(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-27
(45)【発行日】2023-07-05
(54)【発明の名称】追加の回転軸を有する回転インデクサ
(51)【国際特許分類】
H01L 21/677 20060101AFI20230628BHJP
H01L 21/31 20060101ALI20230628BHJP
【FI】
H01L21/68 A
H01L21/31 B
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022093371
(22)【出願日】2022-06-09
(62)【分割の表示】P 2020538140の分割
【原出願日】2019-01-10
【審査請求日】2022-07-08
(32)【優先日】2018-01-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブランク・リチャード・エム.
(72)【発明者】
【氏名】リーサー・カール・エフ.
【審査官】境 周一
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-096220(JP,A)
【文献】特開2015-220458(JP,A)
【文献】特開2001-287187(JP,A)
【文献】特開平09-174420(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0179488(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0019078(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2002/0098072(US,A1)
【文献】米国特許第08961099(US,B2)
【文献】米国特許第06860965(US,B1)
【文献】米国特許第06126381(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/677
H01L 21/31
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチステーション半導体処理チャンバ内の処理ステーション間でウエハを搬送するための装置であって、
回転インデクサであって、
回転可能な第1のハブと、
N個のインデクサアームアセンブリであって、各インデクサアームアセンブリは、a)ウエハ支持体と、b)前記回転可能な第1のハブと固定接続された近位端と、
前記ウエハ支持体を支持する遠位端とを有するインデクサアームと、を含むN個のインデクサアームアセンブリと、
作動機構と、を含む回転インデクサを備え、
各ウエハ支持体は、半導体ウエハがそのウエハ支持体に設置されたとき、前記半導体ウエハを支持するように構成され、
Nは、2以上の整数であり、
各ウエハ支持体は、そのウエハ支持体を支持する前記インデクサアームの前記遠位端に位置する対応する回転軸を中心に、前記インデクサアームに対して回転するように構成され、
前記作動機構は、前記対応する回転軸を中心に、前記インデクサアームに対して各ウエハ支持体を回転させるように構成されたリンク機構のアレイを有し、
前記回転可能な第1のハブおよび前記回転可能な第1のハブに固定接続された前記インデクサアームアセンブリは、一つの中心軸を中心に回転するように構成されている、装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置であって、
前記作動機構は、前記回転可能な第1のハブに対する前記中心軸を中心に回転可能なように構成される回転可能な第2のハブを含み、
各インデクサアームアセンブリは、前記リンク機構の1つをさらに含み、各リンク機構は、第1の回転可能なインターフェースによって前記回転可能な第2のハブと回転可能に接続される近位端と、第2の回転可能なインターフェースによって前記対応するインデクサアームアセンブリの前記ウエハ支持体と回転可能に接続される遠位端とを有するタイロッドを含み、前記作動機構およびインデクサアームアセンブリは、前記中心軸を中心とした前記回転可能な第1のハブと前記回転可能な第2のハブとの間の相対回転により前記タイロッドが前記中心軸に対して主に放射状に並進するように構成されており、それによって各タイロッドは、そのタイロッドがそのウエハ支持体の前記回転軸を中心に、前記インデクサアームに対して回転可能に接続される前記ウエハ支持体を回転させる、装置。
【請求項3】
請求項2に記載の装置であって、
前記回転可能な第1のハブおよび前記回転可能な第2のハブは、第1の相対回転位置から第2の相対回転位置へと互いに対して回転可能であるように構成され、
前記ウエハ支持体の各々は、前記回転可能な第1のハブおよび前記回転可能な第2のハブが前記第1の相対回転位置にあるとき、前記回転可能な第1のハブに対して第3の相対回転位置にあり、
前記ウエハ支持体の各々は、前記回転可能な第1のハブおよび前記回転可能な第2のハブが前記第2の相対回転位置にあるとき、前記回転可能な第1のハブに対して第4の相対回転位置にあり、
前記第3の相対回転位置および前記第4の相対回転位置は、互いに360°/N位相がずれている、装置。
【請求項4】
請求項2に記載の装置であって、
前記回転可能な第1のハブおよび前記回転可能な第2のハブは、第1の相対回転位置から第2の相対回転位置へと互いに対して回転可能であるように構成され、
N=4であり、
前記ウエハ支持体の各々は、前記回転可能な第1のハブおよび前記回転可能な第2のハブが前記第1の相対回転位置にあるとき、前記回転可能な第1のハブに対して第3の相対回転位置にあり、
前記ウエハ支持体の各々は、前記回転可能な第1のハブおよび前記回転可能な第2のハブが前記第2の相対回転位置にあるとき、前記回転可能な第1のハブに対して第4の相対回転位置にあり、
前記第3の相対回転位置および前記第4の相対回転位置は、互いに90°位相がずれている、装置。
【請求項5】
請求項4に記載の装置であって、
各タイロッドの前記近位端の最上面が、そのタイロッドの前記第1の回転可能なインターフェースの真上に存在し、
各第1の回転可能なインターフェースは、最も近い他の第1の回転可能なインターフェースから第1の距離だけ水平方向に離間され、
各タイロッドは、そのタイロッドの前記第1の回転可能なインターフェースの回転中心からの第1の長手方向距離と、そのタイロッドの前記第1の回転可能なインターフェースの前記回転中心からの第2の長手方向距離との間に延びるオフセット領域を含み、
前記第1の長手方向距離は前記第1の距離よりも小さく、前記第2の長手方向距離は前記第1の距離よりも大きく、
各タイロッドの前記オフセット領域の最下面は、隣接するインデクサアームアセンブリからの前記タイロッドの前記遠位端の前記最上面よりも高く、それによって前記回転可能な第1のハブおよび前記回転可能な第2のハブが前記第1の相対回転位置にあるとき、前記隣接するインデクサアームアセンブリからの前記タイロッドの前記遠位端がそのタイロッドの下を通過することを可能にする、装置。
【請求項6】
請求項4に記載の装置であって、
前記回転可能な第1のハブと前記回転可能な第2のハブとの間の相対回転運動を90°から95°に制限するように構成される停止機構をさらに備える、装置。
【請求項7】
請求項2に記載の装置であって、
前記インデクサアーム、前記タイロッド、または前記ウエハ支持体のうちの少なくとも1つは、セラミック材料で作製される、装置。
【請求項8】
請求項7に記載の装置であって、
各インデクサアームアセンブリは、そのインデクサアームアセンブリの前記ウエハ支持体をそのインデクサアームアセンブリの前記インデクサアームと回転可能に接続する第3の回転可能なインターフェースを含み、
前記第1の回転可能なインターフェース、前記第2の回転可能なインターフェース、および前記第3の回転可能なインターフェースは、全てセラミックボールベアリングである、装置。
【請求項9】
請求項2に記載の装置であって、
作動したとき、前記回転可能な第1のハブを回転させるように構成された第1のモータと、
作動したとき、前記回転可能な第2のハブを回転させるように構成された第2のモータと、
メモリおよび1つまたは複数のプロセッサを有するコントローラと、をさらに備え、
前記メモリおよび前記1つまたは複数のプロセッサは、通信可能に接続され、
前記1つまたは複数のプロセッサは、前記第1のモータおよび前記第2のモータを制御するように構成され、
前記メモリは、前記1つまたは複数のプロセッサを制御して、前記第1のモータ、前記第2のモータ、ならびに前記第1のモータおよび前記第2のモータの両方のうち1つまたは複数を選択的に作動させて、
各ウエハ支持体が前記処理ステーションの対応する1つから前記処理ステーションの隣接する処理ステーションに移動するように、前記回転可能な第1のハブおよび前記インデクサアームアセンブリを回転させ、
処理ステーション間での移動中、または前記ウエハ支持体が各処理ステーションにある間、または処理ステーション間での移動中と前記ウエハ支持体が各処理ステーションにある間の両方において、各ウエハ支持体がそのウエハ支持体の前記回転軸を中心に、前記回転可能な第1のハブに対して第1の方向に第1の量だけ回転するように、前記回転可能な第1のハブと前記作動機構との間に第1の相対回転運動を生じさせ、
処理ステーション間での移動中、または前記ウエハ支持体が各処理ステーションにある間、または処理ステーション間での移動中と前記ウエハ支持体が各処理ステーションにある間の両方において、各ウエハ支持体がそのウエハ支持体の前記回転軸を中心に、前記回転可能な第1のハブに対して前記第1の方向と反対の第2の方向に第1の量だけ回転するように、前記回転可能な第1のハブと前記作動機構との間に第2の相対回転運動を生じさせるための、コンピュータ実行可能命令を記憶する、装置。
【請求項10】
請求項2に記載の装置であって、
各タイロッドは、
前記タイロッドの前記近位端でガスが導入されたとき、
前記タイロッドの前記近位端から
前記タイロッドの前記遠位端まで前記ガスを流すように構成された内部ガス流路を有する、装置。
【請求項11】
請求項1に記載の装置であって、
前記回転可能な第1のハブは、各インデクサアームアセンブリのための個別の装着インターフェースを含み、
各装着インターフェースは、張力調整可能なインターフェースと、前記張力調整可能なインターフェースの周りに配置された3つの円錐状凹部とを含み、
各球体は、各円錐状凹部に入れ込まれ、
各インデクサアームは、
前記装着インターフェースの対応する装着インターフェースの前記張力調整可能なインターフェースの一部が通過して突出する開口と、
開口に対して外向きに放射状に延びる3つの溝と、を含み、
前記対応する装着インターフェースの前記球体の各々はまた、そのインデクサアームの対応する溝にも入り込み、前記対応する装着インターフェースの前記張力調整可能なインターフェースは、前記インデクサアームの対応する1つと前記対応する装着インターフェースとの間で、前記対応する装着インターフェースの前記球体を圧縮するように構成されている、装置。
【請求項12】
請求項11に記載の装置であって、
各インデクサアームに関連付けられた前記張力調整可能なインターフェースは、ねじ付き構成要素とばねとを備え、前記ばねは、前記ねじ付き構成要素が張力をかけられ、前記ばねに圧縮荷重を提供したとき、前記インデクサアームとそのインデクサアームを前記回転可能な第1のハブと接続する前記装着インターフェースとの間に配置された前記球体に対して、そのインデクサアームを圧縮するように構成されている、装置。
【請求項13】
請求項12に記載の装置であって、
各インデクサアームについて、
前記対応する開口は、前記インデクサアームの前記近位端に位置し、
前記インデクサアームは、前記対応する装着インターフェースによって前記回転可能な第1のハブと固定接続され、
各装着インターフェースは、a)前記対応するインデクサアームおよび前記回転可能な第1のハブが互いに直接摺接することなく異なる量だけ熱膨張できるように、および、b)前記対応するインデクサアームが前記回転可能な第1のハブに対してある位置に固定保持され、その固定保持が少なくとも部分的に、前記対応する装着インターフェースの前記張力調整可能なインターフェースの前記ねじ付き構成要素および前記ばねによって前記インデクサアームに加えられる前記圧縮によるものであるように、前記対応するインデクサアームを前記回転可能な第1のハブと固定接続する、装置。
【請求項14】
システムであって、
請求項1に記載の装置と、
N個の処理ステーションを有する半導体処理チャンバハウジングと、を備え、
各処理ステーションは、半導体ウエハを支持するように構成された台座を含み、
前記装置は、前記半導体処理チャンバハウジング内で、台座間で半導体ウエハを搬送するように構成される、システム。
【請求項15】
請求項1に記載の装置であって、
第1のモータおよび第2のモータを収容し、第1のハブ回転インターフェースを介して前記回転可能な第1のハブを支持するモータハウジングと、
z軸駆動システムであって、前記z軸駆動システムの作動に応じて垂直方向軸に沿って前記モータハウジングを並進させるように構成されたz軸駆動システムと、
をさらに備える、装置。
【請求項16】
請求項1に記載の装置であって、
各インデクサアームは、
前記インデクサアームの前記近位端でガスが導入されたとき、
前記インデクサアームの前記近位端から
前記インデクサアームの前記遠位端まで前記ガスを流すように構成された内部ガス流路を有する、装置。
【請求項17】
半導体処理装置におけるウエハ取扱方法であって、
a)少なくとも1つのウエハを、対応する複数のウエハ支持体を有するインデクサを使用して複数のウエハ台座の1つ以上の対応する台座からピックアップし、各ウエハ支持体は、前記インデクサのインデクサアームの遠位端に回転可能に装着され、前記ウエハを下から支持するように構成され、各インデクサアームは、前記インデクサの回転可能な第1のハブに固定装着されることと、
b)第1の回転軸を中心に前記回転可能な第1のハブおよび前記インデクサアームを回転させて、各ウエハ支持体を
、前記
1つ以上の台座のうちの対応する台座上の位置から
、前記
1つ以上の台座のうちの他の台座
の上の位置に移動させることと、
c)(b)の後に、前記少なくとも1つのウエハの各ウエハを、そのウエハの下の前記台座上に載置することと、
d)(a)と(c)との間に、前記ウエハ支持体の各ウエハ支持体をそのウエハ支持体の対応する回転軸を中心に回転させて、前記ウエハ支持体を前記インデクサアームに対する第1の回転配向から前記インデクサアームに対する第2の回転配向に回転させ、各ウエハ支持体の前記回転軸が、そのウエハ支持体を有する前記インデクサアームの前記遠位端に位置することと、
を含む、方法。
【請求項18】
請求項17に記載の方法であって、
前記ウエハ支持体の前記対応する回転軸を中心とした、前記インデクサアームに対する前記ウエハ支持体の前記回転と、前記第1の回転軸を中心とした、前記回転可能な第1のハブおよび前記インデクサアームの前記回転とは、2つ以下の回転入力を使用して実施される、方法。
【請求項19】
請求項17に記載の方法であって、
前記ウエハ支持体の前記対応する回転軸を中心とした、前記インデクサアームに対する前記ウエハ支持体の前記回転は、前記第1の回転軸を中心とした、前記回転可能な第1のハブおよび前記インデクサアームの前記回転と同時に起こる、方法。
【請求項20】
請求項19に記載の方法であって、
前記ウエハ支持体の前記対応する回転軸を中心とした、前記インデクサアームに対する前記ウエハ支持体の前記回転は、前記第1の回転軸を中心とした、前記回転可能な第1のハブおよび前記インデクサアームの前記回転の開始および終了と同時に開始および終了する、方法。
【請求項21】
請求項20に記載の方法であって、
前記ウエハ支持体の前記対応する回転軸を中心とした、前記インデクサアームに対する前記ウエハ支持体の前記回転は、前記第1の回転軸を中心とした、前記回転可能な第1のハブおよび前記インデクサアームの前記回転と同じ回転速度で生じる、方法。
【請求項22】
請求項17に記載の方法であって、
前記ウエハ支持体がウエハを支持していない間、前記ウエハ支持体の各ウエハ支持体を、前記インデクサアームに対する前記第2の回転配向から前記インデクサアームに対する前記第1の回転配向に同時に回転させることをさらに含む、方法。
【請求項23】
請求項17に記載の方法であって、
前記ウエハ支持体の前記対応する回転軸を中心とした、前記インデクサアームに対する前記ウエハ支持体の前記回転は、
(1)前記ウエハ支持体の前記対応する回転軸を中心とした、前記インデクサアームに対する前記ウエハ支持体の前記回転を開始する前に、前記回転可能な第1のハブおよび前記インデクサアームの前記回転を終了し、
(2)前記ウエハ支持体の前記対応する回転軸を中心とした、前記インデクサアームに対する前記ウエハ支持体の前記回転を終了した後に、前記回転可能な第1のハブおよび前記インデクサアームの前記回転を開始し、
(3)前記ウエハ支持体の前記対応する回転軸を中心とした、前記インデクサアームに対する前記ウエハ支持体の前記回転を開始した後に、前記回転可能な第1のハブおよび前記インデクサアームの前記回転を開始し、
(4)前記ウエハ支持体の前記対応する回転軸を中心とした、前記インデクサアームに対する前記ウエハ支持体の前記回転を開始する前に、前記回転可能な第1のハブおよび前記インデクサアームの前記回転を開始することにより実行される、方法。
【請求項24】
請求項17に記載の方法であって、
前記インデクサは4つのインデクサアームを有し、(b)は前記回転可能な第1のハブおよび前記インデクサアームを第1の回転方向に90°回転させることを含み、(d)は前記ウエハ支持体を前記インデクサアームに対して前記第1の回転方向と反対の第2の回転方向に90°回転させることを含む、方法。
【請求項25】
請求項17に記載の方法であって、
パージガスを、前記インデクサアームの前記遠位端と、前記インデクサアームに対して前記ウエハ支持体を回転可能に支持する前記インデクサアームの前記遠位端に位置する回転可能なインターフェースとに流すことをさらに含む、方法。
【請求項26】
請求項17に記載の方法であって、
前記インデクサは、前記第1の回転軸を中心に回転するように構成された回転可能な第2のハブを含み、
各インデクサアームは、対応するインデクサアームアセンブリの一部であり、
各インデクサアームアセンブリは、対応する第1の回転可能なインターフェースによって前記回転可能な第2のハブと回転可能に接続される近位端と、対応する第2の回転可能なインターフェースによってそのインデクサアームアセンブリの前記インデクサアームに回転可能に装着される前記ウエハ支持体と回転可能に接続される遠位端とを有する対応するタイロッドを含み、(d)は、前記タイロッドを前記第1の回転軸に対して主に放射状に並進させる第1の回転軸を中心とした、前記回転可能な第1のハブと前記回転可能な第2のハブとの間の相対回転を生じさせ、それによって前記タイロッドの各タイロッドは、そのタイロッドがそのウエハ支持体の前記回転軸を中心に、前記インデクサアームに対して回転可能に接続される前記ウエハ支持体を回転させることにより実施される、方法。
【請求項27】
請求項17に記載の方法であって、
前記回転可能な第1のハブと比べて前記インデクサアームにおいて異なる量の熱膨張があるように、前記インデクサアームを第1の温度から第2の温度に加熱することをさらに含み、前記インデクサアームの各インデクサアームが、a)そのインデクサアームと前記回転可能な第1のハブとの間で直接摺接することなく異なる量だけ熱膨張できるように、および、b)そのインデクサアームが前記回転可能な第1のハブに対してある位置に固定保持され、その固定保持が少なくとも部分的に、前記対応する装着インターフェースの張力調整可能なインターフェースのねじ付き構成要素およびばねによって、そのインデクサアームに加えられる圧縮によるものであるように、装着インターフェースによって前記回転可能な第1のハブに固定装着される、方法。
【請求項28】
請求項27に記載の方法であって、
前記回転可能な第1のハブは、アルミニウムまたは鋼で作製され、前記インデクサアームは、セラミック材料で作製される、方法。
【請求項29】
請求項27に記載の方法であって、
前記インデクサアームの各インデクサアームについて、対応する3つの球体のセットは、そのインデクサアームとそのインデクサアームの前記装着インターフェースの装着プレートとの間に配置される、方法。
【請求項30】
請求項17に記載の方法であって、
(d)における、(a)と(c)との間にそのウエハ支持体の対応する回転軸を中心とする前記ウエハ支持体の各ウエハ支持体の前記回転は、同時に行われる、方法。
【請求項31】
請求項1に記載の装置であって、
前記作動機構は、作動したとき、前記ウエハ支持体の対応する回転軸を中心に前記インデクサアームに対して前記ウエハ支持体を同時に回転させるように構成されている、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2018年1月10日出願の、「ROTATIONAL INDEXER WITH ADDITIONAL ROTATIONAL AXES」と題する米国出願第15/867,599号の優先権の利益を主張し、上記の出願は、あらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
一部の半導体処理ツールは、共通のチャンバ内で複数のウエハを同時に処理し、回転インデクサを使用してチャンバ内の処理ステーション間でウエハを移動させる。そのような半導体処理ツールでは、処理ステーションは、一般に、ウエハの中心点同士の間隔が円形経路に沿って等距離になるように配置することができる。ステーション間のウエハの移動は、中央ハブと、その中央ハブから外向きに放射状に延びる複数のアームとを含む回転インデクサを使用して行うことができ、これらのアームの端部は、インデクサによって移動されるウエハを支持するために使用され得る何らかの形態のウエハ支持体を有することができる。このようなデバイスを使用してステーション間でウエハを移動させることは、ウエハの「インデキシング」と呼ばれる。一般に、インデクサのアームの数および角度間隔は、円形経路の中心点の周りの処理ステーションの数および角度間隔に対応する。例えば、4ステーションチャンバでは、インデクサに4つのアームが設けられ、各アームが隣接するアームに対して90°に配向されていてもよい。複数のアームにウエハを載置し、中央ハブおよびこの中央ハブに接続された複数のアームを1つのユニットとして円形経路の中心点を中心に回転させ、それによってステーション間でウエハを移動させることができる。
【発明の概要】
【0003】
本明細書で説明される主題の1つまたは複数の実施態様の詳細は、添付の図面および以下の説明に記載されている。他の特徴、態様、および利点は、本明細書の記載、図面、および特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【0004】
いくつかの実施態様では、ベースと、第1のモータと、第2のモータと、第1のハブとを含む装置を提供することができる。第1のモータは、第1のハブの中心軸を中心に、ベースに対して第1のハブを回転させるように構成することができる。この装置は、N個のインデクサアームアセンブリをさらに含むことができ、各インデクサアームアセンブリは、a)ウエハ支持体、およびb)第1のハブと接続された近位端と、ウエハ支持体と回転可能に接続された遠位端とを有するインデクサアームを含む。各ウエハ支持体は、ウエハ支持体を支持するインデクサアームに対して、そのウエハ支持体の回転軸を中心として回転するように構成することができる。Nは、2つ以上のインデクサアームアセンブリが存在するように選択することができる。この装置はさらに作動機構を含むことができ、この作動機構は、第2のモータによって作動されるように構成することができ、さらに、第1のモータ、第2のモータ、または第1のモータおよび第2のモータの両方の回転に応じて、インデクサアームのウエハ支持体を、ウエハ支持体の対応する回転軸を中心に、インデクサアームに対して同時に回転させるように構成することができる。
【0005】
装置のいくつかの実施態様では、作動機構は、第2のモータによる作動に応じて第1のハブの中心軸を中心に回転するように構成される第2のハブを含んでもよく、各インデクサアームアセンブリは、第1の回転可能なインターフェースによって第2のハブと回転可能に接続される近位端と、第2の回転可能なインターフェースによってそのインデクサアームアセンブリのウエハ支持体と回転可能に接続される遠位端とを有するタイロッドをさらに含んでもよい。そのような実施態様では、作動機構およびインデクサアームアセンブリは、第1の中心軸を中心とした第1のハブと第2のハブとの間の相対回転によりタイロッドが第1の中心軸に対して略放射状に並進するように構成されてもよく、それによって各タイロッドは、そのタイロッドが回転可能に接続されるウエハ支持体がそのウエハ支持体の前記回転軸を中心に、前記インデクサアームに対して回転するように前記ウエハ支持体を回転させる。
【0006】
装置のいくつかの実施態様では、第1のハブおよび第2のハブは、第1の相対回転位置から第2の相対回転位置へと互いに対して回転可能であるように構成されてもよい。
【0007】
装置のいくつかの実施態様では、インデクサアーム、タイロッド、およびウエハ支持体は、セラミック材料で作製されてもよい。
【0008】
装置のいくつかの実施態様では、各インデクサアームアセンブリは、そのインデクサアームアセンブリのウエハ支持体をそのインデクサアームアセンブリのインデクサアームと回転可能に接続する第3の回転可能なインターフェースを含んでもよく、第1の回転可能なインターフェース、第2の回転可能なインターフェース、および第3の回転可能なインターフェースは、全てセラミックボールベアリングであってもよい。
【0009】
装置のいくつかの実施態様では、4つのインデクサアームアセンブリが存在してもよい。さらに、ウエハ支持体の各々は、第1のハブおよび第2のハブが第1の相対回転位置にあるとき、第1のハブに対して第3の相対回転位置にあってもよく、第1のハブおよび第2のハブが第2の相対回転位置にあるとき、第1のハブに対して第4の相対回転位置にあってもよい。そのような実施態様において、第3の相対回転位置および第4の相対回転位置は、互いに90°位相がずれていてもよい。
【0010】
装置のいくつかの実施態様では、装置は、第1のハブと第2のハブとの間の相対回転運動を90°から95°に制限するように構成される停止機構を含んでもよい。
【0011】
装置のいくつかの実施態様では、各タイロッドの近位端の最上面が、そのタイロッドの第1の回転可能なインターフェースの真上に存在してもよく、各第1の回転可能なインターフェースは、最も近い他の第1の回転可能なインターフェースから第1の距離だけ水平方向に離間されてもよく、各タイロッドは、そのタイロッドの第1の回転可能なインターフェースの回転中心からの第1の長手方向距離と、そのタイロッドの第1の回転可能なインターフェースの回転中心からの第2の長手方向距離との間に延びるオフセット領域を含んでもよく、第1の長手方向距離は第1の距離よりも小さくてもよく、第2の長手方向距離は第1の距離よりも大きくてもよく、各タイロッドのオフセット領域の最下面は、隣接するインデクサアームアセンブリからのタイロッドの遠位端の最上面よりも高くてもよく、それによって第1のハブおよび第2のハブが第1の相対回転位置にあるとき、隣接するインデクサアームアセンブリからのタイロッドの遠位端がそのタイロッドの下を通過することを可能にする。
【0012】
装置のいくつかの実施態様では、ウエハ支持体の各々は、第1のハブおよび第2のハブが第1の相対回転位置にあるとき、第1のハブに対して第3の相対回転位置にあってもよく、第1のハブおよび第2のハブが第2の相対回転位置にあるとき、第1のハブに対して第4の相対回転位置にあってもよい。そのような実施態様において、第3の相対回転位置および第4の相対回転位置は、互いに360°/N位相がずれていてもよい。
【0013】
装置のいくつかの実施態様では、ハブは、各インデクサアームアセンブリのための個別の装着インターフェースを含んでもよく、各装着インターフェースは、張力調整可能なインターフェースと、張力調整可能なインターフェースの周りに配置された3つの円錐状凹部とを含んでもよい。各円錐状凹部内には球体が入れ込まれてもよく、各インデクサアームは、張力調整可能なインターフェースが通過して突出する開口と、開口に対して外向きに放射状に延びる3つの溝とを含んでもよい。対応する装着インターフェースの各球体はまた、そのインデクサアームの対応する溝にも入り込むことができ、張力調整可能なインターフェースは各々、インデクサアームの対応する1つと装着インターフェースの対応する1つとの間で球体を圧縮するように構成されてもよい。
【0014】
装置のいくつかの実施態様では、各インデクサアームに関連付けられた張力調整可能なインターフェースは、ねじ付き構成要素とばねとを備えてもよく、ねじ付き構成要素を締め付けて張力をかけたときに、各インデクサアームとそのインデクサアームを第1のハブと接続する装着インターフェースとの間に配置された球体に対してそのインデクサアームを圧縮するように、ばねが構成されていてもよい。
【0015】
装置のいくつかの実施態様では、装置は、第1のモータおよび第2のモータを収容し、第1のハブ回転インターフェースを介して第1のハブを支持するモータハウジングをさらに含んでもよく、また、z軸駆動システムであって、z軸駆動システムの作動に応じて垂直方向軸に沿ってモータハウジングを並進させるように構成されたz軸駆動システムを含んでもよい。
【0016】
装置のいくつかの実施態様では、装置は、N個の処理ステーションを有する半導体処理チャンバハウジングをさらに含んでもよく、各処理ステーションは、半導体ウエハを支持するように構成された台座を含んでもよい。
【0017】
装置のいくつかの実施態様では、処理ステーションは、堆積動作、エッチング動作、硬化動作、および熱処理動作からなる群から選択される半導体処理動作を実施するように構成されてもよい。
【0018】
装置のいくつかの実施態様では、装置は、メモリおよび1つまたは複数のプロセッサを有するコントローラをさらに含んでもよい。メモリおよび1つまたは複数のプロセッサは、通信可能に接続されてもよく、1つまたは複数のプロセッサは、第1のモータおよび第2のモータを制御するように構成されてもよく、メモリは、1つまたは複数のプロセッサを制御して、第1のモータ、第2のモータ、ならびに第1のモータおよび第2のモータの両方のうち1つまたは複数を選択的に作動させて、前記第1のハブおよび前記インデクサアームアセンブリの回転、前記第1のハブと前記作動機構との間の第1の相対回転運動、および、前記第1のハブと前記作動機構との間の第2の相対回転運動を引き起こすコンピュータ実行可能命令を記憶するものであってもよい。前記第1のハブおよび前記インデクサアームアセンブリの前記回転は、各ウエハ支持体が処理ステーションの対応する1つから処理ステーションの隣接する処理ステーションに移動するような回転であり、前記第1のハブと前記作動機構との間の第1の相対回転運動は、処理ステーション間での移動中、またはウエハ支持体が各処理ステーションにある間、または処理ステーション間での移動中とウエハ支持体が各処理ステーションにある間の両方において、各ウエハ支持体がそのウエハ支持体の回転軸を中心に、第1のハブに対して第1の方向に第1の量だけ回転するような相対回転運動であり、前記第1のハブと前記作動機構との間の第2の相対回転運動は、処理ステーション間での移動中、またはウエハ支持体が各処理ステーションにある間、または処理ステーション間での移動中とウエハ支持体が各処理ステーションにある間の両方において、各ウエハ支持体がそのウエハ支持体の回転軸を中心に、第1のハブに対して第1の方向と反対の第2の方向に第1の量だけ回転するような相対回転運動である。
【0019】
装置のいくつかの実施態様では、Nは4に等しくてもよく、メモリは、1つまたは複数のプロセッサを制御して、第2のハブが静止している間に第1のモータによって第1のハブを第1の方向に90°回転させるためのさらなるコンピュータ実行可能命令を記憶してもよい。
【0020】
いくつかの実施態様において提供できる方法は、a)複数のウエハを、対応する複数のウエハ支持体を有するインデクサを使用して対応する複数の台座からピックアップすることであって、各ウエハ支持体はインデクサのインデクサアームの遠位端に回転可能に装着され、各インデクサアームはインデクサのハブに装着され、ウエハはウエハ支持体によって支持されることと、b)第1の回転軸を中心にハブおよびインデクサアームを回転させ、各ウエハ支持体を各台座上の位置から各台座に隣接する台座上の位置に移動させることと、c)(b)の後にウエハを台座上に載置することと、d)(a)と(c)との間に、前記ウエハ支持体をウエハ支持体の回転軸を中心にインデクサアームに対して回転させることとを含む。
【0021】
そのような方法のいくつかの実施態様では、インデクサは4つのインデクサアームを有してもよく、(b)はハブおよびインデクサアームを90°回転させることを含んでもよく、(d)はウエハ支持体をインデクサアームに対して90°回転させることを含んでもよい。
【0022】
他の特徴、態様、および利点は、本明細書の記載、図面、および特許請求の範囲から明らかになるであろう。なお、以下の図の相対寸法は、縮尺どおりに描かれていない場合があることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本明細書に開示される様々な実施態様を、限定のためではなく例示として、同様の参照番号が同様の要素を指す添付の図面の各図に示す。
【0024】
【
図1】
図1は、従来の回転インデクサにおけるウエハの回転を示す概略図である。
【0025】
【
図2】
図2は、本明細書で説明される追加の回転軸を有する回転インデクサによって支持されたウエハの回転を示す概略図である。
【0026】
【
図3】
図3は、本明細書で説明される回転インデクサの一例である回転インデクサを有する例示的な半導体処理ツールの一部の上面図である。
【0027】
【
図4】
図4は、
図3の例示的な回転インデクサの一部分解斜視図である。
【0028】
【
図5】
図5は、
図3の例示的な回転インデクサの別の一部分解斜視図である。
【0029】
【
図6】
図6は、
図3の例示的な回転インデクサの側断面図である。
【0030】
【
図7】
図7は、いくつかの追加の構成要素を取り外した状態で示す、
図3の例示的な回転インデクサの中心の詳細図である。
【0031】
【
図9】
図9は、特定の構成における2つのタイロッドの重なりを示す、例示的な第2のハブおよびタイロッドの一部の詳細上面図である。
【0032】
【
図8】
図8は、代替のタイロッド設計を示す、別の例示的な第2のハブおよびタイロッドの一部の詳細上面図である。
【0033】
【
図10】
図10は、例示的な回転インデクサの下側を示す、
図3の例示的な回転インデクサの一部分解斜視図である。
【0034】
【
図11-A】
図11-Aは、インデクサアームの遠位端に位置する回転可能なウエハ支持体の様々な作動状態を通して
図3の例示的な回転インデクサを示す図である。
【
図11-B】
図11-Bは、インデクサアームの遠位端に位置する回転可能なウエハ支持体の様々な作動状態を通して
図3の例示的な回転インデクサを示す図である。
【
図11-C】
図11-Cは、インデクサアームの遠位端に位置する回転可能なウエハ支持体の様々な作動状態を通して
図3の例示的な回転インデクサを示す図である。
【
図11-D】
図11-Dは、インデクサアームの遠位端に位置する回転可能なウエハ支持体の様々な作動状態を通して
図3の例示的な回転インデクサを示す図である。
【
図11-E】
図11-Eは、インデクサアームの遠位端に位置する回転可能なウエハ支持体の様々な作動状態を通して
図3の例示的な回転インデクサを示す図である。
【0035】
【
図12】
図12は、内部パージガス流路を有する例示的な回転インデクサの部分切断図である。
【0036】
【
図13】
図13は、本明細書で説明されるいくつかの例による回転インデクサを動作させるための例示的な技法の流れ図である。
【0037】
【
図14】
図14は、
図3の回転インデクサのための例示的なコントローラのシステム図である。
【0038】
図3~
図12は、それぞれの図の中では各図内で縮尺どおりに描かれているが、縮尺は図ごとに異なる場合がある。これらの図は、本明細書で説明される概念の一例のみを図示しているにすぎない。本明細書で説明される概念は、多数の代替の実施態様で実施されてもよく、その全てが本開示の範囲内であると考えられることは容易に認識されよう。
【発明を実施するための形態】
【0039】
重要なことに、本明細書で説明される概念は、本明細書で説明される任意の1つの態様または実施態様に限定されるものではなく、そのような態様および/または実施態様の任意の組み合わせおよび/または置換に限定されるものでもない。さらに、本発明の各態様および/または各実施態様は、単独で用いられても、または本発明の1つまたは複数の他の態様および/または他の実施態様と組み合わせて用いられてもよい。簡潔にするため、それらの置換および組み合わせの多くについては、本明細書において個別に説明および/または例示しない。
【0040】
本明細書に開示される追加の回転軸を有する回転インデクサは、インデクサアームの遠位端に追加の回転自由度を有する点で従来の回転インデクサとは異なる。例えば、従来のインデクサでは、インデクサの中心軸を中心としたハブ/アーム構造全体の回転のみが提供され、その結果、ハブ/アーム構造が回転すると、各アームの端部に載置されたアイテムは、同じ回転軸を中心に同様に回転する。これにより、アイテム(例えば、半導体ウエハ)は、その回転軸に対して同じ配向を維持し、例えば、各アイテムの同じ部分が常に回転中心軸に最も近い部分となる。
【0041】
このことは
図1で見ることが可能である。
図1は、従来の回転インデクサにおけるウエハの回転を示す概略図である。3つのインデクサ位置が示されており、一番上が開始位置、真ん中が中間位置、一番下が終了位置を示している(これは、一番上に示す位置から一番下に示す位置への一連のウエハ移動の場合である)。各ウエハ108は、最外縁に短い線/マークを有する。そして、インデクサ102が回転すると、4つ全てのウエハ108がインデクサ102の回転軸を中心に回転する。その結果、線/マークを有するウエハ108の縁部は、回転移動の間ずっと、インデクサ102の回転軸から最も遠いウエハの縁部であり続ける。別の言い方をすれば、ウエハを支持するアームに対する各ウエハの配向は、変化せずに維持される。
【0042】
しかし、本開示によるインデクサは、アームに対するウエハの配向がインデクサの回転移動中、回転移動前、および/または回転移動後に変更され得るように、追加の回転運動度を提供することができる。その結果、ステーションごとにウエハの異なる側がインデクサの回転中心に最も近く位置するように、ウエハにおいてインデクサ回転軸に最も近くなる縁部または縁部の一部を変えることができる。したがって、そのようなインデクサは、異なる位置の間でウエハを「インデキシングする」だけでなく、そのような「インデキシング」移動中、移動前、または移動後にウエハを「スピン」させることもできる。
【0043】
このことは
図2で見ることが可能である。
図2は、上記および本明細書の他の場所で説明されるように、追加の回転軸を有する回転インデクサによって支持されたウエハの回転を示す概略図である。
図2は、
図1と同様のレイアウトを有し、回転インデクサ202の3つの位置がウエハ208と共に示されている。一番上に示す位置で見ることができるように、ウエハ208の外縁に沿った短い線/マークは、いずれもインデクサ202の回転中心から最も遠く、インデクサ208のアームとほぼ整列している。真ん中に示す位置では、インデクサ202は時計回りに45°回転しているが、ウエハ208も反時計回り方向に同じ量だけ回転している。その結果、ウエハを支持するアームに対する各ウエハ208の配向が変化し、一番下に示す位置ではウエハ208がアームに対して90°回転している。これにより、ウエハ208において、
図2の一番上に示した位置とは異なる縁部が、インデクサ202の回転中心から最も遠くなる。
【0044】
図3は、本明細書で説明される回転インデクサの一例である回転インデクサを有する例示的な半導体処理ツールの一部の上面図である。
図3に示す半導体処理ツール300は、4つの半導体処理ステーション304を含む処理チャンバ306を有し、4つの半導体処理ステーション304の各々が台座310を有する。半導体処理ステーション304は中心軸の周りに放射状または円形アレイに配置され、その中心軸を中心に回転するように構成される回転インデクサ302が設けられる。回転インデクサ302は、複数のインデクサアーム340(例えば、この例では4つのインデクサアーム)を有することができ、これらのアームの近位端342は、第1のハブ330が中心軸(
図10の中心軸352参照)を中心に回転するとアーム340が第1のハブ330と共に回転するように第1のハブ330に取り付けられる。インデクサアーム340の遠位端344にはウエハ支持体338を設けることができ、これらのウエハ支持体338の各々は、ウエハ支持体338を支持するインデクサアーム340に対して、その遠位端344に位置する回転軸を中心に回転可能であるように構成することができる(そのような回転軸は、
図5に回転軸354として図示される)。各ウエハ支持体338は、処理ステーション304間でのウエハ308の移動中にウエハ308を支持するように構成することができる(インデクサアームの構成要素を見やすくするため、ウエハ308は点線の輪郭で示されている)。
【0045】
図4は、
図3の例示的な回転インデクサの一部分解斜視図である。
図4で見ることができるように、インデクサアームアセンブリ336の1つが分解状態で示されており、他のインデクサアームアセンブリ336は、第1のハブ
330に締結された際に配置されるであろう組立状態で示されている(1つのインデクサアームアセンブリ336のみに番号が付けられている)。参考として、インデクサアームアセンブリsの1つは、ウエハ308を支持している状態で示されている。このウエハ308は、インデクサアームアセンブリ336の特徴を不明瞭にしないように、部分的に透明で示され、縁部が点線で描かれている。各インデクサアームアセンブリ336は、第1のハブ330と直接的または間接的に接続される近位端342を有するインデクサアーム340を含み得る。各インデクサアームアセンブリ336はまた、インデクサアーム340の遠位端344に回転可能に装着されるウエハ支持体338を含み得る。ウエハ支持体は、例えば、半導体ウエハを支持するように構成される小さなプレートまたはプラットフォームであってもよい。ウエハ支持体338は、ウエハ支持体の回転軸、例えば、ウエハ支持体338が支持するように設計された半導体ウエハの中心を通過する軸を中心に、ウエハ支持体338を支持するインデクサアーム340に対して回転可能とすることができる。
【0046】
一般的に言えば、第1のハブ330、およびそれに取り付けられたインデクサアームアセンブリ336は、ウエハ308をステーション間で移動させるために、第1のハブ330の回転軸を中心に回転可能とすることができる。そのような回転に加えて、インデクサ302はまた、全てのウエハ支持体338をインデクサアーム340に対して同時に、かつインデクサアーム340の遠位端344に位置するそれぞれの回転軸を中心に回転させるように構成され得る作動機構を含み得る。作動機構は、1回の機械的入力に応じて、全てのウエハ支持体338を同時に回転させるようにさらに構成されてもよい。例えば、回転インデクサ302の中心に位置する共通の回転駆動シャフトは、かさ歯車または他の種類の歯車装置を介して各インデクサアーム340に沿って延びる駆動シャフトと接続されることができ、次に、各駆動シャフトは駆動シャフトの回転に応じてウエハ支持体338を回転させることができる。代替の実施態様では、可撓性ベルト(例えば、薄いステンレス鋼ベルト)が、各ウエハ支持体338に取り付けられたプーリと共通の回転駆動シャフトとの間に巻き掛けられてもよく、その結果、インデクサアーム340に対する駆動シャフトの回転により、ウエハ支持体338もインデクサアーム340に対して回転する。
【0047】
いくつかの実施態様では、作動機構は、可動リンク機構のアレイを利用して、ウエハ支持体338をインデクサアーム340に対して回転させることができる。
図3および
図4の例示的な回転インデクサ302は、そのような機構を含む。
図4で見ることができるように、回転インデクサ302の作動機構は、第2のハブ332を含む。第2のハブ332は、第1のハブ330の回転軸と同じ回転軸を中心に回転するように構成されてもよい。第1のハブ330および第2のハブ332は、互いに対して多様な異なる角度配向で載置され得るように、独立して回転可能であってもよい。
【0048】
そのような作動機構では、各インデクサアームアセンブリ336は、対応するインデクサアーム340の長さに沿って延びるタイロッド346をさらに含み得る。各タイロッド346は、第1の回転可能なインターフェース(接続部)356を介して第2のハブ332と回転可能に接続される近位端348と、第2の回転可能なインターフェース(接続部)358を介して対応するウエハ支持体338と回転可能に接続される遠位端350(
図5参照)とを有することができる。第1の回転可能なインターフェース356および第2の回転可能なインターフェース358は、それぞれ中心軸352および回転軸354からある程度の距離に位置し、各軸の周りにモーメントアームを画定し得る。回転軸354は、例えば、第3の回転可能なインターフェース(接続部)360の回転軸であってもよい。第3の回転可能なインターフェース360は、ウエハ支持体338をそれぞれのインデクサアーム340に回転可能に結合することができる。
【0049】
中心軸352を中心とした第1のハブ330と第2のハブ332との間の相対回転運動が誘発されると、タイロッド346は略放射状に移動する(タイロッド346は、隣接するインデクサアーム340から離れるように移動し、その後、近づくように移動するので、若干の接線方向の運動もある)。この移動により、タイロッド346に回転可能に接続されているウエハ支持体338は、インデクサアーム340に取り付けられた状態でそのインデクサアーム340に対して回転軸354を中心に回転する。第1のハブ330と第2のハブ332との間に相対回転運動が存在しないとき、ウエハ支持体338は、インデクサアーム340に対して定位置に固定されたままである。
【0050】
したがって、そのような回転インデクサは、以下の回転を提供するように駆動することができる:(第1のハブ330を静止させたまま第2のハブ332を回転させることによって)インデクサアーム340の対応する回転を伴わずに、ウエハ支持体338をインデクサアーム340に対して回転させる;(第1のハブ330と第2のハブ332を同期して(かつ同じ量だけ)回転させることによって)インデクサアーム340に対するウエハ支持体338の対応する回転を伴わずに、中心軸352を中心にインデクサアーム340を回転させる;および(第1のハブ330を第2のハブ332と同期させずに回転させることによって、すなわち、例えば、第2のハブ332を静止させたまま中心軸352を中心に第1のハブ330を回転させることによって、または中心軸352を中心に第1のハブ330および第2のハブ332を異なる速度で回転させることによって)ウエハ支持体338をインデクサアーム340に対して同時に回転させながら、中心軸352を中心にインデクサアーム340を回転させる。
【0051】
図示の例などのいくつかの実施態様では、第1の回転可能なインターフェース356の各々と中心軸352との間の距離は、タイロッド346によって画定されるモーメントアームが同じになるように、第2の回転可能なインターフェース358の各々とこれらに対応する回転軸354との間の距離に等しくてもよい。そのような実施態様では、ウエハ支持体338とインデクサアーム340との間の相対回転は、第1のハブ330と第2のハブ332との間の相対回転と同じであってもよい。そのような実施態様は、あるステーションから次のステーションへの各ウエハの搬送が第2のハブ332を静止させたまま第1のハブ330のみを回転させることによって実現される際、ウエハが回転インデクサ302によってどの処理ステーションに移動されたかに関係なく、各ウエハを(例えば、半導体処理ツールに対して)同じ絶対配向に保つことができるため、特に効率的であり得る。
【0052】
図6は、
図3の例示的な回転インデクサの側断面図である。
図6に示すように、回転インデクサ302は、半導体処理ツール300に装着され得るベース312を含むことができる。ベース312は、回転インデクサ302を作動させるために使用され得る様々なシステムを収容することができる。例えば、ベース312は、第1のモータ318および第2のモータ320を収容し得るモータハウジング322を有することができる。第1のモータ318は、第1のシャフト314によって第1のハブ330と接続することができ、第2のモータ320は、第2のシャフト316によって第2のハブ332と接続することができる。したがって、第1のモータ318を作動させて第1のハブ330を回転させることができ、第2のモータ
320を作動させて第2のハブ332を回転させることができる。
【0053】
いくつかの実施態様では、回転インデクサ302はまた、垂直移動するように構成されてもよい。例えば、z軸駆動システム324を設けて、モータハウジング322、第1のモータ318、第2のモータ320、第1のハブ330、および第2のハブ332を垂直方向に上下に駆動することにより、インデクサアーム340を垂直方向に移動させることができる。z軸駆動システム324は、いくつかの実施態様では、モータハウジング322に取り付けられたボールねじ326を貫通するねじ付きシャフト328を回転させるように構成された第3のモータ3102を含むことができ、それによって第3のモータ3102が作動されると垂直移動を引き起こす。
【0054】
ウエハ支持体338が第1のハブ330と第2のハブ332との間の相対回転と同じ量だけ軸354を中心にインデクサアーム340に対して回転するという上述のような作動機構を有する実施態様では、タイロッド346を第2のハブ332に連結する第1の回転可能なインターフェース356は、第1のハブ330と第2のハブ332との間のそのような相対回転中、隣接する第1の回転可能なインターフェース356がそのような回転の前に存在していた位置と同じ位置になるように移動され得る。
図7は、そのような回転インデクサの一例である
図3の例示的な回転インデクサの中心の詳細図であり、いくつかの追加の構成要素を取り外した状態で(例えば、インデクサアームアセンブリ336、第1のハブ330を取り外した状態で)、他の様々な構成要素を省略して示している。
【0055】
図7に示すように、タイロッド346は、さらにオフセット領域364を含んでいてもよい。オフセット領域364は、タイロッド346の長さに沿って、すなわち、長手方向に、ある程度の距離だけ延びることができる。各オフセット領域364の開始位置は、そのオフセット領域が設けられるタイロッド346のための第1の回転可能なインターフェース356の回転中心軸から第1の長手方向距離368の位置と見なすことができ、終了位置は、そのオフセット領域が設けられるタイロッド346のための第1の回転可能なインターフェース356の回転中心軸から第2の長手方向距離370の位置と見なすことができる。一般的に言えば、隣接する第1の回転可能なインターフェース356の回転中心軸間の距離を第1の距離366とすると、第1の長手方向距離368は第1の距離366よりも小さくなるように、そして第2の長手方向距離370は第1の距離366よりも大きくなるように選択することができる。
図7において、第1の回転可能なインターフェース356は点線の輪郭によって表され、図示を省略した第1の回転可能なインターフェース356と連動するポスト3100が図示されている(この例における第1の回転可能なインターフェース356は、回転ベアリングアセンブリ、例えば、ボールベアリング、ローラベアリング、または他の同様の装置である)。
【0056】
各オフセット領域364は、上述のような回転運動中(すなわち、第1の回転可能なインターフェース356のそれぞれが、隣接する第1の回転可能なインターフェース356が直前に占有していた場所である定位置に前進するとき)、そのオフセット領域364を一部に含むタイロッド346が、隣接するタイロッド346の近位端348と接触または衝突しないように構成され得る。したがって、タイロッド346は、オフセット領域364において、変形など、タイロッド346の一般的形状からの逸脱を含み得る。
【0057】
例えば、
図7に示す実施態様では、オフセット領域364は最下面390(
図7には図示せず、
図10参照)を含んでいる。この最下面390は、ある高さに(すなわち、回転インデクサが垂直方向の中心軸352、およびインデクサアーム340の下のベース
312と位置決めされるとき、隣接するタイロッド346の第1の回転可能なインターフェース356の真上に隣接するタイロッド346の近位端348の最上面362よりも高い位置に)位置決めされる。これにより、第1の回転可能なインターフェース356のそれぞれが、隣接する第1の回転可能なインターフェース356が直前に占有していた場所である定位置に前進するとき、タイロッド346の近位端348は、隣接するタイロッド346のオフセット領域364の下を(タイロッド346同士が一切接触することなく)通過することが可能になる。
図8は、タイロッド346の近位端348が別のタイロッド346のオフセット領域364の下をどのように通過し得るかを示す詳細図である。
【0058】
オフセット領域の概念は、「垂直方向」ではなく「水平方向」にも利用できる。例えば、
図9は、そのような実施態様を図示する。図で見ることができるように、オフセット領域864は、タイロッド846の公称中心線(この図では一点鎖線)から距離Dだけオフセットされている。距離Dは、隣接するタイロッド346の近位端848が、オフセット領域864を有するものとして
図8に示すタイロッド846に接触することなく、図示される位置に移動できるように選択すればよい。
【0059】
本明細書に開示される追加の回転軸を有する回転インデクサは、ある特定のタイプの半導体処理設備で使用されるときに特に有利である場合がある。例えば、マルチステーション堆積またはエッチング処理ツールでは、処理ステーションのアレイの中心に向けて(例えば、中心軸352に向けて)付勢されるウエハ間で処理が不均一になる可能性がある。
【0060】
従来の回転インデクサを使用してこのような半導体処理ツールのステーション間でウエハを移動させる場合、全てのステーションでウエハの同じ縁部が中心軸352に最も近くなる可能性があるので、ウエハは各処理ステーションで同じように不均一な処理を受けるおそれがある。しかし、本明細書に開示されるように追加の回転軸を有する回転インデクサを使用してそのような半導体処理ツール内のステーション間でウエハを移動させる場合、ウエハの異なる縁部または縁部の一部分が各ステーションで中心軸352に最も近くなるようにウエハをステーション間で回転させことができる。これは、不均一性の平均化または軽減に役立ち、それによってウエハ処理品質を向上させることができる。
【0061】
本明細書で説明される追加の回転軸を有する回転インデクサがある特定の場面で(例えば、堆積処理またはエッチング処理を行う半導体処理ツールで)使用される場合、状況によって、上述の特徴を超えるさらなる特徴を含むことが有利なことがある。例えば、いくつかの実施態様では、インデクサアーム340、タイロッド346、および/またはウエハ支持体338は、低い熱膨張係数(例えば、8μm/m/Cオーダー)を有し、一般に耐腐食性または耐薬品性(耐化学的劣化性)のセラミック材料(酸化アルミニウムなど)から製造されてもよい。堆積動作およびエッチング動作は、回転インデクサが加熱され熱膨張を起こすような高温または大きな温度変動を伴う場合がある。インデクサアーム340の長さの都合上、そのような熱膨張(または冷却される場合は収縮)により、インデクサアームによって支持されているウエハがウエハ支持体338の回転軸354とわずかに位置ずれしてしまうことがあり、この位置ずれにより、ウエハが回転軸354を中心に回転するとさらに位置ずれする可能性がある。ある程度の位置ずれは許容可能であり得るが、熱膨張係数が低いセラミックまたは他の材料を使用することにより、このような位置ずれを低減、最小化、または許容可能なレベルに保つことができる。場合によっては、インデクサアームアセンブリ336の追加の構成要素も同様の材料で作製してもよい。例えば、第1、第2、および第3の回転可能なインターフェース356、358、および360は、セラミックボールベアリング、セラミックローラベアリング、またはセラミックスラストベアリング、例えば、内レースおよび外レース、ならびに転動体を有し、セラミック材料で作製されるベアリングであってもよい。インデクサアームアセンブリ336の他の要素(例えば、ねじ、ベアリングキャップ、リテーナカップなど)もまた、セラミック材料で作製することができる。第1のハブ330および第2のハブ332もセラミック材料で作製することができるが、多くの実施態様では、より頑丈で製造しやすい材料、例えば、ステンレス鋼またはアルミニウムで作製することができる。このような金属系の材料は、化学的劣化の影響をより受けやすい可能性があるが、その反面、第1のハブ330および第2のハブ332が実施される回転移動に関係なく処理チャンバハウジング306の中心に留まることができ、いかなるときも処理ステーション304を貫通しないため、金属系材料が半導体処理で使用される活性種からより一層分離される可能性がある。
【0062】
そのような実施態様では、インデクサアームアセンブリ336を、対応する数の装着インターフェースを介して第1のハブ330と接続してもよい。そのような装着インターフェースにより、インデクサアームアセンブリ336の設置、中心軸352との位置合わせ、および第1のハブ330に対する所定の位置への固着を容易に行うことが可能になる。
【0063】
図5は、
図3の例示的な回転インデクサの別の一部分解斜視図である。
図10は、
図3の例示的な回転インデクサの下側を示す一部分解斜視図である。
図5および
図10では、1つの例示的な装着インターフェース(接続部)の詳細が図示されている(このような特徴は
図4にも見ることができる)。
【0064】
図5および10に示すように装着プレート374を設けることができる。この装着プレート374は、中央装着位置(例えば、ねじ穴)の周りに配列された複数(例えば、3つ)の円錐状凹部378を含んでいる。図示の例では、図示されている3つの円錐状凹部378が中央装着位置の周りに等間隔の円形パターンで配置される。
【0065】
各円錐状凹部378の中には、球形ベアリング380を入れ込むことができる。球形ベアリングは、インデクサアーム340もしくは装着プレート374のいずれかと同じ材料で作製してもよく、または所望に応じて異なる材料で作製してもよい。
【0066】
インデクサアーム340は、装着プレート374と接続され得る張力調整可能なインターフェース(接続部)376を受け入れるように構成され得る開口382(
図4参照)を含むことができる。張力調整可能なインターフェース376は、インデクサアーム340を装着プレート374に近づけるように締め付けられることにより、これら2つの構成要素の間で球体380を圧縮することができる。張力調整可能なインターフェース376は、例えば、ねじ付き構成要素386(例えば、ねじまたはボルト)、およびばね388(例えば、皿ばね)、ならびに潜在的にアダプタ(図示されているようなもの)を含むことができ、ねじ付き構成要素386によって生成された圧縮力をばね388に伝達する。したがって、ねじ付き構成要素386が装着プレート374にねじ込まれると、ばね388が圧縮され、それによってインデクサアーム340に圧縮力を与えることができる。もちろん、いくつかの実施態様ではばね388を使用しなくてもよいが、ばねの存在は、締め過ぎのリスクを減らすことができ、また、インデクサアームへの圧縮荷重の分散を助けるように作用することができる。セラミック製のインデクサアーム340の場合、ばねの存在は、セラミック構成要素に亀裂が発生するリスクを減らすことができるので、特に有利であり得る。
【0067】
装着プレートに対するインデクサアームアセンブリ336の適切な位置合わせに役立つように、球体380に接触するインデクサアーム340の下側は、アセンブリが共にボルト締めされたときに球体380を受け入れるように構成され得る複数の溝384を含むことができる。ある特定のインデクサアーム340において、各溝384は、例えば、開口382の中心から外向きに延びる放射状の経路に沿って設けることができる。その結果、装着プレート374がインデクサアーム340に対して熱膨張または収縮する際、球体380は、固定されることなく、また、インデクサアーム340を例えば張力調整可能なインターフェースの中心からずらすことなく、共通の一点(開口382の中心)からこれらの溝に沿って放射状に内側方向または外側方向に滑動することができる。装着プレート374は、例えば、いくつかの実施態様ではアルミニウムまたはステンレス鋼で作製されてもよく、また、そのような実施態様においてインデクサアーム340はセラミック材料で作製されてもよいので、上記の溝/球体/円錐状凹部のインターフェースなどのインターフェースは、位置ずれまたは過度の応力を発生させずに、そのような構成要素が異なる熱膨張挙動を示す(作用する熱膨張係数が異なるため)ことを可能にする。このような動的装着はセラミック球体を使用して構築することができ、球体380と溝384との間に滑り運動があるけれども球体380と円錐状凹部378との間にほとんどまたは全く運動がない場合に(円錐状凹部378と球体380との接触面積が円錐状凹部378と溝384との接触面積よりも大きいことにより、(摩擦係数が概ね同等であると仮定した場合)円錐状凹部378に対する摩擦負荷が溝384に対する摩擦負荷よりも概して高くなる)、セラミック部品と非セラミック部品(例えば、金属部品)との間の滑り/研磨移動を防ぐ。
【0068】
図示の例では、インデクサアームアセンブリ336を装着プレート374に装着することができ、結果として得られるアセンブリを第1のハブ330に装着することができる。装着プレート374を第1のハブ330に固着するボルトを締め付ける前に、固定具を回転インデクサ302に装着してもよい。この固定具は、例えば、第1のハブ330または第2のハブ332、ならびにインデクサアーム340に沿って少なくともある程度の距離にわたって延びるアームまたは他の構造物の中心に固定具を配置可能にするセンタリング機能を有してもよい。固定具は、心合わせされた位置で回転インデクサ302に固着されてもよく、その後、インデクサアームアセンブリ336上の位置合わせ特徴(例えば、穴)が固定具上の対応する位置合わせ特徴と整合するように各インデクサアームアセンブリ336を調整することができる。各インデクサアームアセンブリ336を固定具と位置合わせした後、そのインデクサアームアセンブリの装着プレート374を第1のハブ330に固着する締結具を締め付けることによって所定の位置にクランプすることができる。全てのインデクサアームアセンブリ336を設置し、所定の位置に固着したら、固定具は回転インデクサ302を使用する前に取り外してよい。他の実施態様では、インデクサアームアセンブリ336を第1のハブ330に固着するために、他のタイプの装着インターフェース(接続部)が使用されてもよい。
【0069】
図5および
図10には、例えば、停止部394および弧状の溝または凹部392を含むことができる停止機構も見ることができる。停止機構は、第1のハブ330および第2のハブ332が所定の量(例えば、4アームインデクサの場合には90°から95°)に限って互いに対して回転可能にし、作動機構の固定または損傷の原因となりうる過剰回転を防ぐことができる。
【0070】
図11-A~
図11-Eは、インデクサアームの遠位端に位置する回転可能なウエハ支持体の様々な作動状態を通して
図3の例示的な回転インデクサを示す図である。この例では、第1のハブ330は静止したままであり、第2のハブ332が時計回りに(連続する一対の図ごとに22.5°)回転する。それぞれの図には、先行する図における移動部品の位置の輪郭が点線または破線で示されている。第2のハブ332の静止中に第1のハブ330が回転する場合、全てのインデクサアーム340が中心軸352を中心に回転すると同時に、ウエハ支持体338がインデクサアーム340に対して全く同じように回転することが理解されるであろう。したがって、ウエハ支持体338によって支持されたウエハは、ステーション間で同時に移動され、そのような各移動中に回転されることができ、その結果、
ワールド座標系に対するウエハの絶対角度配向は同じ状態に保たれる。
【0071】
いくつかの実施態様では、特に、堆積動作を実施する半導体処理設備で使用される回転インデクサの場合、パージガス(例えば、アルゴン、ヘリウム、または窒素)を様々な回転可能なインターフェースに送るために追加の特徴を設けてもよい。回転可能なそれぞれのインターフェースにパージガスが流れるようにすることによって、さもなければベアリングへの堆積の原因となる可能性のある処理ガスが回転可能なインターフェースから流し出されるか洗い流され、それによってそのような構成要素の表面への堆積を防ぎ、回転可能なインターフェースの寿命を延長する。
【0072】
図12は、いくつかの構成要素の様々な部分を断面で示した、回転インデクサの一部の図である。
図12では、第2のシャフト(番号なし、
図6参照)は中空でもよく、パージガスを第2のハブ332の場所333に送る導管として使用することができる。第2のハブ332は、様々なポートまたはガス流路と流体的に接続する(またはその他の方法でパージガスを付勢して様々なポートまたはガス流路に向けて流す)ことができる1つまたは複数の導管またはガス経路335、337を有することができる。例えば、第2のハブ332を第1の回転
可能なインターフェース356と接続することができるポスト3100は、パージガス流路と流体的に接続する穴を有することができる。これにより、パージガスがポスト3100を通ってタイロッド346の近位端348に流入することができる。このパージガスの一部は第1の回転
可能なインターフェース356を通って(例えば、ベアリングのボールまたはローラの間を通って)流れることができ、ポスト3100を通って流れる残りのパージガスはタイロッド336の内部の通路331に流入することができる。タイロッド336内に存在する通路331は、タイロッド336の全長に沿って延びてタイロッド336の遠位端350から外に出ることができ、それによってパージガスも第2の回転可能なインターフェース358を通って流れることができる。
図12では、黒い太線および矢印は、パージガスの代表的な流路を示すために使用される。また、流路自体が切断面にない状況での一般的な流路方向を示すために一部の場所で点線が使用されることがある。
【0073】
インデクサアーム340はまた、第1のハブ330および第2のハブ332内の通路またはチャネルを介してパージガスが供給され得る内部ガス流路331’を有することができる。また、このようなパージガスは、第3の回転可能なインターフェース360を望ましくない堆積から保護するために、インデクサアーム340の遠位端344に位置する第3の回転可能なインターフェース360にも流すことができる。
【0074】
ガス流路および導管については、他の構成を用いることも可能であり、そのような構成も本開示の範囲内であると考えられることを理解されたい。
【0075】
図13は、追加の回転軸を有する回転インデクサを制御するための1つの技法の例示的な流れ図である。ここでの回転インデクサは、等間隔に配置されたN個のインデクサアームを含んでいる(Nは1よりも大きい整数である)。
図13の技法は、このような回転インデクサを使用して、半導体処理ツール内で一組のウエハを1つのステーションから次のステーションに順次前進させるために行われる移動を表す。この技法は、ウエハをさらに前進させるために繰り返されてもよい。
【0076】
ブロック1302では、台座上のウエハをそれぞれの台座から持ち上げることができる。これは、ウエハを台座上面から持ち上げて、回転インデクサのウエハ支持体をウエハの下に移動させるために、例えば、リフトピンシステムを作動させる(各台座内に位置するピンが上昇するか、または台座が下降する)ことによって行われる。
【0077】
ブロック1304では、第1のモータおよび第2のモータは、両方とも+180°/N回転するように(または第1のハブをこの量だけ回転させるように)作動させることができる。これは、回転インデクサが使用されていないときにウエハ処理動作を妨げないように、各インデクサアームが各ステーションの中間に収納されることを仮定している。このような回転により、インデクサアームおよびそれらのウエハ支持体は、ウエハ支持体がウエハの下になる場所に移動することができる。
【0078】
ブロック1306では、リフトピンを下げ(または回転インデクサを上げ)、回転インデクサのウエハ支持体によってウエハをリフトピンから持ち上げることができる。
【0079】
ブロック1308では、第2のモータが非アクティブであるかその他の理由で作動していない状態で、第1のモータを作動させて第1のハブを360°/N回転させることができる。その結果、インデクサアームを回転させて、ウエハを現在のステーションから次の隣接するステーションに移動させることができ、その間、同時に、ウエハ支持体は、ウエハを同じ絶対角度配向に維持するためインデクサアームに対して同じ方向に同じ量だけ回転することができる。
【0080】
ブロック1310では、リフトピンを使用して、ウエハをウエハ支持体から持ち上げることができる(または回転インデクサを下げてウエハをリフトピン上に置き、ウエハ支持体から持ち上げることができる)。
【0081】
ブロック1312では、第1のモータを作動させて第1のハブを以前の回転とは反対方向に180°/N回転させることができ、その間、同時に、第2のモータを作動させて第2のハブを以前の回転と同じ方向に180°/N回転させることができる。したがって、第1のハブと第2のハブとの間の相対回転移動は-360°/Nになる。これにより、ウエハ支持体を、インデクサアームに対して、ブロック1302と1304の間に位置していたのと同じ角度位置に回転させることができ、それらの位置決めを効果的にリセットする。同時に、インデクサアームは、各対の処理ステーションの中間に位置するインデクサアーム「収納」位置に移動することができる。
【0082】
インデクサアームが処理ステーションを離れると、ブロック1314を実施し、さらなる半導体処理動作のためにウエハを下げて台座に置くことができる。上述のように、このプロセスは、処理ステーションのアレイにおいてウエハを前進させ続けるために、所望に応じて繰り返されてもよい。
【0083】
先に説明したように、ステーション間のウエハ搬送を実施するために回転インデクサを制御する方法は多数存在することが理解されるであろう。第1のハブおよび第2のハブは、同時に移動するように、順次移動するように、異なる速度でおよび/または異なる方向に移動するように、およびその他のように駆動されてもよい。本明細書に記載の回転インデクサを動作させるためのモータを作動させるそのような様々な組み合わせは全て本出願の範囲内であると考えられることが認識されよう。
【0084】
上記で説明したように、いくつかの実施態様では、コントローラは、本明細書で説明される回転インデクサシステムの一部であってもよい。
図14は、1つまたは複数のプロセッサ14106およびメモリ14108を有する例示的なコントローラ14104の概略図である。このコントローラは、ウエハ搬送動作中に第1のモータ318、第2のモータ320、および存在する場合は第3のモータ3102の動作を制御するための電子機器と統合することができる。コントローラは、処理要件および/またはシステムのタイプに応じて、本明細書に開示されるプロセスのいずれか(回転インデクサを制御するためのプロセスなど)、ならびに本明細書で説明されていない他のプロセスまたはパラメータを制御するようにプログラムされてもよい。そのようなプロセスまたはパラメータとしては、例えば、処理ガスの供給、温度設定(例えば、加熱および/または冷却)、圧力設定、真空設定、電力設定、無線周波数(RF)発生器設定、RF整合回路設定、周波数設定、流量設定、流体供給設定、位置および動作設定、チャンバに対するウエハの搬入および搬出、ならびに、特定のシステムに接続または連動する他の搬送ツールおよび/またはロードロックに対するウエハの搬入および搬出が含まれる。
【0085】
広義には、コントローラは、命令を受信し、命令を発行し、動作を制御し、洗浄動作を可能にし、エンドポイント測定を可能にするなどの様々な集積回路、ロジック、メモリ、および/またはソフトウェアを有する電子機器として定義されてもよい。集積回路は、プログラム命令を記憶するファームウェアの形式のチップ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)として定義されたチップ、および/または1つまたは複数のマイクロプロセッサ、すなわちプログラム命令(例えば、ソフトウェア)を実行するマイクロコントローラを含んでもよい。プログラム命令は、様々な個々の設定(またはプログラムファイル)の形式でコントローラに通信される命令であって、特定のプロセスを半導体ウエハ上で、または半導体ウエハ用に、またはシステムに対して実行するための動作パラメータを定義してもよい。動作パラメータは、いくつかの実施形態では、1つまたは複数の層、材料、金属、酸化物、ケイ素、二酸化ケイ素、表面、回路、および/またはウエハダイの製作における1つまたは複数の処理ステップを実現するためプロセスエンジニアによって定義されるレシピの一部であってもよい。
【0086】
コントローラは、いくつかの実施態様では、システムと統合または結合されるか、他の方法でシステムにネットワーク接続されるコンピュータの一部であってもよく、またはそのようなコンピュータに結合されてもよく、またはそれらの組み合わせであってもよい。例えば、コントローラは、「クラウド」内にあってもよいし、ファブホストコンピュータシステムの全てもしくは一部であってもよい。これにより、ウエハ処理のリモートアクセスが可能となる。コンピュータは、システムへのリモートアクセスを可能にして、製作動作の現在の進捗状況を監視し、過去の製作動作の履歴を検討し、複数の製作動作から傾向または性能基準を検討し、現在の処理のパラメータを変更し、現在の処理に続く処理ステップを設定するか、または新しいプロセスを開始してもよい。いくつかの例では、リモートコンピュータ(例えば、サーバ)は、ネットワークを通じてプロセスレシピをシステムに提供することができる。そのようなネットワークは、ローカルネットワークまたはインターネットを含んでいてもよい。リモートコンピュータは、パラメータおよび/または設定のエントリまたはプログラミングを可能にするユーザインターフェースを含んでもよく、そのようなパラメータおよび/または設定は、その後リモートコンピュータからシステムに通信される。いくつかの例では、コントローラは命令をデータの形式で受信する。そのようなデータは、1つまたは複数の動作中に実施される各処理ステップのためのパラメータを特定するものである。パラメータは、実施されるプロセスのタイプ、およびコントローラが連動または制御するように構成されるツールのタイプに特有のものであってもよいことを理解されたい。したがって、上述したように、コントローラは、例えば、互いにネットワーク接続され共通の目的(本明細書で説明されるプロセスおよび制御など)に向けて協働する1つまたは複数の個別のコントローラを備えることによって分散されてもよい。このような目的のための分散型コントローラの例として、チャンバ上の1つまたは複数の集積回路であって、(例えば、プラットフォームレベルで、またはリモートコンピュータの一部として)遠隔配置されておりチャンバにおけるプロセスを制御するよう組み合わせられる1つまたは複数の集積回路と通信するものが挙げられるであろう。
【0087】
本開示による例示的な回転インデクサは、半導体処理ツールに装着されるか、または、その一部を構成してもよい。そのような半導体処理ツールは、プラズマエッチングチャンバまたはモジュール、堆積チャンバまたはモジュール、スピンリンスチャンバまたはモジュール、金属めっきチャンバまたはモジュール、洗浄チャンバまたはモジュール、ベベルエッジエッチングチャンバまたはモジュール、物理気相堆積(PVD)チャンバまたはモジュール、化学気相堆積(CVD)チャンバまたはモジュール、原子層堆積(ALD)チャンバまたはモジュール、原子層エッチング(ALE)チャンバまたはモジュール、イオン注入チャンバまたはモジュール、追跡チャンバまたはモジュール、ならびに半導体ウエハの製作および/または製造に関連するか使用されてもよい任意の他の半導体処理システムを備えるものであるが、これらに限定されない。
【0088】
上述のように、ツールによって実施される1つまたは複数のプロセスステップに応じて、コントローラは、1つまたは複数の他のツール回路もしくはモジュール、他のツール構成要素、クラスタツール、他のツールインターフェース、隣接するツール、近接するツール、工場全体に位置するツール、メインコンピュータ、別のコントローラ、または半導体製造工場内のツール場所および/もしくはロードポートに対してウエハの容器を搬入および搬出する材料搬送に使用されるツールと通信してもよい。
【0089】
「組」(set)という用語は、さらに限定されない限り、1つまたは複数のアイテムを含む組を指し、複数を暗示するさらなる言葉がない限り、複数のアイテムの存在を必要としないことが理解されるべきである。例えば、「2つ以上のアイテムを含む一組のアイテム」は、一組に最低でも2つのアイテムが存在すると理解される。対照的に、「1つまたは複数のアイテムを含む一組のアイテム」は、一組に1つしかアイテムがない可能性があると理解される。同様に、本明細書において、「各」、「各々」、および「それぞれ」(each)という用語は、たとえ一組に含まれる部材が1つだけの場合であっても、一組に含まれる各部材を指すために使用され得ることを理解されたい。また、「各」、「各々」、および「それぞれ」という用語は、例えば、「組」という用語は使用されていないけれども他の言葉が「組」の存在を暗示する状況で、この暗示される「組」と同じように使用することもできる。例えば、「1つまたは複数のアイテムのうちの各アイテム」は、「1つまたは複数のアイテムを含む一組のアイテムにおける各アイテム」と同等であると理解されたい。
【0090】
上記の開示は、1つまたは複数の特定の例示的な実施態様に焦点を当てているが、説明された例だけに限定されず、同様の変形および機構にも適用することができ、そのような同様の変形および機構もまた、本開示の範囲内であると考えられることを理解されたい。
本発明は、たとえば、以下のような態様で実現することもできる。
(1)適用例1:
マルチステーション半導体処理チャンバ内のステーション間でウエハを搬送するための装置であって、
前記装置は、
回転インデクサであって、複数のウエハが前記回転インデクサ上に載置されて前記回転インデクサが作動されたとき、円形経路に沿って等距離に離れた場所の間で前記複数のウエハを同時に移動させるための回転インデクサを備え、
前記回転インデクサは、
ベースと、
第1のモータと、
第2のモータと、
第1のハブと、
N個のインデクサアームアセンブリであって、各インデクサアームアセンブリは、a)ウエハ支持体、およびb)前記第1のハブと固定接続された近位端と、前記ウエハ支持体と回転可能に接続された遠位端とを有するインデクサアームを含むN個のインデクサアームアセンブリと、
作動機構と
を含み、
前記第1のモータは、前記第1のハブの中心軸を中心に、前記ベースに対して前記第1のハブを回転させるように構成され、
前記第2のモータは、前記作動機構に回転入力を提供するように構成され、
Nは、2以上の整数であり、
各ウエハ支持体は、そのウエハ支持体の回転軸を中心に、前記対応するインデクサアームアセンブリの前記インデクサアームに対して回転するように構成され、
各ウエハ支持体の前記回転軸は、前記ウエハ支持体が前記ウエハを支持しているときに前記ウエハのうち対応する1つのウエハの中心を通過するように位置し、
前記作動機構は、前記作動機構が作動するように前記第2のモータの回転を伴わずに前記第1のモータが回転すること、前記第1のモータの回転を伴わずに前記第2のモータが回転すること、または前記第1のモータおよび前記第2のモータが回転することに応じて、前記インデクサアームの前記ウエハ支持体を、前記ウエハ支持体の前記対応する回転軸を中心に、前記インデクサアームに対して、同じ量だけ同じ回転方向に同時に回転させるように構成される
装置。
(2)適用例2:
適用例1の装置であって、
前記作動機構は、前記第2のモータによる作動に応じて前記第1のハブの前記中心軸を中心に回転するように構成される第2のハブを含み、
各インデクサアームアセンブリは、第1の回転可能なインターフェースによって前記第2のハブと回転可能に接続される近位端と、第2の回転可能なインターフェースによってそのインデクサアームアセンブリの前記ウエハ支持体と回転可能に接続される遠位端とを有するタイロッドをさらに含み、前記作動機構およびインデクサアームアセンブリは、前記中心軸を中心とした前記第1のハブと前記第2のハブとの間の相対回転により前記タイロッドが前記中心軸に対して略放射状に並進するように構成されており、それによって各タイロッドは、そのタイロッドが回転可能に接続される前記ウエハ支持体が、そのウエハ支持体の前記回転軸を中心に、前記インデクサアームに対して回転するように前記ウエハ支持体を回転させる、装置。
(3)適用例3:
適用例2の装置であって、
前記第1のハブおよび前記第2のハブは、第1の相対回転位置から第2の相対回転位置へと互いに対して回転可能であるように構成される、装置。
(4)適用例4:
適用例2の装置であって、
前記インデクサアーム、前記タイロッド、および前記ウエハ支持体は、セラミック材料で作製される、装置。
(5)適用例5:
適用例4の装置であって、
各インデクサアームアセンブリは、そのインデクサアームアセンブリの前記ウエハ支持体をそのインデクサアームアセンブリの前記インデクサアームと回転可能に接続する第3の回転可能なインターフェースを含み、
前記第1の回転可能なインターフェース、前記第2の回転可能なインターフェース、および前記第3の回転可能なインターフェースは、全てセラミックボールベアリングである、装置。
(6)適用例6:
適用例3の装置であって、
4つのインデクサアームアセンブリが存在し、
前記ウエハ支持体の各々は、前記第1のハブおよび前記第2のハブが前記第1の相対回転位置にあるとき、前記第1のハブに対して第3の相対回転位置にあり、
前記ウエハ支持体の各々は、前記第1のハブおよび前記第2のハブが前記第2の相対回転位置にあるとき、前記第1のハブに対して第4の相対回転位置にあり、
前記第3の相対回転位置および前記第4の相対回転位置は、互いに90°位相がずれている、装置。
(7)適用例7:
適用例6の装置であって、
前記第1のハブと前記第2のハブとの間の相対回転運動を90°から95°に制限するように構成される停止機構をさらに備える、装置。
(8)適用例8:
適用例6の装置であって、
各タイロッドの前記近位端の最上面が、そのタイロッドの前記第1の回転可能なインターフェースの真上に存在し、
各第1の回転可能なインターフェースは、最も近い他の第1の回転可能なインターフェースから第1の距離だけ水平方向に離間され、
各タイロッドは、そのタイロッドの前記第1の回転可能なインターフェースの回転中心からの第1の長手方向距離と、そのタイロッドの前記第1の回転可能なインターフェースの前記回転中心からの第2の長手方向距離との間に延びるオフセット領域を含み、
前記第1の長手方向距離は前記第1の距離よりも小さく、前記第2の長手方向距離は前記第1の距離よりも大きく、
各タイロッドの前記オフセット領域の最下面は、隣接するインデクサアームアセンブリからの前記タイロッドの前記遠位端の前記最上面よりも高く、それによって前記第1のハブおよび前記第2のハブが前記第1の相対回転位置にあるとき、前記隣接するインデクサアームアセンブリからの前記タイロッドの前記遠位端がそのタイロッドの下を通過することを可能にする、装置。
(9)適用例9:
適用例3の装置であって、
前記ウエハ支持体の各々は、前記第1のハブおよび前記第2のハブが前記第1の相対回転位置にあるとき、前記第1のハブに対して第3の相対回転位置にあり、
前記ウエハ支持体の各々は、前記第1のハブおよび前記第2のハブが前記第2の相対回転位置にあるとき、前記第1のハブに対して第4の相対回転位置にあり、
前記第3の相対回転位置および前記第4の相対回転位置は、互いに360°/N位相がずれている、装置。
(10)適用例10:
適用例1の装置であって、
前記ハブは、各インデクサアームアセンブリのための個別の装着インターフェースを含み、
各装着インターフェースは、張力調整可能なインターフェースと、前記張力調整可能なインターフェースの周りに配置された3つの円錐状凹部とを含み、
各円錐状凹部内には球体が入れ込まれ、
各インデクサアームは、
前記張力調整可能なインターフェースが通過して突出する開口と、
前記開口に対して外向きに放射状に延びる3つの溝であって、前記対応する装着インターフェースの各球体は、そのインデクサアームの対応する溝にも入り込み、前記張力調整可能なインターフェースは各々、前記インデクサアームの対応する1つと前記装着インターフェースの対応する1つとの間で前記球体を圧縮するように構成される3つの溝と
を含む、装置。
(11)適用例11:
適用例10の装置であって、
各インデクサアームに関連付けられた前記張力調整可能なインターフェースは、ねじ付き構成要素とばねとを備え、前記ねじ付き構成要素を締め付けて張力をかけたときに、前記各インデクサアームとそのインデクサアームを前記第1のハブと接続する前記装着インターフェースとの間に配置された前記球体に対してそのインデクサアームを圧縮するように、前記ばねが構成されている、装置。
(12)適用例12:
適用例1の装置であって、
前記第1のモータおよび前記第2のモータを収容し、第1のハブ回転インターフェースを介して前記第1のハブを支持するモータハウジングと、
z軸駆動システムであって、前記z軸駆動システムの作動に応じて垂直方向軸に沿って前記モータハウジングを並進させるように構成されたz軸駆動システムと
をさらに備える、装置。
(13)適用例13:
適用例1の装置と、
N個の処理ステーションを有する半導体処理チャンバハウジングと
を備え、
各処理ステーションは、半導体ウエハを支持するように構成された台座を含み、
前記装置は、前記半導体処理チャンバハウジング内で、台座間で半導体ウエハを搬送するように構成される、
システム。
(14)適用例14:
適用例13のシステムであって、
前記処理ステーションは、堆積動作、エッチング動作、硬化動作、および熱処理動作からなる群から選択される半導体処理動作を実施するように構成される、システム。
(15)適用例15:
適用例13のシステムであって、
メモリおよび1つまたは複数のプロセッサを有するコントローラをさらに備え、
前記メモリおよび前記1つまたは複数のプロセッサは、通信可能に接続され、
前記1つまたは複数のプロセッサは、前記第1のモータおよび前記第2のモータを制御するように構成され、
前記メモリは、前記1つまたは複数のプロセッサを制御して、前記第1のモータ、前記第2のモータ、ならびに前記第1のモータおよび前記第2のモータの両方のうち1つまたは複数を選択的に作動させて、前記第1のハブおよび前記インデクサアームアセンブリの回転、前記第1のハブと前記作動機構との間の第1の相対回転運動、および、前記第1のハブと前記作動機構との間の第2の相対回転運動を引き起こすコンピュータ実行可能命令を記憶するものであり、
前記第1のハブおよび前記インデクサアームアセンブリの前記回転は、各ウエハ支持体が前記処理ステーションの対応する1つから前記処理ステーションの隣接する処理ステーションに移動するような回転であり、
前記第1のハブと前記作動機構との間の前記第1の相対回転運動は、処理ステーション間での移動中、または前記ウエハ支持体が各処理ステーションにある間、または処理ステーション間での移動中と前記ウエハ支持体が各処理ステーションにある間の両方において、各ウエハ支持体がそのウエハ支持体の前記回転軸を中心に、前記第1のハブに対して第1の方向に第1の量だけ回転するような相対回転運動であり、
前記第1のハブと前記作動機構との間の前記第2の相対回転運動は、処理ステーション間での移動中、または前記ウエハ支持体が各処理ステーションにある間、または処理ステーション間での移動中と前記ウエハ支持体が各処理ステーションにある間の両方において、各ウエハ支持体がそのウエハ支持体の前記回転軸を中心に、前記第1のハブに対して前記第1の方向と反対の第2の方向に第1の量だけ回転するような相対回転運動である、
システム。
(16)適用例16:
適用例15のシステムであって、
N=4であり、前記メモリは、前記1つまたは複数のプロセッサを制御して、前記第2のハブが静止している間に前記第1のモータによって前記第1のハブを前記第1の方向に90°回転させるためのさらなるコンピュータ実行可能命令を記憶する、システム。
(17)適用例17:
半導体処理装置におけるウエハ取扱方法であって、
a)複数のウエハを、対応する複数のウエハ支持体を有するインデクサを使用して対応する複数の台座からピックアップすることであって、各ウエハ支持体は前記インデクサのインデクサアームの遠位端に回転可能に装着され、各インデクサアームは前記インデクサのハブに固定装着され、前記ウエハは前記ウエハ支持体によって支持されることと、
b)第1の回転軸を中心に前記ハブおよび前記インデクサアームを回転させ、各ウエハ支持体を前記各台座上の位置から前記各台座に隣接する台座上の位置に移動させることと、
c)(b)の後に前記ウエハを前記台座上に載置することと、
d)(a)と(c)との間に、前記ウエハ支持体をウエハ支持体の回転軸を中心に前記インデクサアームに対して回転させることであって、前記ウエハが前記ウエハ支持体によって支持されるとき、各ウエハ支持体の前記回転軸が、そのウエハ支持体によって支持された前記ウエハの中心を通過することと
を含む、方法。
(18)適用例18:
適用例17の方法であって、
前記インデクサは4つのインデクサアームを有し、(b)は前記ハブおよび前記インデクサアームを90°回転させることを含み、(d)は前記ウエハ支持体を前記インデクサアームに対して90°回転させることを含む、方法。
(19)適用例19:
適用例11の装置であって、
各インデクサアームについて、
前記対応する開口は、前記インデクサアームの前記遠位端に位置し、
前記インデクサアームは、前記対応する装着インターフェースによって前記第1のハブと固定接続され、
各装着インターフェースは、a)前記対応するインデクサアームおよび前記第1のハブが互いに直接摺接することなく異なる量だけ熱膨張できるように、および、b)前記対応するインデクサアームが前記第1のハブに対してある位置に固定保持され、その固定保持が少なくとも部分的に、前記対応する装着インターフェースの前記張力調整可能なインターフェースの前記ねじ付き構成要素および前記ばねによって前記インデクサアームに加えられる前記圧縮によるものであるように、前記対応するインデクサアームを前記第1のハブと固定接続する、
装置。
(20)適用例20:
適用例17の方法であって、
各インデクサアームが、a)前記対応するインデクサアームおよび前記ハブが互いに直接摺接することなく異なる量だけ熱膨張できるように、および、b)前記対応するインデクサアームが前記ハブに対してある位置に固定保持され、その固定保持が少なくとも部分的に、前記対応する装着インターフェースの張力調整可能なインターフェースのねじ付き構成要素およびばねによって前記インデクサアームに加えられる圧縮によるものであるように、装着インターフェースによって前記インデクサの前記ハブに固定装着される、方法。