(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-08
(45)【発行日】2023-08-17
(54)【発明の名称】位置測定装置のセンサーユニット用の光源を製作する方法及び位置測定装置
(51)【国際特許分類】
H01L 33/62 20100101AFI20230809BHJP
G01D 5/347 20060101ALI20230809BHJP
H01L 33/00 20100101ALI20230809BHJP
H01L 33/54 20100101ALI20230809BHJP
H01S 5/02355 20210101ALI20230809BHJP
【FI】
H01L33/62
G01D5/347 110S
H01L33/00 K
H01L33/54
H01S5/02355
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019107659
(22)【出願日】2019-06-10
【審査請求日】2022-01-11
(32)【優先日】2018-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】390014281
【氏名又は名称】ドクトル・ヨハネス・ハイデンハイン・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】DR. JOHANNES HEIDENHAIN GESELLSCHAFT MIT BESCHRANKTER HAFTUNG
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【氏名又は名称】中村 真介
(72)【発明者】
【氏名】トビアス・フープナー
(72)【発明者】
【氏名】ローマン・アンゲラー
(72)【発明者】
【氏名】ユルゲン・ギュンタート
(72)【発明者】
【氏名】フロリアン・オーバーレヒナー
(72)【発明者】
【氏名】マティアス・ハウスシュミット
(72)【発明者】
【氏名】イェンス-マルティン・ゲーレ
(72)【発明者】
【氏名】マルティン・シュターケル
【審査官】大和田 有軌
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0222094(US,A1)
【文献】特表2015-518284(JP,A)
【文献】特表2015-501086(JP,A)
【文献】特開2018-072184(JP,A)
【文献】特表2016-504773(JP,A)
【文献】特開2015-200568(JP,A)
【文献】特表2015-532541(JP,A)
【文献】特表2015-526909(JP,A)
【文献】特表2014-506015(JP,A)
【文献】特表2013-541208(JP,A)
【文献】特表2013-518374(JP,A)
【文献】特表2013-501368(JP,A)
【文献】特表2012-523108(JP,A)
【文献】特開2011-096970(JP,A)
【文献】特表2010-532090(JP,A)
【文献】特表2009-506556(JP,A)
【文献】特開2003-168762(JP,A)
【文献】特開2003-078170(JP,A)
【文献】国際公開第2016/173841(WO,A1)
【文献】独国特許出願公開第102012107578(DE,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0256912(US,A1)
【文献】独国実用新案第202007002582(DE,U1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00 - 33/64
H01S 5/00 - 5/50
G01B 11/00 - 11/30
G01D 5/26 - 5/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置測定装置のセンサーユニット用の
、光源(1)
用の部品を製作する方法であって、
光を放射できるように実現された少なくとも一つの半導体部品(1.1)を準備する工程と、
この半導体部品(1.1)を第一の補助支持体(4)の上に固定して、その結果、この少なくとも一つの半導体部品(1.1)の第一の側(1.11)が第一の補助支持体(4)の方を向くようにするとともに、この第一の補助支持体(4)の上への半導体部品(1.1)の固定前又は後に、導電性の
支持体(1.3)が、この少なくとも一つの半導体部品(1.1)に
導電性の接着剤(1.2)によって電気的に接触して固定されて、その結果、この少なくとも一つの半導体部品(1.1)と
、この
導電性の支持体(1.3)とを有する第一のコンポーネント(100)が得られるようにする工程と、
この第一の補助支持体(4)の上に導電性の本体部(1.4)を固定して、その結果、この本体部が
導電性の支持体(1.3)の隣に配置されるようにする工程と、
この第一の補助支持体(4)の上に第一のグラウトペースト(1.5)を配設して、その結果、この第一のグラウトペースト(1.5)によって、この
導電性の支持体(1.3)とこの導電性の本体部(1.4)が互いに相対的に固定されるようにする工程と、
第一の補助支持体(4)を取り除く工程と、
この導電性の本体部(1.4)とこの第一のコンポーネント(100)の間にブリッジ導体路(1.
6)を製作
して、その結果、これらが電気的に互いに接続するようにする工程と、
この
半導体部品(1.1)と電気的に接触する
第二のテストパッド(1.922)を製作する工程と、
この導電性の本体部(1.4)と電気的に接触する
第一のテストパッド(1.822)を製作して、その結果、第一のコンポーネント(100)、第一のグラウトペースト(1.5)、ブリッジ導体路(1.
6)、第一のテストパッド(1.82
2)及び第二のテストパッド(1.92
2)を有するパネル(
P)が得られ
、第一のテストパッド(1.822)と第二のテストパッド(1.922)を介して流れる電流が、直列に接続された第二のテストパッド(1.922)、導電性の支持体(1.3)、半導体部品(1.1)、ブリッジ導体路(1.6)、導電性の本体部(1.4)、第一のテストパッド(1.822)を通って流れるようにする工程と、
半導体部品(1.1)が光を放射する一時的な動作を実行するために、第一のテストパッド(1.82
2)及び第二のテストパッド(1.92
2)を介して電流を流す工程と、
それに続いて、このパネル(
P)を分離
する工程であって、第一のテストパッド
(1.82
2)及び/又は第二のテストパッド(1.92
2)を切り離す
、工程と、
を有することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記のブリッジ導体路(1.6)が前記の
導電性の支持体(1.3)と電気的に接触することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記の
導電性の支持体(1.3)と電気的に接触するとともに、端子パッド(1.821)を有する少なくとも一つの第一の導体路(1.8)を製作することを特徴とする請求項
1に記載の方法。
【請求項4】
前記の導電性の本体部(1.4)と電気的に接触するとともに、端子パッド(1.92
1)を有する少なくとも一つの第二の導体路(1.
9)を製作することを特徴とする請求項
3に記載の方法。
【請求項5】
前記の第一のグラウトペースト(1.5)の配設後に、前記の
導電性の支持体(1.3)と導電性の本体部(1.4)が、半導体部品(1.1)の第一の側(1.11)に対向する表面(O2)を製作するために研磨プロセスを施されることを特徴とする請求項1から
4までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項6】
前記の分離が突切りプロセスにより
、部分的に平行な複数のカッティングが実施されることを特徴とする請求項1から
5までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項7】
前記の第一の補助支持体(4)の上に、複数の第一のコンポーネント(100)が固定されて、その結果、半導体部品(1.1)の第一の側(1.11)がそれぞれ第一の補助支持体(4)の方を向いて配置されるようにすることを特徴とする請求項1から
6までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項8】
前記の第一の補助支持体(4)の上に、複数の導電性の本体部(1.4)が、それぞれ
導電性の支持体(1.3)の隣に固定されて、前記のパネル(
P)が複数の導電性の本体部(1.4)を有することを特徴とする請求項
7に記載の方法。
【請求項9】
前記の第一の導体路(1.
8)と第二の導体路(1.
9)がパネル(
P)の同じ側に配置されることを特徴とする請求項
4のいずれか一つに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1に基づく位置測定装置のセンサーユニット用の光源を製作する方法に関する。更に、本発明は、請求項12に基づく位置測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
位置測定装置は、例えば、互いに相対的に回転可能な二つの機械部分の角度位置を計測するための角度測定装置又はロータリエンコーダーとして使用される。更に、互いに相対的にスライド可能な二つの機械部分の直線的な変位を測定する測長装置が知られている。角度測定装置も測長装置も、通常はセンサーユニットに対して相対的に移動可能である、角度目盛、測長目盛又は基準尺などの構成部品を走査して、位置に依存する信号を発生するセンサーユニットを有する。
【0003】
光学測定装置では、多くの場合、光源と光検出器が光学センサーユニットの回路基板の上に取り付けられている。その回路基板に対して空隙を隔てて対向して、光学目盛が置かれている。そして、既知の方式に基づき、位置に依存する信号を発生することができる。
【0004】
多くの場合、そのような電気駆動部用測定装置又は測定機器は、相応の機械部分の相対的な動き又は相対的な位置を計測するために用いられている。その場合、後続の電子機器の発生した位置値が、相応のインタフェース装置を介して、駆動部を駆動するために供給される。
【0005】
特許文献1には、筐体内に配置された、光学位置測定装置のためのLEDチップが記載されている。そのLEDチップの接触のために、例えば、ワイヤー端子又は端子面の形の半田付け可能な接点を筐体に配備することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】ドイツ特許公開第102012107578号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、高品質な光源を経済的に製作できる、位置測定装置のセンサーユニットのための光源を製作する方法を実現することである。
【0008】
更に、本発明によって、精密な位置測定を確実に実行できる位置測定装置を実現する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本課題は、本発明による請求項1の特徴又は請求項12の特徴によって解決される。
【0010】
それによると、本発明による位置測定装置のセンサーユニットのための光源を製作する方法では、先ずは、電流の導入時に光を放射できる性質を持つ少なくとも一つの半導体部品を準備する。この半導体部品は、導電性の支持体に固定されて、電気的に接触されて、これらの少なくとも一つの半導体部品と支持体を有する第一のコンポーネントが得られるようにする。それに続いて、この第一のコンポーネントが第一の補助支持体の上に固定されて、その結果、この少なくとも一つの半導体部品の光を放射する第一の側が第一の補助支持体の方を向いて配置されるようにする。それに代わって、先ずは、この半導体部品を第一の補助支持体の上に固定した後、この導電性の支持体をこの少なくとも一つの半導体部品に固定することもできる。本方法の更なる工程では、有利には、金属製本体部として、特に、中実の金属製本体部として、例えば、銅を含有する金属から構成することができる導電性の本体部を第一の補助支持体の上に固定することができる。これらの異なる順番により処理できる工程後には、導電性の本体部が支持体の隣に配置される。その後、第一のグラウトペーストが第一の補助支持体の上に配設されて、その結果、支持体と導電性の本体部が第一のグラウトペーストによって互いに相対的に固定されるようにする。それに続いて、第一の補助支持体が取り除かれる。次に、本方法の更なる工程において、所謂ブリッジ導体路が導電性の本体部と第一のコンポーネントの間に製作されて、その結果、これらが電気的に互いに接続されるようにする。更に、我々は、第一のコンポーネントと電気的に接触する第一のテストパッドを製作する。更に、導電性の本体部と電気的に接触する第二のテストパッドを製作して、その結果、パネルが得られるようにする。このパネルは、第一のコンポーネント、第一のグラウトペースト、ブリッジ導体路及び第一と第二テストパッドを有する。次に、半導体部品が光を放射する一時的な動作を実行するために、第一のテストパッド、半導体部品及び第二のテストパッドを介して電流を流すか、或いは電圧差を有する電極を第一のテストパッドと第二のテストパッドに作成する。それに続いて、光源を製作するために、このパネルが分離されて、第一のテストパッド及び/又は第二のテストパッドが、少なくとも部分的に光源から切り離される。
【0011】
更に、これらの光源は、それぞれ一つ又は複数の制御回路モジュールを備えることができる。そのような制御回路モジュールは、例えば、LEDドライバ又はドライバICである。それによると、そのような制御回路モジュールは一緒にグラウチングされる、特に、この制作方法の途中で、この制御回路モジュールを第一の補助支持体の上に固定することができる。
【0012】
半導体部品としては、特に、LED、レーザーダイオード、共振空洞式発光ダイオード(RCLED又はRC-LED)、垂直共振式面発光レーザー(VCSEL)又は有機発光ダイオード(OLED)が考慮の対象となる。
【0013】
以下において、「導体路」との用語は、平面上に、或いは三次元空間内を延びる導体配線路であると理解することができる。従って、導体路は、特に、スルーホール接点又はバイアを有する導体配線路であるとすることもできる。導体路は、一つの層として構成するか、或いは複数の層から構成することができる。
【0014】
有利には、ブリッジ導体路は、支持体と電気的に接触される、特に、支持体と直に接続される。
【0015】
有利には、半導体部品と電気的に接触されるとともに、端子パッドを有する少なくとも一つの第一の導体路が製作される。
【0016】
本発明の別の実施形態では、ブリッジ導体路は、前記の少なくとも一つの半導体部品の第一の側と電気的に接触される。この場合、任意選択として、支持体と電気的に接触されるとともに、端子パッドを有する少なくとも一つの第一の導体路を製作することができる。
【0017】
本発明の別の実施形態では、導電性の本体部と電気的に接触されるとともに、端子パッドを有する少なくとも一つの第二の導体路が製作される。
【0018】
特に、複数の光源を有するパネルの上に、光源毎に専用の端子パッドを製作することができる。パネルは、四角形の外側輪郭を有することができるが、多角形又は円板として構成することもでき、円板形状のパネルはウェーハとも呼ばれる。特に、パネルは平坦な物体として構成される。
【0019】
本発明の別の実施形態では、ブリッジ導体路は、前記の少なくとも一つの半導体部品の第一の側と電気的に接触される。
【0020】
端子パッドは、位置測定装置の動作時に光源を持続的に接触させる役割を果たす。それに対して、テストパッドは、半導体部品が光を放射する一時的な動作を実行するために一時的に電気的に接触させる役割を果たす。
【0021】
半導体部品の電気的な接触は、ワイヤー又はそれと同等の物を使用すること無く行なわれる。特に、ワイヤボンディング又は電線接合を省くことができる。
【0022】
有利には、支持体と導電性の本体部は、第一のグラウトペーストの配設後に、半導体部品の第一の側に対向する表面、特に、平らな表面を製作するために研磨プロセスを施される。
【0023】
有利には、前記の分離は、突切りプロセスにより行なわれる。それに代わって、レーザー切断プロセス又はウェータージェット切断プロセスを適用することもできる。この場合、特に、第一の導体路及び/又は第二の導体路を切り離すこともできる。有利には、前記の分離は、一つ又は複数のテストパッドを半導体部品から切り離すように行なわれる。
【0024】
一時的な動作を実行するための電流を流した後又は流している間に、かつ支持体を分離する前に、有利には、欠陥の有る光源に印を付けることができる。
【0025】
有利には、複数の第一のコンポーネントが第一の補助支持体の上に固定されて、その結果、半導体部品の第一の側が、それぞれ第一の補助支持体の方を向いて配置されて、このパネルが複数の第一のコンポーネントを有するようにする。
【0026】
次に、特に、複数の導電性の本体部が、それぞれ第一の補助支持体の上の支持体の隣に固定され、そして、このパネルは複数の導電性の本体部を有する。
【0027】
有利には、このパネルは、第一の導体路と第二の導体路がパネルの同じ側に配置されるように構成される。
【0028】
本発明の別の実施形態では、このパネルは複数の半導体部品を有する。この場合、半導体部品は、直列回路形態により電気的に接続されて、その結果、一時的な動作を実行するために、電流が、第一のテストパッド、複数の半導体部品を介して流れる、特に、複数のブリッジ導体路を介して第二のテストパッドに流れるようにする。
【0029】
別の観点では、本発明は、センサーユニットと、このセンサーユニットに対して相対的に移動可能な、目盛を有する構成部分とを備えた位置測定装置を含む。このセンサーユニットは、本発明による方法に基づき製作された光源と光検出器とを有する。
【0030】
有利には、この光検出器は光を感知する面を有し、半導体部品の光を放射する第一の側とこの光を感知する面は、センサーユニットの同じ側に配置される。
【0031】
この位置測定装置の改善構成では、この構成部分は、センサーユニットに対して相対的に回転可能であり、この目盛は角度目盛として構成される。
【0032】
それに代わって、この位置測定装置は、この構成部分がセンサーユニットに対して相対的に直線的にスライド可能であり、この目盛が測長目盛として構成されるように構築することができる。
【0033】
即ち、この目盛は、角度目盛又は測長目盛として構成して、増分位置又は絶対位置を測定するために装備することができる。「目盛」との用語は、増分目盛又は絶対目盛を有する物体であると理解し、多くの場合、基準尺とも呼ばれる。
【0034】
本発明の有利な構成は、従属請求項から読み取られる。
【0035】
本発明による方法又は位置測定装置の更なる詳細及び利点は、以下における添付図面に基づく実施例の記述から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】光源の第一の製作段階における半導体部品と支持体を有する第一のコンポーネントの断面図
【
図2】光源の更なる製作段階における第一のコンポーネントの断面図
【
図3】光源のそれに続く製作段階における第一のコンポーネントの断面図
【
図4】光源のその後の製作段階における導体路を有する第一のコンポーネントの断面図
【
図5】光源のそれに続く作段階における導体路を有する第一のコンポーネントの断面図
【
図7】一つの製作工程後のセンサーユニットの部分領域の断面図
【
図8】その後の製作工程後のセンサーユニットの部分領域の断面図
【
図9】その後の製作工程後のセンサーユニットの部分領域の断面図
【
図11】第二の実施例による複数の光源を有するパネルの平面図
【
図12】第二の実施例による導体路を有する第一のコンポーネントの断面図
【
図13】第二の実施例によるその後の製作工程後のセンサーユニットの部分領域の断面図
【発明を実施するための形態】
【0037】
第一の実施例では、先ずは半導体部品1.1が準備され、例えば、
図1には、そのような半導体部品1.1が図示されている。半導体部品1.1としては、LED又は半導体結晶などが考慮の対象となる。これらの半導体部品1.1は、電圧差を加えると、それらから光を放射できるとの特性を有する。これらの半導体部品1.1は、それぞれ動作時に光を放出する、ここでは、p形にドーピングされた半導体材料から成る第一の層又は側面1.11を有する。更に、これらの半導体部品1.1は、それぞれ、ここで提示した実施例では、n形にドーピングされた半導体材料から成る第二の層1.12を有する。この層構造に関しては、p形にドーピングされた半導体材料とn形にドーピングされた半導体材料を置き換えた形で配置することもできる。
【0038】
更に、ここでは、直方体の形状に構成された支持体1.3(
図1を参照)を準備する。ここに提示した実施例では、金属、特に、銅素材から成る支持体1.3である。この例では、支持体1.3のx方向における幅が0.6mmであり、y方向における長さが0.7mmであり、z方向における厚さが0.5mmである。
【0039】
この支持体1.3の上に、導電性の接着剤1.2、例えば、銀粒子を充填されたエポキシ樹脂材料が配設される。
【0040】
この接着剤1.2の上に、半導体部品1.1が設置される。ここに提示した実施例では、この半導体部品1.1のn形にドーピングされた第二の側1.12が、接着剤1.2によって、支持体1.3と電気的に接触される。このようにして、半導体部品1.1が支持体1.3に固定されて、電気的に接触される。ここに提示した実施例では、接着剤1.2を用いた半導体部品1.1と支持体1.3から成るユニットは、第一のコンポーネント100と呼ばれる。
【0041】
ここで述べた手法により、そのような多数の第一のコンポーネント100が製作されて、
図2の通り、ここに提示した実施例では、接着剤箔として構成された第一の補助支持体4の上に固定される、特に、接着される。その後では、これらの第一のコンポーネント100は、半導体部品1.1の第一の側1.11がそれぞれ第一の補助支持体4の方を向くように配置されている。
【0042】
同様に、導電性の本体部1.4が第一の補助支持体4の上に固定される、特に、接着される。ここに提示した実施例では、各本体部1.4は、特に、銅材料から成る金属直方体として製作される。これらの本体部1.4は、それぞれ支持体1.3の隣にx方向にずらして配置されるように、第一の補助支持体4の上に設置される。
【0043】
この配置構成の隣には、更に、それぞれ半導体部品1.1と支持体1.3から成る第一のコンポーネント100及び本体部1.4を有する別の対が、x方向に互いにずらして第一の補助支持体4の上に接着されている。更に、そのようなy方向にずらした別の対が第一の補助支持体4の上に有る。
【0044】
次の製作工程では、第一のグラウトペースト1.5(
図2)が第一の補助支持体4の上に配設され、その結果、半導体部品1.1と本体部1.4の周りの体積が少なくとも部分的に第一のグラウトペースト1.5で満たされるようにする。例えば、第一のグラウトペースト1.5を配設するために、ディスペンサー、グラウチング設備又はモールディング機器を使用することができる。第一のグラウトペースト1.5の硬化後には、支持体1.3と導電性の本体部1.4が互いに相対的に固定される。ここに提示した実施例では、穏やかなグラウチング方法と関連した半導体部品1.1と本体部1.4の固定又は接着によって、第一のグラウトペースト1.5を配設している間に、半導体部品1.1と本体部1.4のずれが起こらないことを保証できる。
【0045】
即ち、例えば、充填物を備えたエポキシ樹脂材料として構成できる第一のグラウトペースト1.5のグラウチングと硬化の後では、第一のグラウトペースト1.5によりグラウチングされた構成要素が互いに相対的に固定される。このようにして、この製作段階では、補助支持体4により覆われた第一の表面O1と、(z方向に関して)この第一の表面O1に対向して配置された第二の表面O2とを有するパネルPが作成される。
【0046】
次の工程として、第二の表面O2が平坦に研磨される、即ち、研磨プロセスを施され、その結果、
図3の通り、第一のグラウトペースト1.5の隣で、支持体1.3と導電性の本体部1.4が、この表面O2にまで到達して、互いに同一面に沿って配置されるよにする。このようにして、半導体部品1.1の第一の側1.11に対向する表面O2が製作される。
【0047】
それに続く工程では、支持体1.3と導電性の本体部1.4のそれぞれ研磨された表面O2が洗浄されて、良好な接触性能のために前処理又は下準備される。
【0048】
それに続いて、絶縁性の第一の層1.13、特に、ポリイミド樹脂から成る層が、第二の表面O2の上に、即ち、第一のグラウトペースト1.5、支持体1.3及び導電性の本体部1.4の上に配設又は積層される(
図4を参照)。この第一の層1.13は、その後に製作されるブリッジ導体路1.6のためのスルーホール開口部が生じるように、光化学方法を用いて構造化される。それに続いて、
図4の通り、第一の層1.13の上に、ブリッジ導体路1.6が配設された後、その導体路に、電気絶縁性の第一の不活性化層1.14が配設される。所定の前提条件の下では、第一の層1.13を省くことができる。
【0049】
そして、その結果として、それぞれ第一の部分1.61と第二の部分1.62を有するブリッジ導体路1.6がそれぞれ得られる(
図6では、それに対応するパネルPの平面図が図示されている)。ブリッジ導体路1.6は、その第一の部分1.61において、第一の層1.13を、特に、スルーホール開口部を貫通する。更に、
図4においても分かる通り、第一の部分1.61には、ブリッジ導体路1.6とそれに対応する支持体1.3の間の電気接触が構築される。ブリッジ導体路1.6は、第二の部分1.62において、同様に第一の層1.13を貫通し、その結果、ブリッジ導体路1.6と導電性の本体部1.4の間に電気接触が構築されるようにする。
【0050】
これらのブリッジ導体路1.6は、最終的に半導体部品1.1毎にそれぞれ電気接点としてのブリッジ導体路1.6が導電性の本体部1.4と支持体1.3の間に製作されるように処理又は構造化される。従って、当該のブリッジ導体路1.6又は接点は、y方向に互いに間隔を開けて配置される。ここに提示した第一の実施例では、それぞれブリッジ導体路1.6は支持体1.3の裏側と、即ち、支持体1.3の半導体部品1.1の方を向いた側と接触する。
【0051】
それに続く製作工程では、第一の補助支持体4が取り除かれる。そのため、半導体部品1.1の第一の側1.11は、それぞれ第一のグラウトペースト1.5の第一の表面O1(
図3)と同一面内に配置される。それに続いて、半導体部品1.1と導電性の本体部1.4のここで開放された表面が洗浄される。
【0052】
その後、第一の表面O1の上、即ち、第一のグラウトペースト1.5、半導体部品1.1の第一の層1.11及び導電性の本体部1.4の上に、第二の絶縁層1.7、例えば、ポリイミド樹脂層が配設又は積層される(
図5を参照)。この第二の絶縁層1.7は、その後に製作される第一の導体路1.8及び第二の導体路1.9のためのスルーホール開口部が得られるように光化学方法を用いて構造化されて、良好な接触性能のために前処理又は下準備される。それに続いて、
図5の通り、第二の絶縁層1.7の上に、第一の導体路1.8と第二の導体路1.9が配設される。これらの導体路1.8,1.9は、最終的に
図5の通りの端子導体が選択的な導体路構造により作成されるように処理又は構造化される。これらの第一と第二の導体路1.8,1.9の上に、電気絶縁性の不活性化層1.15が配設される。
【0053】
そして、その結果として、それぞれ第一の部分1.81と第二の部分1.82を有する第一の導体路1.8がそれぞれ得られる(
図6では、それに対応するパネルPの平面図が図示されている)。第一の導体路1.8は、その第一の部分1.81において、第一の層1.7を、特に、スルーホール開口部を貫通する。更に、
図5においても分かる通り、第一の部分1.81には、第一の導体路1.8と半導体部品1.1の間の電気接触が構築される。
【0054】
第一の導体路1.8の各第二の部分1.82は、所謂端子パッド1.821を有する。更に、第一の導体路1.8は、その第二の部分1.82において、第一の層1.7の上を第二の表面O2に対して平行に延びるとともに、その表面から、第一の層1.7の厚さに相当する間隔を開けて配置される。
【0055】
更に、第二の導体路1.9は、第一の導体路1.8の作成形態と同様に製作される。そのために、先ずは、第一の不活性化層1.15がフォトリソグラフ手法により開放されて、最後に金属を配設される。その後では、第二の導体路1.9は、第一の部分1.91と第二の部分1.92を有するとともに、それぞれ端子パッド1.921を有し、その結果、端子パッド1.921と導電性の本体部1.4の間の電気接触が構築される。
【0056】
そのため、
図5に図示された配置構成が製作される。
図5は、
図6の線A-Aに沿った断面図であり、
図5では、この配置構成を下から見た図面を図示している。
【0057】
更に、それぞれ第一の導体路1.8又は第二の導体路1.9と電気的に接続された第一のテストパッド1.822と第二のテストパッド1.922が作成される。
【0058】
上述した手法により、
図6の通り、特に、多数の光源1とそれに対応する複数の導電性の本体部1.4を有するパネルPが作成される。
図6では、見易くするために、基本的に光源1の中の一つの光源、即ち、
図6の左上に図示された光源の構成要素だけに符号が付与されている。
【0059】
図面に図示された光源1の構成要素以外に、更に、それぞれ制御回路を光源1に統合することもできる。そのような制御回路は、例えば、LEDドライバ又はドライバICである。
【0060】
ここで、個々の各光源1の信頼性を保証するために、各第一のテストパッド1.822及び各第二のテストパッド1.922には、それぞれ一つの電極が作成され、その結果、それらの電極の間に電圧差が加わるようにする。これらの第一のテストパッド1.822は、それぞれ導電性の本体部1.4と接続され、第二のテストパッド1.922は半導体部品1.1と接続される。
図6で見ることができないパネルPの別の側には、
図6において破線で表示されたブリッジ導体路1.6が有る。
【0061】
それに対応して、電圧差によって生じる、第一のテストパッド1.8222と第二のテストパッド1.922を介して流れる電流が、直列に接続された支持体1.3、ブリッジ導体路1.6、半導体部品1.1及び導電性の本体部1.4を通って流れる。
【0062】
この半導体部品1.1が、電流が流れる状態で、即ち、テスト動作において、光を放射する。そのようにして、例えば、一週間の期間に渡って、光源1に電流を流す一時的な動作が実行される。多くの場合、この動作は、気候耐久試験室内において高い温度で行なわれる。この一時的な動作の終了時に、どの半導体部品1.1が正常に動作しなかったのか、即ち、光を、或いは僅かな光しか放射しなかったのかを調査して、当該の欠陥の有る光源1に相応の印を付ける。
【0063】
それに続いて、光源1が分離される。そのために、パネルP、特に、第一のグラウトペースト1.5が切り離される。考えられる実施例では、突切り方法を用いて、y方向とx方向に延びる部分的に平行な複数のカッティングが実行される。
図6では、これらのカッティングが破線x1,x2及びy1~y12により表示されている。線y2とy3の間の領域は、y4とy5、y6とy7、y8とy9、y10とy11の間の領域と同様に廃棄物となる。同様に、
図6のy1の上の領域とy12の下の領域が廃棄物となる。そのため、第一のテストパッド1.822と第二のテストパッド1.922が配置されたパネルPの領域は、光源1の構成要素とはならない。
【0064】
一時的な動作後に十分に機能しない欠陥の有る光源1は廃棄される。
【0065】
それに続いて、位置測定機器のためのセンサーユニットを製作するために、光源1、電子部品2、並びに、例えば、抵抗などの電子モジュール3が
図7の通り第二の補助支持体5の上に設置される。この第二の補助支持体5は、第一の補助支持体4と同様に接着剤箔として構成される。ここでは、ICチップとして構成された電子部品2は、光信号を電気信号に変換する光検出器2.1、例えば、一つ又は複数の光検出器アレーを有する。更に、この電子部品2は、その電子信号を変換する回路、特に、その信号をデジタル化して、更にデジタル処理する回路を有する。
【0066】
それに続く工程では、第二のグラウトペースト7(
図8)が第二の補助支持体5の上に配設されて、その結果、電子部品2、光源1及び電子モジュール3の周りの体積が第二のグラウトペースト7で満たされるようにする。このプロセス工程でも、例えば、第二のグラウトペースト7を配設するために、ディスペンサー、グラウチング設備又はモールディング機器を使用することができる。光検出器2.1の光を検知する表面は、第二のグラウトペースト7により覆われない。硬化した第二のグラウトペースト7によって、特に、光源1と電子部品2が互いに相対的に精密に固定される。特に、光検出器2.1の光を検知する表面は、z方向において、半導体部品1.1の光を放射する表面と同一面内に配置される。
【0067】
それに続いて、
図9の通り、更なる層構造が配備される、特に、導電性の層6が配設される。この導電層6は、最終的に
図9の通りの第三の導体路6.1と第四の導体路6.2が選択的な導体路構造により作成されるように処理又は構造化される。この第三の導体路6.1は、第一の導体路1.8の端子パッド1.821及び電子部品2の接点と電気的に接続される。この第四の導体路6.2は、第二の導体路1.9の端子パッド1.921を電子モジュール3の接点と電気的に接続する。
【0068】
その後、導電層6又は第三の導体路6.1の上と第四の導体路6.2の上に、電気絶縁性の第二の層8又は不活性化層が配設される。任意選択として、更に別の層又は更に別の導体路を作成することもできる。
【0069】
ここで、そのようにして構成された
図9のセンサーユニットは、位置測定装置に、特に、
図10の基本図面に基づくロータリエンコーダー又は角度測定器に組み込まれる。この位置測定装置は、本発明によるセンサーユニット及びそれに対して相対的に移動可能な(ここでは、センサーユニットに対して相対的に回転可能な)構成部分10を有する。この構成部分10は、目盛10.1、ここでは、角度目盛とシャフト10.2から構成される。ここに提示した実施例では、目盛10.1は、反射光方式で反射形態により走査可能な少なくとも一つの回転する目盛トラック又は符号トラックを有する。
【0070】
それに代わって、この光源1を透過光装置と組み合わせて使用することもできる。
【0071】
このセンサーユニットは、例えば、モーター筐体などの機械部分に固定できる、ここに提示された実施例ではほぼ円板形状のプレート9又はそのプレート9の窪みに取り付けられる。このプレート9は、ここでは、堅い金属製本体部又は金属リングとして構成される。このプレート9は、少なくとも一つの表面に絶縁層を有し、その絶縁層の上に、導体路と接触面が製作される。
【0072】
一般的に、この構成部分10又は角度目盛は、ローターとしての役割を果たして、回転軸Rの周りを回転可能な機械部分に固定される。そして、このセンサーユニットは、それに対して、角度測定器として構成された位置測定装置のステーターを構成し、その結果、このステーターは、直立した機械部分に固定される。この位置測定装置の組み上げられた状態では、これらの構成部分10及びセンサーユニットは比較的小さい空隙を隔てて互いに対向し、この空隙は、
図10の基本図面に図示された空隙よりも小さい。
【0073】
この位置測定装置の動作時に、光源1は光を放射し、この光は、
図10に表示された光路の通り、目盛10.1の目盛トラックにより反射されて、光検出器2.1に入射し、この光検出器は、入射した光を光電流又は電気信号に変換する。回転軸線Rは、構成部分10又は目盛10.1の中心を通って延びる。そのように、この構成部分10とセンサーユニットの間の相対的な回転時に、その時々の角度位置に依存する信号を光検出器2.1で発生させることが可能である。
【0074】
センサーユニットの上述した構造形態によって、光検出器2.1と目盛10.1の間又は光源1と目盛10.1の間の隙間の精密な設定を可能にする配置構成を比較的簡単で安価に実現することができる。特に、電子部品2の目盛10.1の方を向いた表面が第一の表面O1と同一面内に配置されることが、この構造形態に基づき保証される。光源1に対して相対的な電子部品2の正確な位置決めによって、機械部分への光源1の取付又は固定後において、電子部品2、特に、光検出器2.1と光源1が精密に配置されることを保証できる。
【0075】
プレート9の上に(又は接触面の上に)取り付けられたモジュール9.1は、信号の評価部品として動作する。このモジュール9.1のデジタル部分の論理回路では、個々の目盛トラックの走査から得られる位置値が検出又は計算される。これらの位置値は、ケーブル11を介して後続の電子機器に、例えば、機械の数値制御部に伝送することができる。従って、このセンサーユニットを備えた位置測定装置又は角度測定装置は、機械部分に固定可能なセンサーユニットと目盛10.1を備えた構成部分10の間の角度位置を検出する役割を果たす。
【0076】
プレート9の上には、更に、例えば、ケーブル端子9.2(ここでは、コネクタ)と更に別の電子部品9.3が、裏側に、即ち、第二の面の上に取り付けられる。従って、これらの更に別の電子部品9.3とケーブル端子9.2は、プレート9の第一の表面O1に対向する、プレート9の第二の面の上に配置される。
【0077】
ここで、
図10の配置構成によるセンサーユニットは、例えば、裏側に、電気絶縁性の材料を射出成形することができ、その結果、
図10では、プレート9の上側に有る表面、電子部品9.1,9.3及びケーブル11を接続するためのケーブル端子9.2が外部の影響から保護される。この場合、射出成形部は、ケーブル11のためのコード抑えとしての役割を同時に果たすことができる。
【0078】
図11、12及び13を用いて、第二の実施例を提示する。この実施例は、基本的に第一の導体路1.8’、第二の導体路1.9’及びブリッジ導体路1.6’の配置構成が前述した実施例と異なる。ここに提示した第二の実施例では、特に、ブリッジ導体路1.6’が半導体部品1.1の前側と接触する。
【0079】
第二の実施例では、先ずは、半導体部品1.1がそれぞれ支持体1.3の上に固定されて、第一の実施例による接触形態と同様に電気的に接触される。第二の実施例の範囲内における、それに続く製作工程は、基本的に第一の実施例と同じである(第二の実施例にも当てはまる
図1~3も参照)。それによると、第一の表面O1の上、即ち、第一のグラウトペースト1.5、半導体部品1.1の第一の層1.11及び導電性の本体部1.4の上に、第二の絶縁層1.7、例えば、ポリイミド樹脂層が配設又は積層される(
図12を参照)。この第二の絶縁層1.7は、その後に製作されるブリッジ導体路1.6’のためのスルーホール開口部が得られるように、光化学方法を用いて構造化される。それに続いて、
図12の通り、第二の絶縁層1.7の上に、ブリッジ導体路1.6’が配設される。これらのブリッジ導体路1.6’は、最終的に半導体部品1.1毎にそれぞれ導電性の本体部1.4との電気接続部としてのブリッジ導体路1.6’が製作されるように処理又は構造化される。従って、当該のブリッジ導体路1.6’又は接点がy方向に互いに間隔を開けて配置される。これらのブリッジ導体路1.6’の上には、電気絶縁性の第二の不活性化層1.15が配設される。
【0080】
そのため、
図12に図示されている通りの配置構成が製作され、
図12は、
図11の線B-Bに沿った断面図である。この第二の実施例は、特に、ブリッジ導体路1.6’の配置構成が第一の実施例と異なる。第一の実施例では、ブリッジ導体路1.6は支持体1.3と接触する一方、第二の実施例では、ブリッジ導体路1.6’は半導体部品1.1と接触する。
【0081】
第二の導体路1.9’は、第一の導体路1.8’の作成形態と同様に製作される。それによると、第二の導体路1.9’も、第一の部分1.91’と第二の部分1.92’を有するとともに、それぞれ端子パッド1.921’を有し、その結果、端子パッド1.921’と導電性の本体部1.4の間の電気接触が構築されるようにする。更に、第二の導体路1.9’は、それぞれテストパッド1.922’を有する。これらの導体路1.8’,1.9’は、最終的に
図12による端子導体が選択的な導体路構造により作成されるように処理又は構造化される。
【0082】
第一のテストパッド1.822’と第二のテストパッド1.922’の表面は、開放されており、それに対応して電気的に接触させることが可能である。
【0083】
更に、第一の導体路1.8’又は第二の導体路1.9’と電気的に接続された第一のテストパッド1.822’と第二のテストパッド1.922’がそれぞれ作成される。
【0084】
第二の実施例でも、第一の実施例と同様に、
図11の通り、多数の光源1を有するパネルP’が作成される。
図11では、見易くするために、基本的に一つの光源1、即ち、
図11の左上に図示された光源の構成要素だけが符号を付与されている。基本的に、全ての光源1は同じ構造であり、従って、それぞれ同じ構成要素を有する。
【0085】
ここで、各第一のテストパッド1.822’及び各第二のテストパッド1.922’には、それぞれ電流を流すための一つの電極が作成されており、その結果、電流は、ブリッジ導体路1.6’を介して流れるとともに、それぞれ第一の導体路1.8’と第二の導体路1.9’を介して流れる。従って、この状態において、半導体部品1.1は光を放射する。そのようにして、特に、高い温度で光源1に電流を流す一時的な動作が実行される。この一時的な動作の終了時に、個々の半導体部品1.1の機能性が調査される。
【0086】
それに続いて、光源1が分離される。そのために、第一のグラウトペースト1.5と第一の導体路1.8’及び第二の導体路1.9’が切り離される、特に、第一の実施例と同様に、y方向とx方向に沿って延びる複数の平行なカッティングが実行される。
【0087】
その後、
図13の通り、光源1が、既に電子部品2及び電子モジュール3を装備したプレート12に接触される、或いは取り付けられる。この第二の実施例による構造形態によっても、比較的簡単に、光源1の極めて精密な位置決めを実現することができる。特に、精密に動作する位置測定装置にとって重要である、光源1の表面とプレート12の表面の間の間隔の大きさΔzを厳密に維持することができる。ここで述べたセンサーユニットの構造形態によって、第一の実施例と同様に光検出器2.1と目盛の間又は光源1と目盛の間の隙間の精密な設定を可能にする配置構成を比較的簡単で安価に実現することができる。
【0088】
本明細書において本発明の観点をただ一つの光源1の製作に基づき部分的に述べている場合でも、本発明は、一つのパネルP,P’において複数の光源を製作することを含む。
【0089】
ここで提示した二つの実施例における方法形態に代わって、先ずは複数の半導体部品1.1を比較的大きな支持体の上に固定した後、更なる製作途上において、パネルの切断により分離することもできる。同様に、比較的大きな導電性の本体部を使用して、次に、個別化工程の途上において、パネルと一緒に分離することもできる。
なお、本願は、特許請求の範囲に記載の発明に関するものであるが、他の観点として以下を含む。
1.
位置測定装置のセンサーユニット用の光源(1)を製作する方法であって、
光を放射できるように実現された少なくとも一つの半導体部品(1.1)を準備する工程と、
この半導体部品(1.1)を第一の補助支持体(4)の上に固定して、その結果、この少なくとも一つの半導体部品(1.1)の第一の側(1.11)が第一の補助支持体(4)の方を向くようにするとともに、この第一の補助支持体(4)の上への半導体部品(1.1)の固定前又は後に、導電性の本体部(1.3)が、この少なくとも一つの半導体部品(1.1)に固定されて、その結果、この少なくとも一つの半導体部品(1.1)とこの支持体(1.3)とを有する第一のコンポーネント(100)が得られるようにする工程と、
この第一の補助支持体(4)の上に導電性の本体部(1.4)を固定して、その結果、この本体部が支持体(1.3)の隣に配置されるようにする工程と、
この第一の補助支持体(4)の上に第一のグラウトペースト(1.5)を配設して、その結果、この第一のグラウトペースト(1.5)によって、この支持体(1.3)とこの導電性の本体部(1.4)が互いに相対的に固定されるようにする工程と、
第一の補助支持体(4)を取り除く工程と、
この導電性の本体部(1.4)とこの第一のコンポーネント(100)の間にブリッジ導体路(1.6;1.6’)を製作する工程と、
この第一のコンポーネント(100)と電気的に接触する第一のテストパッド(1.822;1.822’)を製作する工程と、
この導電性の本体部(1.4)と電気的に接触する第二のテストパッド(1.922;1.922’)を製作して、その結果、第一のコンポーネント(100)、第一のグラウトペースト(1.5)、ブリッジ導体路(1.6;1.6’)、第一のテストパッド(1.822;1.822’)及び第二のテストパッド(1.922;1.922’)を有するパネル(P,P’)が得られるようにする工程と、
半導体部品(1.1)が光を放射する一時的な動作を実行するために、第一のテストパッド(1.822;1.822’)及び第二のテストパッド(1.922;1.922’)を介して電流を流す工程と、
それに続いて、このパネル(P,P’)を分離して、第一のテストパッド1.822,;1.822’)及び/又は第二のテストパッド(1.922;1.922’)を少なくとも部分的に光源(1)から切り離す工程と、
を有することを特徴とする方法。
2.
前記のブリッジ導体路(1.6)が前記の支持体(1.3)と電気的に接触することを特徴とする上記1に記載の方法。
3.
前記の半導体部品(1.1)と電気的に接触するとともに、端子パッド(1.821’)を有する少なくとも一つの第一の導体路(1.8’)を製作することを特徴とする上記2に記載の方法。
4.
前記のブリッジ導体路(1.6’)が前記の少なくとも一つの半導体部品(1.1)の第一の側(1.11)と電気的に接触することを特徴とする上記1に記載の方法。
5.
前記の支持体(1.3)と電気的に接触するとともに、端子パッド(1.821)を有する少なくとも一つの第一の導体路(1.8)を製作することを特徴とする上記4に記載の方法。
6.
前記の導電性の本体部(1.4)と電気的に接触するとともに、端子パッド(1.921;1.921’)を有する少なくとも一つの第二の導体路(1.9,1.9’)を製作することを特徴とする上記1から5までのいずれか一つに記載の方法。
7.
前記の第一のグラウトペースト(1.5)の配設後に、前記の支持体(1.3)と導電性の本体部(1.4)が、半導体部品(1.1)の第一の側(1.11)に対向する表面(O2)を製作するために研磨プロセスを施されることを特徴とする上記1から6までのいずれか一つに記載の方法。
8.
前記の分離が突切りプロセスにより実施されることを特徴とする上記1から7までのいずれか一つに記載の方法。
9.
前記の第一の補助支持体(4)の上に、複数の第一のコンポーネント(100)が固定されて、その結果、半導体部品(1.1)の第一の側(1.11)がそれぞれ第一の補助支持体(4)の方を向いて配置されるようにすることを特徴とする上記1から8までのいずれか一つに記載の方法。
10.
前記の第一の補助支持体(4)の上に、複数の導電性の本体部(1.4)が、それぞれ支持体(1.3)の隣に固定されて、前記のパネル(P,P’)が複数の導電性の本体部(1.4)を有することを特徴とする上記9に記載の方法。
11.
前記の第一の導体路(1.8;1.8’)と第二の導体路(1.9;1.9’)がパネル(P,P’)の同じ側に配置されることを特徴とする上記1から10までのいずれか一つに記載の方法。
12.
センサーユニットと、このセンサーユニットに対して相対的に移動可能である、目盛(10.1)を備えた構成部分(10)とを有する位置測定装置において、
このセンサーユニットが、上記1から10までのいずれか一つに記載の方法により製作された光源(1)と、光検出器(2)とを有することを特徴とする位置測定装置。
13.
前記の光検出器(2)が光を検知する面(2.1)を有し、半導体部品(1.1)の第一の側(1.11)とこの光を検知する面(2.1)がセンサーユニットの同じ側に配置されることを特徴とする上記12に記載の位置測定装置。
14.
前記の構成部分(10)がセンサーユニットに対して相対的に回転可能であり、前記の目盛(10.1)が角度目盛として構成されることを特徴とする上記12又は13に記載の位置測定装置。
15.
前記の構成部分(10)がセンサーユニットに対して相対的に直線的にスライド可能であり、前記の目盛(10.1)が測長目盛として構成されることを特徴とする上記12又は13に記載の位置測定装置。
【符号の説明】
【0090】
1,1’ 光源
1.1 半導体部品
1.11 第一の層又は側
1.12 第二の層又は側
1.13 第一の絶縁層
1.14 第一の不活性化層
1.15 第二の不活性化層
1.2 導電性の接着剤
1.3 支持体
1.4 導電性の本体部
1.5 第一のグラウトペースト
1.6,1.6’ ブリッジ導体路
1.61 ブリッジ導体路の第一の部分
1.62 ブリッジ導体路の第二の部分
1.7 第二の絶縁層
1.8,1.8’ 第一の導体路
1.81 第一の導体路の第一の部分
1.82 第一の導体路の第二の部分
1.821,1.821’ 端子パッド
1.822,1.822’ 第一のテストパッド
1.9,1.9’ 第二の導体路
1.91 第二の導体路の第一の部分
1.92 第二の導体路の第二の部分
1.921,1.921’ 端子パッド
1.922,1.922’ 第二のテストパッド
2,2’ 電子部品
2.1 光検出器
3,3’ 電子モジュール
4 第一の補助支持体
5 第二の補助支持体
6 導電層
6.1 第三の導体路
6.2 第四の導体路
7 第二のグラウトペースト
8 第二の絶縁層
9 プレート
9.1 モジュール
9.2 ケーブル端子
9.3 別の電子部品
10 位置測定装置の構成部分
10.1 目盛
10.2 シャフト
11 ケーブル
100 第一のコンポーネント
A-A 断面線
B-B 断面線
O1,O2 表面
P,P’ パネル
R 回転軸
x,y,z 方向
x1,x2 x方向のカッティング
y1~y12 y方向のカッティング
Δz 間隔の大きさ