、マイクロLED14間の間隔が十分に小さい場合には、分離壁20は、選択されたマイクロLED14aからの照射Aが、他のマイクロLEDの上の領域であって、当該他のマイクロLEDからの照射の浸透深さの範囲内にあるであろう領域に到達することを積極的に阻止しうる。分離壁20は、例えば、単に、他のマイクロLEDの上方の領域に照射が達することに対する保険として含めることも可能である。
【0042】
第1の複数のマイクロLED14aの駆動電流及び駆動時間は、光硬化性流体30aの光子線量を最適化するよう選択することが可能である。流体30aを硬化させるためのサブピクセル当たりのパワーは、マイクロLEDディスプレイ10の表示モードにおけるサブピクセル当たりのパワーと必ずしも同じではない。例えば、硬化モードのためのサブピクセル当たりのパワーは、表示モードのサブピクセル当たりのパワーよりも高くすることができる。
【0043】
図3Dを参照すると、硬化が完了し第1の凝固色変換層40aが形成されると、残留した未硬化の第1の光硬化性流体がディスプレイ10から除去される。これにより、他のマイクロLED14b、14cは、次の堆積ステップのために露出した状態で残される。幾つかの実施形態において、未硬化の第1の光硬化性流体30aが、溶媒を用いて、例えば、水、エタノール、トルエン、又はメチルエチルケトン、又はこれらの組合せを用いて、ディスプレイから単にリンスされる。光硬化性流体30aがネガ型フォトレジストを含む場合には、リンス流体が、フォトレジスト用のフォトレジスト現像液を含みうる。
【0044】
図3E及び図4Bを参照すると、図3A図3Dに関して上述した処理が繰り返されるが、第2の光硬化性流体30bが用いられ、第2の複数のマイクロLED14bが作動させられる。リンスの後で、第2の色変換層40bが、第2の複数のマイクロLED14bのそれぞれの上に形成される。
【0045】
第2の光硬化性流体30bは、第1の光硬化性流体30aと同様であるが、マイクロLED14からのより短い波長の光を、第2の異なる色のより長い波長の光に変換するための色変換剤36bを含む。第2の色は、例えば緑色でありうる。
【0046】
第2の複数のマイクロLED14bは、第2の色のサブピクセルに対応している。特に、第2の複数のマイクロLED14bは、第2の光硬化性流体30b中の色変換成分によって生成される色の光のためのサブピクセルに対応している。例えば、流体30a中の色変換成分が、マイクロLED14からの光を緑色光に変換すると仮定すると、緑色のサブピクセルに対応するマイクロLED14bのみがオンになる。
【0047】
図3F及び図4Cを参照すると、任意選択的に、図3A図3Dに関して上述した処理がさらに再度繰り返されるが、第3の光硬化性流体30cが用いられ、第3の複数のマイクロLED14cが作動させられる。リンスの後で、第3の色変換層40cが、第3の複数のマイクロLED14cのそれぞれの上に形成される。
【0048】
第3の光硬化性流体30cは、第1の光硬化性流体30aと同様であるが、マイクロLED14からのより短い波長の光を、第3の異なる色のより長い波長の光に変換するための色変換剤36cを含む。第3の色は、例えば赤色でありうる。
【0049】
第3の複数のマイクロLED14bは、第3の色のサブピクセルに対応している。特に、第3の複数のマイクロLED14bは、第3の光硬化性流体30b中の色変換成分によって生成される色の光のためのサブピクセルに対応している。例えば、流体30a中の色変換成分が、マイクロLED14からの光を赤色光に変換すると仮定すると、赤色サブピクセルに対応するマイクロLED14bのみがオンになる。
【0050】
図3A図3Fに示したこの特定の例では、色変換層40a、40b、40cが、カラーサブピクセルごとに堆積させられる。このことは、例えば、マイクロLEDが紫外光を生成する場合には必要となる。
【0051】
しかしながら、マイクロLED14は、UV光の代わりに、青色光を生成することもあるであろう。この場合には、青色変換剤を含有する光硬化性流体によるディスプレイ10のコーティングを省くことができ、プロセスが、緑色及び赤色サブピクセルのための光硬化性流体を使用して実施されうる。例えば図3Eに示すように、色変換層が設けられていない複数のマイクロLEDが1つ残される。図3Fに示すプロセスは実行されない。例えば、第1の光硬化性流体30aは緑色CCAを含むことができ、第1の複数のマイクロLED14aは緑色サブピクセルに対応することができ、第2の光硬化性流体30bは赤色CCAを含むことができ、第2の複数のマイクロLED14bは赤色サブピクセルに対応することができる。
【0052】
流体30a、30b、30cが溶媒を含んでいたと仮定すると、いくらかの溶媒が色変換層40a、40b、40c内に溜まっていることがある。図3Gを参照すると、この溶媒は、例えばIRランプなどによって、マイクロLEDアレイを熱に曝すことによって蒸発させることが可能である。色変換層40a、40b、40cからの溶媒の蒸発は、結果的に、最終層がより薄くなるように層の収縮をもたらしうる。
【0053】
溶媒を除去し、色変換層40a、40b、40cを収縮させることによって、色変換剤、例えば量子ドットの濃度を上げることができ、従って、より高い色変換効率がもたらされる。その一方で、溶媒を含むことは、光硬化性流体の他の成分の化学配合における、例えば色変換剤又は架橋性成分におけるより大きなフレキシビリティを可能とする。
【0054】
任意選択的に、図3Hに示すように、UV遮断層50が、マイクロLED14のすべての上に堆積させられうる。UV遮断層50は、色変換層40によって吸収されないUV光を遮断することが可能である。UV遮断層50は、ブラッグ反射器であってよく、又は単に、UV光を選択的に吸収する材料であってよい。ブラッグ反射器は、UV光をマイクロLED14に向けて反射させることができ、したがってエネルギー効率が上がる。
【0055】
図5A図5Eは、バックプレーン上にマイクロLEDアレイ及び分離壁を作製する方法を示す。図5Aを参照すると、プロセスが、マイクロLEDアレイを提供することになるウエハ100から開始される。ウエハ100は、基板102、例えば、ケイ素又はサファイアのウエハを含み、その上に、第1のドーピングを有する第1の半導体層104と、活性層106と、第2の反対のドーピングを有する第2の半導体層108と、が配置されている。例えば、第1の半導体層104は、n型ドープされた窒化ガリウム(n-GaN)層とすることができ、活性層106は、多重量子井戸(MQW:multiple quantum well)層106とすることができ、第2の半導体層107は、p型ドープされた窒化ガリウム(p-GaN)層108とすることができる。
【0056】
図5Bを参照すると、ウエハ100をエッチングして、層104、106、108を、第1の色、第2の色、及び第3の色に対応する第1の複数のマイクロLED14a、第2の複数のマイクロLED14b、及び第3の複数のマイクロLED14cを含む個々のマイクロLED14へと分割する。さらに、導電性コンタクト110を堆積させることができる。例えば、p型コンタクト110aは、p型GaN層108の上に堆積させることでき、n型コンタクト110bは、n型GaN層104の上に堆積させることが可能である。
【0057】
同様に、バックプレーン16は、回路18及び電気コンタクト120を含むよう作製されている。電気コンタクト120は、第1のコンタクト120a、例えば駆動コンタクト、及び第2のコンタクト120b、例えば接地コンタクトを含みうる。
【0058】
図5Cを参照すると、マイクロLEDウエハ100が、バックプレーン16と接触して位置合わせされて、配置される。例えば、第1のコンタクト110aは第1のコンタクト120aに接触させることができ、第2のコンタクト110bは第2のコンタクト120bに接触させることができる。マイクロLEDウエハ100を、バックプレーンと接触するように下げることができ、又はその逆もできる。
【0059】
次に、図5Dを参照すると、基板102が除去される。例えば、ケイ素基板が、当該基板102を研磨することによって、例えば化学機械研磨によって除去されうる。他の例として、サファイア基板が、レーザリフトオフプロセスによって除去されうる。
【0060】
最後に、図5Eを参照すると、分離壁20が、(マイクロLED14がすでに取り付けられている)バックプレーン16上に形成される。分離壁は、従来のプロセスによって形成され、例えば、フォトレジストの堆積、フォトリソグラフィによるフォトレジストのパターニング、及び凹部22に対応するフォトレジストの部分を除去するための現像によって形成されうる。結果的に得られた構造は、その後、図3A図3Hについて記載された処理のためのディスプレイ10として使用されうる。
【0061】
図6A図6Dは、バックプレーン上にマイクロLEDアレイ及び分離壁を作製するための他の方法を示す。このプロセスは、以下に述べることを除いて、図5A図5Eについて上述したプロセスと同様とすることができる。
【0062】
図6Aを参照すると、プロセスは、マイクロLEDアレイ及びバックプレーン16を提供することになるウエハ100から開始される。
【0063】
図6Bを参照すると、分離壁20が、(マイクロLED14がまだ取り付けられていない)バックプレーン16上に形成される。
【0064】
さらに、ウエハ100をエッチングして、層104、106、108を、第1の複数のマイクロLED14a、第2の複数のマイクロLED14b、及び第3複数のマイクロLED14cを含む個々のマイクロLED14に分割する。しかしながら、このエッチングプロセスによって形成される凹部130は、分離壁20を収容するのに十分な深さである。例えば、凹部130が基板102内を延在するように、エッチングが続けられうる。
【0065】
次に、図6Cに示されるように、マイクロLEDウエハ100が、バックプレーン16と接触して位置合わせされて、配置される(その逆も然りである)。分離壁20は、凹部130に収まっている。さらに、マイクロLEDのコンタクト110が、バックプレーン16のコンタクト120に電気的に接続されている。
【0066】
最後に、図6Dを参照すると、基板102が除去される。これにより、マイクロLED14及び分離壁20が、バックプレーン16上に残される。結果的に得られた構造は、その後、図3A図3Hについて記載された処理のためのディスプレイ10として使用されうる。
【0067】
垂直方向及び横方向といった位置決めの用語を使用してきた。しかしながら、このような用語は、重力に対する絶対的な位置決めではなく、相対的な位置決めを指すことと理解されたい。例えば、横方向は、基板表面に対して平行な方向であり、垂直方向は、基板表面に対して垂直な方向である。
【0068】
当業者には、前述の例が例示的なものであって限定的なものではないことが分かるであろう。
例えば、
・上述の説明は、マイクロLEDに焦点を当てているが、本技術は、他の種類の発光ダイオードを備えた他のディスプレイ、特に、他のマイクロスケールの発光ダイオード、例えば、両端が約10ミクロン未満のLEDを有するディスプレイにも適用することが可能である。
・上記の説明では、色変換層が形成される順序は、青、次いで緑、次いで赤であると仮定したが、他の順序が可能であり、例えば、青、次いで赤、次いで緑も可能である。さらに、他の色が可能であり、例えば、橙色及び黄色も可能である。
【0069】
本開示の思想及び範囲から逸脱することなく、様々な変更を行えることが分かるであろう。
図1
図2A
図2B
図3A-D】
図3E-H】
図4A-C】
図5A-C】
図5D-E】
図6A
図6B
図6C
図6D