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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-18
(45)【発行日】2023-07-26
(54)【発明の名称】撮像素子および撮像装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 25/70 20230101AFI20230719BHJP
【FI】
H04N25/70
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022036780
(22)【出願日】2022-03-10
(62)【分割の表示】P 2019215293の分割
【原出願日】2015-12-04
(65)【公開番号】P2022069532
(43)【公開日】2022-05-11
【審査請求日】2022-03-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000004112
【氏名又は名称】株式会社ニコン
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(72)【発明者】
【氏名】山中 秀記
【審査官】鈴木 明
(56)【参考文献】
【文献】特許第7040509(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 25/00-25/79
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロレンズを透過した光を光電変換して電荷を生成する第1光電変換部、第2光電変換部、第3光電変換部および第4光電変換部と、
前記第1光電変換部で生成された電荷及び前記第2光電変換部で生成された電荷を蓄積する第1蓄積部と、
前記第3光電変換部で生成された電荷及び前記第4光電変換部で生成された電荷を蓄積する第2蓄積部と、
前記第1蓄積部に蓄積された電荷に基づく信号が出力され、第1方向に配線される第1信号線と、
前記第2蓄積部に蓄積された電荷に基づく信号が出力され、前記第1方向に配線される第2信号線と、を備え、
前記第1光電変換部と前記第4光電変換部とは、前記第1方向に並んで設けられ、
前記第2光電変換部と前記第3光電変換部とは、前記第1方向に並んで設けられ、
前記第1光電変換部と前記第3光電変換部とは、前記第1方向と交差する第2方向に並んで設けられ、
前記第2光電変換部と前記第4光電変換部とは、前記第2方向に並んで設けられる撮像素子。
【請求項2】
請求項1に記載の撮像素子において、
前記第1光電変換部で生成された電荷を前記第1蓄積部に転送する第1転送部と、
前記第2光電変換部で生成された電荷を前記第1蓄積部に転送する第2転送部と、
前記第3光電変換部で生成された電荷を前記第2蓄積部に転送する第3転送部と、
前記第4光電変換部で生成された電荷を前記第2蓄積部に転送する第4転送部と、
を備える撮像素子。
【請求項3】
請求項2に記載の撮像素子において、
前記第1転送部と前記第4転送部を制御するための第1制御線と、
前記第2転送部と前記第3転送部を制御するための第2制御線と、
を備える撮像素子。
【請求項4】
請求項2に記載の撮像素子において、
前記第1転送部と前記第3転送部を制御するための第1制御線と、
前記第2転送部と前記第4転送部を制御するための第2制御線と、
を備える撮像素子。
【請求項5】
請求項2に記載の撮像素子において、
前記第1転送部を制御するための第1制御線と、
前記第2転送部を制御するための第2制御線と、
前記第3転送部を制御するための第3制御線と、
前記第4転送部を制御するための第4制御線と、
を備える撮像素子。
【請求項6】
請求項1から5までのいずれか一項に記載の撮像素子と、
前記撮像素子から出力された信号に基づいて、画像データを生成する画像生成部と、
を備える撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像素子および撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数対の光電変換部が設けられた画素が複数配列され、画素からの出力を用いて位相差方式による焦点検出が可能な撮像素子が知られている(たとえば特許文献1)。このような撮像素子は、光電変換部の受光面積が減少する問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-215785号公報
【発明の概要】
【0004】
本発明の第1の態様によると、撮像素子は、マイクロレンズを透過した光を光電変換して電荷を生成する第1光電変換部、第2光電変換部、第3光電変換部および第4光電変換部と、前記第1光電変換部で生成された電荷及び前記第2光電変換部で生成された電荷を蓄積する第1蓄積部と、前記第3光電変換部で生成された電荷及び前記第4光電変換部で生成された電荷を蓄積する第2蓄積部と、前記第1蓄積部に蓄積された電荷に基づく信号が出力され、第1方向に配線される第1信号線と、前記第2蓄積部に蓄積された電荷に基づく信号が出力され、前記第1方向に配線される第2信号線と、を備え、前記第1光電変換部と前記第4光電変換部とは、前記第1方向に並んで設けられ、前記第2光電変換部と前記第3光電変換部とは、前記第1方向に並んで設けられ、前記第1光電変換部と前記第3光電変換部とは、前記第1方向と交差する第2方向に並んで設けられ、前記第2光電変換部と前記第4光電変換部とは、前記第2方向に並んで設けられる
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】本発明の実施の形態によるデジタルカメラの構成例を示す図
図2】撮像素子の概略的な構成を示す図
図3】撮像素子上の第1領域と第2領域とを模式的に示す図
図4】第1の実施の形態における撮像素子の回路構成を模式的に示す図
図5】第1の実施の形態における画素から出力信号を読み出すための駆動タイミングを示す図
図6】第1の実施の形態における撮像素子の回路構成を模式的に示す図
図7】第1の実施の形態における画素から出力信号を読み出すための駆動タイミングを示す図
図8】比較例における撮像素子の概略的な構成を示す図
図9】比較例における撮像素子の回路構成を模式的に示す図
図10】比較例における撮像素子の概略的な構成を示す図
図11】比較例における撮像素子の回路構成を模式的に示す図
図12】第2の実施の形態における撮像素子の回路構成を模式的に示す図
図13】第2の実施の形態における画素から出力信号を読み出すための駆動タイミングを示す図
図14】第2の実施の形態における画素から出力信号を読み出すための駆動タイミングを示す図
【発明を実施するための形態】
【0006】
-第1の実施の形態-
以下、図面を参照して一実施の形態について説明する。図1は、本実施の形態における撮像素子を含むレンズ交換式のデジタルカメラ1の構成を示すブロック図である。図1のデジタルカメラ1は、交換レンズ110とカメラボディ100とから構成され、交換レンズ110がレンズ取り付け部105を介してカメラボディ100に装着される。
【0007】
交換レンズ110は、レンズ制御装置111、ズームレンズ112、フォーカスレンズ113、防振レンズ114、絞り115、レンズ操作部116などを備えている。レンズ制御装置111は、CPUとメモリなどの周辺部品とを含み、フォーカスレンズ113および絞り115の駆動制御、ズームレンズ112やフォーカスレンズ113の位置検出、カメラボディ100へのレンズ情報の送信およびカメラボディ100からのカメラ情報の受信などを行う。
【0008】
カメラボディ100は、撮像素子101、ボディ制御装置102、ボディ操作部103、および表示部104などを有している。撮像素子101は、交換レンズ110の予定結像面(予定焦点面)に配置され、交換レンズ110により結像された被写体像を光電変換する。ボディ操作部103は、シャッターボタンや、焦点検出エリアの設定部材などを含む。表示部104は、カメラボディ100の背面に搭載された液晶モニタ(背面モニタ)である。
【0009】
ボディ制御装置102は、CPUとメモリなどの周辺部品とを含む。ボディ制御装置102は、制御プログラムに基づいて、デジタルカメラ1の各構成要素を制御したり、各種のデータ処理を実行する演算装置である。ボディ制御装置102は、駆動制御部102aと、焦点検出部102bと、画像処理部102cとを機能として有している。駆動制御部102aは、撮像素子101の駆動制御を制御して、撮像素子101から画像信号および焦点検出信号の読み出しを行わせる。焦点検出部102bは、撮像素子101からの焦点検出信号に基づく焦点検出演算および交換レンズ110の焦点調節を行わせる。画像処理部102cは、撮像素子101からの画像信号の処理および記録を行う。ボディ制御装置102は、レンズ取り付け部105に設けられた電気接点106を介してレンズ制御装置111と通信を行い、レンズ情報の受信およびカメラ情報(デフォーカス量や絞り値など)の送信を行う。
【0010】
交換レンズ110を通過した光束により、撮像素子101の受光面上に被写体像が形成される。この被写体像は撮像素子101により光電変換され、画像信号と焦点検出信号とがボディ制御装置102へ送られる。
【0011】
ボディ制御装置102の焦点検出部102bは、撮像素子101からの焦点検出信号に基づいて公知の像面位相差方式による焦点検出演算を行うことにより、交換レンズ110の焦点調節状態(デフォーカス量)を検出する。ボディ制御装置102は、このデフォーカス量をレンズ制御装置111へ送る。レンズ制御装置111は、受信したデフォーカス量に基づいてフォーカスレンズ113の駆動量を算出し、この駆動量に基づいてフォーカスレンズ113を不図示のモーター等で駆動して合焦位置へ移動させる。換言すると、撮像素子101と駆動制御部102aと焦点検出部102bとにより本実施の形態における焦点検出装置2が構成される。
【0012】
また、ボディ制御装置102の画像処理部102cは、撮像素子101からの画像信号を処理して撮影画像データを生成し、不図示のメモリカードに格納する。画像処理部102cは、撮像素子101からのスルー画像(ライブビュー画像)信号に基づくスルー画像(ライブビュー画像)を表示部104に表示させる。
【0013】
(撮像素子の構成)
図2は、撮像素子101の概略的な構成を説明する図である。なお、図2では、画素200と垂直信号線300との接続を分かりやすくするため、読み出しに用いられるトランジスタなどは省略している。撮像素子101では、複数の画素200が水平方向(行方向)および垂直方向(列方向)に二次元状に設けられている。以下、水平方向に並んだ複数の画素200を画素行、垂直方向に並んだ複数の画素200を画素列とも表記する。
【0014】
各画素200は、1つのマイクロレンズ(不図示)の下に設けられた4個の光電変換部(フォトダイオード)PD_1、PD_2、PD_3、PD_4を有する。各光電変換部PD_1、PD_2、PD_3、PD_4は、交換レンズ110の射出瞳の異なる領域を通過した4つの光束をそれぞれ受光する。なお、以下の説明において、光電変換部PD_1~PD_4を総称する場合には、光電変換部PDと表記する。光電変換部PDは、電荷蓄積型の光電変換部である。1画素当たり4つの光電変換部PDを有する4PD構成の場合、2つの光電変換部PDが水平方向に並び(水平分割と呼ぶ)と、2つの光電変換部PDが垂直方向に並ぶ(垂直分割と呼ぶ)。図2に示す例では、光電変換部PD_1およびPD_3が水平方向に並び、光電変換部PD_2およびPD_4が水平方向に並ぶ。光電変換部PD_1およびPD_4が垂直方向に並び、光電変換部PD_2およびPD_3が垂直方向に並ぶ。すなわち、4つの光電変換部PDは2行2列に配置される。
【0015】
また、各画素位置には、ベイヤー配列の規則に従って色フィルタ(R:赤色フィルタ、G:緑色フィルタ、B:青色フィルタ)が配置されている。すなわち、画素200として、赤色成分の分光感度を有する(すなわち赤色フィルタが配置された)R画素と緑色成分の分光感度を有する(すなわち緑色フィルタが配置された)G画素と青色成分の分光感度を有する(すなわち青色フィルタが配置された)B画素とが設けられている。画素200は、撮影用画素と焦点検出用画素とを兼ねており、画素200が撮像素子101の全面に配置されている。したがって、撮影画面上の任意の位置で焦点検出を行うことが可能である。また、撮影時には、各画素200の光電変換部PD_1、PD_2、PD_3およびPD_4からの出力信号を加算することで、撮影画像データを生成することが可能である。
【0016】
撮像素子101は、光電変換部PDからの出力信号を読み出すための垂直信号線300を有する。撮像素子101では、各画素列につき2つの垂直信号線300(300~3002n)が設けられている。たとえば、1列目の画素200には、垂直信号線300と垂直信号線300とが設けられる。垂直信号線300には、1列目の画素200の左側の光電変換部PD_4と右側の光電変換部PD_3とが接続される。垂直信号線300には、1列目の画素200の左側の光電変換部PD_1と右側の光電変換部PD_2とが接続される。すなわち、垂直信号線300には、対角方向に配置された光電変換部PD_3とPD_4とが接続され、垂直信号線300には上記とは異なる対角方向に配置された光電変換部PD_1とPD_2とが接続される。
【0017】
1つの画素200内の行方向に配置された2つの光電変換部PDは、それぞれ別の垂直信号線300に読み出される。たとえば、1列目の画素200では、左側の光電変換部PD_1が垂直信号線300に読み出され、右側の光電変換部PD_3が垂直信号線300に読み出される。左側の光電変換部PD_4は垂直信号線300に読み出され、右側の光電変換部PD_2が垂直信号線300に読み出される。上記構成では、画素200がn列配置されているのに対し、垂直信号線300は2n本必要となるが、全体の面積に対する影響は小さい。
【0018】
駆動制御部102aは、上記の構成を有する画素200に対し、垂直方向に配置された光電変換部PDから同一のタイミングで出力信号を読み出す制御(第1制御)と、水平方向に配置された光電変換部PDから同一のタイミングで出力信号を読み出す制御(第2制御)とを行う。
図3に、撮像素子101上で第1制御により制御される画素群として複数の画素200が配置される領域(第1領域)R1と、第2制御により制御される画素群として複数の画素200が配置される領域(第2領域)R2とを模式的に示す。第1領域R1と第2領域R2とは垂直方向に複数の画素行を含み、第1領域R1と第2領域R2とは垂直方向に沿って交互に設けられる。なお、図3に示す第1領域R1と第2領域R2との配置は一例であり、この配置例に限定されるものではない。以下、第1領域R1に配置される画素200と第2領域R2に配置される画素200とに分けて説明を行う。なお、以下の説明においては、同一タイミングや同時性等の用語を用いるが、厳密な意味での同一タイミングや同時に限られず、焦点検出演算の精度低下を招かない程度の時間幅を含むものとする。
【0019】
-第1領域R1に配置される画素-
図4は、図2の詳細を示す図であり、トランジスタレベルでの接続を示す。図4においては、図2に示す複数の画素200のうち、第1領域R1に含まれる1つの画素200の回路構成を示している。撮像素子101の各画素200は、光電変換部PDからの出力信号を読み出すための読み出し部400を有している。各画素200には、2個の読み出し部400と400とが設けられ、それぞれ対角方向に配置された2個の光電変換部PDに対して共通に設けられる。たとえば、光電変換部PD_3とPD_4とには読み出し部400が共通に設けられており、光電変換部PD_1とPD_2とには読み出し部400が共通に設けられている。すなわち、読み出し部400は、光電変換部PD_3からの出力信号と、光電変換部PD_4からの出力信号とを読み出す。読み出し部400は、光電変換部PD_1からの出力信号と、光電変換部PD_2からの出力信号とを読み出す。各読み出し部400から読み出された出力信号は、対応する垂直信号線300を介して出力される。たとえば、読み出し部400から読み出された出力信号は、垂直信号線300を介して出力され、読み出し部400から読み出された出力信号は、垂直信号線300を介して出力される。
【0020】
各読み出し部400は、リセットトランジスタRST(RST、RST)、増幅トランジスタSF(SF、SF)、選択トランジスタSEL(SEL、SEL)、フローティングディフュージョンFD(FD、FD)、転送トランジスタTX1(TX1、TX1)、TX2(TX2、TX2)を有している。フローティングディフュージョンFDは、光電変換部PDにおける光電変換により得られる信号電荷を蓄積(保持)する電荷蓄積部または電荷保持部として動作する。増幅トランジスタSFは、フローティングディフュージョンFDの電位に応じた信号を増幅する増幅部として動作する。各転送トランジスタTX1、TX2は、光電変換部からフローティングディフュージョンFDに電荷を転送する転送部として動作する。リセットトランジスタRSTは、フローティングディフュージョンFDの電位や光電変換部の電荷をリセットするリセット部として動作する。選択トランジスタSELは、画素200を選択するための選択部として動作する。これらの各部は、図4に示すように接続されている。また、図4においてVDDは電源電圧である。
【0021】
各画素200の行方向に配置された光電変換部PDは、それぞれ別の読み出し部400の転送トランジスタTX1、TX2に接続される。たとえば、画素200において、左側の光電変換部PD_1は読み出し部400の転送トランジスタTX1に接続され、右側の光電変換部PD_2は読み出し部400の転送トランジスタTX2に接続される。右側の光電変換部PD_3は読み出し部400の転送トランジスタTX1に接続され、左側の光電変換部PD_4は読み出し部400の転送トランジスタTX2に接続される。
【0022】
画素200の光電変換部PD_1、PD_4に接続された転送トランジスタTX1、TX2のゲートは、ローカル制御線211によって制御パルスVtx_1が供給される制御線210に接続される。一方、画素200の光電変換部PD_3、PD_2にそれぞれ接続された転送トランジスタTX1、TX2のゲートは、ローカル制御線221によって制御パルスVtx_2が供給される制御線220に接続される。すなわち、画素200の左側の光電変換部PDについては制御パルスVtx_1により転送トランジスタTX1、TX2の制御が行われ、右側の光電変換部PDについては、制御パルスVtx_2により転送トランジスタTX1、TX2の制御が行われる。
【0023】
(出力信号の読み出し)
図5に示すタイミングチャートを参照しながら、本実施形態の撮像素子101の画素200から出力信号を読み出す際の制御について説明する。図5において、Vselは、選択トランジスタSELの制御パルスを示す。VrstはリセットトランジスタRSTの制御パルスを示す。Vtx_1は、画素200の左側の光電変換部PD_1、PD_4に対応する転送トランジスタTX1、TX2の制御パルスを示す。Vtx_2は、画素200の右側の光電変換部PD_3、PD_2に対応する転送トランジスタTX1、TX2の制御パルスを示す。なお、これらの点は後述する図7、13、14においても同様である。
【0024】
図5に示すように、駆動制御部102aは読み出し部400へ各種制御パルスを出力することにより画素200からの出力信号の読み出しのための駆動タイミングを制御する。
駆動制御部102aは、出力信号の読み出しを行う画素行の選択を行う。駆動制御部102aは、VselをLowレベルからHighレベルに切り替えて、選択トランジスタSELをオンする。これにより、フローティングディフュージョンFDから垂直信号線300までが接続される。なお、図5は、1行ずつ選択が行われる例を示している。
【0025】
駆動制御部102aは、VrstをLowレベルからHighレベルに切り替えて、リセットトランジスタRSTをオンして、フローティングディフュージョンFDの電位をリセットする。これがフローティングディフュージョンFDの1回目のリセットである。その後、駆動制御部102aは、VrstをLowレベルに切り替えてリセットトランジスタRSTをオフする。リセットトランジスタRSTがオフされた後、所定の静定時間でフローティングディフュージョンFDの電位レベルが静定する。この静定したレベルが1回目のリセットによるダークレベルであり、画素200の左側の光電変換部PD_1およびPD_4に対応するダーク信号となる。ここで、各垂直信号線300~3002nには、1回目のリセットによる各列の画素200内の左側の光電変換部PD_1、PD_4用のダーク信号「Dark_4、1、4、1、4、1、・・・、4(2n―1)、12n」が同時に出力される。
【0026】
上記ダークレベルの静定後、駆動制御部102aは、Vtx_1をHighレベルに切り替えて画素200の左側の光電変換部PD_1およびPD_4に接続された転送トランジスタTX1、TX2をオンする。Vtx_1のHighレベル期間において、画素200の光電変換部PD_1に蓄積された信号電荷はフローティングディフュージョンFDに転送され、光電変換部PD_4に蓄積された信号電荷はフローティングディフュージョンFDに転送される。駆動制御部102aは、Vtx_1をLowレベルに切り替えて画素200の光電変換部PD_1、PD_4に接続された転送トランジスタTX1、TX2をオフする。
【0027】
転送トランジスタTX1、TX2がオフされた後、所定の静定時間でフローティングディフュージョンFD、FDの電位レベルが静定する。この静定した電位レベルがVtx_1での読み出しによるシグナルレベルであり、画素200の光電変換部PD_1、PD_4にそれぞれ対応するシグナル信号となる。ここで、各垂直信号線300~3002nには、Vtx_1での電荷転送による各列の画素200内の左側の光電変換部PD_1、PD_4用のシグナル信号「Sig_4、1、4、1、4、1、・・・、4(2n―1)、12n」が同時に出力される。
【0028】
このようにして各垂直信号線300から出力されたダーク信号とシグナル信号との差分が、画素200における各光電変換部PD_1、PD_4の読み出し信号量、すなわち出力信号となる。したがって、同一の画素行に配置される複数の画素200において、垂直方向に並ぶ光電変換部PD_1、PD_4の出力信号は時間的な同時性を有する。
なお、上記のダーク信号とシグナル信号との差分を求める相関二重サンプリング(CDS)動作は、撮像素子101のセンサーチップ内の後段回路で行ってもよいし、センサーチップ外の後段回路で行ってもよい。
【0029】
上記シグナルレベルの静定後、駆動制御部102aは、VrstをLowレベルからHighレベルに切り替えて、リセットトランジスタRSTをオンして、フローティングディフュージョンFDの電位をリセットする。これがフローティングディフュージョンFDの2回目のリセットである。その後、駆動制御部102aは、VrstをLowレベルに切り替えてリセットトランジスタRSTをオフする。リセットトランジスタRSTがオフされた後、所定の静定時間でフローティングディフュージョンFDの電位レベルが静定する。この静定したレベルが2回目のリセットによるダークレベルであり、画素200の右側の光電変換部PD_2、PD_3に対応するダーク信号となる。ここで、各垂直信号線300~3002nには、2回目のリセットによる各列の画素200内の右側の光電変換部PD_2、PD_3用のダーク信号「Dark_3、2、3、2、3、2、・・・、3(2n-1)、22n」が同時に出力される。
【0030】
上記ダークレベルの静定後、駆動制御部102aは、Vtx_2をHighレベルに切り替えて画素200の右側の光電変換部PD_3、PD_2に接続された転送トランジスタTX1、TX2をオンする。Vtx_2のHighレベル期間において、画素200の光電変換部PD_3に蓄積された信号電荷がフローティングディフュージョンFDに転送され、光電変換部PD_2に蓄積された信号電荷がフローティングディフュージョンFDに転送される。駆動制御部102aは、Vtx_2をLowレベルに切り替えて画素200の光電変換部PD_3、PD_2に接続された転送トランジスタTX1、TX2をオフする。
【0031】
転送トランジスタTX1、TX2がオフされた後、所定の静定時間でフローティングディフュージョンFDの電位レベルが静定する。この静定した電位レベルがVtx_2の読み出しによるシグナルレベルであり、画素200の光電変換部PD_3、PD_2に対応するシグナル信号となる。各垂直信号線300~3002nには、Vtx_2での電荷転送による各列の画素200内の右側の光電変換部PD_3、PD_2用のシグナル信号「Sig_3、2、3、2、3、2、・・・、3(2n-1)、22n」が出力される。
【0032】
このようにして各垂直信号線300から出力されたダーク信号とシグナル信号との差分が、画素200における各光電変換部PD_2、PD_3の読み出し信号量、すなわち出力信号となる。したがって、同一の画素行に配置される複数の画素200において、垂直方向に並ぶ光電変換部PD_2、PD_3の出力信号は時間的な同時性を有する。
なお、上記のダーク信号とシグナル信号との差分を求める相関二重サンプリング(CDS)動作は、撮像素子101のセンサーチップ内の後段回路で行ってもよいし、センサーチップ外の後段回路で行ってもよい。
【0033】
上述したように、画素200においては、駆動制御部102aは、垂直方向に配置された光電変換部PD_1とPD_4とから同一のタイミングにて出力信号を出力させる。駆動制御部102aは、垂直方向に配置された光電変換部PD_2とPD_3とから同一のタイミングにて出力信号を出力させる。すなわち、駆動制御部102aは、転送トランジスタTX1とTX2とに対して同一のタイミングにて光電変換部PD_1、PD_4からの電荷転送を許可し、転送トランジスタTX1とTX2とに対して同一のタイミングにて光電変換部PD_3、PD_2からの電荷転送を許可する。したがって、駆動制御部102aは、画素200の対角線方向に配置された光電変換部PD_1とPD_2とのそれぞれに接続された転送トランジスタTX1とTX2とに対して、電荷転送を択一的に許可する。駆動制御部102aは、画素200の対角線方向に配置された光電変換部PD_3とPD_4とのそれぞれに接続された転送トランジスタTX1とTX2とに対して、電荷転送を択一的に許可する。
これにより、それぞれの光電変換部PD_1~PD_4に対してフローティングディフュージョンを設けることなく電荷転送を行うことができるので、部品数を減らし、光電変換部PD_1~PD_4の受光面の面積を増加させることができる。
【0034】
なお、上述の説明では、駆動制御部102aは、第1領域R1の画素200について、光電変換部PD_1、PD_4から出力信号を出力させた後、光電変換部PD_2、PD_3から出力信号を出力させるように駆動タイミングを制御したが、この例に限定されない。駆動制御部102aが、第1領域R1の画素200について、光電変換部PD_2、PD_3から出力信号を出力させた後、光電変換部PD_1、PD_4から出力信号を出力させるように駆動タイミングを制御しても良い。
【0035】
駆動制御部102aは、撮像素子101の第1領域R1に含まれる各画素行ごとに上記の制御を行い、出力信号の読み出しを行う。
(焦点検出)
ユーザによるシャッターボタンの半押し操作に応じて焦点調節を行う場合には、焦点検出部102bは、上述のようにして読み出された出力信号を焦点検出信号として用いて、公知の像面位相差方式による焦点検出演算を行う。この場合、焦点検出部102bは、時間的な同時性を有する複数の出力信号を用いて信号列を生成する。たとえば、焦点検出部102bは、各行の光電変換部PD_1からの出力信号を用いて第1信号列{an}を生成し、各行の光電変換部PD_4からの出力信号を用いて第2信号列{bn}を生成する。焦点検出部102bは、生成した第1信号列{an}および第2信号列{bn}との相対的な像ズレ量を検出することによって交換レンズ110の焦点調節状態、すなわちデフォーカス量を検出する。
【0036】
焦点検出部102bは、各行の光電変換部PD_3からの出力信号を用いて第1信号列{cn}を生成し、各行の光電変換部PD_2からの出力信号を用いて第2信号列{dn}を生成しても良い。特に、撮像素子101の周辺部では、撮像素子101の中央部と比較して、被写体からの光束がケラレ等の影響を受けやすい。焦点検出部102bは、撮像素子101の周辺部に配置された画素200からの出力信号のうち、ケラレの影響の少ない対の光電変換部PD_1、PD_4、または光電変換部PD_2、PD_3からの出力信号を選択して焦点検出信号として用いればよい。撮像素子101の中央部に配置された画素200については、焦点検出部102bは、光電変換部PD_1、PD_4、または光電変換部PD_2、PD_3の何れか一方の対からの出力信号を焦点検出信号として用いることができる。
【0037】
なお、上述したように、撮像素子101の各画素位置にはベイヤー配列の規則に従って色フィルタが配置されている。したがって、焦点検出部102bは、一対の信号列{an}、{bn}または一対の信号列{cn}、{dn}を生成する際に、同一の色フィルタが配置された画素200からの出力信号を用いる。たとえば、図2に示すように第1列目に配置された画素200からの出力信号を用いて焦点検出演算を行う場合には、焦点検出部102bは、一例として、Gの色フィルタが配置された第1行目、第3行目、…の画素200からの出力信号を用いる。
【0038】
-第2領域R2に配置される画素-
図6は、第2領域R2に配置される各画素200のトランジスタレベルでの接続を示す回路図であり、図2を詳細に示した図である。なお、図6においても、図2に示す複数の画素200のうち、第2領域R2に含まれる1つの画素200の回路構成を示している。
画素200の光電変換部PD_1、PD_3に接続された転送トランジスタTX1、TX1のゲートは、それぞれローカル制御線251および252によって制御パルスVtx_1が供給される制御線210に接続される。画素200の光電変換部PD_4、PD_2に接続された転送トランジスタTX2、TX2のゲートは、それぞれローカル制御線253および254によって制御パルスVtx_2が供給される制御線220に接続される。すなわち、画素200の上側の光電変換部PDについては制御パルスVtx_1により転送トランジスタTX1、TX2の制御が行われ、下側の光電変換部PDについては、制御パルスVtx_2により転送トランジスタTX1、TX2の制御が行われる。他の構成、すなわち光電変換部PDに蓄積された電荷を垂直信号線300に読み出すための信号回路については、第1領域R1に配置される画素200と同一である。
【0039】
(出力信号の読み出し)
図7に示すタイミングチャートを参照しながら、第2領域R2に配置された画素200から出力信号を読み出す際の制御について説明する。なお、以下の説明においては、第1領域R1に配置された画素200からの出力信号の読み出し時の駆動タイミングとの相違点を主に行う。
図7において、Vtx_1は、画素200の上側の光電変換部PD_1、PD_3に対応する転送トランジスタTX1、TX1の制御パルスを示す。Vtx_2は、画素200の下側の光電変換部PD_4、PD_2に対応する転送トランジスタTX2、TX2の制御パルスを示す。
【0040】
図7に示すように、駆動制御部102aは、第1領域R1の画素200の場合と同様にして、選択トランジスタSELをオンすることにより、出力信号の読み出しを行う画素行の選択を行う。なお、図7においても、1行ずつ選択が行われる例を示している。駆動制御部102aは、第1領域R1の画素200の場合と同様にして、1回目のフローティングディフュージョンFDの電位のリセットを行う。所定の静定時間が経過すると、各垂直信号線300~3002nには、1回目のリセットによる各列の画素200内の上側の光電変換部PD_1、PD_3用のダーク信号「Dark_3、1、3、1、3、1、・・・、3(2n-1)、12n」が同時に出力される。
【0041】
駆動制御部102aは、Vtx_1をHighレベルに切り替えて転送トランジスタTX1、TX1をオンする。Vtx_1のHighレベル期間において、画素200の光電変換部PD_1に蓄積された信号電荷はフローティングディフュージョンFDに転送され、光電変換部PD_3に蓄積された信号電荷はフローティングディフュージョンFDに転送される。駆動制御部102aは、Vtx_1をLowレベルに切り替えて転送トランジスタTX1、TX1をオフする。その後、所定の静定時間でフローティングディフュージョンFD、FDの電位レベルは静定し、Vtx_1での読み出しによるシグナルレベルとなる。各垂直信号線300~3002nには、Vtx_1での電荷転送による各列の画素200内の上側の光電変換部PD_1、PD_3用のシグナルレベルに対応したシグナル信号「Sig_3、1、3、1、3、1、・・・、3(2n-1)、12n」が同時に出力される。
【0042】
上記のようにして各垂直信号線300から出力されたダーク信号とシグナル信号との差分が、画素200における各光電変換部PD_1、PD_3の出力信号となる。したがって、同一の画素行に配置される複数の画素200において、水平方向に並ぶ光電変換部PD_1、PD_3の出力信号は時間的な同時性を有する。
なお、上記のダーク信号とシグナル信号との差分を求める相関二重サンプリング(CDS)動作は、撮像素子101のセンサーチップ内の後段回路で行ってもよいし、センサーチップ外の後段回路で行ってもよい。
【0043】
上記シグナルレベルの静定後、駆動制御部102aは、第1領域R1の画素200の場合と同様にして、2回目のフローティングディフュージョンFDの電位のリセットを行う。所定の静定時間が経過すると、各垂直信号線300~3002nには、2回目のリセットによる各列の画素200内の下側の光電変換部PD_2、PD_4用のダーク信号「Dark_4、2、4、2、4、2、・・・、4(2n-1)、22n」が同時に出力される。
【0044】
上記ダークレベルの静定後、駆動制御部102aは、Vtx_2をHighレベルに切り替えて転送トランジスタTX2、TX2をオンする。Vtx_2のHighレベル期間において、画素200の光電変換部PD_4に蓄積された信号電荷がフローティングディフュージョンFDに転送され、光電変換部PD_2に蓄積された信号電荷がフローティングディフュージョンFDに転送される。駆動制御部102aは、Vtx_2をLowレベルに切り替えて転送トランジスタTX2、TX2をオフする。その後、所定の静定時間でフローティングディフュージョンFDの電位レベルは静定し、Vtx_2の読み出しによるシグナルレベルとなる。各垂直信号線300~3002nには、Vtx_2での電荷転送による各列の画素200内の下側の光電変換部PD_2、PD_4用のシグナル信号「Sig_4、2、4、2、4、2、・・・、4(2n-1)、22n」が出力される。
【0045】
各垂直信号線300から出力されたダーク信号とシグナル信号との差分が、画素200における各光電変換部PD_2、PD_4の出力信号となる。したがって、同一の画素行に配置される複数の画素200において、水平方向に並ぶ光電変換部PD_2、PD_4の出力信号は時間的な同時性を有する。
なお、上記のダーク信号とシグナル信号との差分を求める相関二重サンプリング(CDS)動作は、撮像素子101のセンサーチップ内の後段回路で行ってもよいし、センサーチップ外の後段回路で行ってもよい。
【0046】
なお、駆動制御部102aは、第2領域R2の画素200については、光電変換部PD_1、PD_3から出力信号を出力させた後、光電変換部PD_2、PD_4から出力信号を出力させるように駆動タイミングを制御したが、この例に限定されない。駆動制御部102aが、第2領域R2の画素200について、光電変換部PD_2、PD_4から出力信号を出力させた後、光電変換部PD_1、PD_3から出力信号を出力させるように駆動タイミングを制御しても良い。
【0047】
(焦点検出)
焦点検出部102bは、上述のようにして読み出された出力信号を焦点検出信号として用いて、公知の像面位相差方式による焦点検出演算を行う。この場合、焦点検出部102bは、時間的な同時性を有する複数の出力信号を用いて信号列を生成する。たとえば、焦点検出部102bは、各列の光電変換部PD_1からの出力信号を用いて第1信号列{an}を生成し、各列の光電変換部PD_3からの出力信号を用いて第2信号列{bn}を生成する。焦点検出部102bは、生成した第1信号列{an}および第2信号列{bn}との相対的な像ズレ量を検出することによって交換レンズ110の焦点調節状態、すなわちデフォーカス量を検出する。なお、焦点検出部102bは、各列の光電変換部PD_4からの出力信号を用いて第1信号列{cn}を生成し、各列の光電変換部PD_2からの出力信号を用いて第2信号列{dn}を生成しても良い。
【0048】
なお、焦点検出部102bは、撮像素子101の周辺部に配置された画素200からの出力信号のうち、ケラレの影響の少ない対の光電変換部PD_1、PD_3、または光電変換部PD_2、PD_4からの出力信号を選択して焦点検出信号として用いればよい。また、焦点検出部102bは、一対の信号列{an}、{bn}または一対の信号列{cn}、{dn}を生成する際に、同一の色フィルタが配置された画素200からの出力を用いる。たとえば、図2に示すように第1行目に配置された画素200からの出力信号を用いて焦点検出演算を行う場合には、焦点検出部102bは、一例として、Gの色フィルタが配置された第1列目、第3列目、…の画素200からの出力信号を用いる。
【0049】
上述したように、第1領域R1に設けられた複数の画素200からの出力信号については、焦点検出部102bは、垂直方向に沿って一対の信号列を生成して、信号列間の像ズレ量を検出することによってデフォーカス量を算出する。第2領域R2に設けられた複数の画素200からの出力信号については、焦点検出部102bは、水平方向に沿って一対の信号列を生成して、信号列間の像ズレ量を検出することによってデフォーカス量を算出する。したがって、同一の回路構成を有する画素200により構成される撮像素子101において、被写体像の垂直方向の像ズレの検出と、水平方向の像ズレの検出とを、同一フレームの出力信号を用いて行うことができる。
【0050】
-撮影用画像生成-
ユーザのシャッターボタンの全押し操作に応じて撮影動作を行う場合には、画像処理部102cは、上述のようにして読み出された出力信号を画像信号として使用する。この場合、画像処理部102cは、それぞれの画素200について、光電変換部PD_1、PD_2、PD_3およびPD_4から出力された出力信号を加算して、画像信号を生成する。画像処理部102cは、この画像信号に対して各種の画像処理を施して、撮影用画像データを生成する。
【0051】
(比較例)
図8、9に比較例における画素500の構成を、図10、11に比較例における画素501の構成を示す。図8図10は、比較例における画素500、501の概略的な構成を説明する図である。なお、図8図10では、画素500、501と垂直信号線600(600、600)との接続を分かりやすくするため、読み出しに用いられるトランジスタなどは省略している。図8図10は、複数の画素列のうち、第1列の一部の画素500、501について示す。図9、11は、それぞれ図8、10の詳細を示す図であり、トランジスタレベルでの接続を示す。各画素500、501には、4個の光電変換部PD’(PD’_1、PD’_2、PD’_3、PD’_4)が2行2列に配置される。
【0052】
画素500では、垂直方向に配置された光電変換部PD’_1、PD’_4から出力信号が画素500の垂直信号線600に読み出され、垂直方向に配置された光電変換部PD’_2、PD’_3から出力信号が垂直信号線600に読み出される。すなわち、光電変換部PD’_1、PD’_4からは、両者に共通に設けられたリセットトランジスタRST’、増幅トランジスタSF’、選択トランジスタSEL’、フローティングディフュージョンFD’を介して、出力信号が読み出される。光電変換部PD’_2、PD’_3からは、両者に共通に設けられたリセットトランジスタRST’、増幅トランジスタSF’、選択トランジスタSEL’、フローティングディフュージョンFD’を介して、出力信号が読み出される。したがって、画素500においては光電変換部PD’_1、PD’_3からの出力信号が時間的な同時性を有し、光電変換部PD’_2、PD’_4からの出力信号が時間的な同時性を有する。
【0053】
画素501では、水平方向に配置された光電変換部PD’_1、PD’_3から出力信号が画素501の垂直信号線600に読み出され、水平方向に配置された光電変換部PD’_2、PD’_4から出力信号が垂直信号線600に読み出される。すなわち、光電変換部PD’_1、PD’_3からは、両者に共通に設けられたリセットトランジスタRST’、増幅トランジスタSF’、選択トランジスタSEL’、フローティングディフュージョンFD’を介して、出力信号が読み出される。光電変換部PD’_2、PD’_4からは、両者に共通に設けられたリセットトランジスタRST’、増幅トランジスタSF’、選択トランジスタSEL’、フローティングディフュージョンFD’を介して、出力信号が読み出される。したがって、画素501においては光電変換部PD’_1、PD’_4からの出力信号が時間的な同時性を有し、光電変換部PD’_2、PD’_3からの出力信号が時間的な同時性を有する。
【0054】
上述したように、画素500では水平方向に時間的な同時性を有する出力信号が得られ、画素501では垂直方向に時間的な同時性を有する出力信号が得られる。しかしながら、画素500と画素501との回路構成はそれぞれ異なる。
【0055】
上述した第1の実施の形態によれば、次の作用効果が得られる。(1)画素200は、行方向と列方向とに2個ずつ配置された光電変換部PDと、2個のフローティングディフュージョンFDとを有する。4個の光電変換部PDは、行方向に順に光電変換部PD_1、PD_3が配置され、列方向に順に光電変換部PD_1、PD_4が配置され、列方向に順に光電変換部PD_3、PD_2が配置される。光電変換部PD_1および光電変換部PD_2で生成された電荷はフローティングディフュージョンFDに転送され、光電変換部PD_3および光電変換部PD_4で生成された電荷はフローティングディフュージョンFD転送される。したがって、4個の光電変換部のそれぞれに対してフローティングディフュージョンを設ける従来の技術と比較して、1個の画素に必要となるトランジスタの個数を16個から10個に減らすことができる。このため、本実施の形態の光電変換部PDのそれぞれの受光面の面積を、上記の従来の技術の光電変換部の受光面の面積と比較して大きくすることができる。すなわち、本実施の形態では、受光面の面積を減少に伴う飽和電子数の減少と、これに伴う飽和出力低下による撮像特性への悪影響を抑制できる。これにより、たとえば画素200からの出力を焦点検出に用いる場合には、焦点検出精度の低下を防ぐことができる。
【0056】
(2)画素200は、行方向と列方向とに2個ずつ配置された光電変換部PDと、光電変換部PDの電荷による信号が出力される垂直信号線300とを有する。4個の光電変換部PDは、行方向に順に光電変換部PD_1、PD_3が配置され、列方向に順に光電変換部PD_1、PD_4が配置され、列方向に順に光電変換部PD_3、PD_2が配置される。光電変換部PD_1および光電変換部PD_2で生成された電荷による信号は垂直信号線300に出力され、光電変換部PD_3および光電変換部PD_4で生成された電荷による信号は垂直信号線300に出力される。したがって、1個の画素に必要となる部品数を少なくできるので、光電変換部PDのそれぞれの受光面の面積を、上記の従来の技術の光電変換部の受光面の面積と比較して大きくすることができる。すなわち、上記の作用効果(1)と同様に、受光面の面積を減少に伴う飽和電子数の減少と、これに伴う飽和出力低下による撮像特性への悪影響を抑制できる。
【0057】
(3)光電変換部PD_1からの電荷の転送と、光電変換部PD_2からの電荷の転送とが択一的に行われ、光電変換部PD_3からの電荷の転送と、光電変換部PD_4からの電荷の転送とが択一的に行われる。さらに、同一の回路構成を有する画素200から、水平方向に時間的な同時性を有する出力信号または垂直方向に時間的な同時性を有する出力信号を出力することが可能となる。したがって、比較例のような画素500や501を用いる場合と異なり、水平方向に時間的な同時性を有する出力信号と、垂直方向に時間的な同時性を有する出力信号との間で、回路構成の相違により異なる静電容量に応じた出力信号となることを防ぐことができる。
【0058】
(4)第1領域R1の画素200に対しては、制御パルスVtx_1が供給される制御線210を介して、転送トランジスタTX1による光電変換部PD_1の電荷の転送と、転送トランジスタTX2による光電変換部PD_4の電荷の転送とが同時に行われる。制御パルスVtx_2が供給される制御線220を介して、転送トランジスタTX1による光電変換部PD_3の電荷の転送と、転送トランジスタTX2による光電変換部PD_2の電荷の転送とが同時に行われる。
第2領域R2の画素200に対しては、制御パルスVtx_1が供給される制御線210を介して、転送トランジスタTX1による光電変換部PD_1の電荷の転送と、転送トランジスタTX1による光電変換部PD_3の電荷の転送とが同時に行われる。制御パルスVtx_2が供給される制御線220を介して、転送トランジスタTX2による光電変換部PD_4の電荷の転送と、転送トランジスタTX2による光電変換部PD_2の電荷の転送とが同時に行われる。したがって、比較例の場合と異なり、信号を読み出すための回路構成が同一の画素200から、垂直方向に配置された光電変換部PDまたは水平方向に配置された光電変換部PDから同一のタイミングにて出力信号を読み出すことが可能となる。
【0059】
(5)制御線210および220は複数の画素200からなる画素列に対して共通に設けられ、第1領域R1の画素200に対しては、制御線210は転送トランジスタTX1、TX2に接続され、制御線220は転送トランジスタTX1、TX2に接続される。第2領域R2の画素200に対しては、制御線210は転送トランジスタTX1、TX1に接続され、制御線220は転送トランジスタTX2、TX2に接続される。したがって、制御線210、220からのローカル制御線211、221、251~254と接続される転送トランジスタTX1、TX2を異ならせることにより、画素200を第1領域R1と第2領域R2の何れか含まれるようにすることができる。すなわち、第1領域R1と第2領域R2との配置の自由度を向上できる。
【0060】
-第2の実施の形態-
図面を参照して、本発明の第2の実施の形態について説明する。以下の説明では、第1の実施の形態と同じ構成要素には同じ符号を付して相違点を主に説明する。特に説明しない点については、第1の実施の形態と同じである。本実施の形態では、制御線と画素の転送トランジスタとを結ぶローカル制御線の接続が第1の実施の形態と異なる。
【0061】
図12は、第2の実施の形態における撮像素子101の各画素200のトランジスタレベルでの接続を示す回路図であり、図2を詳細に示した図である。
画素200の光電変換部PD_1に接続された転送トランジスタTX1のゲートは、ローカル制御線261によって制御パルスVtx_1が供給される制御線210に接続される。光電変換部PD_3に接続された転送トランジスタTX1のゲートは、ローカル制御線262によって制御パルスVtx_2が供給される制御線220に接続される。光電変換部PD_4に接続された転送トランジスタTX2のゲートは、ローカル制御線263によって制御パルスVtx_3が供給される制御線230に接続される。光電変換部PD_2に接続された転送トランジスタTX2のゲートは、ローカル制御線264によって制御パルスVtx_4が供給される制御線240に接続される。すなわち、画素200の4個の光電変換部PDのそれぞれについて、制御パルスVtx_1、Vtx_2、Vtx_3、Vtx_4のそれぞれにより転送トランジスタTX1、TX2の制御が行われる。他の構成については、第1の実施の形態による画素200と同一である。
【0062】
(出力信号の読み出し)
図13、14に示すタイミングチャートを参照しながら、本実施形態の撮像素子101の画素200から出力信号を読み出す際の制御について説明する。図13は、光電変換部PDから垂直方向に時間的な同時性を有する出力信号を読み出す(第1制御)場合を示し、図14は、光電変換部PDから水平方向に時間的な同時性を有する出力信号を読み出す(第2制御)場合を示す。図13、14において、Vtx_1は、画素200の光電変換部PD_1に対応する転送トランジスタTX1の制御パルスを示す。Vtx_2は、光電変換部PD_3に対応する転送トランジスタTX1の制御パルスを示す。Vtx_3は、光電変換部PD_4に対応する転送トランジスタTX2の制御パルスを示す。Vtx_4は、光電変換部PD_2に対応する転送トランジスタTX2の制御パルスを示す。
【0063】
まず、光電変換部PDから垂直方向に時間的な同時性を有する出力信号を読み出す第1制御について説明する。なお、以下の説明においては、第1の実施の形態における第1領域R1に配置された画素200からの出力信号の読み出し時の駆動タイミングとの相違点を主に行う。
図13に示すように、駆動制御部102aは、第1の実施の形態と同様にして、1回目のフローティングディフュージョンFDの電位のリセットを行う。所定の静定時間が経過すると、各垂直信号線300~3002nには、1回目のリセットによる各列の画素200内の左側の光電変換部PD_1、PD_4用のダーク信号「Dark_4、1、4、1、4、1、・・・、4(2n-1)、12n」が同時に出力される。
【0064】
駆動制御部102aは、Vtx_1およびVtx_3を同じタイミングにてHighレベルに切り替えて画素200の左側の光電変換部PD_1およびPD_4に接続された転送トランジスタTX1、TX2をオンする。Vtx_1のHighレベル期間において、画素200の光電変換部PD_1に蓄積された信号電荷はフローティングディフュージョンFDに転送され、Vtx_3のHighレベル期間において、光電変換部PD_4に蓄積された信号電荷はフローティングディフュージョンFDに転送される。駆動制御部102aは、Vtx_1およびVtx_3を同じタイミングにてLowレベルに切り替えて転送トランジスタTX1、TX2をオフする。その後、所定の静定時間でフローティングディフュージョンFDの電位レベルは静定し、Vtx_1、Vtx_3の読み出しによるシグナルレベルとなる。各垂直信号線300~3002nには、各列の画素200内の左側の光電変換部PD_1、PD_4用のシグナル信号「Sig_4、1、4、1、4、1、・・・、4(2n-1)、12n」が出力される。
【0065】
各垂直信号線300から出力されたダーク信号とシグナル信号との差分が、画素200における各光電変換部PD_1、PD_4の出力信号となる。したがって、同一の画素行に配置される複数の画素200において、垂直方向に並ぶ光電変換部PD_1、PD_4の出力信号は時間的な同時性を有する。
【0066】
上記シグナルレベルの静定後、駆動制御部102aは、第1の実施の形態と同様にして、2回目のフローティングディフュージョンFDの電位のリセットを行う。所定の静定時間が経過すると、各垂直信号線300~3002nには、2回目のリセットによる各列の画素200内の右側の光電変換部PD_2、PD_3用のダーク信号「Dark_3、2、3、2、3、2、・・・、3(2n-1)、22n」が同時に出力される。
【0067】
上記ダークレベルの静定後、駆動制御部102aは、Vtx_2およびVtx_4を同じタイミングにてHighレベルに切り替えて転送トランジスタTX1、TX2をオンする。Vtx_2のHighレベル期間において、画素200の光電変換部PD_3に蓄積された信号電荷はフローティングディフュージョンFDに転送され、Vtx_4のHighレベル期間において、光電変換部PD_2に蓄積された信号電荷はフローティングディフュージョンFDに転送される。駆動制御部102aは、Vtx_2およびVtx_4を同じタイミングにてLowレベルに切り替えて転送トランジスタTX1、TX2をオフする。その後、所定の静定時間でフローティングディフュージョンFDの電位レベルは静定し、Vtx_2およびVtx_4の読み出しによるシグナルレベルとなる。各垂直信号線300~3002nには、各列の画素200内の右側の光電変換部PD_2、PD_3用のシグナル信号「Sig_3、2、3、2、3、2、・・・、3(2n-1)、22n」が出力される。
【0068】
このようにして各垂直信号線300から出力されたダーク信号とシグナル信号との差分が、画素200における各光電変換部PD_2、PD_3の出力信号となる。したがって、同一の画素行に配置される複数の画素200において、垂直方向に並ぶ光電変換部PD_2、PD_3の出力信号は時間的な同時性を有する。
【0069】
次に、光電変換部PDから水平方向に時間的な同時性を有する出力信号を読み出す第2制御について説明する。なお、以下の説明においては、第1の実施の形態における第2領域R2に配置された画素200からの出力信号の読み出し時の駆動タイミングとの相違点を主に行う。
図14に示すように、駆動制御部102aは、第1の実施の形態と同様にして、1回目のフローティングディフュージョンFDの電位のリセットを行う。所定の静定時間が経過すると、各垂直信号線300~3002nには、1回目のリセットによる各列の画素200内の上側の光電変換部PD_1、PD_3用のダーク信号「Dark_3、1、3、1、3、1、・・・、3(2n-1)、12n」が同時に出力される。
【0070】
駆動制御部102aは、Vtx_1およびVtx_2を同じタイミングにてHighレベルに切り替えて転送トランジスタTX1、TX1をオンする。Vtx_1のHighレベル期間において、画素200の光電変換部PD_1に蓄積された信号電荷はフローティングディフュージョンFDに転送され、Vtx_2のHighレベル期間において、光電変換部PD_3に蓄積された信号電荷はフローティングディフュージョンFDに転送される。駆動制御部102aは、Vtx_1およびVtx_2を同じタイミングにてLowレベルに切り替えて転送トランジスタTX1、TX1をオフする。その後、所定の静定時間でフローティングディフュージョンFDの電位レベルは静定し、Vtx_1、Vtx_2の読み出しによるシグナルレベルとなる。各垂直信号線300~3002nには、各列の画素200内の上側の光電変換部PD_1、PD_3用のシグナル信号「Sig_3、1、3、1、3、1、・・・、3(2n-1)、12n」が出力される。
【0071】
このようにして各垂直信号線300から出力されたダーク信号とシグナル信号との差分が、画素200における各光電変換部PD_1、PD_3の出力信号となる。したがって、同一の画素行に配置される複数の画素200において、水平方向に並ぶ光電変換部PD_1、PD_3の出力信号は時間的な同時性を有する。
【0072】
上記シグナルレベルの静定後、駆動制御部102aは、第1の実施の形態と同様にして、2回目のフローティングディフュージョンFDの電位のリセットを行う。所定の静定時間が経過すると、各垂直信号線300~3002nには、2回目のリセットによる各列の画素200内の下側の光電変換部PD_2、PD_4用のダーク信号「Dark_4、2、4、2、4、2、・・・、4(2n-1)、22n」が同時に出力される。
【0073】
上記ダークレベルの静定後、駆動制御部102aは、Vtx_3およびVtx_4を同じタイミングにてHighレベルに切り替えて転送トランジスタTX2、TX2をオンする。Vtx_3のHighレベル期間において、画素200の光電変換部PD_4に蓄積された信号電荷はフローティングディフュージョンFDに転送され、Vtx_4のHighレベル期間において、光電変換部PD_2に蓄積された信号電荷はフローティングディフュージョンFDに転送される。駆動制御部102aは、Vtx_3およびVtx_4を同じタイミングにてLowレベルに切り替えて転送トランジスタTX2、TX2をオフする。その後、所定の静定時間でフローティングディフュージョンFDの電位レベルは静定し、Vtx_3およびVtx_4の読み出しによるシグナルレベルとなる。各垂直信号線300~3002nには、各列の画素200内の下側の光電変換部PD_2、PD_4用のシグナル信号「Sig_4、2、4、2、4、2、・・・、4(2n-1)、22n」が出力される。
【0074】
このようにして各垂直信号線300から出力されたダーク信号とシグナル信号との差分が、画素200における各光電変換部PD_2、PD_4の出力信号となる。したがって、同一の画素行に配置される複数の画素200において、水平方向に並ぶ光電変換部PD_2、PD_4の出力信号は時間的な同時性を有する。
【0075】
以上で説明した第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態で得られた(1)の作用効果に加えて、次の作用効果を得られる。
制御線210、220、230、240は、行方向に並んだ複数の画素200からなる画素列に対して共通に設けられる。転送トランジスタTX1、TX1、TX2、TX2はそれぞれローカル制御線262、261、263、264を介して制御線220、210、230、240に接続される。駆動制御部102aは、制御線210と230とを介して転送トランジスタTX1、TX2を同時にオンするとともに、制御線220と240とを介して転送トランジスタTX1、TX2を同時にオンして第1制御を行う。駆動制御部102aは、制御線210と220とを介して転送トランジスタTX1、TX1を同時にオンするとともに、制御線230と240とを介して転送トランジスタTX2、TX2を同時にオンして第2制御を行う。ローカル制御線261~264の接続も含めて同一の回路構成を有する画素200に対して、制御パルスの変更のみで水平方向に時間的な同時性を有する出力信号を出力させることも、垂直方向に同時性を有する出力信号を出力させることも可能となる。
【0076】
次のような変形も本発明の範囲内であり、変形例の一つ、もしくは複数を上述の実施形態と組み合わせることも可能である。(1)1つの画素200に4個の光電変換部PDが配置されるものに限定されない。たとえば、2行2列の光電変換部PDを1組として、2組の光電変換部PDを垂直方向に配置して4行2列の光電変換部PDを1つの画素200に設けるものや、2組の光電変換部PDを水平方向に配置して2行4列の光電変換部PDを1つの画素200に設けても良い。
【0077】
(2)複数の光電変換部PDが配置された画素200が撮像素子101の全領域に設けられるものに限定されない。撮像素子101の一部の領域に画素200を設け、他の領域には、1つの光電変換部が配置された画素を配置しても良い。この場合、たとえば、画素200をGの色フィルタが設けられた位置に設けることができる。また、撮像素子101の一部の領域に画素200を設ける場合には、画素200に色フィルタを設けないようにしても良い。この場合、撮影用画像データを生成する際には、画素200の位置における画像信号を、画素200の周囲に配置された画素からの画像信号にて補間することにより生成すれば良い。
【0078】
本発明の特徴を損なわない限り、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の形態についても、本発明の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0079】
1…デジタルカメラ、2…焦点検出装置、101…撮像素子、102…ボディ制御装置、102a…駆動制御部、102b…焦点検出部、102c…画像処理部、200…画素、300…垂直信号線、210、220、230、240…制御線、211、221、251、252、253、254、261、262、263、264…ローカル制御線、FD…フローティングディフュージョン、TX1、TX2…転送トランジスタ、PD…光電変換部、RST…リセットトランジスタ
図1
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図14