(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-03
(45)【発行日】2023-07-11
(54)【発明の名称】サーバ
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/26 20120101AFI20230704BHJP
G06Q 20/40 20120101ALI20230704BHJP
G06F 3/01 20060101ALI20230704BHJP
G06F 21/32 20130101ALI20230704BHJP
【FI】
G06Q50/26 300
G06Q20/40
G06F3/01 510
G06F21/32
(21)【出願番号】P 2021104891
(22)【出願日】2021-06-24
(62)【分割の表示】P 2019113229の分割
【原出願日】2014-08-04
【審査請求日】2021-06-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000004112
【氏名又は名称】株式会社ニコン
(74)【代理人】
【識別番号】100087480
【氏名又は名称】片山 修平
(74)【代理人】
【識別番号】100136261
【氏名又は名称】大竹 俊成
(72)【発明者】
【氏名】石森 洋平
(72)【発明者】
【氏名】落合 透
(72)【発明者】
【氏名】中島 優基
(72)【発明者】
【氏名】上瀧 陽一
(72)【発明者】
【氏名】関口 政一
(72)【発明者】
【氏名】大渕 麻莉
(72)【発明者】
【氏名】小宮 大作
(72)【発明者】
【氏名】亀原 博
【審査官】牧 裕子
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-211488(JP,A)
【文献】特開2011-123532(JP,A)
【文献】特開2008-059356(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
G06F 3/01
G06F 21/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバであって、
ユーザの顔を撮像した画像とユーザにより入力される識別情報とを含む
ユーザ情報を受信する受信部と、
前記サーバに記憶されてい
る認証情報と、前記受信部で受信された前記
ユーザ情報
を用いて特定される認証情報とに基づいて、ユーザの認証を行う制御部と、
前記ユーザの認証結果を外部機器に送信する送信部と、を備え、
前記認証情報は、少なくともユーザの氏名と前記識別情報を含み、
前記制御部は、ユーザの顔を撮像した前記画像に基づいてユーザ
の氏名を特定した後に、前記特定したユーザの
氏名と前記識別情報とに基づいてユーザの認証を行う、
サーバ。
【請求項2】
前記制御部がユーザを認証した場合に金銭の支払いを実行する請求項
1に記載のサーバ。
【請求項3】
前記金銭の支払いは、クレジットカードによる支払い処理、銀行口座の金銭支払い処理、又は、プリペイド機能へのチャージ処理である、請求項
2に記載のサーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、自治体への公的手続きの申請をネットワークを介して行うことを可能にするシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来においては、申請を行う際の使い勝手が十分ではなかった。
【0005】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、使い勝手のよいサーバを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の電子機器は、ユーザの生体認証情報を取得する第1取得部(11、18)と、処理を行う処理機関に前記生体認証情報と、前記ユーザの画像とを送信する送信部(11、15)と、を備える。
【0007】
この場合において、前記処理機関の画像と、前記ユーザの画像とを表示する表示部(12)をさらに備えることとしてもよい。また、前記処理機関から申請に関するデータを受信する受信部(11、15)を備えることとしてもよい。また、前記申請に関するデータに基づいて、前記ユーザの画像を取得する第2取得部(11、16)を備えることとしてもよい。また、前記ユーザの情報を記憶するユーザ情報記憶部(14)と、前記申請に関するデータに基づいて、前記ユーザ情報記憶部に記憶されている前記ユーザの情報を抽出する抽出部(11)と、を備えることとしてもよい。また、前記ユーザの画像の日時情報を取得する第3取得部(11)と、前記申請に関するデータと前記ユーザの画像の日時情報とに基づいて、前記ユーザの画像を送信するか判定する判定部(11)と、を備えることとしてもよい。また、前記送信部は、前記ユーザの画像の日時情報を前記処理機関に送信し、前記受信部(11、15)は、前記処理機関から前記ユーザの画像が有効であるかの情報を受信することとしてもよい。
【0008】
この場合において、前記処理機関の画像を撮像する撮像部(16)を備えることとしてもよい。また、前記表示部(12)は、複数のユーザの画像を表示し、前記送信部(11、15)は、前記複数のユーザの画像の中から選択された少なくとも一人のユーザの画像を送信することとしてもよい。また、前記表示部は、複数の前記処理機関の画像を表示し、前記送信部は、複数の前記処理機関の中から選択された少なくとも一つの処理機関に前記生体認証情報と、前記ユーザの画像とを送信することとしてもよい。また、前記表示部は、前記処理機関に関する情報を表示することとしてもよい。また、前記送信部は、テキストデータを送信することとしてもよい。また、前記生体認証情報は、前記ユーザの生体認証情報に基づいて認証を実行した結果を示す情報であることとしてもよい。
【0009】
本発明の電子機器は、生体認証情報を取得する第1取得部(11、18)と、支払先に関する第1画像と、ユーザの支払金額に関する第2画像とを表示する表示部(12)と、前記第2画像を利用した前記支払先への支払金額の入力を受け付ける受付部(11、13)と、前記生体認証情報と、前記受付部が入力を受け付けた前記支払金額とを、前記第2画像に関連する処理機関に送信する送信部(11、15)と、を備える。
【0010】
この場合において、前記送信部は、前記支払先に関する情報を前記処理機関に送信することとしてもよい。また、前記表示部は、前記第1画像として複数の支払先に関する画像を表示することとしてもよい。また、前記表示部が表示する、前記処理機関の画像と前記ユーザの画像とを利用したユーザからの入力を受け付ける入力受付部(11)を備え、前記表示部は、前記入力受付部が受け付けた入力内容を表す画像を表示することとしてもよい。また、前記表示部が表示した前記入力内容を表す画像を記憶する入力履歴記憶部(14)を備え、前記表示部は、前記入力履歴記憶部が記憶する画像を表示することとしてもよい。
【0011】
本発明の電子機器は、位置情報の取得を行う取得部(31、32)と、ユーザが登録した位置情報を記憶する位置情報記憶部(33)と、取得した前記位置情報と前記ユーザが登録した位置情報とが一致するかに基づいて認証を行う認証部(31)と、前記認証部の認証結果を送信する送信部(31,32)と、を備える。
【0012】
この場合において、前記送信部は、処理を行う処理機関に前記認証結果を送信することとしてもよい。
【0013】
なお、本発明をわかりやすく説明するために、上記においては一実施形態を表す図面の符号に対応つけて説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、後述の実施形態の構成を適宜改良しても良く、また、少なくとも一部を他の構成物に代替させても良い。更に、その配置について特に限定のない構成要件は、実施形態で開示した配置に限らず、その機能を達成できる位置に配置することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、使い勝手のよいサーバを提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は第1の実施形態に係る電子機器システムの構成を示す模式図である。
【
図2】
図2は電子機器システムの構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は端末装置の処理を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は端末装置の処理を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は管理サーバの処理を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は処理サーバの処理を示すフローチャートである。
【
図7】
図7(a)は人物DBを示す図であり、
図7(b)は処理機関DBを示す図であり、
図7(c)は申請DBを示す図であり、
図7(d)は認証DBを示す図であり、
図7(e)は氏名DBを示す図である。
【
図8】
図8(a)および
図8(b)は役所への申請のための画像を示す図である。
【
図9】
図9(a)および
図9(b)は役所への申請のための画像を示す図である。
【
図11】
図11(a)はパスポートセンターへの申請のための画像を示す図であり、
図11(b)は人物の画像のトリミングを示す図である。
【
図12】
図12(a)および
図12(b)は役所およびパスポートセンターへの申請のための画像を示す図である。
【
図13】
図13(a)は複数の人物の申請のための画像であり、
図13(b)は投票のための画像である。
【
図14】
図14は第2の実施形態における端末装置の処理を示すフローチャートである。
【
図15】
図15は第2の実施形態における端末装置の処理を示すフローチャートである。
【
図16】
図16は第2の実施形態における管理サーバの処理を示すフローチャートである。
【
図17】
図17は第2の実施形態における処理サーバの処理を示すフローチャートである。
【
図19】
図19(a)は支払のための画像であり、
図19(b)は申請および支払のための画像である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
《第1の実施形態》
以下、第1の実施形態に係る電子機器システムについて、
図1~
図13に基づいて、詳細に説明する。
図1には、本実施形態に係る電子機器システム100の構成が模式的に示されている。
【0017】
電子機器システム100は、
図1に示すように、端末装置10と、管理サーバ20と、複数の処理サーバ30と、を備える。なお、端末装置10と、管理サーバ20と、処理サーバ30とは、インターネットなどのネットワーク1に接続されている。
【0018】
図2には端末装置10、管理サーバ20、および1つの処理サーバ30がブロック図にて示されている。
【0019】
(端末装置10)
端末装置10は、例えばスマートフォン、タブレット型端末、PC(Personnel Computer)などの電子機器である。
【0020】
端末装置10は、制御部11と、表示部12と、操作部13と、記憶部14と、通信部15と、撮像部16と、日時取得部17と、生体認証情報取得部18と、位置取得部19と、を備える。
【0021】
制御部11は、端末装置10全体を統括的に制御する。制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を備えている。
【0022】
表示部12は、例えば液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどであり、撮像部16により撮像された画像などを表示する。操作部13は、キーボード、または表示部12に設けられたタッチパネルであり、ユーザの操作を受け付け、制御部11に入力する。
【0023】
記憶部14は、例えば、フラッシュメモリ等の不揮発性の半導体メモリであり、各種プログラム、制御部11の処理に必要な情報、撮像部16が撮像した画像などを記憶する。
図7(a)には、記憶部14に格納されている人物DBが示されている。人物DBは、
図7(a)に示すように、端末装置10のユーザの氏名、住所、電話番号、生年月日、視力等の人物の情報を格納する。なお、人物DBには、ユーザの家族等の情報が格納されていてもよい。視力の情報は、例えば、医師の診察により得られた診察結果であり、病院の電子カルテシステムから取得される情報であるものとする。
【0024】
通信部15は、ネットワーク1を介して、管理サーバ20の通信部24と通信を行う。
【0025】
撮像部16は、レンズ、撮像素子、画像処理部などを備え、静止画や動画を撮像するものである。
【0026】
日時取得部17は、例えばRTC(Real Time Clock)などであり、現在の年月日および時刻を取得し、制御部11に出力する。
【0027】
生体認証情報取得部18は、例えばユーザの指紋の情報、網膜の情報など、ユーザの生体に関する情報(生体認証情報)を取得し、取得した情報を制御部11に出力する。生体認証情報が例えば指紋情報である場合、生体認証情報取得部18は、指紋センサであるものとする。また、生体認証情報が例えば網膜情報である場合、生体認証情報取得部18は、赤外線照射部と、赤外線受光部と、を有する装置であるものとする。この場合、赤外線照射部から眼球に対して赤外線を照射し、眼球にて反射した赤外線を赤外線受光部において受光することで、網膜上の血管の経路を検出(スキャン)する。
【0028】
位置取得部19は、例えば、GPS(Global Positioning System)モジュールを含み、端末装置10の位置(例えば緯度及び経度)を取得し、制御部11に出力する。
【0029】
(管理サーバ20)
管理サーバ20は、所定の機関や企業などに設置され、端末装置10と処理サーバ30との情報のやり取りを仲介・管理するコンピュータである。
【0030】
管理サーバ20は、制御部21と、記憶部22と、画像認識部23と、通信部24と、を備える。
【0031】
制御部21は、管理サーバ20全体を統括的に制御する。制御部21は、CPU、RAM、ROM等を備えている。
【0032】
記憶部22は、例えば、ハードディスクドライブ(Hard Disc Drive:HDD)等の磁気記憶媒体、またはフラッシュメモリ等の不揮発性の半導体メモリであり、各種プログラム、制御部21の処理に必要な情報などを記憶する。
【0033】
画像認識部23は、端末装置10の撮像部16が撮像した画像や制御部21が取得した画像の特徴点を、例えばSURF(Speeded Up Robust Features)やSIFT(Scale Invariant Feature Transform)といった特徴量検出アルゴリズムにより抽出し、インターネット上のデータベースなどから取得可能な複数の標準パターンと比較することにより画像認識を行うものである。例えば、画像認識部23は、画像に含まれる建物が何であるか、すなわち建物が役所やパスポートセンターなどであるかを認識する。
【0034】
通信部24は、ネットワーク1を介して、端末装置10の通信部15と通信を行い、また処理サーバ30の通信部32と通信を行う。
【0035】
(処理サーバ30)
処理サーバ30は、役所などの公的機関、学校、企業などの、ユーザから申請があった場合に申請に応じた処理を実行する処理機関に設けられたコンピュータである。
【0036】
処理サーバ30は、制御部31と、通信部32と、記憶部33と、を備えている。
【0037】
制御部31は、処理サーバ30全体を統括的に制御する。制御部31は、CPU、RAM、ROM等を備えている。
【0038】
通信部32は、ネットワーク1を介して、管理サーバ20の通信部24と通信を行う。
【0039】
記憶部33は、例えば、HDD等の磁気記憶媒体、またはフラッシュメモリ等の不揮発性の半導体メモリであり、各種プログラム、制御部31の処理に必要な情報などを記憶する。ここで、記憶部33に記憶されているDBについて説明する。
図7(b)、
図7(c)には、記憶部33に記憶されている処理機関DB及び申請DBが示されている。処理機関DBには、
図7(b)に示すように、処理機関の施設名と、該処理機関において申請できる事項と、が対応付けて格納されている。例えば、役所では、戸籍謄本、印鑑証明、住民票の写しなどの発行申請を行うことができることが、処理機関DBに格納されている。申請DBには、
図7(c)に示すように、申請内容と、申請の際に必要な書類等とが対応付けて格納されている。例えば、パスポートの申請の際には、戸籍謄本、住民票の写し、一般旅客件発給申請書、写真が必要であることが、申請DBに格納されている。また、記憶部33には、
図7(d)に示すように、ユーザの氏名と該ユーザの指紋の情報とが紐付けて記憶された認証DBも格納されている。更に、記憶部33には、
図7(e)に示すように、ユーザの顔の画像とユーザの氏名とが紐付けて記憶された氏名DBも格納されている。なお、
図7(d)の認証DB、
図7(e)の氏名DBの各ユーザの情報は、本システムを利用するユーザが事前に登録しておくものとする。
【0040】
(端末装置10、管理サーバ20、処理サーバ30の連携処理)
次に、端末装置10、管理サーバ20および処理サーバ30による連携処理について、
図3~
図6のフローチャートに沿って、その他図面を適宜参照しつつ、詳細に説明する。
【0041】
図3、
図4は、端末装置10の制御部11が実行する処理を示すフローチャートであり、
図5は、管理サーバ20の制御部21が実行する処理を示すフローチャートであり、
図6は、処理サーバ30の制御部31が実行する処理を示すフローチャートである。なお、
図3~
図6は同時並行的に実行される処理である。本処理は、ユーザが、遠隔地等に存在する処理機関に対して申請を行うための処理である。具体的には、ユーザは端末装置10を用いてパスポートを申請しようとしており、パスポートを申請する前に端末装置10を用いて必要な書類を役所に申請しようとしているものとする。すなわち、処理サーバ30は、役所やパスポートセンターに設けられたサーバであるものとする。なお、端末装置10の処理は、端末装置10にインストールされた申請アプリを、制御部11が起動・実行することにより、実現される。
【0042】
図3、
図4の処理では、まず
図3のステップS10において、制御部11は、ユーザの操作に応じて、処理機関の画像である役所の画像を表示部12に表示する。画像はユーザが事前に撮影し記憶部14に記憶しておいたものでもよいし、インターネット等から取得した画像であってもよい。
図8(a)に示すように役所の画像を表示部12に表示した後、制御部11はステップS12に移行する。
【0043】
ステップS12に移行すると、制御部11は、ユーザの操作に応じて、
図8(b)に示すように役所の画像とともに人物の画像を表示部12に表示する。人物の画像とは、申請を行う人物の画像であり、ここではユーザ自身の画像であるものとする。画像は事前に撮影し記憶部14に記憶したものでもよいし、撮像部16を用いて新たに撮影した画像でもよいものとする。
【0044】
次いで、ステップS14では、制御部11は、生体認証情報取得部18を用いて、生体認証情報として例えばユーザの指紋の情報を取得する。この場合、制御部11は、例えば“人差し指で指紋センサに触れてください”などのメッセージを表示部12に表示することで、ユーザに報知する。
【0045】
次いで、ステップS16では、制御部11は、ユーザの画像、役所の画像、生体認証情報を、通信部15を介して、管理サーバ20に送信する。
【0046】
一方、管理サーバ20の制御部21は、
図5のステップS60において、ユーザの画像、役所の画像、生体認証情報(指紋の情報)を受信するまで待機している。したがって、制御部11が、ステップS16の処理を実行したタイミングで、制御部21は、ステップS62に移行する。
【0047】
ステップS62に移行すると、制御部21は、通信部24を介して、ユーザの画像、役所の画像、指紋の情報を、役所の処理サーバ30に送信する。このとき、制御部21は、画像認識部23を用いて処理機関(ここでは役所)の画像を認識することにより、ユーザの申請先がどこの役所であるかを把握し、当該役所の処理サーバ30にユーザの画像、指紋の情報を送信する。
【0048】
これに対し、処理サーバ30の制御部31は、
図6のステップS80において、ユーザの画像、生体認証情報を受信するまで待機している。したがって、ステップS62の処理が実行されたタイミングで、制御部31は、ステップS82に移行する。
【0049】
ステップS82に移行すると、制御部31は、ユーザ認証を実行する。具体的には、制御部31は、記憶部33に記憶されている氏名DB(
図7(e))を用いて、ユーザの画像からユーザの氏名を特定する。そして、制御部31は、特定した氏名及び指紋の情報と、認証DB(
図7(d))に格納されている情報とが合致するか否かにより、端末装置10を操作しているユーザ(申請を行うユーザ)が正当なユーザであるか否かの認証を実行する。
【0050】
次いで、ステップS84では、制御部31は、通信部32を介して、ユーザ認証の結果を示す回答を管理サーバ20に送信する。このステップS84の処理が行われると、
図5のステップS64の判断が肯定されるので、管理サーバ20の制御部21は、ステップS66に移行し、通信部24を介して、回答を端末装置10に送信する。この場合、端末装置10の制御部11では、
図3のステップS18の判断が肯定され、ステップS20に移行する。
【0051】
制御部11は、ステップS20に移行すると、回答に基づき、ユーザ認証に成功したか否かを判定する。ここでの判断が否定された場合には、ステップS22において、制御部11は表示部12にエラーメッセージを表示する。ステップS22の後、制御部11はステップS14に戻る。
【0052】
一方、ステップS20の判断が肯定された場合には、制御部11はステップS24に移行し、ユーザによりテキストデータが入力され、役所の画像上にドラッグ&ドロップされるまで待機する。この場合、制御部11は、表示部12上に“申請対象のテキストデータを入力し、ドラッグ&ドロップしてください”などの入力を促すメッセージをと表示することで、ユーザに入力を促す。この場合、ユーザが、操作部13を用いて、“パスポート”など希望する申請の種類についてのテキストを端末装置10に入力すると、制御部11は、
図9(a)に示すように、入力されたテキストデータを表示部12に表示する。そして、ユーザが操作部13を用いてテキストデータ(例えば、“パスポート”)を役所の画像上にドラッグ&ドロップすると、制御部11はステップS26に移行する。
【0053】
ステップS26に移行すると、制御部11は、通信部15を介して、テキストデータ“パスポート”を管理サーバ20に送信する。
【0054】
一方、管理サーバ20の制御部21は、ステップS66の後、ステップS68において、端末装置10からテキストデータを受信するまで待機しているので、制御部11においてステップS26の処理が実行されたタイミングで、ステップS70に移行する。ステップS70に移行すると、制御部21は、通信部24を介して、テキストデータを処理サーバ30に送信する。
【0055】
これに対し、制御部31は、ステップS84の後、ステップS86において、テキストデータを受信するまで待機しているので、制御部21においてステップS70の処理が実行されたタイミングで、制御部31は、ステップS88に移行する。
【0056】
ステップS88に移行すると、制御部31は、受信したテキストデータ“パスポート”に基づいて、申請に関するデータを取得し、通信部32を介して管理サーバ20に送信する。具体的には、制御部31は、記憶部33に記憶されている処理機関DB(
図7(b))および申請DB(
図7(c))を参照し、パスポートの申請に必要な書類等を申請DBにおいて検索するとともに、役所において申請可能な申請を処理機関DBにおいて検索する。受信したテキストデータが“パスポート”の場合であれば、パスポートの申請に必要なものとして、戸籍謄本、住民票の写し、一般旅客発給申請書、写真が検索され、役所で申請できるものとして、戸籍謄本や住民票の写しが検索される。この場合、制御部31は、役所において申請可能な書類“住民票の写し”、“戸籍謄本”の情報と、これらの申請において用いる申請書(用紙)のデータを、申請に関するデータとして管理サーバ20に送信する。
【0057】
一方、管理サーバ20の制御部21は、ステップS70の後、ステップS72において、申請に関するデータを受信するまで待機している。したがって、制御部31においてステップS88の処理が実行されたタイミングで、制御部21は、ステップS74に移行し、通信部24を介して、申請に関するデータを端末装置10に送信する。
【0058】
これに対し、端末装置10の制御部11は、ステップS26の後、ステップS28において、申請に関するデータを受信するまで待機しているので、制御部21においてステップS74の処理が実行されたタイミングで、制御部11は当該データを受信し、ステップS30に移行する。ステップS30に移行すると、制御部11は、
図9(b)に示すように、操作メニューボタン“住民票の写し”および“戸籍謄本”を、役所の画像とともに表示部12上に表示する。
【0059】
次いで、ステップS32では、制御部11は、申請の対象がユーザによって選択されるまで待機する。ユーザが、
図9(b)に示すように、表示部12に表示された“住民票の写し”又は“戸籍謄本”のボタンをクリック等することで、申請の対象として“住民票の写し”又は“戸籍謄本”を選択すると、制御部11は、ステップS34に移行する。
【0060】
ステップS34に移行すると、制御部11は、選択された申請に対応する申請書を表示部12に表示する。例えば、住民票の写しが選択された場合には、表示部12には
図10(a)に示す申請書が表示される。次いで、ステップS36では、制御部11は、記憶部14に記憶された人物DB(
図7(a))を参照し、ユーザに対応する、住民票の写しの申請のために申請書に入力すべき情報が人物DBに記憶されているか否かを判断する。このステップS36の判断が否定された場合、制御部11は
図4のステップS40に移行する。一方、ステップS36の判断が肯定された場合、制御部11はステップS38に移行する。
【0061】
ステップS38に移行した場合、制御部11は、人物DBから氏名、住所、電話番号、生年月日など、住民票の写しの申請において申請書に入力すべき情報を取得し、
図10(b)に示すように申請書に入力する。その後は、ステップS40に移行する。
【0062】
図4のステップS40に移行すると、制御部11は、必要な情報が申請書に入力されるまで待機する。制御部11は、ユーザが操作部13を用いて申請書の各欄に必要事項を入力し、所定のボタンを押したタイミングで、ステップS42に移行する。
【0063】
ステップS42に移行すると、制御部11は、申請に人物の画像(写真)が必要であるか否かを判断する。このステップS42の判断が肯定された場合には、制御部11はステップS44に移行するが、否定された場合には、制御部11はステップS52に移行する。なお、住民票の写しの申請においては画像は不要である。したがって、住民票の写しの申請の場合には、制御部11はステップS52に移行する。
【0064】
ステップS52に移行すると、制御部11は、通信部15を介して、必要な情報が入力された申請書のデータを管理サーバ20に送信する。ステップS52の後、
図3および
図4の全処理は終了する。なお、ステップS42の判断が肯定された場合に実行される処理(ステップS44~S50の処理)については、後述する。
【0065】
一方、管理サーバ20の制御部21は、ステップS74の後、ステップS76において、申請書のデータを受信するまで待機しているので、制御部11においてステップS52の処理が実行されたタイミングで、ステップS78に移行する。
【0066】
ステップS78に移行すると、制御部21は、通信部24を介して、申請書のデータを処理サーバ30に送信する。ステップS78の後、
図5の全処理は終了する。
【0067】
これに対し、処理サーバ30の制御部31は、ステップS88の後、ステップS90において、管理サーバ20から、申請書のデータを受信するまで待機している。したがって、ステップS78の処理が実行されたタイミングで、制御部31はステップS92に移行する。
【0068】
ステップS92に移行すると、制御部31は申請書のデータに応じた処理を実行し、住民票の写しを発行する。ステップ92の後、
図5、
図6の全処理は終了する。住民票の写し、戸籍謄本など役所により発行される書類は、ユーザ、またはパスポートセンターに郵送されたり、ネットワーク1を介して送信されたりする。
【0069】
次に、ユーザが、上記の連携処理により役所に住民票の写し及び戸籍謄本の申請を行った後、パスポートセンターに対してパスポートの申請を行う場合について説明する。この場合、処理サーバ30はパスポートセンターのサーバとなる。なお、以下においては、上述した処理と同様の処理については説明を簡略化又は省略するものとする。
【0070】
図3のステップS10、S12において、制御部11は、ユーザの操作に応じて、
図11(a)に示すように、ユーザの画像とパスポートセンターの画像を表示部12に表示する。その後は、ステップS14~S40の処理を上述したように実行する。
【0071】
そして、ステップS42においては、制御部11は、申請を行う人物の画像が必要か否かを判断する。
図7(c)の申請DBからは、パスポートセンターへの申請に際してはユーザの画像(写真)が必要であることがわかるため、ステップS42の判断は肯定され、制御部11はステップS44に移行する。ステップS44に移行すると、制御部11は、人物(ユーザ)の画像を取得する。なお、記憶部14にユーザの画像が記憶されていれば、制御部11は記憶されているユーザの画像を取得する。具体的には、ステップS12で表示部12上に表示したユーザの画像に基づいて、同一のユーザが真正面を向いており、脱帽した状態で、かつ背景が無地である画像が記憶部14に記憶されている場合には、その画像を取得する。一方、そのような画像が記憶部14に記憶されていない場合には、制御部11は、“真正面を向いて、脱帽した状態かつ無地の背景の前で自撮り撮影を行ってください”などのメッセージを表示部12に表示することで、ユーザに撮影を促してもよい。このメッセージの後に撮像された画像を、制御部11は、ユーザの画像として取得すればよい。なお、制御部11は、取得した画像を、
図11(b)に示すように、元のサイズから、申請に適切なサイズ(パスポートの申請については、縦45mm、横35mm)にトリミングする。
【0072】
次いで、ステップS46において、制御部11は、画像のExif情報から、日時情報、すなわち画像が撮像された日時の情報を取得する。次いで、ステップS48では、制御部11は、日時情報に基づいて、画像が有効であるか否か、すなわち画像に対して予め定められている有効期間(例えば6ヶ月)内に撮像されたものであるか否かを判断する。この場合、制御部11は、現在日時を日時取得部17から取得する。このステップS48の判断が否定された場合、制御部11はステップS44に戻り、ステップS44~S48の処理・判断を再度実行する。一方、ステップS48の判断が肯定された場合には、制御部11はステップS50に移行する。
【0073】
ステップS50に移行すると、制御部11は、ユーザの画像を、申請書(一般旅券発給申請書)のデータに添付する。そして、ステップS52では、制御部11は、ユーザの画像が添付され、かつ必要な情報が記入された申請書を、管理サーバ20に送信する。管理サーバ20では、当該申請書を処理サーバ30に送信し(
図5のステップS78)、処理サーバ30では、申請書に応じた処理を実行する(
図6のステップS92)。この場合、処理サーバ30では、申請書及び役所において発行された戸籍謄本や住民票の写しに基づいて、パスポートを発行し、ユーザに対して郵送又は手渡しする。
【0074】
なお、本第1の実施形態の電子機器システムは、例えば運転免許証の更新などに利用することもできる。通常、運転免許証の更新においては、視力検査が必要となるが、
図7(a)の人物DBには、電子カルテシステムから取得した視力の情報が格納されているので、当該視力の情報を処理サーバ30に送信することで、視力検査を省略することができる。これにより、ユーザは免許センターや警察署に行かなくても、運転免許の更新手続きを行うことができる。
【0075】
以上、詳細に説明したように、本第1の実施形態によれば、端末装置10の制御部11は、ユーザの生体認証情報としてユーザの指紋の情報等を取得し、生体認証情報とユーザの画像とを処理機関(例えば役所やパスポートセンター)に送信する。これにより、処理機関では、ユーザの生体認証情報とユーザの画像を利用してユーザ認証を行い、認証されたユーザに関する処理を行うことができる。このように、ユーザは端末装置10から処理機関への処理要求(申請)を行うことができるので、端末装置10の使い勝手を向上することができる。また、処理機関ではユーザ認証が実行された後に、処理を実行することができるので、処理の安全性を確保することができる。
【0076】
また、第1の実施形態においては、制御部11は、処理機関の画像とユーザの画像とを表示部12に表示する。これにより、ユーザは、どの処理機関に対して誰に関する処理を実行させるかを認識することができる。
【0077】
また、第1の実施形態においては、制御部11は、管理サーバ20から申請に関するデータを受信する。これにより、端末装置10では、申請に関するデータに基づいて、ユーザの情報(申請書類に記載する内容やユーザの画像等)を収集したり、処理機関に対して申請する際に必要な情報を受け付けたりすることができる。
【0078】
また、第1の実施形態においては、記憶部14(人物DB(
図7(a)))にはユーザの情報が記憶され、制御部11は、記憶部14からユーザの情報を抽出する。これにより、制御部11が抽出したユーザの情報を用いて、処理機関に対して申請を行うことができるので、ユーザによる入力の手間を省くことができる。
【0079】
また、第1の実施形態においては、制御部11は、ユーザの画像の日時情報を取得し、申請に関するデータと日時情報とに基づいて、ユーザの画像を処理サーバ30に対して送信するか判定する。これにより、日時情報が適切な画像を処理サーバ30に対して送信することができる。
【0080】
なお、上記第1の実施形態において、記憶部14に申請時の画面(例えば、
図9(a)や
図11(a)のような画面のスクリーンショット)を記憶し、制御部11は適宜記憶部14に記憶されている画面を表示部12に表示するようにしても良い。これにより、ユーザは、画面を参照することで、申請内容を確認しやすくなる(思い出しやすくなる)。この場合、制御部11は、ユーザの指示に基づいて画面を記憶部に記憶してもよいし、所定の処理を実行したタイミングで画面を記憶部に記憶してもよい。
【0081】
なお、上記第1の実施形態では、処理サーバ30がユーザ認証を実行する場合について説明したが、これに限らず、端末装置10の制御部11や管理サーバ20の制御部21がユーザ認証を実行することとしてもよい。
【0082】
なお、上記第1の実施形態において、制御部11は、処理機関の画像に代えて、又はこれとともに処理機関の名称などの識別情報を管理サーバ20に送信することとしてもよい。この場合、管理サーバ20は、識別情報に基づいて申請を行う処理機関を特定してもよい。
【0083】
なお、上記第1の実施形態においては、
図7(b)の処理機関DB及び
図7(c)の申請DBの少なくとも一方が端末装置10の記憶部14に記憶されてもよい。
【0084】
なお、上記第1の実施形態では、端末装置10の制御部11がユーザの画像の有効性を判断する場合(
図4のステップS48参照)について説明したが、これに限らず、管理サーバ20や処理サーバ30が画像の有効性を判断することとしてもよい。
【0085】
以下、上記第1の実施形態の変形例について、説明する。
【0086】
(変形例1)
変形例1では、ユーザの操作に応じて、制御部11は、
図12(a)に示すように、複数の処理機関(例えば役所とパスポートセンター)の画像を表示部12に表示する。この場合において、ユーザが、上記第1の実施形態と同様に住民票の写しや戸籍謄本の発行申請を行った場合(処理機関において発行処理が行われた場合)、制御部11は、
図12(b)に示すように、役所の画像の上に“住民票の写し”や“戸籍謄本”のボタンを表示する。そして、ユーザがパスポートセンターに対してパスポートの発行申請を行う場合には、テキスト“パスポート”をパスポートセンターの画像にドラッグ&ドロップする。この場合、制御部11は、一般旅客件発給申請書を表示部12に表示し、必要事項が入力された一般旅客件発給申請書を、管理サーバ20を介してパスポートセンターの処理サーバ30に送信する。また、ユーザが、役所の画像の上に表示されている“住民票の写し”や“戸籍謄本”のボタンをパスポートセンターの画像上にドラッグ&ドロップすると、役所の処理サーバ30の制御部31は、パスポートセンターの処理サーバ30に対して、住民票の写しのデータや戸籍謄本のデータを送信する。これにより、ユーザは、表示部12上における直感的な操作で、役所において発行された書類をパスポートセンターに提出することができる。
【0087】
(変形例2)
変形例2では、ユーザが、ユーザ以外の人物についての申請を行う場合について説明する。制御部11は、ユーザの操作に応じて、
図13(a)に示すように、例えば家族写真のような複数の人物を含む画像を、役所の画像とともに表示部12に表示する。この場合、ユーザが“住民票の写し”ボタンや“戸籍謄本”ボタンを、複数の人物のうちの1人に対してドラッグ&ドロップすることで、制御部11は、当該人物についての住民票の写しや戸籍謄本の発行申請のための処理(上記第1の実施形態と同様)を実行する。なお、ユーザが他人の申請を代行して行う場合において委任状が必要な場合には、処理サーバ30等は、委任状に代わる情報の入力をユーザに要求してもよい。例えば、処理サーバ30等は、ユーザと他人との関係(例えば家族関係)を示すようなデータや画像を要求してもよいし、他人がユーザの近傍にいることが分かるような情報、例えば、他人の指紋などの生体認証情報を要求してもよい。また、処理サーバ30等は、ユーザが他人の申請を代行する場合に、処理サーバ30から他人の端末装置に対して連絡してもよい。この場合、他人が代行申請に同意する旨を端末装置に入力した場合に、処理サーバ30が代行申請を受理するようにしてもよい。勿論、処理サーバ30は、委任状が必要な場合に、委任状そのものを撮影した画像をユーザに要求してもよい。
【0088】
(変形例3)
変形例3では、ユーザが選挙期間中に電子機器システムを利用して投票を行う場合について説明する。本変形例3では、端末装置10の制御部11は、ユーザの操作に応じて“投票”のテキストデータとユーザの画像とを、管理サーバ20を介して、処理サーバ30に送信する(
図3のステップS26、
図5のステップS70参照)。この場合、処理サーバ30の制御部31は、ユーザ認証後、申請に関するデータとして候補者の画像を、管理サーバ20を介して端末装置10に送信する(
図6のステップS88)。この場合、制御部11は、
図13(b)に示すように、“投票”のテキストデータと候補者の画像とを、役所の画像とともに表示部12に表示する(
図3のステップS30)。これ以降は、ユーザが“投票”のテキストデータを投票したい候補者の画像上にドラッグ&ドロップすることで、制御部11は、管理サーバ20を介して処理サーバ30に投票情報を送信する。このように、選挙の投票において電子機器システム100を用いることで、端末装置10を用いた、認証されたユーザによる適切な投票を実現することが可能である。
【0089】
(変形例4)
変形例4では、指紋などの生体認証情報に代えて、ユーザ(端末装置10)の位置情報に基づいて、ユーザ認証を実行する場合について説明する。本変形例4では、自宅にいるユーザが役所等への申請を行うことができるものとする。本変形例4の前提として、処理サーバ30の記憶部33には、ユーザの自宅の住所の情報が格納されているものとする。
【0090】
この場合、端末装置10の制御部11は、
図3のステップS14に代えて、位置取得部19を用いて、端末装置10(ユーザ)の位置情報を取得する。そして、制御部11は、取得した位置情報とユーザの画像とを、管理サーバ20を介して処理サーバ30に送信する(ステップS16参照)。処理サーバ30では、受信した位置情報とユーザの画像とを用いて、ユーザが自宅にいるか否かを判断し、ユーザが自宅にいると判断された場合には、ユーザ認証ができた旨を、管理サーバ20を介して端末装置10に回答する。このように、端末装置10の位置が自宅の住所と一致するか否かに基づいて認証を行うことで、端末装置10を利用する人物が適切な人物であろうことを判断できる。なお、ユーザの位置情報と、ユーザの生体認証情報の両方を用いて、ユーザの認証を行うこととしてもよい。なお、上述した位置情報に基づいたユーザ認証は、端末装置10の制御部11や、管理サーバ20の制御部21が行うこととしてもよい。
【0091】
なお、上記第1の実施形態及び変形例では、端末装置10の制御部11から処理サーバ30の制御部31に対してユーザの画像を送信し、該画像と指紋の情報とからユーザ認証を行う場合について説明したが、これに限らず、制御部11は、ユーザの氏名などの識別情報を送信することとしてもよい。この場合、ユーザの氏名などの識別情報は、ユーザが入力してもよいし、ユーザの顔画像から判別してもよい。
【0092】
《第2の実施形態》
以下、第2の実施形態に係る電子機器システムについて、
図14~
図18に基づいて、詳細に説明する。なお、本第2の実施形態の電子機器システムの構成は、第1の実施形態の電子機器システムと同様であるので、説明は省略する。
【0093】
(端末装置10、管理サーバ20、処理サーバ30の連携処理)
以下、
図14~
図17のフローチャートに沿って、その他図面を適宜参照しつつ、連携処理について詳細に説明する。本処理は、ユーザの操作に応じて実行される、店舗や金融機関などへの入金処理や、カード間の金銭の移動処理等である。なお、本実施形態では、一例として、ユーザがクレジットカードからプリペイドカードに入金(チャージ)しようとする人物であるものとする。処理サーバ30はプリペイドカードの管理会社に設置されているものとする。なお、端末装置10の処理は、端末装置10にインストールされた申請アプリを起動・実行することにより、実現される。
【0094】
図14、
図15は端末装置10の制御部11が実行する処理のフローチャートであり、
図16は、管理サーバ20の制御部21が実行する処理のフローチャートである。また、
図17は処理サーバ30の制御部31が実行する処理のフローチャートである。なお、
図14~
図17では、上記第1の実施形態(
図3~
図6)と同一又は同様の処理・判断については、同一のステップ番号を付すとともに、細線枠にて示している。
【0095】
図14の処理では、まず、ステップS100において、制御部11は、ユーザの操作に応じて、取引に関する画像として、
図18(a)の左側に示すようなプリペイドカードの画像を表示部12に表示する。次いで、ステップS102では、制御部11は、金銭に関する画像を表示部12に表示する。金銭に関する画像とは、例えば貨幣、預金通帳、クレジットカードなどの画像である。
図18(a)では一例として、クレジットカードの画像が表示された状態が示されている。その後は、制御部11は、ステップS14~S22の処理・判断を実行する。なお、ステップS14~S22の処理では、制御部11は、ユーザの生体認証情報(指紋の情報等)を取得し、管理サーバ20を介して処理サーバ30にユーザの画像とともに送信する(
図16のS60,S62、
図17のS80、S82)。この場合、処理サーバ30は、クレジットカード会社に設置されたサーバであるものとする。そして、制御部11は、管理サーバ20を介して処理サーバ30からユーザ認証に関する回答を受信し(
図17のS84、
図16のS64,S66、
図3のS18:肯定)、その回答がユーザ認証に成功した旨の回答であった場合に、ステップS20の判断が肯定され、ステップS104に移行する。
【0096】
これに対し、処理サーバ30の制御部31では、
図17のステップS84の後、ステップS140において、ユーザ認証に成功したか否かを判断する。このステップS140の判断が否定された場合、制御部31はステップS80に戻る。一方、ステップS140の判断が肯定された場合、制御部31はステップS142に移行する。ステップS142に移行すると、制御部31は、通信部32を介して、取引に関するデータを管理サーバ20に送信する。取引に関するデータには、プリペイドカードに対して可能な取引を表すテキストデータ(チャージに関するデータであり、
図18(b)に示すようなボタンのデータ)が含まれる。
【0097】
一方、管理サーバ20の制御部21は、ステップS120において、取引に関するデータを受信するまで待機している。したがって、制御部31においてステップS142の処理が実行されたタイミングで、制御部21は、ステップS122に移行する。ステップS122に移行すると、制御部21は、通信部24を介して、取引に関するデータを端末装置10に送信する。これに対し、端末装置10の制御部11は、ステップS20の判断が肯定された後、ステップS104において、取引に関するデータを受信するまで待機している。したがって、ステップS122の処理が実行されたタイミングで、制御部11はステップS106に移行する。
【0098】
ステップS106に移行すると、制御部11は、取引に関するデータとして、
図18(b)に示すような「1000円チャージ」、「2000円チャージ」、…、「残高照会」等のテキストデータを表示部12に表示する。
【0099】
次いで、ステップS108では、制御部11は、ユーザの希望する取引が選択されるまで待機する。ユーザは、例えば、
図18(b)の「1000円チャージ」のテキストをクリックすることで、希望する取引として1000円分のチャージ(入金)を選択できる。次いで、
図15のステップS110では、制御部11は、金銭に関する情報が入力されるまで待機する。金銭に関する情報とは、取引における金額、支払い方法などを表す情報である。
図18(b)に示すように、ユーザが、クレジットカードの画像を、プリペイドカードの画像上にドラッグ&ドロップしたとする。この場合、クレジットカードを用いてプリペイドカードに1000円のチャージを行うという情報が、金銭に関する情報として制御部11に入力される。このように金銭に関する情報が入力されると、制御部11はステップS112に移行する。
【0100】
ステップS112に移行すると、制御部11は、通信部15を介して、希望する取引、および金銭に関する情報を管理サーバ20に送信する。これに対し、制御部21では、ステップS122の後、ステップS124において、端末装置10から希望する取引および金銭に関する情報を受信するまで待機しているので、制御部11においてステップS112の処理が実行されたタイミングで、制御部21は、ステップS126に移行する。ステップS126に移行すると、制御部21は、通信部24を介して、希望する取引および金銭に関する情報を処理サーバ30に送信する。
【0101】
一方、処理サーバ30の制御部31では、
図17のステップS142の後、ステップS144において希望する取引および金銭に関する情報を受信するまで待機しているので、制御部21においてステップS126の処理が実行されたタイミングで、制御部31はステップS146に移行する。
【0102】
ステップS146に移行すると、制御部31は、金銭に関する情報に含まれる金額が、希望する取引に対して正しいか否かを判断する。なお、クレジットカードからプリペイドカードへの入金の場合、ユーザのクレジットカードから出金可能な金額(利用可能限度額)のほうがチャージ金額よりも大きければ、ステップS146の判断は肯定され、ステップS150に移行する。ステップS150では、制御部31は、ユーザが希望する取引(ユーザ名義のクレジットカードからユーザ名義のプリペイドカードへの1000円分のチャージ(入金)処理)を実行する。ステップS150の後、
図17の全処理は終了する。一方、ステップS146の判断が否定された場合には、ステップS148に移行し、制御部31は、通信部32を介して、エラーメッセージを管理サーバ20に送信した後、ステップS144に戻る。
【0103】
これに対し、管理サーバ20の制御部21では、ステップS126の後、ステップS128において、エラーメッセージを受信したか否かを判断する。このステップS128の判断が否定された場合、
図16の全処理は終了するが、ステップS128の判断が肯定された場合、制御部21はステップS130に移行する。ステップS130に移行した場合、制御部21は、通信部24を介して、エラーメッセージを端末装置10に送信する。ステップS130の後は、
図16の全処理を終了する。
【0104】
一方、端末装置10の制御部11は、ステップS112の後、ステップS114において、エラーメッセージを受信したか否かを判断する。このステップS114の判断が肯定された場合、制御部11は、ステップS116においてエラーメッセージを表示部12に表し、ステップS110に戻る。一方、ステップS114の判断が否定された場合には、
図14、
図15の全処理を終了する。
【0105】
なお、上記処理において、制御部11は、表示部12が表示したユーザの入力内容を表す画像(例えば、
図18(b)に示すような画面のスクリーンショット)を記憶部14に記憶してもよい。この場合、ユーザの指示に応じて、制御部11は、記憶部14に記憶された画像を表示部12に表示することとする。これにより、ユーザは、ユーザの操作履歴(チャージ履歴)を分かりやすい画面にて確認することができる。
【0106】
以上、詳細に説明したように、第2の実施形態によれば、制御部11は、入金先に関する画像(プリペイドカードの画像)と入金の金額に関する画像(所定の利用限度額が設定されたクレジットカードの画像)とを表示部12に表示し、画像を利用した入金先への入金額の入力を受け付け、チャージ処理を実行する。これにより、ユーザは専用端末(駅やコンビニエンスストア等に設置されたチャージ用端末)を利用しなくても、画像を用いた直感的な操作により、プリペイドカードへのチャージ処理を行うことができるという点で、端末装置10の使い勝手を向上することができる。
【0107】
なお、上記第2の実施形態では、電子機器システムをプリペイドカードへのチャージに利用する場合について説明したが、これに限らず、例えば、認証されたユーザ名義の銀行口座間における金銭の振込み(振り替え)に利用することとしてもよい。例えば、ユーザの操作に応じて、制御部11は、2枚のキャッシュカードの画像を表示部12に表示し、ユーザによって一方のキャッシュカードの画像が他方のキャッシュカードの画像にドラッグ&ドロップされた場合には、ユーザが指定した金額だけ、ユーザ名義の一方の銀行口座から他方の銀行口座に振り込み(振り替え)を行うようにしてもよい。この場合、管理サーバ20の制御部21は、キャッシュカードの画像から取得される銀行名や支店名等に基づいて、各銀行の処理サーバ30にアクセスするようにすればよい。この場合にも、ユーザの生体認証情報を用いた認証を行うことで、取引の安全を確保できる。
【0108】
なお、上記第2の実施形態では、電子機器システムをプリペイドカードへのチャージに利用する場合について説明したが、これに限らず、例えば、店(例えばピザ屋などの実店舗や、オンラインショップなど)への金銭の支払に利用することも可能である。この場合、制御部11は、ユーザの操作に応じて、店の画像(オンラインショップの場合バナー広告等)と、クレジットカードの画像などと、を表示部12に表示し、ユーザによりクレジットカードの画像が店の画像の上にドラッグ&ドロップされた場合に、店に対して所定の金額(店が提示する額)を支払う処理を実行することとすればよい。
【0109】
なお、店への金銭の支払いの場合、複数の店の画像を表示してもよい。これにより、一つの画面上で複数の店に対する金銭の支払い処理を行うことができる。
【0110】
なお、上記第2の実施形態においては、クレジットカードによりチャージを行ったり、金銭を支払ったりする場合について説明したが、これに限られるものではない。例えば、制御部11は、
図19(a)のように紙幣の画像を表示部12に表示し、ユーザが紙幣の画像をプリペイドカードの画像の上にドラッグ&ドロップした場合に、その金額をプリペイドカードにチャージする処理を実行すればよい。なお、2000円分チャージする場合、ユーザは、2枚の1000円札を撮影した画像をドラッグ&ドロップしてもよいし、1枚の1000円札を撮影した画像を2回ドラッグ&ドロップしてもよい。なお、店への支払いにおいて、店側が要求する金額よりも多い金額がドラッグ&ドロップされた場合には、制御部31等は、店側が要求する金額と同額を銀行口座から引き落とすようにすればよい。
【0111】
なお、上記第2の実施形態において、支払に用いるお金の画像は日本のお金の画像だけでなく、外国のお金の画像であってもよい。外国のお金の画像を用いて、日本における支払をする場合、支払先の処理サーバ30の制御部31は、支払時の為替レートに基づいて、自動的に貨幣を変換してもよい。
【0112】
なお、上記第1の実施形態における書類の申請と、上記第2の実施形態における支払を同一の画面内で実現できるようにしてもよい。例えば、大学等を受験する際の各種手続きを同一の画面内で行うことができるようにしてもよい。例えば、ユーザの操作に応じて、制御部11が、
図19(b)に示すような、大学の画像、テキスト“受験票”、高校の画像、キャッシュカードの画像を表示部12上に表示したとする。この場合、ユーザがキャッシュカードの画像を大学の画像にドラッグ&ドロップした場合には、制御部11等は、大学の処理サーバ30に対して受験料の支払い処理を実行する。なお、本支払い処理は、上記第2の実施形態と同様の処理である。また、ユーザがテキスト“受験票”を大学の画像にドラッグ&ドロップした場合には、制御部11は、受験票のデータを表示部12上に表示し、必要事項が入力された後の受験票のデータを大学の処理サーバ30へ提出する処理を実行する。なお、本処理は、上記第1の実施形態と同様の処理である。また、ユーザがテキスト“受験票”を高校の画像にドラッグ&ドロップした場合には、制御部11は、在学証明書の申請書類のデータを表示部12上に表示し、必要事項が入力された後の在学証明書の申請書類のデータを高校の処理サーバ30へ提出する処理を実行する。なお、本処理は、上記第1の実施形態と同様の処理である。そして、制御部11は、高校へ在学証明書の申請書類のデータを提出した後に、在学証明書のボタン(
図19(b)の破線枠参照)を表示する。この場合、ユーザが当該ボタンを大学の画像へドラッグ&ドロップした段階で、制御部11は、高校の処理サーバ30の制御部31に対して、大学の処理サーバ30に在学証明書を提出するように指示を出す。このように、ユーザは、一つの画面内の操作により、複数の手続きを実行することができるので、煩雑な手続きを行わなくても、端末装置10上で一連の処理を済ませることができる。
【0113】
なお、第1、第2の実施形態において、管理機関が管理サーバ20を有し、処理機関が処理サーバ30を有するとしたが、これに限定されない。処理機関が管理サーバ20および処理サーバ30を有してもよい。また端末装置10は、管理サーバ20による仲介なしで、処理サーバ30と直接通信してもよい。
【0114】
なお、上記の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、処理装置が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体(ただし、搬送波は除く)に記録しておくことができる。
【0115】
プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録されたDVD(Digital Versatile Disc)、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)などの可搬型記録媒体の形態で販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0116】
プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また、コンピュータは、サーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。
【0117】
上述した各実施形態は本発明の好適な実施の例であり、適宜組み合わせることができる。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。
【符号の説明】
【0118】
10 端末装置
11 制御部
12 表示部
14 記憶部
15 通信部
16 撮像部
18 生体認証情報取得部
19 位置取得部