(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-06
(45)【発行日】2023-07-14
(54)【発明の名称】動画を配信する配信サーバ、動画配信システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 21/262 20110101AFI20230707BHJP
H04N 21/239 20110101ALI20230707BHJP
H04N 21/6377 20110101ALI20230707BHJP
【FI】
H04N21/262
H04N21/239
H04N21/6377
(21)【出願番号】P 2019108369
(22)【出願日】2019-06-11
【審査請求日】2022-05-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000004352
【氏名又は名称】日本放送協会
(74)【代理人】
【識別番号】100121119
【氏名又は名称】花村 泰伸
(72)【発明者】
【氏名】山本 正男
(72)【発明者】
【氏名】大西 正芳
(72)【発明者】
【氏名】黒住 正顕
(72)【発明者】
【氏名】西村 敏
(72)【発明者】
【氏名】森 翔平
(72)【発明者】
【氏名】福留 大貴
【審査官】醍醐 一貴
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-154020(JP,A)
【文献】特開2007-226360(JP,A)
【文献】特開2015-033022(JP,A)
【文献】特開2018-163559(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00-21/858
H04L 51/00-51/58
H04L 67/00-67/75
G06F 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の動画ストリームを、オープンインターネット及びモバイルネットワークを介して配信する第1の配信サーバと、緊急速報の動画ストリームである緊急動画ストリームを、前記モバイルネットワークを介して配信するMEC(モバイルエッジコンピューティング)の第2の配信サーバと、ユーザの所望する前記動画ストリームを受信して再生し、前記緊急速報が発生すると、前記緊急動画ストリームを受信して再生する端末装置と、を備えて構成される動画配信システムにおける前記第1の配信サーバであって、
前記第2の配信サーバのアドレスが第2アドレスとして格納されたメモリと、
前記端末装置から送信された配信要求を受信する配信要求受信部と、
前記配信要求受信部により受信された前記配信要求に対応する前記動画ストリームを、前記端末装置へ送信する動画送信部と、
前記端末装置から送信された配信経路切替要求を受信する配信経路切替要求受信部と、
前記配信経路切替要求受信部により前記配信経路切替要求が受信されると、前記メモリから前記第2アドレスを読み出し、前記端末装置が前記第2の配信サーバから前記緊急動画ストリームの配信を受けるように、前記第2アドレスを前記端末装置へ送信する緊急切替先アドレス送信部と、
前記緊急速報が終了すると、前記緊急動画ストリームの配信を停止させるための配信停止要求と共に、前記端末装置が当該第1の配信サーバから前記動画ストリームの配信を受けるように、当該第1の配信サーバのアドレスである第1アドレスを前記第2の配信サーバへ送信する配信停止要求送信部と、
を備えたことを特徴とする第1の配信サーバ。
【請求項2】
所定の動画ストリームを、オープンインターネット及びモバイルネットワークを介して配信する第1の配信サーバと、緊急速報の動画ストリームである緊急動画ストリームを、前記モバイルネットワークを介して配信するMEC(モバイルエッジコンピューティング)の第2の配信サーバと、ユーザの所望する前記動画ストリームを受信して再生し、前記緊急速報が発生すると、前記緊急動画ストリームを受信して再生する端末装置と、を備えて構成される動画配信システムにおいて、
前記端末装置が、前記第1の配信サーバから前記動画ストリームを受信しているときに、前記緊急速報の通知があると、配信経路切替要求を前記第1の配信サーバへ送信し、
前記第1の配信サーバが、前記配信経路切替要求を受信すると、前記第2の配信サーバのアドレスである第2アドレスを前記端末装置へ送信し、
前記端末装置が、前記第2アドレスを受信すると、緊急配信要求を前記第2の配信サーバへ送信し、
前記第2の配信サーバが、前記緊急配信要求を受信すると、前記緊急動画ストリームを前記端末装置へ送信し、
前記第1の配信サーバが、前記緊急速報の終了に伴い、配信停止要求、及び当該第1の配信サーバのアドレスである第1アドレスを前記第2の配信サーバへ送信し、
前記第2の配信サーバが、前記配信停止要求及び前記第1アドレスを受信すると、前記緊急動画ストリームの送信を停止し、前記第1アドレスを前記端末装置へ送信し、
前記端末装置が、前記第1アドレスを受信すると、前記第1の配信サーバから前記動画ストリームを受信するための配信要求を、前記第1の配信サーバへ送信する、ことを特徴とする動画配信システム。
【請求項3】
請求項2に記載の動画配信システムにおいて、
前記第2の配信サーバが、前記緊急動画ストリームを前記端末装置へ送信する際に、前記端末装置が前記緊急動画ストリームを再生するときにバッファに格納する前記緊急動画ストリームの時間長であって、前記動画ストリームを再生するときに前記バッファに格納する前記動画ストリームよりも短い前記時間長のバッファ量を、前記端末装置へ送信し、
前記端末装置が、前記バッファ量を受信し、前記緊急動画ストリームを受信し、前記緊急動画ストリームを前記バッファに格納し、前記バッファ量が示す前記時間長に対応する前記緊急動画ストリームが前記バッファに格納されたときに、前記バッファから前記緊急動画ストリームを読み出し、緊急動画を再生する、ことを特徴とする動画配信システム。
【請求項4】
請求項2または3に記載の動画配信システムにおいて、
前記端末装置が、前記緊急速報の通知を、前記緊急速報を送信する第4の配信サーバからエリアメールにて受信するか、または、前記第1の配信サーバからプッシュ通知にて受信する、ことを特徴とする動画配信システム。
【請求項5】
コンピュータを、請求項1に記載の第1の配信サーバとして機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動画を配信する配信サーバ、動画配信システム及びプログラムに関し、特に、インターネットを介して通常の動画を配信し、モバイルキャリア網のネットワークスライスを利用して低遅延の動画を配信する配信技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インターネットを介して動画を配信する動画配信システムにおいては、ネットワークの混雑状況により、受信側の端末装置毎に利用可能な通信帯域が時々刻々と変化する現状がある。
【0003】
このような動画配信システムでは、HLS(Hi-speed Link System)、MPEG-DASH(MPEG Dynamic Adaptive Streaming over HTTP)等のアダプティブストリーミング方式が一般的に用いられている。
【0004】
動画を受信する端末装置は、通信帯域の変化に対してバッファがアンダーフローしないように、例えば5秒、10秒分の動画ストリームをバッファに蓄積した後、動画再生を開始する。動画ストリームのバッファリングの詳細については、非特許文献1を参照されたい。
【0005】
このように、動画ストリームをバッファに蓄積することにより、インターネットまたは配信サーバでのアクセスの輻輳によるスループットの変動を吸収することができ、バッファのアンダーフローによる動画再生の途切れを抑制することができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【文献】“モバイルネットワークを利用した動画配信ガイドライン~効率的な動画配信に向けて 第1.0版”、[online]、2014年5月29日、株式会社NTTドコモ、[令和1年5月31日検索]、インターネット<URL:https://www.nttdocomo.co.jp/binary/pdf/service/developer/smart_phone/etc/mobile_movie_guide_1_0.pd>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、端末装置が動画ストリームをバッファに蓄積する場合、動画再生は、動画ストリームがバッファに一定量蓄積されたときに行われることから、一定量蓄積されるまでの時間分、再生開始が遅れてしまう。例えば、5秒分の動画ストリームをバッファに蓄積したときに動画再生を開始する場合には、再生開始までに少なくとも5秒の待ち時間が発生する。
【0008】
ここで、緊急地震速報等の緊急性を要する動画のように、即時再生が望まれる場合には、その緊急性に対応するために、待ち時間はできる限り短くすべきである。緊急速報の動画は、ユーザに安心感を与える点においても、低遅延かつ短時間で再生されることが望ましい。
【0009】
また、配信サーバからインターネットを介して端末装置へ動画ストリームを配信する動画配信システムにおいて、インターネットは、輻輳による遅延の影響のあるネットワークである。
【0010】
このため、緊急性を要しない動画については、インターネットを経由して配信を行い、緊急速報の動画については、インターネットを経由しないように配信が行われることが望ましい。
【0011】
そこで、本発明は前記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、緊急速報の動画を配信する際に、ネットワーク上の輻輳による遅延の影響を受け難く、高速配信が可能な配信サーバ、動画配信システム及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記課題を解決するために、請求項1の配信サーバは、所定の動画ストリームを、オープンインターネット及びモバイルネットワークを介して配信する第1の配信サーバと、緊急速報の動画ストリームである緊急動画ストリームを、前記モバイルネットワークを介して配信するMEC(モバイルエッジコンピューティング)の第2の配信サーバと、ユーザの所望する前記動画ストリームを受信して再生し、前記緊急速報が発生すると、前記緊急動画ストリームを受信して再生する端末装置と、を備えて構成される動画配信システムにおける前記第1の配信サーバであって、前記第2の配信サーバのアドレスが第2アドレスとして格納されたメモリと、前記端末装置から送信された配信要求を受信する配信要求受信部と、前記配信要求受信部により受信された前記配信要求に対応する前記動画ストリームを、前記端末装置へ送信する動画送信部と、前記端末装置から送信された配信経路切替要求を受信する配信経路切替要求受信部と、前記配信経路切替要求受信部により前記配信経路切替要求が受信されると、前記メモリから前記第2アドレスを読み出し、前記端末装置が前記第2の配信サーバから前記緊急動画ストリームの配信を受けるように、前記第2アドレスを前記端末装置へ送信する緊急切替先アドレス送信部と、前記緊急速報が終了すると、前記緊急動画ストリームの配信を停止させるための配信停止要求と共に、前記端末装置が当該第1の配信サーバから前記動画ストリームの配信を受けるように、当該第1の配信サーバのアドレスである第1アドレスを前記第2の配信サーバへ送信する配信停止要求送信部と、を備えたことを特徴とする。
【0013】
さらに、請求項2の動画配信システムは、所定の動画ストリームを、オープンインターネット及びモバイルネットワークを介して配信する第1の配信サーバと、緊急速報の動画ストリームである緊急動画ストリームを、前記モバイルネットワークを介して配信するMEC(モバイルエッジコンピューティング)の第2の配信サーバと、ユーザの所望する前記動画ストリームを受信して再生し、前記緊急速報が発生すると、前記緊急動画ストリームを受信して再生する端末装置と、を備えて構成される動画配信システムにおいて、前記端末装置が、前記第1の配信サーバから前記動画ストリームを受信しているときに、前記緊急速報の通知があると、配信経路切替要求を前記第1の配信サーバへ送信し、前記第1の配信サーバが、前記配信経路切替要求を受信すると、前記第2の配信サーバのアドレスである第2アドレスを前記端末装置へ送信し、前記端末装置が、前記第2アドレスを受信すると、緊急配信要求を前記第2の配信サーバへ送信し、前記第2の配信サーバが、前記緊急配信要求を受信すると、前記緊急動画ストリームを前記端末装置へ送信し、前記第1の配信サーバが、前記緊急速報の終了に伴い、配信停止要求、及び当該第1の配信サーバのアドレスである第1アドレスを前記第2の配信サーバへ送信し、前記第2の配信サーバが、前記配信停止要求及び前記第1アドレスを受信すると、前記緊急動画ストリームの送信を停止し、前記第1アドレスを前記端末装置へ送信し、前記端末装置が、前記第1アドレスを受信すると、前記第1の配信サーバから前記動画ストリームを受信するための配信要求を、前記第1の配信サーバへ送信する、ことを特徴とする。
【0014】
また、請求項3の動画配信システムは、請求項2に記載の動画配信システムにおいて、前記第2の配信サーバが、前記緊急動画ストリームを前記端末装置へ送信する際に、前記端末装置が前記緊急動画ストリームを再生するときにバッファに格納する前記緊急動画ストリームの時間長であって、前記動画ストリームを再生するときに前記バッファに格納する前記動画ストリームよりも短い前記時間長のバッファ量を、前記端末装置へ送信し、前記端末装置が、前記バッファ量を受信し、前記緊急動画ストリームを受信し、前記緊急動画ストリームを前記バッファに格納し、前記バッファ量が示す前記時間長に対応する前記緊急動画ストリームが前記バッファに格納されたときに、前記バッファから前記緊急動画ストリームを読み出し、緊急動画を再生する、ことを特徴とする。
【0015】
また、請求項4の動画配信システムは、請求項2または3に記載の動画配信システムにおいて、前記端末装置が、前記緊急速報の通知を、前記緊急速報を送信する第4の配信サーバからエリアメールにて受信するか、または、前記第1の配信サーバからプッシュ通知にて受信する、ことを特徴とする。
【0016】
さらに、請求項5のプログラムは、コンピュータを、請求項1に記載の配信サーバとして機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
以上のように、本発明によれば、緊急速報の動画を配信する際に、ネットワーク上の輻輳による遅延の影響を受け難く、高速配信を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】動画配信システムの全体構成例を示す概略図である。
【
図2】緊急地震速報が発生したときの経路切り替え処理のシーケンスを説明する図である。
【
図4】端末装置の処理例を示すフローチャートである。
【
図5】通常用の配信サーバの構成例を示すブロック図である。
【
図6】通常用の配信サーバの処理例を示すフローチャートである。
【
図7】通常用の配信サーバのメモリに格納されたデータ例を示す図である。
【
図8】緊急用の配信サーバの構成例を示すブロック図である。
【
図9】緊急用の配信サーバの処理例を示すフローチャートである。
【
図10】緊急用の配信サーバのメモリに格納されたデータ例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて詳細に説明する。本発明は、コンテンツ提供事業者の配信サーバからインターネットを介して端末装置へ動画を配信しているときに緊急速報が発生すると、緊急速報の動画を、モバイルキャリア網に設置したMEC(Mobile Edge Computing:モバイルエッジコンピューティング)を実現する配信サーバから配信するように、配信経路を切り替えることを特徴とする。
【0020】
これにより、緊急速報の動画は、コンテンツ提供事業者の配信サーバからインターネットを介して配信されることがなく、MECを実現する配信サーバから低遅延かつ短時間で配信される。したがって、緊急速報の動画を配信する際に、輻輳による遅延の影響を受け難く、高速配信を実現することができ、端末装置を操作するユーザは安心感を得ることができる。
【0021】
〔動画配信システム〕
まず、動画配信システムの全体構成について説明する。
図1は、動画配信システムの全体構成例を示す概略図である。この動画配信システム1は、端末装置3を操作するユーザの所望する動画ストリームを、コンテンツ提供事業者の配信サーバ11から端末装置3へ配信しているときに、気象庁5による緊急地震速報が発生すると、配信経路を切り替えることで、緊急速報の動画ストリーム(緊急動画ストリーム)を、高速のネットワークスライスを利用したモバイルキャリア網のMECを実現する配信サーバ14から端末装置3へ配信する。
【0022】
動画配信システム1は、通常配信システム2-1、高速配信システム2-2、エリアメール配信システム2-3、端末装置3、放送局(の設備)4及び気象庁(の設備)5を備えて構成される。
【0023】
通常配信システム2-1及び端末装置3は、オープンインターネット7、モバイル基地局6-1及びモバイルネットワーク8を介して接続される。高速配信システム2-2及び端末装置3は、モバイル基地局6-1及びモバイルネットワーク8を介して接続される。エリアメール配信システム2-3及び端末装置3は、モバイル基地局6-2及びモバイルネットワーク8を介して接続される。
【0024】
通常配信システム2-1は、コンテンツ提供事業者配信設備10及び通常用の配信サーバ11を備えており、端末装置3からの配信要求に従い、端末装置3を操作するユーザが視聴する動画ストリームを端末装置3へ配信する。通常配信システム2-1により、オープンインターネット7を介したベストエフォート型の動画配信が行われる。
【0025】
コンテンツ提供事業者配信設備10は、コンテンツ提供事業者が保持する設備であり、端末装置3が要求する動画のトランスコード・ストリーム化(後述するトランスコード・ストリーム化装置13と同様の処理)等を行い、動画ストリームを生成し、動画ストリームを配信サーバ11へ送信する。
【0026】
配信サーバ11は、CDN(Content Delivery Network:コンテンツデリバリネットワーク)サービスを利用することで、ユーザが所望する動画ストリームを送信するサーバである。
図1に示すように、配信サーバ11を通常用のサーバとするのは、配信サーバ14を緊急用のサーバとすることに対応させたものである。配信サーバ11のアドレスをbとする。CDNは、動画ストリームをキャッシュして配信するサービスを提供するネットワークであり、動画ストリーミングのために一般に用いられる技術である。
【0027】
配信サーバ11は、コンテンツ提供事業者配信設備10から動画ストリームを受信し、動画ストリーム(のパケット)を、オープンインターネット7、モバイル基地局6-1及びモバイルネットワーク8を介して端末装置3へ送信する。
【0028】
尚、通常配信システム2-1の配信サーバ11は、CDNサービスを利用しなくてもよく、通常配信システム2-1のコンテンツ提供事業者配信設備10には、配信サーバ11が含まれるようにしてもよい。
【0029】
高速配信システム2-2は、モバイルキャリア網内に設けられている。高速配信システム2-2は、高速スライスを利用するシステムであり、放送信号復号装置12、トランスコード・ストリーム化装置13及び緊急用の配信サーバ14を備えている。高速配信システム2-2は、端末装置3からの配信要求に従い、緊急動画ストリームを端末装置3へ配信する。
【0030】
スライスとは、ネットワークスライシング技術と呼ばれるソフトウェアにより通信路を確立する手法であり、伝送容量、遅延時間等のパラメータを柔軟に設定できる特長がある。ここでは、遅延時間が極めて短い(例えば1sec)スライスを、高速スライスという。高速配信システム2-2により、高速スライスの緊急動画配信が実現され、端末装置3は、緊急速報が発生してから短時間で、緊急動画ストリームを受信し再生することができる。
【0031】
放送信号復号装置12は、放送局4から送信された緊急速報の動画を含む地上デジタル放送信号を、放送受信アンテナを介して受信し、地上デジタル放送信号を復号し、復号信号をトランスコード・ストリーム化装置13へ送信する。
【0032】
トランスコード・ストリーム化装置13は、放送信号復号装置12から復号信号を受信する。そして、トランスコード・ストリーム化装置13は、復号信号を、AVC(Advanced Video Coding)等の符号化方式にてトランスコードし、HLS、MPEG-DASH等のアダプティブストリーミングのストリームを生成する。
【0033】
トランスコード・ストリーム化装置13は、生成したストリームを緊急動画ストリームとして、配信サーバ14へ送信する。
【0034】
配信サーバ14は、端末装置3に近いエッジに設置され、MECを実現する高速配信が可能な装置(MEC装置)であり、緊急速報が発生したときに緊急動画ストリームを配信する緊急用のサーバである。配信サーバ14のアドレスをaとする。
【0035】
配信サーバ14は、トランスコード・ストリーム化装置13から緊急動画ストリームを受信し、緊急動画ストリーム(のパケット)を、モバイル基地局6-1及びモバイルネットワーク8を介して端末装置3へ送信する。
【0036】
エリアメール配信システム2-3は、モバイルキャリア網内に設けられ、配信サーバ15等を備えている。エリアメール配信システム2-3は、例えば緊急地震速報が発生したときに、緊急地震速報を含むエリアメールを端末装置3へ配信する。
【0037】
エリアメール配信システム2-3の図示しない配信設備は、緊急地震速報が発生すると、気象庁5から緊急地震速報を受信する。そして、配信サーバ15は、緊急地震速報を含むエリアメールを生成し、エリアメールを、モバイル基地局6-2及びモバイルネットワーク8を介して、地震発生が想定される所定エリア内の端末装置3へ送信する。
【0038】
端末装置3は、通常配信システム2-1の配信サーバ11からオープンインターネット7、モバイル基地局6-1及びモバイルネットワーク8を介して、ユーザの所望する動画ストリームであって、配信要求に対応する動画ストリームを受信し、動画を再生する。
【0039】
端末装置3は、エリアメール配信システム2-3の配信サーバ15からモバイル基地局6-2及びモバイルネットワーク8を介して、緊急地震速報を含むエリアメールを受信する。そして、端末装置3は、緊急地震速報に関する緊急動画ストリームを受信するための経路切り替えの処理を行う。
【0040】
端末装置3は、高速配信システム2-2の配信サーバ14からモバイル基地局6-1及びモバイルネットワーク8を介して、緊急動画ストリームを受信し、緊急動画を再生する。
【0041】
〔緊急地震速報発生時の経路切り替え〕
次に、緊急地震速報発生時の経路切り替え処理について説明する。
図2は、緊急地震速報が発生したときの経路切り替え処理のシーケンスを説明する図である。
【0042】
通常配信システム2-1に備えたコンテンツ提供事業者の通常用の配信サーバ11は、ユーザが操作する端末装置3からの配信要求に従い、ユーザの所望する動画ストリームを端末装置3へ送信しているものとする(ステップS201)。端末装置3は、配信サーバ11から動画ストリームを受信し、動画を再生する。
【0043】
ここで、気象庁5において緊急地震速報が発生したとする。そうすると、エリアメール配信システム2-3は、気象庁5から緊急地震速報を受けて、エリアメール配信システム2-3に備えたモバイルキャリア網内の配信サーバ15は、緊急地震速報を含むエリアメールを生成する。そして、配信サーバ15は、エリアメールを、地震発生が想定される所定エリア内の端末装置3へ送信する(ステップS202)。
【0044】
端末装置3は、緊急地震速報を含むエリアメールを受信すると、動画ストリームが格納された後述するバッファ23をクリアする。そして、端末装置3は、配信経路を切り替えるために、緊急動画ストリームを配信する緊急用の配信サーバ14のアドレスaを取得するための配信経路切替要求を配信サーバ11へ送信する(ステップS203)。
【0045】
配信サーバ11は、端末装置3から配信経路切替要求を受信すると、動画ストリームの配信を停止する。そして、配信サーバ11は、予め保持している緊急切替先である配信サーバ14のアドレスaを後述するメモリ57から読み出す。配信サーバ11は、端末装置3が配信サーバ14から緊急動画ストリームの配信を受けるように、緊急切替先のアドレスaを端末装置3へ送信する(ステップS204)。
【0046】
端末装置3は、配信サーバ11から緊急切替先のアドレスaを受信すると、緊急動画ストリームを配信する配信サーバ14のアドレスaを認識する。そして、端末装置3は、配信サーバ11からのオープンインターネット7及びモバイルネットワーク8を介する配信経路を、配信サーバ14からのモバイルネットワーク8を介する配信経路に切り替えるものと判断する。端末装置3は、緊急動画ストリームを配信するための配信要求(緊急配信要求)を配信サーバ14へ送信する(ステップS205)。
【0047】
配信サーバ14は、端末装置3から配信要求を受信すると、緊急動画ストリームの配信に先立って、端末装置3が緊急動画ストリームを後述するバッファ23に格納して再生する際のバッファ量に関するデータを端末装置3へ送信する。そして、配信サーバ14は、緊急動画ストリームを端末装置3へ送信する(ステップS206)。これにより、緊急動画ストリームの配信が開始する。
【0048】
端末装置3が緊急動画ストリームを後述するバッファ23に格納して再生する際のバッファ量に関するデータは、配信サーバ14に備えた後述するメモリ45に予め格納されており、例えば1secの時間長に対応する緊急動画ストリームのデータ量である。これに対し、端末装置3が動画ストリームを後述するバッファ23に格納して再生する際のバッファ量に関するデータは、配信サーバ11に備えた後述するメモリ57に予め格納されており、例えば5secの時間長に対応する動画ストリームのデータ量である。
【0049】
つまり、緊急動画ストリームを再生する際のバッファ量が示す時間長は、動画ストリームを再生する際のバッファ量が示す時間長よりも短いから、緊急動画ストリームは、動画ストリームよりも遅延することなく短時間で再生することができる。
【0050】
端末装置3は、配信サーバ14からの緊急動画ストリームの受信に先立って、緊急動画ストリームを後述するバッファ23に格納して再生する際のバッファ量に関するデータを受信する。そして、端末装置3は、バッファ量に関するデータに基づいて、バッファ量の設定を変更する。例えば、端末装置3は、動画ストリームを再生するための5secの時間長の設定を、緊急動画ストリームを再生するための1secの時間長の設定に変更する。
【0051】
端末装置3は、配信サーバ14から緊急動画ストリームを受信し、後述するバッファ23に格納し、緊急動画を再生する。
【0052】
これにより、配信サーバ11からオープンインターネット7及びモバイルネットワーク8を介して動画ストリームを受信していた配信経路が、配信サーバ14からモバイルネットワーク8を介して緊急動画ストリームを受信する配信経路に切り替えられる。また、この切替後の配信経路は、高速スライスを利用するMEC装置によるものであり、かつ、緊急動画ストリームを再生する際のバッファ量の示す時間長が短くなるように設定されるから、緊急動画ストリームの遅延時間を短くし、短時間で再生することができる。
【0053】
通常配信システム2-1のコンテンツ提供事業者配信設備10は、緊急地震速報の終了を判定し、配信サーバ11は、コンテンツ提供事業者配信設備10からその終了のデータを受信すると、緊急地震速報が終了したことを判断する。
【0054】
配信サーバ11は、当該配信サーバ11のアドレスを通常切替先のアドレスbとし、配信サーバ14に対して緊急動画ストリームの配信を停止させるための配信停止要求と共に、端末装置3が配信サーバ11から動画ストリームの配信を受けるように、通常切替先のアドレスbを配信サーバ14へ送信する(ステップS207)。
【0055】
配信サーバ14は、配信サーバ11から配信停止要求及び通常切替先のアドレスbを受信すると、緊急動画ストリームの配信を停止し、受信した通常切替先のアドレスbを端末装置3へ送信する(ステップS208)。
【0056】
通常切替先のアドレスbが配信サーバ11から配信サーバ14へ送信され、配信サーバ14から端末装置3へ送信されるのは、通常配信システム2-1に備えた配信サーバ11が複数存在する場合に、複数の配信サーバ11のうちのいずれか1つの配信サーバが端末装置3へ動画ストリームを配信する場合に対応するためである。
【0057】
端末装置3は、配信サーバ14から通常切替先のアドレスbを受信すると、緊急動画ストリームが格納された後述するバッファ23をクリアする。そして、端末装置3は、動画ストリームを配信するための配信要求を配信サーバ11へ送信する(ステップS209)。
【0058】
配信サーバ11は、端末装置3から配信要求を受信すると、動画ストリームの配信に先立って、端末装置3が動画ストリームを後述するバッファ23に格納して再生する際のバッファ量に関するデータを端末装置3へ送信する。そして、配信サーバ11は、動画ストリームを端末装置3へ送信する(ステップS210)。これにより、動画ストリームの配信が開始する。
【0059】
バッファ量に関するデータは、配信サーバ11に備えた後述するメモリ57に予め格納されており、前述のとおり、例えば5secの時間長に対応する動画ストリームのデータ量である。
【0060】
端末装置3は、配信サーバ11からの動画ストリームの受信に先立って、動画ストリームを後述するバッファ23に格納して再生する際のバッファ量に関するデータを受信する。そして、端末装置3は、バッファ量に関するデータに基づいて、バッファ量の設定を変更する。例えば、端末装置3は、緊急動画ストリームを再生するための1secの時間長の設定を、動画ストリームを再生するための5secの時間長の設定に変更する。
【0061】
端末装置3は、配信サーバ11から動画ストリームを受信し、後述するバッファ23に格納し、動画を再生する。
【0062】
これにより、配信サーバ14からモバイルネットワーク8を介して緊急動画ストリームを受信していた配信経路が、配信サーバ11からオープンインターネット7及びモバイルネットワーク8を介して動画ストリームを受信する配信経路に切り替えられる。
【0063】
〔端末装置3〕
次に、
図1及び
図2に示した端末装置3について詳細に説明する。
図3は、端末装置3の構成例を示すブロック図である。この端末装置3は、通信インターフェース20、動画処理部21、再生部22、バッファ23及びメモリ24を備えている。
【0064】
動画処理部21、再生部22及びバッファ23は、当該端末装置3にインストールされた動画視聴アプリの動作により機能する構成部である。動画処理部21は、エリアメール受信部30、切替要求送信部31、緊急切替先アドレス受信部32、緊急配信要求部33、緊急動画受信部34、通常切替先アドレス受信部35、配信要求部36及び動画受信部37を備えている。
【0065】
図4は、端末装置3の処理例を示すフローチャートである。以下、
図3及び
図4を参照して、端末装置3の処理を説明する。
【0066】
配信サーバ11は、端末装置3からの配信要求に従い、所定の動画ストリームを端末装置3へ送信しているものとする。端末装置3の動画受信部37は、配信サーバ11から動画ストリームを、通信インターフェース20を介して受信し、動画ストリームをバッファ23に格納する。そして、再生部22は、バッファ23に所定時間長(配信サーバ11から受信したバッファ量に関するデータが示す時間長)の動画ストリームが蓄積されたときに、バッファ23から動画ストリームを読み出し、動画を再生する(ステップS401)。
【0067】
ここで、気象庁5において緊急地震速報が発生すると、気象庁5は、緊急地震速報をエリアメール配信システム2-3へ送信する。エリアメール配信システム2-3は、気象庁5から緊急地震速報を受信すると、配信サーバ15は、緊急地震速報を含むエリアメールを、地震発生が想定される所定エリア内の端末装置3へ送信する。
【0068】
端末装置3のエリアメール受信部30は、配信サーバ15から緊急地震速報を含むエリアメールを、通信インターフェース20を介して受信したか否かを判定する(ステップS402)。エリアメール受信部30は、ステップS402において、エリアメールを受信していないと判定した場合(ステップS402:N)、ステップS401へ移行する。
【0069】
一方、エリアメール受信部30は、ステップS402において、エリアメールを受信したことを判定した場合(ステップS402:Y)、バッファ23をクリアし(ステップS403)、配信経路切り替えの指示を切替要求送信部31に出力する。
【0070】
この場合、通信インターフェース20は、エリアメールを受信すると、エリアメールを受信したことを、動画処理部21、再生部22及びバッファ23を機能させる動画視聴アプリに通知する。そして、動画視聴アプリは、動画処理部21、再生部22及びバッファ23を機能させる。
【0071】
切替要求送信部31は、エリアメール受信部30から配信経路切り替えの指示を入力する。そうすると、切替要求送信部31は、配信経路を切り替えるために、緊急動画ストリームを配信する配信サーバ14のアドレスaを取得するための配信経路切替要求を、通信インターフェース20を介して配信サーバ11へ送信する(ステップS404)。
【0072】
緊急切替先アドレス受信部32は、配信サーバ11から、緊急動画ストリームを配信する配信サーバ14のアドレスである緊急切替先のアドレスaを、通信インターフェース20を介して受信する(ステップS405)。そして、緊急切替先アドレス受信部32は、緊急切替先のアドレスaを緊急配信要求部33に出力する。
【0073】
緊急配信要求部33は、緊急切替先アドレス受信部32から緊急切替先のアドレスaを入力し、緊急動画ストリームを配信するための配信要求を、通信インターフェース20を介して緊急切替先のアドレスaの配信サーバ14へ送信する(ステップS406)。
【0074】
緊急動画受信部34は、配信サーバ14からの緊急動画ストリームの受信に先立って、配信サーバ14から、緊急動画ストリームを格納して再生する際のバッファ量に関するデータを、通信インターフェース20を介して受信する。そして、緊急動画受信部34は、バッファ量に関するデータを再生部22に出力し、再生部22は、緊急動画受信部34からバッファ量に関するデータを入力し、バッファ量を設定する(ステップS407)。
【0075】
例えば、緊急動画受信部34は、バッファ量に関するデータとして、セグメント時間長(0.2sec/セグメント)及びセグメント数(5セグメント)を受信する。再生部22は、1sec(=0.2×5)の時間長に対応する緊急動画ストリームがバッファ23に格納されたときに、バッファ23から緊急動画ストリームを読み出すように、バッファ量を設定する。
【0076】
緊急動画受信部34は、配信サーバ14から緊急動画ストリームを、通信インターフェース20を介して受信し、緊急動画ストリームをバッファ23に格納する。再生部22は、バッファ23に所定時間長(前記例では1sec)の緊急動画ストリーム(前記例では5セグメントの緊急動画ストリーム)が格納されたときに、バッファ23から緊急動画ストリームを読み出して再生する(ステップS408)。
【0077】
これにより、動画ストリームの配信経路が緊急動画ストリームの配信経路に切り替えられる。また、この切替後の配信経路は、高速スライスを利用するMEC装置によるものであり、かつ、緊急動画ストリームを再生する際のバッファ量の示す時間長が動画ストリームの場合よりも短くなるように設定されるから、緊急動画ストリームの遅延時間を短くし、短時間で再生することができる。
【0078】
つまり、緊急動画ストリームをバッファ23に蓄積する時間を短くしたから(例えば5secを1secに短くしたから)、速やかに動画を再生することができる。また、緊急動画ストリームは、オープンインターネット7を経由しないため輻輳等の影響を受けることがないから、バッファ23のアンダーフローが起こり難くなる。したがって、緊急性の高い情報を含む動画を迅速に再生することができる。
【0079】
そして、通常配信システム2-1のコンテンツ提供事業者配信設備10が緊急地震速報の終了を判定すると、配信停止要求及び通常切替先のアドレスbが、配信サーバ11から高速配信システム2-2の配信サーバ14へ送信される。通常切替先のアドレスbは、配信サーバ11のアドレスである。配信サーバ14は、緊急動画ストリームの配信を停止し、通常切替先のアドレスbを端末装置3へ送信する。
【0080】
端末装置3の通常切替先アドレス受信部35は、配信サーバ14から通常切替先のアドレスbを、通信インターフェース20を介して受信したか否かを判定する(ステップS409)。通常切替先アドレス受信部35は、ステップS409において、通常切替先のアドレスbを受信していないと判定した場合(ステップS409:N)、ステップS408へ移行する。
【0081】
一方、通常切替先アドレス受信部35は、ステップS409において、通常切替先のアドレスbを受信したことを判定した場合(ステップS409:Y)、バッファ23をクリアし(ステップS410)、通常切替先のアドレスbを配信要求部36に出力する。
【0082】
配信要求部36は、通常切替先アドレス受信部35から通常切替先のアドレスbを入力し、動画ストリームを配信するための配信要求を、通信インターフェース20を介して通常切替先のアドレスbの配信サーバ11へ送信する(ステップS411)。
【0083】
動画受信部37は、配信サーバ11からの動画ストリームの受信に先立って、配信サーバ11から、動画ストリームを格納して再生する際のバッファ量に関するデータを、通信インターフェース20を介して受信する。そして、動画受信部37は、バッファ量に関するデータを再生部22に出力し、再生部22は、動画受信部37からバッファ量に関するデータを入力し、バッファ量を設定する(ステップS412)。
【0084】
例えば、動画受信部37は、バッファ量に関するデータとして、セグメント時間長(1sec/セグメント)及びセグメント数(5セグメント)を受信する。再生部22は、5sec(=1×5)の時間長に対応する動画ストリームがバッファ23に格納されたときに、バッファ23から動画ストリームを読み出すように、バッファ量を設定する。
【0085】
動画受信部37は、配信サーバ11から動画ストリームを、通信インターフェース20を介して受信し、動画ストリームをバッファ23に格納する。再生部22は、バッファ23に所定時間長(前記例では5sec)の動画ストリーム(前記例では5セグメントの動画ストリーム)が格納されたときに、バッファ23から動画ストリームを読み出して再生する(ステップS413)。
【0086】
これにより、緊急動画ストリームの配信経路が動画ストリームの配信経路に切り替えられる。また、この切替後の配信経路は、コンテンツ提供事業者の通常用の配信サーバ11を用いるものであり、かつ、動画ストリームを再生する際のバッファ量の示す時間長が緊急動画ストリームの場合よりも長くなるように設定されるから、視聴時の遅延時間は元に戻ることとなる。
【0087】
以上のように、
図3に示した端末装置3によれば、配信サーバ11からオープンインターネット7を介して動画ストリームの配信を受けているときに、緊急地震速報を含むエリアメールを受信すると、バッファ23をクリアし、配信経路切替要求を配信サーバ11へ送信する。そして、端末装置3は、配信サーバ11から緊急切替先のアドレスaを受信し、配信要求をアドレスaの配信サーバ14へ送信する。
【0088】
端末装置3は、配信サーバ14からバッファ量に関するデータを受信し、緊急動画ストリームを再生する際のバッファ量の示す時間長の設定を、動画ストリームを再生する際のバッファ量の示す時間長よりも短くなるように変更する。端末装置3は、配信サーバ14からオープンインターネット7を介することなく緊急動画ストリームを受信し、緊急動画ストリームをバッファ23に格納し、緊急動画を再生する。
【0089】
これにより、動画ストリームの配信経路が緊急動画ストリームの配信経路に切り替えられる。緊急動画ストリームは、コンテンツ提供事業者の通常用の配信サーバ11からインターネットを介して配信されることがなく、MECを実現する配信サーバ14から低遅延で配信される。したがって、緊急動画ストリームは、輻輳による遅延の影響を受け難く、高速配信を実現することができる。端末装置3を操作するユーザは、緊急動画を迅速に視聴することができるから、緊急速報の内容を迅速に認識することができ、安心感を得ることができる。
【0090】
その後、緊急地震速報が終了すると、端末装置3は、配信サーバ14から通常切替先のアドレスbを受信し、バッファ23をクリアし、配信要求をアドレスbの配信サーバ11へ送信する。
【0091】
端末装置3は、配信サーバ11からバッファ量に関するデータを受信し、動画ストリームを再生する際のバッファ量の設定を変更する。端末装置3は、配信サーバ11からオープンインターネット7を介して動画ストリームを受信し、動画ストリームをバッファ23に格納し、動画を再生する。
【0092】
これにより、緊急動画ストリームの配信経路が動画ストリームの配信経路に切り替えられ、元の動画の視聴状態に戻る。
【0093】
〔配信サーバ11(コンテンツ提供事業者の通常用の配信サーバ11)〕
次に、
図1及び
図2に示したコンテンツ提供事業者の通常用の配信サーバ11について詳細に説明する。
図5は、配信サーバ11の構成例を示すブロック図である。この配信サーバ11は、通信インターフェース50-1,50-2、配信要求受信部51、動画送信部52、配信経路切替要求受信部53、緊急切替先アドレス送信部54、緊急速報終了判断部55、配信停止要求送信部56及びメモリ57を備えている。
【0094】
図6は、配信サーバ11の処理例を示すフローチャートである。以下、
図6及び
図7を参照して、配信サーバ11の処理を説明する。
【0095】
配信サーバ11の配信要求受信部51は、端末装置3から配信要求を、通信インターフェース50-1を介して受信したか否かを判定する(ステップS601)。配信要求受信部51は、ステップS601において、配信要求を受信していないと判定した場合(ステップS601:N)、配信要求を受信するまで待つ。
【0096】
配信要求受信部51は、ステップS601において、配信要求を受信したと判定した場合(ステップS601:Y)、配信の指示を動画送信部52に出力する。
【0097】
動画送信部52は、配信要求受信部51から配信の指示を入力すると、メモリ57からセグメント時間長及びセグメント数をバッファ量に関するデータとして読み出す。そして、動画送信部52は、バッファ量に関するデータを、通信インターフェース50-1を介して端末装置3へ送信する(ステップS602)。
【0098】
セグメント時間長及びセグメント数については後述する。バッファ量に関するデータは、端末装置3が動画ストリームを再生する際の、バッファ23に動画ストリームを蓄積する時間長に対応する動画ストリームの量(セグメント数)を示す。
【0099】
動画送信部52は、メモリ57から、配信の指示に対応する(配信要求に対応する)動画ストリームを読み出し、動画ストリームを、通信インターフェース50-1を介して端末装置3へ送信する(ステップS603)。これにより、動画ストリームの配信が開始する。
【0100】
配信経路切替要求受信部53は、端末装置3から配信経路切替要求を、通信インターフェース50-1を介して受信したか否かを判定する(ステップS604)。配信経路切替要求受信部53は、ステップS604において、配信経路切替要求を受信していないと判定した場合(ステップS604:N)、ステップS603へ移行する。
【0101】
一方、配信経路切替要求受信部53は、ステップS604において、配信経路切替要求を受信したと判定した場合(ステップS604:Y)、配信停止の指示を動画送信部52に出力し、動画送信部52に動画ストリームの配信を停止させる(ステップS605)。また、配信経路切替要求受信部53は、緊急切替先送信の指示を緊急切替先アドレス送信部54に出力する。
【0102】
緊急切替先アドレス送信部54は、配信経路切替要求受信部53から緊急切替先送信の指示を入力すると、メモリ57から緊急切替先のアドレスaを読み出す。そして、緊急切替先アドレス送信部54は、緊急切替先のアドレスaを、通信インターフェース50-1を介して端末装置3へ送信する(ステップS606)。
【0103】
緊急速報終了判断部55は、緊急地震速報が終了したか否かを判断する(ステップS607)。具体的には、緊急速報終了判断部55は、コンテンツ提供事業者配信設備10から緊急地震速報が終了した旨のデータ(図示せず)を、通信インターフェース50-2を介して受信したか否かを判定する。緊急速報終了判断部55は、コンテンツ提供事業者配信設備10から緊急地震速報が終了した旨のデータを受信した場合、緊急地震速報が終了したと判断し、緊急地震速報が終了した旨のデータを受信していない場合、緊急地震速報が終了していないと判断する。
【0104】
この場合、コンテンツ提供事業者配信設備10は、例えばオペレータの操作に従い、緊急地震速報が終了したと判定し、緊急地震速報が終了した旨のデータを生成し、当該データを配信サーバ11へ送信する。
【0105】
緊急速報終了判断部55は、ステップS607において、緊急地震速報が終了していないと判断した場合(ステップS607:N)、緊急地震速報が終了するまで待つ。
【0106】
一方、緊急速報終了判断部55は、ステップS607において、緊急地震速報が終了したと判断した場合(ステップS607:Y)、当該配信サーバ11のアドレスを通常切替先のアドレスbとする。そして、緊急速報終了判断部55は、緊急動画ストリームの配信停止の指示を配信停止要求送信部56に出力する。
【0107】
配信停止要求送信部56は、緊急速報終了判断部55から緊急動画ストリームの配信停止の指示を入力すると、配信サーバ14に対して緊急動画ストリームの配信を停止するための配信停止要求、及び通常切替先のアドレスbを、通信インターフェース50-1を介して配信サーバ14へ送信する(ステップS608)。
【0108】
尚、
図6には示してないが、コンテンツ提供事業者配信設備10から送信された動画ストリームは、通信インターフェース50-2を介してメモリ57に格納される。
【0109】
図7は、配信サーバ11のメモリ57に格納されたデータ例を示す図である。メモリ57には、動画ストリーム、MPD(Microsoft Project Database)ファイルであるマニフェストファイル等が格納されている。MPDファイルには、緊急切替先のアドレスa、セグメント時間長、セグメント数等が含まれる。
【0110】
緊急切替先のアドレスaは、緊急動画ストリームを配信する配信サーバ14のアドレスである。セグメント時間長及びセグメント数は、端末装置3が動画ストリームを再生する際の、バッファ23に動画ストリームを格納する量(動画ストリームの時間長)、すなわちバッファ量に関するデータである。
【0111】
図7の例では、セグメント時間長として1sec/セグメントが格納され、セグメント数として5セグメントが格納されている。これは、端末装置3が動画ストリームを再生する際のバッファ量として、時間長では5(=1×5)secであり、セグメント数では5であることを示している。つまり、端末装置3のバッファ23に5secの動画ストリーム(5セグメントの動画ストリーム)が格納されると、バッファ23から動画ストリームが読み出され、動画が再生されることを示している。
【0112】
以上のように、
図5に示したコンテンツ提供事業者の通常用の配信サーバ11によれば、端末装置3から配信要求を受信すると、動画ストリームを、オープンインターネット7を介して端末装置3へ送信する。
【0113】
これにより、端末装置3が動画ストリームを受信すると、ユーザは、動画を視聴することができる。
【0114】
配信サーバ11は、端末装置3から配信経路切替要求を受信すると、動画ストリームの配信を停止し、メモリ57から緊急切替先のアドレスaを読み出し、緊急切替先のアドレスaを端末装置3へ送信する。
【0115】
これにより、端末装置3は、緊急動画ストリームを配信する配信サーバ14のアドレスaを認識することができ、緊急動画ストリームの配信要求を配信サーバ14へ送信することができる。したがって、端末装置3は、配信サーバ14からオープンインターネット7を介することなく、緊急動画ストリームの配信を受けることができるから、動画ストリームの配信経路を、遅延の小さい緊急動画ストリームの配信経路に切り替えることができる。
【0116】
緊急地震速報が終了すると、配信サーバ11は、配信停止要求及び通常切替先のアドレスbを配信サーバ14へ送信する。
【0117】
これにより、配信サーバ14は、緊急地震速報の終了を認識することができ、緊急動画ストリームの配信を停止することができる。
【0118】
したがって、配信サーバ11により、緊急切替先のアドレスaが端末装置3へ送信されることで、緊急動画ストリームが配信サーバ14から端末装置3へ送信され、配信停止要求及び通常切替先のアドレスbが配信サーバ14へ送信されることで、緊急動画ストリームの送信が停止され、元の動画ストリームの送信が開始することとなる。つまり、配信経路の切り替えが行われることで、緊急動画ストリームは、輻輳による遅延の影響を受け易いオープンインターネット7を経由しないから、高速配信を実現することができる。また、元の動画ストリームの配信に戻すことができる。
【0119】
〔配信サーバ14(高速スライスを利用するモバイルキャリア網内のMECを実現する緊急用の配信サーバ14)〕
次に、
図1及び
図2に示した高速スライスを利用するモバイルキャリア網内のMECを実現する緊急用の配信サーバ14について詳細に説明する。
図8は、配信サーバ14の構成例を示すブロック図である。この配信サーバ14は、通信インターフェース40-1,40-2、配信要求受信部41、緊急動画送信部42、配信停止要求受信部43、通常切替先アドレス送信部44及びメモリ45を備えている。
【0120】
図9は、配信サーバ14の処理例を示すフローチャートである。以下、
図8及び
図9を参照して、配信サーバ14の処理を説明する。
【0121】
配信サーバ14の配信要求受信部41は、端末装置3から配信要求を、通信インターフェース40-1を介して受信したか否かを判定する(ステップS901)。配信要求受信部41は、ステップS901において、配信要求を受信していないと判定した場合(ステップS901:N)、配信要求を受信するまで待つ。
【0122】
配信要求受信部41は、ステップS901において、配信要求を受信したと判定した場合(ステップS901:Y)、配信の指示を緊急動画送信部42に出力する。
【0123】
緊急動画送信部42は、配信要求受信部41から配信の指示を入力すると、メモリ45からセグメント時間長及びセグメント数をバッファ量に関するデータとして読み出す。そして、緊急動画送信部42は、バッファ量に関するデータを、通信インターフェース40-1を介して端末装置3へ送信する(ステップS902)。
【0124】
セグメント時間長及びセグメント数については後述する。バッファ量に関するデータは、端末装置3が緊急動画ストリームを再生する際の、バッファ23に緊急動画ストリームを蓄積する時間長に対応する緊急動画ストリームの量(セグメント数)を示す。
【0125】
緊急動画送信部42は、メモリ45から、配信の指示に対応する(配信要求に対応する)緊急動画ストリームを読み出し、緊急動画ストリームを、通信インターフェース40-1を介して端末装置3へ送信する(ステップS903)。これにより、緊急動画ストリームの配信が開始する。
【0126】
配信停止要求受信部43は、配信サーバ11から配信停止要求及び通常切替先のアドレスbを、通信インターフェース40-1を介して受信したか否かを判定する(ステップS904)。配信停止要求受信部43は、ステップS904において、配信停止要求及び通常切替先のアドレスbを受信していないと判定した場合(ステップS904:N)、ステップS903へ移行する。
【0127】
一方、配信停止要求受信部43は、ステップS904において、配信停止要求及び通常切替先のアドレスbを受信したと判定した場合(ステップS904:Y)、配信停止の指示を緊急動画送信部42に出力し、緊急動画送信部42に緊急動画ストリームの配信を停止させる(ステップS905)。また、配信停止要求受信部43は、通常切替先のアドレスbを通常切替先アドレス送信部44に出力する。
【0128】
通常切替先アドレス送信部44は、配信停止要求受信部43から通常切替先のアドレスbを入力すると、通常切替先のアドレスbを、通信インターフェース40-1を介して端末装置3へ送信する(ステップS906)。
【0129】
尚、
図9には示してないが、トランスコード・ストリーム化装置13から送信された緊急動画ストリームは、通信インターフェース40-2を介してメモリ45に格納される。
【0130】
図10は、配信サーバ14のメモリ45に格納されたデータ例を示す図である。メモリ45には、緊急動画ストリーム、MPDファイル等が格納されている。MPDファイルには、セグメント時間長、セグメント数等が含まれる。
【0131】
セグメント時間長及びセグメント数は、端末装置3が緊急動画ストリームを再生する際の、バッファ23に緊急動画ストリームを格納する量(緊急動画ストリームの時間長)、すなわちバッファ量に関するデータである。
【0132】
図10の例では、セグメント時間長として0.2sec/セグメントが格納され、セグメント数として5セグメントが格納されている。これは、端末装置3が緊急動画ストリームを再生する際のバッファ量として、時間長では1sec(=0.2×5)であり、セグメント数では5であることを示している。つまり、端末装置3のバッファ23に1secの緊急動画ストリーム(5セグメントの緊急動画ストリーム)が格納されると、バッファ23から緊急動画ストリームが読み出され、緊急動画が再生されることを示している。
【0133】
以上のように、
図8に示した高速スライスを利用するモバイルキャリア網内のMECを実現する緊急用の配信サーバ14によれば、端末装置3から配信要求を受信すると、緊急動画ストリームを、オープンインターネット7を介することなく端末装置3へ送信する。
【0134】
これにより、端末装置3が緊急動画ストリームを受信すると、ユーザは、緊急動画を、視聴していた動画よりも低遅延にて視聴することができる。
【0135】
配信サーバ14は、配信サーバ11から配信停止要求及び通常切替先のアドレスbを受信すると、緊急動画ストリームの配信を停止し、通常切替先のアドレスbを端末装置3へ送信する。
【0136】
これにより、端末装置3は、元の動画ストリームを配信する配信サーバ11のアドレスbを認識することができ、動画ストリームの配信要求を配信サーバ11へ送信することができる。したがって、端末装置3は、元の動画ストリームの配信を受けることができるから、緊急動画ストリームの配信経路を元の動画ストリームの配信経路に切り替えることができる。
【0137】
したがって、配信サーバ14により配信される緊急動画ストリームは、輻輳による遅延の影響を受け易いオープンインターネット7を経由しないから、高速配信を実現することができる。そして、端末装置3を操作するユーザは、緊急動画を迅速に視聴することができるから、緊急速報の内容を迅速に認識することができ、安心感を得ることができる。
【0138】
以上、実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その技術思想を逸脱しない範囲で種々変形可能である。例えば
図1に示した動画配信システム1において、緊急速報の動画を含む地上デジタル放送信号は、放送局4から放送受信アンテナを介して、高速配信システム2-2に入力される。
【0139】
これに対し、例えばコンテンツ提供事業者が放送事業者でもある場合には、通常配信システム2-1のコンテンツ提供事業者配信設備10と高速配信システム2-2の放送信号復号装置12とを専用線で接続するようにしてもよい。具体的には、通常配信システム2-1のコンテンツ提供事業者配信設備10は、緊急速報の動画を含む信号を、専用線を介して高速配信システム2-2の放送信号復号装置12へ送信する。
【0140】
また、
図1に示した動画配信システム1において、エリアメール配信システム2-3の配信サーバ15は、気象庁5から緊急地震速報を受信し、緊急地震速報を含むエリアメールを端末装置3へ送信するようにした。これに対し、通常配信システム2-1のコンテンツ提供事業者配信設備10は、気象庁5から緊急地震速報を受信し、配信サーバ11は、エリアメールの代わりに、緊急地震速報の発生を、オープンインターネット7を介して端末装置3へプッシュ通知にて送信するようにしてもよい。この場合、端末装置3は、エリアメールの代わりに、配信サーバ11から緊急地震速報の発生をプッシュ通知にて受信し、
図4に示したバッファ23をクリアする等の処理を行う。
【0141】
また、前記実施形態では、配信経路を切り替えることで、動画ストリームの配信から緊急動画ストリームの配信に変更するようにしたが、この実施形態は、ライブ映像の配信についても適用がある。例えば、配信サーバ11は、ライブ映像を、オープンインターネット7及びモバイルネットワーク8を介して、ライブ会場以外の場所(例えば自宅)の端末装置3へ送信する。これにより、端末装置3を操作するユーザは、例えば自宅にてライブ映像を視聴することができる。
【0142】
一方、配信サーバ14は、配信サーバ11が配信するライブ映像と同一または異なるライブ映像を、オープンインターネット7を介することなくモバイルネットワーク8を介して、ライブ会場内の端末装置3へ送信する。これにより、端末装置3を操作するユーザは、ライブ映像を低遅延にて視聴することができる。
【0143】
尚、本発明の実施形態による端末装置3及び配信サーバ11,14のそれぞれのハードウェア構成としては、通常のコンピュータを使用することができる。端末装置3及び配信サーバ11,14は、CPU、RAM等の揮発性の記憶媒体、ROM等の不揮発性の記憶媒体、及びインターフェース等を備えたコンピュータによって構成される。
【0144】
端末装置3に備えた通信インターフェース20、動画処理部21(エリアメール受信部30、切替要求送信部31、緊急切替先アドレス受信部32、緊急配信要求部33、緊急動画受信部34、通常切替先アドレス受信部35、配信要求部36及び動画受信部37)、再生部22、バッファ23及びメモリ24の各機能は、これらの機能を記述したプログラムをCPUに実行させることによりそれぞれ実現される。
【0145】
また、配信サーバ11に備えた通信インターフェース50-1,50-2、配信要求受信部51、動画送信部52、配信経路切替要求受信部53、緊急切替先アドレス送信部54、緊急速報終了判断部55、配信停止要求送信部56及びメモリ57の各機能も、これらの機能を記述したプログラムをCPUに実行させることによりそれぞれ実現される。
【0146】
また、配信サーバ14に備えた通信インターフェース40-1,40-2、配信要求受信部41、緊急動画送信部42、配信停止要求受信部43、通常切替先アドレス送信部44及びメモリ45の各機能も、これらの機能を記述したプログラムをCPUに実行させることによりそれぞれ実現される。
【0147】
これらのプログラムは、前記記憶媒体に格納されており、CPUに読み出されて実行される。また、これらのプログラムは、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD-ROM、DVD等)、半導体メモリ等の記憶媒体に格納して頒布することもでき、ネットワークを介して送受信することもできる。
【符号の説明】
【0148】
1 動画配信システム
2-1 通常配信システム
2-2 高速配信システム
2-3 エリアメール配信システム
3 端末装置
4 放送局(の設備)
5 気象庁(の設備)
6-1,6-2 モバイル基地局
7 オープンインターネット
8 モバイルネットワーク
10 コンテンツ提供事業者配信設備
11,14,15 配信サーバ
12 放送信号復号装置
13 トランスコード・ストリーム化装置
20,40-1,40-2,50-1,50-2 通信インターフェース
21 動画処理部
22 再生部
23 バッファ
24,45,57 メモリ
30 エリアメール受信部
31 切替要求送信部
32 緊急切替先アドレス受信部
33 緊急配信要求部
34 緊急動画受信部
35 通常切替先アドレス受信部
36 配信要求部
37 動画受信部
41 配信要求受信部
42 緊急動画送信部
43 配信停止要求受信部
44 通常切替先アドレス送信部
51 配信要求受信部
52 動画送信部
53 配信経路切替要求受信部
54 緊急切替先アドレス送信部
55 緊急速報終了判断部
56 配信停止要求送信部