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特許7320563高温基板台座モジュール及びその構成要素
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-26
(45)【発行日】2023-08-03
(54)【発明の名称】高温基板台座モジュール及びその構成要素
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20230727BHJP
   H01L 21/205 20060101ALI20230727BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20230727BHJP
   C23C 16/458 20060101ALI20230727BHJP
【FI】
H01L21/68 N
H01L21/205
H01L21/31 B
H01L21/31 C
C23C16/458
【請求項の数】 16
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021104513
(22)【出願日】2021-06-24
(62)【分割の表示】P 2016093701の分割
【原出願日】2016-05-09
(65)【公開番号】P2021158379
(43)【公開日】2021-10-07
【審査請求日】2021-07-19
(31)【優先権主張番号】14/710,151
(32)【優先日】2015-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】トロイ・アラン・ゴム
(72)【発明者】
【氏名】ティモシー・トーマス
【審査官】内田 正和
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-093894(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0083042(US,A1)
【文献】特開2012-057755(JP,A)
【文献】特開2009-256789(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/683
H01L 21/205
H01L 21/31
C23C 16/458
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板台座であって、
円筒状内部領域を画定する側壁を有するアダプタであって、前記側壁は上面および下面を有し、前記アダプタの前記上面は環状ガス流路、内側溝、および外側溝を含み、前記内側溝は、前記アダプタの前記側壁に形成された少なくとも1本のガス通路の半径方向内側に位置し、前記外側溝は、前記内側溝および前記環状ガス流路の半径方向外側に位置し、前記内側溝は、前記円筒状内部領域と前記少なくとも1本のガス通路との間に内側真空シールを形成するように、内側Oリングを受け入れるように構成され、前記外側溝は、前記アダプタの前記側壁の周囲領域と前記少なくとも1本のガス通路との間に外側真空シールを形成するように、外側Oリングを受け入れるように構成されている、アダプタと、
前記アダプタに機械的に結合するように構成されたステムであって、前記ステムは円筒状内部領域を画定する側壁を有し、前記側壁は下面および上面を含み、前記アダプタの前記上面は、前記ステムの前記側壁の前記下面に機械的に結合され、前記ステムの前記下面は、前記ステムの前記側壁のそれぞれのガス通路と流体連通している少なくとも1つのガス入口を含み、前記少なくとも1つのガス入口は、前記アダプタの前記上面の前記環状ガス流路と流体連通している、ステムと、
を備え、
前記アダプタの前記少なくとも一本のガス通路は、前記環状ガス流路と液体連通しており、
前記内側溝の半径方向外側に位置付けられた前記外側溝は、前記環状ガス流路の一部を形成し、前記外側Oリングは、結合された外側溝および環状ガス流路の半径方向外側の部分に配置されるように構成されている、基板台座。
【請求項2】
請求項1に記載の基板台座であって、
前記ステムは、前記ステムの下方部分と前記ステムの上方部分との間に減少した断面領域を有し、前記減少した断面領域は、前記ステムから前記アダプタへの熱伝達を制限するために熱的な絞りを提供する、基板台座。
【請求項3】
請求項1に記載の基板台座であって、さらに、
前記ステムの上方部分に結合された保持板であって、基板を支持するように構成された上面、および、前記ステムの前記側壁の前記それぞれのガス通路と流体連通している少なくとも1本の保持板ガス通路を有する保持板を備える、基板台座。
【請求項4】
請求項3に記載の基板台座であって、
前記少なくとも1本の保持板ガス通路は、基板処理動作時に前記保持板上に支持された基板に裏側ガスを供給するように構成されている、基板台座。
【請求項5】
基板台座であって、
円筒状内部領域を画定する側壁および上面を有するアダプタであって、前記アダプタの前記側壁は、前記アダプタの前記側壁の下面から前記アダプタの前記側壁の前記上面に前記側壁を横断する少なくとも1本のガス通路を含み、前記アダプタの前記上面は、前記少なくとも1本のガス通路の半径方向内側に位置付けられた内側溝、および、前記ガス通路の半径方向外側に位置付けられた外側溝を有する、アダプタと、
円筒状内部領域を画定する側壁を有するステムであって、前記側壁は下面および上面を有し、前記上面は保持板を支持するように構成され、前記ステムの前記側壁の前記下面は、前記アダプタの前記側壁の前記上面に装着されるように構成され、前記ステムの前記側壁の前記下面は、上に形成された環状ガス流路を含み、前記ステムの前記側壁は、前記ステムの前記側壁の前記下面から前記ステムの前記側壁の前記上面まで前記側壁を横断する少なくとも1本のガス通路を含む、ステムと、
を備え、
前記ステムの前記少なくとも1本のガス通路および前記アダプタの前記少なくとも1本のガス通路は、少なくとも前記環状ガス流路を通じて互いに流体連通しており、
前記内側溝は、前記アダプタの前記円筒状内部領域と前記アダプタの前記少なくとも1本のガス通路との間に内側真空シールを形成するように、内側Oリングを受け入れるように構成され、前記外側溝は、前記アダプタの前記側壁の周囲領域と前記アダプタの前記少なくとも1本のガス通路との間に外側真空シールを形成するように、外側Oリングを受け入れるように構成されており、
前記内側溝の半径方向外側に位置付けられた前記外側溝は、前記環状ガス流路の一部を形成し、前記外側Oリングは、結合された外側溝および環状ガス流路の半径方向外側の部分に配置されるように構成されている、基板台座。
【請求項6】
請求項に記載の基板台座であって、
前記ステムの前記少なくとも1本のガス通路は、前記環状ガス流路と流体連通している、基板台座。
【請求項7】
請求項に記載の基板台座であって、
前記アダプタの前記少なくとも1本のガス通路は、前記環状ガス流路と流体連通している、基板台座。
【請求項8】
請求項に記載の基板台座であって、
前記アダプタの前記側壁の前記少なくとも1本のガス通路は、下方部分に少なくとも1つのガス入口を含み、前記ステムの前記側壁の前記少なくとも1本のガス通路は、前記ステムの前記下面に少なくとも1つのガス入口を含む、基板台座。
【請求項9】
請求項に記載の基板台座であって、
前記アダプタの前記少なくとも1本のガス通路は、前記ステムの前記側壁に位置付けられた前記少なくとも1本のガス通路と流体連通し、前記ステムの前記下面の前記少なくとも1つのガス入口は、前記ステムが前記アダプタに装着されるときに前記アダプタの上面の少なくとも1つのガス出口と流体連通するように構成されている、基板台座。
【請求項10】
請求項に記載の基板台座であって、さらに、
前記ステムの上方部分に結合された保持板であって、基板を支持するように構成された上面、および、前記ステムの前記側壁のそれぞれのガス通路と流体連通している少なくとも1本の保持板ガス通路を有する保持板を備える、基板台座。
【請求項11】
請求項10に記載の基板台座であって、
前記少なくとも1本の保持板ガス通路は、基板処理動作時に前記保持板上の基板に裏側ガスを供給するように構成されている、基板台座。
【請求項12】
請求項に記載の基板台座であって、
前記ステムは、前記ステムの下方部分と前記ステムの上方部分との間に減少した断面領域を有し、前記減少した断面領域は、前記ステムから前記アダプタへの熱伝達を制限するために熱的な絞りを提供する、基板台座。
【請求項13】
基板台座であって、
円筒状内部領域を画定する側壁を有するアダプタであって、前記側壁は、上面および前記上面から対向する端に位置付けられた下面を有し、前記アダプタの前記側壁は、前記アダプタの前記下面から前記アダプタの前記上面に前記側壁を横断する少なくとも1本のガス通路を含む、アダプタと、
円筒状内部領域を画定する側壁を有するステムであって、前記側壁は、下面および前記下面から対向する端に位置付けられた上面を有し、前記下面は、前記ステムを前記アダプタの前記側壁の前記上面に結合するように構成され、前記側壁の前記上面は、保護板を支持するように構成され、前記ステムの前記下面は、上に形成された環状ガス流路を含み、前記ステムの前記側壁は、前記ステムの前記下面から前記ステムの前記上面に前記側壁を横断する少なくとも1本のガス通路を含み、前記ステムの前記下面は、さらに、前記ステムの前記少なくとも1本のガス通路の半径方向内側に位置付けられた内側溝、および、前記ステムの前記少なくとも1本のガス通路の半径方向外側に位置付けられた外側溝を含む、ステムと、備え、
前記アダプタの前記少なくとも1本のガス通路および前記ステムの前記少なくとも1本のガス通路は、少なくとも前記環状ガス流路を通じて互いに液体流通しており、
前記内側溝は、前記アダプタの前記円筒状内部領域と前記アダプタの前記少なくとも1本のガス通路との間に内側真空シールを形成するように、内側Oリングを受け入れるように構成され、前記外側溝は、前記アダプタの前記側壁の周囲領域と前記アダプタの前記少なくとも1本のガス通路との間に外側真空シールを形成するように、外側Oリングを受け入れるように構成されており、
前記内側溝の半径方向外側に位置付けられた前記外側溝は、前記環状ガス流路の一部を形成し、前記外側Oリングは、結合された外側溝および環状ガス流路の半径方向外側の部分に配置されるように構成されている、基板台座。
【請求項14】
請求項13に記載の基板台座であって、さらに、
前記ステムの上方部分に結合された保持板であって、基板を支持するように構成された上面、および、前記ステムの前記側壁のそれぞれのガス通路と流体連通している少なくとも1本の保持板ガス通路を有する保持板を備える、基板台座。
【請求項15】
請求項14に記載の基板台座であって、
前記少なくとも1本の保持板ガス通路は、基板処理動作時に前記保持板上の基板に裏側ガスを供給するように構成されている、基板台座。
【請求項16】
請求項13に記載の基板台座であって、
前記ステムは、前記ステムの下方部分と前記ステムの上方部分との間に減少した断面領域を有し、前記減少した断面領域は、前記ステムから前記アダプタへの熱伝達を制限するために熱的な絞りを提供する、基板台座。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体基板を処理するための半導体基板処理装置に関し、半導体基板の上面に薄膜を堆積させるように動作可能であるプラズマ支援式化学気相成長処理装置において特定の使用を見出せるだろう。
【背景技術】
【0002】
エッチング、物理蒸着(PVD)、化学気相成長(CVD)、プラズマ支援式化学気相成長(PECVD)、原子層堆積(ALD)、プラズマ支援式原子層堆積(PEALD)、パルス堆積層(PDL)、プラズマ支援式パルス堆積層(PEPDL)処理、及びレジスト除去などの技術によって半導体基板を処理するために、半導体基板処理装置が使用される。半導体基板処理装置の一種は、上部電極と下部電極とを収容した反応チャンバを含むプラズマ処理装置であり、プロセスガスを励起させてプラズマ状態にして反応チャンバ内で半導体基板を処理するために、電極間に高周波(RF)電力が印加される。
【発明の概要】
【0003】
本明細書で開示されるのは、ステム(軸部)の下面と、ステムを支持するアダプタ(加減部)の上面との間に最小化された装着面積を有する高温基板台座モジュールを含む、半導体基板を処理するための半導体基板処理装置である。半導体基板処理装置は、半導体基板が処理されえる処理ゾーンを含む真空チャンバと、プロセスガス源からのプロセスガスが通って真空チャンバの処理ゾーンに供給されるシャワーヘッドモジュールと、基板台座モジュールとを含む。基板台座モジュールは、処理時に半導体基板を支持するように構成された上面を有する保持板と、円筒状内部領域を画定する側壁、下面、及び保持板を支持する上端を有するセラミック材料のステムと、円筒状内部領域を画定する側壁及びステムの下面に装着される上面を有するアダプタとを含む。
【0004】
ステムの下面は、ステムの側壁内に位置付けられた対応するガス通路と流体連通している少なくとも1つのガス入口を含む。この少なくとも1つのガス入口は、アダプタの上面内の環状ガス流路内に位置付けられた少なくとも1つのガス出口と流体連通している。アダプタの上面は、上記少なくとも1つのガス出口の半径方向内側に位置付けられた内側溝と、この内側溝の半径方向外側に位置付けられた外側溝とを含む。内側溝は、処理時にアダプタの円筒状内部領域と少なくとも1つのガス出口との間に内側真空シールを形成するように、内側Oリングを中に有する。外側溝は、処理時にアダプタの側壁の周囲領域と少なくとも1つのガス出口との間の領域に外側真空シールを形成するように、外側Oリングを中に有する。保持板は、ステムの側壁内の対応するガス通路と流体連通している少なくとも1本の保持板ガス通路を含み、裏側ガスは、この保持板ガス通路を通して、保持板の上面で支持されている半導体基板の下方の領域に処理時に供給することができる。
【0005】
やはり本明細書で開示されるのは、半導体基板処理装置の高温基板台座モジュールである。高温基板台座モジュールは、処理時に半導体基板を支持するように構成された上面を有する保持板と、円筒状内部領域を画定する側壁、下面、及び保持板を支持する上端を有するステムとを含む。ステムの下面は、アダプタの上面に装着されるように構成される。ステムの下面は、少なくとも1つのガス入口を中に有する環状ガス流路を含み、少なくとも1つのガス入口は、ステムの側壁内に位置付けられた対応するガス通路と流体連通しており、ステムの下面内の少なくとも1つのガス入口は、ステムがアダプタに装着されるときにアダプタの上面内の少なくとも1つのガス出口と流体連通するように構成される。保持板は、ステムの側壁内の対応するガス通路と流体連通している少なくとも1本の保持板ガス通路を含み、裏側ガスは、この保持板ガス通路を通して、保持板の上面で支持されている半導体基板の下方の領域に処理時に供給することができる。
【0006】
本明細書で更に開示されるのは、半導体基板処理装置の高温基板台座モジュールのアダプタである。アダプタは、半導体基板処理装置の真空チャンバ内で基板台座モジュールのステムを支持するように構成される。アダプタは、アダプタの円筒状内部領域を画定する側壁と、ステムの下面に装着されるように構成された上面とを含む。アダプタの上面は、アダプタの側壁内に位置付けられた対応するガス通路と流体連通している少なくとも1つのガス出口を有する環状ガス流路を含む。少なくとも1つのガス出口は、アダプタの上面がステムの下面に装着されるときにステムの下面内の少なくとも1つのガス入口と流体連通するように構成される。アダプタの上面は、上記少なくとも1つのガス出口の半径方向内側に位置付けられた内側溝と、該内側溝の半径方向外側に位置付けられた外側溝とを含む。内側溝は、処理時にアダプタの円筒状内部領域と少なくとも1つのガス出口との間に内側真空シールが形成されるように、アダプタがステムに装着されるときに内側Oリングを中に含むように構成される。外側溝は、処理時にアダプタの側壁の周囲領域と少なくとも1つのガス出口との間の領域に外側真空シールが形成されるように、アダプタがステムに装着されるときに外側Oリングを中に含むように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本明細書で開示される実施形態にしたがって化学析出装置の概要を示した説明図である。
【0008】
図2】本明細書で開示される一実施形態にしたがった基板台座モジュールの断面を示した図である。
【0009】
図3】本明細書で開示される一実施形態にしたがった基板台座モジュールの断面を示した図である。
【0010】
図4】本明細書で開示される一実施形態にしたがった基板台座モジュールの断面を示した図である。
【0011】
図5】本明細書で開示される一実施形態にしたがった基板台座モジュールの断面を示した図である。
【0012】
図6】本明細書で開示される一実施形態にしたがった基板台座モジュールの断面を示した図である。
図7】本明細書で開示される一実施形態にしたがった基板台座モジュールの断面を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の詳細な説明では、本発明で開示される装置及び方法の完全な理解を与えるために、数々の具体的な実施形態が記載されている。しかしながら、当業者にならば明らかなように、これらの実施形態は、これらの具体的詳細を伴わずとも又は代替の要素若しくはプロセスを使用しても実施されえる。また、本明細書で開示される実施形態の態様を不必要に不明瞭にしないために、周知のプロセス、手順、及び/又は構成要素は詳細に説明されていない。本明細書で使用される「約」という用語は、±10%を意味する。
【0014】
これらの実施形態は、化学気相成長装置又はプラズマ支援式化学気相成長装置などの半導体基板処理装置内で半導体基板を処理するための装置及び関連の方法を提供する。これらの装置及び方法は、処理されている半導体基板が約550℃から約650℃又はそれ以上のような約550℃を超える温度に加熱される高温堆積プロセスなどの半導体基板の高温処理と併せた使用にとりわけ適用可能である。
【0015】
本明細書で開示される実施形態は、プラズマ支援式化学析出装置(即ち、PECVD装置、PEALD装置、又はPEPDL装置)に組み込まれることが好ましく、ただし、そのように限定はされない。図1は、本明細書で開示されるような実施形態を実現するように配置された様々な半導体基板プラズマ処理装置の構成要素を描いた簡易ブロック図を提供している。図に示されるように、半導体基板プラズマ処理装置300は、処理ゾーン内にプラズマを収容する働きをする真空チャンバ324を含み、プラズマは、上部RF電極(不図示)を中に有するシャワーヘッドモジュール314が、下部RF電極(不図示)を中に有する基板台座モジュール320と連携することによって生成することができる。真空チャンバ324内で半導体基板316の上面の上方の処理ゾーンに供給されるプロセスガスをプラズマ状態に活性化し、真空チャンバ324内でプラズマによる堆積プロセスが実施されえるように、少なくとも1つのRF発生器が、上記処理ゾーンにRFエネルギを供給するように動作可能である。例えば、整合回路網306に、高周波数RF発生器302及び低周波数RF発生器304がそれぞれ接続されてよく、整合回路網306は、真空チャンバ324内で半導体基板316の上方の処理ゾーンにRFエネルギが供給されえるように、シャワーヘッドモジュール314の上部RF電極に接続される。
【0016】
整合回路網306によって真空チャンバ324の内部に供給されるRFエネルギの電力及び周波数は、プロセスガスからプラズマを発生させるのに十分である。一実施形態では、高周波数RF発生器302及び低周波数RF発生器304の両方が使用され、代替の一実施形態では、高周波数RF発生器302のみが使用される。或るプロセスでは、高周波数RF発生器302は、約2~100MHzの周波数で動作されてよく、好ましい一実施形態では、13.56MHz又は27MHzで動作されてよい。低周波数RF発生器304は、約50kHzから2MHzで動作されてよく、好ましい一実施形態では、約350~600kHzで動作されてよい。プロセスパラメータは、チャンバ体積、基板サイズ、及びその他の要素に基づいて増減されてよい。同様に、プロセスガスの流量は、真空チャンバ又は処理ゾーンの自由体積によって決められてよい。
【0017】
基板台座モジュール320の上面は、真空チャンバ324内における処理時に半導体基板316を支持する。基板台座モジュール320は、半導体基板を保持するためのチャック、並びに/又は堆積プロセス及び/若しくはプラズマ処理プロセスの前、最中、及び/若しくは後に半導体基板を昇降させるためのリフトピンを含むことができる。代替の一実施形態では、基板台座モジュール320は、堆積プロセス及び/又はプラズマ処理プロセスの前、最中、及び/若しくは後に半導体基板を昇降させるためのキャリアリングを含むことができる。チャックは、静電式チャック、機械式チャック、又は産業及び/若しくは研究で使用可能であるその他の様々なタイプのチャックであってよい。静電式チャックを含む、基板台座モジュールのためのリフトピンアセンブリの詳細は、参照によって本明細書に全体を組み込まれる同一出願人による米国特許第8,840,754号で見受けられる。基板台座モジュールのためのキャリアリングの詳細は、参照によって本明細書に全体を組み込まれる同一出願人による米国特許第6,860,965号で見受けられる。裏側ガス供給部341は、基板台座モジュール320を通して半導体基板の下面の下方の領域に熱伝達ガス又はパージガスを供給するように動作可能である。基板台座モジュール320は、下部RF電極を中に含み、この下部RF電極は、処理時に接地されていることが好ましく、ただし、代替の一実施形態では、この下部RF電極は、処理時にRFエネルギを供給されてよい。
【0018】
半導体基板プラズマ処理装置300の真空チャンバ324内で半導体基板を処理するために、プロセスガス源362から入口312及びシャワーヘッドモジュール314を通じて真空チャンバ324にプロセスガスが導入され、プロセスガスは、半導体基板の上面に膜が堆積されえるように、RFエネルギによってプラズマ状態にされる。一実施形態では、プロセスガス源362は、加熱されたマニホールド308に接続された複数のガスライン310を含むことができる。ガスは、事前に混合されてよい、又は別々にチャンバに供給されてよい。半導体基板処理時にシャワーヘッドモジュール314を通じて正しいガスが送られることを保証するために、適切な弁・質量流量制御メカニズムが用いられる。処理時には、基板台座モジュール320で支持されている半導体基板の下面の下方の領域に、裏側熱伝達ガス又はパージガスが供給される。好ましくは、処理は、化学気相成長処理、プラズマ支援式化学気相成長処理、原子層堆積処理、プラズマ支援式原子層堆積処理、パルス堆積層処理、又はプラズマ支援式パルス堆積層処理のうちの少なくとも1つである。
【0019】
特定の実施形態では、堆積時に、堆積後処理時に、及び/又はその他のプロセス動作時におけるプロセス条件を制御するために、システムコントローラ162が用いられる。コントローラ162は、通常は、1つ以上の記憶装置と、1つ以上のプロセッサとを含む。プロセッサとしては、CPU又はコンピュータ、アナログ及び/又はデジタル入力/出力接続、ステッピングモータ制御盤などが挙げられる。
【0020】
特定の実施形態では、コントローラ162は、装置の全活動を制御する。システムコントローラ162は、処理動作のタイミング、低周波数RF発生器304及び高周波数RF発生器302の動作周波数及び動作出力、前駆体及び不活性ガス及びそれらの相対的混合物の流量及び温度、基板台座モジュール320の上面で支持される半導体基板316及びシャワーヘッドモジュール314のプラズマ照射表面の温度、真空チャンバ324の圧力、並びに特定のプロセスのその他のパラメータを制御するための命令一式を含むシステム制御ソフトウェアを実行する。実施形態によっては、コントローラに関係付けられた記憶装置に格納されたその他のコンピュータプログラムが用いられてよい。
【0021】
通常は、コントローラ162に、ユーザインターフェースが関係付けられている。ユーザインターフェースとしては、ディスプレイ画面、装置及び/又はプロセス条件のグラフィックソフトウェア表示、ポインティングデバイス、キーボード、タッチ画面、マイクロフォンなどのユーザ入力機器が挙げられる。
【0022】
非一過性のコンピュータマシン読み取り可能媒体は、装置の制御のためのプログラム命令を含むことができる。処理動作を制御するためのコンピュータプログラムコードは、例えば、アセンブリ言語、C、C++、Pascal、Fortranなどの、従来の任意のコンピュータ読み取り可能プログラミング言語で記述することができる。プログラムに指定されたタスクを実施するために、コンパイル済みのオブジェクトコード又はスクリプトがプロセッサによって実行される。
【0023】
コントローラパラメータは、例えば、処理工程のタイミング、前駆体及び不活性ガスの流量及び温度、半導体基板の温度、チャンバの圧力、及び特定のプロセスのその他のパラメータなどの、プロセス条件に関する。これらのパラメータは、レシピの形式でユーザに提供され、ユーザインターフェースを用いて入力されてよい。
【0024】
システムコントローラのアナログ及び/又はデジタル入力接続によって、プロセスを監視するための信号が提供されてよい。プロセスを制御するための信号は、装置のアナログ及びデジタル出力接続に載せて出力される。
【0025】
システムソフトウェアは、様々に設計又は構成されてよい。例えば、堆積プロセスを実施するために必要とされるチャンバ構成要素の動作を制御するために、様々なチャンバ構成要素サブルーチン又は制御オブジェクトが記述されてよい。これを目的としたプログラム又はプログラム部分の例として、基板処理段階のタイミングのコード、前駆体及び不活性ガスの流量及び温度のコード、並びに真空チャンバ324の圧力のためのコードが挙げられる。
【0026】
図2~7は、本明細書で開示される実施形態にしたがった基板台座モジュール320の断面を示している。図2~7に示されるように、基板台座モジュール320は、セラミック材料で作成された露出表面を有する保持板205を含む。保持板205は、半導体基板の処理時に半導体基板を支持するように動作可能である上面206を有する。セラミック材料で作成されたステム210が、保持板205の下面から下方に伸び、ステム210の上端214は、保持板205を支持する。好ましくは、ステム205の上端214は、保持板205のセラミック下面に接合(蝋付け、溶接、拡散接合、又はその他の適切な技術によって接合)される上方フランジ(突縁)を含む。基板台座モジュール320のステム210及び保持板205を、アルミニウム又はアルミニウム合金などの金属材料ではなくセラミック材料で作成することによって、基板台座モジュール320は、約550℃を超える温度又は約650℃を超える温度などの、高温基板処理時における高温に耐えられるだろう。
【0027】
保持板205は、少なくとも1つの静電把持電極209を埋め込まれて含むことができ、この少なくとも1つの静電把持電極209は、処理時に半導体基板を保持板205の上面206に静電的に把持するように動作可能である。図2及び図4~7に示されるように、保持板205は、下部RF電極265も含むことができ、この下部RF電極265は、半導体基板の処理時に接地されてよい、又はRF電力を供給されてよい。好ましくは、図3に示されるように、保持板205は、静電把持電極及びRF電極の両方として機能する単極209aのみを埋め込まれて含む。図2~7に戻り、保持板205は、処理時に保持板205の上面206全域の温度を及びそれによって半導体基板全域の温度を制御するように動作可能である少なくとも1つのヒータ260を埋め込まれて含むこともできる。少なくとも1つのヒータ260は、電気抵抗性のヒータ膜、及び/又は1つ以上の熱電モジュールを含むことができる。好ましくは、少なくとも1つの静電把持電極209、少なくとも1つのヒータ260、単極209a、及び/又は下部RF電極265への電気的接続が、ステム210の側壁211によって画定されたステム210の円筒状内部領域216内に配される。これらの電気的接続は、保持板205内に形成された、対応する少なくとも1つの静電把持電極209、少なくとも1つのヒータ260、単極209a、及び/又は下部RF電極265と電気的に連絡している電気的接触(不図示)に、それぞれ接続されてよい。このように、少なくとも1つの静電把持電極209、少なくとも1つのヒータ260、単極209a、及び/又は下部RF電極265は、半導体基板の処理時に通電されてよい。
【0028】
一実施形態では、保持板205は、拡散接合によって貼り合わされた個々の層を含むことができ、保持板205のこれらの個々の層間には、少なくとも1つの静電把持電極209、下部RF電極265(又は単極209a)、及び少なくとも1つのヒータ260が挟まれることができる。保持板205の上面206は、メサパターン206aを中に形成されて含むことが好ましく、半導体基板の下面は、このメサパターン206a上で支持され、半導体基板の下方におけるメサパターン206aのメサ間領域には、裏側パージガス又は裏側熱伝達ガスを供給することができる。メサパターン及びその形成方法の代表的な一実施形態は、参照によってその全体を本明細書に組み込まれる同一出願人による米国特許第7,869,184号で見受けられる。一実施形態では、基板台座モジュール320は、保持板205の上部とステム210との間における熱伝達を抑制するように動作可能である熱遮蔽(不図示)を含むことができる。熱遮蔽を含む基板台座モジュールの代表的な一実施形態は、参照によってその全体を本明細書に組み込まれる同一出願人による米国特許第8,753,447号で見受けられる。
【0029】
保持板205の露出表面及びステム210は、セラミック材料で作成されることが好ましく、このような材料は、保持板205及びステム210が処理条件に曝される処理時に基板の汚染を招かないことが好ましいとされる。好ましくは、保持板205の露出表面及びステム210は、窒化アルミニウムで作成される。
【0030】
ステム210は、基板台座モジュール320が半導体基板処理装置の真空チャンバ内で支持可能であるように、アダプタ220の上面223に装着された下面213を含む。アダプタ220は、円筒状内部領域225を画定する側壁221を有する。ステム210の下面213は、ステム210の側壁211内に位置付けられた対応するガス通路217と流体連通している少なくとも1つのガス入口216を含む。ステム210の、少なくとも1つのガス入口216は、アダプタ220の上面223内の少なくとも1つのガス出口224と流体連通しており、この少なくとも1つのガス出口224は、アダプタ220の側壁221内の対応するガス通路232と流体連通している。保持板205は、ステム210の側壁211内の対応するガス通路217と流体連通している少なくとも1本の保持板ガス通路280を含む。裏側ガスは、半導体基板の処理時において、アダプタ220の側壁221内の少なくとも1本のガス通路232と流体連通している裏側ガス供給部から、保持板205の上面206で支持されている半導体基板の下方の領域に、ステム210の少なくとも1本のガス通路217を通じて供給されてよい。
【0031】
次に、図2図5、及び図6を参照すると、アダプタ220の上面223内の少なくとも1つのガス出口224は、アダプタ220の上面223内の環状ガス流路242内に位置付けられることが好ましい。本明細書で言う「環状ガス流路」は、切れ目のない環状経路を形成するガス流路、環状経路の一部に沿って伸びるガス流路、又は共通の中心点を有するそれぞれの環状経路に沿って伸びる互いに流体的に隔離された2本以上のガス流路を意味することができる。アダプタ220の上面223は、また、少なくとも1つのガス出口224の半径方向内側に位置付けられた内側溝226と、この内側溝226の半径方向外側に位置付けられた外側溝227とを含む。内側溝226は、半導体基板の処理時にアダプタ220の円筒状内部領域225と少なくとも1つのガス出口224との間に内側真空シールを形成するように、内側Oリング230を中に有する。外側溝227は、半導体基板の処理時にアダプタ220の側壁221の周囲領域と少なくとも1つのガス出口224との間の領域に外側真空シールを形成するように、外側Oリング231を中に有する。
【0032】
次に、図5及び図6を参照すると、アダプタ220の上面223内の環状ガス流路242は、アダプタ220の外側溝227の半径方向内側の部分に形成されることが好ましく、外側Oリング231は、外側溝227の半径方向外側の部分に配置される。
【0033】
図3図4、及び図7に示されるような、代替の一実施形態では、アダプタ220の上面223内の環状ガス流路242(図2を参照)の代わり又は追加として、ステム210の下面213に環状ガス流路252が含められる。アダプタ220の少なくとも1つのガス出口224は、ステム210の下面213内の環状ガス流路252と流体連通している。ステム210の下面213内の少なくとも1つのガス入口216は、ステム210の下面213内に形成された環状ガス流路252内に位置付けられる。ステム210の下面213が環状ガス流路252を含みアダプタ220の上面223が環状ガス流路242を含む一実施形態では、環状ガス流路242、252は、流体連通するように互いに隣り合うように配置される。
【0034】
図3を参照すると、アダプタ220の上面223は、少なくとも1つのガス出口224の半径方向内側に位置付けられた内側溝226と、この内側溝226の半径方向外側に位置付けられた外側溝227とを含むことが好ましい。内側溝226は、半導体基板の処理時にアダプタ220の円筒状内部領域225と少なくとも1つのガス出口224との間に内側真空シールを形成するように、内側Oリング230を中に有する。外側溝227は、半導体基板の処理時にアダプタ220の側壁221の周囲領域と少なくとも1つのガス出口224との間の領域に外側真空シールを形成するように、外側Oリング231を中に有する。
【0035】
次に、図4を参照すると、ステム210の下面213は、アダプタ220の上面223内の内側溝226及び外側溝227(図2を参照)の代わり又は追加として、内側溝250及び外側溝251を含むことができる。内側溝250は、半導体基板の処理時にアダプタ220の円筒状内部領域225と少なくとも1つのガス出口224との間に内側真空シールを形成するように、内側Oリング230を中に有する。外側溝251は、半導体基板の処理時にアダプタ220の側壁221の周囲領域と少なくとも1つのガス出口224との間の領域に外側真空シールを形成するように、外側Oリング231を中に有する。ステム210の下面213が内側溝250及び外側溝251を含み、アダプタ220の上面223が内側溝226及び外側溝227を含む一実施形態では、内側溝250、226は、内側溝250、226のそれぞれの中に内側Oリング230の一部が含まれるように、互いに隣り合うように配置されることが好ましく、外側溝251、227は、外側溝251、227のそれぞれの中に外側Oリング231の一部が含まれるように、互いに隣り合うように配置されることが好ましい。
【0036】
次に、図7を参照すると、ステム210の下面213内の環状ガス流路252は、ステム210の外側溝251の半径方向内側の部分に形成されることが好ましく、外側Oリング231は、外側溝251の半径方向外側の部分に配置されることが好ましい。
【0037】
次に、図2~7を参照すると、ステム210は、ステム210の側壁211から外向きに延びる下方外側フランジ234の上方におけるステム210の側壁211の厚さが最小限に抑えられて、処理時に保持板205とステム210の下面213との間に熱的な絞りが形成されえるように、下方外側フランジ234を含むことが好ましい。下方外側フランジ234は、基板台座モジュール320のステム210がボルトやネジなどの締め具によってアダプタ220の上面223に装着されえるように、通し穴(不図示)を含むことができる。ステム210の円筒状内部215内及びアダプタ220の円筒状内部225内が正圧に維持されえるように、処理時において、円筒状内部215、225は、流体連通しており、内側Oリング230及び外側Oリング231によって真空環境から密閉されている。円筒状内部領域215、225は、大気に曝されていることが好ましいが、代替の一実施形態では、円筒状内部領域215,225内に不活性ガス又はパージガスがポンプによって投入されてよい。
【0038】
ステム210は、セラミックで形成され、好ましくは、保持板205から、内側Oリング230及び外側Oリング231が位置するステム210の下面213とアダプタ220の上面223との間の境界への熱の伝達を軽減するために、低い熱伝導率を有する。この境界は、低めの温度(例えば、約200℃から約300℃)に維持されることが望ましい。例えば、内側Oリング230及び外側Oリング231は、処理時に曝される温度が高すぎると、機能しなくなり、ステム210の円筒状内部領域215とステム210の側壁211の周囲(真空)領域との間にシールを形成しなくなる。ステム210の側壁211の厚さを薄くすることを可能にする下方外側フランジ234に加えて、ステム210は、ステム210の側壁211から内向きに延びる下方内側フランジ233の上方におけるステム210の側壁211の厚さが最小限に抑えられ、半導体基板の処理時に保持板205とステム210の下面213との間に熱的な絞りが形成されえるように、下方内側フランジ233を含むことが好ましい(図2~4、図6、及び図7を参照)。
【0039】
ステム210の側壁211の厚さは、半導体基板の処理時にステム210の側壁211が保持板205とステム210の下面213との間に熱的な絞りを形成するように、アダプタ220の側壁221の厚さ未満であることが好ましい。一実施形態では、ステム210の下方フランジの上方におけるステム210の側壁211の厚さは、約3mm以下であり、より好ましくは、約2mm以下である。好ましい一実施形態では、ステム210の側壁211の厚さは、好ましくは大気圧に維持されるその円筒状内部領域215と半導体基板の処理時に減圧又は真空圧で運転される側壁211の周囲領域との間における圧力差にステム210が耐えるために必要とされる最小の厚さを僅かに超える厚さであるように選択される。
【0040】
アダプタ220は、アルミニウム又はアルミニウム合金などの金属で形成されることが好ましく、このような材料は、ステム210及び保持板205を形成するために使用される高純度セラミックよりも安価な材料であり、また、処理時に及ぼされる高い圧力差のもとでも壊れにくい。したがって、ステム210の側壁211からの熱的な絞りを形成することによって、保持板205の上面206で支持されている半導体ウエハを処理するために使用される高温(例えば、550℃~650℃又はそれ以上)が、ステム210の下面213から熱的に隔離されえて、したがって、ステム210は、アルミニウム又はアルミニウム合金のアダプタ220の上面223に装着されてよく、Oリング230、231が、高温ゆえに機能しなくなることはないだろう。更に、ステム210の側壁211を熱的な絞りであるように形成することによって、保持板205と下面213との間におけるステム210の長さを短くすること及びアダプタ220の長さを長くすることが可能になり、それによって、材料費が節約される。
【0041】
図6に示されるように、アダプタ220は、その側壁221内に、アダプタ220の上面223内の環状ガス流路242を通じてステム210の側壁211内の少なくとも2本のガス通路217と流体連通している1本のガス通路232を含むことができ、ステム210の側壁211内の各ガス通路217は、保持板の上面で支持されている半導体基板の下方の領域に処理時に裏側ガス供給部によって裏側ガスが供給されえるように、対応する保持板ガス通路280と流体連通している。
【0042】
更なる一実施形態では、アダプタ220の少なくとも1つのガス出口224を、ステム210の、対応する少なくとも1つのガス入口216の1つ以上と位置を揃える又は位置をずらすことができる。例えば、アダプタ220は、その側壁221内に、アダプタ220の上面223内の環状ガス流路242を通じてステム210の側壁211内の少なくとも1本のガス通路217と流体連通している少なくとも1本のガス通路232を含むことができ、アダプタ220の側壁221内の少なくとも1本のガス通路232の少なくとも1つの対応するガス出口224は、ステム210の側壁211内の少なくとも1本のガス通路217の少なくとも1つのガス入口216と位置を揃えられる。或いは、アダプタ220は、その側壁221内に、アダプタ220の上面223内の環状ガス流路242を通じてステム210の側壁211内の少なくとも1本のガス通路217と流体連通している少なくとも1本のガス通路232を含むことができ、アダプタ220の側壁221内の少なくとも1本のガス通路232の少なくとも1つの対応するガス出口224は、ステム210の側壁211内の少なくとも1本のガス通路217の少なくとも1つの対応するガス入口216と位置をずらされる。
【0043】
等温処理ゾーンを含むプラズマ処理装置が、その具体的な実施形態を参照にして詳細に説明されてきたが、当業者にならば、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく様々な変更及び修正を加えること並びに均等物を採用することができることが、明らかである。
本発明は、例えば、以下のような形態で実現することもできる。
[形態1]
ステムの下面と、前記ステムを支持するアダプタの上面との間に最小化された装着面積を有する高温基板台座モジュールを含む、半導体基板を処理するための半導体基板処理装置であって、
半導体基板が処理されえる処理ゾーンを含む真空チャンバと、
プロセスガス源からのプロセスガスが通って前記真空チャンバの前記処理ゾーンに供給されるシャワーヘッドモジュールと、
基板台座モジュールであって、
処理時に半導体基板を支持するように構成された上面を有する保持板と、
円筒状内部領域を画定する側壁、下面、及び、前記保持板を支持する上端を有するセラミック材料のステムと、
円筒状内部領域を画定する側壁、及び、前記ステムの前記下面に装着される上面を有するアダプタと、
を含む基板台座モジュールと、
を備え、
前記ステムの前記下面は、前記ステムの前記側壁内に位置付けられた対応するガス通路と流体連通している少なくとも1つのガス入口を含み、前記少なくとも1つのガス入口は、前記アダプタの前記上面内の環状ガス流路内に位置付けられた少なくとも1つのガス出口と流体連通しており、前記アダプタの前記上面は、前記少なくとも1つのガス出口の半径方向内側に位置付けられた内側溝と、前記内側溝の半径方向外側に位置付けられた外側溝とを含み、前記内側溝は、処理時に前記アダプタの前記円筒状内部領域と前記少なくとも1つのガス出口との間に内側真空シールを形成するように、内側Oリングを中に有し、前記外側溝は、処理時に前記アダプタの前記側壁の周囲領域と前記少なくとも1つのガス出口との間の領域に外側真空シールを形成するように、外側Oリングを中に有し、
前記保持板は、前記ステムの前記側壁内の対応するガス通路と流体連通している少なくとも1本の保持板ガス通路を含み、裏側ガスは、前記保持板ガス通路を通して、前記保持板の前記上面で支持されている半導体基板の下方の領域に処理時に供給することができる、半導体基板処理装置。
[形態2]
形態1に記載の半導体基板処理装置であって、
前記アダプタの前記上面内の前記環状ガス流路は、前記アダプタの前記外側溝の半径方向内側の部分に形成され、前記外側Oリングは、前記外側溝の半径方向外側の部分に配置される、半導体基板処理装置。
[形態3]
形態1に記載の半導体基板処理装置であって、
(a)前記ステムの前記下面は、前記アダプタの前記上面内の前記環状ガス流路に隣接する環状ガス流路を含み、前記ステムの前記少なくとも1つのガス入口は、前記アダプタの前記上面内の前記環状ガス流路及び前記ステムの前記下面内の前記環状ガス流路と流体連通している、又は
(b)前記ステムの前記下面は、前記アダプタの前記内側溝に隣接する内側溝を含み、前記内側Oリングの一部が、前記ステムの前記内側溝内にあり、前記ステムの前記下面は、前記アダプタの前記外側溝に隣接する外側溝を含み、前記外側Oリングの一部が、前記ステムの前記外側溝内にある、又は
(c)前記ステムの前記下面は、前記アダプタの前記内側溝に隣接する内側溝を含み、前記内側Oリングの一部が、前記ステムの前記内側溝内にあり、前記ステムの前記下面は、前記アダプタの前記外側溝に隣接する外側溝を含み、前記外側Oリングの一部が、前記ステムの前記外側溝内にあり、前記ステムの前記下面は、更に、前記アダプタの前記上面内の前記環状ガス流路に隣接する環状ガス流路を含み、前記ステムの前記少なくとも1つのガス入口は、前記ステムの前記環状ガス流路内にあり、前記ステムの前記環状ガス流路は、前記アダプタの前記環状ガス流路と流体連通している、又は
(d)前記ステムの前記下面は、前記アダプタの前記内側溝に隣接する内側溝を含み、前記内側Oリングの一部が、前記ステムの前記内側溝内にあり、前記ステムの前記下面は、前記アダプタの前記外側溝に隣接する外側溝を含み、前記外側Oリングの一部が、前記ステムの前記外側溝内にあり、前記ステムの前記少なくとも1つのガス入口は、前記ステムの前記外側溝の半径方向内側の部分に位置付けられ、前記ステムの前記外側溝の前記半径方向内側の部分は、前記アダプタの前記環状ガス流路と流体連通している環状ガス流路を形成し、前記外側Oリングは、前記ステムの前記外側溝の半径方向外側の部分にある、半導体基板処理装置。
[形態4]
形態1に記載の半導体基板処理装置であって、
前記半導体基板処理装置は、
(a)前記処理ゾーン内で前記プロセスガスをプラズマ状態に活性化するように適応されたRFエネルギ源、
(b)前記半導体基板処理装置によって実施されるプロセスを制御するように構成された制御システム、及び/又は
(c)前記半導体基板処理装置の制御のためのプログラム命令を含む非一過性のコンピュータマシン読み取り可能媒体
を含む、半導体基板処理装置。
[形態5]
形態1に記載の半導体基板処理装置であって、
(a)前記ステムは、前記ステムの前記側壁から内向きに延びる下方内側フランジであって、前記下方内側フランジの上方における前記ステムの前記側壁の厚さが、処理時に前記保持板と前記ステムの前記下面との間に熱的な絞りを形成するように構成された下方内側フランジを含む、及び/又は
(b)前記ステムは、前記ステムの前記側壁から外向きに延びる下方外側フランジであって、前記下方外側フランジの上方における前記ステムの前記側壁の厚さが、処理時に前記保持板と前記ステムの前記下面との間に熱的な絞りを形成するように構成された下方外側フランジを含む、半導体基板処理装置。
[形態6]
形態1に記載の半導体基板処理装置であって、
(a)前記ステムの前記側壁の厚さは、前記ステムの前記側壁が処理時に前記保持板と前記ステムの前記下面との間に熱的な絞りを形成するように、前記アダプタの前記側壁の厚さ未満である、
(b)前記ステムの下方フランジの上方における前記ステムの前記側壁の厚さは、約3mm以下若しくは約2mm以下である、
(c)前記アダプタは、アルミニウム若しくはアルミニウム合金で作成される、及び/又は
(d)前記保持板の露出表面は、セラミック材料で作成される、
半導体基板処理装置。
[形態7]
形態1に記載の半導体基板処理装置であって、
前記高温基板台座モジュールは、更に、
(a)前記保持板に埋め込まれた少なくとも1つの静電把持電極、
(b)前記保持板に埋め込まれた底部RF電極、
(c)前記保持板に埋め込まれたヒータ、
(d)前記保持板の前記上面に対して半導体基板を昇降させるように構成されたキャリアリング、
(e)前記保持板の前記上面に対して半導体基板を昇降させるように構成された複数のリフトピン、又は
(f)前記高温基板台座モジュールに埋め込まれ、静電把持電極及びRF電極として機能するように動作可能である単極、
を含む、半導体基板処理装置。
[形態8]
形態1に記載の半導体基板処理装置であって、
(a)前記アダプタは、その側壁内に、前記アダプタの前記上面内の前記環状ガス流路を通じて前記ステムの前記側壁内の少なくとも2本のガス通路と流体連通している1本のガス通路を含み、前記ステムの前記側壁内の各ガス通路は、前記保持板の前記上面で支持されている半導体基板の下方の領域に処理時に裏側ガスが供給されえるように、対応する保持板ガス通路と流体連通している、及び/又は
(b)前記アダプタは、その側壁内に、前記アダプタの前記上面内の前記環状ガス流路を通じて前記ステムの前記側壁内の少なくとも1本のガス通路と流体連通している少なくとも1本のガス通路を含み、前記アダプタの前記側壁内の前記少なくとも1本のガス通路の少なくとも1つの対応するガス出口は、前記ステムの前記側壁内の前記少なくとも1本のガス通路の少なくとも1つの対応するガス入口と位置を揃えられる、若しくは前記アダプタの前記対応するガス出口は、前記ステムの前記対応するガス入口と位置をずらされる、半導体基板処理装置。
[形態9]
形態1に記載の半導体基板処理装置であって、更に、
前記保持板の前記上面で支持されている半導体基板の下方の領域に前記ステムの前記側壁を通して処理時に裏側熱伝達ガス又はパージガスが供給されえるように、前記アダプタの前記側壁内に位置付けられた少なくとも1本のガス通路に裏側熱伝達ガス又はパージガスを供給するように動作可能である裏側ガス供給部を備える半導体基板処理装置。
[形態10]
半導体基板処理装置の高温基板台座モジュールであって、
処理時に半導体基板を支持するように構成された上面を有する保持板と、
円筒状内部領域を画定する側壁、下面、及び前記保持板を支持する上端を有するステムであって、前記ステムの前記下面は、アダプタの上面に装着されるように構成される、ステムと、
を備え、
前記ステムの前記下面は、少なくとも1つのガス入口を中に有する環状ガス流路を含み、前記少なくとも1つのガス入口は、前記ステムの前記側壁内に位置付けられた対応するガス通路と流体連通しており、前記ステムの前記下面内の前記少なくとも1つのガス入口は、前記ステムがアダプタに装着されるときに前記アダプタの上面内の少なくとも1つのガス出口と流体連通するように構成され、
前記保持板は、前記ステムの前記側壁内の対応するガス通路と流体連通している少なくとも1本の保持板ガス通路を含み、裏側ガスは、前記保持板ガス通路を通して、前記保持板の前記上面で支持されている半導体基板の下方の領域に処理時に供給することができる、高温基板台座モジュール。
[形態11]
形態10に記載の高温基板台座モジュールであって、更に、
(a)前記ステムの前記下面が上面に装着されるアダプタであって、前記アダプタの前記上面は、前記ステムの前記少なくとも1つのガス入口と流体連通している少なくとも1つのガス出口を有する環状ガス流路と、前記少なくとも1つのガス出口の半径方向内側にある内側溝であって、前記内側溝内に、処理時に前記ステムの前記円筒状内部領域と前記ステムの前記下面内の前記少なくとも1つのガス入口との間に内側真空シールを形成するように内側Oリングがある内側溝と、前記内側溝の半径方向外側にある外側溝であって、前記外側溝内に、処理時に前記ステムの前記側壁の周囲領域と前記ステムの前記下面内の前記少なくとも1つのガス入口との間に外側真空シールを形成するように外側Oリングがある外側溝とを含む、アダプタ、
(b)前記ステムの前記下面が上面に装着されるアダプタであって、前記アダプタの前記上面は、前記ステムの前記少なくとも1つのガス入口と流体連通している少なくとも1つのガス出口と、前記少なくとも1つのガス出口の半径方向内側にある内側溝であって、前記内側溝内に、処理時に前記ステムの前記円筒状内部領域と前記ステムの前記少なくとも1つのガス入口との間に内側真空シールを形成するように内側Oリングがある内側溝と、前記内側溝の半径方向外側にある外側溝であって、前記外側溝内に、処理時に前記ステムの前記側壁の周囲領域と前記ステムの前記少なくとも1つのガス入口との間に外側真空シールを形成するように外側Oリングがある外側溝とを含む、アダプタ、
(c)前記ステムの前記下面が上面に装着されるアダプタであって、前記アダプタの前記上面は、前記ステムの前記少なくとも1つのガス入口と流体連通している少なくとも1つのガス出口を有する環状ガス流路と、前記少なくとも1つのガス出口の半径方向内側にある内側溝であって、前記内側溝内に、処理時に前記ステムの前記円筒状内部領域と前記ステムの前記下面内の前記少なくとも1つのガス入口との間に内側真空シールを形成するように内側Oリングがある内側溝と、前記内側溝の半径方向外側にある外側溝であって、前記外側溝内に、処理時に前記ステムの前記側壁の周囲領域と前記ステムの前記下面内の前記少なくとも1つのガス入口との間に外側真空シールを形成するように外側Oリングがある外側溝とを含み、前記ステムの前記下面は、前記アダプタの前記内側溝に隣接する内側溝と、前記アダプタの前記外側溝に隣接する外側溝とを含み、前記ステムの前記内側溝は、前記内側Oリングの一部を中に含み、前記ステムの前記外側溝は、前記外側Oリングの一部を中に含む、アダプタ、又は
(d)前記ステムの前記下面が上面に装着されるアダプタであって、前記アダプタの前記上面は、前記ステムの前記少なくとも1つのガス入口と流体連通している少なくとも1つのガス出口と、前記少なくとも1つのガス出口の半径方向内側にある内側溝であって、前記内側溝内に、処理時に前記ステムの前記円筒状内部領域と前記ステムの前記少なくとも1つのガス入口との間に内側真空シールを形成するように内側Oリングがある内側溝と、前記内側溝の半径方向外側にある外側溝であって、前記外側溝内に、処理時に前記ステムの前記側壁の周囲領域と前記ステムの前記少なくとも1つのガス入口との間に外側真空シールを形成するように外側Oリングがある外側溝とを含み、前記ステムの前記下面は、前記アダプタの前記内側溝に隣接する内側溝と、前記アダプタの前記外側溝に隣接する外側溝とを含み、前記ステムの前記内側溝は、前記内側Oリングの一部を中に含み、前記ステムの前記外側溝は、前記外側Oリングの一部を中に含む、アダプタ
を備える高温基板台座モジュール。
[形態12]
形態10に記載の高温基板台座モジュールであって、
(a)前記ステムの前記下面は、処理時に前記ステムの前記円筒状内部領域と前記少なくとも1つのガス入口との間に内側真空シールを形成するように、前記アダプタの前記上面に前記ステムの前記下面が装着されるときに内側Oリングを中に含むように構成された、前記少なくとも1つのガス入口の半径方向内側にある内側溝と、処理時に前記ステムの前記側壁の周囲領域と前記少なくとも1つのガス入口との間に外側真空シールを形成するように、前記アダプタの前記上面に前記ステムの前記下面が装着されるときに外側Oリングを含むように構成された、前記少なくとも1つのガス入口の半径方向外側にある外側溝とを含む、又は
(b)前記ステムの前記下面は、処理時に前記ステムの前記円筒状内部領域と前記少なくとも1つのガス入口との間に内側真空シールを形成するように、前記アダプタの前記上面に前記ステムの前記下面が装着されるときに内側Oリングを中に含むように構成された、前記少なくとも1つのガス入口の半径方向内側にある内側溝と、処理時に前記ステムの前記側壁の周囲領域と前記少なくとも1つのガス入口との間に外側真空シールを形成するように、前記アダプタの前記上面に前記ステムの前記下面が装着されるときに外側Oリングを含むように構成された、前記少なくとも1つのガス入口の半径方向外側にある外側溝とを含み、前記ステムの前記環状ガス流路は、前記ステムの前記外側溝の半径方向内側の部分に形成され、前記外側Oリングは、前記ステムが前記アダプタに装着されるときに前記外側溝の半径方向外側の部分にあるように構成される、高温基板台座モジュール。
[形態13]
形態10に記載の高温基板台座モジュールであって、
(a)前記ステムは、前記ステムの前記側壁から内向きに延びる下方内側フランジであって、前記下方内側フランジの上方における前記ステムの前記側壁の厚さが、処理時に前記保持板と前記ステムの前記下面との間に熱的な絞りを形成するように構成された下方内側フランジを含む、及び/又は
(b)前記ステムは、前記ステムの前記側壁から外向きに延びる下方外側フランジであって、前記下方外側フランジの上方における前記ステムの前記側壁の厚さが、処理時に前記保持板と前記ステムの前記下面との間に熱的な絞りを形成するように構成された下方外側フランジを含む、高温基板台座モジュール。
[形態14]
形態10に記載の高温基板台座モジュールであって、
(a)前記ステムの前記側壁の厚さは、前記ステムの前記側壁が処理時に前記保持板と前記ステムの前記下面との間に熱的な絞りを形成するように、前記ステムが装着されえる前記アダプタの前記側壁の厚さ未満であるように構成される、
(b)前記ステムの下方フランジの上方における前記ステムの前記側壁の厚さは、約3mm以下若しくは約2mm以下である、及び/又は
(c)前記保持板の露出表面は、セラミック材料で作成される、高温基板台座モジュール。
[形態15]
形態10に記載の高温基板台座モジュールであって、
前記高温基板台座モジュールは、更に、
(a)前記保持板に埋め込まれた少なくとも1つの静電把持電極、
(b)前記保持板に埋め込まれた底部RF電極、
(c)前記保持板に埋め込まれたヒータ、
(d)前記保持板の前記上面に対して半導体基板を昇降させるように構成されたキャリアリング、
(e)前記保持板の前記上面に対して半導体基板を昇降させるように構成された複数のリフトピン、又は
(f)前記高温基板台座モジュールに埋め込まれ、静電把持電極及びRF電極として機能するように動作可能である単極
を含む、高温基板台座モジュール。
[形態16]
半導体基板処理装置の高温基板台座モジュールのアダプタであって、前記半導体基板処理装置の真空チャンバ内で前記基板台座モジュールのステムを支持するように構成され、前記アダプタは、
前記アダプタの円筒状内部領域を画定する側壁と、ステムの下面に装着されるように構成された上面と、を備え、
前記アダプタの前記上面は、前記アダプタの前記側壁内に位置付けられた対応するガス通路と流体連通している少なくとも1つのガス出口を含む環状ガス流路を含み、
前記少なくとも1つのガス出口は、前記アダプタの前記上面が前記ステムの下面に装着されるときに前記ステムの前記下面内の少なくとも1つのガス入口と流体連通するように構成され、
前記アダプタの前記上面は、前記少なくとも1つのガス出口の半径方向内側に位置付けられた内側溝と、前記内側溝の半径方向外側に位置付けられた外側溝とを含み、
前記内側溝は、処理時に前記アダプタの前記円筒状内部領域と前記少なくとも1つのガス出口との間に内側真空シールが形成されるように、前記アダプタが前記ステムに装着されるときに内側Oリングを中に含むように構成され、
前記外側溝は、処理時に前記アダプタの前記側壁の周囲領域と前記少なくとも1つのガス出口との間の領域に外側真空シールが形成されるように、前記アダプタが前記ステムに装着されるときに外側Oリングを中に含むように構成される、アダプタ。
[形態17]
形態16に記載のアダプタであって、
前記アダプタの前記上面内の前記環状ガス流路は、前記アダプタの前記外側溝の半径方向内側の部分に形成され、前記外側Oリングは、前記外側溝の半径方向外側の部分に配置される、アダプタ。
[形態18]
形態1に記載の半導体基板処理装置内で半導体基板を処理する方法であって、
前記プロセスガス源から前記処理ゾーン内へ前記プロセスガスを供給することと、
前記保持板の前記上面で支持されている半導体基板を処理することであって、前記ステムの前記少なくとも1本のガス通路を通じて前記アダプタの少なくとも1本のガス通路と流体連通している前記少なくとも1本の保持板ガス通路を通して裏側熱伝達ガス又はパージガスを供給することを含み、前記裏側ガスは、処理されている前記半導体基板の下方の領域に供給される、ことと、
を備える方法。
[形態19]
形態18に記載の方法であって、
前記保持板の前記上面は、少なくとも約600℃の温度であり、前記ステムと前記アダプタとの間の境界は、約300℃未満の温度である、方法。
[形態20]
形態18に記載の方法であって、
前記処理は、化学気相成長、プラズマ支援式化学気相成長、原子層堆積、プラズマ支援式原子層堆積、パルス堆積層、及び/又はプラズマ支援式パルス堆積層のうちの少なくとも1つである、方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7