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特許7328242回転コネクタ装置及び回転コネクタ装置の組立方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-07
(45)【発行日】2023-08-16
(54)【発明の名称】回転コネクタ装置及び回転コネクタ装置の組立方法
(51)【国際特許分類】
   H01R 35/04 20060101AFI20230808BHJP
   H01R 43/00 20060101ALI20230808BHJP
【FI】
H01R35/04 F
H01R43/00 B
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020550430
(86)(22)【出願日】2019-09-30
(86)【国際出願番号】 JP2019038592
(87)【国際公開番号】W WO2020075559
(87)【国際公開日】2020-04-16
【審査請求日】2022-04-22
(31)【優先権主張番号】P 2018192774
(32)【優先日】2018-10-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】391045897
【氏名又は名称】古河AS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121603
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 元昭
(74)【代理人】
【識別番号】100141656
【弁理士】
【氏名又は名称】大田 英司
(74)【代理人】
【識別番号】100182888
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100196357
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 吉章
(74)【代理人】
【識別番号】100067747
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 良昭
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 雄哉
【審査官】高橋 学
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-130438(JP,A)
【文献】特開平07-193955(JP,A)
【文献】特開平11-278179(JP,A)
【文献】特開平07-069219(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 35/00-35/04
H01R 43/00
B60R 16/027
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
相対回転可能に嵌合し、内部に円筒状の収容空間を形成する回転体と固定体と、前記収容空間に巻回して収容されるフラットケーブルとで構成された回転コネクタ装置であって、
前記回転体は、環状の回転側リング板と、前記収容空間の内周面を形成する円筒状の内周筒部とで構成され、
前記固定体は、環状の固定側リング板と、前記収容空間の外周面を形成する外周筒部とで構成され、
前記フラットケーブルの一端には、前記固定体側に配置された電気機器類と電気的に接続する固定側コネクタが連結され、
前記固定体には、
前記収容空間から前記固定体の外側へ向かって、相対回転する前記回転体の回転軸方向に沿って、前記フラットケーブルの一端側を挿通させる挿通部が設けられ、
前記固定側リング板の外側の主面には、前記固定側コネクタを設置する設置部が設けられ、
前記挿通部と前記設置部との間に、前記固定側リング板の外側に向けて立設する仕切り部が設けられ、
前記挿通部を挿通するとともに、前記設置部に設置された前記固定側コネクタに連結された前記フラットケーブルが前記仕切り部で折り返された
回転コネクタ装置。
【請求項2】
前記設置部が、前記固定側リング板の外側の主面に一体形成された
請求項1に記載の回転コネクタ装置。
【請求項3】
前記固定体は、
前記外周筒部を有する第1固定体と、前記固定側リング板を有する第2固定体とで構成され、
前記第1固定体には、前記固定側コネクタを脱着可能に固定する仮固定部が前記外周筒部の径方向外側に設けられた
請求項1または請求項2に記載の回転コネクタ装置。
【請求項4】
前記挿通部が、前記収容空間よりも全部または一部が径方向外側に設けられた
請求項1乃至請求項3のうちのいずれかに記載の回転コネクタ装置。
【請求項5】
前記固定側コネクタと前記フラットケーブルとの連結部位を囲繞するように前記固定側リング板に取り付けられる固定側カバーが設けられた
請求項1乃至請求項4のうちのいずれかに記載の回転コネクタ装置。
【請求項6】
前記固定側コネクタが、前記固定側リング板の外周縁よりも径方向内側に配置された
請求項1乃至請求項5のうちのいずれかに記載の回転コネクタ装置。
【請求項7】
車体に配置された電気機器類と電気的に接続する固定側コネクタが一端に連結されたフラットケーブルを巻回して収容する円筒状の収容空間が内部に形成されるように、回転体と固定体とを相対回転可能に嵌合して組み付ける回転コネクタ装置の組立方法であって、
前記回転体は、環状の回転側リング板と、前記収容空間の内周面と形成する円筒状の内周筒部とで構成され、
前記固定体は、環状の固定側リング板と、前記収容空間の内周面と形成する外周筒部とで構成され、
前記固定体が、
前記外周筒部を有する第1固定体と、
前記収容空間から前記固定体の外側へ向かって、相対回転する前記回転体の回転軸方向に沿って、前記フラットケーブルの一端側を挿通させる挿通部が設けられるとともに、前記固定側リング板における外側の主面に前記固定側コネクタを設置する設置部が設けられた前記固定側リング板を有する第2固定体とで構成され、
前記挿通部と前記設置部とを隔てるように立設された仕切り部が設けられ、
前記フラットケーブルを巻き回した前記回転体に、前記外周筒部の前記第1固定体を組み付ける第1固定体組み付け工程と、
前記固定側コネクタを脱着可能な仮固定部に固定する固定側コネクタ仮固定工程と、
前記収容空間から前記回転軸方向に沿って外側に向けて前記フラットケーブルの一端側が前記挿通部に挿通するように、前記第2固定体を前記第1固定体に組み付ける第2固定体組み付け工程と、
前記フラットケーブルが前記仕切り部で折り返されるように、固定された前記固定側コネクタを前記設置部に設置させる固定側コネクタ設置工程とをこの順で行う
回転コネクタ装置の組立方法。
【請求項8】
前記第1固定体には、
前記フラットケーブルの一端に連結された前記固定側コネクタを脱着可能に固定する前記仮固定部が、前記外周筒部の径方向外側に設けられ、
前記固定側コネクタ仮固定工程において、前記固定側コネクタを前記仮固定部に固定する
請求項7に記載の回転コネクタ装置の組立方法。
【請求項9】
前記固定側コネクタ設置工程の後に、
前記固定側コネクタと前記フラットケーブルとの連結部位を囲繞する固定側カバーを前記固定側リング板に取り付ける
請求項7または請求項8に記載の回転コネクタ装置の組立方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、自動車等の車両に装着される回転コネクタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等の車両において、例えばステアリングホイール側に備えた電気機器類と車体側に備えた電源等とは、回転コネクタ装置の内部に巻き回して収容されたフラットケーブルを介して電気的に接続されている。
【0003】
このような回転コネクタ装置の一例として、環状の回転側リング板と該回転側リング板の内周縁に形成された円筒状の内周筒部とで構成する回転体と、環状の固定側リング板と該固定側リング板の外周縁に形成された円筒状の外周筒部とで構成する固定体とが相対回転可能に嵌合され、回転側リング板における収容空間と反対側の主面には収容空間と連通している回転側コネクタが上方に向けて立設され、外周筒部には収容空間と連通している固定側コネクタが径方向外側に向けて突出するように設けられた、略円筒状の回転コネクタ装置が特許文献1に開示されている。
【0004】
この回転コネクタ装置は、回転体と固定体とで形成された収容空間に収容されたフラットケーブルの一端及び他端が、それぞれ固定側コネクタ及び回転側コネクタに連結され、フラットケーブルを介して、車体側電源とステアリングホイール側に装備したホーンモジュール、エアバックモジュール、あるいはオーディオコントロールモジュールなどの電気機器類とを電気的な接続することができる。
【0005】
近年、安全性の向上の要請から、車両に搭載される電気機器類などの個数が増加し、車載装置の高密度化が進んでいる。その一方で、居住性の向上の要請から回転コネクタ装置の小型化が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2015-220207号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上述の問題に鑑み、小型化することができる回転コネクタ装置及び回転コネクタ装置の組立方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、相対回転可能に嵌合し、内部に円筒状の収容空間を形成する回転体と固定体と、前記収容空間に巻回して収容されるフラットケーブルとで構成された回転コネクタ装置であって、前記回転体は、環状の回転側リング板と、前記収容空間の内周面を形成する円筒状の内周筒部とで構成され、前記固定体は、環状の固定側リング板と、前記収容空間の外周面を形成する外周筒部とで構成され、前記フラットケーブルの一端には、前記固定体側に配置された電気機器類と電気的に接続する固定側コネクタが連結され、前記固定体には、前記収容空間から前記固定体の外側へ向かって、相対回転する前記回転体の回転軸方向に沿って、前記フラットケーブルの一端側を挿通させる挿通部が設けられ、前記固定側リング板の外側の主面には、前記固定側コネクタを設置する設置部が設けられ、前記挿通部と前記設置部とを隔てるように仕切り部が前記固定側リング板の外側に向けて立設され、前記挿通部を挿通するとともに、前記設置部に設置された前記固定側コネクタに連結された前記フラットケーブルが前記仕切り部で折り返されたことを特徴とする。
【0009】
前記回転体は、環状の回転側リング板、および前記収容空間の内周面を形成する円筒状の内周筒部とで構成するロテータと、該ロテータと組み付けて一体としたスリーブとで構成されるものや、前記ロテータのみで構成されるものを含む。
前記固定体は、前記固定側リング板を構成する第1固定体と前記外周筒部を構成する第2固定体とを嵌合させた固定体や、前記外周筒部と前記固定側リング板とが一体で構成された固定体を含む。
【0010】
前記電気機器類は、前記収容空間に収容された前記フラットケーブルを介して、前記回転コネクタ装置に装着されたステアリングホイールに設けられたホーンモジュール、エアバックモジュールなどと電気的に接続されるものであればどんなものであってもよく、例えば、車体側に設けられた車体バッテリーや電気接続箱などを含む。
【0011】
前記挿通部は、前記固定側リング板の外周縁部や内周縁部に設けられている場合、前記固定側リング板の主面を貫通するように設けられている場合の他、前記外周筒部の一部に形成されている場合、前記外周筒部と前記固定側リング板とで形成されている場合を含む。
【0012】
上述の前記固定側リング板の外側の主面に前記固定側コネクタが設置されたとは、前記収容空間側を内側とする場合における前記固定側リング板の外側の主面に、すなわち外部から視認できる主面に、前記固定側コネクタが取り外し可能に設置されている場合や、前記固定側コネクタが取り外しできないように設置されている場合を含む。
【0013】
具体的には、前記固定側リング板に係止部や嵌合部などが設けられ、前記固定側コネクタを係止や嵌合させることにより設置させている場合や、熱硬化樹脂や接着剤などで固着させることにより前記固定側コネクタを前記固定側リング板に設置させている場合、前記固定側コネクタを前記固定側リング板にネジ止めする場合などのように他の部品を用いて前記固定側コネクタを前記固定側リング板に固定して設置している場合、これらの組み合わせなども含む。
【0014】
前記設置部は、前記固定側コネクタを前記固定側リング板に対して着脱自在に固定するための構成であり、前記固定側コネクタを前記固定側リング板に係止させて設置する係止部や、嵌合させて設置する嵌合部などを含む。なお、前記固定側リング板側に設けた設置部は、前記固定側リング板の主面上に形成されている場合や、前記固定側リング板を貫通して形成されている場合を含む。
【0015】
この発明により、回転コネクタ装置の小型化を図ることができる。
詳述すると、前記固定体に前記挿通部が設けられるとともに、前記フラットケーブルの一端と連結された前記固定側コネクタが前記固定側リング板に設置されているため、前記フラットケーブルの一端側を前記回転軸方向に沿って前記収容空間から外側に向けて引き出されるとともに、前記フラットケーブルの一端と連結している前記固定側コネクタを前記固定体側方向に向けて突出するように配置させることができる。
【0016】
すなわち、前記フラットケーブルの一端側が径方向外側に引き出されることを防止できるとともに、前記固定側コネクタが前記固定側リング板の径方向外側に突出することを防止できる。したがって、前記回転コネクタ装置を小型化することができる。
【0017】
また、前記固定側リング板の外側の主面に、前記固定側コネクタを設置する設置部が設けられていることにより、前記挿通部に挿通された前記固定側コネクタを前記固定側リング板に着脱できるため、前記回転コネクタ装置の組み立て作業を効率よく行うことができる。
【0018】
詳述すると、前記固定側リング板に前記設置部を設けることにより、前記固定側コネクタを前記固定側リング板から取り外すことができる。このため、例えば前記挿通部を挿通させた前記フラットケーブルに前記固定側コネクタを連結させる場合に、前記固定側コネクタを前記フラットケーブルと連結しやすい所望の位置に移動させることができ、容易に前記フラットケーブルと前記固定側コネクタとを連結させることができる。したがって、前記回転コネクタ装置の組み立て作業を効率よく行うことができる。
【0019】
またこの発明の態様として、前記設置部が、前記固定側リング板の外側の主面に一体形成されてもよい。
この発明により、前記収容空間において前記フラットケーブルをよりスムーズに摺動させることができるため、前記回転コネクタ装置の品質を向上させることができる。
【0020】
詳述すると、前記固定側コネクタを前記固定側リング板に設置する前記設置部が前記固定側リング板の外側の主面上に一体形成されているため、前記固定側リング板の収容空間側の主面に、前記収容空間に向けて突出する突部や前記回転軸方向に沿って外側に向けて窪んだ凹部あるいは貫通孔が形成されることを防止できる。
【0021】
これにより、前記収容空間に収容されている前記フラットケーブルを前記回転体の相対回転に伴い摺動させる場合に、前記フラットケーブルが前記固定側リング板に引っ掛かることを防止できるため、スムーズに前記フラットケーブルを摺動させることができる。したがって、前記回転コネクタ装置の品質を向上させることができる。
【0022】
また、前記収容空間に収容されている前記フラットケーブルが、前記固定側リング板における前記収容空間側の主面と干渉することを防止できるため、前記フラットケーブルが損傷することを防止できる。
【0023】
またこの発明の態様として、前記固定体は、前記外周筒部を有する第1固定体と、前記固定側リング板を有する第2固定体とで構成され、前記第1固定体には、前記固定側コネクタを脱着可能に固定する仮固定部が前記外周筒部の径方向外側に設けられてもよい。
【0024】
またこの発明として、車体に配置された電気機器類と電気的に接続する固定側コネクタが一端に連結されたフラットケーブルを巻回して収容する円筒状の収容空間が内部に形成されるように、回転体と固定体とを相対回転可能に嵌合して組み付ける回転コネクタ装置の組立方法であって、前記回転体は、環状の回転側リング板と、前記収容空間の内周面と形成する円筒状の内周筒部とで構成され、前記固定体は、環状の固定側リング板と、前記収容空間の内周面と形成する外周筒部とで構成され、前記固定体が、前記外周筒部を有する第1固定体と、前記収容空間から前記固定体の外側へ向かって、相対回転する前記回転体の回転軸方向に沿って、前記フラットケーブルの一端側を挿通させる挿通部が設けられるとともに、前記固定側リング板における外側の主面に前記固定側コネクタを設置する設置部が設けられた前記固定側リング板を有する第2固定体とで構成され、前記挿通部と前記設置部とを隔てるように立設された仕切り部が設けられ、前記フラットケーブルを巻き回した前記回転体に、前記外周筒部の前記第1固定体を組み付ける第1固定体組み付け工程と、前記固定側コネクタを脱着可能な仮固定部に固定する固定側コネクタ仮固定工程と、前記収容空間から前記回転軸方向に沿って外側に向けて前記フラットケーブルの一端側が前記挿通部に挿通するように、前記第2固定体を前記第1固定体に組み付ける第2固定体組み付け工程と、前記フラットケーブルが前記仕切り部で折り返されるように、固定された前記固定側コネクタを前記設置部に設置させる固定側コネクタ設置工程とをこの順で行ってもよい。
【0025】
さらにまた、上述の回転コネクタ装置の組立方法において、前記第1固定体には、前記フラットケーブルの一端に連結された前記固定側コネクタを脱着可能に固定する前記仮固定部が、前記外周筒部の径方向外側に設けられ、前記固定側コネクタ仮固定工程において、前記固定側コネクタを前記仮固定部に固定してもよい。
【0026】
前記固定側コネクタ仮固定工程は、前記固定側コネクタを固定する場所を特定しておらず、例えば、前記第1固定体が有する前記外周筒部に設けられた仮固定部に固定する場合や、回転コネクタ装置を組み立てる組立装置内において別途設けられた仮固定部に固定する場合を含む。
【0027】
この発明により、前記回転コネクタ装置の組み立てにおいて、前記フラットケーブルの損傷を防止できるとともに、組み立て作業の効率化を図ることができる。
詳述すると、前記固定体が前記第1固定体と前記第2固定体とで構成されているため、前記回転コネクタ装置の組み立て作業を、前記フラットケーブルを前記内周筒部に巻き回した前記回転体に対して前記第1固定体を組み付けた後に、前記固定側コネクタを前記収容空間の外側に出し、前記挿通部を介して前記固定側コネクタと連結された前記フラットケーブルを前記収容空間から前記回転軸方向に沿って外側に向かうように前記挿通部に挿通させることができる。その後に、前記第1固定体に前記第2固定体を組み付けることができる。
これにより、前記挿通部に挿通された前記フラットケーブルが第2固定体と干渉することを防止でき、前記フラットケーブルの損傷を防止できる。
【0028】
また、この前記第2固定体を前記第1固定体に組み付ける場合に、前記フラットケーブルの一端に連結された前記固定側コネクタを固定できるため、前記固定側コネクタ及び前記フラットケーブル一端側が前記固定体の組み付け作業の邪魔にならず、効率よく組み立て作業を行うことができる。
【0029】
また、前記固定側コネクタを固定することにより、前記第2固定体の組み付け作業において、前記フラットケーブルの一端側が捻じれたり他の部材と干渉したりすることによる損傷をより確実に防止することができる。
【0030】
このように、前記固定体を前記第1固定体と前記第2固定体とで構成されるとともに、前記第1固定体に設けることにより、フラットケーブルの損傷を防止できるとともに、回転コネクタ装置の組み立て作業を効率よく行うことができる。
【0031】
またこの発明の態様として、前記挿通部が、前記収容空間よりも全部または一部が径方向外側に設けられてもよい。
この発明により、前記固定側コネクタと連結された前記フラットケーブルを、前記固定側リング板の径方向外側に設けられた前記挿通を挿通させることとなるため、前記収容空間に収容された前記フラットケーブルよりも径方向外側に前記挿通部が配置されることとなる。したがって、前記挿通部から挿通させる前記フラットケーブル一端側が、径方向内側に巻き回されたフラットケーブルと擦れ合うことを防止でき、前記フラットケーブルの損傷を防止できる。
【0032】
またこの発明の態様として、前記固定側コネクタと前記フラットケーブルとの連結部位を囲繞するように前記固定側リング板に取り付けられる固定側カバーが設けられてもよい。
この発明により、前記フラットケーブルの一端側及び前記固定側コネクタを保護することができ、前記フラットケーブルの一端側及び前記固定側コネクタに意図しない外力が作用することを防止できる。したがって、前記固定側コネクタ及び前記フラットケーブルの一端側が損傷することを防止できる。
【0033】
またこの発明の態様として、前記固定側コネクタが、前記固定側リング板の外周縁よりも径方向内側に配置されてもよい。
この発明により、確実に前記固定側コネクタを、前記回転コネクタ装置の底面視径方向内側に配置することができるため、前記フラットケーブルの一端側を径方向内側に引っ張ることができる。このため、前記フラットケーブルが回転コネクタ装置の径方向外側に配置される他部材と干渉することを防止でき、前記フラットケーブルが損傷することを防止できるとともに、前記回転コネクタ装置の小型化を確実に図ることができる。
【発明の効果】
【0034】
この発明により、小型化することができる回転コネクタ装置及び回転コネクタ装置の組立方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】回転コネクタ装置を上方から視た概略斜視図。
図2】回転コネクタ装置を下方から視た概略斜視図。
図3】回転コネクタ装置を下方から視た概略分解斜視図。
図4】フラットケーブル及び固定側コネクタ、ハウジングカバーの概略分解斜視図。
図5】固定側コネクタ及びハウジングカバーの説明図。
図6】ステータ本体の説明図。
図7】サブステータの説明図。
図8】ステータの説明図。
図9】回転コネクタ装置の組み立て方法のフローチャート。
図10】組み付けたロテータとサブステータに対して固定側コネクタを組み付けた状態の概略斜視図。
図11】固定側コネクタが仮固定されたサブステータにステータ本体を組み付けた状態の概略斜視図。
図12】組み付けたロテータ及びサブステータにステータ本体を組み付けた状態の断面図。
図13】組み付けたロテータ及びステータに固定側コネクタの組み付けた状態の断面図。
図14】組み付けた固定側コネクタにハウジングカバーを組み付けた状態の断面図。
図15】組み付けた固定側コネクタにハウジングカバーを組み付けた状態の断面図。
図16】他の実施形態におけるステータの断面図。
【発明を実施するための形態】
【0036】
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
図1は上方から視た回転コネクタ装置1の概略斜視図を示し、図2は下方から視た回転コネクタ装置1の概略斜視図を示し、図3は下方から視た回転コネクタ装置1の概略分解斜視図を示す。なお、図3では固定側コネクタ40及びハウジングカバー50の図示を省略する。
【0037】
本実施形態において、ステータ20を基準としてロテータ10側を+Z方向(上方)とし、スリーブ30側を-Z方向(下方)とし、上方及び下方への方向を±Z方向する。また、図1における右手前側を+X方向、左奥側を-X方向とし、前方及び後方への方向を±X方向とする。同様に、左手前側を+Y方向、右奥側を右側方-Y方向とし右側方から左側方への方向を±Y方向とする。この±Z方向と±X方向と±Y方向はそれぞれ直交している。また、以下の図2図15においても同様とする。
【0038】
図4は収容空間Sに収容されるフラットケーブル100及び、フラットケーブル100の一端に連結させた固定側コネクタ40、ハウジングカバー50の概略分解斜視図を示し、図5は固定側コネクタ40及びハウジングカバー50の説明図を示し、図6はステータ本体20Aの説明図を示し、図7はサブステータ20Bの説明図を示し、図8はステータ本体20Aとサブステータ20Bを組み付けたステータ20の説明図を示す。
【0039】
図5乃至図9について詳述すると、図5(a)は固定側コネクタ40の側面図を示し、図5(b)は固定側コネクタ40の底面図を示し、図5(c)は図5(a)におけるA-A矢視断面図を示し、図5(d)はハウジングカバー50の側面図を示し、図5(e)は図5(d)におけるB-B断面図を示す。
【0040】
図6(a)はステータ本体20Aの底面図を示し、図6(b)は図6(a)におけるC-C矢視断面図を示す。図7(a)はサブステータ20Bの底面図を示し、図7(b)は図7(a)におけるD-D矢視断面図を示す。図8(a)はステータ20の底面図を示し、図8(b)は図8(a)におけるE-E矢視断面図を示す。
なお、C-C矢視断面図とD-D矢視断面図とE-E矢視断面図は、それぞれ対応する位置の切断面の断面図である。
【0041】
図9は、回転コネクタ装置1を組み立てるための組み立て方法のフローチャートを示し、図10は組み付けたロテータ10及びサブステータ20Bに対して固定側コネクタ40を仮固定した状態の概略斜視図を示す。図11は固定側コネクタ40を仮固定したサブステータ20Bにステータ本体20Aを組み付けた状態の概略斜視図を示す。
【0042】
図12は組み付けたロテータ10及びサブステータ20Bにステータ本体20Aを組み付けた状態の断面図を示し、図13は組み付けたロテータ10及びステータ20に固定側コネクタ40の組み付けた状態の概略斜視図及び断面図を示す。
なお、図12及び図13は、C-C矢視断面図における切断面と対応する位置の断面図である。
【0043】
図14は組み付けたロテータ10及びステータ20に固定側コネクタ40に対してハウジングカバー50を組み付けた状態の断面図を示し、図15図14におけるF-F矢視断面図及びG-G矢視断面図を示す。
なお、図14はC-C矢視断面図における切断面と対応する位置の断面図である。
【0044】
回転コネクタ装置1は、図1乃至図3に示すように、ロテータ10とロテータ10の下方に位置するステータ20と、ロテータ10とステータ20とを相対回転できるように組付けるスリーブ30とを±Z方向に沿って上方からこの順で組み付けて構成された略円筒体であり、ロテータ10とステータ20とで形成される円筒状の収容空間Sには、フラットケーブル100(以下においてFFC100とする)が2枚重ねて巻き回して収容されている。
【0045】
はじめに、収容空間Sに収容されているFFC100及びFFC100に連結している固定側コネクタ40、固定側コネクタ40に組み付けるハウジングカバー50について説明する。
FFC100は、並行配置した複数の帯状導体(図示省略)と、帯状導体を挟み込んで絶縁する絶縁被覆(図示省略)とで構成され、FFC100の両端部分には、絶縁被覆の一部が剥がされ、所定の長さの帯状導体が露出する導体露出部(図示省略)が形成されている。このように露出された導体露出部の一端側は固定側コネクタ40と連結しており、他端側は図示しない回転側コネクタと連結している。
【0046】
FFC100の一端と連結している固定側コネクタ40は、図4及び図5に示すように、2枚重ねて巻き回されているFFC100の帯状導体と連結するバスバBを保持するバスバ保持部41(バスバ保持部41a、バスバ保持部41b)と、上方に配置されたバスバBを保護する上方バスバカバー42と、下方に配置されたバスバBを保護する下方バスバカバー43とで構成されている。
【0047】
バスバ保持部41は、図5(a)に示すように、FFC100と連結する8本のバスバBを保持する矩形状の板状体であるバスバ保持体411と、FFC100の導体露出部と連結するためにバスバBを露出させる導体接続部412と、+X方向に突出する9本のバスバB(1本のダミーバスバを含む)を保持する突出部保持部413とで構成されている。なお、バスバ保持部41に保持されているバスバBは側面視略L字状に形成されている。
【0048】
導体接続部412は、バスバ保持体411の底面側(-Z方向側)の+Y方向の側面を開口させて形成された開口部であり、バスバBの基端側を露出している。換言すると、バスバ保持体411の-Z方向の端部は、すなわちバスバ保持体411の導体接続部412が形成されている側の底面は、略矩形状に形成されている。
【0049】
バスバ保持部41aの突出部保持部413は、上方に7本のバスバBが+X方向に突出するように±Z方向に沿って並べられ、下方には2本のバスバBが+X方向に突出するように±Z方向に沿って並べられている。
【0050】
一方で、バスバ保持部41bの突出部保持部413は、上方に7本のバスバBが+X方向に突出するように±Z方向に沿って並べられ、下方には2本のバスバBが上方のバスバBよりも+Y方向にずらした位置から+X方向に突出するように±Z方向に沿って並べられている。
【0051】
すなわち、図5(c)に示すように、バスバ保持部41aとバスバ保持部41bは、±Y方向に2つ重ねて配置されている。この2つのバスバ保持部41によって±Z方向に沿って保持されている7本のバスバBは、±Y方向に沿って2列並んで配置されている。一方、下方に配置されている4本のバスバBは±Z方向に沿って並んで配置されている。
なお、2つのバスバ保持部41a,41bを重ね合わせることにより、導体接続部412が形成される底面部分は、バスバ保持部41の板厚の二倍である矩形状となる。
【0052】
上方に配置された14本のバスバBを保護する上方バスバカバー42は、中空状に形成された断面矩形状の上方カバー本体421と、上方カバー本体421の基端側(-X方向側)において、±Y方向に向けて突出する上方嵌合凸部422とで構成されている。また、上方カバー本体421の-Y方向の側面の中央下端部分には、-Y方向に突出する仮被係止部423が設けられている。
この上方カバー本体421の両側面の基端側(-X方向側)から±Y方向に向けて突出した上方嵌合凸部422は、±Z方向に沿って形成されている。
【0053】
仮被係止部423は、図5(b)及び図5(c)に示すように、基端側が上方カバー本体421の-Y方向の側面から+Y方向に所定の板厚で突出し、+Y方向の先端が±Z方向に対して所定の幅を有するとともに、±X方向に沿って所定の長さを有する矩形状の板状体で形成されている。
すなわち、仮被係止部423は、底面視で略T字状に形成されている(図5(b)参照)。
【0054】
上方バスバカバー42の下方に配置された下方バスバカバー43は、図5(c)に示すように、下方に配置された4本のバスバBを保護するためのカバーであり、中空状に形成された断面矩形状の下方カバー本体431と、下方カバー本体431の基端側(-X方向側)において、±Z方向に沿って形成された下方嵌合凸部432とで構成されている。なお、下方嵌合凸部432は上方嵌合凸部422と直線状となる位置に形成されている。
このように構成された固定側コネクタ40は、車体に設けられたバッテリーや電気接続箱と接続した電線ケーブル(図示省略)のコネクタと接続される。
【0055】
バスバ保持部41を保護するハウジングカバー50は、図4及び図5(d)、図5(e)に示すように、-Z方向と+X方向が開口した中空状の筐体であるハウジングカバー本体51と、ハウジングカバー本体51の+X方向の開口に形成された嵌合溝52,52と、ハウジングカバー本体51の外枠に形成されたカバー固定部53とで一体に構成されている。
【0056】
ハウジングカバー本体51は、図4及び図5(d)に示すように、内壁における±Z方向及び±Y方向に対する長さが対応する固定側コネクタ40の長さと略同じ長さで形成された筐体であり、内部にはバスバ保持体411を収納可能な保護空間Kが形成されている。
【0057】
嵌合溝52,52は、図5(e)に示すように、ハウジングカバー本体51の+X方向の開口の両側面内壁から保護空間Kに向かう方向と反対方向に向けて窪ませた凹部で形成されており、この凹部は±Z方向に沿って延出している。
【0058】
また、この嵌合溝52同士の間隔は上方嵌合凸部422,422同士の間隔と同じ長さとなるように形成されている。すなわち、上方嵌合凸部422,422を嵌合溝52,52に嵌合させることにより、ハウジングカバー50を固定側コネクタ40に装着することができる。
【0059】
カバー固定部53は、中央部分に円形状の貫通孔53aが形成された板状体である。このカバー固定部53は、図4及び図5(e)に示すように、底面視におけるハウジングカバー本体51の各角部分において、ハウジングカバー本体51の底面から所定の高さとなる位置に形成されている。
【0060】
回転コネクタ装置1を構成するロテータ10は、図1及び図3に示すように、平面視中央部分に略円形の貫通孔を有する略環状の回転側リング板11と、回転側リング板11の内周縁から下方に向けて形成される内周筒部12とで一体に構成されており、回転側リング板11の+Z方向(上方)の主面には+Z方向(上方)へ突出する回転側コネクタ収容部13が2つ設けられている。
内周筒部12は、ロテータ10とステータ20とで回転コネクタ装置1の内部に形成される円筒状の収容空間Sの内周面を形成している。
【0061】
回転側コネクタ収容部13は、収容空間Sに収容されたFFC100の他端側に連結された回転側コネクタが収容されており、ステアリングホイールに備えられたホーンスイッチ、エアバッグユニットなどの電気機器類の電気回路と接続された電線ケーブル(図示省略)のコネクタが外部から接続される。
【0062】
このように構成されたロテータ10と組み付けられるスリーブ30は、図1乃至図3に示すように、平面視中央部分において±Z方向に貫通する貫通孔を有する略円筒体であり、±Z方向から後述するステータ20をロテータ10とで挟み込んで組み付けられる。これにより、回転側リング板11の中心軸を回転軸Aとして、右回り方向R及び左回り方向Lにロテータ10とステータ20との相対回転を可能にする。
【0063】
ロテータ10に対して相対回転可能なステータ20は、図2に示すように、中央部分が開口した略環状の板体のステータ本体20Aと、略円筒体であるサブステータ20Bとが±Z方向に嵌合されて形成された、上面の開口した有底略円筒体であり、下面を構成する固定側リング板21と、内周面が収容空間Sの外周面を形成する略円筒状の外周筒部22とで構成されている。
【0064】
以下、固定側リング板21を有するステータ本体20Aについて、図6に基づいて説明する。
ステータ本体20Aは、図6(a)に示すように、底面視において、+Y方向及び-X方向の端部に角部分21aを形成するように、円形状に形成された固定側リング板21の外周縁のうち+Y方向の一部及び-X方向の一部を直線状とした底面視略円形状の板状体である。
【0065】
このようにステータ本体20Aの+Y方向及び-X方向に形成された角部分21aには、ヒートステア用の小さなコネクタを収容可能な小型コネクタ収容部23が-Z方向に立設されている。また、ステータ本体20Aの+Y方向の端部(直線状に形成された部分)であって小型コネクタ収容部23よりも+X方向側には、直線状に形成された一部分を-Y方向に窪ませた挿通部24が設けられている。
換言すると、回転軸Aを中心として平面視円形状に形成された固定側リング板21の径方向外側に挿通部24が配置されている。
【0066】
また、挿通部24の-Y方向には、-Z方向(下方)に突出した仕切り部25が設けられており、仕切り部25のさらに-Y方向には矩形状の嵌合凹部26が設けられている。なお、仕切り部25及び嵌合凹部26の周囲には、-Z方向に向けて立設する4本の固定基部27が矩形の略四隅となるように設けられている。
【0067】
すなわち、ステータ本体20Aは、ロテータ10とステータ20とを組み付けた回転コネクタ装置1において、固定側リング板21に対する回転側リング板11の反対側である-Z方向(下方)に、小型コネクタ収容部23、挿通部24、仕切り部25、嵌合凹部26、固定基部27とが設けられている。
【0068】
挿通部24は、直線状に形成された固定側リング板21の+Y方向の外周縁部をFFC100の厚みの2倍程度-Y方向に窪ませて形成された凹部である。
仕切り部25は、挿通部24と嵌合凹部26とを隔てるように立設された壁であり、図6(b)に示すように、-Y方向側の側面が垂直に立設しているとともに、+Y方向側の側面の底面側(-Z方向側)が-Y方向に向けて先細りするように傾斜した、断面略三角形状に形成されている。なお、仕切り部25の先端部分(底面部分)は丸みを帯びている。
【0069】
嵌合凹部26は、図6(a)及び図6(b)に示すように、回転コネクタ装置1に固定側コネクタ40を設置するための設置部に対応し、環状の固定側リング板21を底面視した場合において、固定側リング板21の外周縁よりも径方向内側に形成されている。この嵌合凹部26は、+Y方向が開口するように、固定側リング板21の外側の主面から-Z方向に向けて略コの字状に突出させた凸部が形成する嵌合穴である。換言すると、嵌合凹部26は底面視で略矩形状の窪みで形成されている。
【0070】
なお、嵌合凹部26は、固定側リング板21を貫通したり、固定側リング板21の+Z方向の主面に凸部が形成されたりしないように形成されている。このように形成された嵌合凹部26が形成する窪みは、バスバ保持部41の底面部が嵌合可能な大きさに形成されている。
【0071】
固定基部27は、嵌合凹部26の略半分程度の高さとなるように、固定側リング板21から-Z方向に突出した凸部であり、それぞれの中央部分にはネジ止めできるような円形状の螺合用凹部27aが設けてある。
【0072】
次に内周面が円筒状の収容空間Sの外周面を形成する外周筒部22を有するサブステータ20Bについて、図7に基づいて説明する。
サブステータ20Bは、底面視において、ステータ本体20Aよりもわずかに小さい略円筒状の筒状体であり、ステータ本体20Aにおける角部分21aと対応するように、外周筒部22における+Y方向及び-X方向の端部に中実状の角型外周面22aが形成されている。
【0073】
また、ステータ本体20Aにおける+Y方向端部に対応するように、平面上に形成された+Y方向外周面には、図7(a)に示すように、底面視略T字状に形成された仮固定部28が設けられている。この仮固定部28は、上方バスバカバー42に形成された仮被係止部423と底面視で略同型に形成された底面視略T字型の凹部である。
この仮固定部28の-X方向には、仕切り部25の4分の3程度の高さを有する保護壁部29が角型外周面22aの外周面に沿って形成されている。
【0074】
また、サブステータ20Bにおける角型外周面22aの径方向内側には、角型外周面22aの外周に沿ってFFC100の厚みの約2倍程度の幅を有するケーブル用通路Tが形成されている。なお、ケーブル用通路Tは、外周筒部22の接線方向に沿って角型外周面22aに案内する案内通路Taと、案内通路Taから+X方向に案内する方向転換通路Tbと、方向転換通路Tbの先端から±X方向に沿って形成される引出用通路Tcとで構成されている(図7(a)参照)。
【0075】
このように構成されたステータ本体20Aとサブステータ20Bを嵌合させたステータ20は、図8(a)及び図8(b)に示すように、挿通部24は収容空間Sの径方向外側に配置されることとなる。また、挿通部24は引出用通路Tcと対応する位置に配置されるため、ケーブル用通路Tに配置されたFFC100を回転軸Aに沿って収容空間Sから-Z方向に引き出した状態とすることができる。
なお、挿通部24は全部が収容空間Sの径方向外側に配置されているが、一部分が径方向外側に配置されていてもよい。
【0076】
また、ステータ20では、角型外周面22aの外周面を形成する保護壁部29が、小型コネクタ収容部23の外周面を保護できるように、固定側リング板21における角部分21aを覆うように配置されることとなる。
【0077】
次に、このように構成されたロテータ10及びステータ20(ステータ本体20A及びサブステータ20B)で、回転コネクタ装置1を組み立てる回転コネクタ装置1の組立方法について、図9乃至図15に基づいて説明する。
【0078】
回転コネクタ装置1は、図9に示すように、ロテータ10にFFC100を巻きつけるFFC巻き付け工程(ステップs1)と、FFC100を巻きつけたロテータ10にサブステータ20Bを組み付けるサブステータ組み付け工程(ステップs2)と、サブステータ20Bに固定側コネクタ40を仮固定する回転側コネクタ仮固定工程(ステップs3)と、サブステータ20Bに対してステータ本体20Aを組み付けるステータ本体組み付け工程(ステップs4)と、固定側コネクタ40を仕切り部25に組み付ける固定側コネクタ組み付け工程(ステップs5)と、スリーブ30をロテータ10に組み付けるスリーブ組み付け工程(ステップs6)とをこの順で行うことで、ロテータ10とステータ20とを相対回転可能に嵌合して組み立てることができる。
【0079】
詳述すると、FFC100の一端側に固定側コネクタ40を取り付けるとともに、FFC100の他端側に取り付けた回転側コネクタをロテータ10の回転側コネクタ収容部13に収容し、FFC100を内周筒部12の外周面に巻き回すように巻き付ける(ステップs1)。
【0080】
次に、FFC100を巻きつけた内周筒部12が外周筒部22の内側に配置されるように、上下反転させた状態のロテータ10にサブステータ20Bを組み付ける(ステップs2)。
この状態で、図10に示すように、巻き回されたFFC100の一端側が-Z方向に向くように折り返すとともに、折り返された部位が引出用通路Tcに配置されるように、FFC100の一端側をケーブル用通路Tに挿通させる。これにより、FFC100の一端に連結された固定側コネクタ40が-Z方向に配置させることができる。
【0081】
次に、平面視略T字状に形成された仮被係止部423が-Y方向に向けて突出するように固定側コネクタ40を上下反転させ、仮被係止部423が仮固定部28と嵌合させる。これにより、固定側コネクタ40をサブステータ20Bに仮固定することができる(ステップs3)。
【0082】
このように、ロテータ10にサブステータ20Bを組み付けるとともに、固定側コネクタ40をサブステータ20Bに仮固定することで、サブステータ20Bが組み付けられたロテータ10にステータ本体20Aを組み付ける場合に、固定側コネクタ40が意図せずに移動することを防止でき、回転コネクタ装置1の組み立て作業を効率よく行うことができる。
【0083】
次に、図11に示すように、このように固定側コネクタ40を仮固定部28に仮固定したサブステータ20Bに対して、FFC100が挿通部24を挿通するようにステータ本体20Aを組み付ける(ステップs4)。
【0084】
このようにステータ本体20Aをサブステータ20Bに組み付けることで、引出用通路Tcの-Z方向(下方)に挿通部24が配置されることとなる。これにより、収容空間Sから案内通路Ta及び方向転換通路Tbを経て引出用通路Tcに配置されたFFC100の先端側を挿通部24に挿通させることができる(図12参照)。これにより、ステータ本体20Aをサブステータ20Bに組み付けながらもFFC100を-Z方向に引き出すことができる。
【0085】
このようにステータ本体20Aを組み付ける場合に、図12に示すように、仮固定部28に仮被係止部423が嵌合されているため、固定側コネクタ40が仮固定されている。これにより、一端に固定側コネクタ40が取り付けられているFFC100は、径方向外側に向けて湾曲していることとなる。
【0086】
また、仕切り部25の+Y方向の側面が、-Y方向に向けて先細りする構成であるため、サブステータ20Bに対してステータ本体20Aを組み付ける組み付け作業において、固定側コネクタ40が移動することを防止できるとともに、仮固定された固定側コネクタ40と連結されたFFC100がステータ本体20Aと干渉することを防止できる。したがって、FFC100が組み付けられるステータ本体20Aと干渉して損傷することを確実に防止できる。
【0087】
なお、このようにロテータ10に組み付けられたサブステータ20Bにステータ本体20Aを組み付けた状態において、固定側コネクタ40が一端に取り付けられたFFC100の挿通部24から引き出される部位の長さは、仕切り部25の高さの約2倍となるように設計されている。
【0088】
ステップs4に続いて、仮固定部28に嵌合させている仮被係止部423を取り外して固定側コネクタ40の仮固定を解除した後、図13に示すように、固定側コネクタ40を上下反転させるとともに、固定側コネクタ40の下端側(導体接続部412が配置されている側)を嵌合凹部26に嵌合させることにより、固定側コネクタ40を外周筒部22の下方側(-Z方向側)の主面に取り付けることができる(ステップs5)。
【0089】
ここで挿通部24と嵌合凹部26との間に所定の高さで構成された仕切り部25を設けられているため、固定側コネクタ40を外周筒部22の主面に取り付けることで、固定側コネクタ40に一端が連結しているFFC100が仕切り部25により折り返され、固定側コネクタ40を嵌合凹部26に嵌合しやすくできるとともに、FFC100が自重で撓むことを防止できる。
【0090】
なお、仕切り部25の高さは、挿通部24から引き出されるFFC100の長さの3分の1以上2倍以下であることが好ましい。
仮に仕切り部25の高さが挿通部24から引き出されるFFC100の長さの3分の1未満である場合には、FFC100が撓むこととなり他の部材と干渉して損傷するおそれがある。
【0091】
また仕切り部25の高さが挿通部24から引き出されるFFC100の長さの2分の1以上である場合には、FFC100が仕切り部25に引っ張られることとなり、固定側コネクタ40を嵌合凹部26に嵌合できない、または、固定側コネクタ40が嵌合凹部26から外れやすいなどのおそれがある。さらにまた、固定側コネクタ40を嵌合凹部26に嵌合させた場合には、FFC100が仕切り部25に押し付けられることとなるため、FFC100が損傷するおそれがある。
【0092】
これに対して、仕切り部25の高さを挿通部24から引き出されるFFC100の長さの3分の1以上2倍以下とすることにより、確実に固定側コネクタ40を嵌合凹部26に嵌合できるとともに、FFC100が撓んで他の部材と干渉することを防止できる。
【0093】
このように固定側リング板21に固定側コネクタ40を嵌合させた状態で、ハウジングカバー50の嵌合溝52を固定側コネクタ40における上方嵌合凸部422及び下方嵌合凸部432に嵌めながらスライドさせることで、カバー固定部53が固定基部27と当接する位置までハウジングカバー50を固定側コネクタ40に組み付けることができる(図14図15参照)。
【0094】
そして、当接された固定基部27とカバー固定部53とをねじ止めすることにより、ハウジングカバー50を外周筒部22に固定することができ、ハウジングカバー50の保護空間Kに収容された固定側コネクタ40を保護するとともに、外周筒部22に確実に固定することができる。
【0095】
最後に、ステータ20に対してロテータ10が相対回転できるように、ロテータ10とスリーブ30とでステータ20を挟み込むようにスリーブ30をロテータ10に組み付けることで、回転コネクタ装置1を完成させることができる(ステップs6)。
【0096】
このように、回転コネクタ装置1は、相対回転可能に嵌合し、内部に円筒状の収容空間Sを形成するロテータ10とステータ20と、収容空間Sに巻回して収容されるFFC100とで構成され、ロテータ10は、環状の回転側リング板11と、収容空間Sの内周面を形成する円筒状の内周筒部12とで構成され、ステータ20は、環状の固定側リング板21と、収容空間Sの外周面を形成する外周筒部22とで構成され、FFC100の一端には、ロテータ10側に配置された電気機器類と電気的に接続する固定側コネクタ40が連結され、ステータ20には、収容空間Sからロテータ10の外側へ向かって、相対回転するロテータ10の回転軸方向(±Z方向)に沿って、FFC100の一端側を挿通させる挿通部24が設けられるとともに、固定側リング板21の外側の主面に固定側コネクタ40が設置されることにより、小型化を図ることができる。
【0097】
詳述すると、ステータ20に挿通部24が設けられるとともに、FFC100の一端と連結された固定側コネクタ40が固定側リング板21に設置されているため、回転軸Aに沿って収容空間Sから外側(-Z方向に向けて)に引き出されたFFC100の一端側と連結している固定側コネクタ40を、ロテータ10に対してステータ20が配置されている方向(-Z方向)に向けて突出するように配置させることができる。すなわち、FFC100の一端側が径方向外側に引き出されることを防止できるとともに、固定側コネクタ40が固定側リング板21の径方向外側に突出することを防止できる。したがって、回転コネクタ装置1を小型化することができる。
【0098】
また、固定側リング板21における収容空間の外側(-Z方向)の主面に、固定側コネクタ40を着脱自在に設置する嵌合凹部26が設けられることにより、挿通部24に挿通された固定側コネクタ40を固定側リング板21に着脱できるため、回転コネクタ装置1の組み立て作業を効率よく行うことができる。
【0099】
詳述すると、固定側リング板21に嵌合凹部26を設けることにより、固定側コネクタ40を固定側リング板21から取り外すことができる。このため、例えば挿通部24を挿通させたFFC100に固定側コネクタ40を連結させる場合に、固定側コネクタ40をFFC100と連結しやすい所望の位置に移動させることができ、容易にFFC100と固定側コネクタ40とを連結させることができる。したがって、回転コネクタ装置1の組み立て作業を効率よく行うことができる。
【0100】
また、固定側コネクタ40を固定側リング板21から取り外すことができるため、固定側コネクタ40をFFC100から容易に取り外すことができ、解体作業を容易に行うことができる。
【0101】
さらにまた、嵌合凹部26が、固定側リング板21の-Z方向の主面上に一体形成されることにより、収容空間SにおいてFFC100をよりスムーズに摺動させることができるため、回転コネクタ装置1の品質を向上させることができる。
【0102】
詳述すると、固定側コネクタ40を固定側リング板21に設置する嵌合凹部26が固定側リング板21の主面上に形成されているため、固定側リング板21の収容空間S側に、収容空間Sに向けて突出する突部や、-Z方向に向けて窪んだ凹部や貫通孔が形成されることを防止できる。
【0103】
これにより、収容空間Sに収容されているFFC100をロテータ10の相対回転に伴い摺動させる場合に、FFC100が固定側リング板21に引っ掛かることを防止できる。したがって、スムーズにFFC100を摺動させることができる。
また、収容空間Sに収容されているFFC100が、固定側リング板21における収容空間S側の主面と干渉することを防止できるため、FFC100が損傷することを防止できる。
【0104】
また、ステータ20は、外周筒部22を有するサブステータ20Bと、固定側リング板21を有するステータ本体20Aとで構成され、サブステータ20Bには固定側コネクタ40を外周筒部22の径方向外側に仮固定する仮固定部28が設けられることにより、回転コネクタ装置1の組み立てにおいて、FFC100の損傷を防止できるとともに、回転コネクタ装置1の組み立て作業の効率化を図ることができる。
【0105】
詳述すると、ステータ20がサブステータ20Bとステータ本体20Aとで構成されているため、回転コネクタ装置1の組み立て作業を、FFC100を内周筒部12に巻き回したロテータ10に対してサブステータ20Bを組み付けた後に、固定側コネクタ40を収容空間Sの外側に出し、固定側コネクタ40と連結されたFFC100を収容空間Sから-Z方向に向けう用に挿通部24に挿通させることができる。その後に、ステータ本体20Aをサブステータ20Bに組み付けることができる。したがって、挿通部24に挿通されたFFC100がステータ本体20Aと干渉することを防止でき、FFC100の損傷を防止できる。
【0106】
また、このステータ本体20Aをサブステータ20Bに組み付ける場合に、FFC100の一端に連結された固定側コネクタ40を仮固定部28に仮固定できるため、ステータ本体20Aの組み付け作業時に固定側コネクタ40及びFFC100一端側が組み付け作業の邪魔にならず、効率よく回転コネクタ装置1の組み立て作業を行うことができる。
【0107】
さらにまた、固定側コネクタ40を仮固定部28に仮固定することにより、ステータ本体20Aの組み付け作業において、FFC100の一端側が捻じれたり他の部材と干渉したりすることによる損傷をより確実に防止することができる。
【0108】
このように、ステータ20をサブステータ20Bとステータ本体20Aとで構成されるとともに、仮固定部28をサブステータ20Bに設けることにより、FFC100の損傷を防止できるとともに、回転コネクタ装置1の組み立て作業を効率よく行うことができる。
【0109】
また、挿通部24が、収容空間Sよりも径方向外側に設けられることにより、固定側コネクタ40と連結されたFFC100を、固定側リング板21の径方向外側に設けられた挿通部24を挿通させることとなるため、収容空間Sに収容されたFFC100の一端側が収容空間Sよりも径方向外側に配置されることとなる。したがって、挿通部24から挿通させるFFC100の一端側が、径方向内側に巻き回されたFFC100と過度に擦れ合うことを防止でき、FFC100の損傷を防止できる。
【0110】
また、固定側コネクタ40とFFC100との連結部位、すなわち上方嵌合凸部422を囲繞するように、固定側リング板21に取り付けられるハウジングカバー50が設けられることにより、FFC100の一端側及び固定側コネクタ40を保護することができ、FFC100の一端側及び固定側コネクタ40に意図しない外力が作用することを防止できる。したがって、固定側コネクタ40及びFFC100の一端側が損傷することを防止できるとともに、ハウジングカバー50を固定側リング板21に固定することにより、固定側コネクタ40を固定側リング板21に確実に固定できる。
【0111】
また、嵌合凹部26に嵌合された固定側コネクタ40は、固定側リング板21の外周縁よりも径方向内側側に配置されることにより、確実に固定側コネクタ40を、回転コネクタ装置1の底面視径方向内側に配置することができるため、FFC100の一端側を径方向内側に引っ張ることができる。このため、FFC100が回転コネクタ装置1の径方向外側に配置される他部材と干渉することを防止でき、FFC100が損傷することを防止できるとともに、回転コネクタ装置1の小型化を確実に図ることができる。
【0112】
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
回転体は、ロテータ10に対応し、
固定体は、ステータ20に対応し、
設置部は、嵌合凹部26に対応し、
第1固定体は、サブステータ20Bに対応し、
第2固定体は、ステータ本体20Aに対応し、
固定側カバーは、ハウジングカバー50に対応し、
第1固定体組み付け工程は、サブステータ組み付け工程に対応し、
固定側コネクタ仮固定工程は、回転側コネクタ仮固定工程に対応し、
第2固定体組み付け工程は、ステータ本体組み付け工程に対応し、
固定側コネクタ設置工程は、固定側コネクタ組み付け工程に対応するが、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
【0113】
例えば、本実施形態では、固定側コネクタ40を固定側リング板21に設けられた嵌合凹部26に嵌合して設置できる構成としているが、嵌合凹部26のように固定側コネクタ40を嵌合する構成である必要はなく、例えば固定側コネクタ40の底面側をスライドさせて係止させる構成や、鉤爪などで係止する構成、他の部材を用いて設置する構成としてもよい。
【0114】
また、嵌合凹部26は固定側リング板21を貫通する貫通孔で構成され、貫通孔に固定側コネクタ40を嵌合させる構成であってもよいが、固定側リング板21を貫通しない構成であることが好ましい。
【0115】
さらにまた、熱硬化樹脂や接着剤などで固着させることにより固定側コネクタ40を固定側リング板21に設置させる構成であってもよい。
この場合、本実施形態ではロテータ10は、環状の回転側リング板11、および該回転側リング板11の内周縁に形成された円筒状の内周筒部12で構成するロテータ10と、ロテータ10と組み付けて一体としたスリーブ30とで構成されているが、ステータ20と相対回転可能なロテータ10のみで構成されていてもよい。
【0116】
さらにまた、ステータ20は、外周筒部22を構成するサブステータ20Bと固定側リング板21を構成するステータ本体20Aを嵌合させて構成されている場合のみならず、外周筒部22と固定側リング板21とが一体で構成されていてもよい。
【0117】
また本実施形態では挿通部24は、固定側リング板21の外周縁部を窪ませて形成されているが、例えば内周縁部を窪ませて形成されていてもよく、また固定側リング板21の主面を貫通するように設けられてもよい。また、固定側リング板21の外周縁に形成された外周筒部22の一部を径方向外側にわずかに突出させて形成されている場合や、外周筒部22と固定側リング板21とで隙間を形成するように一体で形成されていてもよい。
【0118】
さらにまた、本実施形態では、保護壁部29の高さが仕切り部25の高さよりも低い構成としているが(図8参照)、図16に示すように、保護壁部29の高さが仕切り部25の高さよりも高く構成してもよい。
【0119】
これにより、固定側コネクタ40を仮固定部28に仮固定した場合に、挿通部24を挿通されるFFC100が保護壁部29に押さえ込まれるため、仮被係止部423が仮固定部28から外れることを抑制することができ、より回転コネクタ装置1の組み立て作業を効率良く行うことができる。
【0120】
また、本実施形態では、上方バスバカバー42と下方バスバカバー43とを、±Z方向に沿って配置するように固定側コネクタ40を構成しているが、例えば、上方バスバカバー42と下方バスバカバー43とが±Y方向に沿って配置されてもよい。
【0121】
しかしながら、上方バスバカバー42と下方バスバカバー43とが±Y方向に沿って配置される場合、スペースの決して多くない固定側リング板21に上方バスバカバー42及び下方バスバカバー43が配置されることとなり、上方バスバカバー42及び下方バスバカバー43の一部分が径方向外側に突出することとなる場合もある。
【0122】
したがって、上方バスバカバー42と下方バスバカバー43とを、±Z方向に沿って配置する方が好ましい。なお、上方バスバカバー42と下方バスバカバー43とが±Z方向に沿って配置されることにより、固定側コネクタ40の強度が弱くなるおそれがあるため、固定側コネクタ40をハウジングカバー50で補強することが好ましい。
【0123】
本実施形態における回転コネクタ装置1の組立方法において、固定側コネクタ仮固定工程(ステップs3)では、サブステータ20Bが有する外周筒部22に設けられた仮固定部28に仮固定しているが、例えば、回転コネクタ装置1を組み立てる組立装置(図示省略)内において別途設けられた仮固定部に仮固定してもよい。換言すると、固定側コネクタ40を仮固定する仮固定部が回転コネクタ装置1における特定の部位に限定して設けられている必要はなく、回転コネクタ装置1以外の外部に設けてもよい。
【0124】
なお、上述した実施形態に記載の特徴的な構成は、回転コネクタ装置1の小型化を図ることといった本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、それぞれの構成を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0125】
1 回転コネクタ
10 ロテータ
11 回転側リング板
12 内周筒部
20 ステータ
20A ステータ本体
20B サブステータ
21 固定側リング板
22 外周筒部
24 挿通部
26 嵌合凹部
28 仮固定部
40 固定側コネクタ
50 ハウジングカバー
100 フラットケーブル
S 収容空間
S2 サブステータ組み付け工程
S3 回転側コネクタ仮固定工程
S4 ステータ本体組み付け工程
S5 固定側コネクタ組み付け工程
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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図16