(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-26
(45)【発行日】2023-07-04
(54)【発明の名称】コンピュータシステム、ゲームシステム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/52 20140101AFI20230627BHJP
A63F 13/35 20140101ALI20230627BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20230627BHJP
A63F 13/53 20140101ALI20230627BHJP
【FI】
A63F13/52
A63F13/35
A63F13/79 500
A63F13/53
(21)【出願番号】P 2018174420
(22)【出願日】2018-09-19
【審査請求日】2021-09-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000134855
【氏名又は名称】株式会社バンダイナムコエンターテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】100124682
【氏名又は名称】黒田 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100104710
【氏名又は名称】竹腰 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100090479
【氏名又は名称】井上 一
(72)【発明者】
【氏名】下元 学
【審査官】柳 重幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-248844(JP,A)
【文献】特開2016-131662(JP,A)
【文献】特表2010-535363(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0244954(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98
A63F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各プレーヤが個別ゲーム画像を見ながら自分のプレーヤキャラクタを操作して、共有するゲーム空間でのゲームプレイを行うマルチプレイゲームを制御するコンピュータシステムであって、
前記ゲーム空間の所与の位置に仮想ディスプレイを配置する配置手段と、
前記仮想ディスプレイの仮想表示設定を前記プレーヤ別に管理する仮想表示設定管理手段と、
前記個別ゲーム画像に前記仮想ディスプレイが含まれる場合に前記仮想ディスプレイに仮想表示させる画像を、当該個別ゲーム画像に係るプレーヤの前記仮想表示設定に基づく仮想表示画像とすることで、当該仮想表示画像を当該個別ゲーム画像中の前記仮想ディスプレイに仮想表示させる制御を行う仮想ディスプレイ個別制御手段と、
を備え、
前記仮想表示設定管理手段は、前記プレーヤ別に、当該プレーヤと関連付けられた関連プレーヤのプレイ状況を示す関連プレーヤ状況画像を前記仮想表示画像とする設定を前記仮想表示設定に少なくとも含める、
コンピュータシステム。
【請求項2】
前記マルチプレイゲームは、複数プレーヤによるグループで参加するゲームであり、
前記関連プレーヤは、当該プレーヤと同じグループに所属するプレーヤであり、
前記仮想表示設定管理手段は、前記関連プレーヤのプレイ状況が所与の状況条件を満たした場合の前記関連プレーヤ状況画像を前記仮想表示画像とする設定を前記仮想表示設定に少なくとも含める、
請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項3】
前記マルチプレイゲームは、対戦ゲームであり、
前記状況条件は、前記対戦ゲームにおいて前記関連プレーヤが所与の優勢状況となったことを示す条件、所与の勝利状況となったことを示す条件、所与の劣勢状況となったことを示す条件、及び、所与の敗北状況となったことを示す条件のうちの少なくとも1つを含む、
請求項2に記載のコンピュータシステム。
【請求項4】
前記仮想表示設定管理手段は、所属するグループが同じプレーヤについては、共通する関連プレーヤ状況画像を前記仮想表示画像とする設定を前記仮想表示設定に少なくとも含める、
請求項2又は3に記載のコンピュータシステム。
【請求項5】
前記マルチプレイゲームは、対戦ゲームであり、
前記仮想表示設定管理手段は、当該プレーヤの前記仮想表示設定を当該プレーヤにとって対戦相手となる対戦相手プレーヤの前記仮想表示設定に切り替える設定切替条件を満たしたプレーヤについての前記仮想表示設定を前記対戦相手プレーヤの仮想表示設定に切り替える設定切替手段を有する、
請求項1~4の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項6】
各プレーヤが個別ゲーム画像を見ながら自分のプレーヤキャラクタを操作して、共有するゲーム空間でのゲームプレイを行うマルチプレイゲームを制御するコンピュータシステムであって、
前記ゲーム空間の所与の位置に仮想ディスプレイを配置する配置手段と、
前記仮想ディスプレイの仮想表示設定を前記プレーヤ別に管理する仮想表示設定管理手段と、
前記個別ゲーム画像に前記仮想ディスプレイが含まれる場合に前記仮想ディスプレイに仮想表示させる画像を、当該個別ゲーム画像に係るプレーヤの前記仮想表示設定に基づく仮想表示画像とすることで、当該仮想表示画像を当該個別ゲーム画像中の前記仮想ディスプレイに仮想表示させる制御を行う仮想ディスプレイ個別制御手段と、
を備え、
前記マルチプレイゲームは、対戦ゲームであり、
前記仮想表示設定管理手段は、当該プレーヤの前記仮想表示設定を当該プレーヤにとって対戦相手となる対戦相手プレーヤの前記仮想表示設定に切り替える設定切替条件を満たしたプレーヤについての前記仮想表示設定を前記対戦相手プレーヤの仮想表示設定に切り替える設定切替手段を有する、
コンピュータシステム。
【請求項7】
前記設定切替条件は、前記仮想表示設定を切り替え可能なスキルが発動したこと、である、
請求項5又は6に記載のコンピュータシステム。
【請求項8】
前記設定切替条件は、前記仮想表示設定を切り替え可能なゲーム進行状況に至ったこと、である、
請求項5又は6に記載のコンピュータシステム。
【請求項9】
前記コンピュータシステムは、前記個別ゲーム画像を表示する各プレーヤのプレーヤ端末と通信接続されるサーバシステムである、
請求項1~
8の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項10】
請求項
9に記載のコンピュータシステムである前記サーバシステムと、
前記個別ゲーム画像を表示する各プレーヤのプレーヤ端末と、
を具備するゲームシステム。
【請求項11】
各プレーヤのプレーヤ端末が通信接続されて構成されるコンピュータシステムに、各プレーヤが個別ゲーム画像を見ながら自分のプレーヤキャラクタを操作して、共有するゲーム空間でのゲームプレイを行うマルチプレイゲームを実行させるためのプログラムであって、
前記ゲーム空間の所与の位置に仮想ディスプレイを配置する配置手段、
前記仮想ディスプレイの仮想表示設定を前記プレーヤ別に管理する仮想表示設定管理手段、
前記個別ゲーム画像に前記仮想ディスプレイが含まれる場合に前記仮想ディスプレイに仮想表示させる画像を、当該個別ゲーム画像に係るプレーヤの前記仮想表示設定に基づく仮想表示画像とすることで、当該仮想表示画像を当該個別ゲーム画像中の前記仮想ディスプレイに仮想表示させる制御を行う仮想ディスプレイ個別制御手段、
として前記コンピュータシステムを機能させ、
前記仮想表示設定管理手段は、前記プレーヤ別に、当該プレーヤと関連付けられた関連プレーヤのプレイ状況を示す関連プレーヤ状況画像を前記仮想表示画像とする設定を前記仮想表示設定に少なくとも含める、
プログラム。
【請求項12】
各プレーヤのプレーヤ端末が通信接続されて構成されるコンピュータシステムに、各プレーヤが個別ゲーム画像を見ながら自分のプレーヤキャラクタを操作して、共有するゲーム空間でのゲームプレイを行うマルチプレイゲームを実行させるためのプログラムであって、
前記ゲーム空間の所与の位置に仮想ディスプレイを配置する配置手段、
前記仮想ディスプレイの仮想表示設定を前記プレーヤ別に管理する仮想表示設定管理手段、
前記個別ゲーム画像に前記仮想ディスプレイが含まれる場合に前記仮想ディスプレイに仮想表示させる画像を、当該個別ゲーム画像に係るプレーヤの前記仮想表示設定に基づく仮想表示画像とすることで、当該仮想表示画像を当該個別ゲーム画像中の前記仮想ディスプレイに仮想表示させる制御を行う仮想ディスプレイ個別制御手段、
として前記コンピュータシステムを機能させ、
前記マルチプレイゲームは、対戦ゲームであり、
前記仮想表示設定管理手段は、当該プレーヤの前記仮想表示設定を当該プレーヤにとって対戦相手となる対戦相手プレーヤの前記仮想表示設定に切り替える設定切替条件を満たしたプレーヤについての前記仮想表示設定を前記対戦相手プレーヤの仮想表示設定に切り替える設定切替手段を有する、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マルチプレイゲームを制御するコンピュータシステム等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複数のプレーヤが参加して同時にプレイするマルチプレイ型のゲームが知られている。各プレーヤがゲーム空間を共有して楽しむタイプのゲームにおいては、各プレーヤ用のゲーム画像は、そのプレーヤを基準とした視点画像(いわゆる1人称視点画像や3人称視点画像)とされるのが一般的である。そのため、ゲーム空間に配置されたオブジェクト(例えば敵キャラクタ)は、各プレーヤがそれを視界に捉えることで、同じく見ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2008-228943号公報
【文献】特開2018-057853号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
仮に、ゲーム空間にディスプレイを配置した設定のゲームを製作する場合、各プレーヤがその仮想ディスプレイを視界に捉えることで、その仮想ディスプレイに仮想表示される映像を同じく見ることができるように製作するのが従来の常識的な考え方であった。
【0005】
しかし、折角、仮想ディスプレイをゲーム空間に配置するのであれば、その仮想ディスプレイに仮想表示させる映像が各プレーヤに共通のままでは興趣性に劣ると考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための第1の発明は、各プレーヤが個別ゲーム画像を見ながら自分のプレーヤキャラクタを操作して、共有するゲーム空間でのゲームプレイを行うマルチプレイゲームを制御するコンピュータシステム(例えば、
図1のサーバシステム1100)であって、前記ゲーム空間の所与の位置に仮想ディスプレイを配置する配置手段(例えば、
図9の仮想ディスプレイ配置部231)と、前記仮想ディスプレイの仮想表示設定を前記プレーヤ別に管理する仮想表示設定管理手段(例えば、
図9の仮想表示設定管理部233)と、前記個別ゲーム画像に前記仮想ディスプレイが含まれる場合に前記仮想ディスプレイに仮想表示させる画像を、当該個別ゲーム画像に係るプレーヤの前記仮想表示設定に基づく仮想表示画像とすることで、当該仮想表示画像を当該個別ゲーム画像中の前記仮想ディスプレイに仮想表示させる制御を行う仮想ディスプレイ個別制御手段(例えば、
図9の仮想ディスプレイ個別制御部235)と、を備えたコンピュータシステムである。
【0007】
第1の発明によれば、複数のプレーヤがマルチプレイゲームで共有するゲーム空間に仮想ディスプレイを配置する。そして、プレーヤ毎に生成される個別ゲーム画像に仮想ディスプレイが含まれる場合には、該当するプレーヤについて設定された仮想表示設定に基づく仮想表示画像を、当該個別ゲーム画像の仮想ディスプレイに仮想表示させることができる。これによれば、共有するゲーム空間内に配置された同じ仮想ディスプレイの表示内容を、表示先のプレーヤに応じた内容とすることができる。したがって、プレーヤは、ゲーム空間内の移動中に仮想ディスプレイを視界に捉えることで、自分の仮想表示設定に基づく仮想表示画像を見ることができる。各プレーヤに応じた仮想表示となるため、ゲームの興趣性が向上する。
【0008】
第2の発明は、前記仮想表示設定管理手段は、前記プレーヤ別に、当該プレーヤと関連付けられた関連プレーヤのプレイ状況を示す関連プレーヤ状況画像を前記仮想表示画像とする設定を前記仮想表示設定に少なくとも含める、第1の発明のコンピュータシステムである。
【0009】
第2の発明によれば、個別ゲーム画像に仮想ディスプレイが含まれる場合に、当該個別ゲーム画像に係るプレーヤと関連付けられた関連プレーヤのプレイ状況を示す関連プレーヤ状況画像を、当該個別ゲーム画像中の仮想ディスプレイに仮想表示させることができる。
【0010】
第3の発明は、前記マルチプレイゲームは、複数プレーヤによるグループで参加するゲームであり、前記関連プレーヤは、当該プレーヤと同じグループに所属するプレーヤであり、前記仮想表示設定管理手段は、前記関連プレーヤのプレイ状況が所与の状況条件を満たした場合の前記関連プレーヤ状況画像を前記仮想表示画像とする設定を前記仮想表示設定に少なくとも含める、第2の発明のコンピュータシステムである。
【0011】
また、第4の発明は、前記マルチプレイゲームは、対戦ゲームであり、前記状況条件は、前記対戦ゲームにおいて前記関連プレーヤが所与の優勢状況となったことを示す条件、所与の勝利状況となったことを示す条件、所与の劣勢状況となったことを示す条件、及び、所与の敗北状況となったことを示す条件のうちの少なくとも1つを含む、第3の発明のコンピュータシステムである。
【0012】
第3又は第4の発明によれば、個別ゲーム画像に仮想ディスプレイが含まれる場合に、所属するグループが同じ関連プレーヤのプレイ状況が例えば所与の優勢状況となったことを示す条件や所与の勝利状況となったことを示す条件、所与の劣勢状況となったことを示す条件、所与の敗北状況となったことを示す条件といった状況条件を満たした場合の当該プレイ状況を示す関連プレーヤ状況画像を、当該個別ゲーム画像中の仮想ディスプレイに仮想表示させることができる。
【0013】
第5の発明は、前記仮想表示設定管理手段は、所属するグループが同じプレーヤについては、共通する関連プレーヤ状況画像を前記仮想表示画像とする設定を前記仮想表示設定に少なくとも含める、第3又は第4の発明のコンピュータシステムである。
【0014】
第5の発明によれば、個別ゲーム画像に仮想ディスプレイが含まれる場合に、所属するグループが同じプレーヤの個別ゲーム画像間で共通の関連プレーヤ状況画像を、当該個別ゲーム画像中の仮想ディスプレイに仮想表示させることができる。
【0015】
第6の発明は、前記マルチプレイゲームは、対戦ゲームであり、前記仮想表示設定管理手段は、当該プレーヤの前記仮想表示設定を当該プレーヤにとって対戦相手となる対戦相手プレーヤの前記仮想表示設定に切り替える設定切替条件を満たしたプレーヤについての前記仮想表示設定を前記対戦相手プレーヤの仮想表示設定に切り替える設定切替手段を有する、第1~第5の何れかの発明のコンピュータシステムである。
【0016】
第6の発明によれば、設定切替条件を満たしたプレーヤの仮想表示設定を、対戦相手プレーヤの仮想表示設定に切り替えることができる。したがって、当該設定切替条件を満たしたプレーヤの個別ゲーム画像に仮想ディスプレイが含まれる場合には、対戦相手プレーヤの個別ゲーム画像に仮想ディスプレイが含まれるときに当該仮想ディスプレイに仮想表示される仮想表示画像を、当該個別ゲーム画像中の仮想ディスプレイに仮想表示させることができる。
【0017】
第7の発明は、前記設定切替条件は、前記仮想表示設定を切り替え可能なスキルが発動したこと、である、第6の発明のコンピュータシステムである。
【0018】
第7の発明によれば、仮想表示設定を切り替え可能なスキルが発動したことを条件に、プレーヤの仮想表示設定を対戦相手プレーヤの仮想表示設定に切り替えることができる。
【0019】
第8の発明は、前記設定切替条件は、前記仮想表示設定を切り替え可能なゲーム進行状況に至ったこと、である、第6の発明のコンピュータシステムである。
【0020】
第8の発明によれば、仮想表示設定を切り替え可能なゲーム進行状況に至ったことを条件に、プレーヤの仮想表示設定を対戦相手プレーヤの仮想表示設定に切り替えることができる。
【0021】
第9の発明は、各プレーヤの前記個別ゲーム画像間で同じ一般画像を前記仮想ディスプレイに仮想表示させる一般画像仮想表示設定手段、を更に備え、前記仮想ディスプレイ個別制御手段は、前記仮想ディスプレイに仮想表示させる画像を、プレーヤ別の前記仮想表示設定に基づく仮想表示画像とするゲーム状況となったことを示すプレーヤ別表示切替条件を満たさない場合には、前記一般画像を前記仮想ディスプレイに仮想表示させ、前記プレーヤ別表示切替条件を満たした場合には、プレーヤ別の前記仮想表示設定に基づく仮想表示画像を前記仮想ディスプレイに仮想表示させる、第1~第8の何れかの発明のコンピュータシステムである。
【0022】
第9の発明によれば、個別ゲーム画像に仮想ディスプレイが含まれる場合に、ゲーム状況が所定のゲーム状況となっておらず当該個別ゲーム画像に係るプレーヤのプレーヤ別表示切替条件を満たさない場合は一般画像、当該プレーヤ別表示切替条件を満たした場合にはその仮想表示設定に基づく仮想表示画像を、当該個別ゲーム画像中の仮想ディスプレイに仮想表示させることができる。
【0023】
第10の発明は、ゲーム状況が前記プレーヤ別表示切替条件を満たした場合に所定の報知制御を行う報知制御手段、を更に備えた第9の発明のコンピュータシステムである。
【0024】
第10の発明によれば、例えば、ゲーム状況が所定のゲーム状況となってプレーヤ別表示切替条件を満たした旨を、プレーヤ別表示切替条件に係るプレーヤに報知することが可能となる。
【0025】
第11の発明は、前記コンピュータシステムは、前記個別ゲーム画像を表示する各プレーヤのプレーヤ端末(例えば、
図1のプレーヤ端末1500)と通信接続されるサーバシステム(例えば、
図1のサーバシステム1100)である、第1~第10の何れかの発明のコンピュータシステムである。
【0026】
また、第12の発明は、第11の発明のコンピュータシステムである前記サーバシステムと、前記個別ゲーム画像を表示する各プレーヤのプレーヤ端末と、を具備するゲームシステム(例えば、
図1のゲームシステム1000)である。
【0027】
第11又は第12の発明によれば、第1~第10の何れかの発明と同様の効果を奏するサーバシステムを実現できる。
【0028】
第13の発明は、各プレーヤのプレーヤ端末が通信接続されて構成されるコンピュータシステムに、各プレーヤが個別ゲーム画像を見ながら自分のプレーヤキャラクタを操作して、共有するゲーム空間でのゲームプレイを行うマルチプレイゲームを実行させるためのプログラムであって、前記ゲーム空間の所与の位置に仮想ディスプレイを配置する配置手段、前記仮想ディスプレイの仮想表示設定を前記プレーヤ別に管理する仮想表示設定管理手段、前記個別ゲーム画像に前記仮想ディスプレイが含まれる場合に前記仮想ディスプレイに仮想表示させる画像を、当該個別ゲーム画像に係るプレーヤの前記仮想表示設定に基づく仮想表示画像とすることで、当該仮想表示画像を当該個別ゲーム画像中の前記仮想ディスプレイに仮想表示させる制御を行う仮想ディスプレイ個別制御手段、として前記コンピュータシステムを機能させるためのプログラム(例えば
図13のゲームプログラム504)である。
【0029】
第13の発明によれば、プレーヤ端末が通信接続されて構成されるコンピュータシステムに、第1~第10の何れかの発明と同様の効果を奏させるプログラムを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図5】仮想ディスプレイの仮想表示を説明する模式図。
【
図6】仮想ディスプレイを含む個別ゲーム画像の一例を示す図。
【
図9】サーバシステムの機能構成例を示すブロック図。
【
図10】対戦プレイデータのデータ構成例を示す図。
【
図11】プレーヤ端末の機能構成例を示すブロック図。
【
図12】サーバシステムにおける処理の流れを説明するためのフローチャート。
【
図13】変形例1におけるプレーヤ端末の機能構成例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、以下説明する実施形態によって本発明が限定されるものではなく、本発明を適用可能な形態が以下の実施形態に限定されるものでもない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付す。
【0032】
図1は、本実施形態におけるゲームシステム1000の全体構成例を示す図である。
図1に示すように、ゲームシステム1000は、サーバシステム1100と、本実施形態のゲームのプレーヤ2が所持するプレーヤ端末1500とを含み、これらが通信回線Nを介して相互にデータ通信可能に通信接続されて構成される。
【0033】
通信回線Nは、データ通信が可能な通信路を意味する。すなわち、通信回線Nとは、直接接続のための専用線(専用ケーブル)やイーサネット(登録商標)等によるLAN(Local Area Network)の他、電話通信網やケーブル網、インターネット等の通信網を含む意味であり、また、通信方法については有線/無線を問わない。
【0034】
サーバシステム1100は、本体装置1101と、キーボード1106と、タッチパネル1108と、ストレージ1140とを備え、本体装置1101は制御基板1150を内蔵している。
【0035】
制御基板1150には、CPU(Central Processing Unit)1151やGPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)等の各種マイクロプロセッサ、VRAMやRAM、ROM等の各種ICメモリ1152、通信装置1153等の電子部品が搭載される。なお、制御基板1150の一部又は全部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(field-programmable gate array)、SoC(System on a Chip)により実現するとしてもよい。
【0036】
このサーバシステム1100は、CPU1151等が所定のプログラムおよびデータに基づいて演算処理することにより、ユーザ登録等に係るユーザ管理機能と、プレーヤ端末1500でゲームをプレイするのに必要なデータを提供してプレーヤ端末1500でのゲームの実行制御を管理するゲーム管理機能とを実現する。つまり、本実施形態におけるゲームは、一種のクライアント・サーバ型のオンラインゲームとして実現される。そして、本実施形態では、サーバシステム1100は、コンピュータシステムとして、複数のプレーヤ2がそれぞれの自プレーヤ端末1500に表示される個別のゲーム画像(個別ゲーム画像)を見ながら自分のプレーヤキャラクタを操作し、共有するゲーム空間でゲームをプレイするマルチプレイゲームの実行を制御する。プレーヤ2は、プレーヤ端末1500でサーバシステム1100にアクセスし、発給されたアカウントによりログインして、他のプレーヤ2とともにマルチプレイゲームを楽しむ。
【0037】
なお、サーバシステム1100は、
図1に示す単体の構成に限らず、各機能を分担する複数のブレードサーバを搭載して相互に内部バスを介してデータ通信可能に接続した構成であってもよい。或いは、離れた場所に設置された独立した複数のサーバを、通信回線Nを介してデータ通信させることで、全体としてサーバシステム1100として機能させる構成であってもよい。
【0038】
プレーヤ端末1500は、マンマシンインターフェースの機能を担うコンピュータシステムであって、携帯電話基地局や無線通信基地局等を介して通信回線Nに接続し、サーバシステム1100とデータ通信を行うことができる。このプレーヤ端末1500は、例えば、スマートフォン、携帯電話機、携帯型ゲーム装置、据置型家庭用ゲーム装置、据置型家庭用ゲーム装置のコントローラ、業務用ゲーム装置、パソコン、タブレット型コンピュータ、ウェアラブルコンピュータ等の形態を取り得る。
【0039】
図2は、プレーヤ端末1500の一例であるスマートフォンの装置構成例を示す図である。
図2に示すように、プレーヤ端末1500は、方向入力キー1502と、ホームキー1504と、画像表示デバイス兼接触位置入力デバイスとして機能するタッチパネル1506と、内蔵バッテリー1509と、スピーカ1510と、マイク1512と、制御基板1550と、コンピュータ読み出し可能な記憶媒体であるメモリカード1540に対してデータを読み書きできるメモリカード読取装置1542とを備える。その他、図示しない電源ボタン、音量調節ボタン等が設けられている。
【0040】
制御基板1550には、CPU1551やGPU、DSP等の各種マイクロプロセッサ、VRAMやRAM,ROM等の各種ICメモリ1552、通信回線Nに接続する携帯電話基地局や無線LAN基地局等と無線通信するための無線通信モジュール1553、インターフェース回路1557等が搭載されている。また、制御基板1550には、方向入力キー1502やホームキー1504からの信号を受信する回路、タッチパネル1506のドライバ回路、スピーカ1510へ音声信号を出力する出力アンプ回路、マイク1512で集音された音声の信号を生成する音声信号生成回路、メモリカード読取装置1542への信号入出力回路といった、いわゆるI/F回路(インターフェース回路)1557等が搭載されている。これら制御基板1550に搭載されている各要素は、それぞれがバス回路等を介して電気的に接続され、データの読み書きや信号の送受信が可能に接続されている。なお、制御基板1550の一部または全部をASICやFPGA、SoCにて構成してもよい。
【0041】
この制御基板1550においてICメモリ1552には、ゲームクライアントプログラムや、このゲームクライアントプログラムを実行するのに必要な各種設定データ等が格納される。ゲームクライアントプログラム等は、適宜のタイミングでサーバシステム1100からダウンロードされる。なお、別途入手したメモリカード1540等の記憶媒体から読み出す構成としてもよい。そして、CPU1551等がゲームクライアントプログラムを実行して演算処理を実行し、タッチパネル1506や方向入力キー1502、ホームキー1504に対する操作入力に応じてプレーヤ端末1500の各部を制御することで、プレーヤ2のゲームプレイを可能にする。
【0042】
[原理]
本実施形態のマルチプレイゲームは、プレーヤキャラクタで構成されるチーム(グループ)を編成して敵と闘う対戦ゲームであり、2人以上のプレーヤ2が各々のプレーヤキャラクタを選択し、協力して対戦相手とのバトルに挑む。1回のゲームに参加するプレーヤの数や各プレーヤが操作するプレーヤキャラクタの数は特に限定されないが、以下では、3人のプレーヤ2(2a、2b、2cとする)が1体ずつプレーヤキャラクタを操作するとして説明する。また、対戦相手はコンピュータ制御の敵キャラクタ(NPC(Non-Playable Character))とする。
【0043】
図3は、ゲーム空間の一例を示す図である。また、
図4は、
図3の場面においてプレーヤ2aのプレーヤ端末1500aに表示される個別ゲーム画像の例を示す図である。
図3に示すように、ゲームに参加するプレーヤ2(2a、2b、2c)は、それぞれが自分のプレーヤキャラクタ3(3a、3b、3c)を操作して各プレーヤ間で共有する仮想3次元空間であるゲーム空間内を移動する。そして、敵キャラクタ(本実施形態ではNPC)4と遭遇すると、これと対戦する。
【0044】
ゲーム空間は、プレーヤキャラクタ3や敵キャラクタ4の他、舞台となるステージ5や建物6,7等の背景オブジェクトが配置されて形成される。また、各プレーヤキャラクタ3(3a、3b、3c)の背後にはそれらを操作する各プレーヤ2(2a、2b、2c)用の仮想カメラ8(8a、8b、8c)が配置され、対応するプレーヤキャラクタ3の移動に追従する。そして、プレーヤ端末1500には、そのプレーヤ2用の仮想カメラ8から見たゲーム空間の様子が、当該プレーヤ2に係る個別ゲーム画像として表示される。例えば、
図4に示すように、プレーヤ端末1500aには、プレーヤ2a用の仮想カメラ8aから見た画像が、プレーヤ2aに係る個別ゲーム画像として表示される。仮想カメラ8の位置はプレーヤキャラクタ3の位置を変更操作することでプレーヤキャラクタ3から背面側に所定距離離れた位置に自動的に追従するように変更され、仮想カメラ8の視線向きはプレーヤ2がプレーヤキャラクタ3の視線を変更操作することで変更される。
【0045】
さて、本実施形態では、ゲーム空間には、大型ビジョンオブジェクトが仮想ディスプレイ9として配置される。
図5は、仮想ディスプレイ9の仮想表示を説明する模式図である。また、
図6は、プレーヤ2aに係る個別ゲーム画像であって、仮想ディスプレイ9が含まれる個別ゲーム画像の一例を示す図である。例えば、
図5に示すように、仮想ディスプレイ9は、視線を上に向けることでなるべく遠方からでも視界に入るように、ステージ5の上方において4つの表示面のそれぞれを四方位に向けて配置される。そして、個別ゲーム画像に仮想ディスプレイ9が含まれる場合には、当該個別ゲーム画像に係るプレーヤ2の仮想表示設定に基づく仮想表示画像が、当該個別ゲーム画像中の仮想ディスプレイ9に仮想表示される。仮想表示設定は、ゲームプレイの開始に先立ちゲームに参加するプレーヤ2が各自行った設定操作に基づいて、プレーヤ2別に設定・管理される。
【0046】
したがって、
図6に示すように、ステージ5の上方を見上げる等して仮想ディスプレイ9を視界に捉えると、そこには自分の設定操作に応じた仮想表示画像が表示される。つまり、同じゲーム空間を共有してゲームをプレイする各プレーヤ2のプレーヤ端末1500には、仮想ディスプレイ9に視線を向ければその個別ゲーム画像内に仮想ディスプレイ9が表示されるが、そこに仮想表示される仮想表示画像は、当該個別ゲーム画像に係るプレーヤ2に応じた内容の画像とされる。
【0047】
なお、仮想ディスプレイの配置態様は、
図3等に例示した態様に限定されるものではない。例えば、ステージの壁面に大型ビジョンオブジェクトが配置するとしてもよい。或いは、ゲーム空間中の特定の場所に仮想ディスプレイを配置して、その特定の場所にプレーヤキャラクタ3を移動させれば仮想表示画像を見ることができる構成でもよい。或いは、ステージの床面、建物の外壁や窓部分等を仮想ディスプレイと見立てて仮想表示画像を表示する等、ゲーム空間を形成している背景オブジェクトの一部を仮想ディスプレイとして利用する構成でもよい。
【0048】
(1)仮想表示設定について
図7は、プレーヤ2a向けの仮想表示設定560の一例を示す図である。以下、このプレーヤ2aに注目して原理説明を行うが、実際には、ゲームに参加する全てのプレーヤ2をそれぞれ注目プレーヤとして、当該原理説明の処理を行う。
図7に示すように、仮想表示設定560は、関連プレーヤ設定563と、状況条件設定565と、共通設定567とを含む。
【0049】
関連プレーヤ設定563には、チームメイトのプレーヤ2のうちの関連プレーヤとするプレーヤ2のプレーヤ名が設定される。この関連プレーヤ設定563は、注目プレーヤ2aの設定操作を受け付けて設定される。ここでの設定操作は、チームメイトの中から関連プレーヤとするプレーヤ2を選ぶ操作で実現でき、何れか1人を関連プレーヤとして選択可能な構成でもよいし、複数人を選べるのでもよい。或いは、注目プレーヤ2aが別途フレンド登録したプレーヤを自動的に関連プレーヤとして設定するとしてもよい。
【0050】
状況条件設定565には、所与の状況条件が設定される。この状況条件設定565は、関連プレーヤのプレイ状況を示す関連プレーヤ状況画像を仮想表示画像とするための設定であり、本実施形態では、関連プレーヤ設定563に設定された関連プレーヤのプレイ状況が状況条件設定565に設定された状況条件を満たした場合に、当該プレイ状況に係る関連プレーヤ状況画像が仮想表示画像とされる。
【0051】
そのために、状況条件設定565には、1つ又は複数のプレイ状況が設定される。例えば、関連プレーヤが所与の優勢状況となったことを示す優勢状況条件、関連プレーヤが所与の勝利状況となったことを示す勝利状況条件、関連プレーヤが所与の劣勢状況となったことを示す劣勢状況条件、及び関連プレーヤが所与の敗北状況となったことを示す敗北状況条件の4つのプレイ状況が設定される。優勢状況条件は、例えば、「関連プレーヤが対戦中であり、形勢が優勢であること」等として定義される。同様に、劣勢状況条件は、例えば、「関連プレーヤが対戦中であり、形勢が劣勢であること」等として定義される。形勢が優勢/劣勢か否かは、プレーヤキャラクタが対戦している対戦相手の敵キャラクタとプレーヤキャラクタとの体力値等の能力パラメータ値の相対関係に基づき判別できる。一方、勝利状況条件は、例えば、「関連プレーヤが過去所定時間(例えば10秒でもよいし1分でもよい)以内に対戦に勝利したこと(例えば対戦相手を撃破したこと)」等として設定される。また、敗北状況条件は、例えば、「関連プレーヤが過去所定時間以内に対戦に敗北したこと(例えば撃破されたこと)」等として設定される。なお、状況条件設定565には、例示した4つのうちの1つ又は2つ以上のプレイ状況が設定されるとしてもよいし、それとは異なるプレイ状況が設定されるとしてもよい。また、状況条件設定565は、注目プレーヤ2aの設定操作を受け付けて設定することもできる。すなわち、上記4つの条件を含む複数の状況条件を提示し、注目プレーヤ2aがその中から選んだプレイ状況を状況条件として、状況条件設定565を設定する構成でもよい。
【0052】
共通設定567は、所属するチームが同じプレーヤ2の個別ゲーム画像において共通の関連プレーヤ状況画像(以下「共通状況画像」という)を仮想表示画像とするための設定であり、例えば、共通状況画像における表示項目が設定される。具体的には、本実施形態では、共通状況画像を、所属チームの戦況や所属する各プレーヤの各種ステータスの値、各々のプレーヤキャラクタの現在位置といった表示項目を表示した画像とすることで、所属チームのゲーム状況をプレーヤ2に提示する。そして、共通設定567には、共通状況画像の表示項目が設定される。例えば、表示項目の候補を提示し、注目プレーヤ2aがその中から選んだものを表示項目として、共通設定567を設定する。
【0053】
(2)仮想表示画像について
ゲーム中は、各プレーヤを注目プレーヤとして仮想表示制御処理を実行し、その個別ゲーム画像に含まれる仮想ディスプレイ9に、注目プレーヤの仮想表示設定に基づく仮想表示画像を仮想表示させる制御を行う。本実施形態では、関連プレーヤ設定563の関連プレーヤのプレイ状況が状況条件設定565の状況条件を満たす場合は、そのプレイ状況を示す関連プレーヤ状況画像を仮想表示画像として、仮想ディスプレイ9への仮想表示を制御する。
【0054】
例えば、
図6に例示した仮想ディスプレイ9の仮想表示は、関連プレーヤのプレイ状況が状況条件の1つである優勢状況条件を満たしたときの表示例であり、仮想表示画像は、その時点での関連プレーヤのプレーヤキャラクタ3(
図6ではプレーヤキャラクタ3b)と敵キャラクタ4との対戦の様子を示す関連プレーヤ状況画像とされる。また、図示しないが、劣勢状況条件を満たしたときも同様に、仮想表示画像は、その時点での関連プレーヤの対戦の様子を示す関連プレーヤ状況画像とされる。そして、勝利状況条件を満たしたときには、当該勝利した対戦の様子を示す関連プレーヤ状況画像(リプレイ画像)が仮想表示画像とされる。同様に、敗北状況条件を満たしたときには、当該敗北した対戦の様子を示す関連プレーヤ状況画像が仮想表示画像とされる。
【0055】
また、複数の関連プレーヤが設定されている場合には、仮想ディスプレイ9の複数の表示面に各関連プレーヤを割り当てて、各々のプレイ状況を示す関連プレーヤ状況画像を仮想表示する制御を行う。例えば
図5の場合、1つの表示面991には、関連プレーヤの1人であるプレーヤ2bが操作するプレーヤキャラクタ3bのプレイ状況を示す関連プレーヤ状況画像が仮想表示され、別の表示面993には、プレーヤ2cが操作するプレーヤキャラクタ3cのプレイ状況を示す関連プレーヤ状況画像が仮想表示される。それぞれの表示面993は、それぞれ別々の仮想ディスプレイであるということもできる。
【0056】
一方、状況条件設定565の何れの状況条件も満たさないときには、共通設定567の表示項目に従って所属チームに係る共通状況画像を仮想表示画像として、仮想ディスプレイ9への仮想表示を制御する。
【0057】
この仮想表示制御処理によれば、プレーヤ2毎の仮想表示設定560に基づく仮想表示画像が仮想ディスプレイ9に仮想表示される。そのため、各プレーヤ2が同時に仮想ディスプレイ9を見たとしても、それ自体は共有するゲーム空間内の同じ大型ビジョンオブジェクトであるのに、各プレーヤ2の個別ゲーム画像において仮想ディスプレイ9に表示されるのは同じ画像ではなく、当該個別ゲーム画像に係るプレーヤ2の仮想表示設定560に基づく仮想表示画像が仮想表示される。そして、本実施形態では、関連プレーヤのプレイ状況が状況条件を満たすときにはそのプレイ状況を示す関連プレーヤ状況画像が仮想表示画像とされ、満たさなければ共通状況画像が仮想表示画像とされる。よって、プレーヤ2は、ゲーム空間内を移動している間等に上を見上げる等して仮想ディスプレイ9を見れば、関連プレーヤのプレーヤキャラクタ3を探して近くまで行かなくてもそのプレイ状況を把握し、或いは所属チームの戦況等のゲーム状況を把握することができる。したがって、プレーヤ2は、ゲームへの没入感を妨げられることなく、自分の仮想表示設定560に基づく仮想表示画像を適宜見ながらゲームを進めることができる。
【0058】
なお、ここでは、状況条件設定565の状況条件を満たさないときは、共通状況画像を仮想表示画像とすることとした。これに対し、共通状況画像の仮想表示は行わずに、既に満たした状況条件に係る関連プレーヤ状況画像を再度表示させることとしてもよい。また、その場合に、注目プレーヤの設定操作を受け付けることで、共通状況画像を表示するか否かのフラグ情報(する:ON/しない:OFF)を共通設定567として設定するとしてもよい。
【0059】
(3)新しく状況条件を満たした場合
上記したように、本実施形態では、ゲーム中はプレーヤ2毎に状況条件設定565の状況条件の成立を監視し、それを満たす場合に仮想ディスプレイ9に関連プレーヤ状況画像を仮想表示させる。そこで、新しく状況条件を満たした場合には、その仮想表示設定560に係るプレーヤ2に対して関連プレーヤのプレイ状況が状況条件を満たした旨を報知する制御を行う。
【0060】
図8は、報知制御の一例を示す図である。
図8の例では、注目プレーヤ2に仮想ディスプレイ9を見るよう促す斜め上向きの矢印形状のマークM1が、「速報中」のコメントC1とともに表示される。これによれば、注目プレーヤは、関連プレーヤが状況条件を満たしたことを把握することができ、仮想ディスプレイ9を視界に含めるように操作することで関連プレーヤの新たな関連プレーヤ状況画像を視認できる。
【0061】
[機能構成]
1.サーバシステム
図9は、サーバシステム1100の機能構成例を示すブロック図である。
図9に示すように、サーバシステム1100は、操作入力部100sと、サーバ処理部200sと、画像表示部390sと、音出力部392sと、通信部394sと、サーバ記憶部500sとを備える。
【0062】
操作入力部100sは、システム管理や保守等のための各種操作を入力するためのものであり、例えばキーボードやマウス、タッチパネル等で実現できる。
図1では、キーボード1106やタッチパネル1108がこれに該当する。
【0063】
サーバ処理部200sは、例えばCPUやGPU、ASIC、FPFA等の演算回路であるプロセッサや、ICメモリ等の電子部品によって実現でき、操作入力部100sやサーバ記憶部500sを含む装置各部との間でデータの入出力制御を行う。そして、所定のプログラムやデータ、操作入力部100sからの操作入力信号、プレーヤ端末1500から受信したデータ等に基づいて各種の演算処理を行い、サーバシステム1100の動作を統括制御する。
図1では、制御基板1150やそのCPU1151がこれに該当する。
【0064】
このサーバ処理部200sは、ユーザ管理部210と、ゲーム管理部230と、計時部280sと、画像生成部290sと、音生成部292sと、通信制御部294sとを備える。
【0065】
ユーザ管理部210は、ユーザ登録に係る処理およびアカウントに紐付けられる各登録ユーザ(プレーヤ)のデータの管理を行う。例えば、登録ユーザへの固有のアカウントの付与処理、アカウント別に個人情報を登録管理する登録情報管理処理、ログインおよびログアウトの履歴等を管理する利用履歴管理処理等を実行することができる。勿論、これら以外のアカウントに紐付けられる他のデータの管理処理も適宜含めることができる。
【0066】
ゲーム管理部230は、ゲームの実行管理に係る各種処理を行う。本実施形態のゲームは、マルチプレイ対応の対戦ゲームをクライアント・サーバ型のオンラインゲームとして行う。そのため、ゲーム管理部230は、プレーヤ端末1500と通信を行いながらゲームプレイに必要なデータを提供する制御を行う。そして、データの提供に当たり、ゲームの進行制御やプレイ結果の反映に関する処理として、1)ゲームに参加するプレーヤのマッチング処理、2)背景オブジェクト等を配置してゲーム空間を形成する処理、3)ゲーム空間にプレーヤキャラクタを配置し、プレーヤ端末1500における操作入力に応じてプレーヤキャラクタの行動を制御する処理、4)ゲームに参加する各プレーヤ用の仮想カメラをゲーム空間に配置・制御する処理、5)ゲーム空間に敵キャラクタを配置し、自動でその動作を制御する処理、6)攻撃のヒット判定とダメージ判定ならびにその反映に関する処理、7)各プレーヤ用の仮想カメラから見たゲーム空間の画像をプレーヤ毎の個別ゲーム画像として生成する処理、8)ゲームの終了条件を満たしたかの判定処理等を実行することができる。また、これらに伴ってゲームプレイの制御に必要な各種データをサーバ記憶部500sに記憶させることができる。
【0067】
このゲーム管理部230は、仮想ディスプレイ配置部231と、仮想表示設定管理部233と、仮想ディスプレイ個別制御部235と、報知制御部237とを含む。
【0068】
仮想ディスプレイ配置部231は、ゲーム空間の所与の位置(
図3の例では天井部分或いは天空)に仮想ディスプレイを配置する。
【0069】
仮想表示設定管理部233は、ゲームに参加するプレーヤ毎に必要な設定操作を受け付けて関連プレーヤ設定563、状況条件設定565、及び共通設定567を含むプレーヤ別の仮想表示設定560を生成し、サーバ記憶部500sに格納して管理する。
【0070】
仮想ディスプレイ個別制御部235は、個別ゲーム画像に仮想ディスプレイが含まれる場合に仮想表示制御処理を実行し、当該個別ゲーム画像に係るプレーヤの仮想表示設定に基づく仮想表示画像を、当該個別ゲーム画像中の仮想ディスプレイに仮想表示させる制御を行う。本実施形態では、関連プレーヤ設定563の関連プレーヤのプレイ状況が状況条件設定565の状況条件を満たす場合はそのプレイ状況を示す関連プレーヤ状況画像を仮想表示画像とし、状況条件を満たさないときには共通設定567の表示項目を表示した共通の関連プレーヤ状況画像(共通状況画像)を仮想表示画像として、仮想ディスプレイへの仮想表示を制御する。
【0071】
報知制御部237は、各プレーヤの仮想表示設定560において状況条件設定565に設定された状況条件を満たすか否かを繰り返し判定してその成立を監視し、新たに成立した状況条件があれば、その仮想表示設定560のプレーヤのプレーヤ端末1500においてその旨を報知する制御を行う。
【0072】
計時部280sは、システムクロックを利用して現在日時や制限時間等の計時を行う。
【0073】
画像生成部290sは、サーバシステム1100のシステム管理等に関する画像を生成し、画像表示部390sへ出力する。
【0074】
音生成部292sは、音声データの生成やデコードをするICやソフトウェアの実行により実現され、サーバシステム1100のシステム管理や動画配信に係る操作音、BGM等の音声データを生成し、或いはデコードする。システム管理に関する音声信号は、音出力部392sへ出力される。
【0075】
通信制御部294sは、通信部394sを介して外部装置(例えばプレーヤ端末1500)とのデータ通信のための通信接続およびデータ処理を行い、外部装置とのデータのやりとりを実現する。
【0076】
画像表示部390sは、画像生成部290sから入力される画像信号に基づいてシステム管理等のための各種画面を表示する。例えば、フラットパネルディスプレイ、ブラウン管(CRT)、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイといった画像表示装置によって実現できる。
図1では、タッチパネル1108がこれに該当する。
【0077】
音出力部392sは、音生成部292sから入力される音声信号を放音する。
図1では、本体装置1101やタッチパネル1108が備えるスピーカ(不図示)がこれに該当する。
【0078】
通信部394sは、通信回線Nと接続して通信を実現する。例えば、無線通信機、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現できる。
図1では、通信装置1153がこれに該当する。
【0079】
サーバ記憶部500sには、サーバシステム1100を動作させ、サーバシステム1100が備える種々の機能を実現するためのプログラムや、このプログラムの実行中に使用されるデータ等が予め格納され、或いは処理の都度一時的に格納される。例えば、RAMやROM等のICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD-ROMやDVD等の光学ディスク等によって実現できる。
図1では、ICメモリ1152やストレージ1140がこれに該当する。
【0080】
また、サーバ記憶部500sには、サーバプログラム501と、配信用ゲームクライアントプログラム503と、ユーザ管理データ510と、ゲームステージ初期設定データ520と、敵キャラクタ初期設定データ530と、プレーヤキャラクタ初期設定データ540と、対戦プレイデータ550とが格納される。また、その他にも、タイマーやカウンタ、各種フラグ等、必要なデータが適宜格納される。
【0081】
サーバプログラム501は、サーバ処理部200sをユーザ管理部210およびゲーム管理部230として機能させるためのプログラムである。なお、画像生成部290sや音生成部292s、通信制御部294sとして機能させるプログラムも適宜これに含めることができる。
【0082】
配信用ゲームクライアントプログラム503は、プレーヤ端末1500にダウンロードされるゲームクライアントプログラム502(
図11を参照)の原本である。
【0083】
ユーザ管理データ510は、ユーザ登録を済ませたプレーヤ毎に用意され、アカウント(プレーヤID)と対応付けて当該プレーヤのゲームプレイに関する管理用の各種データを格納する。例えば、プレーヤ名、プレイ日時やプレイ時間等のプレイ履歴、ゲームのセーブデータ等を含む。
【0084】
ゲームステージ初期設定データ520は、ゲームステージ毎に用意され、当該ゲームステージに係る各種初期設定データを格納する。例えば、1つのゲームステージ初期設定データ520は、ゲームステージID、マップデータ、敵キャラクタの出現設定等を含む。
【0085】
敵キャラクタ初期設定データ530は、敵キャラクタの種類毎に用意され、当該敵キャラクタに係る各種初期設定データを格納する。例えば、1つの敵キャラクタ初期設定データ530は、敵キャラクタの種類、能力パラメータ値、行動パターンを定義する行動パターンデータ等を含む。
【0086】
プレーヤキャラクタ初期設定データ540は、プレーヤキャラクタとされ得るキャラクタの種類毎に用意され、当該プレーヤキャラクタに係る各種初期設定データを格納する。例えば、1つのプレーヤキャラクタ初期設定データ540は、プレーヤキャラクタの種類、能力パラメータ値の初期値等を含む。また、プレーヤキャラクタのモデルデータや、動作制御に用いるモーションデータ等も含む。
【0087】
対戦プレイデータ550は、対戦ゲーム毎に用意され、当該対戦ゲームに参加するプレーヤや、そのゲーム進行状況を記述する各種データを格納する。例えば、
図10に示すように、1つの対戦プレイデータ550は、対戦ID551と、マッチングデータ552と、プレイ中のゲームステージを示すステージID553と、操作入力履歴データ554と、NPC制御履歴データ555と、プレーヤキャラクタ制御データ556と、敵キャラクタ制御データ557と、仮想表示設定560とを含む。
【0088】
マッチングデータ552は、当該対戦ゲームに参加するプレーヤのデータを格納する。具体的には、各プレーヤのアカウント、プレーヤ名、使用するプレーヤ端末1500の装置ID、プレーヤキャラクタの種類や能力パラメータ値といったプレーヤキャラクタ設定等を格納する。なお、本実施形態では、複数のプレーヤがチームを組んでNPCと対戦するとしているが、プレーヤ同士がチーム対戦を行う場合には、マッチングデータ552は、当該対戦ゲームで対戦するチーム分けを示すデータを格納することとなる。すなわち、対戦する各チームのチームIDと対応付けて、当該チームに所属するプレーヤの上記データを格納する。
【0089】
操作入力履歴データ554は、各プレーヤの操作入力の情報を時系列に格納する。NPC制御履歴データ555は、コンピュータが自動制御するNPC別にその制御情報を時系列に格納する。
【0090】
プレーヤキャラクタ制御データ556と敵キャラクタ制御データ557は、それぞれプレーヤキャラクタや敵キャラクタ毎に用意され、当該キャラクタのゲームステージ内での最新状態を記述する各種データを格納する。例えば、各キャラクタの位置座標、姿勢、能力パラメータ値、体力値の残数等を含む。
【0091】
仮想表示設定560は、マッチングデータ552のプレーヤ毎に用意される。1つの仮想表示設定560は、プレーヤ名561と対応付けて、
図7を参照して説明した関連プレーヤ設定563と、状況条件設定565と、共通設定567とを格納する。
【0092】
2.プレーヤ端末
図11は、プレーヤ端末1500の機能構成例を示すブロック図である。
図11に示すように、プレーヤ端末1500は、操作入力部100と、端末処理部200と、画像表示部390と、音出力部392と、通信部394と、端末記憶部500とを備える。
【0093】
操作入力部100は、ユーザが各種操作を入力するためのものであり、例えば、ボタンスイッチ、ジョイスティック、タッチパッド、トラックボール、加速度センサ、角速度センサ、CCDモジュール等によって実現できる。
図2では、方向入力キー1502やホームキー1504、タッチパネル1506がこれに該当する。
【0094】
端末処理部200は、例えばCPUやGPU、ASIC、FPGA等の演算回路であるプロセッサや、ICメモリ等の電子部品によって実現でき、操作入力部100や端末記憶部500を含む装置各部との間でデータの入出力制御を行う。そして、所定のプログラムやデータ、操作入力部100からの操作入力信号、サーバシステム1100から受信したデータ等に基づいて各種の演算処理を行い、プレーヤ端末1500の動作を統括制御する。
図2では、制御基板1550やそのCPU1551がこれに該当する。そして、本実施形態における端末処理部200は、プレーヤ端末演算部270と、計時部280と、画像生成部290と、音生成部292と、通信制御部294とを備える。
【0095】
プレーヤ端末演算部270は、プレーヤ端末1500をプレーヤのゲームプレイのための端末として機能させるための各種演算処理を実行する。例えば、プレーヤ端末演算部270は、操作信号送信制御部271と、ゲーム画面表示制御部273とを含む。
【0096】
操作信号送信制御部271は、操作入力部100に対する操作入力に応じて、各種データやリクエスト情報をサーバシステム1100へ送信するための処理を行う。
【0097】
ゲーム画面表示制御部273は、サーバシステム1100から受信した各種データに基づいて、ゲーム画面を表示するための制御を行う。例えば、本実施形態のオンラインゲームをウェブゲームとして実現するならば、ウェブブラウザをベースとしてHTMLとともにJava(登録商標)やCSS(Cascading Style Sheets)を利用して能動的に画面表示を制御するウェブ技術、Adobe(登録商標)Flash等のプラグインを用いて実現できる。勿論、その他の方法でもかまわない。また、本実施形態の構成では、ゲーム画面のベースとなる各プレーヤの個別ゲーム画像はサーバシステム10にて生成されるが、個別ゲーム画像をプレーヤ端末1500で生成する構成も可能である。その場合、ゲーム画面表示制御部273は、個別ゲーム画像を生成するため、ゲーム空間に配置されたオブジェクトの制御を行うこととなる。
【0098】
画像生成部290は、ゲーム画面表示制御部273と連係して、サーバシステム1100から受信した各種データに基づいて1フレーム時間(例えば1/60秒)で1枚のゲーム画面を表示するための画像信号を生成し、生成した画像信号を画像表示部390に出力する。例えば、GPU、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)等のプロセッサ、ビデオ信号IC、ビデオコーデック等のプログラム、フレームバッファ等の描画フレーム用ICメモリ等によって実現できる。
【0099】
音生成部292は、例えば、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)や、音声合成IC等のプロセッサ、音声ファイルを再生するためのオーディオコーデック等によって実現され、ゲームの効果音やBGM、各種操作音の音声信号を生成して音出力部392に出力する。
【0100】
通信制御部294は、通信部394を介して外部装置(例えばサーバシステム1100)とのデータ通信のための通信接続およびデータ処理を行い、外部装置とのデータのやりとりを実現する。
【0101】
画像表示部390は、画像生成部290から入力される画像信号に基づいて、ゲーム画面等の各種画面を表示する。例えば、フラットパネルディスプレイ、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイといった画像表示装置によって実現できる。
図2では、タッチパネル1506がこれに該当する。
【0102】
音出力部392は、音生成部292から入力される音声信号に基づいてゲームに関する効果音やBGM等を放音する。
図2では、スピーカ1510がこれに該当する。
【0103】
通信部394は、通信回線Nと接続して通信を実現する。例えば、無線通信機、モデム、TA、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現できる。
図2では、無線通信モジュール1553がこれに該当する。
【0104】
端末記憶部500には、プレーヤ端末1500を動作させ、プレーヤ端末1500が備える機能を実現するためのプログラムや、このプログラムの実行中に使用されるデータ等が予め格納され、或いは処理の都度一時的に格納される。例えば、RAMやROM等のICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD-ROMやDVD等の光学ディスク等によって実現できる。
図2では、ICメモリ1552や、メモリカード1540がこれに該当する。
【0105】
また、端末記憶部500には、ゲームクライアントプログラム502と、現在日時801とが格納される。ゲームクライアントプログラム502は、端末処理部200をプレーヤ端末演算部270として機能させるためのプログラムである。このゲームクライアントプログラム502は、オンラインゲームを実現する技術手法に応じた専用のクライアントプログラムであってもよいし、ウェブブラウザプログラムおよびインタラクティブな画像表示を実現するプラグイン等により構成するとしてもよい。本実施形態では、サーバシステム1100から提供される配信用ゲームクライアントプログラム503(
図5を参照)のコピーとする。
【0106】
[処理の流れ]
図12は、1つの対戦ゲームにおいて対戦ゲームに参加する1人の注目プレーヤについて行う仮想ディスプレイへの仮想表示に係る処理の流れを示したフローチャートである。ゲーム中は、
図12の処理をゲームに参加している全てのプレーヤについて行う。ここで説明する処理は、サーバ処理部200sがサーバプログラム501を読み出して実行することによって実現される。なお、プレーヤ端末1500では別途ログイン手続きがなされ、マッチング処理を経てチームの編成を終えているものとする。
【0107】
本処理では、各プレーヤの個別ゲーム画像に含まれる仮想ディスプレイにおいて仮想表示画像を仮想表示させるため、ゲームの開始に先立ち、仮想表示設定管理部233が、注目プレーヤについて仮想表示設定560を生成してサーバ記憶部500sに格納する(ステップSS1)。仮想表示設定管理部233は、ここでの処理をゲームに参加する全てのプレーヤについて実行することで、仮想表示設定560をプレーヤ別に管理する。
【0108】
全てのプレーヤについて仮想表示設定560を生成・記憶すると、その後、ゲームが開始される。すなわち、ゲーム管理部230が背景オブジェクトを配置してゲーム空間を形成し、ゲームに参加する各プレーヤのプレーヤキャラクタと敵キャラクタとを配置する。またその際、仮想ディスプレイ配置部231が、ゲーム空間に仮想ディスプレイを配置する。そして、ゲーム管理部230は、敵キャラクタの自動制御を開始するとともに、各プレーヤの操作入力に応じてそのプレーヤキャラクタを動作させる。その他、対戦ゲームの進行制御として基本的に必要とされる制御も適宜開始する。
【0109】
そして、ゲームの開始以降は、各プレーヤについてステップS3~ステップS13の処理を繰り返し行う。すなわち、注目プレーヤに着目すると、仮想ディスプレイ個別制御部235が先ず、注目プレーヤの個別ゲーム画像に仮想ディスプレイが含まれるか否かを判定する。そして、仮想ディスプレイ9が含まれる場合には(ステップS3:YES)、ステップS1で設定した注目プレーヤの仮想表示設定560に従い関連プレーヤ設定563の関連プレーヤのプレイ状況が状況条件設定565の状況条件を満たすか否かを判定する。そして、状況条件を満たす場合には(ステップS5:YES)、当該満たすと判定した関連プレーヤのプレイ状況を示す関連プレーヤ状況画像を仮想表示画像として、注目プレーヤの個別ゲーム画像において仮想ディスプレイに仮想表示させる制御を行う(ステップS7)。
【0110】
これに対し、状況条件を満たさない場合は(ステップS5:NO)、共通状況画像を仮想表示画像として、注目プレーヤの個別ゲーム画像において仮想ディスプレイに仮想表示させる(ステップS9)。
【0111】
一方で、注目プレーヤの個別ゲーム画像に仮想ディスプレイが含まれない場合にも(ステップS3:NO)、ステップS5と同様の要領で新たに満たした状況条件があるかを判定する。そして、状況条件を満たす場合には(ステップS11:YES)、報知制御部237が、その旨の報知制御を行う(ステップS13)。
【0112】
その後、対戦ゲームが終了したら(ステップS15:YES)、本処理を終える。
【0113】
以上説明したように、本実施形態によれば、ゲームに参加する複数のプレーヤが共有するゲーム空間に仮想ディスプレイを配置することができる。そして、各プレーヤのプレーヤ端末1500に表示される当該プレーヤ用の個別ゲーム画像に仮想ディスプレイが含まれる場合に、当該個別ゲーム画像に係るプレーヤの仮想表示設定560に基づく仮想表示画像を、当該個別ゲーム画像中の仮想ディスプレイに仮想表示させることができる。したがって、プレーヤは、ゲームへの没入感を妨げられることなく、自分の仮想表示設定560に基づく仮想表示画像を適宜見ることができる。各プレーヤに応じた仮想表示となるため、ゲームの興趣性が向上する。
【0114】
なお、本発明を適用可能な形態は上記した実施形態に限定されるものではなく、適宜構成要素の追加・省略・変更を施すことができる。
【0115】
[変形例1]
例えば、上記実施形態では、本発明が適用されたコンピュータシステムの例として、クライアント・サーバ型のゲームシステム1000のサーバシステム1100を例に挙げたが、これに限定されない。例えば、複数のプレーヤ端末1500をピアツーピア接続したコンピュータシステムにおいて実現するとしてもよい。その場合は、何れかのプレーヤ端末1500に、上記実施形態のサーバシステム1100の機能を担わせる。或いは、複数のプレーヤ端末1500でゲーム管理部230が有する機能を分担する構成としてもよい。
【0116】
例えば、上記実施形態のサーバシステム1100が有する機能を分担して担うプレーヤ端末1500Aの機能構成例は
図13のようになる。
図13では、上記実施形態と同様の構成には同一の符号を付して示している。なお、この場合のサーバシステム1100は、ユーザ登録とその情報の管理及びマッチングを主に行い、プレーヤ端末1500Aからのリクエストに応じてそれらの情報を提供する。
【0117】
図13に示すように、本変形例のプレーヤ端末1500Aは、端末処理部200がゲーム管理部230を有し、ゲーム画面表示制御部273が省略される。すなわち、本変形例のプレーヤ端末1500Aは、サーバシステム1100からゲーム画面の画像を表示するためのデータを取得するのではなく、自身のゲーム管理部230がゲーム管理に関する処理を実行してゲームの進行を制御し、ゲーム画面の画像を生成する。このプレーヤ端末1500Aの記憶部500には、端末処理部200をプレーヤ端末演算部270およびゲーム管理部230として機能させるためのゲームプログラム504が格納され、当該プレーヤ端末1500Aのプレーヤに係るユーザ管理データ510及び参加するゲームプレイに係る対戦プレイデータ550と、ゲームステージ初期設定データ520と、敵キャラクタ初期設定データ530と、プレーヤキャラクタ初期設定データ540とが格納される。
【0118】
そして、本変形例のプレーヤ端末1500Aの処理の流れは
図12に示したフローチャートと基本的には同じで、プレーヤ端末1500Aのゲーム管理部230により各ステップを実行するものと読み替えればよい。具体的には、ゲームに参加する各プレーヤのプレーヤ端末1500Aにおいて、仮想表示設定管理部233は、自プレーヤに係る仮想表示設定を管理する。また、仮想ディスプレイ個別制御部235及び報知制御部237は、関連プレーヤの操作入力履歴データ554等を用いて自プレーヤに係る仮想表示制御処理や報知制御を実行する。
【0119】
本変形例によれば、上記実施形態と同様の作用効果が得られる。なお、プレーヤ端末1500がゲーム管理部230の全ての機能を担うのではなく、その一部を担う構成としてもよい。
【0120】
[変形例2]
また、上記実施形態では、複数のプレーヤがチームを組んでNPCと対戦するとしたが、別のプレーヤによって編成された他チームとの対戦であってもよい。この場合、関連プレーヤとすることができるのは、注目プレーヤと所属チームが同じプレーヤ(チームメイト)のみとするのでもよいし、敵味方関係なく関連プレーヤとして選べるようにするのでもよい。
【0121】
[変形例3]
また、関連プレーヤを味方のプレーヤに限定しつつ、ゲーム中に条件を満たすと対戦相手プレーヤの関連プレーヤ状況画像が仮想ディスプレイに仮想表示されるようにしてもよい。例えば、ゲーム中、ゲーム管理部230は、設定切替手段として、設定切替条件を満たすか否かを判定してその成立を監視する。そして、設定切替条件を満たした場合に、当該満たしたプレーヤについての仮想表示設定を、対戦相手プレーヤの仮想表示設定に切り替える制御を行う。
【0122】
先ず、設定切替条件は、特定のアイテムを使用したり習得条件を満たす等すると発動できるスキルであって、仮想表示設定560を対戦相手プレーヤのものと切り替えることができるスキルである「盗み見スキル」が発動したこと等とすることができる。そして、例えば、注目プレーヤがスキルを発動したならば、プレーヤの仮想表示設定560を、対戦相手プレーヤの仮想表示設定560に切り替える。対戦相手プレーヤが複数いる際にどの対戦相手プレーヤのものと切り替えるのかは、注目プレーヤの操作入力を受け付ける等して決定することができる。
【0123】
なお、ここでの仮想表示設定の切替は一時的なものとし、所定時間が経過したら注目プレーヤの仮想表示設定560に戻すのでもよいし、ゲームプレイ終了まで対戦相手プレーヤの仮想表示設定560のままとするのでもよい。また、スキルの発動に限らず、所定のゲーム進行状況に至ったことを設定切替条件としてもよい。所定のゲーム進行状況については、例えば、ゲーム空間内の特定の場所を訪れたとか、特定のゲームステージをクリアした等、適宜設定することができる。
【0124】
関連プレーヤを味方に限る前提では、注目プレーヤが仮想ディスプレイにおいて見ることができるのは味方のプレーヤのプレイ状況を示す関連プレーヤ状況画像だけであり、対戦相手プレーヤのプレイ状況を示す関連プレーヤ状況画像は原則見ることができない。ただし、本変形例では、注目プレーヤが盗み見スキルを発動し、その上で仮想ディスプレイを見た場合に、対戦相手プレーヤの仮想表示設定に基づく仮想表示画像を仮想ディスプレイに仮想表示させることができる。これによれば、対戦相手プレーヤの仮想ディスプレイを盗み見る態様で、別の対戦相手プレーヤのプレイ状況や対戦相手チームのゲーム状況等を把握することが可能となる。
【0125】
[変形例4]
一方、敵味方関係なく他のプレーヤを関連プレーヤとして選べる構成の場合には、ゲーム中に所定のプレーヤ別表示切替条件を満たすか否かを判定して、仮想ディスプレイ9への仮想表示画像の仮想表示を制御するとしてもよい。プレーヤ別表示切替条件は、仮想ディスプレイに仮想表示させる画像を、プレーヤ別の仮想表示設定560に基づく仮想表示画像とするゲーム状況となったことを示す条件である。例えば、関連プレーヤ設定563の関連プレーヤのプレイ状況が状況条件設定565の状況条件を満たすこと等として予め定めておくことができ、当該プレーヤ別表示切替条件を満たした場合に、関連プレーヤ画像を仮想表示画像として仮想ディスプレイに表示させるといったことが可能となる。
【0126】
より詳細には、本変形例では、例えば、ゲーム管理部230が、一般画像仮想表示設定手段として、ゲームに参加する全てのプレーヤの個別ゲーム画像間で同じ一般画像を仮想表示させる一般設定を行う。そして、個別ゲーム画像に仮想ディスプレイが含まれる場合に、プレーヤ別表示切替条件を満たさなければ一般画像を仮想ディスプレイに仮想表示させ、満たすときには、当該個別ゲーム画像に係るプレーヤの仮想表示設定に基づく仮想表示画像を仮想ディスプレイに仮想表示させる制御を行う。また、プレーヤ別表示切替条件を新たに満たしたときには、ゲーム管理部230は、報知制御手段として、上記実施形態と同様の要領でその旨の報知制御を行う。
【0127】
よって、本変形例の場合は、注目プレーヤの個別ゲーム画像中に仮想ディスプレイが含まれる場合に、その関連プレーヤのプレイ状況が状況条件を満たせば関連プレーヤ状況画像を、満たさないときには一般画像を、仮想ディスプレイに仮想表示させることができる。
【符号の説明】
【0128】
1000…ゲームシステム
1100…サーバシステム
100s…操作入力部
200s…サーバ処理部
210…ユーザ管理部
230…ゲーム管理部
231…仮想ディスプレイ配置部
233…仮想表示設定管理部
235…仮想ディスプレイ個別制御部
237…報知制御部
290s…画像生成部
292s…音生成部
294s…通信制御部
390s…画像表示部
392s…音出力部
394s…通信部
500s…サーバ記憶部
501…サーバプログラム
503…配信用ゲームクライアントプログラム
510…ユーザ管理データ
520…ゲームステージ初期設定データ
530…敵キャラクタ初期設定データ
540…プレーヤキャラクタ初期設定データ
550…対戦プレイデータ
552…マッチングデータ
560…仮想表示設定
561…プレーヤ名
563…関連プレーヤ設定
565…状況条件設定
567…共通設定
1500…プレーヤ端末
100…操作入力部
200…端末処理部
270…プレーヤ端末演算部
271…操作信号送信制御部
273…ゲーム画面表示制御部
290…画像生成部
292…音生成部
294…通信制御部
390…画像表示部
392…音出力部
394…通信部
500…端末記憶部
502…ゲームクライアントプログラム
504…ゲームプログラム
9…通信回線
2…プレーヤ
3…プレーヤキャラクタ
4…敵キャラクタ
9…仮想ディスプレイ