(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-10
(45)【発行日】2023-07-19
(54)【発明の名称】三次元メモリデバイスおよびその形成方法
(51)【国際特許分類】
H10B 43/27 20230101AFI20230711BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20230711BHJP
H01L 29/788 20060101ALI20230711BHJP
H01L 29/792 20060101ALI20230711BHJP
【FI】
H10B43/27
H01L29/78 371
(21)【出願番号】P 2021577201
(86)(22)【出願日】2020-04-27
(86)【国際出願番号】 CN2020087295
(87)【国際公開番号】W WO2021217358
(87)【国際公開日】2021-11-04
【審査請求日】2021-12-24
(73)【特許権者】
【識別番号】519237948
【氏名又は名称】長江存儲科技有限責任公司
【氏名又は名称原語表記】Yangtze Memory Technologies Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.88 Weilai 3rd Road,East Lake High-tech Development Zone,Wuhan,Hubei,China
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【氏名又は名称】新居 広守
(72)【発明者】
【氏名】ウ・リンチュン
(72)【発明者】
【氏名】リ・シャン
(72)【発明者】
【氏名】シア・ジリアン
(72)【発明者】
【氏名】チャン・クン
(72)【発明者】
【氏名】チョウ・ウェンシ
(72)【発明者】
【氏名】フオ・ゾンリアン
【審査官】脇水 佳弘
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0326315(US,A1)
【文献】米国特許第09824966(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0261671(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0343730(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0148811(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0115362(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0333931(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10B 43/27
H01L 21/336
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
3Dメモリデバイスであって、
P型ドープ領域を含む基板と、
前記基板上のN型ドープ半導体層と、
前記N型ドープ半導体層上のインターリーブされた導電層および誘電体層を含むメモリスタックと、
前記N型ドープ半導体層および前記P型ドープ領域の中に垂直に延びるN型ドープ半導体プラグと、
前記メモリスタックおよび前記N型ドープ半導体層を通って垂直に延びるチャネル構造と、
前記メモリスタックを通って
前記N型ドープ半導体プラグと接触するように垂直に延びるソース接触構造と、
前記ソース接触構造と前記メモリスタックとの間に横方向に配置されたスペーサ構造と
を含
み、
前記N型ドープ半導体プラグは前記N型ドープ半導体層によって囲まれている、3Dメモリデバイス。
【請求項2】
前記N型ドープ半導体層が前記P型ドープ領域上にある、請求項
1に記載の3Dメモリデバイス。
【請求項3】
前記チャネル構造が前記P型ドープ領域の中に垂直に延びる、請求項
1に記載の3Dメモリデバイス。
【請求項4】
前記N型ドープ半導体プラグの横方向の寸法が、前記ソース接触構造の横方向の寸法よりも大きい、請求項
1に記載の3Dメモリデバイス。
【請求項5】
前記N型ドープ半導体プラグが単結晶シリコンを含む、請求項
1に記載の3Dメモリデバイス。
【請求項6】
前記N型ドープ半導体層がポリシリコンを含む、請求項1に記載の3Dメモリデバイス。
【請求項7】
前記N型ドープ半導体層は、均一なドーピング濃度プロファイルの単一のポリシリコン層である、請求項
6に記載の3Dメモリデバイス。
【請求項8】
前記N型ドープ半導体層のドーピング濃度は、10
17cm
-3~10
21cm
-3である、請求項
7に記載の3Dメモリデバイス。
【請求項9】
前記基板がP型シリコン基板である、請求項1に記載の3Dメモリデバイス。
【請求項10】
前記基板はN型シリコン基板であり、前記P型ドープ領域はPウェルである、請求項
1に記載の3Dメモリデバイス。
【請求項11】
前記チャネル構造が、メモリ膜および半導体チャネルを含み、前記チャネル構造の側壁に沿った前記半導体チャネルの一部は、前記N型ドープ半導体層と接触している、請求項1に記載の3Dメモリデバイス。
【請求項12】
前記ソース接触構造は、前記N型ドープ半導体プラグの上方にあって接触しているソース接触部を含む、請求項
1に記載の3Dメモリデバイス。
【請求項13】
前記N型ドープ半導体層の厚さは、30nm~100nmである、請求項1に記載の3Dメモリデバイス。
【請求項14】
前記チャネル構造と前記N型ドープ半導体プラグとの間の横方向の距離が、40nm~100nmである、請求項
1に記載の3Dメモリデバイス。
【請求項15】
前記チャネル構造が前記P型ドープ領域内に延びる深さは、50nm~150nmである、請求項
3に記載の3Dメモリデバイス。
【請求項16】
前記P型ドープ領域によって囲まれた前記N型ドープ半導体プラグの一部の横方向の寸法が、前記N型ドープ半導体層によって囲まれた前記N型ドープ半導体プラグの一部の横方向の寸法よりも大きい、請求項
1に記載の3Dメモリデバイス。
【請求項17】
三次元(3D)メモリデバイスを形成するための方法であって、
P型ドープ領域を含む基板に凹部を形成することと
であって、前記P型ドープ領域内に前記凹部を形成することを含む、凹部を形成することと、
続いて、前記基板上および前記凹部内に犠牲層を形成し、前記犠牲層上に誘電体スタックを形成することと、
前記誘電体スタックおよび前記犠牲層を通って垂直に延在するチャネル構造を形成することと、
前記誘電体スタックを通って前記凹部内の前記犠牲層の中に垂直に延在する開口部を形成することと、
前記開口部を介して、前記基板と前記誘電体スタックとの間のN型ドープ半導体層で前記犠牲層を置換することと、
前記凹部の側壁に沿って誘電体を含むスペーサ構造を形成することと
、
前記凹部内に、前記N型ドープ半導体層および前記P型ドープ領域の中に垂直に延びるN型ドープ半導体プラグを形成することと、N型ドープ半導体プラグを形成することを含み、
前記N型ドープ半導体プラグは前記N型ドープ半導体層によって囲まれている、方法。
【請求項18】
前記基板上に前記犠牲層を形成することは、前記基板内のP型ドープ領域上に犠牲層を形成することをさらに含む、請求項
17に記載の方法。
【請求項19】
前記誘電体スタックおよび前記犠牲層を通って垂直に延びる前記チャネル構造を形成することは、前記誘電体スタックおよび前記犠牲層を通って前記P型ドープ領域の中に垂直に延びる前記チャネル構造を形成することを含む、請求項
17に記載の方法。
【請求項20】
前記N型ドープ半導体プラグを形成した後に、
前記チャネル構造がメモリスタックおよび前記N型ドープ半導体層を通ってP型ドープ領域の中に垂直に延在するように、前記開口部を介して前記誘電体スタックを前記メモリスタックと置き換えることをさらに含む、請求項
17に記載の方法。
【請求項21】
前記スペーサ
構造上に、前記N型ドープ半導体プラグと接触するようにソース接触構造を形成することをさらに含む、請求項
17に記載の方法。
【請求項22】
前記凹部の横方向の寸法が、前記開口部の横方向の寸法よりも大きい、請求項
17に記載の方法。
【請求項23】
前記チャネル構造を形成することは、
前記誘電体スタックおよび前記犠牲層を通って前記P型ドープ領域の中に垂直に延びるチャネルホールを形成することと、
続いてメモリ膜および半導体チャネルを、前記チャネルホールの側壁に沿って形成することと
を含む、請求項
17に記載の方法。
【請求項24】
前記犠牲層を前記N型ドープ半導体層で置き換えることが、
前記犠牲層を除去して前記P型ドープ領域と前記誘電体スタックとの間にキャビティを形成することと、
前記メモリ膜の一部を除去して前記チャネルホールの前記側壁に沿って前記半導体チャネルの一部を露出させることと、
N型ドープポリシリコンを前記キャビティの中に堆積させて、前記N型ドープ半導体層を形成することと
を含む、請求項
23に記載の方法。
【請求項25】
前記N型ドープポリシリコンを前記キャビティの中に堆積させることは、前記N型ドープポリシリコンを、前記キャビティを充填するために均一なドーピング濃度プロファイルで、in-situドーピングすることを含む、請求項
24に記載の方法。
【請求項26】
前記N型ドープ半導体プラグを形成することは、
前記凹部を充填するように単結晶シリコンをエピタキシャル成長させることと、
前記単結晶シリコンをin-situドーピングすることとを含む、請求項
17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本開示の実施形態は、三次元(3D)メモリデバイスおよびその製造方法に関する。
【0002】
平面状のメモリセルは、加工技術、回路の設計、プログラミングのアルゴリズム、および製造プロセスを改善することによって、より小さいサイズにスケーリングされる。しかし、メモリセルの特徴部のサイズが下限に近づくほど、平面化のプロセスおよび製造技術が困難になり、費用がかさむようになる。その結果、平面状のメモリセルのメモリ密度が上限に近づく。
【0003】
3Dメモリアーキテクチャは、平面状のメモリセルにおける密度の限界に対処することができる。3Dメモリアーキテクチャは、メモリアレイと、メモリアレイへの出入力信号を制御するための周辺デバイスとを含む。
【発明の概要】
【0004】
3Dメモリデバイスおよびその形成方法の実施形態が本明細書にて開示される。
【0005】
一例では、3Dメモリデバイスは、基板のP型ドープ領域と、P型ドープ領域上のN型ドープ半導体層と、N型ドープ半導体層上のインターリーブされた導電層および誘電体層を含むメモリスタックと、メモリスタックおよびN型ドープ半導体層を通ってP型ドープ領域内に垂直に延びるチャネル構造と、P型ドープ領域内に垂直に延びるN型ドープ半導体プラグと、メモリスタックを通ってN型ドープ半導体プラグと接触するように垂直に延びるソース接触構造とを含む。
【0006】
別の例では、3Dメモリデバイスは、基板のP型ドープ領域と、P型ドープ領域の上方にインターリーブされた導電層および誘電体層を含むメモリスタックと、P型ドープ領域とメモリスタックとの間にあり、均一なドーピング濃度プロファイルを有する単一のN型ドープ半導体層と、メモリスタックおよびN型ドープ半導体層を通ってP型ドープ領域の中に垂直に延びるチャネル構造とを含む。
【0007】
さらに別の例では、3Dメモリデバイスを形成するための方法が提供される。基板のP型ドープ領域に凹部が形成される。P型ドープ領域の上および凹部の中の犠牲層、ならびに犠牲層の上の誘電体スタックが続いて形成される。誘電体スタックおよび犠牲層を通ってP型ドープ領域内に垂直に延びるチャネル構造が形成される。誘電体スタックを通って凹部内の犠牲層の中に垂直に延びる開口部が形成される。犠牲層は、開口部を介して、P型ドープ領域と誘電体スタックとの間のN型ドープ半導体層で、置き換えられる。N型ドープ半導体プラグが凹部に形成される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を形成する添付の図面は、本開示の実施形態を示し、説明と共に、本開示の原理を説明し、当業者が本開示を作成および使用することを可能にするのにさらに役立つ。
【
図1】本開示のいくつかの実施形態による、典型的な3Dメモリデバイスの断面の側面図を示す図である。
【
図2A】本開示のいくつかの実施形態による、典型的な3Dメモリデバイスを形成するための製造プロセスを示す図である。
【
図2B】本開示のいくつかの実施形態による、典型的な3Dメモリデバイスを形成するための製造プロセスを示す図である。
【
図2C】本開示のいくつかの実施形態による、典型的な3Dメモリデバイスを形成するための製造プロセスを示す図である。
【
図2D】本開示のいくつかの実施形態による、典型的な3Dメモリデバイスを形成するための製造プロセスを示す図である。
【
図2E】本開示のいくつかの実施形態による、典型的な3Dメモリデバイスを形成するための製造プロセスを示す図である。
【
図2F】本開示のいくつかの実施形態による、典型的な3Dメモリデバイスを形成するための製造プロセスを示す図である。
【
図2G】本開示のいくつかの実施形態による、典型的な3Dメモリデバイスを形成するための製造プロセスを示す図である。
【
図2H】本開示のいくつかの実施形態による、典型的な3Dメモリデバイスを形成するための製造プロセスを示す図である。
【
図2I】本開示のいくつかの実施形態による、典型的な3Dメモリデバイスを形成するための製造プロセスを示す図である。
【
図2J】本開示のいくつかの実施形態による、典型的な3Dメモリデバイスを形成するための製造プロセスを示す図である。
【
図3】本開示のいくつかの実施形態による、典型的な3Dメモリデバイスを形成するための方法のフローチャートを示す図である。
【0009】
本開示の実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
特定の構成および配置について説明するが、これは例示のみを目的として行われることを理解されたい。当業者は、本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、他の構成および配置を使用できることを認識するであろう。本開示が様々な他の用途にも使用できることは、当業者にとって明白である。
【0011】
本明細書における「一実施形態(one embodiment)」、「実施形態(an embodiment)」、「例示的な実施形態(an example embodiment)」、「いくつかの実施形態(some embodiments)」などの言及は、記載された実施形態が特定の特徴、構造、または特性を含み得るが、すべての実施形態が必ずしも特定の特徴、構造、または特性を含むとは限らない旨を示すことに留意されたい。さらに、そのような語句は、必ずしも同じ実施形態を指すとは限らない。さらに、特定の特徴、構造、または特性が実施形態に関連して記載されている場合、明示的に記載されているか否かにかかわらず、他の実施形態に関連させてそのような特徴、構造、または特性を実現させることは、当業者の知識の範囲内である。
【0012】
一般に、用語は、文脈での使用から少なくとも部分的に理解され得る。例えば、本明細書で使用される「1つまたは複数」という用語は、文脈に少なくとも部分的に依拠して、任意の特徴、構造、または特性を単数の意味で説明するために使用されることがあり、または特徴、構造、または特性の組み合わせを複数の意味で説明するために使用されることがある。同様に、「a」、「an」、または「the」などの用語もまた、文脈に少なくとも部分的に依拠して、単数形の用法を伝えるか、または複数形の用法を伝えると理解され得る。さらに、「に基づく」という用語は、必ずしも排他的な要因のセットを伝えることを意図せず、むしろ同様に、文脈に少なくとも部分的に依拠して、必ずしも明示的に説明されていない追加の要因の存在を許容し得ると理解され得る。
【0013】
本開示における「上に(on)」、「上方に(above)」、および「上方に(over)」の意味は、「上に(on)」が何かの「直接上に」を意味するだけでなく、間に中間的な特徴部または層を備える何かの「上に(on)」という意味も含み、「上方に(above)」または「上方に(over)」は何かの「上方に(above)」または「上方に(over)」という意味を意味するだけでなく、間に中間的な特徴部または層を備えない何かの「上方に(above)」または「上方に(over)」(すなわち、何かの上に直接)という意味も含むことができるように、最も広く解釈されるべきであることは容易に理解されるべきである。
【0014】
さらに、「真下(beneath)」、「下方(below)」、「下方(lower)」、「上方(above)」、「上方(upper)」などの空間的に相対的な用語は、本明細書では、図に示すように、1つの要素または特徴と別の要素または特徴との関係を説明するための説明を容易にするために使用され得る。空間的に相対的な用語は、図に示す向きに加えて、使用中または動作中のデバイスの異なる向きを包含することを意図している。装置は、他の方向に向けられてもよく(90度または他の向きに回転されてもよく)、本明細書で使用される空間的に相対的な記述子は、それに応じて同様に解釈されてもよい。
【0015】
本明細書で使用される場合、「基板」という用語は、後続の材料層がその上に追加される材料を指す。基板自体をパターニングすることができる。基板の上に加えられる材料は、パターニングされてもよく、またはパターニングされないままであってもよい。さらに、基板は、シリコン、ゲルマニウム、ヒ化ガリウム、リン化インジウムなどの広範囲の半導体材料を含むことができる。あるいは、基板は、ガラス、プラスチック、またはサファイアウェハなどの非導電性材料から、作製することができる。
【0016】
本明細書で使用される場合、「層」という用語は、厚さを有する領域を含む材料部分を指す。層は、下にあるもしくは上にある構造の全体にわたって延在することができ、または下にあるもしくは上にある構造の範囲よりも小さい範囲を有することができる。さらに、層は、連続的な構造の厚さよりも薄い厚さを有する均一または不均一な連続的な構造の領域であり得る。例えば、層は、連続的な構造の上面と底面との間にある任意の対の水平面の間に、または上面と底面に、位置することができる。層は、水平方向、垂直方向、および/またはテーパ面に沿って延びることができる。基板は、層とすることができ、その中に1つまたは複数の層を含むことができ、および/またはその上、その上方、および/またはその下方に1つまたは複数の層を有することができる。層は複数の層を含むことができる。例えば、相互接続層は、1つまたは複数の導電体および接触層(相互接続ライン、および/または垂直相互接続アクセス(VIA)接触部が形成される)ならびに1つまたは複数の誘電体層を含むことができる。
【0017】
本明細書で使用される場合、「名目の/名目上」という用語は、製品またはプロセスの設計段階で設定される、構成要素またはプロセス操作の特性またはパラメータの所望のまたは目標の値を、所望の値より上および/または下の値の範囲と共に指す。値の範囲は、製造プロセスまたは公差のわずかな変動に起因し得る。本明細書で使用される場合、「約」という用語は、対象の半導体デバイスに関連する特定の技術ノードに基づいて変動し得る所与の量の値を示す。特定の技術ノードに基づいて、「約」という用語は、例えば、値の10~30%(例えば、値の±10%、±20%、または±30%)の範囲内で変化する所与の量の値を示すことができる。
【0018】
本明細書で使用する場合、「3Dメモリデバイス」という用語は、メモリストリングが基板に対して垂直方向に延びるように、メモリセルトランジスタの垂直に配向されたストリング(本明細書では、「メモリストリング」、例えばNANDメモリストリングと呼ばれる)を横方向に配向された基板上に有する半導体デバイスを指す。本明細書で使用される場合、「垂直な/垂直に」という用語は、基板の側面に対して名目上直角であることを意味する。
【0019】
いくつかの3D NANDメモリデバイスでは、半導体プラグは、例えば側壁選択エピタキシャル成長(SEG)として知られるチャネル構造の側壁を取り囲むように選択的に成長させる。チャネル構造の下端、例えば底部SEGに形成される別のタイプの半導体プラグと比較して、側壁SEGの形成は、チャネルホール(「SONO」パンチとしても知られる)の底面でのメモリ膜および半導体チャネルのエッチングを回避し、それによって、特にマルチデッキアーキテクチャで96以上のレベルを有するなどの高度な技術の3D NANDメモリデバイスを製造する場合に、プロセスウィンドウを増加させる。しかし、側壁SEGの厚みおよびプロファイルが、チャネル構造の側壁に沿った半導体チャネルの表面の状態に依存するため、半導体チャネルの残留物が、側壁SEGをエピタキシャル成長させる際に大きな変動を引き起こす可能性がある。
【0020】
さらに、側壁SEGを有するいくつかの3D NANDメモリデバイスは、消去動作(本明細書では「GIDL消去」と呼ばれる)のためにゲート誘導ドレイン-リーク(GIDL)支援ボディバイアスを使用しており、これは、大きな電気応力に起因して、デバイスの信頼性の低さを被る。比較的大きな電位の降下はまた、GIDL消去の消去速度を低下させる可能性がある。ホールの量およびホールを生成する効率は、異なるチャネル構造間で多様であり、そのことがGIDL消去の能力にさらに影響を及ぼす。
【0021】
本開示による様々な実施形態は、改善された3Dメモリデバイスおよびその製造方法を提供する。半導体チャネル上のいかなる残留物によっても影響を受けない、チャネル構造の側壁に沿って、半導体チャネルと接触するように、N型ドープ半導体層を堆積することができる。P型ドープ領域と組み合わせたN型ドープ半導体層は、3DメモリデバイスによるGIDL消去の代わりに、Pウェルバルク消去を有効にすることができ、それによって、GIDL消去に関連する低い信頼性および消去速度などの問題を回避することができる。いくつかの実施形態では、消去動作のためのホール電流経路および読み出し動作のための電子電流経路は、読み出し動作を実行するときに反転チャネルを必要とせずに別々に形成され、それにより、ソース選択ゲートの制御が簡略化される。いくつかの実施形態では、ソース接触構造を形成するための各開口部(例えば、ゲート線スリット(GLS))は、多様な開口部のガウジングの変形によるいかなる悪影響も回避するために、P型ドープの領域のそれぞれの拡大された凹部の中に入る。
【0022】
図1は、本開示のいくつかの実施形態による、典型的な3Dメモリデバイス100の断面の側面図を示す。3Dメモリデバイス100は、シリコン(例えば、単結晶シリコン)、シリコンゲルマニウム(SiGe)、ヒ化ガリウム(GaAs)、ゲルマニウム(Ge)、シリコン・オン・インシュレータ(SOI)、ゲルマニウム・オン・インシュレータ(GOI)または任意の他の適切な材料を含むことができる基板を含むことができる。いくつかの実施形態では、基板は、研削、エッチング、化学機械研磨(CMP)、またはそれらの任意の組み合わせによって薄膜化された薄型基板(例えば、半導体層)である。3Dメモリデバイス100の構成要素の空間的関係をさらに示すために、
図1ではx軸およびy軸が含まれていることに留意されたい。3Dメモリデバイス100の基板は、x方向(すなわち、横の方向)に横方向に延びる2つの横方向面(例えば、上面および底面)を含む。本明細書で使用される場合、1つの構成要素(例えば、層またはデバイス)が3Dメモリデバイス(例えば、3Dメモリデバイス100)の別の構成要素(例えば、層またはデバイス)の「上」、「上方」、または「下方」であるかどうかは、基板がy方向において3Dメモリデバイスの最も低い面に位置しているときにy方向(すなわち、垂直の方向)において、3Dメモリデバイスの基板に対して判定される。空間的な関係を説明するため、同一の概念が、本開示全体にわたって適用される。
【0023】
3Dメモリデバイス100は、モノリシック3Dメモリデバイスの一部とすることができる。「モノリシック」という用語は、3Dメモリデバイスの構成要素(例えば、周辺デバイスおよびメモリアレイデバイス)が単一の基板上に形成されることを意味する。モノリシック3Dメモリデバイスの場合、製造は、周辺デバイスの処理とメモリアレイデバイスの処理との畳み込みに起因する追加の制限に遭遇する。例えば、メモリアレイデバイス(例えば、NANDメモリストリング)の製造は、同じ基板に形成されたまたは形成される周辺デバイスに関連するサーマルバジェットによって制約される。
【0024】
あるいは、3Dメモリデバイス100は、非モノリシック3Dメモリデバイスの一部とすることができ、その場合、構成要素(例えば、周辺デバイスおよびメモリアレイデバイス)は、異なる基板に別々に形成され、次いで、例えば対面方式で結合され得る。いくつかの実施形態では、メモリアレイデバイス基板は、結合された非モノリシック3Dメモリデバイスの基板のままであり、周辺デバイス(例えば、ページバッファ、デコーダ、およびラッチなどの、3Dメモリデバイス100の動作を促進するために使用される任意の適切なデジタル、アナログ、および/または混合信号周辺回路を含む。図示せず)は、反転され、ハイブリッドな結合のためにメモリアレイデバイス(例えば、NANDメモリストリング)の方に向かい、下に向く。いくつかの実施形態では、結合された非モノリシック3Dメモリデバイスにおいて、メモリアレイデバイスが周辺デバイスの上方にあるように、メモリアレイデバイス基板が反転され、ハイブリッド結合のために周辺デバイス(図示せず)に向かって下向きにされることが理解される。メモリアレイデバイス基板は、薄型基板(接合された非モノリシック3Dメモリデバイスの基板ではない)とすることができ、非モノリシック3Dメモリデバイスのバックエンドオブライン(BEOL)の相互接続は、薄膜化されたメモリアレイデバイス基板の裏面に形成することができる。
【0025】
図1に示すように、3Dメモリデバイス100の基板は、P型ドープ領域102を含むことができる。P型ドープ領域102は、ホウ素(B)、ガリウム(Ga)、またはアルミニウム(Al)などの任意の適切なP型ドーパントでドープすることができ、真性半導体には「ホール」と呼ばれる価電子の欠失が生じる。いくつかの実施形態では、基板はP型シリコン基板であり、P型ドープ領域102は、その上面に近いP型シリコン基板の任意の部分である。いくつかの実施形態では、基板はN型シリコン基板であり、P型ドープ領域102はPウェルである。例えば、N型シリコン基板の一部は、B、Ga、またはAlなどの任意の適切なP型ドーパントでドープさせて、N型シリコン基板の上面に近いPウェルを形成することができる。基板が単結晶シリコンであるいくつかの実施形態では、P型ドープ領域102は、P型ドーパントでドープされた単結晶シリコンを含む。
【0026】
図1に示すように、3Dメモリデバイス100はまた、P型ドープ領域102上にN型ドープ半導体層104を含むことができる。N型ドープ半導体層104は、上述したような「側壁SEG」の例であり得る。N型ドープ半導体層104は、シリコンなどの半導体材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、N型ドープ半導体層104は、以下で詳細に説明するように、堆積技術によって形成されたポリシリコンを含む。いくつかの実施形態では、垂直方向におけるN型ドープ半導体層104の厚さtは、約30nm~約100nm、例えば30nm~100nm(例えば、30nm、35nm、40nm、45nm、50nm、55nm、60nm、65nm、70nm、75nm、80nm、85nm、90nm、95nm、100nm、これらの値のいずれかが下端の境界となる任意の範囲、またはこれらの値のいずれか2つによって定められる任意の範囲)である。
【0027】
N型ドープ半導体層104は、リン(P)、ヒ素(Ar)、またはアンチモン(Sb)などの任意の適切なN型ドーパントでドープすることができ、これらは自由電子に寄与し、真性半導体の導電率を増加させる。例えば、N型ドープ半導体層104は、P、Ar、またはSbなどのN型ドーパントでドープされたポリシリコン層であってもよい。いくつかの実施形態では、N型ドープ半導体層104は、それらの界面(例えば、2つの副層間の界面における突然のドーピング濃度変化)に不均一なドーピング濃度である複数のポリシリコンの副次的な層を有するのとは対照的に、垂直方向に均一なドーピング濃度のプロファイルを有する単一のポリシリコン層である。N型ドープ半導体層104のN型ドーパントのドーピング濃度は、ドーピング濃度の変動によって2つ以上の副次的な層を区別することができるいずれかの突然のドーピング濃度の変化がない限り、依然として垂直方向に徐々に変化し得ることが理解される。いくつかの実施形態では、N型ドープ半導体層104のドーピング濃度は、約1017cm-3~約1021cm-3、例えば1017cm-3~1021cm-3(例えば、1017cm-3、2×1017cm-3、4×1017cm-3、6×1017cm-3、8×1017cm-3、1018cm-3、2×1018cm-3、4×1018cm-3、6×1018cm-3、8×1018cm-3、1019cm-3、2×1019cm-3、4×1019cm-3、6×1019cm-3、8×1019cm-3、1020cm-3、2×1020cm-3、4×1020cm-3、6×1020cm-3、8×1020cm-3、1021cm-3、これらの値のいずれかが下端の境界となる任意の範囲、またはこれらの値のいずれか2つによって定められる任意の範囲)である。
【0028】
いくつかの実施形態では、3Dメモリデバイス100は、メモリセルがNANDメモリストリングのアレイの形態で設けられるNANDフラッシュメモリデバイスである。各NANDメモリストリングは、それぞれが導電層108および誘電体層110を含む複数の対(本明細書では「導電/誘電体層対」と呼ばれる)を通って延びるチャネル構造112を含むことができる。積層された導電層/誘電体層の対は、本明細書ではメモリスタック106とも呼ばれる。メモリスタック106の導電層/誘電体層の対(例えば、32、64、96、128、160、192、224、256など)の数は、3Dメモリデバイス100のメモリセルの数を決める。
図1には示されていないが、いくつかの実施形態では、メモリスタック106は、下側メモリデッキおよび下側メモリデッキ上の上側メモリデッキを含むデュアルデッキアーキテクチャなどのマルチデッキアーキテクチャを有してもよいことが理解される。各メモリデッキの導電層108および誘電体層110の対の数は、同じであっても異なっていてもよい。
図1に示すように、いくつかの実施形態によれば、均一なドーピング濃度プロファイルを有するN型ドープ半導体層104は、P型ドープ領域102とメモリスタック106との間に垂直に配置される。言い換えれば、いくつかの実施形態によれば、P型ドープ領域102とメモリスタック106との間に垂直に配置された、N型ドープ半導体層104とは異なるドーピング濃度を有する別のN型ドープ半導体層は存在しない。
【0029】
メモリスタック106は、N型ドープ半導体層104に複数のインターリーブされた導電層108および誘電体層110を含むことができる。メモリスタック106の導電層108および誘電体層110は、垂直方向に交互にすることができる。言い換えれば、メモリスタック106の上部または底部のものを除いて、各導電層108は両側に2つの誘電体層110が隣接することができ、各誘電体層110は両側に2つの導電層108が隣接することができる。導電層108は、W、Co、Cu、Al、ポリシリコン、ドープされたシリコン、ケイ化物、またはそれらの任意の組み合わせを含むがこれらに限定されない導電性材料を含むことができる。各導電層108は、接着層およびゲート誘電体層によって囲まれたゲート電極(ゲート線)を含むことができる。導電層108のゲート電極は、ワード線として横方向に延在し、メモリスタック106の1つまたは複数の階段構造(図示せず)で終わることができる。誘電体層110は、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン、またはそれらの任意の組み合わせを含むがこれらに限定されない誘電体材料を含むことができる。
【0030】
図1に示すように、メモリスタック106およびN型ドープ半導体層104を通ってP型ドープ領域102内に垂直に延在するチャネル構造112。すなわち、チャネル構造112は、P型ドープ領域102によって囲まれた下部(すなわち、N型ドープ半導体層104とP型ドープ領域102との間の界面の下方)、メモリスタック106によって囲まれた上部(すなわち、N型ドープ半導体層104とメモリスタック106との間の界面の上方)、およびN型ドープ半導体層104によって囲まれた中央部分の3つの部分を含むことができる。本明細書で使用する場合、構成要素(例えば、チャネル構造112)の「上部」とは、3Dメモリデバイス100の最下位の面に基板が配置されているときに、y方向において基板から遠い部分であり、構成要素(例えば、チャネル構造112)の「下部」とは、y方向において基板に近い部分である。いくつかの実施形態では、チャネル構造112がP型ドープ領域102の中に延びる深さd(すなわち、チャネル構造112の下側部分の深さ)は、約50nm~約150nm、例えば50nm~150nm(例えば、50nm、55nm、60nm、65nm、70nm、75nm、80nm、85nm、90nm、95nm、100nm、105nm、110nm、115nm、120nm、125nm、130nm、135nm、140nm、145nm、150nm、これらの値のいずれかが下端の境界となる任意の範囲、またはこれらの値のいずれか2つによって定められる任意の範囲)である。
【0031】
チャネル構造112は、半導体材料(例えば、半導体チャネル116として)および誘電体材料(例えば、メモリ膜114として)で充填されたチャネルホールを含むことができる。いくつかの実施形態では、半導体チャネル116は、アモルファスシリコン、ポリシリコン、または単結晶シリコンなどのシリコンを含む。一例では、半導体チャネル116はポリシリコンを含む。いくつかの実施形態では、メモリ膜114は、トンネル層、記憶層(「電荷トラップ層」としても知られる)、およびブロッキング層を含む複合層である。チャネルホールの残りの空間は、酸化ケイ素などの誘電体材料および/またはエアギャップを含むキャッピング層118で部分的または完全に充填することができる。チャネル構造112は、円筒形状(例えば、ピラーの形状)を有することができる。いくつかの実施形態によれば、キャッピング層118、半導体チャネル116、トンネル層、記憶層、およびメモリ膜114のブロッキング層は、この順序でピラーの中心から外面に向かって半径方向に配置される。トンネル層は、酸化ケイ素、酸窒化ケイ素、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができる。記憶層は、酸化ケイ素、酸窒化ケイ素、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができる。ブロッキング層は、酸化ケイ素、酸窒化ケイ素、高誘電率(high-k)誘電体、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができる。一例では、メモリ膜114は、酸化シリコン/酸窒化シリコン/酸化シリコン(ONO)の複合層を含むことができる。いくつかの実施形態では、チャネル構造112は、チャネル構造112の上部の上部にチャネルプラグ120をさらに含む。チャネルプラグ120は、半導体の材料(例えば、ポリシリコン)を含むことができる。いくつかの実施形態では、チャネルプラグ120は、NANDメモリストリングのドレインとして機能する。
【0032】
図1に示すように、いくつかの実施形態によれば、チャネル構造112の側壁に沿った半導体チャネル116の一部(例えば、チャネル構造112の中間部分において)は、N型ドープ半導体層104と接触している。すなわち、いくつかの実施形態によれば、メモリ膜114は、N型ドープ半導体層104に当接するチャネル構造112の中間部分で切断され、半導体チャネル116を露出させて周囲のN型ドープ半導体層104と接触させる。結果として、半導体チャネル116を取り囲み、それに接触するN型ドープ半導体層104は、上述したように「底部SEG」を置き換えるためにチャネル構造112の「側壁SEG」として機能することができ、それはオーバーレイの制御、エピタキシャル層の形成、およびSONOパンチなどの問題を軽減することができる。
【0033】
図1に示すように、3Dメモリデバイス100は、P型ドープ領域102の中に垂直に延在するN型ドープ半導体プラグ128をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、N型ドープ半導体プラグ128の上部は、同様に、N型ドープ半導体層104を通って垂直に延在する。N型ドープ半導体プラグ128は、P、As、またはSbなどのN型ドーパントでドープされたシリコンなどの半導体材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、N型ドープ半導体プラグ128は単結晶シリコンを含む。例えば、N型ドープ半導体プラグ128は、単結晶シリコンを含む基板の周囲のP型ドープ領域102からエピタキシャル成長させることができる。すなわち、いくつかの実施形態によれば、N型ドープ半導体プラグ128とP型ドープ領域102は、同じ材料、例えば単結晶シリコンを含んでいるが、異なるドーパントを含んでいる。一方、いくつかの実施形態によれば、N型ドープ半導体プラグ128およびN型ドープ半導体層104は、異なる材料、例えば、それぞれ単結晶シリコンおよびポリシリコンを含むが、同じ種類のドーパントを含む。N型ドープ半導体プラグ128およびN型ドープ半導体層104におけるN型ドーパントのドーピング濃度は、同じであっても異なっていてもよいことが理解される。いくつかの実施形態では、チャネル構造112とN型ドープ半導体プラグ128との間の横方向の距離D(例えば、
図1のx方向に)は、約40nm~約100nm、例えば40nm~100nm(例えば、40nm、45nm、50nm、55nm、60nm、65nm、70nm、75nm、80nm、85nm、90nm、95nm、100nm、これらの値のいずれかが下端の境界となる任意の範囲、またはこれらの値のいずれか2つによって定められる任意の範囲)である。
【0034】
図1に示すように、3Dメモリデバイス100は、ソース接触構造122をさらに含むことができる。ソース接触構造122は、メモリスタック106内の導電層/誘電体層の対を通って垂直に延在し、N型ドープ半導体プラグ128と接触することができる。すなわち、いくつかの実施形態によれば、ソース接触構造122およびN型ドープ半導体プラグ128は、横方向に、例えばx方向に整列させる。いくつかの実施形態では、N型ドープ半導体プラグ128の上部がN型ドープ半導体層104を通って垂直に延びるとき、ソース接触構造122はN型ドープ半導体プラグ128と接触するが、N型ドープ半導体層104とは接触しない。例えば、ソース接触構造122の底面、N型ドープ半導体プラグ128の上面、およびN型ドープ半導体層104の上面は、
図1に示すように、同じ平面にあってもよい(すなわち、互いに同一平面にある)。各ソース接触構造122は、例えば、複数のチャネル構造112に電気的に接続されている複数のNANDメモリストリングのアレイ共通ソース(ACS)の一部とすることができる。
【0035】
いくつかの実施形態では、N型ドープ半導体プラグ128の横方向の寸法(例えば、
図1のx方向)は、ソース接触構造122の横方向の寸法(例えば、
図1のx方向)よりも大きく、これは、3Dメモリデバイス100の製造中にN型ドープ半導体プラグ128とソース接触構造122との間の位置合わせを容易にすることができる。すなわち、N型ドープ半導体プラグ128は、ソース接触構造122と比較すると、「拡大させたプラグ」として見ることができる。N型ドープ半導体プラグ128の横方向の寸法および/またはソース接触構造122の横方向の寸法は、垂直方向において均一でなくてもよいことが理解される。例えば、P型ドープ領域102によって囲まれたN型ドープ半導体プラグ128の下部の横方向の寸法は、製造プロセスに関して以下に詳細に説明するように、N型ドープ半導体プラグ128が形成される凹部の側壁に形成されたN型ドープ半導体層104の同じ材料(例えば、ポリシリコン)を除去するプロセスに起因して、N型ドープ半導体層104によって囲まれたN型ドープ半導体プラグ128の上部の横方向の寸法よりも大きくてもよい。一例では、N型ドープ半導体プラグ128およびソース接触構造122の横方向の寸法は、それらの間の界面、例えば、ソース接触構造122の底面およびN型ドープ半導体プラグ128の上面で測定することができる。別の例では、N型ドープ半導体プラグ128の横方向の寸法は、垂直方向に沿った最小の横方向の寸法であってもよく、ソース接触構造122の横方向の寸法は、垂直方向に沿った最大の横方向の寸法であってもよく、その結果、N型ドープ半導体プラグ128の任意の横方向の寸法は、ソース接触構造122の任意の横方向の寸法よりも大きくなる。
【0036】
ソース接触構造122はまた、メモリスタック106を複数のブロックに分離するために横方向に(例えば、x方向およびy方向に垂直な方向に)延在することができる。ソース接触構造122は、ソース接触部126を形成するために、W、Co、Cu、Al、チタン(Ti)、窒化チタン(TiN)、ケイ化物、またはそれらの任意の組み合わせを含むがこれらに限定されない導電性材料で充填された開口部(例えば、スリット)を含むことができる。いくつかの実施形態では、ソース接触部126は、TiNで囲まれたポリシリコンを含む。ソース接触部126は、N型ドープ半導体プラグ128、N型ドープ半導体層104、および/またはP型ドープ領域102との電気的接続を行うために、N型ドープ半導体プラグ128の上方にある、および接触させることができる。ソース接触構造122は、ソース接触部126をメモリスタック106の周囲の導電層108から電気的に絶縁するために、ソース接触部126とメモリスタック106との間に横方向に酸化シリコンなどの誘電体材料を有するスペーサ124をさらに含むことができる。結果として、複数のソース接触構造122は、3Dメモリデバイス100を複数のメモリブロックおよび/またはメモリフィンガに分離することができる。いくつかの実施形態では、ソース接触部126は、その下部にポリシリコンを含み、その上部に金属相互接続部(図示せず)に接触する金属(例えば、W)を含み、それらの両方は接着層(例えば、TiN)によって囲まれて、N型ドープ半導体プラグ128、N型ドープ半導体層104、および/またはP型ドープ領域102(例えば、NANDメモリストリングのソースとして)と金属相互接続部との間に電気的な接続を形成する。
【0037】
本明細書で開示される3Dメモリデバイス100の設計は、消去動作および読み出し動作をそれぞれ形成するためのホール電流経路および電子電流経路の分離を達成することができる。
図1に示すように、いくつかの実施形態によれば、3Dメモリデバイス100は、読み出し動作を実行するときにNANDメモリストリングに電子を供与するために、電子供給源(例えば、N型ドープ半導体プラグ128および/またはN型ドープ半導体層104)とチャネル構造112の半導体チャネル116との間に電子電流パテント(黒い矢印で示されているようなもの)を形成するように構成される。逆に、3Dメモリデバイス100は、Pウェルバルク消去動作を実行するときにNANDメモリストリングにホールを設けるために、ホールソース(例えば、P型ドープ領域102)とチャネル構造112の半導体チャネル116との間に、ホール電流経路(
図1の白い矢印で示されているように)を形成するように構成される。結果として、低い信頼性および消去速度などのGIDL消去に関連する問題は、Pウェルバルク消去を実行することによって、回避することができる。また、電子電流経路とホール電流経路とを分離して読み出し動作を行う際に、反転チャネルがもはや不要となるため、ソース選択ゲートの制御を簡略化することができる。
【0038】
図2A~2Jは、本開示のいくつかの実施形態による、典型的な3Dメモリデバイスを形成するための製造プロセスを示す。
図3は、本開示のいくつかの実施形態による、典型的な3Dメモリデバイスを形成するための方法300のフローチャートを示す。
図2A~
図2Jおよび
図3に示す3Dメモリデバイスの例は、
図1に示す3Dメモリデバイス100を含む。
図2A~
図2Jおよび
図3を共に説明する。方法300に示される動作は網羅的なものではないこと、および図示された動作のいずれかの前、後、または間に、他の動作も実行できることが理解される。さらに、動作のいくつかは、同時に、または
図3に示す順序とは異なる順序で実行されてもよい。
【0039】
図3を参照すると、方法300が操作302で開始し、これにおいては基板のP型ドープ領域に凹部が形成される。いくつかの実施形態では、基板はP型シリコン基板である。いくつかの実施形態では、基板はN型シリコン基板であり、P型ドープ領域はPウェルである。
図2Aに示すように、P型ドープ領域202が形成される。いくつかの実施形態では、P型ドープ領域202は、イオン注入および/または熱拡散プロセスを使用して、B、Ga、またはAlなどのP型ドーパントによって、その上面に近いN型シリコン基板の一部をドープすることによって形成されたPウェルである。いくつかの実施形態では、P型ドープ領域202は、その上面に近いP型シリコン基板の一部である。ドライエッチングおよび/またはウェットエッチングの工程を使用して、P型ドープ領域202に、凹部206を形成することができる。
【0040】
方法300は、
図3に示すように、操作304に進み、これにおいては、P型ドープ領域の上および凹部の中の犠牲層、ならびに犠牲層の上の誘電体スタックが続いて形成される。犠牲層はポリシリコン層とすることができる。誘電体スタックは、複数のインターリーブされたスタックの犠牲層、およびスタックの誘電体層を含むことができる。
【0041】
図2Aに示すように、P型ドープ領域202の上および凹部206の中に、犠牲層204が形成される。犠牲層204は、化学蒸着(CVD)、物理蒸着(PVD)、原子層堆積(ALD)、またはそれらの任意の組み合わせを含むがこれらに限定されない1つまたは複数の薄膜堆積のプロセスを使用して、P型ドープ領域202の上ならびに凹部206の中に、後に選択的に除去することができるポリシリコンまたは任意の他の適切な犠牲材料(例えば、炭素)を堆積することによって、形成することができる。いくつかの実施形態では、犠牲層204を形成する前に、P型ドープ領域202の上で、酸化シリコンなどの誘電体材料を堆積することによって、または熱酸化をさせることによって、犠牲層204とP型ドープ領域202との間に、パッド酸化物層が形成される。
【0042】
図2Aに示すように、第1の誘電体層(「スタック犠牲層212」として知られる)および第2の誘電体層(「スタック誘電体層210」として知られる)の複数の対を含む誘電体スタック208が、犠牲層204の上に形成される。いくつかの実施形態によれば、誘電体スタック208は、インターリーブされたスタック犠牲層212およびスタック誘電体層210を含む。スタック誘電体層210およびスタック犠牲層212は、代替的に犠牲層204の上に堆積されて、誘電体スタック208を形成することができる。いくつかの実施形態では、各スタック誘電体層210は酸化シリコンの層を含み、各スタック犠牲層212は窒化シリコンの層を含む。誘電体スタック208は、CVD、PVD、ALD、またはそれらの任意の組み合わせを含むがこれらに限定されない1つまたは複数の薄膜堆積プロセスにより形成することができる。
【0043】
方法300は、
図3に示すように、操作306に進み、これにおいては誘電体スタックおよび犠牲層を通ってP型ドープ領域内に垂直に延びるチャネル構造が形成される。いくつかの実施形態では、チャネル構造を形成するために、誘電体スタックおよび犠牲層を通ってP型ドープ領域に垂直に延びるチャネルホールが形成され、続いてメモリ膜および半導体チャネルが、チャネルホールの側壁に沿って形成される。いくつかの実施形態では、チャネルプラグが半導体のチャネルの上方に、また接触して形成される。
【0044】
図2Aに示すように、チャネルホールは、誘電体スタック208および犠牲層204を通ってP型ドープ領域202の中に垂直に延在する開口部である。いくつかの実施形態では、各開口部が後のプロセスで個々のチャネル構造214を成長させるための位置になるように、複数の開口部が形成される。いくつかの実施形態では、チャネル構造214のチャネルホールを形成するための製造プロセスは、ディープ反応性イオンエッチング(DRIE)などのウェットエッチングおよび/またはドライエッチングのプロセスを含む。いくつかの実施形態では、チャネル構造214のチャネルホールは、P型ドープ領域202の上部をさらに貫通して延在する。誘電体スタック208および犠牲層204を通るエッチングプロセスは、P型ドープ領域202の一部を引き続きエッチングすることができる。いくつかの実施形態では、誘電体スタック208および犠牲層204を介してエッチングした後に、P型ドープ領域202の一部をエッチングするために、別個のエッチングプロセスが使用される。
【0045】
図2Aに示すように、続いて、メモリ膜216(ブロッキング層と、記憶層と、トンネル層とを含む)および半導体チャネル218が、チャネルホールの側壁および底面に沿って、この順序で形成される。いくつかの実施形態では、メモリ膜216は、最初にチャネルホールの側壁および底面に沿って堆積され、その後、半導体チャネル218は、メモリ膜216の上に堆積される。その後、ALD、CVD、PVD、任意の他の適切なプロセス、またはそれらの任意の組み合わせなどの1つまたは複数の薄膜堆積プロセスを使用して、ブロッキング層、記憶層、およびトンネル層をこの順序で堆積して、メモリ膜216を形成することができる。次いで、ALD、CVD、PVD、任意の他の適切なプロセス、またはそれらの任意の組み合わせなどの1つまたは複数の薄膜堆積プロセスを使用して、メモリ膜216のトンネル層の上に、ポリシリコンなどの半導体の材料を堆積することによって、半導体チャネル218を形成することができる。いくつかの実施形態では、第1の酸化シリコン層、窒化シリコン層、第2の酸化シリコン層、およびポリシリコン層(「SONO」構造)が続いて堆積されて、メモリ膜216および半導体チャネル218を形成する。
【0046】
図2Aに示すように、キャッピング層220がチャネルホール内および半導体チャネル218の上に形成され、チャネルホールを完全にまたは部分的に充填する(例えば、空隙なしまたは空隙あり)。キャッピング層220は、ALD、CVD、PVD、任意の他の適切なプロセス、またはそれらの任意の組み合わせなどの1つまたは複数の薄膜堆積プロセスを使用して、酸化ケイ素などの誘電材料を堆積することによって形成することができる。次いで、チャネルホールの上部にチャネルプラグ222を形成することができる。いくつかの実施形態では、誘電体スタック208の上面にあるメモリ膜216、半導体チャネル218、およびキャッピング層220の一部は、CMP、ウェットエッチング、および/またはドライエッチングのプロセスによって除去され、平坦化される。次いで、チャネルホールの上部の半導体チャネル218およびキャッピング層220の一部をウェットエッチングおよび/またはドライエッチングすることによって、チャネルホールの上部に、凹部を形成することができる。次いで、CVD、PVD、ALD、またはそれらの任意の組み合わせなどの1つまたは複数の薄膜堆積プロセスによって、ポリシリコンなどの半導体材料を、凹部の中に堆積させることによって、チャネルプラグ222を形成することができる。これにより、誘電体スタック208および犠牲層204を貫通してP型ドープ領域202の中に、チャネル構造214が形成される。
【0047】
方法300は、
図3に示すように、操作308に進み、これにおいては誘電体スタックを通って凹部内の犠牲層の中に垂直に延びる開口部が形成される。いくつかの実施形態では、凹部の横方向の寸法は、開口部の横方向の寸法よりも大きい。
【0048】
図2Bに示すように、スリット224は、誘電体スタック208を通って凹部206の犠牲層204内に垂直に延びるように形成された開口部であり、凹部206内の犠牲層204の一部を露出させる。いくつかの実施形態では、凹部206は、スリット224よりも大きいx方向の横方向の寸法を有する、拡大させた凹部である。スリット224は、凹部206と横方向に位置合わせされるようにリソグラフィプロセスを使用して最初にパターニングすることができる。凹部206の拡大させた寸法で、横方向の重ね合わせのマージンを大きくすることができる。いくつかの実施形態では、スリット224を形成するための製造プロセスは、DRIEなどのウェットエッチングおよび/またはドライエッチングのプロセスを、さらに含む。犠牲層204が充填された凹部206が存在していることにより、スリット224の垂直方向のガウジングを大きくすることができる。すなわち、スリット224のエッチングは、もはや基板の上面の上方にある犠牲層204で停止する必要はなく、凹部206内の犠牲層204で停止させることができる。スリット224のエッチングは、犠牲層204の任意の深さで停止し得ることが理解される。その結果、異なるスリット224間でのガウジングのばらつき要件を緩和することができ、それによって、製造の歩留まりを改善することができる。いくつかの実施形態では、スリット224の側壁に沿ってhigh-k誘電体などの1つまたは複数の誘電体を堆積することによって、スペーサ228が、スリット224の側壁に沿って形成される。
【0049】
方法300は、
図3に示すように、操作310に進み、これにおいて犠牲層は、開口部を介して、P型ドープ領域と誘電体スタックとの間のN型ドープ半導体層で、置き換えられる。いくつかの実施形態では、犠牲層をN型ドープ半導体層で置き換えるために、犠牲層を除去してP型ドープ領域と誘電体スタックとの間にキャビティを形成し、メモリ膜の一部を除去してチャネルホールの側壁に沿って半導体チャネルの一部を露出させ、N型ドープポリシリコンをキャビティの中に堆積させて、N型ドープ半導体層を形成する。いくつかの実施形態では、N型ドープポリシリコンをキャビティの中に堆積させるために、ポリシリコンは、キャビティを充填するために均一なドーピング濃度プロファイルで、in-situドーピングされる。
【0050】
図2cに示すように、犠牲層204(
図2Bに示す)は、ウェットエッチングおよび/またはドライエッチングによって除去され、キャビティ226を形成すると共に、凹部206を再び空ける。いくつかの実施形態では、犠牲層204はポリシリコンを含み、スペーサ228はhigh-k誘電体を含み、犠牲層204はスリット224を介して水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)エッチャントを適用することによってエッチングされ、これは、スペーサ228のhigh-k誘電体、ならびに犠牲層204とP型ドープ領域202との間にあるパッド酸化物層によって、停止することができる。すなわち、いくつかの実施形態によれば、犠牲層204の除去は、誘電体スタック208およびP型ドープ領域202を除去しない。同様に、凹部206の犠牲層204を除去して、凹部206を再度空けることができる。
【0051】
図2Dに示すように、キャビティ226に露出したメモリ膜216の一部を除去して、チャネル構造214の側壁に沿って、半導体チャネル218の一部を露出させる。いくつかの実施形態では、スリット224およびキャビティ226を通して、例えば、窒化ケイ素をエッチングするためリン酸、また酸化ケイ素をエッチングするためフッ化水素酸などのエッチャントを適用することによって、ブロッキング層(例えば、酸化ケイ素を含む)、記憶層(例えば、窒化ケイ素を含む)、およびトンネル層(例えば、酸化ケイ素を含む)の一部がエッチングされる。エッチングは、スペーサ228および半導体チャネル218によって停止することができる。すなわち、いくつかの実施形態によれば、キャビティ226に露出したメモリ膜216の一部を除去しても、誘電体スタック208(スペーサ228によって保護されている)、ならびに半導体チャネル218によって囲まれたポリシリコンおよびキャッピング層220を含む半導体チャネル218は除去されない。いくつかの実施形態では、パッド酸化物層(酸化シリコンを含む)も、同じエッチングプロセスによって除去される。
【0052】
図2Eに示すように、N型ドープ半導体層230が、P型ドープ領域202と誘電体スタック208との間に形成される。いくつかの実施形態では、N型ドープ半導体層230は、CVD、PVD、ALD、またはそれらの任意の組み合わせなどの1つまたは複数の薄膜堆積プロセスを使用してスリット224を通ってキャビティ226(
図2Dに示す)の中にポリシリコンを堆積することによって形成される。いくつかの実施形態では、ポリシリコンを堆積してN型ドープ半導体層230を形成するときに、P、As、またはSbなどのN型ドーパントのin-situドーピングが実行される。N型ドープ半導体層230は、N型ドープ半導体層230がチャネル構造214の半導体チャネル218の露出部分と接触するように、キャビティ226を充填することができる。いくつかの実施形態によれば、半導体チャネル218の露出部分からのエピタキシャル成長と対照的に、N型ドープ半導体層230は、堆積によって形成されるので、半導体チャネル218の表面の状態(例えば、清浄度)は、N型ドープ半導体層230の形成に影響を及ぼさない。さらに、N型ドープ半導体層230は、in-situドーピングを伴う単一のポリシリコン堆積プロセスによって形成されたP型ドープ領域202と誘電体スタック208との間の均一なドーピング濃度プロファイルを有する単一のポリシリコン層とすることができる。
【0053】
方法300は、
図3に示すように、操作312に進み、これにおいて、N型ドープ半導体プラグが凹部に形成される。いくつかの実施形態では、N型ドープ半導体プラグを形成するために、単結晶シリコンをエピタキシャル成長させて凹部を充填し、単結晶シリコンをin-situドーピングする。
【0054】
図2Fに示すように、凹部206(
図2Eに示す)内にスリット224の側壁に沿って形成されたN型ドープ半導体層230は、ウェットエッチングおよび/またはドライエッチングを使用して除去され、凹部206内のP型ドープ領域202を露出させる。エッチングのプロセスは、N型ドープ半導体層230が依然としてP型ドープ領域202と誘電体スタック208との間に残り、チャネル構造214の半導体チャネル218と接触するように(例えば、エッチングの速度および/またはエッチングの時間を制御することによって)制御することができる。いくつかの実施形態では、凹部206(例えば、凹部206の側壁に堆積されたポリシリコンのエッチング)内に形成されたN型ドープ半導体層230のエッチングは、垂直方向に沿って不均一な横方向の寸法(例えば、x方向)の形状を有する凹部206の残りの部分を生じる。例えば、
図2Fに示すように、P型ドープ領域202によって囲まれた凹部206の残りの下部の横方向の寸法は、N型ドープ半導体層230によって囲まれた凹部206の残りの上部の横方向の寸法より大きくてもよい。
【0055】
図2Gに示すように、N型ドープ半導体プラグ232が凹部206の中に形成される。いくつかの実施形態では、N型ドープ半導体プラグ232は、P型ドープ領域202から任意の適切な方向(例えば、底部および側壁から)に単結晶シリコンをエピタキシャル成長させて凹部206の残りを充填することによって形成される。いくつかの実施形態では、N型ドープ半導体プラグ232の形状は、凹部206の残りの部分の形状と実質的に同じである。例えば、P型ドープ領域202によって囲まれたN型ドープ半導体プラグ232の下部の横方向の寸法は、N型ドープ半導体層230によって囲まれたN型ドープ半導体プラグ232の上部の横方向の寸法よりも大きくてもよい。N型ドープ半導体プラグ232をエピタキシャル成長させるための製造プロセスは、事前にクリーニングした凹部206に続いて、例えば、気相エピタキシ(VPE)、液相エピタキシ(LPE)、分子線エピタキシ(MPE)、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができる。いくつかの実施形態では、P、As、またはSbなどのN型ドーパントのin-situドーピングは、単結晶シリコンをエピタキシャル成長させてN型ドープ半導体プラグ232を形成するときに実行される。いくつかの実施形態では、N型ドープ半導体プラグ232は、エピタキシャル成長プロセスを使用して凹部206を完全に充填し、これは、スリット224と比較すると、凹部206の寸法を拡大させたことに起因して、堆積プロセスを使用して達成することが困難である。
【0056】
方法300は、
図3に示すように、操作314に進み、これにおいては誘電体スタックは、開口部を介してメモリスタックと置き換えられる。
図2Hに示すように、スリット224の側壁を覆うスペーサ228(
図2cに示す)は、ウェットエッチングおよび/またはドライエッチングを使用して除去され、誘電体スタック208のスタック犠牲層212(
図2Aに示す)を露出させる。メモリスタック234は、ゲート置換プロセス、すなわち、スタック犠牲層212をスタック導電層236で置換することによって形成することができる。したがって、メモリスタック234は、N型ドープ半導体層230上に、インターリーブされたスタック導電層236とスタック誘電体層210とを含むことができる。いくつかの実施形態では、メモリスタック234を形成するために、スリット224を通してエッチャントを適用することによって、スタック犠牲層212を除去して、複数の横方向の凹部を形成する。次に、PVD、CVD、ALD、またはそれらの任意の組み合わせなどの1つまたは複数の薄膜堆積プロセスを使用して、1つまたは複数の導電性材料を堆積させることによって、スタック導電層236を横方向の凹部の中に堆積させることができる。
【0057】
方法300は、
図3に示すように、操作316に進み、これにおいては、ソース接触構造が、N型ドープ半導体プラグと接触するように開口部に形成される。
図2Iに示すように、酸化シリコンなどの1つまたは複数の誘電体を含むスペーサ238が、PVD、CVD、ALD、またはそれらの任意の組み合わせなどの1つまたは複数の薄膜堆積プロセスを使用して、スリット224の側壁に沿って形成される。
図2Jに示すように、ソース接触部240がスペーサ238の上に形成されて、N型ドープ半導体プラグ232と接触するように(
図2Iに示すように)スリット224の残りの空間を充填する。いくつかの実施形態では、ソース接触部240は、最初にスペーサ238の上に接着層(例えば、TiNを含む)を堆積させ、続いてPVD、CVD、ALD、電気めっき、無電解めっき、またはそれらの任意の組み合わせなどの1つまたは複数の薄膜堆積プロセスを使用してスリット224の下部にポリシリコンを堆積させ、スリット224の上部に金属(例えば、W)を堆積させて、スリット224を充填することによって、形成される。いくつかの実施形態によれば、これにより、スペーサ238と、N型ドープ半導体プラグ232の上方にあり、接触するソース接触部240とを含むソース接触構造242が形成される。
【0058】
本開示の一態様によれば、3Dメモリデバイスは、基板のP型ドープ領域と、P型ドープ領域上のN型ドープ半導体層と、N型ドープ半導体層上のインターリーブされた導電層および誘電体層を含むメモリスタックと、メモリスタックおよびN型ドープ半導体層を通ってP型ドープ領域内に垂直に延びるチャネル構造と、P型ドープ領域内に垂直に延びるN型ドープ半導体プラグと、メモリスタックを通ってN型ドープ半導体プラグと接触するように垂直に延びるソース接触構造とを含む。
【0059】
いくつかの実施形態では、N型ドープ半導体プラグの横方向の寸法は、ソース接触構造の横方向の寸法よりも大きい。
【0060】
いくつかの実施形態では、N型ドープ半導体プラグは単結晶シリコンを含む。いくつかの実施形態では、N型ドープ半導体層はポリシリコンを含む。
【0061】
いくつかの実施形態では、N型ドープ半導体層は、均一なドーピング濃度プロファイルの単一のポリシリコン層である。
【0062】
いくつかの実施形態では、N型ドープ半導体層のドーピング濃度は、約1017cm-3~約1021cm-3である。
【0063】
いくつかの実施形態では、基板はP型シリコン基板である。
【0064】
いくつかの実施形態では、基板はN型シリコン基板であり、P型ドープ領域はPウェルである。
【0065】
いくつかの実施形態では、チャネル構造はメモリ膜および半導体チャネルを含み、チャネル構造の側壁に沿った半導体チャネルの一部はN型ドープ半導体層と接触している。
【0066】
いくつかの実施形態では、3Dメモリデバイスは、Pウェルバルク消去動作を実行するときに、P型ドープ領域とチャネル構造の半導体チャネルとの間にホール電流経路を形成するように構成される。
【0067】
いくつかの実施形態では、ソース接触構造は、N型ドープ半導体プラグの上方にあって接触しているソース接触部を含む。
【0068】
いくつかの実施形態では、N型ドープ半導体層の厚さは、約30nm~約100nmである。
【0069】
いくつかの実施形態では、チャネル構造とN型ドープ半導体プラグとの間の横方向の距離は、約40nm~約100nmである。
【0070】
いくつかの実施形態では、チャネル構造がP型ドープ領域内に延びる深さは、約50nm~約150nmである。
【0071】
いくつかの実施形態では、P型ドープ領域によって囲まれたN型ドープ半導体プラグの一部の横方向の寸法は、N型ドープ半導体層によって囲まれたN型ドープ半導体プラグの一部の横方向の寸法よりも大きい。
【0072】
本開示の別の態様によれば、3Dメモリデバイスは、基板のP型ドープ領域と、P型ドープ領域の上方にインターリーブされた導電層および誘電体層を含むメモリスタックと、P型ドープ領域とメモリスタックとの間にあり、均一なドーピング濃度プロファイルを有する単一のN型ドープ半導体層と、メモリスタックおよびN型ドープ半導体層を通ってP型ドープ領域の中に垂直に延びるチャネル構造とを含む。
【0073】
いくつかの実施形態では、N型ドープ半導体層はポリシリコンを含む。
【0074】
いくつかの実施形態では、N型ドープ半導体層のドーピング濃度は、約1017cm-3~約1021cm-3である。
【0075】
いくつかの実施形態では、チャネル構造はメモリ膜および半導体チャネルを含み、チャネル構造の側壁に沿った半導体チャネルの一部はN型ドープ半導体層と接触している。
【0076】
いくつかの実施形態では、3Dメモリデバイスは、Pウェルバルク消去動作を実行するときに、P型ドープ領域とチャネル構造の半導体チャネルとの間にホール電流経路を形成するように構成される。
【0077】
いくつかの実施形態では、N型ドープ半導体層の厚さは、約30nm~約100nmである。
【0078】
いくつかの実施形態では、チャネル構造がP型ドープ領域内に延びる深さは、約50nm~約150nmである。
【0079】
いくつかの実施形態では、3Dメモリデバイスは、P型ドープ領域の中に垂直に延在するN型ドープ半導体プラグと、N型ドープ半導体プラグと接触するようにメモリスタックを通って垂直に延在するソース接触構造とをさらに含む。
【0080】
いくつかの実施形態では、N型ドープ半導体プラグの横方向の寸法は、ソース接触構造の横方向の寸法よりも大きい。
【0081】
いくつかの実施形態では、N型ドープ半導体プラグは単結晶シリコンを含む。
【0082】
いくつかの実施形態では、ソース接触構造は、N型ドープ半導体プラグの上方にあって接触しているソース接触部を含む。
【0083】
いくつかの実施形態では、チャネル構造とN型ドープ半導体プラグとの間の横方向の距離は、約40nm~約100nmである。
【0084】
いくつかの実施形態では、P型ドープ領域によって囲まれたN型ドープ半導体プラグの一部の横方向の寸法は、N型ドープ半導体層によって囲まれたN型ドープ半導体プラグの一部の横方向の寸法よりも大きい。
【0085】
いくつかの実施形態では、基板はP型シリコン基板である。
【0086】
いくつかの実施形態では、基板はN型シリコン基板であり、P型ドープ領域はPウェルである。
【0087】
本開示のさらに別の態様によれば、3Dメモリデバイスを形成するための方法が提供される。基板のP型ドープ領域に凹部が形成される。P型ドープ領域の上および凹部の中の犠牲層、ならびに犠牲層の上の誘電体スタックが続いて形成される。誘電体スタックおよび犠牲層を通ってP型ドープ領域内に垂直に延びるチャネル構造が形成される。誘電体スタックを通って凹部内の犠牲層の中に垂直に延びる開口部が形成される。犠牲層は、開口部を介して、P型ドープ領域と誘電体スタックとの間のN型ドープ半導体層で、置き換えられる。N型ドープ半導体プラグが凹部に形成される。
【0088】
いくつかの実施形態では、N型ドープ半導体プラグが形成された後、チャネル構造がメモリスタックおよびN型ドープ半導体層を通ってP型ドープ領域の中に垂直に延在するように、開口部を介して誘電体スタックがメモリスタックと置き換えられ、N型ドープ半導体プラグと接触するように、開口部内にソース接触構造が形成される。
【0089】
いくつかの実施形態では、凹部の横方向の寸法は、開口部の横方向の寸法よりも大きい。
【0090】
いくつかの実施形態では、チャネル構造を形成するために、誘電体スタックおよび犠牲層を通ってP型ドープ領域に垂直に延びるチャネルホールが形成され、続いてメモリ膜および半導体チャネルが、チャネルホールの側壁に沿って形成される。
【0091】
いくつかの実施形態では、犠牲層をN型ドープ半導体層で置き換えるために、犠牲層を除去してP型ドープ領域と誘電体スタックとの間にキャビティを形成し、メモリ膜の一部を除去してチャネルホールの側壁に沿って半導体チャネルの一部を露出させ、N型ドープポリシリコンをキャビティの中に堆積させて、N型ドープ半導体層を形成する。
【0092】
いくつかの実施形態では、N型ドープポリシリコンをキャビティの中に堆積させるために、ポリシリコンは、キャビティを均一なドーピング濃度プロファイルで充填するようにin-situドーピングされる。
【0093】
いくつかの実施形態では、N型ドープ半導体プラグを形成するために、単結晶シリコンをエピタキシャル成長させて凹部を充填し、単結晶シリコンをin-situドーピングする。
【0094】
特定の実施形態の前述の説明は、本開示の一般的な性質をかなり明らかにするので、他者は、当業者の技術の範囲内の知識を適用することによって、本開示の全般的な概念から逸脱することなく、過度の実験を行うことなく、そのような特定の実施形態を様々な用途に容易に修正および/または適合させることができる。したがって、そのような適合および修正は、本明細書に提示された教示およびガイダンスに基づいて、開示された実施形態の均等物の意味および範囲内にあることが意図されている。本明細書の表現または用語は、本明細書の用語または表現が教示およびガイダンスに照らして当業者によって解釈されるように、限定ではなく説明を目的とするものであることを理解されたい。
【0095】
本開示の実施形態は、指定された機能およびその関係の実装を示す機能的構成要素を用いて上述されてきた。これらの機能的構成要素の境界は、説明の便宜上、本明細書で任意に定義されている。指定された機能およびそれらの関係が適切に実行される限り、代替の境界を定めることができる。
【0096】
発明の概要および要約のセクションは、発明者によって企図される、本開示の1つまたは複数でありすべてであることはない典型的な実施形態を記載することができ、したがって、本開示および添付の特許請求の範囲を決して限定することを意図するものではない。
【0097】
本開示の幅および範囲は、上述の典型的な実施形態のいずれによっても限定されるべきではなく、以下の特許請求の範囲およびそれらの均等物に従ってのみ定められるべきである。