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特許7301075リモートプラズマ源用のラジカル出力モニタ及びその使用方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-22
(45)【発行日】2023-06-30
(54)【発明の名称】リモートプラズマ源用のラジカル出力モニタ及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
   H05H 1/00 20060101AFI20230623BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20230623BHJP
【FI】
H05H1/00 A
H01L21/302 103
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2020568979
(86)(22)【出願日】2019-06-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-11-04
(86)【国際出願番号】 US2019036796
(87)【国際公開番号】W WO2019241405
(87)【国際公開日】2019-12-19
【審査請求日】2022-06-10
(31)【優先権主張番号】62/684,820
(32)【優先日】2018-06-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508240030
【氏名又は名称】エムケーエス インストゥルメンツ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100109896
【弁理士】
【氏名又は名称】森 友宏
(72)【発明者】
【氏名】ハリス,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】タイ,チウヤン
(72)【発明者】
【氏名】グプタ,アトゥル
【審査官】大門 清
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0307739(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2016-0129304(KR,A)
【文献】特開2012-094399(JP,A)
【文献】特開2011-086564(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05H 1/00 -1/54
H01L 21/3065
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理システム用のプラズマ源であって、
少なくとも1つのガスを供給するように構成される少なくとも1つのガス源と、
前記少なくとも1つのガス源及び少なくとも1つのガス流出口と流体的に連絡している少なくとも1つのガス流入口を規定するプラズマ源本体
前記プラズマ源本体内に形成される少なくとも1つの流路面を有する少なくとも1つの流路であって、前記少なくとも1つのガス流入口及び前記少なくとも1つのガス流出口と流体的に連絡しており、その内部に少なくとも1つのプラズマ領域が形成されるように構成される少なくとも1つの流路と、
前記少なくとも1つの流路の前記少なくとも1つの流路面の近傍の前記プラズマ源本体内に形成され、前記プラズマ源本体内に形成される前記少なくとも1つのプラズマ領域の近傍にある第1の熱センサレシーバと、
前記第1の熱センサレシーバ内に位置する第1の熱センサであって、前記少なくとも1つのプラズマ領域内の少なくとも1つの解離ガスの温度を反映する温度として、第1の位置で前記少なくとも1つの流路の少なくとも1つの流路面の第1の温度を測定するように構成される第1の熱センサと、
前記少なくとも1つの流路の前記少なくとも1つの流路面の近傍の前記プラズマ源本体内に形成され、前記プラズマ源本体内に形成される前記少なくとも1つのプラズマから離れた位置にある第2の熱センサレシーバであって、前記少なくとも1つのガス流出口の近傍の前記プラズマ源本体内に形成される第2の熱センサレシーバと、
前記第2の熱センサレシーバ内に位置する第2の熱センサであって、前記少なくとも1つのプラズマ領域外にある少なくとも1つの再解離ガスの温度を反映する温度として、第2の位置で前記少なくとも1つの流路の前記少なくとも1つの流路面の第2の温度を測定するように構成される第2の熱センサと
前記少なくとも1つの第1の熱センサ及び前記少なくとも1つの第2の熱センサと連絡し、前記第1の温度と前記第2の温度との間の温度差から前記プラズマ源のラジカル出力を測定する少なくとも1つの処理制御システムと、
を備える、プラズマ源。
【請求項2】
前記プラズマ源本体の少なくとも一部を取り囲み、前記プラズマ源本体内に前記少なくとも1つのプラズマ領域を生成するように構成される少なくとも1つの電力源をさらに備え、前記少なくとも1つのプラズマ領域は、前記流路内を流れる前記少なくとも1つのガスを解離して少なくとも1つの解離ガスを形成するように構成される、請求項1に記載のプラズマ源。
【請求項3】
前記プラズマ源本体に連結される少なくとも1つの熱調整デバイスをさらに備える、請求項1に記載のプラズマ源。
【請求項4】
前記プラズマ源本体に連結される第1の熱調整デバイスと少なくとも第2の熱調整デバイスとをさらに備える、請求項1に記載のプラズマ源。
【請求項5】
前記少なくとも1つの流路の前記少なくとも1つの流路面の近傍の前記プラズマ源本体内に形成される少なくとも1つの追加の熱センサレシーバであって、前記少なくとも1つのガス流出口の近傍の前記プラズマ源本体内に形成される少なくとも1つの追加の熱センサレシーバと、
前記少なくとも1つの追加の熱センサレシーバ内に位置する少なくとも1つの追加の熱センサであって、前記プラズマ源本体内の位置で前記少なくとも1つの流路の前記少なくとも1つの流路面の温度を測定するように構成される少なくとも1つの追加の熱センサと、
をさらに備える、請求項1に記載のプラズマ源。
【請求項6】
前記少なくとも1つの処理制御システムは、前記少なくとも1つのガス源、少なくとも1つの処理システム、及び少なくとも1つの追加の熱センサのうち少なくとも1つとさらに連絡している、請求項1に記載のプラズマ源。
【請求項7】
前記プラズマ源はリモートプラズマ源を含む、請求項1に記載のプラズマ源。
【請求項8】
処理システム用のプラズマ源であって、
少なくとも1つのガスを供給するように構成される少なくとも1つのガス源と、
前記少なくとも1つのガス源及び少なくとも1つのガス流出口と流体的に連絡している少なくとも1つのガス流入口を規定するプラズマ源本体
前記プラズマ源本体内に形成された少なくとも1つの流路面を有する少なくとも1つの流路であって、前記少なくとも1つのガス流入口及び前記少なくとも1つのガス流出口と流体的に連絡している少なくとも1つの流路と、
前記プラズマ源本体の少なくとも一部を取り囲み、少なくとも1つの電源に連絡する少なくとも1つの電力源であって、前記流路内を流れる前記少なくとも1つのガスを解離して少なくとも1つの解離ガスを形成するように構成される少なくとも1つのプラズマ領域を前記プラズマ源本体内に生成するように構成される少なくとも1つの電力源と、
前記少なくとも1つの流路の前記少なくとも1つの流路面の近傍の前記プラズマ源本体内に形成され、前記プラズマ源本体内に形成される前記少なくとも1つのプラズマ領域の近傍にある第1の熱センサレシーバと、
前記第1の熱センサレシーバ内に位置する第1の熱センサであって、前記少なくとも1つのプラズマ領域内の少なくとも1つの解離ガスの温度を反映する温度として、第1の位置で前記少なくとも1つの流路の少なくとも1つの流路面の第1の温度を測定するように構成される第1の熱センサと、
前記少なくとも1つの流路の前記少なくとも1つの流路面の近傍の前記プラズマ源本体内に形成され、前記プラズマ源本体内に形成される前記少なくとも1つのプラズマから離れた位置にある第2の熱センサレシーバであって、前記少なくとも1つのガス流出口の近傍の前記プラズマ源本体内に形成される第2の熱センサレシーバと、
前記第2の熱センサレシーバ内に位置する第2の熱センサであって、前記少なくとも1つのプラズマ領域外にある少なくとも1つの再解離ガスの温度を反映する温度として、第2の位置で前記少なくとも1つの流路の前記少なくとも1つの流路面の第2の温度を測定するように構成される第2の熱センサと、
前記少なくとも1つの第1の熱センサ及び前記少なくとも1つの第2の熱センサと連絡し、前記第1の温度と前記第2の温度との間の温度差から前記プラズマ源のラジカル出力を測定する少なくとも1つの処理制御システムと、
前記プラズマ源本体に連結される少なくとも1つの熱調整デバイスと
を備え
前記少なくとも1つの解離ガスは、前記少なくとも1つの流出口を介して前記プラズマ源本体から排出される、プラズマ源。
【請求項9】
前記プラズマ源本体に連結される少なくとも1つの熱調整デバイスをさらに備える、請求項に記載のプラズマ源。
【請求項10】
前記プラズマ源本体に連結される第1の熱調整デバイスと少なくとも第2の熱調整デバイスとをさらに備える、請求項に記載のプラズマ源。
【請求項11】
前記少なくとも1つの流路の前記少なくとも1つの流路面の近傍の前記プラズマ源本体内に形成される少なくとも1つの追加の熱センサレシーバであって、前記少なくとも1つのガス流出口の近傍の前記プラズマ源本体内に形成される少なくとも1つの追加の熱センサレシーバと、
前記少なくとも1つの追加の熱センサレシーバ内に位置する少なくとも1つの追加の熱センサであって、前記プラズマ源本体内の位置で前記少なくとも1つの流路の前記少なくとも1つの流路面の温度を測定するように構成される少なくとも1つの追加の熱センサと、
をさらに備える、請求項に記載のプラズマ源。
【請求項12】
前記少なくとも1つの処理制御システムは、前記少なくとも1つのガス源、少なくとも1つの処理システム、及び少なくとも1つの追加のセンサのうち少なくとも1つとさらに連絡している、請求項に記載のプラズマ源。
【請求項13】
前記プラズマ源はリモートプラズマ源を含む、請求項に記載のプラズマ源。
【請求項14】
プラズマ源からのラジカル出力をモニタリングする方法であって、
少なくとも1つのガス源及び少なくとも1つのガス流出口と流体的に連絡している少なくとも1つのガス流入口を規定するプラズマ源本体を用意し、前記プラズマ源は、前記プラズマ源本体内に形成された少なくとも1つの流路面により規定される少なくとも1つの流路を有し、前記少なくとも1つの流路は、前記少なくとも1つのガス流入口及び前記少なくとも1つのガス流出口と流体的に連絡しており、
前記少なくとも1つのガス源から前記少なくとも1つの流入口を介して前記少なくとも1つの流路の内部に少なくとも1つの入力ガスを流し、
少なくとも1つの電力源を用いて前記プラズマ源本体内に少なくとも1つのプラズマ領域を形成し、
前記少なくとも1つの流路を通って流れる前記少なくとも1つの入力ガスの少なくとも一部を解離して少なくとも1つの解離ガスを形成し、
前記少なくとも1つのプラズマ領域の近傍に位置する少なくとも第1のセンサを用いて前記少なくとも1つの解離ガスの温度を反映する温度として第1の温度を測定し、
前記少なくとも1つのプラズマ領域から離れて配置される少なくとも第2のセンサを用いて前記少なくとも1つのプラズマ領域外にある少なくとも1つの再解離ガスの温度を反映する温度として第2の温度を測定し、
前記少なくとも1つの第1のセンサにより測定された前記第1の温度を、前記少なくとも1つの第2のセンサにより測定された前記第2の温度と比較することにより、前記プラズマ源の前記ラジカル出力を測定する、
方法。
【請求項15】
さらに、前記プラズマ源本体、前記少なくとも1つのプラズマ領域、及び前記入力ガスのうち少なくとも1つの温度を少なくとも1つの熱調整本体で調整する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
さらに、前記プラズマ源本体内の前記少なくとも1つの入力ガス、少なくとも1つの解離ガス、及び少なくとも1つの再解離ガスのうち少なくとも1つの少なくとも第3の温度を少なくとも1つの追加の熱センサで測定する、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
さらに、前記少なくとも1つの第1のセンサ、前記少なくとも1つの第2のセンサ、及び前記少なくとも1つの追加の熱センサのうち少なくとも1つから受信したデータに基づいて、前記少なくとも1つのガス源を制御することにより、前記プラズマ源からの前記ラジカル出力の生成を変化させる、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本出願は、2018年6月14日に提出された「リモートプラズマ源用のラジカル出力モニタ及びその使用方法」という表題の米国仮特許出願第62/684,820号に対する優先権を主張するものである。この米国仮特許出願の内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景】
【0002】
プラズマ源は様々な用途において用いられている。例えば、プラズマ源からのラジカル出力は半導体処理用途において頻繁に用いられている。プラズマ源の利用を必要とする多くの用途においては、生成されたプラズマ内のラジカルを正確に測定及びモニタリングする必要がある。残念ながら、ラジカル出力の正確な測定及びモニタリングは、多くの要因により難しくて問題の多いものとなっている。例えば、プラズマ内のラジカルは、その高い反応性及び再結合性によりその寿命が極めて短い。
【0003】
現在、プラズマ源からのラジカル出力を測定及びモニタリングするために使用されている様々な方法は成功の度合いが異なっている。測定及びモニタリングプロセスの例としては、熱量測定を利用するプロセス、滴定を利用するプロセスなどが挙げられる。熱量測定を利用するプロセス及び滴定を利用するプロセスは、これまでは多少は有用なものであるとされてきたが、数多くの短所も挙げられている。例えば、熱量測定を利用するプロセス及び滴定を利用するプロセスのいずれも、1以上の基板が処理される前及び/又はその後にすべてのラジカル出力を測定するように構成されるサンプリングに基づいた手法及び/又はアップバッチ/前置測定手法のいずれかを必要としている。また、熱量測定を利用するプロセス及び滴定を利用するプロセスのいずれにおいても、測定されているラジカルの消滅が生じることは避けられない。プラズマ源からのラジカル出力を測定及び/又はモニタリングするための別の非破壊的な手法も存在するが、プラズマ内のラジカルの正確な測定とモニタリングは困難なものとなっている。
【0004】
上記の観点から、プラズマ源からのラジカル出力をモニタリングするシステム及び方法に対する必要性が引き続き存在している。
【概要】
【0005】
本出願は、使用中にプラズマ源のラジカル出力をモニタリングさせることが可能なプラズマ源の様々な実施形態を開示している。ある実施形態においては、プラズマ源は、半導体製造及び処理用途に用いられるリモートプラズマ源を含んでいる。他の実施形態においては、プラズマ源は、様々な用途において用いられる様々なプラズマ源を含み得る。
【0006】
一実施形態においては、本出願は、半導体処理システム用のプラズマ源に向けられ、少なくとも1つのガスを供給するように構成される少なくとも1つのガス源を含んでいる。上記ガス源は、プラズマ源本体に連結され、あるいは流体的に連絡していてもよい。上記プラズマ源本体は、上記ガス源及び少なくとも1つのガス流出口と流体的に連絡している少なくとも1つのガス流入口を含んでいる。また、上記プラズマ源は、上記プラズマ源本体内に形成される少なくとも1つの流路面を有する少なくとも1つの流路を含んでいる。上記流路は、上記ガス流入口及びガス流出口と流体的に連絡しており、その内部に少なくとも1つのプラズマ領域が形成されるように構成される。第1の熱センサレシーバが、上記流路の上記流路面の近傍の上記プラズマ源本体内に形成されていてもよい。第1の熱センサが、上記第1の熱センサレシーバ内に配置され、第1の位置で上記流路の上記流路面の第1の温度を測定するように構成されていてもよい。第2の熱センサレシーバが、上記流路の上記流路面の近傍の上記プラズマ源本体内に形成されていてもよい。一実施形態においては、上記第2の熱センサレシーバが、上記ガス流出口の近傍の上記プラズマ源本体内に形成され得る。第2の熱センサが、上記第2の熱センサレシーバ内に配置され、第2の位置で上記流路の上記流路面の第2の温度を測定するように構成されていてもよい。
【0007】
他の実施形態においては、本出願は、処理システム用のプラズマ源に向けられる。より具体的には、上記プラズマ源は、少なくとも1つのガスを供給するように構成される少なくとも1つのガス源を含んでいる。少なくとも1つのガス流入口及び少なくとも1つのガス流出口を規定するプラズマ源本体が上記ガス源と流体的に連絡している。上記プラズマ源は、プラズマ源本体内に形成される少なくとも1つの流路面を有する少なくとも1つの流路を含み得る。上記流路は、上記ガス流入口及び上記ガス流出口と流体的に連絡している。少なくとも1つの電力源が、上記プラズマ源本体上又はその近傍に位置しており、少なくとも1つの電源に連絡している。使用中、上記電力源は、上記プラズマ源本体内に少なくとも1つのプラズマ領域を生成するように構成されていてもよい。上記プラズマ領域は、上記流路内を流れる上記ガスを解離するように構成されていてもよく、これにより、上記流出口を介してプラズマ源本体から排出され得る少なくとも1つの解離ガスを形成してもよい。第1の熱センサレシーバが、上記流路の上記流路面の近傍の上記プラズマ源本体内に形成されていてもよく、第1の熱センサが、上記第1の熱センサレシーバ内に配置されていてもよい。上記第1の熱センサは、第1の位置で上記流路の上記流路面の第1の温度を測定するように構成される。さらに、第2の熱センサレシーバが、上記流路の上記流路面の近傍の上記プラズマ源本体内に形成されていてもよい。必要に応じて、上記第2の熱センサレシーバは、上記ガス流出口の近傍の上記プラズマ源本体内に形成されていてもよい。第2の熱センサが、上記第2の熱センサレシーバ内に配置され、第2の位置で上記流路の上記流路面の第2の温度を測定するように構成されていてもよい。最後に、少なくとも1つの熱調整デバイスが、上記プラズマ源本体に連結されていてもよい。
【0008】
他の実施形態においては、本出願は、プラズマ源からのラジカル出力をモニタリングする方法を開示している。この方法では、少なくとも1つのガス源及び少なくとも1つのガス流出口と流体的に連絡している少なくとも1つのガス流入口を規定するプラズマ源本体を用意する。上記プラズマ源は、上記プラズマ源本体内に形成される少なくとも1つの流路面により規定される少なくとも1つの流路を含んでおり、上記流路は、上記ガス流入口及び上記ガス流出口と流体的に連絡している。少なくとも1つの入力ガスが上記流入口を介して上記ガス源から上記流路内に流れる。少なくとも1つの電力源を用いて上記プラズマ源本体内に少なくとも1つのプラズマ領域を形成してもよい。上記流路を通って流れる上記入力ガスの少なくとも一部を解離して少なくとも1つの解離ガスを形成してもよい。上記プラズマ領域の近傍に位置する少なくとも第1のセンサを用いて上記解離ガスの再結合から生じる第1の温度を測定してもよい。さらに、上記プラズマ領域から離れて配置される少なくとも第2のセンサを用いて少なくとも1つの再解離ガスの少なくとも第2の温度を測定してもよい。最後に、上記第1のセンサにより測定された上記解離ガスの結合の上記第1の温度を、上記第2のセンサにより測定された上記再解離ガスの上記第2の温度と比較することにより、上記プラズマ源の上記ラジカル出力をモニタリングしてもよい。
【0009】
本明細書で述べられるリモートプラズマ源用のラジカル出力モニタの他の特徴及び利点は、以下の詳細な説明を考慮することによってさらに明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本明細書に開示されるリモートプラズマ源のラジカル出力モニタの新規な側面は、以下の図面を検討することによってさらに明らかなものとなるであろう。
【0011】
図1図1は、プラズマ源の一実施形態の正面図を示している。
【0012】
図2図2は、プラズマ源の一実施形態の側方斜視図を示している。
【0013】
図3図3は、プラズマ源の一実施形態の側面図を示している。
【0014】
図4図4は、プラズマ源の一実施形態の上面図を示している。
【0015】
図5図5は、プラズマ源の一実施形態の側方斜視図を示している。
【0016】
図6図6は、プラズマ源の一実施形態の断面図を示している。
【0017】
図7図7は、プラズマ源の一実施形態内に形成された流路の一部の断面図を示している。
【0018】
図8図8は、プラズマ源の一実施形態内に形成された流路の流路壁の近傍のセンサレシーバ内に配置されたセンサの断面図を示している。
【0019】
図9図9は、プラズマ源の一実施形態内で使用される熱調整デバイスの一実施形態の斜視図を示している。
【0020】
図10図10は、ガス源、プラズマ源、及び/又は処理システムの出力を選択的に制御するように構成される処理制御システムを有するプラズマ源の一実施形態の模式図を示している。
【0021】
図11図11は、本出願に開示される温度測定手法との比較における、本明細書で開示されるプラズマ源の実施形態の下流に配置される熱量計システムを用いて測定される解離比の相関関係を詳細に示すグラフを示している。
【好ましい実施形態の詳細な説明】
【0022】
本出願は、使用中にプラズマ源のラジカル出力をモニタリングさせることが可能なプラズマ源の様々な実施形態を開示している。ある実施形態においては、プラズマ源は、半導体製造及び処理用途に用いられるリモートプラズマ源を含んでいる。他の実施形態においては、プラズマ源は、様々な用途において用いられる様々なプラズマ源を含み得る。図1図4に示されるように、プラズマ源10は、少なくとも1つのプラズマ源本体12を含み得る。図示された実施形態においては、プラズマ源本体12は、第1のプレート又は本体部材14と、少なくとも第2のプレート又は本体部材16とを含んでいる。第1の本体部材14と第2の本体部材16との間には、1以上の支持部材又はプラズマチャンバ部が位置し得る。例えば、図2及び図3に示されるように、プラズマ源本体12の第1の本体部材14と第2の本体部材16との間には、第1の支持部材18及び少なくとも第2の支持部材20が位置している。必要に応じて、当業者であれば、第1の本体部材14と第2の本体部材16との間に任意の数の支持部材が位置していてもよいことを理解するであろう。
【0023】
図1図4及び図9に示されるように、少なくとも1つの熱調整デバイスがプラズマ源本体12に固定あるいは連結されていてもよい。一実施形態においては、少なくとも1つの熱調整デバイスは、プラズマ源本体12及びその様々な構成要素の少なくとも一部の温度を能動的に調整するように構成されていてもよい。図示された実施形態においては、第1の熱調整デバイス100及び少なくとも第2の熱調整デバイス104がプラズマ源本体12に着脱可能に連結されている。必要に応じて、任意の数の熱調整デバイスをプラズマ源10内で用いてもよい。図1及び図9に示されるように、熱調整デバイス100,104のうち少なくとも1つは、少なくとも1つの調整デバイス本体130を含み得る。図示された実施形態において、調整デバイス本体130には、1以上のアパーチャ、ポート、又は開口が形成されていてもよい。より具体的には、図示された実施形態においては、第1の熱調整デバイス100及び第2の熱調整デバイス104の調整デバイス本体130には、少なくとも1つの流入口106と少なくとも1つの流出口108とが形成されている。当業者であれば、任意の数の流入口及び/又は流出口を調整デバイス本体130に形成してもよいことを理解するであろう。一実施形態においては、流入口106及び流出口108は、使用中に1以上の流体又は材料を調整デバイス本体130に導入することができ、さらに/あるいは調整デバイス本体130から取り出すことができるように構成されている。例えば、図9は、第2の熱調整デバイス104の実施形態の上方斜視図を示しており、流入口106及び流出口108は、第2の熱調整デバイス104を構成する調整デバイス本体130と流体的に連絡している。このため、1以上の流体又は材料が、流入口106及び/又は流出口108のうち少なくとも1つを介して、調整デバイス本体130内に導入し、調整デバイス本体130から排出され得る。図9に示される実施形態においては、調整デバイス本体130には、少なくとも1つのアパーチャ又は流路132が形成されている。必要に応じて、当業者であれば、調整デバイス本体130がアパーチャ又は流路132を含んでいなくてもよいことを理解するであろう。一実施形態においては、第1の熱調整デバイス100及び第2の熱調整デバイス104のうち少なくとも1つは、高い熱伝導率を有する少なくとも1つの材料から製造され得る。例えば、第1の熱調整デバイス100及び第2の熱調整デバイス104のうち少なくとも1つは、銅、アルミニウム、様々な合金などから製造され得る。さらに、第1の熱調整デバイス100及び第2の熱調整デバイス104のうち少なくとも一方は、調整デバイス本体130上に形成された1以上のフィーチャであって、熱調整デバイス100,104の表面積を高める又は増加させることにより熱的性能を高めるように構成された1以上のフィーチャを含み得る。他の実施形態においては、熱調整デバイス100,104は、プラズマ源本体12の少なくとも一部に隣接して配置され、プラズマ源本体12の少なくとも一部に熱接触するコールドプレート、チラー、流体式冷却装置又はこれに類似する装置を含んでいる。
【0024】
加えて、第1の熱調整デバイス100及び第2の熱調整デバイス104のうち少なくとも一方又は両方に1以上の留め具又は連結アパーチャ110が形成されていてもよい。一実施形態においては、連結アパーチャ110は、第1の熱調整デバイス100及び第2の熱調整デバイス104のうち少なくとも一方又は両方をプラズマ源本体12に連結あるいは固定できるように構成され得る。このため、連結アパーチャ110は、その内部に1以上の留め具を受け入れるようなサイズ及び構成とされ得る。他の実施形態においては、少なくとも1つの熱調整デバイス100,104は、当該技術分野において知られているボルト、ネジ、摩擦ばめデバイス、保持デバイス、溶接など(これらに限られるものではない)の様々なデバイス及び方法を用いてプラズマ源本体12に連結され得る。
【0025】
図1図4に示されるように、熱調整デバイス100,104のうち少なくとも一方及び/又はプラズマ源本体12を構成する構成要素又はプラズマ源本体12に連結される構成要素には、1以上の電気デバイスが連結され得る。図示された実施形態においては、熱調整デバイス100,104に隣接するプラズマ源本体12に第1の電力源120及び少なくとも第2の電力源122が連結あるいは固定されている。電気デバイス又は電力源の別の例としては、RF源、プラズマ生成器、変圧器、キャパシタ、電磁石、インダクタ、センサ、電界生成デバイスなどが挙げられるが、これらに限られるものではない。必要に応じて、図1及び図2に示されるように、1以上の連結デバイス又は固定具112を用いて、第1の電力源120及び第2の電力源122のうち少なくとも一方又は両方をプラズマ源本体12に電気的に連結し、さらに/あるいはプラズマ源本体12に対して接地してもよい。
【0026】
図1及び図2を再び参照すると、プラズマ源10は、プラズマ源本体12上の様々な位置に配置された1以上の熱センサ62,66,70(図6図8参照)を含み得る。これらの様々な熱センサは、1以上のセンサ導線(図10の導線64,68,72参照)を介して1以上のプロセッサ又はコントローラ(図10の処理制御システム170参照)と通信可能となっている。図示された実施形態においては、第1のセンサ導線64、第2のセンサ導線68、及び第3のセンサ導線72が、プラズマ本体12に連結されているものとして示されている。当業者であれば、プラズマ源10が、第1のセンサ62と少なくとも第2のセンサ66とを含んでいてもよいことを理解するであろう。以下の段落では、第1のセンサ62、第2のセンサ66、及び任意的な追加のセンサ70をより詳細に説明する。


【0027】
図2図6は、プラズマ源本体12の様々な特徴と要素を示すものである。図2図3、及び図5に示されるように、プラズマ源本体12は、第1の本体部材14と第2の本体部材16との間に位置する1以上の支持部材又はプラズマチャンバ部18,20を含み得る。図示された実施形態においては、第1の支持部材18及び第2の支持部材20は、第1の本体部材14と第2の本体部材16との間に、第1の本体部材14及び第2の本体部材16と流体的に連絡した状態で配置されている。当業者であれば、任意の数の支持部材を使用してプラズマ源本体12の一部を形成してもよいことを理解するであろう。さらに、第1の本体部材14、第2の本体部材16、第1の支持部材18、及び第2の支持部材20の少なくとも1つと連絡するように少なくとも1つのプラズマチャンバ、領域、及び/又は本体ブロックが配置されていてもよい。図示された実施形態においては、第1のプラズマチャンバ22は、第1の支持部材18及び第2の支持部材20に連結され、第1の支持部材18及び第2の支持部材20と流体的に連絡している。同様に、第2のプラズマチャンバ24は、第1の支持部材18及び第2の支持部材20に連結され、第1の支持部材18及び第2の支持部材20と流体的に連絡している。図示された実施形態においては、第1のプラズマチャンバ22及び第2のプラズマチャンバ24は、第1の支持部材18及び第2の支持部材20に対して直交している。当業者であれば、第1のプラズマチャンバ22及び第2のプラズマチャンバ24のうち少なくとも一方は、第1の支持部材18及び/又は第2の支持部材20のうち少なくとも一方に対して直交していなくてもよいことを理解するであろう。図示された実施形態においては、プラズマ源10がトロイダルリモートプラズマ源を含んでいるが、当業者であれば、プラズマ源本体12が様々な形状及び構成で形成されていてもよいことを理解するであろう。
【0028】
必要に応じて、第1の本体部材14、第2の本体部材16、第1の支持部材18、第2の支持部材20、第1のプラズマチャンバ22、及び第2のプラズマチャンバ24を含むプラズマ源本体12を構成する様々な構成要素は、アルミニウム、ステンレス鋼、銅、様々な合金など(これらに限られるものではない)の様々な材料から製造され得る。さらに、プラズマチャンバ22,24と第1の支持部材18及び/又は第2の支持部材20のうち少なくとも一方との間に少なくとも1つのアイソレータ、ガスケット、又はこれに類似するデバイスを配置してもよい。例えば、図示された実施形態においては、第1の支持部材18と第1のプラズマチャンバ22との間にアイソレータ26が位置している。加えて、第1のプラズマチャンバ22と第2の支持部材20との間に追加のアイソレータ26が位置している。同様に、図5及び図6に示されるように、第2のプラズマチャンバ24と第1の支持部材18及び/又は第2の支持部材20との間にアイソレータ26が位置していてもよい。
【0029】
図4図8を参照すると、プラズマ源本体12内に少なくとも1つの流路40が形成されていてもよい。一実施形態においては、少なくとも1つの流路面又はインタフェイス面86から流路40が形成されていてもよい。必要に応じて、流路面86に1以上の特徴又は材料を適用してもよい。例えば、流路40を構成する流路面86に1以上の表面処理又は表面改質(例えば、陽極酸化、コーティング、マイクロ構造化など)を適用してもよい。図4及び図6に示されるように、流路40は、プラズマ源本体12を構成する様々な構成要素に形成された1以上の流入口、流出口、又はこれに類似するアパーチャと連絡していてもよい。例えば、図示された実施形態においては、流路40は、第1の本体部材14に形成された少なくとも1つの流入口30及び第2の本体部材16に形成された少なくとも1つの流出口32と流体的に連絡している。このため、1以上の流体、ガス、又はこれに類似する材料は、プラズマ源本体12に形成された流路40内に導入され、この流路40から排出され得る。必要に応じて、プラズマ源本体12には1以上の付加的なアクセスポートが形成されていてもよく、このアクセスポートは、プラズマ源本体12に形成された流路40の一部に連絡していてもよく、あるいは連絡していなくてもよい。図示された実施形態においては、少なくとも1つのアクセスポート50が第1の本体部材14に形成されていてもよく、これが流路40と連絡していてもよい。同様に、第2のアクセスポート52が第2の本体部材16に形成されていてもよく、これが流路40と連絡していてもよい。一実施形態においては、アクセスポート50,52は、その内部に1以上のイグナイタ、センサ、メータ、又はこれに類似するデバイスを受け入れるようなサイズとされ得る。
【0030】
図6図8に示されるように、プラズマ源本体12に形成された流路40は複数の経路を形成し得る。例えば、図6に示されるように、流路40は、プラズマ源本体12内に形成された第1の経路42及び少なくとも第2の経路44を含んでいるが、当業者であれば、任意の数の経路をプラズマ源本体12内に形成してもよいことは理解できよう。さらに、図示された実施形態においては、第1のプラズマチャンバ22内に第1の経路42が形成され、第2のプラズマチャンバ24内に第2の経路44が形成され得る。
【0031】
図6図8を再び参照すると、プラズマ源10のプラズマ源本体12内に1以上のセンサを配置してもよい。図示された実施形態においては、プラズマ源本体12に形成された第1のセンサレシーバ80内に第1のセンサ62を配置してもよい。より具体的には、図示された実施形態においては、プラズマ源本体12内に形成された流路40内又はその近傍に形成される少なくとも1つの流路面86のすぐ近傍に第1のセンサ62が位置するように、第1のセンサ62が第1のセンサレシーバ80内に配置されている。必要に応じて、流路面86は、少なくとも1つの光学窓、センサ窓などを含み得る。さらに、少なくとも第2のセンサ66が、プラズマ源本体12内に形成された少なくとも第2のセンサレシーバ82内に配置されていてもよい。図示された実施形態においては、第2のセンサレシーバ82は、プラズマ源本体12の流出口32の近傍に配置され得る。他の実施形態においては、第2のセンサレシーバ82が流出口32の近傍に配置されていなくてもよい。第1のセンサと同様に、第2のセンサ66は、プラズマ源本体12内に形成された流路40内又はその近傍に形成される少なくとも1つの流路面86のすぐ近傍に配置され得る。必要に応じて、プラズマ源本体12内に形成された少なくとも任意的なセンサレシーバ84内に少なくとも1つの任意的なセンサ70を配置してもよい。
【0032】
一実施形態においては、第1のセンサ62、第2のセンサ66、及び任意的なセンサ70のうち少なくとも1つが、プラズマ源本体12内の1以上の位置で流路40、第1の経路42、及び第2の経路44の流路面86、及び流出口32の温度を測定するように構成された熱センサを含んでいる。当業者であれば、様々なセンサを用いることができることを理解するであろう。別のセンサの例としては、光センサ、フローセンサなどが挙げられるが、これらに限られるものではない。必要に応じて、サーモカップル、サーモパイル、サーミスタ、抵抗温度計、シリコンバンドギャップ温度センサなど(これらに限られるものではない)の様々な熱センサをプラズマ源10とともに用いることができる。例えば、図示された実施形態においては、第1のセンサ62は、第2のセンサ66から離れた位置に配置されている。例えば、図示された実施形態においては、第1のセンサ62は、第1のプラズマチャンバ22の近傍に位置し、プラズマ源本体12に形成された流路40と連絡していてもよい。これにより、例えばプラズマ領域124の近傍にある第1の位置において、プラズマ源本体12に形成された流路40の流路面86の第1の温度(T1)を第1のセンサ62によって測定することが可能になる。加えて、第2のセンサ66は、流出口32の近傍に位置し、第2の位置において、プラズマ源本体12に形成された流路40の流路面86の第2の温度(T2)を測定するように構成されていてもよい。図示されているように、図示された実施形態においては、流路40の流路面86の第2の温度(T2)は、流出口32の近傍で測定される。必要に応じて、プラズマ源本体12上に位置する任意の数の任意的なセンサ70を用いて流路40内の様々な位置で任意の数の流路面86の温度(Tn)を測定してもよい。このため、ユーザは、T1、T2、及び/又は(存在する場合には)Tnの間における少なくとも1つの温度勾配を算出してもよい。
【0033】
本出願は、さらに、少なくとも1つのプラズマ源により生成されたラジカルの出力の変化を検出する方法を開示する。例えば、一実施形態においては、図1図9に開示されるプラズマ源10を用いてリモートプラズマ源からのラジカル出力の変化を検出してもよい。さらに、本出願に開示されるプラズマ源10は、プラズマ源本体12内に形成される流路40内で変化するガス及び表面の状態をモニタリングする診断方法を提供するように構成され得る。図6図10に示されるように、使用中に、少なくとも1つの処理ガス90を少なくとも1つのガス流入口30からプラズマ源本体12内に形成された流路40に導入して少なくとも1つの入力ガス92を構成してもよい。一実施形態においては、処理ガス90は水素(H2)を含んでいるが、本システムでは使用しない別の様々なガスを用いてもよい。そのような別のガスの例としては、フッ素ベースのガス(例えばNF3)、酸素(O2)、窒素(N2)などが挙げられるが、これらに限られるものではない。処理ガス90/入力ガス92を1以上のポンプ(図示せず)によりプラズマ源本体12に導入してプラズマ源本体12から排出して、流路40に形成される第1の経路42及び第2の経路44を通って流れるように導いてもよい。少なくとも1つのプラズマチャンバ22,24に少なくとも1つのプラズマを生成するために少なくとも1つの電力源(図示せず)をプラズマ源10に連結してもよい。第1のプラズマチャンバ22及び第2のプラズマチャンバ24を通って流れる入力ガス92はプラズマに対して相互作用を及ぼすことによって、入力ガス92を励起して流路40内に少なくとも1つのプラズマ領域124を形成する。プラズマ領域124を通って流れる入力ガス92の少なくとも一部は、プラズマ領域124内に形成されたプラズマに曝され、流路40の少なくとも一部の内部に少なくとも1つの反応性又は解離ガス94を生成する。その後、入力ガス92/解離ガスは、流出口32を介してプラズマ源10から排出されてもよい。より具体的には、入力ガス92がプラズマ源10内の流路40に沿ってプラズマによって活性化されると、入力ガス92の一部がプラズマ領域124内で解離して解離ガス94を形成する。解離ガス94の一部は、第1のセンサ62の近傍の流路40の流路面86に沿って再結合し得る。
【0034】
図1図9を再び参照すると、図示された実施形態では第1のプラズマチャンバ22と第2のプラズマチャンバ24のうち少なくとも一方の近傍に位置している第1のセンサ62は、使用中に、流出口32から離れたプラズマ源本体12の流路40内の流路面86の第1の温度(T1)を測定するように構成されていてもよい。例えば、図示された実施形態においては、第1のセンサ62は、プラズマ領域124内又はその近傍の位置で流路面86の温度を測定するように構成されている。一実施形態においては、第1の温度T1は、第1のセンサ62の近傍の流路40の流路面86又はその近傍における解離ガス94の再結合に関連する温度を反映し得る。さらに、流路40の流出口32の近傍に配置された第2のセンサ66は、第1のセンサ62とは異なる位置で流路面86の少なくとも第2の温度(T2)を測定するように構成されていてもよい。例えば、図示された実施形態においては、第2のセンサ66は、出力96の近傍の流路面86の温度を測定するように構成される。図示された実施形態においては、第2のセンサ66がプラズマ領域124の外部に位置している。その結果として、解離ガス94の一部がプラズマ領域124内で再解離し、流出口32の近傍に位置する第2のセンサ66により流路面86で測定される温度(T2)に変化が生じ得る。このため、第1のセンサ62により測定される第1の温度T1と第2のセンサ66により測定される第2の温度T2との間の温度差を比較することによりプラズマ源10のラジカル出力を素早く(実質的に直ちに)簡単にモニタリングし得る。必要に応じて、流路40の近傍のいずれかの場所に少なくとも1つの任意的なセンサ70を配置してもよく、この少なくとも1つの任意的なセンサ70は、流路40内の所望の位置で任意の数の流路面86の付加的な温度(Tn)を測定するように構成されていてもよい。その後、図6及び図10に示されるように、第1のセンサ62、第2のセンサ66、及び任意的なセンサ70により測定された温度データを第1のセンサ導線64、第2のセンサ導線68、及び任意的なセンサ導線72を介して少なくとも1つの処理制御システム170に供給してもよい。一実施形態においては、処理制御システム170が、ガス源150、プラズマ源10、及び/又は処理システム160のうち少なくとも1つからデータを受信するように構成されていてもよい。さらに、処理制御システム170が、ガス源150、プラズマ源10、及び/又は処理システム160のうち少なくとも1つにデータ及び/又は制御コマンド172,174,176を供給し、これにより処理制御システム170がガス源150、プラズマ源10、及び/又は処理システム160のうち少なくとも1つを能動的に制御するように構成されていてもよい。一実施形態においては、処理制御システム170は、流路面86の温度を様々な位置で流路40内を流れる反応性ガス94の温度に相関させて近似するように構成されていてもよい。さらに、処理制御システム170は、温度T1及びTnを流出口32の近傍に位置する第2のセンサ66により測定される温度T2と比較することで、第1のプラズマチャンバ22、第2のプラズマチャンバ24、及び/又はプラズマ源本体12内の他の様々な位置又はその近傍でのラジカル損失及び/又はラジカル再結合効果をより正確にユーザに決定させることによりラジカル出力を推定するように構成されていてもよい。このため、処理制御システム170は、ユーザがガス源150、プラズマ源10、及び/又は処理システム160を能動的にモニタリング及び制御して処理システム160への一貫した反応性ガスの流れを維持できるように構成されていてもよい。
【0035】
図11は、本明細書で述べられているT1及びT2測定手法との比較における、プラズマ源10の下流側の熱量計を用いて測定された(正規化された)解離比の相関関係をグラフで示すものである。より具体的には、図11に示される解離比は、熱量計パワー測定値に基づいて算出され、プラズマ源10(図1参照)からの反応性出力を示している。図示されているように、本明細書で述べられている方法によるT1及びT2の測定値を用いることにより、プラズマ源10からのラジカル出力を正確に決定することができる。
【0036】
本明細書に開示されている実施形態は、本発明の原理を説明するためのものである。他の改変を行うことができ、それらも本発明の範囲にあるものである。したがって、本出願に開示されているデバイスは、本明細書に示され述べられている通りのものに限られるものではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11