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特許7328848ダイボンディング装置および半導体装置の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-08
(45)【発行日】2023-08-17
(54)【発明の名称】ダイボンディング装置および半導体装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/52 20060101AFI20230809BHJP
【FI】
H01L21/52 F
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2019171820
(22)【出願日】2019-09-20
(65)【公開番号】P2021048375
(43)【公開日】2021-03-25
【審査請求日】2022-07-29
(73)【特許権者】
【識別番号】515085901
【氏名又は名称】ファスフォードテクノロジ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】山上 孝
【審査官】小池 英敏
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-246793(JP,A)
【文献】特開2003-142882(JP,A)
【文献】特開2012-038755(JP,A)
【文献】特開2019-160948(JP,A)
【文献】特開2008-210824(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/52
H05K 13/02
H01L 21/677
H01L 21/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を搬送する第一搬送レーンと、
前記第一搬送レーンに対して上下方向に所定距離を隔てて設けられ、基板を搬送する第二搬送レーンと、
前記第一搬送レーン側に設けられ、基板にダイを載置する第一ボンディング部と、
前記第一ボンディング部よりも下流の前記第一搬送レーン側に設けられ、基板にダイを載置する第二ボンディング部と、
前記第一ボンディング部の上流に設けられ、基板を前記第一搬送レーンと前記第二搬送レーンとの間を行き来させる第一エレベータ部と、
前記第一ボンディング部と前記第二ボンディング部との間に設けられ、基板を前記第一搬送レーンと前記第二搬送レーンとの間を行き来させる第二エレベータ部と、
を備え、
前記第一搬送レーンおよび前記第二搬送レーンはそれぞれ複数に分割され、
前記第一エレベータ部および前記第二エレベータ部のそれぞれは、
分割された前記第一搬送レーン間を基板が搬送される第一スロットと、
分割された前記第一搬送レーン間および分割された前記第二搬送レーン間を基板が搬送される第二スロットと、
を備えるダイボンディング装置。
【請求項2】
請求項のダイボンディング装置において、さらに、
基板を把持し前記第一搬送レーンに沿って移動する搬送爪と、
基板を把持し前記第二搬送レーンに沿って移動する搬送爪と、
基板を把持し前記第一スロットに沿って移動する搬送爪と、
基板を把持し前記第二スロットに沿って移動する搬送爪と、
を備えるダイボンディング装置。
【請求項3】
請求項のダイボンディング装置において、
前記第一搬送レーン、前記第二搬送レーン、前記第一スロットおよび前記第二スロットのそれぞれは、基板を両側から挟み込む二本のレールで構成され、
前記レールは基板の長手方向の端部が挿入される溝を有するダイボンディング装置。
【請求項4】
請求項のダイボンディング装置において、
前記第一エレベータ部および前記第二エレベータ部のそれぞれは、さらに、前記第一スロットと前記第二スロットとの間に第三スロットを備えるダイボンディング装置。
【請求項5】
請求項1のダイボンディング装置において、
前記第二搬送レーンは前記第一搬送レーンの下方に位置するダイボンディング装置。
【請求項6】
基板を搬送する第一搬送レーンと、
前記第一搬送レーンに対して上下方向に所定距離を隔てて設けられ、基板を搬送する第二搬送レーンと、
前記第一搬送レーン側に設けられ、基板にダイを載置する第一ボンディング部と、
前記第一ボンディング部よりも下流の前記第一搬送レーン側に設けられ、基板にダイを載置する第二ボンディング部と、
前記第一ボンディング部の上流に設けられ、基板を前記第一搬送レーンと前記第二搬送レーンとの間を行き来させる第一エレベータ部と、
前記第一ボンディング部と前記第二ボンディング部との間に設けられ、基板を前記第一搬送レーンと前記第二搬送レーンとの間を行き来させる第二エレベータ部と、
前記第一ボンディング部の上流側に設けられ、基板を前記第一搬送レーンと前記第二搬送レーンとの間を行き来させる第三エレベータ部と、
前記第三エレベータ部の上流側に設けられ、前記第一搬送レーンおよび前記第二搬送レーンに基板を供給する基板供給部と、
前記第二ボンディング部の下流側に設けられ、基板を前記第一搬送レーンと前記第二搬送レーンとの間を行き来させる第四エレベータ部と、
前記第四エレベータ部の下流側に設けられ、前記第一搬送レーンおよび前記第二搬送レーンから基板を受け取る基板搬出部と、
を備えるダイボンディング装置。
【請求項7】
請求項のダイボンディング装置において、さらに、
前記第一エレベータ部と前記第三エレベータ部との間の前記第一搬送レーンに設けられ、基板を処理する第一基板処理部と、
前記第一エレベータ部と前記第三エレベータ部との間の前記第二搬送レーンに設けられ、基板を処理する第二基板処理部と、
を備えるダイボンディング装置。
【請求項8】
基板を搬送する第一搬送レーンと、
前記第一搬送レーンに対して上下方向に所定距離を隔てて設けられ、基板を搬送する第二搬送レーンと、
前記第一搬送レーン側に設けられ、基板にダイを載置する第一ボンディング部と、
前記第一ボンディング部よりも下流の前記第一搬送レーン側に設けられ、基板にダイを載置する第二ボンディング部と、
前記第一ボンディング部の上流に設けられ、基板を前記第一搬送レーンと前記第二搬送レーンとの間を行き来させる第一エレベータ部と、
前記第一ボンディング部と前記第二ボンディング部との間に設けられ、基板を前記第一搬送レーンと前記第二搬送レーンとの間を行き来させる第二エレベータ部と、
前記第一搬送レーン、前記第二搬送レーン、前記第一エレベータ部および前記第二エレベータ部を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記第一エレベータ部の上流側の前記第一搬送レーンに位置する第一基板を前記第一エレベータ部および前記第一ボンディング部をスルーして前記第二ボンディング部に搬送し、前記第二ボンディング部は前記第一基板にダイを載置し、
前記第一エレベータ部の上流側の前記第二搬送レーンに位置する第二基板を前記第一エレベータ部に搬送し、前記第一エレベータ部により前記第二基板を前記第一搬送レーンに配置し、前記第一ボンディング部に搬送し、前記第一ボンディング部は前記第一基板にダイを載置し、ダイが載置された前記第二基板を前記第二エレベータ部に搬送し、前記第二エレベータ部により前記第二基板を前記第二搬送レーンに配置するダイボンディング装置。
【請求項9】
請求項1からの何れか一つのダイボンディング装置において、
さらに、前記第一搬送レーン、前記第二搬送レーン、前記第一エレベータ部および前記第二エレベータ部を制御する制御部を備え、
前記制御部は、
前記第一エレベータ部の上流側の前記第一搬送レーンに位置する第一基板を前記第一エレベータ部および前記第一ボンディング部をスルーして前記第二ボンディング部に搬送し、前記第二ボンディング部は前記第一基板にダイを載置し、
前記第一エレベータ部の上流側の前記第二搬送レーンに位置する第二基板を前記第一エレベータ部に搬送し、前記第一エレベータ部により前記第二基板を前記第一搬送レーンに配置し、前記第一ボンディング部に搬送し、前記第一ボンディング部は前記第一基板にダイを載置し、ダイが載置された前記第二基板を前記第二エレベータ部に搬送し、前記第二エレベータ部により前記第二基板を前記第二搬送レーンに配置するダイボンディング装置。
【請求項10】
基板を搬送する第一搬送レーンと、
前記第一搬送レーンに対して上下方向に所定距離を隔てて設けられ、基板を搬送する第二搬送レーンと、
前記第一搬送レーン側に設けられ、基板にダイを載置する第一ボンディング部と、
前記第一ボンディング部よりも下流の前記第一搬送レーン側に設けられ、基板にダイを載置する第二ボンディング部と、
前記第一ボンディング部の上流に設けられ、基板を前記第一搬送レーンと前記第二搬送レーンとの間を行き来させる第一エレベータ部と、
前記第一ボンディング部と前記第二ボンディング部との間に設けられ、基板を前記第一搬送レーンと前記第二搬送レーンとの間を行き来させる第二エレベータ部と、
前記第一エレベータ部の上流側の前記第一搬送レーンに設けられ、基板を処理する第一基板処理部と、
前記第一エレベータ部の上流側の前記第二搬送レーンに設けられ、基板を処理する第二基板処理部と、
を備えるダイボンディング装置。
【請求項11】
請求項1からの何れか一つのダイボンディング装置において、さらに、
前記第一エレベータ部の上流側の前記第一搬送レーンに設けられ、基板を処理する第一基板処理部と、
前記第一エレベータ部の上流側の前記第二搬送レーンに設けられ、基板を処理する第二基板処理部と、
を備えるダイボンディング装置。
【請求項12】
請求項11のダイボンディング装置において、さらに、
前記第一基板処理部および前記第二基板処理部の上流側に設けられ、基板を前記第一搬送レーンと前記第二搬送レーンとの間を行き来させる第三エレベータ部と、
前記第三エレベータ部の上流側に設けられ、前記第一搬送レーンに基板を供給する基板供給部と、
前記第一搬送レーン、前記第二搬送レーン、前記第一エレベータ部、前記第二エレベータ部および前記第三エレベータ部を制御する制御部と、
を備えるダイボンディング装置。
【請求項13】
請求項12のダイボンディング装置において、
前記制御部は、
前記基板供給部に収納されている第一基板を前記第三エレベータ部をスルーして前記第一基板処理部に搬送し、前記第一基板処理部により前記第一基板を処理し、
前記基板供給部に収納されている第二基板を前記第三エレベータ部により前記第二搬送レーンに配置し、前記第二基板を前記第二基板処理部に搬送し、前記第二基板処理部により前記第二基板を処理するダイボンディング装置。
【請求項14】
基板を搬送する第一搬送レーンと、
前記第一搬送レーンに対して上下方向に所定距離を隔てて設けられ、基板を搬送する第二搬送レーンと、
前記第一搬送レーン側に設けられ、基板にダイを載置する第一ボンディング部と、
前記第一ボンディング部よりも下流の前記第一搬送レーン側に設けられ、基板にダイを載置する第二ボンディング部と、
前記第一ボンディング部の上流に設けられ、基板を前記第一搬送レーンと前記第二搬送レーンとの間を行き来させる第一エレベータ部と、
前記第一ボンディング部と前記第二ボンディング部との間に設けられ、基板を前記第一搬送レーンと前記第二搬送レーンとの間を行き来させる第二エレベータ部と、
前記第一搬送レーン、前記第二搬送レーン、前記第一エレベータ部および前記第二エレベータ部を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記第一エレベータ部の上流側の前記第一搬送レーンに位置する第一基板を前記第一エレベータ部をスルーして前記第一ボンディング部に搬送し、前記第一ボンディング部は前記第一基板にダイを載置し、
ダイが載置された前記第一基板を前記第二エレベータ部に搬送し、前記第二エレベータ部により前記第一基板を前記第二搬送レーンに配置し、前記第一エレベータ部の上流側に搬送するダイボンディング装置。
【請求項15】
請求項1からの何れか一つのダイボンディング装置において、
さらに、前記第一搬送レーン、前記第二搬送レーン、前記第一エレベータ部および前記第二エレベータ部を制御する制御部を備え、
前記制御部は、
前記第一エレベータ部の上流側の前記第一搬送レーンに位置する第一基板を前記第一エレベータ部をスルーして前記第一ボンディング部に搬送し、前記第一ボンディング部は前記第一基板にダイを載置し、
ダイが載置された前記第一基板を前記第二エレベータ部に搬送し、前記第二エレベータ部により前記第一基板を前記第二搬送レーンに配置し、前記第一エレベータ部の上流側搬送するダイボンディング装置。
【請求項16】
基板を搬送する第一搬送レーンと、
前記第一搬送レーンに対して上下方向に所定距離を隔てて設けられ、基板を搬送する第二搬送レーンと、
前記第一搬送レーン側に設けられ、基板にダイを載置する第一ボンディング部と、
前記第一ボンディング部よりも下流の前記第一搬送レーン側に設けられ、基板にダイを載置する第二ボンディング部と、
前記第一ボンディング部の上流に設けられ、基板を前記第一搬送レーンと前記第二搬送レーンとの間を行き来させる第一エレベータ部と、
前記第一ボンディング部と前記第二ボンディング部との間に設けられ、基板を前記第一搬送レーンと前記第二搬送レーンとの間を行き来させる第二エレベータ部と、
前記第一搬送レーン、前記第二搬送レーン、前記第一エレベータ部および前記第二エレベータ部を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記第一エレベータ部の上流側の前記第一搬送レーンに位置する第一分類基板を前記第一エレベータ部および前記第一ボンディング部をスルーして前記第二ボンディング部に搬送し、前記第二ボンディング部は前記第一分類基板にダイを載置し、ダイが載置された前記第一分類基板を下流側に搬送し、
前記第一エレベータ部の上流側の前記第一搬送レーンに位置する第二分類基板を前記第一エレベータ部をスルーして前記第一ボンディング部に搬送し、前記第一ボンディング部は前記第二分類基板にダイを載置し、ダイが載置された前記第二分類基板を前記第二エレベータ部に搬送し、前記第二エレベータ部により前記第二分類基板を前記第二搬送レーンに配置し、前記第一エレベータ部の上流側に搬送するダイボンディング装置。
【請求項17】
請求項1からの何れか一つのダイボンディング装置において、
さらに、前記第一搬送レーン、前記第二搬送レーン、前記第一エレベータ部および前記第二エレベータ部を制御する制御部を備え、
前記制御部は、
前記第一エレベータ部の上流側の前記第一搬送レーンに位置する第一分類基板を前記第一エレベータ部および前記第一ボンディング部をスルーして前記第二ボンディング部に搬送し、前記第二ボンディング部は前記第一分類基板にダイを載置し、ダイが載置された前記第一分類基板を下流側に搬送し、
前記第一エレベータ部の上流側の前記第一搬送レーンに位置する第二分類基板を前記第一エレベータ部をスルーして前記第一ボンディング部に搬送し、前記第一ボンディング部は前記第二分類基板にダイを載置し、ダイが載置された前記第二分類基板を前記第二エレベータ部に搬送し、前記第二エレベータ部により前記第二分類基板を前記第二搬送レーンに配置し、前記第一エレベータ部の上流側に搬送するダイボンディング装置。
【請求項18】
基板を搬送する第一搬送レーンと、前記第一搬送レーンに対して上下方向に所定距離を隔てて設けられ、基板を搬送する第二搬送レーンと、前記第一搬送レーン側に設けられ、基板にダイを載置する第一ボンディング部と、前記第一ボンディング部よりも下流の前記第一搬送レーン側に設けられ、基板にダイを載置する第二ボンディング部と、前記第一ボンディング部の上流に設けられ、基板を前記第一搬送レーンと前記第二搬送レーンとの間を行き来させる第一エレベータ部と、前記第一ボンディング部と前記第二ボンディング部との間に設けられ、基板を前記第一搬送レーンと前記第二搬送レーンとの間を行き来させる第二エレベータ部と、を備えるダイボンディング装置に第一基板および第二基板を搬入する搬入工程と、
前記第一エレベータ部の上流側の前記第一搬送レーンに位置する第一基板を前記第一エレベータ部および前記第一ボンディング部をスルーして前記第二ボンディング部に搬送し、前記第二ボンディング部は前記第一基板にダイを載置する第一載置工程と、
記第一エレベータ部の上流側の前記第二搬送レーンに位置する第二基板を前記第一エレベータ部に搬送し、前記第一エレベータ部により前記第二基板を前記第一搬送レーンに配置し、前記第一ボンディング部に搬送し、前記第一ボンディング部は前記第一基板にダイを載置し、ダイが載置された前記第二基板を前記第二エレベータ部に搬送し、前記第二エレベータ部により前記第二基板を前記第二搬送レーンに配置する第二載置工程と、
を備える半導体装置の製造方法。
【請求項19】
基板を搬送する第一搬送レーンと、前記第一搬送レーンに対して上下方向に所定距離を隔てて設けられ、基板を搬送する第二搬送レーンと、前記第一搬送レーン側に設けられ、基板にダイを載置する第一ボンディング部と、前記第一ボンディング部よりも下流の前記第一搬送レーン側に設けられ、基板にダイを載置する第二ボンディング部と、前記第一ボンディング部の上流に設けられ、基板を前記第一搬送レーンと前記第二搬送レーンとの間を行き来させる第一エレベータ部と、前記第一ボンディング部と前記第二ボンディング部との間に設けられ、基板を前記第一搬送レーンと前記第二搬送レーンとの間を行き来させる第二エレベータ部と、前記第一エレベータ部の上流側の前記第一搬送レーンに設けられ、基板を処理する第一基板処理部と、前記第一エレベータ部の上流側の前記第二搬送レーンに設けられ、基板を処理する第二基板処理部と、前記第一基板処理部および前記第二基板処理部の上流側に設けられ、基板を前記第一搬送レーンと前記第二搬送レーンとの間を行き来させる第三エレベータ部と、を備えるダイボンディング装置に第一基板および第二基板を搬入する搬入工程と、
前記第一基板にダイをボンディングする第一載置工程と、
前記第二基板にダイをボンディングする第二載置工程と、
前記第一載置工程の前に前記第一基板を処理する第一処理工程と、
前記第二載置工程の前に前記第二基板を処理する第二処理工程と、
備え、
前記第一処理工程は、
基板供給部に収納されている第一基板を前記第三エレベータ部をスルーして前記第一基板処理部に搬送し、前記第一基板処理部により前記第一基板を処理し、
前記第二処理工程は、
前記基板供給部に収納されている第二基板を前記第三エレベータ部により前記第二搬送レーンに配置し、前記第二基板を前記第二基板処理部に搬送し、前記第二基板処理部により前記第二基板を処理する半導体装置の製造方法。
【請求項20】
請求項19の半導体装置の製造方法において、
前記第一載置工程は、
前記第一エレベータ部の上流側の前記第一搬送レーンに位置する前記第一基板を前記第一エレベータ部および前記第一ボンディング部をスルーして前記第二ボンディング部に搬送し、前記第二ボンディング部は前記第一基板にダイを載置し、
前記第二載置工程は、
前記第一エレベータ部の上流側の前記第二搬送レーンに位置する前記第二基板を前記第一エレベータ部に搬送し、前記第一エレベータ部により前記第二基板を前記第一搬送レーンに配置し、前記第一ボンディング部に搬送し、前記第一ボンディング部は前記第基板にダイを載置し、ダイが載置された前記第二基板を前記第二エレベータ部に搬送し、前記第二エレベータ部により前記第二基板を前記第二搬送レーンに配置する半導体装置の製造方法。
【請求項21】
基板を搬送する第一搬送レーンと、前記第一搬送レーンに対して上下方向に所定距離を隔てて設けられ、基板を搬送する第二搬送レーンと、前記第一搬送レーン側に設けられ、基板にダイを載置する第一ボンディング部と、前記第一ボンディング部よりも下流の前記第一搬送レーン側に設けられ、基板にダイを載置する第二ボンディング部と、前記第一ボンディング部の上流に設けられ、基板を前記第一搬送レーンと前記第二搬送レーンとの間を行き来させる第一エレベータ部と、前記第一ボンディング部と前記第二ボンディング部との間に設けられ、基板を前記第一搬送レーンと前記第二搬送レーンとの間を行き来させる第二エレベータ部と、を備えるダイボンディング装置に第一基板および第二基板を搬入する搬入工程と、
前記第一基板にダイをボンディングする第一載置工程と、
前記第二基板にダイをボンディングする第二載置工程と、
を備え、
前記第一載置工程は、
前記第一エレベータ部の上流側の前記第一搬送レーンに位置する第一基板を前記第一エレベータ部をスルーして前記第一ボンディング部に搬送し、前記第一ボンディング部は前記第一基板にダイを載置し、
ダイが載置された前記第一基板を前記第二エレベータ部に搬送し、前記第二エレベータ部により前記第一基板を前記第二搬送レーンに配置し、前記第一エレベータ部の上流側の搬送する半導体装置の製造方法。
【請求項22】
基板を搬送する第一搬送レーンと、前記第一搬送レーンに対して上下方向に所定距離を隔てて設けられ、基板を搬送する第二搬送レーンと、前記第一搬送レーン側に設けられ、基板にダイを載置する第一ボンディング部と、前記第一ボンディング部よりも下流の前記第一搬送レーン側に設けられ、基板にダイを載置する第二ボンディング部と、前記第一ボンディング部の上流に設けられ、基板を前記第一搬送レーンと前記第二搬送レーンとの間を行き来させる第一エレベータ部と、前記第一ボンディング部と前記第二ボンディング部との間に設けられ、基板を前記第一搬送レーンと前記第二搬送レーンとの間を行き来させる第二エレベータ部と、を備えるダイボンディング装置に第一基板および第二基板を搬入する搬入工程と、
前記第一エレベータ部の上流側の前記第一搬送レーンに位置する第一分類基板を前記第一エレベータ部および前記第一ボンディング部をスルーして前記第二ボンディング部に搬送し、前記第二ボンディング部は前記第一分類基板にダイを載置し、ダイが載置された前記第一基板を下流側に搬送する第一載置工程と、
記第一エレベータ部の上流側の前記第一搬送レーンに位置する第二分類基板を前記第一エレベータ部をスルーして前記第一ボンディング部に搬送し、前記第一ボンディング部は前記第二分類基板にダイを載置し、ダイが載置された前記第二分類基板を前記第二エレベータ部に搬送し、前記第二エレベータ部により前記第二分類基板を前記第二搬送レーンに配置し、前記第一エレベータ部の上流側に搬送する第二載置工程と、
を備える半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示はダイボンディング装置に関し、例えば複数の搬送レーンを有するダイボンダに適用可能である。
【背景技術】
【0002】
半導体チップ(以下、ダイという。)を配線基板やリードフレームなどの基板に搭載してパッケージを組み立てる工程の一部に、半導体ウエハ(以下、単にウエハという)からダイを分割する工程と、分割したダイを基板上にボンディングする工程とがある。ボンディングする工程に用いる半導体製造装置がダイボンディング装置等のダイボンダである。ダイボンダには、生産性の向上のため、基板を搬送する搬送レーンと基板にダイをボンディングするボンディングヘッドをそれぞれ複数有するものがある(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-65711号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のように平面上(奥行き方向)に複数の搬送レーンが配置された装置では設置面積(フットプリント)が大きくなる。
本開示の課題は設置面積を低減することが可能な技術を提供することにある。
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば下記の通りである。
すなわち、ダイボンディング装置は、基板を搬送する第一搬送レーンと、前記第一搬送レーンに対して上下方向に所定距離を隔てて設けられ、基板を搬送する第二搬送レーンと、前記第一搬送レーンの位置に設けられ、基板にダイを載置する第一ボンディング部と、前記第一ボンディング部の下流側に設けられ、基板にダイを載置する第二ボンディング部と、前記第一ボンディング部の上流に設けられ、基板を前記第一搬送レーンと前記第二搬送レーンとの間を行き来させる第一エレベータ部と、前記第一ボンディング部と前記第二ボンディング部との間に設けられ、基板を前記第一搬送レーンと前記第二搬送レーンとの間を行き来させる第二エレベータ部と、を備える。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、ダイボンディング装置の設置面積を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】比較例におけるダイボンダを説明する上面図
図2】実施例におけるダイボンダを説明する上面図
図3図2のダイボンダを説明する側面図
図4図1および図2のダイ供給部の主要部を示す概略断面図
図5図2のエレベータ部の構成を説明する図
図6図2のエレベータ部への基板搬送を説明する図
図7図2のダイボンダの第一動作例を説明するためのダイボンダの概略側面図
図8図2のダイボンダの第一動作例を説明するためのダイボンダの概略側面図
図9図2のダイボンダの第一動作例を説明するためのダイボンダの概略側面図
図10図2のダイボンダの第一動作例を説明するためのダイボンダの概略側面図
図11図2のダイボンダの第一動作例を説明するためのダイボンダの概略側面図
図12図2のダイボンダの第一動作例を説明するためのダイボンダの概略側面図
図13図2のダイボンダの第二動作例を説明するためのダイボンダの概略側面図
図14図2のダイボンダの第二動作例を説明するためのダイボンダの概略側面図
図15図2のダイボンダの第二動作例を説明するためのダイボンダの概略側面図
図16図2のダイボンダの第二動作例を説明するためのダイボンダの概略側面図
図17図2のダイボンダの第三動作例を説明するためのダイボンダの概略側面図
図18図2のダイボンダの第三動作例を説明するためのダイボンダの概略側面図
図19図2のダイボンダの第四動作例を説明するためのダイボンダの概略側面図
図20図2のダイボンダの第四動作例を説明するためのダイボンダの概略側面図
図21図2のダイボンダによる半導体装置の製造方法を示すフローチャート
図22】第二変形例におけるダイボンダの概略側面図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、比較例、実施例および変形例について、図面を用いて説明する。ただし、以下の説明において、同一構成要素には同一符号を付し繰り返しの説明を省略することがある。なお、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。
【0009】
まず、本願発明者が検討した技術(比較例)について図1を用いて説明する。図1は比較例におけるダイボンダの概略上面図である。
【0010】
ダイボンダ10は、Y軸方向に配設された二つの搬送部と、X軸方向に配設された二つのボンディング部を有する。ダイボンダ10は、大別して、ダイ供給部1と、第一ピックアップ部2Aおよび第二ピックアップ部2Bと、第一中間ステージ部3Aおよび第二中間ステージ部3Bと、第一ボンディング部4Aおよび第二ボンディング部4Bと、第一搬送部5aおよび第二搬送部5bと、基板供給部6Kと、基板搬出部6Hと、基板処理部としての第一基板クリーニング部7aおよび第二基板クリーニング7bと、各部の動作を監視し制御する制御部8と、を有する。Y軸方向がダイボンダ10の前後方向であり、X軸方向が左右方向である。ダイ供給部1がダイボンダ10の手前側に配置され、第一ボンディング部4Aおよび第二ボンディング部4Bが奥側に配置される。
【0011】
ダイ供給部1は、ウェハ11を保持するウェハ保持台12とウェハ11からダイDを突き上げる点線で示す突上げユニット13とを有する。ダイ供給部1は図示しない駆動手段によってX軸方向およびY軸方向に移動し、ピックアップするダイDを突上げユニット13の位置に移動させる。
【0012】
第一ピックアップ部2Aは、突上げユニット13で突き上げられたダイDを先端に吸着保持する第一コレット22Aを有し、ダイ供給部1からダイDをピックアップし、第一中間ステージ部3Aに載置する第一ピックアップヘッド21Aと、第一ピックアップヘッド21AをX軸方向に移動させる第一X駆動部23Aと、を有する。なお、第一ピックアップヘッド21Aは、第一コレット22Aを昇降、回転及びX軸方向移動させる図示しない各駆動部を有する。
【0013】
第二ピックアップ部2Bは第一ピックアップ部2Aとウェハ認識カメラ24を通るY軸方向の仮想線に対して鏡面対象の構造をしており、第二ピックアップ部2Bの各構成要素(第二ピックアップヘッド21B、第二コレット22B,第二X駆動部23B)は第一ピックアップ部2Aの各構成要素(第一ピックアップヘッド21A、第一コレット22A、第一X駆動部23A)と同様の構成である。ウェハ11内のピックアップ対象のダイDを認識するウェハ認識カメラ24は第一ピックアップ部2Aと第二ピックアップ部2Bとで共用される。
【0014】
第一ピックアップヘッド21Aおよび第二ピックアップヘッド21Bは、ウェハ11からダイDを交互にピックアップし、X軸方向に移動して、第一ボンディングヘッド41Aおよび第二ボンディングヘッド41Bとの軌道の交点のそれぞれに設けられた第一中間ステージ31Aおよび第二中間ステージ31BにダイDを載置する。
【0015】
第一中間ステージ部3Aは、ダイDを一時的に載置する第一中間ステージ31Aと、第一中間ステージ31A上のダイDを認識する第一ステージ認識カメラ34Aと、を有する。第二中間ステージ部3Bは第一中間ステージ部3Aとウェハ認識カメラ24を通るY軸方向の仮想線に対して鏡面対象の構造をしており、第二中間ステージ部3Bの各構成要素(第二中間ステージ31B,第二ステージ認識カメラ34B)は第一中間ステージ部3Aの各構成要素(第一中間ステージ31A、第一ステージ認識カメラ34A)と同様の構成である。
【0016】
第一ボンディング部4Aは、第一ピックアップヘッド21Aと同様の構造を有し、第一中間ステージ31AからダイDをピックアップし、第一ボンディングステージBSaA、第二ボンディングステージBSbAに搬送されてくる一つ又は複数の最終1パッケージとなる製品エリア(以下、パッケージエリアPという。)をプリントした基板SのパッケージエリアPにボンディングし、又は既に基板SのパッケージエリアPの上にボンディングされたダイの上に積層する形でボンディングする第一ボンディングヘッド41Aと、第一ボンディングヘッド41Aの先端に装着されダイDを吸着保持する第一コレット42Aと、第一ボンディングヘッド41AをY軸方向に移動させる第一Y駆動部43Aと、基板SのパッケージエリアPの位置認識マーク(図示せず)を撮像し、ボンディングすべきダイDのボンディング位置を認識する第一基板認識カメラ44Aと、を有する。
【0017】
第二ボンディング部4Bは第一ボンディング部4Aとウェハ認識カメラ24を通るY軸方向の仮想線に対して鏡面対象の構造をしており、第二ボンディング部4Bの各構成要素(第二ボンディングヘッド41B、第二コレット42B、第二Y駆動部43B、第二基板認識カメラ44B、第一ボンディングステージBSaB、第二ボンディングステージBSbB)は第一ボンディング部4Aの各構成要素(第一ボンディングヘッド41A、第一コレット42A、第一Y駆動部43A、第一基板認識カメラ44A、第一ボンディングステージBSaA、第二ボンディングステージBSbA)と同様の構成である。
【0018】
このような構成によって、第一ボンディングヘッド41Aは、第一ステージ認識カメラ34Aの撮像データに基づいてピックアップ位置・姿勢を補正し、第一中間ステージ31AからダイDをピックアップし、第一基板認識カメラ44Aの撮像データに基づいて基板SのパッケージエリアPにダイDをボンディングする。第二ボンディングヘッド41Bは、第一ボンディングヘッド41Aと同様に、基板SのパッケージエリアPにダイDをボンディングする。
【0019】
第一搬送部5aは、基板Sを掴み搬送する第一基板搬送爪51aと、基板Sが移動する第一搬送レーン52aと、を有する。基板Sは、第一搬送レーン52aに設けられた第一基板搬送爪51aの図示しないナットを第一搬送レーン52aに沿って設けられた図示しないボールネジで駆動することによって移動する。第二搬送部5bは第一搬送部5aと同様の構造をしており、第二搬送部5bの各構成要素(第二基板搬送爪51b、第二搬送レーン52b)は第一搬送部5aの各構成要素(第一基板搬送爪51a、第一搬送レーン52a)と同様の構成である。第一搬送レーン52aおよび第二搬送レーン52bはY軸方向に並んで配設され、基板SをX軸方向に搬送する。
【0020】
このような構成によって、基板Sは、基板供給部6Kから第一搬送レーン52aおよび第二搬送レーン52bに沿ってボンディング位置(実装位置)まで移動し、ボンディング後、基板搬出部6Hまで移動して、基板搬出部6Hに基板Sを渡したり、基板供給部6Kまで戻り、基板供給部6Kに基板Sを渡したりする。
【0021】
上流側の基板供給部6Kは第一搬送部5aおよび第二搬送部5bに基板を供給し、下流側の基板搬出部6Hは実装された基板Sを第一搬送部5aおよび第二搬送部5bから受け取る。
【0022】
第一基板クリーニング部7aは、搬送されてくる基板Sの表面をクリーニングする第一クリーニングヘッド71aと、第一クリーニングヘッド71aをY軸方向に移動させる第一Y駆動部73aと、を有する。第二基板クリーニング部7bは第一基板クリーニング部7aと同様の構造をしており、第二基板クリーニング部7bの各構成要素(第二クリーニングヘッド71b、第二Y駆動部73b)は第一基板クリーニング部7aの各構成要素(第一クリーニングヘッド71a、第一Y駆動部73a)と同様の構成である。
【0023】
なお、第一搬送部5aには、第一基板クリーニング部7aと第一ボンディング部4Aとの間、第一ボンディング部4Aと第二ボンディング部4Bとの間、基板供給部6Kと第一基板クリーニング部7aとの間、および第二ボンディング部4Bと基板搬出部6Hとの間に、それぞれ基板Sを保持することが可能な領域としての第一バッファ領域BRa1、第二バッファ領域BRa2、第三バッファ領域BRa3および第四バッファ領域BRa4がある。また、第二搬送部5bにも、第二基板クリーニング部7bと第二ボンディング部4Bとの間、第一ボンディング部4Aと第二ボンディング部4Bとの間、基板供給部6Kと第二基板クリーニング部7bとの間、および第二ボンディング部4Bと基板搬出部6Hとの間に、それぞれ第一バッファ領域BRb1、第二バッファ領域BRb2、第三バッファ領域BRb3および第四バッファ領域BRb4がある。
【0024】
制御部8は、ダイボンダ10の上述した各部の動作を監視し制御するプログラム(ソフトウェア)を格納するメモリと、メモリに格納されたプログラムを実行する中央処理装置(CPU)と、を備える。
【0025】
次に、ダイ供給部1の構成について図4を用いて説明する。図4図1及び図2のダイ供給部の主要部を示す概略断面図である。
【0026】
ダイ供給部1は、水平方向(X軸およびY軸方向)に移動するウェハ保持台12と、上下方向(Z軸方向)に移動する突上げユニット13と、を備える。ウェハ保持台12は、ウェハリング14を保持するエキスパンドリング15と、ウェハリング14に保持され複数のダイDが接着されたダイシングテープ16を水平に位置決めする支持リング17と、を有する。突上げユニット13は支持リング17の内側に配置される。
【0027】
ダイ供給部1は、ダイDの突き上げ時に、ウェハリング14を保持しているエキスパンドリング15を下降させる。その結果、ウェハリング14に保持されているダイシングテープ16が引き伸ばされダイDの間隔が広がり、突上げユニット13によりダイD下方よりダイDを突き上げ、ダイDのピックアップ性を向上させている。なお、薄型化に伴いダイを基板に接着する接着剤は、液状からフィルム状となり、ウェハ11とダイシングテープ16との間にダイアタッチフィルム(DAF)18と呼ばれるフィルム状の接着材料を貼り付けている。ダイアタッチフィルム18を有するウェハ11では、ダイシングは、ウェハ11とダイアタッチフィルム18に対して行なわれる。従って、剥離工程では、ウェハ11とダイアタッチフィルム18をダイシングテープ16から剥離する。なお、以降では、ダイアタッチフィルム18の存在を無視して、説明する。
【0028】
比較例のダイボンダ10Rは第一搬送部5aおよび第二搬送部5bがY軸方向に並列に配設されているので、ダイボンダ10RのY軸方向の長さは搬送部が一つの場合よりも長くなり、設置面積(フットプリント)が大きくなる。また、ダイボンダ10Rの第一Y駆動部43Aおよび第二Y駆動部43Bの長さは搬送部が一つの場合よりも長くなり、第一ボンディングヘッド41Aおよび第二ボンディングヘッド41Bの位置精度が低下する。また、位置精度の低下を抑制するため光学カメラ認識による位置補正を実施する場合、
補正に時間を要し処理能力が低下する。
【実施例
【0029】
実施例のダイボンダについて図2および図3を用いて説明する。図2は実施例におけるダイボンダの概略上面図である。図3は、図2の矢印Aから見たダイボンダの概略側面図である。
【0030】
図3に示すように、実施例のダイボンダ10では、第一搬送部5aおよび第二搬送部5bが上下方向に所定距離隔てて配置され、第一基板クリーニング部7aおよび第二基板クリーニング部7bが第一搬送部5aおよび第二搬送部5b毎に配置され、第一ボンディング部4Aおよび第二ボンディング部4Bが第一搬送部5aに配置される。基板供給部6Kには基板Sを収容する第一基板マガジンLOaおよび第二基板マガジンLObを上下方向に配置して構成され、基板搬出部6Hは基板Sを収容する第一基板マガジンULaおよび第二基板マガジンULbを上下方向に配置して構成される。
【0031】
第一基板クリーニング部7aと第一ボンディング部4Aとの間、第一ボンディング部4Aと第二ボンディング部4Bとの間、基板供給部6Kと第一基板クリーニング部7aとの間および第二ボンディング部4Bと基板搬出部6Hとの間に、それぞれ上下の第一搬送部5aおよび第二搬送部5b間を基板Sが行き来する第一エレベータ部EL1、第二エレベータ部EL2、第三エレベータ部EL3および第四エレベータ部EL4が設けられている。言い換えると、第一エレベータ部EL1、第二エレベータ部EL2、第三エレベータ部EL3および第四エレベータ部EL4はそれぞれ比較例の第一バッファ領域BRb1、第二バッファ領域BRb2、第三バッファ領域BRb3および第四バッファ領域BRb4の位置に設けられている。各エレベータ部と各搬送レーンまたは基板供給部6Kまたは基板搬出部6Hとの間には、各エレベータ部が昇降可能な隙間がある。
【0032】
第一エレベータ部EL1は、第一基板クリーニング部7aの第一搬送レーン52aおよび第一ボンディング部4Aの第一搬送レーン52aに基板Sが搬送可能な第一スロット91aと、第二基板クリーニング部7bの第二搬送レーン52bおよび第一ボンディング部4Aの下方に位置する第二搬送レーン52bに基板Sが搬送可能な第二スロット91bと、を有する。第一エレベータ部EL1は、第二スロット91bを第一搬送レーン52aと同じ高さまで上昇させ、第一基板クリーニング部7aの第一搬送レーン52aおよび第一ボンディング部4Aの第一搬送レーン52aに基板能である。
【0033】
第二エレベータ部EL2は、第一ボンディング部4Aの第一搬送レーン52aおよび第二ボンディング部4Bの第一搬送レーン52aに基板Sが搬送可能な第一スロット91aと、第一ボンディング部4Aの下方に位置する第二搬送レーン52bおよび第二ボンディング部4Bの下方に位置する第二搬送レーン52bに基板Sが搬送可能な第二スロット91bと、を有する。第二エレベータ部EL2は、第二スロット91bを第一搬送レーン52aと同じ高さまで上昇させ、第一ボンディング部4Aの第一搬送レーン52aおよび第二ボンディング部4Bの第一搬送レーン52aに基板Sが搬送されることを可能にすることも可能である。
【0034】
第三エレベータ部EL3は、第一基板マガジンLOaのスロット61aおよび第一基板クリーニング部7aの第一搬送レーン52aに基板Sが搬送可能な第一スロット91aと、第二基板マガジンLObのスロット61bおよび第二基板クリーニング部7bの第二搬送レーン52bに基板Sが搬送可能な第二スロット91bと、を有する。第一基板マガジンLOaおよび第二基板マガジンLObはそれぞれ上下方向に複数段のスロット61a,61bを備え、複数の基板Sを収納可能である。第三エレベータ部EL3は、昇降することにより、第一スロット91aまたは第二スロット91bを介して複数段のスロット61a,61bに収納されている基板Sを第一搬送レーン52aまたは第二搬送レーン52bに搬送可能な状態にする。例えば、第三エレベータ部EL3は、第二スロット91bを第一基板マガジンLOaの最上段のスロット61aと同じ高さに上昇させ、基板Sを受け取り、第一搬送レーン52aと同じ高さまで下降させ、第一基板クリーニング部7aの第一搬送レーン52aに基板Sを搬送可能な状態にすることも可能である。
【0035】
第四エレベータ部EL4は、第二ボンディング部4Bの第一搬送レーン52aおよび第一基板マガジンULaのスロット62aに基板Sが搬送可能な第一スロット91aと、第二ボンディング部4Bの下方に位置する第二搬送レーン52bおよび第二基板マガジンULbのスロット62bに基板Sが搬送可能な第二スロット91bと、を有する。第一基板マガジンULaおよび第二基板マガジンULbはそれぞれ上下方向に複数段のスロット62a,62bを備え、複数の基板Sを収納可能である。第四エレベータ部EL4は、昇降することにより、第一スロット91aまたは第二スロット91bに格納されている基板を複数段のスロット62a,62bに搬送可能な状態にする。例えば、第二スロット91bは第一基板マガジンULaの最上段のスロット62aと同じ高さに上昇させ、基板Sをスロット62aに搬送可能な状態にすることも可能である。
【0036】
実施例のダイ供給部1、第一ピックアップ部2A、第二ピックアップ部2B、第一中間ステージ部3A、第二中間ステージ部3B、第一ボンディング部4A、第二ボンディング部4B、第一基板クリーニング部7aおよび第二基板クリーニング7b、制御部8は比較例と同様の構成である。ただし、第一ボンディング部4Aおよび第二ボンディング部4Bは第二ボンディングステージBSbA,BSbBを有さず、第一Y駆動部43Aおよび第二Y駆動部43AのY軸方向の長さが短くなっている。また、制御部8に格納される制御プログラムは異なっている。
【0037】
以下、基板Sの搬送方向に関係なく、基板供給部6Kを上流側、基板搬出部6Hを下流側という。よって、例えば、第一エレベータ部EL1は第一ボンディングヘッド41Aの上流側に位置し、第一基板クリーニング部7aは第一エレベータEL1の上流側に位置し、第三エレベータ部EL3は第一基板クリーニング部7aの上流側に位置し、基板供給部6Kは第三エレベータ部EL3の上流側に位置する。第二エレベータ部EL2は第一ボンディングヘッド41Aの下流側に位置し、第二ボンディングヘッド41Bは第二エレベータ部EL2の下流側に位置し、第四エレベータ部EL4は第二ボンディングヘッド41Bの下流側に位置し、基板搬出部6Hは第四エレベータ部EL4の下流側に位置する。
【0038】
このような構成によって、処理時間、処理ユニット(基板クリーニング部、ボンディング部)の配置に合わせて、基板Sが搬送レーン間を行き来しながら処理を行うことが可能である。これにより、装置設置面積(フットプリント)を低減するとともに、各搬送レーンに配置した処理ユニットで効率的に処理を行うことが可能である。
【0039】
次に、エレベータ部について図5および図6を用いて説明する。図5図2のエレベータ部の構成を説明する図であり、図5(a)は図2のB-B線におけるエレベータ部の断面図であり、図5(b)は図2のC-C線におけるエレベータ部の断面図である。以下、第一エレベータ部EL1について説明するが、第二エレベータ部EL2~第四エレベータ部EL4は第一エレベータ部EL1と同様な構成である。図6図2のエレベータ部への基板搬送を説明する図であり、図6(a)は基板をエレベータ部に搬送中の状態を示す図2のC-C線における断面図であり、図6(b)は基板をエレベータ部に搬送完了した状態を示す図2のC-C線における断面図である。
【0040】
図5に示すように、第一エレベータ部EL1は、エレベータカセット91と、エレベータカセット91を上下方向に移動させる昇降部92とを備える。エレベータカセット91は、第一スロット91aと、第二スロット91bと、天板91cと、昇降部92に支持される底板91dと、天板91cと底板91dと第一スロット91aと第二スロット91bとを支持するカセットサポート板91eと、を備える。
【0041】
第一スロット91aおよび第二スロット91bは、第一搬送レーン52aおよび第二搬送レーン52bと同様の構造であり、基板Sを両側から挟み込む二本のレールRLで構成され、レールRLは基板Sの長手方向(X軸方向)の端部が挿入される溝GRを有する。溝GRは二本のレールRLが対向する側に設けられる。第一スロット91aおよび第二スロット91bは、基板Sを保持することが可能であると共に第一基板搬送爪51aにより基板Sを搬送することも可能である。第一基板搬送爪51aは基板Sを把持し第一スロット91aのレールRLを挟むようにレールRLに沿って移動する。第二搬送レーン52b用の第二基板搬送爪(不図示)は基板Sを把持し第二スロット91bのレールRLを挟むようにレールRLに沿って移動する。
【0042】
カセットサポート板91eが第一スロット91aおよび第二スロット91bを固定するため、第一基板搬送爪51aは第一スロット91aおよび第二スロット91bの延在方向の全体に渡り移動することができないので、基板Sを第一スロット91aおよび第二スロット91bをスルーさせる場合は、第一基板搬送爪51aを第一スロット91aおよび第二スロット91bの両端側に配置し、基板搬送を引き継ぐようにする。
【0043】
第一エレベータ部EL1が第一状態にある場合、第一搬送レーン52aと第一スロット91aは同じ高さに位置し、第二搬送レーン52bと第二スロット91bは同じ高さに位置する。例えば、図6(a)に示すように、基板Sが第一基板搬送爪51aに把持されて第一搬送レーン52aから第一スロット91aに搬送され、図6(b)に示すように、エレベータカセット91に格納される。
【0044】
第一エレベータ部EL1が第二状態にある場合、第一搬送レーン52aと第二スロット91bは同じ高さに位置する。第一エレベータ部EL1は第一状態と第二状態との間の高さを昇降可能であり、第一状態よりも高く上昇することも可能であり、第二状態よりも低く下降することも可能である。
【0045】
なお、基板Sのサイズ(基板幅)の変更を行う場合、エレベータカセット91を基板Sのサイズに合わせて変更し、それに合わせて基板搬送爪51aの間隔を変更することで、対応することが可能である。
【0046】
次に、実施例のダイボンダのいくつかの動作例について説明する。制御部8に格納する制御プログラムによりダイボンダ10の動作が規定される。
【0047】
(第一動作例)
第一搬送レーン52aおよび第二搬送レーン52b毎に第一基板マガジンLOaおよび第二基板マガジンLObを使用する場合である第一動作例について図7図12を用いて説明する。図7図12図2のダイボンダの第一動作例を説明するためのダイボンダの概略側面図である。
【0048】
最初、図7に示すように、第一基板マガジンLOaのスロット61aに第一基板Sa、第二基板マガジンLObのスロット61bに第二基板Sbが収納されている。説明を簡単にするため、第一基板マガジンLOaおよび第二基板マガジンLObには基板が1枚のみ収納されているとする。
【0049】
ここで、制御部8は、第三エレベータ部EL3を第一状態(初期状態)に配置し、すなわち、第一スロット91aをスロット61aおよび第一搬送レーン52aと同じ高さ(第一スロット91aをスロット61aと第一搬送レーン52aとの間を第一基板Saが搬送可能な高さ)にし、第二スロット91bをスロット61bおよび第二搬送レーン52bと同じ高さ(第二スロット91bをスロット61bと第二搬送レーン52bとの間を第二基板Sbが搬送可能な高さ)にする。制御部8は、第一エレベータ部EL1、第二エレベータ部EL2および第四エレベータ部EL4も第三エレベータ部EL3と同様に第一状態に配置する。
【0050】
次に、図8に示すように、制御部8は、第三エレベータ部EL3を通過(スルー)させて第一基板マガジンLOaに収納されている第一基板Saおよび第二基板マガジンLObに収納されている第二基板Sbをそれぞれ第一搬送レーン52aおよび第二搬送レーン52bにより第一基板クリーニング部7aおよび第二基板クリーニング部7bに搬送して処理を行う。
【0051】
その後、図9に示すように、制御部8は、第一搬送レーン52aに位置する第一基板Saをそのまま第一エレベータ部EL1、第一ボンディング部4Aおよび第二エレベータ部EL2をスルーさせて第二ボンディング部4Bに搬送し、ダイDのボンディングを実施する。第一基板Saの第一エレベータ部EL1のスルー後、第二搬送レーン52bに位置する第二基板Sbは第一エレベータ部EL1まで搬送される。
【0052】
その後、図10に示すように、制御部8は、第一エレベータ部EL1の第二スロット91bを第一搬送レーン52aの高さまで上昇させて第二状態にして、第二基板Sbを第一ボンディング部4Aに搬送し、ダイDのボンディングを実施する。その際、制御部8は、第二エレベータ部EL2を第二状態にしている。すなわち、第二エレベータ部EL2の第二スロット91bを第一搬送レーン52aの高さまで上昇させている。なお、第二エレベータ部EL2を図10よりも前(図7図9)に第二状態にしてもよい。
【0053】
第二ボンディング部4Bのボンディングが終了すると、図11に示すように、制御部8は、第四エレベータ部EL4をスルーさせて第一基板Saを第一基板マガジンULaのスロット62aに収納する。
【0054】
第一ボンディング部4Aのボンディングが終了すると、図12に示すように、制御部8は、第二エレベータ部EL2を第二状態にして第二基板Sbを第二搬送レーン52bの高さに戻して第四エレベータ部EL4をスルーして第二基板マガジンULbのスロット62bに収納する。
【0055】
これにより、ボンディングヘッドが大きくボンディング部を上下に設置することにより高さ方向が増大する場合に、高さ方向が増大しないようにボンディング部を水平方向に縦列に配置した場合でも効率よくパラレル処理を行うことができる。
【0056】
なお、第一基板マガジンLOaおよび第二基板マガジンLObにそれぞれ基板が1枚のみ格納する場合は、第三エレベータEL3および第四エレベータEL4はなくてもよい。
【0057】
(第二動作例)
同一基板マガジン(例えば第一基板マガジンLOa)で高速処理を行う第二動作例について図13~16を用いて説明する。図13から図16図2のダイボンダの第二動作例を説明するためのダイボンダの概略側面図である。
【0058】
最初、図13に示すように、第一基板マガジンLOaのスロット61aに第一基板Saおよび第二基板Sbが収納されている。説明を簡単にするため、第一基板マガジンLOaには基板が2枚のみ収納されているとする。ここで、制御部8は、第一エレベータEL1、第二エレベータEL2、第三エレベータEL3および第四エレベータEL4を第一状態にしている。
【0059】
次に、図14に示すように、制御部8は、第一基板マガジンLOaの第一基板Saを第三エレベータ部EL3をスルーさせて第一搬送レーン52aにより第一基板クリーニング部7aに搬送して処理を行う。
【0060】
次に、図15に示すように、制御部8は、第三エレベータ部EL3の第二スロット91bを第一基板マガジンLOaの下から二段目のスロット61aと同じ高さ(第二スロット91bとスロット61aとの間を第二基板Sbが搬送可能な高さ)にし、第一基板マガジンLOaの第二基板Sbを第三エレベータ部EL3に搬送する。
【0061】
次に、図16に示すように、制御部8は、第三エレベータ部EL3を第一状態に配置し、第二基板Sbを第三エレベータ部EL3から第二基板クリーニング部7bの第二搬送レーン52bに搬送して処理を行う。
【0062】
制御部8は、第一基板Saおよび第二基板Sbを第三エレベータ部EL3にて第一搬送レーン52aおよび第二搬送レーン52bに振り分けた後、第一動作例と同様にダイボンダ10を動作させ基板を処理する。
【0063】
(第三動作例)
第一基板マガジンLOaを基板供給部とし、第二基板マガジンLObを基板搬出部とする第三動作例について図17および図18を用いて説明する。図17および図18図2のダイボンダの第二動作例を説明するためのダイボンダの概略側面図である。説明を簡単にするため、第一基板マガジンLOaには基板が4枚格納されているとする。ここで、制御部8は、第一エレベータEL1、第二エレベータEL2、第三エレベータEL3および第四エレベータEL4を第一状態にしている。
【0064】
図17に示すように、制御部8は、第一基板Sa1を第一基板マガジンLOaから第三エレベータ部EL3をスルーして第一基板クリーニング部7aに搬送し、第一基板クリーニング部7aで処理した後、第一エレベータ部EL1をスルーして第一ボンディング部4Aに搬送して処理し、第二エレベータ部EL2に搬送する。この際、第二エレベータ部EL2は上昇して第二状態にある。また、制御部8は、第二基板Sa2を第一基板マガジンLOaから第三エレベータ部EL3をスルーして第一基板クリーニング部7aに搬送し、第一基板クリーニング部7aで処理した後、第一エレベータ部EL1をスルーして第一ボンディング部4Aに搬送して処理する。また、制御部8は、第三基板Sa3を第一基板マガジンLOaから第三エレベータ部EL3をスルーして第一基板クリーニング部7aに搬送し、第一基板クリーニング部7aで処理する。
【0065】
次に、図18に示すように、制御部8は、第二エレベータ部EL2を第二状態にする。第一基板Sa1を第二エレベータ部EL2から第二搬送レーン52b、第一エレベータ部EL1、第二基板クリーニング部7bおよび第三エレベータ部EL3をスルーして第二基板マガジンLObに搬送する。これにより、搬送経路に第一ボンディング部4Aがないので、ボンディング処理を中断して搬送レーンを空ける必要がない。また、基板Sを装置の上流側の基板供給部6Kに戻すことにより、基板マガジンの工程間自動搬送を各種ロボット搬送システムで行う場合、装置の一方側の基板供給部6Kで受け渡しを行った方が搬送ロボットの移動が少なく効率的に行うことができる。また、基板Sを装置の下流側の基板搬出部6Hから供給し、戻すことも可能である。
【0066】
第三動作例では、処理済みの基板を第二エレベータ部EL2により第二搬送レーン52bを介して第二基板マガジンLObに収納する例を説明したが、処理済みの基板を第四エレベータ部EL4により第二搬送レーン52bを介して第二基板マガジンLObに収納するようにしてもよい。
【0067】
(第四動作例)
特許文献1に記載されるように、ピックアップするウェハ上のダイには電気的特性により複数のグレードに弁別され、制御装置のメモリ上に記憶され、複数のグレードを有するダイを複数の基板にグレードごとに実装するグレード処理がある。グレード処理を行う第四動作例について図19および図20を用いて説明する。図19および図20図2のダイボンダの第四動作例を説明するためのダイボンダの概略側面図である。説明を簡単にするため、第一基板マガジンLOaには基板が5枚格納されているとする。ここで、制御部8は、第一エレベータEL1、第二エレベータEL2、第三エレベータEL3および第四エレベータEL4を第一状態にしている。
【0068】
第四動作例では、二つにグレードのダイを有するウェハ11から第一分類のダイDまたは第二分類のダイDをピックアップし、第一分類の第一基板Sa1~第四基板Sa4に第一分類のダイDをボンディングし、第二分類の第一基板Sb1に第二分類のダイDをボンディングする。
【0069】
すなわち、第一ピックアップヘッド21Aは第一分類のダイDをウェハ11からピックアップして第一中間ステージ31Aに載置し、第一ボンディングヘッド41Aは第一中間ステージ31Aに載置された第一分類のダイDをピックアップして第一分類の第一基板Sa1~第四基板Sa4に載置する。第二ピックアップヘッド21Bは第二分類のダイDをウェハ11からピックアップして第二中間ステージ31Bに載置し、第二ボンディングヘッド41Bは第二中間ステージ31Bに載置された第二分類のダイDをピックアップして第二分類の第一基板Sb1に載置する。
【0070】
その際、第一分類の第一基板Sa1~第四基板Sa4を図19の実線で示す矢印のように基板供給部6Kから第一ボンディング部4Aに供給し、図20の実線で示す矢印のように第一ボンディング部4Aから基板供給部6Kに戻し搬出する。第二分類の第一基板Sb1を図19の実線で示す矢印のように基板供給部6Kから第二ボンディング部4Bに供給し、図20の破線で示す矢印のように第二ボンディング部4Bから基板搬出部6Hに搬出する。
【0071】
なお、一般的に、グレードの高い良品は最も数が多く、グレードが落ちるに従ってその数は急激に落ちる。ここで、第一分類ダイのDの方が第二分類のダイDよりグレードが高く、その数も多い。例えば、第一分類のダイDは90%程度に対して、第二分類のダイDは10%程度である。
【0072】
図19に示すように、制御部8は、第二分類の第一基板Sb1を第一基板マガジンLOaから第三エレベータ部EL3をスルーして第一基板クリーニング部7aに搬送し、第一基板クリーニング部7aで処理した後、第一エレベータ部EL1、第一ボンディング部4Aおよび第二エレベータ部EL2をスルーして第二ボンディング部4Bに搬送して処理する。
【0073】
制御部8は、第一分類の第一基板Sa1を第一基板マガジンLOaから第三エレベータ部EL3をスルーして第一基板クリーニング部7aに搬送し、第一基板クリーニング部7aで処理した後、第一エレベータ部EL1をスルーして第一ボンディング部4Aに搬送して処理し、第二エレベータ部EL2に搬送する。ここで、第二エレベータ部EL2は第二状態にある。また、制御部8は、第一分類の第二基板Sa2を第一基板マガジンLOaから第三エレベータ部EL3をスルーして第一基板クリーニング部7aに搬送し、第一基板クリーニング部7aで処理した後、第一エレベータ部EL1をスルーして第一ボンディング部4Aに搬送して処理する。また、制御部8は、第一分類の第三基板Sa3を第一基板マガジンLOaから第三エレベータ部EL3をスルーして第一基板クリーニング部7aに搬送し、第一基板クリーニング部7aで処理する。
【0074】
次に、図20に示すように、制御部8は、第二エレベータ部EL2を第一状態にし、第一分類の第一基板Sa1を第二エレベータ部EL2から第二搬送レーン52b、第一エレベータ部EL1、第二基板クリーニング部7bおよび第三エレベータ部EL3を介して基板供給部6Kの第二基板マガジンLObに搬送する。制御部8は、第二分類の第一基板Sb1を第四エレベータ部EL4をスルーして基板搬出部6Hの第一基板マガジンULaに搬送する。
【0075】
いくつかの動作例を説明したが、場合に応じて第一ボンディング部4Aおよび第二ボンディング部4Bを第一エレベータ部EL1、第二エレベータ部EL2、第三エレベータ部EL3および第四エレベータ部EL4を用いて、上述した動作例以外の動作により自由に使い分けてもよい。これにより、基板マガジンの選択や処理の自由度も向上することが可能になる。
【0076】
次に、実施例におけるダイボンダを用いた半導体装置の製造方法について図21を用いて説明する。図21図2のダイボンダによる半導体装置の製造方法を示すフローチャートである。ここでは、上述した第一動作例について説明する。
【0077】
(ステップS11:ウェハ・基板搬入工程)
ウェハ11から分割されたダイDが貼付されたダイシングテープ16を保持したウェハリング14をウェハカセット(不図示)に格納し、ダイボンダ10に搬入する。制御部8はウェハリング14が充填されたウェハカセットからウェハリング14をダイ供給部1に供給する。また、基板Sを準備し、ダイボンダ10の基板供給部6Kに搬入する。制御部8は基板供給部6Kの第一基板マガジンLOaおよび第二基板マガジンLObで基板Sを第一搬送基板搬送爪51aまたは第二搬送基板搬送爪51bに取り付ける。
【0078】
(ステップS12:ピックアップ工程)
制御部8は上述したようにダイDを剥離し、第一ピックアップヘッド21Aまたは第二ピックアップヘッド21Bにより剥離したダイDをウェハ11からピックアップする。このようにして、ダイアタッチフィルム18と共にダイシングテープ16から剥離されたダイDは、第一コレット22Aまたは第二コレット22Bに吸着、保持されて、第一中間ステージ31Aまたは第二中間ステージ31Bに搬送されて載置される。そして、ダイDを第一中間ステージ31Aまたは第二中間ステージ31Bに搬送した第一ピックアップヘッド21Aまたは第二ピックアップヘッド21Bをダイ供給部1に戻す。上記した手順に従って、次のダイDがダイシングテープ16から剥離され、以後同様の手順に従ってダイシングテープ16から1個ずつダイDが剥離される。
【0079】
(ステップS13:ボンディング工程)
上述したように、制御部8は、基板供給部6Kから基板Sを第一基板クリーニング部7aおよび第一ボンディング部4Aを介して第二ボンディング部4Bに搬送する。また、制御部8は、基板供給部6Kから基板Sを第二基板クリーニング部7bを介して第一ボンディング部4Aに搬送する。制御部8は、第一基板クリーニング部7aおよび第二基板クリーニング7bにより基板Sをクリーニングする。制御部8は、さらに、第一中間ステージ31Aまたは第二中間ステージ31Bから第一ボンディングヘッド41Aまたは第二ボンディングヘッド41BによりピックアップしたダイDを基板S上に搭載又は既にボンディングしたダイの上に積層する。
【0080】
(ステップS14:基板搬出工程)
上述したように、制御部8はダイDがボンディングされた基板Sを基板搬出部6Hの第一基板マガジンULaおよび第二基板マガジンULbに格納する。ダイボンダ10の基板搬出部6Hから基板Sを搬出する。
【0081】
上述したように、ダイDは、ダイアタッチフィルム18を介して基板S上に実装され、ダイボンダから搬出される。その後、ワイヤボンディング工程でAuワイヤを介して基板Sの電極と電気的に接続される。続いて、ダイDが実装された基板Sがダイボンダに搬入されて基板S上に実装されたダイDの上にダイアタッチフィルム18を介して第二段目のダイDが積層され、ダイボンダから搬出された後、ワイヤボンディング工程でAuワイヤを介して基板Sの電極と電気的に接続される。第二段目のダイDは、前述した方法でダイシングテープ16から剥離された後、ダイボンディング工程に搬送されてダイDの上に積層される。上記工程が所定回数繰り返された後、基板Sをモールド工程に搬送し、複数個のダイDとAuワイヤとをモールド樹脂(図示せず)で封止することによって、積層パッケージが完成する。
【0082】
<変形例>
以下、実施例の代表的な変形例について、幾つか例示する。以下の変形例の説明において、上述の実施例にて説明されているものと同様の構成および機能を有する部分に対しては、上述の実施例と同様の符号が用いられ得るものとする。そして、かかる部分の説明については、技術的に矛盾しない範囲内において、上述の実施例における説明が適宜援用され得るものとする。また、上述の実施例の一部、および、複数の変形例の全部または一部が、技術的に矛盾しない範囲内において、適宜、複合的に適用され得る。
【0083】
(第一変形例)
第一変形例のダイボンダについて図22を用いて説明する。図22は第一変形例におけるダイボンダの概略側面図である。
【0084】
第一変形例では、エレベータ部には複数(設置レーン超)の基板を収納する複数のスロットを設け、処理前基板を複数保持するバッファ機能および処理基板をスルーするスロットポジション(スルー機能)を設ける。例えば、図22では、六個のスロットを設ける例を示している。第一変形例のエレベータ部は、スロットの数が多い点を除き、実施例のエレベータ部と同様な構造である。また、第一変形例のダイボンダ10Aは、エレベータ部以外は実施例と同様な構成である。ダイボンダ10Aは実施例の第一動作例~第四動作例で動作可能である。
【0085】
例えば、図22に示すように、第一エレベータ部EL1や第二エレベータEL2は四個のスロットに基板を保持し、すなわち、六個のスロットの全てに基板を保持せず、基板がスルーできるスロットが二個残されている。
【0086】
エレベータ部のバッファ機能やスルー機能により各処理ユニットの処理能力を生かした処理を実施することが可能になる。例えば、基板搬出部6Hの基板マガジンの自動交換を行っている時も、一時的に本エレベータ部のスロットに収納することにより処理を継続することができる。なお、スロット数は六個に限定されるものではなく、基板マガジン収納枚数に合わせて可能な限り複数の段数を用いてもよい。
【0087】
(第二変形例)
下段の第二搬送レーン52bや第二スロット91bに関しては、上段の第一搬送レーン52aや第二スロット91bからの異物を遮蔽する仕切り板を設け、クリーンエア等供給部を設けてもよい。これにより、下段の第二搬送レーン52bや第二スロット91bのクリーン度を保つことができる。また、基板クリーニング部は仕切り板とクリーンエア等供給部で構成してもよい。
【0088】
以上、本発明者によってなされた発明を比較例、実施例および変形例に基づき具体的に説明したが、本発明は、上記比較例、実施例および変形例に限定されるものではなく、種々変更可能であることはいうまでもない。
【0089】
例えば、実施例では、第一ボンディング部および第二ボンディング部を上側の搬送レーンの位置に配置した例を説明したが、下側の搬送レーンの位置に配置してもよい。この場合、下側の搬送レーンを第一搬送レーンといい、上側の搬送レーンを第二搬送レーンという。
【0090】
また、実施例では、第一ボンディング部および第二ボンディング部を上側の搬送レーンの位置に配置した例を説明したが、例えば、第一ボンディング部を上側の搬送レーンの位置に配置し、第二ボンディング部を下側の搬送レーンの位置に配置してもよい。さらに、第一ボンディング部の真下に第二ボンディング部を配置してもよい。この場合、設置面積はさらに低減することができる。
【0091】
また、実施例では、基板処理部として基板クリーニング部を例に説明したが、基板処理部は基板にペースト状接着剤を塗布するプリフォーム部であってもよい。
【0092】
また、実施例ではウェハの裏面にDAFが貼付されているが、DAFはなくてもよい。
【0093】
また、実施例では、ピックアップ部、中間ステージ部およびボンディング部はそれぞれ二組ある例を説明したが、ピックアップ部、中間ステージ部およびボンディング部がそれぞれ一つであってもよい。
【0094】
また、実施例では中間ステージを備えているが、中間ステージがなくてもよい。この場合、ピックアップヘッドとボンディングヘッドは兼用してもよい。
【0095】
また、実施例ではダイの表面を上にしてボンディングされるが、ダイをピックアップ後ダイの表裏を反転させて、ダイの裏面を上にしてボンディングしてもよい。この場合、中間ステージは設けなくてもよい。この装置はフリップチップボンダという。
【0096】
また、実施例では、ダイ供給部からダイをピックアップヘッドでピックアップして中間ステージに載置し、中間ステージに載置されたダイをボンディングヘッドで基板にボンディングするダイボンダについて説明したが、これに限定されるものではなく、ダイ供給部からダイをピックアップする半導体製造装置に適用可能である。例えば、中間ステージとピックアップヘッドがなく、ダイ供給部のダイをボンディングヘッドで基板にボンディングするダイボンダにも適用可能である。
【符号の説明】
【0097】
4A・・・第一ボンディング部
4B・・・第二ボンディング部
52a・・・第一搬送レーン
52b・・・第二搬送レーン
EL1・・・第一エレベータ部
EL2・・・第二エレベータ部
D・・・ダイ
S・・・基板
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