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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-07
(45)【発行日】2023-08-16
(54)【発明の名称】搬送装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 17/16 20060101AFI20230808BHJP
   B65G 17/48 20060101ALI20230808BHJP
   B65G 21/22 20060101ALI20230808BHJP
   A23L 3/365 20060101ALN20230808BHJP
【FI】
B65G17/16 B
B65G17/48 F
B65G21/22 D
A23L3/365 Z
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018204146
(22)【出願日】2018-10-30
(65)【公開番号】P2020070134
(43)【公開日】2020-05-07
【審査請求日】2021-10-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000148357
【氏名又は名称】株式会社前川製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】杉山 俊和
【審査官】福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】特開昭56-117741(JP,A)
【文献】特開平05-170332(JP,A)
【文献】特開2002-053223(JP,A)
【文献】特開昭53-022279(JP,A)
【文献】特開平09-202439(JP,A)
【文献】特開平05-085619(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 17/16
B65G 17/48
B65G 21/22
A23L 3/365
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品を搬送する搬送装置であって、
前記食品に対して処理を行う処理庫と、
前記処理庫の上流側に設けられ、前記処理庫に前記食品を搬入する搬入部と、
前記処理庫の下流側に設けられ、前記処理庫から前記食品を搬出する搬出部と、を有し、
前記処理庫は、
前記食品を搬送する搬送部と、
前記搬入部から前記食品を受け取って前記食品が配置されるとともに、前記搬送部によって搬送される配置部と、を有し、
前記搬入部は、
前記食品が載置される第1載置部と、
前記第1載置部の下流側に設けられ、前記配置部に前記食品を搬送する第1ベルトコンベアと、
前記第1載置部に載置される前記食品を前記第1ベルトコンベアに移動させる移動部と、を有し、
前記搬出部は、
前記処理庫の下流側に設けられ、前記処理庫から前記食品を受け取って下流側に搬送する第2ベルトコンベアと、
前記第2ベルトコンベアの下流側に設けられ、前記食品が載置される第2載置部と、
前記配置部を傾斜させる傾斜部と、
傾斜された前記配置部に配置された前記食品を上流側から押し出して、前記食品を前記第2ベルトコンベアに移動させる押出部材と、を有する搬送装置。
【請求項2】
前記傾斜部は、多角形状の平板を有し、
前記配置部の底面が前記平板の側面に当接しつつ前記配置部が移動することによって、前記配置部は傾斜される、請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
前記搬送部は、
上下方向に沿って複数段から構成されるチェーンと、
前記チェーンを駆動させるモータと、
前記チェーンと噛み合って回転するスプロケットと、を有し、
前記チェーンは、前記搬入部から前記搬出部の方向に沿って繰り返し往復するように配置されている、請求項1または2に記載の搬送装置。
【請求項4】
前記搬出部は、
前記配置部の上下が反転した状態を維持するレール部材をさらに有する、請求項1~のいずれか1項に記載の搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品の搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば冷凍された食品を解凍する解凍装置が種々開発されている。これに関連して、例えば下記の特許文献1には、台車を解凍庫の内部に入れて台車上の冷凍食品を解凍する解凍庫が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-183905号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された解凍庫では、台車上に多くの冷凍食品が配置されているため、作業者による台車の移動が面倒である。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するために発明されたものであり、解凍等の処理を食品に対して行う際に、作業者の作業が面倒になることを抑制することのできる搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成する本発明に係る搬送装置は、食品を搬送する搬送装置である。前記搬送装置は、前記食品に対して処理を行う処理庫と、前記処理庫の上流側に設けられ、前記処理庫に前記食品を搬入する搬入部と、前記処理庫の下流側に設けられ、前記処理庫から前記食品を搬出する搬出部と、を有する。前記処理庫は、前記食品を搬送する搬送部と、前記搬入部から前記食品を受け取って前記食品が配置されるとともに、前記搬送部によって搬送される配置部と、を有する。前記搬入部は、前記食品が載置される第1載置部と、前記第1載置部の下流側に設けられ、前記配置部に前記食品を搬送する第1ベルトコンベアと、前記第1載置部に載置される前記食品を前記第1ベルトコンベアに移動させる移動部と、を有する。前記搬出部は、前記処理庫の下流側に設けられ、前記処理庫から前記食品を受け取って下流側に搬送する第2ベルトコンベアと、前記第2ベルトコンベアの下流側に設けられ、前記食品が載置される第2載置部と、前記配置部を傾斜させる傾斜部と、傾斜された前記配置部に配置された前記食品を上流側から押し出して、前記食品を前記第2ベルトコンベアに移動させる押出部材と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
上述の搬送装置によれば、作業者が搬入部の第1載置部に食品を載置することによって、載置された食品は処理庫に移動され、処理庫において処理が行われる。そして、処理が行われた食品は、搬出部の第2載置部に載置される。すなわち、上述の搬送装置によれば、作業者が第1載置部に食品を載置するだけで、自動的に食品に処理が行われ、処理が行われた食品が第2載置部に載置される。このため、解凍等の処理を食品に対して行う際に、作業者の作業が面倒になることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態に係る搬送装置を示す概略正面図である。
図2】配置部を示す斜視図である。
図3】搬入部を示す斜視図であって、豚脂が入った袋を第1載置部に載置した様子を示す概略図である。
図4】搬入部を示す斜視図であって、移動部が上方に移動した様子を示す概略図である。
図5】搬入部を示す斜視図であって、移動部が上流側に移動した様子を示す概略図である。
図6】搬入部を示す斜視図であって、移動部が下方に移動した様子を示す概略図である。
図7】搬入部を示す斜視図であって、移動部によって、豚脂が入った袋が、第1載置部から第1ベルトコンベアに移動された様子を示す概略図である。
図8】開閉部が開放して、解凍庫内の配置部が可視状態となった様子を示す概略図である。
図9】第1ベルトコンベアによって、豚脂が入った袋が当接部に当接するまで移動した様子を示す概略図である。
図10】第1ベルトコンベアが上流側に移動して、豚脂が入った袋が配置部に配置された様子を示す概略図である。
図11】当接部が上流側に移動した様子を示す概略図である。
図12】豚脂が入った袋が配置された配置部が下流側に移動した様子を示す概略図である。
図13】搬出部を示す斜視図であって、配置部が傾斜する前の様子を示す概略図である。
図14】搬出部を示す斜視図であって、配置部が傾斜した後の様子を示す概略図である。
図15】搬出部を示す斜視図であって、押出部材が下流側に移動した様子を示す概略図である。
図16】搬出部を示す斜視図であって、押出部材がさらに下流側に移動して、豚脂が入った袋が配置部から第2ベルトコンベアに移動した様子を示す概略図である。
図17】傾斜部の構成を説明するための概略図であって、図17(A)は押出部が円板を押し出す前の状態を、図17(B)は押出部が円板を押し出した後の状態をそれぞれ示す。
図18】配置部が傾斜部によって傾斜される様子を示す図であって、図18(A)は傾斜する前の状態を、図18(B)は傾斜した後の状態を、図18(C)は上下が反転した状態を、それぞれ示す。
図19】上下が反転した配置部が、上流側に移動して、上下の反転状態が解除される様子を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施形態を、図1図19を参照しつつ説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。本実施形態では、搬送装置1が搬送する食品として、冷凍された状態の豚脂を例に挙げて説明する。冷凍された豚脂は袋に入れられた状態で搬送される。
【0010】
図1は、本発明の実施形態に係る搬送装置1を示す概略正面図である。図2は、配置部13を示す斜視図である。図3図12は、搬入部20の構成を説明するための図である。図13図19は、搬出部30の構成を説明するための図である。以下の説明において、上流から下流に向かう方向をX方向、X方向に対する幅方向をY方向、上下方向をZ方向と称する。なお、図3図12は略上流側から視た図であって、図13図16は、略下流側から視た図である。
【0011】
本実施形態に係る搬送装置1は、図1に示すように、豚脂を解凍する解凍庫(処理庫に相当)10と、解凍庫10の上流側に設けられ、解凍庫10に豚脂が入った袋を搬入する搬入部20と、解凍庫10の下流側に設けられ、解凍庫10から豚脂が入った袋を搬出する搬出部30と、を有する。
【0012】
解凍庫10は、図1に示すように、豚脂を解凍する解凍装置11と、豚脂が入った袋を搬送する搬送部12と、豚脂が入った袋が配置される配置部13と、を有する。
【0013】
解凍装置11としては、公知の解凍装置を用いることができる。このため、ここでは解凍装置11の詳細な説明は省略する。解凍装置11は、例えば解凍庫10内を、温度20度であって湿度100%の状態にすることができる。
【0014】
搬送部12は、図1に示すように、チェーン121と、チェーン121を駆動させるモータ122と、チェーン121と噛み合って回転するスプロケット123と、を有する。
【0015】
チェーン121は、Y方向に沿って一対設けられる。チェーン121は、図1に示すように、6段から構成されてなる。この構成によれば、チェーンが1段からなる構成と比較して、チェーン121にかかる張力が減少するため、比較的幅の小さな安価なチェーン121を使用することができる。また、チェーン121は、図1に示すように、搬入部20から搬出部30の方向(X方向)に沿って繰り返し往復するように配置されている。この構成によれば、豚脂が入った袋は、解凍庫10内を満遍なく低速で移動することができる。したがって、豚脂を解凍庫10においてムラなく解凍することができる。
【0016】
モータ122は、図1に示すように、解凍庫10の下流側に3つ設けられる。また、チェーン121が湾曲する箇所のうち、モータ122が設けられない個所に、スプロケット123が設けられる。
【0017】
配置部13は、Y方向に沿って一対設けられるチェーン121の間に設けられる。配置部13は、図1に示すように、チェーン121が延在する方向に沿って複数設けられる。
【0018】
配置部13は、図2に示すように、豚脂が入った袋が配置される配置面131と、配置面131のY方向の両側から立ち上がる縦壁部132と、を有する。配置面131には、後述する押出部材34が挿入可能な幅を備える貫通孔133が形成される。また、配置面131の裏面の底面134には、後述する傾斜部33の平板333が当接する。Y方向に沿う一対の縦壁部132がチェーン121に対して回動自在に固定されることによって、配置部13はチェーン121に対して回動自在に固定される。配置部13は、チェーン121の移動に追従して移動する。
【0019】
搬入部20は、図3図12に示すように、豚脂が入った袋が載置される第1載置部21と、第1載置部21の下流側(図3の左上側)に設けられる第1ベルトコンベア22と、豚脂が入った袋を第1載置部21から第1ベルトコンベア22に移動させる移動部23と、移動部23を駆動させる駆動部24と、を有する。なお、図3図12では、後述する第1開閉部80の図示は省略する。
【0020】
第1載置部21は、図3図12に示すように、Y方向に沿って一対設けられる。第1載置部21は、Y方向に延在する棒部材21aが、隙間を介してX方向に複数連続して設けられることによって構成されている。
【0021】
第1ベルトコンベア22は、第1載置部21の下流側に設けられるとともに、第1載置部21の下方に設けられる。換言すれば、第1載置部21は、第1ベルトコンベア22の上方に設けられる。第1ベルトコンベア22は、Y方向に沿って一対設けられる。
【0022】
第1ベルトコンベア22は回転することによって、上面に配置された豚脂が入った袋を第1載置部21から解凍庫10の配置部13に搬送する(図9参照)。すなわち、第1ベルトコンベア22は、図3において左下から右上に視たときに、反時計回りに回転する。また、第1ベルトコンベア22の下流側の先端は、解凍庫10内の配置部13まで延在するように構成されている(図9参照)。
【0023】
移動部23は、Z方向に延在する板材である。移動部23は、Y方向に沿って一対設けられる。移動部23は、駆動部24によって移動されることによって、第1載置部21に載置される豚脂が入った袋を第1ベルトコンベア22に移動させる。移動部23の具体的な移動方法については、後述の使用方法において説明する。
【0024】
駆動部24は、移動部23をZ方向に昇降させるとともに、移動部23をX方向に移動させる。駆動部24としては公知の駆動部を用いることができるため、ここでは駆動部24の詳細な説明は省略する。
【0025】
解凍庫10および搬入部20の間には、図1に示すように、第1開閉部80が設けられている。第1開閉部80を開放することによって、搬入部20から解凍庫10内に豚脂が入った袋を移動させることができる。一方、第1開閉部80を閉鎖することによって、解凍庫10内を閉じた空間とすることができる。
【0026】
搬出部30は、図13図16に示すように、豚脂が入った袋が載置される第2載置部31と、第2載置部31の上流側(図13の左上側)に設けられる第2ベルトコンベア32と、配置部13を傾斜させる傾斜部33と、傾斜した配置部13上に配置される豚脂が入った袋を押し出す押出部材34と、配置部13の上下が反転した状態を維持するレール部材35と、を有する。
【0027】
第2載置部31は、第2ベルトコンベア32から搬送された豚脂が入った袋が載置される。第2載置部31に載置された袋は、作業者によって次工程に運ばれる。
【0028】
第2ベルトコンベア32は、上面に配置された豚脂が入った袋を第2載置部31に搬送する。すなわち、図13において左下から右上を視たときに、第2ベルトコンベア32は時計回りとなるように回転する。
【0029】
傾斜部33は、図13図14に示すように、配置部13を傾斜させる。傾斜部33は、図17に示すように、左から順に押出部331と、円板332と、多角形状の平板333と、付勢部材334と、受け部材335と、を有する。
【0030】
押出部331は、図17の横方向に移動して、円板332を右側に移動させることができる。押出部331は公知のシリンダーを用いることができる。
【0031】
円板332は、薄板状の形状を備えている。円板332および平板333は、シャフト336によって連結されている。シャフト336は、図17に示すように、スプロケット123の内部を挿通している。
【0032】
平板333は、図17図18に示すように、放射方向の外方に側面333aを備える。図17(A)に示すように、押出部331が円板332を押していない場合、平板333の側面333aは、配置部13の左側に配置される。このとき、傾斜部33は配置部13を傾斜させることができない。一方、図17(B)に示すように、押出部331が円板332を右側に押すことによって、配置部13の底面134が平板333の側面333aに当接しつつ移動する。この結果、図18(A)、(B)、(C)に示すように、スプロケット123の回転に追従して平板333が回転する際に、配置部13が同期して回転する。そして、図18(B)に示す状態において平板333の回転を停止することによって、配置部13が傾斜した状態を維持することができる(図14参照)。
【0033】
付勢部材334は、通常状態において、平板333を左側に向けて付勢する。受け部材335は、付勢部材334からの付勢力を受ける。
【0034】
押出部材34は、図15図16に示すように、傾斜された状態の配置部13の貫通孔133を介して、配置部13上の豚脂が入った袋を押し出して、配置部13から第2ベルトコンベア32に移動させる。このように押出部材34が設けられることによって、より好適に配置部13から第2ベルトコンベア32に、豚脂が入った袋を移動させることができる。
【0035】
押出部材34は、図13図16に示すように、本体部341と、Z方向に2つ設けられた棒部材342、343を有する。本体部341はシリンダーであって、棒部材342、343は本体部341によって、下流側(図13の右下側)に移動する。
【0036】
レール部材35は、図19に示すように、X方向に延在して設けられる。図19は、解凍庫10の搬出部30近傍における構成を示す図である。レール部材35は、配置部13の底面134にレール部材35の底面35Aが接するように設けられている。このため、傾斜部33によって上下が反転した配置部13(図18(C)参照)は、レール部材35が存在する箇所において、上下が反転した状態を維持する。レール部材35は、上下が反転した状態の配置部13が元に戻る際に、押出部材34に干渉しないように、X方向の長さが決められている。
【0037】
解凍庫10および搬出部30の間には、図1に示すように、第2開閉部90が設けられている。第2開閉部90を開放することによって、解凍庫10から搬出部30に豚脂が入った袋を移動させることができる。一方、第2開閉部90を閉鎖することによって、解凍庫10内を閉じた空間とすることができる。
【0038】
次に、図3図16を参照して、本実施形態に係る搬送装置1の使用方法について説明する。なお、以下の説明において、搬送装置1の各種構成の動作は不図示の制御部によって行われる。
【0039】
まず、作業者は、図3に示すように、搬入部20の第1載置部21に、凍結した状態の豚脂が入った袋を載置する。このとき、移動部23は、豚脂が入った袋の下流側(図3の左上側)に位置している。
【0040】
次に、図4図5図6に示すように、移動部23を上方に移動させ、上流側(図4図6の右下側)に移動させ、下方に移動させる。この結果、移動部23は、図6に示すように、豚脂が入った袋の上流側に位置する。
【0041】
次に、図7に示すように、移動部23を下流側に移動させ、豚脂が入った袋は、第1載置部21から第1ベルトコンベア22に移動される。
【0042】
次に、図8に示すように、搬入部20および解凍庫10の間に設けられる第1開閉部80が開放されて(図1参照)、搬送装置1外部から解凍庫10内の配置部13を視ることができる状態になる。
【0043】
次に、図9に示すように、第1ベルトコンベア22を回転させつつ(矢印V1参照)、第1ベルトコンベア22を下流側(図9の左上側)に移動させる(矢印V2参照)ことによって、豚脂が入った袋は配置部13の近傍まで移動して、豚脂が入った袋は当接部25に当接される。
【0044】
次に、図10に示すように、第1ベルトコンベア22を回転させつつ(矢印V1参照)、第1ベルトコンベア22を上流側(図10の右下側)に移動させる(矢印V2参照)ことによって、豚脂が入った袋は、第1ベルトコンベア22から落下して、配置部13に配置される。
【0045】
次に、図11に示すように、当接部25を豚脂が入った袋の上流側に移動させる。そして、図12に示すように、豚脂が入った袋が配置された配置部13は、解凍庫10内を下流側に移動する。
【0046】
そして、所定の時間だけ解凍庫10内で解凍された豚脂が入った袋は、図13に示すように、搬送部12によって搬送され、搬出部30に到達する(図1の矢印参照)。
【0047】
次に、配置部13は、図14に示すように、傾斜部33によって傾斜される。そして、図15図16に示すように、押出部材34を下流側に移動することによって、配置部13上の豚脂が入った袋は、第2ベルトコンベア32に移動される。
【0048】
そして、第2ベルトコンベア32上の豚脂が入った袋は、第2ベルトコンベア32によって、第2載置部31に移動される。
【0049】
以上説明したように、本実施形態に係る搬送装置1は、豚脂が入った袋を搬送する搬送装置1である。搬送装置1は、豚脂に対して解凍を行う解凍庫10と、解凍庫10の上流側に設けられ、解凍庫10に豚脂が入った袋を搬入する搬入部20と、解凍庫10の下流側に設けられ、解凍庫10から豚脂が入った袋を搬出する搬出部30と、を有する。解凍庫10は、豚脂が入った袋を搬送する搬送部12と、搬入部20から豚脂が入った袋を受け取って豚脂が入った袋が配置されるとともに、搬送部12によって搬送される配置部13と、を有する。搬入部20は、豚脂が入った袋が載置される第1載置部21と、第1載置部21の下流側に設けられ、配置部13に豚脂が入った袋を搬送する第1ベルトコンベア22と、第1載置部21に載置される豚脂が入った袋を第1ベルトコンベア22に移動させる移動部23と、を有する。搬出部30は、解凍庫10の下流側に設けられ、解凍庫10から豚脂が入った袋を受け取って下流側に搬送する第2ベルトコンベア32と、第2ベルトコンベア32の下流側に設けられ、豚脂が入った袋が載置される第2載置部31と、配置部13を傾斜させる傾斜部33と、を有する。このように構成された搬送装置1によれば、作業者が搬入部20の第1載置部21に豚脂が入った袋を載置することによって、載置された豚脂が入った袋は解凍庫10に移動され解凍庫10において解凍処理が行われる。そして、解凍処理が行われた豚脂が入った袋は、搬出部30の第2載置部31に載置される。すなわち、本実施形態に係る搬送装置1によれば、作業者が第1載置部21に豚脂が入った袋を載置するだけで、自動的に豚脂に解凍処理が行われ、解凍処理が行われた豚脂が入った袋が第2載置部31に載置される。このため、解凍等の処理を豚脂に対して行う際に、作業者の作業が面倒になることを抑制することができる。
【0050】
また、傾斜部33は多角形状の平板333を有し、配置部13の底面134が平板333の側面333aに当接しつつ配置部13が移動することによって、配置部13は傾斜される。このように構成された搬送装置1によれば、より好適に傾斜部33によって配置部13を傾斜させることができる。
【0051】
また、搬出部30は、傾斜された配置部13に配置された豚脂が入った袋を上流側から押し出して、豚脂が入った袋を第2ベルトコンベア32に移動させる押出部材34をさらに有する。このように構成された搬送装置1によれば、配置部13上の豚脂が入った袋を確実に第2ベルトコンベア32に移動させることができる。
【0052】
また、搬送部12は、Z方向に沿って6段から構成されるチェーン121と、チェーン121を駆動させるモータ122と、チェーン121と噛み合って回転するスプロケット123と、を有し、チェーン121は、搬入部20から搬出部30に沿って繰り返し往復するように配置されている。このように構成された搬送装置1によれば、チェーン121を小さくすることができる。また、豚脂を解凍庫10においてムラなく解凍することができる。
【0053】
また、搬出部30は、配置部13の上下が反転した状態を維持するレール部材35をさらに有する。このように構成された搬送装置1によれば、配置部13が押出部材34と干渉することを防止することができる。
【0054】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内で種々改変することができる。
【0055】
例えば上述した実施形態では、搬送装置1は解凍庫10を備えた。しかしながら食品を処理することができる処理庫であれば解凍庫に限定されず、冷凍庫や加熱庫等を使用することができる。
【0056】
また、上述した実施形態では、食品として豚脂を例に挙げて説明したが、これに限定されない。
【0057】
また、上述した実施形態では、搬出部30は押出部材34を有したが、搬出部は押出部材を有していなくてもよい。このとき、配置部13が傾斜することによって、豚脂が入った袋を配置部13から滑り落として第2ベルトコンベア32に移動させる。
【0058】
また、上述した実施形態では、チェーン121は、Z方向に沿って6段から構成されていたが、チェーンは2以上の偶数段であってもよく、さらに搬送部は1段から構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0059】
1 搬送装置、
10 解凍庫(処理庫)、
12 搬送部、
121 チェーン、
122 モータ、
123 スプロケット、
13 配置部、
134 配置部の底面、
20 搬入部、
21 第1載置部、
22 第1ベルトコンベア、
23 移動部、
30 搬出部、
31 第2載置部、
32 第2ベルトコンベア、
33 傾斜部、
333 平板、
333a 平板の側面、
34 押出部材、
35 レール部材。
図1
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