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特許7320905車載ワイヤハーネス用フロアカバー及び車載ワイヤハーネスの保護構造
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  • 特許-車載ワイヤハーネス用フロアカバー及び車載ワイヤハーネスの保護構造 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-27
(45)【発行日】2023-08-04
(54)【発明の名称】車載ワイヤハーネス用フロアカバー及び車載ワイヤハーネスの保護構造
(51)【国際特許分類】
   B60R 16/02 20060101AFI20230728BHJP
   H02G 3/22 20060101ALI20230728BHJP
【FI】
B60R16/02 620A
B60R16/02 623T
H02G3/22
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019228122
(22)【出願日】2019-12-18
(65)【公開番号】P2021095022
(43)【公開日】2021-06-24
【審査請求日】2022-04-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000110321
【氏名又は名称】トヨタ車体株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】391045897
【氏名又は名称】古河AS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】纐纈 明仁
(72)【発明者】
【氏名】田口 博之
(72)【発明者】
【氏名】岡本 陽介
(72)【発明者】
【氏名】池本 浩平
(72)【発明者】
【氏名】金次 良高
【審査官】菅 和幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-309523(JP,A)
【文献】実開平01-096721(JP,U)
【文献】特開2012-152072(JP,A)
【文献】特開平11-291842(JP,A)
【文献】特開2004-166431(JP,A)
【文献】特開平08-331732(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 16/02
H02G 3/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体のフロアパネルを上下に貫通する貫通孔に挿通して配索されるワイヤハーネスを備える車両に適用され、前記ワイヤハーネスと共に前記貫通孔を上方から覆うフロアカバーにおいて、
前記貫通孔を上方から覆うとともに、前記ワイヤハーネスを逃がす逃がし凹部を有するカバー本体と、
前記カバー本体から下方に向けて突設され、前記フロアパネルよりも下方において前記ワイヤハーネスを覆う保護壁と
前記保護壁に対して前記ワイヤハーネスとは反対側において前記カバー本体から下方に向けて突設された突壁と、を有しており、
前記突壁の下端は、前記保護壁の下端よりも上方に位置している、
車載ワイヤハーネス用フロアカバー。
【請求項2】
請求項1に記載のフロアカバーと、
前記フロアパネルと、
前記ワイヤハーネスと、を備える、
車載ワイヤハーネスの保護構造。
【請求項3】
前記保護壁の下端は、前記フロアパネルよりも下方に位置する前記ワイヤハーネスよりも下方に位置している、
請求項に記載の車載ワイヤハーネスの保護構造。
【請求項4】
前記保護壁は、前記フロアパネルよりも下方に位置する前記ワイヤハーネスに対して車両の前後方向の前方に設けられている、
請求項または請求項に記載の車載ワイヤハーネスの保護構造。
【請求項5】
前記保護壁は、前記フロアパネルよりも下方に位置する前記ワイヤハーネスに対して車幅方向の外方に設けられている、
請求項~請求項のいずれか一項に記載の車載ワイヤハーネスの保護構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載ワイヤハーネス用フロアカバー及び車載ワイヤハーネスの保護構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車などの車両の床部を構成する車体パネルには、ワイヤハーネスを挿通するための開口が設けられている。こうした開口は、車室内側からフロアカバーによって覆われている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1には、開口が設けられた車体パネルと、当該開口に挿通されるワイヤハーネスと、当該開口を車室内側から覆うフロアカバーとしてのプロテクタとを備える構造が開示されている。車体パネルの上面には、開口に連なる凹部が設けられている。プロテクタには、車体パネルの凹部に対向する凹部が設けられている。このプロテクタを車体パネルに対して取り付ける際には、まず、車体パネルの開口を通じて、下側から上側にワイヤハーネスを挿通する。続いて、弾性材からなるグロメットにワイヤハーネスを挿通した後に、車体パネルの凹部に当該グロメットを仮置きする。この状態で、車体パネルの上面にプロテクタをビスで締結固定する。これにより、ワイヤハーネスは、グロメットを介して車体パネルの凹部とプロテクタの凹部とによって挟持されるとともに、プロテクタの外側へ逃がされる。また、プロテクタによって、車体パネルの開口が覆われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平8-331732号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1の構造では、車両走行時などに車体パネルの下方に位置するワイヤハーネスに小石などが衝突することで、当該ワイヤハーネスが損傷するおそれがある。そのため、ワイヤハーネスの被覆材を厚くするなどの対策が必要となる。その結果、ワイヤハーネスを配索する際に曲げにくくなるなどの不都合が生じる。
【0006】
本発明の目的は、ワイヤハーネスの損傷を抑制できる車載ワイヤハーネス用フロアカバー及び車載ワイヤハーネスの保護構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための車載ワイヤハーネス用フロアカバーは、車体のフロアパネルを上下に貫通する貫通孔に挿通して配索されるワイヤハーネスを備える車両に適用され、前記ワイヤハーネスと共に前記貫通孔を上方から覆うものにおいて、前記貫通孔を上方から覆うとともに、前記ワイヤハーネスを逃がす逃がし凹部を有するカバー本体と、前記カバー本体から下方に向けて突設され、前記フロアパネルよりも下方において前記ワイヤハーネスを覆う保護壁と、を有する。
【0008】
同構成によれば、車両走行時などに、フロアパネルの下方に位置するワイヤハーネスに向かって飛散する小石などが保護壁に衝突するようになり、ワイヤハーネスに衝突しにくくなる。したがって、ワイヤハーネスの損傷を抑制できる。
【0009】
上記車載ワイヤハーネス用フロアカバーにおいて、前記保護壁に対して前記ワイヤハーネスとは反対側において前記カバー本体から下方に向けて突設された突壁を有しており、前記突壁の下端は、前記保護壁の下端よりも上方に位置していることが好ましい。
【0010】
車両走行時などに、路面から跳ね上げられた水や雨水などが保護壁に衝突すると、こうした水は保護壁の外面を伝って上側へ移動し、カバー本体の下面を伝ってカバー本体の外周側へ移動してカバー本体とフロアパネルとの間に浸入するおそれがある。
【0011】
この点、上記構成によれば、カバー本体の下面を伝ってカバー本体の外周側へ移動する水が突壁を伝って落下するようになる。これにより、カバー本体の下面を伝って突壁よりもカバー本体の外周側へ水が移動することが抑制される。したがって、カバー本体とフロアパネルとの間への水の浸入を抑制できる。
【0012】
上記目的を達成するための車載ワイヤハーネスの保護構造は、前記フロアカバーと、前記フロアパネルと、前記ワイヤハーネスと、を備える。
同構成によれば、上記いずれか1つのフロアカバーと同様な作用を奏する。したがって、ワイヤハーネスの損傷を抑制できる。
【0013】
上記車載ワイヤハーネスの保護構造において、前記保護壁の下端は、前記フロアパネルよりも下方に位置する前記ワイヤハーネスよりも下方に位置していることが好ましい。
同構成によれば、保護壁によって、車両走行時に飛散する小石などからワイヤハーネスを一層効果的に保護することができる。
【0014】
上記車載ワイヤハーネスの保護構造において、前記保護壁は、前記フロアパネルよりも下方に位置する前記ワイヤハーネスに対して車両の前後方向の前方に設けられていることが好ましい。
【0015】
車両走行時においては、小石などが、車両の前後方向の前方から後方に向かってワイヤハーネスに衝突することが多い。
この点、上記構成によれば、ワイヤハーネスの損傷を効果的に抑制できる。
【0016】
上記車載ワイヤハーネスの保護構造において、前記保護壁は、前記フロアパネルよりも下方に位置する前記ワイヤハーネスに対して車幅方向の外方に設けられていることが好ましい。
【0017】
同構成によれば、保護壁によって、車幅方向の外方からワイヤハーネスに小石が衝突することについても抑制できる。したがって、ワイヤハーネスの損傷を一層効果的に抑制できる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ワイヤハーネスの損傷を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】一実施形態の車載ワイヤハーネスの保護構造について、フロアカバーを中心にフロアパネルの上部を示す斜視図。
図2】同実施形態のフロアカバーを中心としたフロアパネルの下部を示す斜視図。
図3図1に対応する分解斜視図。
図4】同実施形態のフロアカバーの下部を示す斜視図であって、(a)は、前方且つ外方から見た図、(b)は、後方且つ内方から視た斜視図。
図5図1の5-5線に沿った断面図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図1図5を参照して、車載ワイヤハーネス用フロアカバー及び車載ワイヤハーネスの保護構造の一実施形態について説明する。
以降において、車両の前後方向を単に前後方向Lとし、前後方向Lの前方及び後方を単に前方及び後方として説明する。また、車幅方向Wにおいて車両の中心位置に近づく方向及び中心位置から離れる方向を単に内方及び外方として説明する。
【0021】
<フロアパネル10>
図1図3に示すように、車体のフロアパネル10の下方には、前後方向Lに沿って延在するサイドフレーム14が設けられている。なお、図示は省略するが、一対のサイドフレーム14が、車幅方向Wにおいて互いに間隔をおいて設けられている。図1図3に示すサイドフレーム14は、後から前を見たときの右側のサイドフレーム14である。
【0022】
フロアパネル10のうちサイドフレーム14よりも外方には、フロアパネル10を上下に貫通する貫通孔11が設けられている。
図3に示すように、貫通孔11の周縁は、車幅方向Wに沿って延在する直線部11aと、直線部11aの両端から前方に向かって延びるとともに前方に向かって凸なU字状の湾曲部11bとを有している。
【0023】
貫通孔11の後方、より詳しくは、直線部11aの両端の後方には、一対の嵌合孔12aが設けられている。貫通孔11の前方には、1つの嵌合孔12bが設けられている。
一対の嵌合孔12aの間には、1つの係止孔13が設けられている。
【0024】
各嵌合孔12a,12bには、スクリューグロメット51が上方から嵌入されている。
<ワイヤハーネス20>
図5に示すように、ワイヤハーネス20は、貫通孔11に挿通して配索されている。
【0025】
ワイヤハーネス20は、貫通孔11内において屈曲している。ワイヤハーネス20のうちフロアパネル10の上方及び下方に位置する部分は、それぞれ後方に向かって延びている。
【0026】
ワイヤハーネス20のうちフロアパネル10の上方に位置する部分には、グロメット30が取り付けられている。
図3及び図5に示すように、グロメット30は、ワイヤハーネス20が挿通される筒状のインナー部材31と、インナー部材31の後端の外周を包囲する筒状のアウター部材33とを有している。インナー部材31は、硬質樹脂製である。アウター部材33は、エラストマーなどの軟質樹脂製である。
【0027】
インナー部材31の前端開口31aは、貫通孔11の直上に位置しており、下方を指向している。
図5に示すように、インナー部材31のうちアウター部材33によって包囲される部分の外周面には、下方へ向かって突出する係止突部32が設けられている。
【0028】
アウター部材33には、係止突部32が挿通される挿通孔34が設けられている。係止突部32は、フロアパネル10の係止孔13に対して上方から挿通して係止されている。これにより、グロメット30がフロアパネル10の上面に取り付けられている。
【0029】
<フロアカバー40>
図1図4(b)に示すように、フロアカバー40は、貫通孔11を上方から覆う平面視五角形板状のカバー本体41を有している。
【0030】
図2及び図5に示すように、カバー本体41の後部の両端部及び前端部には、フロアパネル10の各嵌合孔12a,12bに対応する挿通孔42a,42bが設けられている。フロアカバー40は、硬質樹脂製である。
【0031】
カバー本体41の後部には、ワイヤハーネス20を逃がす逃がし凹部43が設けられている。逃がし凹部43は、グロメット30の外周面に沿った湾曲状である。
カバー本体41の下面には、下方に向けて保護壁44が突設されている。
【0032】
図2図4(a)及び図4(b)に示すように、保護壁44は、フロアパネル10よりも下方に位置するワイヤハーネス20に対して、前方に設けられる前壁部44aと、外方に設けられる側壁部44bとを有しており、全体として下面視L字状である。カバー本体41の下面からの前壁部44a及び側壁部44bの突出高さは、互いに同一である。
【0033】
図5に示すように、保護壁44の下端は、フロアパネル10よりも下方に位置するワイヤハーネス20よりも下方に位置している。
図4(a)及び図4(b)に示すように、フロアカバー40は、保護壁44に対してワイヤハーネス20とは反対側においてカバー本体41から下方に向けて突設された突壁45を有している。
【0034】
図2図3、及び図4(a)及び図4(b)に示すように、突壁45は、貫通孔11の周縁の直線部11aの両端部に沿って延在する直線部45aと、湾曲部11bに沿って延在する湾曲部45bとを有している。すなわち、逃がし凹部43の直下には、突壁45が設けられていない。
【0035】
図2及び図5に示すように、突壁45の外周面は、貫通孔11の内周面に近接して配置されている。突壁45の下端は、保護壁44の下端よりも上方に位置している。
カバー本体41の下面には、突壁45を外周側から囲む突条46が設けられている。突条46は、逃がし凹部43の下面にも設けられている。
【0036】
図4(a)、図4(b)、及び図5に示すように、突条46と突壁45との間に形成される溝47には、環状のシール部材53が嵌め込まれている。シール部材53によって、フロアパネル10の上面とフロアカバー40の下面との間がシールされている。
【0037】
図5に示すように、アウター部材33によって、逃がし凹部43の下面とフロアパネル10の上面との間がシールされている。
カバー本体41の各挿通孔42a,42bに、上方からボルト52を挿通するとともに、ボルト52をスクリューグロメット51に螺入することにより、フロアカバー40がフロアパネル10に固定されている。
【0038】
次に、本実施形態の作用について説明する。
車両走行時などに、フロアパネル10の下方に位置するワイヤハーネス20に向かって飛散する小石などが保護壁44に衝突するようになり、ワイヤハーネス20に衝突しにくくなる(以上、作用1)。
【0039】
ここで、車両走行時などに、路面から跳ね上げられた水や雨水などが保護壁44に衝突すると、こうした水は保護壁44の外面を伝って上側へ移動し、カバー本体41の下面を伝ってカバー本体41の外周側へ移動してカバー本体41とフロアパネル10との間に浸入するおそれがある。
【0040】
この点、本実施形態のフロアカバー40及びワイヤハーネス20の保護構造においては、図5に矢印にて示すように、カバー本体41の下面を伝ってカバー本体41の外周側へ移動する水が突壁45を伝って落下するようになる。これにより、カバー本体41の下面を伝って突壁45よりもカバー本体41の外周側へ水が移動することが抑制される(以上、作用2)。
【0041】
次に、本実施形態の効果について説明する。
(1)フロアカバー40は、貫通孔11を上方から覆うとともに、ワイヤハーネス20を逃がす逃がし凹部43を有するカバー本体41と、カバー本体41から下方に向けて突設され、フロアパネル10よりも下方においてワイヤハーネス20を覆う保護壁44とを有している。
【0042】
こうした構成によれば、上述した作用1を奏することから、ワイヤハーネス20の損傷を抑制できる。
(2)フロアカバー40は、保護壁44に対してワイヤハーネス20とは反対側においてカバー本体41から下方に向けて突設された突壁45を有している。突壁45の下端は、保護壁44の下端よりも上方に位置している。
【0043】
こうした構成によれば、上述した作用2を奏することから、カバー本体41とフロアパネル10との間への水の浸入を抑制できる。
(3)保護壁44の下端は、フロアパネル10よりも下方に位置するワイヤハーネス20よりも下方に位置している。
【0044】
こうした構成によれば、保護壁44によって、車両走行時に飛散する小石などからワイヤハーネス20を一層効果的に保護することができる。
(4)保護壁44は、フロアパネル10よりも下方に位置するワイヤハーネス20に対して前方に位置する前壁部44aを有している。
【0045】
車両走行時においては、小石などが、前後方向Lの前方から後方に向かってワイヤハーネス20に衝突することが多い。この点、上記構成によれば、前壁部44aによってワイヤハーネス20の損傷を効果的に抑制できる。
【0046】
(5)保護壁44は、フロアパネル10よりも下方に位置するワイヤハーネス20に対して車幅方向Wの外方に位置する側壁部44bを有している。
こうした構成によれば、側壁部44bによって、車幅方向Wの外方から内方に向かってワイヤハーネス20に小石が衝突することについても抑制できる。したがって、ワイヤハーネス20の損傷を一層効果的に抑制できる。なお、本実施形態においては、車幅方向Wの内方から外方に向かってワイヤハーネス20に小石が衝突することについては、サイドフレーム14によって抑制することができる。
【0047】
<変更例>
上記実施形態は、例えば以下のように変更して実施することもできる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0048】
・カバー本体41の下面からの前壁部44a及び側壁部44bの突出高さを、互いに異ならせることもできる。
・例えば前壁部44a及び側壁部44bのうち一方のみで保護壁44を構成してもよい。
【0049】
・保護壁44の下端が、フロアパネル10よりも下方に位置するワイヤハーネス20の下端よりも上方に位置している構成であってもよい。
・例えば直線部45a及び湾曲部45bのうちの一方のみで突壁45を構成してもよい。さらに、直線部45aを省略するとともに、湾曲部45bのうち、保護壁44の前壁部44aよりも前方に位置する部分、及び側壁部44bよりも側方に位置する部分の一方のみで突壁45を構成することもできる。
【0050】
・突壁45を省略することもできる。
・フロアパネル10において、こうしたワイヤハーネス20の保護構造を適用する位置を適宜変更できる。例えば、車幅方向Wに沿って延びるとともに前後方向Lに間隔をおいて設けられる一対のクロスメンバのうち、前側のクロスメンバよりも前方に本発明を適用することもできる。
【0051】
こうした構成によれば、前壁部44aによって、前後方向Lの前方から後方に向かってワイヤハーネス20に小石が衝突することを抑制することができるとともに、側壁部44bによって、車幅方向Wの外方から内方に向かってワイヤハーネス20に小石が衝突することについても抑制できる。また、前後方向Lの後方から前方に向かってワイヤハーネス20に小石が衝突することについては、上記クロスメンバによって抑制することができる。
【0052】
また、上記一対のクロスメンバのうち、後側のクロスメンバよりも後方に本発明を適用することもできる。この場合、上記実施形態のフロアカバー40を前後方向Lに反転させた姿勢でフロアパネル10に固定することが好ましい。このとき、前壁部44aが、フロアパネル10よりも下方に位置するワイヤハーネス20に対して後方に位置することとなる。
【0053】
こうした構成によれば、前壁部44aによって、前後方向Lの後方から前方に向かってワイヤハーネス20に小石が衝突することを抑制することができるとともに、側壁部44bによって、車幅方向Wの外方から内方に向かってワイヤハーネス20に小石が衝突することを抑制できる。また、前後方向Lの前方から後方に向かってワイヤハーネス20に小石が衝突することについては、上記クロスメンバによって抑制することができる。
【符号の説明】
【0054】
10…フロアパネル、11…貫通孔、11a…直線部、11b…湾曲部、12a,12b…嵌合孔、13…係止孔、14…サイドフレーム、20…ワイヤハーネス、30…グロメット、31…インナー部材、31a…前端開口、32…係止突部、33…アウター部材、34…挿通孔、40…フロアカバー、41…カバー本体、42a,42b…挿通孔、43…逃がし凹部、44…保護壁、44a…前壁部、44b…側壁部、45…突壁、45a…直線部、45b…湾曲部、46…突条、47…溝、51…スクリューボルト、52…ボルト、53…シール部材。
図1
図2
図3
図4
図5