(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-10
(45)【発行日】2023-07-19
(54)【発明の名称】検査装置
(51)【国際特許分類】
G01R 31/00 20060101AFI20230711BHJP
G01R 31/28 20060101ALI20230711BHJP
G02F 1/13 20060101ALI20230711BHJP
【FI】
G01R31/00
G01R31/28 K
G02F1/13 101
(21)【出願番号】P 2019112294
(22)【出願日】2019-06-17
【審査請求日】2022-05-26
(73)【特許権者】
【識別番号】392019709
【氏名又は名称】ニデックアドバンステクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074561
【氏名又は名称】柳野 隆生
(74)【代理人】
【識別番号】100138689
【氏名又は名称】梶原 慶
(74)【代理人】
【識別番号】100177264
【氏名又は名称】柳野 嘉秀
(74)【代理人】
【識別番号】100124925
【氏名又は名称】森岡 則夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141874
【氏名又は名称】関口 久由
(74)【代理人】
【氏名又は名称】大西 裕人
(72)【発明者】
【氏名】山本 和哉
(72)【発明者】
【氏名】生野 裕仁
【審査官】續山 浩二
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-332422(JP,A)
【文献】特開2005-233997(JP,A)
【文献】特開平11-051999(JP,A)
【文献】特開2007-263630(JP,A)
【文献】特開2015-081837(JP,A)
【文献】特開2015-130422(JP,A)
【文献】特開2015-031578(JP,A)
【文献】特開2007-003517(JP,A)
【文献】特開平11-186348(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106873195(CN,A)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0070337(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 31/00
G01R 31/28
G02F 1/13
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
略板状形状の検査対象物の上方に配設されると共に、前記検査対象物の上面に接触させるための上プローブを保持する上治具が下方から脱着可能に取りつけられる上側取付部と、
前記検査対象物の下方に配設されると共に、前記検査対象物の下面に接触させるための下プローブを保持する下治具が上方から脱着可能に取りつけられる下側取付部と、
前記上治具と前記下治具とを収容可能な治具棚と、
前記上治具及び前記下治具を選択的に載置可能なアーム部材と、
前記アーム部材を駆動することによって、前記上治具及び前記下治具を搬送するアーム駆動部と、
前記アーム部材から前記上治具を受け取って前記上側取付部に取りつける上側脱着機構と、
前記アーム部材から前記下治具を受け取って前記下側取付部に取りつける下側脱着機構とを備え、
前記アーム駆動部は、前記上治具を前記治具棚から取り出して前記上側脱着機構に搬送し、前記下治具を前記治具棚から取り出して前記下側脱着機構に搬送し、
前記上治具は、
略板状の上プレートと、
複数の前記上プローブを前記上プレートの下面側から下方に向かって延びる向きに保持する上治具ヘッドとを備え、
前記下治具は、
略板状の下プレートと、
複数の前記下プローブを前記下プレートの上面側から上方に向かって延びる向きに保持する下治具ヘッドとを備え
、
前記アーム部材の先端部は、前記アーム部材に前記上治具が載置されたときに前記上治具ヘッドが位置する部分が基端部方向に凹没して切り欠かれている検査装置。
【請求項2】
前記アーム部材に載置された前記上治具又は前記下治具の載置位置を検出する載置位置検出部をさらに備える請求項
1に記載の検査装置。
【請求項3】
略板状形状の検査対象物の上方に配設されると共に、前記検査対象物の上面に接触させるための上プローブを保持する上治具が下方から脱着可能に取りつけられる上側取付部と、
前記検査対象物の下方に配設されると共に、前記検査対象物の下面に接触させるための下プローブを保持する下治具が上方から脱着可能に取りつけられる下側取付部と、
前記上治具と前記下治具とを収容可能な治具棚と、
前記上治具及び前記下治具を選択的に載置可能なアーム部材と、
前記アーム部材を駆動することによって、前記上治具及び前記下治具を搬送するアーム駆動部と、
前記アーム部材から前記上治具を受け取って前記上側取付部に取りつける上側脱着機構と、
前記アーム部材から前記下治具を受け取って前記下側取付部に取りつける下側脱着機構とを備え、
前記アーム駆動部は、前記上治具を前記治具棚から取り出して前記上側脱着機構に搬送し、前記下治具を前記治具棚から取り出して前記下側脱着機構に搬送し、
前記上治具は、
略板状の上プレートと、
複数の前記上プローブを前記上プレートの下面側から下方に向かって延びる向きに保持する上治具ヘッドとを備え、
前記下治具は、
略板状の下プレートと、
複数の前記下プローブを前記下プレートの上面側から上方に向かって延びる向きに保持する下治具ヘッドとを備え、
前記アーム部材に載置された前記上治具又は前記下治具の載置位置を検出する載置位置検出部をさらに備える検査装置。
【請求項4】
前記載置位置検出部による前記載置位置の検出結果に基づいて、前記アーム部材に載置された前記上治具又は前記下治具の両側から前記上プレート又は前記下プレートへ向けて第一押圧部材を突出させることによって、前記アーム部材上の前記上治具又は前記下治具の載置位置を調節するアーム側位置調節機構をさらに備える請求項
2又は3に記載の検査装置。
【請求項5】
前記上側取付部は、装置側上コネクタを備え、
前記上治具は、前記上プレートの上面側に設けられ、前記装置側上コネクタと接続可能な治具側上コネクタをさらに備え、
前記下側取付部は、装置側下コネクタを備え、
前記下治具は、前記下プレートの下面側に設けられ、前記装置側下コネクタと接続可能な治具側下コネクタをさらに備え、
前記上側脱着機構は、前記装置側上コネクタと前記治具側上コネクタとを接続させることによって、前記上治具を前記上側取付部に取りつけ、
前記下側脱着機構は、前記装置側下コネクタと前記治具側下コネクタとを接続させることによって、前記下治具を前記下側取付部に取りつける請求項1~4のいずれか1項に記載の検査装置。
【請求項6】
前記上プレートの下面側には、前記複数の上プローブと前記治具側上コネクタとを接続する配線が配置され、
前記上プレートの下面には、前記配線を間に挟んだ両側で突起した一対のブレードが設けられている請求項5に記載の検査装置。
【請求項7】
前記アーム部材の上面には、前記一対のブレードの頂部を受け入れるように凹没した溝部が設けられている請求項6に記載の検査装置。
【請求項8】
前記一対のブレードの頂部が、互いに平行に延びて延設されている請求項6又は7に記載の検査装置。
【請求項9】
前記アーム部材には、前記アーム部材に前記下治具が載置されたときに前記治具側下コネクタが位置する部分に開口部が設けられている請求項5~8のいずれか1項に記載の検査装置。
【請求項10】
前記上側脱着機構は、
前記上プレートの両側で前記上プレートの下面を支持する上第一突起部と、前記上第一突起部の上方で前記上第一突起部と対向配置された上第二突起部とを含む上保持部材と、
前記上保持部材を昇降させる上治具昇降機構とを備え、
前記上第一突起部と前記上第二突起部の間隔は、前記上プレートの厚さよりも大きく、
前記下側脱着機構は、
前記下プレートの両側で前記下プレートの下面を支持する下第一突起部と、前記下第一突起部の上方で前記下第一突起部と対向配置された下第二突起部とを含む下保持部材と、
前記下保持部材を昇降させる下治具昇降機構とを備え、
前記下第一突起部と前記下第二突起部の間隔は、前記下プレートの厚さよりも大きい請求項1~9のいずれか1項に記載の検査装置。
【請求項11】
前記アーム駆動部は、前記アーム部材に載置された前記上プレートの幅方向両端部を、前記アーム部材を駆動して前記上第一突起部と前記上第二突起部の間に非接触で差し入れ、
前記上治具昇降機構は、前記上保持部材を上昇させることによって、前記上保持部材に保持された前記上プレート上面側の前記治具側上コネクタを前記装置側上コネクタに接続し、
前記アーム駆動部は、前記アーム部材に載置された前記下プレートの幅方向両端部を、前記アーム部材を駆動して前記下第一突起部と前記下第二突起部の間に非接触で差し入れ、
前記下治具昇降機構は、前記下保持部材を下降させることによって、前記下保持部材に保持された前記下プレート下面側の前記治具側下コネクタを前記装置側下コネクタに接続する請求項10に記載の検査装置。
【請求項12】
前記上治具昇降機構は、前記上保持部材を下降させることによって、前記上側取付部に取りつけられた前記上治具を前記上側取付部から取り外し、
前記アーム駆動部は、前記アーム部材を駆動することによって、前記上保持部材により保持された前記上プレートの下方に前記アーム部材を非接触で差し入れ、前記上保持部材と前記アーム部材とを相対的に移動させることにより前記上第一突起部及び前記上第二突起部のいずれからも離間した位置に前記上プレートを位置させて前記アーム部材により前記上治具をすくい上げ、前記すくい上げられた前記上治具を前記上保持部材から抜き取り、
前記下治具昇降機構は、前記下保持部材を上昇させることによって、前記下側取付部に取りつけられた前記下治具を前記下側取付部から取り外し、
前記アーム駆動部は、前記アーム部材を駆動することによって、前記下保持部材により保持された前記下プレートの下方に前記アーム部材を非接触で差し入れ、前記一対の下保持部材と前記アーム部材とを相対的に移動させることにより前記下第一突起部及び前記下第二突起部のいずれからも離間した位置に前記下プレートを位置させて前記アーム部材に
より前記下治具をすくい上げ、前記すくい上げられた前記下治具を前記下保持部材から抜き取る請求項10又は11に記載の検査装置。
【請求項13】
前記上保持部材に保持された前記上プレートの両側から、前記上プレートへ向けて第二押圧部材を突出させることによって、前記上治具の位置を調節する上位置調節機構と、
前記下保持部材に保持された前記下プレートの両側から、前記下プレートへ向けて第三押圧部材を突出させることによって、前記下治具の位置を調節する下位置調節機構とをさらに備える請求項10~12のいずれか1項に記載の検査装置。
【請求項14】
前記アーム駆動部は、
前記治具棚に収容された前記上治具の下方に前記アーム部材を差し入れて前記上治具をすくい上げることによって前記上治具を前記治具棚から取り出し、
前記治具棚に収容された前記下治具の下方に前記アーム部材を差し入れて前記下治具をすくい上げることによって前記下治具を前記治具棚から取り出す請求項1~13のいずれか1項に記載の検査装置。
【請求項15】
前記治具棚は、前記上プレート及び前記下プレートの少なくとも一方の両端部を下から受け止め可能な一対の受止部材を備え、
前記アーム駆動部は、
前記治具棚において、前記一対の受止部材によって受け止められている前記上プレートの下方に前記上プレートとは離間した状態で前記アーム部材を差し入れ、前記一対の受止部材と前記アーム部材とを相対的に移動させることにより前記上治具をすくい上げて前記上プレートと前記一対の受止部材とを離間させた状態で前記上治具を前記治具棚から取り出し、
前記治具棚において、前記一対の受止部材によって受け止められている前記下プレートの下方に前記下プレートとは離間した状態で前記アーム部材を差し入れ、前記一対の受止部材と前記アーム部材とを相対的に移動させることにより前記下治具をすくい上げて前記下プレートと前記一対の受止部材とを離間させた状態で前記下治具を前記治具棚から取り出す請求項14に記載の検査装置。
【請求項16】
前記アーム駆動部は、
前記アーム部材に載置された前記上プレートを、前記治具棚の前記一対の受止部材の上方に離間した状態で搬送し、前記一対の受止部材と前記アーム部材とを相対的に移動させることにより前記上プレートを前記一対の受止部材に受け止めさせて前記上治具を前記治具棚に収容し、
前記アーム部材に載置された前記下プレートを、前記治具棚の前記一対の受止部材の上方に離間した状態で搬送し、前記一対の受止部材と前記アーム部材とを相対的に移動させることにより前記下プレートを前記一対の受止部材に受け止めさせて前記下治具を前記治具棚に収容する請求項14又は15に記載の検査装置。
【請求項17】
前記治具棚は、複数の前記上治具と、複数の前記下治具とを収容可能である請求項1~16のいずれか1項に記載の検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検査対象物にプローブを接触させて検査を行う検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、液晶基板を検査する検査装置とプローバ交換装置とを併設して備え、前記プローバ交換装置は、液品基板を検査するためのプローバを搬送する搬送装置を備えた液晶基板検査装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
特許文献1には、プローバ6を液晶基板30上に設置して検査を行うことが記載されている(特許文献1の
図6(a)、段落0044~0047)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、回路基板又は半導体基板等を検査する場合、基板の上面と下面の両方に、検査対象となる配線、パッド等の検査点が設けられている場合がある。このような基板を検査する場合、基板の上面と下面の両方にプローブを接触させる必要がある。
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、検査対象物の上にプローブを搬送することしかできないので、検査対象物の下にプローブを搬送することができない。そのため、両面に検査点が設けられた検査対象物を検査する検査装置に対しては、特許文献1に記載のプロ-バ交換装置を適用することが困難である。
【0007】
本発明の目的は、検査対象物の上面に接触する上治具及び検査対象物の下面に接触する下治具の両方を搬送することが容易な検査装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一例に係る検査装置は、略板状形状の検査対象物の上方に配設されると共に、前記検査対象物の上面に接触させるための上プローブを保持する上治具が下方から脱着可能に取りつけられる上側取付部と、前記検査対象物の下方に配設されると共に、前記検査対象物の下面に接触させるための下プローブを保持する下治具が上方から脱着可能に取りつけられる下側取付部と、前記上治具と前記下治具とを収容可能な治具棚と、前記上治具及び前記下治具を選択的に載置可能なアーム部材と、前記アーム部材を駆動することによって、前記上治具及び前記下治具を搬送するアーム駆動部と、前記アーム部材から前記上治具を受け取って前記上側取付部に取りつける上側脱着機構と、前記アーム部材から前記下治具を受け取って前記下側取付部に取りつける下側脱着機構とを備え、前記アーム駆動部は、前記上治具を前記治具棚から取り出して前記上側脱着機構に搬送し、前記下治具を前記治具棚から取り出して前記下側脱着機構に搬送し、前記上治具は、略板状の上プレートと、複数の前記上プローブを前記上プレートの下面側から下方に向かって延びる向きに保持する上治具ヘッドとを備え、前記下治具は、略板状の下プレートと、複数の前記下プローブを前記下プレートの上面側から上方に向かって延びる向きに保持する下治具ヘッドとを備える。
【発明の効果】
【0009】
このような構成の検査装置は、検査対象物の上面に接触する上治具及び検査対象物の下面に接触する下治具の両方を搬送することが容易である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態に係る検査装置の概略構成を、概念的に示す断面図である。
【
図2】
図1に示す上治具6Uを、下斜め方向から見た斜視図である。
【
図3】
図1に示す上側取付部2U、上側脱着機構8U、上位置調節機構10U、及び上位置センサ85Uを、下斜め方向から見た斜視図である。
【
図4】
図3に示す上側取付部2Uのベースプレート22Uに対し、上治具6Uが取り付けられた状態を示す説明図である。
【
図5】アーム部材41と、アーム側位置調節機構9との一例を示す斜視図である。
【
図6】
図5に示すアーム部材41に上治具6Uが載置された状態を示す斜視図である。
【
図7】
図1に示す検査装置1の電気的構成の一例を示すブロック図である。
【
図8】取付部2から治具棚3へ治具6を搬送する場合の検査装置1の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図9】治具棚3から取付部2へ治具6を搬送する場合の検査装置1の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図10】治具棚3から取付部2へ治具6を搬送する場合の検査装置1の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図11】アーム部材41によって上保持部材80Uに非接触で差し入れられた上治具6Uを、X軸方向から見た説明図である。
【
図12】アーム部材41によって下保持部材80Dに非接触で差し入れられた下治具6Dを、X軸方向から見た説明図である。
【
図13】上プレート61Uを、受止部材31U,31Uの上方に搬送した状態を説明するための説明図である。
【
図14】下プレート61Dを、受止部材31D,31Dの上方に搬送した状態を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その説明を省略する。
図1には、後述する各図との方向関係を明確にするために、XYZ直交座標軸及び回転方向θが示されている。
【0012】
図1に示す検査装置1は、筐体15内に、大略的に、上側取付部2U、下側取付部2D、治具棚3a,3b、治具搬送機構4、上治具駆動機構5U、及び下治具駆動機構5Dを備えている。また、検査装置1は、後述する上側脱着機構8U、下側脱着機構8D、アーム側位置調節機構9、上位置調節機構10U、及び下位置調節機構10Dを備えている。
【0013】
検査対象物100は、略板状形状を有している。検査対象物100は、例えばプリント配線基板、ガラスエポキシ基板、フレキシブル基板、セラミック多層配線基板、半導体パッケージ用のパッケージ基板、インターポーザ基板、又はフィルムキャリア等の基板であってもよく、液晶ディスプレイ、EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ、又はタッチパネルディスプレイ等の、ディスプレイ用の電極板又はタッチパネル用等の電極板であってもよく、半導体チップ、CSP(Chip size package)、半導体素子(IC:Integrated Circuit)、又は半導体ウェハ等の半導体基板であってもよく、種々の基板であってよい。
【0014】
検査対象物100は、図略の搬送保持機構によって、所定の検査位置Aに搬送され、水平に保持される。
【0015】
上側取付部2Uは、検査位置Aに位置する検査対象物100の上方に配設されている。上側取付部2Uは、上治具6Uを下方から脱着可能にされている。下側取付部2Dは、検査位置Aに位置する検査対象物100の下方に配設されている。下側取付部2Dは、下治具6Dを上方から脱着可能にされている。以下、上側取付部2U及び下側取付部2Dを総称して取付部2と称し、上治具6U及び下治具6Dを総称して治具6と称する。
【0016】
上治具駆動機構5U及び下治具駆動機構5Dは、モータ、及びギヤ等の動力伝達機構によって構成されている。上治具駆動機構5Uは、上側取付部2UをX、Y、Z軸方向に移動させ、Z軸回りのθ方向に回転させる。下治具駆動機構5Dは、下側取付部2DをX、Y、Z軸方向に移動させ、Z軸回りのθ方向に回転させる。
【0017】
治具棚3a,3bは、それぞれ、上治具6Uと下治具6Dの組を、二組ずつ収容可能とされている。以下、治具棚3a,3bを総称して治具棚3と称する。
【0018】
治具搬送機構4は、アーム部材41と、アーム駆動部42a~42dとを備えている。以下、アーム駆動部42a~42dを総称してアーム駆動部42と称する。
アーム部材41の上面には、上治具6U及び下治具6Dを、選択的に載置可能とされている。アーム駆動部42aの上に、アーム駆動部42d,42b,42cが下からこの順に搭載されている。アーム部材41はアーム駆動部42cに連結されている。
【0019】
アーム駆動部42aは、アーム駆動部42d,42b,42cをX軸方向にスライド移動させる。これにより、アーム駆動部42aは、アーム駆動部42cに連結されたアーム部材41をX軸方向、すなわち取付部2に対して接近又は離間する方向にアーム部材41を移動させる。
【0020】
アーム駆動部42dは、アーム駆動部42b,42cをZ軸まわりに回動させる。これにより、アーム駆動部42dは、アーム駆動部42cに連結されたアーム部材41の向きを、X軸方向すなわち取付部2に向く方向と、Y軸方向すなわち治具棚3に向く方向との間で姿勢変更可能にされている。
【0021】
アーム駆動部42bは、アーム部材41と連結されたアーム駆動部42cを、アーム部材41の長手方向に沿ってスライド移動させる。これにより、アーム駆動部42bは、アーム部材41が取付部2の方向を向いているときはアーム部材41を取付部2に対して進退させ、アーム部材41が治具棚3の方向を向いているときはアーム部材41を治具棚3に対して進退させることができる。
【0022】
また、アーム駆動部42bには、後述するアーム側位置調節機構9の四本の支柱90の一端が取りつけられている。
図1では、押圧部91U,92U,91D,92Dの記載を省略し、支柱90のみを二点鎖線で透過させて記載している。四本の支柱90がアーム駆動部42bに取りつけられていることによって、アーム側位置調節機構9は、アーム駆動部42bと共に、アーム駆動部42aによってX軸方向にスライド移動され、アーム駆動部42dによって、Z軸まわりに回動される。
【0023】
アーム駆動部42a~42cは、例えばモータ、ギア機構、スライドレール、ラックアンドピニオン、ベルト、チェーン等を用いて構成されている。アーム駆動部42dは、例えばモータ及びギア機構等を用いて構成されている。
【0024】
治具搬送機構4は、後述する制御部7からの制御信号に応じてアーム駆動部42a~42dを連係動作させることによって、アーム部材41に載置された治具6を、取付部2と治具棚3との間で双方向に搬送可能にされている。
【0025】
図2は、アーム部材41が取付部2の方向を向いている状態を図示している。以下、
図3~
図6、
図11、
図12においては、アーム部材41が
図2と同じ方向を向いている状態でのXYZ方向を矢示している。
【0026】
図2に示す上治具6Uは、略板状の上プレート61Uと、複数の上プローブPuと、複数の上プローブPuを上プレート61Uの下面側から下方に向かって延びる向きに保持する上治具ヘッド62Uと、上プレート61Uの上面側に設けられ、装置側上コネクタ21Uと接続可能な治具側上コネクタ63Uと、上プレート61Uの下面側に設けられ、複数の上プローブPuと治具側上コネクタ63Uの各端子とを接続する配線64Uと、上プレート61Uの下面側に設けられ、上治具ヘッド62U及び配線64Uを間に挟んだ両側で突起した一対のブレード65とを備えている。
【0027】
上プレート61Uの幅はW3とされている。上治具6Uは、配線64U及び治具側上コネクタ63Uの各端子を覆う保護カバーを備えていてもよい。
【0028】
図2に示す例では、X軸方向左側が上治具6Uの先端側、X軸方向右側が上治具6Uの後端側となっている。上治具ヘッド62Uは上治具6Uの先端近傍に配設され、治具側上コネクタ63Uは上治具ヘッド62Uよりも後端側に配設されている。
【0029】
一対のブレード65は、X軸方向に長尺の板状形状を有し、上プレート61Uの下面に立設されている。一対のブレード65は、その頂部651が、互いに平行に延びて延設されている。一対のブレード65の上プレート61U下面からの突出量(高さ)はX軸方向に対して一定とされている。これにより、アーム部材41の上面に一対のブレード65の頂部651を当接させてアーム部材41上に上治具6Uを載置した場合に、一対のブレード65によって上プレート61Uが水平に支持されるようになっている。
【0030】
一対のブレード65は、上プレート61U下面からの突出量すなわち頂部651の高さが、配線64U及び治具側上コネクタ63Uの各端子、あるいはその保護カバーよりも大きくされている。
図2に示すように、ブレード65の、頂部651と上プレート61U下面との間の部分が一部切り欠かれていてもよい。
【0031】
上プレート61Uの上面には、治具側上コネクタ63Uの正面が露出している。
図2では、治具側上コネクタ63Uの背面側が上プレート61Uの下面に見えている。また、上プレート61Uの上面には、後述する上側取付部2Uの位置決ピン23を受け入れる図略の位置決孔が設けられている。
【0032】
下治具6Dは、上治具6Uから一対のブレード65を取り除き、上下反転したものに相当する。
図2には、上治具6U、上プレート61U、上治具ヘッド62U、治具側上コネクタ63U、配線64U、及び上プローブPuに対応する下治具6D、下プレート61D、下治具ヘッド62D、治具側下コネクタ63D、配線64D、及び下プローブPdを示す符号を括弧書きで記載している。
【0033】
すなわち、
図1、
図2に示す下治具6Dは、略板状の下プレート61Dと、複数の下プローブPdと、複数の下プローブPdを下プレート61Dの上面側から上方に向かって延びる向きに保持する下治具ヘッド62Dと、下プレート61Dの下面側に設けられ、装置側下コネクタ21Dと接続可能な治具側下コネクタ63Dと、下プレート61Dの上面側に設けられ、複数の下プローブPdと治具側下コネクタ63Dの各端子とを接続する配線64Dとを備えている。
【0034】
上プレート61U、下プレート61D、及び一対のブレード65としては、例えばアルミ又はステンレス等の金属板を好適に用いることができる。以下、上プレート61U及び下プレート61Dを総称してプレート61と称し、上プローブPu及び下プローブPdを総称してプローブPと称する。
【0035】
図3に示す上側取付部2Uは、略板状のベースプレート22Uを備えている。
図3に示す例では、X軸方向奥側がベースプレート22Uの先端側、X軸方向手前側がベースプレート22Uの後端側となっている。ベースプレート22Uの四隅には切欠221が形成されている。
【0036】
ベースプレート22Uの後端側の位置には、装置側上コネクタ21Uが配設されている。ベースプレート22Uの下面には、下方に向けて突出する複数の位置決ピン23が取り付けられている。ベースプレート22Uに上治具6Uを取り付けると、各位置決ピン23が上述の位置決孔に挿入され、ベースプレート22Uと上治具6Uとが位置決めされて、装置側上コネクタ21Uと治具側上コネクタ63Uとが接続されるようになっている。
【0037】
上側脱着機構8Uは、上保持部材80Uと、
図7に示す上治具昇降機構83Uとを備えている。上保持部材80Uは、ベースプレート22UのY軸方向両側に、X軸方向に沿って互いに平行に延びる保持棒81U,82Uを備えている。保持棒81Uは、YZ平面で切断した断面が略L字形状を有している。
【0038】
保持棒81U,82Uは、相対向する縦壁811,821を備えている。
【0039】
保持棒81Uは、縦壁811の下端から保持棒82Uへ向かって延びる板状の上第一突起部812Uと、縦壁811の上端すなわち上第一突起部812Uの上方で、上第一突起部812Uと対向して保持棒82Uへ向かって突出する上第二突起部813U,813Uとを備えている。
【0040】
保持棒82Uは、縦壁821の下端から保持棒81Uへ向かって延びる板状の上第一突起部822Uと、縦壁821の上端すなわち上第一突起部822Uの上方で、上第一突起部822Uと対向して保持棒81Uへ向かって突出する上第二突起部823U,823Uとを備えている。
【0041】
上第一突起部812Uと上第二突起部813U,813Uとの間隔W1、及び上第一突起部822Uと上第二突起部823U,823Uとの間隔W1は、上プレート61Uの厚さTよりも大きくされている。これにより、
図4に示すように、保持棒81U,82Uの間隔W1に上プレート61Uを挿入可能にされている。間隔W1に挿入された上プレート61Uの下面は、上第一突起部812U,822Uによって支持される。
【0042】
上第一突起部812Uと上第一突起部822Uの間隔W5は、プレート61の幅W3より狭く、かつ後述するアーム部材41の幅W2よりも広い。これにより、アーム部材41と上第一突起部812U,822Uとが干渉することなく、アーム部材41によって、上プレート61Uを、保持棒81U,82Uの間隔W1内に搬送、搬出することが可能となる。
【0043】
なお、下保持部材80Dの場合には、下第一突起部813Dと下第一突起部823Dとの間の間隔W6が、プレート61の幅W3より狭く、かつ後述するアーム部材41の幅W2よりも広い。これにより、アーム部材41と下第一突起部813D,823Dとが干渉することなく、アーム部材41によって、下プレート61Dを、保持棒81D,82Dの間隔W1内に搬送、搬出することが可能となる。
【0044】
保持棒81U,82Uは、後述する上治具昇降機構83Uによって、昇降可能にされている。保持棒81U,82Uが上治具昇降機構83Uによって上昇されると、上第二突起部813U,813U,823U,823Uが、ベースプレート22Uの四隅の切欠221に嵌まり込む。
【0045】
上位置センサ85Uは、例えば保持棒81U,82Uの先端部F側に配設されている。上位置センサ85Uは、上保持部材80Uによって保持された上治具6Uの位置を検出する。上位置センサ85Uとしては、載置位置検出部44と同様の位置検出センサを用いることができる。
【0046】
図3を参照して、上位置調節機構10Uは、保持棒81U,82Uの例えば一端部近傍と他端部近傍に取りつけられている。上位置調節機構10Uは、略棒状の押圧部材11(第二押圧部材)と、押圧部材11を進退させるアクチュエータ12とを備えている。
【0047】
各アクチュエータ12は、保持棒81U,82Uの縦壁811,821の外側に取り付けられている。縦壁811,821における、アクチュエータ12の取り付け位置には、孔84が形成されている。各アクチュエータ12は、後述する治具搬送制御部71からの制御信号に応じて、孔84から押圧部材11を突出させたり、押圧部材11を退避させたりする。
【0048】
これにより、各アクチュエータ12は、後述する治具搬送制御部71からの制御信号に応じて上保持部材80Uに保持された上プレート61Uの両側から上プレート61Uへ向けて押圧部材11を突出させ、上プレート61Uの縁部に押圧部材11を当接させることによって、上治具6Uの位置を調節する。
【0049】
下側取付部2D、下側脱着機構8D、下位置調節機構10D、及び下位置センサ85Dは、
図3に示す上側取付部2U、上側脱着機構8U、上位置調節機構10U、及び上位置センサ85Uを上下反転したものに相当し、上側取付部2U、上側脱着機構8U、上位置調節機構10U、及び上位置センサ85Uと同様に構成されているのでその説明を省略する。
【0050】
図3においては、上側取付部2U、装置側上コネクタ21U、ベースプレート22U、上側脱着機構8U、上保持部材80U、保持棒81U,82U、上第一突起部812U,822U、上第二突起部813U,813U、上第二突起部823U,823U、上位置センサ85U、及び上位置調節機構10Uに対応する、下側取付部2D、装置側下コネクタ21D、ベースプレート22D、下側脱着機構8D、下保持部材80D、保持棒81D,82D、下第二突起部812D,822D、下第一突起部813D,813D、下第一突起部823D,823D、下位置センサ85D、及び下位置調節機構10Dの符号を括弧書きで図示している。下位置調節機構10Dの押圧部材11が第三押圧部材の一例に相当している。
【0051】
下保持部材80Dの場合、保持棒81D,82Dの間隔W1に挿入された下プレート61Dの下面は、下第一突起部813D,813D及び下第一突起部823D,823Dによって支持される。
【0052】
図4に示すように、保持棒81U,82Uの間隔W1に上プレート61Uが挿入された状態で保持棒81U,82Uが上昇すると、上第一突起部812U及び上第一突起部822Uによって、上プレート61Uがベースプレート22Uに圧接され、治具側上コネクタ63Uと装置側上コネクタ21Uとが接続される。このようにして、上治具6Uが上側取付部2Uに取り付けられる。
【0053】
一方、
図4に示す状態から、保持棒81U,82Uが下降すると、上第二突起部813U,813U及び上第二突起部823U,823Uによって、上プレート61Uがベースプレート22Uから引き離される。その結果、上治具6Uが上側取付部2Uから取り外される。
【0054】
同様に、下側脱着機構8Dの場合、保持棒81D,82Dの間隔W1に下プレート61Dが挿入された状態で保持棒81D,82Dが下降すると、下第二突起部812D及び下第二突起部822Dによって、下プレート61Dがベースプレート22Dに圧接され、治具側下コネクタ63Dと装置側下コネクタ21Dとが接続される。このようにして、下治具6Dが下側取付部2Dに取り付けられる。
【0055】
一方、保持棒81D,82Dが上昇すると、下第一突起部813D,813D及び下第一突起部823D,823Dによって、下プレート61Dがベースプレート22Dから引き離される。その結果、下治具6Dが下側取付部2Dから取り外される。
【0056】
図5に示すアーム部材41は、連結部43によってアーム駆動部42cと連結されている。アーム部材41は、治具6をその上面に載置可能な略板状の形状を有している。連結部43は、アーム部材41を水平に維持した状態で、アーム駆動部42cの駆動に連動させてアーム部材41を昇降させる。
【0057】
アーム部材41の上面、連結部43近傍には、四つの載置位置検出部44が配設されている。載置位置検出部44は、アーム部材41上に載置された治具6の載置位置を検出するセンサである。載置位置検出部44としては、例えば光センサ、超音波センサ、又は治具6に対してレバーを物理的に当接させて治具6の位置を検出する機械式センサ等、種々のセンサを用いることができる。
【0058】
アーム部材41の、連結部43とは反対側の先端部Fには、連結部43と連結された基端部R方向に凹没して切り欠かれた凹没部45が設けられている。凹没部45は、アーム部材41に上治具6Uが載置されたときに上治具ヘッド62Uが位置する部分に設けられている。
【0059】
これにより、アーム部材41に上治具6Uが載置されると、
図6に示すように、凹没部45から上治具ヘッド62Uが通り抜けて、アーム部材41の下側に上治具ヘッド62Uが突出する。このように、凹没部45が設けられていることによって、アーム部材41に上治具6Uが載置されたときに、アーム部材41と上治具ヘッド62Uとが干渉しないようになっている。
【0060】
また、アーム部材41の上面には、一対のブレード65の頂部651を受け入れるように凹没した一対の溝部46が設けられている。これにより、アーム部材41に上治具6Uが載置されたときに、一対のブレード65の頂部651が一対の溝部46に嵌まり込む結果、アーム部材41で上治具6Uが横滑りするおそれが低減される。
【0061】
また、アーム部材41に上治具6Uが載置されたとき、アーム部材41と上プレート61Uとの間に一対のブレード65が介在する。その結果、アーム部材41の上面と上プレート61Uの下面とが、ブレード65の高さから溝部46の深さを減算した距離だけ離間する。このように、アーム部材41の上面と上プレート61Uの下面とが離間することによって、配線64Uがアーム部材41と上プレート61Uとに挟まれないようになっている。
【0062】
アーム部材41には、アーム部材41に下治具6Dが載置されたときに治具側下コネクタ63Dが位置する部分に開口部47が形成されている。これにより、アーム部材41に下治具6Dが載置された場合であっても、下治具6Dの治具側下コネクタ63Dがアーム部材41と干渉しないようになっている。アーム部材41には、さらに、予備的に開口部48が形成されている。
【0063】
アーム部材41の幅W2は、プレート61の幅W3よりも小さくされている。これにより、アーム部材41に治具6が載置されたとき、アーム部材41の幅方向両側にプレート61がはみ出すようになっている。
【0064】
アーム側位置調節機構9は、一対の押圧部91U,91U、一対の押圧部92U,92U、一対の押圧部91D,91D、及び一対の押圧部92D,92Dの計八つの押圧部と、これらの押圧部を支持する四本の支柱90とを備えている。各一対の押圧部は、対の一方と対の他方との間に、アーム部材41に載置された治具6が位置するように、それぞれY軸方向に対向配置されている。各押圧部は、それぞれ、押圧部材911(第一押圧部材)と、アクチュエータ912とを備えている。
【0065】
一対の押圧部91U,91U及び一対の押圧部92U,92Uは、一対の押圧部91D,91D及び一対の押圧部92D,92Dの上方に配置されている。一対の押圧部91U,91U及び一対の押圧部91D,91Dと、一対の押圧部92U,92U及び一対の押圧部92D,92Dとは、下プレート61D及び上プレート61UのX軸方向長さよりも短い所定距離、互いに離間して配設されている。
【0066】
押圧部91U,91U,92U,92Uは、上側取付部2Uと治具棚3との間で上治具6Uを搬送する際の位置調節に用いられ、押圧部91D,91D,92D,92Dは、下側取付部2Dと治具棚3との間で下治具6Dを搬送する際の位置調節に用いられる。アーム側位置調節機構9によって、アーム部材41上における上治具6U、下治具6Dの載置位置を調節することによって、上治具6U、下治具6Dを搬送する際に、上側脱着機構8U、下側脱着機構8D又は治具棚3と干渉、摺動するおそれが低減される。その結果、摺動による粉塵が発生するおそれが低減される。
【0067】
また、上方の押圧部91U,91U,92U,92Uと、下方の押圧部91D,91D,92D,92Dとを備えることによって、治具6を取付部2へ搬送する際の、アーム部材41の移動量を低減することができる。
【0068】
アクチュエータ912は、後述する治具搬送制御部71からの制御信号に応じて各押圧部の押圧部材911を進退させる。
図6に示すように、アーム側位置調節機構9は、アーム部材41に載置された上治具6U又は下治具6Dの両側から押圧部材911を突出させ、上プレート61U又は下プレート61Dの縁部に押圧部材911を当接させることによって、アーム部材41上の治具6の載置位置を調節可能とされている。
【0069】
図1に示す治具棚3a,3bは、それぞれ、相対向する縦壁32,32と、縦壁32,32の内壁から突出する二対の受止部材31U,31Uと、二対の受止部材31D,31Dとを備えている。一対の受止部材31U,31Uで上治具6Uを一つ受け止めることができ、一対の受止部材31D,31Dで下治具6Dを一つ受け止めることができる。以下、受止部材31U,31Dを総称して、受止部材31と称する。
【0070】
従って、治具棚3aには上治具6Uと下治具6Dとを二つずつ収容することができ、治具棚3bにも、上治具6Uと下治具6Dとを二つずつ収容することができる。
図1は、治具棚3aに上治具6Uと下治具6Dとが一つずつ、治具棚3bに上治具6Uと下治具6Dとが二つずつ収容された状態を示している。
【0071】
一対の受止部材31,31相互間の間隔W4は、治具6の幅W3よりも狭く、かつアーム部材41の幅W2よりも広い。これにより、一対の受止部材31,31によって受け止められている治具6の下方にアーム部材41を差し入れて、アーム部材41を上昇させることによって、アーム部材41で治具6をすくい上げることができるようになっている。
【0072】
図7に示す検査装置1は、制御部7を備えている。制御部7には、装置側下コネクタ21D、装置側上コネクタ21U、アーム駆動部42、載置位置検出部44、アーム側位置調節機構9、上治具昇降機構83U、上位置センサ85U、上位置調節機構10U、下治具昇降機構83D、下位置センサ85D、及び下位置調節機構10Dが電気的に接続されている。
【0073】
制御部7は、例えば、所定の演算処理を実行するCPU(Central Processing Unit)、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)、所定の制御プログラム等を記憶するフラッシュメモリ又はHDD(Hard Disk Drive)等の不揮発性の記憶装置、及びこれらの周辺回路等を用いて構成されている。制御部7は、例えば上述の制御プログラムを実行することによって、治具搬送制御部71、及び検査部72として機能する。
【0074】
治具側上コネクタ63Uと装置側上コネクタ21Uとが接続され、治具側下コネクタ63Dと装置側下コネクタ21Dとが接続されると、上プローブPuが治具側上コネクタ63U及び装置側上コネクタ21Uを介して制御部7と接続され、下プローブPdが治具側下コネクタ63D及び装置側下コネクタ21Dを介して制御部7と接続される。
【0075】
検査部72は、上プローブPu及び下プローブPdのうちの、任意のプローブ間に検査用の電流を供給し、任意のプローブ間の電圧を測定することによって、検査対象物100を検査する。
【0076】
治具搬送制御部71は、アーム駆動部42、上治具昇降機構83U、及び下治具昇降機構83Dの動作を制御することによって、上治具6Uを治具棚3と上側取付部2Uとの間で搬送し、下治具6Dを治具棚3と下側取付部2Dとの間で搬送する。
【0077】
また、治具搬送制御部71は、載置位置検出部44によって検出された、アーム部材41上での治具6の載置位置に基づいてアーム側位置調節機構9を制御する。これにより、治具搬送制御部71は、アーム部材41上の適切な位置に治具6を載置させるよう、アーム側位置調節機構9によって治具6の載置位置を調節させる。
【0078】
また、治具搬送制御部71は、上位置センサ85Uによって検出された、上保持部材80Uによる上治具6Uの保持位置に基づいて上位置調節機構10Uを制御する。これにより、治具搬送制御部71は、上保持部材80Uによって適切な位置に上治具6Uを保持させるよう、上位置調節機構10Uによって上治具6Uの位置を調節させる。
【0079】
また、治具搬送制御部71は、下位置センサ85Dによって検出された、下保持部材80Dによる下治具6Dの保持位置に基づいて下位置調節機構10Dを制御する。これにより、治具搬送制御部71は、下保持部材80Dによって適切な位置に下治具6Dを保持させるよう、下位置調節機構10Dによって下治具6Dの位置を調節させる。
【0080】
また、治具搬送制御部71は、上治具昇降機構83Uの動作を制御することによって上側取付部2Uに対して上治具6Uを脱着し、下治具昇降機構83Dの動作を制御することによって下側取付部2Dに対して下治具6Dを脱着する。
【0081】
治具搬送制御部71は、これらアーム駆動部42、アーム側位置調節機構9、上治具昇降機構83U、上位置調節機構10U、下治具昇降機構83D、及び下位置調節機構10Dを連携動作させることによって、上側取付部2U及び下側取付部2Dに取りつけられた治具6を、治具棚3に収容された他の治具6と交換することができる。
【0082】
図8を参照して、取付部2から取り外した治具6を治具棚3に収容する場合の検査装置1の動作を説明する。
【0083】
まず、上側取付部2Uには上治具6Uが取りつけられ、下側取付部2Dには下治具6Dが取りつけられているものとする。この状態から上治具6Uを搬送する場合、上治具昇降機構83Uは、治具搬送制御部71からの制御信号に応じて上保持部材80Uを下降させる。そうすると、上第二突起部813U,813U,823U,823Uが上プレート61Uの上面を下方に押し下げる結果、治具側上コネクタ63Uが装置側上コネクタ21Uから切り離されて、上治具6Uが上側取付部2Uから取り外される(ステップS1)。
【0084】
上プローブPu及び下プローブPdは、それぞれ千本以上設けられている場合が少なくない。そうすると、治具側上コネクタ63U及び治具側下コネクタ63Dのピン数も、プローブ本数に応じて千個を超えることが少なくない。千を超えるピン数を有するコネクタの脱着には、大きな力が必要になる。そこで、上第二突起部813U,813U,823U,823Uを備えることによって、上治具昇降機構83Uが上保持部材80Uを下降させる力で強制的に治具側上コネクタ63Uを装置側上コネクタ21Uから切り離し、上治具6Uを上側取付部2Uから取り外すことができるようになっている。
【0085】
なお、フローチャートに括弧書きで記載しているように、下治具6Dを搬送する場合、治具搬送制御部71からの制御信号に応じて、下治具昇降機構83Dが、下保持部材80Dを上昇させる(ステップS1)。これにより、上治具6Uの場合と同様にして、治具側下コネクタ63Dを装置側下コネクタ21Dから切り離し、下治具6Dを下側取付部2Dから取り外すことができるようになっている。
【0086】
以下、下治具6Dに関わる動作については適宜括弧書きで併記する。
【0087】
次に、アーム駆動部42は、治具搬送制御部71からの制御信号に応じて、上プレート61Uの下方に、上プレート61Uと接触しないように非接触でアーム部材41を差し入れ、アーム部材41を上昇させることによって、上治具6Uをすくい上げる(ステップS2)。
【0088】
図11は、上治具6Uをすくい上げた状態を示す説明図である。
図11に示すように、アーム部材41に上治具6Uが載置された状態では、アーム部材41の上面にブレード65,65の頂部が当接し、アーム部材41の凹没部45から上治具6Uの上治具ヘッド62Uが下方に突出している。
【0089】
アーム部材41の幅W2、上第一突起部812U,822Uの間隔W5、プレート61の幅W3、及び縦壁811,821間の間隔W7は、W2<W5<W3<W7の関係を有し、かつ、上第一突起部812Uと上第二突起部813U,813Uとの間隔W1、及び上第一突起部822Uと上第二突起部823U,823Uとの間隔W1と、プレート61の厚さTとは、W1>Tの関係を有している。従って、アーム部材41は、上保持部材80Uと干渉することなく上プレート61Uをすくい上げることができる。その結果、上治具6Uと上保持部材80Uとを、非接触状態にすることができる。
【0090】
下治具6Dを搬送する場合もまた、上治具6Uを搬送する場合と同様、アーム駆動部42は、治具搬送制御部71からの制御信号に応じて、下プレート61Dの下方に、下プレート61Dと接触しないように非接触でアーム部材41を差し入れ、アーム部材41を上昇させることによって、下治具6Dをすくい上げる(ステップS2)。
【0091】
図12に示すように、アーム部材41の幅W2、下第一突起部813D,823D間の間隔W6、プレート61の幅W3、及び縦壁811,821間の間隔W7は、W2<W6<W3<W7の関係を有し、かつ、下第一突起部813D,813Dと下第二突起部812Dとの間隔W1、及び下第一突起部823D,823Dと下第二突起部822Dとの間隔W1と、プレート61の厚さTとは、W1>Tの関係を有している。従って、アーム部材41は、下保持部材80Dと干渉することなく下プレート61Dをすくい上げることができる。その結果、下治具6Dと下保持部材80Dとを、非接触状態にすることができる。
【0092】
次に、アーム駆動部42は、治具搬送制御部71からの制御信号に応じてアーム部材41をX軸方向に水平移動させることによって、アーム部材41上の上プレート61U(下プレート61D)を、上保持部材80U(下保持部材80D)から抜き取って搬送する(ステップS3)。
【0093】
この場合、上治具6U(下治具6D)と上保持部材80U(下保持部材80D)とが非接触のまま摺動することなく上治具6U(下治具6D)が搬送される。その結果、摺動による粉塵の発生を抑制することができる。もし仮に、検査装置1内で粉塵が発生し、検査対象物100に付着すると、正確な検査結果が得られなくなるおそれがある。しかしながら、ステップS2,S3によれば、上治具6U(下治具6D)と上保持部材80U(下保持部材80D)とが非接触のまま摺動することなく上治具6U(下治具6D)が搬送されるので、粉塵が発生するおそれを低減することができる。
【0094】
次に、治具搬送制御部71は、載置位置検出部44による検出位置に基づきアーム側位置調節機構9を制御するべく制御信号を出力する。アーム側位置調節機構9は、治具搬送制御部71からの制御信号に基づき、アーム部材41上の治具6の両側から押圧部91U,91U(押圧部91D,91D)の押圧部材911を適宜突出させる。これにより、アーム部材41上の上治具6U(下治具6D)の載置位置を調節する(ステップS4)。
【0095】
次に、突出した押圧部材911によって治具6を両側から押圧させたまま、アーム駆動部42は、治具搬送制御部71からの制御信号に応じてアーム部材41を旋回させてアーム部材41の先端を、治具棚3に向ける(ステップS5)。
【0096】
この場合、押圧部材911によって治具6が保持された状態のままアーム部材41が旋回するので、旋回により治具6の載置位置がズレたり、治具6がアーム部材41から脱落したりするおそれが低減される。
【0097】
次に、アーム側位置調節機構9は、治具搬送制御部71からの制御信号に基づき、押圧部材911を退避させる(ステップS6)。
【0098】
次に、アーム駆動部42は、治具搬送制御部71からの制御信号に応じてアーム部材41上の上プレート61U(下プレート61D)を、受止部材31U,31U(受止部材31D,31D)の上方に離間した状態で搬送する(ステップS7、
図13(
図14))。
【0099】
この場合、上プレート61U(下プレート61D)を、受止部材31U,31U(受止部材31D,31D)と摺動させることなく受止部材31U,31U(受止部材31D,31D)の上方に搬送することができるので、摺動による粉塵の発生を抑制することができる。
【0100】
また、ステップS4においてアーム部材41上の治具6の載置位置が適切に調節された状態で、治具6が治具棚3に搬入されるので、治具6の載置位置のズレに起因して治具6と治具棚3とが干渉したり摺動したりするおそれが低減される。その結果、干渉、摺動に起因して粉塵が発生するおそれを低減することができる。
【0101】
なお、ステップS3~S7において、アーム部材41上の治具6が搬送されている期間中、治具搬送制御部71は、載置位置検出部44による治具6の載置位置を監視することが好ましい。そして、治具6の載置位置がズレて予め設定された載置範囲から出た場合、治具搬送制御部71は、アーム駆動部42によるアーム部材41の搬送動作を停止させることが好ましい。
【0102】
これにより、治具6の搬送過程において、治具6が何らかの物に干渉した状態で治具6に搬送力が加えられたり、治具6がアーム部材41から落下したりするおそれが低減される。
【0103】
次に、アーム駆動部42は、治具搬送制御部71からの制御信号に応じてアーム部材41を下降させ、上治具6U(下治具6D)を受止部材31U,31U(受止部材31D,31D)で受け止めさせる(ステップS8)。
【0104】
図13に示すように、アーム部材41の幅W2、受止部材31U,31U間の間隔W4、プレート61の幅W3、及び縦壁32,32間の間隔W8は、W2<W4<W3<W8の関係を有している。従って、アーム部材41は、受止部材31U,31Uと干渉することなく受止部材31U,31Uの下方まで下降して、上治具6Uを受止部材31U,31Uで受け止めさせることができる。
【0105】
同様に、
図14に示すように、アーム部材41の幅W2、受止部材31D,31D間の間隔W4、プレート61の幅W3、及び縦壁32,32間の間隔W8は、W2<W4<W3<W8の関係を有している。従って、アーム部材41は、受止部材31D,31Dと干渉することなく受止部材31D,31Dの下方まで下降して、下治具6Dを受止部材31D,31Dで受け止めさせることができる。
【0106】
ステップS7,S8によれば、上治具6U(下治具6D)と受止部材31U,31U(受止部材31D,31D)とを非接触のまま摺動させることなく上治具6U(下治具6D)を治具棚3に収容することができる。その結果、粉塵が発生するおそれを低減することができる。
【0107】
以上、ステップS1~S8によれば、上側取付部2U(下側取付部2D)に取りつけられている上治具6U(下治具6D)を取り外して治具棚3に収容することができる。また、アーム部材41によって、上治具6Uの搬送と下治具6Dの搬送とを両方行うことができるので、上治具6U及び下治具6Dの両方を搬送することが容易となる。
【0108】
なお、ステップS5において、必ずしも突出した押圧部材911によって治具6を両側から押圧させたままアーム部材41を旋回させる必要はなく、ステップS6で押圧部材911を退避させた後にステップS5でアーム部材41を旋回させてもよい。
【0109】
また、ステップS5でアーム部材41を旋回させた後にステップS4で治具6の載置位置を調節してもよい。
【0110】
図9を参照して、治具棚3から取り出した治具6を取付部2に取りつける場合の検査装置1の動作を説明する。
【0111】
まず、アーム駆動部42は、治具搬送制御部71からの制御信号に応じて、受止部材31U,31U(31D,31D)によって受け止められている上プレート61U(下プレート61D)の下方に上プレート61U(下プレート61D)とは離間した状態でアーム部材41を差し入れ、アーム部材41を上昇させて上治具6U(下治具6D)をすくい上げる(ステップS11)。
【0112】
図13(
図14)は、アーム部材41によって上治具6U(下治具6D)をすくい上げた状態を示している。上述したように、W2<W4<W3<W8の関係を有しているので、アーム部材41を、受止部材31U,31U(31D,31D)と干渉させることなく上昇させ、上治具6U(下治具6D)を、受止部材31U,31U(31D,31D)から離間させることができる。
【0113】
次に、アーム駆動部42は、治具搬送制御部71からの制御信号に応じてアーム部材41を水平移動させ、上治具6U(下治具6D)を受止部材31U,31U(31D,31D)から離間させた状態のまま治具棚3から取り出す(ステップS12)。
【0114】
ステップS11,S12によれば、上治具6U(下治具6D)と受止部材31U,31U(受止部材31D,31D)とを非接触のまま摺動させることなく上治具6U(下治具6D)を治具棚3から取り出すことができる。その結果、粉塵が発生するおそれを低減することができる。
【0115】
次に、治具搬送制御部71は、載置位置検出部44による検出位置に基づきアーム側位置調節機構9を制御するべく制御信号を出力する。アーム側位置調節機構9は、治具搬送制御部71からの制御信号に基づき、押圧部91U,91U(押圧部91D,91D)の押圧部材911を適宜突出させる。これにより、アーム部材41上の上治具6U(下治具6D)の載置位置を調節する(ステップS13)。
【0116】
次に、突出した押圧部材911によって治具6を両側から押圧させたまま、アーム駆動部42は、治具搬送制御部71からの制御信号に応じてアーム部材41を旋回させてアーム部材41の先端を、取付部2の方向に向ける(ステップS14)。
【0117】
この場合、押圧部材911によって治具6が保持された状態のままアーム部材41が旋回するので、旋回により治具6の載置位置がズレたり、治具6がアーム部材41から脱落したりするおそれが低減される。
【0118】
次に、アーム側位置調節機構9は、治具搬送制御部71からの制御信号に基づき、押圧部材911を退避させる(ステップS15)。
【0119】
次に、アーム駆動部42は、治具搬送制御部71からの制御信号に応じてアーム部材41を移動させ、アーム部材41に載置された上プレート61U(下プレート61D)の幅方向両端部を、上第一突起部812U,822Uと上第二突起部813U,813U,823U,823U(下第一突起部813D,813D,823D,823Dと下第二突起部812D,822D)の間隔W1に差し入れる(ステップS16)。
【0120】
図11(
図12)は、アーム部材41によって上治具6Uを、上保持部材80Uの間隔W1に差し入れた状態を示している。上述したように、W2<W5<W3<W7、かつW1>Tの関係を有しているので、アーム部材41が上保持部材80Uと干渉することなく、かつ上治具6Uを、上保持部材80Uに接触させずに非接触で差し入れることができる。
【0121】
同様に、
図12に示すように、W2<W6<W3<W7、かつW1>Tの関係を有しているので、アーム部材41が下保持部材80Dと干渉することなく、かつ下治具6Dを、下保持部材80Dに接触させずに非接触で差し入れることができる。
【0122】
従って、ステップS16によれば、上治具6U(下治具6D)と受止部材31U,31U(受止部材31D,31D)とを非接触のまま摺動させることなく上保持部材80U(下保持部材80D)の間隔W1に差し入れることができる。その結果、粉塵が発生するおそれを低減することができる。
【0123】
また、ステップS13でアーム部材41上での上治具6U(下治具6D)の載置位置を調整した後に、ステップS16で上治具6U(下治具6D)を上保持部材80U(下保持部材80D)の間隔W1に差し入れるので、上治具6U(下治具6D)の差し入れ精度が向上する。その結果、上治具6U(下治具6D)と受止部材31U,31U(受止部材31D,31D)とが干渉したり摺動したりするおそれが低減される。その結果、干渉、摺動に起因して粉塵が発生するおそれを低減することができる。
【0124】
なお、ステップS13~S16において、アーム部材41上の治具6が搬送されている期間中、治具搬送制御部71は、載置位置検出部44による治具6の載置位置を監視することが好ましい。そして、治具6の載置位置がズレて予め設定された載置範囲から出た場合、治具搬送制御部71は、アーム駆動部42によるアーム部材41の搬送動作を停止させることが好ましい。
【0125】
これにより、治具6の搬送過程において、治具6が何らかの物に干渉した状態で治具6に搬送力が加えられたり、治具6がアーム部材41から落下したりするおそれが低減される。
【0126】
次に、アーム駆動部42は、治具搬送制御部71からの制御信号に応じてアーム部材41を下降させ、上プレート61U(下プレート61D)を上第一突起部812U,822U(下第一突起部813D,813D,823D,823D)で受け止めさせる(ステップS17)。
【0127】
次に、治具搬送制御部71は、載置位置検出部44による検出位置に基づき、各上位置調節機構10U(下位置調節機構10D)を制御するべく制御信号を出力する。各上位置調節機構10U(下位置調節機構10D)は、治具搬送制御部71からの制御信号に応じて上保持部材80U(下保持部材80D)に差し入れられた上プレート61U(下プレート61D)へ押圧部材11を適宜突出させることによって、上保持部材80U(下保持部材80D)に保持された上治具6U(下治具6D)の位置を調節する(ステップS18)。
【0128】
次に、上治具昇降機構83Uは、治具搬送制御部71からの制御信号に応じて、上保持部材80Uを上昇させ、上治具6Uを上側取付部2Uに取り付ける(ステップS19)。下治具6Dの場合は、下治具昇降機構83Dが、治具搬送制御部71からの制御信号に応じて、下保持部材80Dを下降させ、下治具6Dを下側取付部2Dに取り付ける(ステップS19)。
【0129】
上述したように、治具側上コネクタ63U及び治具側下コネクタ63Dのピン数は千個を超えることが少なくない。千を超えるピン数を有するコネクタの接続には、大きな力が必要になる。そこで、上第一突起部812U,822Uを備えることによって、上治具昇降機構83Uが上保持部材80Uを上昇させる力で強制的に治具側上コネクタ63Uを装置側上コネクタ21Uに接続し、上治具6Uを上側取付部2Uに取り付けることができる。
【0130】
同様に、下第二突起部812D,822Dを備えることによって、下治具昇降機構83Dが下保持部材80Dを下降させる力で強制的に治具側下コネクタ63Dを装置側下コネクタ21Dに接続し、下治具6Dを下側取付部2Dに取り付けることができる。
【0131】
また、ステップS19で治具側上コネクタ63U(治具側下コネクタ63D)と、装置側上コネクタ21U(装置側下コネクタ21D)とを接続する前に、ステップS18で、上保持部材80U(下保持部材80D)に保持された上治具6U(下治具6D)の位置が微調節されるので、治具側上コネクタ63U(治具側下コネクタ63D)と、装置側上コネクタ21U(装置側下コネクタ21D)とを精度よく位置決めしてから接続させることができる。その結果、上治具6U(下治具6D)の取り付けの際に、治具側上コネクタ63U(治具側下コネクタ63D)と、装置側上コネクタ21U(装置側下コネクタ21D)とが位置ずれにより干渉するおそれが低減される。
【0132】
以上、ステップS11~S19によれば、治具棚3に収容された上治具6U(下治具6D)を、上側取付部2U(下側取付部2D)に取り付けることができる。従って、ステップS1~S8と、ステップS11~S19とを組み合わせることによって、上側取付部2U(下側取付部2D)に取り付けられた上治具6U(下治具6D)と、治具棚3に収容された上治具6U(下治具6D)とを交換することができる。
【0133】
さらに、上治具6Uを交換する場合、及び下治具6Dを交換する場合の何れの場合であっても、同じアーム部材41を用いて交換することができるので、検査対象物100の上面に接触する上治具6U及び検査対象物100の下面に接触する下治具6Dの両方を交換することが容易となる。
【0134】
なお、ステップS14において、必ずしも突出した押圧部材911によって治具6を両側から押圧させたままアーム部材41を旋回させる必要はなく、ステップS15で押圧部材911を退避させた後にステップS14でアーム部材41を旋回させてもよい。
【0135】
また、ステップS14でアーム部材41を旋回させた後にステップS13で治具6の載置位置を調節してもよい。
【0136】
なお、治具棚3は、複数対の上治具6U及び下治具6Dを収容可能な例を示したが、治具棚3は、上治具6U及び下治具6Dを一対のみ収納可能であってもよい。
【0137】
また、治具棚3から上治具6U(下治具6D)を出し入れする際に、受止部材31U,31U(31D,31D)と上治具6U(下治具6D)とを摺動させない例を示したが、摺動させてもよい。
【0138】
また、上治具6U(下治具6D)を、上保持部材80U(下保持部材80D)に対して、抜き取り又は差し入れする際に、上治具6U(下治具6D)と上保持部材80U(下保持部材80D)とを摺動させない例を示したが、摺動させてもよい。
【0139】
また、上治具6U(下治具6D)を治具棚3に収容する際に、アーム部材41を下降させて上治具6U(下治具6D)を受止部材31U,31U(31D,31D)に受け止めさせる例を示した。しかしながら、アーム部材41と受止部材31U,31U(31D,31D)とを相対的に移動させて、上治具6U(下治具6D)を受止部材31U,31U(31D,31D)に受け止めさせればよい。従って、アーム部材41を下降させる代わりに受止部材31U,31U(31D,31D)を上昇させてもよく、アーム部材41の下降と受止部材31U,31U(31D,31D)の上昇とを組み合わせてもよい。
【0140】
同様に、上治具6U(下治具6D)を治具棚3から取り出す際に、アーム部材41を上昇させる代わりに受止部材31U,31U(31D,31D)を下降させることによって上治具6U(下治具6D)をすくい上げてもよく、受止部材31U,31U(31D,31D)の下降とアーム部材41の上昇とを組み合わせて上治具6U(下治具6D)をすくい上げてもよい。
【0141】
また、上治具6U(下治具6D)を上保持部材80U(下保持部材80D)から抜き取る際に、アーム部材41を上昇させて上治具6U(下治具6D)をすくい上げる例を示した。しかしながら、アーム部材41と上保持部材80U(下保持部材80D)とを相対的に移動させて上治具6U(下治具6D)をすくい上げればよい。従って、アーム部材41を上昇させる代わりに上保持部材80U(下保持部材80D)を下降させて上治具6U(下治具6D)をすくい上げてもよく、上保持部材80U(下保持部材80D)の下降とアーム部材41の上昇とを組み合わせて上治具6U(下治具6D)をすくい上げてもよい。
【0142】
また、アーム側位置調節機構9及び載置位置検出部44を備えず、ステップS13を実行しなくてもよい。また、上位置調節機構10U、下位置調節機構10D、上位置センサ85U、及び下位置センサ85Dを備えず、ステップS18を実行しなくてもよい。
【0143】
また、アーム部材41には、開口部47,48が形成されていなくてもよい。また、アーム部材41には、溝部46,46が形成されていなくてもよい。
【0144】
また、上治具6Uは、ブレード65,65を備えていなくてもよい。
【0145】
すなわち、本発明の一例に係る検査装置は、略板状形状の検査対象物の上方に配設されると共に、前記検査対象物の上面に接触させるための上プローブを保持する上治具が下方から脱着可能に取りつけられる上側取付部と、前記検査対象物の下方に配設されると共に、前記検査対象物の下面に接触させるための下プローブを保持する下治具が上方から脱着可能に取りつけられる下側取付部と、前記上治具と前記下治具とを収容可能な治具棚と、前記上治具及び前記下治具を選択的に載置可能なアーム部材と、前記アーム部材を駆動することによって、前記上治具及び前記下治具を搬送するアーム駆動部と、前記アーム部材から前記上治具を受け取って前記上側取付部に取りつける上側脱着機構と、前記アーム部材から前記下治具を受け取って前記下側取付部に取りつける下側脱着機構とを備え、前記アーム駆動部は、前記上治具を前記治具棚から取り出して前記上側脱着機構に搬送し、前記下治具を前記治具棚から取り出して前記下側脱着機構に搬送し、前記上治具は、略板状の上プレートと、複数の前記上プローブを前記上プレートの下面側から下方に向かって延びる向きに保持する上治具ヘッドとを備え、前記下治具は、略板状の下プレートと、複数の前記下プローブを前記下プレートの上面側から上方に向かって延びる向きに保持する下治具ヘッドとを備える。
【0146】
この構成によれば、上治具及び下治具を選択的に載置可能なアーム部材を備え、アーム駆動部は、アーム部材を駆動することによって、上治具を治具棚から取り出して上側脱着機構に搬送し、下治具を治具棚から取り出して下側脱着機構に搬送することができる。そして、上側脱着機構は、アーム部材から上治具を受け取って上側取付部に取りつけることができ、下側脱着機構は、アーム部材から下治具を受け取って下側取付部に取りつけることができる。従って、治具棚から上治具と下治具とを取り出して、取り出された上治具と下治具とをそれぞれの取付部へ搬送することができる。これにより、検査対象物の上面に接触する上治具及び検査対象物の下面に接触する下治具の両方を搬送することが容易となる。
【0147】
また、前記アーム部材の先端部は、前記アーム部材に前記上治具が載置されたときに前記上治具ヘッドが位置する部分が基端部方向に凹没して切り欠かれていることが好ましい。
【0148】
この構成によれば、検査対象物の上面に接触させるべく板状の上プレートから下方に向かって突出する上治具ヘッドを避けるようにアーム部材の先端部が基端部方向に凹没して切り欠かれている。その結果、アーム部材に上治具を載置したときに、上治具ヘッドがアーム部材と干渉しないので、アーム部材に上治具を載置して搬送することが可能となる。
【0149】
また、前記アーム部材に載置された前記上治具又は前記下治具の載置位置を検出する載置位置検出部をさらに備えることが好ましい。
【0150】
この構成によれば、載置位置検出部によって、上治具又は下治具の、アーム部材上の載置位置が検出されるので、上治具又は下治具がアーム部材の適切な位置に載置されているか否かを確認することが容易となる。
【0151】
また、前記載置位置検出部による前記載置位置の検出結果に基づいて、前記アーム部材に載置された前記上治具又は前記下治具の両側から前記上プレート又は前記下プレートへ向けて第一押圧部材を突出させることによって、前記アーム部材上の前記上治具又は前記下治具の載置位置を調節するアーム側位置調節機構をさらに備えることが好ましい。
【0152】
この構成によれば、上治具又は下治具を、アーム部材上の適切な位置に載置するように、載置位置を調節することができる。
【0153】
また、前記上側取付部は、装置側上コネクタを備え、前記上治具は、前記上プレートの上面側に設けられ、前記装置側上コネクタと接続可能な治具側上コネクタをさらに備え、前記下側取付部は、装置側下コネクタを備え、前記下治具は、前記下プレートの下面側に設けられ、前記装置側下コネクタと接続可能な治具側下コネクタをさらに備え、前記上側脱着機構は、前記装置側上コネクタと前記治具側上コネクタとを接続させることによって、前記上治具を前記上側取付部に取りつけ、前記下側脱着機構は、前記装置側下コネクタと前記治具側下コネクタとを接続させることによって、前記下治具を前記下側取付部に取りつけることが好ましい。
【0154】
この構成によれば、装置側上コネクタと治具側上コネクタの挿抜に必要な力が上側脱着機構によって加えられて装置側上コネクタと治具側上コネクタとを接続することができ、装置側下コネクタと治具側下コネクタの挿抜に必要な力が下側脱着機構によって加えられて装置側下コネクタと治具側下コネクタとを接続することができる。
【0155】
また、前記上プレートの下面側には、前記複数の上プローブと前記治具側上コネクタとを接続する配線が配置され、前記上プレートの下面には、前記配線を間に挟んだ両側で突起した一対のブレードが設けられていることが好ましい。
【0156】
この構成によれば、上治具をアーム部材に載置した場合、一対のブレードがアーム部材上面に当接し、一対のブレードによって上プレートが支持される。このとき、アーム部材上面と上プレートとの間に一対のブレードの高さ分、隙間が生じるので、配線が引き回される空間が確保される。
【0157】
また、前記アーム部材の上面には、前記一対のブレードの頂部を受け入れるように凹没した溝部が設けられていることが好ましい。
【0158】
この構成によれば、上治具をアーム部材に載置した場合、一対のブレードの頂部が溝部に受け入れられる結果、アーム部材で上治具が横滑りするおそれが低減される。
【0159】
また、前記一対のブレードの頂部が、互いに平行に延びて延設されていることが好ましい。
【0160】
この構成によれば、上治具をアーム部材に載置した場合に、一対のブレードによって上プレートを安定的に支持することが容易である。
【0161】
また、前記アーム部材には、前記アーム部材に前記下治具が載置されたときに前記治具側下コネクタが位置する部分に開口部が設けられていることが好ましい。
【0162】
この構成によれば、下プレートの下面から治具側下コネクタが突出している場合であっても、アーム部材に下治具を載置したときに治具側下コネクタが干渉するおそれが低減される。
【0163】
また、前記上側脱着機構は、前記上プレートの両側で前記上プレートの下面を支持する上第一突起部と、前記上第一突起部の上方で前記上第一突起部と対向配置された上第二突起部とを含む上保持部材と、前記上保持部材を昇降させる上治具昇降機構とを備え、前記上第一突起部と前記上第二突起部の間隔は、前記上プレートの厚さよりも大きく、前記下側脱着機構は、前記下プレートの両側で前記下プレートの下面を支持する下第一突起部と、前記下第一突起部の上方で前記下第一突起部と対向配置された下第二突起部とを含む下保持部材と、前記下保持部材を昇降させる下治具昇降機構とを備え、前記下第一突起部と前記下第二突起部の間隔は、前記下プレートの厚さよりも大きいことが好ましい。
【0164】
この構成によれば、上第一突起部と上第二突起部の間隔に上プレートを差し入れることによって、上保持部材が上治具を保持することが可能となる。そして、上保持部材を昇降させることによって、上治具を昇降させることができる。また、下第一突起部と下第二突起部の間隔に下プレートを差し入れることによって、下保持部材が下治具を保持することが可能となる。そして、下保持部材を昇降させることによって、下治具を昇降させることができる。
【0165】
また、前記アーム駆動部は、前記アーム部材に載置された前記上プレートの幅方向両端部を、前記アーム部材を駆動して前記上第一突起部と前記上第二突起部の間に非接触で差し入れ、前記上治具昇降機構は、前記上保持部材を上昇させることによって、前記上保持部材に保持された前記上プレート上面側の前記治具側上コネクタを前記装置側上コネクタに接続し、前記アーム駆動部は、前記アーム部材に載置された前記下プレートの幅方向両端部を、前記アーム部材を駆動して前記下第一突起部と前記下第二突起部の間に非接触で差し入れ、前記下治具昇降機構は、前記下保持部材を下降させることによって、前記下保持部材に保持された前記下プレート下面側の前記治具側下コネクタを前記装置側下コネクタに接続することが好ましい。
【0166】
この構成によれば、上第一突起部及び上第二突起部と、上プレートとを摺動させることなく上プレートを上保持部材に保持させ、治具側上コネクタを装置側上コネクタに接続させることができる。また、下第一突起部及び下第二突起部と、下プレートとを摺動させることなく下プレートを下保持部材に保持させ、治具側下コネクタを装置側下上コネクタに接続させることができる。これにより、上治具及び下治具の取り付けを行う際に、摺動による粉塵が生じるおそれを低減することができる。
【0167】
また、前記上治具昇降機構は、前記上保持部材を下降させることによって、前記上側取付部に取りつけられた前記上治具を前記上側取付部から取り外し、前記アーム駆動部は、前記アーム部材を駆動することによって、前記上保持部材により保持された前記上プレートの下方に前記アーム部材を非接触で差し入れ、前記上保持部材と前記アーム部材とを相対的に移動させることにより前記上第一突起部及び前記上第二突起部のいずれからも離間した位置に前記上プレートを位置させて前記アーム部材により前記上治具をすくい上げ、前記すくい上げられた前記上治具を前記上保持部材から抜き取り、前記下治具昇降機構は、前記下保持部材を上昇させることによって、前記下側取付部に取りつけられた前記下治具を前記下側取付部から取り外し、前記アーム駆動部は、前記アーム部材を駆動することによって、前記下保持部材により保持された前記下プレートの下方に前記アーム部材を非接触で差し入れ、前記一対の下保持部材と前記アーム部材とを相対的に移動させることにより前記下第一突起部及び前記下第二突起部のいずれからも離間した位置に前記下プレートを位置させて前記アーム部材により前記下治具をすくい上げ、前記すくい上げられた前記下治具を前記下保持部材から抜き取ることが好ましい。
【0168】
この構成によれば、上治具を上側取付部から取り外し、上プレートの下方にアーム部材を非接触で差し入れ、上第一突起部及び上第二突起部のいずれからも離間した位置に上プレートを位置させてからアーム部材により上治具をすくい上げて抜き取る。従って、上治具を上側取付部から取り外す際に、摺動による粉塵が生じるおそれを低減することができる。また、下治具を下側取付部から取り外し、下プレートの下方にアーム部材を非接触で差し入れ、下第一突起部及び下第二突起部のいずれからも離間した位置に下プレートを位置させてからアーム部材により下治具をすくい上げて抜き取る。従って、下治具を下側取付部から取り外す際に、摺動による粉塵が生じるおそれを低減することができる。
【0169】
また、前記上保持部材に保持された前記上プレートの両側から、前記上プレートへ向けて第二押圧部材を突出させることによって、前記上治具の位置を調節する上位置調節機構と、前記下保持部材に保持された前記下プレートの両側から、前記下プレートへ向けて第三押圧部材を突出させることによって、前記下治具の位置を調節する下位置調節機構とをさらに備えることが好ましい。
【0170】
この構成によれば、上保持部材に保持された上治具の保持位置、及び下保持部材に保持された下治具の保持位置を微調節することが可能となる。
【0171】
また、前記アーム駆動部は、前記治具棚に収容された前記上治具の下方に前記アーム部材を差し入れて前記上治具をすくい上げることによって前記上治具を前記治具棚から取り出し、前記治具棚に収容された前記下治具の下方に前記アーム部材を差し入れて前記下治具をすくい上げることによって前記下治具を前記治具棚から取り出すことが好ましい。
【0172】
この構成によれば、治具棚に収容された上治具及び下治具が、アーム部材によってすくい上げるようにして取り出されるので、上治具及び下治具を治具棚から取り出す際に、摺動による粉塵が生じるおそれを低減することができる。
【0173】
また、前記治具棚は、前記上プレート及び前記下プレートの少なくとも一方の両端部を下から受け止め可能な一対の受止部材を備え、前記アーム駆動部は、前記治具棚において、前記一対の受止部材によって受け止められている前記上プレートの下方に前記上プレートとは離間した状態で前記アーム部材を差し入れ、前記一対の受止部材と前記アーム部材とを相対的に移動させることにより前記上治具をすくい上げて前記上プレートと前記一対の受止部材とを離間させた状態で前記上治具を前記治具棚から取り出し、前記治具棚において、前記一対の受止部材によって受け止められている前記下プレートの下方に前記下プレートとは離間した状態で前記アーム部材を差し入れ、前記一対の受止部材と前記アーム部材とを相対的に移動させることにより前記下治具をすくい上げて前記下プレートと前記一対の受止部材とを離間させた状態で前記下治具を前記治具棚から取り出すことが好ましい。
【0174】
この構成によれば、上プレートの下方に上プレートとは離間した状態でアーム部材を差し入れ、上治具をすくい上げて上プレートと一対の受止部材とを離間させた状態で上治具を治具棚から取り出すので、上治具を治具棚から取り出す際に、摺動による粉塵が生じるおそれを低減することができる。また、下プレートの下方に下プレートとは離間した状態でアーム部材を差し入れ、下治具をすくい上げて下プレートと一対の受止部材とを離間させた状態で下治具を治具棚から取り出すので、下治具を治具棚から取り出す際に、摺動による粉塵が生じるおそれを低減することができる。
【0175】
また、前記アーム駆動部は、前記アーム部材に載置された前記上プレートを、前記治具棚の前記一対の受止部材の上方に離間した状態で搬送し、前記一対の受止部材と前記アーム部材とを相対的に移動させることにより前記上プレートを前記一対の受止部材に受け止めさせて前記上治具を前記治具棚に収容し、前記アーム部材に載置された前記下プレートを、前記治具棚の前記一対の受止部材の上方に離間した状態で搬送し、前記一対の受止部材と前記アーム部材とを相対的に移動させることにより前記下プレートを前記一対の受止部材に受け止めさせて前記下治具を前記治具棚に収容することが好ましい。
【0176】
この構成によれば、上プレートを、一対の受止部材の上方に離間した状態で搬送し、上プレートを一対の受止部材に受け止めさせて上治具を治具棚に収容するので、上治具を治具棚に収容する際に、摺動による粉塵が生じるおそれを低減することができる。また、下プレートを、一対の受止部材の上方に離間した状態で搬送し、下プレートを一対の受止部材に受け止めさせて下治具を治具棚に収容するので、下治具を治具棚に収容する際に、摺動による粉塵が生じるおそれを低減することができる。
【0177】
また、前記治具棚は、複数の前記上治具と、複数の前記下治具とを収容可能であることが好ましい。
【0178】
この構成によれば、交換用の上治具及び下治具を、予め治具棚に収容しておくことができるので、治具の交換が容易となる。
【符号の説明】
【0179】
1 検査装置
2 取付部
2D 下側取付部
2U 上側取付部
3,3a,3b 治具棚
4 治具搬送機構
5D 下治具駆動機構
5U 上治具駆動機構
6 治具
6D 下治具
6U 上治具
7 制御部
8D 下側脱着機構
8U 上側脱着機構
9 アーム側位置調節機構
10D 下位置調節機構
10U 上位置調節機構
11 押圧部材(第二押圧部材、第三押圧部材)
12 アクチュエータ
15 筐体
21D 装置側下コネクタ
21U 装置側上コネクタ
22D,22U ベースプレート
23 位置決ピン
31,31U,31D 受止部材
32,32 縦壁
41 アーム部材
42,42a~42d アーム駆動部
43 連結部
44 載置位置検出部
45 凹没部
46,46 溝部
47,48 開口部
61 プレート
61D 下プレート
61U 上プレート
62D 下治具ヘッド
62U 上治具ヘッド
63D 治具側下コネクタ
63U 治具側上コネクタ
64D,64U 配線
65,65 ブレード
71 治具搬送制御部
72 検査部
80D 下保持部材
80U 上保持部材
81D,82D,81U,82U 保持棒
83D 下治具昇降機構
83U 上治具昇降機構
84 孔
85D 下位置センサ
85U 上位置センサ
90 支柱
91D,91U,92D,92U 押圧部
100 検査対象物
221 切欠
651 頂部
811,821 縦壁
812D,822D 下第二突起部
812U,822U 上第一突起部
813D,813D,823D,823D 下第一突起部
813U,813U,823U,823U 上第二突起部
821 縦壁
911 押圧部材(第一押圧部材)
912 アクチュエータ
A 検査位置
F 先端部
P プローブ
Pd 下プローブ
Pu 上プローブ
R 基端部
W1,W4,W5,W6,W7,W8 間隔
W2,W3 幅
θ 回転方向