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特許7308241基板処理装置および半導体装置の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-05
(45)【発行日】2023-07-13
(54)【発明の名称】基板処理装置および半導体装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/31 20060101AFI20230706BHJP
【FI】
H01L21/31 B
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021134955
(22)【出願日】2021-08-20
(65)【公開番号】P2023028955
(43)【公開日】2023-03-03
【審査請求日】2022-03-14
(73)【特許権者】
【識別番号】318009126
【氏名又は名称】株式会社KOKUSAI ELECTRIC
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加賀谷 徹
(72)【発明者】
【氏名】永冨 佳将
(72)【発明者】
【氏名】田中 周
【審査官】加藤 芳健
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-197329(JP,A)
【文献】特開2019-110269(JP,A)
【文献】特開2014-236129(JP,A)
【文献】特開2021-028977(JP,A)
【文献】特開2014-063959(JP,A)
【文献】特開2017-028256(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/31
H01L 21/318
H01L 21/316
C23C 16/455
H01L 21/302
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理室と、
前記処理室内に配置され、複数の基板を配列して保持する基板保持具と、
前記複数の基板が配列される方向に沿って伸びる管を有し、前記処理室内にガスを供給するガス噴射器と、を備え、
前記ガス噴射器は、前記管の長手方向に沿って、前記複数の基板が配列される区間に設けられ、ガスを供給する第1噴射孔と、前記管の先端において、前記管の流路断面積よりも小さい面積で、前記長手方向に対して斜めに開口するように設けられる複数の第2噴射孔と、を有し、
前記管の先端は、半球状の天井で構成され、
前記複数の第2噴射孔は、前記天井の先端以外の位置に、前記長手方向を対称軸とする回転対称に配置される
基板処理装置。
【請求項2】
前記ガス噴射器が供給する前記ガスは前記ガス噴射器内で減衰する性質を有するガスである
請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記第1噴射孔は、前記管の長手方向に沿って複数設けられ、それぞれが略等しい開口面積を有し、
前記複数の第2噴射孔のそれぞれは、複数の前記第1噴射孔の内の1つの開口面積以下の略等しい開口面積を有する
請求項1または2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記処理室は、前記ガス噴射器を収容する噴射器室を有する
請求項1から3のいずれか1項に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記管は、ガスが供給される入口から、前記入口に最も近い第1噴射孔までの間に助走区間を有し、
前記複数の第2噴射孔の開口面積の合計は、前記助走区間の流路断面積の0%より大きく3%以下である
請求項1または2に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記管の先端において、前記長手方向に向いて開口する孔がある場合、当該孔の開口面積は、前記複数の第2噴射孔のいずれの開口面積よりも小さい
請求項1または2に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記管は、ガスが供給される入口から、前記入口に最も近い第1噴射孔までの間に助走区間を有し、
前記助走区間の長さは、前記管の全長の1/3以上である
請求項1または2に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記噴射器室の内部と前記処理室の内部とを流体連通させる供給口を更に備え、
前記供給口は、前記第1噴射孔が設けられている前記長手方向の位置において開口する
請求項4に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記処理室は、内管と外管とを有し、前記噴射器室は前記内管と前記外管の間に設けられる
請求項8に記載の基板処理装置。
【請求項10】
前記管は、ガスが供給される入口から、前記入口に最も近い第1噴射孔までの間に助走区間を有し、
前記管の前記第1噴射孔が設けられた区間では、先端に向かうにつれて、前記ガスの圧力よりも速度が早く低下する
請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項11】
処理室と、前記処理室内に配置され、複数の基板を配列して保持する基板保持具と、前記複数の基板が配列される方向に沿って伸びる管を有し、前記処理室内にガスを供給するガス噴射器と、を備える基板処理装置の前記処理室に基板を搬入する工程と、
前記ガス噴射器の、前記管の長手方向に沿って前記複数の基板が配列される区間に設けられガスを供給する第1噴射孔と、前記管の先端において前記管の流路断面積よりも小さい面積で前記長手方向に対して斜めにガスを噴射するように開口する複数の第2噴射孔と、からガスを噴射して、前記基板を処理する工程と、を有し、
前記処理する工程では、先端が半球状の天井で構成された前記管と、前記天井の先端以外の位置に、前記長手方向を対称軸とする回転対称に配置された前記複数の第2噴射孔と、を有する前記ガス噴射器が用いられる
半導体装置の製造方法。
【請求項12】
処理室と、前記処理室内に配置され、複数の基板を配列して保持する基板保持具と、前記複数の基板が配列される方向に沿って伸びる管を有し、前記処理室内にガスを供給するガス噴射器と、を備える基板処理装置の前記処理室に基板を搬入する工程と、
前記ガス噴射器の、前記管の長手方向に沿って前記複数の基板が配列される区間に設けられガスを供給する第1噴射孔と、前記管の先端において前記管の流路断面積よりも小さい面積で前記長手方向に対して斜めにガスを噴射するように開口する複数の第2噴射孔と、からガスを噴射して、前記基板を処理する工程と、を有し、
前記処理する工程では、先端が半球状の天井で構成された前記管と、前記天井の先端以外の位置に、前記長手方向を対称軸とする回転対称に配置された前記複数の第2噴射孔と、を有する前記ガス噴射器が用いられる
基板処理方法。
【請求項13】
処理されるべき複数の基板が内部に配列される処理室内にガスを供給するガス噴射器であって、
前記複数の基板が配列される方向に沿って伸び、前端が半球状の天井で構成された管と、
前記管の長手方向に沿って、前記複数の基板が配列される区間に設けられ、ガスを供給する少なくとも1つの第1噴射孔と、
前記管の先端において、前記管の流路断面積よりも小さい面積で、前記長手方向に対して斜めにガスを噴射するように開口する複数の第2噴射孔と、を有し、
前記複数の第2噴射孔は、前記天井の先端以外の位置に、前記長手方向を対称軸とする回転対称に配置される
ガス噴射器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基板処理装置および半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
基板を処理する基板処理装置として、処理室が内部に形成された反応管を有し、処理室内に所定枚数の基板を上下方向に配列して設置し、基板を所定温度に加熱し、処理ガスを処理室内に供給して基板処理を行う縦型の処理装置が知られている(例えば、特許文献1および2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-205438号公報
【文献】特開2009-245984号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
基板処理装置の処理室内には、複数の基板を配列して保持する基板保持具、および、基板が配列される方向に沿って伸びる管を有し、処理室内にガスを供給するガス噴射器等が配置されている。また、ガス噴射器の管には、長手方向に沿ってガスを供給する複数の噴射孔が形成されており、処理室内の複数の基板に対してガスを供給するように構成されている。
【0005】
しかしながら、ガス噴射器の管の長手方向におけるガスの供給量に偏りがあると、基板毎の膜厚均一性を悪化させる要因となるおそれがあるため、ガスの供給量の偏りを小さくすることが求められる。
【0006】
本開示は、処理室内のガス噴射器の管の長手方向におけるガスの供給量を均等化することが可能な技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様によれば、処理室と、前記処理室内に配置され、複数の基板を配列して保持する基板保持具と、前記複数の基板が配列される方向に沿って伸びる管を有し、前記処理室内にガスを供給するガス噴射器と、を備え、前記ガス噴射器は、前記管の長手方向に沿って、前記複数の基板が配列される区間に設けられ、ガスを供給する第1噴射孔と、前記管の先端において、前記管の流路断面積よりも小さい面積で、前記長手方向に対して斜めに開口するように設けられる複数の第2噴射孔と、を有する技術が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、処理室内のガス噴射器の管の長手方向におけるガスの供給量を均等化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の実施形態に好適に用いられる基板処理装置の処理炉を示す立断面図である。
図2】上記基板処理装置の処理炉を示す水平方向断面図である。
図3】上記基板処理装置のガスノズルの立断面図である。
図4】上記基板処理装置のガスノズルの上面図である。
図5】上記基板処理装置において決められた条件下でガスノズルにオゾン(O3)と酸素(O2)の混合ガスを供給した際の、基板位置とガスノズルの第1噴射孔内のオゾン(O3)濃度(モル分率)との関係を示すグラフである。
図6】上記基板処理装置において決められた条件下でガスノズルにオゾン(O3)と酸素(O2)の混合ガスを供給した際の、基板位置とガスノズルの第1噴射孔内の圧力との関係を示すグラフである。
図7】上記基板処理装置の制御系を説明する概略構成図である。
図8】上記基板処理装置の成膜シーケンスを示す図である。
図9】上記基板処理装置のガスノズルの変形例を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<本開示の一実施形態>
以下、図面を参照しつつ本開示の一実施形態について説明する。なお、以下の説明において用いられる図面は、いずれも模式的なものであり、図面に示される、各要素の寸法の関係、各要素の比率等は、現実のものとは必ずしも一致していない。また、複数の図面の相互間においても、各要素の寸法の関係、各要素の比率等は、必ずしも一致していない。
【0011】
本開示の実施形態に係る基板処理装置の一例について図1図8に従って説明する。なお、図中に示す矢印Hは装置上下方向(鉛直方向)を示し、矢印Wは装置幅方向(水平方向)を示し、矢印Dは装置奥行方向(水平方向)を示す。
【0012】
[基板処理装置10の全体構成]
基板処理装置10は、図1に示されるように、各部を制御する制御部280及び処理炉202を備え、処理炉202は、加熱手段であるヒータ207を有する。ヒータ207は円筒形状であり、図示しないヒータベースに支持されることにより装置上下方向に据え付けられている。ヒータ207は、処理ガスを熱で活性化させる活性化機構としても機能する。なお、制御部280については、詳細を後述する。
【0013】
ヒータ207の内側には、ヒータ207と同心円状に反応容器を構成する反応管203が立てて配置されている。反応管203は、例えば石英(SiO2)または炭化シリコン(SiC)等の耐熱性材料により形成されている。基板処理装置10は、いわゆるホットウォール型である。
【0014】
反応管203は、図1にも示されるように、円筒状の内管12と、内管12を囲むように設けられた円筒状の外管14とを有している。内管12は、外管14と同心円状に配置され、内管12と外管14との間には、間隙Sが形成されている。内管12は、管部材の一例である。
【0015】
内管12は、図1に示したように、下端が開放され、上端が平坦状の壁体で閉塞された有天井形状で形成されている。また、外管14も、下端が開放され、上端が平坦状の壁体で閉塞された有天井形状で形成されている。さらに、内管12と外管14との間に形成された間隙Sには、図2に示したように、複数(本実施形態では3個)の噴射器室としてのノズル室222が形成されている。なお、ノズル室222については、詳細を後述する。
【0016】
この内管12の内部には、図1および図2に示したように、基板としてのウェハ200を処理する処理室201が形成されている。また、この処理室201は、ウェハ200を水平姿勢で垂直方向に多段に整列した状態で保持可能な基板保持具の一例であるボート217を収容可能とし、内管12は、収容されたウェハ200を包囲する。なお、内管12については、詳細を後述する。
【0017】
反応管203の下端は、円筒体状のマニホールド226によって支持されている。マニホールド226は、例えばニッケル合金やステンレス等の金属で構成されるか、又は石英若しくはSiC等の耐熱性材料で構成されている。マニホールド226の上端部にはフランジが形成されており、このフランジ上に外管14の下端部が設置されている。このフランジと外管14の下端部との間には、Oリング等の気密部材220が配置されており、反応管203内を気密状態にしている。
【0018】
マニホールド226の下端の開口部には、シールキャップ219がOリング等の気密部材220を介して気密に取り付けられており、反応管203の下端の開口部側、すなわちマニホールド226の開口部が気密に塞がれている。シールキャップ219は、例えばニッケル合金やステンレス等の金属で構成され、円盤状に形成されている。シールキャップ219は、石英(SiO2)または炭化シリコン(SiC)等の耐熱性材料でその外側を覆うように構成してもよい。
【0019】
シールキャップ219上にはボート217を支持するボート支持台218が設けられている。ボート支持台218は、例えば石英やSiC等の耐熱性材料で構成され断熱部として機能する。
【0020】
ボート217は、ボート支持台218上に立設されている。ボート217は、例えば石英やSiC等の耐熱性材料で構成されている。ボート217はボート支持台218に固定された図示しない底板とその上方に配置された天板とを有しており、底板と天板との間に複数本の支柱217a(図2参照)が架設されている。
【0021】
ボート217には、内管12内の処理室201で処理される複数枚のウェハ200が保持されている。複数枚のウェハ200は、互いに一定の間隔をあけながら水平姿勢を保持し、かつ互いに中心を揃えた状態でボート217の支柱217aに支持されており、積載方向が反応管203の軸方向となる。つまり、基板の中心がボート217の中心軸にあわせられ、ボート217の中心軸は反応管203の中心軸に一致する。
【0022】
シールキャップ219の下側には、ボートを回転させる回転機構267が設けられている。回転機構267の回転軸265は、シールキャップ219を貫通してボート支持台218に接続されており、回転機構267によって、ボート支持台218を介してボート217を回転させることでウェハ200を回転させる。
【0023】
シールキャップ219は、反応管203の外部に設けられた昇降機構としてのエレベータ115によって垂直方向に昇降され、ボート217を処理室201に対して搬入、及び搬出することができる。
【0024】
マニホールド226には、処理室201の内部にガスを供給するガスノズル340a~340eを支持するノズル支持部350a~350eが、マニホールド226を貫通するようにして設置されている(図1では、ノズル支持部350aのみ図示)。ここで、本実施形態では、5本のノズル支持部350a~350eが設置されている。ノズル支持部350a~350eは、例えばニッケル合金やステンレス等の材料により構成されている。
【0025】
ノズル支持部350a~350eの一端には、処理室201の内部へガスを供給するガス供給管310a~310eが夫々接続されている。また、ノズル支持部350a~350eの他端には、管としてのガスノズル340a~340eが夫々接続されている(図1では、ノズル支持部350a、ガスノズル340aのみ図示)。ガス噴射器50a~50eは、ガスノズル340a~340eおよびノズル支持部350a~350eにより構成されている。ガスノズル340a~340eは、例えば石英(SiO2)または炭化シリコン(SiC)等の耐熱性材料により構成されている。なお、ガスノズル340a~340e、及びガス供給管310a~310eについては、詳細を後述する。
【0026】
一方、反応管203の外管14には、排気口230が形成されている。この排気口230には、排気管231が接続されている。
【0027】
排気管231には、処理室201の内部の圧力を検出する圧力センサ245、及び圧力調整器としてのAPC(Auto Pressure Controller)バルブ244を介して、真空排気装置としての真空ポンプ246が接続されている。真空ポンプ246の下流側の排気管231は、図示しない廃ガス処理装置等に接続されている。これにより、真空ポンプ246の出力及びバルブ244の開度を制御することで、処理室201の内部の圧力が所定の圧力(真空度)となるよう真空排気できるように構成されている。
【0028】
また、反応管203の内部には、温度検出器としての図示しない温度センサが設置されており、温度センサにより検出された温度情報に基づいて、ヒータ207への供給電力を調整することで、処理室201の内部の温度が所望の温度分布となるように構成されている。
【0029】
この構成において、処理炉202では、バッチ処理される複数枚のウェハ200を多段に積載するボート217がボート支持台218によって処理室201の内部へ搬入される。そして、処理室201へ搬入されたウェハ200を、ヒータ207によって所定の温度に加熱する。このような処理炉を有する装置は、縦型バッチ装置と呼ばれる。
【0030】
[要部構成]
次に、内管12、ノズル室222、ガス供給管310a~310e、ガスノズル340a~340e、及び制御部280について詳細に説明する。
【0031】
〔内管12〕
内管12の周壁には、供給孔の一例である供給スリット235a~235cと、供給スリット235a~235cと対向するように、排出部の一例である第一排気口236が形成されている。また、内管12の周壁において第一排気口236の下方には、第一排気口236より開口面積が小さい第二排気口237が形成されている。
【0032】
内管12に形成された第一排気口236は、図1に示されるように、処理室201のウェハ200が収容される下端側から上端側に至るまでの領域(以下「ウェハ領域」と記載することがある)に形成されている。内管12の第一排気口236の下方には、第二排気口237が形成されている。第一排気口236は、処理室201と間隙Sとを連通するように形成され、第二排気口237は、処理室201の下方の雰囲気を排気するよう形成されている。
【0033】
一方、供給スリット235a~235cは、上下方向において、処理室201に収容された状態のボート217に複数段載置された隣り合うウェハ200とウェハ200との間に夫々配置されるように形成されている。
【0034】
また、内管12の周壁に形成された供給スリット235aは、横長のスリット状で上下方向に複数形成されており、第一ノズル室222a(図2参照)と処理室201とを連通している。
【0035】
また、供給スリット235bは、横長のスリット状で上下方向に複数形成されており、供給スリット235aの側方に配置されている。さらに、供給スリット235bは、第二ノズル室222b(図2参照)と処理室201とを連通している。
【0036】
また、供給スリット235cは、横長のスリット状で上下方向に複数形成されており、供給スリット235bを挟んで供給スリット235aの反対側に配置されている。さらに、供給スリット235cは、第三ノズル室222c(図2参照)と処理室201とを連通している。
【0037】
〔ノズル室222〕
ノズル室222は、図2に示されるように、内管12の外周面12cと外管14の内周面14aとの間の間隙Sに形成されている。ノズル室222は、上下方向に延びている第一ノズル室222aと、上下方向に延びている第二ノズル室222bと、上下方向に延びている第三ノズル室222cとを備えている。また、第一ノズル室222aと、第二ノズル室222bと、第三ノズル室222cとは、この順番で処理室201の周方向に並んで形成されている。
【0038】
さらに、処理室201の周方向の長さについては、第二ノズル室222bの周方向の長さが、第一ノズル室222aの周方向の長さ、及び第三ノズル室222cの周方向の長さと比して、短くされている。第一ノズル室222a、第二ノズル室222b、及び第三ノズル室222cは、噴射器室の一例である。
【0039】
具体的には、内管12の外周面12cから外管14へ向けて延出した第一仕切18aと内管12の外周面12cから外管14へ向けて延出した第二仕切18bとの間で、かつ、第一仕切18aの先端と第二仕切18bの先端とを繋ぐ円弧状の天板20と内管12との間に、ノズル室222が形成されている。
【0040】
さらに、ノズル室222の内部には、内管12の外周面12cから天板20側へ向けて延出した第三仕切18cと、第四仕切18dとが形成されており、第三仕切18cと第四仕切18dとは、この順番で第一仕切18aから第二仕切18b側へ並んでいる。また、天板20は、外管14と離間している。さらに、第三仕切18cの先端、及び第四仕切18dの先端は、天板20に達している。また、各仕切18a~18d、及び天板20は、ノズル室222の天井部から反応管203の下端部まで形成されている。
【0041】
そして、第一ノズル室222aは、図2に示されるように、内管12、第一仕切18a、第三仕切18c、及び天板20に囲まれて形成されている。また、第二ノズル室222bは、内管12、第三仕切18c、第四仕切18d、及び天板20に囲まれて形成されている。さらに、第三ノズル室222cは、内管12、第四仕切18d、第二仕切18b、及び天板20に囲まれて形成されている。
【0042】
これにより、各ノズル室222a~222cは、下端部が開放されると共に上端が内管12の天面を構成する壁体で閉塞された有天井形状で、上下方向に延びている。
【0043】
そして、前述したように、第一ノズル室222aと処理室201を連通する供給スリット235aが、上下方向に並んで、内管12の周壁に形成されている。また、第二ノズル室222bと処理室201を連通する供給スリット235bが、上下方向に並んで、内管12の周壁に形成されている。また、第三ノズル室222cと処理室201を連通する供給スリット235cが、上下方向に並んで、内管12の周壁に形成されている。
【0044】
〔ガスノズル340a~340e〕
ガス噴射器50a~50eの一部を構成するガスノズル340a~340eは、上下方向に延びており、図2に示したように、各ノズル室222a~222cに夫々設置されている。具体的には、ガス供給管310aに連通するガスノズル340a、及びガス供給管310bに連通するガスノズル340bは、第一ノズル室222aに配置されている。また、ガス供給管310cに連通するガスノズル340cは、第二ノズル室222bに配置されている。また、ガス供給管310dに連通するガスノズル340d、及びガス供給管310eに連通するガスノズル340eは、第三ノズル室222cに配置されている。
【0045】
このように、処理室201にガス噴射器50a~50eを収容するノズル室222を設け、ノズル室222内にガス噴射器50a~50eの少なくともガスノズル340a~340eを収容することにより、各ノズル室222間で、ガスが混ざり合うことを抑制することができる。
【0046】
ガスノズル340a~340eは、図3図4に示されるように、先端が閉じた円筒形のロングノズルとして夫々構成されている。なお、図3図4では、一例としてガスノズル340aのみが示されているが、ガスノズル340b~340eも、ノズルの太さが異なる以外は、同様の構成となっている。
【0047】
ガスノズル340a~340eは、ガスノズル340a~340eの長手方向Lに沿って、複数のウェハ200が配列される区間に設けられ、ガスを供給する第1噴射孔60a~60eと、ガスノズル340a~340eの先端において、ガスノズル340a~340eの流路断面積Aよりも小さい面積で、長手方向Lに対して斜めに開口するように設けられる複数の第2噴射孔61a~61eと、を有する。
【0048】
なお、本実施形態では、ガスノズル340a~340eは、ガスノズル340a~340eの長手方向Lの各々の位置における内径が一定の円筒形のロングノズルであるため、流路断面積Aが長手方向Lの各々の位置において同じである。しかしながら、ガスノズル340a~340eの長手方向Lの各々の位置における内径が一定ではなく、流路断面積Aが長手方向Lの各々の位置において異なる場合には、「ガスノズル340a~340eの流路断面積Aよりも小さい面積」は、最も小さい流路断面積Aよりも小さい面積とする。
【0049】
ガスノズル340a~340eを石英(SiO2)により構成した場合、第1噴射孔60a~60eおよび第2噴射孔61a~61eは、二酸化炭素(CO2)レーザにより加工することができる。なお、ガスノズル340a~340eの外径が小さい場合には、二酸化炭素(CO2)レーザにより先端部分に長手方向Lに対して斜めに開口させることは困難であったが、ノズルの外径をある程度の大きさ(例えばΦ18mm以上)とすることにより、二酸化炭素(CO2)レーザにより先端部分に長手方向Lに対して斜めに開口させることができる。
【0050】
また、第2噴射孔61a~61eは、ガスノズル340a~340eの表面の接平面に対して垂直(すなわち、ガスノズル340a~340eの肉厚方向)に開口したしたものに限らず、ガスノズル340a~340eの表面の接平面に対して斜めに開口したものとしてもよい。
【0051】
また、第2噴射孔61a~61eは、内部流路が直線的に貫通したものに限らず、非直線的に曲がって貫通したものとしてもよい。その場合、第2噴射孔61a~61eの開口の方向は、出口における流路の方向、すなわち、出口における接平面に対して垂直な方向で定められる。
【0052】
従来のガスノズルは、側面部分のみにガスの噴射孔が形成され、先端部分にはガスの噴射孔が形成されていなかったため、ガスノズルの先端付近でガスの滞留が生じ、側面部分の噴射孔からのガスの供給量を、ノズルの長手方向において均等化することが困難であった。また、先端部分にガスの噴射孔が形成されていない場合、ガスノズルの内圧が高くなるため、ガスノズルからオゾン(O3)を供給した場合には、高い内圧によりオゾン(O3)の減衰を招き、オゾン(O3)の供給量をノズルの長手方向において均等化することが困難であった。
【0053】
これに対して、本実施形態のガスノズル340a~340eは、ガスノズル340a~340eの先端に複数の第2噴射孔61a~61eを設けているため、ガスノズル340a~340eの先端付近でのガスの滞留を抑制しつつ、第1噴射孔60a~60eの径を従来の構成から変えずに、第1噴射孔60a~60eからのガスの供給量を、ノズルの長手方向において均等化することができる。
【0054】
また、ガスノズル340a~340eの先端に複数の第2噴射孔61a~61eを設けることにより、ガスノズル340a~340eの内圧を下げることができるため、ガスノズル340a~340eからオゾン(O3)を供給した場合でも、オゾン(O3)の減衰を抑え、オゾン(O3)の供給量をノズルの長手方向において均等化することができる。
【0055】
また、第2噴射孔61a~61eについて、長手方向Lに対して垂直に開口するように設けた場合には、第2噴射孔からガスの流速が高い状態でガスが噴射されるが、本実施形態では長手方向Lに対して斜めに開口するように設けているため、第2噴射孔61a~61eにおいてガスの流れが偏向され、垂直に開口した場合と同じ開口面積でも、流速を遅くすることができる。その結果、ガスノズル340a~340eの内圧が過剰に低下したり、第1噴射孔60a~60eから噴射するガスの流速が過剰に低下することを抑制できるため、第1噴射孔60a~60eからのガスの供給量を、ノズルの長手方向において均等化することができる。
【0056】
ここで、上記の構成の基板処理装置において、ガスノズルに第2噴射孔を設けた場合と設けない場合において、ガスノズルからオゾン(O3)を供給した際の特性の差について説明する。本説明では、処理室内の温度を400℃、処理室内の圧力を103Paとし、ガスノズルの外径をφ18mm、ガスノズルの第1噴射孔の開口径をφ1.3mmとし、このガスノズルにオゾン(O3)と酸素(O2)の混合ガスを25slmで供給した場合の例を示す。
【0057】
図5は基板位置とガスノズルの第1噴射孔内のO3濃度(モル分率)との関係を示すグラフである。図5のグラフの縦軸は、垂直方向に多段に整列した基板(ウェハ)の基板位置を示しており、グラフ上側が整列方向(垂直方向)上側に対応し、グラフ下側が整列方向(垂直方向)下側に対応する。縦軸の基板位置は、相対位置を示しており、単位はない。図5のグラフの横軸は、オゾン(O3)濃度(モル分率)を示しており、単位は[A.U.]である。[A.U.]は、任意単位(Arbitrary Unit)であり、同一測定系における測定値の比を示したものである。
【0058】
図5のグラフに示されるように、第2噴射孔あり(実線)の方が、第2噴射孔なし(点線)と比較して、基板の整列方向(垂直方向)の上側と下側とのO3濃度の差が小さくなっていることが分かる。第2噴射孔なし(点線)の場合は、ガスノズルの先端(グラフの縦軸上方側)に近づくにつれて、オゾン(O3)濃度が著しく低下していることが分かる。
【0059】
図6は基板位置とガスノズルの第1噴射孔内の圧力との関係を示すグラフである。図6のグラフの縦軸は、図5のグラフと同様に、垂直方向に多段に整列した基板(ウェハ)の基板位置を示しており、単位はない。図6のグラフの横軸は、圧力を示しており、単位は[Pa]である。
【0060】
図6のグラフに示されるように、第2噴射孔あり(実線)の方が、第2噴射孔なし(点線)と比較して、全体的に圧力が低くなるが、基板の整列方向(垂直方向)の上側と下側との圧力の差が小さくなっていることが分かる。第2噴射孔なし(点線)の場合は、ガスノズルの先端(グラフの縦軸上方側)に近づくにつれて、圧力が著しく低下していることが分かる。
【0061】
すなわち、図5および図6のグラフから、ガスノズルに第2噴射孔を設けた方が、第2噴射孔を設けない場合と比較して、オゾン(O3)の減衰を抑制し、基板の整列方向(垂直方向)の全体に渡って、安定的にオゾン(O3)を供給できることが分かる。
【0062】
また、ガスノズル340a~340eの先端は、半球状の天井で構成され、複数の第2噴射孔61a~61eは、天井の先端以外の位置に、長手方向Lを対称軸とする回転対称に配置されている。
【0063】
このような構成とすることにより、ガスノズル340a~340eの内圧の偏差を小さくすることができるため、ノズルの長手方向における第1噴射孔60a~60eからのガスの供給量の均等化に有利となる。
【0064】
また、ガスノズル340a~340eにおいて、第1噴射孔60a~60eは、ガスノズル340a~340eの長手方向Lに沿って複数設けられ、それぞれが略等しい開口面積を有し、複数の第2噴射孔61a~61eのそれぞれは、複数の第1噴射孔60a~60eの内の1つの開口面積以下の略等しい開口面積を有する。
【0065】
このように、複数の第1噴射孔60a~60eの開口面積を略等しくすることにより、水平姿勢で垂直方向に多段に整列した状態で保持されたウェハ200に対して均等にガスを供給し易くすることができる。
【0066】
また、複数の第2噴射孔61a~61eのそれぞれについて、複数の第1噴射孔60a~60eの内の1つの開口面積以下の略等しい開口面積とすることにより、ガスノズル340a~340eの内圧の偏差を小さくすることができるため、ノズルの長手方向における第1噴射孔60a~60eからのガスの供給量の均等化に有利となる。
【0067】
なお、「略等しい開口面積」とは、最も大きい開口面積に対する最も小さい開口面積の割合が90%以上の状態を意味する。
【0068】
また、ガスノズル340a~340eは、ガスが供給される入口から、入口に最も近い第1噴射孔60a~60eまでの間に助走区間Sを有し、複数の第2噴射孔61a~61eの開口面積の合計は、助走区間Sの流路断面積Aの0%より大きく3%以下となるように構成されている。
【0069】
なお、本実施形態では、ガスノズル340a~340eは、ガスノズル340a~340eの長手方向Lの各々の位置における内径が一定の円筒形のロングノズルであるため、助走区間Sの流路断面積Aが長手方向Lの各々の位置において同じである。しかしながら、ガスノズル340a~340eの長手方向Lの各々の位置における内径が一定ではなく、助走区間Sの流路断面積Aが長手方向Lの各々の位置において異なる場合には、「助走区間Sの流路断面積Aの0%より大きく3%以下」は、最も小さい助走区間Sの流路断面積Aの0%より大きく3%以下とする。
【0070】
内径が一定のガスノズルの場合、ガスノズル内の助走区間ではガスは音速に近い速さで流れ、側孔(本実施形態では第1噴射孔)が開いている区間では、先端に向かうにつれて、圧力よりも速度が早く低下する。このようなガスノズルの内圧の偏差は、高くても10%程度である。
【0071】
このように、ガスノズル340a~340eに助走区間Sを設けることにより、ガスノズル340a~340e内において、第1噴射孔60a~60eの形成領域に侵入するガスの速度を速くでき、ガスノズル340a~340eの先端部分までガスの速度を維持させ易くなるため、ノズルの長手方向における第1噴射孔60a~60eからのガスの供給量の均等化に有利となる。
【0072】
また、複数の第2噴射孔61a~61eの開口面積の合計を、助走区間Sの流路断面積Aの0%より大きく3%以下となるように構成することにより、複数の第2噴射孔61a~61eの開口面積の合計が、助走区間Sの流路断面積Aの3%を超えた場合と比較して、ガスノズル340a~340eの内圧が過剰に低下したり、第1噴射孔60a~60eから噴射するガスの流速が過剰に低下することを抑制できるため、ノズルの長手方向における第1噴射孔60a~60eからのガスの供給量の均等化に有利となる。
【0073】
また、ガスノズル340a~340eにおいて、助走区間Sの長さは、ガスノズル340a~340eの全長の1/3以上となるように構成されている。
【0074】
このような構成とすることにより、ガスノズル340a~340e内において、第1噴射孔60a~60eの形成領域に侵入するガスの速度を速くでき、ガスノズル340a~340eの先端部分までガスの速度を維持させ易くなるため、ノズルの長手方向における第1噴射孔60a~60eからのガスの供給量の均等化に有利となる。
【0075】
〔ガス供給管310a~310e〕
図1および図2に示されるように、ガス供給管310aは、ノズル支持部350aを介してガスノズル340aと連通している。ガス供給管310bは、ノズル支持部350bを介してガスノズル340bと連通している。ガス供給管310cは、ノズル支持部350cを介してガスノズル340cと連通している。ガス供給管310dは、ノズル支持部350dを介してガスノズル340dと連通している。ガス供給管310eは、ノズル支持部350eを介してガスノズル340eと連通している。
【0076】
ガス供給管310aには、ガスの流れ方向において上流側から順に、処理ガスとしての不活性ガスを供給する不活性ガス供給源360a、流量制御器の一例であるマスフローコントローラ(MFC)320a、及び開閉弁であるバルブ330aが夫々設けられている。不活性ガスとしては、例えば、窒素(N2)ガスが挙げられる。
【0077】
ガス供給管310bには、上流方向から順に、処理ガスとしての第1反応ガスを供給する第1反応ガス供給源360b、MFC320b、及びバルブ330bが夫々設けられている。第1反応ガスとしては、例えば、オゾン(O3)と酸素(O2)の混合ガスが挙げられる。
【0078】
また、ガス供給管310bのバルブ330bよりも下流側には、不活性ガスを供給するガス供給管310fが接続されている。ガス供給管310fには、上流方向から順に、処理ガスとしての不活性ガスを供給する不活性ガス供給源360f、MFC320f、及びバルブ330fが夫々設けられている。
【0079】
ガス供給管310cには、上流方向から順に、処理ガスとしての原料ガスを供給する原料ガス供給源360c、MFC320c、及びバルブ330cが夫々設けられている。原料ガスとしては、例えば、アルミニウム(Al)、シリコン(Si)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)等のソースガスが挙げられる。
【0080】
また、ガス供給管310cのバルブ330cよりも下流側には、不活性ガスを供給するガス供給管310gが接続されている。ガス供給管310gには、上流方向から順に、処理ガスとしての不活性ガスを供給する不活性ガス供給源360g、MFC320g、及びバルブ330gが夫々設けられている。
【0081】
ガス供給管310dには、上流方向から順に、処理ガスとしての第2反応ガスを供給する第2反応ガス供給源360d、MFC320d、及びバルブ330dが夫々設けられている。第2反応ガスとしては、例えば、水素(H2)ガスが挙げられる。
【0082】
また、ガス供給管310dのバルブ330dよりも下流側には、不活性ガスを供給するガス供給管310hが接続されている。ガス供給管310hには、上流方向から順に、処理ガスとしての不活性ガスを供給する不活性ガス供給源360h、MFC320h、及びバルブ330hが夫々設けられている。
【0083】
ガス供給管310eには、上流方向から順に、処理ガスとしての不活性ガスを供給する不活性ガス供給源360e、MFC320e、及びバルブ330eが夫々設けられている。
【0084】
〔制御部280〕
図7は、基板処理装置10を示すブロック図であり、基板処理装置10の制御部280(所謂コントローラ)は、コンピュータとして構成されている。このコンピュータは、CPU(Central Processing Unit)121a、RAM(Random Access Memory)121b、記憶装置121c、及びI/Oポート121dを備えている。
【0085】
RAM121b、記憶装置121c、I/Oポート121dは、内部バス121eを介して、CPU121aとデータ交換可能なように構成されている。制御部280には、例えばタッチパネル等として構成された入出力装置122が接続されている。
【0086】
記憶装置121cは、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)等で構成されている。記憶装置121c内には、基板処理装置の動作を制御する制御プログラムや、後述する基板処理の手順や条件等が記載されたプロセスレシピ等が、読み出し可能に格納されている。
【0087】
プロセスレシピは、後述する基板処理工程における各手順を制御部280に実行させ、所定の結果を得ることが出来るように組み合わされたものであり、プログラムとして機能する。以下、プロセスレシピや制御プログラム等を総称して、単に、プログラムともいう。
【0088】
本明細書においてプログラムという言葉を用いた場合は、プロセスレシピ単体のみを含む場合、制御プログラム単体のみを含む場合、または、それらの両方を含む場合がある。RAM121bは、CPU121aによって読み出されたプログラムやデータ等が一時的に保持されるメモリ領域(ワークエリア)として構成されている。
【0089】
I/Oポート121dは、上述のMFC320a~320g、バルブ330a~330g、圧力センサ245、APCバルブ244、真空ポンプ246、ヒータ207、温度センサ、回転機構267、エレベータ115等に接続されている。
【0090】
CPU121aは、記憶装置121cから制御プログラムを読み出して実行すると共に、入出力装置122からの操作コマンドの入力等に応じて記憶装置121cからプロセスレシピを読み出すように構成されている。
【0091】
CPU121aは、読み出したプロセスレシピの内容に沿うように、MFC320a~320gによる各種ガスの流量調整動作、バルブ330a~330gの開閉動作、APC
【0092】
バルブ244の開閉動作を制御するように構成されている。また、CPU121aは、圧力センサ245に基づくAPCバルブ244による圧力調整動作、真空ポンプ246の起動及び停止、温度センサに基づくヒータ207の温度調整動作を制御するように構成されている。さらに、CPU121aは、回転機構267によるボート217の回転及び回転速度調節動作、エレベータ115によるボート217の昇降動作等を制御するように構成されている。
【0093】
制御部280は、専用のコンピュータとして構成されている場合に限らず、汎用のコンピュータとして構成されていてもよい。例えば、上述のプログラムを格納した外部記憶装置123を用意し、この外部記憶装置123を用いて汎用のコンピュータにプログラムをインストールすること等により、本実施形態の制御部280を構成することができる。外部記憶装置としては、例えば、ハードディスク等の磁気ディスク、CD等の光ディスク、MO等の光磁気ディスク、USBメモリ等の半導体メモリ等が挙げられる。
【0094】
[作用]
次に、本開示に関わる基板処理装置の動作概要を、制御部280が行う制御手順に従って図8に示す成膜シーケンスを用いて説明する。図8には、本実施形態に係る成膜シーケンスにおけるガスの供給量(縦軸)と、ガス供給のタイミング(横軸)とがグラフで示されている。なお、反応管203には、予め所定枚数のウェハ200が載置されたボート217が搬入されており、シールキャップ219によって反応管203が気密に閉塞されている。
【0095】
〔ウェハチャージおよびボートロード〕
複数枚のウェハ200がボート217に装填(ウェハチャージ)される。その後、図1に示すように、複数枚のウェハ200を支持したボート217は、ボートエレベータ115によって持ち上げられて処理室201内へ搬入(ボートロード)される。この状態で、シールキャップ219は、Oリング220を介して反応管203の下端をシールした状態となる。
【0096】
〔圧力調整および温度調整〕
処理室201内、すなわち、ウェハ200が存在する空間が所望の圧力(真空度)となるように、真空ポンプ246によって処理室201内が真空排気(減圧排気)される。この際、処理室201内の圧力は圧力センサ245で測定され、この測定された圧力情報に基づきAPCバルブ244がフィードバック制御される。また、処理室201内のウェハ200が所望の温度となるように、ヒータ207によって加熱される。この際、処理室201内が所望の温度分布となるように、図示しない温度センサが検出した温度情報に基づきヒータ207への通電具合がフィードバック制御される。また、回転機構267によるウェハ200の回転を開始する。処理室201内の排気、ウェハ200の加熱および回転は、いずれも、少なくともウェハ200に対する処理が終了するまでの間は継続して行われる。
【0097】
〔成膜ステップ〕
その後、次のステップ1~4を順次実行する。
【0098】
(ステップ1)
先ず、処理室201内のウェハ200に対して、原料ガスを供給する。ここで、原料ガスとしては、例えば、アルミニウム(Al)、シリコン(Si)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)等のソースガスを用いることができる。
【0099】
具体的には、バルブ330cを開き、ガス供給管310c内へ原料ガスを流す。原料ガスは、MFC320cにより流量調整され、ガスノズル340cを介して処理室201内へ供給される。原料ガスは、ガスノズル340cに設けられた第1噴射孔60cおよび第2噴射孔61cから噴射され、処理室201内へ供給された後、排気管231より排気される。
【0100】
これにより、ウェハ200に対して原料ガスが供給され、ウェハ200の表面上に原料ガスに含まれる元素を含む層が形成される。
【0101】
このとき、バルブ330a,330e,330f,330g,330hを開き、ガス供給管310a~310e内へ不活性ガスを流すようにしてもよい。ここで、不活性ガスとは、窒素(N2)ガスとする。この場合、不活性ガスは、MFC320a,320e,320f,320g,320hにより流量調整され、ガスノズル340a~340eを介して処理室201内へ供給される。
【0102】
ウェハ200の表面上に原料ガスに含まれる元素を含む層を形成した後、バルブ320cを閉じ、処理室201内への原料ガスの供給を停止する。
【0103】
(ステップ2)
次に、処理室201内を真空排気し、処理室201内に残留するガス等を処理室201内から排除する。このとき、バルブ330a,330e,330f,330g,330hを開き、処理室201内へ不活性ガスを供給し、排気管231より排気する。不活性ガスは、パージガスとして作用する。
【0104】
(ステップ3)
次に、処理室201内のウェハ200に対して、第1反応ガスおよび第2反応ガスを同時に供給する。ここで、第1反応ガスは、オゾン(O3)と酸素(O2)の混合ガスとする。また、第2反応ガスは、水素(H2)ガスとする。
【0105】
具体的には、バルブ320b,320dを開き、ガス供給管310b,310d内へ第1反応ガスおよび第2反応ガスをそれぞれ流す。第1反応ガスおよび第2反応ガスは、それぞれ、MFC320b,320dにより流量調整され、ガスノズル340b,340dを介して処理室201内へ供給される。第1反応ガスは、ガスノズル340bに設けられた第1噴射孔60bおよび第2噴射孔61bから噴射され、処理室201内へ供給される。第2反応ガスは、ガスノズル340dに設けられた第1噴射孔60dおよび第2噴射孔61dから噴射され、処理室201内へ供給される。第1反応ガスおよび第2反応ガスは、処理室201内で混合して反応し、その後、排気管231より排気される。
【0106】
これにより、ウェハ200に対して第1反応ガス(O3およびO2の混合ガス)および第2反応ガス(H2ガス)が同時かつ一緒に供給される。処理室201内へ第1反応ガス(O3およびO2の混合ガス)および第2反応ガス(H2ガス)を同時かつ一緒に供給することで、これらのガスは、加熱された減圧雰囲気下においてノンプラズマで熱的に活性化(励起)されて反応し、それにより、原子状酸素(O)等の酸素を含む水分(H2O)非含有の酸化種が生成される。そして、主にこの酸化種により、ステップ1でウェハ200上に形成された層に対して酸化処理が行われる。
【0107】
ウェハ200の表面上に形成された層に対する酸化処理を行った後、バルブ320b,320dを閉じ、処理室201内への第1反応ガスおよび第2反応ガスの供給を停止する。
【0108】
(ステップ4)
最後に、処理室201内を真空排気し、処理室201内に残留するガス等を処理室201内から排除する。このとき、バルブ330a,330e,330f,330g,330hを開き、処理室201内へ不活性ガスを供給し、排気管231より排気する。不活性ガスは、パージガスとして作用する。
【0109】
〔所定回数実施]
上記の成膜ステップを非同時に、すなわち、同期させることなく行うサイクルを1回以上(n回)行うことにより、ウェハ200上に、所望の酸化物膜を形成することができる。上述のサイクルは、複数回繰り返すのが好ましい。すなわち、1サイクルあたりに形成する層の厚さを所望の膜厚よりも小さくし、層を積層することで形成される膜の膜厚が所望の膜厚になるまで、上述のサイクルを複数回繰り返すのが好ましい。
【0110】
〔アフターパージおよび大気圧復帰〕
成膜ステップが終了した後、バルブ330a,330e,330f,330g,330hを開き、処理室201内へ不活性ガスを供給し、排気管231より排気する。不活性ガスは、パージガスとして作用する。これにより、処理室201内がパージされ、処理室201内に残留するガスや反応副生成物が処理室201内から除去される(アフターパージ)。その後、処理室201内の雰囲気が不活性ガスに置換され(不活性ガス置換)、処理室201内の圧力が常圧に復帰される(大気圧復帰)。
【0111】
〔ボートアンロードおよびウェハディスチャージ〕
ボートエレベータ115によりシールキャップ219が下降され、反応管203の下端が開口される。そして、処理済のウェハ200が、ボート217に支持された状態で、反応管203の下端から反応管203の外部に搬出(ボートアンロード)される。処理済のウェハ200は、反応管203の外部に搬出された後、ボート217より取出される(ウェハディスチャージ)。
【0112】
[まとめ]
以上説明したように、ガスノズル340a~340eは、ガスノズル340a~340eの長手方向Lに沿って、ウェハ200が配列される区間に設けられ、ガスを供給する第1噴射孔60a~60eと、ガスノズル340a~340eの先端において、ガスノズル340a~340eの流路断面積Aよりも小さい面積で、長手方向Lに対して斜めに開口するように設けられる複数の第2噴射孔61a~61eと、を有する。
【0113】
このように、ガスノズル340a~340eの先端に複数の第2噴射孔61a~61eを設けることにより、ガスノズル340a~340eの先端付近でのガスの滞留を抑制しつつ、第1噴射孔60a~60eの径を従来の構成から変えずに、第1噴射孔60a~60eからのガスの供給量を、ノズルの長手方向において均等化することができる。
【0114】
また、ガスノズル340a~340eの先端に複数の第2噴射孔61a~61eを設けることにより、ガスノズル340a~340eの内圧を下げることができるため、ガスノズル340a~340eから供給するガスをオゾン(O3)とした場合でも、オゾン(O3)の減衰を抑え、オゾン(O3)の供給量をノズルの長手方向において均等化することができる。
【0115】
また、第2噴射孔61a~61eについて、長手方向Lに対して斜めに開口するように設けることにより、第2噴射孔61a~61eにおいてガスの流れが偏向され、垂直に開口した場合と同じ開口面積でも、流速を遅くすることができる。その結果、ガスノズル340a~340eの内圧が過剰に低下したり、第1噴射孔60a~60eから噴射するガスの流速が過剰に低下することを抑制できるため、第1噴射孔60a~60eからのガスの供給量を、ノズルの長手方向において均等化することができる。
【0116】
また、ガスノズル340a~340eの先端は、半球状の天井で構成され、複数の第2噴射孔61a~61eは、天井の先端以外の位置に、長手方向Lを対称軸とする回転対称に配置されている。
【0117】
このような構成とすることにより、ガスノズル340a~340eの内圧の偏差を小さくすることができるため、ノズルの長手方向における第1噴射孔60a~60eからのガスの供給量の均等化に有利となる。
【0118】
また、ガスノズル340a~340eにおいて、第1噴射孔60a~60eは、ガスノズル340a~340eの長手方向Lに沿って複数設けられ、それぞれが略等しい開口面積を有し、複数の第2噴射孔61a~61eのそれぞれは、複数の第1噴射孔60a~60eの内の1つの開口面積以下の略等しい開口面積を有する。
【0119】
このように、複数の第1噴射孔60a~60eの開口面積を略等しくすることにより、水平姿勢で垂直方向に多段に整列した状態で保持されたウェハ200に対して均等にガスを供給し易くすることができる。
【0120】
また、複数の第2噴射孔61a~61eのそれぞれについて、複数の第1噴射孔60a~60eの内の1つの開口面積以下の略等しい開口面積とすることにより、ガスノズル340a~340eの内圧の偏差を小さくすることができるため、ノズルの長手方向における第1噴射孔60a~60eからのガスの供給量の均等化に有利となる。
【0121】
また、処理室201は、ガス噴射器50a~50eを収容するノズル室222を有する。このような構成とすることにより、各ノズル室222間で、ガスが混ざり合うことを抑制することができる。
【0122】
また、ガスノズル340a~340eは、ガスが供給される入口から、入口に最も近い第1噴射孔60a~60eまでの間に助走区間Sを有し、複数の第2噴射孔61a~61eの開口面積の合計は、助走区間Sの流路断面積Aの0%より大きく3%以下となるように構成されている。
【0123】
このように、ガスノズル340a~340eに助走区間Sを設けることにより、ガスノズル340a~340e内において、第1噴射孔60a~60eの形成領域に侵入するガスの速度を速くでき、ガスノズル340a~340eの先端部分までガスの速度を維持させ易くなるため、ノズルの長手方向における第1噴射孔60a~60eからのガスの供給量の均等化に有利となる。
【0124】
また、複数の第2噴射孔61a~61eの開口面積の合計を、助走区間Sの流路断面積Aの0%より大きく3%以下となるように構成することにより、複数の第2噴射孔61a~61eの開口面積の合計が、助走区間Sの流路断面積Aの3%を超えた場合と比較して、ガスノズル340a~340eの内圧が過剰に低下したり、第1噴射孔60a~60eから噴射するガスの流速が過剰に低下することを抑制できるため、ノズルの長手方向における第1噴射孔60a~60eからのガスの供給量の均等化に有利となる。
【0125】
また、ガスノズル340a~340eにおいて、助走区間Sの長さは、ガスノズル340a~340eの全長の1/3以上となるように構成されている。
【0126】
このような構成とすることにより、ガスノズル340a~340e内において、第1噴射孔60a~60eの形成領域に侵入するガスの速度を速くでき、ガスノズル340a~340eの先端部分までガスの速度を維持させ易くなるため、ノズルの長手方向における第1噴射孔60a~60eからのガスの供給量の均等化に有利となる。
【0127】
<変形例1>
【0128】
ガスノズルの形状は、図3に示されるように、先端が閉じた円筒形で、かつ内径が一定のロングノズルに限らず、図9に示すガスノズル340fのように、入口から先端に向かうにつれて内径が細くなり、先端部65のみ球形状に内径が拡大した形状としてもよい。
【0129】
ガスノズル340fは、ガスノズル340fの長手方向Lに沿って形成された複数の第1噴射孔60fと、ガスノズル340fの先端部65において形成された複数の第2噴射孔60fと、を有する。
【0130】
なお、ガスノズル340fにおいては、先端部65に複数の第2噴射孔60fを形成する代わりに、先端部65を多孔質石英で形成してもよい。
【0131】
<変形例2>
【0132】
ガスノズルの先端において、ガスノズルの長手方向に向いて開口する孔がある場合、当該孔の開口面積は、複数の第2噴射孔のいずれの開口面積よりも小さくすることが好ましい。
【0133】
このような構成とすることにより、ガスノズルの長手方向に向いて開口から流速が高い状態で噴射されるガスの量を抑え、ガスノズルの内圧が過剰に低下したり、第1噴射孔から噴射するガスの流速が過剰に低下することを抑制できるため、ノズルの長手方向における第1噴射孔からのガスの供給量の均等化に有利となる。
【0134】
以上、本開示の種々の典型的な実施形態を説明してきたが、本開示はそれらの実施形態に限定されず、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することができる。例えば、ガスノズルの先端は半球状のものに限定されず、多面体や、平面と曲面の組合せによって上方に膨らんだ形状としても良く、完全に平坦でも良く、凹んだ形状でも良い。
【0135】
例えば、本開示の実施形態における基板処理装置は、半導体を製造する半導体製造装置だけではなく、LCD装置の様なガラス基板を処理する装置でも適用可能である。また、基板に対する処理は、例えば、CVD、PVD、酸化膜、窒化膜を形成する処理、金属を含む膜を形成する処理、アニール処理、酸化処理、窒化処理、拡散処理等を含む。また、露光装置、塗布装置、乾燥装置、加熱装置等の各種基板処理装置にも適用可能であるのは言うまでもない。
【0136】
<本開示の好ましい態様>
以下に、本開示の好ましい態様について付記する。
【0137】
[付記1]
処理室と、
前記処理室内に配置され、複数の基板を配列して保持する基板保持具と、
前記複数の基板が配列される方向に沿って伸びる管を有し、前記処理室内にガスを供給するガス噴射器と、を備え、
前記ガス噴射器は、前記管の長手方向に沿って、前記複数の基板が配列される区間に設けられ、ガスを供給する第1噴射孔と、前記管の先端において、前記管の流路断面積よりも小さい面積で、前記長手方向に対して斜めに開口するように設けられる複数の第2噴射孔と、を有する
基板処理装置。
【0138】
[付記2]
付記1の基板処理装置であって、
前記管の先端は、半球状の天井で構成され、
前記複数の第2噴射孔は、前記天井の先端以外の位置に、前記長手方向を対称軸とする回転対称に配置される。
【0139】
[付記3]
付記1または2の基板処理装置であって、
前記第1噴射孔は、前記管の長手方向に沿って複数設けられ、それぞれが略等しい開口面積を有し、
前記複数の第2噴射孔のそれぞれは、複数の前記第1噴射孔の内の1つの開口面積以下の略等しい開口面積を有する。
【0140】
[付記4]
付記1から3のいずれかの基板処理装置であって、
前記処理室は、前記ガス噴射器を収容する噴射器室を有する。
【0141】
[付記5]
付記1から4のいずれかの基板処理装置であって、
前記管は、ガスが供給される入口から、前記入口に最も近い第1噴射孔までの間に助走区間を有し、
前記複数の第2噴射孔の開口面積の合計は、前記助走区間の流路断面積の0%より大きく3%以下である。
【0142】
[付記6]
付記1から5のいずれかの基板処理装置であって、
前記管の先端において、前記長手方向に向いて開口する孔がある場合、当該孔の開口面積は、前記複数の第2噴射孔のいずれの開口面積よりも小さい。
【0143】
[付記7]
付記1から6のいずれかの基板処理装置であって、
前記管は、ガスが供給される入口から、前記入口に最も近い第1噴射孔までの間に助走区間を有し、
前記助走区間の長さは、前記管の全長の1/3以上である。
【0144】
[付記8]
処理室と、前記処理室内に配置され、複数の基板を配列して保持する基板保持具と、前記複数の基板が配列される方向に沿って伸びる管を有し、前記処理室内にガスを供給するガス噴射器と、を備え、前記ガス噴射器は、前記管の長手方向に沿って、前記複数の基板が配列される区間に設けられ、ガスを供給する第1噴射孔と、前記管の先端において、前記管の流路断面積よりも小さい面積で、前記長手方向に対して斜めに開口するように設けられる複数の第2噴射孔と、を有する基板処理装置の前記処理室に基板を搬入する工程と、
前記基板を処理する工程と、を有する
半導体装置の製造方法。
【0145】
[付記9]
複数の基板が配列される方向に沿って伸びる管と、
前記管の長手方向に沿って、前記複数の基板が配列される区間に設けられ、ガスを供給する第1噴射孔と、
前記管の先端において、前記管の流路断面積よりも小さい面積で、前記長手方向に対して斜めに開口するように設けられる第2噴射孔と、
を有するガス噴射器。
【符号の説明】
【0146】
10 基板処理装置
50a~50e ガス噴射器
60a~60f 第1噴射孔
61a~61f 第2噴射孔
200 ウェハ(基板の一例)
201 処理室
217 ボート(基板保持具の一例)
222 ノズル室(噴射器室の一例)
340a~340f ガスノズル(管の一例)
350a~350e ノズル支持部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9