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特許7326359半導体製造チャンバ内の消耗部品の余寿命の推定
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-04
(45)【発行日】2023-08-15
(54)【発明の名称】半導体製造チャンバ内の消耗部品の余寿命の推定
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20230807BHJP
   H01L 21/205 20060101ALI20230807BHJP
【FI】
H01L21/302 101G
H01L21/205
【請求項の数】 7
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021001266
(22)【出願日】2021-01-07
(62)【分割の表示】P 2016013176の分割
【原出願日】2016-01-27
(65)【公開番号】P2021061442
(43)【公開日】2021-04-15
【審査請求日】2021-02-01
(31)【優先権主張番号】62/109,016
(32)【優先日】2015-01-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】14/961,756
(32)【優先日】2015-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リチャード・アラン・ゴットショ
【審査官】馬場 慎
(56)【参考文献】
【文献】特表2007-511089(JP,A)
【文献】特開2006-196716(JP,A)
【文献】特開2006-228966(JP,A)
【文献】特表2006-512770(JP,A)
【文献】特表2007-520077(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/00 - 21/02
H01L 21/04 - 21/16
H01L 21/205
H01L 21/302
H01L 21/3065
H01L 21/31
H01L 21/365
H01L 21/461
H01L 21/469
H01L 21/86
H05H 1/00 - 1/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
半導体基板を処理するために使用されるプラズマを発生させるように構成されたチャンバと、
前記チャンバの内部で使用されるように構成され、本体と、トリガ特徴とを含む消耗部品であって、前記本体は、前記チャンバ内での処理時に前記プラズマに暴露されるように構成された表面を有し、前記トリガ特徴は、前記本体に組み込まれており、前記トリガ特徴は、前記本体の前記表面の下に配された空所を含み、前記空所は、時間の経過とともに前記プラズマへの暴露によって前記表面が浸食されると見えてくるように構成される、消耗部品と、
前記消耗部品が前記チャンバ内にある間に前記消耗部品を検査するための検査用スコープと、
前記検査用スコープによって得られた情報に基づいて、前記空所が見えているかどうかを決定するように構成されたコントローラであって、前記見えてくる空所は、前記本体の前記表面上の、前記消耗部品の摩耗レベルを示す識別可能特徴であり、前記摩耗レベルは、前記消耗部品に残されている処理時間の長さに関連し、前記摩耗レベルは、前記表面が時間の経過とともに前記プラズマへの暴露によって侵食されると前記検査用スコープに見える前記空所の量と相関し、前記空所のサイズは、前記表面が浸食された後に前記空所が前記プラズマに暴露されたときの前記チャンバ内でのプロセスシフトを回避するように構成される、コントローラと、
を備えるシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムであって、
前記検査用スコープは、可視スペクトル、赤外線画像、音波、超音波、及び高周波の1枚以上の画像を用いて前記消耗部品を検査するように構成される、システム。
【請求項3】
請求項1に記載のシステムであって、
前記トリガ特徴の深さは、前記本体の幅の約半分である、システム。
【請求項4】
請求項1に記載のシステムであって、
前記トリガ特徴の深さは、前記本体の垂直幅の10%から99%の範囲内である、システム。
【請求項5】
請求項1に記載のシステムであって、
前記空所の形状は、円筒状である、システム。
【請求項6】
請求項1に記載のシステムであって、
前記空所の形状は、円錐台である、システム。
【請求項7】
請求項1に記載のシステムであって、
前記トリガ特徴は、更に、前記本体の表面と同一面上にあるキャップ要素を含み、前記キャップ要素は、前記空所の上方に位置し、前記キャップ要素は、前記本体上の対応する引っ込みにぴたりと嵌るように構成された突出環を含む、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
本出願は、2015年1月28日に出願され発明の名称を「ESTIMATION OF LIFETIME REMAINING FOR A CONSUMABLE-PART IN A SEMICONDUCTOR MANUFACTURING CHAMBER(半導体製造チャンバ内の消耗部品の余寿命の推定)」とする米国仮特許出願第62/109,016号の優先権を主張する。この仮出願は、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
本実施形態は、半導体プロセスの均一性を改善するための方法に関し、特に、半導体製造チャンバ内の消耗部品の余寿命に関してシステム通知を生成するための方法、システム、及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0003】
基板(例えばウエハ又はフラットパネル)を加工して電子製品(例えば集積回路又はフラットパネルディスプレイ)を作成するために、長年にわたりプラズマが用いられている。半導体ウエハは、下の材料のエッチングを方向付けるためのフォトレジストマスク層を伴った状態で、エッチングチャンバ内に置かれるのが一般的である。エッチングプロセスは、フォトレジストによって覆われていない部分の下の材料を除去する。
【0004】
エッチングプロセスは、プラズマチャンバ内の部品の表面からも材料を除去するだろう。処理チャンバ内部の部品は、時間の経過とともに、プラズマプロセス及びエッチングプロセスを受けることによって損傷される又は変形されるだろう。
【0005】
1つ以上の部品が不完全であるチャンバでは、プロセス効率が大幅に低下し、その結果、問題の診断及び解決に費用がかかるようになる。ときには、特定の消耗部品が交換を要していることにシステム管理者が気づかないために、予想寿命を超えた部品がチャンバ内に残っていることがある。
【0006】
この文脈で、実施形態が生じる。
【発明の概要】
【0007】
半導体製造機器内の消耗部品の余寿命を予測するための方法、デバイス、システム、及びコンピュータプログラムが提起される。これらの実施形態は、方法、装置、システム、デバイス、又はコンピュータ読み取り可能メディア上のコンピュータプログラムなどの、数々の形態で実現可能であることがわかる。幾つかの実施形態が、以下で説明される。
【0008】
所望されているのは、半導体処理システムを高い効率で動作させるために、チャンバ内の消耗部品の寿命を自動的に評価してそれらの部品の交換時期を決定するシステムである。
【0009】
一実施形態では、半導体基板を処理するためにプラズマが使用されるチャンバの内部で使用するための消耗部品が提起される。消耗部品は、本体と、トリガ特徴とを含む。本体は、チャンバ内での処理時にプラズマに暴露されるように構成された表面を有する。トリガ特徴は、本体に組み込まれ、本体の表面の下に配された空所を含む。空所は、時間の経過とともにプラズマへの暴露によって表面が浸食されると見えてくるように構成される。見えてくる空所は、本体の表面上の、消耗部品の摩耗レベルを示す識別可能特徴であり、摩耗レベルは、消耗部品に残されている処理時間の長さに関係付けられる。
【0010】
別の実施形態では、システムが提起される。システムは、チャンバと、消耗部品と、検査用スコープと、コントローラとを含む。チャンバは、半導体基板を処理するために使用されるプラズマを発生させるように構成される。消耗部品は、チャンバの内部で使用されるように構成され、本体と、トリガ特徴とを含む。本体は、チャンバ内での処理時にプラズマに暴露されるように構成された表面を有し、トリガ特徴は、本体に組み込まれる。トリガ特徴は、本体の表面の下に配された空所を含み、空所は、時間の経過とともにプラズマへの暴露によって表面が浸食されると見えてくるように構成される。更に、検査用スコープは、消耗部品がチャンバ内にある間にその消耗部品を検査するように構成される。コントローラは、検査用スコープによって得られた情報に基づいて、空所が見えているかどうかを決定するように構成され、見えてくる空所は、本体の表面上の、消耗部品の摩耗レベルを示す識別可能特徴であり、摩耗レベルは、消耗部品に残されている処理時間の長さに関係付けられる。
【0011】
更に別の実施形態では、消耗部品上の摩耗を検出するための方法が提起される。方法は、半導体製造のためのチャンバ内に消耗部品を置くための動作を含み、消耗部品は、本体と、トリガ特徴とを含み、本体は、チャンバ内での処理時にプラズマに暴露されるように構成された表面を有し、トリガ特徴は、本体に組み込まれる。トリガ特徴は、本体の表面下に配された空所を含み、該空所は、時間の経過とともにプラズマへの暴露によって表面が浸食されると見えてくるように構成され、見えてくる空所は、本体の表面上の、消耗部品の摩耗レベルを示す識別可能特徴である。方法は、更に、チャンバに検査用スコープを挿入するための動作と、空所が見えているかどうかを決定するために、検査用スコープによって得られた情報を解析するための動作とを含む。方法は、更に、空所が見えてきた時点でチャンバ内の消耗部品の交換までに残されている時間の長さを決定するための動作も含む。
【0012】
本明細書で提起される実施形態は、ウェット洗浄のための時間を予測しその結果としてダウンタイムを最小限に抑えつつ製造の予測可能性を向上させる、方法、システム、及びコンピュータプログラムを提供する。消耗部品の寿命を管理することによって、チャンバの動作を改善しつつも消耗部品の費用が最小限に抑えられる。添付の図面と関連付けた以下の詳細な説明から、その他の態様が明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
添付の図面との関連で述べられる以下の詳細な説明を参照することによって、実施形態を最もよく理解することができる。
【0014】
図1A】一実施形態にしたがった、容量結合プラズマ処理システムの図である。
【0015】
図1B】一実施形態にしたがった、ウエハのエッジ部分の詳細な側面図である。
【0016】
図2A】一実施形態にしたがった、エッジリング上の摩耗を検出するためのトリガデバイスを備えたエッジリングの詳細な側面図である。
【0017】
図2B】一実施形態にしたがった、複数のトリガ特徴を備えたエッジリングの上面図である。
【0018】
図3A】一実施形態にしたがった、上面が浸食されたエッジリングの図である。
【0019】
図3B】トリガキャップが完全に浸食されたときのエッジリングの図である。
【0020】
図4A】エッジリングに埋め込み可能なトリガ特徴の幾つかの実施形態を示した図である。
図4B】エッジリングに埋め込み可能なトリガ特徴の幾つかの実施形態を示した図である。
図4C】エッジリングに埋め込み可能なトリガ特徴の幾つかの実施形態を示した図である。
【0021】
図4D】一実施形態にしたがった、トリガ特徴が溝状に掘られたエッジリングの上面図である。
【0022】
図5A】一実施形態にしたがった、長さが異なる3つの穴を有するトリガ特徴の図である。
図5B】一実施形態にしたがった、長さが異なる3つの穴を有するトリガ特徴の図である。
【0023】
図5C】幾つかの実施形態にしたがった、構成が異なる複数のトリガ特徴の上面図である。
図5D】幾つかの実施形態にしたがった、構成が異なる複数のトリガ特徴の上面図である。
図5E】幾つかの実施形態にしたがった、構成が異なる複数のトリガ特徴の上面図である。
図5F】幾つかの実施形態にしたがった、構成が異なる複数のトリガ特徴の上面図である。
【0024】
図6A】幾つかの実施形態にしたがった、形状が異なる複数の異なるトリガ特徴の図である。
図6B】幾つかの実施形態にしたがった、形状が異なる複数の異なるトリガ特徴の図である。
図6C】幾つかの実施形態にしたがった、形状が異なる複数の異なるトリガ特徴の図である。
図6D】幾つかの実施形態にしたがった、形状が異なる複数の異なるトリガ特徴の図である。
図6E】幾つかの実施形態にしたがった、形状が異なる複数の異なるトリガ特徴の図である。
図6F】幾つかの実施形態にしたがった、形状が異なる複数の異なるトリガ特徴の図である。
図6G】幾つかの実施形態にしたがった、形状が異なる複数の異なるトリガ特徴の図である。
図6H】幾つかの実施形態にしたがった、形状が異なる複数の異なるトリガ特徴の図である。
【0025】
図7A】一実施形態にしたがった、消耗部品が交換を要するかどうかを決定するための方法を示したフローチャートである。
【0026】
図7B】一実施形態にしたがった、消耗部品の余寿命を決定するための方法を示したフローチャートである。
【0027】
図7C】一実施形態にしたがった、半導体処理チャンバの稼働中に消耗部品の検査の予定を組むための方法を示したフローチャートである。
【0028】
図8】本発明の実施形態を実行に移すためのコンピュータシステムの略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下の実施形態は、半導体処理チャンバ内の消耗部品の余寿命に関してシステム通知を生成するための方法、デバイス、システム、及びコンピュータプログラムを説明する。
【0030】
半導体チャンバ内のエッジリングなどの消耗部品の余寿命を評価するために、その消耗部品の表面にトリガ特徴が埋め込まれる。一実装形態では、トリガ特徴は、エッジリングに埋め込まれた空間の上方に、キャップ要素を含む。キャップ要素は、エッジリングと同一面上にあり、チャンバにおけるエッチングが原因でエッジリングの上面が浸食されるにつれて、キャップ要素もまた浸食される。一定の量の浸食後、キャップ要素は完全に摩耗され、キャップ要素の下の空間がエッジリングの上面に露出する。すると、視覚的検査を使用して、エッジリングの表面を解析し、トリガ特徴が見えるかどうかを決定することが可能になる。トリガ特徴が見えるようになった時点で、消耗部品の交換までに所定の長さの寿命が残されている。
【0031】
本実施形態は、これらの具体的詳細の一部又は全部を伴うことなく実施されてもよいことが明らかである。また、本実施形態を不必要に不明瞭にしないために、周知のプロセス動作の詳細な説明は省略される。
【0032】
図1Aは、一実施形態にしたがった、容量結合プラズマ処理システムの図である。容量結合プラズマ処理システムは、プラズマ処理チャンバ110を含み、コントローラ122、高周波(RF)源124、ポンプ126、及び1つ以上のガス源128が、プラズマ処理チャンバ110につながれる。一部の実施形態では、チャンバは、上部電極につながれた1つ以上のRF源を有していてよい。プラズマ処理チャンバ110は、処理されるウエハ102を支えるための静電チャック104と、エッジリング106とを含む。一部の実施形態では、プラズマ処理チャンバ110は、また、プラズマをチャンバ内に閉じ込めるための閉じ込めリングと、チャンバ壁装136とを含んでいてよい。
【0033】
一部の実施形態では、プラズマ処理チャンバ110は、検査用スコープ132(例えばボアスコープ)を含んでいてよく、この検査用スコープは、チャンバ内の1つ以上の部品を検査するために弁140を通ってチャンバの内部に入るように動作することができる光学的伸張部140を含む。トリガ特徴を検出する能力がありさえすれば、任意の検査用スコープが使用されてよい。一部の実施形態では、検査用スコープは、光学カメラ、イメージングカメラ、SIM(走査型電子顕微鏡)、RGBカメラ、赤外線カメラ、深さ感知カメラ、又は反射の色若しくは差を検出することができるその他の任意のカメラのいずれかであってよい。
【0034】
チャンバ内部の部品の一部は、消耗部品であり、チャンバ内のエッチング又はその他のプロセスによる影響に起因する部品の劣化ゆえに、一定の時間数に及ぶ動作後に交換される必要がある。例えば、エッジリング106、閉じ込めリング138、及びチャンバ壁装136が、消耗部品の例であるが、チャンバによっては、時間の経過とともに交換を要する消耗品である部品を更に含んでいてよい。
【0035】
RF源124は、約100kHzから約300MHzにわたる複数の周波数でRF信号を生成することができる複数のRF源又は単一のRF源を含むことができる。例えば、一部のRF信号は、約27MHzから約60MHzの周波数を有する。RF信号は、約50Wから約10kWのRF電力を有することができる。例として、約100Wから約1500Wが挙げられる。RF源124は、パルス状又は非パルス状のRF信号を生成することができる。
【0036】
コントローラ122は、容量結合プラズマ処理システム100と通信する、容量結合プラズマ処理システム100を監視する、及び容量結合プラズマ処理システムを制御する、プロセッサ、メモリ、ソフトウェアロジック、ハードウェアロジック、及び入出力サブシステムを含む。コントローラ122は、また、容量結合プラズマ処理システムを動作させるための複数の設定点及び様々な動作パラメータ(例えば電圧、電流、周波数、圧力、流量、電力、温度など)を含む1つ以上のレシピも含む。
【0037】
プラズマ処理チャンバ110は、上方電極116も含む。稼働中、上方電極116は、接地されているのが一般的であるが、バイアスをかけられる又は第2のRF源(不図示)につながれることもある。RF源124は、静電チャック104にRF信号を供給し、ガス源128は、(1種又は複数種の)所望のプロセスガスをチャンバ110に投入する。すると、上方電極116と静電チャック104との間にプラズマ120が形成される。プラズマ120は、ウエハ102の表面をエッチングするために又はプラズマ処理チャンバ110の様々な内表面上に形成された堆積物を揮発させるために使用することができる。
【0038】
一部の実装形態では、コントローラは、システムの一部であり、該システムは、上述された例の一部であってよい。このようなシステムは、1つ若しくは複数の処理ツール、1つ若しくは複数のチャンバ、処理のための1つ若しくは複数のプラットフォーム、及び/又は特定の処理コンポーネント(ウエハ台座やガス流システムなど)などの、半導体処理機器を含むことができる。これらのシステムは、半導体ウエハ又は基板の処理の前、最中、及び後のそれらの動作を制御するための電子機器と一体化されてよい。電子機器は、「コントローラ」と呼ばれてよく、1つ又は複数のシステムの様々なコンポーネント又は副部品を制御することができる。コントローラは、処理要件及び/又はシステムのタイプに応じ、処理ガスの供給、温度の設定(加熱及び/若しくは冷却)、圧力の設定、真空の設定、電力の設定、高周波(RF)発生器の設定、RF整合回路の設定、周波数の設定、流量の設定、流体供給の設定、位置及び動作の設定、特定のシステムに接続された若しくはインターフェース接続されたツール及びその他の移送ツール及び/若しくはロードロックに対してウエハを出入りさせるウエハ移送などの、本明細書で開示される任意のプロセスを制御するようにプログラムされてよい。
【0039】
概して、コントローラは、命令を受信する、命令を発行する、動作を制御する、洗浄動作を可能にする、終点測定を可能にするなどの様々な集積回路、ロジック、メモリ、及び/又はソフトウェアを有する電子機器として定義されてよい。集積回路は、プログラム命令を記憶するファームウェアの形態をとるチップ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特殊用途向け集積回路(ASIC)として定められたチップ、及び/又はプログラム命令(例えばソフトウェア)を実行する1つ以上のマイクロプロセッサ若しくはマイクロコントローラを含んでいてよい。プログラム命令は、様々な個別設定(又はプログラムファイル)の形態でコントローラに伝えられて半導体ウエハに対して又はシステムのために特定のプロセスを実行に移すための動作パラメータを定義する命令であってよい。動作パラメータは、一部の実施形態では、1枚以上の層、材料、金属、酸化物、シリコン、二酸化シリコン、表面、回路、及び/又はウエハダイの製作における1つ以上の処理工程を実現するためにプロセスエンジニアによって定義されるレシピの一部であってよい。
【0040】
コントローラは、一部の実現形態では、システムと一体化された、システムにつながれた、それ以外の形でシステムにネットワーク接続された、若しくはそれらを組み合わせたコンピュータの一部であってよい、又はそのようなコンピュータに接続されてよい。例えば、コントローラは、「クラウド」の中、又はファブホストコンピュータシステムの全体若しくは一部の中にあってよく、これは、ウエハ処理のリモートアクセスを可能にすることができる。コンピュータは、製作動作の現進行状況を監視し、過去の製作動作の履歴を調査し、複数の製作動作から傾向若しくは性能基準を調査するために、又は現処理のパラメータを変更するために、又は現処理を追跡するための処理工程を設定するために、又は新しいプロセスを開始させるために、システムへのリモートアクセスを可能にすることができる。一部の例では、リモートコンピュータ(例えばサーバ)が、ローカルネットワーク又はインターネットなどのネットワークを通じてシステムにプロセスレシピを提供することができる。リモートコンピュータは、パラメータ及び/若しくは設定の入力又はプログラミングを可能にするユーザインターフェースを含んでいてよく、これらのパラメータ及び/又は設定は、次いで、リモートコンピュータからシステムに伝えられる。一部の例では、コントローラは、1つ以上の動作中に実施される各処理工程のためのパラメータを指定するデータの形式で命令を受信する。なお、パラメータは、実施されるプロセスのタイプに、及びコントローラがインターフェース接続されるように又は制御するように構成されたツールのタイプに特有であってよいことが理解されるべきである。したがって、上述のように、コントローラは、ネットワークによって結ばれて本明細書で説明されるプロセス及び制御などの共通の目的に向かって作業する1つ以上の個別のコントローラを含むなどによって分散されてよい。このような目的のための分散コントローラの一例として、(プラットフォームレベルに又はリモートコンピュータの一部として)遠隔設置されてチャンバにおけるプロセスを協同して制御する1つ以上の集積回路と通じているチャンバ上の1つ以上の集積回路が挙げられる。
【0041】
代表的なシステムとして、無制限に、プラズマエッチングチャンバ若しくはプラズマエッチングモジュール、堆積チャンバ若しくは堆積モジュール、スピンリンスチャンバ若しくはスピンリンスモジュール、金属めっきチャンバ若しくは金属めっきモジュール、洗浄チャンバ若しくは洗浄モジュール、ベベルエッジエッチングチャンバ若しくはベベルエッジエッチングモジュール、物理蒸着(PVD)チャンバ若しくはPVDモジュール、化学気相成長(CVD)チャンバ若しくはCVDモジュール、原子層堆積(ALD)チャンバ若しくはALDモジュール、原子層エッチング(ALE)チャンバ若しくはALEモジュール、イオン注入チャンバ若しくはイオン注入モジュール、追跡チャンバ若しくは追跡モジュール、並びに半導体ウエハの製作及び/若しくは製造に関係付けられる若しくは使用されるその他の任意の半導体処理システムが挙げられる。
【0042】
上記のように、ツールによって実施される1つ以上の処理工程に応じ、コントローラは、その他のツール回路若しくはツールモジュール、その他のツールコンポーネント、クラスタツール、その他のツールインターフェース、隣接するツール、近隣のツール、工場の随所にあるツール、メインコンピュータ、別のコントローラ、又は半導体製造工場におけるツール場所及び/若しくは装填ポートに対してウエハ入りの容器を出し入れする材料輸送に使用されるツールのうちの、1つ以上とやり取りするだろう。
【0043】
図1Bは、一実施形態にしたがった、ウエハのエッジ部分の詳細な側面図である。エッジリング106が、静電チャック104を取り囲む。一実施形態では、エッジリング106の表面の一部が、ウエハ102のエッジの下まで達しているが、その他の実施形態では、エッジリング106は、ウエハ102を支えることなくウエハ102の横に位置することができる。ウエハ102は、静電チャック104によって支えられるので、RF電力は、静電チャックを通じてウエハに伝えられる。
【0044】
エッチングプロセス中は、プラズマ処理チャンバ110の内表面上にエッチング副生成物150が堆積する。エッチング副生成物150は、ポリマ残留物、チタン、並びにその他の金属化合物及びシリコン化合物を含む可能性がある。エッチング副生成物は、プラズマ処理チャンバ110内における、解離されたプロセスガス種が拡散するだろう空間106C’を含む任意の表面上に、並びにプラズマ処理チャンバのその他の内表面上に、堆積するだろう。また、時間の経過とともに、チャンバ部品の一部は、エッチングプロセスが原因で浸食される(例えばエッジリング106の厚さが減少する)。
【0045】
図2Aは、一実施形態にしたがった、エッジリング上の摩耗を検出するためのトリガデバイスを備えたエッジリングの詳細な側面図である。本明細書で提起される実施形態は、例えば、エッジリングの余寿命を決定することによって、又はエッジリングが直ちに交換されることが望ましいこと若しくはメインテナンスプロセスが実施されなければならないことを決定することによって、エッジリングがいつ劣化するかを決定することを助けるための、トリガ特徴を、エッジリング内に含む。
【0046】
図2Aのエッジリング106は、トリガ特徴を含むように変更されている。一実施形態では、トリガ特徴は、トリガキャップ又は単にキャップとも呼ばれるキャップ要素202と、キャップ要素202によって覆われる消耗部品(例えばエッジリング)内の穴、凹所、空洞、又は空所とも呼ばれる空間であるマイクロチャンバ204とを含む。空所は、エッジリング106内に形成された意図的な要素である。一部の実施形態では、空所は、エッジリングの本体に埋設される。更に、空所は、エッジリング内の既定の場所に分布させることができる。
【0047】
空所は、更に詳しく後述されるように、複数の幾何学形状の1つを有していてよい。プラズマへの暴露ゆえに、空所を覆っているキャップ要素202が浸食されると、空所の幾何学形状の全部又は一部が見えてきて、視覚的検出を通じて検出することが可能になる。
【0048】
時間の経過とともに、キャップ要素202は、チャンバの動作ゆえに、エッジリング106の浸食と同時に浸食されてゆく。キャップ要素202は、エッジリングの上面と同一面上にあるので、エッジリング及びキャップ要素は、ともに同じ材料で形成されているゆえに同じ速度で浸食される。もし、キャップ要素が異なる材料であった場合は、キャップ要素からの異なる材料によるチャンバ内の汚染ゆえに、チャンバ内にプロセスシフトが生じる恐れがある。
【0049】
キャップ要素202が完全に浸食されると、エッジリング106の表面上に空間204が見えるようになり、視覚的検査によって、穴を識別してエッジリング106の寿命を決定することが可能になる。
【0050】
エッジリング106の表面上の穴の見た目は、エッジリングが直ちに交換されるべきであること、又はチャンバの所定の稼働時間数以内にエッジリングが交換される予定が組まれるべきであることを示すことができる。例えば、交換は、24時間以内、又は異なる時間数以内、又は所定の日数若しくは週数以内、又は所定の枚数のウエハが処理される間、又は所定のバッチ数が処理される間、又は所定のロット数が処理される間などに予定されてよい。これは、半導体製造機器のオペレータが、エッジリングのために適切なメインテナンスを計画し、機器の性能が落ちる前にエッジリングを交換することを可能にする。
【0051】
なお、本明細書で提起される実施形態は、エッジリングに関連して説明されているが、閉じ込めリング、壁装、裏張り、シャワーヘッド、フォーカスリング、シュラウド(覆い)などの、時間の経過とともに浸食を受ける又は劣化するその他の消耗部品にも、等しく原理が適用可能である。
【0052】
図2Bは、一実施形態にしたがった、複数のトリガ特徴を備えたエッジリングの上面図である。トリガ特徴は、1回又は複数回、エッジリング106に装着することができる。例えば、一実施形態では、トリガ特徴は、エッジリング106(不図示)に1回装着される。図2Bに示された代表的な実施形態では、エッジリング106の表面に4つのトリガ特徴202が分布されている。このようにすれば、トリガ特徴がアクティブにされたかどうかを決定するために、エッジリング106の表面の約90°を検査すれば十分である。また、エッジリングの表面に沿ってトリガ特徴を分布させることによって、エッジリングの表面上に不均等な摩耗があるかどうかを決定することが可能である。
【0053】
一部の実施形態では、トリガ特徴は、トリガ特徴のキャップ要素が浸食されてその下の空間を露出させたときに、アクティブにされたと設定される。その他の実施形態では、トリガ特徴は、見えている穴表面の量に基づいて、アクティブにされたと見なされる。
【0054】
図2Bに示された実施形態は、キャップ要素の直径が、エッジリングの幅の約半分以上を占めていることを示している。その他の実施形態では、キャップ要素は、エッジリングの幅の10~50%を占めていてよい。その他の実施形態では、キャップ要素の直径は、エッジリングの幅の50~90%を占めていてよい。
【0055】
なお、図2Bの実施形態では、キャップ要素の形状は円形であるが、その他の実施形態では、図4A~4D及び図5A~5Fに関連して更に詳しく後述されるように、形状が異なるキャップ要素が含まれていてよい。
【0056】
一実施形態では、トリガ特徴(キャップ要素202及びマイクロチャンバ204の両方を含む)の深さは、エッジリング106の幅の約半分である。その他の実施形態では、トリガ特徴の深さは、エッジリング106の幅の10~90%の範囲であってよい。一部の実施形態では、トリガ特徴の深さは、図6G及び図6Hに関連して後述されるように、エッジリングの幅の100%又は100%近くであってもよい。
【0057】
図3Aは、一実施形態にしたがった、上面が浸食されたエッジリングを示している。時間の経過とともに、エッジリング106及びキャップ要素202は、それらの表面がチャンバの稼働時にエッチングされるゆえに、幅が減少する。
【0058】
図3Aでは、エッジリングの表面及びキャップ要素の表面に浸食が起きている。キャンプ要素の部分202aが破壊された一方で、部分202bは、依然、真空マイクロチャンバ204の上方に残っている。したがって、この時点で、マイクロチャンバ204はまだ露出されておらず、視覚的検査によってトリガを見ることはできない。
【0059】
図3Bは、一実施形態にしたがった、トリガキャップが完全に浸食されたときのエッジリングを示している。トリガ特徴は、エッジリング106の寿命の終わりの検出を可能にする。この時点で、キャップ要素は完全に破壊されており、視覚的検査によってチャンバの穴204を見ることができる。例えば、エッジリングの画像を撮影するために、ボアスコープ140をチャンバに導入することができ、次いで、穴の存在を検出するために、撮られた画像が解析される。ボアスコープは、エッジリング上の穴を検出するために、可視スペクトル、赤外線画像、音波、超音波、又は高周波の画像を用いることができる。
【0060】
一実施形態では、ボアスコープ140によって撮影された画像の解析は、マイクロチャンバ204の残りの深さを決定することを含む。次いで、その深さに基づいて、エッジリングの余寿命が推定される。例えば、或る深さが、エッジリングが期間t1後に交換されるべきであることを示す一方で、別の深さは、期間t3後の交換を示すなどであってよい。別の実施形態では、エッジリングの表面における穴の見た目が、エッジリングが直ちに、又は可能な限り早く、又はコントローラによって示される所定の長さの時間内に交換されるべきであることを示す指標である。
【0061】
一実施形態では、コントローラは、穴が最初に検出された時点でエッジリングに残されている所定の時間の長さを設定する。例えば、コントローラは、エッジリングに残されている所定の時間の長さを一定に設定してよい、又はコントローラは、チャンバ内で使用されているプロセスに応じてエッジリングに残されている時間の長さを設定してよい。例えば、チャンバを様々なプロセスで動作させ、その間にテストを実施し、穴がいつ最初に検出されるかに基づいて、各プロセスのための時間の長さを決定することができる。
【0062】
したがって、エッジリングは、寿命の終わりが来たら、自動化された単純な光学的検査及び画像処理によって検出可能な印が現れるように、トリガ特徴を備えたものに変更されている。トリガ特徴の検査は、スループットに影響を及ぼすことなく、尚且つ機器の稼働費用に対して少ない影響で、例えば、ロット変更の際に(例えば、1つのウエハ群を半導体製造機器に取り込む前に)実施されるかもしれない。消耗部品の寿命を最適化することによって、消耗部品の費用が下がり、半導体製造機器の性能が向上する。
【0063】
図4A~4Cは、エッジリングに埋め込み可能なトリガ特徴の幾つかの実施形態を示している。図4Aは、逆さにされた円錐台の形状を有するキャップ要素402を示している。製造の際に、キャップ要素402は、エッジリングに糊付けることができる、又はエッジリングの対応表面と噛み合う側面を有することによって取り付けることができる。
【0064】
図4Bは、円錐台の形状を有するキャップ要素404を示している。エッジリングの製造の際に、キャップ要素404は、空洞に押し込まれる。キャップ要素404は、頂部よりも底部の方が円周が長いゆえに、定位置にとどまる。別の実施形態では、キャップ要素404は、角錐台である。
【0065】
また、一部の実施形態では、真空マイクロチャンバ406は、角錐、角錐台、円錐、又は円錐台の形状を有する。このようにすれば、キャップ要素がひとたび破壊されたときに、見えている穴の領域が時間の経過とともに拡大し、これは、エッジリングにどれだけの寿命が残されているかを示すことができる。
【0066】
図4Cの実施形態では、キャップ要素408は、エッジリング上の対応する引っ込みにぴたりと嵌るように形成された突出環を含む。エッジリングの製造の際に、キャップ要素408は、突出によってキャップ要素が定位置に固定されるまで、エッジリングに押し込まれる。その他の実施形態は、鋸歯の形をした連結機構などの、その他の連結機構を有しているかもしれない。
【0067】
図4Dは、一実施形態にしたがった、トリガ特徴が溝状に掘られたエッジリングの上面図である。上記のように、キャップ要素は、上面が円形であってよいが、その他の形状もまた可能である。例えば、図4Dの代表的実施形態では、トリガ特徴は、エッジリングの上面に沿って走る溝の形状を有する。
【0068】
溝の長さは、1ミリ又は複数ミリから最大でエッジリングの円周の大半又は全部まで、様々であってよい。また、エッジリングの表面全体に1本以上の溝が分布していてもよい。例えば、エッジリング上のトリガ特徴の数は、1から100以上まで、様々であってよい。また、トリガ特徴の深さは、全てのトリガ特徴で同じであってよい、又は更に詳しく後述されるように、一部のトリガ特徴で異なっていてよい。
【0069】
図5Aは、一実施形態にしたがった、長さが異なる3つの穴を有するトリガ特徴の上面図である。この実施形態では、トリガ特徴は、(エッジリングの半径方向に相当する)2つの辺が直線である一方で、残る2つの辺がエッジリングと同心円状の弧であるような、上面を有する。
【0070】
図5Aの代表的実施形態では、3つのトリガがエッジリングに埋め込まれる。図5Bは、図5Aのエッジリングの側面図である。各トリガ特徴は、異なる深さを有し、したがって、エッジリングのエッチングが生じるにつれて、見えている穴502、504、506の数は、0から始まって、全てのキャップが摩耗されたときの3まで変化する(エッチングの均一性を前提とする)。浸食が続くにつれて、1つの穴が消滅し、穴の数は2になり、以下同様である。見えている穴の数は、こうして、消耗部品の余寿命を決定するための基準として使用される。
【0071】
図5C~5Fは、幾つかの実施形態にしたがった、構成が異なる複数の異なるトリガ特徴の上面図を示している。図5Aは、車のタイヤのトレッドに類似したジグザグ形状を有するトリガ特徴508を示している。別の実施形態(不図示)では、トリガ特徴は、地面を這う蛇に類似したうねったジグザグ形状を有する。
【0072】
図5Dは、エッジリングの表面上を平行に走る2本の溝510を含む。これは、画像解析を通じたトリガ特徴の検出可能性を向上させる。
【0073】
図5Eは、エッジリングの表面上に形成された複数のトリガ特徴512を示している。例えば、一実施形態では、エッジリングは、エッジリングの表面上に3×2の構成で配された6つのトリガ特徴を含む。図5Fは、三角形の上面を有するトリガ特徴514を示している。
【0074】
図6A~6Hは、幾つかの実施形態にしたがった、形状が異なる複数の異なるトリガ特徴を示している。一部の実施形態では、トリガ特徴は、キャップ要素を含まず、空間は、エッジリングが製造されたときから見えている。更に留意すべきは、その他の実施形態は、図6A~6Fと同じトリガ特徴を、追加で1つ以上のキャップ要素を備えた状態で含んでいてもよいことである。一部の実施形態では、エッジリングにおいて、キャップを備えた穴とキャップを備えていない穴とが併用されることもある。
【0075】
図6Aは、エッジリング内に6つの空間を含み、そのうちの1つの空間は、第1の深さを有し、2つの空間は、第1の深さよりも深い第2の深さを有し、3つの空間は、第2の深さよりも深い第3の深さを有する。一実施形態では、空間は、特徴が複数の穴が合体して見えることがないようにするために、相隔てられており、このような穴は、プラズマに対して1つの大きな穴として見え、その結果、チャンバ内にプロセスシフトを生じさせる。プロセスシフトを回避するために、穴は、相隔てられており、エッジリングの表面における均一性の欠落の発生を回避している。
【0076】
最初、視覚的検査は6つの空間を示し、時間の経過とともに、第1の空間が消滅し、見えている空間は5つになる。その後、更に多くのリング表面がエッチングによって除去されると、見えている空間は3つになる。もし、穴にキャップが被せられている場合は、穴がプラズマに直面することはないだろうゆえに、特徴どうしがもっと近いことも可能である。
【0077】
図6Aと同様に、図6Bは、深さが異なる3つの特徴を含む。エッジリングの寿命は、見えている穴の数、及び/又は見えている穴の深さによって測られる。
【0078】
図6Cは、逆さにされた円錐形状の、深さが異なる3つのトリガ特徴を示している。別の実施形態では、穴の形状は、逆さにされた角錐である。前述のように、見えている穴の数は、部品の寿命を決定し、穴のサイズは、穴が深くなる(例えばリングの表面がエッチングされる)につれて穴のサイズが小さくなるゆえに、穴がどれくらい深いかの指標も提供する。
【0079】
また、各穴のサイズは、穴が見えるようになったときにチャンバ内にプロセスシフトが生じるのを回避するように構成される。もし、穴が大きすぎると、プラズマが穴に進入し、エッジリングの表面における均一性の欠落を発生させる恐れがある。また、穴は、見えるようになったときのプロセスシフトを回避するために、相隔てられている。もし、幾つかの穴が互いに接近していると、それらの穴は、プラズマに対して1つの大きな穴として振る舞い、それによって、チャンバ内に均一性の欠落及びプロセスシフトを発生させる。プロセスシフトを回避するために、穴は、穴がプラズマに対して見えるようになったときにプロセスシフトを発生させないように、相隔てられているように構成される。
【0080】
図6Dは、形状が異なるトリガ特徴を示している。例えば、第1の特徴は、浅い深さと、矩形の断面とを有し、第2の特徴は、第1の特徴よりも深く、円錐形状を有し、第3の特徴は、その他の2つの特徴よりも深く、矩形の断面を有する。異なる深さ及び特徴形状を提供することによって、リングの表面の画像解析は、見えている穴の数及び穴のサイズに基づいて、リングの余寿命に関する更なる情報を提供する。
【0081】
図6Eは、様々なサイズの試験管に類似した、異なる深さと球状の底とを有する3つのトリガ特徴を含む、一実施形態を示している。
【0082】
図6Fは、同じ深さと球状の底とを有する3つのトリガ特徴の一実施形態を示している。また、図6Fの実施形態は、高さが異なるキャップを含む。その結果、浸食が生じるにつれて、先ず、第1の穴が見えるようになり、次いで、浸食が続くと第2の穴も見えるようになり、最後は、浸食が3つのキャップ要素を削り去ると3つ穴が全て見えるようになる。見えている穴の数は、したがって、エッジリングの余寿命を測る基準として使用することができる。
【0083】
図6G及び図6Hは、トリガ特徴が底面を有していないエッジリング、即ちトリガ特徴がエッジリングの底に到達するように形成されているエッジリングを示している。図6Gは、エッジリングの上面から伸びるキャップ特徴と、該キャップ特徴の下方の、エッジリングの底に到達する中空の空間とを有するトリガ特徴を示している。一実施形態では、中空の空間の形状は、円錐形又は角錐形であるが、その他の形状も可能である。稼働中、エッジリングの表面は、最初は平坦であるが、キャップ特徴がエッチングによって除去された後は、エッジリングの表面に穴が現れる。エッチングが継続し、更に多くのエッジリング表面がエッチングによって除去されるにつれて、穴のサイズは成長し、それによって、消耗部品の余寿命に関する指標が提供される。
【0084】
図6Hは、図6Gに類似しているが、空間がエッジリング自体によって覆われているゆえに、キャップ要素がない。図6Hの実施形態の利点の1つは、トリガ特徴が、エッジリングの底に設けられた切り欠きであり、エッジリングの形状を変えるだけで済むゆえに製造が容易であることである。
【0085】
なお、上述された図面に示された実施形態は、代表的なものである。その他の実施形態は、例えば、トリガ特徴の数を変更する、エッジリングの表面におけるトリガ特徴の分布を変更する、キャップ要素のサイズ及び形状を変更する、キャップ要素の下の空間のサイズ及び形状を変更するなどのように、上述された特徴を様々な組み合わせで用いることができる。図1A~1B、図2A~2B、図3A~3B、図4A~4E、図5A~5F、及び図6A~6Hに示された実施形態は、したがって、排他的又は限定的ではなく、むしろ、代表的又は例示的であると解釈されるべきである。
【0086】
図7Aは、一実施形態にしたがった、消耗部品が交換を要するかどうかを決定するための方法を示したフローチャートである。このフローチャートにおける各種の動作は、順次提示され説明されているが、当業者ならば、これらの動作の一部又は全部が、異なる順番で実行されてよいこと、組み合わされてよい若しくは省略されてよいこと、又は並列に実行されてよいことがわかる。
【0087】
動作702では、当の消耗部品の余寿命を検出するために、その消耗部品のトリガ特徴が識別される。例えば、トリガ特徴は、図2Aのトリガ特徴202であってよく、エッジリングの寿命は、真空マイクロチャンバ204が露出されてエッジリングの表面に見えた時点で尽きたと見なされる。別の実施形態では、エッジリングは、トリガ特徴がエッジリングの表面に初めて見えた時点で所定の長さの寿命が残されていると見なされる。その他の実施形態では、トリガ特徴の形状又はサイズの変化に基づいて、トリガのタイプ、及び消耗部品の余寿命の測定方式が異なっていてよい。
【0088】
動作702から、方法は、半導体製造機器内のチャンバが稼働される動作704に進む。動作704から、方法は、消耗部品の余寿命を示すトリガ特徴の検出有無を調べるために消耗部品が検査される動作706に進む。
【0089】
動作706から、方法は、動作706でトリガが検出されたかどうかを決定するためのチェックが行われる動作708に進む。もし、トリガが検出された場合は、方法は、動作710に進み、もし、トリガが検出されなかった場合は、方法は、チャンバの運転を続けるために動作704に進む。
【0090】
動作710では、トリガの検出のログがとられる、及び/又は消耗部品の余寿命の長さを示すシステム通知が生成される。一実施形態では、検出されたトリガに基づく消耗部品の性能に関する過去の測定値が、消耗部品の余寿命を予測するために使用される。
【0091】
動作710から、方法は、チャンバの運転が続行してよいかどうかを決定するためのチェックが行われる動作712に進む。例えば、もし、検出されたトリガ特徴が、チャンバの性能が許容できない閾値を下回ることを示した場合は、システムは、消耗部品が交換されるまでチャンバの運転が続行できないと決定することができる。もし、続行が可能である場合は、方法は、チャンバを運転するために動作704に戻り、もし、チャンバの運転が続行できないと決定された場合は、方法は、消耗部品の交換が要求される動作714に進む。
【0092】
着目すべきは、この方法が、(図1Aに見られるような)小さい仕切り弁の側方から挿入することができるボアスコープによって検査可能な任意の部品に適用されてよいことである。チャンバが運転されていない間に検査を実施することによって、処理時におけるボアスコープ及び/又はウエハの汚染を回避することが可能である。
【0093】
図7Bは、一実施形態にしたがった、消耗部品の余寿命を決定するための方法のフローチャートである。このフローチャートにおける各種の動作は、順次提示され説明されているが、当業者ならば、これらの動作の一部又は全部が、異なる順番で実行されてよいこと、組み合わされてよい若しくは省略されてよいこと、又は並列に実行されてよいことがわかる。
【0094】
動作722では、システムコントローラと連絡している画像解析器によって、1枚の画像(又は複数の画像)が受信される。受信された画像は、半導体製造システムの消耗部品の画像である。
【0095】
動作722から、方法は、消耗部品が交換されなければならない又は消耗部品が所定の時間内に交換されなければならないなどの、消耗部品の寿命に関係した条件を示すことができるトリガ特徴の検出のために、上記1枚の(又は複数の)受信画像が解析される。トリガ特徴の検出は、消耗部品の表面の穴、消耗部品の領域全体とは異なる色の表面領域、消耗部品の表面における溝の見た目、消耗部品の表面における1つ以上の穴の見た目などのうちの、1つ以上の検出を含んでいてよい。
【0096】
動作724から、方法は、動作724でトリガが検出されたかどうかに関してチェックが行われる動作726に進む。もし、トリガが検出された場合は、方法は、動作730に進み、もし、トリガが検出されなかった場合は、方法は、解析が実施されたこと及びトリガが検出されなかったことを示すログエントリが書き込まれる動作728に進む。
【0097】
トリガ特徴は、一実施形態では、検出を高速で且つ明白なものにする、光学画像の急激な変化を示す、任意の特徴であってよい。一実施形態では、材料の違い又は全体的な幾何形状の変化は、汚染及び/又はプロセスシフトの問題を生じる可能性があるゆえに回避される。
【0098】
動作730では、消耗部品の余寿命の長さを決定するために、又は消耗部品の寿命が尽きているかどうかを決定するために、トリガ特徴が解析される。この解析は、消耗部品の表面上の穴若しくは溝の深さ、見えている穴の形状、消耗部品の表面上に検出されたトリガ特徴の数、検出されたトリガの安全性及び/若しくはサイズ、消耗部品全体の色とは異なる色を持つ消耗部品上の領域などに基づくことができる。
【0099】
動作730から、方法は、解析の結果を示すログエントリが作成される動作732に進む。動作732から、方法は、半導体製造機器のシステム管理者のためにシステム通知が生成される、及び/又は消耗部品が直ちに若しくは所定の時間内に交換されなければならないことを示す警告が生成される、動作734に進む。
【0100】
図7Cは、一実施形態にしたがった、半導体処理チャンバの稼働中に消耗部品の検査の予定を組むための方法のフローチャートである。動作752では、半導体製造マシンが、処理対象とされる複数の基板を含む基板ロットを受け取る。一実施形態では、このプロセスは、基板の表面上に特徴をエッチングすることを含む。
【0101】
動作754では、半導体製造機器によって、基板ロットが処理される。動作754から、方法は、ロットが製造機器から出て移送機器に送られる動作756に進む。
【0102】
ロットが処理された後、動作758では、チャンバが稼働中ではない間にチャンバにボアスコープが挿入される。ボアスコープは、チャンバに挿入されたら、チャンバ内部の様々な部品を検査するために回転させる760及び並進させることができる。動作762では、ボアスコープは、検査対象とされる消耗部品の画像を1枚又は複数枚撮る。
【0103】
764では、ボアスコープによって撮られた1枚又は複数枚の画像が、1つ以上のトリガ特徴の検出有無を調べるために解析される。各画像は、摩耗寿命がきたかどうかを示す形態変化を検出するために処理することができる。エッジリングの摩耗がプロセスシフト又はドリフトを引き起こす恐れがある用途では、不完全なエッジリングを検出することが不可欠である。
【0104】
動作764から、方法は、トリガが検出されたかどうかを決定するためのチェックが行われる動作766に進む。もし、トリガが検出された場合は、方法は、動作768に進み、もし、トリガが検出されなかった場合は、方法は、動作770に進む。
【0105】
動作768では、トリガが検出されたことを示すエントリが、システムログのなかに作成される。加えて、システムは、トリガ検出に基づいて1つ以上のシステム通知を生成し、消耗部品にどれくらいの寿命が残されているか又は消耗部品の寿命が尽きているかどうかを示すこともできる。
【0106】
動作770では、ボアスコープが更に他の消耗部品を解析する必要があるかどうかを決定するためのチェックが行われる。もし、更に他の部品が検査対象とされる場合は、方法は、画像の撮影のためにボアスコープを位置決めするために動作760に戻り、もし、検査対象とされる部品がこれ以上ない場合は、方法は、システムが新しい基板ロットを受け取る用意が整う動作752に戻る。
【0107】
一実施形態では、エッジリング上の摩耗を検出するための方法は、エッジリングを半導体製造チャンバ内に置くための動作を含む。エッジリングは、処理時に基板を取り囲むように構成され、環状の本体と、該環状の本体内のトリガ特徴とを含む。トリガ特徴は、穴を覆うキャップ要素を含み、穴は、キャップ要素が浸食されたときに見えるようになる。
【0108】
方法は、更に、チャンバに検査用スコープを挿入するための動作と、キャップ要素が見えているかどうかを決定するために、検査用スコープによって捕らえられたエッジリングの画像を解析するための動作とを含む。更に、方法は、穴が見えているときにチャンバ内のエッジリングの交換までに残されている時間の長さを決定するための動作も含む。
【0109】
本明細書で提起される実施形態は、ウェット洗浄のための時間を予測しその結果としてダウンタイムを最小限に抑えつつ製造の予測可能性を向上させる、方法、システム、及びコンピュータプログラムを提供する。消耗部品の寿命を管理することによって、チャンバの動作を改善しつつも消耗部品の費用が最小限に抑えられる。
【0110】
一実施形態では、トリガ特徴は、トリガ特徴に寿命時計が関係付けられるように設計される。機器のオペレータは、画像解析器による対応する解析に関してトリガ特徴によって提供される情報に基づいて、部品をいつ洗浄又は交換するかを定めることができる。
【0111】
図8は、実施形態を実行に移すためのコンピュータシステムの略説明図である。本明細書で説明される方法は、従来の汎用コンピュータシステムなどのデジタル処理システムによって実施されてよいことがわかる。1つの機能のみを実施するように設計又はプログラムされた専用のコンピュータが、代替として使用されてもよい。コンピュータシステムは、中央演算処理装置(CPU)804を含み、該CPUは、バス810を通じてランダムアクセスメモリ(RAM)806、読み出し専用メモリ(ROM)812、及びマスストレージデバイス814につながれている。ランダムアクセスメモリ(RAM)806には、システムコントローラプログラム808が常駐しているが、このシステムコントローラプログラム808は、マスストレージ814に常駐することもできる。
【0112】
マスストレージデバイス814は、フロッピィディスクドライブ又は固定ディスクドライブなどの永続データストレージデバイスを表わしており、これは、ローカル又はリモートであってよい。ネットワークインターフェース830が、ネットワーク832を通じた接続を提供し、その他のデバイスとの通信を可能にしている。なお、CPU804は、汎用プロセッサ、専用プロセッサ、又は特別にプログラムされたロジックデバイスに実装されてよいことがわかる。入出力(I/O)インターフェースは、様々な周辺機器との通信手段を提供し、バス810を通じてCPU804、RAM806、ROM812、及びマスストレージデバイス814に接続されている。周辺機器の例として、ディスプレイ818、キーボード822、カーソルコントローラ824、着脱式メディアデバイス834などが挙げられる。
【0113】
ディスプレイ818は、本明細書で説明されるユーザインターフェースを表示するように構成される。キーボード822、カーソルコントローラ824、着脱式メディアデバイス834、及びその他の周辺機器は、コマンド選択の形でCPU804に情報を伝達するために、入出力インターフェース820につながれている。なお、外部機器への及び外部機器からのデータは、入出力インターフェース820を通じて伝達されてよいことがわかる。実施形態は、有線ベースのネットワーク又は無線ネットワークを通じてリンクされたリモート処理機器によってタスクが実施される分散型コンピューティング環境で実施することもできる。
【0114】
実施形態は、ハンドヘルドデバイス、マイクロプロセッサシステム、マイクロプロセッサをベースにした若しくはプログラム可能な家庭用電子機器、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータなどの、その他のコンピュータシステム構成で実施されてよい。実施形態は、また、ネットワークを通じてリンクされたリモート処理装置によってタスクが実施される分散コンピューティング環境で実施することもできる。
【0115】
上記の実施形態を念頭におくと、これらの実施形態は、コンピュータシステムに格納されたデータを伴う様々なコンピュータ実行動作を用いてよいことが理解される。これらの動作は、物理量の物理的操作を必要とする動作である。本明細書で説明され実施形態の一部を構成するは、いずれも、有用なマシン動作である。実施形態は、また、これらの動作を実施するためのデバイス又は装置にも関する。装置は、専用コンピュータのように、所要の目的のために特別に構築されたものであってよい。専用コンピュータとして定められる場合は、コンピュータは、特別な目的のために動作可能でありつつ、特別な目的の一部ではないその他の処理、プログラム実行、又はルーチンを実施することもできる。或いは、動作は、コンピュータ若しくはキャッシュに格納された若しくはネットワークを通じて得られる1つ以上のコンピュータプログラムによって選択的にアクティブにされる又は構成される汎用コンピュータによって処理されてよい。データがネットワークを通じて得られる場合は、データは、例えばコンピューティングリソースのクラウドなどの、ネットワーク上のその他のコンピュータによって処理されてよい。
【0116】
1つ以上の実施形態は、コンピュータ読み取り可能メディア上のコンピュータ読み取り可能コードとして作成することもできる。コンピュータ読み取り可能メディアは、コンピュータシステムによって後で読み取り可能なデータを格納することができる任意のデータストレージデバイスである。コンピュータ読み取り可能メディアの例として、ハードドライブ、ネットワーク接続ストレージ(NAS)、読み出し専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、CD-ROM、CD-R、CD-RW、磁気テープ、並びにその他の光及び非光データストレージデバイスが挙げられる。コンピュータ読み取り可能メディアは、コンピュータ読み取り可能コードが分散方式で格納及び実行されるようにネットワーク接続コンピュータシステムに分散される有形のコンピュータ読み取り可能メディアを含むことができる。
【0117】
方法の動作は、特定の順番で説明されたが、オーバーレイ動作の処理が所望の形で実施される限り、動作と動作との間にその他のハウスキーピング動作が実施されてよいこと、又は僅かに異なる時点で発生するように動作が調整されてよいこと、又はシステム内で分散され、それによって、処理に関係付けられた様々な時間間隔で処理動作が発生することが可能にされてよいことが理解されるべきである。
【0118】
以上の実施形態は、理解を明瞭にする目的で幾らか詳細に説明されてきたが、添付の特許請求の範囲内で特定の変更及び修正がなされてよいことが明らかである。したがって、本実施形態は、例示的であって限定的ではないと見なされ、本明細書で与えられる詳細に限定されず、添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物の範囲内で変更可能である。
本発明は以下の適用例としても実現できる。
[適用例1]
半導体基板を処理するためにプラズマが使用されるチャンバの内部で使用するための消耗部品であって、
前記チャンバ内での処理時に前記プラズマに暴露されるように構成された表面を有する本体と、
前記本体に組み込まれたトリガ特徴であって、前記本体の前記表面の下に配された空所を含み、前記空所は、時間の経過とともに前記プラズマへの暴露によって前記表面が浸食されると見えてくるように構成され、前記見えてくる空所は、前記本体の前記表面上の、前記消耗部品の摩耗レベルを示す識別可能特徴であり、前記摩耗レベルは、前記消耗部品に残されている処理時間の長さに関係付けられる、トリガ特徴と、
を備える消耗部品。
[適用例2]
適用例1に記載の消耗部品であって、
前記残されている処理時間の長さは、前記空所が検査用スコープによって最初に見えてからの所定の期間と相関がある、消耗部品。
[適用例3]
適用例1に記載の消耗部品あって、
前記トリガ特徴は、更に、前記本体の表面と実質的に同一面上にあるキャップ要素であって、前記空所の上方に位置し、前記基板の処理時における前記チャンバ内でのプロセスシフトを回避するために前記消耗部品と同じ材料であるキャップ要素を備える消耗部品。
[適用例4]
適用例1に記載の消耗部品であって、
前記消耗部品は、更に、前記消耗部品の上方に分布された1つ以上の追加のトリガ特徴を含む、消耗部品。
[適用例5]
適用例4に記載の消耗部品であって、
前記1つ以上の追加のトリガ特徴は、深さが異なるキャップ要素を含む、消耗部品。
[適用例6]
適用例4に記載の消耗部品であって、
前記1つ以上の追加のトリガ特徴は、深さが異なるそれぞれの空所を含む、消耗部品。
[適用例7]
適用例1に記載の消耗部品であって、
前記空所の上方のキャップ要素は、前記本体と同じ材料である、消耗部品。
[適用例8]
システムであって、
半導体基板を処理するために使用されるプラズマを発生させるように構成されたチャンバと、
前記チャンバの内部で使用されるように構成され、本体と、トリガ特徴とを含む消耗部品であって、前記本体は、前記チャンバ内での処理時に前記プラズマに暴露されるように構成された表面を有し、前記トリガ特徴は、前記本体に組み込まれており、前記トリガ特徴は、前記本体の前記表面の下に配された空所を含み、前記空所は、時間の経過とともに前記プラズマへの暴露によって前記表面が浸食されると見えてくるように構成される、消耗部品と、
前記消耗部品が前記チャンバ内にある間に前記消耗部品を検査するための検査用スコープと、
前記検査用スコープによって得られた情報に基づいて、前記空所が見えているかどうかを決定するように構成されたコントローラであって、前記見えてくる空所は、前記本体の前記表面上の、前記消耗部品の摩耗レベルを示す識別可能特徴であり、前記摩耗レベルは、前記消耗部品に残されている処理時間の長さに関係付けられ、前記空所のサイズは、前記表面が浸食された後に前記空所が前記プラズマに暴露されたときの前記チャンバ内でのプロセスシフトを回避するように構成される、コントローラと、
を備えるシステム。
[適用例9]
適用例8に記載のシステムであって、
前記検査用スコープは、可視スペクトル、赤外線画像、音波、超音波、及び高周波の1枚以上の画像を用いて前記消耗部品を検査するように構成される、システム。
[適用例10]
適用例8に記載のシステムであって、
前記トリガ特徴の深さは、前記本体の幅の約半分である、システム。
[適用例11]
適用例8に記載のシステムであって、
前記トリガ特徴の深さは、前記本体の垂直幅の10%から99%の範囲内である、システム。
[適用例12]
適用例8に記載のシステムであって、
前記空所の形状は、円筒状である、システム。
[適用例13]
適用例8に記載のシステムであって、
前記空所の形状は、円錐台である、システム。
[適用例14]
適用例8に記載のシステムであって、
前記トリガ特徴は、更に、前記本体の表面と同一面上にあるキャップ要素を含み、前記キャップ要素は、前記空所の上方に位置し、前記キャップ要素は、前記本体上の対応する引っ込みにぴたりと嵌るように構成された突出環を含む、システム。
[適用例15]
消耗部品上の摩耗を検出するための方法であって、
半導体製造のためのチャンバ内に前記消耗部品を置くことであって、前記消耗部品は、本体と、トリガ特徴とを含み、前記本体は、前記チャンバ内での処理時にプラズマに暴露されるように構成された表面を有し、前記トリガ特徴は、前記本体に組み込まれており、前記トリガ特徴は、前記本体の前記表面下に配された空所を含み、前記空所は、時間の経過とともにプラズマへの暴露によって前記表面が浸食されると見えてくるように構成され、前記見えてくる空所は、前記本体の前記表面上の、前記消耗部品の摩耗レベルを示す識別可能特徴である、ことと、
前記チャンバに検査用スコープを挿入することと、
前記空所が見えているかどうかを決定するために、前記検査用スコープによって得られた情報を解析することと、
前記空所が見えてきた時点で前記チャンバ内の前記消耗部品の交換までに残されている時間の長さを決定することと、
を備える方法。
[適用例16]
適用例15に記載の方法であって、
前記トリガ特徴は、更に、前記本体の表面と同一面上にあるキャップ要素を含み、前記キャップ要素は、前記空所の上方に位置し、前記キャップ要素は、円形である、方法。
[適用例17]
適用例15に記載の方法であって、
前記空所の上方のキャップ要素は、前記本体に沿って走る溝の形状を有する、方法。
[適用例18]
適用例15に記載の方法であって、
前記トリガ特徴は、更に、対応する追加の空所の上方に追加のキャップを含む、方法。
[適用例19]
適用例15に記載の方法であって、
前記空所は、逆さにされた円錐の形状を有する、方法。
[適用例20]
適用例15に記載の方法であって、
前記方法の動作は、1つ以上のプロセッサによって実行されるときにコンピュータプログラムによって実施され、前記コンピュータプログラムは、非一過性のコンピュータ読み取り可能ストレージメディアに組み込まれている、方法。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
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図6B
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図6H
図7A
図7B
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図8