(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-03
(45)【発行日】2023-07-11
(54)【発明の名称】半導体パッケージ用ステム、半導体パッケージ
(51)【国際特許分類】
H01L 23/36 20060101AFI20230704BHJP
H01S 5/022 20210101ALI20230704BHJP
【FI】
H01L23/36 C
H01S5/022
(21)【出願番号】P 2019005116
(22)【出願日】2019-01-16
【審査請求日】2021-11-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000190688
【氏名又は名称】新光電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】片山 渉
(72)【発明者】
【氏名】三ツ井 涼太
【審査官】庄司 一隆
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-021248(JP,A)
【文献】特開平06-302912(JP,A)
【文献】特開平02-034945(JP,A)
【文献】特開2003-258221(JP,A)
【文献】特開2004-349320(JP,A)
【文献】特開2017-069387(JP,A)
【文献】特開平10-116943(JP,A)
【文献】特開2005-123491(JP,A)
【文献】特開平08-242041(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0093123(US,A1)
【文献】国際公開第2009/116133(WO,A1)
【文献】米国特許第08391326(US,B1)
【文献】特開2016-127036(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0190767(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2010-0120301(KR,A)
【文献】実開昭48-070554(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/36
H01S 5/022
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面から第2面に貫通する貫通孔が形成されたアイレットと、
前記アイレットの前記第2面に、前記貫通孔の一端側を塞ぐように接合された金属ベースと、
一端側が前記貫通孔に挿入されて前記貫通孔内で前記金属ベースと接合され、他端側が前記アイレットの前記第1面から突出する金属ブロックと、
前記アイレット及び前記金属ベースを貫通するリードと、を有し、
前記金属ブロックの前記アイレットの前記第1面から突出する部分は、半導体素子を搭載する素子搭載面を含み、
前記金属ベースの熱伝導率は、前記アイレットの熱伝導率と同等以上であり、
前記金属ブロックの前記一端側の面は、前記アイレットの第2面と面一であり、
平面視で、前記金属ベースは、前記リードよりも前記アイレットの中心側及び外周側に配置されている半導体パッケージ用ステム。
【請求項2】
平面視で、前記金属ベースの外形は、前記アイレットの外形よりも小さい請求項
1に記載の半導体パッケージ用ステム。
【請求項3】
前記アイレットと前記金属ベースと前記金属ブロックとは、融点が350℃以上の金属接合材により接合されている請求項
1に記載の半導体パッケージ用ステム。
【請求項4】
前記金属接合材は銀ろうである請求項
3に記載の半導体パッケージ用ステム。
【請求項5】
前記アイレットと前記金属ベースとは、同一材料により形成されている請求項1乃至
4の何れか一項に記載の半導体パッケージ用ステム。
【請求項6】
平面視で、前記金属ブロックの前記素子搭載面の両端部は、前記素子搭載面の中央部より突出している請求項1乃至
5の何れか一項に記載の半導体パッケージ用ステム。
【請求項7】
請求項1乃至
6の何れか一項に記載の半導体パッケージ用ステムと、
前記素子搭載面に搭載された半導体素子と、を有する半導体パッケージ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体パッケージ用ステム、及び半導体パッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
発光素子を搭載する半導体パッケージ用ステムにおいて、例えば、円板状のアイレットに貫通孔を形成し、貫通孔内にアイレットよりも薄い第1ヒートシンクを挿入した構造が知られている。
【0003】
この半導体パッケージ用ステムでは、第1ヒートシンクの上面はアイレットの上面と面一であり、第1ヒートシンクの下面はアイレットの下面よりも窪んでいる。第1ヒートシンクの上面には、アイレットの上面から突出する半導体素子搭載部が設けられている。
【0004】
この半導体パッケージ用ステムを光源モジュールとして用いる際には、放熱性能を向上するために、アイレットの下面に、熱伝導性接着材を介してアイレットよりも大径の第2ヒートシンクを接合する。熱伝導性接着材の一部はアイレットの貫通孔内に入り込み、接着性を向上させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、半導体パッケージ用ステムを光源モジュールとして用いる際にアイレットよりも大径の第2ヒートシンクを接合すると、光源モジュールが大型化するため、半導体パッケージ用ステム自体の放熱性能を向上させることが好ましい。
【0007】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、放熱性能を向上した半導体パッケージ用ステムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本半導体パッケージ用ステムは、第1面から第2面に貫通する貫通孔が形成されたアイレットと、前記アイレットの前記第2面に、前記貫通孔の一端側を塞ぐように接合された金属ベースと、一端側が前記貫通孔に挿入されて前記貫通孔内で前記金属ベースと接合され、他端側が前記アイレットの前記第1面から突出する金属ブロックと、前記アイレット及び前記金属ベースを貫通するリードと、を有し、前記金属ブロックの前記アイレットの前記第1面から突出する部分は、半導体素子を搭載する素子搭載面を含み、前記金属ベースの熱伝導率は、前記アイレットの熱伝導率と同等以上であり、前記金属ブロックの前記一端側の面は、前記アイレットの第2面と面一であり、平面視で、前記金属ベースは、前記リードよりも前記アイレットの中心側及び外周側に配置されていることを要件とする。
【発明の効果】
【0009】
開示の技術によれば、放熱性能を向上した半導体パッケージ用ステムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第1実施形態に係る半導体パッケージ用ステムを例示する図である。
【
図2】アイレットと金属ベースと金属ブロックとを接合する工程を例示する図である。
【
図3】第2実施形態に係る半導体パッケージを例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。なお、各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
【0012】
〈第1実施形態〉
図1は、第1実施形態に係る半導体パッケージ用ステムを例示する図であり、
図1(a)は平面図、
図1(b)は
図1(a)のA-A線に沿う断面図である。
【0013】
図1を参照すると、第1実施形態に係る半導体パッケージ用ステム1は、アイレット10と、金属ベース20と、金属ブロック30と、第1リード41と、第2リード42と、封止部50とを有する。
【0014】
アイレット10は、円板状の部材である。アイレット10には、上面10aから下面10bに貫通する略半円形の貫通孔10xが形成されている。
【0015】
なお、本願において、円板状とは、平面形状が略円形で所定の厚さを有するものを指す。直径に対する厚さの大小は問わない。又、部分的に凹部や凸部、貫通孔等が形成されているものも含むものとする。又、本願において、平面視とは対象物をアイレット10の上面10aの法線方向から視ることを指し、平面形状とは対象物をアイレット10の上面10aの法線方向から視た形状を指すものとする。
【0016】
アイレット10の外縁部には、平面視において、外周側から中心側に窪んだ形状の切り欠き部11、12、及び13が形成されている。切り欠き部11、12、及び13は、例えば、平面形状が略三角状や略四角状の窪みである。切り欠き部11と切り欠き部12とは、例えば、対向して配置できる。
【0017】
切り欠き部11及び12は、例えば、半導体パッケージ用ステム1が半導体素子を搭載する際の素子搭載面の位置出し等に用いることができる。切り欠き部13は、例えば、半導体パッケージ用ステム1の回転方向の位置出し等に用いることができる。但し、切り欠き部11、12、及び13は、必要に応じて設ければよい。
【0018】
アイレット10の直径は、特に制限がなく、目的に応じて適宜決定できるが、例えば、φ5.6mmやφ9.0mm等である。アイレット10の厚さは、特に制限がなく、目的に応じて適宜決定できるが、例えば、0.5~3mm程度である。
【0019】
アイレット10は、例えば、鉄やステンレス等の金属材料から形成できる。アイレット10を、複数の金属層(銅層や鉄層等)が積層された金属材料(例えば、所謂クラッド材)から形成してもよい。アイレット10の表面にめっきを施してもよい。
【0020】
金属ベース20は、平面形状がアイレット10よりも若干小型に形成された、平面形状が略円形の部材である。つまり、平面視で、金属ベース20の外形はアイレット10の外形よりも小さく、金属ベース20にはアイレット10の外形よりもはみ出す部分がない。金属ベース20には、第1リード41及び第2リード42が通る部分を除き、貫通孔は形成されていない。金属ベース20は、アイレット10の下面10bに、貫通孔10xの一端側を塞ぐように接合されている。
【0021】
金属ベース20の厚さは、アイレット10の厚さよりも薄く、例えば、0.1~0.4mm程度である。金属ベース20の熱伝導率は、アイレット10の熱伝導率と同等以上である。例えば、アイレット10の材料が鉄である場合、金属ベース20の材料として、アイレット10よりも熱伝導率の良い銅を用いることができる。この場合、半導体パッケージ用ステム1の放熱性能を向上できる。
【0022】
アイレット10の材料が鉄である場合、金属ベース20の材料として、鉄を用いてもよい。このようにアイレット10と金属ベース20とが同一材料により形成されている場合、アイレット10と金属ベース20の熱膨張係数が同一となる。そのため、アイレット10と金属ベース20の熱による変形を抑制でき、半導体パッケージ用ステム1に半導体素子を搭載した半導体パッケージ(
図3参照)を作製したときに、半導体パッケージの気密性を向上できる。
【0023】
金属ブロック30は、平面形状がアイレット10の貫通孔10xよりも若干小型に形成された、平面形状が略半円形の柱状部材である。金属ブロック30の一端側は、アイレット10の貫通孔10xに挿入されて貫通孔10x内で金属ベース20と接合されている。又、金属ブロック30の他端側は、アイレット10の上面10aから突出している。金属ブロック30の下面30bは、アイレット10の下面10bと略面一である。
【0024】
金属ブロック30の上面30aとアイレット10の上面10aとの距離(金属ブロック30のアイレット10の上面10aからの突出量)は、例えば、2~3mm程度である。金属ブロック30には、アイレット10よりも熱伝導率の高い材料を用いることができる。アイレット10の材料が鉄であれば、例えば、金属ブロック30の材料は銅である。
【0025】
金属ブロック30は、半導体パッケージ用ステム1が半導体素子を搭載した半導体パッケージとして使用されるときに半導体素子を搭載し固定する部分であり、半導体素子から発する熱を放散する放熱板としての機能も有する。金属ブロック30のアイレット10の上面10aから突出する部分は、半導体素子(例えば、レーザ等の発光素子)を搭載する素子搭載面30rを含んでいる。素子搭載面30rは、アイレット10の上面10aに対して略垂直になるように設けられている。
【0026】
平面視で、金属ブロック30の素子搭載面30rの両端部には、素子搭載面30rの中央部より第1リード41及び第2リード42の方向に突出する突出部30pを有していることが好ましい。金属ブロック30が突出部30pを有することで、金属ブロック30の体積が増えるため、金属ブロック30の放熱性能を向上できる。
【0027】
図2は、アイレットと金属ベースと金属ブロックとを接合する工程を例示する図である。但し、
図2(c)及び
図2(d)は、
図1(b)のB部に対応する拡大図である。
【0028】
まず、
図2(a)に示すように、平面視で金属ベース20と略同形状の金属接合材60を準備し、金属ベース20の上面20a上に金属接合材60を配置する。金属接合材60の厚さT
1は、例えば、30~70μm程度である。金属ベース20には、第1リード41及び第2リード42を挿入するための貫通孔が設けられている。
【0029】
なお、半導体パッケージ用ステム1に半導体素子を搭載した半導体パッケージの製造工程は、300℃程度に加熱する工程を含む場合がある。そのため、アイレット10と金属ベース20と金属ブロック30とを接合する金属接合材60としては、融点が350℃以上の材料を選定することが好ましい。金属接合材60としては、例えば、融点が800℃程度である銀ろうを用いることができる。なお、
図1では、金属接合材60の図示は省略されている。
【0030】
次に、
図2(b)に示すように、第1リード41、第2リード42、及び封止部50が設けられたアイレット10を準備し、金属接合材60上に配置する。すなわち、金属接合材60を挟んで、金属ベース20上にアイレット10を配置する。アイレット10の下面10bは、金属接合材60と接する。
【0031】
次に、
図2(c)に示すように、アイレット10の貫通孔10xに、金属ブロック30を挿入する。金属ブロック30の下面30bは、金属接合材60と接する。金属接合材60の厚さT
1は略一定であるため、金属ブロック30の下面30bはアイレット10の下面10bと略面一となる。又、金属ブロック30の側面30cとアイレット10の貫通孔10xの内壁面10cとの間には、隙間(クリアランス)Sが生じる。隙間Sは、例えば、30~70μm程度である。
【0032】
次に、
図2(d)に示すように、金属接合材60を融点より高い温度まで加熱して溶融させ、その後凝固させる。この際、アイレット10及び金属ブロック30を金属ベース20側に押圧してもよい。
【0033】
金属ベース20とアイレット10に挟まれた部分、及び金属ベース20と金属ブロック30に挟まれた部分の金属接合材60は、溶融により薄くなる。金属ベース20とアイレット10に挟まれた部分、及び金属ベース20と金属ブロック30に挟まれた部分の金属接合材60の凝固後の厚さT2は、10μm以下(例えば、数μm程度)となる。金属接合材60は略均一に薄くなるため(厚さT2が略一定となるため)、金属ブロック30の下面30bはアイレット10の下面10bと略面一となる。
【0034】
又、溶融した金属接合材60の一部は、毛細管現象により隙間Sに入り込み、隙間Sを充填した状態で凝固する。これにより、アイレット10と金属ベース20と金属ブロック30とが接合される。
【0035】
このように、金属ブロック30の下面30bは、金属接合材60により金属ベース20の上面20aに接合されている。又、金属ブロック30の側面30cは、金属接合材60によりアイレット10の貫通孔10xの内壁面10cに接合されている。又、アイレット10の下面10bは、金属接合材60により金属ベース20の上面20aに接合されている。
【0036】
図1の説明に戻り、第1リード41及び第2リード42は、アイレット10及び金属ベース20を厚さ方向に貫通する貫通孔に、長手方向を厚さ方向に向けて挿入されている。アイレット10の貫通孔内において、第1リード41及び第2リード42の周囲は封止部50に封止されている。第1リード41及び第2リード42の一部は、アイレットの上面10a及び金属ベース20の下面20bから突出している。第1リード41及び第2リード42において、金属ベース20の下面20bからの突出量は、例えば、6~7mm程度である。
【0037】
第1リード41及び第2リード42は、例えば、50%鉄-ニッケル合金やコバール等の金属から形成されており、封止部50は、例えば、ガラス材等の絶縁材料から形成されている。第1リード41及び第2リード42は、例えば、半導体パッケージ用ステム1に搭載される半導体素子と電気的に接続される。なお、搭載する半導体素子の仕様に合わせて、リードの数を増やしてもよい。
【0038】
このように、半導体パッケージ用ステム1では、アイレット10の下面10bに貫通孔10xの一端側を塞ぐように、アイレット10の熱伝導率と同等以上の熱伝導率の金属ベース20が接合されている。そして、金属ブロック30の一端側(下面30b側)が貫通孔10xに挿入されて貫通孔10x内で金属ベース20と接合され、他端側(上面30a側)がアイレット10の上面10aから突出している。又、金属ブロック30の下面30bは、アイレット10の下面10bと略面一である。
【0039】
このような構造により、金属ブロック30の素子搭載面30rに半導体素子を搭載した際に放熱部となる金属ベース20に、金属ブロック30の下面30bを近づけることができる。又、金属ブロック30を貫通孔10x内に挿入することにより、金属ブロック30の体積を増やすことができる。その結果、半導体パッケージ用ステム1の放熱性能を向上できる。
【0040】
なお、金属ベース20とアイレット10に挟まれた部分、及び金属ベース20と金属ブロック30に挟まれた部分の金属接合材60の厚さT2は10μm以下であり、極めて薄い。従って、金属接合材60の存在が半導体パッケージ用ステム1の放熱性能を阻害することはない。
【0041】
〈第2実施形態〉
第2実施形態では、第1実施形態に係る半導体パッケージ用ステムに半導体素子の一例である発光素子を搭載した半導体パッケージの例を示す。なお、第2実施形態において、既に説明した実施形態と同一構成部についての説明は省略する場合がある。
【0042】
図3は、第2実施形態に係る半導体パッケージを例示する図であり、
図3(a)は平面図、
図3(b)は
図3(a)のA-A線に沿う断面図である。
【0043】
図3を参照すると、半導体パッケージ2は、半導体パッケージ用ステム1(
図1参照)と、発光素子110と、キャップ120と、接着剤130と、透明部材140とを有する。
【0044】
発光素子110は、例えば、波長が405nm、650nm、又は780nmの半導体レーザチップである。発光素子110は、一方の端面が上側(透明部材140側)を向き、他方の端面が下側(アイレット10の上面10a側)を向くように、金属ブロック30の素子搭載面30rに固着されている。半導体パッケージ2において、例えば、平面視において、発光素子110の発光点位置がアイレット10の上面10aの中心と略一致するように、発光素子110が搭載される。発光素子110の電極(図示せず)は、例えば、ボンディングワイヤ等により第1リード41及び第2リード42と接続されている。
【0045】
キャップ120は、例えば、鉄や銅等の金属から形成され、平面視において略中央部に開口部120x(窓)が設けられている。透明部材140は、例えば、ガラス等から形成され、開口部120xを塞ぐように、低融点ガラス等からなる接着剤130によりキャップ120のアイレット10側の面(内側の面)に接着されている。透明部材140が接着剤130により接着されたキャップ120は、例えば溶接等により、アイレット10の上面10aの外縁部近傍に接合されており、発光素子110を気密封止している。
【0046】
発光素子110の一方の端面側から出射された光(例えば、レーザ光)は、開口部120x内の透明部材140を透過して半導体パッケージ2の外部に出射される。なお、発光素子110の他方の端面側から出射された光をフォトダイオード等により受光して、発光素子110の出射光量をモニタするようにしてもよい。フォトダイオードで受光する光量が一定になるように、半導体パッケージ2の外部に配置された回路で制御することにより、環境温度等によらず、半導体パッケージ2の出射光量を一定にできる。
【0047】
このように、半導体パッケージ用ステム1の素子搭載面30rに発光素子110を搭載して半導体パッケージ2を実現できる。半導体パッケージ用ステム1は、従来の半導体パッケージ用ステムと比べて放熱性能に優れているため、半導体パッケージ2において、発光素子110の発した熱を効率よく外部に放出できる。
【0048】
なお、第2実施形態では半導体パッケージ用ステム1に発光素子110を搭載する例を示したが、これには限定されず、半導体パッケージ用ステム1に発光素子以外の発熱性の半導体素子を搭載してもよい。又、半導体パッケージ用ステム1に半導体素子を搭載した半導体パッケージは、各種センサやインフレータ等に用いても構わない。
【0049】
以上、好ましい実施形態について詳説したが、上述した実施形態に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施形態に種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0050】
1 半導体パッケージ用ステム
2 半導体パッケージ
10 アイレット
10a、20a、30a 上面
10b、20b、30b 下面
10c 内壁面
10x 貫通孔
11、12、13 切り欠き部
20 金属ベース
30 金属ブロック
30c 側面
30p 突出部
30r 素子搭載面
41 第1リード
42 第2リード
50 封止部
60 金属接合材
110 発光素子
120 キャップ
120x 開口部
130 接着剤
140 透明部材