(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-20
(45)【発行日】2023-07-28
(54)【発明の名称】バッテリの充電率を推定する方法、装置、プログラムおよび記録媒体
(51)【国際特許分類】
G01R 31/3828 20190101AFI20230721BHJP
G01R 31/367 20190101ALI20230721BHJP
G01R 31/388 20190101ALI20230721BHJP
H01M 10/48 20060101ALI20230721BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20230721BHJP
【FI】
G01R31/3828
G01R31/367
G01R31/388
H01M10/48 P
H02J7/00 X
(21)【出願番号】P 2020060252
(22)【出願日】2020-03-30
【審査請求日】2022-10-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】391045897
【氏名又は名称】古河AS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(74)【代理人】
【識別番号】100143959
【氏名又は名称】住吉 秀一
(72)【発明者】
【氏名】温田 透
【審査官】田口 孝明
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-207795(JP,A)
【文献】特開2019-016528(JP,A)
【文献】特開2008-145349(JP,A)
【文献】特開2016-045025(JP,A)
【文献】特開2017-120198(JP,A)
【文献】特許第6055960(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
IPC G01R 31/36-31/44、
19/00-19/32、
31/32-31/36、
H01M 10/42-10/48、
H02J 7/00-7/12、
7/34-7/36、
B60L 1/00-3/12、
7/00-13/00、
15/00-58/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリの充電率を推定する方法であって、
前記バッテリを含む電源システムの起動時の電圧、および、電圧と充電率との相関から推定する起動時の充電率を、起動後の累積充放電電気量により順次更新することにより充電率を推定する第1の充電率推定方法と、
前記電源システムの直近の停止時のバッテリの充電率を、起動後の累積充放電電気量により順次更新することにより充電率を推定する第2の充電率推定方法と、
前記バッテリの電圧から推定される開回路電圧、および、開回路電圧と充電率との前記相関から充電率を推定する第3の充電率推定方法と
のなかから選択した充電率推定方法を用いて推定したベース充電率を、選択後の累積充放電電気量により順次更新して現在の充電率を推定するステップと、
前記ベース充電率に基づいて推定した現在の充電率の基準誤差、前記第1の充電率推定方法により推定される現在の充電率の第1の誤差、前記第2の充電率推定方法により推定される現在の充電率の第2の誤差、および、前記第3の充電率推定方法により推定される現在の充電率の第3の誤差を推定するステップと、
前記基準誤差と、前記第1の誤差、前記第2の誤差、および前記第3の誤差のうちの少なくとも1つとの比較に基づいて、新たな充電率推定方法を選択し、ベース充電率を決定するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記決定するステップは、
前記第3の誤差が前記基準誤差より小さい場合には、前記第3の充電率推定方法を前記新たな充電率推定方法として選択するステップと、
前記第3の誤差が前記基準誤差以上で、かつ、前記第2の誤差が前記基準誤差より小さい場合には、前記第2の充電率推定方法を前記新たな充電率推定方法として選択するステップと、
前記第3の誤差および前記第2の誤差が前記基準誤差以上で、かつ、前記第1の誤差が前記基準誤差より小さい場合には、前記第1の充電率推定方法を前記新たな充電率推定方法として選択するステップと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記決定するステップは、
前記第1の誤差、前記第2の誤差、および前記第3の誤差のうち最小の誤差と、前記基準誤差とを比較するステップと、
前記最小の誤差が前記基準誤差より小さい場合には、前記最小の誤差に対応する充電率推定方法を前記新たな充電率推定方法として選択するステップと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記決定するステップは、
前記新たな充電率推定方法により推定される充電率を求めるステップと、
前記新たな充電率推定方法により推定される充電率と、前記ベース充電率に基づいて推定した現在の充電率との差が、所定量よりも小さい場合には、前記新たな充電率推定方法により推定される充電率を新たなベース充電率と決定し、前記所定量以上の場合には、現在のベース充電率を維持するステップと、
をさらに含む、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
バッテリの充電率を推定する装置であって、
前記バッテリの電圧を測定する電圧測定部と、
前記バッテリの充放電電流を測定する電流測定部と、
前記バッテリの開回路電圧と充電率との相関が格納された記憶部と、
前記電圧測定部、前記電流測定部、および前記記憶部と通信可能な制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記バッテリを含む電源システムの起動時に前記電圧測定部により測定した電圧、および、電圧と充電率との前記相関から推定する起動時の充電率を、前記電流測定部により測定した充放電電流に基づいて求めた起動後の累積充放電電気量により順次更新することにより充電率を推定する第1の充電率推定方法と、
前記電源システムの直近の停止時のバッテリの充電率を、前記電流測定部により測定した充放電電流に基づいて求めた前記起動後の累積充放電電気量により順次更新することにより充電率を推定する第2の充電率推定方法と、
前記電圧測定部により測定した前記バッテリの電圧から推定される開回路電圧、および、開回路電圧と充電率との前記相関から充電率を推定する第3の充電率推定方法と
のなかから選択した充電率推定方法を用いて推定したベース充電率を、前記電流測定部により測定した充放電電流に基づいて求めた選択後の累積充放電電気量により順次更新して、現在の充電率を推定し、
前記ベース充電率に基づいて推定した現在の充電率の基準誤差、前記第1の充電率推定方法により推定される現在の充電率の第1の誤差、前記第2の充電率推定方法により推定される現在の充電率の第2の誤差、および、前記第3の充電率推定方法により推定される現在の充電率の第3の誤差を推定し、
前記基準誤差と、前記第1の誤差、前記第2の誤差、および前記第3の誤差のうちの少なくとも1つとの比較に基づいて、新たな充電率推定方法を選択し、ベース充電率を決定する
ように構成されている
装置。
【請求項6】
バッテリの電圧を測定する電圧測定部と、
前記バッテリの充放電電流を測定する電流測定部と、
前記バッテリの開回路電圧と充電率との相関が格納された記憶部と、
プロセッサを備え、前記電圧測定部、前記電流測定部、および前記記憶部と通信可能な制御部と、
を備える、前記バッテリの充電率を推定する装置の制御プログラムであって、
前記プロセッサに、
前記バッテリを含む電源システムの起動時に前記電圧測定部により測定した電圧、および、電圧と充電率との前記相関から推定する起動時の充電率を、前記電流測定部により測定した充放電電流に基づいて求めた起動後の累積充放電電気量により順次更新することにより充電率を推定する第1の充電率推定方法と、
前記電源システムの直近の停止時のバッテリの充電率を、前記電流測定部により測定した充放電電流に基づいて求めた前記起動後の累積充放電電気量により順次更新することにより充電率を推定する第2の充電率推定方法と、
前記電圧測定部により測定した前記バッテリの電圧から推定される開回路電圧、および、開回路電圧と充電率との前記相関から充電率を推定する第3の充電率推定方法と
のなかから選択した充電率推定方法を用いて推定したベース充電率を、前記電流測定部により測定した充放電電流に基づいて求めた選択後の累積充放電電気量により順次更新して、現在の充電率を推定し、
前記ベース充電率に基づいて推定した現在の充電率の基準誤差、前記第1の充電率推定方法により推定される現在の充電率の第1の誤差、前記第2の充電率推定方法により推定される現在の充電率の第2の誤差、および、前記第3の充電率推定方法により推定される現在の充電率の第3の誤差を推定し、
前記基準誤差と、前記第1の誤差、前記第2の誤差、および前記第3の誤差のうちの少なくとも1つとの比較に基づいて、新たな充電率推定方法を選択し、ベース充電率を決定する
機能を実行させる、
プログラム。
【請求項7】
請求項6に記載されたプログラムが記録された、コンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリ状態を推定する方法、装置、プログラムおよび記録媒体に関し、特に、複数の充電率推定方法のなかから、誤差の少ない最適な充電率推定方法を選択して、バッテリの充電率を推定する方法等に関する。
【背景技術】
【0002】
ハイブリッド自動車や再生可能エネルギーなどの普及にともない、さまざまな分野でバッテリが利用されるようになってきている。バッテリは蓄積できる電気容量があるため、使用時にはバッテリの充電率を正確に把握することが求められている。バッテリの充電率を推定する方法はさまざまな方法が提案されているが、いずれの方法も使用環境や時間の経過などにともなって誤差の大きさが変化する。
【0003】
このため、複数の充電率推定方法で求めた充電率を利用して、最終的な充電率を推定する方法が提案されている。例えば、引用文献1には、バッテリを含む電源システムの起動時における充電率を推定する方法が開示されており、複数の充電率推定方法で求めた充電率に、充放電停止時間の長さに応じて重みづけすることにより、充電率を推定する方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1で提案された方法では、充放電停止時間のみに基づいて重みづけが決まるため、重みづけにより決定された充電率の誤差を把握することができず、時間の経過とともに変化する誤差を把握することができない。また、起動時に精度の高い充電率を推定できたとしても、誤差は時間の経過とともに変化することから、起動後も引き続いて精度の高い充電率を推定できるとは限らない。このため、時間の経過とともに変化する推定誤差を把握しつつ、最適な充電率推定方法を選択して充電率を推定する方法、装置、プログラムおよび該プログラムを記録した記録媒体が求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題は、バッテリ(1)の充電率を推定する方法(100、200)であって、 バッテリ(1)を含む電源システム(15)の起動時の電圧、および、その電圧と充電率との相関から推定する起動時の充電率を、起動後の累積充放電電気量により順次更新することにより充電率を推定する第1の充電率推定方法(20)と、電源システム(15)の直近の停止時のバッテリ(1)の充電率を、起動後の累積充放電電気量により順次更新することにより充電率を推定する第2の充電率推定方法(30)と、バッテリ(1)の電圧から推定される開回路電圧、および、開回路電圧と充電率との相関から充電率を推定する第3の充電率推定方法(40)とのなかから選択した充電率推定方法を用いて推定したベース充電率(SOCb)を、選択後の累積充放電電気量により順次更新して現在の充電率(SOC)を推定するステップ(103、203)と、ベース充電率(SOCb)に基づいて推定した現在の充電率(SOC)の基準誤差(E0)、第1の充電率推定方法により推定される現在の充電率の第1の誤差(E1)、第2の充電率推定方法により推定される現在の充電率の第2の誤差(E2)、および、第3の充電率推定方法により推定される現在の充電率の第3の誤差(E3)を推定するステップ(104、204)と、基準誤差(E0)と、第1の誤差(E1)、第2の誤差(E2)、および第3の誤差(E3)のうちの少なくとも1つとの比較に基づいて、新たな充電率推定方法を選択し、べース充電率(SOCb)を決定するステップ(105~113、205~213)とを含む方法により解決することができる。
【0007】
すなわち、現在の充電率の基準誤差と、3つの異なる充電率推定方法で求めた充電率の誤差を比較し、比較結果に戻づいて最適な充電率推定方法を新たな充電率推定方法を選択し、以降の充電率推定の基準となるベース充電率(SOCb)を決定することにより、充電率の推定誤差を把握しつつ、最適な充電率推定方法で充電率の推定を行うことができる。
【0008】
ここで、決定するステップは、第3の誤差(E3)が基準誤差(E0)より小さい場合には、第3の充電率推定方法を前記新たな充電率推定方法として選択するステップ(105、106)と、第3の誤差(E3)が基準誤差(E0)以上で、かつ、第2の誤差(E2)が基準誤差(E0)より小さい場合には、第2の充電率推定方法を前記新たな充電率推定方法として選択するステップ(107、108)と、第3の誤差(E3)および第2の誤差(E2)が基準誤差(E0)以上で、かつ、第1の誤差(E1)が基準誤差(E0)より小さい場合には、第1の充電率推定方法を前記新たな充電率推定方法として選択するステップ(109、110)とを含むことが望ましい。
【0009】
すなわち、一般的に、第1の充電率推定方法よりも第2の充電率推定方法の方が、さらに第2の充電率推定方法よりも第3の充電率推定方法の方が精度が高い推定を行うことが期待できることから、第3の充電率推定方法による誤差、第2の充電率推定方法による誤差、第1の充電率推定方法による誤差の順で、基準誤差との比較を行い、基準誤差よりも小さな誤差が発見された場合には、小さな誤差に対応する充電率推定方法を選択することにより、プロセスを簡素化し、迅速な選択を行うことができる。
【0010】
また、決定するステップは、第1の誤差(E1)、第2の誤差(E2)、および第3の誤差(E3)のうち最小の誤差と、基準誤差(E0)とを比較するステップ(205)と、最小の誤差が基準誤差(E0)より小さい場合には、最小の誤差に対応する充電率推定方法を選択するステップ(206)とを含んでもよい。
【0011】
すなわち、予め第1の誤差、第2の誤差および第3の誤差のなかから最小の誤差を判別し、最小の誤差と基準誤差を比較して、最小の誤差が基準誤差より小さい場合には、最小の誤差に対応する充電率推定方法を前記新たな充電率推定方法として選択することにより、最も誤差が少ない充電率推定方法を効率よく発見することができる。
【0012】
さらに、決定するステップは、新たな充電率推定方法により推定される充電率(SOCn)を求めるステップ(111、211)と、新たな充電率推定方法により推定される充電率(SOCn)と、ベース充電率(SOCb)に基づいて推定した現在の充電率(SOC)との差が、所定量よりも小さい場合には、新たな充電率推定方法により推定される充電率(SOCn)を新たなベース充電率(SOCb)と決定し、所定量以上の場合には、現在のベース充電率(SOCb)を維持するステップ(112、113、212、213)とをさらに含むことが望ましい。
【0013】
すなわち、新しいベース充電率の決定により、推定される充電率が大幅に、かつ、不連続に変化する可能性がある。充電率は本来、連続的に変化する物理量であることから、充電率が急激に変化すると、充電率を利用して制御を行っている機器の制御に支障をきたすおそれがある。そこで、新たな充電率推定方法による推定した充電率による充電率の変化が所定量以上の場合には、現在のベース充電率を維持することにより、推定される充電率の急変を避けることができる。
【0014】
さらに、上記課題は、上述した方法を実施する装置、プログラム、および該プログラムを記録した記録媒体によっても解決することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明に係る第1の実施態様であるバッテリの充電率を推定する方法およびプログラムのフローチャートである。
【
図2】本発明に係る第2の実施態様であるバッテリの充電率を推定する方法およびプログラムのフローチャートである。
【
図3】第1の充電率推定方法のフローチャートである。
【
図4】第2の充電率推定方法のフローチャートである。
【
図5】第3の充電率推定方法のフローチャートである。
【
図6】本発明に係るバッテリの充電率を推定する装置の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施態様であるバッテリ充電率推定装置10の概略構成図を
図6に示す。バッテリ充電率推定装置10は、バッテリ1と充電回路2とに接続されて、バッテリ1と充電回路2とともに電源システム(15)を構成している。バッテリ1は、例えば、車両用の鉛蓄電池である。充電回路2は、バッテリ1に接続され、充電電流を供給する電源回路である。また、バッテリ1は負荷3に、例えばモータ、制御回路、照明装置などの車載の電気機器に接続されている。バッテリ1、充電回路2、負荷3、およびバッテリ充電率推定装置10は車両(図示しない)に搭載されている。
【0017】
バッテリ充電率推定装置10は、電圧測定部11と、電流測定部12、記憶部13と、制御部14とを備える。電圧測定部11、電流測定部12、および記憶部13は、制御部14と電気的に接続され、データや信号により相互に通信することができる。電圧測定部11、電流測定部12、記憶部13および制御部14は、ASICのように1チップに統合されていてもよい。
【0018】
電圧測定部11は、バッテリ1の端子間に接続され、端子間電圧を周期的に、および/または制御部14からの要求に応じて測定し、測定した電圧を制御部14に送出する。電流測定部12は、バッテリ1と充電回路2との間であって、バッテリ1および電流測定部12と負荷3とが並列に接続されるように、接続され、バッテリ1に流れる充放電電流、すなわちバッテリ1に流入する充電電流やバッテリ1から負荷3に流れる放電電流を、周期的に、および/または制御部14からの要求に応じて測定し、測定された電圧を制御部14に送出する。
【0019】
制御部14は、プロセッサを備え、電圧測定部11や電流測定部12から測定信号や測定データを取得し、バッテリ1の充電率SOCを推定するための処理を実行・制御する。さらに、制御部14は、電圧測定部11や電流測定部12が測定を行うタイミングを制御するように構成してもよい。
【0020】
記憶部13は、RAM、SSD、フラッシュメモリなどの半導体メモリやHDDなどの磁気的メモリなどで構成されるコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。記憶部13は、制御部14のプロセッサにより実行されるプログラムや、プログラムによる情報処理で用いられる各種パラメータ、バッテリ1の開回路電圧OCVと充電率SOCとの相関、制御部14が電圧測定部11及び電流測定部12から取得した測定値などを格納する。
【0021】
次に、本発明で使用する3つの充電率推定方法20、30、40について、
図3~5のフローチャートを参照しながら説明する。
【0022】
第1の充電率推定方法20は、バッテリ1を含む電源システム15の起動時の電圧、および、その電圧と充電率との相関から推定する起動時の充電率SOCoを、起動後の累積充放電電気量ΔQにより順次更新することにより充電率SOCを推定する方法である。第1の充電率推定方法のフローチャートを
図3に示す。第1の充電率推定方法20は、バッテリ1を含む電源システム15の起動時に実行され、その後、第1の充電率推定方法20が選択される度に実行される。
【0023】
第1の充電率推定方法20は、バッテリ1を含む電源システム15の起動時に初期設定(ステップ22~27)を行う。このため、制御部14は、まずバッテリ1を含む電源システム15が起動時か否かを判定する(ステップ21)。起動時の場合には、電圧測定部11にバッテリ1の端子間電圧を測定するよう要求して、電圧測定部11が測定した電圧を取得し、または、電圧測定部11が周期的に測定している最新の電圧を記憶部13から取得し(ステップ22)、その取得した測定電圧を開回路電圧OCVとみなす。
なお、本発明において、「電源システムの起動時」とは、電源システム15がパワーオンされた時に限定されず、電源システムがアクティブな状態になる時を意味する。例えば、スタンバイ状態から立ち上がった時なども含む。スタンバイ状態などのように、電源システム15の起動しているか否かにかかわらず電圧測定部11を作動させるための電力を供給可能な場合には、スタンバイの状態の間にも周期的にバッテリ1の端子間電圧を測定するように構成してもよい。この場合には、電源システム15の起動時に最も近いタイミングで測定された端子間電圧、すなわち電源システム15の起動直前に測定された端子間電圧に基づいて、電源システム15の起動時の電圧を求めてもよい。
【0024】
次に、制御部14は、記憶部13に格納されている開回路電圧OCVと充電率SOCとの相関を参照して、求めた開回路電圧OCVに対応する起動時充電率SOCoを推定する(ステップ23)。また、起動後の累積充放電電気量ΔQを0にリセットする(ステップ24)。以上により初期設定が完了する。バッテリ1を含む電源システム15の起動時でない場合には、初期設定(ステップ21~27)をスキップする。
【0025】
次に、制御部14は、電流測定部12にバッテリ1の充放電電流を測定するよう要求して、電流測定部12が測定した電流の大きさを取得し、または、電流測定部12が周期的に測定している最新の電流の大きさを記憶部13から取得する(ステップ25)。取得した電流に、直前の測定電流の取得からの時間間隔(例えば、測定周期)を乗じて、測定間に変化したバッテリ1の電気量を求めて、ΔQに加算することによりΔQを更新する(ステップ26)。このように、測定した電流から求めた電気量を積算することにより、バッテリ1を含む電源システム15の起動時から現時点までの累積充放電電気量ΔQを求めることができる。
【0026】
最後に、制御部14は、求めた電気量変化量ΔQを、バッテリ1の満充電容量SOHで除して、バッテリ1を含む電源システム15の起動時から現時点までの充電率変化量ΔSOCを求め、起動時充電率SOCoに充電率変化量ΔSOCを加算することにより、充電率SOCを推定する(ステップ27)。推定した充電率SOCは、記憶部13に格納される。
【0027】
続いて、第2の充電率推定方法30を
図4のフローチャートを参照しながら説明する。第2の充電率推定方法30は、電源システム15の直近の停止時におけるバッテリ1の充電率を、起動後の累積充放電電気量により順次更新することにより充電率を推定する方法である。第2の充電率推定方法30は、バッテリ1を含む電源システム15の起動時に実行され、その後、第2の充電率推定方法30が選択される度に実行される。
【0028】
第2の充電率推定方法30は、バッテリ1を含む電源システム15の起動時に初期設定(ステップ32、33)を行う。このため、制御部14は、まずバッテリ1を含む電源システム15の起動時か否かを判定する(ステップ31)。起動時の場合には、制御部14は、直近に推定された充電率SOCoを記憶部13から取得する(ステップ32)。一般に、バッテリ1を含む電源システム15の起動中は継続して充電率の推定が行われるため、記憶部13には直近の起動時の最後に推定された充電率、すなわち直近の停止時におけるバッテリ1の充電率が格納されている。制御部14は、この格納されている直近の停止時の充電率を初期充電率SOCoとして記憶部13から読み込む。また、起動後の累積充放電電気量ΔQを0にリセットする(ステップ33)。以上により初期設定が完了する。バッテリ1を含む電源システム15の起動時でない場合には、初期設定(ステップ32、33)をスキップする。
【0029】
次に、制御部14は、第1の充電率推定方法20のステップ25~27と同様な方法で、充電率SOCを推定する。すなわち、制御部14は、電流測定部12が測定した電流の大きさを取得し(ステップ34)、取得した電流に基づいて起動後の累積充放電電気量ΔQを更新し(ステップ35)し、直近の停止時の充電率を初期充電率SOCoと求めた累積充放電電気量ΔQを加算して、充電率SOCを推定する(ステップ36)。推定した充電率SOCは、記憶部13に格納される。
【0030】
最後に、第3の充電率推定方法40を
図5のフローチャートを参照しながら説明する。第3の充電率推定方法40は、バッテリ1の電圧から推定される開回路電圧OCV、および、開回路電圧と充電率との前記相関から充電率を推定する方法である。第3の充電率推定方法40は、第3の充電率推定方法40が選択される度に実行される。
【0031】
まず、制御部14は、電圧測定部11にバッテリ1の端子間電圧を測定するよう要求して、電圧測定部11が測定した電圧を取得し、または、電圧測定部11が周期的に測定している最新の電圧を記憶部13から取得する(ステップ41)。そして、取得した電圧から、開回路電圧OCVを求める(ステップ42)。充放電による分極が十分解消して電圧が安定している場合には、取得した測定電圧を開回路電圧OCVとみなすことができる。これに対して、電圧が安定していない場合には、時系列的に複数の電圧をサンプリングし、近似式を用いて電圧の収束値を推定するなどの方法により、開回路電圧OCVを求めることができる。
【0032】
続いて、制御部14は、記憶部13に格納されている開回路電圧OCVと充電率SOCとの相関を参照して、求めた開回路電圧OCVに対応する充電率SOCoを求める求める。次に、制御部14は、開回路電圧OCVを求めた時点から現在までの累積充放電電気量ΔQを求める(ステップ43)。ΔQを求める方法は、
図3のステップ24~26と同様である。開回路電圧OCVを求めた時点が現在である場合には、ΔQ=0となる。また、開回路電圧OCVを求めた時点が直近の電圧安定時の場合には、測定時点にΔQをリセット(ΔQ=0)して、測定した充放電電流に基づいて現在までの累積充放電電気量ΔQを求める。最後に、制御部14は、求めた電気量変化量ΔQから充電率変化量ΔSOCを求めて、充電率SOCoに加算することにより、充電率SOCを推定する(ステップ44)。推定した充電率SOCは、記憶部13に格納される。
【0033】
次に、本願発明の第1の実施態様であるバッテリの充電率を推定する方法100を、
図1のフローチャートを参照しながら説明する。バッテリの充電率を推定する方法100は、バッテリ充電率推定装置10により実施される。バッテリの充電率を推定する方法100は、まずバッテリ1を含む電源システム15の起動時に実行され、その後は、周期的にまたは必要に応じて不定期に繰り返し実行される。
【0034】
はじめに、制御部14は、初期設定をおこなうため、バッテリ1を含む電源システム15の起動時か否かを判定する(ステップ101)。起動時の場合には、第1の充電率推定方法20を選択する(ステップ102)。制御部14は、選択された第1の充電率推定方法20により充電率を推定し、推定したベース充電率SOCbとする(ステップ114)。ベース充電率SOCbは、現在の充電率SOCを推定するためのベースとなる充電率で、ベース充電率SOCbに、選択後の累積充放電電気量ΔQを加算することにより現在の充電率SOCを推定する。あわせて、ベース充電率SOCbの推定に際して見込まれる誤差を求め、求めた誤差をベース誤差Ebとする。誤差の要因としては、電圧測定誤差や、バッテリ個体差による誤差(例えば、電圧と充電率SOCの関係、車両暗電流の影響など)があり、評価式や過去のデータなどを利用して推定を行う。起動時の場合には、以上でプロセスが終了する。
【0035】
一方、起動時でない場合には、制御部14は、ベース充電率SOCbに基づいて、充電率SOCを推定する(ステップ103)。具体的には、第1の充電率推定方法20のステップ24~27と同様な方法で、充電率SOCを推定する。すなわち、制御部14は、ベース充電率SOCbの選択時に累積充放電電気量ΔQをリセットし、電流測定部12が測定した電流の大きさを取得し、取得した電流に基づいて選択後の累積充放電電気量ΔQを順次更新し、ベース充電率SOCbと求めた累積充放電電気量ΔQを加算して、現在の充電率SOCを推定する。ここで、現在の充電率SOCを推定するための累積充放電電気量は、ベース充電率SOCbの選択時からの累積充放電電気量であり、第1の充電率推定方法20や第2の充電率推定方法30における、電源システム15起動時からの累積充放電電気量とは異なる累積電気量である。推定した充電率SOCは、記憶部13に格納される。現在の充電率SOCの推定(ステップ103)は、時系列的に複数回実行してもよい。
【0036】
その後、制御部14は、ベース充電率SOCbに基づいて推定した現在の充電率SOCの基準誤差E0、第1の充電率推定方法により推定される現在の充電率の第1の誤差E1、第2の充電率推定方法により推定される現在の充電率の第2の誤差E2、および、第3の充電率推定方法により推定される現在の充電率の第3の誤差E3を推定する(ステップ104)。
【0037】
基準誤差E0は、ベース充電率SOCb推定時の誤差であるベース誤差Ebに、累積充放電電気量ΔQを求める際の積算誤差を加えたものである。累積充放電電気量ΔQを求める際の誤差要因としては、電流測定誤差やA/D変換による量子化誤差などがあり、誤差評価式や過去のデータなどを利用して推定を行う。
【0038】
第1の誤差E1は、第1の充電率推定方法20により現在の充電率を推定する際に見込まれる誤差である。誤差の要因としては、電圧測定誤差や、バッテリ個体差による誤差(例えば、電圧と充電率SOCの関係、車両暗電流の影響など)があり、評価式や過去のデータなどを利用して推定を行う。第1の誤差E1の推定とあわせて、第1の充電率推定方法20を用いて現在の充電率の推定を行ってもよい。
【0039】
第2の誤差E2は、第2の充電率推定方法30により現在の充電率を推定する際に見込まれる誤差である。誤差の要因としては、電流測定誤差やバッテリ個体差による誤差(充電受け入れ性、充電効率など)があり、評価式や過去のデータなどを利用して推定を行う。第2の誤差E2の推定とあわせて、第2の充電率推定方法30を用いて現在の充電率の推定を行ってもよい。
【0040】
第3の誤差E3は、第3の充電率推定方法40により現在の充電率を推定する際に見込まれる誤差である。誤差の要因としては、電圧測定誤差やバッテリ個体差による誤差(電圧と充電率SOCの関係、車両暗電流・分極・成層化の影響など)があり、評価式や過去のデータなどを利用して推定を行う。第3の誤差E3の推定とあわせて、第3の充電率推定方法40を用いて現在の充電率の推定を行ってもよい。
【0041】
基準誤差E0および誤差E1~E3を求めた後に、制御部14は、まず基準誤差E0と第3の誤差E3とを比較する(ステップ105)。第3の誤差E3が基準誤差E0より小さい場合には、第3の充電率推定方法40を新たな充電率推定方法として選択する(ステップ106)。ここで、「新たな充電率推定方法」とは、新たなベース充電率SOCbを推定する充電率推定方法(乃至はその候補)という意味である。すなわち、現在のベース充電率SOCbに基づいて推定した現在の充電率よりも、第3の充電率推定方法40に基づいて推定した現在の充電率のほうが誤差が小さいときには、ベース充電率SOCbを新たに第3の充電率推定方法により推定された充電率に置き換えたほうがより精度の高い推定結果をえることができる。このため、新たなベース充電率SOCbを推定する充電率推定方法(乃至はその候補)として、第3の充電率推定方法40を選択する。
【0042】
一方、第3の誤差E3が基準誤差E0以上の場合には、制御部14は、第2の誤差E2と基準誤差E0とを比較する(ステップ107)。第2の誤差E2が基準誤差E0より小さい場合には、第2の充電率推定方法30を新たな充電率推定方法として選択する(ステップ108)。一方、第2の誤差E2が基準誤差E0以上の場合、すなわち第3の誤差E3および第2の誤差E2がともに基準誤差E0以上の場合には、制御部14は、第1の誤差E1と基準誤差E0とを比較する(ステップ109)。第1の誤差E1が基準誤差E0より小さい場合には、第1の充電率推定方法20を新たな充電率推定方法として選択する(ステップ110)。第1の誤差E1が基準誤差E0以上の場合、すなわち誤差E1~E3がいずれも基準誤差E0以上の場合には、制御部14は、新たな充電率推定方法の選択は行わずに終了する。
【0043】
新たな充電率推定方法の選択(ステップ106、108、110)があった場合には、制御部14は、新たな充電率推定方法により推定した現在の充電率を、ベース充電率候補値SOCnとする(ステップ111)。あわせて、制御部14は、ベース充電率候補値SOCnの推定に際して見込まれる誤差を求め、求めた誤差をベース誤差候補Enとする。
【0044】
次に、制御部14は、現在のベース充電率SOCbに基づいて推定した現在の充電率SOCと、ベース充電率候補値SOCnと差をとり、差が所定量よりも小さいか否かを判定する(ステップ112)。差が所定量よりも小さい場合には、新たな充電率推定方法により推定したベース充電率候補値SOCnを、新たなベース充電率SOCbとする(ステップ113)。あわせて、ベース誤差候補Enを新たなベース誤差Ebとする。一方、差が所定量以上の場合には、現在のベース充電率SOCbを維持する。これにより、ベース充電率SOCbの変更に起因して、推定される現在の充電率SOCが急変することを避けることができる。
【0045】
以上により、時間の経過とともに変化する充電率SOCの推定誤差(基準誤差E0)を把握しつつ、基準誤差E0よりも誤差が小さな充電率推定方法がある場合には、当該充電率推定方法によりベース充電率SOCbを適宜更新して、最適な充電率推定方法で充電率の推定を行うことができる。特に、本願発明が車両用のバッテリの充電率の推定に用いられた場合、正確な充電率の推定により、燃費向上に寄与することができる。また、一般的に高い推定精度が期待できる第3の充電率推定方法から、第2の充電率推定方法、第1の充電率推定方法の順で、当該方法による推定誤差と基準誤差との比較を行うことで、プロセスを簡素化し、迅速な選択を行うことができる。さらに、新たな充電率推定方法の選択により、推定される充電率が所定量以上の場合には、現在のベース充電率を維持することにより、推定される充電率の急変を避けることができる。
【0046】
続いて、本願発明の第2の実施態様であるバッテリの充電率を推定する方法200を、
図2のフローチャートを参照しながら説明する。バッテリの充電率を推定する方法200は、バッテリ充電率推定装置10により実施される。バッテリの充電率を推定する方法200は、バッテリ1を含む電源システム15の起動時に実行され、その後は、周期的にまたは必要に応じて不定期に繰り返し実行される。
【0047】
起動時の初期設定プロセス(ステップ201、202、214)と、現在の充電率SOCの推定プロセス(ステップ203)と、基準誤差E0および第1~3のそれぞれの充電率推定方法により推定される充電率の誤差E1、E2、E3の推定プロセス(ステップ204)は、バッテリの充電率を推定する方法100の対応するステップ101、102、114、103、104と同様であるため、説明を省略する。
【0048】
バッテリの充電率を推定する方法200は、ベース充電率SOCbを決定するステップ(205~213)のうち、求めた基準誤差E0と誤差E1、E2、E3との比較(ステップ205)および新たな充電率の選択(ステップ206)が、バッテリ充電率を推定する方法100が異なる。
【0049】
すなわち、基準誤差E0および誤差E1、E2、E3の推定(ステップ204)後、制御部14は、第1の誤差E1、第2の誤差E2、および第3の誤差E3のうち最小の誤差と、基準誤差E0とを比較する(ステップ205)。すなわち、まず、3つの誤差E1、E2、E3を相互に比較して最小の誤差min(E1、E2、E3)を判別することによって、3つのバッテリ充電率推定方法20、30、40のうち、現在の充電率を推定する際の誤差が最も小さい充電率推定方法を判別することができる。そして、最小の誤差min(E1、E2、E3)と基準誤差E0とを比較する。
【0050】
比較の結果、最小の誤差min(E1、E2、E3)が基準誤差E0より小さい場合には、制御部14は、最小の誤差に対応する充電率推定方法を新たな充電率推定方法として選択する(ステップ206)。すなわち、ベース充電率SOCbに基づいて推定した現在の充電率の誤差E0よりも、判別した最小の誤差min(E1、E2、E3)が小さいときには、ベース充電率SOCbを、最小の誤差に対応する充電率推定方法により推定された充電率に置き換えたほうが精度の高い充電率の推定を行うことができる。このため、最小の誤差に対応する充電率推定方法を、新たなベース充電率SOCbを推定する充電率推定方法(乃至はその候補)として選択する。一方、最小の誤差min(E1、E2、E3)と基準誤差E0との比較の結果、基準誤差E0の方が小さい場合には、新たな選択は行わずに終了する。
【0051】
新たな充電率推定方法の選択(ステップ206)があった場合には、制御部14は、新たな充電率推定方法によりベース充電率候補値SOCnとベース誤差候補Enを求め(ステップ211)、現在のベース充電率SOCbに基づいて推定した現在の充電率SOCと、ベース充電率候補値SOCnとを比較する(ステップ212)。差が所定量よりも小さい場合には、新たな充電率推定方法により推定したベース充電率候補値SOCnを、新たなベース充電率SOCbとし(ステップ213)、差が所定量以上の場合には、現在のベース充電率SOCbを維持する。これらのステップ211~213の処理は、バッテリの充電率を推定する方法100の対応するステップ111~113と同様であるため、説明を省略する。
【0052】
以上により、時間の経過とともに変化する充電率SOCの推定誤差(基準誤差E0)を把握しつつ、基準誤差E0よりも誤差が小さな充電率推定方法がある場合には、当該充電率推定方法によりベース充電率SOCbを適宜更新することにより、最適な充電率推定方法で充電率の推定を行うことができる。特に、本願発明が車両用のバッテリの充電率の推定に用いられた場合、正確な充電率の推定により、燃費向上に寄与することができる。また、予め第1の誤差、第2の誤差および第3の誤差のなかから最小の誤差を判別し、最小の誤差と基準誤差を比較して、最小の誤差が基準誤差より小さい場合には、最小の誤差に対応する充電率推定方法を前記新たな充電率推定方法として選択することにより、最も誤差が少ない充電率推定方法を効率よく発見することができる。さらに、新たな充電率推定方法の選択により、推定される充電率が所定量以上の場合には、現在のベース充電率を維持することにより、推定される充電率の急変を避けることができる。
【0053】
以上、本発明にかかるバッテリの充電率を推定する方法、装置、プログラム、および該プログラムを記録した記録媒体ついて説明を行ったが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の概念及び特許請求の範囲に含まれるあらゆる態様を含む。例えば、上述した実施態様では、車載用の鉛バッテリの充電率を推定する方法を例として説明したが、太陽光発電などで発電された電気を蓄積しておくバッテリなどの車載以外の、また鉛蓄電池以外のバッテリの状態推定にも適用することが可能である。
【符号の説明】
【0054】
1 バッテリ
2 充電回路
3 負荷
10 バッテリ充電率推定装置
11 電圧測定部
12 電流測定部
13 記憶部
14 制御部
15 電源システム