IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 新光電気工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-静電チャック及び基板固定装置 図1
  • 特許-静電チャック及び基板固定装置 図2
  • 特許-静電チャック及び基板固定装置 図3
  • 特許-静電チャック及び基板固定装置 図4
  • 特許-静電チャック及び基板固定装置 図5
  • 特許-静電チャック及び基板固定装置 図6
  • 特許-静電チャック及び基板固定装置 図7
  • 特許-静電チャック及び基板固定装置 図8
  • 特許-静電チャック及び基板固定装置 図9
  • 特許-静電チャック及び基板固定装置 図10
  • 特許-静電チャック及び基板固定装置 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-26
(45)【発行日】2023-07-04
(54)【発明の名称】静電チャック及び基板固定装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20230627BHJP
   H02N 13/00 20060101ALI20230627BHJP
【FI】
H01L21/68 R
H02N13/00 D
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021109522
(22)【出願日】2021-06-30
(65)【公開番号】P2023006762
(43)【公開日】2023-01-18
【審査請求日】2023-01-27
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000190688
【氏名又は名称】新光電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】春原 昌宏
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 堅
(72)【発明者】
【氏名】中村 達矢
【審査官】境 周一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2006/049085(WO,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2004-0032348(KR,A)
【文献】特開2004-022889(JP,A)
【文献】特開2007-311399(JP,A)
【文献】特開2002-270682(JP,A)
【文献】国際公開第2020/055565(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/683
H02N 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
セラミック板と、
前記セラミック板の一方の面の近傍に内蔵される吸着電極と、
前記セラミック板内において前記セラミック板の他方の面と前記吸着電極との間に配置され、接地電位に接続可能な接地電極と、
前記セラミック板内において前記接地電極に接続され、前記セラミック板の一方の面まで延伸する配線と
前記セラミック板の一方の面から露出する前記配線の端面を被覆する金属層と、
前記セラミック板の一方の面及び前記金属層を、又は前記金属層のみを被覆し、前記金属層の位置において突起を形成する絶縁膜と
を有することを特徴とする静電チャック。
【請求項2】
前記金属層は、
前記セラミック板の一方の面から露出する前記配線の端面を被覆する第1金属層と、
前記第1金属層に積層され、前記第1金属層から遠い側の面が球面状に突出する第2金属層と
を有することを特徴とする請求項に記載の静電チャック。
【請求項3】
前記金属層は、
前記セラミック板の一方の面から露出する前記配線の端面を被覆する第1金属層と、
前記第1金属層に積層され、前記第1金属層よりも幅が小さい第2金属層と
を有することを特徴とする請求項に記載の静電チャック。
【請求項4】
前記絶縁膜は、
前記突起の前記第2金属層の位置に対応する頂部に平坦な面を有する
ことを特徴とする請求項又はに記載の静電チャック。
【請求項5】
複数の前記配線を有し、
前記金属層は、
前記セラミック板の一方の面の複数の前記配線の端面が露出する複数の位置それぞれに形成され、
前記絶縁膜は、
前記複数の位置それぞれにおいて前記金属層のみを被覆し、
前記セラミック板の一方の面は、
前記絶縁膜によって形成される前記突起の周囲に形成された段差を有する
ことを特徴とする請求項のいずれか一つに記載の静電チャック。
【請求項6】
セラミック板と、
前記セラミック板の一方の面の近傍に内蔵される吸着電極と、
前記セラミック板内において前記セラミック板の他方の面と前記吸着電極との間に配置され、接地電位に接続可能な接地電極と、
前記セラミック板内において前記接地電極に接続され、前記セラミック板の一方の面まで延伸する配線と、
前記セラミック板の一方の面及び前記セラミック板の一方の面から露出する前記配線の端面を、又は前記セラミック板の一方の面から露出する前記配線の端面のみを被覆し、前記配線の端面の位置において突起を形成する絶縁膜
を有することを特徴とする静電チャック。
【請求項7】
複数の前記配線を有し、
前記絶縁膜は、
前記セラミック板の一方の面の複数の前記配線の端面が露出する複数の位置それぞれに形成され、複数の前記配線の端面のみを被覆し、
前記セラミック板の一方の面は、
前記絶縁膜によって形成される前記突起の周囲に形成された段差を有する
ことを特徴とする請求項に記載の静電チャック。
【請求項8】
セラミック板と、
前記セラミック板の一方の面の近傍に内蔵される吸着電極と、
前記セラミック板内において前記セラミック板の他方の面と前記吸着電極との間に配置され、接地電位に接続可能な接地電極と、
前記セラミック板内において前記接地電極に接続され、前記セラミック板の一方の面まで延伸する配線と、
前記セラミック板の他方の面の近傍に内蔵され、配線を介して前記吸着電極と電気的に接続されるとともに、給電線と接続される給電パッド
を有し、
前記接地電極は、
前記セラミック板内において前記給電パッドとは前記吸着電極からの距離が同一となる位置に配置される
ことを特徴とする静電チャック。
【請求項9】
セラミック板と、
前記セラミック板の一方の面の近傍に内蔵される吸着電極と、
前記セラミック板内において前記セラミック板の他方の面と前記吸着電極との間に配置され、接地電位に接続可能な接地電極と、
前記セラミック板内において前記接地電極に接続され、前記セラミック板の一方の面まで延伸する配線と、
前記セラミック板の他方の面の近傍に内蔵され、配線を介して前記吸着電極と電気的に接続されるとともに、給電線と接続される給電パッド
を有し、
前記接地電極は、
前記セラミック板内において前記給電パッドよりも前記吸着電極からの距離が近い位置に配置される
ことを特徴とする静電チャック。
【請求項10】
前記接地電極は、
接地電位に接続された状態と接地電位に接続されない状態との間で切り替えられる接地線と接続される、請求項1に記載の静電チャック。
【請求項11】
ベースプレートと、
前記ベースプレートに固定され、静電気力によって基板を吸着する静電チャックとを有し、
前記静電チャックは、
セラミック板と、
前記基板を吸着する前記セラミック板の一方の面の近傍に内蔵される吸着電極と、
前記セラミック板内において前記セラミック板の他方の面と前記吸着電極との間に配置され、接地電位に接続可能な接地電極と、
前記セラミック板内において前記接地電極に接続され、前記セラミック板の一方の面まで延伸する配線と
前記セラミック板の一方の面から露出する前記配線の端面を被覆する金属層と、
前記セラミック板の一方の面及び前記金属層を、又は前記金属層のみを被覆し、前記金属層の位置において突起を形成する絶縁膜と
を有することを特徴とする基板固定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静電チャック及び基板固定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば半導体部品を製造する場合などにウエハ等の基板を吸着して保持する基板固定装置には、吸着電極を内蔵するセラミック板を用いて構成される静電チャック(ESC:Electrostatic Chuck)が備えられている。基板固定装置は、静電チャックがベースプレートに固定された構造を有し、セラミック板に内蔵された吸着電極に電圧を印加することにより、静電気力を利用して静電チャックに基板を吸着する。静電チャックに基板を吸着して保持することにより、基板に対する例えば微細加工やエッチングなどのプロセスが効率的に行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特表2013-542590号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、基板固定装置では、基板に対するプロセスが終了した場合、吸着電極に対する電圧の印加が停止されることにより静電チャックにおける静電気力が解除され、リフトピン等を用いて基板が静電チャックの吸着面から脱離される。
【0005】
しかしながら、吸着電極に対する電圧の印加が停止された場合であっても、静電チャックの吸着面に電荷が残存する場合がある。吸着面が帯電すると、吸着面と基板との間に電荷に応じた吸着力が残存し、吸着面からの基板の脱離が阻害されるおそれがある。
【0006】
開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、基板の脱離を容易化することができる静電チャック及び基板固定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願の開示する静電チャックは、一つの態様において、セラミック板と、吸着電極と、接地電極と、配線とを有する。吸着電極は、セラミック板の一方の面の近傍に内蔵される。接地電極は、セラミック板内においてセラミック板の他方の面と吸着電極との間に配置され、接地電位に接続可能である。配線は、セラミック板内において接地電極に接続され、セラミック板の一方の面まで延伸する。
【発明の効果】
【0008】
本願の開示する静電チャックの一つの態様によれば、基板の脱離を容易化することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第1実施形態に係る基板固定装置の構成を示す斜視図である。
図2図2は、第1実施形態に係る基板固定装置の断面を示す模式図である。
図3図3は、第1実施形態に係る基板固定装置の製造方法を示すフローチャートである。
図4図4は、第2実施形態に係る基板固定装置の断面を示す模式図である。
図5図5は、第3実施形態に係る基板固定装置の断面を示す模式図である。
図6図6は、第4実施形態に係る基板固定装置の断面を示す模式図である。
図7図7は、第5実施形態に係る基板固定装置の断面を示す模式図である。
図8図8は、第6実施形態に係る基板固定装置の断面を示す模式図である。
図9図9は、第7実施形態に係る基板固定装置の断面を示す模式図である。
図10図10は、第8実施形態に係る基板固定装置の断面を示す模式図である。
図11図11は、吸着電極の構造の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本願の開示する静電チャック及び基板固定装置の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態により開示技術が限定されるものではない。
【0011】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る基板固定装置100の構成を示す斜視図である。図1に示す基板固定装置100は、ベースプレート110に静電チャック120が接着された構造を有する。
【0012】
ベースプレート110は、例えばアルミニウムなどの金属製の円形部材である。ベースプレート110は、静電チャック120を固定する基材である。ベースプレート110は、例えば半導体製造装置などに取り付けられ、基板固定装置100を、ウエハを保持する半導体保持装置として機能させる。なお、ベースプレート110は、半導体製造装置の他、例えば露光装置、機械加工装置、貼合せ装置、計測装置又は検査装置などに取り付けられ、基板固定装置100を半導体保持装置として機能させてもよい。
【0013】
静電チャック120は、ベースプレート110に接着され、静電気力を利用して例えばウエハなどの対象物を吸着する。静電チャック120は、ベースプレート110よりも小径の円形部材であり、一面がベースプレート110の中央に接着される。そして、静電チャック120は、ベースプレート110に接着される接着面とは反対側の吸着面に、例えばウエハなどの対象物を吸着する。すなわち、静電チャック120は、吸着面の近傍に吸着電極を内蔵するセラミックからなり、ベースプレート110から吸着電極に電圧が印加されると、静電気力によって吸着面に対象物を吸着する。
【0014】
図2は、第1実施形態に係る基板固定装置100の断面を示す模式図である。図2には、図1のII-II線における矢視断面が模式的に示されている。図2に示すように、基板固定装置100は、接着層200によって静電チャック120がベースプレート110に接着されて構成される。以下においては、便宜上、ベースプレート110から静電チャック120へ向かう方向を上方向とし、静電チャック120からベースプレート110へ向かう方向を下方向として説明する。しかしながら、基板固定装置100は、例えば上下反転するなど任意の姿勢で製造・使用されて良い。
【0015】
ベースプレート110は、例えばアルミニウムなどの金属からなる厚さが5~100mmの部材である。ベースプレート110には、給電線115が貫通するように設けられている。給電線115は、例えばピン状に形成され、接着層200を貫通して静電チャック120の給電パッド130に接続している。給電線115が給電パッド130に接触することにより、静電チャック120内の配線140に給電される。給電線115には、スイッチ115aが接続されている。スイッチ115aは、給電線115と直流電源115bの陽極又は陰極との間の接続と、給電線115と接地電位との接続を切り替え可能である。
【0016】
また、ベースプレート110には、接地線116が貫通するように設けられている。接地線116は、スイッチ116aによって接地電位に接続された状態と接地電位に接続されない状態との間で切り替えられる。接地線116は、例えばピン状に形成され、接着層200を貫通して静電チャック120の接地電極160に接続している。接地電極160に接続する接地線116が接地電位に接続されることにより、接地電極160が接地電位に接続される。
【0017】
静電チャック120は、通電可能な配線140を内蔵し、例えば酸化アルミニウムを焼成して得られるセラミック板からなる。静電チャック120の厚さは、例えば1~20mm程度である。静電チャック120の下面外周部には、ベースプレート110の給電線115を収容可能な凹部であるキャビティ120bが形成され、キャビティ120bには給電パッド130の下面が露出する。そして、給電パッド130の下面に給電線115の先端が接触することにより、ベースプレート110から静電チャック120内の配線140に給電される。
【0018】
静電チャック120の上面は、対象物を吸着する吸着面120aである。吸着面120aの近傍には、静電気力を発生させるための吸着電極150が内蔵される。静電チャック120の吸着面120aとは反対側の下面近傍には、給電線115に接触する給電パッド130が内蔵される。給電パッド130と吸着電極150とは、複数の連結パッド141及びビア142が積層されて構成される配線140によって電気的に接続される。すなわち、給電線115に接触する給電パッド130と吸着電極150の間に、複数の層の連結パッド141が配置される。そして、給電パッド130と連結パッド141の間、隣接する連結パッド141の間、及び連結パッド141と吸着電極150の間がそれぞれビア142によって接続される。
【0019】
図2に示す構成においては、吸着電極150は、双極型の電極であり、第1電極150Aと第2電極150Bとに分離されている。第1電極150Aは、直流電源115bの正極に接続可能な正電極であり、第2電極150Bは、直流電源115bの負極に接続可能な負電極である。第1電極150A及び第2電極150Bは、それぞれ同心円状に並ぶ複数の半円弧状の導体パターンからなり、半円弧の弦側が対向するように静電チャック120の内部に配置される。
【0020】
配線140は、吸着電極150の第1電極150A及び第2電極150Bに応じて左右に2組配置されており、それぞれの配線140は、給電パッド130と吸着電極150の間に2層の連結パッド141が積層されて形成される。
【0021】
連結パッド141は、例えばタングステンなどの導電体を材料として形成される。また、ビア142は、隣接する層の連結パッド141の間に形成されたビアホールに、例えばモリブデンなどの導電体を充填することにより形成される。
【0022】
静電チャック120内において静電チャック120の下面と吸着電極150との間には、接地電極160が配置される。接地電極160は、例えばタングステンなどの金属からなり、直径が270~300mm程度で且つ厚さが10~50μm程度の円形パターンであり、接地電位に接続可能に構成される。具体的には、静電チャック120の下面中央部には、ベースプレート110の接地線116の端部を収容可能な凹部であるキャビティ120cが形成され、キャビティ120cには接地電極160の下面が露出する。そして、接地電極160の下面に接地電位に接続された状態の接地線116の端部が接続されることにより、接地電極160が接地電位に接続される。例えば、静電チャック120の吸着面120aに対象物が吸着される際には、給電線115がスイッチ115aによって直流電源115bの陽極又は陰極に接続されるとともに、接地線116がスイッチ116aによって接地電位から切断される。これにより、接地電極160が接地電位から切断される。一方、吸着面120aから対象物が脱離される際には、給電線115がスイッチ115aによって接地電位に接続されるとともに、接地線116がスイッチ116aによって接地電位に接続される。これにより、接地電極160が接地電位に接続される。
【0023】
接地電極160には、複数の連結パッド171及びビア172が積層されて構成される配線170が接続される。配線170は、静電チャック120の吸着面120aまで延伸している。接地電極160と吸着面120aとは、複数の連結パッド171及びビア172が積層されて構成される配線170によって電気的に接続される。すなわち、接地線116に接触する接地電極160と吸着面120aの間に、複数の層の連結パッド171が配置される。そして、接地電極160と連結パッド171の間、隣接する連結パッド171の間、及び連結パッド171と吸着面120aの間がそれぞれビア172によって接続される。そして、連結パッド171と吸着面120aの間を接続するビア172の端面、つまり、配線170の端面は、吸着面120aから露出する。
【0024】
図2に示す構成においては、配線170は、吸着電極150の第1電極150A及び第2電極150Bに応じて左右に2組配置されており、それぞれの配線170は、接地電極160と吸着面120aの間に2層の連結パッド171が積層されて形成される。
【0025】
連結パッド171は、例えばタングステンなどの導電体を材料として形成される。また、ビア172は、隣接する層の連結パッド171の間に形成されたビアホールに、例えばモリブデンなどの導電体を充填することにより形成される。
【0026】
このように、静電チャック120内に、接地電位に接続可能な接地電極160が配置され、接地電極160に、吸着面120aまで延伸する配線170が接続される。このため、吸着電極150に対する電圧の印加が停止された場合に、吸着面120aに残留する電荷を、配線170を経由して接地電極160に逃がすことができる。すなわち、吸着面120aに残留する電荷の量が減少するため、吸着面120aの帯電に起因した吸着面120aとウエハとの間での吸着力の発生を低減することができる。結果として、吸着面120aからのウエハの脱離を容易化することができる。
【0027】
接地電極160は、静電チャック120内において給電パッド130とは吸着電極150からの距離が同一となる位置に配置される。これにより、給電パッド130の下面と接触する給電線115の長さと接地電極160の下面と接触する接地線116の長さとを一致させることができ、静電チャック120の製造プロセスを簡素化することができる。
【0028】
静電チャック120の吸着面120aから露出する配線170の端面は、金属層180によって被覆される。金属層180は、例えばニッケル又はニッケル-金合金などの金属を材料として電解めっき法又は無電解めっき法によって形成される。そして、静電チャック120の吸着面120a及び金属層180は、絶縁膜190によって被覆される。絶縁膜190は、例えば酸化アルミニウム、酸化イットリウム又はダイヤモンドライクカーボン等を材料として溶射、スパッタリング又はCVD(Chemical Vapor Deposition)によって形成される。絶縁膜190は、金属層180の位置において静電チャック120の吸着面120aから離れる方向に突出する突起190aを形成する。突起190aは、絶縁膜190が形成され且つ絶縁膜190の上面が研磨された後、絶縁膜190の金属層180と重ならない領域にブラスト加工を施すことにより、形成される。
【0029】
このように、静電チャック120の吸着面120aから露出する配線170の端面が金属層180によって被覆され、金属層180の位置において絶縁膜190が突起190aを形成することにより、吸着面120aとウエハの接触面積を削減することができる。このため、吸着面120aの帯電に起因した吸着面120aとウエハとの間での吸着力の発生をより低減することができる。結果として、吸着面120aからのウエハの脱離をより容易化することができる。
【0030】
次に、第1実施形態に係る基板固定装置100の製造方法について、図3を参照しながら説明する。図3は、第1実施形態に係る基板固定装置100の製造方法を示すフローチャートである。
【0031】
まず、静電チャック120を形成するために、複数のグリーンシートが作製される(ステップS101)。具体的には、例えば酸化アルミニウムと所定の助剤とが混合され、得られたスラリー状の混合物が乾燥されることにより、グリーンシートが作製される。グリーンシートは、例えば厚さ0.7mmかつ縦横500mm×500mmの正方形のシートである。
【0032】
それぞれのグリーンシートには、隣接する層の連結パッド141、171を接続するためのビア142、172が形成される(ステップS102)。具体的には、隣接する層の連結パッド141、171が重なる位置において、グリーンシートを貫通するビアホールが形成され、ビアホールに例えばモリブデンなどの導電体が充填されることにより、ビア142、172が形成される。なお、キャビティ120b、120cもビアホールと同様に、グリーンシートを貫通する貫通孔から形成される。すなわち、積層される複数のグリーンシートの貫通孔が連結して開口が形成されることにより、キャビティ120b、120cが形成される。
【0033】
ビア142、172が形成されたグリーンシートには、連結パッド141、171のパターンが印刷される(ステップS103)。すなわち、グリーンシートの表面に、例えばタングステンなどの金属ペーストが印刷されることにより、連結パッド141、171が形成される。
【0034】
また、静電チャック120の吸着面120a近傍に積層されるグリーンシートには、吸着電極150が形成される(ステップS104)。また、静電チャック120の吸着面120aとは反対側の下面と吸着電極150との間に積層されるグリーンシートには、接地電極160が形成される(ステップS105)。
【0035】
連結パッド141、171、吸着電極150及び接地電極160が形成されたグリーンシートは、隣接する層の連結パッド141、171、吸着電極150及び接地電極160がビア142、172によって接続される順序で積層される(ステップS106)。これにより、給電パッド130と吸着電極150の間に2層の連結パッド141が積層されて配線140が形成されるとともに、接地電極160と吸着面120aの間に2層の連結パッド171が積層されて配線170が形成される。吸着面120aにおいては、配線170の端面が露出している。そして、グリーンシートの積層体は、ベースプレート110の形状に合わせて円形にカットされる(ステップS107)。
【0036】
円形にカットされた積層体は、焼成炉において焼成され、セラミックとなる(ステップS108)。焼成により得られるセラミックの円形板が静電チャック120となる。そして、静電チャック120の吸着面120aから露出する配線170の端面に金属層180が形成される(ステップS109)。すなわち、吸着面120aから露出する配線170の端面に、電解めっき法又は無電解めっき法により、例えばニッケル又はニッケル-金合金からなる金属層180が形成される。
【0037】
金属層180が形成されると、静電チャック120の吸着面120a及び金属層180の表面に、絶縁膜190が形成される(ステップS110)。すなわち、静電チャック120の吸着面120a及び金属層180の表面に、溶射、スパッタリング又はCVDにより、例えば酸化アルミニウム、酸化イットリウム又はダイヤモンドライクカーボン等からなる絶縁膜190が形成される。
【0038】
その後、静電チャック120は、接着層200によって金属製のベースプレート110に接着される(ステップS111)。接着層200の形成には、例えばボンド材が用いられる。これにより、基板固定装置100が完成する。
【0039】
以上のように、第1実施形態に係る静電チャック(例えば、静電チャック120)は、セラミック板と、吸着電極(例えば、吸着電極150)と、接地電極(例えば、接地電極160)と、配線(例えば、配線170)とを有する。吸着電極は、セラミック板の一方の面(例えば、吸着面120a)の近傍に内蔵される。接地電極は、セラミック板内においてセラミック板の他方の面と吸着電極との間に配置され、接地電位に接続可能である。配線は、セラミック板内において接地電極に接続され、セラミック板の一方の面まで延伸する。これにより、第1実施形態に係る静電チャックによれば、基板(例えば、ウエハ)の脱離を容易化することができる。
【0040】
また、静電チャックは、金属層(例えば、金属層180)と、絶縁膜(例えば、絶縁膜190)とをさらに有してもよい。金属層は、セラミック板の一方の面から露出する配線の端面を被覆してもよい。絶縁膜は、セラミック板の一方の面及び金属層を被覆し、金属層の位置において突起(例えば、突起190a)を形成してもよい。これにより、第1実施形態に係る静電チャックによれば、基板の脱離をより容易化することができる。
【0041】
また、静電チャックは、セラミック板の他方の面の近傍に内蔵され、配線(例えば、配線140)を介して吸着電極と電気的に接続されるとともに、給電線(例えば、給電線115)と接続される給電パッド(例えば、給電パッド130)をさらに有してもよい。そして、接地電極は、セラミック板内において給電パッドとは吸着電極からの距離が同一となる位置に配置されてもよい。これにより、第1実施形態に係る静電チャックによれば、静電チャックの製造プロセスを簡素化することができる。
【0042】
また、接地電極は、接地電位に接続された状態と接地電位に接続されない状態との間で切り替えられる接地線(例えば、接地線116)と接続されてもよい。これにより、第1実施形態に係る静電チャックによれば、例えば、吸着面から基板を脱離する際に、接地電極を接地電位に接続することができる。
【0043】
(第2実施形態)
第2実施形態は、第1実施形態における接地電極160の配置のバリエーションに関する。
【0044】
図4は、第2実施形態に係る基板固定装置100の断面を示す模式図である。図4において、図2と同じ部分には同じ符号を付す。図4に示す接地電極160は、静電チャック120内において給電パッド130よりも吸着電極150からの距離が近い位置に配置される。
【0045】
図4に示す構成においては、接地電極160は、吸着電極150に最も近い層の連結パッド141とは吸着電極150からの距離が同一である位置に配置される。接地電極160が吸着電極150と近い位置に配置されることにより、接地電極160と吸着面120aとを接続する配線170を短くすることができる。すなわち、図4に示す構成においては、配線170は、連結パッド171(図2参照)を有さず、連結パッド171と吸着面120aの間を接続するビア172のみからなり、配線170の長さが短くなっている。
【0046】
このように、接地電極160が給電パッド130よりも吸着電極150からの距離が近い位置に配置されることにより、接地電極160と吸着面120aとを接続する配線170の長さが短くなる。このため、吸着電極150に対する電圧の印加が停止された場合に、吸着面120aに残留する電荷を、短い配線170を経由して接地電極160に迅速に逃がすことができる。これにより、第2実施形態に係る静電チャック120によれば、吸着電極150に対する電圧の印加が停止されてから基板(例えば、ウエハ)を脱離するまでの時間を短縮することができる。
【0047】
(第3実施形態)
第3実施形態は、第1実施形態における絶縁膜190の構造のバリエーションに関する。
【0048】
図5は、第3実施形態に係る基板固定装置100の断面を示す模式図である。図5において、図2と同じ部分には同じ符号を付す。図5に示す絶縁膜190は、金属層180のみを被覆し、金属層180の位置において静電チャック120の吸着面120aから離れる方向に突出する突起190aを形成する。突起190aは、例えば金属層180の位置に酸化アルミニウムのペーストを滴下して焼成し、得られる絶縁膜190の上面を研磨することにより、形成される。
【0049】
このように、絶縁膜190が金属層180のみを被覆し、金属層180の位置において突起190aを形成することにより、吸着面120aとウエハの接触面積を削減することができる。このため、吸着面120aの帯電に起因した吸着面120aとウエハとの間での吸着力の発生をより低減することができる。これにより、第3実施形態に係る静電チャック120によれば、吸着面120aからの基板(例えば、ウエハ)の脱離をより容易化することができる。さらに、第3実施形態に係る静電チャック120によれば、第1実施形態における絶縁膜190と比較して、絶縁膜190による被覆範囲を削減することができることから、絶縁膜190の材料の使用量を削減することができる。
【0050】
(第4実施形態)
第4実施形態は、第1実施形態における絶縁膜190及び静電チャック120の吸着面120aの構造のバリエーションに関する。
【0051】
図6は、第4実施形態に係る基板固定装置100の断面を示す模式図である。図6において、図2と同じ部分には同じ符号を付す。図6に示す構成においては、配線170は、吸着電極150の第1電極150A及び第2電極150Bに応じて左右に2組配置される。そして、2つの配線170の端面は、静電チャック120の吸着面120aから露出する。金属層180は、吸着面120aの2つの配線170の端面が露出する2つの位置それぞれに形成される。
【0052】
図6に示す絶縁膜190は、吸着面120aの2つの配線170の端面が露出する2つの位置それぞれにおいて金属層180のみを被覆する。また、吸着面120a上であって絶縁膜190によって形成される突起190aの周囲には、段差120dが形成される。段差120dは、静電チャック120の吸着面120a及び金属層180の表面を被覆する絶縁膜190が形成された後、突起190aを形成するために施されるブラスト加工を静電チャック120の内方まで進行させることにより、形成される。
【0053】
このように、絶縁膜190が金属層180のみを被覆し、吸着面120a上であって絶縁膜190によって形成される突起190aの周囲に段差120dが形成されることにより、吸着面120aとウエハの接触可能性を低減することができる。その結果、第4実施形態に係る静電チャック120によれば、吸着面120aとウエハの接触に起因したパーティクルの発生を抑制することができる。
【0054】
(第5実施形態)
第5実施形態は、第1実施形態における絶縁膜190の構造のバリエーションに関する。
【0055】
図7は、第5実施形態に係る基板固定装置100の断面を示す模式図である。図7において、図2と同じ部分には同じ符号を付す。図7に示す構成においては、配線170は、吸着電極150の第1電極150A及び第2電極150Bに応じて左右に2組配置される。そして、2つの配線170の端面は、静電チャック120の吸着面120aから露出する。また、金属層180(図2参照)は、形成されない。
【0056】
図7に示す絶縁膜190は、吸着面120aから2つの配線170の端面が露出する2つの位置それぞれに形成される。絶縁膜190は、吸着面120aから露出する2つの配線170の端面のみを被覆し、各配線170の端面の位置において静電チャック120の吸着面120aから離れる方向に突出する突起190aを形成する。突起190aは、例えば各配線170の端面の位置に酸化アルミニウムのペーストを滴下して焼成し、得られる絶縁膜190の上面を研磨することにより、形成される。
【0057】
このように、絶縁膜190が配線170の端面のみを被覆し、配線170の端面の位置において突起190aを形成することにより、吸着面120aとウエハの接触面積を削減することができる。このため、吸着面120aの帯電に起因した吸着面120aとウエハとの間での吸着力の発生をより低減することができる。これにより、第5実施形態に係る静電チャック120によれば、吸着面120aからの基板(例えば、ウエハ)の脱離をより容易化することができる。さらに、第5実施形態に係る静電チャック120によれば、金属層180を形成する工程を省略することができるため、静電チャック120の製造プロセスを簡素化することができる。
【0058】
(第6実施形態)
第6実施形態は、第1実施形態における絶縁膜190の構造のバリエーションに関する。
【0059】
図8は、第6実施形態に係る基板固定装置100の断面を示す模式図である。図8において、図2と同じ部分には同じ符号を付す。図8に示す構成においては、金属層180(図2参照)は、形成されない。
【0060】
図8に示す絶縁膜190は、静電チャック120の吸着面120a及び吸着面120aから露出する配線170の端面を被覆し、配線170の端面の位置において突起190aを形成する。突起190aは、絶縁膜190が形成され且つ絶縁膜190の上面が研磨された後、絶縁膜190の配線170の端面と重ならない領域にブラスト加工を施すことにより、形成される。なお、突起190aを形成するために施されるブラスト加工を静電チャック120の内方まで進行させることにより、突起190aの周囲に静電チャック120の内方に到達する段差を形成してもよい。
【0061】
このように、吸着面120aから露出する配線170の端面が絶縁膜190によって被覆され、絶縁膜190が配線170の端面の位置において突起190aを形成することにより、吸着面120aとウエハの接触面積を削減することができる。このため、吸着面120aの帯電に起因した吸着面120aとウエハとの間での吸着力の発生をより低減することができる。これにより、第6実施形態に係る静電チャック120によれば、吸着面120aからのウエハの脱離をより容易化することができる。さらに、第6実施形態に係る静電チャック120によれば、金属層180を形成する工程を省略することができるため、静電チャック120の製造プロセスを簡素化することができる。
【0062】
(第7実施形態)
第7実施形態は、第1実施形態における金属層180及び絶縁膜190の構造のバリエーションに関する。
【0063】
図9は、第7実施形態に係る基板固定装置100の断面を示す模式図である。図9には、静電チャック120の吸着面120a付近が拡大して示されている。図9において、図2と同じ部分には同じ符号を付す。
【0064】
図9に示す金属層180は、2層構造を有する。具体的には、金属層180は、第1金属層181と、第2金属層182とを有する。
【0065】
第1金属層181は、静電チャック120の吸着面120aから露出する配線170の端面を被覆する。第1金属層181は、例えばニッケル又はニッケル-金合金などの金属を材料として電解めっき法又は無電解めっき法によって形成される。
【0066】
第2金属層182は、第1金属層181に積層され、上面が球面状に突出する。第2金属層182は、第1金属層181の上面にはんだペースト、はんだめっき又ははんだボールを搭載することにより形成される。そして、第2金属層182は、リフロープロセスを経ることにより溶融されて固化し、上方へ球面状に突出する。
【0067】
なお、第2金属層182は、第1金属層181の上面に銀ペーストを塗布することにより形成されてもよい。この場合、第2金属層182は、熱硬化プロセスを経ることにより加熱されて硬化し、上方へ球面状に突出する。
【0068】
2層構造の金属層180を被覆する絶縁膜190は、突起190aの第2金属層182の位置に対応する頂部に平坦な面を有する。絶縁膜190の平坦な面は、研磨によって形成される。
【0069】
このように、絶縁膜190によって被覆される金属層180が、2層構造を有し、上層の第2金属層182が上方へ球面状に突出することにより、絶縁膜190の突起190aの形状を頂部に向かって幅が小さくなる先細り形状とすることができる。このため、突起190aとウエハの接触面積を削減することができる。これにより、第7実施形態に係る静電チャック120によれば、突起190aとウエハの接触に起因したパーティクルの発生を抑制することができる。
【0070】
また、絶縁膜190が、突起190aの第2金属層182の位置に対応する頂部に平坦な面を有することにより、突起190aとウエハの接触面積をより削減することができる。これにより、第7実施形態に係る静電チャック120によれば、突起190aとウエハの接触に起因したパーティクルの発生をより抑制することができる。
【0071】
(第8実施形態)
第8実施形態は、第1実施形態における金属層180及び絶縁膜190の構造のバリエーションに関する。
【0072】
図10は、第8実施形態に係る基板固定装置100の断面を示す模式図である。図10には、静電チャック120の吸着面120a付近が拡大して示されている。図10において、図2と同じ部分には同じ符号を付す。
【0073】
図10に示す金属層180は、2層構造を有する。具体的には、金属層180は、第1金属層181と、第2金属層182とを有する。
【0074】
第1金属層181は、静電チャック120の吸着面120aから露出する配線170の端面を被覆する。第1金属層181は、例えばニッケル又はニッケル-金合金などの金属を材料として電解めっき法又は無電解めっき法によって形成される。
【0075】
第2金属層182は、第1金属層181に積層され、第1金属層181よりも幅が小さい。第2金属層182を形成する際には、例えば保護テープが第1金属層181の上面に貼り付けられ、レーザ加工により保護テープをパターニングして第1金属層181よりも幅が小さい開口が保護テープに形成される。そして、開口が形成された保護テープをめっきマスクとした電解めっき法又は無電解めっき法により、ニッケル又は金等の第2金属層182が形成される。第2金属層182が形成された後、保護テープが剥離される。
【0076】
なお、第2金属層182の形成には、保護テープに代えて感光性のドライフィルムが使用されてもよい。この場合、例えば感光性のドライフィルムが第1金属層181の上面にラミネートされ、フォトリソグラフィ法によりドライフィルムをパターニングして第1金属層181よりも幅が小さい開口を有するレジスト層が形成される。そして、レジスト層をめっきマスクとした電解めっき法又は無電解めっき法により、ニッケル又は金等の第2金属層182が形成される。第2金属層182が形成された後、例えばアルカリ性の剥離液により、レジスト層が除去される。また、第2金属層182は、ワイヤバンプ法により第1金属層181の上面に直接的に形成されてもよい。
【0077】
2層構造の金属層180を被覆する絶縁膜190は、突起190aの第2金属層182の位置に対応する頂部に平坦な面を有する。絶縁膜190の平坦な面は、研磨によって形成される。
【0078】
このように、絶縁膜190によって被覆される金属層180が、2層構造を有し、上層の第2金属層182の幅が第1金属層181の幅よりも小さいことにより、絶縁膜190の突起190aの形状を頂部に向かって幅が小さくなる先細り形状とすることができる。このため、突起190aとウエハの接触面積を削減することができる。これにより、第8実施形態に係る静電チャック120によれば、突起190aとウエハの接触に起因したパーティクルの発生を抑制することができる。
【0079】
また、絶縁膜190が、突起190aの第2金属層182の位置に対応する頂部に平坦な面を有することにより、突起190aとウエハの接触面積をより削減することができる。これにより、第8実施形態に係る静電チャック120によれば、突起190aとウエハの接触に起因したパーティクルの発生をより抑制することができる。
【0080】
(その他)
上記各実施形態においては、吸着電極150が双極型の電極であるものとしたが、吸着電極150は、単極型の電極であってもよい。例えば、例えば図11に示すように、吸着電極150は、分離されていない1つの円板状の導体パターンから形成されてもよい。図11は、吸着電極150の構造の変形例を示す図である。図11に示す構成においては、給電パッド130及び配線140は、吸着電極150に対して1組配置される。
【0081】
吸着電極150が単極型の電極である場合であっても、静電チャック120内に接地電極160が配置され、接地電極160に配線170が接続されるため、吸着面120aの電荷を、配線170を経由して接地電極160に逃がすことができる。
【0082】
また、上記各実施形態においては、金属層180を被覆する絶縁膜190、又は配線170の端面を被覆する絶縁膜190が形成されるものとしたが、金属層180を被覆する絶縁膜190と配線170の端面を被覆する絶縁膜190とが混在してもよい。
【符号の説明】
【0083】
100 基板固定装置
110 ベースプレート
115 給電線
116 接地線
120 静電チャック
120a 吸着面
120b、120c キャビティ
120d 段差
130 給電パッド
140、170 配線
141、171 連結パッド
142、172 ビア
150 吸着電極
160 接地電極
180 金属層
181 第1金属層
182 第2金属層
190 絶縁膜
190a 突起
200 接着層
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11