(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-24
(45)【発行日】2023-08-01
(54)【発明の名称】PECVDによるSIギャップ充填の方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/205 20060101AFI20230725BHJP
C23C 16/24 20060101ALI20230725BHJP
【FI】
H01L21/205
C23C16/24
(21)【出願番号】P 2020546333
(86)(22)【出願日】2019-03-07
(86)【国際出願番号】 US2019021205
(87)【国際公開番号】W WO2019173624
(87)【国際公開日】2019-09-12
【審査請求日】2022-03-07
(32)【優先日】2018-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】リウ, シン
(72)【発明者】
【氏名】ワン, フェイ
(72)【発明者】
【氏名】チェン, ルイ
(72)【発明者】
【氏名】マリック, アブヒジット バス
(72)【発明者】
【氏名】ヴィッサー, ロバート ジャン
【審査官】長谷川 直也
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-291063(JP,A)
【文献】特開2017-085165(JP,A)
【文献】特表2014-512669(JP,A)
【文献】特開2013-239717(JP,A)
【文献】特開2018-022743(JP,A)
【文献】特開2016-150879(JP,A)
【文献】特開平07-297136(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/205
C23C 16/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセスチャンバ内に配置された基板を
、150℃か
ら650℃の範囲の温度に加熱することと、
ケイ素含有前駆体を前記プロセスチャンバ内に流入させることと、
前記基板に形成されたフィーチャの底部上に第1のアモルファスシリコン層を堆積させ、前記基板の表面上に第2のアモルファスシリコン層を堆積させることであって、前記フィーチャの各側壁の第1の部分が、前記第1のアモルファスシリコン層と接触し、各側壁の第2の部分が、露出されるように、第1のアモルファスシリコン層および第2のアモルファスシリコン層を堆積させることと、
前記第2のアモルファスシリコン層を除去することと、
を含
み、前記第1のアモルファスシリコン層および前記第2のアモルファスシリコン層が、プラズマ化学気相堆積プロセスによって堆積され、
前記プラズマ化学気相堆積プロセスのプラズマ出力密度が、0.14W/cm
2
から2.83W/cm
2
の範囲である、方法。
【請求項2】
前記第1のアモルファスシリコン層上に第3のアモルファスシリコン層を堆積させ、前記基板の前記表面上に第4のアモルファスシリコン層を堆積させることを、さらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第4のアモルファスシリコン層を除去することを、さらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ケイ素含有前駆体が、シラン
またはジシランを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記基板が、200℃~550℃の範囲の温度に加熱され、前記プロセスチャンバ内にプラズマが形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
堆積プロセスおよび除去プロセスが、単一のプロセスチャンバ内で実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記単一のプロセスチャンバが、プラズマ化学気相堆積チャンバである、請求項
6に記載の方法。
【請求項8】
前記第2のアモルファスシリコン層を除去することが、プラズマエッチングプロセスを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記プラズマエッチングプロセスが、エッチャントとして水素ガスを利用する、請求項
8に記載の方法。
【請求項10】
前記プラズマエッチングプロセスのプラズマ出力密度が
、0.14W/cm
2か
ら2.83W/cm
2の範囲である、請求項
8に記載の方法。
【請求項11】
プロセスチャンバ内に配置された基板を
、200℃か
ら550℃の範囲の温度に加熱することと、
シランまたはジシランを前記プロセスチャンバ内に流入させることと、
前記プロセスチャンバ内にプラズマを形成することと、
前記基板に形成されたフィーチャの底部上に第1のアモルファスシリコン層を堆積させることと、
を含む方法であって、前記フィーチャが、1つ以上の側壁を有し、前記第1のアモルファスシリコン層が、前記フィーチャの各側壁の第1の部分と接触し、各側壁の第2の部分が露出され
、プラズマ出力密度が、0.14W/cm
2
から2.83W/cm
2
の範囲である、方法。
【請求項12】
基板に形成されたフィーチャの底部上に第1のアモルファスシリコン層を堆積させ、前記基板の表面上に第2のアモルファスシリコン層を堆積させることであって、前記フィーチャの各側壁の第1の部分が、前記第1のアモルファスシリコン層と接触し、各側壁の第2の部分が露出され、前記第1および前記第2のアモルファスシリコン層を堆積させることが、
プロセスチャンバ内に配置された前記基板を
、150℃か
ら650℃の範囲の温度に加熱することと、
シラン前駆体を前記プロセスチャンバ内に流入させることと、
を含む、第1および第2のアモルファスシリコン層を堆積させることと、
前記第2のアモルファスシリコン層を除去することと、
前記第1および前記第2のアモルファスシリコン層を堆積させることと、前記第2のアモルファスシリコン層を除去することとを、前記フィーチャがアモルファスシリコンで充填されるまで、繰り返すことと、
を含
み、前記第1のアモルファスシリコン層および前記第2のアモルファスシリコン層が、プラズマ化学気相堆積プロセスによって堆積され、前記プラズマ化学気相堆積プロセスのプラズマ出力密度が、0.14W/cm
2
から2.83W/cm
2
の範囲である、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本開示の実施形態は、基板上にギャップ充填材料を形成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] 半導体プロセスにおいて、デバイスは、継続的にフィーチャ寸法を減少させながら製造されている。多くの場合、これらの先端技術ノードでデバイスを製造するために利用されるフィーチャは、高アスペクト比構造を含み、絶縁材料などのギャップ充填材料で高アスペクト比構造間のギャップを充填することが、多くの場合に必要である。絶縁材料がギャップ充填用途に利用される例としては、シャロートレンチアイソレーション(STI)、金属間誘電体層(ILD)、プリメタル誘電体(PMD)、パッシベーション層、パター二ング用途などがある。デバイスの幾何学的形状が縮小し、サーマルバジェットが減少するにつれて、既存の堆積プロセスの制限により、高アスペクト比空間のボイドのない充填が、ますます困難になる。
【0003】
[0003] ギャップ充填材料は、様々な堆積プロセス、例えば流動性化学気相堆積(FCVD)によって堆積させることができる。FCVDによる堆積直後の状態のギャップ充填材料は、通常、高い湿式エッチング速度比(WERR)および高い応力によって特徴づけられる、品質の悪いものであり、ギャップ充填材料の品質を改善するために、硬化および/またはアニーリングなどの後続のプロセスを必要とする。
【0004】
[0004] したがって、ギャップ充填材料を形成するための改善されたプロセスが必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
[0005] 本開示の実施形態は、基板上にギャップ充填材料を形成する方法に関する。一実施形態では、方法は、プロセスチャンバ内に配置された基板を約150℃~約650℃の範囲の温度に加熱することと、シラン含有前駆体をプロセスチャンバ内に流すことと、基板に形成されたフィーチャの底部に第1のアモルファスシリコン層を堆積させ、基板の表面上に第2のアモルファスシリコン層を堆積させることとを含む。フィーチャの各側壁の第1の部分は、第1のアモルファスシリコン層と接触しており、各側壁の第2の部分は、露出されている。この方法は、第2のアモルファスシリコン層を除去することを、さらに含む。
【0006】
[0006] 別の実施形態では、方法は、プロセスチャンバ内に配置された基板を約200℃~約550℃の範囲の温度に加熱することと、シランまたはジシランをプロセスチャンバ内に流すことと、プロセスチャンバ内にプラズマを形成することと、基板に形成されたフィーチャの底部に第1のアモルファスシリコン層を堆積させ、基板の表面上に第2のアモルファスシリコン層を堆積させることとを含む。フィーチャの各側壁の第1の部分は、第1のアモルファスシリコン層と接触しており、各側壁の第2の部分は、露出されている。
【0007】
[0007] 別の実施形態では、方法は、基板に形成されたフィーチャの底部に第1のアモルファスシリコン層を堆積させ、基板の表面上に第2のアモルファスシリコン層を堆積させることを含む。フィーチャの各側壁の第1の部分は、第1のアモルファスシリコン層と接触しており、各側壁の第2の部分は、露出されている。第1および第2のアモルファスシリコン層を堆積させることは、プロセスチャンバ内に配置された基板を約150℃~約650℃の範囲の温度に加熱することと、シラン含有前駆体をプロセスチャンバ内に流すこととを含む。この方法は、第2のアモルファスシリコン層を除去することと、第1および第2のアモルファスシリコン層を堆積させること、ならびに第2のアモルファスシリコン層を除去することを、フィーチャがアモルファスシリコンで充填されるまで、繰り返すこととを、さらに含む。
【0008】
[0008] 本開示の上記の特徴を詳細に理解することができるように、上記で簡単に要約した本開示のより具体的な説明を、実施形態を参照することによって行うことができ、そのいくつかを添付の図面に示す。しかし、添付の図面は、本開示の典型的な実施形態のみを示し、したがって、本開示は、他の等しく有効な実施形態を認めることができるので、範囲を限定すると見なされるべきではないことに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1A】本明細書に記載の一実施形態による、基板上にギャップ充填材料を形成するための方法を概略的に示す。
【
図1B】本明細書に記載の一実施形態による、基板上にギャップ充填材料を形成するための方法を概略的に示す。
【
図1C】本明細書に記載の一実施形態による、基板上にギャップ充填材料を形成するための方法を概略的に示す。
【
図1D】本明細書に記載の一実施形態による、基板上にギャップ充填材料を形成するための方法を概略的に示す。
【
図1E】本明細書に記載の一実施形態による、基板上にギャップ充填材料を形成するための方法を概略的に示す。
【
図1F】本明細書に記載の一実施形態による、基板上にギャップ充填材料を形成するための方法を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0010] 理解を容易にするために、図面に共通する同一の要素は、可能であれば同一の参照番号を使用して示してある。1つの実施形態において開示された要素は、他の実施形態において、それに関する特定の列挙なしに有益に利用され得ることが企図される。
【0011】
[0011] 本開示の実施形態は、トレンチを充填するためのプロセスに関する。このプロセスは、層の表面上に第1のアモルファスシリコン層を堆積させ、その層に形成されたトレンチの一部分に第2のアモルファスシリコン層を堆積させることを含み、トレンチの側壁の一部分が露出されている。第1のアモルファスシリコン層を除去する。このプロセスは、層の表面上に第3のアモルファスシリコン層を堆積させ、第2のアモルファスシリコン層上に第4のアモルファスシリコン層を堆積させることを、さらに含む。第3のアモルファスシリコン層を除去する。トレンチがアモルファスシリコン層で充填されるまで、堆積/除去サイクルプロセスを繰り返すことができる。アモルファスシリコン層は、下から上へ形成されるので、アモルファスシリコン層は、シームレスなアモルファスシリコンギャップ充填をトレンチ内に形成する。
【0012】
[0012] 本明細書で使用される「基板」は、任意の基板、または製造プロセス中に膜処理が実行される、基板上に形成された材料表面を指す。例えば、処理を実行することができる基板表面には、ケイ素、酸化ケイ素、歪みシリコン、SOI(silicon on insulator)、炭素がドープされた酸化ケイ素、アモルファスシリコン、ドープされたケイ素、ゲルマニウム、ガリウム砒素、ガラス、サファイアなどの材料、ならびに用途に応じて、金属、金属窒化物、金属合金、および他の導電性材料などの任意の他の材料が含まれる。基板には、半導体ウェハが含まれるが、これらに限定されない。基板は、基板表面を研磨し、エッチングし、還元し、酸化し、ヒドロキシル化し、アニールし、および/またはベークするために、前処理プロセスに曝されてもよい。基板の表面上で直接膜処理することに加えて、開示される膜処理ステップのいずれも、以下により詳細に開示されるように、基板上に形成された下層上で実行されてもよく、用語「基板表面」は、文脈が示すような下層を含むことが意図される。したがって、例えば、膜/層または部分的な膜/層が、基板表面上に堆積された場合、新たに堆積された膜/層の露出表面が、基板表面になる。
【0013】
[0013]
図1A~
図1Fは、本明細書に記載の一実施形態による、基板上にギャップ充填材料を形成するためのプロセスを概略的に示す。
図1Aに示すように、基板100は、フィーチャ102を含む。図は、例示目的のために単一のフィーチャを有する基板を示すが、当業者は、1つより多いフィーチャがあり得ることを理解するであろう。フィーチャ102の形状は、トレンチおよび円筒形ビアを含むが、これらに限定されない任意の適切な形状であり得る。この点に関して使用される場合、用語「フィーチャ」は、任意の意図的な表面不規則性を意味する。フィーチャの適切な例には、底部および2つの側壁を有するトレンチおよびビアが含まれるが、これらに限定されない。フィーチャは、任意の適切なアスペクト比(フィーチャの幅に対するフィーチャの深さの比)を有することができる。いくつかの実施形態では、アスペクト比は、約5:1以上、約10:1以上、約15:1以上、約20:1以上、約25:1以上、約30:1以上、約35:1以上または約40:1以上である。
【0014】
[0014] 基板100は、表面101を含み、フィーチャ102は、表面101に形成された開口部である。一実施形態では、基板100は、酸化ケイ素または窒化ケイ素などの誘電体材料から製造されるSTI領域を含み、フィーチャ102は、STI領域に形成される。フィーチャ102は、底部104および側壁106を含む。次に、
図1Bに示すように、第1のアモルファスシリコン層108が、フィーチャ102の底部104上に堆積され、第2のアモルファスシリコン層110が、基板100の表面101上に堆積される。第1のアモルファスシリコン層108および第2のアモルファスシリコン層110は、プラズマ化学気相堆積(PECVD)プロセスによって堆積される。
【0015】
[0015] 一実施形態では、第1のアモルファスシリコン層108および第2のアモルファスシリコン層110を堆積させるためのPECVDプロセスは、ケイ素含有前駆体をプロセスチャンバ内に流し込むことと、プロセスチャンバ内にプラズマを形成することとを含む。一実施形態では、プロセスチャンバは、カリフォルニア州サンタクララのApplied Materials Inc.から入手可能なProducer(登録商標)XP Precision(商標)チャンバである。プラズマは、インシトゥ(その場)で形成されてもよいし、または遠隔位置で形成され、次いで、プロセスチャンバ内に流されてもよい。ケイ素含有前駆体は、シラン、ジシラン、トリシラン、またはテトラシランなどのシラン含有前駆体であってもよい。一実施形態では、ケイ素含有前駆体は、シランまたはジシランなどの低次シラン含有前駆体である。プラズマ出力密度は、約0.14W/cm2から約2.83W/cm2の範囲であり、処理温度、すなわち処理中の基板の温度は、約150℃から約650℃、例えば200℃から約550℃の範囲である。低次シラン含有前駆体などのシラン含有前駆体が、上述の処理条件で使用される場合、堆積された第1のアモルファスシリコン層108および第2のアモルファスシリコン層110は、流動性ではないことが発見された。第1のアモルファスシリコン層108および第2のアモルファスシリコン層110は、流動性ではないので、材料は、堆積プロセス中に側壁106上に配置されず、側壁材料のブリッジング(および対応するボイド形成)の可能性が低減される。堆積された第1のアモルファスシリコン層108および第2のアモルファスシリコン層110は、流動性アモルファスシリコン層と比較して改善された品質を有する。さらに、後続の硬化および/またはアニーリングプロセスは必要ない。
【0016】
[0016] 堆積中に大部分または完全に側壁106を覆う、原子層堆積(ALD)プロセスによって形成される共形層とは異なり、第1のアモルファスシリコン層108は、フィーチャ102の底部104上に、各側壁106の第1の部分112と接触して形成される。各側壁106の第2の部分114は、露出され、第1のアモルファスシリコン層108によって覆われない。同様に、第1のアモルファスシリコン層108と同時に形成される第2のアモルファスシリコン層110は、表面101上に形成され、フィーチャ102の各側壁106の第2の部分114上には形成されない。第1のアモルファスシリコン層108および第2のアモルファスシリコン層110は、それぞれ、底部104および表面101上に形成され、底部104は、表面101とほぼ平行である。したがって、第1のアモルファスシリコン層108および第2のアモルファスシリコン層110は、ほぼ平行な面上に形成され、大体同じ厚さまたはおおよそ同じ厚さを有する。言い換えれば、第1のアモルファスシリコン層108および第2のアモルファスシリコン層110は、水平面上に形成されるが、垂直面上には形成されない。側壁106(垂直面)の覆われる唯一の部分は、底部104上に配置される第1のアモルファスシリコン層108の厚さに対応する部分である。
【0017】
[0017] 次に、
図1Cに示すように、第2のアモルファスシリコン層110を表面101から除去する。除去プロセスは、第1および第2のアモルファスシリコン層108、110が形成されるプロセスチャンバと同じプロセスチャンバ内で実行されるプラズマエッチングプロセスであってもよい。プラズマエッチングプロセスのチャンバ圧力は、PECVDプロセス中のチャンバ圧力と同じであっても、PECVDプロセス中のチャンバ圧力とは異なるものであってもよい。処理温度は、第1および第2のアモルファスシリコン層108、110を堆積させるPECVDプロセスと同じ処理温度とすることができる。堆積プロセスとエッチングプロセスに同じ処理温度を利用することにより、堆積プロセスとエッチングプロセスとの間の急速な移行が容易になり、これにより基板スループットが増大する。プラズマ出力密度は、約0.14W/cm
2から約2.83W/cm
2の範囲である。上述のプロセス条件下では、第2のアモルファスシリコン層110は除去されるが、第1のアモルファスシリコン層108は、プラズマイオンが側壁106への衝突によりエネルギーを失い、ラジカルが底部104に到達する前に抑えられ/失われ、および/またはプラズマ出力密度が制御されて底部104へのイオン衝撃を最小限に抑えるので、実質的に影響を受けない。除去プロセスに使用されるエッチャントは、任意の適切なエッチャントとすることができる。一実施形態では、除去プロセスは、物理的プラズマエッチングプロセスであり、使用されるエッチャントはヘリウムである。別の実施形態では、除去プロセスは、フッ素もしくは塩素含有エッチャントなどのハロゲン含有エッチャントまたは水素ガスをエッチャントとして使用する化学的プラズマエッチングプロセスであり、プラズマは遠隔位置で形成される。ハロゲン含有エッチャントおよび水素ガスは、基板100の材料、例えば酸化ケイ素よりもアモルファスシリコンをエッチングする高い選択性を有する。さらに別の実施形態では、除去プロセスは、エッチャントとしてハロゲン含有エッチャントまたは水素ガスを使用する物理的および化学的プラズマエッチングプロセスであり、プラズマは、容量結合プラズマなど、インシトゥ(その場)で形成される。
【0018】
[0018] 第2のアモルファスシリコン層110を除去した後、
図1Dに示すように、第2のPECVDプロセスを実行して、第1のアモルファスシリコン層108上に第3のアモルファスシリコン層116を形成し、表面101上に第4のアモルファスシリコン層118を形成する。第2のPECVDプロセスは、第1および第2のアモルファスシリコン層108、110を形成するためのPECVDプロセスと同じプロセス条件下で実行することができる。第3のアモルファスシリコン層116は、各側壁106の一部分120と接触しており、各側壁106の一部分122が露出している。第3および第4のアモルファスシリコン層116、118は、それぞれ第1および第2のアモルファスシリコン層108、110と同じ特性を有する。
【0019】
[0019]
図1Eに示されるように、第4のアモルファスシリコン層118が、表面101から除去される。除去プロセスは、第2のアモルファスシリコン層110を除去するための除去プロセスと同じであってもよい。一実施形態では、フィーチャ102は、第1のアモルファスシリコン層108および第3のアモルファスシリコン層116で充填される。換言すれば、底部104全体が、第1のアモルファスシリコン層108と接触し、側壁106全体が、第1のアモルファスシリコン層108および第3のアモルファスシリコン層116と接触する。他の実施形態では、フィーチャ102を充填するために、追加の堆積/除去サイクルプロセスを実行することができる。一実施形態では、
図1Fに示すように、追加のアモルファスシリコン層124、126、128が、第3のアモルファスシリコン層116上に堆積され、各堆積プロセスに続く除去プロセスの結果として、アモルファスシリコン層は、表面101上に残らない。除去プロセスのためのプラズマ出力は低いので、フィーチャ102内へのイオン衝撃は最小化される。さらに、フィーチャ102は、堆積/除去サイクルの最後の堆積プロセスで過充填され、最後の除去プロセスが、表面101上およびフィーチャ102を越えたアモルファスシリコン層を除去する。各堆積/除去サイクル(1つのサイクルは、1つの堆積プロセスおよび1つの除去プロセスを含む)について、堆積時間対エッチング時間の比は、約1対3から約1対15までの範囲であり得る。このような例では、エッチング時間は、堆積時間よりもかなり長い。サイクル数は、フィーチャ102の深さおよび/またはフィーチャ102内に堆積された各アモルファスシリコン層の厚さに依存する。一実施形態では、堆積/除去サイクルの数は、約50から約200までの範囲であり、それぞれの堆積サイクル中に形成された各アモルファスシリコン層の厚さは、約250オングストロームから約1000オングストロームの間である。フィーチャ102内に形成された複数のアモルファスシリコン層108、116、124、126、128は、下から上へ形成される。したがって、アモルファスシリコン層108、116、124、126、128には、シームまたはボイドが形成されない。
【0020】
[0020] 堆積/除去サイクルプロセスを使用することにより、トレンチなどのフィーチャを、下から上へシームレスに充填することができる。さらに、フィーチャ内に形成されたアモルファスシリコン層は、流動性ではないので、アモルファスシリコン層の品質は、従来の流動性アモルファスシリコンギャップ充填よりも改善される。さらに、流動性アモルファスシリコンギャップ充填を形成した後に一般に行われる、その後の硬化および/またはアニーリングプロセスは、必要ではない。
【0021】
[0021] 上記は、本開示の実施形態に向けられているが、本開示の他のおよびさらなる実施形態が、本開示の基本的な範囲から逸脱することなく考案されてもよく、本開示の範囲は、以下の特許請求の範囲によって決定される。