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特許7328264光学部品のマイクロ/ナノ構造を間隙充填するための流動性CVDの使用
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-07
(45)【発行日】2023-08-16
(54)【発明の名称】光学部品のマイクロ/ナノ構造を間隙充填するための流動性CVDの使用
(51)【国際特許分類】
   G02B 5/18 20060101AFI20230808BHJP
   G02B 1/10 20150101ALI20230808BHJP
   G02B 5/00 20060101ALI20230808BHJP
   G03F 7/20 20060101ALI20230808BHJP
   H01L 21/027 20060101ALI20230808BHJP
【FI】
G02B5/18
G02B1/10
G02B5/00 Z
G03F7/20 504
G03F7/20 521
H01L21/30 502D
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020573302
(86)(22)【出願日】2019-05-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-11-11
(86)【国際出願番号】 US2019032985
(87)【国際公開番号】W WO2020009748
(87)【国際公開日】2020-01-09
【審査請求日】2021-03-01
(31)【優先権主張番号】62/692,255
(32)【優先日】2018-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】フー, ジンシン
(72)【発明者】
【氏名】ゴデット, ルドヴィーク
(72)【発明者】
【氏名】マクミラン, ウェイン
【審査官】横川 美穂
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0322418(US,A1)
【文献】特表2010-507259(JP,A)
【文献】特表2009-539265(JP,A)
【文献】特表2011-504651(JP,A)
【文献】特開2017-195371(JP,A)
【文献】特表2014-532304(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0030773(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2009-0060251(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 1/10
G02B 5/00-5/18
G03F 7/20-7/24
H01L 21/027-21/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
拡張現実又は仮想現実ディスプレイデバイスの光学部品を形成するための方法であって、
拡張現実または仮想現実ディスプレイデバイスの前記光学部品の導波器又は平坦レンズを形成することであって、前記導波器又は前記平坦レンズは、処理領域に配置された基板の上に、それぞれ高さ方向に細長い形状を有し、互いに平行であって規則的に並べられた複数の回折格子及び複数の間隙を有するパターンを有し、1.7から2.4の範囲の第1の屈折率を有し、かつ酸化チタン、酸化タンタル、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、又は酸化ニオブを含む、拡張現実または仮想現実ディスプレイデバイスの前記光学部品の導波器又は平坦レンズを形成することと、
100℃未満の温度で0.1Torrと10Torrの間の圧力で流動性化学気相堆積処理によって、前記導波器又は前記平坦レンズの前記パターンの上に直接、層を形成することであって、前記層が、1.1から1.5の範囲の第2の屈折率を有多孔性二酸化ケイ素又は石英を含む層を形成すること、
を含み、
前記流動性化学気相堆積処理は、
原子状酸素前駆体を生成することと、
前記原子状酸素前駆体を前記処理領域に導入することであって、シリコン前駆体は、前記原子状酸素前駆体と前記シリコン前駆体が前記処理領域に導入される前に混合されないように、前記処理領域に配置される、前記原子状酸素前駆体を前記処理領域に導入すること、
を含む、方法。
【請求項2】
前記層をアニーリングすることを更に含む、請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記層をアニーリングすることが、前記層を300℃から1000℃まで加熱することを含む、請求項に記載の方法。
【請求項4】
拡張現実又は仮想現実ディスプレイデバイスの光学部品を形成するための方法であって、
拡張現実または仮想現実ディスプレイデバイスの前記光学部品の導波器又は平坦レンズを形成することであって、前記導波器又は前記平坦レンズは、処理領域に配置された基板の第1の表面上に、それぞれ高さ方向に細長い形状を有し、互いに平行であって規則的に並べられた複数の回折格子及び複数の間隙を有する第1のパターンを有し、1.7から2.4の範囲の第1の屈折率を有し、かつ酸化チタン、酸化タンタル、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、又は酸化ニオブを含む、拡張現実または仮想現実ディスプレイデバイスの前記光学部品の導波器又は平坦レンズを形成することと、
100℃未満の温度で0.1Torrと10Torrの間の圧力で流動性化学気相堆積処理によって、前記導波器又は前記平坦レンズの前記第1のパターンの上に直接、層を形成することであって、前記層が、1.1から1.5の範囲の第2の屈折率を有多孔性二酸化ケイ素又は石英を含む層を形成すること、
を含み、
前記流動性化学気相堆積処理は、
原子状酸素前駆体を生成することと、
前記原子状酸素前駆体を前記処理領域に導入することであって、シリコン前駆体は、前記原子状酸素前駆体と前記シリコン前駆体が前記処理領域に導入される前に混合されないように、前記処理領域に配置される、前記原子状酸素前駆体を前記処理領域に導入すること、を含む、方法。
【請求項5】
前記導波器又は前記平坦レンズが、電子ビームリソグラフィ又はナノインプリントリソグラフィによって前記基板の前記第1の表面上に形成される、請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記基板の第2の表面上に第3の屈折率を有する第2の層を形成することを更に含み、前記第2の層が第2のパターンを有する、請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記流動性化学気相堆積処理によって前記第2の層の上に前記第3の屈折率よりも小さい第4の屈折率を有する第3の層を形成すること
を更に含む、請求項に記載の方法。
【請求項8】
前記第2のパターンが、前記第1のパターンとは異なる、請求項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示の実施形態は、概して、拡張現実、仮想現実、及び混合現実のためのディスプレイデバイスに関する。より具体的には、本明細書に記載される実施形態は、ディスプレイデバイスのための光学部品を形成するための方法を提供する。
【背景技術】
【0002】
関連技術の説明
[0002]仮想現実は、概して、ユーザが見かけ上の物理的存在を有するコンピュータが生成したシミュレート環境であると考えられる。仮想現実体験は、3Dで生成され、実際の環境に取って代わる仮想現実環境を表示するためのレンズとしての目に近いディスプレイパネルを有する眼鏡又は他の着用可能なディスプレイデバイスといった、ヘッド装着型ディスプレイ(HMD)で見ることができる。
【0003】
[0003]拡張現実は、ユーザが、周囲環境を見るために、眼鏡又は他のHMDデバイスのディスプレイレンズを通してなおも見ることができ、更に表示目的で生成され環境の一部として現れる仮想物体の画像をも見ることができる体験を可能にする。拡張現実は、オーディオ入力及び触覚入力といった任意の種類の入力、並びにユーザが経験する環境を強化又は拡張する仮想画像、グラフィック及びビデオを含みうる。
【0004】
[0004]仮想現実ディスプレイデバイスと拡張現実ディスプレイデバイスの両方が、対照的な屈折率(RI)を有するマイクロ構造又はナノ構造を含む、導波器又は平坦なレンズ/メタ表面などの光学部品を利用する。従来、RIがより低い層は、光、電子ビーム、又はナノインプリントリソグラフィ処理を使用してパターニングされ、RIがより高い層は、原子層堆積(ALD)処理を使用して、パターニングされたより低いRI層上に形成される。しかしながら、ALD処理の膜堆積速度は非常に遅い。
【0005】
[0005]従って、仮想現実又は拡張現実ディスプレイデバイス用の光学部品を形成するための改良された方法が必要とされる。
【発明の概要】
【0006】
[0006]本開示の実施形態は、概して、例えば、仮想現実又は拡張現実ディスプレイデバイスのための、光学部品を形成するための方法に関する。1つの実施形態では、方法は、基板の上にパターンを有する第1の層を形成することを含み、第1の層は第1の屈折率を有する。この方法は、流動性化学気相堆積処理によって第1の層上に第2の層を形成することを更に含む。第2の層は、第1の屈折率より小さい第2の屈折率を有する。
【0007】
[0007]別の実施形態では、方法は、基板の上にパターンを有する第1の層を形成することを含む。第1の層は、約1.7から約2.4の範囲の第1の屈折率を有する。この方法は、流動性化学気相堆積処理によって第1の層上に第2の層を形成することを更に含む。第2の層は、約1.1から約1.5の範囲の第2の屈折率を有する。
【0008】
[0008]別の実施形態では、方法は、基板の上に第1のパターンを有する第1の層を形成することを含む。第1の層は、第1の屈折率を有し、金属酸化物を含む。この方法は、流動性化学気相堆積処理によって第1の層の上に第2の層を形成することを更に含む。第2の層は、約1.1から約1.5の範囲の第2の屈折率を有する。
【0009】
[0009]本開示の上述の特徴を詳細に理解できるように、上記で簡単に要約されている本開示のより詳細な説明が、実施形態を参照することによって得られ、それらの実施形態の一部が添付図面に示される。しかしながら、添付図面は例示的な実施形態を示しているにすぎず、従って、本開示の範囲を限定すると見なされるべきではなく、その他の等しく有効な実施形態を許容しうることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】[0010]本明細書に記載の1つの実施形態による処理チャンバの概略断面図を示す。
図2】[0011]A‐D図は、本明細書に記載の1つの実施形態による、様々な段階中の光学部品の概略断面図を示す。
図3】[0012]A‐D図は、本明細書に記載の実施形態による光学部品の概略断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[0013]理解を容易にするために、図に共通する同一の要素を指し示すために、可能な場合には、同一の参照番号を使用した。1つの実施形態の要素及び特徴は、更なる記述がなくとも、他の実施形態に有益に組み込まれうると想定される。
【0012】
[0014]本開示の実施形態は、概して、例えば、仮想現実又は拡張現実ディスプレイデバイスのための、光学部品を形成するための方法に関する。1つの実施形態では、この方法は、基板の上にパターンを有する第1の層を形成することを含み、第1の層は第1の屈折率を有する。この方法は、流動性化学気相堆積(FCVD)処理によって第1の層の上に第2の層を形成することを更に含み、第2の層は、第1の屈折率より小さい第2の屈折率を有する。
【0013】
[0015]図1は、本明細書に記載の1つの実施形態による処理チャンバ100の概略断面側面図である。処理チャンバ100は、CVDチャンバなどの堆積チャンバでありうる。処理チャンバ100は、少なくとも基板の上に流動性膜を堆積させるように構成されうる。処理チャンバ100は、チャンバ壁135の上に配置されたリッド112と、リッド112とチャンバ壁135との間に配置された絶縁リング120とを含む。第1の遠隔プラズマ源(RPS)101がリッド112上に配置され、第1のRPS101内で形成された前駆体ラジカルが、ラジカル入口アセンブリ105及びバッフル106を介して、処理チャンバ100のプラズマゾーン115内に流入する。第1のRPS101は、リッド112に連結されるように示されているが、第1のRPS101は、リッド112から離間され、1つ又は複数の導管によってリッド112に流体連結されてもよいと企図される。前駆体ガス入口102は、1つ又は複数の前駆体ガスを第1のRPS101に流入させるために、第1のRPS101上に形成される。
【0014】
[0016]処理チャンバ100は、デュアルゾーンシャワーヘッド103を更に含む。デュアルゾーンシャワーヘッド103は、第1の複数のチャネル104及び第2の複数のチャネル108を含む。第1の複数のチャネル104及び第2の複数のチャネル108は、流体連結していない。動作中に、プラズマゾーン115内のラジカルは、デュアルゾーンシャワーヘッド103の第1の複数のチャネル104を通って処理領域130に流入し、1つ又は複数の前駆体ガスは、第2の複数のチャネル108を通って処理領域130に流入する。デュアルゾーンシャワーヘッド103により、ラジカルと前駆体ガスとの間の早すぎる混合及び反応が回避される。
【0015】
[0017]処理チャンバ100は、処理中に基板155を支持するための基板支持体165を含む。処理領域130は、デュアルゾーンシャワーヘッド103及び基板支持体165によって画定される。第2のRPS114は、処理チャンバ100のチャンバ壁135を通して処理領域130に流体連結される。第2のRPS114は、チャンバ壁135に形成された入口118に連結されうる。前駆体ガス及び前駆体ラジカルは、デュアルゾーンシャワーヘッド103の下の処理領域130で混ざり反応するので、堆積は、いくつかの小さな逆拡散を除き、主にデュアルゾーンシャワーヘッド103の下で起こる。したがって、デュアルゾーンシャワーヘッド103の下に配置された処理チャンバ100の部品は、定期的な処理の後に洗浄されうる。洗浄とは、チャンバ部品上に堆積した材料を除去することを指す。洗浄ラジカルは、デュアルゾーンシャワーヘッド103の下(下流)の位置で処理領域130に導入される。
【0016】
[0018]第1のRPS101は、シリコン含有ガス、酸素含有ガス、及び/又は窒素含有ガスなどの前駆体ガスを励起して、基板支持体165上に配置された基板155上に流動性膜を形成する前駆体ラジカルを形成するように構成される。第2のRPS114は、フッ素含有ガスなどの洗浄ガスを励起して、基板支持体165及びチャンバ壁135などの処理チャンバ100の部品を洗浄する洗浄ラジカルを形成するように構成される。
【0017】
[0019]処理チャンバ100は、底部180と、底部180内に形成されたスリットバルブ開口部175と、底部180に連結されたポンピングリング150とを更に含む。ポンピングリング150は、処理チャンバ100から残留前駆体ガス及びラジカルを除去するために利用される。処理チャンバ100は、基板支持体165から基板155を持ち上げるための複数のリフトピン160と、基板支持体165を支持するシャフト170とを更に含む。シャフト170は、シャフト170を回転させることができるモータ172に連結されており、このモータは、基板支持体165、及び基板支持体165上に配置された基板155を回転させる。処理又は洗浄中に基板支持体165を回転させることにより、改善された堆積の均一性に加え、洗浄の均一性も実現することができる。
【0018】
[0020]図2Aから図2Dは、本明細書に記載の1つの実施形態による、異なる段階中の光学部品200の概略断面図を示す。図2Aに示すように、光学部品200は、基板202の第1の表面203上に配置された第1のRIを有するパターニングされた第1の層204を含む。基板202は、図1に示す基板155でありうる。1つの実施形態では、基板202は、ガラスなどの視覚的に透明な材料から製造される。基板202は、約1.4から約2.0の範囲のRIを有する。パターニングされた第1の層204は、透明な材料から製造され、第1のRIは、約1.7から約2.4の範囲である。1つの実施形態では、基板202のRIは、パターニングされた第1の層204の第1のRIと同じである。別の実施形態では、基板202のRIは、パターニングされた第1の層204の第1のRIとは異なる。パターニングされた第1の層204は、酸化チタン(TiO)、酸化タンタル(TaO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化ハフニウム(HfO)、又は酸化ニオブ(NbO)などの金属酸化物から製造される。パターニングされた第1の層204は、パターン206を含み、パターン206は、複数の突起208及び複数の間隙210を含む。隣接する突起208は、間隙210によって分離されている。図2Aに示されるように、突起208は、長方形の形状を有する。突起208は、任意の他の適切な形状を有してもよい。異なる形状を有する突起208の例が、図3Aから図3Dに示される。1つの実施形態では、突起208は格子である。格子は、光を異なる方向に進むいくつかのビームに分割及び回折する複数の平行な細長い構造である。格子は、正弦、正方形、三角形、又は鋸歯状の格子といった異なる形状を有しうる。パターニングされた第1の層204は、電子ビームリソグラフィ、ナノインプリントリソグラフィ、又はエッチングなどの任意の適切な方法によって形成されうる。
【0019】
[0021]次に、基板202及びその上に形成されたパターニングされた第1の層204が、図1に示す処理チャンバ100などの処理チャンバ内に配置される。第2の層212は、FCVD処理によってパターニングされた第1の層204上に形成される。第2の層212の流動性により、第2の層212は、間隙210のような小さな間隙に流入可能となる。第2の層212は、第1のRIよりも小さい第2のRIを有する。1つの実施形態では、層212は、約1.1から約1.5の範囲のRIを有する。
【0020】
[0022]第2の層は、以下の処理ステップによって形成されうる。原子状酸素前駆体は、処理チャンバ100の第1のRPS101などのRPS内で生成される。原子状酸素は、分子状酸素(O)、オゾン(O)、窒素-酸素化合物(例えば、NO、NO、NOなど)、水素-酸素化合物(例えば、HO、Hなど)、炭素-酸素化合物(例えば、CO、COなど)、並びに他の酸素含有前駆体及び前駆体の組み合わせなどの酸素含有前駆体の解離によって生成されうる。次に、反応性原子状酸素は、図1に示す処理チャンバ100の処理領域130などの処理領域に導入され、ここで、原子状酸素は、同様に処理領域に導入されるシリコン前駆体と初めて混合されうる。原子状酸素は、適温(例えば、100℃未満の反応温度)及び圧力(例えば、約0.1Torrから約10Torr、0.5から6Torrの全チャンバ圧力など)でシリコン前駆体(及び反応チャンバ内に存在しうる他の堆積前駆体)と反応して、二酸化ケイ素層などの第2の層212を形成する。1つの実施形態では、第2の層212は、石英層である。
【0021】
[0023]シリコン前駆体は、炭素を含まない有機シラン化合物及び/又はシリコン化合物を含みうる。炭素を含まないシリコン前駆体は、とりわけシラン(SiH)を含みうる。有機シラン化合物は、直接Si-C結合を有する化合物及び/又はSi-O-C結合を有する化合物を含みうる。有機シランシリコン前駆体の例は、とりわけ、ジメチルシラン、トリメチルシラン、テトラメチルシラン、ジエチルシラン、テトラメチルオルトシリケート(TMOS)、テトラエチルオルトシリケート(TEOS)、オクタメチルトリシロキサン(OMTS)、オクタメチルシクロテトラシロキサン(OMCTS)、テトラメチルジメチルジメトキシジシラン、テトラメチルシクロテトラシロキサン(TOMCATS)、DMDMOS、DEMS、メチルトリエトキシシラン(MTES)、フェニルジメチルシラン、及びフェニルシランを含みうる。
【0022】
[0024]原子状酸素及びシリコン前駆体は、処理領域に導入される前に混合されない。前駆体は、図1に示すデュアルゾーンシャワーヘッド103のようなデュアルゾーンシャワーヘッドを通って処理領域に進入しうる。原子状酸素及びシリコン前駆体が処理領域内で反応すると、第2の層212がパターニングされた第1の層204上に形成される。堆積された第2の層212は、優れた流動性を有し、間隙210のような間隙内に迅速に移動することができる。
【0023】
[0025]第2の層212の堆積後アニールが実行されうる。1つの実施形態では、第2の層212は、実質的に乾燥雰囲気(例えば、乾燥窒素、ヘリウム、アルゴンなど)中で、約300℃から約1000℃(例えば、約600℃から約900℃)に加熱される。アニールは、堆積された第2の層212から水分を除去する。
【0024】
[0026]いくつかの実施形態では、基板202の両側は、上部に異なるRIを有する層を形成するために利用することができる。図2Cに示すように、第3のRIを有するパターニングされた第3の層214が、基板202の第2の表面205上に形成される。パターニングされた第3の層214は、パターン216を有し、パターン216は、複数の突起218及び複数の間隙220を含む。パターニングされた第3の層214は、パターニングされた第1の層204と同じ材料から製造されうる。パターニングされた第3の層214は、パターニングされた第1の層204と同じプロセスによって形成されうる。1つの実施形態では、パターニングされた第3の層214は、パターニングされた第1の層204と同一である。別の実施形態では、パターニングされた第3の層214は、パターニングされた第1の層204とは異なるパターンを有する。
【0025】
[0027]次に、図2Dに示されるように、パターニングされた第3の層214の上に、第4の層222が形成される。第4の層222は、第2の層212と同じ材料から製造されうる。第4の層222は、第2の層212と同じプロセスによって形成されうる。光学部品200は、任意の適切なディスプレイデバイスで使用されうる。例えば、1つの実施形態では、光学部品200は、拡張現実ディスプレイデバイスにおいて導波器又は導波結合器として使用される。導波器は、光波を導く構造である。導波結合器は、実世界画像を虚像と結合する拡張現実ディスプレイデバイスで使用される。別の実施形態では、光学部品200は、拡張及び仮想現実ディスプレイデバイス並びにフェースID及びLIDARのような3D感知デバイスにおける平坦レンズ/メタ表面として使用される。
【0026】
[0028]図3Aから図3Dは、本明細書に記載の実施形態による光学部品300の概略断面図を示す。図3Aに示すように、光学部品300は、基板202、基板202上に配置されたパターニングされた第1の層204、及びパターニングされた第1の層204上に配置された第2の層212を含む。パターニングされた第1の層204は、複数の突起302を含む。突起302の各々は、図3Aに示されるように、平行四辺形の断面積を有する。突起302は、格子であってもよい。
【0027】
[0029]図3Bに示すように、光学部品300は、基板202、基板202上に配置されたパターニングされた第1の層204、及びパターニングされた第1の層204上に配置された第2の層212を含む。パターニングされた第1の層204は、複数の突起304を含む。突起304の各々は、図3Bに示されるように、三角形の断面積を有する。突起304は、格子であってもよい。
【0028】
[0030]図3Cに示すように、光学部品300は、基板202、基板202の第1の表面203上に配置されたパターニングされた第1の層204、及びパターニングされた第1の層204上に配置された第2の層212を含む。パターニングされた第1の層204は、複数の突起302を含む。光学部品300は、基板202の第2の表面205上に配置されたパターニングされた第3の層214と、パターニングされた第3の層214上に配置された第4の層222とを更に含む。パターニングされた第3の層214は、複数の突起306を含む。1つの実施形態では、突起306は、突起302と同じでありうる。別の実施形態では、突起306は、突起302と同じでなくてもよい。突起302、306は格子であってもよい。
【0029】
[0031]図3Dに示すように、光学部品300は、基板202、基板202の第1の表面203上に配置されたパターニングされた第1の層204、及びパターニングされた第1の層204上に配置された第2の層212を含む。パターニングされた第1の層204は、複数の突起304を含む。光学部品300は、基板202の第2の表面205上に配置されたパターニングされた第3の層214と、パターニングされた第3の層214上に配置された第4の層222とを更に含む。パターニングされた第3の層214は、複数の突起308を含む。1つの実施形態では、突起308は、突起304と同じでありうる。別の実施形態では、突起308は、突起304と同じでなくてもよい。突起304、308は格子であってもよい。
【0030】
[0032]光学部品300は、任意の適切なディスプレイデバイスで使用されうる。例えば、1つの実施形態では、光学部品300は、拡張現実ディスプレイデバイスにおいて導波器又は導波結合器として使用される。別の実施形態では、光学部品300は、拡張及び仮想現実ディスプレイデバイス並びにフェースID及びLIDARのような3D感知デバイスにおける平坦レンズ/メタ表面として使用される。
【0031】
[0033]異なるRIを有する層を含む光学部品を形成するための方法が開示される。RIがより高いパターニングされた第1の層が基板の上に形成され、第2の層が、FCVD処理を用いてパターニングされた第1の層の上に形成される。光学部品の用途は、拡張及び仮想現実ディスプレイデバイス及び3Dセンシングデバイスに限定されない。光学部品は、任意の適切な用途で使用することができる。
【0032】
[0034]上記は本開示の実施形態を対象としているが、本開示の他の実施形態及び更なる実施形態が、その基本的な範囲から逸脱することなく考案されてもよく、その範囲は以下の特許請求の範囲によって決定される。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図3C
図3D