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特許7309731超音波洗浄器およびこれを用いた自動分析装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-07
(45)【発行日】2023-07-18
(54)【発明の名称】超音波洗浄器およびこれを用いた自動分析装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/10 20060101AFI20230710BHJP
   B08B 3/12 20060101ALI20230710BHJP
【FI】
G01N35/10 F
B08B3/12 B
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020540209
(86)(22)【出願日】2019-08-07
(86)【国際出願番号】 JP2019031124
(87)【国際公開番号】W WO2020044998
(87)【国際公開日】2020-03-05
【審査請求日】2022-05-17
(31)【優先権主張番号】P 2018158983
(32)【優先日】2018-08-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】501387839
【氏名又は名称】株式会社日立ハイテク
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】野中 昂平
(72)【発明者】
【氏名】高山 洋行
(72)【発明者】
【氏名】川原 鉄士
【審査官】鴨志田 健太
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-100871(JP,A)
【文献】実開昭61-4792(JP,U)
【文献】国際公開第2018/116759(WO,A1)
【文献】特開2014-76440(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/10
B08B 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄液をためる洗浄槽と、
超音波振動子と、
前記超音波振動子から前記洗浄槽に向けて延伸される首と、鉛直方向にその長手方向を有する円筒孔を有する先端部とを有する振動ヘッドと、
前記首及び前記円筒孔に対応する開口を有し、前記洗浄槽を覆うように、前記洗浄液の液面に接する高さに設置される第1のカバーと、
前記第1のカバーの前記首に対応する開口と前記首との隙間からの前記洗浄液の挙動を抑える他のカバーとを有する超音波洗浄器。
【請求項2】
請求項1において、
前記第1のカバーは、複数の部分に分離されており、
前記複数の部分からなる前記第1のカバーが、前記洗浄槽を覆うように、前記洗浄液の液面に接する高さに設置される超音波洗浄器。
【請求項3】
請求項1において、
前記第1のカバーと前記首との間に設けられる第1のシール材を有し、
前記第1のシール材は前記首に接触するように設置される超音波洗浄器。
【請求項4】
請求項1において、
前記他のカバーとして、前記首と前記円筒孔との間に設置される第2のカバーを有し、
前記円筒孔は、試料プローブの洗浄時に、前記試料プローブを挿入するために設けられ、
前記超音波振動子は、前記振動ヘッドが共振振動する周波数で駆動され、
前記第2のカバーにより、前記振動ヘッドの振動により前記洗浄槽から前記試料プローブに前記洗浄液が飛散することを抑制する超音波洗浄器。
【請求項5】
請求項4において、
前記振動ヘッドには、前記振動ヘッドが共振振動するときの振動の腹となる領域から振動の節となる領域との間に界面を有し、前記振動の節となる領域を覆う、疎水性あるいは親水性の特性を持ったコーティング膜が形成されており、
前記第2のカバーの、前記振動ヘッドの前記コーティング膜と同じ高さとなる位置には、疎水性あるいは親水性の特性を持ったコーティング膜が形成されている超音波洗浄器。
【請求項6】
請求項5において、
前記コーティング膜はフッ素樹脂膜である超音波洗浄器。
【請求項7】
請求項4において、
前記第2のカバーは、前記首を囲うように設けられ、かつ前記首の、前記円筒孔側の面に対向する面は開放されている超音波洗浄器。
【請求項8】
請求項4において、
前記第2のカバーと前記首との間に設けられる第2のシール材を有し、
前記第2のシール材は前記首に接触するように設置される超音波洗浄器。
【請求項9】
請求項1において、
前記他のカバーとして、前記超音波振動子と前記振動ヘッドとの接続部分と前記第1のカバーとの間に、前記第1のカバーと平行となるように設置される第3のカバーを有する超音波洗浄器。
【請求項10】
請求項9において、
前記第3のカバーは、前記首の、前記円筒孔側の面に対向する面側に設置される超音波洗浄器。
【請求項11】
請求項9において、
前記第3のカバーと前記首との間に設けられる第3のシール材を有し、
前記第3のシール材は前記首に接触するように設置される超音波洗浄器。
【請求項12】
請求項1において、
前記超音波振動子は、前記振動ヘッドが共振振動する周波数で駆動され、
前記超音波振動子の駆動において、ソフトスタート制御またはステップ制御が行われる超音波洗浄器。
【請求項13】
請求項1に記載の超音波洗浄器と、
試料を吸引する試料プローブを有する試料分注機構と、
前記超音波洗浄器と試料分注機構とを制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記試料プローブを前記超音波洗浄器の前記振動ヘッドの前記円筒孔に挿入して、前記超音波洗浄器の前記超音波振動子を前記振動ヘッドが共振振動する周波数で駆動させることにより、前記試料プローブの洗浄を行う自動分析装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血清や尿などのサンプルを分注する試料プローブを洗浄する超音波洗浄器、および超音波洗浄器を備え、サンプルと試薬を混ぜ合わせることで成分分析を行う自動分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動分析装置では、同一試料プローブを繰り返し使用してサンプルを分注するため、別のサンプルを吸引する前には試料プローブ先端の洗浄を行う。試料プローブ先端の洗浄が不十分であると、前のサンプル成分を次のサンプルに持ち込み(キャリーオーバ)してしまい、測定精度が悪化する。しかしながら、高スループット性能の自動分析装置では高速に分注処理を行うため、試料プローブ洗浄に十分な時間を使えない。特許文献1では、ランジュバン振動子を洗浄槽の底部に備えた超音波洗浄器を用いて、液中に発生したキャビテーションでノズルの試料付着物を除去することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平4-169850号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
超音波を用いる洗浄器では、取れにくい汚れに対して超音波振動子の駆動周波数を低周波(20~100kHz)に設定して使うことが多い。低周波での洗浄は、液中に発生するキャビテーション(液中に生じた圧力差で泡の発生と消滅が起きる現象)を利用している。しかし、キャビテーションは、液中に一様に発生するわけではなく、超音波強度の強弱によってキャビテーションの強度も変化する。超音波強度が強くなる領域は、駆動する周波数によって発生する間隔が異なり、液の音速(水では約1500m/s)を超音波振動子の駆動周波数で割った距離ごとにキャビテーションが強い領域ができる。例えば、50kHzで駆動したときには、1波長が30mm(λ)の定在波が生じ、その半波長である15mm(λ/2)間隔でキャビテーション強度が強い領域が生じる。また、超音波を発生する振動面付近もキャビテーション強度が強い領域となる。
【0005】
このため、特許文献1のようにランジュバン振動子を洗浄槽の下部に備えた超音波洗浄器では、キャビテーションの効果を得るため20~100kHzで駆動すると、キャビテーションが強くなる領域は7.5mm(100kHz駆動)~37.5mm(20kHz駆動)間隔で生じる。キャビテーション強度は、駆動源である振動子に近いほど強い。また、キャビテーションが強くなる領域の範囲は狭いため、試料プローブの洗浄範囲は限定的となり洗浄ムラが発生しやすい。さらに、振動子を洗浄槽の下部に備える構造の超音波洗浄器は、ステンレス槽の底部を振動子で加振することで内部の液に超音波を発生するため、底部の面積が大きくなる。このため、本発明においてはランジュバン振動子の先端に振動ヘッドを設け、液面付近で振動ヘッドを共振振動させることにより、大きな変位を発生させる。
【0006】
ところで、洗浄には、大きく分けて洗浄液の化学効果を利用する洗浄と、キャビテーションや直進流のような物理効果を利用する洗浄があり、強力な洗浄効果を得るためには両方を効果的に利用することが望ましい。ここで、振幅の大きい振動源を液面付近に配置させると液面が不安定な挙動を示し、振動ヘッドへせり上がりが発生する。振動ヘッドへ発生するせり上がりは、振動子の動作に対して大きな負荷となり、振動子の動作不良を引き起こす。動作不良は、液面を不安定にさせ、洗浄液がプローブおよび振動子、洗浄槽外へ飛散する。仮に飛散した物質が試料容器や反応セルに混入すれば、試料の分析の妨げとなる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施の態様である超音波洗浄器によれば、洗浄液をためる洗浄槽と、超音波振動子と、超音波振動子から洗浄槽に向けて延伸される首と、鉛直方向にその長手方向を有する円筒孔を有する先端部とを有する振動ヘッドと、首及び円筒孔に対応する開口を有する第1のカバーとを有し、第1のカバーは、洗浄槽を覆うように、洗浄液の液面に接する高さに設置される。
【発明の効果】
【0008】
超音波洗浄の安定稼動および、超音波洗浄槽のメンテナンス頻度低減に寄与する。
【0009】
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】自動分析装置の概略図である。
図2A】超音波洗浄器の斜視図である。
図2B】超音波洗浄器の上面図である。
図2C】A-A’に沿った超音波洗浄器の断面図である。
図2D】超音波振動子及び振動ヘッドの側面図である。
図3A】1次振動モードでの振動ヘッドの変形を示す図である。
図3B】2次振動モードでの振動ヘッドの変形を示す図である。
図3C】振動ヘッドを取り付けた超音波振動子のインピーダンス波形である。
図3D】振動ヘッドの首に洗浄液が大きくせり上がった場合における超音波振動子のインピーダンス波形である。
図4】超音波洗浄器の振動ヘッドと洗浄槽の部分を表す図である。
図5】振動ヘッド、超音波振動子に対するコーティングの一例である。
図6】振動ヘッド、超音波振動子に対するコーティングの一例である。
図7A】超音波振動子に与える電圧制御の一例である。
図7B】超音波振動子に与える電圧制御の一例である。
図7C】超音波振動子に与える電圧制御の一例である。
図8】超音波洗浄器に液面カバーを設置した一例である。
図9】超音波洗浄器に液面カバーを設置した一例である。
図10】超音波洗浄器に液面カバー、飛散防止カバー及びせり上がり抑制カバーを設置した一例である。
図11A】超音波洗浄器に液面カバー、飛散防止カバー及びシール材を設けたせり上がり抑制カバーを設置した一例である。
図11B】液面カバーにシール材を設けた一例である。
図11C】飛散防止カバーにシール材を設けた一例である。
図12A】シール材の形状の一例である。
図12B】シール材の形状の一例である。
図12C】シール材の形状の一例である。
図12D】シール材の形状の一例である。
図12E】シール材の形状の一例である。
図13】超音波洗浄器に液面カバー、シール材を設けた飛散防止カバー及びせり上がり抑制カバーを設置した一例である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0012】
図1は自動分析装置100の概略図である。分析対象の血液や尿などの生体試料(以下、単に試料と称する)は試料容器15に収容される。1つ以上の試料容器15が試料ラック16に搭載され、試料搬送機構17によって搬送される。試料の分析に用いる試薬は試薬ボトル10に収容され、複数の試薬ボトル10が試薬ディスク9に周方向に並べて配置されている。試料と試薬とは反応容器2内で混合して反応させられる。複数の反応容器2が反応ディスク1の周方向に並べて配置されている。試料は、試料搬送機構17により試料分注位置に搬送された試料容器15から、第1または第2の試料分注機構11,12により、反応容器2に試料を分注する。一方、試薬は試薬ボトル10から、試薬分注機構7,8により、反応容器2に試薬を分注する。反応容器2に分注された試料と試薬の混合液(反応液)は、攪拌機構5,6によって攪拌され、分光光度計4により、図示しない光源から反応容器2の反応液を介して得られる透過光を測定することにより、反応液の吸光度が測定される。自動分析装置100における分析処理として、分光光度計4が測定した混合液(反応液)の吸光度から試薬に応じた分析項目の所定成分の濃度等などが算出される。測定済みの反応容器2は洗浄機構3により洗浄される。
【0013】
第1(第2)の試料分注機構11(12)は、その先端を下方に向けて配置された試料プローブ11a(12a)を有しており、試料プローブ11a(12a)には、試料用ポンプ19が接続されている。第1(第2)の試料分注機構11(12)は、水平方向への回転動作及び上下動作が可能なように構成されており、試料プローブ11a(12a)を試料容器15に挿入して試料を吸引し、試料プローブ11a(12a)を反応容器2に挿入して試料を吐出することにより、試料容器15から反応容器2への試料の分注を行う。第1(第2)の試料分注機構11(12)の稼動範囲には、試料プローブ11a(12a)を洗浄液により洗浄する超音波洗浄器23(24)が配置されている。洗浄液として水以外を用いた場合に、水により洗浄に用いた洗浄液を取り除くため、試料プローブ11a(12a)を洗浄する洗浄槽13(14)が配置されている。
【0014】
試薬分注機構7,8は、その先端を下方に向けて配置された試薬プローブ7a,8aを有しており、試薬プローブ7a,8aには、試薬用ポンプ18が接続されている。試薬分注機構7,8は、水平方向への回転動作及び上下動作が可能なように構成されており、試薬プローブ7a,8aを試薬ボトル10に挿入して試薬を吸引し、試薬プローブ7a,8aを反応容器2に挿入して試薬を吐出することにより、試薬ボトル10からから反応容器2への試薬の分注を行う。試薬分注機構7,8の稼動範囲には、試薬プローブ7a,8aを洗浄液により洗浄する洗浄槽32,33が配置されている。
【0015】
攪拌機構5,6は、水平方向への回転動作及び上下動作が可能なように構成されており、反応容器2に挿入することにより試料と試薬の混合液(反応液)の攪拌を行う。攪拌機構5,6の稼動範囲には、攪拌機構5,6を洗浄液により洗浄する洗浄槽30,31が配置されている。また、洗浄機構3には、洗浄用ポンプ20が接続されている。
【0016】
これら自動分析装置100の全体の動作は制御部21により制御される。なお、図1においては、図示の簡単のため、自動分析装置100を構成する各機構と制御部21との接続を一部省略して示している。
【0017】
図2Aから図2Dを用いて超音波洗浄器23,24の構成例を説明する。図2Aは超音波洗浄器23,24の斜視図、図2Bは上面図、図2CはA-A’(図2B)に沿った断面図、図2Dは超音波振動子及び振動ヘッドの側面図である。
【0018】
超音波洗浄器23,24は、フロントマス201とバックマス202の間に1つ以上の圧電素子203を挟み、フロントマス201とバックマス202をボルト204で締結することで構成される超音波振動子(ボルト締めランジュバン振動子(BLT:Bolt-clamped Langevin Type Transducer))205、振動ヘッド209、洗浄液を貯水する洗浄槽206が設けられたベース部207を有する。ここでは、超音波振動子205のボルト204の軸方向をX方向、ベース部207の上面(水平面)においてX方向と垂直な方向をY方向、水平面に垂直な方向、すなわち鉛直方向をZ方向と定義している。
【0019】
超音波振動子205はフランジ部208を備え、ベース部207に固定されている。図ではフランジ部208の下側でベース部207に固定しているが、フランジ部208の上側にもフランジを固定する部材を設け、当該部材とベース部207とを接続することにより、フランジ部208の全周を均等に固定することも可能である。また、フランジ部208とベース部207とが接する部分にはフランジ部208やベース部207の磨耗や騒音を防止するため、フランジ部208を一部固定したり、ゴムなどの緩衝材を入れたりしても良い。
【0020】
ただし、フランジ部208においても僅かながら微小振動をしていることから、フランジ部208をベース部207に固着してしまうと、フランジ部208からベース部207に振動が伝達し、その分振動ヘッド209へ伝わるエネルギーが減少してしまう。したがって、フランジ部208の固定においては、超音波振動子205が自立する範囲において、自由端とすることが望ましい。具体的には、フランジ部208の微小振動がベース部207に伝達されるのを抑制し、超音波振動子205を高効率に振動させるために、フランジ部208とベース部207との間には隙間を設けることが望ましい。
【0021】
超音波振動子205のフロントマス側の先端に洗浄槽206に向けて延伸される振動ヘッド209を有する。振動ヘッド209の先端部210は円筒形状であり、洗浄槽206とは接しない位置で洗浄槽206に溜められた洗浄液に浸かる位置にくるように調整される。円筒形状の振動ヘッド先端部210には、試料プローブの先端外径よりも大きい円筒孔211が設けられている。なお、フロントマス201と振動ヘッド209とは別々に作製してボルト等で固定してもよいし、一体で作製してもよい。また、洗浄槽206には洗浄液を供給する配管212が設けられ、一定量の洗浄液を供給することで洗浄槽206内にある洗浄液をオーバーフローさせることにより置換することができる。すなわち、洗浄液供給配管212から供給された洗浄液は、洗浄槽206の側壁の上端からあふれて、洗浄槽206の外周にある液受け213に流れ、排水路214から排出されることにより、洗浄槽206内の洗浄液の高さ(液位)は、洗浄液を供給するたびに一定となる。
【0022】
図示しないが、金属ブロック(201・202)と圧電素子203の間及び複数の圧電素子203の間には電極(例えば銅板)が挟まれており、これら電極に対して所定の周波数の正弦波電圧を印加することで、ボルト204の軸方向に超音波振動子205が駆動される。特に、フロントマス201の形状をホーン形状(圧電素子203側と振動ヘッド側とで径を変化させる形状)とすることで、圧電素子203の発生する振幅を増幅できることが知られており、ホーンの長さや形状を駆動したい周波数に合わせて設計することで、少ない電力で大振幅が得られる。図ではコニカルホーン形状を示しているが、他の形状(エクスポネンシャルホーンなど)でも問題ない。
【0023】
さらに、ホーン形状のフロントマス201の先端に細長い振動ヘッド209を設け、超音波振動子205の振動に同期して共振させることにより、振動ヘッド先端部210において大変位を発生させることができる。これにより、超音波振動子205に印加する電気エネルギーを効率的に振動ヘッド先端部210の振動(運動エネルギー)に変換することができる。
【0024】
超音波洗浄器23,24で試料プローブ11a,12aを洗浄するときには、所定の低周波数で圧電素子203を駆動し、振動ヘッド先端部210の円筒孔211に試料プローブを洗浄範囲(試料プローブの先端から5mm程度の範囲)が浸かるように挿入し、一定時間洗浄液に浸漬しておくことにより、試料プローブの外周部に着いた汚れをキャビテーションによって除去する。洗浄後は、試料プローブを超音波洗浄器から引き抜き、洗浄槽206の洗浄液をオーバーフローにより交換することで、次に試料プローブを洗浄するときには新しい洗浄液で洗浄することができ、キャリーオーバを抑えることができる。これらの制御は、制御部21により、所定の装置シーケンスにしたがって実行される。
【0025】
超音波洗浄器23,24は、洗浄液中にキャビテーションを発生させるのに適した20~100kHzの周波数で圧電素子203を駆動し、洗浄槽206内の振動ヘッド209を共振させ、その大変位の振動(周波数は駆動周波数と同じ)により超音波振動を発生させる。これにより、振動ヘッド209の周囲、特に振動の腹(最も振幅が大きくなる部分)を中心にキャビテーションが発生する。開放端である振動ヘッド先端部210は振動の腹となるので、円筒孔211内に発生するキャビテーションにより、試料プローブ先端を集中的に洗浄する。なお、洗浄液として水を使用してもキャビテーションによる高い洗浄効果が得られることに変わりなく、例えば温水であってもタンパク質などの汚れに対して有効であり、目的とする洗浄効果に応じた洗浄液を使用すればよい。
【0026】
図3A~Cを用いて、振動ヘッド209の振動について説明する。振動ヘッド209は共振振動にともなう変形の仕方によって複数の振動モードを有する。図3Aに振動ヘッド209の1次振動モードの変形、図3Bに振動ヘッド209の2次振動モードの変形、図3Cに振動ヘッドを取り付けた超音波振動子のインピーダンス波形を示す。
【0027】
振動ヘッド209の共振周波数は複数あり、共振時、それぞれで異なった変形が生じる。図3Aは1次振動モードであり、振動ヘッド先端部210がX方向に振れる振動モードである。図3Bは2次振動モードであり、振動ヘッド先端部210がX方向に振れるとともに、振動ヘッド先端部210の中間に振動の節(最も振動が小さくなる部分)ができて、鉛直方向(Z方向)に振れる振動モードである。なお、図では振動モードの違いを分かりやすくするため、変形を誇張して示している。
【0028】
図3Cは横軸に周波数、縦軸にインピーダンスを示した図である。振動ヘッド209の共振点410と超音波振動子205の共振点411(超音波振動子205がボルト204の軸方向に伸縮するモード)とが示されている。共振点410は、1次振動モードの共振点であっても、2次振動モードの共振点であってもよいが、洗浄に使用する振動モードであり、その共振周波数がキャビテーションを発生しやすい20~100kHzの範囲に存在する必要がある。さらに、共振点410と共振点411とが近接し、これらの差の絶対値が10kHz以下となるように、振動ヘッド209と超音波振動子205とを設計することが望ましい。共振点を近づけることにより、その相互作用により効率よく電気エネルギーを振動ヘッド先端部210の振動に変換することができるためである。
【0029】
図4は本実施例の超音波洗浄器の振動ヘッド209と洗浄槽206の部分を表す図である。振動ヘッド209は2次振動モードの共振点で振動させるものとし、X方向の振動とZ方向の振動とを併せ持つ。先に述べたように、振動ヘッド先端部210は洗浄槽206内の洗浄液中に位置され、試料プローブを円筒孔211に挿入して試料プローブの洗浄を行う。これにより、円筒孔211の内壁近傍で発生するキャビテーションにより試料プローブの洗浄を行う。ここで振動ヘッド209が超音波振動すると、振動ヘッド209の周囲に液面のせり上がり310が発生し、部分的に洗浄槽206の淵よりも高い水位になる。そのため、円筒孔211の位置が、振動ヘッド209の首304(振動ヘッド209のうち、フロントマス201と振動ヘッド先端部210との間にあるZ方向に延びる部分)に近い位置にあると、洗浄時に試料プローブが洗浄液につかる範囲が広がり、例えば設定した範囲5mmに対して7mmまで濡れる。洗浄液として水以外を使用している場合には、洗浄液を落とすため試料プローブの洗浄部分に対して水洗浄を行う必要があるが、この水洗浄の工程で洗浄範囲を拡大する必要が出てくる。洗浄範囲を拡大すると、スループットが低下したり、試料プローブに水が残りやすくなり試料を薄めたりする問題がある。このため、ヘッド先端長さ215は、液面のせり上がり310に試料プローブが接触しない程度に円筒孔211の位置が振動ヘッド209の首304から離れる長さとすることが望ましい。
【0030】
洗浄液のせり上がり現象により、首304に付着した洗浄液の水分が蒸発し、その成分が析出する可能性がある。この課題と対策について図5及び図6を用いて説明する。
【0031】
図3Aに示した1次振動モードの場合、図5に示すように、振動の腹(振幅が最も大きい部分)221は振動ヘッド209の先端に現れ、振動の節(振幅が最も小さい部分)220は首304の付け根(振動ヘッド209と超音波振動子205との接続部分)に現れる。振動ヘッド先端部210の振動により生じた洗浄液のせり上がり現象により、洗浄液は振幅の小さい振動の節220まで到達する。洗浄液が蒸発したとき、析出し易い液性であった場合、振動の節220まで到達した洗浄液は空気層との界面が存在するため、そこで析出現象が発生する。洗浄液が析出した場合、振動の腹221の近傍においては変位が大きいことから、析出した物質を首304から剥離することが可能であるが、振幅の小さい振動の節220の近傍においては、析出した洗浄液を剥離することが困難であり、時間経過と共に析出した物質が肥大化する可能性がある。
【0032】
そこで少なくとも節220に疎水性あるいは親水性のコーティング膜501を施すことにより、析出した洗浄液の固着を防止する。例えば、フッ素樹脂膜などのコーティング膜を節220となる部分の近傍に形成する。疎水性コーティングの場合は、洗浄液をとどまりにくくすることにより、洗浄液の析出を防止し、親水性コーティングの場合は、洗浄液をコーティングされた領域に薄く広げることで洗浄液の析出を防止する効果がある。図5に示すように、コーティング膜501の範囲は、振動の節220と振動の腹221との間にコーティング界面を持ち、振動の節220側がコーティングされるようにする。振動の腹221を含めてコーティングすると、振動ヘッド209の振幅が大きいことにより、コーティング膜501が剥離する可能性があり、長期の使用には適さないためである。振動の節220側のコーティング膜については、振動ヘッド209まであるいはフロントマス201全体に施してもよい。
【0033】
同様に、図3Bに示した2次振動モードの場合、図6に示すように振動の腹(振幅が最も大きい部分)223は振動ヘッド209の中間部に現れ、振動の節(振幅が最も小さい部分)として、第1の振動の節222が首304の付け根(振動ヘッド209と超音波振動子205との接続部分)、第2の振動の節224が振動ヘッド209の先端に現れる。振動ヘッド先端部210の振動により生じた洗浄液のせり上がり現象により、洗浄液は振幅の小さい振動の節222まで到達する。洗浄液が蒸発したとき、析出し易い液性であった場合、振動の節222まで到達した洗浄液は空気層との界面が存在するため、そこで析出現象が発生する。洗浄液が析出した場合、振動の腹223の近傍においては変位が大きいことから、析出した物質を首304から剥離することが可能であるが、振幅の小さい振動の節222の近傍においては、析出した洗浄液を剥離することが困難であり、時間経過と共に析出した物質が肥大化する可能性がある。
【0034】
そこで少なくとも第1の節222に疎水性あるいは親水性のコーティング膜502を施すことにより、析出した洗浄液の固着を防止する。例えば、フッ素樹脂などのコーティング膜を第1の節222となる部分の近傍に形成する。図6に示すように、コーティング膜502の範囲は、第1の振動の節222と振動の腹223との間にコーティング界面を持ち、第1の振動の節222側がコーティングされるようにする。振動の腹223を含めてコーティングすると、振動ヘッド209の振幅が大きいことにより、コーティング膜502が剥離する可能性があり、長期の使用には適さないためである。第1の振動の節222側のコーティング膜については、振動ヘッド209まであるいはフロントマス201全体に施してもよい。
【0035】
さらに、超音波洗浄中においては、図4に示したように液面が振動ヘッド209の首304にせり上がる(310,311)のみならず、液面(特にせり上がり部分)が暴れることにより、その周囲に洗浄液の飛散を引き起こす場合がある。特に、動作初期においては、圧電素子203へ図7Aに示すような急激な電圧印加414を行うと、液面が急激に変化し、暴れた洗浄液により飛び散りを引き起こす。このため、圧電素子203の振動をより小さい振幅の状態で開始させる。たとえば、図7Bに示すような印加電圧を漸増させるソフトスタート制御(電圧印加415)や、図7Cに示すような印加電圧を段階的に増加させるステップ制御(電圧印加416)を行う。これにより、超音波振動子205および液面の急激な挙動変化を防ぎ、洗浄液の飛散を抑制することが可能となる。
【0036】
しかしながら、このような制御だけでは洗浄液の飛散を完全に抑えることはできない。圧電素子203の振動振幅を抑えた状態で超音波振動子205の振動を開始させると、電圧印加初期において、洗浄液中の振動ヘッド先端部210には洗浄液が負荷として作用することにより、洗浄液に浸漬していない首304が先に振動をし始める。これにより、電圧印加初期においては、超音波振動子205の正常な動作時に形成されるせり上がり310,311(図4参照)よりも大きなせり上がりが形成される。大きくせり上がった洗浄液は首304に対する負荷となり、超音波振動子205は、超音波振動子205単体が示すインピーダンス特性(図3C参照)とは異なるインピーダンス特性を示すようになる。例えば、図3Dの例では、首への洗浄液のせり上がりの影響を受けて、振動ヘッド209の共振点410が共振点412に、超音波振動子205の共振点411が共振点413にシフトしている。
【0037】
このようにインピーダンス特性が変化し非効率な動作モードとなった超音波振動子205は動作不良を起こす。振動ヘッド先端部210の振幅は低減し、その結果試料プローブ11a、12aの洗浄効果も低下する。この動作不良は、首304にせり上がった洗浄液が何らかの外乱因子によって破壊されない限り継続する。外乱因子の一例は、試料プローブ11a、12aの洗浄槽への挿入である。円筒孔211に試料プローブ11a、12aが挿入されることにより、洗浄槽全体のインピーダンスが変化し、動作不良モードから正常な動作モードへ移行する。しかし、動作モードが移行する際、首304は非定常かつ不安定な動作を示すために、洗浄液の暴れは最も大きくなり、挿入中の試料プローブ11a、12a、フロントマス201背面などに洗浄液が付着するリスクが増大する。
【0038】
このように、超音波振動子205の振動制御のみでは洗浄液の飛散を抑えることができないことから、洗浄槽に対して、液面を安定化し、洗浄液のせり上がりを抑える機構及び洗浄液の飛散を防止する機構を設けることが望ましい。
【0039】
まず、図8に示すように、洗浄槽を覆うように、洗浄液の液面に接する高さに液面カバー601を設置する(図8の上段に上面図、下段に断面図を示している。図9~11Aも同様である。)。液面カバー601には、円筒孔211及び首304に対応する開口が設けられ、洗浄槽206への振動ヘッド、試料プローブの挿入が可能とされている。液面に接する高さに液面カバー601を設置することにより、洗浄液と液面カバーとの間に界面張力を作用させ、洗浄液の液面を安定させることができる。洗浄液は一般にpHの高い溶液であるため、液面カバー601の材質は、洗浄液により腐食されないよう、洗浄液に耐えうる金属とする。また、金属は超音波振動子205から発生する超音波の反射が安定し易く、強度も高いことから省スペース化にも寄与する。形状としては、図8のような一体化構造が理想であるが、図9のように分離した構造においても、液面カバー602、603間の隙間を極力狭くなるように設置することで代用可能である。分割することにより、液面カバーを洗浄槽に設置することが容易になる。
【0040】
さらに、円筒孔211に挿入される試料プローブ11a、12aへの洗浄液飛散防止を目的として、図10に示すように円筒孔211と首304の間に飛散防止カバー604を設置する。材質は、液面カバーと同じとする。首304は振動するため、液面カバー601と首304との間の隙間をなくすことはできない。このため、この隙間より飛散防止カバー604と首304との間に洗浄液のせり上がりが発生し、洗浄液は振幅の小さい振動の節220(1次振動モード)または222(2次振動モード)まで到達する(図5及び図6参照)。このため、洗浄液が析出し易い液性であった場合、振動の節220あるいは222の高さまで到達した洗浄液は、空気層との界面が存在するため、飛散防止カバー604に対してもフロントマス201あるいは振動ヘッド209と同じ高さで析出現象が発生する。このため、振動ヘッド209あるいはフロントマス201について施されたコーティング膜501(502)と同じ高さとなる位置まで、飛散防止カバー604に対して疎水性あるいは親水性のコーティングを行い、析出した洗浄液の固着を防止する。これは、振動ヘッド209あるいはフロントマス201へのコーティング界面の位置を定めた理由と同じであり、振動の腹221あるいは223の高さまでコーティングを施すと、振動ヘッド209の大きな振幅の影響を受けコーティング膜503が剥離する可能性があり、長期の使用には適さないためである。
【0041】
また、振動ヘッド209の全周を囲うように飛散防止カバー604を設けてしまうと、飛散防止カバー604と振動ヘッド209の間の狭い空間を勢いよく洗浄水がせり上がり、飛散防止カバー604の上から周囲に飛散するおそれがある。このため、飛散防止カバー604では、首304の背面側(首304の、円筒孔211側の面に対向する面)は開放されている。このため、首304の背面側にせり上がった洗浄液が、振動ヘッド209と超音波振動子205との接続部分に接触するリスクが存在する。そこで、首304の背面側については、首304の付け根(振動ヘッド209と超音波振動子205との接続部分)と液面カバー601との間に液面カバー601と平行となるようにせり上がり抑制カバー605を設置する。せり上がり抑制カバー605の材質も他のカバーと同じとする。これにより、液面カバー601上に発生するせり上がりの上昇を抑えることが可能となる。また、首304の前面に飛散防止カバー604を配置し、首304の背面にせり上がり抑制カバー605を配置することで、洗浄動作の障害にならないようにこれらのカバーを洗浄槽に設置することが容易にされている。
【0042】
首304へのせり上がりをさらに抑制するため、図11Aに示すようなせり上がり抑制カバー605と首304との間にシール材(緩衝材)701となるゴムを設ける。シール材701は、洗浄液に耐えられる材質とし、洗浄液液面から振動ヘッド209と超音波振動子205との接続部分の間に設置し、シール材(緩衝材)701が首304に接触される。よって、図11Bに示すように、シール材701を、たとえば液面カバー601に設置してもよい。また、図11Cに示すように、首304の前面側(首304の、円筒孔211側の面)に対して、飛散防止カバー604と首304との間にシール材702を設置することも可能である。シール材702が首304に接触するように配置されることにより、飛散防止カバー604と首304との間のせり上がりの抑制を図ることができる。
【0043】
超音波振動子205は、1次振動モード(図3A参照)の場合、図5に示すように、振動の腹(振幅が最も大きい部分)221は振動ヘッド209の先端に現れ、振動の節(振幅が最も小さい部分)220は首304の付け根(振動ヘッド209と超音波振動子205との接続部分)に現れる。2次振動モード(図3B参照)の場合、図6に示すように、振動の腹(振幅が最も大きい部分)223は振動ヘッド209の中間部に現れ、振動の節(振幅が最も小さい部分)として、第1の振動の節222が首304の付け根(振動ヘッド209と超音波振動子205との接続部分)、第2の振動の節224が振動ヘッド209の先端に現れる。シール材701の設置位置は、首304への負荷とならないように、振動の腹221、223をなるべく避けるような位置とすることが望ましい。しかし、シール材の首304へ接触する面積を小さくしたり、シール材の硬度を柔らかくしたりして、首304への負荷を低減することにより、振動の腹221、223へ設置することは可能である。
【0044】
図12A~Eに、シール材形状の例を示す。図12Aのシール材703は首304への接触面積を小さくして、首304への負荷を低減している。図12Bのシール材704は首304への接触箇所を2箇所とし、首304へ発生するせり上がりをより抑制することができる。図12Cのシール材705は首304への接触面積を極力大きくすることで、せり上がりを完全に抑制することが期待できる。その一方で、例示する形状例の中で首304への負荷が最も大きい形状であることから、シール材705の硬度を低く抑えるなどの工夫が必要となる。図12Dのシール材706の形状は、2次振動モードの場合に、首304の振動の腹223を避けて設置するための形状例であり、せり上がりの抑制とともに、超音波振動子205の動作抑制を極力抑えることが可能となる。図12Eのシール材707の形状は、洗浄ヘッド先端部210の振幅が小さく、せり上がりが小さい場合に、振動ヘッド209と超音波振動子205との接続部分への洗浄液の接触を抑えることができる。
【0045】
液面カバー、飛散防止カバー、せり上がり抑制カバー、さらにシール材を設置することにより、洗浄液の液面の安定化ならびに首304へせり上がりの抑制を図ることが可能となる一方、洗浄液の挙動を抑制し過ぎると、洗浄液が円筒孔211に設けた液面カバーの孔から噴出する可能性がある。よって、図13に示すように、洗浄槽の側壁の一部に切かき801を設ける。これにより、カバーおよびシール材の設置により、洗浄槽内の内圧が高まった場合は、切かき801から洗浄液が流出することにより、高まった洗浄液の圧力を逃がすことが可能となる。
【0046】
本実施例では、生化学自動分析装置の試料の分注を例に説明したが、本発明の超音波洗浄器は試薬分注プローブや免疫自動分析装置の分注プローブなど、他の臨床検査装置の分注ノズル、ISE(イオン選択電極)プローブにおいても同様に洗浄可能である。
【符号の説明】
【0047】
1:反応ディスク、2:反応容器、3:洗浄機構、4:分光光度計、5,6:攪拌機構、7,8:試薬分注機構、7a,8a:試薬プローブ、9:試薬ディスク、10:試薬ボトル、11,12:試料分注機構、11a,12a:試料プローブ、13,14:試料プローブ用洗浄槽、15:試料容器、16:試料ラック、17:試料搬送機構、18:試薬用ポンプ、19:試料用ポンプ、20:洗浄用ポンプ、21:制御部、23,24:超音波洗浄器、30,31:攪拌機構用洗浄槽、32,33:試薬プローブ用洗浄槽、100:自動分析装置、201:フロントマス、202:バックマス、203:圧電素子、204:ボルト、205:超音波振動子(BLT)、206:洗浄槽、207:ベース部、208:フランジ部、209:振動ヘッド、210:振動ヘッド先端部、211:円筒孔、212:洗浄液供給配管、213:液受け、214:排水路、215:ヘッド先端長さ、220:1次振動モード時の振動の節、221:1次振動モード時の振動の腹、222:2次振動モード時の第1の振動の節、223:2次振動モード時の振動の腹、224:2次振動モード時の第2の振動の節、304:振動ヘッドの首、310,311:洗浄液のせり上がり、410,412:振動ヘッドの共振点、411,413:超音波振動子の共振点、414,415,416:印加電圧波形、501,502,503:コーティング膜、601,602,603:液面カバー、604:飛散防止カバー、605:せり上がり抑制カバー、701~707:シール材、801:切かき。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図8
図9
図10
図11A
図11B
図11C
図12A
図12B
図12C
図12D
図12E
図13