(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-07
(45)【発行日】2023-08-16
(54)【発明の名称】無機中空粒子およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
C01B 33/18 20060101AFI20230808BHJP
C08G 77/02 20060101ALN20230808BHJP
【FI】
C01B33/18 Z
C08G77/02
(21)【出願番号】P 2018183467
(22)【出願日】2018-09-28
【審査請求日】2021-09-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000229117
【氏名又は名称】日本ゼオン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000486
【氏名又は名称】弁理士法人とこしえ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石葉 雅俊
(72)【発明者】
【氏名】伊賀 隆志
(72)【発明者】
【氏名】加藤 慎二
【審査官】磯部 香
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-041643(JP,A)
【文献】特開2001-123099(JP,A)
【文献】特開2016-055286(JP,A)
【文献】特開2016-033101(JP,A)
【文献】特開2018-141902(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01B 33/18
C08G 77/02
JSTPlus(JDreamIII)
JST7580(JDreamIII)
JSTChina(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無機中空粒子を製造する方法であって、
界面活性剤を含有する水溶液について、高圧ホモジナイザーまたは回転せん断型分散機を使用した分散処理を行うことにより
、ベシクルを形成させることで、ベシクル含有水溶液を得るベシクル形成工程と、
前記ベシクル含有水溶液に、前記無機中空粒子を形成するための、無機中空粒子前駆体
として、下記一般式(1)で表されるアルコキシシランを添加する前駆体添加工程と、
前記無機中空粒子前駆体を添加したベシクル含有水溶液中に含まれる、前記無機中空粒子前駆体を、該水溶液中で反応させることで、無機中空粒子を含有する水分散液を得る反応工程と、
前記無機中空粒子について、溶媒としてアルコールを用いた洗浄を行う洗浄工程と、
前記洗浄工程において用いた溶媒から、界面活性剤を回収する回収工程と、を備える無機中空粒子の製造方法。
SiR
x
(OR)
4-x
(1)
(上記一般式(1)中、Rはアルキル基を表し、xは0~3の整数である。)
【請求項2】
前記界面活性剤が、鎖状構造含有イオン性界面活性剤である請求項1に記載の無機中空粒子の製造方法。
【請求項3】
前記鎖状構造含有イオン性界面活性剤として、二鎖型カチオン界面活性剤と、一鎖型カチオン界面活性剤とを併用する請求項2に記載の無機中空粒子の製造方法。
【請求項4】
上記一般式(1)中、xは0である請求項1~3のいずれかに記載の無機中空粒子の製造方法。
【請求項5】
前記無機中空粒子前駆体が、
テトラエトキシシランである請求項4に記載の無機中空粒子の製造方法。
【請求項6】
前記無機中空粒子前駆体を添加したベシクル含有水溶液中における、前記無機中空粒子前駆体の含有割合を0.5~10重量%とする請求項1~5のいずれかに記載の無機中空粒子の製造方法。
【請求項7】
前記反応工程が、前記無機中空粒子前駆体を添加したベシクル含有水溶液中に含まれる、前記無機中空粒子前駆体を熱処理することにより反応させる工程である請求項1~6のいずれかに記載の無機中空粒子の製造方法。
【請求項8】
前記熱処理を、0.1~1.0MPaの加圧下、80~190℃にて、2~24時間の条件にて行う請求項7に記載の無機中空粒子の製造方法。
【請求項9】
前記反応工程により得られた前記無機中空粒子を含有する水分散液について、濃縮処理を行う濃縮工程をさらに備える請求項1~8のいずれかに記載の無機中空粒子の製造方法。
【請求項10】
前記濃縮処理を、遠心分離、限外ろ過、または湿式サイクロンにより行う請求項9に記載の無機中空粒子の製造方法。
【請求項11】
前記濃縮工程により濃縮処理を行った前記無機中空粒子を含有する水分散液について、乾燥を行う乾燥工程をさらに備える請求項9または10に記載の無機中空粒子の製造方法。
【請求項12】
前記洗浄工程が、前記無機中空粒子に含まれる界面活性剤の含有量が10重量%以下となるように洗浄を行う工程である請求項
1~11のいずれかに記載の無機中空粒子の製造方法。
【請求項13】
前記洗浄工程
における洗浄を、エタノールを用いて行う請求項
1~12のいずれかに記載の無機中空粒子の製造方法。
【請求項14】
前記洗浄工程が、前記無機中空粒子に溶媒を添加して洗浄を行った後、遠心分離、限外ろ過、または湿式サイクロンにより濃縮を行い、次いで乾燥させる工程である請求項
1~13のいずれかに記載の無機中空粒子の製造方法。
【請求項15】
前記洗浄工程が、前記無機中空粒子に溶媒を添加して洗浄を行った後、遠心分離、限外ろ過、または湿式サイクロンによる濃縮を行う操作を複数回行った後、乾燥を行う工程である請求項
14に記載の無機中空粒子の製造方法。
【請求項16】
請求項
1~
15のいずれかに記載の方法により無機中空粒子を得て、得られた前記無機中空粒子を、分散機を用いて溶媒に分散させる工程を備える無機中空粒子分散液の製造方法。
【請求項17】
前記分散機が、超音波振動機、高圧ホモジナイザー、または回転せん断型分散機である請求項
16に記載の無機中空粒子分散液の製造方法。
【請求項18】
前記溶媒として、高分子を含有する高分子溶液を用いる請求項
16または
17に記載の無機中空粒子分散液の製造方法。
【請求項19】
請求項
1~
15のいずれかに記載の方法により無機中空粒子を得て、得られた前記無機中空粒子と、高分子とを混合する工程を備える無機中空粒子含有高分子組成物の製造方法。
【請求項20】
前記無機中空粒子含有高分子組成物が、反射防止膜用の組成物である請求項
19に記載の無機中空粒子含有高分子組成物の製造方法。
【請求項21】
前記無機中空粒子含有高分子組成物が、断熱剤用の組成物である請求項
19に記載の無機中空粒子含有高分子組成物の製造方法。
【請求項22】
前記無機中空粒子含有高分子組成物が、軽量化樹脂用の組成物である請求項
19に記載の無機中空粒子含有高分子組成物の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無機中空粒子および無機中空粒子の製造方法に関し、さらに詳しくは、微細な粒子径を有し、各種媒体に対する分散性に優れる無機中空粒子、およびこのような無機中空粒子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
中空シリカ粒子などの無機中空粒子は、低誘電率材料、低屈折率材料、分離材、吸着材、触媒担体、酵素担体、ドラッグデリバリー(DDS)担体等、様々な用途展開が期待されている。
【0003】
このような中空シリカ粒子などの無機中空粒子を製造するための方法として、たとえば、特許文献1では、アルミノシリケートナノ粒子を中空部形成剤に利用して、中空シリカ粒子を製造する方法が提案されている。具体的には、この特許文献1では、珪酸塩の水溶液および/または酸性珪酸液と、アルカリ可溶の無機化合物水溶液とを、pH10以上のアルカリ水溶液または、必要に応じて種粒子が分散したpH10以上のアルカリ水溶液中に同時に添加し、SiO2と、シリカ以外の無機化合物MOxとをモル比MOx/SiO2=0. 3~1. 0にて含有する核粒子分散液を調製する工程と、前記核粒子分散液にシリカ源を添加して、核粒子に第1シリカ被覆層を形成する工程と、前記分散液に酸を加え、前記核粒子を構成する元素の一部または全部を除去する工程とを経て、中空シリカ粒子を製造している。
【0004】
しかしながら、この特許文献1の技術においては、アルミノシリケートナノ粒子を酸溶解し、洗浄させる工程が必要となるため、設備負荷が大きく高コストが高くなるという問題や、粒子径が100nm以下と微細化された中空シリカ粒子を安定的に得ることが困難であるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、このような実状に鑑みてなされたものであり、微細な粒子径を有し、各種媒体に対する分散性に優れる無機中空粒子、およびこのような無機中空粒子を製造するための方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、粒子内部に、1または2以上中空部を有する無機中空粒子であって、体積平均粒子径が100nm以下であり、空隙率が20体積%以上である無機中空粒子が提供される。
【0008】
また、本発明によれば、無機中空粒子を製造する方法であって、界面活性剤を含有する水溶液を用いて、ベシクルを形成させることで、ベシクル含有水溶液を得るベシクル形成工程と、前記ベシクル含有水溶液に、前記無機中空粒子を形成するための、無機中空粒子前駆体を添加する前駆体添加工程と、前記無機中空粒子前駆体を添加したベシクル含有水溶液中に含まれる、前記無機中空粒子前駆体を、該水溶液中で反応させることで、無機中空粒子を含有する水分散液を得る反応工程と、を備える無機中空粒子の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、微細な粒子径を有し、各種媒体に対する分散性に優れる無機中空粒子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本発明で用いる分散機の一例としての対向衝突型高圧ホモジナイザーの部分的模式図である。
【
図2】
図2は、実施例1で得られた中空シリカ粒子のTEM写真である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の無機中空粒子は、粒子内部に、1または2以上中空部を有し、体積平均粒子径が100nm以下であり、空隙率が20体積%以上である中空状の無機粒子である。本発明の無機中空粒子は、無機化合物からの構成されるものであればよく、特に限定されないが、中空シリカ粒子であることが好ましい。
【0012】
本発明の無機中空粒子は、たとえば、次の方法により製造することができる。
すなわち、界面活性剤を含有する水溶液を用いて、ベシクルを形成させることで、ベシクル含有水溶液を得るベシクル形成工程と、
前記ベシクル含有水溶液に、前記無機中空粒子を形成するための、無機中空粒子前駆体を添加する前駆体添加工程と、
前記無機中空粒子前駆体を添加したベシクル含有水溶液中に含まれる、前記無機中空粒子前駆体を、該水溶液中で反応させることで、無機中空粒子を含有する水分散液を得る反応工程と、を備える製造方法により製造することができる。
【0013】
以下、まず、本発明の無機中空粒子の製造方法について、説明する。
【0014】
<ベシクル形成工程>
ベシクル形成工程は、界面活性剤等を含有する水溶液を用いて、ベシクルを形成させることで、ベシクル含有水溶液を得る工程である。
【0015】
界面活性剤としては、ベシクルを形成可能な界面活性剤であればよく、特に限定されない。なお、ここで、ベシクルとは、界面活性剤により形成される二分子膜閉鎖小胞体を意味する。本発明で用いる界面活性剤としては、鎖状構造含有イオン性界面活性剤が好ましく、鎖状構造含有カチオン界面活性剤がより好ましい。また、リン脂質などからなるリポソームでもよいが、鎖上構造含有カチオン界面活性剤がより好ましい。
【0016】
鎖状構造含有カチオン界面活性剤としては、二鎖型カチオン界面活性剤、一鎖型カチオン界面活性剤などを用いることができ、その使用態様としては、二鎖型カチオン界面活性剤を単独で用いる態様や、二鎖型カチオン界面活性剤と一鎖型カチオン界面活性剤とを組み合わせて用いる態様などが挙げられるが、より微細で、よりシャープな粒子径分布を有する無機中空粒子を好適に得ることができるという観点より、二鎖型カチオン界面活性剤と一鎖型カチオン界面活性剤とを組み合わせて用いる態様が好ましい。また、これらに、アニオン界面活性剤を組み合わせて用いてもよい。二鎖型カチオン界面活性剤と、一鎖型カチオン界面活性剤と、を併用する場合における、これらの比率は、「二鎖型カチオン界面活性剤:一鎖型カチオン界面活性剤」のモル比で、好ましくは6/4~9.5/0.5であり、より好ましくは8/2~9/1である。これらの比率を上記範囲内とすることで、形成されるベシクルのサイズを好適に調整することができ、結果として、得られる無機中空粒子をより微細なものとすることができる。
【0017】
二鎖型カチオン界面活性剤としては、特に限定されず、従来、ベシクルの製造に用いられている二鎖型カチオン界面活性剤を使用することができる。二鎖型カチオン界面活性剤としては、たとえば、炭素数12~20のアルキル基を2個有するものが挙げられ、その具体例としては、ジドデシルジメチルアンモニウムブロミド(DDAB)、ジヘキサデシルジメチルアンモニウムブロミド、ジオクタデシルジメチルアンモニウムブロミド等のジアルキルジメチルアンモニウム塩;ポリオキシエチレン付加ジヘキサデシルジメチルアンモニウム塩、ポリオキシエチレン付加ジオクタデシルジメチルアンモニウム塩等のポリオキシエチレン付加ジアルキルジメチルアンモニウム塩;等が挙げられる。これらのなかでも、アルキル基の炭素数が12~20であるジアルキルジメチルアンモニウム塩が好ましく、ジドデシルジメチルアンモニウムブロミドがより好ましい。
【0018】
一鎖型カチオン界面活性剤としては、特に限定されず、従来、ベシクルの製造に用いられている一鎖型カチオン界面活性剤を使用することができる。一鎖型カチオン界面活性剤としては、たとえば、炭素数12~20のアルキル基を1個有するものが挙げられ、その具体例としては、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド(DTAB)、テトラデシルトリメチルアンモニウムブロミド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド、オクタデシルトリメチルアンモニウムブロミド等のアルキルトリメチルアンモニウム塩;ポリオキシエチレン付加ヘキサデシルトリメチルアンモニウム塩、ポリオキシエチレン付加オクタデシルトリメチルアンモニウム塩等のポリオキシエチレン付加アルキルトリメチルアンモニウム塩;ヘキサデシルピリジニウムブロミド、オクタデシルピリジウニウムブロミド等のアルキルピリジニウム塩;ヘキサデシルイミダゾリウムブロミド、オクタデシルイミダゾリウムブロミド等のアルキルイミダゾリウム塩;等が挙げられる。これらのなかでも、アルキル基の炭素数が12~20であるアルキルトリメチルアンモニウム塩が好ましく、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミドがより好ましい。
【0019】
アニオン界面活性剤としては、たとえば、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレン付加アルキル硫酸塩、アルカンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、N-アシルアルキルタウリン酸、α-オレフィンスルホン酸塩、スルホコハク酸塩等が挙げられる。このうち、アルキル基の炭素原子数が8~20のアルキル硫酸塩が好ましい。
【0020】
ベシクル形成工程において、ベシクル形成に用いる、界面活性剤を含有する水溶液の調製方法としては、特に限定されないが、界面活性剤と、水とを攪拌する方法などが挙げられる、水としては、イオン交換水や蒸留水、超純水等を用いることができるが、超純水を用いることが好ましい。界面活性剤と、水とを攪拌する方法としては、これらを均一に混合できるような方法とすればよく、特に限定されない。また、界面活性剤を含有する水溶液中における、界面活性剤の含有量は、特に限定されないが、好ましくは0.1~10重量%、より好ましくは0.5~5重量%である。
【0021】
次いで、このようにして調製される界面活性剤を含有する水溶液を用いて、ベシクルを形成させることで、ベシクル含有水溶液を得る。界面活性剤を含有する水溶液中において、界面活性剤によるベシクルを形成させ、これにより、ベシクル含有水溶液を得る方法としては、特に限定されないが、界面活性剤を含有する水溶液について、分散機を使用した分散処理を行う方法が好ましい。
【0022】
分散処理に用いる分散機としては、特に限定されないが、超音波振動機、高圧ホモジナイザー、または回転せん断型分散機などが挙げられるが、比較的大きいスケール(好ましくは10~1000L、より好ましくは100~1000L)での製造を可能とするという観点より、高圧ホモジナイザー、または回転せん断型分散機を用いることが好ましい。
【0023】
高圧ホモジナイザーとは、ポンプにより流体を加圧しながら、流路中の非常に微細な間隙から噴出させることにより、粒子間の衝突、圧力差によるせん断力等の総合エネルギーによって分散を行う装置である。高圧ホモジナイザーによる処理条件としては、特に限定されないが、圧力条件としては、好ましくは10MPa以上であり、より好ましくは30MPa以上、さらに好ましくは100MPa以上、特に好ましくは140MPa以上である。
【0024】
高圧ホモジナイザーとしては、対向衝突型高圧ホモジナイザー(マイクロフルイダイザー、湿式ジェットミル)が好ましく、分散処理に供する界面活性剤を含有する水溶液を一直線上で対向衝突させるような装置が好ましい。具体的には、
図1に部分的に示されるように、対向衝突型高圧ホモジナイザーにおいては、界面活性剤を含有する水溶液は、S1、S2として別々の流路から、加圧された状態にて、合流部Xに供給され、合流部Xで対向衝突するように上流側流路10が形成されている。そして、別々の流路から加圧された状態で供給された、界面活性剤を含有する水溶液S1と、界面活性剤を含有する水溶液S2とが、合流部Xで衝突し、衝突した界面活性剤を含有する水溶液S3は、下流側流路20から流出する。なお、上流側流路10に対して、下流側流路20は垂直に設けられており、上流側流路10と下流側流路20とでT型の流路を形成している。そして、対向衝突型高圧ホモジナイザーによれば、このような合流部Xにおける衝突を繰り返し行うことで、分散処理を行うものである。
【0025】
回転せん断型分散機とは、分散刃を有し、回転するローターと、分散刃を有するステーターとの間に、流体を通過させ、流体にせん断力を与えて分散させる分散機である。回転せん断型分散機の中でも、高速回転する細かなスリットを持つリング状刃物を構造の一部に有する回転せん断分散機がより好ましく、特に、このような構造を有する回転せん断分散機によれば、スリット間で発生する流体力学的な衝撃波が、分散処理に供する界面活性剤を含有する水溶液の分散に有効に作用するものである。回転せん断型分散機としては、たとえば、マイルダー(太平洋機工社製)、トップファイナー(相川鉄工社製)、VFポンプ(新浜ポンプ社製)等が挙げられる。
【0026】
また、界面活性剤を含有する水溶液を用いて、ベシクルを形成させることで、ベシクル含有水溶液を得る際には、界面活性剤を含有する水溶液のpHを、好ましくは9~12、より好ましくは10~11.7、さらに好ましくは11~11.7に調整した状態にて、ベシクルを形成させることが好ましい。たとえば、上述した分散機を用いた分散処理により、ベシクルを形成させる場合には、界面活性剤を含有する水溶液のpHを上記範囲として、分散機による分散処理を行えばよい。pHを上記範囲として、ベシクルを形成させることにより、形成されるベシクル径を比較的小さなものとすることができ、これにより得られる無機中空粒子をより微細な粒子径を有するものとすることができる。なお、pHの調整には、通常、アルカリ物質が用いられる。アルカリ物質としては、たとえば、アンモニア、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどが挙げられ、アンモニアが好ましい。
【0027】
<前駆体添加工程>
前駆体添加工程は、上記したベシクル形成工程において調製したベシクル含有水溶液に、無機中空粒子を形成するための、無機中空粒子前駆体を添加する工程である。
前駆体添加工程においては、ベシクル含有水溶液に、無機中空粒子前駆体を添加することで、ベシクル構造中に、無機中空粒子前駆体を取り込んだ形とすることができる。すなわち、無機中空粒子前駆体を、ベシクル構造中に取り込まれた状態にて、ベシクル含有水溶液中に含有させることができる。
【0028】
無機中空粒子前駆体としては、形成する無機中空粒子に対応するものを用いればよいが、中空シリカ粒子を得る場合には、ケイ素原子を含有する化合物を用いることが好ましく、下記一般式(1)で表されるアルコキシシランを用いることがより好ましい。
SiRx(OR)4-x (1)
(上記一般式(1)中、Rはアルキル基を表し、xは0~3の整数である。)
【0029】
上記一般式(1)中、Rとしては、たとえば、炭素原子数1~10のアルキル基が挙げられ、炭素原子数1~6のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素原子数1~4のアルキル基がより好ましい。nは、0~2の整数であることが好ましく、0または1であることが好ましく、0であることが特に好ましい。上記一般式(1)で表されるアルコキシシランの具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシランなどが挙げられるが、これらのなかでも、テトラエトキシシランがより好ましい。
【0030】
前駆体添加工程において、ベシクル含有水溶液中における、無機中空粒子前駆体の含有割合が、0.5~10重量%となるように、無機中空粒子前駆体を添加することが好ましく、より好ましくは1~8重量%であり、さらに好ましくは2~6重量%である。
【0031】
また、前駆体添加工程において、ベシクル含有水溶液中における、無機中空粒子前駆体の含有割合を、上記ベシクル形成工程において用いた界面活性剤との関係で、「界面活性剤:無機中空粒子前駆体」の重量比率で、1:0.5~1:5となる量とすることが好ましく、1: 1~1:3となる量とすることがより好ましい。無機中空粒子前駆体の含有割合を、上記範囲とすることにより、微細な粒子径を有する無機中空粒子を効率的に得ることができる。
【0032】
また、前駆体添加工程においては、ベシクル含有水溶液に、無機中空粒子前駆体を添加した後、攪拌操作を行うことが好ましい。この際における撹拌温度は、好ましくは15~35℃であり、攪拌翼の先端速度は、好ましくは0.5から5m/秒である。また、撹拌時間は、好ましくは30分~24時間であり、より好ましくは1~12時間、さらに好ましくは1~3時間である。
【0033】
<反応工程>
反応工程は、上記した前駆体添加工程において調製した、無機中空粒子前駆体を添加したベシクル含有水溶液中に含まれる、無機中空粒子前駆体を、該水溶液中で反応させることで、無機中空粒子を含有する水分散液を得る工程である。
反応工程においては、ベシクル構造中に取り込まれた状態の無機中空粒子前駆体を反応させるものであり、これにより中空状の無機粒子を得ることができるものである。
【0034】
反応工程においては、無機中空粒子前駆体を添加したベシクル含有水溶液中に含まれる、無機中空粒子前駆体を反応させる方法としては、特に限定されないが、無機中空粒子前駆体について、該水溶液に含有された状態のまま、熱処理を行う方法、すなわち、水熱反応させる方法が好ましい。
【0035】
反応工程における反応条件としては、特に限定されないが、好ましくは0.1~1.0MPa、より好ましくは0.3~0.8MPaの加圧条件下、好ましくは80~190℃、より好ましくは110~160℃にて、好ましくは2~24時間、より好ましくは3~20時間加熱することが好ましい。なお、反応工程における反応は、たとえば、オートクレーブを用いて行うことができる。
【0036】
また、反応工程においては、無機中空粒子前駆体を添加したベシクル含有水溶液の反応を行う前に、該水溶液のpHを予め調整しておくことが好ましく、具体的には、pHを、好ましくは6~8.5、より好ましくは7~8.5に調整し、pHをこの範囲に調整した状態にて、上記反応を行うことが好ましい。pHの調整には、通常、酸性物質が用いられる。酸性物質としては、たとえば、塩酸、硫酸、硝酸等が挙げられ、塩酸が好ましい。また、酸性物質を添加した後、酸性物質を添加した水溶液について、好ましくは15~35℃、0.5から5m/秒の撹拌翼先端速度にて、1~24時間の攪拌を行った後に、上記反応を行うことが好ましい。この際の攪拌時間は、6~18時間であることがより好ましく、11~13時間であることがより好ましい。
【0037】
<濃縮工程、乾燥工程>
そして、本発明の製造方法においては、上記した反応工程にて得られた無機中空粒子を含有する水分散液について濃縮処理を行い(濃縮工程)、次いで、濃縮処理により得られた濃縮液について乾燥を行う(乾燥工程)ことが好ましく、これにより無機中空粒子を得ることができる。
【0038】
無機中空粒子を含有する水分散液について、濃縮処理を行う方法としては、特に限定されないが、遠心分離による方法、限外ろ過による方法、または湿式サイクロンを用いる方法などが挙げられる。
【0039】
そして、濃縮処理により得られた濃縮液について、乾燥を行うことにより、無機中空粒子を得ることができる。乾燥条件としては、粉末状の無機中空粒子を得ることができるような方法とすればよく、特に限定されないが、好ましくは80~150℃、より好ましくは100~130℃にて、好ましくは0.5~24時間、より好ましくは1~12時間加熱する方法が好ましい。なお、本発明の製造方法においては、濃縮処理を行わずに、上記した反応工程にて得られた無機中空粒子を含有する水分散液について、直接、乾燥処理を行うような態様としてもよい。
【0040】
<洗浄工程>
また、本発明の製造方法においては、得られる無機中空粒子に含まれる界面活性剤の含有量を低減するために、溶媒を用いた洗浄を行う(洗浄工程)ことが好ましい。
【0041】
洗浄に用いる溶媒としては、特に限定されないが、アルコール、ケトン、エーテル等を用いることができるが、界面活性剤をより効率的に除去・回収できるという観点より、アルコールが好ましく、エタノールがより好ましい。また、無機中空粒子の原料となる無機中空粒子前駆体として、上記一般式(1)で表されるアルコキシシランを用いた場合には、対応するアルコールを用いることが好ましく、これにより、回収した界面活性剤を再利用する際に、不純物の混入による生産性の低下を効果的に防止することができる。すなわち、たとえば、上記一般式(1)で表されるアルコキシシランとして、テトラエトキシシランを用いた場合には、中空シリカ粒子を得る際に、反応副生成物として、エタノールが生成するが、洗浄工程において用いる溶媒として、同じエタノールを使用することで、不純物の混入を抑制することができるものである。
【0042】
洗浄方法としては、特に限定されないが、溶媒中に無機中空粒子を分散させ、攪拌する方法などが挙げられる。この際における攪拌条件としては、特に限定されないが、好ましくは15~35℃、0.5から5m/秒の撹拌翼先端速度にて、1~24時間攪拌する方法などが挙げられる。あるいは、ボルテックスミキサーを用いて攪拌を行ってもよい。
【0043】
また、溶媒による洗浄を行った後、洗浄後の分散液について、濃縮処理を行うことが好ましく、濃縮処理を行う方法としては、特に限定されないが、遠心分離による方法、限外ろ過による方法、または湿式サイクロンを用いる方法などが挙げられる。
【0044】
そして、濃縮を行った洗浄液について、乾燥を行うことにより、無機中空粒子を得ることができる。乾燥条件としては、粉末状の無機中空粒子を得ることができるような方法とすればよく、特に限定されないが、好ましくは50~120℃、より好ましくは70~100℃にて、好ましくは0.5~24時間、より好ましくは1~24時間加熱する方法が好ましい。あるいは、濃縮を行った洗浄液を減圧状態で乾燥させる方法を採用することもできる。
【0045】
本発明の製造方法においては、洗浄後の無機中空粒子に含まれる界面活性剤の含有量が10重量%以下となるように洗浄を行うことが好ましく、界面活性剤の含有量が5重量%以下となるように洗浄を行うことがより好ましい。このように界面活性剤の含有量を低減することにより、得られる無機中空粒子を各種用途に用いる際に、界面活性剤の残存による各種特性の低下の発生を有効に抑制することができる。
【0046】
また、本発明の製造方法によれば、洗浄により界面活性剤を除去することにより、たとえば、加熱により界面活性剤の除去を行う場合と比較して、得られる無機中空粒子の加熱による劣化や特性変化の発生を抑制することができ、さらには、用いた界面活性剤を無機中空粒子の製造に好適に再利用することができる。すなわち、洗浄工程においては、濃縮処理により分離された洗浄後の溶媒から界面活性剤を回収し、回収した界面活性剤を、無機中空粒子の製造に再利用することが好ましい。また、このような観点からも、無機中空粒子の原料となる無機中空粒子前駆体として、上記一般式(1)で表されるアルコキシシランを用いた場合には、対応するアルコールを用いることが好ましい。
【0047】
また、洗浄工程においては、洗浄後の無機中空粒子について、再度、溶媒による洗浄、および濃縮処理を行ってもよく、得られる無機中空粒子に含まれる界面活性剤の含有量が所望の水準に低下するまで、このような操作を繰り返し行うことができる。
【0048】
<無機中空粒子>
本発明の無機中空粒子は、たとえば、上記した製造方法により製造することができる。本発明の無機中空粒子は、粒子内部に、1または2以上中空部を有し、体積平均粒子径が100nm以下であり、空隙率が20体積%以上である中空状の無機粒子である。
【0049】
本発明の無機中空粒子は、粒子内部に、中空部を1または2以上有するものであればよく、中空部の数は特に限定されないが、体積平均粒子径が比較的小さい場合でも、高い空隙率が実現できるという観点より、中空部を1つのみ有するものであることが好ましい。
【0050】
本発明の無機中空粒子は、体積平均粒子径が100nm以下であり、好ましくは20~80nm、より好ましくは20~50nmである。体積平均粒子径は、たとえば、動的光散乱測定法(DLS)で測定することができる。
【0051】
また、本発明の無機中空粒子は、空隙率が20体積%以上であることが好ましく、より好ましくは30~50体積%、さらに好ましくは40~50体積%である。
【0052】
そして、本発明の無機中空粒子は、上記のように微細な粒子径を有し、各種媒体に対する分散性に優れるものであるため、各種用途に好適に用いることができる。たとえば、反射防止膜、断熱材料、軽量化樹脂、電子配線基板などを得るための材料や、薬物担体、触媒担体、化粧品基剤、屈折率調整剤、ドラッグデリバリーシステムのキャリアなどとして好適に用いることができる。
【0053】
また、これら各種用途に用いるに際し、本発明の無機中空粒子を、各種溶媒に分散させて、無機中空粒子分散液の状態で用いてもよい。この際における分散は、分散機として、超音波振動機、高圧ホモジナイザー、または回転せん断型分散機を用いることが好ましく、これらの中でも、高圧ホモジナイザー、または回転せん断型分散機を用いるがより好ましい。溶媒としては、用いられる用途に応じて選択すればよいが、たとえば、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、テトラヒドロフラン、エチレングリコール、グリセリン、N-メチルピロリドン、ピリジン、アセトニトリル、N,N-ジメチルホルムアミドなどが挙げられる。また、溶媒としては、上記した各種溶媒中に高分子を含有する高分子溶液を用いてもよく、高分子としては、用いられる用途に応じて選択すればよいが、熱硬化性高分子および熱可塑性高分子のいずれであってもよい。熱硬化性高分子としては、たとえば、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ベークライト、尿素樹脂、ポリウレタン、シリコーン樹脂などが挙げられる。また、熱可塑性高分子としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリシクロオレフィン、1,2-ポリブタジエンなどのポリオレフィン系樹脂;ポリスチレン、アクリル樹脂、PAN、ABS樹脂、AS樹脂、塩化ビニル、PVAなどのビニル系樹脂;テフロン(登録商標)などのフッ素系樹脂;PET、PBTなどのポリエステル系樹脂;ナイロン66、ナイロン6などのポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、液晶ポリマーなどの特殊樹脂;などが挙げられる。
【0054】
また、本発明の無機中空粒子は、高分子と混合することで無機中空粒子含有高分子組成物として用いてもよく、この場合において、用いる高分子としては、特に限定されず、用いられる用途に応じて選択すればよいが、たとえば、上述した高分子のなかから、適宜選択することができる。なかでも、本発明の無機中空粒子は、反射防止膜用の組成物、断熱剤用の組成物、または軽量化樹脂用の組成物として好適に用いることができる。
【実施例】
【0055】
以下、実施例により本発明が詳細に説明されるが、本発明はこれらの実施例に限定されない。なお、以下の「部」は、特に断りのない限り、重量基準である。なお、各種の物性は以下のように測定した。
【0056】
<実施例1>
(ベシクル形成工程)
超純水982gに、二鎖型カチオン界面活性剤であるジドデシルジメチルアンモニウムブロマイド(DDAB)17g、および一鎖型カチオン界面活性剤であるドデシルトリメチルアンモニウムブロマイド(DTAB)0.92gを添加して混合することで、1000gの界面活性剤を含有する水溶液を調製した。次いで、調製した界面活性剤を含有する水溶液にアンモニア水を添加して、界面活性剤混合水溶液のpHを11.5に調整した。次いで、pHを調製した界面活性剤混合水溶液について、回転せん断型分散機(商品名「マイルダー MDN303V」、太平洋機工社製)を用いて、回転数15,000rpmの条件にて、1時間分散処理を行うことで、ベシクルを形成させ、ベシクル含有水溶液を得た。
【0057】
(前駆体添加工程)
次いで、上記にて得られたベシクル含有水溶液の全量を用い、これに、無機中空粒子前駆体としてのテトラエトキシシラン40gを添加し、25℃、撹拌翼を備えた撹拌容器にて、撹拌翼先端速度を1m/秒で2時間攪拌を行うことで、無機中空粒子前駆体を添加したベシクル含有水溶液を得た。
【0058】
(反応工程)
次いで、上記にて得られた、無機中空粒子前駆体を添加したベシクル含有水溶液に、塩酸を添加し、25℃、撹拌翼を備えた撹拌容器にて、撹拌翼先端速度を1m/秒で12時間攪拌を行うことで、pHを8に調整した。そして、オートクレーブを用いて、pHを8に調整した、無機中空粒子前駆体を添加したベシクル含有水溶液について、水熱反応を行うことで、中空シリカ粒子の水分散液を得た。水熱反応時の条件は、0.5MPaの加圧条件下、反応温度:150℃、反応時間:6時間とした。
【0059】
(乾燥工程)
次いで、上記にて得られた中空シリカ粒子の水分散液について、120℃、24時間の条件で乾燥を行うことで、洗浄前の中空シリカ粒子30gを得た。
【0060】
(洗浄工程)
そして、上記に得て得られた洗浄前の中空シリカ粒子30gを、バイアルに入れ、ここに、50mLのエタノールを入れた後、ボルテックスミキサーを使用して、10秒間の条件で攪拌させることにより、エタノールによる洗浄を行った。次いで、洗浄後のエタノール分散液について、遠心分離装置を用いて、3500rpm、30分間の条件で遠心分離を行うことで、濃縮処理を行い、軽液として、界面活性剤のエタノール溶液を、重液として、エタノール含有中空シリカ粒子を得た。次いで、濃縮により得られた重液について、再度、エタノールによる洗浄、および濃縮操作を、合計で4回となるように行った。最後に、濃縮により得られた重液について、デシケータ内で乾燥を行うことにより、中空シリカ粒子10gを得た。
【0061】
そして、得られた中空シリカ粒子について、下記に示す各種評価を行った。
【0062】
(TEM観察)
得られた中空シリカ粒子0.05gを、超純水10mlに分散させて分散液を得て、この分散液について、TEM観察を行った。得られたTEM写真を
図2に示す。
図2からも確認できるように、本実施例によれば、球状を有する良好な中空シリカ粒子が得られたことが確認できる。特に、本実施例によれば、水分散液換算で1000g程度と比較的大きなスケールとした場合でも、このような良好な中空シリカ粒子を得ることが可能であった。
【0063】
(体積平均粒子径)
得られた中空シリカ粒子0.05gを、超純水10mlに分散させて分散液を得て、この分散液について、動的光散乱測定法(DLS)により体積平均粒子径の測定を行ったところ、体積平均粒子径は40nmであった。
【0064】
(空隙率)
得られた中空シリカ粒子の空隙率を、TEM像による画像解析により測定したところ、空隙率は40体積%であった。
【0065】
(界面活性剤の含有量)
洗浄工程において、遠心分離の軽液として発生した界面活性剤のエタノール溶液について、乾燥によりエタノールを除去する処理を行うことで、界面活性剤(すなわち、ジドデシルジメチルアンモニウムブロマイド(DDAB)およびドデシルトリメチルアンモニウムブロマイド(DTAB))の回収量を測定したところ、使用した界面活性剤のうち、90重量%が洗浄工程により除去・回収されたことが確認できた。そして、この結果より、得られた中空シリカ粒子に含有されている界面活性剤の量は、10重量%であると判断できる。