IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 国立大学法人広島大学の特許一覧

特許7313674有機薄膜太陽電池材料及び有機薄膜太陽電池
<>
  • 特許-有機薄膜太陽電池材料及び有機薄膜太陽電池 図1
  • 特許-有機薄膜太陽電池材料及び有機薄膜太陽電池 図2
  • 特許-有機薄膜太陽電池材料及び有機薄膜太陽電池 図3
  • 特許-有機薄膜太陽電池材料及び有機薄膜太陽電池 図4
  • 特許-有機薄膜太陽電池材料及び有機薄膜太陽電池 図5
  • 特許-有機薄膜太陽電池材料及び有機薄膜太陽電池 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-14
(45)【発行日】2023-07-25
(54)【発明の名称】有機薄膜太陽電池材料及び有機薄膜太陽電池
(51)【国際特許分類】
   H10K 30/50 20230101AFI20230718BHJP
   H10K 85/10 20230101ALI20230718BHJP
   H10K 85/40 20230101ALI20230718BHJP
   H10K 30/30 20230101ALI20230718BHJP
   H10K 30/40 20230101ALI20230718BHJP
【FI】
H10K30/50
H10K85/10
H10K85/40
H10K30/30
H10K30/40
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2019158795
(22)【出願日】2019-08-30
(65)【公開番号】P2021039983
(43)【公開日】2021-03-11
【審査請求日】2022-06-28
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成30年度、国立研究開発法人科学技術振興機構、戦略的創造研究推進事業「半導体ポリマーの開発と太陽電池高効率化」委託研究、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】504136568
【氏名又は名称】国立大学法人広島大学
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100138955
【弁理士】
【氏名又は名称】末次 渉
(72)【発明者】
【氏名】尾坂 格
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 慎彦
【審査官】吉岡 一也
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2018-0127788(KR,A)
【文献】XU, Guodong et al.,A novel alkylsilyl-fused copolymer-based non-fullerene solar cell with over 12% efficiency,Journal of Materials Chemistry A,2019年,Vol. 7,pp. 4145-4152,DOI: 10.1039/c8ta12224e
【文献】CHEN, Shanshan et al.,Ultrafast Channel II process induced by a 3-D texture with enhanced acceptor order ranges for high-performance non-fullerene polymer solar cells,Energy & Environmental Science,2018年,Vol. 11,pp. 2569-2580,DOI: 10.1039/c8ee01546e
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10K 30/00-30/89
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高分子主鎖中に式1で表される構造を含む高分子化合物又は式2で表される繰り返し単位を含む高分子化合物を含む、
【化1】

【化2】

(式1及び式2中、Arは、式12、R はアルキル基、R はアルキル基又はエステル基を表す。)
【化3】

ことを特徴とする有機薄膜太陽電池材料。
【請求項2】
請求項に記載の有機薄膜太陽電池材料を含む光活性層を有する、
ことを特徴とする有機薄膜太陽電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機薄膜太陽電池材料及び有機薄膜太陽電池に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽電池は光入力に対して電気出力を示す装置であり、化石燃料の枯渇問題や地球温暖化問題を背景に、クリーンエネルギーとして注目され、実用化されている。これまでシリコン系太陽電池が広く実用化されているが、塗布プロセスで製造可能なことやフレキシブル化、シースルー化が可能なことから有機薄膜太陽電池が新しい太陽電池技術として注目を集めており、高効率化を目指した種々の有機薄膜太陽電池材料の開発が行われている。
【0003】
例えば、非特許文献1では、電子供与体となるp型半導体ポリマーと電子受容体となるフラーレン系n型材料とを組み合わせることで光電変換効率が向上することが報じられているが、非フラーレン系n型材料との組み合わせでは、フラーレン系n型材料との組み合わせに比べ、光電変換効率が低下することが分かっている。
【0004】
また、非特許文献2では、p型半導体ポリマーの主鎖の一部に嵩高いトリアルキルシリル基を有する化合物が開示され、非フラーレン系n型材料との組み合わせが可能と見られる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【文献】I. Osaka et al., Adv. Mater, 26, 331-338 (2014)
【文献】G. Xu et al., J. Mater. Chem. A, 7, 4145-4152(2019)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
これまでにも種々の有機薄膜太陽電池材料が開示されているものの、材料開発は未だ発展途上にあり、更なる光電変換効率等の特性に優れる有機薄膜太陽電池材料が求められている。
【0007】
本発明は、上記事項に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、良好な光電変換効率を示す有機薄膜太陽電池材料及び有機薄膜太陽電池を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第の観点に係る有機薄膜太陽電池材料は、
高分子主鎖中に式1で表される構造を含む高分子化合物又は式2で表される繰り返し単位を含む高分子化合物を含む、
【化1】

【化2】

(式1及び式2中、Arは、式12、R はアルキル基、R はアルキル基又はエステル基を表す。)
【化3】

ことを特徴とする。
【0011】
本発明の第の観点に係る有機薄膜太陽電池は、
本発明の第の観点に係る有機薄膜太陽電池材料を含む光活性層を有する、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、良好な光電変換効率を示す有機薄膜太陽電池材料及び有機薄膜太陽電池を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】高分子化合物P1を用いた有機薄膜太陽電池素子の電流密度-電圧特性のグラフである。
図2】高分子化合物P2を用いた有機薄膜太陽電池素子の電流密度-電圧特性のグラフである。
図3】高分子化合物P3を用いた有機薄膜太陽電池素子の電流密度-電圧特性のグラフである。
図4】クロロベンゼン溶液中での高分子化合物P1の吸収スペクトルを示すグラフである。
図5】クロロベンゼン溶液中での高分子化合物P3の吸収スペクトルを示すグラフである。
図6】クロロベンゼン溶液中での高分子化合物P5の吸収スペクトルを示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(高分子化合物)
本実施の形態に係る高分子化合物は、高分子主鎖中に式1で表される構造を含む。式1中、Arは、式11又は式12で表される。また、Rはアルキル基、好ましくは炭素数が6までのアルキル基を表し、これらは直鎖状でも分岐鎖状でもよい。また、Rはアルキル基又はエステル基、好ましくは炭素数が8~16までのアルキル基又はエステル基を表し、これらは直鎖状でも分岐鎖状でもよい。
【0015】
【化5】
【0016】
【化6】
【0017】
また、本実施の形態に係る高分子化合物は、式2で表される繰り返し単位を含む。式2中、Ar、R、Rは、上記式1と同義である。
【0018】
【化7】
【0019】
【化8】
【0020】
式1及び式2で表される高分子化合物の重量平均分子量は、10000~600000の範囲であることが好ましい。また、数平均分子量は10000~200000の範囲であることが好ましい。
【0021】
式1及び式2で表される高分子化合物では、ベンゾジチオフェン環に主鎖方向に結合しているチオフェンのRがベンゾチオフェン環から離れた位置に結合していることから、立体障害が緩和される。したがって、非特許文献2に開示されているチオフェンのアルキル基がベンゾジチオフェン環側に結合している構造に比べ、式1及び式2で表される高分子化合物は平面性が高く、剛直な構造であり、電荷移動について優位な構造である。
【0022】
(有機薄膜太陽電池材料)
式1及び式2で表される高分子化合物は、有機薄膜太陽電池材料に用いることができる。有機薄膜太陽電池材料は、湿式成膜法等の塗布法によって有機太陽電池の光活性層を形成することができる。式1で表される高分子化合物は、所謂p型有機半導体として、電子供与体の機能を発揮する。
【0023】
有機薄膜太陽電池材料は、式1又は式2で表される高分子化合物のみを含んでいても、他の有機太陽電池材料や他の成分を含んでいてもよい。有機薄膜太陽電池材料は、電子受容体としての機能を発揮する電子受容性化合物を含むことが好ましい。電子受容性化合物は、所謂n型有機半導体材料として機能する化合物であり、非フラーレン系化合物であることが好ましい。式1で表される高分子化合物は、主鎖の一部に嵩高いトリアルキルシリルチオフェンを有しており、これを含有する有機薄膜太陽電池材料とナローバンドギャップの非フラーレン系n型有機薄膜太陽電池材料と組み合わせた場合に、良好な光電変換効率が得られる。
【0024】
また、式1及び式2で表される高分子化合物は、平面性の高い剛直な構造であることから、薄膜形成後、アニール処理を行わなくても、良好な光電変換効率等の優れた特性を示すことから、有機薄膜太陽電池の製造コストの低下につながる。
【0025】
(有機薄膜太陽電池)
有機薄膜太陽電池は、上述した有機薄膜太陽電池材料を光活性層に用いる。有機薄膜太陽電池の構造は、一対の電極の間に光活性層を備える構造であれば特に制限されない。有機薄膜太陽電池の構成は、例えば、以下の態様が挙げられる。なお、p層、p材料とは、上述した有機薄膜太陽電池材料を含有する層、材料であり、n層、n材料とは、上述した電子受容性化合物を含有する層、材料を表す。
(A)電極/p材料とn材料の混合層/電極
(B)電極/p層/p材料とn材料の混合層/n層/電極
(C)電極/p層/n層/電極
【0026】
上述した式1及び式2で表される高分子化合物は、後記する実施例に記載の方法、又はこれに準ずる方法で製造することができる。例えば、下式に示すよう、式21及び式22で表される化合物を反応させることで合成され得る。式21中、Xはハロゲンを表す。また、式22中、Rはアルキル基を表す。また、式21及び式22中、Ar、R、Rは式1と同義である。
【0027】
【化9】
【実施例
【0028】
以下、実施例に基づき、各種高分子化合物の合成、高分子化合物を用いた有機薄膜太陽電池の特性について説明する。本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0029】
原料となる5,5’-ビス(5-ブロモ-2ブチルオクチル-2-イル)チアゾロ[5,4-d]チアゾールは、「I. Osaka et al., Adv. Mater, 26, 331-338 (2014)」に基づいて合成し、用いた。
また、5,5’-2,6-ビス(トリメチルスタニル)ベンゾ(1,2-b:4,5-b’)ジチオフェン-4,8-ジイル)ビス(チオフェン-5,2-ジイル)ビス(トリプロピルシラン)、及び、5,5’-2,6-ビス(トリメチルスタニル)ベンゾ[1,2-b:4,5-b’]ジチオフェン-4,8-ジイル)ビス(チオフェン-5,2-ジイル)ビス(トリブチルシラン)は、「H. Bin et al., Nat. Commun, 7, 13651 (2016)」に基づいて合成し、用いた。
【0030】
(高分子化合物P1の合成)
【0031】
【化10】
【0032】
5,5’-2,6-ビス(トリメチルスタニル)ベンゾ[1,2-b:4,5-b’]ジチオフェン-4,8-ジイル)ビス(チオフェン-5,2-ジイル)ビス(トリプロピルシラン)(97.4mg,0.10mmol)、5,5’-ビス(5-ブロモ-2ブチルオクチル-2-イル)チアゾロ[5,4-d]チアゾール(80.0mg,0.10mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(1.0mg,0.001mmol)、トリ(オルトトリル)ホスフィン(2.44mg,0.008mmol)、トルエン(4ml)を反応用バイアルに入れ、窒素封入し、密栓した。
マイクロウェーブ反応装置を用いて、200℃で2時間反応させた。
その後、室温まで冷却後、反応液をメタノール溶液に注ぎ込み、1時間撹拌した。
沈殿した固体をろ取し、ソックスレー抽出器を用いて、メタノール、n-ヘキサン、クロロホルムで洗浄した後、クロロベンゼンで抽出した。
得られた溶液を一部濃縮し、メタノールに注ぎ込み、ろ取することで、高分子化合物P1(119mg,Y=91%)を暗赤色固体として得た(数平均分子量70,700)。
【0033】
(高分子化合物P2の合成)
【0034】
【化11】
【0035】
5,5’-2,6-ビス(トリメチルスタニル)ベンゾ[1,2-b:4,5-b’]ジチオフェン-4,8-ジイル)ビス(チオフェン-5,2-ジイル)ビス(トリブチルシラン)(107.7mg,0.10mmol)、5,5’-ビス(5-ブロモ-2ブチルオクチル-2-イル)チアゾロ[5,4-d]チアゾール(80.0mg,0.10mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(1.0mg,0.001mmol)、トリ(オルトトリル)ホスフィン(2.44mg,0.008mmol)、トルエン(4ml)を反応用バイアルに入れ、窒素封入し、密栓した。
マイクロウェーブ反応装置を用いて、200℃で2時間反応させた。
その後、室温まで冷却後、反応液をメタノール溶液に注ぎ込み、1時間撹拌した。
沈殿した固体をろ取し、ソックスレー抽出器を用いて、メタノール、n-ヘキサン、クロロホルムで洗浄した後、クロロベンゼンで抽出した。
得られた溶液を一部濃縮し、メタノールに注ぎ込み、ろ取することで、高分子化合物P2(92mg,Y=66%)を暗赤色固体として得た(数平均分子量46,900)。
【0036】
続いて合成した高分子化合物P1、を用いて太陽電池素子を作製し、光電変換効率を評価した。
【0037】
(高分子化合物P1を用いた有機薄膜太陽電池素子の評価)
ITO膜がパターンニングされたガラス基板を十分に洗浄した後、UVオゾン処理を行った。
次に、酢酸亜鉛(II)二水和物0.5gとエタノールアミン0.142mlを2-メトキシエタノール5mlに溶解した溶液を3000rpmで30秒間、基板上にスピンコートした。
200℃で30分間基板を加熱することで、電子取り出し層を形成した。
電子取り出し層を成膜した基板をグローブボックス内に持ち込み、高分子化合物P1及びn型低分子材料であるIT-4F(3,9-ビス(2-メチレン-((3-1,1-ジシアノメチレン)-6,7,-ジフルオロ)-インダノン))-5,5,11,11,-テトラキス(4-ヘキシルフェニル)-ジチエノ[2,3-d:2’,3’ -d’]-s-インダセノ[1,2-b:5,6 -b’]ジチオフェン)を含むクロロベンゼン溶液(高分子化合物P1/IT-4Fの重量比=1/1.5)を用いて、スピンコートにより光活性層を形成した(膜厚150nm)。
さらに、活性層上に、正孔取り出し層として厚さ7.5nmの三酸化モリブデン(MoO)膜を、次いで電極層として厚さ100nmの銀膜を、抵抗加熱型真空蒸着法により順次成膜し、12.56mmの有機薄膜太陽電池素子を作製した。
【0038】
得られた有機薄膜太陽電池にソーラシミュレーター(AM1.5Gフィルター、放射照度100mW/cm)を用いて一定の光を照射し、発生する電流と電圧を測定した。図1に電流密度-電圧特性のグラフを示す。
【0039】
得られた図1から、短絡電流密度Jsc(mA/cm)、開放電圧Voc(V)、形状因子FFを求めたところ、Jsc=18.6mA/cm、Voc=0.92V、FF=0.76であった。光電変換効率(η)を、式η=(Jsc×Voc×FF)/100より算出したところ、13.0%であった。
【0040】
(高分子化合物P2を用いた有機薄膜太陽電池素子の評価)
高分子化合物P2及びn型低分子材料であるIT-4F(3,9-ビス(2-メチレン-((3-1,1-ジシアノメチレン)-6,7,-ジフルオロ)-インダノン))-5,5,11,11,-テトラキス(4-ヘキシルフェニル)-ジチエノ[2,3-d:2’,3’-d’]-s-インダセノ[1,2-b:5,6-b’]ジチオフェン)を含むクロロベンゼン溶液(高分子化合物P1/IT-4Fの重量比=1/1.5)を用いて、スピンコートにより光活性層を形成した(膜厚150nm)。さらに、活性層上に、正孔取り出し層として厚さ7.5nmの三酸化モリブデン(MoO)膜を、次いで電極層として厚さ100nmの銀膜を、抵抗加熱型真空蒸着法により順次成膜し、12.56mmの有機薄膜太陽電池素子を作製した。
【0041】
作製した有機薄膜太陽電池について、上記と同様の手法にて発生電流及び電圧を測定した。その測定結果のグラフを図2に示す。図2から求めた特性値は、Jsc=16.9mA/cm、Voc=0.92V、FF=0.74、ηは11.9%であった。
【0042】
また、比較例として高分子化合物P3を合成し、高分子化合物P3を用いる以外、上記と同様にして有機薄膜太陽電池素子を作製し、光電変換効率を評価した。
【0043】
上記と同様の手法にて発生電流及び電圧を測定した。その測定結果を図3に示す。図2から求めた特性値は、Jsc=12.6mA/cm、Voc=0.90V、FF=0.59、ηは6.7%であった。
【0044】
上記の高分子化合物P1~P3に加え、他の比較例として「B. Guo et al., Adv. Mater, 29, 1702291 (2017)」に開示されている以下の高分子化合物P4、及び、「G. Xu et al., J. Mater. Chem. A, 7, 4145-4152 (2019)」に開示されている以下の高分子化合物P5を用いた有機太陽電池特性を抜粋して表1にまとめた。なお、高分子化合物P4及び高分子化合物P5においては、光活性層の形成後、アニール処理が行われている。
【0045】
【化12】
【0046】
【表1】
【0047】
本発明の高分子化合物P1、P2を用いた有機薄膜太陽電池は、比較例と比べて高い光電変換効率が得られることが示された。
【0048】
また、高分子化合物P1、P3、P5について、それぞれのクロロベンゼン溶液における吸収スペクトルを図4図6に示す。高分子化合物P1では、高分子化合物P3、P5に比べてピークが長波長側にシフトしており、高分子化合物P1は、平面性が非常に高く、剛直な構造であることがわかる。このような高分子化合物P1の構造より、高分子化合物P1を用いて得られる有機薄膜太陽電池における良好な光電変換効率に寄与していることが推察される。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明に係る高分子化合物は、有機薄膜太陽電池の光活性層を形成する有機薄膜太陽電池材料として利用可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6