(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-21
(45)【発行日】2023-06-29
(54)【発明の名称】水位検知システム及び排ガス処理装置
(51)【国際特許分類】
B01D 53/78 20060101AFI20230622BHJP
G01F 23/62 20060101ALI20230622BHJP
B01D 53/46 20060101ALI20230622BHJP
B01D 53/18 20060101ALI20230622BHJP
【FI】
B01D53/78
G01F23/62 J ZAB
B01D53/46
B01D53/18 150
(21)【出願番号】P 2020031942
(22)【出願日】2020-02-27
【審査請求日】2022-10-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000000239
【氏名又は名称】株式会社荏原製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100146710
【氏名又は名称】鐘ヶ江 幸男
(74)【代理人】
【識別番号】100137039
【氏名又は名称】田上 靖子
(74)【代理人】
【識別番号】100186613
【氏名又は名称】渡邊 誠
(72)【発明者】
【氏名】富井 隆之
(72)【発明者】
【氏名】後藤 裕司
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 一知
(72)【発明者】
【氏名】池田 宏
【審査官】小久保 勝伊
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-379(JP,A)
【文献】実開昭54-65940(JP,U)
【文献】特開平1-164420(JP,A)
【文献】実開昭60-74020(JP,U)
【文献】特開2003-307450(JP,A)
【文献】特開2018-135192(JP,A)
【文献】実開昭55-68024(JP,U)
【文献】実公昭56-126531(JP,Y1)
【文献】特開平3-2528(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0021337(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 53/18、53/46、53/78
G01F 23/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
排ガス処理装置内を循環する循環水を収容可能な槽と、
給排水機構であって、
前記槽内の水位が第1の水位に達したときに、前記排ガス処理装置への新水の供給を停止すること、および、前記排ガス処理装置からの循環水の排出を開始することのうち少なくとも一方を行うように構成され、前記槽内の水位が前記第1の水位より低い第2の水位に達したときに、前記排ガス処理装置への新水の供給を開始すること、および、前記排ガス処理装置からの循環水の排出を停止することのうち少なくとも一方を行うように構成される、給排水機構と、
を備える排ガス処理装置に使用される水位検知システムであって、
前記槽内に配置される、前記第1の水位及び前記第2の水位を検知可能なフロート式水位センサと、
前記フロート式水位センサの周りに配置され、前記槽の底面に向けて開口する下部開口と、上部開口と、上部側面開口と、を有する筒状体と、
前記筒状体の前記上部開口を通して前記筒状体の内部に水を供給するように構成される給水装置と、を備える、水位検知システム。
【請求項2】
請求項1に記載の水位検知システムであって、
前記給水装置は、
給水源に接続される給水経路と、
前記給水経路に接続され、前記筒状体の内部に向けて開口する開口部を有する給水口部と、
を備える、水位検知システム。
【請求項3】
請求項2に記載の水位検知システムであって、
前記給水口部からの水の供給量は、前記筒状体の前記下部開口から前記筒状体の外側に流出する水の流れを発生させるように設定される、水位検知システム。
【請求項4】
請求項3に記載の水位検知システムであって、
前記水の供給量は、前記筒状体内の水位下降速度が前記槽内の水位上昇速度より大きくなるように設定される、水位検知システム。
【請求項5】
請求項2~4のいずれか一項に記載の水位検知システムであって、
前記給水口部は、スプレーノズルを含む、水位検知システム。
【請求項6】
請求項5に記載の水位検知システムであって、
前記スプレーノズルは、フルコーンスプレーノズルである、水位検知システム。
【請求項7】
請求項6に記載の水位検知システムであって、
前記フルコーンスプレーノズルの噴射角度は、噴射された水が、前記第1の水位における前記フロート式水位センサのフロートの上面の位置と等しいか、これより高い位置で前記筒状体の内面に衝突するように設定される、水位検知システム。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載の水位検知システムであって、
前記給水装置は、前記槽内の水が前記第1の水位に達したときに水の供給を停止し、前記槽内の水が前記第2の水位に達したとき水の供給を開始するように構成される、水位検知システム。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載の水位検知システムであって、
前記筒状体の前記下部開口に取り付けられるフィルタ部材を備える、水位検知システム。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載の水位検知システムであって、
前記給水装置によって供給される水が、新水である、水位検知システム。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか一項に記載の水位検知システムであって、
前記排ガス処理装置によって処理される排ガスは、シラン系ガスである、水位検知システム。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載の水位検知システムであって、
前記フロート式水位センサは、
長さ方向に所定の間隔をおいて配置される一対のリードスイッチを収容する筒状のステムと、
前記ステムの長さ方向に摺動可能に前記ステムの外周に嵌合され、それぞれ、内部に磁石を有する一対のフロートと、を備える、水位検知システム。
【請求項13】
請求項12に記載の水位検知システムであって、
前記ステムの外周面にフランジが形成されており、前記フランジに前記筒状体が取り付けられており、
前記給水装置からの水は前記フランジを通して供給される、水位検知システム。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載の水位検知システムを備える、排ガス処理装置。
【請求項15】
請求項14に記載の排ガス処理装置であって、前記給排水機構は、前記循環水を循環させる循環水ポンプを介して前記槽に接続される排水機構を含む、排ガス処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水位検知システム及びこれを備える排ガス処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
排ガス処理装置は、多くの場合、真空ポンプ装置の後段に設けられる。真空ポンプ装置は、半導体またはLED等の製造設備の一つとして広く使用されている。これらの製造プロセス等においては、真空ポンプを真空チャンバに接続して、真空チャンバ内に導入された処理ガスを真空ポンプによって真空引きする。真空ポンプによって真空引きする気体には、シランガス(SiH4)、ジクロロシラン(SiH2Cl2)、アンモニア(NH3)などの可燃性ガス、またはNF3、ClF3、ClF3等のハロゲン系ガスが含まれる場合があり、そのまま大気中に放出できない。その為に従来、真空ポンプ装置の後段に、真空引きしたガスを無害化処理する排ガス処理装置を設けている。
【0003】
例えば特許文献1に記載される排ガス処理装置のような、ユーティリティとして水を用いる産業用機械において、装置に供給される新水の量を低減する為、タンク及びポンプを介して装置内を循環する循環水が用いられる場合がある。循環水は、洗浄水または冷却水等として装置内で使用された後、一旦、タンクに回収される。回収された水は、ポンプを用いて再度装置内の各部へ供給され再使用される。
【0004】
排ガス処理装置は、循環水が回収されるタンク内の水位を監視する水位検知システムを備えることができる。水位検知システムは、タンク内の水位を検知するようにタンク内に配置される水位センサを含むことができる。タンク内の水位を検知することによって、装置内で生じる漏水及び循環水の枯渇を未然に防止することが可能である。
【0005】
また、タンク内の水位の検知結果を、装置の稼働および搭載機器類に異常がないかを判断する一つの指標とすることができる。外見上において判断しかねる弁や流量計の故障及び不具合についても、タンク内の水位を確認することで早急に検知することが可能になる。従って、水位センサを正常に稼働させることにより重大な事故及び故障を未然に防止することができる。
【0006】
水位センサは、可動部の有無及び水位検知する液体との接触の有無によって分類することができる。
【0007】
可動部を有し液体と接触する水位センサの例として、フロート(換言すれば、浮子)を用いるフロート式水位センサを挙げることができる。フロート式水位センサでは、タンク内の水の浮力が利用される。
図3は、フロート式水位センサの一例としてのフロートガイドパイプ式水位センサ100(以下、水位センサ100)を示す外観図である。
図4は、水位センサ100の作動原理を説明する図である。水位センサ100は、筒状のステム102と、ステム102の長さ方向に摺動可能にステム102の外周に嵌合される複数(図示の例では2つ)のフロート104a、104bとを備える。ストッパ106a、106bが、ステム102上の所定の位置に固定される。ストッパ106a、106bの位置は、検出されるべき水面の高さに応じて調整される。具体的には、検出されるべき第1の水位(
図3ではL1)が上部ストッパ106aの間に設定され、検出されるべき第2の水位(
図3ではL2)が下部ストッパ106bの間に設定されるように、ストッパ106a、106bの位置が調整される。フロート104a、104bは、それぞれ、隣接するストッパ106a、106bの間で上下動可能であるように配置される。
【0008】
108は、水位センサ100を設置するための取り付け用のフランジである。フランジ108は、ステム102の外周面に設けられ、タンク200の上壁部等に固定される。これにより、水位センサ100をタンク200に取り付けることができる。
図4に示すように、ステム102は、長さ方向に延びる空洞部(符号省略)を有し、空洞部内で、検出されるべき水面の高さ(すなわち、第1の水位L1及び第2の水位L2)に対応する位置に一対のリードスイッチ110a、110bが配置される。各フロート104a、104bには、磁石112a、112bが内蔵されている。
図4には、第1および第2の水位L1、L2に対応するフロート104a、104bとリードスイッチ110a、110bとの組み合わせが示されている。ステム102内の電線114は、ステム102の上端部から、端子ボックス116に導入される。端子ボックス116は、フランジ108の上部に設置され、図示せぬ制御装置等に電気的に接続される。
【0009】
水位センサ100では、水面に浮かぶフロート104a、104bがステム102に沿って上下動する。フロート104a、104b内部の磁石112によって、ステム102内部のリードスイッチ110a、110bが開閉される。これにより、水位を検知することができる。
【0010】
また、
図3の例では、フランジ108の下面に防波管118が固定されている。防波管118は、タンク200の底面に向けて開口する下部開口118aと、上部開口118bと、上部側面開口118cとを有する。防波管118は、水位センサ100のフロート104a、104bを取り囲むように配置され、水位センサ100と共に、水位検知システム120を構成する。タンク200内の水は、下部開口118aから防波管118内に流入する。タンク200内で、防波管118の内側の水面と防波管118の外側の水面は、互いに同一の高さにある。防波管118によって、タンク200内の水位を、水面の状況に影響されずに検知することができる。
【0011】
水位検知する液体が強酸水溶液の場合、水位センサが液体と接触する部材には耐食性が必要とされる。フロート式水位センサの長所として、材質に耐食性を有した樹脂を選定可能であり、低コストで耐食性能を実現可能であることが挙げられる。その為、フロート式水位センサの耐食性能とコストは理想的といえる。短所として、循環水タンク水中に発生する生成物によってフロートが影響され誤動作を起こし易いことが挙げられる。特に、タンク内の水に粉体及び泡状の生成物が含まれる環境下では、頻繁にメンテナンスを行うことが必要とされる。使用環境が制限される点がフロート式水位センサの短所といえる。
【0012】
特に排ガス処理装置内は、酸性ガスの処理により強酸水溶液を取り扱う。また、ガス酸化分解によってシリカ(SiO2)等の粉体が装置内循環水に大量に混入するハイドロゾルを取り扱うこととなる。さらにジクロロシラン(SiH2Cl2)、ヘキサクロロジシラン(Si2Cl6)等のガスが水と反応した生成物の中には完全な反応が終わっていない、不安定な状態の反応物が生成される場合がある。具体的には水素を発生する反応性の高いシロキサン混合物として泡状の生成物となり、タンク内の水面に浮遊する場合がある。この場合、下記要因よりフロート式水位センサが正常に動作しない可能性が高い。
【0013】
図5に示すように、上記のフロート式水位センサ100を用いる従来の水位検知システムでは、タンク200内の粉体物202及び泡状生成物204が、防波管118の下部開口118aを通して防波管118の内部に侵入する。粉体物202は、水中を浮遊し、フロート式水位センサ100のフロート104a、104bとステム102との間に固着することでフロート104a、104bが動作しなくなり誤検知が生じる原因となる。これは、水位検知システムの正常な動作を阻害する。また、水面上を浮遊する泡状生成物204はフロート104a、104bを実水位と異なる高さまで上昇させ、フロート104a、104bの上下動に影響し、その結果、正常な水位を測定できず誤検知の要因となり得
る。
【0014】
一方、可動部を有さず、液体と接触する水位センサの例として、電極式の水位センサを挙げることができる。長所としてはフロート式センサと比較するとメンテナンスの頻度が少ないことが挙げられる。短所としては水位検知する液体が強酸水溶液等の腐食性の液体には本体材質に耐食性をもつ金属を選定する必要があり、コストが高い点が挙げられる。
【0015】
また、可動部を有さず、水位検知する液体と接触しない水位センサの例として、静電容量式、超音波式及びレーザ式の水位センサを挙げることができる。これらの水位センサの長所は、非接触である為、水位検知する液体の性質に影響されないことが挙げられる。また、フロート式水位センサのように粉体生成物による固着を起因とする問題も起きにくい。短所としてコストが高い点と泡状の生成物が循環水タンク側面に付着した場合に誤検知を起こす可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明の一実施形態は、低コストの水位センサを用いて、使用環境の制約を受けることなく且つメンテナンスフリーの水位検知システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の一実施形態によれば、排ガス処理装置内を循環する循環水を収容可能な槽と、給排水機構であって、槽内の水位が第1の水位に達したときに、排ガス処理装置への新水の供給を停止すること、および、排ガス処理装置からの循環水の排出を開始することのうち少なくとも一方を行うように構成され、槽内の水位が第1の水位より低い第2の水位に達したときに、排ガス処理装置への新水の供給を開始すること、および、排ガス処理装置からの循環水の排出を停止することのうち少なくとも一方を行うように構成される給排水機構と、を備える排ガス処理装置に使用される水位検知システムが提供される。水位検知システムは、槽内に配置される、第1の水位及び第2の水位を検知可能なフロート式水位センサと、フロート式水位センサの周りに配置され、槽の底面に向けて開口する下部開口と、上部開口と、上部側面開口と、を有する筒状体と、筒状体の上部開口を通して筒状体の内部に水を供給するように構成される給水装置と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の一実施形態による水位検知システムを備える排ガス処理装置の例を示す模式図である。
【
図2】本発明の一実施形態による水位検知システムの模式図である。
【
図3】フロート式水位センサの一例を示す外観図である。
【
図4】フロート式水位センサの作動原理を説明する図である。
【
図5】従来の水位検知システムを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明はあくまでも一例を示すものであって、本願発明の技術的範囲を以下の実施形態に限定する趣旨ではない。また、図面では、同一または相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。尚、以下の説明において、「上」、「下」等の方向を示す用語は、
図1等に示す循環水タンクの設置状態における方向を意味する。
【0021】
図1は、本発明の一実施形態による水位検知システムを備えた産業用機械の一例としての排ガス処理装置1を示す模式図である。
図1において、排ガス処理装置1は燃焼式排ガス処理装置を例示している。
図1に示すように、排ガス処理装置1は、排ガスを燃焼して酸化分解する燃焼式の加熱処理部10と、この加熱処理部10の後段に配置された排ガス洗浄部30とを備えている。加熱処理部10は、排ガスを燃焼する燃焼室12と、燃焼室12に旋回する火炎を形成するバーナ11とを有している。燃焼室12は燃焼部接続管13によって下方に延びている。排ガスは、バイパス弁(三方弁)15を通じて加熱処理部10に供給される。排ガス処理装置に不具合がある場合には、このバイパス弁15が操作され、排ガスが排ガス処理装置に導入されずに、図示しないバイパス管に送られるようになっている。
【0022】
燃料と酸素とは予め予混合器16で混合されて混合燃料が形成され、この混合燃料がバーナ11に供給されるようになっている。また、排ガスを燃焼(酸化)させるための酸素源となる空気がバーナ11に供給される。バーナ11は混合燃料を燃やして燃焼室12に旋回炎を形成し、この旋回炎により排ガスを燃焼させる。燃焼室12の上部には水W1が供給されている。この水W1は燃焼室12の内面に沿って流下し、燃焼室12の内面に水膜を形成する。この水膜により、旋回炎の熱から燃焼室12が保護される。また、バーナ11と燃焼室12との間には、バーナ11を冷却するための冷却水W2が流れる図示しない冷却水路が設けられている。
【0023】
バーナ11を通って燃焼室12に導入された排ガスは、旋回炎により燃焼される。これにより、排ガスに含まれるシランやジシランなど可燃性ガスが酸化分解される。このとき、可燃性ガスの燃焼に伴い、粉体生成物としてシリカ(SiO2)が生成される。このシリカは微小な粉塵として排ガス中に存在する。
【0024】
このような粉体生成物の一部は、バーナ11や燃焼室12の内面に堆積する。そこで、加熱処理部10は、図示しないスクレーパを定期的に操作して、バーナ11や燃焼室12の内面に堆積した粉体生成物を掻き落とすように構成されている。燃焼室12の下方には循環水タンク(換言すれば、槽)20が配置されている。循環水タンク20の内部には堰21が設けられており、この堰21によって上流側の第1の槽20Aと下流側の第2の槽20Bとに区画されている。スクレーパにより掻き落とされた粉体生成物は、燃焼部接続管13を介して循環水タンク20の第1の槽20A内に落下し、第1の槽20Aの底部に堆積する。また、燃焼室12の内面を流下した水膜は第1の槽20Aに流入する。第1の槽20Aの水は、堰21をオーバーフローして第2の槽20Bに流れ込むようになっている。
【0025】
燃焼室12は冷却部25を介して排ガス洗浄部30と連通している。この冷却部25は、燃焼部接続管13に向かって延びる配管26と、この配管26内に配置されたスプレーノズル27とを有している。スプレーノズル27は、配管26を流れる排ガスに対向するように水を噴射する。したがって、加熱処理部10により処理された排ガスは、スプレーノズル27から噴射される水によって冷却される。噴射された水は、配管26を通って循環水タンク20に回収されるようになっている。
【0026】
冷却された排ガスは、次に排ガス洗浄部30に導入される。この排ガス洗浄部30は、水により排ガスを洗浄し、排ガスに含まれる微小な粉塵を除去する装置である。この粉塵は、主として、加熱処理部10での酸化分解(燃焼処理)により生成された、シリカ等の粉体生成物である。
【0027】
排ガス洗浄部30は、ガス流路32を形成する壁部材31と、ガス流路32内に配置さ
れる第1のミストノズル33A、第1の水膜ノズル33B、第2のミストノズル34A、および第2の水膜ノズル34Bとを備えている。これらミストノズル33A,34A及び水膜ノズル33B,34Bは、ガス流路32の中心部に位置し、略直線状に配列されている。
【0028】
第1のミストノズル33Aの上流側には、排ガスの流れを整流する整流部材40が配置されている。この整流部材40は、排ガスの圧力損失を生じさせて、ガス流路32中の排ガスの流れを均一にする。整流部材40の上流側には、ミストノズル41が配置されている。ミストノズル33A,34A,41および水膜ノズル33B,34Bは、壁部材31に取り付けられている。
【0029】
図1に示すように、排ガスは、排ガス洗浄部30の下部に設けられた配管26から排ガス洗浄部30の内部に導入される。排ガスは、排ガス洗浄部30内を下から上に流れる。より詳しくは、配管26から導入された排ガスは、まず、排ガス洗浄部30のミストノズル41に向かう。そして、排ガスは、ミストノズル41により形成されたミストを通過し、整流部材40により整流される。整流部材40を通過した排ガスは均一な流れを形成し、ガス流路32を低速で上昇する。ガス流路32には、ミスト、水膜、ミスト、及び水膜がこの順に形成されている。
【0030】
排ガスに含まれている直径1μm未満の微小な粉塵は、拡散作用(ブラウン運動)により、ミストを構成する水粒に容易に付着し、これによりミストに捕捉される。直径1μm以上の粉塵も、その多くは同様に水粒に捕捉される。粉塵を含む水粒は、下流側の水膜に慣性衝突により容易にぶつかり、水粒とともに粉塵は排ガスから除去される。ミスト捕捉されなかった比較的径の大きい粉塵も、同様にして水膜に捕捉され、除去される。このようにして水により洗浄された排ガスは、壁部材31の上端部から排出される。
【0031】
図1に示すように、排ガス洗浄部30の下方には、上述した循環水タンク20が位置している。ミストノズル33A,34A,41および水膜ノズル33B,34Bから供給された水は、循環水タンク20の第2の槽20Bに回収される。第2の槽20Bに貯留された水は、循環水ポンプPによりミストノズル33A,34A,41および水膜ノズル33B,34Bに供給される。同時に、循環水は、水W1として加熱処理部10の燃焼室12の上部に送られ、上述したように、燃焼室12の内面に水膜を形成する。また、循環水ポンプPによって移送される水の一部は、給水管2を介して循環水タンク20の第1の槽20A内に設置された複数のエダクター3に供給されるようになっている。給水管2には開閉弁V1が設置されており、開閉弁V1を開くことにより、エダクター3に給水できるようになっている。エダクター3から噴射される噴射水によって、第1の槽20A内の水を撹拌し、第1の槽20Aの底部に滞留している粉体を浮遊させて循環水タンク20から排出し易くすることができる。
【0032】
ミストノズル33A,34Aおよび水膜ノズル33B,34Bに供給される水は、循環水タンク20に回収された水であり、粉塵(粉体生成物など)を含んでいる。したがって、ガス流路32を洗浄するために、シャワーノズル50から市水がガス流路32に供給されるようになっている。シャワーノズル50に市水を供給する給水配管5には、給水電磁弁V4を設けることができる。シャワーノズル50の上方には、ミストトラップ51が設けられている。このミストトラップ51は、その内部に複数の邪魔板を有しており、ミストを捕捉することができる。このようにして、処理されて無害化された排ガスは、排気ダクトを介して最終的に大気に放出される。
【0033】
循環水タンク20の第2の槽20Bには、水位センサ50が設けられている。上記したように、第2の槽20Bには、第1の槽20A内の水が堰21をオーバーフローして流入
する。また、スプレーノズル27から配管26内に噴射された水、ミストノズル33A,34A,41、水膜ノズル33B,34B及びシャワーノズル50から排ガス洗浄部30に供給された水が、第2の槽20Bに回収される。
【0034】
第2の槽20B内の水は、循環水タンク20の側壁の所定の高さ位置に形成される排水口20Dから、排水経路6に設けられた排水電磁弁V5を介して排水可能である。循環水タンク20の底部近傍の側壁には、循環水ポンプPが設けられた循環経路7に通じる排水口20Eが形成されている。循環経路7から排水経路8が分岐している。第2の槽20B内の水は、循環水ポンプPが起動されると、排水口20Eから、排水経路8に設けられた排水電磁弁V6を介して排水可能である。
【0035】
排ガス処理装置1は、水位センサ50を含む水位検知システムを備える。水位検知システムによって第2の槽20B内の水位が監視され、第2の槽20B内の水位を所定の範囲内に維持することができる。尚、上記したように、本実施形態の排ガス処理装置1では、循環水タンク20の内部が堰21によって上流側の第1の槽20Aと下流側の第2の槽20Bとに区画されている。従って、水位検知システムは、第2の槽20B内の水位を、循環水タンク20の水位として監視する。しかし、排ガス処理装置1の具体的構成に応じて、循環水タンク20の内部は区画されていなくてもよい。
【0036】
図2は、本発明の一実施形態による、水位センサ50を含む水位検知システム300を説明する模式図である。本実施形態では、一例として、水位センサ50は、
図3~
図5に参照して説明した構成を有するフロートガイドパイプ式水位センサ50(以下、水位センサ50)である。しかし、本発明を適用可能な水位センサは、フロートガイドパイプ式水位センサに限られない。防波管の設置位置等の構造を変更した場合に本発明を適用可能な水位センサの例として、ボールフロート式、または振動式の水位センサを挙げることができる。ここで一例として挙げるフロートガイドパイプ式水位センサは、構造が簡単であり、最も課題に対して効果的である。水位センサ50は、筒状のステム52と、ステム52の長さ方向に摺動可能にステム52の外周に嵌合される複数(図示の例では3つ)のフロート54a~54cとを備える。フロート54a~54cは、それぞれ、磁石を内蔵する。ストッパ56a~56cを、ステム52上の所定の位置に固定することができる。ストッパの位置は、検出されるべき水面の高さに応じて調整される。
【0037】
本実施形態では、第2の槽20B内の水位について、第1の水位L1、第1の水位L1より低い第2の水位L2、及び第2の水位L2より低い第3の水位L3が、予め決められている。従って、水位センサ50は、第1の水位L1を検知するための第1のフロート54aと、第2の水位L2を検知するための第2のフロート54bと、第3の水位L3を検知するための第3のフロート54cと、を有する三点検出式の水位センサとして構成されている。第1の水位L1は、上部ストッパ56aの間で設定され、第2の水位L2は、中間ストッパ56bの間で設定され、第3の水位L3は、下部ストッパ56cの間で設定されている。フロート54a~54cは、それぞれ、隣接するストッパ56a~56cの間で上下動可能である。
【0038】
本実施形態では、第2の槽20B内の水位は、第1の水位L1と第2の水位L2との間にあるように制御される。第3の水位L3は、最低許容水位を示す。第2の槽20B内の水位が第3の水位L3に達した場合、例えば水位センサ50に電気的に接続された通報装置から異常信号を発生するように設定することができる。しかし、水位センサ50のフロートの数は特に限られない。例えば、第1の水位L1を上回る最高許容水位を設定し、水位センサ50は、最高許容水位を検知する第4のフロートを有していてもよい。また、水位センサ50は、第1の水位L1と第2の水位L2のみを検知する二点検出式の水位センサであってもよい。
【0039】
図2に示すように、水位センサ50は、取り付け用のフランジ58を備えることができる。フランジ58は、ステム52の外周面に形成され、循環水タンク20の上壁部(
図2の206)等に固定される。これにより、水位センサ50を循環水タンク20に取り付けることができる。62は端子ボックスを示す。端子ボックス62は、フランジ58に固定することができる。ステム52の空洞部内には、検出されるべき水面の高さに対応する位置でリードスイッチが配置される。リードスイッチからの電線を端子ボックス62に導入することができる。端子ボックス62は、循環水ポンプPの制御装置等に電気的に接続される。
【0040】
本実施形態では、排ガス処理装置1は、第2の槽20B内の水位が第1の水位L1に達したときに、給水電磁弁V4を閉じて市水の給水を停止するおよび/または排水電磁弁V5を開いて排水を開始することができ、第2の槽20B内の水位が第2の水位L2に達したときに、給水電磁弁V4を開いて市水の給水を開始するおよび/または排水電磁弁V5を閉じて排水を停止することができるように構成されている。これにより、第2の槽20B内の水位を第1の水位L1と第2の水位L2との間に維持することができる。
【0041】
水位検知システム300は、筒状の防波管(換言すれば、筒状体)60を備える。本実施形態では、フランジ58の下面に防波管60を固定することができる。防波管60は、第2の槽20Bの底面(
図2の208)に向けて開口する下部開口60aと、上部開口60bと、上部側面開口60cとを有する。フランジ58は、防波管60の上部端面に固定されている。防波管60は、水位センサ50(具体的にはフロート54a~54c)を取り囲むように水位センサ50の周りに配置される。第2の槽20B内の水が、下部開口60aから防波管60内に流入する。上部側面開口60cにより、第2の槽20B内で、防波管60の内側の水面と防波管60の外側の水面は、互いに同一の高さにある。防波管60によって、第2の槽20B内の水位を、水面の状況に影響されずに検知することができる。防波管60は、例えば、樹脂、またはSUS等の金属を用いて形成することができる。また、
図2に示すように、防波管60は、その全長にわたって実質的に同じ内径を有することができる。
【0042】
図2に示すように、水位検知システム300は、防波管60内に新水を供給する給水装置80を備える。本実施形態では、水位センサ50、防波管60、及び給水装置80によって、水位検知システム300が構成される。
【0043】
図2に示すように、給水装置80は、給水源82に接続される給水経路84と、給水経路84に接続され、防波管60の内部に向けて開口する開口部を有する給水口部86と、を備えている。給水口部86は、給水経路84を通って導かれた水を防波管60の内部に吐出する。本実施形態では、給水装置80によって供給される水は、新水であることができ、図示されるように市水であってよい。従って、給水源82は、公共水道の水栓等であってよい。しかし、給水装置80から給水される水は、上記の粉体202及び泡状生成物204のように水位センサ50の動作不良の原因となり得る浮遊物を含まない水であれば、新水でなくてもよい。尚、給水経路84には、例えば、新水を予め貯留する貯水槽と貯水槽から給水口部へ給水するための加圧ポンプ等が設けられてもよい。
【0044】
本実施形態では、給水口部86はフランジ58に取り付けられたスプレーノズルであり、より具体的には、フルコーンスプレーノズルである。こうして、本実施形態では、新水が、給水口部86から、防波管60の上部開口60bを通して防波管60の内部に供給される。尚、給水口部86の具体的構成は特に限られない。例えば、給水口部86は、給水経路84に連通するようにフランジ58に形成された単なる孔であってもよく、防波管60内の水面を比較的安定させた状態で給水することができるものであればよい。また、給
水口部86は、ホロコーンスプレーノズル等、円形全面噴射以外のスプレーパターンを有するノズルであってもよい。スプレーノズルを用いることにより、ステム52及びフロート54a~54cを含む防波管60の内部全体(特に、フロート54a~54cの可動範囲全体)を常時濡らすことが可能である。前述したシロキサン混合物等の泡状生成物は、気液界面に浮遊し固着することがある為、防波管60の内部を常時濡らすことで界面を更新し続けることが可能である。結果、これにより生成物の固着を防止、さらには洗浄する効果がある。
【0045】
上記したように、第2の槽20B及び防波管60内の循環水は、排ガス処理装置1内の処理によって発生した粉体物、及び粉体物が水と反応して生成した泡状生成物(以下、異物と称する)を含む。防波管60内の循環水に新水を供給することにより、防波管60内の水に対する異物の濃度を低下させることができる。従って、従来の水位検知システムにおける、粉体物及び泡状生成物によるフロート式水位センサの動作不良を防止することができる。
【0046】
また、本実施形態によれば、給水口部86からの新水の吐出量は、防波管60の下部開口60aから防波管60の外側に流出する水の流れ(
図2中、下向きの矢印で示される)を発生させるように設定することができる。具体的には、給水口部86からの新水の吐出量は、防波管60内の水位下降速度が第2の槽20B内の水位上昇速度より大きくなるように設定することができる。ここで、給水口部86から防波管60内に吐出される流量をX(L/min)、排ガス処理装置1内の各部から第2の槽20Bに流入する水の総流量をY(L/min)、防波管60の内部空間の上下方向断面積をS1、第2の槽20Bの内部空間の上下方向断面積をS2(m
2)とすると、防波管60内の水位下降速度V1(m/s)と第2の槽20B内の水位上昇速度V2(m/s)は、次のように定義される。
【0047】
V1=X/S1 (式1)
【0048】
V2=Y/S2 (式2)
【0049】
第2の槽20Bに流入した水が防波管60内に流入しない条件は、防波管60内の水位下降速度V1が第2の槽20B内の水位上昇速度V2より大きくなること、すなわち、V1>V2が満たされることである。式1及び式2から、X/S1>Y/S2であるから、これを満たすXの値を決定すればよい。本実施形態では、給水経路に給水弁V3を設けることができる。給水弁V3の開度を調整することにより、新水を所望の吐出流量で供給することができる。これにより、防波管60の下部開口60aから防波管60の外側に流出する水の流れを発生させることができるので、第2の槽20Bに流入した水が防波管60内に流入することを防止することができる。従って、防波管60内への粉体物及び泡状生成物の流入を防止することができる。
【0050】
上記したように、本実施形態では、給水口部86は、フルコーンスプレーノズルを備えることができる。
図2に示すように、新水は、フルコーンスプレーノズル86から所定の噴射角度θで噴射され、防波管60内に円形全面噴射のスプレーパターンを形成することができる。これにより、水位センサ50の表面及び防波管60の内壁を常時濡らすことで気液界面を更新し続けることが可能で、生成物の固着を防止する。さらに水位センサ50のフロート54a~54c等に付着した生成物及び防波管60の内面に付着した異物をムラなく洗浄することができる。給水口部86は、例えば、ホロコーンスプレーノズルでもよいがスプレーパターンは円環状で中心に穴が空く為、中心部では水を対象に十分濡らすことができない場合がある、言い換えると界面を更新できずに生成物が固着しやすくなる。本実施形態においては、スプレーパターン範囲全体をムラなく濡らし対象の界面を更新し続けることが可能なフルコーンスプレーノズルを備えることが望ましい。
【0051】
フルコーンスプレーノズルの噴射角度θは、
図2に示すように、噴射された新水が、第1の水位L1における第1のフロート54a(
図2中、一点鎖線で示される)の上面の位置と等しいか、これより高い位置で防波管60の内面に衝突するように設定することが好ましい。これにより、水位センサ50及び防波管60の洗浄範囲を大きくすることができる。
【0052】
また、本実施形態では、防波管60の下部開口60aにフィルタ部材90を取り付けることができる。フィルタ部材90により、防波管60内への異物の侵入を防止することができる。また、第2の槽20Bの内部は流れが乱流であり、第2の槽20Bから防波管60に流れ込む線流速は部分的にV1を上回らないように制御する必要がある。すなわちフィルタ部材90の圧力損失により管内流速が均質化され、V1>V2を確実に達成することができる。しかし、他の実施形態によれば、フィルタ部材90は設けられなくてもよい。
【0053】
給水装置80による給水は、排ガス処理装置1の稼動中、常に(換言すれば、連続的に)行うことができる。しかし、給水装置80による給水時間を制御することもできる。例えば、第2の槽20B内の水位が第1の水位L1に達したときに防波管60内への新水の供給を停止し、第2の槽20B内の水位が第2の水位L2に達したとき防波管60内への新水の供給を開始することができる。これは、例えば、給水弁V3を電動弁として構成し、給水電磁弁V4に代えて、給水弁V3を水位センサ50の端子ボックス62と電気的に接続することにより可能である。この場合、給水電磁弁V4を介する新水の供給は、第2の槽20B内の水位に関わらず、常に行われてよい。これにより、排ガス処理装置1では、第2の槽20B内の水位が第1の水位L1に達したとき、給水弁V3を閉じて市水の給水を停止するおよび/または排水電磁弁V5を開いて排水を開始することができる。排水電磁弁V5を開くことにより、第2の槽20B内の水が、第2の槽20Bの排水口20Dおよび排水電磁弁V5を介して排出される。このとき、防波管60内では、第2の槽20Bの底面に向かう下向きの水の流れが発生するので、防波管60内に異物が侵入することはない。第2の槽20B内の水位が第2の水位L2まで低下すると、給水弁V3を開いて給水を開始するおよび/または排水電磁弁V5を閉じて排水を停止することができる。排水電磁弁V5を閉じることにより、第2の槽20Bの底面に向かう水の流れがなくなる。このとき、給水装置80によって新水の供給を開始することにより、防波管60内に下向きの流れを発生させることができる。このように給水時間を制御することにより、使用される新水の量を節約することができる。これは、例えば、給水弁V3および排水電磁弁V5を、水位センサ50の端子ボックス62と電気的に接続することにより可能である。また、第2の槽20Bからの排水は、循環水ポンプPの動作により、排水電磁弁V6を介して行うこともできる。この場合、排水電磁弁V6を、水位センサ50の端子ボックス62と電気的に接続する。排水電磁弁V5および排水電磁弁V6は、いずれか一方を省略することができる。
【0054】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその均等物が含まれることはもちろんである。また、上述した課題の少なくとも一部を解決できる範囲、または、効果の少なくとも一部を奏する範囲において、特許請求の範囲および明細書に記載された各構成要素の任意の組み合わせ、または、省略が可能である。
【0055】
本発明は、以下の態様を含む。
1.排ガス処理装置内を循環する循環水を収容可能な槽と、給排水機構であって、槽内の水位が第1の水位に達したときに、排ガス処理装置への新水の供給を停止すること、およ
び、排ガス処理装置からの循環水の排出を開始することのうち少なくとも一方を行うように構成され、槽内の水位が第1の水位より低い第2の水位に達したときに、排ガス処理装置への新水の供給を開始すること、および、排ガス処理装置からの循環水の排出を停止することのうち少なくとも一方を行うように構成される給排水機構と、を備える排ガス処理装置に使用される水位検知システムであって、
槽内に配置される、第1の水位及び第2の水位を検知可能なフロート式水位センサと、
フロート式水位センサの周りに配置され、槽の底面に向けて開口する下部開口と、上部開口と、上部側面開口と、を有する筒状体と、
筒状体の上部開口を通して筒状体の内部に水を供給するように構成される給水装置と、を備える、水位検知システム。
2.上記1.に記載の水位検知システムであって、
給水装置は、
給水源に接続される給水経路と、
給水経路に接続され、筒状体の内部に向けて開口する開口部を有する給水口部と、
を備える、水位検知システム。
3.上記2.に記載の水位検知システムであって、
給水口部からの水の供給量は、筒状体の下部開口から筒状体の外側に流出する水の流れを発生させるように設定される、水位検知システム。
4.上記3.に記載の水位検知システムであって、
水の供給量は、筒状体内の水位下降速度が槽内の水位上昇速度より大きくなるように設定される、水位検知システム。
5.上記2.~4.のいずれかに記載の水位検知システムであって、
給水口部は、スプレーノズルを含む、水位検知システム。
6.上記5.に記載の水位検知システムであって、
スプレーノズルは、フルコーンスプレーノズルである、水位検知システム。
7.上記6.に記載の水位検知システムであって、
フルコーンスプレーノズルの噴射角度は、噴射された水が、第1の水位におけるフロート式水位センサのフロートの上面の位置と等しいか、これより高い位置で筒状体の内面に衝突するように設定される、水位検知システム。
8.上記1.~7.のいずれかに記載の水位検知システムであって、
給水装置は、槽内の水が第1の水位に達したときに水の供給を停止し、槽内の水が第2の水位に達したとき水の供給を開始するように構成される、水位検知システム。
9.上記1.~8.のいずれかに記載の水位検知システムであって、
筒状体の下部開口に取り付けられるフィルタ部材を備える、水位検知システム。
10.上記1.~9.のいずれかに記載の水位検知システムであって、
給水装置によって供給される水が、新水である、水位検知システム。
11.上記1.~10.のいずれかに記載の水位検知システムであって、
排ガス処理装置によって処理される排ガスは、シラン系ガスである、水位検知システム。
12.上記1.~11.のいずれかに記載の水位検知システムであって、
フロート式水位センサは、
長さ方向に所定の間隔をおいて配置される一対のリードスイッチを収容する筒状のステムと、
ステムの長さ方向に摺動可能にステムの外周に嵌合され、それぞれ、内部に磁石を有する一対のフロートと、を備える、水位検知システム。
13.上記12.に記載の水位検知システムであって、
ステムの外周面にフランジが形成されており、フランジに筒状体が取り付けられており、
給水装置からの水はフランジを通して供給される、水位検知システム。
14.上記1.~13.のいずれかに記載の水位検知システムを備える、排ガス処理装置
。
15.上記14.に記載の排ガス処理装置であって、給排水機構は、循環水を循環させる循環水ポンプを介して槽に接続される排水機構を含む、排ガス処理装置。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明は、各種産業用機械に設置される水タンクに広く適用することができる。
【符号の説明】
【0057】
1 排ガス処理装置
2 給水管
3 エダクター
4 空気供給管
5 給水配管
6 排水経路
7 循環経路
8 排水経路
10 加熱処理部
11 バーナ
12 燃焼室
13 燃焼部接続管
13e 下端
15 バイパス弁(三方弁)
16 予混合器
20 循環水タンク(槽)
21 堰
20A 第1の槽
20B 第2の槽
20D、20E 排水口
25 冷却部
26 配管
27 スプレーノズル
30 排ガス洗浄部
31 壁部材
32 ガス流路
33A 第1のミストノズル
33B 第1の水膜ノズル
34A 第2のミストノズル
34B 第2の水膜ノズル
40 整流部材
41 ミストノズル
50 シャワーノズル
51 ミストトラップ
50 水位センサ
52 ステム
54a 第1のフロート
54b 第2のフロート
54c 第3のフロート
56a 上部ストッパ
56b 中間ストッパ
56c 下部ストッパ
58 フランジ
60 防波管(筒状体)
60a 下部開口
60b 上部開口
62 端子ボックス
80 給水装置
82 給水源
84 給水経路
86 給水口部
90 フィルタ部材
100 水位センサ
102 ステム
104a 第1のフロート
104b 第2のフロート
106a 上部ストッパ
106b 下部ストッパ
108 フランジ
110a、110b リードスイッチ
112a、112b 磁石
114 電線
116 端子ボックス
118 防波管
118a 下部開口
118b 上部開口
120 水位検知システム
200 タンク
202 粉体
204 泡状生成物
206 上壁部
208 底面
300 水位検知システム
L1 第1の水位
L2 第2の水位
L3 第3の水位
P 循環水ポンプ
V1開閉弁
V2 排水弁
V3 給水弁
V4 給水電磁弁
V5 排水電磁弁
V6 排水電磁弁