IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ラム リサーチ コーポレーションの特許一覧

特許7326269回転関節エンコーダを備えるウエハハンドリングロボット
<>
  • 特許-回転関節エンコーダを備えるウエハハンドリングロボット 図1
  • 特許-回転関節エンコーダを備えるウエハハンドリングロボット 図2
  • 特許-回転関節エンコーダを備えるウエハハンドリングロボット 図3
  • 特許-回転関節エンコーダを備えるウエハハンドリングロボット 図4
  • 特許-回転関節エンコーダを備えるウエハハンドリングロボット 図5
  • 特許-回転関節エンコーダを備えるウエハハンドリングロボット 図6
  • 特許-回転関節エンコーダを備えるウエハハンドリングロボット 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-04
(45)【発行日】2023-08-15
(54)【発明の名称】回転関節エンコーダを備えるウエハハンドリングロボット
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/677 20060101AFI20230807BHJP
   B25J 9/06 20060101ALI20230807BHJP
【FI】
H01L21/68 A
B25J9/06 D
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2020527001
(86)(22)【出願日】2018-11-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-02-12
(86)【国際出願番号】 US2018059826
(87)【国際公開番号】W WO2019099277
(87)【国際公開日】2019-05-23
【審査請求日】2021-11-05
(31)【優先権主張番号】15/815,325
(32)【優先日】2017-11-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブランク・リチャード・エム.
【審査官】湯川 洋介
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-013603(JP,A)
【文献】特開2011-011316(JP,A)
【文献】国際公開第2015/037701(WO,A1)
【文献】特開平05-038686(JP,A)
【文献】特開2008-028134(JP,A)
【文献】特開平08-172121(JP,A)
【文献】特開2012-161858(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/677
B25J 9/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウエハハンドリングシステムであって、
ロボットアームであって、
基部と、
第1の可動リンクであって、前記第1の可動リンクの第1の端部は、第1の回転関節を介して前記基部に回転可能に接続された、第1の可動リンクと、
第2の可動リンクであって、前記第2の可動リンクの第1の端部は、第2の回転関節を介して前記第1の可動リンクの第2の端部に回転可能に接続された、第2の可動リンクと、
第1のプーリ、第2のプーリ、および、前記第1のプーリと前記第2のプーリとの間に架設される1つ以上の第1のベルトを含む第1の回転駆動搬送機構であって、
前記第2のプーリは、前記第2の可動リンクと固定的に接続され、
前記第1の回転駆動搬送機構は、前記第1の可動リンクに対する前記第1のプーリの回転が、前記第2のプーリおよび前記第2の可動リンクを前記第1の可動リンクに対して前記第2の回転関節の中心軸を中心に回転させるように構成されている、第1の回転駆動搬送機構と、
第1のモータであって、前記基部に設置され、前記第1の可動リンクに接続された回転出力を有し、前記第1の可動リンクを駆動するように構成された、第1のモータと、
第2のモータであって、前記基部に設置され、前記第1のプーリに接続された回転出力を有し、前記第1のプーリを駆動するように構成された、第2のモータと、
第1の回転エンコーダであって、前記基部と固定的に接続された第1の部分と、前記第1の可動リンクと固定的に接続された第2の部分とを含む、第1の回転エンコーダと、
第2の回転エンコーダであって、前記第1の可動リンクと固定的に接続された第1の部分と、前記第2の可動リンクと固定的に接続された第2の部分とを含む、第2の回転エンコーダと、
を備える、ロボットアームを備え
前記基部の内部空間、前記第1の可動リンクの内部空間、および前記第2の可動リンクの内部空間は、前記ロボットアーム内において互いに流体連通しており、
前記第1の回転関節と前記第2の回転関節はそれぞれ、真空気密シールを備え、
前記第1のプーリは、中心軸に沿って中空であり、前記第2の回転エンコーダに接続される配線の一部は、前記第1のプーリの前記中空内に配置され、
前記1つ以上の第1のベルトの各々は、Vベルト、平ベルト、歯付ベルト、または丸ベルトであり、
前記1つ以上の第1のベルトの各々は、高分子材料、または、繊維と組み合わされた高分子材料によって形成される、ウエハハンドリングシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のウエハハンドリングシステムであって、
前記第1の回転エンコーダおよび前記第2の回転エンコーダは、各々、30ビット以上、または、33マイクロ度以上解像度を有する、ウエハハンドリングシステム。
【請求項3】
請求項1に記載のウエハハンドリングシステムであって、
前記第1の回転関節は、前記基部と、前記基部に延びる前記第1の可動リンクの一部との間に第1の磁性流体シールを備え、
前記第2の回転関節は、前記第1の可動リンクと、前記第1の可動リンクに延びる前記第2の可動リンクの一部との間に第2の磁性流体シールを備える、ウエハハンドリングシステム。
【請求項4】
請求項1に記載のウエハハンドリングシステムであって、
前記ロボットアームは、さらに、
第3の可動リンクであって、前記第3の可動リンクの第1の端部は、第3の回転関節を介して前記第2の可動リンクの第2の端部に回転可能に接続された、第3の可動リンクと、
第3のプーリ、第4のプーリ、および、前記第3のプーリと前記第4のプーリとの間に架設される1つ以上の第2のベルトを含む、第2の回転駆動搬送機構と、
第3の回転エンコーダであって、前記第2の可動リンクと固定的に接続された第1の部分と、前記第3の可動リンクと固定的に接続された第2の部分とを含む、第3の回転エンコーダと、を備え、
前記第3のプーリは、前記第1の可動リンクと固定的に接続され、
前記第4のプーリは、前記第3の可動リンクと固定的に接続され、
前記第2の回転駆動搬送機構は、前記第2の可動リンクに対する前記第3のプーリの回転が、前記第4のプーリおよび前記第3の可動リンクを前記第2の可動リンクに対して前記第3の回転関節の中心軸を中心に回転させるように構成されている、ウエハハンドリングシステム。
【請求項5】
請求項1に記載のウエハハンドリングシステムであって、
前記ロボットアームは、さらに、
第3のモータと、
第3の可動リンクであって、前記第3の可動リンクの第1の端部は、第3の回転関節を介して前記第2の可動リンクの第2の端部に回転可能に接続された、第3の可動リンクと、
第3のプーリ、第4のプーリ、および、前記第3のプーリと前記第4のプーリとの間に架設される1つ以上の第2のベルトを含む、第2の回転駆動搬送機構と、
第3の回転エンコーダであって、前記第2の可動リンクと固定的に接続された第1の部分と、前記第3の可動リンクと固定的に接続された第2の部分とを含む、第3の回転エンコーダと、を備え、
前記第3のモータは、前記第3のプーリを前記第2の回転関節の回転軸を中心に回転させるように構成され、
前記第4のプーリは、前記第3の可動リンクと固定的に接続され、
前記第2の回転駆動搬送機構は、前記第2の可動リンクに対する前記第2の回転関節の前記中心軸を中心とする前記第3のプーリの回転が、前記第4のプーリおよび前記第3の可動リンクを前記第2の可動リンクに対して前記第3の回転関節の中心軸を中心に回転させるように構成されている、ウエハハンドリングシステム。
【請求項6】
請求項5に記載のウエハハンドリングシステムであって、
前記第1の回転関節は、前記基部と、前記基部に延びる前記第1の可動リンクの一部との間に第1の磁性流体シールを備え、
前記第2の回転関節は、前記第1の可動リンクと、前記第1の可動リンクに延びる前記第2の可動リンクの一部との間に第2の磁性流体シールを備え、
前記第3の回転関節は、前記第2の可動リンクと、前記第2の可動リンクに延びる前記第3の可動リンクの一部との間に第3の磁性流体シールを備える、ウエハハンドリングシステム。
【請求項7】
請求項5に記載のウエハハンドリングシステムであって、
前記第1の可動リンクは、第5のプーリ、第6のプーリ、および、前記第5のプーリと前記第6のプーリとの間に架設される1つ以上の第3のベルトを含む第3の回転駆動搬送機構を備える、ウエハハンドリングシステム。
【請求項8】
請求項7に記載のウエハハンドリングシステムであって、
前記第3のモータは、前記第1の可動リンクの内部に設置されている、ウエハハンドリングシステム。
【請求項9】
請求項7に記載のウエハハンドリングシステムであって、
前記ロボットアームは、さらに、
第4のモータと、
第4の可動リンクであって、前記第4の可動リンクの第1の端部は、前記第3の回転関節を介して前記第2の可動リンクの第2の端部に回転可能に接続された、第4の可動リンクと、
第7のプーリ、第8のプーリ、および、前記第7のプーリと前記第8のプーリとの間に架設される1つ以上の第4のベルトを含む、第4の回転駆動搬送機構と、
第4の回転エンコーダであって、前記第2の可動リンクと固定的に接続された第1の部分と、前記第4の可動リンクと固定的に接続された第2の部分とを備える、第4の回転エンコーダと、を備え、
前記第4のモータは、前記第7のプーリを前記第2の回転関節の回転軸を中心に回転させるように構成され、
前記第8のプーリは、前記第4の可動リンクと固定的に接続され、
前記第4の回転駆動搬送機構は、前記第2の可動リンクに対する前記第2の回転関節の前記中心軸を中心とした前記第7のプーリの回転が、前記第8のプーリおよび前記第4の可動リンクを前記第2の可動リンクに対して前記第3の回転関節の中心軸を中心に回転させるように構成されている、ウエハハンドリングシステム。
【請求項10】
請求項9に記載のウエハハンドリングシステムであって、
前記第1の可動リンクは、さらに、第9のプーリ、第10のプーリ、および、前記第9のプーリと前記第10のプーリとの間に架設される1つ以上の第5のベルトを含む第5の回転駆動搬送機構を備える、ウエハハンドリングシステム。
【請求項11】
請求項10に記載のウエハハンドリングシステムであって、
前記第4のモータは、前記第1の可動リンクの内部に設置されている、ウエハハンドリングシステム。
【請求項12】
請求項1に記載のウエハハンドリングシステムであって、
前記基部、前記第1の可動リンク、および前記第2の可動リンクの内部空間は、互いに流体連通しており、
前記第1の回転関節および前記第2の回転関節は、共に、真空向けシールを備えている、ウエハハンドリングシステム。
【請求項13】
請求項12に記載のウエハハンドリングシステムであって、
前記1つ以上の第1のベルトの各々は、連続したベルトである、ウエハハンドリングシステム。
【請求項14】
請求項1に記載のウエハハンドリングシステムであって、さらに、
公称幅、公称長さ、および公称高さを有するチャンバを備え、
前記チャンバは、対向する壁に沿って配置された複数のウエハステーションを有し、各ウエハステーションは、ウエハ中心点を有し、
前記公称幅は、前記対向する壁の間の公称距離を規定し、
前記基部は、前記対向する壁の1つからの前記公称幅の10%から30%以内に設置された前記第1の回転関節の中心軸と共に設置されている、ウエハハンドリングシステム。
【請求項15】
請求項1に記載のウエハハンドリングシステムであって、さらに、
エンドエフェクタであって、半導体ウエハを支持するように構成され、前記第1の可動リンクおよび前記第2の可動リンクによって支持されるように前記ロボットアームに接続されたエンドエフェクタと、
メモリおよび1つ以上のプロセッサを有するコントローラであって、
前記メモリおよび前記1つ以上のプロセッサは、通信可能に接続され、
前記メモリは、
前記第1の回転エンコーダから回転位置データを受信し、
前記第2の回転エンコーダから回転位置データを受信し、
前記第1の回転エンコーダおよび前記第2の回転エンコーダからの前記回転位置データに少なくとも部分的に基づいて、前記エンドエフェクタに対する空間に固定された点の水平位置を決定するように、
前記1つ以上のプロセッサを制御するためのコンピュータ実行可能命令を格納する、コントローラと、
を備える、ウエハハンドリングシステム。
【請求項16】
請求項15に記載のウエハハンドリングシステムであって、
前記メモリは、さらに、前記1つ以上のプロセッサをさらに制御して、前記エンドエフェクタに対する空間に固定された前記点を第1の位置から第2の位置に動かすために、前記第1のモータ、前記第2のモータ、または前記第1のモータおよび前記第2のモータを1つ以上の期間に動作するように制御するためのコンピュータ実行可能命令を格納する、ウエハハンドリングシステム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、全ての目的のためにこれを参照することで本明細書に援用される、2017年11月16日出願の「WAFER HANDLING ROBOTS WITH ROTATIONAL JOINT ENCODERS」と題する米国出願第15/815,325号の優先権の利益を主張する。
【0002】
半導体ウエハハンドリングロボットは、通常、半導体ウエハを持ち上げるために用いられうるエンドエフェクタで終端する1つまたは2つのロボットアームを備える、非常に特殊な型のロボットである。かかるロボットは、半導体処理ツールにおける位置間で半導体ウエハを搬送するために用いられ、真空環境または大気環境のいずれかで動作してよい。かかるアームは、通常、主に水平面で動作するが、アームアセンブリ全体が垂直に動かされるようにZ軸リニア駆動を備えてもよい。かかるアームは、通常、垂直軸以外の軸の周りを回転する能力を備えていない(ピッチ/ロールなし、ヨーのみ)。
【発明の概要】
【0003】
本明細書に記載の主題の1つ以上の実施形態の詳細は、添付の図面および以下の発明を実施するための形態に記載される。他の特徴、態様、および利点は、発明を実施するための形態、図面、および請求項から明らかになるだろう。
【0004】
いくつかの実施形態では、ロボットアームを備えるウエハハンドリングシステムが提供される。ロボットアームは、基部と、第1の可動リンクであって、第1の可動リンクの第1の端部が第1の回転関節を介して基部に回転可能に接続されている第1の可動リンクと、第2の可動リンクであって、第2の可動リンクの第1の端部が第2の回転関節を介して第1の可動リンクの第2の端部に回転可能に接続されている第2の可動リンクと、第1のプーリ、第2のプーリ、および第1のプーリと第2のプーリとの間に架設される1つ以上の第1のベルトを備える第1の回転駆動搬送機構と、を備えてよい。かかる実施形態では、第2のプーリは、第2の可動リンクと固定的に接続されてよく、第1の回転駆動搬送機構は、第1の可動リンクに対する第1のプーリの回転が、第2のプーリおよび第2の可動リンクを第1の可動リンクに対して第2の回転関節の回転軸を中心に回転させるように構成されてよい。かかる実施形態は、基部に設置されている第1のモータであって、第1の可動リンクに接続された回転出力を有し、第1の可動リンクを駆動するように構成されている第1のモータを備えてもよい。かかる実施形態は、基部に設置されている第2のモータであって、第1のプーリに接続された回転出力を有し、第1のプーリを駆動するように構成されている第2のモータを備えてもよい。かかる実施形態は、第1の部分が基部と固定的に接続され、第2の部分が第1の可動リンクと固定的に接続されている第1の回転エンコーダ、および、第1の部分が第1の可動リンクと固定的に接続され、第2の部分が第2の可動リンクと固定的に接続されている第2の回転エンコーダを備えてもよい。
【0005】
いくつかの追加の実施形態では、第1の回転エンコーダおよび第2の回転エンコーダは、各々、30ビット以上および33マイクロ度以上からなる群より選択された解像度を有してよい。
【0006】
いくつかの追加の実施形態では、第1の回転関節は、基部と、基部に延びる第1の可動リンクの一部との間に第1の磁性流体シールを備えてよく、第2の回転関節は、第1の可動リンクと、第1の可動リンクに延びる第2の可動リンクの一部との間に第2の磁性流体シールを備えてよい。
【0007】
いくつかの追加の実施形態では、ロボットアームは、さらに、第3の可動リンクであって、第3の可動リンクの第1の端部が第3の回転関節を介して第2の可動リンクの第2の端部に回転可能に接続されている第3の可動リンクと、第3のプーリ、第4のプーリ、および第3のプーリと第4のプーリとの間に架設される1つ以上の第2のベルトを備える第2の回転駆動搬送機構と、第1の部分が第2の可動リンクと固定的に接続され、第2の部分が第3の可動リンクと固定的に接続されている第3の回転エンコーダと、を備えてよい。かかる実施形態では、第3のプーリは、第1の可動リンクと固定的に接続されてよく、第4のプーリは、第3の可動リンクと固定的に接続されてよく、第2の回転駆動搬送機構は、第2の可動リンクに対する第3のプーリの回転が、第4のプーリおよび第3の可動リンクを第2の可動リンクに対して第3の回転関節の中心軸を中心に回転させるように構成されてよい。
【0008】
いくつかの実施形態では、ロボットアームは、さらに、第3のモータと、第3の可動リンクであって、第3の可動リンクの第1の端部が第3の回転関節を介して第2の可動リンクの第2の端部に回転可能に接続されている第3の可動リンクと、第3のプーリ、第4のプーリ、および第3のプーリと第4のプーリとの間に架設された1つ以上の第2のベルトを備える第2の回転駆動搬送機構と、第1の部分が第2の可動リンクと固定的に接続され、第2の部分が第3の可動リンクと固定的に接続されている第3の回転エンコーダと、を備えてよい。かかる実施形態では、第3のモータは、第3のプーリを第2の回転関節の回転軸を中心に回転させるように構成されてよく、第4のプーリは、第3の可動リンクと固定的に接続されてよく、第2の回転駆動搬送機構は、第2の可動リンクに対する第2の回転関節の中心軸の周りの第3のプーリの回転が、第4のプーリおよび第3の可動リンクを第2の可動リンクに対して第3の回転関節の中心軸を中心に回転させるように構成されてよい。
【0009】
いくつかの実施形態では、第1の回転関節は、基部と、基部に延びる第1の可動リンクの一部との間に第1の磁性流体シールを備えてよく、第2の回転関節は、第1の可動リンクと、第1の可動リンクに延びる第2の可動リンクの一部との間に第2の磁性流体シールを備えてよく、第3の回転関節は、第2の可動リンクと、第2の可動リンクに延びる第3の可動リンクの一部との間に第3の磁性流体シールを備えてよい。
【0010】
いくつかの実施形態では、第1の可動リンクは、第5のプーリ、第6のプーリ、および第5のプーリと第6のプーリとの間に架設された1つ以上の第3のベルトを含む第3の回転駆動搬送機構を備えてよい。
【0011】
いくつかの実施形態では、第3のモータは、第1の可動リンクの内部に設置されてよい。
【0012】
いくつかの実施形態では、ロボットアームは、さらに、第4のモータと、第4の可動リンクであって、第4の可動リンクの第1の端部が第3の回転関節を介して第2の可動リンクの第2の端部に回転可能に接続されている第4の可動リンクと、第7のプーリ、第8のプーリ、および第7のプーリと第8のプーリとの間に架設された1つ以上の第4のベルトを備える第4の回転駆動搬送機構と、第1の部分が第2の可動リンクと固定的に接続され、第2の部分が第4の可動リンクと固定的に接続されている第4の回転エンコーダと、を備えてよい。かかる実施形態では、第4のモータは、第7のプーリを第2の回転関節の回転軸を中心に回転させるように構成され、第8のプーリは、第4の可動リンクと固定的に接続されてよく、第4の回転駆動搬送機構は、第2の可動リンクに対する第2の回転関節の中心軸の周りの第7のプーリの回転が、第8のプーリおよび第4の可動リンクを第2の可動リンクに対して第3の回転関節の中心軸を中心に回転させるように構成されてよい。
【0013】
いくつかの実施形態では、第1の可動リンクは、さらに、第9のプーリ、第10のプーリ、および第9のプーリと第10のプーリとの間に架設された1つ以上の第5のベルトを含む第5の回転駆動搬送機構を備えてよい。
【0014】
いくつかの実施形態では、第4のモータは、第1の可動リンクの内部に設置されてよい。
【0015】
いくつかの実施形態では、1つ以上の第1のベルトは、ステンレス鋼製であってよく、少なくとも2つの第1のベルトを含んでよく、少なくとも2つの第1のベルトの各ベルトは、第1の回転駆動搬送機構の第1のプーリおよび第1の回転駆動搬送機構の第2のプーリの一方に固定して取り付けられた第1の端部、ならびに、第1の回転駆動搬送機構の第1のプーリおよび第1の回転駆動搬送機構の第2のプーリのもう一方に固定して取り付けられた第2の端部を有してよい。
【0016】
いくつかの実施形態では、基部、第1の可動リンク、および第2の可動リンクの内部空間は、互いに流体連通してよく、第1の回転関節および第2の回転関節は、共に真空向けのシールを備えてよい。
【0017】
いくつかの実施形態では、1つ以上の第1のベルトの各々は、連続したベルトであってよい。
【0018】
いくつかの実施形態では、1つ以上の第1のベルトの各々は、Vベルト、平ベルト、歯付ベルト、または丸ベルトであってよく、1つ以上の第1のベルトの各々は、ゴム、または織材と組み合わされたゴムなどの材料から作られてよい。
【0019】
いくつかの実施形態では、ウエハハンドリングシステムは、さらに、公称幅、公称長さ、および公称高さを有するチャンバを備えてよい。チャンバは、対向する壁に沿って配置された複数のウエハステーションを有してよく、各ウエハステーションは、ウエハ中心点を有する。かかる実施形態では、幅は、対向する壁の間の公称距離を規定してよく、基部は、対向する壁のいずれかからの幅の10%から30%以内に設置された第1の回転関節の中心軸と共に設置されてよい。
【0020】
いくつかの実施形態では、ウエハハンドリングシステムは、さらに、半導体ウエハを支持するように構成されたエンドエフェクタであって、第1の可動リンクおよび第2の可動リンクに支持されるようにロボットアームに接続されたエンドエフェクタを備えてよい。かかる実施形態では、ウエハハンドリングシステムは、通信可能に接続されたメモリおよび1つ以上のプロセッサを有するコントローラを備えてもよい。メモリは、1つ以上のプロセッサを制御して、第1の回転エンコーダから回転位置データを受信し、第2の回転エンコーダから回転位置データを受信し、第1の回転エンコーダおよび第2の回転エンコーダからの回転位置データに少なくとも部分的に基づいて、エンドエフェクタに対する空間に固定された点の水平位置を決定するためのコンピュータ実行可能命令を格納してよい。
【0021】
いくつかの実施形態では、メモリは、さらに、1つ以上のプロセッサをさらに制御して、エンドエフェクタに対する空間に固定された点を第1の位置から第2の位置に移動させるために、第1のモータ、第2のモータ、または第1のモータおよび第2のモータを1つ以上の期間に動作するように制御するためのコンピュータ実行可能命令を格納してよい。
【0022】
本明細書で説明される本題の1つ以上の実施形態の詳細は、添付の図面および以下の発明を実施するための形態に記載される。他の特徴、態様、および利点は、発明を実施するための形態、図面、および特許請求項の範囲から明らかになるだろう。以下の図の相対的寸法は、正確な縮尺率ではないことに注意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本明細書に開示の様々な実施形態は、限定のためではなく例示のために説明される。添付の図面の図では、類似の参照番号は、類似の要素を表す。
【0024】
図1】スチールベルト駆動システムの例。
【0025】
図2】放射状に配置された搬送システムの例。
【0026】
図3】中心に置かれたロボットアームを備える長方形の搬送システムの例。
【0027】
図4】オフセットロボットアームを備える長方形の搬送システムの例。
【0028】
図5図4の搬送システムの正面図。
【0029】
図6】ウエハハンドリングロボットの例。
【0030】
図7】ウエハハンドリングロボットの別の例。
【発明を実施するための形態】
【0031】
重要なのは、本明細書に記載の概念は、本明細書に記載の1つの態様または実施形態に限定されず、かかる態様および/または実施形態の組み合わせおよび/または並べ替えにも限定されないことである。また、本発明の態様および/またはその実施形態の各々は、単独で、または1つ以上の他の態様および/またはその実施形態と組み合わせて用いられてよい。簡潔にするために、それらの並べ替えおよび組み合わせの多くは、本明細書では個々に説明および/または示されないだろう。
【0032】
半導体ウエハハンドリングロボットは、微粒子の発生のため、迅速かつ正確に、ノイズ、振動、または電位がほとんどなく動作するように期待される。従って、かかるロボットは、通常、ロボットアームの駆動素子(モータ)が基部に設置されるように設計され(それにより、可動部品の重さを低減し、ロボットが動作しうる速度を高める)、これらのモータによって提供された動力は、次に、何らかの機械的駆動(例えば、スチールベルト)を用いて、アームリンクを通じて駆動リンクに伝達される。
【0033】
かかるスチールベルト駆動機構は、半導体処理装置では様々な理由で好まれる。第1に、ステンレス鋼ベルトは、タイミングベルトよりもはるかに化学的浸食に影響を受けにくいだろう(タイミングベルトは、通常、高分子材料と繊維材料との組み合わせで作られており、かかる材料は、半導体処理設備環境で遭遇しうる化学薬品によって損害をより受けやすい)。ステンレス鋼ベルトは、動作中に微粒子をはるかに生成しにくいのに対して、タイミングベルトは、(その低強度のため)微粒子および(用いられる高分子材料のため)ガス放出の両方を生成する可能性がある。それら両方の副作用は、ウエハの処理および清浄度に影響しうるため、半導体処理環境における潜在的な問題である。真空環境では、タイミングベルトは、(大気の不足により)伝達によって熱を発する能力を失うため、熱応力を受ける傾向もある。タイミングベルトは、熱くなると、一般に、熱破壊の影響をより受けやすくなり、より高い不良率および微粒子発生を示す可能性がある。
【0034】
スチールベルト駆動機構は、通常、平行に動作する2セットのプーリ(例えば、各セットは共通の軸に接続されている)に取り付けられている2つの不連続なスチールベルトを特徴とする。各ベルトは、セットのプーリの1つに剛結合され、各ベルトは、もう一方のベルトからプーリの反対側に設置されるだろう。この概念は、図1に示されている。図1では、2プーリ駆動機構が示されており、第1のプーリ152および第2のプーリ154が2つの第1のベルト172(172Aおよび172B)によって連結されている。図1の上方の図は、第1のプーリ152、第2のプーリ154、および第1のベルト172Aを分離して示し、図のように、第1のベルト172Aは、連続していない。第1のベルト172Aは、この例では、ピンによって第1のプーリ152および第2のプーリ154に留められている。実際には、かかる留め具は、より複雑であってよく、例えば、2つのプーリ間の第1のベルト172Aの張力を調節する能力を提供してよい。
【0035】
容易に明らかなように、第1のプーリ152を反時計回りに約160度回転させることで、第2のプーリ154も同様に半時計回りに回転するだろう。この場合、第1のプーリ152は、第2のプーリ154の約2倍の大きさであるため、第2のプーリ154は、第1のプーリ152の2倍の速度で回転するだろう。かかるベルトシステムは、異なる比率のプーリシステム(例えば、1:1比のプーリ)で用いられてもよい。
【0036】
一方で、第1のプーリ152を時計回りに回転させることは、第1のベルト172Aがこの回転モードでは緊張状態に置かれないため、第2のプーリ154における対応する時計回りの動作をもたらさない。かかる時計回りの動きを可能にするために、第1のベルト172B(図1の中間部分参照)は、第1のベルト172Aとほぼ同様に第1のプーリ152および第2のプーリ154に固定されてよいが、第1のベルト172Bは、一般に、第1のベルト172Aとは異なる位置でプーリと接続される。結果として生じた回転駆動搬送機構は、静かで軽量な、正確な回転位置決めを提供してよい。しかし、かかるシステムの重要な限定は、ベルトは、通常、ベルトとプーリとの間の接続点を重ねられることができないため、かかるスチールベルトシステムが提供しうる回転動作量が360°未満であることである。よって、通常、プーリが回転できない、少なくとも10°から20°のデッドゾーン(ベルトおよびプーリの両方を一緒に示す図1の最下方部分における斜め格子のパイ状区画)がある。これは、かかるスチールベルト回転駆動搬送機構を用いるロボットの回転動作範囲を限定するが、最も一般的な実施形態では、ロボットアームが動作する環境内の利用可能な空間は、通常、かかる限定された範囲の動作と対立するだろう回転を受ける必要を避けるのに十分な大きさであるため、問題にならない。
【0037】
例えば、真空環境では、半導体処理チャンバ、ロードロック、および、ウエハが設置されうる、または取り出されうる他のステーション/位置がロボットアームの基部から等距離となるように、ウエハハンドリングロボットの基部を真空環境の中央またはその付近に設置することが一般的である。これにより、ロボットアームの長さが低減され、(ロボットアームの動作が各ステーションと相互作用するために実質的に同じであってよいため)より簡単な制御設定が可能になり、ロボットが大きな結合部の回転を受けることなく動作できるようになる。図2は、放射状に配置された搬送チャンバであって、通常、真空に保たれ、その周囲または外周の様々な位置で接続された複数のウエハ処理チャンバを有するチャンバの例を示している。この例では、搬送チャンバ201(ウエハハンドリングシステム200とも考えられる)は、4つの異なる側面に沿って配置された4つのウエハ処理チャンバ203、および、真空を破壊することなく搬送チャンバの真空環境に対するウエハの出入りを可能にするエアロックとして機能する、2つの他の側面に沿って配置された2つのロードロックチャンバ205を有する。図のように、ロボットアームは、その中央の取り付け位置から処理チャンバまたはロードロックのいずれかに簡単にアクセスできる。
【0038】
非放射状に配置された搬送チャンバにおいてさえ、通常、ウエハハンドリングロボットの基部をかかるチャンバの中央に取り付けることが一般的である。例えば、図3は、長方形の搬送チャンバの例を示し、2セットの3つの処理チャンバ303が搬送チャンバ301の両側に沿って配置されている。中央に設置されたロボットアーム302は、ロボットアーム302の回転関節を180°を超えて回転させることなく、全ての処理ステーション303に達することができる。
【0039】
本発明者は、例えば、前述のベルト駆動ロボットアームに類似するロボットアーム、または、以下により詳細に説明されるその変形がオフセンタ位置で取り付けられた、新型の搬送チャンバを創造しようとした。かかるロボットアームの駆動モータおよび他の電子機器(垂直に持ち上げる能力を含む)は、通常、ロボットアーム基部に設置されているため、かかるロボットアームの基部は、かなり大きくなりうる(例えば、直径1フィート(30.48センチ)、長さ2フィート(60.96センチ)以上)。真空搬送チャンバに関して、ロボットアーム基部は、通常、チャンバ容積が基部のヘッドルームを含む必要がないように、基部がチャンバの底から突出するようにして搬送チャンバに取り付けられる。これにより、搬送チャンバの容積が低減されるため、製造が安価になり、密封が簡単になり、搬送チャンバを真空にポンプダウンするのに必要な時間が短縮される。しかし、ロボットアームの基部が搬送チャンバの底部を貫通するときは、例えば、搬送チャンバ下の歩道または他のヒトアクセス通路に侵入する可能性がある。かかる歩道または通路は、人が処理チャンバ自体の下に設置されうる処理ステーションの部品を補修する、または処理ステーションの部品にアクセスすることを可能にする。本発明者は、かかる配置は、人がかかる補修管理を行う、あるいはかかる部品にアクセスすることを困難にすることを認識し、ロボットアームの基部が搬送チャンバの片側またはもう一方の片側付近に位置するようにロボットアームを移動することで、搬送チャンバの下により固定されない配置をもたらすと判断した。どんな歩道や通路が搬送チャンバの下にあってもロボットアーム基部を2等分する代わりに、基部は片側にオフセットされることで、中央に設置された場合の通路の2倍の幅の1つの開路をもたらす。
【0040】
図4は、かかる新型の搬送チャンバの例を示す。図4では、搬送チャンバ301は、ロボットアーム302の基部が片側に移され、搬送チャンバ301の片側に隣接して設置されていること以外は、図3の搬送チャンバ301に類似している。実際には、ロボットアーム302の基部を可能な限り片側またはもう一方の片側に近づけて設置することが望ましいかもしれないが、公差、安全クリアランス、可動部品クリアランスなどを考慮してよい。より一般には、基部は、幅を規定する壁の1つからの搬送チャンバの幅の25%以内の位置に中心を置いてよい。例えば、搬送チャンバの幅(図4の左右の寸法)が40インチ(101.6センチ)である場合、ロボットアーム302の基部は、搬送チャンバ301の左側または右側のいずれかから10インチ(25.4センチ)以内(例えば、かかる側から約7インチ(約17.78センチ))の位置(図4の透視部分)に中心を置いてよい。かかる実施形態例における約12インチ(約30.48センチ)の直径を有する一般的なロボットアーム基部については、これにより、基部と搬送チャンバ301の反対側との間に約28インチ(約71.12センチ)の隙間が残る。よって、処理チャンバ303の下の装置が搬送チャンバの両側全体に延びたとしても、ロボットアーム基部とかかる装置との間の幅に少なくとも2フィート(60.96センチ)の搬送チャンバ下の通路があるため、人が容易にアクセスできるだろう。
【0041】
図5は、図3および図4の搬送チャンバ301の正面図を示す。図5では、搬送チャンバ301は、底部から離れて上昇している。各処理チャンバ303は、その下方に底部(または、少なくとも底部の途中)まで延びうるチャンバ支持装置303A(例えば、処理チャンバ303内部でウエハ台座を昇降するための垂直リフト装置、冷却システム、電源など)を有する。図のように、基部304は、搬送チャンバ301の片側に位置し、基部304を越えて人がアクセスするための隙間「X」を残している。基部304の右の破線輪郭は、既存の搬送チャンバにおいて通常行われるように、中心に置かれた位置における基部を示す。図のように、中心に置かれた位置は、搬送チャンバ301の下のアクセスを大幅に妨げる。
【0042】
しかし、本発明者は、従来のスチールベルト駆動のウエハハンドリングロボットアームが、かかるオフセンタ位置で用いられた場合は、ロボットアームは、いくつかの処理チャンバにアクセスするために、そのいくつかのリンクの正回転より大きい回転を受ける必要があるだろうことも認識した。これらの回転は、かかるスチールベルトシステムが許容する最大許容回転を超えるロボットアームをもたらすだろう。
【0043】
本発明者は、ウエハハンドリングロボットにおいて通常見られない技術および手法を用いる新型のウエハハンドリングロボットアームを設計することによって、この問題を解決することができた。一般に、かかるウエハハンドリングロボットアームは、例えば、高分子または高分子繊維ベースのタイミングベルトを用いることで、通常、連続ベルトシステムと共に用いられるスチールベルトシステムに置き換わる。これにより、用いられる回転駆動搬送機構によって限定されることなく360°全周の回転が可能となる。同時に、本発明者は、かかるロボットにおいて通常行われるように、駆動モータ出力に設置された回転エンコーダを用いるのではなく、回転関節に設置されたモータがないときでも、ロボットアームの各回転関節に回転エンコーダを取り付けることが好ましいだろうと判断した。従来のウエハハンドリングロボットアームシステムでは、回転エンコーダおよびモータ用の配線が共通して経路指定されることができるため、回転エンコーダは、モータと共に配置される(または、サーボモータなどの一体化ユニットとしてモータに内蔵される)。これにより、多くのロボットアーム結合部が、エンコーダ用の配線を回転関節に通す必要がなくなる(または、少なくとも、電気フィードスルー、もしくは、例えば基部に隣接するロボットアームリンク区画に設置される可能性のあるモータを制御するためのケーブルを有しない回転関節にエンコーダ用の配線を通す必要がなくなる)ことで、ロボットアームの設計が簡素化される。一方で、本開示の主題である新しいウエハハンドリングロボットアームは、アームの基部と回転エンコーダが設置されている位置との間に介在するロボットアームの様々な運動学的結合部を通って回転エンコーダへの配線を経路指定してよい。よって、かかるケーブルがアームの外側の環境に曝されることなく貫通して、かかるケーブルがロボットアームの動作中に受ける移動量を低減することを可能にするために、回転関節は、それらの中心線に沿って中空であってよい。かかる設計のいくつかの代案では、ケーブル自体は、連続的でなくてよい、または、ケーブルでさえなくてよい。例えば、回転エンコーダを往来する信号の導電路を提供するために可撓性プリント回路基板または非可撓性プリント回路基板が用いられてよく、回転エンコーダをコントローラに電気的に接続するために、回転インタフェース全体に導通を提供するためのスリップリングまたは他の類似機構が用いられてよい。かかるスリップリングまたは類似機構は、導電路を保護するため、および、かかる機構によって生成される粒子がロボットアームを外れさせる(基部を通じて以外で)ことも防ぐために、例えば、回転関節の密閉部分内部に設置されてよい。
【0044】
本開示の目的で、「直接的に駆動される」、「直接駆動」、「直接的に駆動する」、およびその変形の表現は、回転部と、モータであって、一般に回転部の回転軸と同軸の回転中心を有する回転部に回転入力を提供するモータとの関係を意味する(製造公差によりいくつかの小規模なズレがあってよく、いくつかのシステムは、かかるズレを調整するために回転フレックスカプラを用いてよいが、それでもモータの回転軸および回転部の回転軸は、「一般的に互いに同軸」であると理解されるだろう)。それぞれのモータによって直接的に駆動される回転部は、それらのモータの回転出力と同じ速度でも回転される。モータと回転部との間には、介在する中間ギヤ減速または他の減速/加速機はない。
【0045】
同様に、「間接的に駆動される」、「間接駆動」、「間接的に駆動」、およびその変形の表現は、回転部と、モータであって、モータが回転軸に垂直方向に(アセンブリまたは製造公差によって起きるオフセットに対して、ある程度計画的な量だけ)回転部の回転軸からオフセットされている回転中心を有する回転部に回転入力を提供するモータとの関係を意味する。本願の文脈では、かかる間接駆動を可能にする機構は、「回転駆動搬送機構」を意味する。かかる回転駆動搬送機構は、一般に、2つのプーリを備え、その各々は、駆動回転部(モータの出力であってよい、もしくは、他の回転入力(例えば、別の回転駆動搬送機構の回転出力)によって駆動されてよい)、または、被駆動回転部のいずれかに取り付けられる。実際には、各回転部は、1つのプーリを有してよい、または、同じ軸もしくは回転部の他の共通部分で接続されている複数のプーリを有してよい。かかる複数のプーリのシナリオでは、プーリという用語は、個々のプーリ、または、同軸の周りを一緒に回転する複数のプーリ全体に適用されると理解されてよい。
【0046】
よって、下記のウエハハンドリングロボットは、単に本明細書に記載の概念を具現化するロボットアームの例であり、これらの概念の適用を他のロボットアームに限定する意図はなく、一般に、少なくとも1つの回転駆動搬送機構、および、ロボットアームの可動リンクの間の少なくとも1つの回転関節であって、かかる回転駆動搬送機構によって駆動され、その回転関節に関連付けられている回転エンコーダを有する少なくとも1つの回転関節を有すると説明されてよい。かかるロボットアームは、追加の回転駆動機構および回転関節だけでなく、それらの追加の回転関節に追加の回転エンコーダも備えてよい。
【0047】
下記のウエハハンドリングロボットおよび類似の概念を具現化した他のロボットは、ロボットアーム業界では今のところ前例のない位置決め精度を達成することもできる。例えば、約1.7メートルの最大延長長さ(アームの回転中心からアームによって搬送されるウエハの中心までを測定)を有する一般的なロボットアームに関して、各回転関節の回転エンコーダの設置を含む本明細書に記載の概念は、かかるロボットアームが、(±70μmのウエハ位置決め精度または再現性を有しうる)多くの最先端のウエハハンドリングロボットより3分の2近く少ない、±25μmもの低いウエハ位置決め精度または再現性を有することを可能にしてよい。向上したウエハ位置決め精度は、高精度の半導体処理チャンバの受入ウエハ台座またはチャック上にウエハが設置されるまたはウエハの中心が置かれることを可能にし、ウエハ上でより小さいフィーチャサイズが処理されることを可能にしてよい。
【0048】
下記のウエハハンドリングロボットのさらなる利点は、回転入力(モータ)とは対照的に回転関節におけるエンコーダの設置により、タイミングベルトまたは他の非スチールベルトを用いることから生じうる不正確性の増加が、閉ループ制御システムによって説明されうる、または除去されうることである。例えば、タイミングベルトが用いられている間にどれだけか伸縮する場合、かかる伸縮は、駆動プーリよりわずかに異なる回転方向にある被駆動プーリをもたらし(1:1のプーリ直径比)、駆動プーリが回転エンコーダが設置されている場所にある場合の可動リンクがロボットアームにある場所に関して、不精密が増すだろう。
【0049】
図6は、ウエハハンドリングロボットアームの例の図を表す。図6では、ロボットアーム602の例が示されている。この例では、ロボットアーム602は、基部604、第1の可動リンク606、第2の可動リンク608、および第3の可動リンク610を有する。第3の可動リンク610は、第1のエンドエフェクタ614で終端し、第1のエンドエフェクタ614は、ヘラのように半導体ウエハを下から持ち上げるために半導体ウエハの下に設置されうる、ブレード型エンドエフェクタであってよい。第1の可動リンク606の第1の端部606Aは、1セット以上の回転軸受694を備えうる第1の回転関節618を介して、基部604と回転可能に接続されてよい。同様に、第2の可動リンク608の第1の端部608Aは、第2の回転関節620によって第1の可動リンク606の第2の端部606Bと回転可能に接続されてよく、第3の可動リンク610の第1の端部610Aは、第3の回転関節622によって第2の可動リンク608の第2の端部608Bと回転可能に接続されてよい。第1の回転関節618は、基部604に設置された第1のモータ630から受信する回転入力に応答して、第1の可動リンク606を基部604に対して第1の回転軸624を中心に回転させるように構成されてよい。同様に、第2の回転関節620は、第2の可動リンク608を第1の可動リンク606に対して第2の回転軸626を中心に回転させるように構成されてよく、第3の回転関節622は、第3の可動リンク610を第2の可動リンク608に対して第3の回転軸628を中心に回転させるように構成されてよい。本明細書に記載の回転関節は、本明細書では回転インタフェースを意味してもよい。
【0050】
図のロボットアーム602の例は、2自由度、つまり、第1の回転軸624と交差し垂直な軸に沿った第1のエンドエフェクタ614の伸縮のみを有する。従って、図には第1のモータ630および第2のモータ632の2つのモータしかない。両方のモータは、モータの重量が可動リンクに置かれるのを避けるために基部内に収容される。
【0051】
このロボットアームの例では、第1のモータ630は、第1のモータ630に延びる筒状軸によって示されているように、第1の可動リンク606を直接的に駆動する。しかし、第2のモータ632は、第1のプーリ652、第2のプーリ654、および第1のベルト672を備える第1の回転駆動搬送機構642を通じて第2の可動リンク608を間接的に駆動する。この例では、第1のベルト672は、タイミングベルトまたは他の連続したループベルトである。第1のプーリ652は、第2のモータ632によって直接的に駆動され、第2のプーリ654は、第2の可動リンク608および第2のプーリ654が一緒に動くように、第2の可動リンク608と固定的に接続されている。例えば、第1のモータ630を作動させることなく第2のモータ632を作動させることによって(または、両方のモータを異なる速度でおよび/もしくは異なる方向に作動させることによって)、第1のプーリ652が第1の可動リンク606に対して第1の回転軸624の周りを回転するときは、相対的回転動作は、第1のベルト672を介して第2のプーリ654に伝達されることで、第2のプーリ654およびそこに接続された第2の可動リンク608を第1の可動リンク606に対して回転させてよい。
【0052】
第1の可動リンク606に設置された第1の回転駆動搬送機構642に加えて、ロボットアーム602は、第2の可動リンク608に設置される第2の回転駆動搬送機構644を有してもよい。第2の回転駆動搬送機構644は、第3のプーリ656(この場合、単に第2の回転関節620を貫通する筒状軸の外側)、第4のプーリ658、および第2のベルト674を備えてよい。この特定の実施形態では、第3のプーリ656は、第1の可動リンク606と固定的に接続されている。その結果、(第1の回転駆動搬送機構642の動作によって引き起こされうる)第1の可動リンク606と第2の可動リンク608との間の第2の回転軸626の周りの相対的回転動作は、次に第2の回転駆動搬送機構644を動作させてよい。このように、かかる相対的回転動作は、第3の可動リンク610に接続されて第3の可動リンク610を直接的に駆動しうる第4のプーリ658を介して、第3の可動リンク610に伝達されてよい。
【0053】
この例では、第1のプーリ652および第2のプーリ654は、2:1の直径比を有するため、第2のプーリ654を第1のプーリ652の2倍の速度で、2倍の距離を回転させるだろう。かかる比率は、第3の回転軸628が第1の回転軸624から離れて延びる半径に沿って移動する間に、第1の可動リンク606および第2の可動リンク608を外向きおよび内向きに「はさみのように動かす」ために用いられてよい。それに応じて、第3のプーリ656および第4のプーリ658は、1:2の直径比を有するため、第1の可動リンク606および第2の可動リンク608が互いに対して第2の回転軸626の周りを回転する速度の半分で、第3の可動リンク610および第1のエンドエフェクタ614を第3の回転軸628を中心に回転させる。これにより、ロボットアーム602の伸縮の間、第1のエンドエフェクタ614は、前述の半径と並んだままになる。
【0054】
上述のように、ロボットアーム602は、各回転関節に設置された回転エンコーダも備える。例えば、第1の回転エンコーダ682は、第1の回転関節618に設置されてよく、第2の回転エンコーダ684は、第2の回転関節620に設置されてよく、第3の回転エンコーダは、第3の回転関節622に設置されてよい。本明細書で用いられる回転エンコーダという用語は、2つの部品間の軸の周りの回転変位を測定するように構成されているセンサ装置を意味する。かかる装置は、2つの部分を備え、その各々は、2つの部品の異なる方に固定される。その2つの部分は、言うまでもなく互いに対して自由に回転でき、いくつかの例では、(玉軸受が内輪および外輪を有し、それらの各々が、玉軸受が取り付けられる2つの部品の異なる方と接続しうるような)1つの一体化ユニットに結合されてよい。他の例では、その2つの部分は、互いから物理的に分離される(例えば、1つの部分が1つの回転可能な部品に取り付けられ、他の部分が他の回転可能な部品に取り付けられる)。次に、2つの回転可能な部品は嵌合され、回転エンコーダの2つの部分は、回転位置測定が可能になるように互いに並べられるが、2つの部分は、実際には動作中に互いに決して接触しなくてよい。図6では、第1の回転エンコーダ682は、第1の可動リンク606と固定的に接続されている第1の部分682aと、基部604と固定的に接続されている第2の部分682bとを有してよい。同様に、第2の回転エンコーダ684は、第2の可動リンク608と固定的に接続されている第1の部分684aと、第1の可動リンク606と固定的に接続されている第2の部分684bとを有してよく、第3の回転エンコーダ686は、第3の可動リンク610と固定的に接続されている第1の部分686aと、第2の可動リンク608と固定的に接続されている第2の部分686bとを有してよい。
【0055】
本明細書に記載のウエハハンドリングロボットアームにおける使用に適したエンコーダは、一般に、光学ベースの一種(例えば、一部分が、第2の部分に設置されたセンサによって光学的に読み取り可能な高精度基準マークのセットを含む、エンコーダ)を有して良い。他の種類のエンコーダ(例えば、機械エンコーダ、磁気エンコーダ、または容量エンコーダ)は、一般に、精度不良、摩擦、または他の要因により、かかるロボットアームでの使用に適していない。本明細書に記載の実施形態において用いられてよい回転エンコーダの例は、例えば、英国、グロスターシャー州、ウォットン・アンダー・エッジ、ニュー・ミルズのレニショー株式会社が提供するRESOLUTE(登録商標)エンコーダシリーズを含む。かかる回転エンコーダは、32ビットの解像度が可能で、最高±1アーク秒(±0.0002778°)の回転角度測定の精度を提供することができる。光学回転エンコーダは、一般に、他の種類の回転エンコーダより高価であり、かかる回転エンコーダの光学センサまたは発光体の上に埃が堆積したときなど、汚れたときに、性能低下を受けやすい。それでもなお、本発明者は、かかる光学回転エンコーダが提供する精度は、かかる潜在的な不利点に勝ると判断した。
【0056】
ロボットアーム602における回転エンコーダは、コントローラ696と接続されてよく、コントローラ696は、各回転エンコーダを基部604から分離するロボットアームの様々な回転関節を通じて給電される1つ以上のケーブルを介して、1つ以上のプロセッサ699およびメモリ698を備えうる。メモリ698は、例えば、モータの回転速度を決定するために回転エンコーダからのデータを用いるPID(比例積分微分)制御ループを実行するための命令を格納してよい(コントローラ696は、モータを制御するための制御信号をモータに提供するためにモータと通信可能に接続されてもよい)。
【0057】
図6に示されているロボットアーム602は、大気条件における使用に適し、図のように、真空環境における使用に適するようにするだろうシールまたは他の特徴を備えていない。しかし、かかるロボットアームは、以下の実施形態を参照してより詳細に説明されるように、既存の回転軸受の一部または全てを真空向け/封入軸受に置き換える、または拡大することによって、真空で動作するように容易に変更されうることを理解されたい。さらに、回転エンコーダは、ロボットアームの外部に取り付けられているように示されているが、他の実施形態は、回転エンコーダを損傷および汚れからさらに保護するために、可動リンクおよび/または基部604の内部に設置されたかかる回転エンコーダを特徴としてよい。
【0058】
図7は、図6に示されたロボットアームより複雑な別のロボットアームの例を示す。図の例は、2つのエンドエフェクタを備えるだけでなく、各エンドエフェクタは、それらを支持する可動リンクに対して独立して回転することもできる。図の例は、Z軸動作能力(図6に示された実施形態に類似する実施形態で実施されうることも理解されるだろう)も備え、真空環境で動作するように構成されている。
【0059】
図7では、ロボットアーム702の例が示されている。この例では、ロボットアーム702は、基部704、第1の可動リンク706、第2の可動リンク708、第3の可動リンク710、および第4の可動リンク712を有する。第3の可動リンク710および第4の可動リンク712は、それぞれ、第1のエンドエフェクタ714および第2のエンドエフェクタ716で終端し、第1のエンドエフェクタ714および第2のエンドエフェクタ716は、ヘラのように半導体ウエハを下方から持ち上げるために半導体ウエハの下に設置されうる、ブレード型のエンドエフェクタであってよい。第1の可動リンク706の第1の端部706Aは、第1の回転関節718を介して基部704と回転可能に接続されてよく、第1の回転関節718は、1セット以上の回転軸受794を備えてよい。同様に、第2の可動リンク708の第1の端部708Aは、第2の回転関節720によって第1の可動リンク706の第2の端部706Bと回転可能に接続されてよく、第3の可動リンク710の第1の端部710Aは、第3の回転関節722によって第2の可動リンク708の第2の端部708Bと回転可能に接続されてよい。第1の回転関節718は、基部704に設置された第1のモータ730から受信した回転入力に応答して、第1の可動リンク706を基部704に対して第1の回転軸724を中心に回転させるように構成されてよい。同様に、第2の回転関節720は、第2の可動リンク708を第1の可動リンク706に対して第2の回転軸726を中心に回転させるように構成されてよく、第3の回転関節722は、第3の可動リンク710および第4の可動リンク712を第2の可動リンク708に対して第3の回転軸728を中心に独立して回転させるように構成されてよい。
【0060】
ロボットアーム602とは異なり、図の例のロボットアーム702は、5自由度を有する。かかる自由度を提供するために、ロボットアーム702は、全部で4つのモータおよび1つのリニアアクチュエータ738を備える。第1のモータ730、第2のモータ732、およびリニアアクチュエータ738は、基部の内部に収容されているが、第3のモータ734および第4のモータ736は、第1の可動リンク706に設置されている。第3のモータ734および/または第4のモータ736も基部704に選択的に収容され、(第2のモータ732の出力に対して既に行われたように)それらの回転出力が同心駆動軸を用いて第1の回転関節718を通じて通信されうることを理解されたい。リニアアクチュエータ738は、第1のモータ730および第2のモータ732を収容し、またZ軸動作を容易にするために上下の垂直方向に第1の回転関節718および可動リンクを支持する、基部の副部を駆動するために用いられてよい。ガイドレール740は、かかる動作をガイドし、Z軸に沿って安定した動作を提供してよい。ベローズ790は、基部704の可動副部を基部704の残りの部分に封入することで、基部704へのガスのリークパスを設けることなく、基部704の残りの部分に対する副部の垂直動作を可能にするように設けられてよい。実際には、基部704の上面は、例えば、密閉状態で搬送モジュールへの接触面に接続されて基部704の上面を通る漏れを防ぐことで、ロボットアーム702の可動リンク周辺の真空環境が維持されるようにしてよい。
【0061】
このロボットアームの例では、第1のモータ730は、第1のモータ730に延びる筒状軸で示される第1の可動リンク706を直接的に駆動する。しかし、第2のモータ732は、第1のプーリ752、第2のプーリ754、および第1のベルト772を備える第1の回転駆動搬送機構742を通じて第2の可動リンク708を間接的に駆動する。この例では、第1のベルト772は、タイミングベルトまたは他の連続ループベルトである。第1のプーリ752は、第2のモータ732によって直接的に駆動される。しかし、第2のプーリ654とは異なり、第2のプーリ754は、第2の可動リンク708および第2のプーリ754が一緒に動くように第2の可動リンク708と固定的に接続されている。例えば、第1のモータ730を作動させずに第2のモータ732を作動させることによって(または、両方のモータを異なる速度および/または異なる方向で作動させることによって)第1のプーリ752が第1の可動リンク706に対して第1の回転軸724の周りを回転するときは、それらの間の相対回転動作は、第1のベルト772を介して第2のプーリ754に伝達されることで、第2のプーリ754およびそこに接続された第2の可動リンク708を第1の可動リンク706に対して回転させてよい。
【0062】
第1の可動リンク706に設置された第1の回転駆動搬送機構742に加えて、ロボットアーム702は、第2の可動リンク708に設置される第2の回転駆動搬送機構744を有してもよい。第2の回転駆動搬送機構744は、第3のプーリ756、第4のプーリ758、および第2のベルト774を備えてよい。第1の可動リンク606と固定的に接続された第3のプーリ656とは対照的に、この例では、第3のプーリ756は、第1の可動リンク706および第3のプーリ756が第2の回転軸726の周りを独立して回転できるように第1の可動リンク706と回転可能に接続されている。この例では、第3のプーリ756は、第5のプーリ760、第6のプーリ762、および第3のベルト776を備えうる第3の回転駆動搬送機構746によって駆動される。第3のモータ734の出力は、第5のプーリ760を駆動してよく、第5のプーリ760は、次に第3のベルト776を駆動することで、第6のプーリ762だけでなくそこに固定的に接続されている第3のプーリ756も回転させる。これは、第4のプーリ758、およびそこに固定的に接続された第3の可動リンク710を第2の可動リンク708に対して回転させる。他の実施形態は、第3のモータ734から第6のプーリ762(ひいては、第3のプーリ756)への原動力を伝達するために用いられる追加の駆動搬送機構と共に、第6のプーリ762/第3のプーリ756を直接的に駆動する第3のモータ734を有してよい、または、第3のモータ734を基部に設置してよいことを理解されたい。いくつかの例では、第3のプーリ756および第6のプーリ762は、同じ直径であってよく、単に同じ筒の円筒外面の異なる部分であってもよい(以下に説明される第7のプーリ764および第10のプーリ770にも同様のことがいえる)。この例のロボットアームにおける各回転関節は、別々のモータによって独立して駆動されるため、用いられる様々なプーリの大きさは必要に応じて異なり、モータの速度/変位の制御を通じてあらゆる変形が適合されてよい。
【0063】
2つのエンドエフェクタの実施形態では、第7のプーリ764、第8のプーリ766、および第4のベルト778を備える第4の回転駆動搬送機構748が提供されてよい。第8のプーリ766は、第2の可動リンク708に対する第3の回転軸728を中心とする第8のプーリ766の回転が、第4の可動リンク712および第2のエンドエフェクタ716を第2の可動リンク708に対して第3の回転軸728を中心に回転させるように、第4の可動リンク712と固定的に接続されてよい。第3のプーリ756と同様に、第7のプーリ764は、第7のプーリ764が第1の可動リンク706および第2の可動リンク708から独立して回転できるように、第1の可動リンク706および第2の可動リンク708と回転可能に接続されてよい。よって、第7のプーリ764が第2の可動リンク708に対して第2の回転軸726を中心に回転するときは、第4のベルト778の対応する動作は、第8のプーリ766も回転させることで、第2の可動リンク708に対する第3の回転軸728を中心とする第4の可動リンク712の回転を引き起こしてよい。
【0064】
この例では、第7のプーリ764は、第9のプーリ768、第10のプーリ770、および第5のベルト780を備えうる第5の回転駆動搬送機構750によって駆動される。第4のモータ736の出力は、第9のプーリ768を駆動し、第9のプーリ768は、次に第5のベルト780を駆動することで、第10のプーリ770およびそこに固定的に接続されている第7のプーリ764も回転させてよい。これにより、第8のプーリ766およびそこに固定的に接続された第4の可動リンク712が第2の可動リンク708に対して回転させられる。他の実施形態は、第4のモータ736から第10のプーリ770(ひいては、第7のプーリ764)に原動力を伝達するために用いられる追加の駆動搬送機構と共に、第7のプーリ764/第10のプーリ770を直接的に駆動する第4のモータ736を有してよい、または、第4のモータ736を基部704に設置してよいことが理解されるだろう。
【0065】
かかる構成は、第2のモータ732および第3のモータ734が、それぞれ、第2の可動リンク708および第3の可動リンク710の相対回転位置を独立して制御することを可能にする。
【0066】
上述のように、ロボットアーム702は、各回転関節に設置された回転エンコーダも備える。例えば、第1の回転エンコーダ782は、第1の回転関節718付近に設置されてよく(この場合、第1のモータ730に隣接して設置され、基部704の内部に設置されるが、それでも第1の回転関節718の第1の回転軸724に中心が置かれる)、第2の回転エンコーダ784Aは、第2の回転関節720に設置されてよく、第3の回転エンコーダ786および第4の回転エンコーダ788は、第3の回転関節722に設置されてよい。
【0067】
図7では、第1の回転エンコーダ782は、第1の可動リンク706と固定的に接続されている第1の部分782aと、基部704と固定的に接続されている第2の部分782bとを有してよい。同様に、第2の回転エンコーダ784Aは、第2の可動リンク708と固定的に接続されている第1の部分784Aaと、第1の可動リンク706と固定的に接続されている第2の部分784Abとを有してよく、第3の回転エンコーダ786は、第3の可動リンク710と固定的に接続されている第1の部分786aと、第2の可動リンク708と固定的に接続されている第2の部分786bとを有してよく、第4の回転エンコーダ788は、第4の可動リンク712と固定的に接続されている第1の部分788aと、第2の可動リンク708と固定的に接続されている第2の部分788bとを有してよい。また、いくつかの実施形態では、さらに高精度の可能性を提供するために、追加のロータリエンコーダ(本明細書では回転エンコーダとも呼ばれる)が他の位置に設けられてよい。例えば、追加の第2の回転エンコーダ784Bは、(第1のプーリ752に固定的に接続されている第1の部分784Baと、基部704の垂直に搬送可能な部分に固定的に接続されている第2の部分784Bbと、を備えて、)第2のモータ632に設けられてよい。その場合、第2の回転関節720に位置する第2の回転エンコーダ784Aの出力は、位置データを制御ループに提供するために用いられてよいが、第2のモータ732に位置するもう一方の第2の回転エンコーダ784Bは、速度データを制御ループに提供するために用いられてよい。この手法は、第1のベルト772における適合性を説明するために用いられてよい。同様の手法は、必要に応じて、同様に用いられる他の回転エンコーダにも採用されてよい。
【0068】
ロボットアーム602と同様に、ロボットアーム702も、メモリ798および1つ以上のプロセッサ799を有するコントローラ796を備えてよい。メモリ798は、同様に、ロボットアーム702を制御するためのコンピュータ実行可能命令(例えば、ロボットアームを所望の位置に動かすようにモータを制御するために、回転エンコーダからの入力を用いるためにPIDルーチンを実行するための命令)を格納してよい。
【0069】
ロボットアーム602とロボットアーム702との間の別の違いは、ロボットアーム702が、各回転関節、または、少なくとも取り付けられたベルトを備えるプーリを有する各回転関節に真空気密ロータリシール792を備えることである。かかる真空気密シールの例は、もしあれば粒子汚染を余り引き起こさない強固な低摩擦真空気密封止を提供する磁性流体シールである(動作中に擦れ落ちる金属粒子は、シールの磁場によって直ちに捕捉されることで、例えば、ウエハハンドリングロボットによって搬送されているウエハ上へのかかる粒子の移動を防ぐ)。真空気密シールは、軸受アセンブリに統合されてよい、または、真空気密シールを通じて円滑な回転動作を可能にする回転軸受と併せて用いられてよい。これにより、真空気密シールによって封止される可動リンクの内部は、大気圧に維持されることができる一方で、可動リンク周辺の環境は、真空に保たれる。一般に、大気圧で保持される各可動リンクの最も外側のシールのみが真空気密シールによって提供されてよく、他の回転軸受は、かかるシールを備えなくてもよい。可動リンクの大気区域のベルト駆動システムを封止することによって、ベルトによって生成された粒子が真空環境から隔離されることで、その清浄度を保つだろう。
【0070】
オフセンタのロボットアーム取り付けの概念、スチールベルトに代わるタイミングベルトの使用、および、ロボットアームの各回転関節におけるロータリエンコーダの使用は、各々、別々の思想を表してよく、別々に、または、互いに依存する組み合わせもしくは副組み合わせとして実施されてよいことを理解されたい。よって、例えば、タイミングベルトおよび結合部付ロータリエンコーダを備えるロボットアームは、非オフセンタ取り付け位置で用いられてよい。
【0071】
さらに説明されない限り、用語「セット」は、1つ以上の品目のセットを意味し、必要性を示唆するさらなる言葉がない限り、複数の品目が存在する必要はないことを理解されたい。例えば、「2つ以上の品目のセット」は、そこに最低でも2つの品目があると理解されるだろう。これに対して、「1つ以上の品目のセット」は、そこに1つの品目のみを有する可能性があると理解されるだろう。同様に、用語「各」は、セットが1つの構成物のみを含むとしても、本明細書ではセットの各構成物を意味するように用いられてよい。用語「各」は、暗示のセット(例えば、セットという用語は用いられていないが、セットがあることを他の言葉が示唆する場合)と同様に用いられてもよい。例えば、「1つ以上の品目の各品目」は、「1つ以上の品目のセットの各品目」と同等であることを理解されたい。
【0072】
上述のように、いくつかの実施形態では、コントローラは、本明細書に記載のウエハハンドリングシステムの一部であってよい。ウエハハンドリングシステムは、半導体処理ツールとして見なされてもよい(例えば、ウエハハンドリングシステムは、処理チャンバ、処理用プラットフォーム、および/または、特定の処理部品(ウエハ台座、ガス流システムなど)を含む半導体処理装置も備えてよい)。これらの(ロボットアームを含む)システムは、半導体ウエハまたは基板の処理前、処理中、および処理後のそれらの動作を制御するための電子機器と統合されてよい。電子機器は、システムの様々な部品または副部品を制御しうる「コントローラ」を意味してよい。コントローラは、処理条件および/またはシステムの種類に応じて、ウエハハンドリングロボットを制御するための処理だけでなく、プロセスガスの供給、温度設定(例えば、加熱および/または冷却)、圧力設定、真空設定、電力設定、無線周波数(RF)生成器の設定、RF整合回路設定、周波数設定、流量設定、流体供給設定、位置動作設定、チャンバおよび他の搬送ツール、および/または、特定のシステムに接続もしくは結合されたロードロックに対するウエハ搬入出など、本明細書に記載されていない他の処理またはパラメータも制御するようにプログラムされてよい。
【0073】
概して、コントローラは、命令を受け取り、命令を発行し、動作を制御し、洗浄動作を可能にし、エンドポイント測定を可能にする様々な集積回路、ロジック、メモリ、および/または、ソフトウェアなどを有する電子機器として定義されてよい。集積回路は、プログラム命令を記憶するファームウェア形式のチップ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)として定義されるチップ、および/または、プログラム命令(例えば、ソフトウェア)を実行する1つ以上のマイクロプロセッサもしくはマイクロコントローラを含んでよい。プログラム命令は、様々な個別設定(または、プログラムファイル)の形式でコントローラに伝達される命令であって、特定のプロセスを半導体ウエハ上でもしくは半導体ウエハ向けに、またはシステムに対して実行するための動作パラメータを定義してよい。いくつかの実施形態では、動作パラメータは、1つ以上の層、材料、金属、酸化物、シリコン、二酸化シリコン、表面、回路、および/または、ウエハダイの製造中における1つ以上の処理工程を実現するための、プロセスエンジニアによって定義されるレシピの一部であってよい。
【0074】
いくつかの実施形態では、コントローラは、システムと統合または結合された、そうでなければシステムにネットワーク接続された、もしくはこれらが組み合わされたコンピュータの一部であってよく、またはそのコンピュータに結合されてよい。例えば、コントローラは、「クラウド」内にあってよい、または、ウエハ処理のリモートアクセスを可能にするファブホストコンピュータシステムの全てもしくは一部であってよい。コンピュータは、システムへのリモートアクセスを可能にして、製造動作の進捗状況を監視し、過去の製造動作の経歴を調査し、複数の製造動作から傾向または実施の基準を調査し、現在の処理のパラメータを変更し、現在の処理に続く処理工程を設定し、または、新しいプロセスを開始してよい。いくつかの例では、リモートコンピュータ(例えば、サーバ)は、ローカルネットワークまたはインターネットを含みうるネットワークを通じて、プロセスレシピをシステムに提供できる。リモートコンピュータは、次にリモートコンピュータからシステムに伝達されるパラメータおよび/もしくは設定のエントリまたはプログラミングを可能にするユーザインタフェースを含んでよい。いくつかの例では、コントローラは、1つ以上の動作中に実施される各処理工程のためのパラメータを特定するデータ形式の命令を受け取る。パラメータは、実施されるプロセスの種類、および、コントローラが接続するまたは制御するように構成されたツールの種類に固有であってよいことを理解されたい。よって、上述のように、コントローラは、例えば、互いにネットワーク接続されている1つ以上の個別のコントローラを含むことや、本明細書に記載のプロセスや制御などの共通の目的に向かって協働することによって分散されてよい。かかる目的で分散されたコントローラの例は、遠隔に(例えば、プラットフォームレベルで、または、リモートコンピュータの一部として)設置され、協働してチャンバにおけるプロセスを制御する1つ以上の集積回路と連通する、チャンバ上の1つ以上の集積回路であろう。
【0075】
制限するのではなく、例示のウエハハンドリングシステムは、プラズマエッチングチャンバまたはプラズマエッチングモジュール、堆積チャンバまたは堆積モジュール、スピンリンスチャンバまたはスピンリンスモジュール、金属めっきチャンバまたは金属めっきモジュール、クリーンチャンバまたはクリーンモジュール、ベベルエッジエッチングチャンバまたはベベルエッジエッチングモジュール、物理気相堆積(PVD)チャンバまたはPVDモジュール、化学気相堆積(CVD)チャンバまたはCVDモジュール、原子層堆積(ALD)チャンバまたはALDモジュール、原子層エッチング(ALE)チャンバまたはALEモジュール、イオン注入チャンバまたはイオン注入モジュール、トラックチャンバまたはトラックモジュール、ならびに、半導体ウエハの製作および/もしくは製造において関連もしくは使用しうる他の半導体処理システムを含んでよい、または、それらに取り付けられてよい。
【0076】
上述のように、ツールによって実施されるプロセス工程に応じて、コントローラは、他のツール回路もしくはツールモジュール、他のツール部品、クラスタツール、他のツールインタフェース、隣接するツール、近接するツール、工場全体に設置されたツール、メインコンピュータ、別のコントローラ、または、半導体製造工場においてツール位置および/もしくはロードポートに対してウエハ容器を搬入出する材料搬送に用いられるツール、のうちの1つ以上と連通しうる。
【0077】
上記の開示は、特定の例の実施形態に注目しながら、開示の例だけに限定されるのではなく、類似の変形および機構にも適用されてよく、かかる類似の変形および機構も、本開示の範囲内にあるとみなされることを理解されたい。
本発明は、たとえば、以下のような態様で実現することもできる。
適用例1:
ウエハハンドリングシステムであって、
ロボットアームであって、
基部と、
第1の可動リンクであって、前記第1の可動リンクの第1の端部は、第1の回転関節を介して前記基部に回転可能に接続された、第1の可動リンクと、
第2の可動リンクであって、前記第2の可動リンクの第1の端部は、第2の回転関節を介して前記第1の可動リンクの第2の端部に回転可能に接続された、第2の可動リンクと、
第1のプーリ、第2のプーリ、および、前記第1のプーリと前記第2のプーリとの間に架設される1つ以上の第1のベルトを含む第1の回転駆動搬送機構であって、
前記第2のプーリは、前記第2の可動リンクと固定的に接続され、
前記第1の回転駆動搬送機構は、前記第1の可動リンクに対する前記第1のプーリの回転が、前記第2のプーリおよび前記第2の可動リンクを前記第1の可動リンクに対して前記第2の回転関節の中心軸を中心に回転させるように構成されている、第1の回転駆動搬送機構と、
第1のモータであって、前記基部に設置され、前記第1の可動リンクに接続された回転出力を有し、前記第1の可動リンクを駆動するように構成された、第1のモータと、
第2のモータであって、前記基部に設置され、前記第1のプーリに接続された回転出力を有し、前記第1のプーリを駆動するように構成された、第2のモータと、
第1の回転エンコーダであって、前記基部と固定的に接続された第1の部分と、前記第1の可動リンクと固定的に接続された第2の部分とを含む、第1の回転エンコーダと、
第2の回転エンコーダであって、前記第1の可動リンクと固定的に接続された第1の部分と、前記第2の可動リンクと固定的に接続された第2の部分とを含む、第2の回転エンコーダと、
を備える、ロボットアームを備える、ウエハハンドリングシステム。
適用例2:
適用例1のウエハハンドリングシステムであって、
前記第1の回転エンコーダおよび前記第2の回転エンコーダは、各々、30ビット以上および33マイクロ度以上からなる群より選択される解像度を有する、ウエハハンドリングシステム。
適用例3:
適用例1のウエハハンドリングシステムであって、
前記第1の回転関節は、前記基部と、前記基部に延びる前記第1の可動リンクの一部との間に第1の磁性流体シールを備え、
前記第2の回転関節は、前記第1の可動リンクと、前記第1の可動リンクに延びる前記第2の可動リンクの一部との間に第2の磁性流体シールを備える、ウエハハンドリングシステム。
適用例4:
適用例1のウエハハンドリングシステムであって、
前記ロボットアームは、さらに、
第3の可動リンクであって、前記第3の可動リンクの第1の端部は、第3の回転関節を介して前記第2の可動リンクの第2の端部に回転可能に接続された、第3の可動リンクと、
第3のプーリ、第4のプーリ、および、前記第3のプーリと前記第4のプーリとの間に架設される1つ以上の第2のベルトを含む、第2の回転駆動搬送機構と、
第3の回転エンコーダであって、前記第2の可動リンクと固定的に接続された第1の部分と、前記第3の可動リンクと固定的に接続された第2の部分とを含む、第3の回転エンコーダと、を備え、
前記第3のプーリは、前記第1の可動リンクと固定的に接続され、
前記第4のプーリは、前記第3の可動リンクと固定的に接続され、
前記第2の回転駆動搬送機構は、前記第2の可動リンクに対する前記第3のプーリの回転が、前記第4のプーリおよび前記第3の可動リンクを前記第2の可動リンクに対して前記第3の回転関節の中心軸を中心に回転させるように構成されている、ウエハハンドリングシステム。
適用例5:
適用例1のウエハハンドリングシステムであって、
前記ロボットアームは、さらに、
第3のモータと、
第3の可動リンクであって、前記第3の可動リンクの第1の端部は、第3の回転関節を介して前記第2の可動リンクの第2の端部に回転可能に接続された、第3の可動リンクと、
第3のプーリ、第4のプーリ、および、前記第3のプーリと前記第4のプーリとの間に架設される1つ以上の第2のベルトを含む、第2の回転駆動搬送機構と、
第3の回転エンコーダであって、前記第2の可動リンクと固定的に接続された第1の部分と、前記第3の可動リンクと固定的に接続された第2の部分とを含む、第3の回転エンコーダと、を備え、
前記第3のモータは、前記第3のプーリを前記第2の回転関節の回転軸を中心に回転させるように構成され、
前記第4のプーリは、前記第3の可動リンクと固定的に接続され、
前記第2の回転駆動搬送機構は、前記第2の可動リンクに対する前記第2の回転関節の前記中心軸を中心とする前記第3のプーリの回転が、前記第4のプーリおよび前記第3の可動リンクを前記第2の可動リンクに対して前記第3の回転関節の中心軸を中心に回転させるように構成されている、ウエハハンドリングシステム。
適用例6:
適用例5のウエハハンドリングシステムであって、
前記第1の回転関節は、前記基部と、前記基部に延びる前記第1の可動リンクの一部との間に第1の磁性流体シールを備え、
前記第2の回転関節は、前記第1の可動リンクと、前記第1の可動リンクに延びる前記第2の可動リンクの一部との間に第2の磁性流体シールを備え、
前記第3の回転関節は、前記第2の可動リンクと、前記第2の可動リンクに延びる前記第3の可動リンクの一部との間に第3の磁性流体シールを備える、ウエハハンドリングシステム。
適用例7:
適用例5のウエハハンドリングシステムであって、
前記第1の可動リンクは、第5のプーリ、第6のプーリ、および、前記第5のプーリと前記第6のプーリとの間に架設される1つ以上の第3のベルトを含む第3の回転駆動搬送機構を備える、ウエハハンドリングシステム。
適用例8:
適用例7のウエハハンドリングシステムであって、
前記第3のモータは、前記第1の可動リンクの内部に設置されている、ウエハハンドリングシステム。
適用例9:
適用例7のウエハハンドリングシステムであって、
前記ロボットアームは、さらに、
第4のモータと、
第4の可動リンクであって、前記第4の可動リンクの第1の端部は、前記第3の回転関節を介して前記第2の可動リンクの第2の端部に回転可能に接続された、第4の可動リンクと、
第7のプーリ、第8のプーリ、および、前記第7のプーリと前記第8のプーリとの間に架設される1つ以上の第4のベルトを含む、第4の回転駆動搬送機構と、
第4の回転エンコーダであって、前記第2の可動リンクと固定的に接続された第1の部分と、前記第4の可動リンクと固定的に接続された第2の部分とを備える、第4の回転エンコーダと、を備え、
前記第4のモータは、前記第7のプーリを前記第2の回転関節の回転軸を中心に回転させるように構成され、
前記第8のプーリは、前記第4の可動リンクと固定的に接続され、
前記第4の回転駆動搬送機構は、前記第2の可動リンクに対する前記第2の回転関節の前記中心軸を中心とした前記第7のプーリの回転が、前記第8のプーリおよび前記第4の可動リンクを前記第2の可動リンクに対して前記第3の回転関節の中心軸を中心に回転させるように構成されている、ウエハハンドリングシステム。
適用例10:
適用例9のウエハハンドリングシステムであって、
前記第1の可動リンクは、さらに、第9のプーリ、第10のプーリ、および、前記第9のプーリと前記第10のプーリとの間に架設される1つ以上の第5のベルトを含む第5の回転駆動搬送機構を備える、ウエハハンドリングシステム。
適用例11:
適用例10のウエハハンドリングシステムであって、
前記第4のモータは、前記第1の可動リンクの内部に設置されている、ウエハハンドリングシステム。
適用例12:
適用例1のウエハハンドリングシステムであって、
前記1つ以上の第1のベルトは、ステンレス鋼製であり、
前記1つ以上の第1のベルトは、少なくとも2つの第1のベルトを含み、
前記少なくとも2つの第1のベルトの各ベルトは、前記第1の回転駆動搬送機構の前記第1のプーリおよび前記第1の回転駆動搬送機構の前記第2のプーリの一方に固定的に取り付けられた第1の端部と、前記第1の回転駆動搬送機構の前記第1のプーリおよび前記第1の回転駆動搬送機構の前記第2のプーリのもう一方に固定的に取り付けられた第2の端部とを有する、ウエハハンドリングシステム。
適用例13:
適用例1のウエハハンドリングシステムであって、
前記基部、前記第1の可動リンク、および前記第2の可動リンクの内部空間は、互いに流体連通しており、
前記第1の回転関節および前記第2の回転関節は、共に、真空向けシールを備えている、ウエハハンドリングシステム。
適用例14:
適用例13のウエハハンドリングシステムであって、
前記1つ以上の第1のベルトの各々は、連続したベルトである、ウエハハンドリングシステム。
適用例15:
適用例14のウエハハンドリングシステムであって、
前記1つ以上の第1のベルトの各々は、Vベルト、平ベルト、歯付ベルト、および丸ベルトからなる群より選択され、
前記1つ以上の第1のベルトの各々は、ゴム、および織材と組み合わされたゴムからなる群より選択された材料から作られる、ウエハハンドリングシステム。
適用例16:
適用例1のウエハハンドリングシステムであって、さらに、
公称幅、公称長さ、および公称高さを有するチャンバを備え、
前記チャンバは、対向する壁に沿って配置された複数のウエハステーションを有し、各ウエハステーションは、ウエハ中心点を有し、
前記幅は、前記対向する壁の間の公称距離を規定し、
前記基部は、前記対向する壁の1つからの前記幅の10%から30%以内に設置された前記第1の回転関節の中心軸と共に設置されている、ウエハハンドリングシステム。
適用例17:
適用例1のウエハハンドリングシステムであって、さらに、
エンドエフェクタであって、半導体ウエハを支持するように構成され、前記第1の可動リンクおよび前記第2の可動リンクによって支持されるように前記ロボットアームに接続されたエンドエフェクタと、
メモリおよび1つ以上のプロセッサを有するコントローラであって、
前記メモリおよび前記1つ以上のプロセッサは、通信可能に接続され、
前記メモリは、
前記第1の回転エンコーダから回転位置データを受信し、
前記第2の回転エンコーダから回転位置データを受信し、
前記第1の回転エンコーダおよび前記第2の回転エンコーダからの前記回転位置データに少なくとも部分的に基づいて、前記エンドエフェクタに対する空間に固定された点の水平位置を決定するように、
前記1つ以上のプロセッサを制御するためのコンピュータ実行可能命令を格納する、コントローラと、
を備える、ウエハハンドリングシステム。
適用例18:
適用例17のウエハハンドリングシステムであって、
前記メモリは、さらに、前記1つ以上のプロセッサをさらに制御して、前記エンドエフェクタに対する空間に固定された前記点を第1の位置から第2の位置に動かすために、前記第1のモータ、前記第2のモータ、または前記第1のモータおよび前記第2のモータを1つ以上の期間に動作するように制御するためのコンピュータ実行可能命令を格納する、ウエハハンドリングシステム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7