IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本碍子株式会社の特許一覧 ▶ 日鉄住金エレクトロデバイス株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-パッケージ 図1
  • 特許-パッケージ 図2
  • 特許-パッケージ 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-19
(45)【発行日】2023-07-27
(54)【発明の名称】パッケージ
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/03 20060101AFI20230720BHJP
   H05K 1/09 20060101ALI20230720BHJP
   H05K 3/46 20060101ALI20230720BHJP
【FI】
H05K1/03 610D
H05K1/09 B
H05K3/46 H
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021553220
(86)(22)【出願日】2019-10-24
(86)【国際出願番号】 JP2019041628
(87)【国際公開番号】W WO2021079450
(87)【国際公開日】2021-04-29
【審査請求日】2021-12-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000004064
【氏名又は名称】日本碍子株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】391039896
【氏名又は名称】NGKエレクトロデバイス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(74)【代理人】
【識別番号】100134991
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 和樹
(74)【代理人】
【識別番号】100148507
【弁理士】
【氏名又は名称】喜多 弘行
(72)【発明者】
【氏名】河野 浩
(72)【発明者】
【氏名】伊丹 一起
【審査官】ゆずりは 広行
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-101300(JP,A)
【文献】特開2003-068938(JP,A)
【文献】国際公開第2016/148217(WO,A1)
【文献】特開2003-133668(JP,A)
【文献】特開2009-283510(JP,A)
【文献】特開2013-199414(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 1/03
H05K 1/09
H05K 3/46
H01L 23/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品が実装されることになる実装面と、前記実装面上に位置するキャビティと、前記キャビティを封止するための蓋体が取り付けられることになる取付面と、を有するパッケージであって、
セラミックスからなる基部と、
前記基部を貫通する配線部と、
を備え、
前記基部は、
81.00wt%以上96.40wt%以下のAlと、
1.50wt%以上8.00wt%以下のSiOと、
2.00wt%以上6.00wt%以下のMnOと、
MoおよびCrの少なくともいずれかを含み、Moの含有量とCrの含有量との合計が0.10wt%以上5.00wt%以下である着色剤と、
0.10wt%以下の残部と、
を含み、
前記配線部は、60.00wt%以上の金属モリブデンを含
前記配線部は、前記基部上に配置された第1配線層と、前記第1配線層上に配置された第2配線層とを含み、前記第1配線層は酸化物を必須成分として含み、前記第2配線層は酸化物を任意成分として含み、前記第1配線層における酸化物の含有量に比して前記第2配線層における酸化物の含有量が小さく、
前記第2配線層上にめっき層をさらに備えるパッケージ。
【請求項2】
前記めっき層は、純ニッケルまたはニッケル合金からなる下地層と、貴金属からなる表面層と、を含む請求項1に記載のパッケージ。
【請求項3】
前記配線部は、Al、SiO、MnO、およびCrを含み、Alの含有量が30.00wt%以下であり、SiOの含有量が6.00wt%以下であり、MnOの含有量が5.00wt%以下であり、Crの含有量が1.00wt%以下であり、残部の含有量が0.10wt%未満である請求項1または2に記載のパッケージ。
【請求項4】
前記配線部について、金属モリブデンの含有量が74.61wt%以上92.01wt%以下であり、Alの含有量が7.06wt%以上23.03wt%以下であり、SiOの含有量が0.46wt%以上6.00wt%以下であり、MnOの含有量が0.35wt%以上5.00wt%以下である請求項に記載のパッケージ。
【請求項5】
前記基部の前記着色剤はMoを含む請求項1からのいずれか1項に記載のパッケージ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パッケージに関し、特に、電子部品用のパッケージに関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子部品と外部環境との間の電気的接続を確保しつつ電子部品を外部環境から保護するため、パッケージが広く用いられている。パッケージ上に電子部品が実装された後、パッケージに蓋体が取り付けられることによって、電子部品は外部環境から封止される。外部環境の影響を十分に避けるために、パッケージには、高い封止性能が求められる。
【0003】
上記のようなパッケージの一種として、特開2009-344838号公報(特許文献1)はセラミック配線基板を開示している。セラミック配線基板は、アルミナ基セラミックスからなる絶縁部と、該絶縁部の表面および/または内部のうちの少なくとも表面に配設されると共に該絶縁部と同時焼成されたモリブデン基導電材からなるメタライズ部と、を有している。上記アルミナ基セラミックスは、アルミナを主成分とすると共に、Mnを副成分として含有し、該アルミナ基セラミックス全体を100質量%(wt%)とし、MnのMnO換算含有量をC1Mnとした場合に、0.5wt%≦C1Mn≦10wt%である。上記モリブデン基導電材は、モリブデンを主成分とすると共に、Ni、MnおよびAlを副成分として含有し、該モリブデン基導電材全体を100wt%とし、NiのNiO換算含有量をC2Niとし、MnのMnO2換算含有量をC2Mnとし、AlのAl換算含有量をC2Alとした場合に、0.2wt%≦C2Ni≦5wt%、0.1wt%≦C2Mn≦10wt%、かつ10wt%<C2Al≦30wt%である。
【0004】
上記公報によれば、絶縁部とメタライズ部との接合強度が優れ、かつ、高い気密性が得られる旨が主張されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2009-344838号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
パッケージの用途によっては、その寸法をかなり小さくすることが求められてきている。特に、水晶振動子用のパッケージとして、平面寸法1.6mm×1.2mmおよび厚み寸法0.3mmを有する小型パッケージが既に実用化されており、さらに、平面寸法および厚み寸法をより小さくすることが求められている。このような水晶振動子用のパッケージに比して、水晶発振器用のパッケージは若干大きいが、典型的な半導体素子用のパッケージに比べればかなり小さい。パッケージが、セラミックスからなる基部と、基部を貫通する配線部とを有する場合、基部の寸法が小さくなるほど、基部の剛性は小さくなる。よって、パッケージの製造工程において、基部と配線部との間での焼成収縮の差異に起因しての基部の反りが大きくなりやすい。この反りに起因しての応力は、基部と配線部との間の接合の信頼性を低下させる。パッケージの寸法が小さければ、パッケージの内側と外側との間での、基部と配線部との界面の長さも小さい。その場合、基部と配線部との間の接合の信頼性低下が局所的なものであっても、パッケージの内側と外側とをつなぐリークパスの発生につながりやすい。その結果、パッケージの封止信頼性が低下しやすい。
【0007】
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、封止信頼性を高めることができるパッケージを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施の形態におけるパッケージは、電子部品が実装されることになる実装面と、実装面上に位置するキャビティと、キャビティを封止するための蓋体が取り付けられることになる取付面と、を有している。パッケージは、基部と、配線部とを有している。基部はセラミックスからなる。配線部は基部を貫通している。基部は、Alと、SiOと、MnOと、着色剤と、残部と、を含む。Alは、81.00wt%以上96.40wt%以下である。SiOは、1.50wt%以上8.00wt%以下である。MnOは、2.00wt%以上6.00wt%以下である。着色剤は、MoおよびCrの少なくともいずれかを含み、Moの含有量とCrの含有量との合計が0.10wt%以上5.00wt%以下である。基部の残部は、0.10wt%以下である。配線部は、60.00wt%以上の金属モリブデンを含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一実施の形態におけるパッケージによれば、基部と配線部との間でのリークの発生が防止される。これにより、パッケージの封止信頼性を高めることができる。
【0010】
この発明の目的、特徴、局面、および利点は、以下の詳細な説明と添付図面とによって、より明白となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施の形態1における電子装置の構成を概略的に示す断面図である。
図2図1のパッケージの構成を概略的に示す断面図である。
図3】本発明の実施の形態2におけるパッケージの構成を概略的に示す部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。
【0013】
(実施の形態1)
図1および図2のそれぞれは、本実施の形態における電子装置900の構成と、その製造のために用いられるパッケージ800の構成とを概略的に示す断面図である。
【0014】
パッケージ800(図2)は、電子部品902(図1)が実装されることになる実装面SMと、実装面SM上に位置するキャビティCVと、キャビティCVを封止するための蓋体907が取り付けられることになる取付面SFと、を有している。パッケージ800は、基部810と、配線部820とを有している。またパッケージ800は、めっき層860を有していることが好ましい。
【0015】
基部810はセラミックスからなる。このセラミックスは、基部810が絶縁部材として機能することができるように、実質的に絶縁体からなる。この機能が確保できる限りにおいてセラミックスは、必ずしも全体が完全に絶縁体からなる必要はなく、例えば、体積的に大多数の割合を占める絶縁体粒の中に、微量の非絶縁体粒が分散されていてもよい。基部810は、底部811と、枠部812とを含んでいてよい。基部810は、図2に示されているように、それ自体でキャビティCVを有していてよい。なお変形例として、基部としての底部811上に、セラミックスからなる枠部812に代わって、非セラミックスからなる枠部が取り付けられていてもよい。
【0016】
底部811は実装面SMを有している。実装面SMは、2mm以下の長辺を有する長方形に包含される大きさを有していてよい。例えば、実装面SMは、2mm以下の長辺を有する長方形である。なお長方形は、幾何学における定義上、正方形の一種である。底部811の厚みは、0.2mm以下であってよい。
【0017】
配線部820は、基部810の底部811を貫通している。具体的には、配線部820は、キャビティCVから延びてパッケージ800の外部に達するように底部811を貫通している。
【0018】
配線部820は、外部電極端子821と、内部配線822と、内部電極端子823とを有していてよい。外部電極端子821は、パッケージ800の外側に面するように、基部810の底部811上に配置されている。図2においては、外部電極端子821は、底部811の下面上に配置されている。内部配線822は、基部810の内部に配置されており、ビア配線を含む。また内部配線822は、ビア配線に接続された平面状の電極層を含んでいてよい。内部電極端子823は、パッケージ800の内側に面するように、言い換えればキャビティCVに面するように、基部810の底部811上に配置されている。図2においては、内部電極端子823は、底部811の上面上に配置されている。
【0019】
めっき層860は内部電極端子823上に配置されている。めっき層860は金属層である。ここで金属は純金属および合金のいずれであってもよい。めっき層860は、電解めっき層および無電解めっき層のいずれであってもよい。めっき層860は、内部電極端子823上に直接配置された下地層と、この下地層上に配置された表面層とを有していてよい。下地層は、例えば、純ニッケルまたはニッケル合金(例えばニッケルコバルト合金)からなる。表面層は、典型的には貴金属からなり、例えば金からなる。
【0020】
電子部品902(図1)は、接合層901によってめっき層860に接合されている。これにより電子部品902は、接合層901、めっき層860および内部電極端子823を介して、実装面SM上に実装されている。電子部品902は、その平面形状として、2mm以下の長辺を有する長方形に包含される大きさを有していてよい。電子部品902は、例えば、水晶振動子または水晶発振器である。
【0021】
蓋体907は枠部812の取付面SF上に接着層906を介して取り付けられている。これによりパッケージ800のキャビティCVが封止されている。接着層906は、例えば樹脂接着剤からなる。
【0022】
なお本実施の形態においては配線部820が底部811を貫通しているが、変形例として、底部811と枠部812との間を貫通する配線部、または、枠部812を貫通する配線部が設けられてもよい。また、変形例として、電子部品902とボンディングワイヤによって接続されることになる配線部が設けられてもよい。ただし、パッケージの小型化の観点では、図2に示されているように、底部811を貫通する配線部820上に電子部品902が表面実装によって取り付けられる形態が好ましい。
【0023】
基部810は、Alと、SiOと、MnOと、着色剤と、残部と、を含む。なお基部810の残部は、Al、SiO、MnO、および着色剤以外の成分のすべてを意味する。Alは、81.00wt%以上96.40wt%以下である。SiOは、1.50wt%以上8.00wt%以下である。MnOは、2.00wt%以上6.00wt%以下である。着色剤は、MoおよびCrの少なくともいずれかを含み、Moの含有量とCrの含有量との合計が0.10wt%以上5.00wt%以下である。基部810の残部は、0.10wt%以下である。この残部はセラミックスの焼結助剤であってよく、焼結助剤は、例えば、MgO、ZrO、BaO、CaOのいずれか、または、その2つ以上の組み合わせからなる。
【0024】
着色剤は、MoおよびCrの少なくともいずれかを含む。好ましくは、基部810の着色剤はMoを必須成分として含み、より好ましくは、基部810におけるMoの含有量が0.10wt%以上5.00wt%以下である。Moを用いることにより、基部810の色を調整しやすくなる。
【0025】
配線部820は、60.00wt%以上の金属モリブデンを含む。それに加えて配線部820は、セラミックス成分を含むことが好ましい。具体的には、配線部820は、Alを任意成分として含み、SiOを任意成分として含み、MnOを任意成分として含み、Crを任意成分として含む。Alの含有量は、30.00wt%以下である。SiOの含有量は、6.00wt%以下である。MnOの含有量は、5.00wt%以下である。Crの含有量は、1.00wt%以下である。配線部820の残部の含有量は0.10wt%未満である。なお配線部820の残部は、金属モリブデン、Al、SiO、MnO、およびCr以外の成分のすべてを意味する。
【0026】
配線部820のセラミックス成分は、基部810の組成と同じ組成を有していてもよく、異なる組成を有していてもよい。前者の場合、配線部820中のセラミックス成分の存在によって、配線部820と基部810との接合を促進する作用が確実に期待される。また、製造時に材料を効率的に準備することができる。後者の場合、セラミックス成分の組成をより自由に最適化することができる。
【0027】
下記の表1は、パッケージ800(図2)の組成と信頼性との関係を調べた実験結果を示す。信頼性を検証するために、1.6mm×1.2mmのパッケージが、1種類につき10個作製され、これらについて、アルバック社製HELIOT904を用いてHeリーク検査が実施された。リーク検査において、1.0×10-9Paより高い圧力値を示したサンプルが、リークを有すると判定された。加速試験を意図して、リーク検査が、平山製作所製のPC-XDを使用して、パッケージを温度121℃かつ相対湿度98%の環境下に、0h、96h、192hおよび384hの間さらした後に行われた。下記表1における「リーク検査」における各結果は、10個のサンプルのうち、リークを有すると判定された割合を示している。
【0028】
【表1】
【0029】
本実施の形態のパッケージ800(図2)によれば、基部810と配線部820との間でのリークの発生が防止される。これにより、パッケージ800の封止信頼性を高めることができる。この理由は、基部810および配線部820の各々の組成が最適であるだけでなく、基部810の組成と、配線部820の組成との組み合わせが最適であるためと考えられる。
【0030】
特に、基部810の残部の含有量が0.1wt%未満に抑えられていることから、各成分が、偏析することなく分散された状態で均一に焼結される。これにより、焼結時の基部810の反りが抑制される。よって、この反りに起因した基部810と配線部820との間の応力が低減される。よって基部810と配線部820との間でのリークの発生が防止される。基部810の残部の含有量は、0.05wt%未満がより好ましく、0wt%であることが特に好ましい。実験番号101~112(実施例)に示すように、基部810と配線部820との組成の組み合わせが好適である場合には、192hの時点においてもリークが見られなかった。一方、実験番号113(比較例)に示すように、基部810と配線部820との組成の組み合わせが好適でない場合には、96hの時点でリークが見られた。また、実験番号101~106および108~111(実施例)に示すように、配線部820の組成について、金属モリブデンの含有量が74.61wt%以上92.01wt%以下であり、Alの含有量が7.06wt%以上23.03wt%以下であり、SiOの含有量が0.46wt%以上6.00wt%以下であり、MnOの含有量が0.35wt%以上5.00wt%以下である場合には、384hの時点においても、リークが発生したサンプルは10個中5個以下であった。これは、基部810の組成と、配線部820の組成との組み合わせが特に最適であるためと考えられる。
【0031】
また特に、配線部820の残部の含有量が0.1wt%未満に抑えられていることから、各成分が、偏析することなく分散された状態で均一に焼結される。これにより、焼結時の配線部820の反りが抑制される。よって、この反りに起因した基部810と配線部820との間の応力が低減される。よって基部810と配線部820との間でのリークの発生が防止される。配線部820の残部の含有量は、0.05wt%未満がより好ましく、0wt%であることが特に好ましい。
【0032】
(実施の形態2)
図3は、本実施の形態におけるパッケージ800Mの構成を概略的に示す部分断面図である。パッケージ800Mは、内部電極端子823(図2:実施の形態1)に代わって、内部電極端子823Mを有している。内部電極端子823Mは、基部810(図2参照)の底部811上に配置された第1配線層823aと、第1配線層823a上に配置された第2配線層823bとを含む。第1配線層823aは酸化物を必須成分として含む。第2配線層823bは酸化物を任意成分として含む。言い換えれば、第2配線層823bは、金属および酸化物の両方からなってもよく、あるいは金属のみからなってもよい。第1配線層823aにおける酸化物の含有量に比して第2配線層823bにおける酸化物の含有量は小さい。なお第2配線層823bにおける酸化物の含有量はゼロであってもよい。
【0033】
第1配線層823aおよび第2配線層823bの各々の厚みは5μm以上であることが好ましい。
【0034】
本実施の形態によれば、第1配線層823aにおける酸化物の含有量に比して、第2配線層823bにおける酸化物の含有量が小さい。これにより、第2配線層823bとめっき層860との間の密着強度を十分に確保しやすくなる。それと同時に、第1配線層823aの酸化物含有量を相対的に多くすることによって、第1配線層823aと底部811との間の密着強度を高めることができる。よって、底部811と配線部820との間でのリークの発生を、より確実に防止することができる。
【0035】
また、内部電極端子823(図2:実施の形態1)が、第1配線層823aおよび第2配線層823bを有する内部電極端子823M(図3)に置き換えられるのと同様に、外部電極端子821(図2:実施の形態1)が、第1配線層および第2配線層を有する外部電極端子に置き換えれてよい。それにより同様の作用が得られる。よって、図2(実施の形態1)における内部電極端子823および外部電極端子821の各々が第1配線層および第2配線層を有する場合、リーク発生をより確実に防止することができる。
【0036】
下記の表2は、パッケージ800M(図3)の組成と、信頼性との関係を調べた実験結果を示す。なお信頼性の検証方法は、表1の実験の場合と同様である。
【0037】
【表2】
【0038】
上記表2の結果によれば、384hの時点においてもリークが見られず、前掲した表1(実施の形態1、実験番号101~112)の場合に比して、より高い信頼性が得られた。なお表2に示された実験番号201~210の各々における基部810の組成は、表1における実験番号107~112の基部810の組成と同じである。
【0039】
この発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
【符号の説明】
【0040】
800,800M パッケージ
810 基部
811 底部
812 枠部
820 配線部
821 外部電極端子
822 内部配線
823 内部電極端子
900 電子装置
901 接合層
902 電子部品
906 接着層
907 蓋体
CV キャビティ
SF 取付面
SM 実装面
図1
図2
図3